以下に、本発明の実施の形態にかかる通信装置、通信システムおよび基地局を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる通信システムの構成例を示す図である。図1に示したように、通信システム3は、基地局1およびユーザ端末である端末2を備える。図1では基地局1と通信する端末2を1台としているが、複数の基地局及び移動局が含まれていてもよく、例えば実際には1台以上の端末2が基地局1と通信可能である。端末2が本発明の実施の形態1にかかる通信装置である。本実施の形態においてはアップリンク用の信号をSC−FDMAとして説明を行うが一例であり、本実施の形態はOFDMA(OFDM Access)のような他の信号を送信する通信システムにも適用が可能である。
ここで、本実施の形態の概要について、前提としている技術とともに簡単に説明する。3GPP Release12では、SRSを非定期的に送信する処理である非定期SRS送信において、FDDの場合、サブフレームの最後のSC−FDMAシンボルでSRSを送信することが規定されている。すなわち、3GPP Release12のシステムでは、SRSを1TTIにつき1SC−FDMAシンボルしか送信することができず、1サブフレーム内で複数のSRSを送信することはできない。
1サブフレームで複数のSRSを送信する場合、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)およびPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)と衝突しないようにSRSを配置する必要がある。また、SRSの配置を示す制御情報を基地局と端末との間で送受信する必要がある。非定期SRSを用いてSRSをSC−FDMAシンボルにて時間軸上で連続送信する場合、時間軸上のSRSの配置を示す制御情報も必要となり、物理レイヤよりも上位のレイヤにおいて必要な、制御情報送信用のビット数が増えてしまう。
SRS送信に関連する制御情報は、パラメタ設定用の信号により基地局から端末に向けて送信される。基地局は、例えば3GPP規格において規定されたRRC(Radio Resource Control)情報またはDCI(Downlink Control Information)を使用して、SRS送信に関連する制御情報を端末へ送信する。基地局は、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、または、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)などにより、RRC情報およびDCIを端末へ送信する。RRC情報にはSRS向けのパラメタが含まれる。例えば、SRSが定期的に送信される場合、SRSが送信される周期などを示すパラメタがRRC情報に含まれる。DCIは、適応的にSRSを端末から送信させる場合のトリガ情報、および、RRC情報によって設定されたパラメタの候補の中の1つを示す情報などが含まれる。パラメタの候補の例としてSRSの長さ、等がある。
3GPPで規定された「DCI format 4」の「SRS request field」は、4候補のパラメタセットの中の1つを指定する構成とされている。すなわち、3GPP規格では、基地局はDCIによって適応的にSRS送信パラメタを選択できるようになっている。
ここでは3GPPに対応する通信システムの例を示したが、一般的に、通信システムでは、基地局より送られるパラメタを端末が読み込み、パラメタに従って端末が適時アップリンク用パイロット信号などを送信する手法が用いられている。
複数のSRSを非定期的に送信する場合、基地局はDCI等の制御情報を端末へ頻繁に送信する必要がある。例えば、3GPP規格においてDCIはPDCCH等を用いて、送信される。すなわち、適応的にSRSのパラメタを変更する構成の通信システムを実現する場合、基地局と端末との間で送受信される制御情報が増えてしまう。そこで、本実施の形態にかかる通信システムでは、制御情報の送信に必要なビット数の増加を抑圧するため、SRSを送信する時間、送信するSRSの数、およびSRSを送信する周波数の場所の候補、すなわちSRSの配置パターンの候補をあらかじめ用意しておく。配置パターンは、時間および周波数で定義される領域内のどこにSRSを配置して送信するかを示す情報である。本実施の形態の通信システムでは、SRSの配置パターンの候補を複数種類用意しておく。前述の配置パターンにおいて、時間および周波数で定義される領域の時間方向のサイズは、TTIの整数倍とし、時間方向の最小サイズは1TTIとする。SRSの1TTIの中の時間および周波数の配置は配置パターンの候補毎に異なる。