JP2016206556A - 測距像の取得方法、およびそれを用いる撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮像装置のズームやフォーカス状態の変化などにより、同一画素に含まれる複数の光電変換部の間に感度差が生じても、高精度な測距を実現する方法及び装置を提供する。【解決手段】相対的に感度の高い第一光電変換部111と相対的に感度の低い第二光電変換部112とを有する第一の画素110と、相対的に感度の高い第三光電変換部121と相対的に感度の低い第四光電変換部122とを有する第二の画素120とを含む場合、1フレームあたりに、第一光電変換部と第二光電変換部に蓄積される電荷量を、それぞれ第三光電変換部と第四光電変換部に蓄積される電荷量よりも多くし、第一光電変換部から第四光電変換部で取得される信号を、第一の画素および第二の画素で取得される測距信号として、測距像の生成に用いる。【選択図】図2
Description
本発明は、固体撮像素子を用いた測距像の取得方法に関し、特にデジタルカメラやビデオカメラなどの撮像装置に好適な測距像を取得する方法、およびそれを用いる撮像装置に関するものである。
近年、デジタルカメラやビデオカメラなどの撮像装置に対して、さらなる自動焦点調節の高速化が求められている。特許文献1には、撮像素子の一部あるいは全部の画素に測距機能を有する距離測定用の画素(以下、測距画素)を配置し、位相差方式を用いて短時間で焦点調節状態を検出可能な固体撮像素子が提案されている。測距画素は、同一画素内に複数の光電変換部が設けられ、撮影レンズの瞳上において、撮影レンズの光軸に対して互いに反対向きにずれた領域を通過した光束が、それぞれの光電変換部に導かれるように構成されている。
各測距画素に配置された複数の光電変換部で得た信号により、撮像レンズの光軸に対して、互いに反対向きにずれた瞳領域を通過した光束から生成される信号(以後、測距像)を取得する。測距像間のずれ量を基に、三角測量の原理を用いて距離を測定することができる。また、画素内の複数の光電変換部の出力を合算することにより、同時に撮像信号を得ることができる。
一般に、撮像装置の結像光学系の射出瞳位置は、結像光学系のズームやフォーカス状態によって変化するため、固体撮像素子の設計瞳位置と実際の結像光学系の射出瞳位置とが、一致しない場合が生じる。固体撮像素子の設計瞳位置と結像光学系の射出瞳位置とが一致しない場合、各測距画素で受光する光束が通過する撮影レンズの瞳領域の、光軸に対するずれ量が、固体撮像素子内の各測距画素の位置によって異なる。その結果、各測距画素で受光される光束が通過する瞳領域の瞳透過率分布が、各測距画素の位置によって異なってしまう。そのため、単位時間当たりに測距画素に入射する光量によって光電変換部に蓄積される電荷量(以下、感度)が、光電変換部間で異なってしまう。このような光電変換部間の感度差は、口径食や固体撮像素子の製造時に発生する製造誤差によっても、生じる場合がある。
複数の光電変換部間の感度に差が生じた場合、感度の低い光電変換部に露光時間を合わせると感度の高い画素が飽和しやすくなり、感度の高い光電変換部に露光時間を合わせると感度の低い画素の信号強度が不足しやすくなる。結果として、特にコントラストの高い被写体を撮影した場合、測距像の品質が低下し、測距精度が低下する。また、飽和や感度不足が生じない場合でも、複数の光電変換部間に感度差が生じた場合、測距像間の信号強度差によって、測距像間のずれ量の検出精度が低下するため、測距精度が低下する。
本発明は、測距画素中の複数の光電変換部の感度に差がある場合でも、高精度な測距が可能な測距像の取得方法を提供することを目的とする。
本発明は、同一画素に含まれる複数の光電変換部の間に感度差が生じても、高精度な測距が可能な固体撮像素子の提供を目的とする。
本発明にかかる測距像の取得方法は、
複数の画素が行方向および列方向に配置され、前記複数の画素のそれぞれに複数の光電変換部が設けられている固体撮像素子を用いた測距像の取得方法であって、
前記複数の画素に、第一光電変換部と第二光電変換部とが設けられた第一の画素と、第三光電変換部と第四光電変換部とが設けられた第二の画素とが含まれており、
前記第一の光電変換部の重心から前記第二の光電変換部の重心へ向かう方向と、前記第三の光電変換部の重心から前記第四の光電変換部の重心へ向かう方向とが、同じであり、
単位時間当たりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多い場合に、
1フレームあたりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量を前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量を前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多くし、
前記1フレームに、前記第一の光電変換部から前記第四の光電変換部で取得される信号を、それぞれs(1)、s(2)、s(3)、s(4)として、
複数の画素が行方向および列方向に配置され、前記複数の画素のそれぞれに複数の光電変換部が設けられている固体撮像素子を用いた測距像の取得方法であって、
前記複数の画素に、第一光電変換部と第二光電変換部とが設けられた第一の画素と、第三光電変換部と第四光電変換部とが設けられた第二の画素とが含まれており、
前記第一の光電変換部の重心から前記第二の光電変換部の重心へ向かう方向と、前記第三の光電変換部の重心から前記第四の光電変換部の重心へ向かう方向とが、同じであり、
単位時間当たりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多い場合に、
1フレームあたりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量を前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量を前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多くし、
前記1フレームに、前記第一の光電変換部から前記第四の光電変換部で取得される信号を、それぞれs(1)、s(2)、s(3)、s(4)として、
で表されるS(A)とS(B)を、前記第一の画素および前記第二の画素で取得される測距信号として、測距像の生成に用いることを特徴とする。
本発明によれば、同一画素に含まれる複数の光電変換部の間に感度差が生じても、高精度な測距を行うことができる。
以下、図面を用いて、本発明について説明する。各図面において、同一の機能または対応する機能を有する部材には同一の数字を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1は、本発明にかかる測距像の取得方法が適用可能な固体撮像素子10の構成例を示す概略図である。固体撮像素子10は、基板11に、1画素内に2つの光電変換部が行方向(X方向)に沿って設けられている画素100が、行および列方向に複数設けられている。図1には簡単のために画素数を4行×5列としているが、この数に限定されるものではない。
各画素100には、図12に示すように、基板11にX方向に並んで光電変換部101、光電変換部102が設けられ、基板11よりも光の入射側に、マイクロレンズなどの入射方向分割手段160が設けられている。入射方向分割手段160は、画素に所定の角度で入射する光束を、所定の光電変換部へ導くことができる。具体的には、図12(a)のように、+Xかつ−Z方向に入射した光束L2を、画素100内の+X側に位置する第二の光電変換部102に選択的に導いている。そして、図12(b)のように、−Xかつ−Z方向に入射した光束L1を、画素100内の−X側に位置する第一の光電変換部101に選択的に導いている。
光電変換部101、102は、行毎に設けられた水平信号線12と列毎に設けられた垂直信号線13とに接続されている。画素の露光時間は、垂直走査回路14から水平信号線12に供給される走査信号によって、行単位で制御することができる。露光時間は、電子シャッタの開閉タイミングを制御することにより、任意に変えることが可能である。画素行毎に光電変換部101と102に共通の水平信号線12を1本設ければ、光電変換部101と光電変換部102を、同じ走査信号で制御することができる。また、画素行毎に光電変換部101に接続する水平信号線12と、光電変換部102に接続する水平信号線の2本を設けることで、光電変換部101と光電変換部102を別の走査信号で制御してもよい。
光電変換部101、102で取得された信号は、垂直信号線13を介して水平走査回路15へと送られ、外部からの信号に応じて、距離を測定するための信号(測距信号)、被写体像を生成するための信号(撮像信号)、あるいはその両方が出力される。以下、垂直走査回路14と水平走査回路15を、まとめて周辺回路と記述する場合がある。
外部から撮像信号の出力を指示する信号が固体撮像素子10に入力されると、光電変換部101および102で取得される信号が、画素100毎に合算され、1画素分の撮像信号として出力される。複数の画素100で取得された複数の撮像信号からは、1枚の被写体像を生成することができる。
