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JP2016141630A - 口腔内崩壊錠 - Google Patents

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JP2016141630A
JP2016141630A JP2015017073A JP2015017073A JP2016141630A JP 2016141630 A JP2016141630 A JP 2016141630A JP 2015017073 A JP2015017073 A JP 2015017073A JP 2015017073 A JP2015017073 A JP 2015017073A JP 2016141630 A JP2016141630 A JP 2016141630A
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Shou Toyonaga
翔 豊永
駿馬 中野
Shumma NAKANO
駿馬 中野
康太郎 岡田
Kotaro Okada
康太郎 岡田
森 久容
Hisayasu Mori
久容 森
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Abstract

【課題】オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減することが可能な口腔内崩壊錠の提供。
【解決手段】オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核を中心に有し、原薬含有核側から順に、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層、並びにアミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む水不溶性ポリマー層を有する細粒と、細粒に対して外側の賦形成分と、を含む口腔内崩壊錠。
【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内崩壊錠に関する。
医薬品に用いる薬物には不快な臭い又は苦味を呈するものがある。例えば、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イル)メチル基(以下、「メドキソミル基」という。)を有するオルメサルタンメドキソミルは、不快な臭い及び苦味を呈する薬物として知られている。
一方、高齢の患者、嚥下困難な患者、水分の摂取を制限されている患者等の服薬コンプライアンス向上のため、より服用しやすい製剤として、水なしでも服用できる口腔内崩壊錠の開発が進められている。口腔内崩壊錠は、服用後速やかに口腔内で崩壊する経口製剤であるため、不快な臭い又は苦味を呈する薬物を口腔内崩壊錠の剤形とする場合には、薬物に由来する臭い又は苦味を低減する技術が重要になる。
従来、薬物に由来する臭いを低減する技術として、糖衣又はフィルムコーティングを利用する技術、臭いの原因物質を吸着する成分を利用する技術等の種々の技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、処方中にオルメサルタンメドキソミルを含有し、フィルム層中にポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される化合物の1種又は2種以上を含有するフィルムコーティング製剤が開示されている。
特許文献2には、処方中にオルメサルタンメドキソミルを含有し、コーティング中にポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される化合物の1種又は2種以上を含有する医薬組成物が開示されている。
特許文献3には、処方中にオルメサルタンメドキソミルを含有し、フィルム層中にデキストロースを含有するフィルムコーティング製剤が開示されている。
特許文献4には、処方中にオルメサルタンメドキソミルを含有し、フィルム層中にカルボキシメチルセルロースナトリウムを含有するフィルムコーティング製剤が開示されている。
特許文献5には、メドキソミル基を有する薬物を有効成分として含有し、シクロデキストリンを添加剤として含有する医薬組成物が開示されている。
特許文献6には、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤を包装するための包装材に臭い吸着剤を配合することで、包装体から製剤を取り出すときの臭いを低減できることが開示されている。
国際公開第2009/057569号 特許第5241511号公報 特許第4979577号公報 特許第5000491号公報 国際公開第2010/018777号 特許第5241503号公報
糖衣、又は特許文献1〜4に開示されるようなフィルムコーティングの技術により、薬物に由来する臭いを低減することは可能である。しかし、特に口腔内崩壊錠のような剤形では、口腔内での崩壊性が著しく遅延することがある。
特許文献5に開示される技術では、臭いを十分に低減するには、薬物と同量以上のシクロデキストリンを配合する必要がある。しかし、口腔内崩壊錠等の固形製剤では、製剤が大きくなることにより服用性が悪化することがある。また、特許文献5に開示される技術は、薬物に由来する苦味を低減するものではない。
特許文献6に開示される技術では特殊な包装材を使用するが、口腔内崩壊錠等の経口製剤では包装体を使用せずに保管又は処方されることがあり、このような場合には臭いを抑えることができない。また、特許文献6に開示される技術は、薬物に由来する苦味を低減するものではない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減することが可能な口腔内崩壊錠を提供することを課題とする。また、本発明は、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減し、かつ、崩壊遅延を抑制することが可能な口腔内崩壊錠を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための具体的な手段には、以下の実施態様が含まれる。
<1> オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核を中心に有し、原薬含有核側から順に、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層、並びにアミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む水不溶性ポリマー層を有する細粒と、細粒に対して外側の賦形成分と、を含む口腔内崩壊錠。
<2> 細粒に対して外側に含まれる賦形成分が、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種を含む、<1>に記載の口腔内崩壊錠。
<3> マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含む、<1>又は<2>に記載の口腔内崩壊錠。
<4> 細粒に対して外側に含まれる賦形成分が、マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含む、<3>に記載の口腔内崩壊錠。
<5> 細粒が、バリア層と水不溶性ポリマー層との間に、界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種を含む溶出促進層を有する、<1>〜<4>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
<6> ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種がポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体である、<1>〜<5>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
<7> アミノ基を有しない水不溶性のポリマーがエチルセルロースである、<1>〜<6>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
<8> マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、及び水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である、<3>又は<4>に記載の口腔内崩壊錠。
<9> 界面活性剤がショ糖脂肪酸エステルである、<5>に記載の口腔内崩壊錠。
<10> 塩基性物質が合成ヒドロタルサイト及びメグルミンから選択される少なくとも1種である、<5>又は<9>に記載の口腔内崩壊錠。
<11> バリア層がヒドロキシプロピルメチルセルロースを更に含む、<1>〜<10>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
<12> 原薬含有核は、核粒子を中心に有し、核粒子の外側に、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬層を有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載の口腔内崩壊錠。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書において、組成物中の各成分の量は、各成分に該当する物質が組成物中に複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する複数の物質の合計量を意味する。
本明細書において「平均粒子径」とは、体積平均粒子径(Mv)をいい、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置(製品名:LS 13 320、ベックマンコールター社)を用いて測定される値であるが、平均粒子径の測定方法は特に限定されない。
本明細書において「層」との語は、被覆対象物の全体を被覆している構成に加え、被覆対象物の一部を被覆している構成も、本用語に含まれる。
本発明によれば、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減することが可能な口腔内崩壊錠を提供することができる。また、本発明の別の態様によれば、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減し、かつ、崩壊遅延を抑制することが可能な口腔内崩壊錠を提供することができる。
[口腔内崩壊錠]
本発明の口腔内崩壊錠は、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核を中心に有し、原薬含有核側から順に、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層、並びにアミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む水不溶性ポリマー層を有する細粒と、細粒に対して外側の賦形成分と、を含む口腔内崩壊錠である。本発明の口腔内崩壊錠は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上記の細粒及び賦形成分以外の他の成分を含有していてもよい。
オルメサルタンメドキソミルは、不快な臭い及び苦味を呈する薬物として知られている。オルメサルタンメドキソミルが不快な臭いを呈することの原因は、オルメサルタンメドキソミルが加水分解等により分解されて、不快な臭いを呈する2,3−ブタンジオン(以下、「ジアセチル」という。)が発生するためと考えられる。
したがって、オルメサルタンメドキソミルを口腔内崩壊錠の剤形とする場合には、薬物に由来する臭い又は苦味を低減することが求められている。
本発明の口腔内崩壊錠は、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核を中心に有し、原薬含有核側から順に、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層、並びにアミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む水不溶性ポリマー層を有する細粒と、細粒に対して外側の賦形成分と、を含むことにより、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減し、かつ、崩壊遅延を抑制することができる。