また、複数種類の候補として、連続するSC−FDMAシンボルにてSRSを送信する配置パターン、および、連続するSC−FDMAシンボルの各SC−FDMAシンボルにおいて複数の周波数に分散してSRSを送信する配置パターンなどを用意する。SRSの配置パターンを予め用意しておくことで、SRSの配置の詳細を示す制御情報の送受信が不要となり、基地局から端末へ送信される制御情報を削減できる。この結果、SRSの送信を指示するために基地局が制御情報を送信する回数を減らすことができる。さらに、候補の指定番号すなわち識別番号を決めておき、基地局は、使用する配置パターンの識別番号を制御情報内に設定して送信することで、様々な配置パターンでのSRSの送信を、SRSの送信指示で使用する制御用ビットの増加量を抑えつつ実現することができる。
図2は、実施の形態1にかかるSRSの配置パターンの候補の例を示す図である。図2は、1フレームが10サブフレーム、すなわち10TTIによって構成され、かつ1TTIが3SC−FDMAシンボルによって構成された場合のSRSの配置パターンの例を示している。図2においてはSRSをハッチングで示している。また、図2では、5TTIにおいてSRSを送信する場合の3つの配置パターンの候補を配置#1、#2および#3として示している。図2に示した例は1フレームごとの配置パターンとしているが、配置パターンの時間方向のサイズ、すなわち1つの配置パターンに含まれるTTIの数を図2に示したものに限定するものではない。上述したように、配置パターンの時間方向のサイズは1TTIの整数倍であればよい。
図2に示した配置#1においては、最初にSRSを送信してから1TTI経過後、3TTIにわたり連続してSRSを送信する。そして、1TTI経過後にSRSを送信する。配置#2においては、最初にSRSを送信してから2TTI経過後、3TTIにわたり連続してSRSを送信する。そして、2TTI経過後にSRSを送信する。配置#3においては、最初のSRS送信として、周波数軸上に分散させたSRSを送信し、1TTI経過後、3TTIにわたり連続してSRSを送信する。そして、1TTI経過後に、周波数軸上に分散させたSRSを送信する。
現在の3GPP規格においては、同じTTI内で複数のSRSの送信を許可するための制御情報が規定されていない。本実施の形態にかかる通信システムにおいては、図2に示した具体例のような複数の配置パターンの候補を用意しておき、複数の候補の中の1つを、基地局から送信される制御情報に従って端末が選択し、選択した配置パターンに従ってSRSを送信する。これにより、SRSの配置パターンを示す制御情報を少ないビット数で基地局から端末へ送信することが可能となる。また、図3に示した配置、すなわち、SRSを周波数軸上で複数に分け、同じTTI内で複数回送信する配置、および周波数軸上のSRSの密度を変えて送信する配置も可能となる。図3に示した配置#11および#12は、TTI毎にSRSの密度を変化させる配置パターンの例である。SRSの配置パターンは、図2および図3に示した例に限定されない。図2および図3に示したSRSの配置パターンの候補を示す情報は、例えば、基地局がRRC情報内に設定して端末へ送信する。
図4は、実施の形態1にかかる端末の構成例を示す図である。端末2は、無線信号受信部21、分離部22、データ信号受信部23、制御信号受信部24、SRS生成部25、データ生成部26、多重部27、送信信号生成部28および無線信号送信部29を備える、なお、図4では、無線信号を送受信するためのアンテナ等の記載を省略している。
無線信号受信部21は、基地局1から送信された無線信号であるダウンリンク信号に対してダウンコンバートおよびアナログデジタル変換などを実行して受信ベースバンド信号を生成し、分離部22へ出力する。
分離部22は、無線信号受信部21から入力された受信ベースバンド信号を制御信号とデータ信号とに分離し、制御信号を制御信号受信部24へ振り分けるとともに、データ信号をデータ信号受信部23へ振り分ける。基地局からデータ信号および制御信号の位置は通知されているので、分離部22は指定された時間および周波数位置から制御信号およびデータ信号を抽出する。
データ信号受信部23は、分離部22から入力されたデータ信号に対して復調処理などを含む受信処理を実行し、基地局1から送信されてきたデータ系列を復元する。データ信号受信部23により復元されたデータ系列は、図示を省略している上位レイヤの処理部などに送られ、上位レイヤにおいて処理される。
制御信号受信部24は、分離部22から入力された制御信号に対して復調処理などを含む受信処理を実行し、基地局1から送信されてきた制御情報を復元する。制御信号受信部24は、復元した制御情報に基づいて、多重部27および送信信号生成部28へ出力する制御信号を生成する。
