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JP2016183281A - 樹脂組成物、及び樹脂成形体 - Google Patents

樹脂組成物、及び樹脂成形体 Download PDF

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JP2016183281A JP2015064761A JP2015064761A JP2016183281A JP 2016183281 A JP2016183281 A JP 2016183281A JP 2015064761 A JP2015064761 A JP 2015064761A JP 2015064761 A JP2015064761 A JP 2015064761A JP 2016183281 A JP2016183281 A JP 2016183281A
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Abstract

【課題】臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50以下である樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、樹脂組成物、及び樹脂成形体に関する。
従来、種々の樹脂組成物が提供され、樹脂成形体の製造に使用されている。
一方、近年では、植物由来の樹脂の利用が検討されており、その植物由来の樹脂の一つにセルロース誘導体がある。
セルロース誘導体を用いた樹脂組成物としては、例えば、特許文献1には、「A)炭化水素基、B)アシル基:−CO−RB1とアルキレンオキシ基:−RB2−O−とを含む基(RB1は炭化水素基を表し、RB2は炭素数が3のアルキレン基を表す。)、及び、C)アシル基:−CO−R(Rは炭化水素基を表す。)を有する水に不溶なセルロース誘導体を含有する熱成形材料」が開示されている。
特許2011−057959号公報
本発明の課題は、セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50を超える樹脂組成物に比べ、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる樹脂組成物を提供することにある。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50以下である樹脂組成物である。
請求項2に係る発明は、
前記セルロース誘導体の重量平均分子量が、1万以上7.5万未満である請求項1に記載の樹脂組成物である。
請求項3に係る発明は、
前記セルロース誘導体が、セルロースの水酸基の一部がアシル基で置換されたセルロース誘導体であり、該アシル基の置換度が1.8以上2.5以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物である。
請求項4に係る発明は、
前記セルロース誘導体の樹脂組成物全体に占める比率が70質量%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物である。
請求項5に係る発明は、
請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する樹脂成形体である。
請求項6に係る発明は、
射出成形により成形された請求項5に記載の樹脂成形体である。
請求項1に係る発明によれば、セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50を超える樹脂組成物に比べ、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項2に係る発明によれば、セルロース誘導体の重量平均分子量が1万未満又は7.5万以上の場合に比べ、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項3に係る発明によれば、セルロース誘導体のアシル基の置換度が1.8未満又は2.5を超える場合に比べ、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項4に係る発明によれば、セルロース誘導体の樹脂組成物全体に占める比率が70質量%未満である場合に比べ、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる樹脂組成物が提供される。
請求項5、又は6に係る発明によれば、セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50を超える樹脂組成物を含有する樹脂成形体に比べ、臭気の発生が低減された樹脂成形体が提供される。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。これらの説明及び実施例は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。