外部から測距信号の出力を指示する信号が固体撮像素子10に入力されると、光束L1を受光して光電変換部101で取得される信号(A信号)と、光束L2を受光して光電変換部102で取得される信号(B信号)とが出力される。複数の光電変換部101で取得された複数のA信号および複数の光電変換部102で取得された複数のB信号から、測距像を生成することができる。−Xかつ−Z方向に入射した光束L1を選択的に受光する光電変換部で取得されたA信号によって生成された測距像を第一の測距像と呼ぶ。また、+Xかつ−Z方向に入射した光束L2を選択的に受光する光電変換部で取得されたB信号によって生成された測距像を第二の測距像と呼ぶ。
得られた第一の測距像と第二の測距像との間のずれ量に対して三角測量の原理を適用すれば、固体撮像素子10から被写体までの距離を測定することができる。
しかし、前述したとおり、結像光学系のズームやフォーカスの状態、口径食や固体撮像素子の製造時に発生する製造誤差に起因して、同一画素内に設けられた複数の光電変換部間に感度差が生じる場合がある。結像光学系のズームやフォーカスの状態、口径食によって感度差が生じている場合には、固体撮像素子の画素が設けられている領域(周辺回路以外の領域)の周辺近傍に位置する画素において、2つの光電変換部間に感度差が生じる。製造誤差によって感度差が生じている場合には、固体撮像素子内の画素の位置によらず、画素100に設けられた2つの光電変換部間に感度差が生じる。
本発明は、画素100のうち、同一画素内に設けられた複数の光電変換部間に感度差が生じている場合において、光電変換部間の感度差に起因する測距精度の低下を抑制している。以下では、光電変換部間に感度差が生じている画素を、第一の画素110および第二の画素120とする。図1では、第一の画素110と第二の画素120は、それぞれ異なる画素行に含まれている。図2および図3に、画素の光入射面における第一の画素110と第二の画素120の構成例を示す。第一の画素110には、X方向(行方向)に沿って、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112とが設けられており、第一の光電変換部111の感度が、第二の光電変換部112の感度よりも高くなっている。第二の画素120には、X方向(行方向)に沿って、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122とが設けられており、第三の光電変換部121の感度が、第四の光電変換部122の感度よりも高くなっている。
第一の画素110と第二の画素120のどちらの基板表面においても、感度が高い方の光電変換部の重心を始点、感度が低い方の光電変換部の重心を終点とするベクトルは、同じ方向を向いている。即ち、第一の光電変換部111の重心から第二の光電変換部112の重心へ向かうベクトルの向き(+X方向)と、第三の光電変換部121の重心から第四の光電変換部122の重心へ向かうベクトルの向き(+X方向)とが同じになっている。ここで、同じ方向とは、必ずしも厳密に成立する必要はなく、製造誤差程度のずれがあっても良い。例えば、±10度の範囲で誤差があっても良い。以下、第一の光電変換部111の重心から第二の光電変換部112の重心へ向かうベクトルの方向を、単に、第一の光電変換部111の重心から第二の光電変換部112の重心へ向かう向きと表現する。第三の光電変換部121の重心から第四の光電変換部122の重心へ向かうベクトルの方向も、同様に表現する。
第一の画素110では、−Xかつ−Z方向に入射した光束L1は、−X側に位置する第一の光電変換部111に、+Xかつ−Z方向に入射した光束L2は、+X側に位置する第二の光電変換部112に、選択的に導かれる。また、第二の画素120では、−Xかつ−Z方向に入射した光束L1は、−X側に位置する第三の光電変換部121に、+Xかつ−Z方向に入射した光束L2は、+X側に位置する第四の光電変換部122に選択的に導かれる。
第一の画素110や第二の画素120において、各々の光電変換部で取得される信号をそのまま測距像の生成に用いた場合、光電変換部間の感度差に起因した飽和や感度不足が生じ、測距精度が低下する。特にコントラストの高い被写体を撮影した場合には、測距精度の低下が大きくなってしまう。また、飽和や感度不足が生じない場合でも、測距像間の信号強度差によって、測距像間のずれ量の検出精度が低下するため、測距精度が低下する。
そこで、本発明は、測距に用いられる信号の強度差を低減して、測距精度を向上させるための工夫を施している。具体的には、2通りの手法が挙げられる。
1つ目は、第一の画素110の露光時間を第二の画素120の露光時間よりも長くして、第一の画素110と第二の画素120とから1対の測距信号(A信号とB信号)を取得する。2つ目は、基板表面において、第一の画素110の光電変換部が占める領域の面積を、第二の画素120の光電変換部が占める領域よりも広くして、第一の画素110と第二の画素120とから1対の測距信号(A信号とB信号)を取得する。
以下、それぞれの手法について詳細に説明する。
[1.第一の画素の露光時間を第二の画素の露光時間よりも長くする場合]
以下、図2を用いて説明する。図2は、図1の固体撮像素子10に含まれる第一の画素110と第二の画素120における、基板11の光入射面を示す図である。
以下、図2を用いて説明する。図2は、図1の固体撮像素子10に含まれる第一の画素110と第二の画素120における、基板11の光入射面を示す図である。
図2において、第一から第四の光電変換部それぞれが基板表面に占める領域は、いずれも矩形でかつ同じ面積を有している。ただし、光電変換部の形状は矩形に限定されるものではなく、多角形であっても良いし、丸みを帯びた形状であっても良い。ここでいう「同じ」は、±10%程度の誤差を許容する。本発明において、「同一」、「等しい」も、「同じ」と同様の意味で用いる。
第一の画素において、第一の光電変換部111は、第二の光電変換部112よりも感度が高くなっており、第二の画素において、第三の光電変換部121は、第四の光電変換部122よりも感度が高くなっている。図では、同一画素に含まれる光電変換部の感度の違いを区別するため、感度が相対的に低い第二の光電変換部112と第四の光電変換部122に、ハッチングが施してある。
光電変換部の露光時間は、周辺回路から水平信号線12に供給される走査信号によって行単位に制御され、第一の画素が配置された行の露光時間が第二の画素が配置された行の露光時間よりも長くなっている。即ち、第一の光電変換部111の露光時間は第三の光電変換部121よりも長く、第二の光電変換部112の露光時間は第四の光電変換部122よりも長くなっている。
1フレームあたりに光電変換部に蓄積される電荷の量は、[光電変換部の感度]×[露光時間]で表わされ、この電荷量が光電変換部で取得される信号強度に対応する。
そのため、第一の光電変換部111に蓄積される電荷量は第三の光電変換部121よりも大きく、第二の光電変換部121に蓄積される電荷量は第四の光電変換部122よりも大きい。従って、4つの光電変換部のうち、第一の光電変換部111に蓄積される電荷量が最も大きく、第四の光電変換部122に蓄積される電荷量が最も小さくなる。そのため、第一の光電変換部111の画素が最も飽和しやすく、第四の光電変換部122の信号強度が最も不足しやすい。従って、特にコントラストの高い被写体を撮影した場合、第一の光電変換部111での飽和や第四の光電変換部122での信号強度不足による信号の品質低下が生じやすい。そこで、本発明では、第一の画素110と第二の画素120とから、1対の測距信号(A信号とB信号)を取得する。
具体的には、以下の式(1)で表されるS(A)、S(B)を、第一の画素110と画素120とから取得される、一対の測距信号として出力する。式(1)において、s(1)、s(2)、s(3)、s(4)は、それぞれ前記第一から第四の光電変換部で取得される信号を表す。α、βは補正係数である。
α、βの値は、一対の測距信号S(A)、S(B)の強度差が小さくなるよう、各画素に設けられた光電変換部間の感度差に応じて決定すればよい。(1)式を用いれば、第一の光電変換部111で取得される信号の飽和や、第四の光電変換部122で取得される信号の強度不足の影響を低減することが可能となり、測距精度が向上する。また、第一の光電変換部での信号の飽和や第四の光電変換部での信号の強度不足が生じていない場合でも、測距像間の信号強度差を低減させることによって、測距像間のずれ量の検出精度を向上させることができ、測距精度が向上する。
α=β=0とすれば、第一の光電変換部111の画素や、第四の光電変換部122の信号強度の影響を受けることなく、測距を行うことができる。その結果、特にコントラストの高い被写体を撮影したときに、測距精度が向上するため好ましい。また、α=β=0とした場合、測距像を生成するための(1)式の演算が不要になり、必要な消費電力を低減できたり、(1)式を演算するための回路が不要になってコストの増加が抑えられたりするため、更に好ましい。一対の測距信号S(A)、S(B)を取得するために演算が必要な場合、即ち、α≠0、β≠0の場合は、各光電変換部で取得された信号s(1)〜s(4)を周辺回路に伝送した後、例えば図10に示した加算回路を用いて、周辺回路で演算処理をすればよい。また、s(1)〜s(4)をデジタル値に加算したのち、数値的に加算しても良い。α、βの値は、外部から周辺回路に与えても良いし、周辺回路にメモリを設けて保存しておき、適宜読み出すようにしても良い。