制御信号受信部24はRRC解読部241を備える。RRC解読部241は、基地局1から受信した制御信号に含まれるRRC情報の内容を解読する。RRC情報には、端末2が基地局1へ送信するSRSの配置に関連する情報が含まれているものとする。具体的には、SRSの配置情報、ユーザ多重用の制御情報およびTTIの長さの情報がRRC情報に含まれている。
SRSの配置情報とは、SRSの配置パターンの複数候補の中のいずれか1つを示す情報である。SRSの配置パターンの各候補は予め決められており、各候補に対応するSRSの配置パターンの詳細を示す情報であるSRS詳細情報は、端末2および基地局1が予め保持しているものとする。端末2においては多重部27がSRS詳細情報を保持しているものとする。多重部27は、各候補を示す番号と一緒にSRS詳細情報を保持するものとする。各候補を示す番号は、後述する選択番号に相当する。
ユーザ多重用の制御情報とは、端末2が送信可能なシンボル時間および周波数を示す情報、すなわち、アップリンクのスケジューリング結果を示す情報である。基地局1に対して信号を送信する端末が複数存在する場合、基地局1は、各端末が送信可能なシンボル時間および周波数が衝突しないように、シンボル時間および周波数を各端末に割り当て、割り当てた結果をユーザ多重用の制御情報として、RRC情報に含ませて各端末へ送信する。なお、基地局1は、各端末について、送信するデータ信号およびSRSが、他の端末から送信されるデータ信号およびSRSのいずれとも衝突しないようにアップリンクのスケジューリングを行う。
TTIの長さの情報は、1TTIを構成するSC−FDMAシンボルの時間軸上の数を示す。本実施の形態にかかる通信システムでは、TTIの長さを可変とし、基地局1は、TTIの長さを決定し、TTIの長さの情報をSRSの配置に関する情報に含めて送信する。
制御信号受信部24は、RRC解読部241においてRRC情報の解読が完了すると、SRSの配置に関連する情報の内容に基づいて、多重部27および送信信号生成部28のそれぞれに対する制御信号を生成して出力する。具体的には、制御信号受信部24は、多重部27に対して、選択番号を示す制御信号およびユーザ多重用制御信号を生成して出力する。なお、図4では選択番号を示す制御信号を単に選択番号と記載している。選択番号は、上述したSRSの配置パターンの複数候補の中のいずれか1つを示す番号である。ユーザ多重用制御信号は、データの送信用に割り当てられた無線リソース、すなわち、データ送信が可能なシンボル時間および周波数を示す信号である。データ送信用の無線リソースが割り当てられなかった場合、制御信号受信部24は、その旨を示すユーザ多重用制御信号、すなわちデータ送信不可を示すユーザ多重用制御信号を生成する。また、制御信号受信部24は、送信信号生成部28に対して、TTI長制御信号を生成して出力する。TTI長制御信号とは、TTIの長さ、すなわち1TTIを構成するSC−FDMAシンボルの時間軸上の数を示す信号である。なお、一般的に1SC−FDMAシンボルの時間は秒で示される。
SRS生成部25は、アップリンクの伝送路推定で使用する参照信号であるSRSを生成し、生成したSRSを多重部27へ出力する。SRS生成部25は参照信号を生成する参照信号生成部である。
データ生成部26は、PSKまたはQAMなどの変調方式によりデータシンボルを生成し、データ信号である生成したデータシンボルを多重部27へ出力する。
多重部27は、SRS生成部25から入力されたSRSとデータ生成部26から入力されたデータシンボルとを基地局1から受信した制御情報に基づいて多重し、送信信号生成部28へ出力する。ここでの多重とは、時間および周波数で定義される領域内にSRSおよびデータシンボルを配置することを意味する。多重部27は、制御信号受信部24から入力された制御信号が示すにより決まる時間および周波数にSRSを配置し、制御信号受信部24から入力されたユーザ多重用制御信号が示す時間および周波数にデータシンボルを配置する。上述したように制御信号受信部24から多重部27に入力される制御信号が示す選択番号は、SRSの配置パターンの複数候補の中のいずれか1つを示す。また、多重部27は、SRSの配置パターンの各候補の詳細を示すSRS詳細情報を、各候補に対応する選択番号とともに保持している。そのため、多重部27は、制御信号受信部24から選択番号を示す制御信号が入力されると、SRSをどのように配置すべきかを把握できる。なお、ユーザ多重用制御信号がデータ送信不可を示している場合、多重部27はデータシンボルを配置せずに、SRSの配置のみを行う。
