JP2016124548A - カートンブランクとその製造方法、カートン - Google Patents
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Abstract
【課題】本体の底面板にホットメルト系接着剤を介して切断刃が取り付けられ、ラップフィルム等のシートのロール体を収納するための業務用カートンにおいて、ホットメルト系接着剤の周囲の防水性を高め、切断刃が外れる、ロール体が汚染されるといった水濡れによる問題の発生を防止する。
【解決手段】非形成領域701を除いてシート材500の表面に、離型剤を含む表面コート層700を形成し、非形成領域701の端辺に沿って、非形成領域701内のシート材500の表面に離型剤を含まずホットメルト系接着剤600及び表面コート層700との接着性を有する保護コート層800を形成し、非形成領域701において切断刃300とシート材800とをホットメルト系接着剤600を介して接着する。
【選択図】図4
【解決手段】非形成領域701を除いてシート材500の表面に、離型剤を含む表面コート層700を形成し、非形成領域701の端辺に沿って、非形成領域701内のシート材500の表面に離型剤を含まずホットメルト系接着剤600及び表面コート層700との接着性を有する保護コート層800を形成し、非形成領域701において切断刃300とシート材800とをホットメルト系接着剤600を介して接着する。
【選択図】図4
Description
本発明は、ラップフィルム等の長尺シートをロール状に巻いて収納し、所定の長さに引き出したシートを切断するための切断刃を備えたカートンに関し、特に、カートンブランクとその製造方法に関する。
従来、ラップフィルムやクッキングシート、アルミホイルなどのシートのロール体を収納するカートンとしては、これらのロール体を収納する箱形の本体と、該本体に連接された蓋体と、引き出したシートを切断するために本体或いは蓋体に取り付けられた切断刃と、を備えた構造が一般的である。そして本体と蓋体とは、通常、1枚のシート材を所定の形状に切り出した後、所定の箇所で折り曲げることで成形される。
近年、切断刃としては、本体や蓋体から取り外すことなく廃棄することができるため、紙製や樹脂製といった非金属の切断刃が用いられている。このような非金属の切断刃は従来、糊接着でシート材に取り付けられていたが、糊のはみ出しを考慮して刃幅を広くしなければならなかった。そのため、最近では、はみ出しが小さく、刃幅を狭くすることができる超音波シール方式が採用されるようになってきた。この方式は、切断刃とシート材との間にホットメルト系接着剤を介在させ、該ホットメルト系接着剤に超音波を印加して溶融させ、切断刃及びシート材とに熱融着させる方式である(特許文献1参照)。
上記したカートンにおいては、防水性や印刷の保護を目的として、カートンの外側となるシート材の表面にOPニスや剥離ニスを塗工して表面コート層を形成している。これらOPニスや剥離ニスは、通常使用されているホットメルト系接着剤との接着性が悪い。切断刃が蓋体の裏側に取り付けられる家庭用のカートンにおいては、カートンの外側となるシート材全体に表面コート層を設けることに何ら問題はない。しかしながら、切断刃が本体の底面板の表側に取り付けられる業務用のカートンにおいては、シート材全体に表面コート層を形成してしまうと、切断刃をホットメルト系接着剤でシート材に接着することができなくなってしまう。
そのため、業務用のカートンにおいては、ホットメルト系接着剤が接する領域を除いて表面コート層が形成される。しかしながら、接着時にホットメルト系接着剤と表面コート層との間に隙間が生じると、防水性に劣るシート材表面が露出してしまい、シート材に水が浸入し易くなってしまう。また、シート材表面が露出しないように、表面コート層とホットメルト系接着剤とを部分的に重ねた場合であっても、表面コート層とホットメルト系接着剤とが接着しないために、これらの界面から水が浸入する恐れがあった。特に業務用のカートンは、水回りでの使用が多く、水に濡れた作業台に底面板が接した際に、シート材表面が露出した箇所や、表面コート層とホットメルト系接着剤との界面からシート材に水が浸入してしまう。
シート材に水が浸入すると、シート材がふやけ、切断刃がシート材から外れてしまう恐れがあった。また、カートンの内側になるシート材裏面には防水対策が施されていないため、カートンの外側から水が浸入した場合には、カートンの内側に至って収納しているロール体を汚染してしまう恐れもあった。
本発明の課題は、本体の底面板にホットメルト系接着剤を介して切断刃が取り付けられた業務用のカートンにおいて、ホットメルト系接着剤の周囲の防水性を高め、切断刃が外れる、ロール体が汚染されるといった水濡れによる問題の発生を防止することにある。さらには、係る問題を低減したカートンを提供しうるカートンブランクとその製造方法を提供することにある。