図1では、露光時間の異なる第一の画素110と第二の画素120が別々の行に配置されている例を示したが、同じ行に配置しても良い。第一の画素110と第二の画素120が同じ行に配置されている場合、第一の画素110と第二の画素120の露光時間を別々に制御するため、画素毎に別々の水平信号線を設ける必要がある。それに対して、第一の画素110と第二の画素120を別々の行に配置すれば、行毎に共通の水平信号線を用いて、第一の画素110と第二の画素120の露光時間を別々に制御できるため好ましい。
[2.第一の画素の光電変換部の開口面積を第二の画素の光電変換部の開口面積よりも広くする場合]
以下、図3を用いて説明する。図3は、基板11の光入射面における、第一の画素110と第二の画素120の構成例を示す図である。本方法は、第一の画素110に設けられた光電変換部の開口面積が、第二の画素120に設けられた光電変換部の開口面積よりも広い点と、第一の画素110と第二の画素120が同じ露光時間で制御される点で、図2を用いて説明した方法とは異なっている。
以下、図3を用いて説明する。図3は、基板11の光入射面における、第一の画素110と第二の画素120の構成例を示す図である。本方法は、第一の画素110に設けられた光電変換部の開口面積が、第二の画素120に設けられた光電変換部の開口面積よりも広い点と、第一の画素110と第二の画素120が同じ露光時間で制御される点で、図2を用いて説明した方法とは異なっている。
光電変換部の開口面積とは、基板の光入射面において、光電変換部が占める領域の面積を意味する。光電変換部の開口面積を変えるには、イオンを打ち込む面積を変えればよい。
光電変換部の開口面積が小さいほど、1フレームあたりに画素に入射する光量のうち光電変換部に蓄積される電荷量も少なくなるため、光電変換部で取得される信号強度も小さくなる。そのため、第一の光電変換部111に蓄積される電荷量は第二の光電変換部121よりも大きく、第三の光電変換部121に蓄積される電荷量は第四の光電変換部122よりも大きい。従って、4つの光電変換部のうち、第一の光電変換部111に蓄積される光電子の量が最も大きく、第三の光電変換部122に蓄積される光電子の量が最も小さい。そのため、第一の光電変換部111の画素が最も飽和しやすく、第四の光電変換部122の信号強度が最も不足しやすい。従って、特にコントラストの高い被写体を撮影した場合、第一の光電変換部111で取得した信号や第二の光電変換部122で取得した信号の品質が低下しやすい。
そこで、本方法でも、第一の画素110と第二の画素120とを用いて、1対の測距信号(A信号とB信号)を取得する。具体的には、前述の式(1)で表されるS(A)、S(B)を、第一の画素110および画素120における測距信号として出力する。つまり、第一の画素の露光時間を第二の画素の露光時間よりも長くした場合と同様に、測距を行うことができる。その結果、一対の測距信号間の強度差が低減するため、測距精度が向上する。
なお、第一の画素110と第二の画素120の間で、露光時間と光電変換部の開口面積を、両方とも変えても良い。このような構成とすることで、同一画素の光電変換部間で更に大きな感度差が生じた場合でも、測距精度の低下を抑制することが可能となる。
また、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112の露光時間が互いに等しく、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122の露光時間が互いに等しい場合、同一の画素の複数の光電変換部で取得した信号の和から撮像信号を生成する際に好適である。以下で理由を説明する。
同一の画素に設けられる複数の光電変換部間で露光時間が異なっている場合、動く被写体を撮影したときに、各々の光電変換部で取得した信号間で動きブレの量が異なってしまう。その結果、複数の光電変換部で取得した信号の和によって生成した撮像信号に不自然な動きブレが付加されてしまい、撮影画像の品質が低下してしまう。そのため、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112の露光時間が互いに等しく、かつ、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122の露光時間が互いに等しい方が好ましい。
また、配線レイアウトの観点からも、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112の露光時間が互いに等しく、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122の露光時間が互いに等しいほうが好ましい。なぜなら、同一の画素に設けられた複数の光電変換部間で露光時間を変える場合には、光電変換部毎に水平信号線を接続する必要があり、構成が複雑になってしまうからである。同一画素に設けられた光電変換部間の露光時間が等しければ、複数の光電変換部で共通の水平信号線を用いることができるため、必要な配線数が削減でき、製造が容易となる。また、光電変換部の開口面積が向上して感度が向上するため、撮影画像の品質も向上する。
図2や図3の画素を有する固体撮像素子10の場合、距離情報の取得は、測距像のX方向のずれ量に基づいて行われる。もし第一の画素110と第二の画素120とが異なる画素列にあると、X方向にずれたサンプリング位置で取得した信号から測距像が生成されることになり、測距精度が低下する。従って、第一の画素110と第二の画素120は、第一光電変換部111の重心と第二光電変換部112の重心を結ぶ方向(X方向)に垂直な方向(Y方向)、即ち、同じ画素列に位置している方が好ましい。
図1では、第一の画素110と第二の画素120とが、列方向(Y方向)に隣接している場合を示したが、必ずしもこの位置関係でなくても良い。但し、第一の画素110と第二の画素120とは、なるべく近傍に位置することが好ましく、互いに隣接している場合が最も好ましい。1対の測距信号を取得する光電変換部間の位置ずれが小さい方が、測距精度が向上するためである。
図2および図3では、画素中に複数の光電変換部をX方向に並べて配置する例を示したが、これに限定されるものではなく、画素中に複数の光電変換部をY方向に並べて配置してもよい。この場合、距離情報の取得は、測距像のY方向のずれ量に基づいて行われる。
本発明において、被写体像を取得する際には、特開2009−62785号公報に開示の方法を採用することができる。即ち、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112で取得した信号の和が、ある閾値よりも小さい場合には、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112で取得した信号の和を撮像信号として使用する。第一の光電変換部111と第二の光電変換部112で取得した信号の和が、前記閾値よりも大きい場合には、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122で取得した信号の和を撮像信号として使用する。前記閾値は、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112の飽和電荷量で決まる値である。このように、撮像された複数の画像を合成することにより、撮影画像のダイナミックレンジを広げることができるため、好ましい。
以下では、より具体的な例を挙げて、本発明にかかる固体撮像素子について説明する。
(実施形態1)
本実施形態は、製造時のアライメント誤差やプロセス中のゴミ付着、放射線による劣化などによって、第一の画素110および第二の画素120に設けられる複数の光電変換部の感度に差が生じる場合について説明する。具体的には、マイクロレンズの製造時に、画素とマイクロレンズ間のアライメントがずれてしまった場合を例にとる。ここでは、第一の画素110、第二の画素120以外の画素100では、画素とマイクロレンズ間のアライメントずれは発生していないとする。ただし、固体撮像素子10に含まれる第一の画素110と第二の画素120の個数に限定はなく、全画素が第一の画素110と第二の画素120のいずれかである場合を含む。
本実施形態は、製造時のアライメント誤差やプロセス中のゴミ付着、放射線による劣化などによって、第一の画素110および第二の画素120に設けられる複数の光電変換部の感度に差が生じる場合について説明する。具体的には、マイクロレンズの製造時に、画素とマイクロレンズ間のアライメントがずれてしまった場合を例にとる。ここでは、第一の画素110、第二の画素120以外の画素100では、画素とマイクロレンズ間のアライメントずれは発生していないとする。ただし、固体撮像素子10に含まれる第一の画素110と第二の画素120の個数に限定はなく、全画素が第一の画素110と第二の画素120のいずれかである場合を含む。