送信信号生成部28は、制御信号受信部24から入力されたTTI長制御信号に従い、多重部27から入力されたTTI単位の信号、すなわちSRSおよびデータシンボルと、図示を省略している制御信号生成部で生成された、基地局1へ送信する制御信号とをサブフレーム内に配置して送信信号を生成し、無線信号送信部29へ出力する。送信信号生成部28は、ここでは3GPPにて規格化されたSC−FDMAの信号を生成するものとするが、SC−FDMAに限定されず、OFDMの信号生成を行う構成としてもよい。
無線信号送信部29は、送信信号生成部28から入力された送信信号に対してデジタルアナログ変換処理およびアップコンバートなどを実行して無線送信信号を生成し、アップリンク信号として基地局1へ送信する。
図5は、実施の形態1にかかる基地局の構成例を示す図である。基地局1は、データ生成部11、制御信号生成部12、送信信号生成部13、無線信号送信部14、無線信号受信部15、分離部16、データ信号受信部17および制御信号受信部18を備える、なお、図5では、無線信号を送受信するためのアンテナ等の記載を省略している。
データ生成部11は、PSKまたはQAMなどの変調方式によりデータシンボルを生成し、送信信号生成部13へ出力する。
制御信号生成部12は、ユーザ多重用制御信号、SRS向け制御信号およびTTI長制御信号を生成し、生成した各制御信号を送信信号生成部13へ出力する。
ユーザ多重用制御信号は、基地局1に接続中の各端末に対して割り当てる、上りデータ送信用の無線リソースを示す信号である。上りデータとは、各端末から基地局1に向けて送信されるデータである。なお、制御信号生成部12は、各端末が保持している上りデータのデータ量および各端末から基地局1へのアップリンクの伝送路状態などに基づいて、各端末に割り当てる上りデータ送信用の無線リソースを決定する。各端末に割り当てる上りデータ送信用の無線リソースの決定は、制御信号生成部12ではなくスケジューラなどを別途設けてそこで行うようにしてもよい。制御信号生成部12は、ユーザ多重用制御信号を端末ごとに個別に生成する。すなわち、制御信号生成部12は、端末と同じ数のユーザ多重用制御信号を生成する。
SRS向け制御信号は、SRSの配置を示す信号である。本実施の形態のSRS向け制御信号は、予め決められているSRSの配置パターンの複数の候補のいずれか1つに対応している選択番号を示すものとする。制御信号生成部12は、SRS向け制御信号を、基地局1に接続中の端末ごとに個別に生成する。各端末が送信するSRSの配置パターンを制御信号生成部12が決定する方法については特に規定しないが、例えば、制御信号生成部12は、基地局1に接続中の端末の数に基づいて、接続中の端末の数が増加すると、各端末が1つのサブフレーム内に配置するSRSの数が少なくなる配置を選択する。
TTI長制御信号は、TTIの長さを示す信号である。制御信号生成部12は、基地局1に接続中の各端末に共通のTTI長制御信号を生成する。TTIの長さを制御信号生成部12が決定する方法については特に規定しないが、例えば、制御信号生成部12は、基地局1に接続中の端末の数に基づいて、接続中の端末の数が増加すると、TTIを長くする。
送信信号生成部13は、データ生成部11から入力されたデータシンボルと、制御信号生成部12から入力されたユーザ多重用制御信号、SRS向け制御信号およびTTI長制御信号とをダウンリンクのサブフレーム内に配置して送信信号を生成し、無線信号送信部14へ出力する。
無線信号送信部14は、送信信号生成部13から入力された送信信号に対してデジタルアナログ変換処理およびアップコンバートなどを実行して無線送信信号を生成し、ダウンリンク信号として端末2へ送信する。
無線信号受信部15は、端末2から送信された無線信号であるアップリンク信号に対してダウンコンバートおよびアナログデジタル変換などを実行して受信ベースバンド信号を生成し、分離部16へ出力する。
分離部16は、無線信号受信部15から入力された受信ベースバンド信号を制御信号とデータ信号とに分離し、制御信号を制御信号受信部18へ振り分けるとともに、データ信号をデータ信号受信部17へ振り分ける。
データ信号受信部17は、分離部16から入力されたデータ信号に対して復調処理などを含む受信処理を実行し、端末2から送信されてきたデータ系列を復元する。データ信号受信部17により復元されたデータ系列は、図示を省略している他の装置、例えば基地局1を統括する上位装置などへ転送される。
制御信号受信部18は、分離部16から入力された制御信号に対して復調処理などを含む受信処理を実行し、端末2から送信されてきた制御情報を復元する。
