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JP2018080884A - 空気調和機 - Google Patents

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JP2018080884A
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孝二 太田
Koji Ota
孝二 太田
博一 上前
Hiroichi Uemae
博一 上前
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Abstract

【課題】輻射用の熱交換器を備える空気調和機において、運転開始時の冷暖房性能の低下を抑える。【解決手段】空気調和機1は、圧縮機52と、室内熱交換器12(室内側熱交換器)と、膨張弁55と、室外熱交換器54(室外側熱交換器)とを含むヒートポンプサイクルを備えている。ヒートポンプサイクルには、第2の室内側熱交換器として、輻射式熱交換器71がさらに備えられている。輻射式熱交換器71は、圧縮機52と室内熱交換器12との間に配置されている。また、ヒートポンプサイクルには、冷媒が輻射式熱交換器71を迂回して流れるバイパス経路59と、バイパス経路59に配置されたバイバスバルブ33とがさらに備えられている。そして、空気調和機1の運転開始時に、バイバスバルブ33は開となり、冷媒は主としてバイパス経路59を流れる。【選択図】図1

Description

本発明は、室内側に輻射用の追加の熱交換器を備える空気調和機に関する。
従来の空気調和機では、室内機から温風を吹き出し、対流熱を利用して室内の暖房を行っている。しかし、このような空気調和機では、ファンを回転させて風を発生させることで生じる音が騒音となり、睡眠を妨げるなどの問題が生じていた。また、このような空気調和機では、室内機の温風が直接人に当たることによって、肌が乾燥する、あるいは肌寒く感じるなどの不快感が生じることも問題となっていた。
そこで、ファンを使用した対流式の室内側熱交換器と、室外機との間に、輻射用の熱交換器を設け、室内側熱交換器と輻射用の熱交換器とを併用して、室内の冷暖房を行うことが提案されている。
例えば、特許文献1には、圧縮機(21)と、室内輻射用熱交換器(23)と、第1減圧機構(24)と、室内空気熱交換器(25)と、第2減圧機構(26)と、室外熱交換器(27)とが順に接続され、冷媒が可逆に循環して蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷媒回路(20)と、上記室内輻射用熱交換器(23)および室内空気熱交換器(25)のうち室内空気熱交換器(25)だけに室内空気を供給する室内ファン(25F)とを備えている空気調和装置が開示されている。また、特許文献1の空気調和装置には、冷媒回路(20)に、冷媒が室内輻射用熱交換器(23)および第1減圧機構(24)をバイパスして流れるバイパス通路(28)が備えられている。そして、冷房運転時には、冷媒がバイパス通路(28)を流れるようにしてもよいことが記載されている。
特許第4923794号公報
しかしながら、上述したような、室内側熱交換器と輻射用の熱交換器とを併用するような構成では、冷媒経路が長くなってしまい、運転立ち上がり時の冷暖房性能が低下してしまうことが問題となる。これにより、冷暖房の何れの場合においても、空気調和機の運転開始時に、室内の温度が所望の温度(設定温度)に達するまでに長時間を要することになる。
そこで、本発明では、輻射式の熱交換器を備える構成において、運転開始時の冷暖房性能の低下を抑えることのできる空気調和機を提供することを目的とする。
本発明の一局面にかかる空気調和機は、熱媒体を圧縮する圧縮機と、暖房運転時には凝縮器として機能するとともに、冷房運転時には蒸発器として機能する室内側熱交換器と、熱媒体を減圧する膨張弁と、暖房運転時には蒸発器として機能するとともに、冷房運転時には凝縮器として機能する室外側熱交換器とを含むヒートポンプサイクルを備えている。前記ヒートポンプサイクルは、前記圧縮機と前記室内側熱交換器との間に配置された第2の室内側熱交換器と、前記圧縮機と前記室内側熱交換器との間に配置され、前記熱媒体が前記第2の室内側熱交換器を迂回して流れるバイパス経路と、前記バイパス経路に配置されたバルブとをさらに含んでいる。そして、空気調和機の運転開始時に、前記バルブは開となり、前記熱媒体は主として前記バイパス経路を流れるように構成されている。なお、熱媒体が「主として」バイパス経路を流れるとは、熱媒体の容量の半分以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上がバイパス経路側に流れることを意味する。
以上のように、本発明にかかる空気調和機は、運転開始時に、熱媒体が主としてバイパス経路側を流れるように構成されている。これにより、熱媒体が主として第2の室内側熱交換器側を流れる場合と比較して、ヒートポンプサイクルの経路を短くすることができる。したがって、輻射用の第2の室内側熱交換器を備える空気調和機において、運転開始時の冷暖房性能の低下を抑えることができる。