本明細書において組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計量を意味する。
<樹脂組成物>
本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50以下である。
ここで、本実施形態に用いられる「セルロース誘導体」とは、セルロースが有する水酸基の少なくとも一部を置換基にて置換した化合物を指す。
また、色相を表すハーゼン色数(APHA)(以下、単に「ハーゼン色数」とも称す)とは、樹脂組成物の着色の程度を示す指標であり、ハーゼン色数が小さい程、着色の程度が低い、つまり、透明性が高いことを意味する。よって、本実施形態に係る樹脂組成物は、ハ−ゼン色数が50以下であるため、透明性が高い。
本実施形態では、このハーゼン色数が50以下である樹脂組成物を用いて成形することにより、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られる。
この理由は、定かではないが、以下のように推察される。
従来、セルロースを熱流動させて成形する用途(例えば射出成形)に使用する場合に、熱流動性を向上させるために、セルロース誘導体を用いることが知られている。セルロース誘導体は、例えば、セルロースを酸と反応させて、水酸基の一部を酸由来の置換基(例えば、アシル基)で置換することにより得られる。このセルロース誘導体を含む樹脂組成物を用いて成形すれば、熱流動性は改善される。しかし、セルロースとの反応に用いた酸、及びこの酸由来の置換基の一部が分解(脱離)することで、得られる樹脂成形体から臭気が発生しやすくなる。以下、セルロースとの反応に用いた酸が分解したもの、及びこの酸由来の置換基が分解したものを、併せて「脱離酸」と称して説明する。
脱離酸は、例えば、セルロース誘導体を合成するとき、セルロース誘導体を含む樹脂組成物を溶融混練するとき、又は樹脂組成物を成形するときに生じやすいと考えられる。樹脂成形体からの臭気は、この脱離酸が樹脂成形体の内部に残留し、そこから徐々に放出されることにより発生すると考えられる。
これに対し、本実施形態に係る樹脂組成物は、セルロース誘導体の透明性を高め、樹脂組成物のハーゼン色数を50以下としている。
樹脂組成物のハーゼン色数が50以下であるとは、化学構造上、セルロース誘導体の分子鎖が不規則(以下、「ランダム」と称す)に配置された状態であると考えられる。セルロース誘導体の分子鎖がランダムに配置されると、セルロース誘導体の置換基もランダムに配置される。この化学構造により、例えば、セルロース誘導体を合成するとき、セルロース誘導体を含む樹脂組成物を溶融混練するとき、又は樹脂組成物を成形するときに、置換基に局所的に負荷がかかりにくくなり、置換基の相互作用が抑制され、置換基が分解しにくくなる。
また、セルロース誘導体の分子鎖がランダムに配置されているため、分子鎖同士の間に間隙が生じやすい。これにより、セルロースとの反応に用いた酸、及びこの酸由来の置換基が分解しても、脱離酸が樹脂成形体に残留しにくくなる。
以上のことから、本実施形態に係る樹脂組成物を用いて成形することにより、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られることとなる。
なお、本実施形態に係る樹脂組成物では、水酸基の一部を置換したセルロース誘導体を含有するため、成形の際の熱流動性は確保される。
[ハーゼン色数(APHA)]
本実施形態に係る樹脂組成物におけるハーゼン色数(APHA)とは、JIS K0071−1(1998年)に準拠して測定される値である。
本実施形態に係る樹脂組成物におけるハーゼン色数は50%以下であるが、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましい。ハ−ゼン色数(APHA)を上記範囲にすると、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られやすくなる。なお、成形体にしたときの外観グロスが高くなりすぎない点から、本実施形態に係る樹脂組成物におけるハーゼン色数の下限値は、例えば5%以上が好ましい。
以下、本実施形態に係る樹脂組成物の成分を詳細に説明する。
[セルロース誘導体]
本実施形態に用いられるセルロース誘導体について説明する。
本実施形態に用いられるセルロース誘導体は、特に制限されないが、樹脂組成物のハーゼン色数を小さくする観点から、重量平均分子量、分子構造、樹脂組成物中の含有量等が、以下のような範囲であることが好ましい。
・重量平均分子量
セルロース誘導体の重量平均分子量は、1万以上7.5万未満が好ましく、2万以上5万以下がより好ましい。