本実施の形態においては、基地局1と端末2との間で、あらかじめ決定しておいたSRSの配置パターンの候補の中から使用するSRSの配置パターンを選択することとしたが、さらに多様化させるため、時間および周波数上の配置をパラメタ化して基地局1から端末2へ送信してもよい。例えば、SRSを送信するTTIの数、各TTI内で送信するSRSの数、周波数軸上のSRSの密度、周波数ホッピングパターン、ホッピング帯域および時間オフセット等を定義してもよい。例えば、図2に示した例の場合、基地局1は、5TTI分のSRSを送信する事を指示すればよい。定期的にSRSを送信する場合、SRSを送信する周期を定義してもよい。SRSの送信周期はSRSを送る時間間隔となる。例えば、3GPP規格に従った場合、2TTI毎または160TTI毎にSRSを送るように設定できる。
また、端末2が非定期的にSRSを送る場合、基地局1は、送信するSRSの数、各SRSの時間および周波数上の位置を指定すればよい。端末2に対してシンボル単位で非定期的にSRS送信を指示する場合、基地局1は、送信するSRSの数の情報と、各SRSの送信位置の情報、すなわち時間および周波数の情報とを含んだSRS送信の指示を送信し、端末2が基地局1からSRS送信の指示を受信してからk番目のTTIにおけるn番目のSC−FDMAシンボルにSRSを配置するように指示してもよい。なお、kおよびnは正の整数である。TTI内の最後のSC−FDMAシンボルにSRSを配置して送信する場合、端末2は、基地局1からの合図、すなわちSRSの送信指示を受信してからk番目のTTIでSRSを送信するようにしてよい。
図4に示した端末2は、RRC情報に含まれる制御情報により基地局1からSRSの配置パターンの指示を受けることとしたが、DCIを使用してSRSの配置パターンの指示を受けることとしてもよい。DCIを使用してSRSの配置パターンの指示を受ける端末の構成例を図6に示す。図6に示した端末2aは、図4に示した端末2の制御信号受信部24を制御信号受信部24aとしたものである。その他の構成は端末2と同様である。制御信号受信部24aは、DCI解読部242を備える。DCI解読部242は、基地局1から受信した制御信号に含まれるDCIの内容を解読する。DCIには、端末2が基地局1へ送信するSRSの配置に関連する情報、具体的には、SRSの配置情報、ユーザ多重用の制御情報およびTTIの長さの情報が含まれている。
また、DCIおよびRRC情報の双方を使用してSRSの配置の指示を行うようにすることも可能である。DCIおよびRRC情報の双方を使用してSRSの配置の指示を受ける端末の構成例を図7に示す。図7に示した端末2bは、図4に示した端末2の制御信号受信部24を制御信号受信部24bとしたものである。その他の構成は端末2と同様である。制御信号受信部24bは、RRC解読部241およびDCI解読部242を備える。RRC解読部241は、図4に示した端末2の制御信号受信部24が備えているRRC解読部241と同じものである。DCI解読部242は、図6に示した端末2aの制御信号受信部24aが備えているDCI解読部242と同じものである。図7に示した端末2bの場合、基地局1は、DCIおよびRRC情報を使用してSRSの配置に関連する制御情報を送信する。例えば、基地局1は、SRSの配置情報、ユーザ多重用の制御情報およびTTIの長さの情報をRRC情報に設定し、RRC情報のどこに設定されている情報を解読すればよいかを示す情報をDCIに設定して端末2bへ送信する。この場合、端末2bでは、まず、制御信号受信部24bのDCI解読部242がDCIを解読してRRC情報のどこにSRSの配置情報などが存在するのかを把握する。次に、RRC解読部241が、DCI解読部242による解読結果に従い、RRC情報に含まれる制御情報、すなわちSRSの配置情報、ユーザ多重用の制御情報およびTTIの長さの情報を解読する。RRC情報は、上述した、SRSを送信するTTIの数、各TTI内で送信するSRSの数、周波数軸上のSRSの密度および周波数軸上のSRSの密度などの情報を含むようにしてもよい。
図8は、実施の形態1にかかる端末の動作の一例を示すフローチャートである。上述した端末2は、図8に示した手順に従いSRSを基地局1へ送信する。
端末2は、SRS送信指示を基地局1から受信する(ステップS11)。なお、端末2は、RRC情報に含まれる制御情報を解読することにより、SRSの送信指示を検出する。このステップS11において、端末2は、SRSの送信指示に加えて、データ送信用の時間および周波数の指定を受ける場合もある。次に、端末2は、SRSを生成し(ステップS12)、ステップS11で受信したSRS送信指示で指定された、TTI内の時間および周波数にSRSを配置して送信信号を生成する(ステップS13)。このステップS13において、端末2は、上記のステップS11でSRS送信指示に加えてデータ送信用の時間および周波数が基地局1から指定されていた場合、データシンボルをTTI内の指定された時間および周波数に配置する処理も行う。次に、端末2は、ステップS13で生成した、SRSが配置された信号を基地局1へ送信する(ステップS14)。