本発明の一実施の形態にかかる空気調和機の全体構成を示す模式図である。 本発明の一実施の形態にかかる空気調和機の内部構成を示すブロック図である。 図1に示す空気調和機の制御の流れを示すフローチャートである。この図では、空気調和機が運転を開始するときの処理の流れを示す。 図1に示す空気調和機の制御の流れを示すフローチャートである。この図では、輻射式熱交換器を併用した空調運転中に行われる制御の一例を示す。 本発明の第2の実施の形態にかかる空気調和機における制御の流れを示すフローチャートである。この図では、空気調和機が運転を開始した後の処理の流れを示す。 本発明の第3の実施の形態にかかる空気調和機における制御の流れを示すフローチャートである。この図では、空気調和機が運転を開始するときの処理の流れを示す。 本発明の第3の実施形態にかかる空気調和機における、直前の運転停止時間とバイパス時間との関係を示すグラフである。 本発明の第4の実施の形態にかかる空気調和機における制御の流れを示すフローチャートである。この図では、空気調和機が運転を開始するときの処理の流れを示す。 本発明の第4の実施形態にかかる空気調和機における、運転開始前の外気温度とバイパス時間との関係を示すグラフである。 本発明の第5の実施の形態にかかる空気調和機の全体構成を示す模式図である。 本発明の参考形態にかかる空気調和機の全体構成を示す模式図である。 図11に示す空気調和機の内部構成を示すブロック図である。 図11に示す空気調和機における圧縮機の運転制御の流れを示すフローチャートである。 図11に示す空気調和機における室内送風機の運転制御の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態では、室内に輻射式の追加の熱交換器(第2の室内側熱交換器)を備えている空気調和機を例に挙げて説明する。図1は、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成を示す。図2は、本実施形態にかかる空気調和機1の内部構成を示す。なお、第1の実施形態にかかる空気調和機1は、暖房運転と冷房運転の両方を行うことが可能であるが、暖房運転または冷房運転のみを行う空気調和機にも本発明を適用することができる。
本実施形態にかかる空気調和機1は、上述したように、ヒートポンプサイクル内に輻射式熱交換器(第2の室内側熱交換器)を備えている。また、空気調和機1には、ヒートポンプサイクル内に、輻射式熱交換器と並列にバイパス経路が備えられている。このバイパス経路には、バイパスバルブ(バルブ)が備えられている。そして、空気調和機1の運転開始時には、バイパスバルブが開状態、あるいは、開度が大きくなるように制御される。これにより、空気調和機1の運転開始時には、冷媒は主としてバイパス経路を流れる。すなわち、空気調和機1の運転開始時には、冷媒の大部分(例えば、90%以上)が輻射式熱交換器を迂回し、バイパス経路側に流れるように制御される。
<空気調和機の全体構成>
先ず、本実施の形態にかかる空気調和機1の全体構成と基本的な動作の概要について、図1を用いて説明する。図1では、空気調和機1の暖房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを実線の矢印で示し、空気調和機1の冷房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを破線の矢印で示している。
図1に示すように、本実施の形態にかかる空気調和機1は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室内機10と室外機50と輻射式熱交換ユニット70とから構成されている。なお、空気調和機1は、室内機10と室外機50と輻射式熱交換ユニット70とが冷媒配管57並びに冷媒配管58aおよび58bを介して接続されることによって構成されている。以下、室外機50、室内機10、輻射式熱交換ユニット70、冷媒配管57、並びに冷媒配管58aおよび58bについて詳述する。
(1)室外機
室外機50は、主に、筐体51、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器(室外側熱交換器)54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58a、二方弁37、および三方弁31から構成されている。なお、この室外機50は、屋外に設置されている。
筐体51には、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58a、二方弁37、三方弁31、圧縮機温度センサ61、および外気温度センサ62等が収納されている。
圧縮機52は、吐出管52aおよび吸入管52bを有している。吐出管52aおよび吸入管52bは、それぞれ、四方弁53の異なる接続口に接続されている。圧縮機52は、運転時、吸入管52bから低圧の冷媒ガスを吸入し、その冷媒ガスを圧縮して高圧の冷媒ガスを生成した後、その高圧の冷媒ガスを吐出管52aから吐出する。
四方弁53は、冷媒配管を介して圧縮機52の吐出管52aおよび吸入管52b、室外熱交換器54ならびに輻射式熱交換器71に接続されている。四方弁53は、運転時、空気調和機1の制御部20(図2参照)から送信される制御信号に従って、冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)の経路を切り換える。すなわち、四方弁53は、冷房運転状態と暖房運転状態との間で経路の切り換えを行う。
