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JP2016504337A - イオン交換クロマトグラフィーを使用して高マンノースグリコフォームのレベルを制御する方法 - Google Patents

イオン交換クロマトグラフィーを使用して高マンノースグリコフォームのレベルを制御する方法 Download PDF

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JP2016504337A
JP2016504337A JP2015549606A JP2015549606A JP2016504337A JP 2016504337 A JP2016504337 A JP 2016504337A JP 2015549606 A JP2015549606 A JP 2015549606A JP 2015549606 A JP2015549606 A JP 2015549606A JP 2016504337 A JP2016504337 A JP 2016504337A
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high mannose
exchange column
glycoform
ion exchange
fractions
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Application number
JP2015549606A
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Inventor
ラジェンドラン,サラヴァナムーシー
ワン,ジホン
Original Assignee
メディミューン,エルエルシー
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Publication date
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Abstract

クロマトグラフィーベースのイオン交換を使用して、抗体サンプルなどの糖タンパク質サンプル中の高マンノースグリコフォームのレベルを調節する方法が提供される。高マンノースグリコフォームは、サンプルから除去または単離して濃縮し得る。抗体などの糖タンパク質を含んでなる組成物もまた提供され、イオン交換ベースのクロマトグラフィーステップを使用して、そこから高マンノースグリコフォームが低下または除去または単離または濃縮される。【選択図】なし

Description

細胞内で合成されたポリペプチドは、翻訳後修飾されることが多い。小胞体(ER)を標的とするポリペプチドの大部分は、グリコシル化され、すなわち、グリコシル化として知られている過程において、糖残基(またはオリゴ糖)が、ポリペプチドに酵素的に添加される。グリコシル化ポリペプチドはまた、糖タンパク質とも称される。真核生物細胞中では、(14N−アセチル−グルコサミン、マンノース、およびグルコース残基を含んでなる)特定オリゴ糖が、ER管腔内のポリペプチドのアルギニン残基に付着する。オリゴ糖は、常に、アルギニン残基の側鎖上のNH基に移転されるので、このオリゴ糖は、N結合またはアスパラギン結合オリゴ糖と称される。N結合オリゴ糖は、アスパラギン−X−セリンまたはアスパラギン−X−スレオニン配列内に存在するアスパラギン残基に付加され、式中、Xは、プロリン以外のあらゆるアミノ酸である。したがってこれらの2つの配列(Asn−X−SerまたはAsn−X−Thr)は、N結合グリコシル化のシグナルとして機能する。さらに、ゴルジ装置内の一連のグリコシルトランスフェラーゼ酵素は、ポリペプチド中のセリンまたはスレオニンアミノ酸のヒドロキシル側鎖(OH)に糖残基を付加し得て、この過程は、O結合グリコシル化として知られている。
N結合オリゴ糖の付加に続いて、ERとゴルジ装置の双方に、糖残基のさらなる修飾が存在してもよい。ER中では、グルコース残基は、特定のマンノース残基と共に、オリゴ糖から裁断されてもよい。ゴルジ装置内では、多様な酵素が作用して、マンノース残基を除去し、および/またはN−アセチルグルコサミン、ガラクトース、およびシアル酸をはじめとする、その他の糖残基を付加する。複合型オリゴ糖および高マンノースオリゴ糖のN結合オリゴ糖の2つの大まかなクラスが、成熟糖タンパク質に見られる。高マンノースオリゴ糖には、典型的に、ゴルジ装置内で新たな糖が添加されない。これらは、2つのN−アセチルグルコサミンと、往々にしてER内でポリペプチドに付着するオリゴ糖前駆体中に元来存在する数(9)に達する、複数のマンノース残基とを含有する。他方では、複合型オリゴ糖は、元の2つを超えるN−アセチルグルコサミン、ならびに変動する数のガラクトースおよびシアル酸残基および場合によってはフコースを含有し得る。シアル酸残基は、正味の負電荷を有する唯一の糖タンパク質の糖残基であることで、ユニークである。
ポリペプチドのグリコシル化は、それらの特性と機能に影響を及ぼし得る。例えば抗体分子のグリコシル化は、抗原上の補体活性化、身体からのクリアランス、および効力などの重要な免疫系機能に影響を及ぼし得る。IgG分子中では、補体活性化の第1の成分であるC1qの結合部位は、Fc領域内のCH2領域に局在化する(Morrison,S.L.et al.,(1994)The Immunologist.2,119−124)。抗体上の高マンノース5などの高マンノースオリゴ糖の存在は、通常は身体からのより迅速なクリアランスをもたらして、その効力を低下させる(Wright,A.et al.(1998)Journal of Immunology.160,3393−3402)。高レベルの高マンノース5グリコフォームは、クリアランス、免疫原性、および効能に対するこれらのグリコフォームの影響のために、治療用抗体に関わる懸念であり得る(Pacis et al.,(2011)Biotechnology and Bioengineering.108(10):2348−58)。他方、その他の研究は、グリコシル化阻害剤の存在下で生成された高マンノース抗体が、より大きなADCC活性とより大きなFcγRIIIa親和性とを有することを示した(Pacis et al.,(2011)Biotechnology and Bioengineering.108(10):2348−58)。
抗体分子のグリコシル化は、典型的に、その中で抗体分子が培養される宿主細胞と、抗体型とをはじめとする、細胞培養条件に左右される(Raju,T.S.(2003)BioProcess International.4,44−53)。治療的抗体の生産中に高マンノース5グリコフォームのレベルを制御する現在の努力は、精製工程でなく細胞培養工程を操作することを対象とする(Pacis et al.,(2011)Biotechnology and Bioengineering.108(10):2348−58)。抗体のグリコフォームレベルは、典型的に、下流精製工程条件によって影響を受ける。
Morrison,S.L.et al.,(1994)The Immunologist.2,119−124 Wright,A.et al.(1998)Journal of Immunology.160,3393−3402 Pacis et al.,(2011)Biotechnology and Bioengineering.108(10):2348−58 Pacis et al.,(2011)Biotechnology and Bioengineering.108(10):2348−58 Raju,T.S.(2003)BioProcess International.4,44−53 Pacis et al.,(2011)Biotechnology and Bioengineering.108(10):2348−58
治療用抗体中の不純物としての高マンノースグリコフォームの存在は、安全性または効力に影響を及ぼすこともある。しかしその中で、治療用抗体が、免疫系の治療薬に対する抗体産生を引き起こすことが計画的に意図される場合は、一貫してより大量の潜在的により高免疫原性の高マンノースグリコフォームが、好ましいこともある。したがって治療用抗体の生産中に、高マンノース5グリコフォームのレベルを制御して、製品品質(安全性および効能)を保証することに対する必要性が存在する。
本発明は、生産される治療用抗体の特定の要求に応じて、高マンノースグリコフォームレベルが制御されている治療用抗体を得るために使用してもよい、プロセスストラテジーを説明する。