なお、端末2として説明を行ったが、端末2aおよび2bの動作も同様である。ただし、ステップS11において解読する制御情報が異なる。
次に、SRSの配置例について説明する。
3GPP Release12において、SRSの周波数軸上の密度はtransmissionCombなどによって基地局から端末に指定される。よって、3GPP Release12に対応する通信システムの場合、transmissionCombを変えることで、SRSの周波数軸上の密度を変化させることができる。本実施の形態にかかる通信システムが3GPP Release12に対応している場合、基地局1は、transmissionCombを変えることでSRSの周波数軸上の密度の変更を端末2に指示するようにしてもよい。3GPP Release12においてはComb状にSRSを配置する場合、周波数軸上にて1リソースエレメント(RE:Resource Element)おきにSRSを配置する構成としているが、周波数軸上のSRSの間隔を2RE、3RE、4RE、5REまたは8REおきとするなど様々な間隔のSRSの配置を用意し、その中からSRSの配置を選択できるようにしてもよい。図9に周波数軸上の密度を変えてSRSを配置する場合の具体例を示す。図中の四角形は3GPPにて規定されるリソースエレメントを示す。リソースエレメントのうち、黒い四角形はSRSが送信されるシンボルであるSRSシンボルを示す。図9においては、SRSが送信されるリソースエレメントの間隔を4個または2個とする例を示している。図中のリソースエレメントの数およびSRSシンボルの数は一例であり、本実施の形態は、リソースエレメントの数およびSSRSシンボルの数を図9に示した数に制限するものではない。例えば、3GPP Release 12において設定されているように1200RE向けに本実施の形態を適用する事は可能である。
また、時間ごとにSRSの配置を変えるようにしてもよい。具体例を図10に示す。図9と同様に、黒い四角形がSRSシンボルを示す。また、1TTIは3SC−FDMAシンボルにより構成されている。図10では、3SC−FDMAシンボル間隔でSRSを送信する場合の配置例、6SC−FDMAシンボル間隔でSRSを送信する場合の配置例、5SC−FDMAシンボルにわたって連続でSRSを送信する場合の配置例を示している。バースト送信の際は基地局が高速で伝送路状況を推定する必要があるため、複数SC−FDMAシンボルにわたって連続でSRSを送信する配置は、例えば、基地局が高速で伝送路状況を推定する必要があるバースト送信の際に使用する。
また、図11に示したように、TTIごとにSRSの時間軸上の配置を変えるようにしてもよい。図11では、図9などと同様に、黒い四角形がSRSシンボルを示す。1TTIは7SC−FDMAシンボルにより構成されている。図11に示した例では、周波数軸上のSRSの位置は同じであるが、TTI内の時間軸上のSRSの位置がTTIごとに変わる。
SRSは一般的にゼロではない値が設定されるが、基地局1がアップリンクにおける他端末によるシンボル干渉を測定するためにSRSをゼロに設定するようにしてもよい。この場合、SRSの一部または全てをゼロに設定した配置を含む複数の候補を予め準備しておき、基地局1は、端末2に対して、上述した方法によりSRSの配置に関連する情報を送信する。
また、ここまでは全てのTTIの長さが同じであることを想定したが、アップリンクにおいて、TTIの長さを変えることも可能である。具体例を図12に示す。図12では、図9などと同様に、黒い四角形がSRSシンボルを示す。図12に示した例では、TTI長#1が5SC−FDMAシンボル、TTI長#2が2SC−FDMAシンボル、TTI長#3が7SC−FDMAシンボル、TTI長#4が3SC−FDMAシンボルとしている。この場合、選択可能なTTIの長さのそれぞれについて、SRSの配置パターンの候補を複数準備しておき、基地局1は、上述した方法によりTTIの長さの情報とSRSの配置を示す情報とを含んだ制御情報を端末2へ送信する。端末2は、選択可能なTTIの長さの情報と、選択可能なTTIの長さのそれぞれにおけるSRSの配置パターンの候補の情報とを保持しているものとする。基地局1は、端末2に対し、TTIの長さの情報とSRSの配置を示す情報とを一纏めにして送信するのではなく、まずTTIの長さの情報を先に送信し、その後にSRSの配置を示す情報を送信するようにしてもよい。この場合、各TTIにおけるSRSの配置を1SC−FDMAシンボル単位で指定するようにしてもよい。
次に、実施の形態1にかかる端末2、2aおよび2bを実現するハードウェアについて説明する。図13は、実施の形態1にかかる端末2、2aおよび2bのハードウェア構成例を示す図である。