具体的には、暖房運転状態では、四方弁53は、圧縮機52の吐出管52aを輻射式熱交換器71に連結させると共に圧縮機52の吸入管52bを室外熱交換器54に連結させる(図1の実線矢印参照)。一方、冷房運転状態では、四方弁53は、圧縮機52の吐出管52aを室外熱交換器54に連結させると共に圧縮機52の吸入管52bを輻射式熱交換器71に連結させる(図1の破線矢印参照)。
室外熱交換器54は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものである。室外熱交換器54は、冷房運転時には凝縮器として機能し、暖房運転時には蒸発器として機能する。なお、熱交換器としてパラレルフロー型熱交換器やサーペン型熱交換器を用いてもよい。
膨張弁55は、ステッピングモータを介して開度制御が可能な電子膨張弁であって、一方が冷媒配管57を介して二方弁37に接続されると共に、他方が室外熱交換器54に接続されている。膨張弁55のステッピングモータは、空気調和機1の制御部20から送信される制御信号に従って動作する。膨張弁55は、運転時において、凝縮器(暖房時は室内熱交換器12であり、冷房時は室外熱交換器54である)から流出する高温高圧の液冷媒を蒸発しやすい状態に減圧すると共に、蒸発器(暖房時は室外熱交換器54であり、冷房時は室内熱交換器12である)への冷媒供給量を調節する役目を担っている。
室外送風機56は、主に、プロペラファンおよびモータから構成されている。プロペラファンは、モータによって回転駆動され、屋外の外気を室外熱交換器54に供給する。モータは、空気調和機1の制御部20から送信される制御信号に従って動作する。
二方弁37は、冷媒配管57に配設されている。なお、二方弁37は、室外機50から冷媒配管57が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機50から外部に漏れることを防ぐ。
三方弁31は、冷媒配管58aに配設されている。なお、三方弁31は、室外機50から冷媒配管58aが取り外されるときに閉じられ、冷媒が室外機50から外部に漏れることを防ぐ。また、室外機50から、あるいは室内機10および輻射式熱交換ユニット70を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁31を通じて冷媒の回収が行われる。
圧縮機温度センサ61は、圧縮機内に存在する冷媒の温度を測定する。圧縮機温度センサ61は、例えば、吐出管52aの近傍に配置されている。あるいは、圧縮機温度センサ61は、圧縮機52内の冷媒の吐出部付近に配置することもできる。
外気温度センサ62は、室外機50が設置されている環境の温度を測定する。外気温度センサ62は、例えば、筐体51の外気吸込み口付近に配置されている。
(2)室内機
室内機10は、主に、筐体11、室内熱交換器(室内側熱交換器)12、室内送風機(送風機)13、および2個の二方弁35・36から構成されている。
筐体11には、室内熱交換器12、室内送風機13、室内熱交換器温度センサ14、室内温度センサ15、ルーバ19、および制御部20(図2参照)等が収納されている。
室内熱交換器12は、図1に示すように、3個の熱交換器を、室内送風機13を覆う屋根(逆Vの字)のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものである。これらの熱交換器は、暖房運転時には凝縮器として機能し、冷房運転時には蒸発器として機能する。室内熱交換器12の近傍、または、室内熱交換器12の伝熱配管には、当該室内熱交換器内を通る冷媒の温度を測定する室内熱交換器温度センサ14が配置される。
室内送風機13は、主に、クロスフローファンおよびモータから構成されている。クロスフローファンは、モータによって回転駆動され、室内の空気を筐体11に吸い込んで室内熱交換器12に供給すると共に、室内熱交換器12で熱交換された空気を室内に送出する。
室内温度センサ15は、室内機10が設置されている室内の温度を測定する。室内温度センサ15は、例えば、筐体11の外気吸込み口付近に配置されている。
ルーバ19は、角度を変更することのできる板状部材で形成されている。この板状部材の角度を適宜変更することで、室内送風機13により送出される空気の風向を変更する。
二方弁35は、冷媒配管58bに配設されている。また、二方弁36は、冷媒配管57に配設されている。二方弁35は、室内機10から冷媒配管58bが取り外されるときに閉じられ、冷媒が室内機10から外部に漏れることを防ぐ。また、二方弁36は、室内機10から冷媒配管57が取り外されるときに閉じられ、冷媒が室内機10から外部に漏れることを防ぐ。
(3)輻射式熱交換ユニット
本実施形態では、輻射式熱交換器71は、室内機10とは別のユニットとして設けられている。輻射式熱交換ユニット70は、室内に配置されている。輻射式熱交換ユニット70は、主に、輻射式熱交換器71(第2の室内側熱交換器)、筐体72、バイパス経路59、バイパスバルブ(バルブ)33、および2個の二方弁32・34から構成されている。
輻射式熱交換器71は、ヒートポンプサイクル内の室内熱交換器12と圧縮機52との間に設けられている。輻射式熱交換器71は、冷媒が通過する伝熱配管(冷媒配管)、および輻射パネルなどで構成されている。伝熱配管は、所定の面方向に蛇行しながら、筐体72内の一端部から他端部へ延びている。輻射パネルは、伝熱配管が蛇行しながら延びる面上に配置されている。あるいは、輻射パネルは、伝熱配管が蛇行しながら延びる面に近接して、その面と平行に配置されている。これにより、伝熱配管内を通過する冷媒からの暖気または冷気を、室内に放射することができる。