重量平均分子量が1万以上7.5万未満であることで、セルロース誘導体の分子鎖及び置換基がランダムに配置された状態になりやすく、樹脂組成物のハーゼン色数を50%以下に調整しやすくなる。これにより、置換基の相互作用が抑制され、置換基が分解しにくくなる。この結果、得られる樹脂成形体の臭気の発生が低減される。
ここで、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、GPC装置(東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にて測定される。
・構造
セルロース誘導体は、セルロースが有する水酸基の少なくとも一部をアシル基にて置換した化合物であることが好ましく、具体的には、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
一般式(1)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子、又はアシル基を表す。nは2以上の整数を表す。ただし、n個のR、n個のR、及びn個のRのうちの少なくとも一部はアシル基を表す。
一般式(1)で表される化合物中に、アシル基が複数存在する場合には、それぞれのアシル基は、同じであってもよいし、一部が同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
nの範囲は特に制限されないが、前記した重量平均分子量の好ましい範囲に応じて決定されればよく、具体的には、40以上300以下が好ましく、100以上200以下がより好ましい。
nを40以上300以下にすることで、セルロース誘導体の分子鎖及び置換基がランダムに配置された状態になりやすく、樹脂組成物のハーゼン色数を50%以下に調整しやすくなる。
、R、及びRで表されるアシル基は、臭気の発生が低減された樹脂成形体を得やすくする観点から、炭素数1以上6以下のアシル基であることが好ましく、更に、炭素数1以上4以下のアシル基がより好ましく、1以上3以下のアシル基が更に好ましい。
n個のR、n個のR、及びn個のRは、それぞれ、全て同じでも一部同じでも互いに異なっていてもよい。
炭素数1以上6以下のアシル基は「−CO−RAC」の構造で表され、RACは、水素原子、又は炭素数1以上5以下の炭化水素基を表す。
ACで表される炭化水素基は、直鎖状、分岐状、及び環状のいずれであってもよいが、直鎖状であることがより好ましい。
前記炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよいが、飽和炭化水素基であることがより好ましい。
前記炭化水素基は、炭素及び水素以外の他の原子(例えば酸素、窒素等)を有していてもよいが、炭素及び水素のみからなる炭化水素基であることがより好ましい。
炭素数1以上6以下のアシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、プロぺノイル基、ヘキサノイル基等が挙げられる。
これらの中でもアシル基としては、臭気の発生が低減された樹脂成形体を得やすくする観点、及び樹脂組成物の成形性の向上の観点から、アセチル基が好ましい。
・置換度
セルロース誘導体の置換度は、セルロース誘導体を含む樹脂組成物を成形する際の熱流動性を確保する観点、及び臭気の発生が低減された樹脂成形体を得やすくする観点から、1.8以上2.5以下であることが好ましく、2以上2.5以下がより好ましく、2.2以上2.5以下が更に好ましい。
なお、置換度とは、セルロースが有する水酸基が置換基により置換されている程度を示す指標である。前述のように、置換基がアシル基であれば、置換度は、セルロース誘導体のアシル化の程度を示す指標となる。具体的には、置換度はセルロース誘導体のD−グルコピラノース単位に3個ある水酸基がアシル基で置換された置換個数の分子内平均を意味する。
・製造方法
本実施形態に用いられるセルロース誘導体の製造方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法が採用される。
以下、重量平均分子量が1万以上7.5万未満であり、セルロースの水酸基の一部が炭素数1以上6以下のアシル基で置換されたセルロース誘導体(以降、「特定セルロース誘導体」と称する)の製造方法について、例を挙げて説明する。
(セルロースの分子量の調整)
まず、アシル化前のセルロース、つまり、水酸基がアシル基で置換されていないセルロースを準備し、その分子量を調整する。
前記アシル化前のセルロースとしては、合成したものを用いても、市販のものを用いてもよい。なお、セルロースは植物由来の樹脂であり、その重量平均分子量は本実施形態における特定セルロース誘導体と比べて高いのが一般的である。そのため、セルロースの分子量の調整は、通常、分子量を低下させる工程となる。
例えば、市販のセルロースの重量平均分子量は、通常15万以上50万以下の範囲である。
前記アシル化前のセルロースの市販品としては、例えば、日本製紙社製のKCフロックW50、W100、W200、W300G、W400G、W−100F、W60MG、W−50GK、W−100GK、NDPT、NDPS、LNDP、NSPP−HR等が挙げられる。
