JP2017202093A - 臓器吸引把持具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 切開口への挿入、又は切開口から抜去することが容易であるとともに、吸盤の滑脱を防止し、柔らかく変形し易い臓器であっても確実に挙上・圧排の操作が行える臓器吸引把持具を提供する。
【解決手段】 この臓器吸引把持具1は、吸引チューブ本体2を備え、このチューブ本体の前端部に複数個の臓器吸引用吸盤10a,10b,10cが設けられ、これら吸盤の吸引力により臓器を吸引し、挙上して把持するものである。前記複数個の吸盤をその背後からそれぞれ隣接する吸盤と吸盤間の間隙を含み被覆するドーム状部材8が径方向に縮径可能に前記チューブ本体に設けられている。
【選択図】 図1
【解決手段】 この臓器吸引把持具1は、吸引チューブ本体2を備え、このチューブ本体の前端部に複数個の臓器吸引用吸盤10a,10b,10cが設けられ、これら吸盤の吸引力により臓器を吸引し、挙上して把持するものである。前記複数個の吸盤をその背後からそれぞれ隣接する吸盤と吸盤間の間隙を含み被覆するドーム状部材8が径方向に縮径可能に前記チューブ本体に設けられている。
【選択図】 図1
Description
この発明は、臓器吸引把持具に関し、さらに詳しくは、例えば内視鏡で外科手術を行う際に肺などの臓器の表面を吸引することにより挙上把持して手術を行い易くする技術に係るものである。
外科手術では、患部の処置をし易くするため視野の邪魔となる臓器の挙上・圧排等の操作が必須である。開胸・開腹手術では術者の手や外科用スタビライザーなどの器具を使用し挙上しているが、低侵襲手術である内視鏡による外科手術では、小さな切開創にトロカーを留置し、トロカーを介して手術器具を挿入するので大型の器具は体腔内に挿入できず、鉗子等を使用して挙上を行っている。
ところで、出願人は内視鏡手術に使用する吸引把持具を既に上市しているが、該把持具は1個の吸盤で臓器を挙上するため大きくて重量があり、しかも柔らかく変形し易い肺等では吸盤が滑ってしまい挙上することができなかった。
そこで、複数個の吸盤を使用して吸引力を向上させる発想が生まれたが、この考えの下に、開胸時の心臓手術に使用する吸盤に複数の脚部を設けた異形の吸盤に関するデバイスも提案されている(特許文献1,2)。これらは吸盤が複数の脚を有した形状となっており、心臓壁に吸着把持させ易くしている。
しかしながら、前記特許文献1に開示のデバイスの吸盤は、複数の脚部を有し、全体としてヒトデの形状を呈して配置支持されていて、ある程度の硬さを有する心臓を吸引把持するものであり、デバイスの切開口への出し入れは支障なく行なえるものの、非常に柔らかい肺等の臓器の吸引把持や挙上操作を行うと、吸盤の脚部間で肺の変形が大きくなり、吸盤が脚部間の間隙に起因して吸引力が低下し肺の変形に追従できず、滑脱して外れてしまうという問題があった。
また、特許文献2に開示のデバイスの吸盤は、複数個が、吸引口と吸引孔がパドルに一直線状に配置されて構成され、これら複数個の吸盤によって心臓を吸引把持するものであり、特許文献1のデバイスの吸盤のような滑脱は防ぐことは可能であるが、パドルがステンレス鋼からなり硬いためにデバイスの切開口への出し入れが容易でなく、出し入れに困難が伴うという問題があった。
そこで、この発明は、前記のような従来の問題点を解決し、切開口への挿入、又は切開口から抜去することが容易であるとともに、吸盤の滑脱を防止することができ、柔らかく変形し易い臓器であっても確実に挙上・圧排の操作が行える臓器吸引把持具を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、吸引チューブ本体を備え、このチューブ本体の前端部に複数個の臓器吸引用吸盤が設けられ、これら吸盤の吸引力により臓器を吸引し、挙上して把持するための臓器吸引把持具において、前記複数個の吸盤をその背後から隣接する吸盤と吸盤間の間隙を含み被覆するドーム状部材が縮径可能に前記チューブ本体に設けられていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、吸引チューブ本体は、軸方向に複数の吸引ルーメンが形成され、これらルーメンと各吸盤に形成した吸引孔が気道チューブで連通し、さらに前記チューブ本体の外周に金属製のガイド管が嵌挿して取り付けられている。