本発明の口腔内崩壊錠により、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減し、かつ、崩壊遅延を抑制することができる理由は、以下のように推測される。すなわち、本発明における細粒は、原薬含有核よりも外側にバリア層を有するため、このバリア層により、オルメサルタンメドキソミルの分解により生じたジアセチルの透過を抑制することができる。また、本発明における細粒は、バリア層よりも外側に水不溶性ポリマー層を有するため、この水不溶性ポリマー層により、ポリビニルアルコール又はビニルアルコール系共重合体の溶解に伴う口腔内崩壊錠の崩壊遅延を抑制することができる。また、この水不溶性ポリマー層により、オルメサルタンメドキソミルに由来する苦味を低減することができる。
なお、本発明における細粒では、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核と水不溶性ポリマー層との間にバリア層が介在している。しかし、本発明者らは、原薬含有核と水不溶性ポリマー層との間にバリア層が介在する場合であっても、水不溶性ポリマー層に含まれる水不溶性のポリマーがアミノ基を有する場合には、このポリマーによってオルメサルタンメドキソミルが分解され、不快な臭いを呈することを意外にも発見した。本発明における細粒は、水不溶性ポリマー層に含まれる水不溶性のポリマーがアミノ基を有しないため、水不溶性のポリマーによってオルメサルタンメドキソミルが分解されることを防止することができる。
以下、本発明の口腔内崩壊錠の各成分について、詳細に説明する。
≪細粒≫
本発明における細粒は、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核を中心に有し、原薬含有核側から順に、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層、並びにアミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む水不溶性ポリマー層を有する。本発明における細粒は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上記のバリア層及び水不溶性ポリマー層以外の他の層を有していてもよい。例えば、本発明における細粒は、後述する溶出促進層、オーバーコート層等の他の層を有していてもよい。また、本発明における細粒は、口腔内崩壊錠の服用後における、オルメサルタンメドキソミルの細粒からの溶出を制御する溶出制御層を更に有することが好ましい。
なお、原薬含有核を中心に有するとは、原薬含有核とバリア層等の他の層との位置関係を示す趣旨であり、原薬含有核が厳密な意味で細粒の中心に位置することを示すものではない。
バリア層、水不溶性ポリマー層等の各層は、被覆対象物の表面の少なくとも一部を被覆している状態であればよい。例えば、バリア層が原薬含有核を被覆している場合、原薬含有核の表面の少なくとも一部がバリア層によって被覆されていればよい。バリア層、水不溶性ポリマー層等の各層は、被覆対象物の表面の1/4以上を被覆していることが好ましく、被覆対象物の表面の1/2以上を被覆していることがより好ましく、被覆対象物の表面の全体を被覆していることが更に好ましい。
<原薬含有核>
本発明における原薬含有核は、オルメサルタンメドキソミルを含む。
オルメサルタンメドキソミルは、合成品であってもよく、市販品であってもよい。例えば、オルメサルタンメドキソミルは、特許第2082519号公報に記載される方法に従って製造することができる。
オルメサルタンメドキソミルは、通常、粒状物の形態を有する。オルメサルタンメドキソミルの平均粒子径は、例えば、20μm以下であることが好ましい。オルメサルタンメドキソミルの平均粒子径を20μm以下とすることにより、原薬含有核の表面が平滑化され、バリア層等の他の層を形成しやすくなる。オルメサルタンメドキソミルの平均粒子径は、10μm以下であることがより好ましい。また、オルメサルタンメドキソミルの平均粒子径は、1μm以上であることが好ましい。
オルメサルタンメドキソミルの含有量は、例えば、原薬含有核100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましい。また、オルメサルタンメドキソミルの含有量は、原薬含有核100質量部に対して、75質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
本発明における原薬含有核は、オルメサルタンメドキソミル以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
例えば、本発明における原薬含有核は、結合剤、滑沢剤、及び賦形剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。結合剤、滑沢剤、及び賦形剤から選ばれる成分は、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
結合剤は、原薬含有核の成形性の向上に寄与し得る成分である。
結合剤としては、結合剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の結合剤を用いることができる。例えば、結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ゼラチン、アルファー化デンプン、プルラン等が挙げられる。結合剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
原薬含有核が結合剤を含む場合、結合剤の含有量は、原薬含有核100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。また、結合剤の含有量は、原薬含有核100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。
滑沢剤は、原薬含有核の製造性の向上に寄与し得る成分である。
滑沢剤としては、滑沢剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の滑沢剤を用いることができる。例えば、滑沢剤としては、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
原薬含有核が滑沢剤を含む場合、滑沢剤の含有量は、原薬含有核100質量部に対して、1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。また、滑沢剤の含有量は、原薬含有核100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、8質量部以下であることが更に好ましい。
賦形剤は、原薬含有核の成形性の向上に寄与し得る成分である。
賦形剤としては、賦形剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の賦形剤を用いることができる。賦形剤は、有機賦形剤であってもよく、無機賦形剤であってもよい。賦形剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機賦形剤としては、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、乳糖、精製白糖、結晶セルロース、エチルセルロース等が挙げられる。これらの有機賦形剤の中でも、水溶性である、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、乳糖、及び精製白糖が好ましく、マンニトールがより好ましい。
無機賦形剤としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、無水リン酸カルシウム等が挙げられる。
原薬含有核が賦形剤を含む場合、賦形剤の含有量は、原薬含有核100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましい。また、賦形剤の含有量は、原薬含有核100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明における原薬含有核は、崩壊剤を含んでいてもよい。崩壊剤は、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
崩壊剤は、原薬含有核の崩壊性の促進に寄与し得る成分である。
崩壊剤としては、崩壊剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の崩壊剤を用いることができる。例えば、崩壊剤としては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチなどが挙げられる。崩壊剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、本発明における原薬含有核は、乳化剤、界面活性剤、他の有効成分等を含んでいてもよい。他の有効成分としては、高血圧治療薬、糖尿病治療薬、高脂血症治療薬、高尿酸血症治療薬等が挙げられる。高血圧治療薬としては、カルシウム拮抗薬、利尿薬等が挙げられる。カルシウム拮抗薬としては、アムロジピン、ニフェジピン、ニカルジピン、ベニジピン、バルニジピン、ニトレンジピン、ニソルジピン、アゼルニジピン、マニジピン、エフォニジピン、シルニジピン、アラニジピン、フェロジピン、ニモジピン、クレビジピン、ラシジピン、レルカニジピン等が挙げられる。利尿薬としては、フロセミド、トラセミド、アゾセミド、ピレタニド、ヒドロクロロサイアザイド、トリクロルメチアジド、インダパミド、クロルタリドン、トリアムテレン、スピロノラクトン、カンレノ酸カリウム、エプレレノン、 アセタゾラミド、カルペリチド、トルバプタン等が挙げられる。乳化剤、界面活性剤等の成分の種類及び含有量は、目的に応じて、適宜設定することができる。乳化剤、界面活性剤等の成分は、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
本発明における原薬含有核の平均粒子径は、例えば、500μm以下であることが好ましい。原薬含有核の平均粒子径を500μm以下とすることにより、口腔内で口腔内崩壊錠が崩壊した際、口腔内でのざらつきをより低減することができる。原薬含有核の平均粒子径は、350μm以下であることがより好ましい。また、原薬含有核の平均粒子径は、100μm以上であることが好ましく、150μm以上であることがより好ましい。
また、本発明における原薬含有核は、球形度が高いことが好ましい。球形度が高い原薬含有核を用いることにより、バリア層、非水溶性ポリマー層等の層で被覆する際の均一性を高めることができる。原薬含有核の球形度は、例えば、0.7以上であることが好ましい。
なお、本明細書における球形度は、10個の粒子を顕微鏡観察し、ソフトウェア(Image J、アメリカ国立衛生研究所)を用いて、各粒子の2次元画像について、{4π×(粒子の輪郭形状で囲まれる面積)/(粒子の輪郭形状の周長の2乗)}を計算し、10個の平均値で示したものであるが、球形度の算出方法は特に限定されない。真球の場合、球形度は1.0となる。
本発明における原薬含有核は、オルメサルタンメドキソミルを含む造粒物であれば、特に制限されない。例えば、オルメサルタンメドキソミルと、必要に応じて、結合剤、滑沢剤、賦形剤等の他の成分と、が混合された造粒物であってもよい。また、原薬含有核は、核粒子を中心に有し、核粒子の外側に、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬層を有する多層構造の造粒物であってもよい。原薬含有核が多層構造の造粒物である場合、原薬含有核は、核粒子と原薬層との間にアンダーコート層を有していてもよい。
なお、核粒子を中心に有するとは、核粒子と原薬層等の他の層との位置関係を示す趣旨であり、核粒子が厳密な意味で原薬含有核の中心に位置することを示すものではない。
以下、原薬含有核が多層構造の造粒物である場合について、更に説明する。
(核粒子)
本発明における核粒子は、原薬含有核の核となる粒子である。核粒子を構成する成分は、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されない。例えば、核粒子としては、賦形剤として説明した成分を用いることができる。
核粒子としては、賦形剤として説明した成分の原末そのものを用いてもよく、原末の造粒物を用いてもよく、市販品を用いてもよい。