前記アシル化前のセルロースの分子量を調整する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記セルロースを液体中で攪拌することで分子量を低下させる方法が挙げられる。
攪拌の際の速度や時間等を調整することで、セルロースの分子量を求める値に調整することができる。なお、特に限定されるものではないが、攪拌の際の攪拌速度としては50rpm以上3000rpm以下の範囲が好ましく、100rpm以上1000rpm以下がより好ましい。また、攪拌時間は2時間以上48時間以下の範囲が好ましく、5時間以上24時間以下がより好ましい。
なお、撹拌の際に用いられる液体は、塩酸水溶液、ギ酸水溶液、酢酸水溶液、硝酸水溶液、硫酸水溶液などが挙げられる。
(セルロース誘導体の調製)
上記の方法などによって分子量を調整したセルロースを、公知の方法により炭素数1以上6以下のアシル基でアシル化することで、特定セルロース誘導体が得られる。
例えば、前記セルロースが有する水酸基の一部をアセチル基で置換する場合であれば、酢酸、無水酢酸、及び硫酸の混合物を用いて、セルロースをエステル化する方法等が挙げられる。また、プロピオニル基で置換する場合であれば、前記混合物の無水酢酸に代えて無水プロピオン酸を用いて、セルロースをエステル化する方法が、ブタノイル基で置換する場合であれば、前記混合物の無水酢酸に代えて無水ブチル酸を用いて、セルロースをエステル化する方法が、ヘキサノイル基で置換する場合であれば、前記混合物の無水酢酸に代えて無水ヘキシル酸を用いて、セルロースをエステル化する方法が、それぞれ挙げられる。
アシル化した後、置換度を調整する目的で更に、脱アシル化工程を設けてもよい。また、前記アシル化の工程後又は前記脱アシル化工程後に更に精製する工程を設けてもよい。
・樹脂組成物中に占める比率
本実施形態に係る樹脂組成物では、セルロース誘導体の有する機能を発現し易くするため、セルロース誘導体の樹脂組成物全体に占める比率が70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であってもよい。該比率が70質量%以上であることにより、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られやすい。
[可塑剤]
本実施形態に係る樹脂組成物は、更に可塑剤を含有してもよい。
なお、可塑剤の含有量は、樹脂組成物全体に占めるセルロース誘導体の比率が前述の範囲となる量とすることが好ましい。より具体的には、樹脂組成物全体に占める可塑剤の比率は15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、5質量%以下が更に好ましい。可塑剤の比率が上記範囲であることにより、可塑剤のブリードが抑制されやすい。
可塑剤としては、例えば、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物、セバシン酸エステル化合物、グリコールエステル化合物、酢酸エステル、二塩基酸エステル化合物、リン酸エステル化合物、フタル酸エステル化合物、樟脳、クエン酸エステル、ステアリン酸エステル、金属石鹸、ポリオール、ポリアルキレンオキサイド等が挙げられる。
これらの中でも、アジピン酸エステル含有化合物、ポリエーテルエステル化合物が好ましく、アジピン酸エステル含有化合物がより好ましい。
−アジピン酸エステル含有化合物−
アジピン酸エステル含有化合物(アジピン酸エステルを含む化合物)とは、アジピン酸エステル単独の化合物、又は、アジピン酸エステルとアジピン酸エステル以外の成分(アジピン酸エステルとは異なる化合物)との混合物であることを示す。但し、アジピン酸エステル含有化合物は、アジピン酸エステルを全成分に対して50質量%以上で含むことがよい。
アジピン酸エステルとしては、例えば、アジピン酸ジエステル、アジピン酸ポリエステルが挙げられる。具体的には、下記一般式(2−1)で表されるアジピン酸ジエステル、及び下記一般式(2−2)で表されるアジピン酸ポリエステル等が挙げられる。
一般式(2−1)及び(2−2)中、R及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、又はポリオキシアルキル基[−(C2X−O)−RA1](但し、RA1はアルキル基を、xは1以上10以下の整数を、yは1以上10以下の整数を、表す。)を表す。
は、アルキレン基を表す。
m1は、1以上20以下の整数を表す。
m2は、1以上10以下の整数を表す。