本発明の第1は、一部の非形成領域を除いて表面に離型剤を含む表面コート層が形成されたシート材と、前記非形成領域においてホットメルト系接着剤の熱融着によって前記シート材に接着された切断刃と、を備えたカートンブランクであって、
前記シート材の表面の前記非形成領域に、前記非形成領域の端辺に沿って、離型剤を含まず前記ホットメルト系接着剤及び前記表面コート層との接着性を有する保護コート層が形成されていることを特徴とする。
前記シート材の表面の前記非形成領域に、前記非形成領域の端辺に沿って、離型剤を含まず前記ホットメルト系接着剤及び前記表面コート層との接着性を有する保護コート層が形成されていることを特徴とする。
本発明のカートンブランクは、下記の構成を好ましい態様として含む。
前記シート材の、前記ホットメルト系接着剤が接着する領域内の中央部には前記保護コート層が形成されておらず、前記中央部においては、前記ホットメルト系接着剤が前記シート材に直接接していること。
前記切断刃が、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃であって、前記ホットメルト系接着剤が、前記切断刃の長さ方向に沿って配設されていること。
前記切断刃が、PLA樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートからなること。
前記シート材の、前記ホットメルト系接着剤が接着する領域内の中央部には前記保護コート層が形成されておらず、前記中央部においては、前記ホットメルト系接着剤が前記シート材に直接接していること。
前記切断刃が、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃であって、前記ホットメルト系接着剤が、前記切断刃の長さ方向に沿って配設されていること。
前記切断刃が、PLA樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートからなること。
本発明の第2は、底面板と、前記底面板より立ち上げられた前面板と左右の側面板と背面板と、を有し、長尺シートのロール体を収納する箱形の本体と、
前記背面板の上縁に連なると共に前記本体の上面開口を覆う上面板と、前記上面板の前縁に連なる掩蓋片と、を有する蓋体と、
前記底面板の前縁に取り付けられた非金属の切断刃と、を備えたカートンであって、
上記本発明のカートンブランクを所定の位置で折り曲げて成形されたことを特徴とする。
前記背面板の上縁に連なると共に前記本体の上面開口を覆う上面板と、前記上面板の前縁に連なる掩蓋片と、を有する蓋体と、
前記底面板の前縁に取り付けられた非金属の切断刃と、を備えたカートンであって、
上記本発明のカートンブランクを所定の位置で折り曲げて成形されたことを特徴とする。
本発明の第3は、シート材と非金属の切断刃とをホットメルト系接着剤の熱融着によって接着するカートンブランクの製造方法であって、
前記シート材の表面に一部の非形成領域を除いて離型剤を含む表面コート層を形成し、
前記シート材の表面の前記非形成領域に、前記領域の端辺に沿って、離型剤を含まず前記ホットメルト系接着剤及び前記表面コート層との接着性を有する保護コート層を形成し、
前記シート材の前記非形成領域において前記ホットメルト系接着剤を介して前記シート材と前記切断刃とを重ね合わせ、
前記ホットメルト系接着剤に超音波を印加することにより、前記シート材と前記切断刃とを前記ホットメルト系接着剤を介して接着することを特徴とする。
前記シート材の表面に一部の非形成領域を除いて離型剤を含む表面コート層を形成し、
前記シート材の表面の前記非形成領域に、前記領域の端辺に沿って、離型剤を含まず前記ホットメルト系接着剤及び前記表面コート層との接着性を有する保護コート層を形成し、
前記シート材の前記非形成領域において前記ホットメルト系接着剤を介して前記シート材と前記切断刃とを重ね合わせ、
前記ホットメルト系接着剤に超音波を印加することにより、前記シート材と前記切断刃とを前記ホットメルト系接着剤を介して接着することを特徴とする。
本発明のカートンブランクの製造方法は下記の構成を好ましい態様として含む。
前記シート材の、前記ホットメルト系接着剤が接着する領域内の中央部には前記保護コート層を形成しないこと。
前記切断刃が、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃であって、前記ホットメルト系接着剤を、前記切断刃の長さ方向に沿って配設すること。
前記切断刃が、PLA樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートからなること。