市販の核粒子としては、例えば、フローライト(商品名、ケイ酸カルシウム、エーザイフード・ケミカル(株))、ノンパレル(登録商標)−105(商品名、乳糖・結晶セルロース、フロイント産業(株))、ノンパレル(登録商標)−108(商品名、D−マンニトール、フロイント産業(株))、セルフィア(登録商標、結晶セルロース、旭化成ケミカルズ(株))等が挙げられる。これらの中でも、市販の核粒子としては、ノンパレル(登録商標)−108(商品名、D−マンニトール、フロイント産業(株))及びセルフィア(登録商標、結晶セルロース、旭化成ケミカルズ(株))から選ばれる少なくとも1種が好ましく、ノンパレル(登録商標)−108(商品名、D−マンニトール、フロイント産業(株))がより好ましい。
核粒子の平均粒子径は、例えば、50μm〜350μmであることが好ましく、100μm〜300μmであることがより好ましい。核粒子の平均粒子径を上記の範囲内とすることにより、口腔内崩壊錠の口触りが良くなり、また、球形度の高い原薬含有核を得やすくなる。
また、本発明における核粒子は、球形度が高いことが好ましい。球形度が高い核粒子を用いることにより、原薬層等の層で被覆する際の均一性を高めることができる。核粒子の球形度は、例えば、0.8以上であることが好ましい。
(原薬層)
本発明における原薬層は、オルメサルタンメドキソミルを含む。
本発明における原薬層は、上記の結合剤、滑沢剤、賦形剤、崩壊剤、乳化剤、界面活性剤、他の有効成分等を更に含んでいてもよい。これらの成分の種類及び含有量は、目的に応じて、適宜設定することができる。
(アンダーコート層)
本発明における原薬含有核は、核粒子と原薬層との間にアンダーコート層を有していてもよい。原薬含有核がアンダーコート層を有することにより、核粒子の破損をより抑制することができる。アンダーコート層を構成する成分としては、例えば、上記の結合剤及び滑沢剤を用いることができる。
本発明における細粒に占める原薬含有核の割合は、例えば、細粒の質量に対して、40質量%〜95質量%であることが好ましく、45質量%〜90質量%であることがより好ましい。
<バリア層>
本発明におけるバリア層は、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含む。
ビニルアルコール系共重合体としては、共重合成分としてポリビニルアルコールを含み、薬理学的に許容し得る共重合体であれば、特に制限されない。ビニルアルコール系共重合体は、ランダム共重合体であってもよく、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。オルメサルタンメドキソミルに由来する臭いをより低減する観点から、ビニルアルコール系共重合体におけるポリビニルアルコールの含有率は、60質量%〜90質量%であることが好ましい。
ビニルアルコール系共重合体としては、ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフト共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体の共重合比率は、例えば、ポリビニルアルコールの含有率が60質量%〜90質量%、アクリル酸の含有率が0.5質量%〜12質量%、メタクリル酸メチルの含有率が7質量%〜38質量%であることが好ましい。
また、ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフト共重合体の共重合比率は、例えば、ポリビニルアルコールの含有率が60質量%〜90質量%、ポリエチレングリコールの含有率が10質量%〜40質量%であることが好ましい。
ポリビニルアルコール又はビニルアルコール系共重合体としては、市販品を用いることもできる。
ポリビニルアルコールの市販品としては、例えば、ゴーセノール(登録商標、日本合成化学(株))、J−ポバール(商品名、日本酢ビ・ポバール(株))、デンカポバール(登録商標、電気化学工業(株))、クラレポバール(商品名、(株)クラレ)等が挙げられる。
ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体の市販品としては、例えば、POVACOAT(登録商標、大同化成工業(株))が挙げられる。POVACOAT(登録商標)におけるポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体の共重合比率は、ポリビニルアルコールの含有率が80.0質量%、アクリル酸の含有率が2.5質量%、メタクリル酸メチルの含有率が17.5質量%である。
ポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフト共重合体の市販品としては、例えば、コリコート(登録商標)IR(商品名、BASF社)が挙げられる。コリコート(登録商標)IRにおけるポリビニルアルコール/ポリエチレングリコールグラフト共重合体の共重合比率は、ポリビニルアルコールの含有率が75質量%、ポリエチレングリコールの含有率が25質量%である。
ポリビニルアルコール又はビニルアルコール系共重合体の中でも、バリア層の形成の容易性の観点から、ビニルアルコール系共重合体が好ましく、ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体がより好ましい。
ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種の含有量は、例えば、バリア層100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましい。ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種の含有量をバリア層100質量部に対して10質量部以上とすることにより、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭いをより低減することができる。ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種の含有量は、バリア層100質量部に対して、15質量部以上であることがより好ましい。また、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種の含有量は、バリア層100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
本発明におけるバリア層は、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
例えば、本発明におけるバリア層は、滑沢剤、可塑剤、及び結合剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
滑沢剤としては、原薬含有核の項において説明した成分を用いることができる。滑沢剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア層が滑沢剤を含む場合、滑沢剤の含有量は、バリア層100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましい。また、滑沢剤の含有量は、バリア層100質量部に対して、70質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
可塑剤としては、可塑剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の可塑剤を用いることができる。例えば、可塑剤としては、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。可塑剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
バリア層が可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、バリア層100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、可塑剤の含有量は、バリア層100質量部に対して、30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがより好ましい。
結合剤としては、原薬含有核の項において説明した成分を用いることができる。結合剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明におけるバリア層は、結合剤の中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むことが好ましい。バリア層がヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むことにより、口腔内崩壊錠の服用後における、オルメサルタンメドキソミルの細粒からの溶出を促進することができる。
バリア層が結合剤を含む場合、結合剤の含有量は、バリア層100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、結合剤の含有量は、バリア層100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明におけるバリア層は、賦形剤、崩壊剤、流動化剤、乳化剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。賦形剤、崩壊剤等の成分の種類及び含有量は、目的に応じて、適宜設定することができる。
本発明における細粒に占めるバリア層の割合は、例えば、細粒の質量に対して、2質量%〜30質量%であることが好ましく、4質量%〜25質量%であることがより好ましい。
<水不溶性ポリマー層>
本発明における水不溶性ポリマー層は、アミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む。本明細書において「水不溶性のポリマー」とは、20℃の水への溶解度が10g/L未満であるポリマーを意味する。
アミノ基を有しない水不溶性のポリマーとしては、水不溶性セルロースエーテル、水不溶性アクリル酸共重合体等が挙げられる。水不溶性セルロースエーテルとしては、エチルセルロース等が挙げられる。水不溶性アクリル酸共重合体としては、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。アミノ基を有しない水不溶性のポリマーとしては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
アミノ基を有しない水不溶性のポリマーとしては、市販品を用いることもできる。
水不溶性セルロースエーテルの市販品としては、エチルセルロース水分散液(商品名:アクアコート(登録商標)ECD、FMC社)等が挙げられる。
水不溶性アクリル酸共重合体の市販品としては、アクリル酸エチル/メタクリル酸メチル共重合体分散液(商品名:オイドラギット(登録商標)NE30D、エボニック社)等が挙げられる。
アミノ基を有しない水不溶性のポリマーの中でも、ガラス転移点が高く、付着性の低いエチルセルロースが好ましい。
アミノ基を有しない水不溶性のポリマーの含有量は、例えば、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましい。アミノ基を有しない水不溶性のポリマーの含有量を水不溶性ポリマー層100質量部に対して20質量部以上とすることにより、ポリビニルアルコール又はビニルアルコール系共重合体の溶解に伴う口腔内崩壊錠の崩壊遅延をより抑制し、また、オルメサルタンメドキソミルに由来する苦味をより低減することができる。アミノ基を有しない水不溶性のポリマーの含有量は、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、30質量部以上であることがより好ましい。また、アミノ基を有しない水不溶性のポリマーの含有量は、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、90質量部以下であることが好ましく、85質量部以下であることがより好ましい。
本発明における水不溶性ポリマー層は、アミノ基を有しない水不溶性のポリマー以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他の成分を含んでいてもよい。
例えば、本発明における水不溶性ポリマー層は、可塑剤及び滑沢剤から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
可塑剤としては、バリア層の項において説明した成分を用いることができる。可塑剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水不溶性ポリマー層が可塑剤を含む場合、可塑剤の含有量は、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、10質量部以上であることが好ましく、15質量部以上であることがより好ましい。また、可塑剤の含有量は、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、35質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましい。