一般式(2−1)及び(2−2)中、R及びRが表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。R及びRが表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(2−1)及び(2−2)中、R及びRが表すポリオキシアルキル基[−(C2X−O)−RA1]において、RA1が表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキル基がより好ましい。RA1が表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(2−2)中、Rが表すアルキレン基は、炭素数1以上6以下のアルキレン基が好ましく、炭素数1以上4以下のアルキレン基がより好ましい。Rが表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状、分岐状が好ましい。
一般式(2−1)及び(2−2)中、各符号が表す基は、置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
アジピン酸エステルの分子量(又は重量平均分子量)は、200以上5000以下が好ましく、300以上2000以下がより好ましい。なお、重量平均分子量は、前述のセルロース誘導体の重量平均分子量の測定方法に準拠して測定された値である。
以下、アジピン酸エステル含有化合物の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
−ポリエーテルエステル化合物−
ポリエーテルエステル化合物として具体的には、例えば、一般式(2)で表されるポリエーテルエステル化合物が挙げられる。
一般式(2)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数2以上10以下のアルキレン基を表す。A及びAは、それぞれ独立に、炭素数1以上6以下のアルキル基、炭素数6以上12以下のアリール基、又は炭素数7以上18以下のアラルキル基を表す。mは、1以上の整数を表す。
一般式(2)中、Rが表すアルキレン基としては、炭素数3以上10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数3以上6以下のアルキレン基がより好ましい。Rが表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現し易くなる。Rが表すアルキレン基の炭素数を10以下又はRが表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロース誘導体との親和性が高まり易くなる。このため、Rが表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上し易くなる。
これら観点から、特に、Rが表すアルキレン基は、n−ヘキシレン基(−(CH−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、Rとしてn−ヘキシレン基(−(CH−)を表す化合物であることが好ましい。
一般式(2)中、Rが表すアルキレン基としては、炭素数3以上10以下のアルキレン基が好ましく、炭素数3以上6以下のアルキレン基がより好ましい。Rが表すアルキレン基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、直鎖状が好ましい。
が表すアルキレン基の炭素数を3以上にすると、樹脂組成物の流動性の低下が抑制され、熱可塑性が発現し易くなる。Rが表すアルキレン基の炭素数を10以下又はRが表すアルキレン基を直鎖状にすると、セルロース誘導体との親和性が高まり易くなる。このため、Rが表すアルキレン基を直鎖状とし、且つ炭素数を上記範囲とすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
これら観点から、特に、Rが表すアルキレン基は、n−ブチレン基(−(CH−)が好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、Rとしてn−ブチレン基(−(CH−)を表す化合物であることが好ましい。
一般式(2)中、A及びAが表すアルキル基は、炭素数1以上6以下のアルキル基であり、炭素数2以上4以下のアルキル基がより好ましい。A及びAが表すアルキル基は、直鎖状、分岐状、及び環式のいずれであってもよいが、分岐状が好ましい。
及びAが表すアリール基は、炭素数6以上12以下のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基、又はt−ブチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基等の置換フェニル基が挙げられる。
及びAで表されるアラルキル基としては、−R−Phで示される基である。Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上4以下)のアルキレン基を表す。Phは、無置換フェニル基、又は直鎖状若しくは分岐状の炭素数1以上6以下(好ましくは炭素数2以上6以下)のアルキル基で置換された置換フェニル基を表す。アラルキル基として具体的には、例えば、ベンジル基、フェニルメチル基(フェネチル基)、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等の無置換アラルキル基、又はメチルベンジル基、ジメチルベンジル基、メチルフェネチル基等の置換アラルキル基が挙げられる。