請求項3に記載の発明は、請求項1において、吸引チューブ本体は、軸方向に複数の吸引ルーメンが形成され、これらルーメンと各吸盤に形成した吸引孔が気道チューブで連通し、さらに前記チューブ本体の外周に後端側から嵌挿して着脱可能に取り付けられる金属製のガイド管を備えている。
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかにおいて、吸引チューブ本体の前端部に略円筒状の補強部材が設けられ、この補強部材にドーム状部材が設けられている。請求項5に記載の発明は、請求項4において、補助部材は、吸引チューブ本体の前端側となる一端側外径が他端側外径より大きく、一端から他端に向けて次第に外周面が径小となり、かつ両端が開口した所定肉厚の略円筒状に形成されている。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかにおいて、ドーム状部材は、樹脂やゴム等の柔軟性を有する材料で作られた円形で椀型の天板からなっている。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかにおいて、吸盤は、天板の内面側に設けた取付部に、各吸盤の中心間を結ぶ線が正三角形を形成するように配置された3個の吸盤からなる。請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかにおいて、吸盤及びドーム状部材は、その中心軸線がチューブ本体の中心軸線と平行になっている。
この発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明によれば、複数個の吸盤をその背後から隣接する吸盤と吸盤間の間隙を含み被覆するドーム状部材が縮径可能に前記チューブ本体に設けられているので、臓器吸引把持具をドーム状部材の縮径により切開口への挿入、又は切開口から抜去することが容易である。また、隣接する吸盤と吸盤間の間隙がドーム状部材により被覆されているため、臓器吸引把持具の吸盤の挙動が安定し、臓器と吸盤の間隙からの空気の漏れがなく吸引力が低下しないから吸盤の滑脱を防止することができ、柔らかく変形し易い臓器であっても確実に挙上・圧排の操作が行える。
請求項2に記載の発明によれば、吸引チューブ本体の外周に金属製のガイド管が嵌挿して取り付けられているので、該ガイド管によってチューブ本体がキンクするのを防止して大きな臓器の牽引を行う場合でもそれを可能とする施術を行うことができる。請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明と同様な効果が期待できるのに加え、トロカーの留置している方向から臓器吸引把持具を使用したい場合であっても、トロカーより一旦体外に引き出したチューブ本体にガイド管を嵌挿することでそれが可能となる。そのため、電気メス等の手術器具のアクセス方向をトロカーからだけでなく、切開口からもでき、選択範囲が広くなって使い分けができ、利便性の高いものとなる。
請求項4に記載の発明によれば、補強部材によってチューブ本体の前端部を補強してそこに取り付けられるドーム部材の支持が堅固なものとなる。請求項5に記載の発明によれば、補強部材が略円筒状となっているので、取り付けが容易となる。請求項6に記載の発明によれば、ドーム状部材が樹脂やゴム等の柔軟性を有する材料で作られた円形椀型の天板からなるので、取り扱いが容易であるとともに、吸盤の天板への取り付けも円滑に行える。請求項7に記載の発明によれば、3個の吸盤をバランスよく配置することが可能となって、吸引力の均等化が図れる。請求項8に記載の発明によれば、チューブ本体に対して、吸盤及びドーム状部材が同じ方向を向いて取り付けることが可能となり、取り付け作業の能率アップを図り、製作の作業性を向上することができる。