滑沢剤としては、原薬含有核の項において説明した成分を用いることができる。滑沢剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
水不溶性ポリマー層が滑沢剤を含む場合、滑沢剤の含有量は、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、25質量部以上であることがより好ましい。また、滑沢剤の含有量は、水不溶性ポリマー層100質量部に対して、40質量部以下であることが好ましく、35質量部以下であることがより好ましい。
また、本発明における水不溶性ポリマー層は、結合剤、賦形剤、崩壊剤、流動化剤、乳化剤、界面活性剤等を含んでいてもよい。結合剤、賦形剤等の成分の種類及び含有量は、目的に応じて、適宜設定することができる。
本発明における細粒に占める水不溶性ポリマー層の割合は、例えば、細粒の質量に対して、0.5質量%〜20質量%であることが好ましく、1質量%〜15質量%であることがより好ましい。
<溶出促進層>
本発明における細粒は、バリア層と水不溶性ポリマー層との間に、界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種を含む溶出促進層を有していてもよい。細粒が溶出促進層を有することにより、口腔内崩壊錠の服用後における、オルメサルタンメドキソミルの細粒からの溶出を促進することができる。
界面活性剤としては、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の界面活性剤を用いることができる。例えば、界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム等の陰イオン界面活性剤、塩化ベンザルコニウム等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の中でも、ショ糖脂肪酸エステルが好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖モノ脂肪酸エステル、ショ糖ジ脂肪酸エステル、ショ糖トリ脂肪酸エステル等が挙げられ、ショ糖モノ脂肪酸エステル、ショ糖ジ脂肪酸エステル、ショ糖トリ脂肪酸エステル等から選択される少なくとも1種であってもよく、2種以上の混合物であってもよい。
ショ糖脂肪酸エステルが、ショ糖モノ脂肪酸エステル、ショ糖ジ脂肪酸エステル、ショ糖トリ脂肪酸エステル等から選択される2種以上の混合物である場合、ショ糖モノ脂肪酸エステルの含有量は、混合物全量に対して20質量%以上が好ましく、40質量%以上がより好ましく、50質量%以上が更に好ましい。
ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の炭素数は12以上であることが好ましく、12〜20であることがより好ましい。ショ糖脂肪酸エステルとしては、ショ糖ジオレイン酸エステル、ショ糖ジステアリン酸エステル、ショ糖ジパルミチン酸エステル、ショ糖ジミリスチン酸エステル、ショ糖ジラウリン酸エステル、ショ糖モノオレイン酸エステル、ショ糖モノステアリン酸エステル、ショ糖モノパルミチン酸エステル、ショ糖モノミリスチン酸エステル、ショ糖モノラウリン酸エステル等が挙げられる。
塩基性物質としては、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の塩基性物質を用いることができる。塩基性物質は、無機の塩基性物質でもよく、有機の塩基性物質でもよい。塩基性物質としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機の塩基性物質としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム等の金属酸化物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三マグネシウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム等の金属リン酸塩、リン酸一水素ナトリウム、リン酸一水素カリウム等の金属リン酸水素塩、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、合成ケイ酸アルミニウム、合成ケイ酸マグネシウムナトリウム、タルク等の金属ケイ酸塩、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等の複合ケイ酸−アルミニウム化合物、合成ヒドロタルサイト等の複合アルミニウム−マグネシウム化合物、水酸化アンモニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、リン酸一水素アンモニウム等の無機アンモニウム塩などが挙げられる。
有機の塩基性物質としては、有機酸の金属塩、有機アミン、塩基性アミノ酸等が挙げられる。
有機酸の金属塩としては、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、リンゴ酸等の有機酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
有機アミンとしては、メグルミン、モノエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギニン、フェニルアラニン、チロシン、ヒスチジン、プロリン、オキシプロリン、オルニチン、ヒドロキシリジン、これらの誘導体等が挙げられる。
塩基性物質の中でも、合成ヒドロタルサイト及びメグルミンから選択される少なくとも1種が好ましい。
界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種の含有量は、例えば、溶出促進層100質量部に対して、2質量部以上であることが好ましい。界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種の含有量を溶出促進層100質量部に対して2質量部以上とすることにより、口腔内崩壊錠の服用後における、オルメサルタンメドキソミルの細粒からの溶出をより促進することができる。界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種の含有量は、溶出促進層100質量部に対して、4質量部以上であることがより好ましい。また、界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種の含有量は、溶出促進層100質量部に対して、60質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましい。
また、界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種の含有量は、オルメサルタンメドキソミルに対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、2質量%〜30質量%であることがより好ましい。
本発明における細粒が溶出促進層を有する場合、細粒に占める溶出促進層の割合は、特に制限されない。
<オーバーコート層>
本発明における細粒は、水不溶性ポリマー層よりも外側の層(例えば、最外層)として、オーバーコート層を有していてもよい。細粒がオーバーコート層を有することにより、細粒同士の付着又は凝集をより抑制することができる。オーバーコート層を構成する成分としては、例えば、マンニトールを用いることができる。
<細粒の平均粒子径>
本発明における細粒の平均粒子径は、例えば、100μm〜1000μmであることが好ましく、100μm〜750μmであることがより好ましく、150μm〜500μmであることが更に好ましい。細粒の平均粒子径を上記の範囲内とすることにより、口腔内で口腔内崩壊錠が崩壊した際、口腔内でのざらつきをより低減することができるため、服用感の低下を避けることができる。
<細粒の含有比率>
本発明の口腔内崩壊錠中の細粒の含有比率は、例えば、口腔内崩壊錠の全質量に対して10質量%〜50質量%であることが好ましく、20質量%〜40質量%であることがより好ましい。
<細粒の製造方法>
本発明における細粒は、原薬含有核にバリア層、水不溶性ポリマー層等を順次被覆することで得ることができる。
原薬含有核は、一般的な造粒方法によって得ることができる。造粒方法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法、スプレードライ等の方法が挙げられる。
原薬含有核が、核粒子を中心に有し、核粒子の外側に、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬層を有する多層構造の造粒物である場合、例えば、原薬層を構成する成分を水等の溶媒に溶解した原薬層用スプレー液を調製し、このスプレー液を核粒子に噴霧した後、噴霧されたスプレー液に含まれる溶媒を蒸発させることで、原薬含有核を得ることができる。
原薬含有核が、核粒子と原薬層との間にアンダーコート層を有する場合には、原薬層用スプレー液を噴霧する前に、アンダーコート用スプレー液を噴霧すればよい。
ここで、オルメサルタンメドキソミルの分解をより抑制する観点からは、原薬層用スプレー液は、オルメサルタンメドキソミルを含有しないことが好ましい。例えば、核粒子とオルメサルタンメドキソミルとを流動させた状態で、結合剤、滑沢剤等の成分を水等の溶媒に溶解した原薬層用スプレー液を噴霧し、噴霧されたスプレー液に含まれる溶媒を蒸発させることで、原薬含有核を得ることができる。
また、原薬含有核の製造時及び製造後におけるオルメサルタンメドキソミルの保存安定性を高める観点からは、核粒子へのオルメサルタンメドキソミルの添加と、原薬層用スプレー液の噴霧とを数段階に分けて行うことが好ましい。
原薬含有核の製造に用いられる造粒機としては、例えば、転動流動層造粒機、噴流流動層造粒機、機械撹拌複合型流動層造粒機等の流動層造粒機が挙げられる。流動層造粒機としては、転動流動層造粒機(製品名:FD−MP−01、パウレック(株))、フローコーター(製品名:FL−1、フロイント産業(株))等が挙げられる。
核粒子上に噴霧した原薬層用スプレー液に含まれる溶媒を除去する方法としては、上記の流動層造粒機を用いる方法以外に、乾燥のみを独立に行う方法が挙げられる。乾燥のみを独立に行う方法としては、真空乾燥機を用いる方法、熱風乾燥機を用いる方法等が挙げられる。
原薬含有粒子を製造する際の、原薬層用スプレー液の噴霧速度、噴霧時間、液温度、乾燥条件等は、特に制限されるものではなく、原薬層用スプレー液の組成、粘度等に応じて、適宜設定することができる。
原薬含有核にバリア層、水不溶性ポリマー層等を被覆する方法としては、一般的な造粒方法を採用することができる。例えば、バリア層を構成する成分を溶媒に溶解したバリア層用スプレー液、水不溶性ポリマー層を構成する成分を溶媒に溶解した水不溶性ポリマー層用スプレー液をそれぞれ調製し、被覆対象となる粒子に順次噴霧すればよい。バリア層用スプレー液等の噴霧速度、噴霧時間、液温度、乾燥条件等は、特に制限されるものではなく、それぞれのスプレー液の組成、粘度等に応じて、適宜設定することができる。
≪賦形成分≫
本発明の口腔内崩壊錠は、細粒に対して外側に賦形成分を含む。ここでいう「賦形成分」は、細粒を含む錠剤の成形性及び服用性の向上に寄与し得る成分である。賦形成分は、薬理学的に許容し得る製剤用添加物として、苦味抑制剤、臭い吸着剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、結合剤、流動化剤、甘味料、香料、着色料等を、本発明の効果を阻害しない範囲において、含んでもよい。製剤用添加物は、1つの成分が2つ以上の機能を担うものであってもよい。
本発明の口腔内崩壊錠は、細粒に対して外側に、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種を含むことにより、オルメサルタンメドキソミルに由来する苦味を低減することができる。
なお、特許第5554699号公報には、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のカルシウム含有添加剤により、医薬組成物からのオルメサルタンメドキソミルの溶出性が向上する旨が記載されている。オルメサルタンメドキソミルの溶出性が向上するとされていた成分によって、オルメサルタンメドキソミルに由来する苦味を低減できることは、驚くべきことである。