本開示は、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、抗体サンプルなどの糖タンパク質サンプル中の高マンノースグリコフォームの量を低下させる方法を提供する。これらの方法を使用して、非常に低レベルの高マンノースグリコフォームを有する糖タンパク質組成物を生産し得る。したがって別の態様は、モノクローナル抗体などの糖タンパク質を含んでなる組成物を対象とし、糖タンパク質は、少なくとも2つのN結合オリゴ糖を含んでなり、組成物中の糖タンパク質の2%未満が、高マンノースグリコフォームである。
本発明は、糖タンパク質の高マンノースグリコフォームと、少なくとも1つのその他のグリコフォームとを含んでなるサンプル中で、糖タンパク質中の高マンノースグリコフォームの量を低下させる方法を開示する。方法は、イオン交換カラム上の糖タンパク質保持を可能にする条件下において、サンプルをイオン交換カラム上に装入するステップと;イオン交換カラムに溶出緩衝液を通過させ、イオン交換カラムから糖タンパク質を溶出させるステップと;イオン交換カラムから溶出して、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含んでなる、第1の1つまたは複数の画分を収集するステップと;第1の1つまたは複数の画分の前または後にイオン交換カラムから溶出して、高マンノースグリコフォームを含有する、第2の1つまたは複数の画分を、第1の1つまたは複数の画分から除外するステップを含んでなり、第1の1つまたは複数の画分中の高マンノースグリコフォームの量が、イオン交換カラム上への装入前のサンプル中の高マンノースグリコフォームの量と比較して、低下される。
いくつかの実施形態では、溶出緩衝液は、特に、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、アルギニン塩などの塩化学種を含有する、少なくとも1つの緩衝液を含んでなってもよい。溶出緩衝液は、特に、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸ナトリウム、トリス、またはグリシンなどの少なくとも1つの緩衝液化学種を含んでなってもよい。溶出緩衝液は、塩化学種を含有する少なくとも1つの緩衝液と、緩衝液化学種からの少なくとも1つの緩衝液との組み合わせであってもよい。3.5と8.0の間のpH条件の変動を使用して、高マンノースグリコフォーム分離を達成することもまた可能であり得る。
別の態様では、本開示は、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、抗体サンプルなどの糖タンパク質サンプル中の高マンノースグリコフォームを単離または濃縮する方法を提供する。これらの方法を使用して、非常に高濃度の高マンノースグリコフォームを有する糖タンパク質組成物を生産し得る。したがって別の態様は、モノクローナル抗体などの糖タンパク質を含んでなる組成物を対象とし、糖タンパク質は少なくとも2つのN結合オリゴ糖含んでなり、組成物中の糖タンパク質の少なくとも50%が高マンノースグリコフォームである。
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、特定の実施形態を図示し、書面による記述と一緒に、本明細書で開示される抗体および方法の特定の原理を説明するのに役立つ。
N結合グリコシル化部位が、Fc領域のC2ドメインと、Fab領域のVドメインの上にある、mAb 7.159.2(ATCC受入番号PTA−7424)抗体の簡略化された物理的構造を示す。 mAb 7.159.2抗体のFcおよびFab領域上に存在する、主要なオリゴ糖を示す。Man=マンノース;GlcNAc=N−アセチルグルコサミン;Fuc=フコース;Gal=ガラクトース;NANA=N−アセチルノイラミン酸、シアル酸としてもまた知られている;および2AB=2−アミノベンズアミド(グリカン分析のための蛍光標識)。 段階溶出による、POROS(登録商標)HS50(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)上のmAb 7.159.2抗体の対照試行のクロマトグラムと、生成物中の高マンノース5グリコフォーム(「Man5」)の濃度を示す。 直線濃度勾配溶出試行からのmAb 7.159.2生成物を示し、高マンノース5グリコフォーム(「M5」)溶出は、勾配の後期画分にある。 対照Ab1抗体(IgG1)の直線濃度勾配溶出試行が、その他のグリコフォームからの高マンノース5グリコフォーム分離をもたらさないことを示す。 対照Ab3抗体(IgG2)の直線濃度勾配溶出試行が、その他のグリコフォームからの高マンノース5グリコフォーム分離をもたらさないことを示す。 mAb 7.159.2抗体の直線濃度勾配溶出試行の異なる画分について、滞留時間および吸光度値を示す。異なる画分中で電荷の差が見られ、初期画分はより酸性であり、後期画分はより塩基性である。 mAb 7.159.2直線濃度勾配溶出画分中に存在するグリコフォームの相対比を示し、より成熟したグリコフォーム(例えばシアル化グリコフォーム)は、初期画分中に溶出し、より未熟なグリコフォーム(例えば高マンノース5グリコフォーム)は後期画分中に溶出する。 カチオン交換クロマトグラフィー中のグリコフォーム除去傾向のグラフ表示のオーバーレイと共に、mAb 7.159.2直線濃度勾配溶出画分中に存在するシアル酸(NANA)の量を示す。 POROS(登録商標)XS(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)カラムを通過するmAb 7.159.2試行に続く、高マンノース5グリコフォームの分配を示す。 Nuvia(商標)S(Bio Rad Laboratories,Hercules,CA)カラムを通過するmAb 7.159.2試行に続く、高マンノース5グリコフォームの分離を示す。 Eshmuno(登録商標)S(EMD Millipore,Darmstadt,Germany)カラムを通過するmAb 7.159.2試行に続く、高マンノース5グリコフォームの分離を示す。 Capto(商標)S(GE Healthcare Life Sciences,Piscataway,NJ)カラムを通過するmAb 7.159.2試行に続く、高マンノース5グリコフォームの分離を示す。
ここで、その例が添付図面で図示される様々な例示的な実施形態に、詳細に言及する。本発明の態様の特定の実施形態、特性、および詳細のより完全な理解を読者に与えるために、以下の詳細な説明が提供されるが、本発明の範囲の制限として解釈されるべきではないものと理解される。
1.定義
本発明がより容易に理解されるように、特定の用語を最初に定義する。本明細書の用語および定義に包含される追加的な定義および実施形態は、詳細な説明全体を通じて記載される。
本出願における用法では、「高マンノースグリコフォーム」という用語は、N結合オリゴ糖を有する抗体などの糖タンパク質を指し、N結合オリゴ糖は、5〜9個のマンノース単位を有する高マンノースグリカンである。
本出願における用法では、「高マンノース5グリコフォーム」という用語は、N結合オリゴ糖を有する抗体などの糖タンパク質を指し、N結合オリゴ糖は、5個のマンノース単位を有する高マンノースグリカンである。
本出願における用法では、「その他のグリコフォーム」という用語は、N結合オリゴ糖を有する抗体などの糖タンパク質を指し、N結合オリゴ糖は、5〜9個のマンノース単位を有する高マンノースグリカン以外のオリゴ糖である。
本出願における用法では、「マンノース5グリカン」という用語は、5マンノース単位を有するN結合オリゴ糖を指す。
本明細書および添付の特許請求範囲の用法では、文脈上例外が明記されていない限り、単数形「a」、「an」、および「the」は、複数指示対象を含むことに留意すべきである。「a」(または「an」)という用語、ならびに「1つまたは複数」および「少なくとも1つ」という用語は、本明細書で同義的に使用され得る。
さらに本明細書で使用される「および/または」は、他方の有無にかかわらず、2つの指定された特徴または成分のそれぞれの特定の開示と見なされるべきである。したがって本明細書において、「Aおよび/またはB」などの語句で使用される「および/または」という用語は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)、および「B」(単独)を含むことが意図される。同様に、「A、B、および/またはC」などの語句で使用される「および/または」という用語は、以下の実施形態のそれぞれを包含することが意図される:A、B、およびC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)。