以下、図面を参照しながら実施の形態に係る臓器吸引把持具について説明する。
<第1の実施の形態>
<第1の実施の形態>
図1〜5において、1は肺など臓器の吸引把持具で、この吸引把持具1は、吸引チューブ本体2を備えている。このチューブ本体2は、軸方向に3つの吸引ルーメン3a,3b,3cが形成された3ルーメンタイプのチューブとなっている。チューブ本体2には前端近くから所定長さ、例えば30cm程度の長さにわたりガイド管5がその外周面を覆うように嵌挿されている。ガイド管5は、金属製のパイプからなっている。ガイド管5として金属製のパイプを用いているのは、該パイプの内腔にチューブ本体2が嵌挿されるようにして、軟らかいチューブ本体2が使用に際しキンクしたりすることがないようにするためである。つまり、臓器の牽引を行う際に、チューブ本体2のキンクを防ぎ、大きな臓器の牽引を可能としている。ガイド管5の外周面は被覆チューブ6で被覆されている。ガイド管5の外周面を被覆チューブ6で被覆しているのは、主に使用に際してガイド管5によって生体組織が損傷されないようにするためである。
また、チューブ本体2の前端部には補強部材7が設けられている。補強部材7は、図4に拡大して詳示するようにチューブ本体2の前端側となる一端側外径が他端側外径より大きく、一端から他端に向けて次第に外周面が径小となり、かつ両端が開口した所定肉厚の略円筒状に形成され、後述の吸盤と天板からなる吸盤部とガイド管5の接続部を補強するものであり、チューブ本体2に嵌挿されたガイド管5の前端部に嵌合して取り付けられている。
補強部材7の前端部にはドーム状部材としての天板8がその中央孔部を補強部材7の一端に嵌合して取り付けられている。天板8の内面側には取付部9を介して複数個(この実施例では3個)の吸盤10a,10b,10cが、側面視(図3)で円周方向に等間隔で配置されて取り付けられている。すなわち、吸盤10a,10b,10cは、各吸盤の中心間を結ぶ線が正三角形を形成するように配置されている。前記したように天板8は、吸盤10a,10b,10cを凸状に湾曲としたその背後から被覆するように配置されるが、その被覆度は図3の裏側から見るとわかるように、吸盤10a,10b,10cの外周縁の一部が見える位置にその外周縁が位置するような形態となっている。このような位置形態とすると、吸盤10a,10b,10cによる吸引を支障なく有効に行えるとともに、縮径も悪影響を与えることなく行なえる。
各吸盤10a,10b,10cの内面には吸着力アップのための小突起11が多数設けられているとともに、底部中央近くには吸引孔12が形成され、これら吸引孔12にはそれぞれ気道チューブ13の一端が連通して接続されている。気道チューブ13の他端はチューブ本体2のルーメン3a,3b,3cに補強部材7の一端開口を経て連通して接続されている。小突起11は前記のように吸着力アップのほか、該小突起によって吸着された生体組織が吸引孔12を閉塞しないようにする役割をもっている。なお、この小突起11は、別途ポリエステル繊維等で製作したメッシュを張り付けて形成してもよい。このような小突起11により吸引面積の減少を防ぐことが可能となり、吸盤10a,10b,10cにおける吸引力のアップを図ることができる。
天板8は、外径が50mm程度であって、吸盤10a,10b,10cと共に樹脂やゴム等の柔軟で変形容易な材料からなり、吸盤取り付け側となる内面側に凹みのある空所を形成し、該空所を潰すことができるように円形で椀型の膨らみを持った形状に形成されている。また、天板8は、吸盤10a,10b,10cをその背後からそれぞれ円周方向に隣接する吸盤10aと吸盤10b間、吸盤10bと吸盤10c間、吸盤10cと吸盤10a間のそれぞれ間隙を含み被覆して、縮径可能になっている。そのため、使用に際して吸引把持具1の挿入箇所である小切開口への挿入は勿論、そこからの抜去が支障なく行なえるようになっている。
