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JP2016166397A - 錫めっき銅合金端子材及びその製造方法並びに電線端末部構造 - Google Patents

錫めっき銅合金端子材及びその製造方法並びに電線端末部構造 Download PDF

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JP2016166397A JP2015047103A JP2015047103A JP2016166397A JP 2016166397 A JP2016166397 A JP 2016166397A JP 2015047103 A JP2015047103 A JP 2015047103A JP 2015047103 A JP2015047103 A JP 2015047103A JP 2016166397 A JP2016166397 A JP 2016166397A
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圭栄 樽谷
Yoshie Tarutani
圭栄 樽谷
賢治 久保田
Kenji Kubota
賢治 久保田
中矢 清隆
Kiyotaka Nakaya
清隆 中矢
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Abstract

【課題】アルミニウム線材からなる電線の端末に圧着される圧着端子として銅合金基材を用いて電食の生じない端子材を提供する。【解決手段】銅合金からなる基材の上に銅錫合金層が形成されるとともに、該銅錫合金層の上に錫層が形成され、前記錫層の上に、錫:5at%以上30at%以下、マグネシウム:15at%以上45at%以下含有し、残部が酸素である錫マグネシウム酸化物層がSiO2換算で2nm以上15nm以下の厚さで形成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、アルミニウム線材からなる電線の端末に圧着される端子として用いられ、銅合金基材の表面に錫めっきを施した錫めっき銅合金端子材に係り、さらに、その製造方法、及びその端子を取り付けてなる電線端末部構造に関する。
従来、銅又は銅合金で構成されている電線の端末部に、銅又は銅合金で構成された端子を圧着し、この端子を別の機器の端子に接続することにより、その電線を上記別の機器に接続することが行われている。また、電線の軽量化等のために、電線を、銅又は銅合金に代えて、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成している場合がある。
例えば、特許文献1には、アルミニウム合金からなる自動車ワイヤーハーネス用アルミ電線が開示されている。
ところで、電線(導線)をアルミニウム又はアルミニウム合金で構成し、端子を銅又は銅合金で構成すると、水が圧着部(端子と電線との係合部)に入ったときに、異金属の電位差によるガルバニック腐食が発生することがある。そして、その電線の腐食に伴い、圧着部での電気抵抗値の上昇や固着力(端子と電線との結合力)の低下が生ずるおそれがある。
この腐食の防止法としては、例えば特許文献2や特許文献3記載のものがある。
特許文献2には、第1の金属材料で構成された地金部と、第1の金属材料よりも標準電極電位の値が小さい第2の金属材料で構成され、地金部の表面の少なくとも一部にめっきで薄く設けられた中間層と、第2の金属材料よりも標準電極電位の値が小さい第3の金属材料で構成され、中間層の表面の少なくとも一部にめっきで薄く設けられた表面層とを有する端子が開示されている。第1の金属材料として銅又はこの合金、第2の金属材料として鉛又はこの合金、あるいは錫又はこの合金、ニッケル又はこの合金、亜鉛又はこの合金が記載されており、第3の金属材料としてはアルミニウム又はこの合金が記載されている。
特許文献3には、被覆電線の端末領域において、端子金具の一方端に形成されるかしめ部が被覆電線の被覆部分の外周に沿ってかしめられ、少なくともかしめ部の端部露出領域及びその近傍領域の全外周をモールド樹脂により完全に覆ってなるワイヤーハーネスの端末構造が開示されている。