筐体72には、輻射式熱交換器71、バイパス経路59、およびバイパスバルブ33等が収納されている。なお、輻射パネルは、筐体72の表面に露出していてもよい。
バイパス経路59は、冷凍サイクル内の室内熱交換器12と圧縮機52との間に設けられている。バイパス経路59は、冷媒が通過する冷媒配管を有している。この冷媒配管は、略直線状であり、筐体72内の一端部から他端部へ延びている。図1に示すように、バイパス経路59の冷媒配管は、輻射式熱交換器71の伝熱配管と並列に配置されている。
バイパスバルブ33は、バイパス経路59内に配置されている。バイパスバルブ33は、例えば電磁弁などで構成され、制御部20(図2参照)からの指令に基づいて、開閉の制御が行われる。なお、バイパスバルブ33は、その開度を調整することによって、バイパス経路59内を流れる冷媒の流量を調整可能にすることもできる。これにより、バイパスバルブ33を全開状態とすると、冷媒は、主として(例えば、全量の90%以上)バイパス経路59を流れる。このとき、輻射式熱交換器71側には、ほとんど冷媒は流れない。一方、バイパスバルブ33を全閉状態とすると、冷媒は、主として(例えば、全量の90%以上)輻射式熱交換器71の伝熱配管を流れる。
なお、バイパスバルブ33は、全閉および全開しかできない構成であってもよいし、細かく開度を制御できるものであってもよい。細かく制御できるバルブを用いた場合、バイパス経路59を流れる冷媒流量と、輻射式熱交換器71の伝熱配管へ流れる冷媒流量とを、より細かく制御できる。この構成は、後述する第2から第5の実施形態に適用してもよい。
なお、バイパスバルブ33に代えて、バイパス経路59と輻射式熱交換器71の伝熱配管とが交わる箇所(本実施形態では2箇所)に、冷媒流路切換弁を設けることで、冷媒の流れを制御する構成であってもよい。この構成は、後述する第2から第5の実施形態に適用してもよい。
二方弁32は、冷媒配管58aに配設されている。また、二方弁34は、冷媒配管58bに配設されている。二方弁32は、輻射式熱交換ユニット70から冷媒配管58aが取り外されるときに閉じられ、冷媒が輻射式熱交換ユニット70から外部に漏れることを防ぐ。また、二方弁34は、輻射式熱交換ユニット70から冷媒配管58bが取り外されるときに閉じられ、冷媒が輻射式熱交換ユニット70から外部に漏れることを防ぐ。
(4)冷媒配管
冷媒配管57は、冷媒配管58aおよび58bよりも細い管であって、運転時に液冷媒もしくは気液二相冷媒が流れる。冷媒配管58aおよび58bは、冷媒配管57よりも太い管であって、運転時にガス冷媒もしくは気液二相冷媒が流れる。なお、輻射式熱交換ユニット70は、ガス冷媒もしくは気液二相冷媒が流れる冷媒配管58aと冷媒配管58bとの間に配置されている。
室外機50内の圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器54および膨張弁55、室内機10内の室内熱交換器12、ならびに輻射式熱交換ユニット70内の輻射式熱交換器71は、冷媒配管57、58aおよび58bによって順次接続され、冷凍サイクルを構成している。
<空気調和機の基本的な動作>
以下、本実施の形態にかかる空気調和機1の暖房運転および冷房運転について詳述する。
(1)暖房運転
暖房運転では、四方弁53が図1の実線で示される状態、すなわち、圧縮機52の吐出管52aが輻射式熱交換器71に接続され、かつ、圧縮機52の吸入管52bが室外熱交換器54に接続された状態となる。また、このとき、二方弁32・34・35・36・37および三方弁31は開状態とされている。この状態で、圧縮機52が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機52に吸入され、圧縮された後、四方弁53および三方弁31を経由して輻射式熱交換器71から室内熱交換器12に供給され、室内空気を加熱すると共に凝縮されて液冷媒となる。その後、この液冷媒は、二方弁37を経由して膨張弁55に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、室外熱交換器54に送られて、室外熱交換器54において蒸発させられてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、四方弁53を経由して、再び、圧縮機52に吸入される。
なお、ここで説明する暖房運転は、後述する空気調和機1の運転開始直後以外の通常の暖房運転のことを意味する。この通常の暖房運転時には、バイパスバルブ33は閉状態となっている。そのため、冷媒は主として輻射式熱交換器71へ流れる。
(2)冷房運転
冷房運転では、四方弁53が図1の破線で示される状態、すなわち、圧縮機52の吐出管52aが室外熱交換器54に接続され、かつ、圧縮機52の吸入管52bが輻射式熱交換器71に接続された状態となる。また、このとき、二方弁32・34・35・36・37および三方弁31は開状態とされている。この状態で、圧縮機52が起動されると、ガス冷媒が、圧縮機52に吸入され、圧縮された後、四方弁53を経由して室外熱交換器54に送られ、室外熱交換器54において冷却され、液冷媒となる。その後、この液冷媒は、膨張弁55に送られ、減圧されて気液二相状態となる。気液二相状態の冷媒は、二方弁37を経由して室内熱交換器12から輻射式熱交換器71に供給され、室内空気を冷却するとともに蒸発されてガス冷媒となる。最後に、そのガス冷媒は、三方弁31および四方弁53を経由して、再び、圧縮機52に吸入される。