また本明細書で実施形態が、「含んでなる」という言葉を用いて記述される場合は常に、「からなる」および/または「から本質的になる」によって記述される、その他の点では類似した実施形態もまた提供されるものと理解される。
2.糖タンパク質
本出願に記載される方法は、高マンノースグリコフォームを有するあらゆる糖タンパク質を使用して実施し得る。一実施形態では、糖タンパク質は治療用糖タンパク質であり、好ましくはヒトに投与されるものである。
これらの糖タンパク質としては、抗体、(インターフェロン−α、インターフェロン−β、インターフェロン−γ、および顆粒球コロニー刺激因子をはじめとするが、これに限定されるものではない)サイトカイン、腫瘍壊死因子、形質転換成長因子β、インターロイキン2;(第VIII因子、第IX因子、およびヒトタンパク質Cをはじめとするが、これに限定されるものではない)凝固因子;エリスロポエチン、IGF結合タンパク質、表皮成長因子、成長ホルモン放出因子、アネキシンV融合タンパク質、アンギオスタチン、血管内皮成長因子−2、骨髄性原体阻害因子−1、およびオステオプロテゲリンが挙げられるが、これに限定されるものではない。一実施形態では、糖タンパク質は、ヒト糖タンパク質である。
特定の実施形態では、サンプル中の高マンノースグリコフォームまたはその他の複合型グリコフォームの量を検出または定量化することが望ましい。グリコフォームは、多様な従来のアッセイまたは検出法のいずれかを使用して、検出または定量化し得る。例えば所望のオリゴ糖と特異的に結合するレクチンまたは抗体を使用して、関心のある特定のグリコフォームを検出し得る。多種多様なオリゴ糖特異的レクチンが、市販される(EY Laboratories,SanMateo,Calif.)。代案としては、特定のN結合オリゴ糖に対する抗体が市販され、または標準的な技術を使用して生成されてもよい。適切なレクチンまたは抗体を、発色団;フルオロフォア;放射性同位体;または発色性基質を有する酵素などのレポーター分子と共役させて、分光光度法、蛍光定量法、蛍光活性化細胞分類、またはシンチレーション測定などの標準的スクリーニング技術を使用した検出を容易にしてもよい。代案としては、単離されたN結合オリゴ糖の分析が望ましいことがある。このような場合、エンド−β−N−アセチルグルコサミニダーゼなどの酵素を使用して、N結合オリゴ糖を糖タンパク質から切断してもよい。次に単離されたN結合オリゴ糖を、液体クロマトグラフィー(例えばHPLC)、質量分光分析、またはその他の適切な手段によって分析してもよい。
3.抗体
特定の実施形態では、本出願に記載される方法を使用して、抗体サンプル中の高マンノースグリコフォームを除去し、または量を富化する。免疫グロブリンとしてもまた知られている抗体は、典型的に、それぞれおよそ25kDaの2本の軽(L)鎖と、それぞれおよそ50kDaの2本の重(L)鎖から構成される、四量体グリコシル化タンパク質である。λおよびκと称される2タイプの軽鎖が、抗体中に見られてもよい。重鎖定常領域のアミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンをA、D、E、G、およびMの5つの主要クラスに割り当て得て、これらのいくつかは、例えばIgG、IgG、IgG、IgG、IgA、およびIgAのサブクラス(アイソタイプ)にさらに分割されてもよい。各軽鎖は、N末端可変(V)領域(VL)および定常(c)領域(CL)を含む。各重鎖は、1つのN末端V領域(VH)、3または4つのC領域(CH)、およびヒンジ領域を含む。VHの最も近位にあるCH領域は、CH1と命名される。VHおよびVL領域は、超可変配列(相補性決定領域、CDR)の3つの領域のためのスキャフォールドを形成する、フレームワーク領域(FR1、FR2、FR3、およびFR4)と称される、比較的保存された配列の4つの領域からなる。CDRは、抗原と抗体の特異的相互作用に関与する残基の大部分を含有する。CDRは、CDR1、CDR2、およびCDR3と称される。したがって重鎖上のCDR構成物がH1、H2、およびH3と称される一方で、軽鎖上のCDR構成物はL1、L2、およびL3と称される。フレームワークおよびCDR残基の同定および番号付けは、その内容全体を参照によって援用する、Chothia et al.,Structural determinants in the sequences of immunoglobulin variable domain,J Mol Biol 1998,278:457−79によって記載されるようである。
「抗体」という用語は、ポリクローナル、モノクローナル、単特異的、多特異的、非特異的、ヒト化、ヒト、一本鎖、キメラ、合成、組換え、ハイブリッド、変異、グラフト、および試験管内作製抗体を含むが、これに限定されるものではない。好ましい実施形態では、抗体はモノクローナル抗体である。一実施形態では、モノクローナル抗体はヒト抗体である。
抗体の三次元構造は、パパインをはじめとするタンパク質分解酵素の使用を通じて解明された。パパインによる制限消化は、抗体を3つの断片に切断する。断片の2つは同一であり、抗原結合部位を含有する。これらの断片は、断片抗原結合(Fragment antigen binding)を略して、Fab断片と称される。3つ目の断片は抗原結合作用を有せず、容易に結晶化する。これは、結晶性断片(Fragment crystallizable)を略して、Fc断片と称される。2つの同一Fab断片は、典型的に、完全な軽鎖と、重鎖VおよびC1領域とを含有する抗体アームに相当する。Fc断片は、典型的に、重鎖C2およびC3領域に相当する。
一実施形態では、抗体は、組換えモノクローナル抗体である。組換えモノクローナル抗体は、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞をはじめとするが、これに限定されるものではない、宿主細胞から調製される。好ましい実施形態では、宿主細胞は哺乳類細胞である。別の実施形態では、組換えモノクローナル抗体はヒト抗体である。さらに別の実施形態では、モノクローナル抗体は、IgA、IgE、IgD、IgE、またはIgG抗体である。好ましい実施形態では、モノクローナル抗体は、IgG1またはIgG2抗体をはじめとするが、これに限定されるものではない、IgG抗体である。
別の実施形態では、抗体は、抗体のFc領域上の少なくとも1つのN結合グリコシル化部位と、抗体のFab領域上の少なくとも1つのN結合グリコシル化部位とを含んでなる。別の実施形態では、抗体は、抗体のFc領域上の1つのN結合グリコシル化部位のみと、抗体のFab領域上の1つのN結合グリコシル化部位のみとを有する(すなわち合計3つのN結合グリコシル化部位)。
別の実施形態では、抗体は、その内容全体を参照によって援用する、米国特出願公開第2007/0196376号明細書で開示される抗体のように、インスリン様成長因子1(IGF I)に対する交差反応性をもって、インスリン様成長因子2(IGF II)と結合する。特定の実施形態では、抗体はIGF Iとの交差反応性をもってIGF IIと結合し、mAb7.251.3(ATCC受入番号PTA−7422)、mAb7.34.1(ATCC受入番号PTA−7423)、およびmAb 7.159.2(ATCC受入番号PTA−7424)からなる群から選択される、モノクローナルヒト抗体である。