前記シート材の、前記ホットメルト系接着剤が接着する領域内の中央部には前記保護コート層を形成しないこと。
前記切断刃が、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃であって、前記ホットメルト系接着剤を、前記切断刃の長さ方向に沿って配設すること。
前記切断刃が、PLA樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートからなること。
本発明においては、表面コート層で保護されていない領域が保護コート層によって保護されるため、切断刃やその周辺が水に濡れてもシート材に水が浸入しない。よって、本発明によれば、水周りで使用しても、切断刃が外れる、ロール体が汚染されるといった問題が発生しないカートンが提供される。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は下記実施形態に限定されない。また、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。尚、図1中の一点鎖線は折り部を示す。
本発明のカートンを図1〜図3を用いて詳細に説明する。
本発明のカートンは、図1に示すように、本体100と、蓋体200と、切断刃300とを備えている。そして図2に示すように、カートンの本体100内にシート400のロール体を収納して包装体とする。
本発明のカートンは、図1に示すように、切断刃300以外は1枚のシート材500から切り出し、折り曲げて所定の箇所を接着剤等により固定することにより成形することができる。本発明の包装箱に用いられるシート材500としては、通常、弾性、柔軟性を有する紙であり、後述するように、カートンの外側となる表面に、一部の非形成領域を除いて表面コート層がコーティングされている。また、切断刃300は、図1に示すように本体100の底面板10の前面板20側端辺(前縁)に、刃先が底面板10から突出するように取り付けられる。
本発明で用いられる切断刃300は非金属製で、ホットメルト系接着剤との接着性が高い板紙や樹脂シートが用いられる。好ましくは、PLA(ポリ乳酸)樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートである。PLA樹脂は植物由来の生分解性プラスチックであり、バルカナイズドファイバーは木材や木綿の繊維からなる原紙を塩化亜鉛溶液に浸漬・積層し、繊維を膨張・溶解させた後、塩化亜鉛を除去し、乾燥させてなる素材で、いずれも焼却廃棄することができる。バルカナイズドファイバーシートの防湿被膜としてはPE(ポリエチレン)フィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムが挙げられる。
また、本発明のカートンに収納されるシート400としては、主に食品、調理用のラップフィルムやアルミホイル、クッキングシートであるが、同様のシートであれば特に用途は限定されない。これらシート400は長尺シートの形態で提供され、円筒形の芯材に巻き取って、或いは芯材を用いずに円筒形に巻き取って捲回ロールとし、本発明のカートンの本体100内に収納される。
図1、図2に示すように、本体100は底面板10と、該底面板10の四方にそれぞれ折り部を介して連なる前面板20と左右の側面板30a,30bと背面板40とを有している。そして、前面板20と側面板30a,30bと背面板40とを、それぞれ折り部を介して90°に折り曲げて底面板10より立ち上げることにより、箱形の本体100が形成される。本実施形態においては、前面板20の左右に折り部を介して補助片21a,21bを、背面板40の左右に折り部を介して補助片41a,41bを、それぞれ備えている。よって、前面板20、側面板30a,30b、背面板40をそれぞれ底面板10から立ち上げた際には、係る補助片21aと41aとをそれぞれ前面板20と背面板40とから折り部を介して90°に折り曲げて側面板30aの内面に、補助片21bと41bとをそれぞれ前面板20と背面板40とから折り部を介して90°に折り曲げて側面板30bの内面に、それぞれ、接着剤を介して貼り付けて固定し、本体100の箱形形状を保持することができる。