また、吸盤部10a,10b,10cは、外径が2cm程度からなり、図示しない吸引源としての吸引器から20〜50cmHgの陰圧をかけることで臓器を吸引し、把持・移動・固定することが可能になっている。そして、吸盤部10a,10b,10cの中心軸線、天板8の中心軸線は、ともにチューブ本体2やガイド管5の中心軸線と平行になっている。
チューブ本体2のガイド管5より所定長さ(例えば10cm程度)長くなった後端部には1ルーメンタイプの短いチューブ14がその吸引ルーメンを吸引ルーメン3a,3b,3cと連通して接続されている。このチューブ14には使用に際して、前記吸引器と接続する接続コネクタ15や誘導ロッド(図示せず)が接続される。なお、図2,4では吸盤10a部分のみ示し、吸盤10b,10c部分は省略している。
次に、図6〜8を参照して使用方法について説明する。まず各図においてアルファベット文字で表記した各部等の符号について説明すると、A,Bは小さな切開創に留置されたトロカー、Cは腹壁、Dは臓器の一例としての肺、Eは内視鏡、Fは小切開口、Gは電気メス、Hは鉗子を示す。
使用に際しては、図6〜7に示すようにトロッカーA,Bを腹壁Cに突き刺して体腔内の肺Dに向けて挿入して留置する。そのうえで、一方のトロッカーAに内視鏡Eを挿入するとともに、腹壁Cに40〜50mm程度の大きさに形成された小切開口Fから吸引把持具1を、ガイド管5がその中程に達する位置まで挿入する。この挿入に際し、小切開口Fが40〜50mm程度で、天板8が50mm程度であるため、そのままでは天板8の外周縁が腹壁Cの小切開口Fに引っかかって挿入に支障が予測されるものの、天板8が吸盤10a,10b,10cとともに縮径可能なので挿入は容易に行え、従来のもののように支障が生ずることはない。
そして、吸引把持具1の挿入を進めて、図7に示すように吸盤10a,10b,10cが肺Dに接近して肺Dを吸引し易い位置に誘導されたところで、別途、接続コネクタ15に接続する図示しない吸引器を作動して陰圧をかけると、図8に示すように吸盤10a,10b,10cが肺Dの軟らかい表面を吸引する。この吸引把持状態では吸引孔12が小突起11によって塞がれることがないから良好な吸引状態が持続する。また、吸盤10a,10b,10cは円周方向に隣接する吸盤10aと吸盤10b間、吸盤10bと吸盤10c間、吸盤10cと吸盤10a間のそれぞれ間隙がドーム状の天板8によって被覆されるため肺の変形を防止でき、該各間隙からの空気の漏れがなく吸引力が低下することがないから、吸盤10a,10b,10cが従来のように滑脱することがない。したがって、吸盤10a,10b,10cによる吸引がされた状態で吸引把持具1を外部に引き戻したりしてその挿入度を加減することにより肺Dの、例えば患部がある裏側を内視鏡Eで観察可能な位置にもたらし、該内視鏡による観察の下で、別のトロカーBから挿入する電気メスGで患部に対する切除等の術を施すことになる。
施術後、前記吸引器の作動を停止し、吸盤10a,10b,10cによる肺Dの表面の吸引把持を止めると、肺Dは患部が裏側になる元の位置に戻る。それととともに、吸引把持具1を小切開口Fから抜き出すが、この際にも天板8が平面状の硬いものであると腹壁Cの小切開口Fに引っかかってしまい抜去しにくいが、天板8は前記のようにドーム状の軟らかいものからなっているので、吸盤10a,10b,10cともども縮径して抵抗を低くして容易に抜去することができる。また、この吸引把持具1で、臓器を圧排(押し込む)操作をすることも可能であり、天板8がドーム状であって角が無いため、圧排する際に生体組織が損傷するのを防止できる。