一実施形態では、抗体は、IGF Iに対する交差反応性をもって、IGF IIと結合し、配列番号1のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドと、配列番号2のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドとを含んでなる、モノクローナルヒト抗体である。別の実施形態では、抗体は、IGF Iに対する交差反応性をもってIGF IIと結合し、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドとを含んでなるモノクローナルヒト抗体であり、重鎖ポリペプチドは、「Ser Tyr Tyr Trp Ser」(配列番号7)のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域1(CDR1)、「Tyr Phe Phe Tyr Ser Gly Tyr Thr Asn Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser」(配列番号8)のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域2(CDR2)、および「Ile Thr Gly Thr Thr Lys Gly Gly Met Asp Val」(配列番号9)のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域3(CDR3)を含んでなり、軽鎖ポリペプチドは、「Thr Gly Ser Ser Ser Asn Ile Gly Ala Gly Tyr Asp Val His」(配列番号10)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、「Gly Asn Asn Asn Arg Pro Ser」(配列番号11)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、および「Gln Ser Phe Asp Ser Ser Leu Ser Gly Ser Val」(配列番号12)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含んでなる。
別の実施形態では、抗体は、IGF Iに対する交差反応性をもって、IGF IIと結合し、配列番号3のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドと、配列番号4のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドとを含んでなる、モノクローナルヒト抗体である。別の実施形態では、抗体は、IGF Iに対する交差反応性をもってIGF IIと結合し、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドとを含んでなるモノクローナルヒト抗体であり、重鎖ポリペプチドは、「Ser Tyr Tyr Trp Ser」(配列番号13)のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、「Tyr Phe Phe Tyr Ser Gly Tyr Thr Asn Tyr Asn Pro Ser Leu Lys Ser」(配列番号14)のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、および「Ile Thr Gly Thr Thr Lys Gly Gly Met Asp Val」(配列番号15)のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含んでなり、軽鎖ポリペプチドは、「Thr Gly Arg Ser Ser Asn Ile Gly Ala Gly Tyr Asp Val His」(配列番号16)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、「Gly Asn Ser Asn Arg Pro Ser」(配列番号17)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、および「Gln Ser Tyr Asp Ser Ser Leu Ser Gly Ser Val」(配列番号18)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含んでなる。
なおも別の実施形態では、抗体は、IGF Iに対する交差反応性をもって、IGF IIと結合し、配列番号5のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドと、配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドとを含んでなる、モノクローナルヒト抗体である。別の実施形態では、抗体は、IGF Iに対する交差反応性をもってIGF IIと結合し、重鎖ポリペプチドと軽鎖ポリペプチドとを含んでなるモノクローナルヒト抗体であり、重鎖ポリペプチドは、「Ser Tyr Asp Ile Asn」(配列番号19)のアミノ酸配列を有する重鎖CDR1、「Trp Met Asn Pro Asn Ser Gly Asn Thr Gly Tyr Ala Gln Lys Phe Gln Gly」(配列番号20)のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、および「Asp Pro Tyr Tyr Tyr Tyr Tyr Gly Met Asp Val」(配列番号21)のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含んでなり、軽鎖ポリペプチドは、「Ser Gly Ser Ser Ser Asn Ile Glu Asn Asn His Val Ser」(配列番号22)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、「Asp Asn Asn Lys Arg Pro Ser」(配列番号23)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、および「Glu Thr Trp Asp Thr Ser Leu Ser Ala Gly Arg Val」(配列番号24)のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含んでなる。
治療用抗体中のより少ない量の高マンノースグリコフォームは、より良い効能をもたらす、より低い免疫原性をもたらしてもよい。これは治療用抗体に対する、より少ない自己抗体の生成によって引き起こされてもよい。そして特定抗原中和またはタンパク質置換を標的とする治療用抗体にとって好ましく、より良い投薬をもたらす。しかし免疫系の抗体産生を引き起こす治療用抗体では、より大量の高マンノースグリコフォームが好ましいこともある。
より低い高マンノースレベルを有する治療用抗体は、より長い半減期を有して、より効果的であってもよい。免疫系の抗体産生を引き起こす治療用抗体中の高マンノースグリコフォームレベルは、より強力であってもよい。
4.イオン交換クロマトグラフィー
本発明の方法は、イオン交換クロマトグラフィーに適用できる。
イオン交換クロマトグラフィーは、関心のある溶質が、混合物中の溶質不純物または汚染物質よりも強くまたは弱く、荷電化合物と非特異的に相互作用するように、関心のあるイオン化可能溶質(例えば混合物中の対象タンパク質)が、適切なpHおよび導電率の条件下で、(例えば共有結合によって)固相イオン交換材に結合する逆帯電したリガンドと相互作用する、クロマトグラフィー処理を指す。混合物中の汚染溶質は、関心のある溶質よりも迅速にまたは緩慢に、イオン交換材のカラムから洗浄され得て、または媒体と結合し、またはそれから排除される。イオン交換クロマトグラフィーとしては、具体的には、カチオン交換、アニオン交換、および混合様式クロマトグラフィーが挙げられる。
カチオン交換媒体は、負に帯電して、その上またはその中を通過する水溶液中のカチオンと交換するための遊離カチオンを有する、固相を指す。例えば、下述されるカルボキシレート、スルホネートなどの、カチオン交換媒体を形成するのに適した固相に付着する、あらゆる負に帯電したリガンドを使用し得る。市販のカチオン交換媒体としては、例えば、スルホネートベースのグループ(例えば、GE HealthcareからのMonoS、MiniS、Source 15Sおよび30S、SP Sepharose Fast Flow、SP Sepharose High Performance;TosohからのToyopearl SP−650SおよびSP−650M;BioRadからのMacro−Prep High S;Pall TechnologiesからのCeramic Hyper D5、Trisacryl MおよびLS SP、およびSpherodex LS SP);スルホエチルベースのグループ(例えば、EMDからのFractogel SE;Applied BiosystemsからのPOROS(登録商標)S−およびPOROS(登録商標)S−20);スルホプロピルベースのグループ(例えば、TosohからのTSK Gel SP 5PWおよびSP−5PW−HR;Applied BiosystemsからのPOROS(登録商標)HS−20およびHS−50);スルホイソブチルベースのグループ(例えばEMDからの(Fractogel EMD SO.sub.3);スルホキシエチルベースのグループ(例えばWhatmanからのSE52、SE53、およびExpress−Ion S);カルボキシメチルベースのグループ(例えば、GE HealthcareからのCM Sepharose Fast Flow;Biochrom Labs Inc.