特開2004−134212号公報 特開2013−33656号公報 特開2011−222243号公報
しかしながら、特許文献3記載の構造では腐食は防げるものの、樹脂モールド工程の追加により製造コストが増大し、さらに、樹脂による端子断面積増加によりワイヤーハーネスの小型化が妨げられるという問題があり、特許文献2記載の第3の金属材料であるアルミニウム系めっきを実施するためにはイオン性液体などを用いるため、非常にコストがかかるという問題があった。
ところで、銅又は銅合金の基材上に錫めっきをしてリフロー処理してなる錫めっき端子材を用いることが多い。この錫めっき端子材をアルミニウム製電線に圧着する場合、錫とアルミニウムとは腐食電位が近いため電食を生じ難いはずであるが、塩水などが圧着部に付着すると電食が生じる。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであって、アルミニウム線材からなる電線の端末に圧着される端子として銅合金基材を用いて電食の生じない端子材を提供することを目的とする。
発明者らは、錫めっき端子材の電食について鋭意研究した結果、塩水による腐食作用で表面の錫層が速やかに消失し、下層の銅錫合金層が露出するため電食が生じることが分かった。この銅錫合金層の腐食電位は銅に近いため、高い電位差が生じてアルミニウムが優先的に腐食してしまう。
そこで、錫層の上に塩水に対して耐性のある層を形成することにより、錫層の腐食を防ぎ、銅錫合金層の露出を抑えることとした。
すなわち、本発明の錫めっき銅合金端子材は、銅合金からなる基材の上に銅錫合金層が形成されるとともに、該銅錫合金層の上に錫層が形成され、前記錫層の上に、錫:5at%以上30at%以下、マグネシウム:15at%以上45at%以下含有し、残部が酸素である錫マグネシウム酸化物層がSiO換算で2nm以上15nm以下の厚さで形成されている。
錫マグネシウム酸化物層は、錫の含有量が5at%未満では錫マグネシウム酸化物層の電気伝導性が低下するため接触抵抗が悪化し、30at%を超えると防食効果が乏しくなる。マグネシウムの含有量が15at%未満では防食効果が乏しく、45at%を超えるとはんだ濡れ性が悪くなる。また、その厚さが2nm未満では、錫層に対する防食効果がなく、15nmを超えるとはんだ濡れ性が悪くなる。
本発明の錫めっき銅合金端子材の製造方法は、マグネシウムを0.5質量%以上3質量%以下含有する銅合金からなる基材の上に銅めっき層、錫めっき層をこの順に積層した後、235℃以上600℃以下の温度で5秒以上30秒以下の時間、熱処理をし、20℃以上80℃以下の温度の酸素含有気体を表面に供給して錫マグネシウム酸化物層を形成する。
基材のマグネシウム含有量が0.5質量%未満では、熱処理時に十分な量のマグネシウムを表面に供給することができず、3質量%を超えると熱処理時に表面へのマグネシウム供給量が多くなり過ぎて、はんだ濡れ性が悪くなる。熱処理の温度が235℃未満あるいは時間が5秒未満では十分にマグネシウムを錫層まで供給することができず、600℃を超え、あるいは30秒を超えて加熱するとマグネシウムの供給量が過剰となり、はんだ濡れ性が悪くなる。酸素含有気体の温度が20℃未満では十分に酸化物を形成することができず、80℃を超えると過剰に酸化され、接触抵抗が増加する。
そして、本発明の錫めっき銅合金端子材を用いて作製した端子をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる電線の端末に圧着して電線端末部構造とした。
本発明によれば、錫層の上に設けられた錫マグネシウム酸化物層が腐食を防止して、錫層の消失及び銅錫合金層の露出を防止することができ、アルミニウム製電線との電食を防止して電気抵抗値の上昇や固着力の低下を抑制することができる。
本発明の錫めっき銅合金端子材を模式的に示す断面図である。 本発明の端子材が適用される端子の例を示す斜視図である。 図2の端子を圧着した電線の端末部を示す正面図である。
本発明の実施形態の錫めっき銅合金端子材及びその製造方法を説明する。
本実施形態の錫めっき銅合金端子材1は、図1に模式的に示したように、銅合金からなる基材2上に銅錫合金層3が形成され、この銅錫合金層3の上に錫層4が形成され、錫層4上に錫マグネシウム酸化物層5が形成されている。