端末2、2aおよび2bは、図13に示した制御回路100により実現することができる。制御回路100は、送信回路101、プロセッサ102、メモリ103および受信回路104を含んで構成されている。送信回路101は、プロセッサ102で生成された、基地局1への送信信号であるベースバンド信号を無線信号に変換して送信する回路である。プロセッサ102は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、DSPともいう)、システムLSI(Large Scale Integration)などである。メモリ103は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリー、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスクまたはDVD(Digital Versatile Disc)等である。受信回路104は、無線信号を受信してベースバンド信号に変換し、プロセッサ102に受け渡す回路である。
端末2、2aおよび2bの分離部22、データ信号受信部23、制御信号受信部24,24a,24b、SRS生成部25、データ生成部26、多重部27および送信信号生成部28は、それぞれに対応するプログラムをメモリ103から読み出してプロセッサ102が実行することにより実現できる。メモリ103はプロセッサ102が実施する各処理における一時メモリとしても使用される。また、無線信号受信部21は、受信回路104により実現され、無線信号送信部29は、送信回路101により実現される。
なお、分離部22、データ信号受信部23、制御信号受信部24,24a,24b、SRS生成部25、データ生成部26、多重部27および送信信号生成部28を専用のハードウェアで実現してもよい。
図14は、分離部22、データ信号受信部23、制御信号受信部24,24a,24b、SRS生成部25、データ生成部26、多重部27および送信信号生成部28を専用のハードウェアで実現する場合のハードウェア構成図である。図14に示した制御回路100aは、図13に示したプロセッサ102およびメモリ103を処理回路105に置き換えたものである。処理回路105は、分離部22、データ信号受信部23、制御信号受信部24,24a,24b、SRS生成部25、データ生成部26、多重部27および送信信号生成部28を実現する専用のハードウェアである。処理回路105は、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせた回路である。
なお、分離部22、データ信号受信部23、制御信号受信部24,24a,24b、SRS生成部25、データ生成部26、多重部27および送信信号生成部28の一部を処理回路105で実現し、残りを図13に示したプロセッサ102およびメモリ103で実現する構成としてもよい。
基地局1についても同様に、図13または図14に示したハードウェアにより実現することができる。基地局1のデータ生成部11、制御信号生成部12、送信信号生成部13、分離部16、データ信号受信部17および制御信号受信部18は、図13に示したプロセッサ102およびメモリ103からなる回路、または、図14に示した処理回路105により実現される。また、無線信号送信部14は送信回路101により実現される。無線信号受信部15は受信回路104により実現される。なお、本実施の形態および後述する他の実施の形態においては、各図に示した基地局1は機能単位であり、実装形態としては、単一の装置として図中に示した構成要素を全て含む場合のほか、図中の構成要素(または機能の全部または一部)を複数の装置に分散配置する場合も可能である。例えば、ベースバンド信号に関連する構成要素を親基地局装置とし、無線信号処理に関連する構成要素を子基地局装置として、両者を各種信号線にて接続する形態としてもよい。どのように分断配置するかについては、装置作製時に決定されていても、配置変更可能なように装置を作製し装置作製後に配置を決定する制御を行うなど、各種の実装形態により本発明を実施することが可能である。
このように、本実施の形態にかかる通信システムにおいては、アップリンクの伝送路推定で使用する参照信号であるSRSのサブブロック内における配置の複数のパターンを予め決定しておき、基地局は、端末に対して、複数のパターンの中の1つを指定する。端末は、基地局より指定されたパターンに従いSRSをサブフレーム内に配置して送信信号を生成し、基地局へ送信する。これにより、SRSの配置パターンを指示するために基地局が送信する制御情報が増加するのを抑えつつ、SRSの送信位置を変更することができる。
実施の形態2.