細粒に対して外側に含まれる賦形成分が、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種を含む場合、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種の含有量は、賦形成分100質量部に対して、1質量部〜8質量部とすることができる。
本発明の口腔内崩壊錠は、細粒に対して外側に、マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含むことにより、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭いを低減することができる。
マグネシウム塩及びアルミニウム塩の中でも、臭い吸着性の観点から、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、及び水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種が好ましい。水酸化アルミニウムとしては、例えば、乾燥水酸化アルミニウムゲルが挙げられる。
なお、特許第5148296号公報には、オルメサルタンメドキソミルを含有する錠剤において合成ヒドロタルサイトを流動化剤として使用することが記載されている。合成ヒドロタルサイト等を含むマグネシウム塩及びアルミニウム塩によって、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭いを低減できることは、驚くべきことである。
細粒に対して外側に含まれる賦形成分がマグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含む場合、マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種の含有量は、賦形成分100質量部に対して、1質量部〜5質量部とすることができる。
なお、マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種は、細粒内に含まれていてもよい。
賦形剤としては、賦形剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に限定されず、公知の賦形剤を用いることができる。賦形剤は、有機賦形剤であってもよく、無機賦形剤であってもよい。有機賦形剤としては、マンニトール、ソルビトール、エリスリトール、乳糖、精製白糖、結晶セルロース、エチルセルロース等が挙げられる。無機賦形剤としては、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、無水リン酸カルシウム等が挙げられる。賦形剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
崩壊剤としては、崩壊剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の崩壊剤を用いることができる。例えば、崩壊剤としては、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン等のデンプン、部分アルファー化デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルスターチなどが挙げられる。崩壊剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
滑沢剤としては、滑沢剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の滑沢剤を用いることができる。例えば、滑沢剤としては、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。滑沢剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、結合剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の結合剤を用いることができる。例えば、結合剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アラビアゴム、ゼラチン、アルファー化デンプン、プルラン等が挙げられる。結合剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
流動化剤としては、流動化剤として機能し得る成分であり、かつ、薬理学的に許容し得る成分であれば、特に制限されず、公知の流動化剤を用いることができる。例えば、流動化剤としては、タルク、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。流動化剤としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
甘味料としては、アスパルテーム、タウマチン、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア等が挙げられる。
製剤用添加物としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
細粒に対して外側に含まれる賦形成分中における製剤用添加物の含有量は、口腔内崩壊錠中の細粒の含有比率、細粒の平均粒子径等を考慮して、適宜設定することができる。
また、細粒に対して外側には、オルメサルタンメドキソミル以外の他の有効成分が含まれていてもよい。他の有効成分としては、原薬含有核の項において説明した高血圧治療薬、糖尿病治療薬、高脂血症治療薬、高尿酸血症治療薬等が挙げられる。
[口腔内崩壊錠の性状]
本発明の口腔内崩壊錠は、口腔内崩壊錠1錠あたり、5mg〜80mgのオルメサルタンメドキソミルが含まれていることが好ましい。
本発明の口腔内崩壊錠の形状は、医薬上許容されるものであれば、特に制限されない。本発明の口腔内崩壊錠の形状は、例えば、円形錠であってもよく、変形錠であってもよく、服薬コンプライアンスを考慮して、適宜設定するとよい。
本発明の口腔内崩壊錠の大きさは、医薬上許容されるものであれば、特に制限されない。一般に、口腔内崩壊錠が嚥下困難な患者に用いられることが多いことに鑑みると、本発明の口腔内崩壊錠の大きさは、薬効を考慮した上で、極力小さいことが好ましい。
本発明の口腔内崩壊錠は、服薬コンプライアンスの観点から、口腔内崩壊時間が40秒未満であることが好ましく、30秒未満であることがより好ましい。
本明細書における「口腔内崩壊時間」とは、口腔内崩壊錠測定装置(製品名:トリコープテスタ、岡田精工(株))を用い、口腔内崩壊錠に対して、37℃の精製水を6mL/分にて滴下したときに測定される錠剤の崩壊時間をいうが、これに限定されない。
本発明の口腔内崩壊錠は、薬物の有効性の観点から、薬物の吸収部位である小腸での薬物の溶出を想定した日本薬局方溶出試験(パドル法:パドル回転数50rpm、溶出試験液:日本薬局方溶出試験第2液)での30分後の溶出率が55%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
[口腔内崩壊錠の製造方法]
本発明の口腔内崩壊錠の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。本発明の口腔内崩壊錠は、例えば、細粒と賦形成分とを混合し、得られた混合末を打錠し、乾燥することで得ることができる。
細粒と賦形成分とを混合する方法は、特に制限されない。細粒と賦形成分とを混合する方法としては、例えば、V型混合器(筒井理化学器械(株))、流動層造粒機(パウレック(株))等の公知の混合器を用いて混合する方法が挙げられる。
混合に要する時間等の条件は、細粒及び賦形成分の種類により、適宜調整することができる。
細粒と賦形成分との混合末を打錠する方法は、特に制限されない。打錠する際の温度は、特に制限されるものではなく、適宜設定することができる。
細粒と賦形成分との混合末を打錠する方法としては、例えば、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))、高速回転式打錠剤機(製品名:AQUARIUS G、菊水製作所(株))等の打錠機を用いて打錠する方法が挙げられる。
混合末を打錠した打錠物を乾燥する方法は、特に制限されない。混合末を打錠した打錠物を乾燥する方法としては、真空乾燥、流動層乾燥等により乾燥する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜12]
核粒子として、ノンパレル(登録商標)−108(商品名、D−マンニトール、粒子径150μm〜250μmの球状粒子、フロイント産業(株))700gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を400rpm、給気温度を70℃〜80℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成のアンダーコート層用スプレー液395.4gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、10分間乾燥を行った。得られた造粒物を50号の丸篩(300μm)と100号の丸篩(150μm)とで篩過することで、核粒子の表面がアンダーコート層で被覆された細粒(以下、「アンダーコート層被覆細粒(1)」という。)を得た。
〔アンダーコート層用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
50質量部
・タルク 1質量部
・精製水 49質量部
得られたアンダーコート層被覆細粒(1)350gとオルメサルタンメドキソミル80.01gとを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を60℃〜70℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成の原薬層(1)用スプレー液350gを転動流動層造粒機内に噴霧した。次に、噴霧を中断し、オルメサルタンメドキソミル80.01gを転動流動層造粒機内に添加した後、原薬層(1)用スプレー液350gを転動流動層造粒機内に噴霧することを2回繰り返した。次に、噴霧を中断し、オルメサルタンメドキソミル80.01gを転動流動層造粒機内に添加した後、原薬層(1)用スプレー液321.5gを転動流動層造粒機内に噴霧した(原薬層(1)用スプレー液を合計1371.5g噴霧)。その後、給気温度を80℃に調整し、15分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、アンダーコート層被覆細粒(1)の表面が原薬層(1)で被覆された原薬含有核(1)を得た。
〔原薬層(1)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルセルロース10質量%水溶液
45.0質量部
・タルク 1.5質量部
・精製水 53.5質量部
得られた原薬含有核(1)700gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を40℃〜60℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成のバリア層(1)用スプレー液950.6gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、原薬含有核(1)の表面がバリア層(1)で被覆された細粒(以下、「バリア層被覆細粒(1)」という。)を得た。
〔バリア層(1)用スプレー液〕
・ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体10質量%水溶液
(POVACOAT(登録商標、大同化成工業(株)))
30質量部
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
10質量部
・タルク 4質量部
・トリアセチン 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られたバリア層被覆細粒(1)700gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を60℃〜80℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成の溶出促進層(1)用スプレー液482.5gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(1)の表面が溶出促進層(1)で被覆された細粒(以下、「溶出促進層被覆細粒(1)」という。)を得た。