及びAの少なくとも一方は、アリール基又はアラルキル基を表すことが好ましい。つまり、ポリエーテルエステル化合物は、A及びAの少なくとも一方としてアリール基(好ましくはフェニル基)又はアラルキル基を表す化合物であることが好ましく、A及びAの双方としてアリール基(好ましくはフェニル基)又はアラルキル基を表す化合物であることが好ましい。
次に、ポリエーテルエステル化合物の特性について説明する。
ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、450以上650以下が好ましく、500以上600以下がより好ましい。
重量平均分子量(Mw)を450以上にすると、ブリード(析出する現象)し難くなる。重量平均分子量(Mw)を650以下にすると、セルロース誘導体との親和性が高まり易くなる。このため、重量平均分子量(Mw)を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、ポリエーテルエステル化合物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される値である。具体的には、GPCによる分子量測定は、測定装置として東ソー社製、HPLC1100を用い、東ソー製カラム・TSKgel GMHHR−M+TSKgel GMHHR−M(7.8mmI.D.30cm)を使用し、クロロホルム溶媒で行う。そして、重量平均分子量は、この測定結果から単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用して算出する。
ポリエーテルエステル化合物の25℃における粘度は、35mPa・s以上50mPa・s以下が好ましく、40mPa・s以上45mPa・s以下がより好ましい。
粘度を35mPa・s以上にすると、セルロース誘導体への分散性が向上し易くなる。粘度を50mPa・s以下にすると、ポリエーテルエステル化合物の分散の異方性が出現し難くなる。このため、粘度を上記範囲にすると、樹脂組成物の成形性が向上する。
なお、粘度は、E型粘度計により測定される値である。
ポリエーテルエステル化合物の溶解度パラメータ(SP値)が、9.5以上9.9以下が好ましく、9.6以上9.8以下がより好ましい。
溶解度パラメータ(SP値)を9.5以上9.9以下にすると、セルロース誘導体への分散性が向上しやすくなる。
溶解度パラメータ(SP値)は、Fedorの方法により算出された値である、具体的には、溶解度パラメータ(SP値)は、例えば、Polym.Eng.Sci.,vol.14,p.147(1974)の記載に準拠し、下記式によりSP値を算出する。
式:SP値=√(Ev/v)=√(ΣΔei/ΣΔvi)
(式中、Ev:蒸発エネルギー(cal/mol)、v:モル体積(cm/mol)、Δei:それぞれの原子又は原子団の蒸発エネルギー、Δvi:それぞれの原子又は原子団のモル体積)
なお、溶解度パラメータ(SP値)は、単位として(cal/cm1/2を採用するが、慣行に従い単位を省略し、無次元で表記する。
以下、ポリエーテルエステル化合物の具体例を示すが、これに限られるわけではない。
[その他の成分]
本実施形態に係る樹脂組成物は、必要に応じて、さらに、上述した以外のその他の成分を含んでいてもよい。
その他の成分としては、例えば、難燃剤、相溶化剤、酸化防止剤、離型剤、耐光剤、耐候剤、着色剤、顔料、改質剤、ドリップ防止剤、帯電防止剤、耐加水分解防止剤、充填剤、補強剤(ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレー、マイカ、ガラスフレーク、ミルドガラス、ガラスビーズ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミナ、ボロンナイトライド等)などが挙げられる。これらの成分の含有量は、樹脂組成物全体に対してそれぞれ、0質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ここで、「0質量%」とはその他の成分を含まないことを意味する。
本実施形態に係る樹脂組成物は、上記樹脂以外の他の樹脂を含有していてもよい。
但し、他の樹脂は、樹脂組成物全体に占めるセルロース誘導体の比率が前述の範囲となる量とすることが好ましい。