基材2は、マグネシウム(Mg)が0.5質量%以上3質量%以下の範囲で含有している銅合金であればよく、残部が銅(Cu)及び不可避不純物からなる銅合金が好適である。また、マグネシウム以外にリン(P)が0.01質量%以上0.05質量%以下の範囲で含有していてもよい。
マグネシウムは、後述する熱処理時に表面に拡散し、錫と反応して錫マグネシウム酸化物を形成する。このマグネシウム含有量が0.5質量%未満では、熱処理時に十分な量のマグネシウムを表面に供給することができず、3質量%を超えると熱処理時に表面へのマグネシウム供給量が多くなり過ぎて、はんだ濡れ性が悪くなる。
銅錫合金層3は、基材2の上に銅めっき層、錫めっき層を順に形成して、前述の熱処理をすることにより形成された層であり、CuSnを主成分とする銅錫合金(Cu−Sn)の化合物層である。銅錫合金層3の平均厚みは0.4μm以上1μm以下が好ましく、薄すぎるとウィスカが発生し易く、厚過ぎるのは端子材として不経済である。
また、錫層4は、前述した錫めっき層が熱処理によって形成された錫(Sn)からなる層である。この錫層4の平均厚みは0.2μm以上2μm以下が好ましく、薄過ぎるとはんだ濡れ性の低下、電気的接続信頼性の低下を招くおそれがあり、厚過ぎると、表面の動摩擦係数の増大を招き、コネクタ等での使用時の着脱抵抗が大きくなる傾向にある。
錫マグネシウム酸化物層5は、前述の熱処理した後の錫層4の上に形成された錫マグネシウム酸化物(Sn−Mg−O)の層であり、AES(Auger Electron Spectroscopy)分析装置により測定し、2nm以上15nm以下のSiO換算厚さで錫層5の全面を被覆するように形成される。その厚さが2nm未満では、錫層5に対する防食効果がなく、15nmを超えるとはんだ濡れ性が悪くなる。
この錫マグネシウム酸化物層5の組成は、錫:5at%以上30at%以下、マグネシウム:15at%以上45at%以下であり、残部が酸素からなる。錫の含有量が5at%未満では錫マグネシウム酸化物層5の電気伝導性が低下するため接触抵抗が悪化し、30at%を超えると防食効果が乏しくなる。マグネシウムの含有量が15at%未満では防食効果が乏しく、45at%を超えるとはんだ濡れ性が悪くなる。
次に、この錫めっき銅合金端子材1の製造方法について説明する。
基材2として、マグネシウム含有量が0.5質量%以上3質量%以下の銅合金、例えば三菱伸銅株式会社のマグネシウム入り銅合金「MSP1」(マグネシウム:0.5〜0.9質量%、リン:0.04質量%以下)からなる板材を用い、この板材に脱脂、酸洗等の処理をすることによって表面を清浄にした後、銅めっき、錫めっきをこの順序で施す。
銅めっきは一般的な銅めっき浴を用いればよく、例えば硫酸銅(CuSO)及び硫酸(HSO)を主成分とした硫酸銅浴等を用いることができる。めっき浴の温度は例えば20℃以上50℃以下、電流密度は1A/dm以上40A/dm以下とされる。この銅めっきにより形成される銅めっき層の膜厚は0.03μm以上0.5μm以下が好ましく、厚過ぎると熱処理時に基材中のマグネシウムの拡散を阻害し、錫層にマグネシウムを供給することが難しくなる。
錫めっき層形成のためのめっき浴としては、一般的な錫めっき浴を用いればよく、例えば硫酸(HSO)と硫酸第一錫(SnSO)を主成分とした硫酸浴を用いることができる。めっき浴の温度は例えば15℃以上35℃以下、電流密度は1A/dm以上30A/dm以下とされる。この錫めっき層の膜厚は0.6μm以上2.5μm以下である。
熱処理としては、還元雰囲気中で素材の表面温度が235℃以上600℃以下となる条件で5秒以上30秒以下の時間加熱するリフロー処理を実施した後、酸素濃度が15体積%以上30体積%以下の酸素含有気体を10℃以上80℃以下の温度で素材の表面に1秒以上30秒以下の時間供給することにより表面を冷却して凝固させる酸化物形成処理を実施し、その後、20℃以上60℃以下の水を供給して冷却する。
この熱処理により、基材2と表面の錫めっき層との間で銅と錫とが反応して、その化合物からなる銅錫合金層3を形成し、その銅錫合金層3の上に、残った錫層4が配置されるとともに、その錫層4の上に錫マグネシウム酸化物層5を形成する。この錫マグネシウム酸化物層5は、熱処理により、基材2の銅合金からマグネシウムが上層に拡散し、錫層4の表面に供給される酸素含有気体及び錫と反応して形成された化合物層である。