〔溶出促進層(1)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
40.0質量部
・ショ糖脂肪酸エステル 4.0質量部
(サーフホープ(登録商標)SE PHARMA J−1801(商品名、三菱化学フーズ(株)))
・タルク 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られた溶出促進層被覆細粒(1)700gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を35℃〜55℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(1)用スプレー液604.9gを転動流動層造粒機内に噴霧することで、溶出促進層被覆細粒(1)の表面を水不溶性ポリマー層(1)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(1)用スプレー液〕
・エチルセルロース30質量%水分散液 90.7質量部
(商品名:アクアコート(登録商標)ECD、FMC社)
・トリアセチン 6.8質量部
・精製水 507.4質量部
引き続き、ローター回転数を500rpm、給気温度を35℃〜50℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成のオーバーコート層用スプレー液236.9gを転動流動層造粒機内に噴霧した。
〔オーバーコート層用スプレー液〕
・D−マンニトール 14質量部
・精製水 86質量部
その後、ローターの回転を停止し、品温を60℃付近に調整して2時間流動を続けることで、粒子に含まれるポリマーのキュアリング及び乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、溶出促進層被覆細粒(1)の表面が水不溶性ポリマー層(1)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。
得られた細粒と賦形成分とを、表1及び表2に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
なお、表1及び表2における各成分の数値は、口腔内崩壊錠1錠中の含有量(mg)を示す。
[比較例1]
実施例1と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(1)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(1)と、賦形成分とを表2に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[比較例2]
実施例1と同様の作製方法により原薬含有核(1)を得た。
得られた原薬含有核(1)700gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を40℃〜60℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成のバリア層(2)用スプレー液950.6gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、原薬含有核(1)の表面がバリア層(2)で被覆された細粒(以下、「バリア層被覆細粒(2)」という。)を得た。
〔バリア層(2)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
40.0質量部
・タルク 4.0質量部
・トリアセチン 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られたバリア層被覆細粒(2)と、賦形成分とを表2に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[評価]
(評価1:溶出試験)
実施例1〜12及び比較例1〜2の口腔内崩壊錠について、第16改正日本薬局方第二追補「オルメサルタンメドキソミル錠」に記載の溶出試験に準じて、溶出試験を行った。溶出試験は、日本分光(株)の溶出試験機DT−810を用い、パドル法(パドル回転数:50rpm)で実施した。溶出試験液としては日本薬局方溶出試験第2液(容積:900mL)を使用し、50℃で2時間以上の加温脱気後、温度を37±0.5℃に維持した。
試験時間30分における錠剤から放出されるオルメサルタンメドキソミルの量を、紫外線分光光度計を用いて257nmの波長で測定し、溶出率(%)を算出した。
(評価2:ガスクロマトグラフィを用いたジアセチル面積の測定)
実施例1〜12及び比較例1〜2の口腔内崩壊錠を、14個のガラス瓶にそれぞれ入れて密栓した。各ガラス瓶を40℃の条件下で1週間保管した。保管後のガラス瓶のヘッドスペースの気体を抜き取り、ガスクロマトグラフィを用いて、ジアセチルに帰属されるピークの面積(ジアセチル面積)を測定した。
測定機器及び測定条件は以下の通りである。
<測定機器及び測定条件>
ガスクロマトグラフィシステム:7890A(アジレントテクノロジー(株))
ヘッドスペースサンプラ:7697A(アジレントテクノロジー(株))
検出器:水素炎イオン化検出器
分析カラム:DB−WAX(アジレントテクノロジー(株))
インジェクション量:1.0mL
流速:5.0mL/分
カラム温度:50℃
(評価3:臭いについての官能評価)
ジアセチル面積の測定に用いた保管後のガラス瓶を開栓し、瓶内の臭いを0〜4の5段階のレベルで評価した。評価は5名のパネラーにより行い、評価結果を平均し、小数点第1位を四捨五入した値を臭いスコアとした。
評価基準は以下の通りである。レベル0、1、及び2が、実用上許容できるレベルである。
なお、評価基準に併記した括弧内の数値は、官能評価の評価基準との相関関係が確認された、ガスクロマトグラフィにおけるジアセチル面積の範囲である。
<評価基準>
0 無臭(2未満)
1 やっと感知できる程度の臭い(2以上5未満)
2 何の臭いかがわかる程度の弱い臭い(5以上10未満)
3 容易に感知できる程度の臭い(10以上15未満)
4 強い不快臭(15以上)
(評価4:崩壊試験)
口腔内崩壊錠測定装置(製品名:トリコープテスタ、岡田精工(株))を用い、実施例1〜12及び比較例1〜2の口腔内崩壊錠に対して37℃の精製水を6mL/分にて滴下したときの、錠剤が崩壊するまでの時間(崩壊時間)を測定した。
(評価5:苦味についての官能評価)
実施例1〜12及び比較例1〜2の口腔内崩壊錠を30秒間口に含み、錠剤の崩壊後に口から吐き出し、味を0〜5の6段階のレベルで評価した。評価は5名のパネラーにより行い、評価結果を平均し、小数点第1位を四捨五入した値を苦味スコアとした。
評価基準は以下の通りである。
<評価基準>
0 無味
1 やっと感知できる程度の味
2 かすかな苦味
3 容易に感知できる程度の苦味
4 強い苦味
5 強烈な苦味
評価1〜5の結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2中、各成分の含有量における左向きの矢印は、左隣と数値が同じであることを意味する。また、各成分の含有量における空欄は、その成分が含まれていないことを意味する。また、ジアセチル面積の評価における「N.D.」は、ジアセチルに帰属されるピークが検出できなかったことを意味する。
表1及び表2に示すように、実施例1〜12の口腔内崩壊錠は、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減することができた。また、実施例1〜12の口腔内崩壊錠は崩壊時間が30秒未満であり、崩壊性も良好であった。
特に、細粒に対して外側に含まれる賦形成分中に、マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含む実施例2〜6及び12の口腔内崩壊錠は、実施例1の口腔内崩壊錠よりも、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭いが低減されていた。
また、細粒に対して外側に含まれる賦形成分中に、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種を含む実施例7〜12の口腔内崩壊錠は、実施例1の口腔内崩壊錠よりも、オルメサルタンメドキソミルに由来する苦味が低減されていた。
一方、表2に示すように、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層を有し、かつ、水不溶性ポリマー層を有しない細粒を含む比較例1の口腔内崩壊錠は、実施例1〜12の口腔内崩壊錠と比較して崩壊時間が顕著に遅延しており、崩壊性に劣っていた。また、比較例1の口腔内崩壊錠は、オルメサルタンメドキソミルに由来する苦味を低減することができなかった。
また、バリア層がポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層を有さず、かつ、水不溶性ポリマー層を有しない細粒を含む比較例2の口腔内崩壊錠は、崩壊性は良好であったものの、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減することができなかった。
[実施例13]
核粒子として、ノンパレル(登録商標)−108(商品名、D−マンニトール、粒子径150μm〜250μmの球状粒子、フロイント産業(株))1100gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を400rpm、給気温度を70℃〜80℃にそれぞれ調整し、予め調製した上述のアンダーコート層用スプレー液1699.9gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、10分間乾燥を行った。得られた造粒物を50号の丸篩(300μm)と100号の丸篩(150μm)とで篩過することで、核粒子の表面がアンダーコート層で被覆された細粒(以下、「アンダーコート層被覆細粒(2)」という。)を得た。
得られたアンダーコート層被覆細粒(2)350gとオルメサルタンメドキソミル80.1gとを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を60℃〜70℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成の原薬層(2)用スプレー液500gを転動流動層造粒機内に噴霧した。次に、噴霧を中断し、オルメサルタンメドキソミル80.1gを転動流動層造粒機内に添加した後、原薬層(2)用スプレー液500gを転動流動層造粒機内に噴霧することを2回繰り返した。次に、噴霧を中断し、オルメサルタンメドキソミル80.1gを転動流動層造粒機内に添加した後、原薬層(2)用スプレー液561.2gを転動流動層造粒機内に噴霧した(原薬層(2)用スプレー液を合計2061.2g噴霧)。その後、給気温度を80℃に調整し、15分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、アンダーコート層被覆細粒(2)の表面が原薬層(2)で被覆された原薬含有核(2)を得た。
〔原薬層(2)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルセルロース10質量%水溶液
30質量部
・タルク 1質量部
・精製水 69質量部
得られた原薬含有核(2)500gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を40℃〜60℃にそれぞれ調整し、予め調製した下記組成のバリア層(3)用スプレー液1441gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、原薬含有核(2)の表面がバリア層(3)で被覆された細粒(以下、「バリア層被覆細粒(3)」という。)を得た。
〔バリア層(3)用スプレー液〕
・ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体10質量%水溶液
(POVACOAT(登録商標、大同化成工業(株)))
40.0質量部
・タルク 4.0質量部
・クエン酸トリエチル 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られたバリア層被覆細粒(3)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した上述の溶出促進層(1)用スプレー液17.57gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(3)の表面が溶出促進層(1)で被覆された細粒(以下、「溶出促進層被覆細粒(2)」という。)を得た。