からのHydrocell CM;BioRadからのMacro−PrepCM;Pall TechnologiesからのCeramic HyperD CM、Trisacryl M CM、Trisacryl LS CM;MilliporeからのMatrx Cellufine C500およびC200;WhatmanからのCM52、CM32、CM23、およびExpress Ion C;TosohからのToyopearl CM−650S、CM−650M、およびCM−650C);スルホン酸およびカルボン酸ベースのグループ(例えばJ.T.BakerからのBAKERBOND Carboxy−Sulfon);カルボン酸ベースのグループ(例えば、J.TBakerからのWP CBX;Dow Liquid SeparationsからのDOWEXMAC−3;Sigma−AldrichからのAmberlite Weak Cation Exchangers、DOWEX Weak Cation Exchanger、およびDiaion Weak Cation Exchangers;およびEMDからのFractogel EMD COO);スルホン酸に基づくグループ(例えば、Biochrom Labs Inc.からのHydrocell SP;Dow Liquid SeparationsからのDOWEX Fine Mesh Strong Acid Cation Resin;J.T.BakerからのUNO sphere 5、WP Sulfonic、SartoriusからのSartobind Sメンブレン;Sigma−AldrichからのAmberlite Strong Cation Exchangers、DOWEX Strong Cation、およびDiaion Strong Cation Exchanger);およびオルトリン酸塩ベースのグループ(例えばWhatmanからのP11)を有するものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
アニオン交換媒体は、正に帯電して、その上またはその中を通過する水溶液中のアニオンを交換するための遊離ア二オンを有する固相を指す。アニオン交換媒体の官能基は、典型的に第三級または第四級アミノ基であり、ジエチルアミノエチル(DEAE)基、第四級アミノエチル基、および第四級アンモニウム基が挙げられる。マトリックスとしては、アガロースビーズ、デキストランビーズ、ポリスチレンビーズ、およびその他のマトリックスが挙げられる。市販の(例えば現在はGE HealthcareであるAmersham Biosciences;およびSigma−Aldrichからの)アニオン交換媒体の例としては、DEAE−セファロース、Qセファロースなどが挙げられる。その他の適切なアニオン交換クロマトグラフィー材料、ならびに本出願のためのこれらの材料の選択および使用は、当該技術分野で慣習的である。
混合様式媒体は、典型的に、イオン交換、水素結合、および疎水性相互作用などの複数の結合様式の組み合わせを含有する、固相材料を指す。市販の(例えばPall Corporation、GE Healthcare、およびBio−Radからの)混合様式媒体の例としては、PPA Hypercel、HEA Hypercel、MEP Hypercel、Capto MMC、Capto Adhere、およびNuviac Primeが挙げられる。混合様式媒体が、それらのイオン交換特性のみを使用して操作される場合、それらはman5グリコフォームの分離を達成することが期待できる。
いくつかの実施形態では、本発明のクロマトグラフィー法で使用される溶出緩衝液は、特に、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、アルギニンなどの塩化学種を含有する、少なくとも1つの緩衝液を含んでなってもよい。溶出緩衝液は、特に、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸ナトリウム、トリス、またはグリシンなどの少なくとも1つの緩衝液化学種を含んでなってもよい。溶出緩衝液は、塩化学種を含有する少なくとも1つの緩衝液と、緩衝液化学種からの少なくとも1つの緩衝液との組み合わせであってもよい。3.5と8.0の間のpH条件の変動を使用して、高マンノースグリコフォーム分離を達成することもまた可能であり得る。
5.サンプルから高マンノースグリコフォームを除去する方法
本出願に記載される方法を使用して、糖タンパク質を含有するサンプルの高マンノースグリコフォームを低下させ、またはそれから除去し得る。一実施形態では、糖タンパク質は抗体である。
方法は、例えばモノクローナル抗体の生産における、最終精製ステップとして使用し得る。抗体は、典型的に、培養哺乳類宿主細胞を使用して、抗体の適切な折り畳みおよびグリコシル化を促進して生産される。近年、細胞培養技術において、細胞培養液と給餌ストラテジーの進歩をはじめとする顕著な改善がなされており、2g/Lを上回る高い細胞培養物力価がもたらされている。細胞培養物力価は、2g/Lを超え、3g/Lを超え、4g/Lを超え、5g/Lを超え、またはそのあらゆる部分であってもよい。細胞培養液からの抗体の効率的な回収および精製は、抗体生産工程の重要な部分である。バルク培地から抗体を精製するための一般的技術は、複雑な細胞培養液から出発して、95%を超える純度をもたらし得る、非常に選択的な工程である、プロテインAアフィニティクロマトグラフィーを使用する初期精製ステップを伴う。捕捉ステップ(例えばプロテインA)に続いて、宿主細胞タンパク質、DNA、溶脱プロテインA、内毒素、およびいくつかの細胞培養液添加剤、ならびにより高分子量の凝集体およびより低分子量の分解産物のような生成物関連不純物などのトレースレベルの工程関連汚染物質が、抗体と共に残留する。これらの汚染物質および不純物は、追加的なクロマトグラフィー技術を通じて除去し得て、これらはトレースレベルの汚染物質および不純物を治療的投与にとって安全と見なされるレベルに低下させることから、一般に最終精製ステップと称される。しかし出願人の発見に先だって、最終精製ステップが、モノクローナル抗体サンプル中に存在するその他のグリコフォームからの高マンノースグリコフォームを分離する手段と見なされ、または使用されたことはなかった。
したがって一実施形態は、糖タンパク質の高マンノースグリコフォームと、少なくとも1つのその他のグリコフォームとを含んでなる、サンプル中の糖タンパク質の高マンノースグリコフォームの量を低下させる方法であって、(a)イオン交換カラム上の糖タンパク質保持を可能にする条件下において、サンプルをイオン交換カラム上に装入するステップと;(b)イオン交換カラムに溶出緩衝液を通過させ、イオン交換カラムから糖タンパク質を溶出させるステップと;(c)イオン交換カラムから溶出して少なくとも1つのその他のグリコフォームを含んでなる、第1の1つまたは複数の画分を収集するステップと;および(d)第1の1つまたは複数の画分から、第2の1つまたは複数の画分を除外するステップとを含んでなり、第2の1つまたは複数の画分が、第1の1つまたは複数の画分の前または後にイオン交換カラムから溶出して、高マンノースグリコフォームを含有し、第1の1つまたは複数の画分中の高マンノースグリコフォームの量が、イオン交換カラム上への装入前のサンプル中の高マンノースグリコフォームの量と比較して低下される、方法を対象とする。
一実施形態では、イオン交換カラムはカチオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する第2の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する第1の1つまたは複数の画分の後に、カチオン交換カラムから溶出する。
別の実施形態では、イオン交換カラムがアニオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する第2の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する第1の1つまたは複数の画分の前に、アニオン交換カラムから溶出する。
さらに別の実施形態では、方法は、第1の1つまたは複数の画分または第2の1つまたは複数の画分中の高マンノースグリコフォームの量を測定するステップをさらに含んでなる。別の実施形態では、方法は、サンプルを装入した後、溶出緩衝液をイオン交換カラムに通過させる前に、イオン交換カラムを洗浄するステップをさらに含んでなる。