なお、ここで説明する冷房運転は、後述する空気調和機1の運転開始直後以外の通常の冷房運転のことを意味する。この通常の冷房運転時には、バイパスバルブ33は閉状態となっている。そのため、冷媒は主として輻射式熱交換器71へ流れる。
(3)除霜運転
暖房運転時には、室外熱交換器54に霜が付き熱交換能力が落ちる場合がある。そこで、制御部20(図2参照)は、室外熱交換器温度センサ(図示せず)からの温度に基づいて、室外熱交換器54に霜が付いたか否かを判定する。制御部20は、霜が付いたと判断した場合に、四方弁53を切り換えて上述の冷房運転を行なうことによって除霜する(リバース除霜)。なお、制御部20は、室外熱交換器温度センサが測定した温度に基づいて、適切に室外熱交換器54の霜が除かれたか否かを判定する。
この除霜運転時には、輻射式熱交換ユニット70内のバイパスバルブ33は、閉状態であってもよいし、開状態であってもよい。
<運転開始時の制御について>
続いて、本実施形態にかかる空気調和機1が暖房運転または冷房運転を開始したときのバイパスバルブ33および圧縮機52の制御方法について、図1から図3を参照しながら説明する。図2には、空気調和機1の内部構成を示す。
図2に示すように、室内機10内には、室内送風機13、室内熱交換器温度センサ14、室内温度センサ15、表示部16、受信部17、ルーバ19、および制御部20などが備えられている。また、空気調和機1には、室内機10とは別の構成部材として、リモートコントローラ(操作部)18が備えられている。
表示部16は、液晶表示パネルおよびLEDライトなどを含む。表示部16は制御部20からの信号に基づいて空気調和機1の動作状況や警報等を表示する。受信部17はリモートコントローラ18を操作した際に送信される赤外線の信号を受信する。リモートコントローラ18は、使用者が空気調和機1を操作するための操作部として機能する。使用者は、例えば、リモートコントローラ18を操作して、空気調和機1の運転モード、設定温度などを選択することができる。
制御部20は、空気調和機1内の各構成部品と接続され、これらの制御を行う。制御部20内には、バイパスバルブ制御部21、圧縮機制御部22、室内送風機制御部23、記憶部25、およびタイマ26などが備えられている。バイパスバルブ制御部21は、バイパスバルブ33の開閉動作を制御する。圧縮機制御部22は、圧縮機52の運転開始、運転停止、回転数の変更などの制御を行う。室内送風機制御部23は、室内送風機13の運転開始、運転停止、回転数の変更などの制御を行う。
記憶部25は、ROM(read only memory)及びRAM(Random Access Memory)を含む。記憶部25は、空気調和機1の動作プログラムや設定データを記憶するとともに制御部20による演算結果を一時記憶する。
タイマ26は、必要に応じて、制御部20内で行われる処理の時間、空気調和機1内の各構成部材の動作時間などを計測する。また、タイマ26は、時計の機能も有している。
また、室外機50内には、上述したように、圧縮機52、室外送風機56、外気温度センサ62、および圧縮機温度センサ61などが備えられている。
また、輻射式熱交換ユニット70内には、上述したように、バイパスバルブ33などが備えられている。
(冷暖房運転開始時のバイパスバルブなどの制御)
図3には、空気調和機1が運転を開始するときの制御(具体的には、バイパスバルブ33、室内送風機13、および圧縮機52などの制御)の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転または冷房運転開始の指示を空気調和機1へ与える。このとき、使用者は、操作部18から暖房運転または冷房運転時の所望の温度(設定温度)を入力する。このように、使用者は所望とする温度を設定温度として直接入力することができる。またあるいは、使用者が各種運転モードの何れかを選択することで、選択した運転モードに割り当てられた目標温度を設定温度とすることもできる。
空気調和機1の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して運転開始を指示する信号を送信する。制御部20はこの信号を受信すると、空気調和機1内の各ユニット(例えば、圧縮機52、各送風機13・56など)に対して、運転を開始するための指令を送る。
具体的には、制御部20内のバイパスバルブ制御部21は、運転開始の指示信号を受信すると、輻射式熱交換ユニット70内のバイパスバルブ33を開ける(ステップS1)。バイパスバルブ33が開状態になると、冷凍サイクル内の冷媒は、主としてバイパス経路59内(すなわち、暖房運転時は図1の矢印A1で示す経路、冷房運転時は図1の矢印A2で示す経路)を流れる。
その後、空気調和機1が運転を継続すると、室内の温度(室温)は設定温度に徐々に近づく。制御部20は、設定温度と室温との差が所定の温度X1(例えば、X1は3℃から5℃の範囲内とすることができる。)以上の場合には(ステップS2でNO)、バイパスバルブ33を開状態のまま維持する。これにより、冷凍サイクルは、バイパス経路59に主として冷媒が流れる状態で運転を継続する。