得られた溶出促進層被覆細粒(2)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(2)用スプレー液7gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、溶出促進層被覆細粒(2)の表面を水不溶性ポリマー層(2)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(2)用スプレー液〕
・エチルセルロース30質量%水分散液 0.25質量部
(商品名:アクアコート(登録商標)ECD、FMC社)
・マクロゴール6000 0.03質量部
・タルク 0.06質量部
・クエン酸トリエチル 0.04質量部
・精製水 6.62質量部
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液3.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、溶出促進層被覆細粒(2)の表面が水不溶性ポリマー層(2)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
なお、表3における各成分の数値は、口腔内崩壊錠1錠中の含有量(mg)を示す。
[実施例14]
実施例13と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(3)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(3)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の溶出促進層(3)用スプレー液17.57gを微少量造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を30号の丸篩(600μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(3)の表面が溶出促進層(2)で被覆された細粒(以下、「溶出促進層被覆細粒(3)」という。)を得た。
〔溶出促進層(2)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
40.0質量部
・ショ糖脂肪酸エステル 2.7質量部
(サーフホープ(登録商標)SE PHARMA J−1801(商品名、三菱化学フーズ(株)))
・D−マンニトール 1.3質量部
・タルク 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られた溶出促進層被覆細粒(3)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した上述の水不溶性ポリマー層(2)用スプレー液7gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、溶出促進層被覆細粒(3)の表面を水不溶性ポリマー層(2)で被覆した。
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液3.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、溶出促進層被覆細粒(3)の表面が水不溶性ポリマー層(2)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[実施例15]
実施例13と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(3)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(3)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の溶出促進層(4)用スプレー液17.57gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を30号の丸篩(600μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(3)の表面が溶出促進層(3)で被覆された細粒(以下、「溶出促進層被覆細粒(4)」という。)を得た。
〔溶出促進層(3)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
40.0質量部
・ショ糖脂肪酸エステル 1.3質量部
(サーフホープ(登録商標)SE PHARMA J−1801(商品名、三菱化学フーズ(株)))
・D−マンニトール 2.7質量部
・タルク 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られた溶出促進層被覆細粒(4)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した上述の水不溶性ポリマー層(2)用スプレー液7gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、溶出促進層被覆細粒(4)の表面を水不溶性ポリマー層(2)で被覆した。
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液3.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、溶出促進層被覆細粒(4)の表面が水不溶性ポリマー層(2)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[実施例16]
実施例13と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(3)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(3)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の溶出促進層(4)用スプレー液17.57gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(3)の表面が溶出促進層(4)で被覆された細粒(以下、「溶出促進層被覆細粒(5)」という。)を得た。
〔溶出促進層(4)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
40.0質量部
・メグルミン 4.0質量部
・タルク 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られた溶出促進層被覆細粒(5)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した上述の水不溶性ポリマー層(2)用スプレー液7gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、溶出促進層被覆細粒(5)の表面を水不溶性ポリマー層(2)で被覆した。
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液3.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、溶出促進層被覆細粒(5)の表面が水不溶性ポリマー層(2)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[実施例17]
実施例13と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(3)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(3)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の溶出促進層(5)用スプレー液17.57gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(3)の表面が溶出促進層(5)で被覆された細粒(以下、「溶出促進層被覆細粒(6)」という。)を得た。
〔溶出促進層(5)用スプレー液〕
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
40.0質量部
・合成ヒドロタルサイト 4.0質量部
・タルク 1.6質量部
・精製水 54.4質量部
得られた溶出促進層被覆細粒(6)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した上述の水不溶性ポリマー層(2)用スプレー液7gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、溶出促進層被覆細粒(6)の表面を水不溶性ポリマー層(2)で被覆した。
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液3.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、溶出促進層被覆細粒(6)の表面が水不溶性ポリマー層(2)及びオーバーコート層(2)で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[実施例18]
実施例13と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(3)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(3)12gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(3)用スプレー液10gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、バリア層被覆細粒(3)の表面を水不溶性ポリマー層(3)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(3)用スプレー液〕
・エチルセルロース30質量%水分散液 0.22質量部
(商品名:アクアコート(登録商標)ECD、FMC社)
・マクロゴール6000 0.03質量部
・タルク 0.06質量部
・クエン酸トリエチル 0.04質量部
・精製水 9.65質量部
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液4.1gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(3)の表面が水不溶性ポリマー層(3)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[実施例19]
実施例13と同様の作製方法により原薬含有核(2)を得た。
得られた原薬含有核(2)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を60℃に調整し、予め調製した下記組成のバリア層(4)用スプレー液46.1gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を60℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、原薬含有核(2)の表面がバリア層(4)で被覆された細粒(以下、「バリア層被覆細粒(4)」という。)を得た。
〔バリア層(4)用スプレー液〕
・ポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体10質量%水溶液
(POVACOAT(登録商標、大同化成工業(株)))
17.5質量部
・ヒドロキシプロピルメチルセルロース10質量%水溶液
7.6質量部
・タルク 2.6質量部
・クエン酸トリエチル 1.0質量部
・精製水 71.3質量部
得られたバリア層被覆細粒(4)10gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(4)用スプレー液8.3gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、バリア層被覆細粒(4)の表面を水不溶性ポリマー層(4)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(4)用スプレー液〕
・エチルセルロース30質量%水分散液 0.19質量部
(商品名:アクアコート(登録商標)ECD、FMC社)
・マクロゴール6000 0.02質量部
・タルク 0.05質量部
・クエン酸トリエチル 0.03質量部
・精製水 8.02質量部