この熱処理条件において、加熱時の温度が235℃未満あるいは加熱時間が5秒未満では十分にマグネシウムを錫層4まで供給することができず、600℃を超え、あるいは30秒を超えて加熱するとマグネシウムの供給量が過剰となり、はんだ濡れ性が悪くなる。また、冷却時の酸素含有気体の温度が10℃未満又は素材表面への供給時間が1秒未満では十分に酸化物を形成することができず、80℃を超え、又は供給時間が30秒を超えると過剰に酸化され、接触抵抗が増加する。酸素含有気体の酸素含有量が15体積%未満では酸化物が形成されず、防食効果が乏しくなる。30体積%を超えると過剰に酸化され接触抵抗が悪化する。
そして、このようにして製造された錫めっき銅合金端子材1は、例えば図2に示すような形状の端子10に成形される。
この端子10は、図2の例ではメス端子を示しており、先端から、オス端子(図示略)が嵌合される接続部11、電線12の露出した心線12aがかしめられる心線かしめ部13、電線12の被覆部12bがかしめられる被覆かしめ部14がこの順で一体に形成されている。
図3は電線12に端子10をかしめた端末部構造を示しており、心線かしめ部13が電線12の心線12aに直接接触することになる。
この端子10は、錫層4の上に錫マグネシウム酸化物層5が前述したように形成されているので、錫層4の腐食による消失を防ぐことができる。このため、錫層4の下層の銅錫合金層3の露出を防止することができるので、この端子10が接続される電線12がアルミニウム製の心線12aで、端子10の心線かしめ部13がアルミニウム製心線12aに圧着された状態となったとしても、アルミニウム製心線12aとの電食の発生を確実に防止することができる。
なお、電線12は導線が露出したままの裸電線、導線を心線として周囲を絶縁層で被覆した被覆電線のいずれにも適用することができる。本発明では、裸電線、被覆電線の心線のいずれをも含めて電線と称す。
マグネシウム含有量が表1に示す銅合金板に銅めっき層、錫めっき層を形成した。銅めっき層は表1に示す厚さとし、錫めっき層はすべて厚さ1μmとした。そのめっき層付銅合金板に表1に示す熱処理(リフロー処理及び酸化物形成処理)を施した後、40℃の水に投入して冷却処理を実施し、試料とした。
Figure 2016166397
得られた試料について、表面の酸化物層の厚み、酸化物層の組成(マグネシウム濃度及び錫濃度)を測定し、また、はんだ濡れ性及び接触抵抗を評価した。
<酸化物層の厚み>
アルバック・ファイ株式会社製のAES(Auger Electron Spectroscopy)分析装置 PHI700を用いて試料表面の酸素が検出されなくなるまでアルゴンイオンでエッチングし、それに要した時間を測定した。また測定は電子ビーム径10nmで□1μmを走査した後、その領域から発生したオージェ電子を検出した。あらかじめ同機種で測定したSiOのエッチングレートを用いて、要した時間から酸化層の「SiO換算膜厚」を算出した。SiOのエッチングレートの算出方法は、20nmの厚さであるSiO膜を一辺が1.5mmの正方形領域でアルゴンイオンでエッチングを行い20nmをエッチングするのに要した時間で割ることによって算出した。上記分析装置の場合には17分要したためエッチングレートは1.2nm/minである。例えば試料No.1ではエッチングに1分40秒(1.7分)かかったため、SiO換算膜厚は2nmとした。AESは深さ分解能が約0.5nmと優れるが、Arイオンビームでエッチングされる時間は各材料により異なるため、膜厚そのものの数値を得るためには、膜厚が既知かつ平坦な試料を調達し、エッチングレートを算出しなければならない。上記は容易でないため、膜厚が既知であるSiO膜にて算出したエッチングレートで規定し、エッチングに要した時間から算出される「SiO換算膜厚」を利用した。このため「SiO換算膜厚」は実際の酸化物の膜厚と異なる点に注意が必要である。SiO換算エッチングレートで膜厚を規定すると、実際の膜厚は不明であっても、一義的であるため定量的に膜厚を評価することができる。数nm以下の膜厚を測定する方法として、AESの他にTEMによる直接観察で膜厚を測定することもできる。TEMは1原子層まで観察することができるが、あくまで単結晶等の特別な場合であり、本件のようなめっき材料では表面粗さの影響を受けるため、1nm程度の分解能しか持たない。AESの場合は、原子によるが3〜5原子層の検出深さであるため、約0.5nmまで検出することができる。また分析範囲としてもTEMはX軸で最大でも約5μmまでしか測定できないために局所的な情報しか得られないが、AESは最大で約100μmまで情報を得ることができ、広い範囲で平均的な情報を得ることができる。このため今回の酸化膜厚測定にはAESを用いた。