一実施形態では、糖タンパク質は、上の「抗体」セクション、または本出願の他の箇所に記載されるものをはじめとするが、これに限定されるものではない、抗体である。
別の実施形態では、第1の1つまたは複数の画分中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量は、モノクローナル抗体の総量の2%未満である。別の実施形態では、第1の1つまたは複数の画分中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量は、モノクローナル抗体の総量の1%未満である。さらに別の実施形態では、第1の1つまたは複数の画分中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量は、イオン交換カラムに装入する前のサンプル中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量と比較して、少なくとも100、50、10、9、8、7、6、5、4、3、または2倍低下する。
6.サンプルから高マンノースグリコフォームを単離する方法
本出願に記載される方法はまた、糖タンパク質を含有するサンプル中の高マンノースグリコフォームを単離または濃縮するのに使用し得る。一実施形態では、糖タンパク質は抗体である。
したがって一実施形態は、糖タンパク質の高マンノースグリコフォームと、少なくとも1つのその他のグリコフォームとを含んでなるサンプル中の糖タンパク質の高マンノースグリコフォームを単離する方法であって、(a)イオン交換カラム上の糖タンパク質保持を可能にする条件下において、サンプルをイオン交換カラム上に装入するステップと;(b)イオン交換カラムに溶出緩衝液を通過させ、イオン交換カラムから糖タンパク質を溶出させるステップと;(c)イオン交換カラムから溶出して、高マンノースグリコフォームを含有する、第1の1つまたは複数の画分を収集するステップと;および(d)第1の1つまたは複数の画分から、第2の1つまたは複数の画分を除外するステップであって、それによってサンプル中の高マンノースグリコフォームを単離する、ステップとを含んでなり、第2の1つまたは複数の画分が、第1の1つまたは複数の画分の前または後にイオン交換カラムから溶出して、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する、方法を対象とする。
一実施形態では、イオン交換カラムはカチオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する第1の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する第2の1つまたは複数の画分の後に、カチオン交換カラムから溶出する。
別の実施形態では、イオン交換カラムがアニオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する第1の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する第2の1つまたは複数の画分の前に、アニオン交換カラムから溶出する。
さらに別の実施形態では、方法は、第1の1つまたは複数の画分または第2の1つまたは複数の画分中の高マンノースグリコフォームの量を測定するステップをさらに含んでなる。別の実施形態では、方法は、サンプルを装入した後、溶出緩衝液をイオン交換カラムに通過させる前に、イオン交換カラムを洗浄するステップをさらに含んでなる。
一実施形態では、糖タンパク質は、上の「抗体」セクション、または本出願の他の箇所に記載されるものをはじめとするが、これに限定されるものではない、抗体である。
さらに別の実施形態では、第1の1つまたは複数の画分中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量は、イオン交換カラムに装入する前のサンプル中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量と比較して、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、または200倍を超えて増大する。
7.組成物
本出願に記載される方法は、糖タンパク質サンプルからの高マンノースグリコフォームを低下させまたは除去して、非常に低いレベルの高マンノースグリコフォームを有する組成物をもたらす機序を提供する。
したがって別の態様は、モノクローナル抗体などの糖タンパク質を含んでなる組成物を対象とし、糖タンパク質は少なくとも2つのN結合オリゴ糖含んでなり、組成物中の糖タンパク質の2%未満が高マンノースグリコフォームである。一実施形態では、組成物中の糖タンパク質の1%未満は、高マンノースグリコフォームである。一実施形態では、糖タンパク質は、上の「抗体」セクション、または本出願の他の箇所に記載されるものをはじめとするが、これに限定されるものではない、抗体である。
本出願に記載される方法はまた、糖タンパク質サンプルからの高マンノースグリコフォームを単離または濃縮して、非常に濃縮されたレベルの高マンノースグリコフォームを有する組成物をもたらす機序を提供する。
したがって別の態様は、モノクローナル抗体などの糖タンパク質を含んでなる組成物を対象として、糖タンパク質は、少なくとも2つのN結合オリゴ糖を含んでなり、組成物中の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の糖タンパク質は、高マンノースグリコフォームである。一実施形態では、糖タンパク質は、上の「抗体」セクション、または本出願の他の箇所に記載されるものをはじめとするが、これに限定されるものではない、抗体である。
本明細書で引用される全ての特許、特許出願、および公開された参考文献は、その内容全体を参照によって本明細書に援用する。本発明が、特に、その好ましい実施形態に言及して示され説明される一方で、添付の特許請求の範囲に包含される本発明の範囲を逸脱することなく、その形態および詳細に様々な変更を加えてもよいことが、当業者によって理解される。
実施例1
mAb 7.159.2(ATCC受入番号PTA−7424)は、2本の同一重鎖と2本の同一軽鎖から構成される、完全ヒトIgG2λモノクローナル抗体分子であり、総分子量はおよそ151kDaである。吸光係数は1.54(mg/mL) −1cm−1であり、pIは7.8〜8.8である。2つのN結合オリゴ糖グリコシル化部位があり、1つは残基Asn−73にあるFab領域の重鎖内、もう1つは残基Asn−296のFc領域内にある(図1)。双方の部位のオリゴ糖は、大部分が複合型である。細胞クローンおよびバイオリアクター条件次第で、mAb 7.159.2の高マンノース5グリコフォームは、約3〜11%で変動し得る(データ示さず)。Fc領域内のCH領域上、およびFab領域のV領域上に存在するグリカンは、図2で示される。Fab領域は、FcおよびFab領域の双方に存在するその他のグリカンに加えて、本質的に酸性である成熟したシアル化グリカンの高い割合を有する。Fc領域は、高マンノース5グリコフォームなどの成熟度がより低いグリコフォームのより高い割合を有する。
POROS(登録商標)HS50(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)カチオン交換クロマトグラフィーを最終精製ステップとして使用して、mAb 7.159.2精製工程において、工程および生成物関連不純物を除去した。クロマトグラフィー装入物および生成物の分析は、カラムが、抗体の凝集体および高マンノース5グリコフォーム(「M5」)の双方を、効果的に除去したことを示した(表1)。そのため高マンノース5グリコフォームの除去の背後にある機序をさらに理解するために、実験を実施した。
Figure 2016504337
1.1cm×17.3cm(直径×高さ)POROS(登録商標)HS50(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)を用いて、下の表1Bに列挙するカラム条件下で、直線濃度勾配溶出(LGE)試験を実施した。
Figure 2016504337
mAb 7.159.2およびその他のIgG抗体(対照Ab1、対照Ab2、および対照Ab3)のLGE試験中、0.5CV画分を収集し、A280nm、高圧サイズ排除クロマトグラフィー(HPSEC)およびオリゴ糖プロファイル分析を使用して分析し、画分全体にわたる単量体、凝集体、および高マンノース5グリコフォーム濃度の変化を測定した。対照試行として、装入物としてmAb 7.159.2を用いて、段階溶出試行を実施し、20mMクエン酸ナトリウム、39mM塩化ナトリウム、pH5.4を使用して、生成物を溶出した。