前記のように、吸引把持具1を用いれば、ドーム状となった天板8が縮径可能なので、小切開口Fへの挿入や小切開口Fからの抜去も支障なく円滑かつ容易に行うことができる。また、吸盤10a,10b,10cによる吸引力も低下しないから、吸盤10a,10b,10cの滑脱を防止することができ、柔らかく変形し易い臓器であっても確実に挙上・圧排の操作が行うことができる。しかも、天板8がドーム状であって角が無いため、圧排する際に生体組織が損傷するのを防止できる。
<第2の実施の形態>
図9において、21は第2の実施の形態に係る臓器吸引把持具を示し、この臓器吸引把持具21は、第1の実施の形態の臓器吸引把持具1とはガイド管25を別体とした点で基本的な構成が異なり、その他の構成はほぼ同じである。そのため、同様の構成には同一符号を付して詳しい説明は省略することとする。
図9において、21は第2の実施の形態に係る臓器吸引把持具を示し、この臓器吸引把持具21は、第1の実施の形態の臓器吸引把持具1とはガイド管25を別体とした点で基本的な構成が異なり、その他の構成はほぼ同じである。そのため、同様の構成には同一符号を付して詳しい説明は省略することとする。
すなわち、臓器吸引把持具21は、チューブ本体2にその後端側から嵌挿されるガイド管25を別体として備え、体腔内に先に入れたチューブ本体2の後端を体外に引き出したうえ、その引き出した後端から嵌挿して着脱可能に取り付けられる構成となっている。なお、このガイド管25の場合も、その外周面をガイド管5の被覆チューブ6と同様なチューブで被覆するのが好ましい。
次に、図10〜15を参照して使用方法について説明する。使用に際しては、図10に示すようにガイド管25なしのチューブ本体2を吸盤10a,10b,10cのある前端側から小切開口Fより体腔内へ入れてやる。そして、この場合には図11に示すようにチューブ本体2が後端まで体腔内に完全に収まるように挿入させる。しかる後、図12に示すようにトロカーBから入れた鉗子Hでチューブ本体2の後端を挟み付けたうえ、図13に示すように該後端側をトロカーB内から体外へ引き出す。しかる後、図14に示すように、この引き出したチューブ本体2の後端からガイド管25を嵌挿してやり、ガイド管25とともにトロカーBから体腔内へ挿入する。
そして、吸引把持具21の挿入を進めて、図14に示すように吸盤10a,10b,10cが肺Dに接近して肺Dを吸引し易い位置に誘導されたところで、別途、接続コネクタ15をガイド管5の後端にあるチューブ14に接続するとともに、該コネクタに図示しない吸引器を接続し、そのうえで図示しない吸引器を作動して陰圧をかけると、図15に示すように吸盤10a,10b,10cが肺Dの表面を吸引し、肺Dの、例えば患部がある裏側を内視鏡Eで観察可能な位置にもたらすことが可能になり、該内視鏡による観察の下で、小切開口Fから挿入した電気メスGで患部に対する切除等の術を施すことになる。
この実施の形態においては、チューブ本体2を後端から体外へ引き出す際に容易に行えるように、体腔内へ挿入前のチューブ本体2の後端に図示しない誘導ロッドを装着して取り付けてもよい。これにより鉗子Hで挟み付けて引き出す際にチューブ本体2の後端ではなく、誘導ロッドを挟み付けて引き出すことができるので、引き出しが容易となる。
前記のような吸引把持具21を用いれば、ドーム状となった天板8が縮径可能なので、小切開口Fへの挿入や小切開口Fからの抜去も支障なく容易に行うことができるとともに、吸盤10a,10b,10cの滑脱を防止し、柔らかく変形し易い臓器であっても確実に挙上・圧排の操作が行うことができる。しかも、天板8がドーム状であって角が無いため、圧排する際に生体組織が損傷するのを防止できる等、吸引把持具1と同様な作用効果が期待することができる。それに加え、この実施の形態によれば、第1の実施の形態の吸引把持具1のようにガイド管5が一体に取り付けられていることにより、小切開口Fからだけではなく、トロカーからも使用可能となる。そのため、電気メスGのアクセス方向をトロカーBからだけでなく、小切開口Fからもでき、選択範囲が広くなる。