本実施形態の説明に用いる固体撮像素子10の概略は、図1と同じである。
図4(a)、(b)は、それぞれ第一の画素110、第二の画素120を説明するXZ断面図である。第一の画素110、第二の画素120は、光の入射側から、マイクロレンズ160、基板11を有している。第一の画素110の基板11には、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112とがX方向に並んで形成されている。同様に、第二の画素120の基板11には、第三の光電変換部121、第四の光電変換部122がX方向に並んで形成されている。各々の光電変換部は、基板11にイオンを打ち込むことによって形成されている。
マイクロレンズ160は、各光電変換部で検出する波長帯域の光に対して透明な材料で形成されている。Siや有機半導体などの材料からなる基板11を用いた場合、基板11に吸収される波長に対して透明な材料、例えば酸化シリコンや窒化シリコンなどでマイクロレンズ160を形成するとよい。不図示の配線回路は、ポリシリコンや、アルミニウムや銅などの金属によって形成されている。
図4(a)に示すように、第一の画素110では、製造時のアライメント誤差によって、マイクロレンズ160の光軸a1が、第一の画素110の中心軸c1に対して−X方向にずれている。同様に、図4(b)に示すように、第二の画素120でも、マイクロレンズ160の光軸a2が、第二の画素120の中心軸c2に対して−X方向にずれている。なお、画素の中心軸とは、同一画素内に設けられた2つの光電変換部それぞれの重心を結ぶ線分の中点を通り、基板11の光入射面に対して垂直な線を指す。
このようにマイクロレンズ160の光軸が画素の中心軸に対して−X方向にずれてしまった場合、同一画素に設けられた複数の光電変換部の間に感度に差が生じる。これは、図4(c)に示すように、第一の光電変換部111と第三の光電変換部121に入射する光束の拡がり角171が、第二の光電変換部112と第四の光電変換部122に入射する光束の拡がり角172よりも大きくなるためである。その結果、−X側にある第一の光電変換部111、第三の光電変換部121の感度が、ぞれぞれ+X側にある第二の光電変換部112、第四の光電変換部122の感度よりも高くなる。図4(a)〜(c)では、相対的に感度が低い光電変換部に、ハッチングが施してある。この時、第一の光電変換部111の重心から第二の光電変換部112の重心へ向かう方向(+X方向)と、第三光電変換部121の重心から第四光電変換部122の重心へ向かう方向(+X方向)とが同じ向きとなっている。
そこで、第一の画素の露光時間を第二の画素の露光時間よりも長くし、第一の画素110と第二の画素120とから、1対の測距信号を取得する。そして、前述の式(1)で表されるS(A)、S(B)を、第一の画素110および第二の画素120における測距信号として出力する。測距信号S(A)、S(B)を使用することで、最も強度が飽和しやすい第一の光電変換部111や、強度が最も不足しやすい第の四光電変換部122で取得される信号の影響を低減することが可能となり、測距精度を向上させることができる。また、また、第一の光電変換部での信号の飽和や第四の光電変換部での信号の強度不足が生じていない場合でも、一対の測距信号間の信号強度差を低減させることによって、測距像間のずれ量の検出精度を向上させることができ、測距精度が向上する。
第一の画素110や第二の画素120以外の画素100では、マイクロレンズ160アライメントズレが生じていないため、同一画素に設けられた複数の光電変換部間の感度差は無視できる。従って、これらの画素100においては、他の画素と組み合わせずに、画素100単独で取得した信号を測距信号として用いるのが好ましい。画素100で取得される一対の測距信号S´(A)、S´(B)は、下記の式(2)で表わされる。
ここで、s(−X)は、画素100において、−X側にある光電変換素子で取得される信号である。s(+X)は、画素100において+X側にある光電変換素子で取得される信号を表している。
そして、第一の画素110および第二の画素120で取得した測距信号S(A)と各画素100で取得した測距信号S´(A)を用いて、第一の測距像を生成する。そして、第一の画素110および第二の画素120で取得した測距信号S(B)と各画素100で取得した測距信号S´(B)を用いて、第二の測距像を生成する。このように生成された第一の測距像と第二の測距像との間の強度差は小さくなり、測距像間のずれ量の検出精度が高まって測距精度が向上する。
なお、画素の露光時間は、水平信号線12によって行単位で制御されるため、画素110と同じ行に配置されている画素100の露光時間の方が、画素120と同じ行に配置されている画素100の露光時間よりも長い。そこで、画素100で取得される測距信号S´(A)、S´(B)として、露光時間の長い画素で取得された信号と、露光時間の短い信号のどちらか一方のみを使用しても良いし、両方を使用しても良い。例えば、露光時間の長い画素で取得された信号強度が閾値以上の場合には露光時間の短い画素で取得された信号を使用し、閾値以下の場合には露光時間の長い画素で取得された信号を使用することで、被写体の輝度によらず高精度な測距を行うことができる。また、被写体の動きが速い場合には露光時間の短い画素で取得された信号を使用することで、被写体の動きブレの影響を低減することができ、測距精度を向上させることができる。
図4では、製造時のアライメント誤差によるマイクロレンズ160の光軸が、第一の画素110および第二の画素120において、各画素の中心軸に対して−X方向にずれている場合を示しているが、ずれる方向は+X方向であっても良いし、斜め方向であっても良い。マイクロレンズ160が画素の中心軸に対して+X方向にずれている場合は、+X側にある光電変換部の方が−X側にある光電変換部よりも感度が高くなる。この場合も、第一の画素において相対的に感度の高い方を第一光電変換部、低い方を第二光電変換部、第二の画素において相対的に感度の高い方を第三光電変換部、低い方を第四光電変換部として、同様に測距信号を取得すればよい。ただし、測距信号S(A)及びS´(B)から第二の測距像が生成され、測距信号S(B)及びS´(A)から第一の測距像が生成される点が異なる。
以上、同一画素に設けられた複数の光電変換部間の感度差の発生要因として、マイクロレンズのアライメント誤差を例に挙げて説明したが、それ以外の製造誤差によっても感度差は発生する。例えば配線のアライメント誤差、マイクロレンズの形状誤差などによっても感度差が発生する場合がある。更に、画素に導波路やカラーフィルタが設けられる場合にはそれらのアライメント誤差や形状誤差によっても、感度差が発生する。また、光電変換部を形成する際のイオン注入分布誤差などによって、基板に入射した光電子の、各々の光電変換部への電荷の収集率が異なる場合にも、感度差が発生する。更に、ゴミの付着、配線層から光電変換部への金属イオンの混入、界面準位へのキャリアトラップ、放射線の影響などによっても感度差が発生する場合がある。感度差の発生原因によらず、同一画素に設けられた複数の光電変換部の間で感度に差がある画素に対して、本発明を適用することができる。ここで、感度に差があるとは、片方の光電変換部の感度がゼロ(暗点)になってしまう場合や、片方の光電変換部の感度が無限大(白傷)になってしまう場合を含む。
本実施形態において、撮像信号を取得する場合は、各画素に含まれる光電変換部で取得される信号の和を、その画素における撮像信号として用いることができる。
この時、特開2009−62785号公報に開示の方法を適用して、撮影画像のダイナミックレンジを向上させることもできる。その結果、撮影画像の品質も向上するため、好ましい。
具体的には、第一光電変換部111と第二光電変換部112で取得した信号の和が、閾値よりも小さい場合には、第一光電変換部111と第二光電変換部112それぞれで取得した信号の和を撮像信号として使用する。第一光電変換部111と第二光電変換部112で取得した信号の和が、閾値よりも大きい場合には、第三光電変換部121と第四光電変換部122で取得した信号の和を使用すればよい。なお、閾値は第一光電変換部111と第二光電変換部112の飽和電荷量によって決まる値である。
(実施形態2)
本実施形態では、使用する結像光学系や、そのズームやフォーカス状態によって、同一画素に含まれる複数の光電変換部間で感度差が生じる例について説明する。ここでは、固体撮像素子10の周辺領域10aおよび10bに含まれる画素に注目して説明する。
本実施形態では、使用する結像光学系や、そのズームやフォーカス状態によって、同一画素に含まれる複数の光電変換部間で感度差が生じる例について説明する。ここでは、固体撮像素子10の周辺領域10aおよび10bに含まれる画素に注目して説明する。
本実形態の説明に用いる固体撮像素子10の概略を、図5に示す。周辺領域10aおよび10bは、中心線16からの距離が、所定の値よりも大きい領域で、周辺領域10aは中心線16に対して−X側、周辺領域10bは中心線16に対して+X側にある。ここで、中心線16は、同一画素に設けられた2つの光電変換部の重心同士を結ぶ線に垂直で、かつ、固体撮像素子の画素が配置された領域の中心を通る線である。所定の値は、同一画素に含まれる複数の光電変換部の間の感度差を無視できない領域の範囲によって決定する。例えば、固体撮像素子10の画素が配置されている領域のX方向の長さの0.25倍、あるいは、0.40倍という固定値であってもよいし、使用する結像光学系やそのズームやフォーカス状態、目標とする測距精度に応じて変えてもよい。