実施の形態2にかかる通信システムについて説明する。なお、本実施の形態の通信システムの構成は、図1に示した実施の形態1と同様である。本実施の形態の通信システムを構成する基地局および端末の構成は、実施の形態1の基地局および端末と同様である。
本実施の形態にかかる通信システムにおいては、TTIの長さが可変、すなわちアップリンク信号に長さが異なるTTIが混在する構成を前提とする。また、最も短いTTI長を基準として時間軸上のSRSの配置を決める。
図15は、実施の形態2にかかる端末が送信するアップリンク信号の構成例を示す図である。図15に示した例は、長さが異なるTTIが混在する場合のSRSの配置パターンの例を示している。上述したように、本実施の形態にかかる通信システムにおいて、SRSの送信位置、すなわち配置パターンは、最短のTTI長を基準として決める。例えば、図15に示す例の場合、最短のTTI長は、TTI長#1の7SC−FDMAシンボルであるので、7SC−FDMAシンボル時間と一致する間隔でSRSを配置する。これにより、各TTIにおいてSRSが送信される配置とすることができる。なお、時間軸上のSRSの配置は、3GPPで規定されている最も短いTTI長を用いて決定する、すなわち、SRSの時間軸上の間隔が、3GPPで規定されている最も短いTTI長と一致する配置としてもよい。
TTIの長さを示す制御情報およびSRSの配置を示す制御情報は、実施の形態1と同様に、DCIおよびRRC情報の一方または双方を使用して、基地局1から端末2へ送信される。SRSの配置パターンの候補は予め決められているものとし、基地局1は、予め決められている複数の配置パターンの中から使用する配置パターンを選択し、選択結果を示す制御情報を端末2へ送信する。本実施の形態では、SRSが配置されるSC−FDMAシンボルの間隔、すなわちSRSの時間軸上の間隔が最も短いTTI長と一致するため、SRSの配置パターンの候補は、1SC−FDMAシンボルにおける周波数方向の位置のみを示す。基地局1は、SRSの配置を示す制御情報として、SRSの配置パターンを示す情報および最も短いTTI長の情報を端末2へ送信する。なお、最も短いTTI長の情報を端末2が予め保持しておき、基地局1は、SRSの配置を示す制御情報としてSRSの配置パターンを示す情報のみを送信するようにしてもよい。
本実施の形態は、定期的にSRSを送る場合および非定期的にSRSを送る場合の双方に用いることができる。非定期的にSRSを送信する場合、基地局1から指定されたTTIにおいて端末2が送信するSRSの数は1シンボル以上である。図16は、端末2が非定期的にSRSを送信する場合のSRSの配置の一例を示す図である。図16に示した例では、SRSの配置が基地局1から端末2に対して指定され、端末2は、基地局1からの指示内容に従い、左から2番目のTTI内にSRSを配置して送信している。
本実施の形態にかかる通信システムにおいては、基地局は、端末が非定期的にSRSを送信する構成とする場合にシンボル単位で送信位置を指定できる。本実施の形態にかかる通信システムによれば、実施の形態1と同様の効果に加え、SRSの送信位置を指定する際の自由度が高まるという効果が得られる。
実施の形態3.
実施の形態3にかかる通信システムについて説明する。なお、本実施の形態の通信システムの構成は、図1に示した実施の形態1と同様である。本実施の形態の通信システムを構成する基地局および端末の構成は、実施の形態1の基地局および端末と同様である。
本実施の形態では、SRSのバースト送信について説明する。図17は、実施の形態3にかかる端末2が送信するアップリンク信号内のSRSの配置パターンの例を示す図である。図17においてはSRSが配置されている位置をハッチングで示している。図17に示したように、本実施の形態にかかる端末2が送信するアップリンク信号は、SRSのメインバーストおよびサブバーストを含んで構成されている。メインバーストは、SRSが配置された連続する複数のTTIにより構成されている。サブバーストは、SRSが配置されたTTIのうち、メインバーストを構成していないTTIである。すなわち、本実施の形態にかかる端末2は、複数の連続するTTIにわたってSRSを配置してメインバーストとして送信する。図17では、2つのサブバーストが存在し、それらはメインバーストの前後に配置されている。
図18は、実施の形態3にかかる端末2が送信するアップリンク信号内のSRSの配置パターンの他の例を示す図である。図17と同様に、図18においてはSRSが配置されている位置をハッチングで示している。図18に示した例では、メインバーストおよび1つのサブバーストが送信される例を示している。図17および図18では、メインバーストとサブバーストの間が1TTIの場合の構成を示しているが一例である。メインバーストとサブバーストは2TTI以上離れるようにしてもよい。また、メインバーストを構成するTTIの数およびサブバーストを構成するTTIの数も図17および図18の記載内容に限定されない。
SRSの配置、すなわちメインバーストおよびサブバーストの構成および配置は、実施の形態1,2と同様に、DCIおよびRRC情報の一方または双方を使用して、基地局1から端末2へ送信される。SRSの配置パターンの候補は予め決められているものとし、基地局1は、予め決められている複数の配置パターンの中から使用する配置パターンを選択し、選択結果を示す制御情報を端末2へ送信する。
このように、本実施の形態にかかる通信システムでは、メインバーストおよびサブバーストが形成されるようにSRSを配置して送信する。これにより、実施の形態1と同様の効果に加えて以下の効果が得られる。すなわち、データをバースト送信する場合に、データシンボルを配置するTTIと同じTTIにSRSを集中的に配置して伝送路推定を実施することができ、1サブフレーム内で送信するSRSの数を増加させることなく、アップリンクの伝送路の推定精度を向上させることができる、という効果が得られる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。