蓋体200は、本体100の背面板40の上縁に折り部を介して連なる上面板50と、該上面板50の前縁に折り部を介して連なる掩蓋片60と、を有している。よって、上面板50を背面板40から折り部を介して90°に折り曲げ、さらに掩蓋片60を上面板50から折り部を介して90°に折り曲げて固定することにより、掩蓋片60と上面板50との境界である折り部の角度が90°に固定された蓋体200が成形される。本実施形態では上面板50の左右に折り部を介して側縁板51a,51bを、掩蓋片60の左右に折り部を介して補助片61a,61bを、それぞれ備えている。よって側縁板51a,51bを上面板50から折り部を介して90°に折り曲げ、同様に補助片61a,61bを掩蓋片60から折り部を介して90°に折り曲げ、側縁板51aと補助片61a、側縁板51bと補助片61bをそれぞれ貼り合わせることで上面板50から掩蓋片60を90°に折り曲げた状態で固定することができる。
本例においては、図1,図2に示すように、前面板20の上縁に折り部を介して連なると共に該折り部を介して内側に折り曲げられて背面板40に向かって突出する内フラップ90が設けられている。内フラップ90は、シート400を引き出す際に本体100内に収納したロール体が飛び出すのを防ぐ作用を有している。
本例においては、図1に示すように、掩蓋片60の下端にミシン目80を介して掩蓋片60に連なる開封板70が配置されており、開封板70を本体100の前面板20に接着剤等によって貼付することで蓋体200を本体100に固定する。この時、底面板10に取り付けられた切断刃300の先端は開封板70によって覆われ、開封時には図3に示すように、ミシン目80において開封板70を切り離すことによって蓋体200は開放され、切断刃300の先端が露出してシート400の切断が可能となる。
次に、本発明のカートンブランクとその製造方法について、図1,図4〜図6を用いて説明する。
図1に示すように、本発明のカートンブランクにおいて、切断刃300は本体100の底面板10に取り付けられる。この時、切断刃300の刃先部分が前面板20に向かって底面板10から突出するように取り付けられる。切断刃300とシート材500とはホットメルト系接着剤(図1においては不図示)を介して接着されている。
本発明に用いられるシート材500には、カートンの外側となる表面に防水や印刷保護のための表面コート層が設けられるが、係る表面コート層には通常マイクロクリスタリンワックス等の離型剤が含まれており、ホットメルト系接着剤との接着性が悪い。そのため、図4(a)に示すように、ホットメルト系接着剤600が接する領域を非形成領域701として、非形成領域701を除いて、表面コート層700を形成する。図4(a)は、ホットメルト系接着剤600が超音波印加によって熱溶融して周囲に広がる分を加味して非形成領域701を形成した例である。また、図中の301は切断刃300の刃先部分であり、刃先部分300はカートンに成形した際に底面板10より突出させる必要があるため、シート材500に接着されないようにする。従って、刃先部分301に対応するシート材500の表面には表面コート層700を設けておく。
そして、本発明においては、非形成領域701の端辺に沿って、非形成領域701内に保護コート層800を形成する。保護コート層800には上記した離型剤が含まれておらず、ホットメルト系接着剤600及び表面コート層700との接着性が良い。また、保護コート層800は表面コート層700と同様に、水をはじくと同時にシート材500の表面を硬化させる働きがあり、シート材500に良好な防水性を付与することができる。よって、保護コート層800は、接着後にシート材500の表面が露出しないように、表面コート層700の非形成領域701の端辺から内側に十分な幅を持って形成する。また、表面コート層700と保護コート層800とは互いに端部が重なりあっていてもかまわない。
上記の如く表面コート層700、保護コート層800を形成したシート材500と、切断刃300との間にホットメルト系接着剤600を介在させて、切断刃300とシート材500とを重ね合わせ、ホットメルト系接着剤600に超音波を印加して熱溶融させ、切断刃300とシート材500とに熱融着させる。図4においては、切断刃300にホットメルト系接着剤600を配設してから切断刃300をシート材500に重ねているが、図5に示すように、シート材500にホットメルト系接着剤600を配設してから切断刃300をシート材500に重ねても良い。
図4(b)に示すように、本発明のカートンブランクにおいては、表面コート層700の非形成領域701には、端辺に沿って保護コート層800が形成されているため、ホットメルト系接着剤600と表面コート層700との間に隙間が生じても、係る隙間は保護コート層800で覆われ、シート材500の表面が露出しない。そのため、本発明のカートンの切断刃300やその周辺が水に濡れても、シート材500に水が浸入することがない。また、表面コート層700と保護コート層800とは接着性が良いため、これらの界面から水がしみ込む恐れはない。