そして、設定温度と室温との差が所定の温度X1(所定値)よりも小さくなると(ステップS2でYES)、制御部20は、バイパスバルブ33を開状態から閉状態へと動作させる(ステップS3)。これにより、冷凍サイクルは、バイパス経路59に主として冷媒が流れる状態から、輻射式熱交換器71に主として冷媒が流れる状態へ移行する。すなわち、輻射式熱交換器71を併用した運転(すなわち、暖房運転時は図1の矢印B1で示す経路、冷房運転時は図1の矢印B2で示す経路を冷媒が流れる運転)が開始される(ステップS4)。
輻射式熱交換器71を併用した運転が開始されると、室内熱交換器12と輻射式熱交換器71とを併用して、室内の冷暖房を行うことができる。このとき、制御部20内の室内送風機制御部23は、室内送風機13の回転数を落とすように制御する(ステップS5)。これにより、輻射式熱交換器71の輻射熱を用いて室内が所望の温度に維持されるように空調しつつ、室内送風機13の回転数を落とすことで、送風機の音をより小さく抑えたり、送風機からの風量を小さく抑えたりすることができる。そのため、送風機の音が騒音となり、睡眠を妨げることを抑えることができる。また、送風機の風が直接人に当たることによって、肌が乾燥、あるいは肌寒く感じるなどの不快感が生じることを抑えることができる。
なお、ステップS5において、室内送風機制御部23は、室内送風機13の回転数を落とすのではなく、室内送風機13の運転を完全に停止させることもできる。また、タイマ26の時計機能を利用して、制御部20が、夜間の運転中であると判断すると、室内送風機制御部23は室内送風機13の運転を停止し、制御部20が、昼間の運転中であると判断すると、室内送風機制御部23は室内送風機13の回転数を落とすような制御を行ってもよい。
また、空気調和機1が運転を開始すると、制御部20は、室内温度センサ15が測定した温度(室温)に基づいて、冷暖房能力の制御を行う。すなわち、初期設定では、制御部20内の圧縮機制御部22は、室内温度センサ15が測定した温度(室温)に基づいて、圧縮機52の回転数を制御する。
そして、図3のフローチャートには示していないが、設定温度と室温との差が任意の所定値以上となると、制御部20は、再度、室内熱交換器12がメインの運転が行われるように制御する。すなわち、バイパスバルブ制御部21は、バイパスバルブ33を閉状態から開状態へ移行させる。これにより、冷媒は主としてバイパス経路59を流れるようになるため、輻射式熱交換器71側へ冷媒を通した場合と比較して、より短時間で室内温度を設定温度に近付けることができる。
ところで、輻射式熱交換器71を併用した冷暖房運転中に、室温に基づいて圧縮機52の運転制御を行うと、圧縮機52の回転数が必要以上に低下し過ぎるという問題が生じる。圧縮機52の回転数が必要以上に低下すると、輻射式熱交換器71の表面温度は、暖房運転時に低下し、冷房運転時に上昇する。これにより、空気調和機1は、所望とされる空調能力(冷暖房能力)を確保できず、室内の温度と設定温度との差が再び大きくなる可能性がある。室温と設定温度との差が再び大きくなると、空気調和機1は、室内熱交換器12がメインの運転へ再度移行することとなる。
しかし、このように輻射式熱交換器71を併用した運転から、短時間で室内熱交換器12がメインの運転へ移行してしまうのは、使用者の快適性の面などから、避けることが望ましい。そこで、本実施形態の空気調和機1では、輻射式熱交換器71を併用した運転を開始した後の室内の温度変化をより小さくするように、図4に示すような制御を行っている。
図4に示すフローチャートに示す、ステップS3とステップS4は、上述した図3のフローチャートに示す各ステップと同じである。そして、輻射式熱交換器71を併用した運転が始まると(ステップS4)、制御部20は、設定温度と室温との差が、第2の所定の温度X2(ここで、X2は、X1以下の値である。X2は、例えば、1℃から3℃の範囲内とすることができる)よりも小さくなったか否かを確認する(ステップS15)
そして、設定温度と室温との差が所定の温度X2(第2の所定値)以上の場合には(ステップS15でNO)、初期設定時の状態を維持し、制御部20内の圧縮機制御部22は、室温に基づいて、圧縮機52の回転数を制御する(ステップS16)。
一方、設定温度と室温との差が所定の温度X2よりも小さくなると(ステップS15でYES)、制御部20内の圧縮機制御部22は、室内熱交換器12の冷媒温度に基づいて、圧縮機52の回転数を制御する(ステップS17)。室内熱交換器12の冷媒温度は、例えば、室内熱交換器温度センサ14によって測定することができる。
ステップS16およびステップS17の処理が終了した後は、再び、ステップS15に戻り、設定温度と室温との差が所定の温度X2よりも小さいか否かの監視が行われる。
このように、上記の制御は、輻射式熱交換器71を併用した運転中に継続して行われる。このような制御を行うことで、室内熱交換器12内の冷媒の温度変化に応じた運転制御を行うことができる。これにより、輻射式熱交換器71を併用した暖房運転時の温度低下、あるいは、輻射式熱交換器71を併用した暖房運転時の温度上昇を抑えることができる。そのため、室内熱交換器12がメインの運転から、輻射式熱交換器71を併用した運転へ移行した時の室温の大きな変化を抑えることができる。
また、輻射式熱交換器71を併用した運転中は、室内送風機13の回転数は低く抑えられている。そのため、室内温度センサ15が正確な室温を検知しにくい可能性がある。そかし、図4に示す制御を行うことで、輻射式熱交換器71を併用した運転中にも、より正確に現在の運転状況を把握し、快適な空調運転を行うことができる。