<酸化物層の組成(マグネシウム濃度及び錫濃度)>
アルバック・ファイ株式会社製のAES分析装置 PHI700を用いて試料表面を1分間アルゴンエッチングし、表面の吸着カーボンを除去した後、定量分析した。
<はんだ濡れ性>
はんだ濡れ性は、JIS−C0053のはんだ付け試験方法(平衡法)に準じ、株式会社レスカ製のソルダーチェッカーWET−6000を用い、下記のフラックス塗布条件にて試料表面にフラックスを塗布した後、試料と鉛フリーはんだとの濡れ性を評価した。
(フラックス塗布条件)
フラックス:25質量%ロジン−エタノール、フラックス温度:室温、フラックス深さ:8mm、フラックス浸漬時間:5秒、たれ切り方法:ろ紙にエッジを5秒当ててフラックスを除去した。
このフラックスを塗布した試料を装置に固定し、はんだ槽内の鉛フリーはんだ内に浸漬速度2mm/secで深さ1mm浸漬して30秒保持し、ゼロクロスタイムが5秒以下のものを良、これを上回ったものを不良とした。
<接触抵抗>
接触抵抗の測定方法はJCBA−T323に準拠し、4端子接触抵抗試験機(山崎精機研究所製:CRS−113−AU)を用い、摺動式(1mm)で荷重0.98N時の接触抵抗を測定した。平板試料のめっき表面に対して測定を実施した。
<接触抵抗の変化率>
試料を端子形状に加工し、アルミニウム線に圧着して、アルミニウム線と端子の接触抵抗を測定し、次いで、その圧着部分にJIS Z 2371に準じた塩水噴霧試験を168時間行った後に、再度アルミニウム線と端子の接触抵抗を測定し、接触抵抗の変化率を算出した。接触抵抗の測定方法はJIS−C−5402に準拠し、4端子接触抵抗試験機(山崎精機研究所製:CRS−113−AU)を用いた。
これらの測定結果、評価結果を表2に示す。
Figure 2016166397
この表2から明らかなように、試料No.1〜4は、はんだ濡れ性が良好で、塩水噴霧試験を実施した後の接触抵抗の変化も小さく、腐食、電食が生じていないことがわかる。
これに対して、試料No.5は基材にマグネシウムが含有されていなかったため、酸化物層にマグネシウムが含有されず、塩水噴霧試験で接触抵抗が大きく変化した。試料No.6も基材中のマグネシウム含有量が少ないために、同様に接触抵抗の変化が大きくなった。試料No.7は基材中のマグネシウム含有量が多すぎるため、はんだ濡れ性が悪化し、、また、酸化物層が厚いために接触抵抗自体が大きくなった。
1 錫めっき銅合金端子材
2 基材
3 銅錫合金層
4 錫層
5 錫マグネシウム酸化物層
10 端子
11 接続部
12 電線
12a 心線
12b 被覆部
13 心線かしめ部
14 被覆かしめ部

Claims (3)

  1. 銅合金からなる基材の上に銅錫合金層が形成されるとともに、該銅錫合金層の上に錫層が形成され、前記錫層の上に、錫:5at%以上30at%以下、マグネシウム:15at%以上45at%以下含有し、残部が酸素である錫マグネシウム酸化物層がSiO換算で2nm以上15nm以下の厚さで形成されていることを特徴とする錫めっき銅合金端子材。
  2. マグネシウムを0.5質量%以上3質量%以下含有する銅合金からなる基材の上に銅めっき層、錫めっき層をこの順に積層した後、235℃以上600℃以下の温度で5秒以上30秒以下の時間、熱処理をし、20℃以上80℃以下の温度で酸素含有気体を表面に供給して錫マグネシウム酸化物層を形成することを特徴とする錫めっき銅合金端子材の製造方法。
  3. 請求項1記載の錫めっき銅合金端子材を用いて作製した端子をアルミニウム又はアルミニウム合金からなる電線の心線の端末に圧着したことを特徴とする電線端末部構造。
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