さらに、本発明においては、図4(a)に示すように、シート材500の、ホットメルト系接着剤600が接着する領域内の中央部に、保護コート層800を形成しない非形成領域801を設けてもよい。係る非形成領域801では、シート材500の表面が露出しており、シート材500とホットメルト系接着剤600とが直接接して接着される。このように、シート材500とホットメルト系接着剤600とが直接接着された領域801を設けることで、保護コート層800に何らかの不都合が生じて保護コート層800とホットメルト系接着剤600との接着性が低下した場合であっても、シート材500とホットメルト系接着剤600との接着が上記非形成領域801によって確保される。
また、図4,図5では、切断刃300の幅よりもホットメルト系接着剤600の幅を狭くしているが、同じ幅であってもかまわない。図6は、予め切断刃300の素材とホットメルト系接着剤600とを積層した積層体を形成し、切断刃300の形状に裁断したものを用いた場合の接着工程図であり、刃先部分301にもホットメルト系接着剤600が積層されている。このような形態の場合でも、図4の工程と同様に、刃先部分301に対応するシート材500の表面に表面コート層700を形成しておけば、刃先部分301ではホットメルト系接着剤600と表面コート層700とが接着しないため、接着後に底面板10から前面板20を折り曲げて立ち上げた際には、刃先部分301は前面板20に追従せず、底面板10から突出する。
本発明において用いられるホットメルト系接着剤600としては、シート材500及び切断刃300との接着性の高いものが用いられ、好ましくは、融点が100℃以下のEMMA(エチレン−メチルメタクリル酸)樹脂、融点が100℃以上のPE(ポリエチレン)樹脂、融点が200℃以上のPLA(ポリ乳酸)樹脂のいずれかが用いられる。
また、本発明に係る表面コート層700としては、市販されているOP(Over Print)ニスや剥離ニスを塗工して形成することができる。これらのニスは、感光性モノマーを主成分とするUV硬化型ニスや熱硬化性を有する油性ニスとして提供され、いずれも離型剤としてマイクロクリスタリンワックス(固形パラフィン)が含有されている。
上記UV硬化型ニスは、紫外線や可視光線などの活性エネルギー線の照射によって硬化する性質を備えたニスであり、通常、感光性モノマー40〜80質量%と感光性樹脂20〜60質量%からなる組成物100質量部に対して、光重合開始剤を1〜10質量部、シリカを1〜5質量部含む。上記感光性モノマー及び感光性樹脂は、活性エネルギー線の照射によって重合或いは硬化反応を生じる少なくとも一つの官能基を有する化合物を有する。例えばラジカル重合性不飽和二重結合を有する化合物の、一官能モノマー、二官能以上の多官能モノマー、官能オリゴマー、官能ポリマーなどが用いられる。また、電離放射線で重合或いは硬化する官能基として、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、エポキシ基のいずれかを有する感光性モノマーや感光性樹脂も用いることができる。
また、上記油性ニスとしては、ウレタン樹脂塗料やフェノールマレイン酸樹脂を主樹脂成分とし、軽油を主溶剤成分としたニスなどを用いることができる。
これらニス類は、シート材500に塗工し、必要に応じて紫外線や可視光線などの活性エネルギー線の照射、或いは加熱を施すことによって表面コート層700とすることができる。ニス類の塗工方法としては、オフセット印刷等の印刷手段を用いることができる。
さらに、本発明に係る保護コート層800としては、離型剤を含まず、ホットメルト系接着剤600及び表面コート層700と接着性を有するニスが用いられる。係るニスとしては離型剤を含まない以外は、上記OPニスや油性ニスと同じ組成のものが好ましく用いられる。これらのニス類は、表面コート層700と同様、オフセット印刷等の印刷手段を用いてシート材500に塗工し、必要に応じて紫外線や可視光線などの活性エネルギー線の照射、或いは加熱を施すことによって保護コート層800とすることができる。
本発明に係る切断刃300は、図1に示すように、底面板10の長尺方向に沿って取り付けられるため、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃である。ホットメルト系接着剤600は、係る切断刃300の長さ方向に沿って直線状に配設することで切断刃300とシート材500と強固に接着することができるが、本発明においては係る形態に限定されない。ホットメルト系接着剤600は、切断刃300の長さ方向に沿ってドット状に複数箇所に配設してもかまわない。また、ドット状の場合には、各ドットは矩形や三角形等の角形、円形、楕円形等、形状はいずれでもかまわない。また、ドット状のホットメルト系接着剤600に対して、表面コート層700の非形成領域701はドット状でも、複数のホットメルト系接着剤600のドットを含む直線状としてもよい。いずれも場合も、ホットメルト系接着剤600と表面コート層700との間に、シート材500の表面が露出しないように、保護コート層800が形成されていればよい。