以上のように、本実施形態の空気調和機1では、運転開始時に、バイパスバルブ33が開となり、冷凍サイクル内の冷媒は、主としてバイパス経路59内を流れる。バイパス経路59は、輻射式熱交換器71内の冷媒配管と比較して、配管の長さが短い。そのため、運転開始時に、より配管の長さの短いバイパス経路59に冷媒を通すことで、運転開始時の冷暖房の立ち上がり性能を向上させることができる。すなわち、より短時間で、使用者が入力した設定温度(所望の温度)に近づけることができる。
なお、上述した実施形態では、設定温度と室温との差が、第2の所定の温度X2(ここで、X2≦X1)よりも小さくなったか否かで、圧縮機の回転数の制御方法を異ならせている。しかし、本発明の一態様では、設定温度と室温との差が、所定の温度X1よりも小さくなったか否かで、圧縮機の回転数の制御方法を異ならせてもよい。すなわち、設定温度と室温との差が、所定の温度X1よりも小さくなったら、バイパスバルブ33を閉状態にするとともに、室内熱交換器12の冷媒温度に基づいて、圧縮機52の回転数を制御するようにしてもよい。
〔第2の実施形態〕
上述の第1の実施形態では、バイパスバルブ33が閉となり、輻射式熱交換器71を併用した運転が開始されると、室内送風機13の回転数を落とすような制御を行っている。しかし、本発明の一実施形態にかかる空気調和機では、輻射式熱交換器71を併用した運転中に、異なる方法で室内送風機の13の制御を行うこともできる。そこで、第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なる方法で室内送風機の13の制御を行う構成について説明する。
本実施形態にかかる空気調和機1の全体構成については、第1の実施形態にかかる空気調和機と同様の構成が適用できる。そこで、本実施形態にかかる空気調和機1の構成に関する詳しい説明は省略する。
(輻射式熱交換器を併用した運転中の室内送風機の制御)
図5には、空気調和機1が運転を開始するときの制御(具体的には、バイパスバルブ33および室内送風機13などの制御)の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始または冷房運転開始の指示を空気調和機1へ与える。このとき、使用者は、操作部18から暖房運転時または冷房運転時の所望の温度(設定温度)を入力する。なおこのとき、使用者が各種運転モードの何れかを選択することで、選択した運転モードに割り当てられた目標温度を設定温度とすることもできる。
空気調和機1の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して運転開始を指示する信号を送信する。制御部20はこの信号を受信すると、空気調和機1内の各ユニット(例えば、圧縮機52、各送風機13・56など)に対して、運転を開始するための指令を送る。
そして、第1の実施形態の空気調和機1と同様に、運転開始時のバイパスバルブ33の制御が行われる。すなわち、図3に示すステップS1からステップS4と同様に、図5に示すステップS1からステップS4の制御が行われる。
そして、輻射式熱交換器71を併用した運転が始まると(ステップS4)、制御部20は、設定温度と室温との差が、第3の所定の温度X3(ここで、X3は、X1よりも小さな値である。X3は、例えば、1℃から3℃の範囲内とすることができる)よりも小さくなったか否かを確認する(ステップS25)
そして、設定温度と室温との差が所定の温度X3(第3の所定値)以上の場合には(ステップS25でNO)、制御部20内の室内送風機制御部23は、室内送風機13の運転を継続する(ステップS27)。なお、ここでの室内送風機13の運転においては、上述の第1の実施形態のステップS5(図3参照)と同様に、回転数を落とすような制御を行ってもよい。
一方、設定温度と室温との差が所定の温度X3よりも小さくなると(ステップS25でYES)、室内送風機制御部23は、室内送風機13の運転を停止する(ステップS26)。
以上のような制御を行った後は、室内送風機制御部23は、室内送風機13の制御を終了してもよい。あるいは、再びステップS25に戻り、制御部20は、温度と室温との差が所定の温度X3よりも小さいか否かの監視を継続し、監視結果に基づいて、室内送風機制御部23が室内送風機13の運転制御を行ってもよい。
このような制御を行うことで、設定温度と室温と差に応じて室内送風機13の運転状態を変更することができる。これにより、より快適な空調運転を行うことができる。
〔第3の実施形態〕
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、輻射式熱交換ユニット70内に設けられたバイパスバルブ33の制御方法が、第1および第2の実施形態とは異なっている。すなわち、第3の実施形態にかかる空気調和機1では、運転開始前の空気調和機1の運転停止時間が長いほど、バイパス経路59に主として冷媒を流す時間を長くするように制御する。第3の実施形態にかかる空気調和機1の全体構成については、第1の実施形態にかかる空気調和機と同様の構成が適用できる。そこで、本実施形態にかかる空気調和機1の構成に関する詳しい説明は省略する。
(冷暖房運転開始時のバイパスバルブなどの制御)
図6には、第3の実施形態にかかる空気調和機1が運転を開始するときのバイパスバルブ33の制御の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始または冷房運転開始の指示を空気調和機1へ与える。このとき、使用者は、操作部18から暖房運転時または冷房運転時の所望の温度(設定温度)を入力する。なおこのとき、使用者が各種運転モードの何れかを選択することで、選択した運転モードに割り当てられた目標温度を設定温度とすることもできる。