以下、周辺領域10aもしくは10bに含まれる画素や光電変換部に特定したい場合は、部材を示す符号の後に、aもしくはbを付与するが、周辺領域10a、10bのどちらに含まれるかにこだわらない場合は、a、bを省略して記述する。
前述したように、結像光学系のズームやフォーカス状態によって、固体撮像素子の設計瞳位置と結像光学系の射出瞳位置とが一致しなくなる。そのため、固体撮像素子内の各画素の位置に応じて、各画素で受光する光束が通過する瞳領域の光軸からのずれ量は変化する。ずれ量が大きくなると、測距に用いる第一の測距像を形成する光束の瞳透過率分布と第二の測距像を形成する光束の瞳透過率分布との間で差が生じる。また、口径食によっても、第一の測距像を形成する光束の瞳透過率分布と第二の測距像を形成する光束の瞳透過率分布との間で差が生じる。
[結像光学系の射出瞳がセンサ瞳よりも近い場合]
図6に、結像光学系の射出瞳位置が、固体撮像素子10の設計瞳位置よりも近い場合に、固体撮像素子10が受光する光束の状態を示す。
図6に、結像光学系の射出瞳位置が、固体撮像素子10の設計瞳位置よりも近い場合に、固体撮像素子10が受光する光束の状態を示す。
図6(a)は、図5の周辺領域10aに含まれる第一の画素110aや第二の画素120aで受光される光束の状態である。瞳領域201aを通過した光束が、各画素100の+X側にある光電変換部にて受光され、瞳領域202aを通過した光束が、各画素100の−X側にある光電変換部にて受光される。
図6(a)からわかるように、−Xかつ−Zの方向で画素に入射し、瞳領域202aを通過した光束の拡がり角(破線で挟まれた角)は、+Xかつ−Zの方向で画素に入射して瞳領域201aを通過した光束の拡がり角(実線で挟まれた角)よりも大きい。従って、周辺領域10aでは、単位時間当たりに第一の画素110aに入射する光量によって、−X側にある光電変換部に蓄積される電荷量が、+X側にある光電変換部に蓄積される電荷量よりも多くなる。第二の画素120aにおいても同様である。
図6(b)は、周辺領域10bに含まれる第一の画素110bや第二の画素120bで受光される光束の状態である。第一の画素110bおよび第二の画素120bにおいて、瞳領域202bを通過した光束は、+X側にある光電変換部にて受光され、瞳領域201bを通過した光束は、−X側にある光電変換部にて受光される。
図6(b)からわかるように、瞳領域202bを通過した光束の拡がり角は、瞳領域201bを通過した光束の拡がり角よりも大きい。従って、周辺領域10bでは、単位時間当たりに第一の画素110aに入射する光量によって、+X側にある光電変換部に蓄積される電荷量は、−X側にある光電変換部に蓄積される電荷量よりも多くなる。第二の画素120bにおいても同様である。
このように、周辺領域10aと10bとの間で、各画素内の相対的に感度の高い光電変換部と、相対的に感度の低い光電変換部の並びが反転する。つまり、第一の光電変換部111と第二の光電変換部112のX方向の位置関係が、第一の画素110aと110bとの間で反転し、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122のX方向の位置関係が、第二の画素120aと120bとの間で反転する。
図7(a)は、周辺領域10aにおける第一の画素110aと第二の画素の光入射面における構成を示し、図7(b)は、周辺領域10bにおける第一の画素110bと第二の画素の光入射面における構成を示している。
図から分かるように、第一の画素110aでは、−X側が第一の光電変換部111a、+X側が第二の光電変換部112aとなり、第一の画素110bでは、−X側が第二の光電変換部112b、+X側が第一の光電変換部111bとなる。また、第二の画素120aでは、−X側が第三の光電変換部121a、+X側が第四の光電変換部122aとなり、第二の画素120bでは、−X側が第四の光電変換部122b、+X側が第三の光電変換部121bとなる。従って、周辺領域10a、10bどちらにおいても、第一の光電変換部111の重心から第二の光電変換部112の重心へ向かう方向と、第三の光電変換部121の重心から第四の光電変換部122の重心へ向かう方向とが、同じ向きとなっている。
ここで、第一の画素110の露光時間を第二の画素120の露光時間よりも長くすると、第一の光電変換部111の感度は、第三の光電変換部121の感度より高くなる。第二の光電変換部112の感度は、第四の光電変換部122の感度よりも高くなる。従って、4つの光電変換部のうち、第一の光電変換部111で取得される信号の強度が最も大きく、第四の光電変換部122で取得される信号の強度が最も小さくなる。
そこで、周辺領域10a、10bにおいて、第一の画素110および第二の画素120から1対の測距信号を取得する。第一の画素110および第二の画素120で取得される信号と式(1)から算出されるS(A)、S(B)を一対の測距信号として用いて、測距像を生成する。式(1)のα、βは、結像光学系のズームやフォーカス状態に応じて、適切な値を用いればよい。ただし、周辺領域10aにおいては、S(A)から第一の測距像、S(B)から第二の測距像が生成され、周辺領域10bにおいては、S(B)から第一の測距像、S(A)から第二の測距像が生成される。
コントラストの高い被写体を撮影した時など、第一の光電変換部111の画素が飽和しやすく、第四の光電変換部122の信号強度が不足しやすい状況では、式(1)において、α=β=0として、S(A)、S(B)を算出すればよい。その結果、測距に用いる信号の飽和や輝度不足の発生が抑制され高精度な測距を行うことができる。
また、第一の光電変換部での信号の飽和や第四の光電変換部での信号の強度不足が生じていない場合には、適切な補正係数α、β(0<α<1、0<β<1)を用いて、測距信号S(A)、S(B)を算出すればよい。これにより、測距信号S(A)、S(B)間の強度差が低減し、測距精度を向上させることができる。
α、βの値は使用する結像光学系やそのズームやフォーカス状態に応じて決定すればよく、外部から周辺回路に与えても良いし、周辺回路にメモリを設けて保存しておき、適宜読み出すようにしても良い。
[結像光学系の射出瞳がセンサ瞳よりも遠い場合]
結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子10の設計瞳位置よりも遠い場合について説明する。
結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子10の設計瞳位置よりも遠い場合について説明する。
結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子10の設計瞳位置よりも遠い場合は、各画素における光電変換部の感度の大小関係が、像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子10の設計瞳位置よりも近い場合とは、逆になる。
具体的には、周辺領域10aでは+Xかつ−Z方向で画素に入射する光束を受光する光電変換部の方が、−Xかつ−Z方向で画素に入射する光束を受光する光電変換部よりも感度が高くなる。周辺領域10bでは−Xかつ−Z方向で画素に入射する光束を受光する光電変換部の方が、+Xかつ−Z方向で画素に入射する光束を受光する光電変換部よりも感度が高くなる。つまり、周辺領域10aにおける第一の光電変換部111と第二の光電変換部112は、図7(b)と同じ配置となり、周辺領域10bにおける第三の光電変換部121と第四の光電変換部122は、図7(a)と同じ配置となる。
このように、結像光学系の射出瞳がセンサ瞳よりも遠い場合は、結像光学系の射出瞳がセンサ瞳よりも近い場合とは、各画素における光電変換部の感度の大小関係が逆になるだけであるため、同様に測距を行うことができる。
[結像光学系の射出瞳の位置の変化への対応]
前述したように、結像光学系や、そのズームやフォーカス状態によって、結像光学系の射出瞳位置は変化する。そのため、例えばズーム比の大きい結像光学系を使用した場合などでは、結像光学系の射出瞳距離と撮像素子の設計瞳位置距離の大小関係が、入れ替わる場合がある。その場合、使用する結像光学系やそのズーム、フォーカス状態によって、測距に用いる信号を変える方が好ましい。
前述したように、結像光学系や、そのズームやフォーカス状態によって、結像光学系の射出瞳位置は変化する。そのため、例えばズーム比の大きい結像光学系を使用した場合などでは、結像光学系の射出瞳距離と撮像素子の設計瞳位置距離の大小関係が、入れ替わる場合がある。その場合、使用する結像光学系やそのズーム、フォーカス状態によって、測距に用いる信号を変える方が好ましい。
具体的には、結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子の設計瞳位置よりも近い場合と、結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子の設計瞳位置よりも遠い場合とで、測距像の生成に用いる信号を取得する、光電変換部の位置を変える。