また、保護コート層800の非形成領域801についても、ホットメルト系接着剤600に重なる領域内であれば特に形状は限定されない。ホットメルト系接着剤600が切断刃300の長さ方向に沿って直線状に配設される場合には、保護コート層800の非形成領域801は、ホットメルト系接着剤600に重なる領域内で直線状でもドット状でもいずれでもかわない。また、ドット状の場合には、各ドットは矩形や三角形等の角形、円形、楕円形等、形状はいずれでもかまわない。ホットメルト系接着剤600がドット状に配設される場合、各ドット内に保護コート層800の非形成領域801を設けておけばよい。
厚さ250μmのPLA樹脂シートに厚さ40μmのEMMA樹脂を積層してなる積層体を形成し、幅9mmの長尺の積層体を作製した。
シート材としてボール紙の一表面を白色加工したコートボール(レンゴー株式会社製「CRC」)の白色加工した表面に、離型剤を含まず、ホットメルト系接着剤及び離型剤を含むOPニスとの接着性が良いUV硬化型ニス(株式会社T&K TOKA製「TOKA SP−2」)をオフセット印刷で印刷し、UV照射して保護コート層を形成し、その上に上記積層体を、EMMA樹脂が保護コート層に接するように、シート材に重ね、EMMA樹脂に超音波を印加して係る積層体をシート材に接着して実施例1の試料とした。また、上記UV硬化型ニスを印刷せずに、直接上記シート材に上記積層体を直接接着して比較例1の試料とした。
上記実施例1,比較例1のそれぞれの試料を、20℃で24時間保管したものと、シート材の裏面が濡れないようにして上記試料の積層体周辺を水に15秒間浸したものとについて、剥離強度を測定した。具体的には、上記積層体の長さ方向の一端を押さえ、他端を300mm/minのスピードで上方に引っ張る90度剥離試験を行い、ストログラフ(引張試験機)を用いて剥離強度を測定した。試料の積層体の幅は9mmであるため、得られた測定値を15mm幅の剥離強度に換算した。
その結果、20℃で24時間保管後の剥離強度は、実施例1が4.49N/15mm幅であるのに対して、比較例1は3.77N/15mm幅であった。実施例1では、保護コート層が硬い層を形成しており、剥離強度の測定においては、係る保護コート層が破断した後にシート材内部で層間剥離を起こすため、一瞬高いピークが観察された。よって、剥離強度としては、実施例1の方が比較例1よりも高い数値が測定された。
また、水に15秒間浸した後の剥離強度は、実施例1が2.39N/15mm幅であるのに対して、比較例1は1.59N/15mm幅であり、比較例1では浸水によってシート材がふやけ、積層体が外れやすくなっていた。
さらに、実施例1の保護コート層のかわりに、離型剤を含むUV硬化型のOPニス(株式会社T&K TOKA製「A−3」:マイクロクリスタリンワックスを3質量%含有)を上記シート材の表面にオフセット印刷で塗工し、UV照射して表面コート層を形成したものを用いた以外は、実施例1と同様にして上記積層体を接着しようとしたが、EMMA樹脂がシート材に接着されなかった。即ち、剥離強度は0N/15mm幅であった。
10:底面板、20:前面板、21a,21b:補助片、30a,30b:側面板、40:背面板、41a,41b:補助片、50:上面板、51a,51b:側縁板、60:掩蓋片、61a,61b:補助片、70:開封板、80:ミシン目、90:内フラップ、100:本体、200:蓋体、300:切断刃、400:シート、500:シート材、600:ホットメルト系接着剤、700:表面コート層、701:表面コート層の非形成領域、800:保護コート層、801:保護コート層の非形成領域
Claims (9)
- 一部の非形成領域を除いて表面に離型剤を含む表面コート層が形成されたシート材と、前記非形成領域においてホットメルト系接着剤の熱融着によって前記シート材に接着された切断刃と、を備えたカートンブランクであって、
前記シート材の表面の前記非形成領域に、前記非形成領域の端辺に沿って、離型剤を含まず前記ホットメルト系接着剤及び前記表面コート層との接着性を有する保護コート層が形成されていることを特徴とするカートンブランク。 - 前記シート材の、前記ホットメルト系接着剤が接着する領域内の中央部には前記保護コート層が形成されておらず、
前記中央部においては、前記ホットメルト系接着剤が前記シート材に直接接していることを特徴とする請求項1に記載のカートンブランク。 - 前記切断刃が、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃であって、前記ホットメルト系接着剤が、前記切断刃の長さ方向に沿って配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカートンブランク。