mAb 7.159.2を使用して、分取規模サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を実施し、オリゴ糖分析によって凝集体および単量体を単離し特性分析した。mAb 7.159.2 LGE実験からの画分はまた、分析的イオン交換クロマトグラフィー(IEC)およびシアル酸アッセイを用いて分析した。
段階溶出を用いた対照試行からのPOROS(登録商標)HS50(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)画分の分析は、ストリップ中の高マンノース5グリコフォームの濃度が、溶出中よりも約5倍大きいことを示し(図3)、ストリップ中に、高マンノース5グリコフォームが、除去されたことが示された。LGE試行からのmAb 7.159.2画分のHPSECおよびオリゴ糖プロファイル分析は、高マンノース5グリコフォームが、勾配の後期画分中に溶出することを確認した(図4)。
LGE実験は、それぞれ33%および2%の高マンノースグリコフォームを含有する、対照Ab1(IgG1)および対照Ab2(IgG1)を用いて実施した。図5に示されるように、対照Ab1のオリゴ糖プロファイル解析は、高マンノース5グリコフォームの分離がないことを示唆する。対照Ab2もまた同様のプロファイル(データ示さず)を示し、したがって最初の高マンノース5グリコフォーム含量が、イオン交換クロマトグラフィーステップにおける、その除去に影響を及ぼさないことが示唆された。
高マンノース5グリコフォームの除去が、IgG2抗体でのみ観察されるかどうかを試験するために、対照Ab3(IgG2)を用いてLGE試行を実施した。図6に示されるように、対照Ab3を用いた試行は高マンノース5グリコフォームの除去をもたらさず、この挙動がIgG2抗体の特異的性質でないことが示唆された。
mAb 7.159.2 LGE画分分析は、凝集体に、高マンノース5グリコフォームの増大に対応する増大があったことを示し、高マンノース5グリコフォームの除去が、凝集体の除去と関連があるかもしれないことが示唆された。SECを実施して、凝集体および単量体を単離した。オリゴ糖分析は、単量体および凝集体中の高マンノース5グリコフォームレベルがそれぞれ2.9%および2.3%であることを示し、凝集体および高マンノース5グリコフォームの除去は関連しないことが示唆された。
いかなる理論による制限も意図しないが、イオン交換クロマトグラフィー中のmAb 7.159.2高マンノース5グリコフォームの除去は、抗体分子上の電荷の差に起因するようである(図7)。Fab領域中にシアル酸を含有するより成熟したグリコフォームは、比較的より酸性であり、溶出の初期画分中に除去される。Fab−シアル化がより少ない、したがってより未熟でより塩基性のグリコフォームは、溶出の後期画分中に除去される。対照Ab1、対照Ab2、および対照Ab3抗体分子は、Fab領域上にグリコシル化部位を有せず、Fab−シアル化されていないので、この挙動は見られない。mAb 7.159.2の場合、おそらく後期画分中に溶出する、Fab−シアル化が少ない(より未熟な)グリコフォームはまた、Fc領域中に、より高い割合の高マンノース5グリコフォームも含有する。
図8は、LGE画分全体にわたるグリコフォーム分離の理解を助けるために、オリゴ糖データの解析を提供する。結果は、シアル化グリコフォームなどのよりプロセシングされたグリコフォームの割合が、溶出のより初期の画分中でより高く、プロセシングがより少ないグリコフォームの割合が、後期画分中で増大することを示す。G2f+2NAc、G2f+NAc、およびG2fグリコフォームは、溶出プロファイル全体にわたり別個のピークを有し、より酸性のグリコフォームはより初期に溶出し、酸性のより少ないグリコフォームは後期に溶出する。高マンノース5グリコフォームの割合は、G2f+2NAc、G2f+NAc、およびG2fの割合の低下と共に増大する。その他のより未熟なグリコフォームG0+G0f(図8)の割合はまた、G2f+2NAc、G2f+NAc、およびG2fの割合の低下と共に増大する。
シアル酸アッセイを実施して、mAb 7.159.2画分中のシアル酸変化をモニターした。シアル酸アッセイからの結果は、分子あたりのシアル酸の数が、初期画分中でより高いことを示し、より多くのFab−シアル化グリコフォームがより初期の画分中に溶出し、より未熟なグリコフォームが後期画分中に溶出することを示す、オリゴ糖データに一致する(図9)。
研究結果は、高マンノースグリコフォームが、Fab−シアル化グリコフォームによって生じる電荷分離のために、mAb 7.159.2カチオン交換クロマトグラフィーステップで、除去されることを示唆する。結果はまた、イオン交換クロマトグラフィーを使用して、シアル化グリコフォーム、高マンノースグリコフォーム、およびその他のより未熟なグリコフォームを分離し得ることも示唆する。
実施例2
複数の規模にわたる高マンノース5除去
POROS(登録商標)HS50(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)装入物(mAb 7.159.2)および溶出生成物のオリゴ糖分析は、複数の規模(20Lロット、100Lロット、500Lロット、および2000Lロット)にわたって、高マンノース5グリコフォームが、4.2〜6.0%から0.7〜2.1%に低下したことを示した。ペプチドマッピング分析もまた、POROS(登録商標)HS50(Applied Biosystems,Carlsbad,CA)カラムステップによって、高マンノース5グリコフォームが、4.7〜4.9%から0.6〜1.1%に低下したことを示した。
実施例3
その他のイオン交換カラムを用いた高マンノース5除去
POROS(登録商標)XS(Applied Biosystems, Carlsbad,CA)、Nuvia(商標)S(Bio Rad Laboratories,Hercules,CA)、Eshmuno(登録商標)S(EMD Millipore,Darmstadt,Germany)、およびCapto(商標)S(GE Healthcare Life Sciences,Piscataway,NJ)をはじめとするその他のカチオン交換クロマトグラフィー樹脂が試験され、これらもまた異なる程度の高マンノース5グリコフォームの分離を示した(図10〜13)。試験した追加的カラムの内、Capto(商標)S(GE Healthcare Life Sciences,Piscataway,NJ)は、最も少ない高マンノース5グリコフォームの分離を示した。
Figure 2016504337
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Claims (24)

  1. 糖タンパク質の高マンノースグリコフォームと、少なくとも1つのその他のグリコフォームとを含んでなるサンプル中の糖タンパク質の高マンノースグリコフォームの量を低下させる方法であって、
    (a)イオン交換カラム上の糖タンパク質保持を可能にする条件下において、サンプルを前記イオン交換カラム上に装入するステップと;
    (b)前記イオン交換カラムに溶出緩衝液を通過させ、前記イオン交換カラムから前記糖タンパク質を溶出させるステップと;
    (c)前記イオン交換カラムから溶出して少なくとも1つのその他のグリコフォームを含んでなる、第1の1つまたは複数の画分を収集するステップと;
    (d)前記第1の1つまたは複数の画分から、第2の1つまたは複数の画分を除外するステップと
    を含み、前記第2の1つまたは複数の画分が、前記第1の1つまたは複数の画分の前または後に前記イオン交換カラムから溶出して、高マンノースグリコフォームを含有し、
    前記第1の1つまたは複数の画分中の高マンノースグリコフォームの量が、前記イオン交換カラム上への装入前の前記サンプル中の高マンノースグリコフォームの量と比較して低下される、方法。