他の樹脂としては、例えば、従来公知の熱可塑性樹脂が挙げられ、具体的には、ポリカーボネート樹脂;ポリプロピレン樹脂;ポリエステル樹脂;ポリオレフィン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンスルフィド樹脂;ポリスルフォン樹脂;ポリエーテルスルフォン樹脂;ポリアリーレン樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアセタール樹脂;ポリビニルアセタール樹脂;ポリケトン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリアリールケトン樹脂;ポリエーテルニトリル樹脂;液晶樹脂;ポリベンズイミダゾール樹脂;ポリパラバン酸樹脂;芳香族アルケニル化合物、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、及びシアン化ビニル化合物からなる群より選ばれる1種以上のビニル単量体を、重合若しくは共重合させて得られるビニル系重合体若しくは共重合体樹脂;ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;シアン化ビニル−ジエン−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;芳香族アルケニル化合物−ジエン−シアン化ビニル−N−フェニルマレイミド共重合体樹脂;シアン化ビニル−(エチレン−ジエン−プロピレン(EPDM))−芳香族アルケニル化合物共重合体樹脂;塩化ビニル樹脂;塩素化塩化ビニル樹脂;などが挙げられる。これら樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
[樹脂組成物の製造方法]
本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、セルロース誘導体、又はセルロース誘導体と上記成分との混合物を溶融混練することにより製造される。他に、本実施形態に係る樹脂組成物は、例えば、上記成分を溶剤に溶解することにより製造される。溶融混練の手段としては公知の手段が挙げられ、具体的には例えば、二軸押出機、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、単軸スクリュー押出機、多軸スクリュー押出機、コニーダ等が挙げられる。
なお、混練の際の温度は、使用するセルロース誘導体の溶融温度に応じて決定されればよいが、熱分解と流動性の点から、例えば、140℃以上240℃以下が好ましく、160℃以上200℃以下がより好ましい。
<樹脂成形体>
本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を含有する。
つまり、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物と同じ組成で構成されている。
具体的には、本実施形態に係る樹脂成形体は、本実施形態に係る樹脂組成物を成形して得られる。成形方法は、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形、熱プレス成形、カレンダ成形、コーティング成形、キャスト成形、ディッピング成形、真空成形、トランスファ成形などを適用してよい。
本実施形態に係る樹脂成形体の成形方法は、形状の自由度が高い点で、射出成形が好ましい。射出成形については、樹脂組成物を加熱溶融し、金型に流し込み、固化させることで成形体が得られる。射出圧縮成形によって成形してもよい。
射出成形のシリンダ温度は、例えば140℃以上240℃以下であり、好ましくは150℃以上220℃以下であり、より好ましくは160℃以上200℃以下である。射出成形の金型温度は、例えば30℃以上120℃以下であり、40℃以上80℃以下がより好ましい。射出成形は、例えば、日精樹脂工業製NEX500、日精樹脂工業製NEX150、日精樹脂工業製NEX70000、東芝機械製SE50D等の市販の装置を用いて行ってもよい。
本実施形態に係る樹脂成形体は、電子・電気機器、事務機器、家電製品、自動車内装材、エンジンカバー、車体、容器などの用途に好適に用いられる。より具体的には、電子・電気機器や家電製品の筐体;電子・電気機器や家電製品の各種部品;自動車の内装部品;CD−ROMやDVD等の収納ケース;食器;飲料ボトル;食品トレイ;ラップ材;フィルム;シート;などである。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、特に断りのない限り「部」は「質量部」を表す。
<セルロースの作製>
セルロース(日本製紙社製KCフロックW50)2kgを、0.1M塩酸水溶液20L中に入れ、室温(25℃)で攪拌した。表1に示す攪拌時間で、それぞれの重量平均分子量のセルロースを得た。なお、攪拌装置として新東科学社製、製品名: EP−1800を用い、かつ攪拌の際の回転速度は500rpmに設定した。
重量平均分子量については、ジメチルアセトアミド/塩化リチウム=90/10溶液を用い、GPC装置(東ソー社製、HLC−8320GPC、カラム:TSKgelα−M)にて測定した。結果を表1にまとめる。
<セルロース誘導体の作製>
(アセチル化工程)