- 前記切断刃が、PLA樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のカートンブランク。
- 底面板と、前記底面板より立ち上げられた前面板と左右の側面板と背面板と、を有し、長尺シートのロール体を収納する箱形の本体と、
前記背面板の上縁に連なると共に前記本体の上面開口を覆う上面板と、前記上面板の前縁に連なる掩蓋片と、を有する蓋体と、
前記底面板の前縁に取り付けられた非金属の切断刃と、を備えたカートンであって、
請求項1〜4のいずれか1項に記載のカートンブランクを所定の位置で折り曲げて成形されたことを特徴とするカートン。 - シート材と非金属の切断刃とをホットメルト系接着剤の熱融着によって接着するカートンブランクの製造方法であって、
前記シート材の表面に一部の非形成領域を除いて離型剤を含む表面コート層を形成し、
前記シート材の表面の前記非形成領域に、前記領域の端辺に沿って、離型剤を含まず前記ホットメルト系接着剤及び前記表面コート層との接着性を有する保護コート層を形成し、
前記シート材の前記非形成領域において前記ホットメルト系接着剤を介して前記シート材と前記切断刃とを重ね合わせ、
前記ホットメルト系接着剤に超音波を印加することにより、前記シート材と前記切断刃とを前記ホットメルト系接着剤を介して接着することを特徴とするカートンブランクの製造方法。 - 前記シート材の、前記ホットメルト系接着剤が接着する領域内の中央部には前記保護コート層を形成しないことを特徴とする請求項6に記載のカートンブランクの製造方法。
- 前記切断刃が、長さ方向に沿って刃先を有する長尺の切断刃であって、前記ホットメルト系接着剤を、前記切断刃の長さ方向に沿って配設することを特徴とする請求項6又は7に記載のカートンブランクの製造方法。
- 前記切断刃が、PLA樹脂シート或いは表面に防湿被膜を形成したバルカナイズドファイバーシートからなることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載のカートンブランクの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014263942A JP2016124548A (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | カートンブランクとその製造方法、カートン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2014263942A JP2016124548A (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | カートンブランクとその製造方法、カートン |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2016124548A true JP2016124548A (ja) | 2016-07-11 |
Family
ID=56357415
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2014263942A Pending JP2016124548A (ja) | 2014-12-26 | 2014-12-26 | カートンブランクとその製造方法、カートン |
Country Status (1)
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|---|---|
| JP (1) | JP2016124548A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2018027805A (ja) * | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 富士フイルム株式会社 | 感光性材料の収納箱 |
| CN119176323A (zh) * | 2024-11-26 | 2024-12-24 | 旭化研(吉林)新材料有限公司 | 一种热熔胶存放装置 |
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2014
- 2014-12-26 JP JP2014263942A patent/JP2016124548A/ja active Pending
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