引き続き、給気温度を55℃〜65℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液3.5gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を60℃付近に調整して30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(4)の表面が水不溶性ポリマー層(4)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。得られた細粒をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。
得られた細粒と賦形成分とを、表3に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[評価]
実施例13〜19の口腔内崩壊錠について、上記の評価1と同じ方法で評価を行った。
結果を表3に示す。なお、表3中、各成分の含有量における左向きの矢印は、左隣と数値が同じであることを意味する。また、各成分の含有量における空欄は、その成分が含まれていないことを意味する。
表3に示すように、溶出促進層を有する細粒を含む実施例13〜17の口腔内崩壊錠は、細粒が溶出促進層を有しない実施例18の口腔内崩壊錠よりも、細粒からのオルメサルタンメドキソミルの溶出性に優れていた。
バリア層中にヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む実施例19の口腔内崩壊錠は、細粒が溶出促進層を有しないにも関わらず、細粒からのオルメサルタンメドキソミルの溶出性に優れていた。
[実施例20]
核粒子として、ノンパレル(登録商標)−108(商品名、D−マンニトール、粒子径75μm〜150μmの球状粒子、フロイント産業(株))500gとオルメサルタンメドキソミル178.058gとを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を60〜70℃にそれぞれ調整し、予め調製した上述の原薬層(2)用スプレー液2782.1gを転動流動層造粒機内に噴霧した。その後、給気温度を80℃に調整し、15分間乾燥を行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、核粒子の表面が原薬層(2)で被覆された原薬含有核(3)を得た。
得られた原薬含有核(3)460gを転動流動層造粒機(商品名:FD−MP−01、パウレック(株))に仕込んだ。そして、ローター回転数を500rpm、給気温度を40℃〜60℃にそれぞれ調整し、予め調製した上述のバリア層(3)用スプレー液1097.2gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、得られた造粒物460gを抜き取り、更にバリア層(3)用スプレー液1058.6gを転動流動層造粒機内に噴霧した。噴霧終了後、給気温度を80℃に調整し、30分間乾燥を行った。得られた造粒物を42号の丸篩(355μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、原薬含有核(3)の表面がバリア層(3)で被覆された細粒(以下、「バリア層被覆細粒(5)」という。)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(5)12gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を35℃〜55℃付近に調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(5)用スプレー液10.5gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、バリア層被覆細粒(5)の表面を水不溶性ポリマー層(5)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(5)用スプレー液〕
・エチルセルロース30質量%水分散液 18.5質量部
(商品名:アクアコート(登録商標)ECD、FMC社)
・クエン酸トリエチル 0.7質量部
・精製水 12.1質量部
引き続き、給気温度を80℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液9.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を80℃付近に維持したまま30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(5)の表面が水不溶性ポリマー層(5)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。
得られた細粒と賦形成分とを、表4に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
なお、表4における各成分の数値は、口腔内崩壊錠1錠中の含有量(mg)を示す。
[比較例3]
実施例20と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(5)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(5)12gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を40℃付近に調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(6)用スプレー液22.2gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、バリア層被覆細粒(5)の表面を水不溶性ポリマー層(6)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(6)用スプレー液〕
・アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS 12.5質量部
(商品名:オイドラギット(登録商標)RS30D、30質量%水分散液、エボニック社)
・カルボキシメチルセルロースナトリウム 8.4質量部
・ポリソルベート80 0.8質量部
・軽質無水ケイ酸 0.8質量部
・精製水 44.2質量部
引き続き、給気温度を80℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液9.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を80℃付近に維持したまま30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(5)の表面が水不溶性ポリマー層(6)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。
得られた細粒と賦形成分とを、表4に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[比較例4]
実施例20と同様の作製方法によりバリア層被覆細粒(5)を得た。
得られたバリア層被覆細粒(5)12gを微少量流動層造粒機((株)ダルトン)に仕込んだ。そして、給気温度を40℃付近に調整し、予め調製した下記組成の水不溶性ポリマー層(7)用スプレー液16.8gを微少量流動層造粒機内に噴霧することで、バリア層被覆細粒(5)の表面を水不溶性ポリマー層(7)で被覆した。
〔水不溶性ポリマー層(7)用スプレー液〕
・アミノアルキルメタクリレートコポリマーE 100質量部
(商品名:オイドラギット(登録商標)EPO、エボニック社)
・ラウリル硫酸ナトリウム 10質量部
・ステアリン酸 15質量部
・モノステアリン酸グリセリン 5質量部
・ポリソルベート80 2質量部
・精製水 868質量部
引き続き、給気温度を80℃付近に調整し、予め調製した上述のオーバーコート層用スプレー液9.9gを微少量流動層造粒機内に噴霧した。
その後、給気温度を80℃付近に維持したまま30分間流動を続けることで、粒子の乾燥を行った。得られた造粒物をシリカゲルを入れたガラス瓶に入れ、60℃の恒温槽に2時間静置することで、粒子に含まれるポリマーのキュアリングを行った。得られた造粒物を40号の丸篩(425μm)と150号の丸篩(100μm)とで篩過することで、バリア層被覆細粒(5)の表面が水不溶性ポリマー層(7)及びオーバーコート層で被覆された細粒を得た。
得られた細粒と賦形成分とを、表4に示す組成で混合し、打錠末(混合末)を得た。
得られた打錠末(混合末)の規定量を量り取り、ロータリー打錠機(製品名:HT−AP−SS、畑鉄工所(株))を用いて、11mmφ、スミ角R面の杵を用い、回転数20rpm、打錠圧約10kNで圧縮成型して、口腔内崩壊錠(錠剤)を得た。
[評価]
実施例20及び比較例3〜4の口腔内崩壊錠について、上記の評価2〜5と同じ方法で評価を行った。
結果を表4に示す。なお、表4中、各成分の含有量における左向きの矢印は、左隣と数値が同じであることを意味する。また、各成分の含有量における空欄は、その成分が含まれていないことを意味する。
表4に示すように、実施例20の口腔内崩壊錠は、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭い及び苦味を低減することができた。
一方、水不溶性ポリマー層に含まれる水不溶性のポリマーがアミノ基を有する比較例3〜4の口腔内崩壊錠は、オルメサルタンメドキソミルに由来する臭いを低減することができなかった。

Claims (12)

  1. オルメサルタンメドキソミルを含む原薬含有核を中心に有し、原薬含有核側から順に、ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種を含むバリア層、並びにアミノ基を有しない水不溶性のポリマーを含む水不溶性ポリマー層を有する細粒と、
    細粒に対して外側の賦形成分と、
    を含む、口腔内崩壊錠。
  2. 細粒に対して外側に含まれる賦形成分が、ケイ酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、及びクロスカルボキシメチルセルロースナトリウムから選択される少なくとも1種を含む、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
  3. マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載の口腔内崩壊錠。
  4. 細粒に対して外側に含まれる賦形成分が、マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種を含む、請求項3に記載の口腔内崩壊錠。
  5. 細粒が、バリア層と水不溶性ポリマー層との間に、界面活性剤及び塩基性物質から選択される少なくとも1種を含む溶出促進層を有する、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  6. ポリビニルアルコール及びビニルアルコール系共重合体から選択される少なくとも1種がポリビニルアルコール/アクリル酸/メタクリル酸メチル共重合体である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  7. アミノ基を有しない水不溶性のポリマーがエチルセルロースである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  8. マグネシウム塩及びアルミニウム塩から選択される少なくとも1種が、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、及び水酸化アルミニウムから選択される少なくとも1種である、請求項3又は請求項4に記載の口腔内崩壊錠。
  9. 界面活性剤がショ糖脂肪酸エステルである、請求項5に記載の口腔内崩壊錠。
  10. 塩基性物質が合成ヒドロタルサイト及びメグルミンから選択される少なくとも1種である、請求項5又は請求項9に記載の口腔内崩壊錠。
  11. バリア層がヒドロキシプロピルメチルセルロースを更に含む、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
  12. 原薬含有核は、核粒子を中心に有し、核粒子の外側に、オルメサルタンメドキソミルを含む原薬層を有する、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の口腔内崩壊錠。
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