前記のようであって、第1の実施の形態の吸引把持具1、及び第2の実施の形態の吸引把持具21を用意しておけば電気メスGのアクセス方向をトロカーBから、あるいは小切開口Fからと任意に選択して使い分けることができる。
前記各実施の形態においては、ガイド管5,25以外の、吸引チューブ本体2をはじめ、補強部材7、吸盤10a,10b,10c、天板8等の各部材は、PP、PE、PU、ナイロン等の熱可塑性樹脂や、シリコーンゴム等の柔軟性を有する材料で作られており、その他にも医療用具で使用されている材料であって、生体組織にも適する材料であれば使用可能である。ガイド管5,25も、金属等の剛性を有し、医療用具で使用されている材料なら使用可能である。
なお、前記各実施の形態で示す天板8は、ドーム状部材の好ましい一例にすぎず、他の変形例等を排除するものではない。また、補強部材7等その他の部材も一例を示したにすぎず、図示したもの以外の形状、構造としても勿論構わない。この発明は特許請求の範囲に記載した範囲内であれば細部の設計等は任意に変更、修正が可能であることは言うまでもない。
1,21 吸引把持具
2 吸引チューブ本体
3a,3b,3c 吸引ルーメン
5,25 ガイド管
7 補強部材
8 天板(ドーム状部材)
10a,10b,10c 吸盤
11 小突起
12 吸引孔
13 気道チューブ
15 接続コネクタ
A,B トロカー
C 腹壁
D 肺(臓器)
E 内視鏡
F 小切開口
G 電気メス
H 鉗子
2 吸引チューブ本体
3a,3b,3c 吸引ルーメン
5,25 ガイド管
7 補強部材
8 天板(ドーム状部材)
10a,10b,10c 吸盤
11 小突起
12 吸引孔
13 気道チューブ
15 接続コネクタ
A,B トロカー
C 腹壁
D 肺(臓器)
E 内視鏡
F 小切開口
G 電気メス
H 鉗子
Claims (8)
- 吸引チューブ本体を備え、このチューブ本体の前端部に複数個の臓器吸引用吸盤が設けられ、これら吸盤の吸引力により臓器を吸引し、挙上して把持するための臓器吸引把持具において、
前記複数個の吸盤をその背後から隣接する吸盤と吸盤間の間隙を含み被覆するドーム状部材が縮径可能に前記チューブ本体に設けられていることを特徴とする臓器吸引把持具。 - 吸引チューブ本体は、軸方向に複数の吸引ルーメンが形成され、これらルーメンと各吸盤に形成した吸引孔が気道チューブで連通し、さらに前記チューブ本体の外周に金属製のガイド管が嵌挿して取り付けられている請求項1に記載の臓器吸引把持具。
- 吸引チューブ本体は、軸方向に複数の吸引ルーメンが形成され、これらルーメンと各吸盤に形成した吸引孔が気道チューブで連通し、さらに前記チューブ本体の外周に後端側から嵌挿して着脱可能に取り付けられる金属製のガイド管を備えている請求項1に記載の臓器吸引把持具。
- 吸引チューブ本体の前端部に略円筒状の補強部材が設けられ、この補強部材にドーム状部材が設けられている請求項1ないし3のいずれかに記載の臓器吸引把持具。
- 補助部材は、吸引チューブ本体の前端側となる一端側外径が他端側外径より大きく、一端から他端に向けて次第に外周面が径小となり、かつ両端が開口した所定肉厚の略円筒状に形成されている請求項4に記載の臓器吸引把持具。
- ドーム状部材は、樹脂やゴム等の柔軟性を有する材料で作られた円形椀型の天板からなっている請求項1ないし5のいずれかに記載の臓器吸引把持具。
- 吸盤は、天板の内面側に設けた取付部に、各吸盤の中心間を結ぶ線が正三角形を形成するように配置された3個の吸盤からなる請求項1ないし6のいずれかに記載の臓器吸引把持具。
- 吸盤及びドーム状部材は、その中心軸線がチューブ本体の中心軸線と平行になっている請求項1ないし7のいずれかに記載の臓器吸引把持具。
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-
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