結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子の設計瞳位置よりも近い場合は、第一の画素において、中心線16から遠い側に位置する光電変換部が第一光電変換部、近い側に位置する光電変換部が第二光電変換部となる。そして、第二の画素において、中心線16から遠い側に位置する光電変換部が第三の光電変換部、中心線16に近い側に位置する光電変換部が第四の光電変換部となる。
結像光学系の射出瞳位置が固体撮像素子の設計瞳位置よりも遠い場合は、第一の画素において、中心線16から遠い側に位置する光電変換部が第二光電変換部、近い側に位置する光電変換部が第一光電変換部となる。第二の画素においては、中心線16から遠い側に位置する光電変換部が第四光電変換部、中心線16から近い側に位置する光電変換部が第三光電変換部となる。
なお、本実施形態においても、特開2009−62785号公報に開示の方法を適用して、撮影画像のダイナミックレンジを向上させることもできる。その結果、撮影画像の品質も向上するため、好ましい。
(実施形態3)
実施形態2では、固体撮像素子10の周辺領域10a、10bに含まれる画素に注目して説明したが、本実施例では、固体撮像素子10の様々な位置にある画素について説明する。
実施形態2では、固体撮像素子10の周辺領域10a、10bに含まれる画素に注目して説明したが、本実施例では、固体撮像素子10の様々な位置にある画素について説明する。
中心線16から遠い画素ほど、結像光学系やそのズーム、フォーカス状態の影響が大きいため、同一画素に含まれる光電変換部間の感度差が大きくなる。なぜなら、各々の光電変換部が受光する瞳領域からの光束の拡がり角が、中心線16から離れた位置にある画素ほど大きく異なるためである。
従って、複数の測距画素で取得した測距像間の強度差を抑制するためには、式(1)のS(A)、S(B)の強度差が小さくなるよう、固体撮像素子における画素の位置によって、α、βを変化させるのが好ましい。具体的には、係数α、βの値を、中心線140から遠い画素ほど小さくすればよい。α、βの値は、列毎に変えるのが好ましいが、複数列毎に変えても構わないし、任意の画素ブロック毎に変えても構わない。
α、βの値は、外部から周辺回路に与えても良いし、周辺回路にメモリを設けて保存しておき、適宜読み出すようにしても良い。
本発明は、実施形態3のように、複数の測距画素における測距像間の強度差を抑制する場合に特に有効である。なぜなら、このような場合、予め光電変換部間の露光時間を変えることによって測距像間で強度をそろえる、という手法を適用することは好ましくないためである。以下で理由を説明する。
上述したように、露光時間を変えるためには水平信号線に与える電子シャッタのタイミングを変える必要がある。従って、複数の測距画素毎に、光電変換部間の露光時間を変える場合、各々の測距画素に別々の水平信号線を接続する必要がある。その結果、水平信号線が測距画素分必要となり、光電変換部の開口率が低下して感度が低下してしまう。また、消費電力も増大し、製造も困難となる。
(実施形態4)
実施形態4では、第一の画素と第二の画素の露光時間は互いに等しいが、光電変換部の開口面積を異ならせる場合を説明する。具体的には、第一の光電変換部111の開口面積は、第三の光電変換部211の開口面積よりも大きく、第二の光電変換部112の開口面積は第四の光電変換部212の開口面積よりも大きい固体撮像素子を用いた場合について説明する。
実施形態4では、第一の画素と第二の画素の露光時間は互いに等しいが、光電変換部の開口面積を異ならせる場合を説明する。具体的には、第一の光電変換部111の開口面積は、第三の光電変換部211の開口面積よりも大きく、第二の光電変換部112の開口面積は第四の光電変換部212の開口面積よりも大きい固体撮像素子を用いた場合について説明する。
図8(a)、(b)は、第一の画素110と第二の画素120のXZ断面構成例とそれらの画素に入射する光の伝搬を説明する図である。実施形態3と同様、第一と第二の画素に設けられたマイクロレンズの光軸は、製造誤差により、画素の中心軸に対して−X側にずれている。その結果、第一の光電変換部111の感度は第二の光電変換部112よりも高く、第三の光電変換部121の感度は第四の光電変換部122よりも高くなっている。
本実施例では、第一の画素と第二の画素で、光電変換部の開口面積を変えているため、開口面積の差に起因する感度差が生じる。図から分かるように、第一の光電変換部111が受光する光束の拡がり角171は、第三の光電変換部121が受光する光束の拡がり角173よりも大きい。また、第二の光電変換部112が受光する光束の拡がり角172は、第四の光電変換部122が受光する光束の拡がり角174よりも大きい。従って、第一の光電変換部111の感度は第三の光電変換部121よりも高く、第二の光電変換部112の感度は第四の光電変換部122よりも高くなる。
つまり、実施形態1乃至3で説明した場合と同様に、4つの光電変換部のうち、第一の光電変換部111に蓄積される電荷量が最も大きく、第四の光電変換部122に蓄積される電荷量が最も小さくなる。従って、特にコントラストの高い被写体を撮影した場合など、第一の光電変換部111で取得される信号の強度が飽和しやすく、第四の光電変換部122で取得される信号の強度が不足しやすくなる。
そこで、本実施形態においても、第1乃至第3実施形態と同様に、第一の画素と第二の画素を合わせて、1つの測距画素として用いる。即ち、第一の画素に設けられた複数の光電変換部と第二の画素に設けられた複数の光電変換部とで取得した信号と式(1)とから、測距信号S(A)、S(B)を算出し、測距像を生成すればよい。その結果、測距信号S(A)と測距信号S(B)との間の強度差が低減され、高精度な測距が行える。特にコントラストの高い被写体を撮影した場合に、本発明の効果が大きい。
図8(c)、(d)は、第三の光電変換部121と第四の光電変換部122との距離を、図8(a)、(b)における第三の光電変換部121と第四の光電変換部122との距離よりも短くする例である。第三の光電変換部121と第四の光電変換部122との間の距離は限定されるものではないが、図8(b)のようにできるだけ長くした方が、測距精度が向上するため、好ましい。なぜなら、図8(b)と(d)とを比較してわかるように、光電変換部間の距離が長いほど、各々の光電変換部が受光する光束間に角度差がつくため、測距精度が向上するからである。
本実施形態のように、第一の画素110と第二の画素120との間で光電変換部の開口面積が異なる場合でも、両画素110、120で取得した信号の両方を利用して、撮影画像のダイナミックレンジを向上させることができる。但し、撮影画像の画質の観点からは、実施形態1から3で説明した固体撮像素子のように、第一の画素と第二の画素間で露光時間を変える方が好ましい。以下で理由を説明する。
図8からわかるように、第一の光電変換部111が受光する光束の拡がり角と第二の光電変換部112が受光する光束の拡がり角、第三の光電変換部が受光する光束の拡がり角と第四の光電変換部212が受光する光束の拡がり角とが、それぞれ互いに異なる。そのため、第一の画素110で取得した画像の実効的なF値と、第二の画素120で取得した画像の実効的なF値とが異なってしまう。その結果、第一の画素110と第二の画素120で取得した撮影画像を合成すると、特に切り替え部分において画像が不自然になってしまう。
それに対して、実施形態1から3で説明したように、第一の画素と第二の画素の露光時間を変えた場合、光電変換部の開口面積差に起因する画素間の光束の拡がり角の相違が生じない。そのため、第一の画素110と第二の画素120で取得した撮影画像の両方を利用してダイナミックレンジを向上させても、自然な画像が得られる。以上の理由から、本実施例よりは、実施形態1乃至3の固体撮像素子の方が、撮影画像の画質の観点で優れている。 なお、実施形態1から3の手法と実施形態4の手法を組み合わせて、第一の画素と第二の画素との間で、露光時間と開口面積の両方を変化させても良い。第一の画素の露光時間と開口面積の両方を、第二の画素よりも大きくすれば、更にダイナミックレンジの広い撮影画像を取得することが可能である。
(実施形態5)
実施形態5では、第一の係数α、第二の係数βを0に固定した場合における、光電変換部に蓄積された電荷の読み出し方法に特徴を有する。図9は、第一の画素110、第二の画素120の構成を説明する図である。第一の画素110および第二の画素120には、それぞれ2つの光電変換部とマイクロレンズとが設けられているが、図4と同様に、製造誤差により、マイクロレンズの光軸が各画素の中心軸に対してずれている。
実施形態5では、第一の係数α、第二の係数βを0に固定した場合における、光電変換部に蓄積された電荷の読み出し方法に特徴を有する。図9は、第一の画素110、第二の画素120の構成を説明する図である。第一の画素110および第二の画素120には、それぞれ2つの光電変換部とマイクロレンズとが設けられているが、図4と同様に、製造誤差により、マイクロレンズの光軸が各画素の中心軸に対してずれている。