  2. 前記イオン交換カラムがカチオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する前記第2の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する前記第1の1つまたは複数の画分の後に、前記カチオン交換カラムから溶出する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記イオン交換カラムがアニオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する前記第2の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する前記第1の1つまたは複数の画分の前に、前記アニオン交換カラムから溶出する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の1つまたは複数の画分または前記第2の1つまたは複数の画分中の高マンノースグリコフォームの量を測定するステップをさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記糖タンパク質がモノクローナル抗体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記モノクローナル抗体がIgG抗体である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記モノクローナル抗体がIgG2抗体である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記モノクローナル抗体が組換えモノクローナル抗体である、請求項5〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記組換えモノクローナル抗体が、細菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞、または哺乳類細胞である宿主細胞から調製される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記モノクローナル抗体が、ヒト抗体である、請求項5〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記モノクローナル抗体が、Fc領域上の少なくとも1つのN結合グリコシル化部位と、Fab領域上の少なくとも1つのN結合グリコシル化部位とを含んでなる、請求項5〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記モノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームが、前記モノクローナル抗体の高マンノース5グリコフォームである、請求項5〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記モノクローナル抗体が、配列番号5のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドと、配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドとを含んでなる、請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記モノクローナル抗体が、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含んでなり、前記重鎖ポリペプチドが、配列番号19のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域(CDR)1、配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、および配列番号21のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含んでなり、前記軽鎖ポリペプチドが、配列番号22のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号23のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、および配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含んでなる、請求項5〜12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記第1の1つまたは複数の画分中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量が、前記モノクローナル抗体総量の2%未満である、請求項5〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記第1の1つまたは複数の画分中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量が、前記イオン交換カラム上に装入する前の前記サンプル中のモノクローナル抗体の高マンノースグリコフォームの量と比較して10倍低下される、請求項5〜14のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記サンプルを装入した後、前記イオン交換カラムに前記溶出緩衝液を通過させる前に、前記イオン交換カラムを洗浄するステップをさらに含んでなる、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. モノクローナル抗体を含んでなる組成物であって、前記モノクローナル抗体が少なくとも2つのN結合オリゴ糖を含んでなり、前記組成物中の前記モノクローナル抗体の2%未満が高マンノースグリコフォームである、組成物。
  19. 前記組成物中の前記モノクローナル抗体の1%未満が、高マンノースグリコフォームである、請求項18に記載の組成物。
  20. 前記モノクローナル抗体が、配列番号5のアミノ酸配列を有する重鎖ポリペプチドと、配列番号6のアミノ酸配列を有する軽鎖ポリペプチドを含んでなる、請求項18または19に記載の組成物。
  21. 前記モノクローナル抗体が、重鎖ポリペプチドおよび軽鎖ポリペプチドを含んでなり、前記重鎖ポリペプチドが、配列番号19のアミノ酸配列を有する重鎖相補性決定領域(CDR)1、配列番号20のアミノ酸配列を有する重鎖CDR2、および配列番号21のアミノ酸配列を有する重鎖CDR3を含んでなり、前記軽鎖ポリペプチドが、配列番号22のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR1、配列番号23のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR2、および配列番号24のアミノ酸配列を有する軽鎖CDR3を含んでなる、請求項18または19に記載の組成物。
  22. 糖タンパク質の高マンノースグリコフォームと、少なくとも1つのその他のグリコフォームとを含んでなるサンプル中の糖タンパク質の高マンノースグリコフォームを単離する方法であって、
    (a)イオン交換カラム上の糖タンパク質保持を可能にする条件下において、サンプルをイオン交換カラム上に装入するステップと;
    (b)前記イオン交換カラムに溶出緩衝液を通過させ、前記イオン交換カラムから前記糖タンパク質を溶出させるステップと;
    (c)前記イオン交換カラムから溶出して、高マンノースグリコフォームを含有する、第1の1つまたは複数の画分を収集するステップと;
    (d)前記第1の1つまたは複数の画分から、第2の1つまたは複数の画分を除外するステップであって、それによってサンプル中の高マンノースグリコフォームを単離する、ステップと
    を含み、前記第2の1つまたは複数の画分が、前記第1の1つまたは複数の画分の前または後に前記イオン交換カラムから溶出して、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する、方法。
  23. 前記イオン交換カラムがカチオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する前記第1の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する前記第2の1つまたは複数の画分の後に、前記カチオン交換カラムから溶出する、請求項22に記載の方法。
  24. 前記イオン交換カラムがアニオン交換カラムであり、高マンノースグリコフォームを含有する前記第1の1つまたは複数の画分が、少なくとも1つのその他のグリコフォームを含有する前記第2の1つまたは複数の画分の前に、前記アニオン交換カラムから溶出する、請求項22に記載の方法。
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