表1の化合物1を1kg、氷酢酸500gを散布して前処理活性化した。その後、氷酢酸3.8kg、無水酢酸2.4kg、及び硫酸80gの混合物を添加し、40℃以下の温度で攪拌混合しながら、化合物1のエステル化を行った。繊維片がなくなった時をエステル化終了とした。
(脱アセチル化工程)
これに酢酸2kg、水1kgを加え、室温(25℃)で2時間攪拌した。
(精製工程)
更にこの溶液を、20kgの水酸化ナトリウムを40kgの水に溶かした溶液中に攪拌しながらゆっくりと滴下した。得られた白色沈殿を吸引ろ過し、水60kgで洗い、セルロース誘導体(化合物6)を得た。
化合物1を化合物2〜5に変えた以外は上記と同様にしてセルロース誘導体(化合物7〜10)を得た。
化合物3を用い、(アセチル化工程)終了後すぐに(精製工程)を実施した以外は上記と同様にして、セルロース誘導体(化合物11)を得た。
化合物3を用い、(脱アセチル工程)の攪拌時間を、それぞれ、0.5時間、1時間、3時間、5時間、10時間に変えた以外は上記と同様にして、セルロース誘導体(化合物12)、(化合物13)、(化合物14)、(化合物15)、(化合物16)を得た。
化合物3を用い、(アセチル化工程)の無水酢酸2.4kgを、それぞれ、無水プロピオン酸2kg/無水酢酸0.3kg、無水n−ブチル酸1.8kg/無水酢酸6kg、無水n−ヘキシル酸0.5kgに変えた以外は上記と同様にして、セルロース誘導体(化合物17)、(化合物18)、(化合物19)を得た。
得られたセルロース誘導体(化合物6)〜(化合物19)の重量平均分子量は、(化合物1)と同様の方法で、また、置換度はH−NMR測定(日本電子社製、JNM−ECZR)にて求めた。
これらの結果を表2にまとめる。
特許第5470032号公報の合成例1〜6(段落〔0107〕〜〔0112〕)で得られたセルロース誘導体C−1〜C−6を、下記表3のように、それぞれ(化合物20)〜(化合物25)とした。
<ペレットの作製>
下記表4に示す実施例1〜23及び比較例1〜10に示す仕込み組成比、混練温度で、2軸混練装置(東芝機械社製、TEX41SS)にて混練を実施し、樹脂組成物ペレットを得た。
なお、表4に示す化合物26及び化合物27の詳細を以下に示す。
・化合物26:ジメチルセルロース(ダイセル社製、L50、重量平均分子量170,000)
・化合物27:アジピン酸エステル含有化合物(大八化学工業社製、Daifatty101)
<ハーゼン色数(APHA)>
得られたペレットについて、ハーゼン色数を分光色彩・色差計(日本電色工業社製、TZ6000)を用いて測定した。結果を表5に示す。
<射出成形>
得られたペレットから射出成形機(日精樹脂工業社製、PNX40)を用い、表5に示す成形温度(シリンダ温度)、及び金型温度で、射出成形し、D2試験片(長さ×幅=60mm×60mm、厚み2mm)を作製した。
<臭気試験>
臭気試験は、下記要領で酸の拡散速度を計算することにより行った。
得られたD2試験片を0.24Lの反応器内に入れ、一方から50ml/minの流量で窒素ガスを流し込み、その反対方向でガスを捕集した後、検知管にて酸の捕集量を測定し、酸の拡散速度を計算した。なお、酸の拡散速度は、臭気の強さを示す指標となる。酸の拡散速度が速いということは、臭気が強いことを意味する。結果を表5に示す。
ハーゼン色数が50以下である樹脂組成物(実施例1〜23)を用いて成形された樹脂成形体は、ハーゼン色数が50を超える樹脂組成物(比較例1〜10)を用いて成形された樹脂成形体に比べ、酸拡散速度が遅いことがわかる。つまり、実施例1〜23の樹脂組成物を用いて成形することで、臭気の発生が低減された樹脂成形体が得られることがわかる。
また、セルロース誘導体におけるアシル基の置換度が1.8以上2.5以下である樹脂組成物(実施例1〜3、6、10、11、13〜23)を用いて成形された樹脂成形体は、前記アシル基の置換度が1.8未満の樹脂組成物(実施例7〜9、12)、及び前記アシル基の置換度が2.5を超える樹脂組成物(実施例4、5)を用いて成形された樹脂成形体に比べ、酸拡散速度がより遅いことがわかる。

Claims (6)

  1. セルロース誘導体を含み、色相を表すハーゼン色数(APHA)が50以下である樹脂組成物。
  2. 前記セルロース誘導体の重量平均分子量が、1万以上7.5万未満である請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記セルロース誘導体が、セルロースの水酸基の一部がアシル基で置換されたセルロース誘導体であり、該アシル基の置換度が1.8以上2.5以下である請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記セルロース誘導体の樹脂組成物全体に占める比率が70質量%以上である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する樹脂成形体。
  6. 射出成形により成形された請求項5に記載の樹脂成形体。
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