各画素110、120には、それぞれ電荷蓄積部115、125が設けられており、各々の光電変換部で取得した電荷は、電荷蓄積部に順次転送されて、ソースフォロア回路を介して電圧信号として加算読み出しされる。
加算読み出しとは、複数の光電変換部間で読み出し回路を共有し、複数の光電変換部の信号を加算して読み出す方法である。具体的には、同一画素に設けられている複数の光電変換部のうち、一方の光電変換部に蓄積された電荷を電荷蓄積部に転送し、一旦電圧信号として読み出す。その後、他方の光電変換部に蓄積された電荷を電荷蓄積部に転送し、両方の光電変換部の電荷の和を、電圧信号として読み出す方法である。後で転送した光電変換部に蓄積された電荷による信号は、周辺回路において、両方の光電変換部の電荷の和による信号と、先に転送した光電変換部の電荷による信号との差分を演算することによって求めることができる。これによって、各々の信号を別々に読み出す場合に比べ、読み出し回路のリセット回数が減るため、高速な読み出しが可能となる。
実施形態にかかる固体撮像素子10は、加算読み出し時の電荷転送順序を工夫することで、測距信号および撮像信号を取得するための演算負荷を低減している。その結果、演算誤差に起因する測距誤差が抑制でき、また、必要な消費電力も低減できる。以下で、具体的な転送順序を説明する。
第一の画素110では、最初に第二の光電変換部112に蓄積された電荷を第一の電荷蓄積部115に転送し、電圧信号に変換して読み出す。続いて、第一の光電変換部111に蓄積された電荷を第一の電荷蓄積部115に転送し、先に第一の光電変換部111から転送された電荷との和を電圧信号に変換して、を読み出す。また、第二の画素120では、最初に第三の光電変換部121に蓄積された電荷を第二の電荷蓄積部125に転送し、電圧信号に変換して読み出す。続いて、第四の光電変換部122に蓄積された電荷を第二の電荷蓄積部125に転送し、先に第三の光電変換部121から転送された電荷との和を電圧信号に変換して読み出す。
本実施形態では、第二の光電変換部で取得した信号から生成した測距像と、第三の光電変換部で取得した信号から生成した測距像とを比較して測距を行うため、それぞれの測距像は、信号を差分演算する必要がなく、直接生成することができる。
即ち、本発明では、測距像の生成に用いる光電変換部に蓄積された電荷を先に電荷蓄積部に転送しているため、加算読み出し後の差分演算を行わずに、測距信号を直接取得することができる。その結果、信号の差分演算時に生じる演算誤差による測距精度の低下が抑制でき、必要な消費電力も低減できるため、好ましい。
なお、第一の光電変換部111に蓄積された電荷と第二の光電変換部112に蓄積された電荷との和から得られる電圧信号から、第一の画素110の撮影画像が取得できる。また、第三の光電変換部121に蓄積された電荷と第四の光電変換部122に蓄積された電荷との和から得られる電圧信号から、第二の画素120の撮影画像が取得できる。このように、本実施形態では、撮影画像の信号も直接取得することが可能となる。
(実施形態6)
図11は、本発明の測距像の取得方法を適用する撮像装置の一例として、デジタルスチルカメラ190の概略図を示している。撮像装置190は、撮像レンズ191を取り付けるためのレンズ取付部196を有する筺体197を備え、筺体内197に、固体撮像素子100と、撮像装置190の動作を制御する制御部198と、を備えている。そして、撮像レンズ191が、レンズ取付部196にて筺体197に取り付けられている。撮像レンズ191を介して入射する光学像を固体撮像素子10にて光電変換し、被写体までの距離あるいは被写体像を取得することができる。
図11は、本発明の測距像の取得方法を適用する撮像装置の一例として、デジタルスチルカメラ190の概略図を示している。撮像装置190は、撮像レンズ191を取り付けるためのレンズ取付部196を有する筺体197を備え、筺体内197に、固体撮像素子100と、撮像装置190の動作を制御する制御部198と、を備えている。そして、撮像レンズ191が、レンズ取付部196にて筺体197に取り付けられている。撮像レンズ191を介して入射する光学像を固体撮像素子10にて光電変換し、被写体までの距離あるいは被写体像を取得することができる。
撮像装置190は、撮像レンズ191が、筺体197から取り外して交換可能な構成であってもよいし、交換ができない構成であってもよい。制御部198は、CPU192、転送回路193、及び信号処理部194、素子駆動回路195を含んでいる。
CPU192は、転送回路193、信号処理部194、素子駆動回路195を制御する回路である。素子駆動回路195は、CPU192からの信号をうけて、固体撮像素子100を駆動する回路であり、例えば各画素に設けられた光電変換部の露光時間や光電変換部で取得した信号の読み出しのタイミング等を制御する。転送回路193は、固体撮像素子100から読みだされた信号を記憶したり、信号処理部194へ転送したりする。信号処理部194は、転送回路193を介して取得した信号の画像処理を行う。
固体撮像素子100は、各画素で取得した信号を、周辺回路を介して転送回路193へと出力し、転送回路193に出力された信号は信号処理部194へと伝送される。
信号処理部194では、CPU192から測距を指示する信号を受けて、各光電変換部で取得した信号から、被写体までの距離の検出や被写体の画像が生成され、撮像を指示する信号を受けて、被写体の画像が生成される。
ここでは、実施形態2で説明した固体撮像素子を備える撮像装置を例にとって説明する。
CPU192が、撮像装置の状態に関する情報と共に、測距を指示する信号を各回路へ伝送すると、素子駆動回路195は固体撮像装置100を制御して、各画素にて信号を取得する。各画素で取得された信号は周辺回路に送られ、固体撮像装置100の周辺回路では各画素で取得した信号を式(1)に基づいて演算し、転送回路193へと出力する。周辺回路は、式(1)で用いる係数α、βに関して、結像光学系の状態に基づくテーブル1と、固体撮像素子100における画素の位置に基づくテーブル2を備えており、撮像装置の状態に関する情報に基づいて適切な係数を読み出して用いる。係数α、βは、テーブル1または2の値をそのまま、あるいは、テーブル1の値とテーブル2の値から算出した値が用いられる。
転送回路193は、S(A)、S(B)を信号処理部194へと伝送し、信号処理部194では距離信号S(A)、S(B)を用いて第一の測距像、第二の測距像を生成し、それらを比較して被写体までの距離を算出する。
CPU192が、撮像装置の状態に関する情報と共に撮像を指示する信号を各回路へ伝送すると、素子駆動回路195は固体撮像装置100を制御して各画素にて信号を取得する。各画素で取得された信号は周辺回路に送られ、周辺回路にて同一画素に設けられた複数の光電変換素子が蓄積した電荷の和から取得した信号を、画素毎の撮像信号として転送回路に出力する。
信号処理部194では、画素に入射する光量が所定の閾値以下の場合には、第一の画素で取得した信号を使用し、画素に入射する光量が閾値より大きい場合には、第二の画素で取得した信号を使用し、被写体像を生成する。
以上、固体撮像装置10の周辺回路にて式(1)の演算を行い、撮像装置に出力する例を説明してきたが、式(1)の演算を撮像装置側で行っても良い。
例えば、信号処理部194が係数α、βに関する情報を備えており、CPU192から送られてくる撮像装置の状態に関する情報に基づいて、適切な係数α、βを決定する。そして、転送回路193を介して送られてくる各画素の信号について、式(1)の演算を行って測距信号S(A)、S(B)を取得すると共に、一対の測距像を生成する。これらの測距像を比較して被写体までの距離を算出する。
10 固体撮像素子
11 基板
14、15 周辺回路
100、110、120 画素
101、102、111、112、121、122 光電変換部
115、125 電荷蓄積部
160 マイクロレンズ
190 撮像装置
191 撮像レンズ(結像光学系)
192 CPU
193 転送回路
194 信号処理部
195 素子駆動回路
11 基板
14、15 周辺回路
100、110、120 画素
101、102、111、112、121、122 光電変換部
115、125 電荷蓄積部
160 マイクロレンズ
190 撮像装置
191 撮像レンズ(結像光学系)
192 CPU
193 転送回路
194 信号処理部
195 素子駆動回路
Claims (15)
- 複数の画素が行方向および列方向に配置され、前記複数の画素のそれぞれに複数の光電変換部が設けられている固体撮像素子を用いた測距像の取得方法であって、
前記複数の画素に、第一光電変換部と第二光電変換部とが設けられた第一の画素と、第三光電変換部と第四光電変換部とが設けられた第二の画素とが含まれており、
前記第一の光電変換部の重心から前記第二の光電変換部の重心へ向かう方向と、前記第三の光電変換部の重心から前記第四の光電変換部の重心へ向かう方向とが、同じであり、
単位時間当たりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多い場合に、
1フレームあたりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量を前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量を前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多くし、
前記1フレームに、前記第一の光電変換部から前記第四の光電変換部で取得される信号を、それぞれs(1)、s(2)、s(3)、s(4)として、
で表されるS(A)とS(B)を、前記第一の画素および前記第二の画素で取得される測距信号として、測距像の生成に用いることを特徴とする測距像の取得方法。 - 1フレームあたりの、第一の光電変換部の露光時間が第三の光電変換部の露光時間よりも長く、第二の光電変換部の露光時間が第四の光電変換部の露光時間よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の測距像の取得方法。
- 前記第一の画素と前記第二の画素とが、互いに異なる行に含まれることを特徴とする請求項1または2に記載の測距像の取得方法。
- 第一の光電変換部の開口面積が第三の光電変換部の開口面積よりも大きく、第二の光電変換部の開口面積が第四の光電変換部の開口面積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 第三の光電変換部と第四の光電変換部の間の距離の方が、第一の光電変換部と第二の光電変換部の間の距離よりも長いことを特徴とする、請求項4に記載の測距像の取得方法。
- 前記第一光電変換部の露光時間と前記第二光電変換部の露光時間が互いに等しく、前記第三光電変換部の露光時間と前記第四の光電変換部の露光時間が互いに等しいことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 前記第一の画素と前記第二の画素とが、同じ列に含まれることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 前記第一の画素と前記第二の画素とが、互いに隣接していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 式(1)において、αおよびβを共に0とすることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 前記第一の画素に第一電荷蓄積部、前記第二の画素に第二電荷蓄積部を備え、
前記第二光電変換部に蓄積された電荷を前記第一電荷蓄積部に転送して第一信号を取得した後、前記第一光電変換部に蓄積された電荷を前記第一電荷蓄積部に転送して第二信号を取得し、
前記第三光電変換部に蓄積された電荷を前記第二電荷蓄積部に転送して第三信号を取得した後、前記第四光電変換部に蓄積された電荷を前記第二電荷蓄積部に転送して第四信号を取得することを特徴とする請求項9に記載の測距像の取得方法。 - 前記固体撮像素子における前記第一の画素および前記第二の画素の位置によって、α、βの値が異なることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 前記第一の画素および前記第二の画素の位置が、前記第一光電変換部の重心と前記第二光電変換部の重心とを結ぶ線に垂直で、かつ、前記固体撮像素子の前記第一の画素および前記第二の画素が配置された領域の中心を通る線からの距離が遠いほど、α、βの値を小さくすることを特徴とする請求項11に記載の測距像の取得方法。
- 固体撮像素子の中心を通り、第一の光電変換部と第二の光電変換部を結ぶ方向に垂直な線からの距離が所定の値よりも遠い固体撮像素子の周辺領域において、前記線を軸として、第一の光電変換部と第二の光電変換部の配置および、第三の光電変換部と第四の光電変換部の配置が反転することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の測距像の取得方法。
- 複数の画素が行方向および列方向に配置され、前記複数の画素のそれぞれに複数の光電変換部が設けられており、撮像レンズを介して入射する光学像を光電変換する固体撮像素子と、
前記固体撮像素子で光電変換された前記光学像の情報を処理する制御部と、を備える撮像装置であって、
前記複数の画素に、第一光電変換部と第二光電変換部とが設けられた第一の画素と、第三光電変換部と第四光電変換部とが設けられた第二の画素とが含まれ、
前記第一の光電変換部の重心から前記第二の光電変換部の重心へ向かう方向と、前記第三の光電変換部の重心から前記第四の光電変換部の重心へ向かう方向とが、同じであり、
単位時間当たりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多い場合に、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の測距像の取得方法を用いることを特徴とする撮像装置。 - 前記複数の画素に、第一光電変換部と第二光電変換部とが設けられた第一の画素と、第三光電変換部と第四光電変換部とが設けられた第二の画素とが含まれ、
前記第一の光電変換部の重心から前記第二の光電変換部の重心へ向かう方向と、前記第三の光電変換部の重心から前記第四の光電変換部の重心へ向かう方向とが、同じであり、
単位時間当たりに、前記第一の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第二の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多く、前記第三の光電変換部に蓄積される電荷量が、前記第四の光電変換部に蓄積される電荷量よりも多い場合に、被写体像を取得する際、
前記第一光電変換部で蓄積した電荷から取得した信号と前記第二光電変換部に蓄積した電荷から取得した信号との和が閾値よりも小さい場合は、前記第一光電変換部で蓄積した電荷から取得した信号と前記第二光電変換部に蓄積した電荷から取得した信号との和を撮像信号として用い、
前記第一光電変換部で蓄積した電荷から取得した信号と前記第二光電変換部に蓄積した電荷から取得した信号との和が前記閾値よりも大きい場合、前記第三光電変換部に蓄積した電荷から取得した信号と第四光電変換部に蓄積した電荷から取得した信号との和を撮像信号として用いることを特徴とする請求項14に記載の撮像装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015090872A JP2016206556A (ja) | 2015-04-27 | 2015-04-27 | 測距像の取得方法、およびそれを用いる撮像装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP2015090872A JP2016206556A (ja) | 2015-04-27 | 2015-04-27 | 測距像の取得方法、およびそれを用いる撮像装置 |
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|---|---|
| JP2016206556A true JP2016206556A (ja) | 2016-12-08 |
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| JP2015090872A Pending JP2016206556A (ja) | 2015-04-27 | 2015-04-27 | 測距像の取得方法、およびそれを用いる撮像装置 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2018181582A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2020-02-20 | 株式会社ニコン | 撮像素子、焦点調節装置、および撮像装置 |
-
2015
- 2015-04-27 JP JP2015090872A patent/JP2016206556A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2018181582A1 (ja) * | 2017-03-30 | 2020-02-20 | 株式会社ニコン | 撮像素子、焦点調節装置、および撮像装置 |
| US11387267B2 (en) | 2017-03-30 | 2022-07-12 | Nikon Corporation | Image sensor, focus adjustment device, and imaging device |
| JP7200930B2 (ja) | 2017-03-30 | 2023-01-10 | 株式会社ニコン | 撮像素子、焦点調節装置、および撮像装置 |
| US12107098B2 (en) | 2017-03-30 | 2024-10-01 | Nikon Corporation | Image sensor, focus adjustment device, and imaging device |
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