空気調和機1の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して運転開始を指示する信号を送信する。制御部20はこの信号を受信すると、空気調和機1内の各ユニット(例えば、圧縮機52、各送風機13・56など)に対して、運転を開始するための指令を送る。
さらに、空気調和機1内の制御部20は、タイマ26から、空気調和機1が運転を開始する直前の運転停止状態の継続時間(直前の運転停止時間)に関する情報を取得する(ステップS31)。このようにタイマ26は、空気調和機1が運転を停止してからカウントを開始する機能も有している。そして、制御部20は、取得した「直前の運転停止時間」に基づいて、運転開始時にバイパスバルブ33を開とする時間(この時間を、「バイパス時間」という)を決定する(ステップS32)。
ここでのバイパス時間の決定は、例えば、図7に示すようなグラフを用いて行うことができる。図7に示すグラフは、直前の運転停止時間(分)とバイパス時間(分)との関係をグラフ化したものである。図7に示すグラフは、制御部20内の記憶部25に格納されている。制御部20では、図7のグラフを参照して、取得した「直前の運転停止時間」t1と対応付けられたバイパス時間t2を、バイパス時間として選択する。図7に示すように、「バイパス時間」は、「直前の運転停止時間」が長くなるほど、長くなるように設定されている。
なお、記憶部25には、図7に示すようなグラフ(関数式)の代わりに、「直前の運転停止時間」と「バイパス時間」とが対応付けられたテーブルが格納されていてもよい。
制御部20は、バイパス時間を決定した後、バイパスバルブ33を開状態とし(ステップS33)、空気調和機1を稼働させる。空気調和機1が稼働すると、タイマ26はバイパス時間の計測を開始する(ステップS34)。これにより、空気調和機1は、先ず、冷媒が主としてバイパス経路59を通る冷凍サイクルで、空調運転を行う。そして、ステップS32で決められたバイパス時間に達すると(ステップS35でYES)、制御部20は、バイパスバルブ33を開状態から閉状態へと動作させる(ステップS36)。
なお、ステップS35でバイパス時間を経過した後でも、設定温度と室温との差が所定の温度(例えば、第1の実施形態のX1)以上の場合は、引き続きバイパスバルブ33を開とし、設定温度と室温との差が所定の温度(例えば、第1の実施形態のX1)よりも小さくなったら、バイパスバルブ33を閉とする制御を行うようにしてもよい。このようにすることで、より短時間で、使用者が入力した設定温度(所望の温度)に近づけることができる。
バイパスバルブ33が閉じると、輻射式熱交換器71を併用した運転が開始される(ステップS37)。この後は、第1の実施形態あるいは第2の実施形態と同様の方法で、圧縮機52および室内送風機13などの運転を制御することができる。
以上のように、本実施形態の空気調和機1は、運転開始時において、バイパスバルブを開とすることで、より配管の長さの短いバイパス経路に冷媒を通すことができる。これにより、運転開始時の冷暖房の立ち上がり性能を向上させることができる。また、本実施形態の空気調和機1では、運転開始前に空気調和機1が運転を停止している時間に基づいて、バイパスバルブを開状態にする時間を決定することができる。
なお、第3の実施形態で説明したバイパスバルブ33の制御は、例えば、冬季などの外気温が低い場合に行うことが好ましい。外気温が低く、室内と室外との温度差が大きい環境下では、空気調和機1が長時間停止した場合、圧縮機52内に冷媒が集まりやすくなり、圧縮機52内部の冷媒が潤滑油に溶け込むことがある。このように、圧縮機52の潤滑油に冷媒が溶け込んだ状態を、圧縮機の寝込み状態という。この寝込み状態が発生すると、圧縮機の起動時に圧縮機の内部の潤滑油が冷媒とともに圧縮機の外に吐出し、圧縮機内の潤滑油が減少し、油面が低下するため、潤滑不良が生じてしまう可能性がある。
そこで、圧縮機の寝込み状態が発生する可能性のある外気温が低い場合には、上述したバイパスバルブ33の制御を行う。これにより、空気調和機1の運転開始時には、バイパスバルブ33を開として、より経路の短いバイパス経路59を通して冷媒を循環させることができる。そして、バイパス時間の間は、バイパスバルブ33を開状態として、室内熱交換器12がメインの空調運転を行うことができる。これにより、冷凍サイクルの冷媒経路が短くなり、圧縮機52から吐出した冷媒が圧縮機52に戻りやすくなる。そのため、圧縮機52の性能の低下を抑えることができる。
また、圧縮機の寝込み状態の時間が長いほど、潤滑油への冷媒の溶け込み量も多くなる。そのため、バイパス時間を直前の運転停止時間に基づいて決定することで、冷媒をバイパスさせる必要性の高さに応じた制御を行うことができる。
また、本発明では、第1の実施形態にかかるバイパスバルブ33の制御と、第3の実施形態にかかるバイパスバルブ33の制御とを併用することもできる。例えば、運転開始時の外気温に応じて、第1の実施形態で説明した制御を行うか、第3の実施形態で説明した制御を行うかを決定することができる。第3の実施形態で説明したバイパスバルブ33の制御は、外気温が低い場合に行うことが好ましいことから、例えば、運転開始時の外気温が任意の閾値未満の場合に、第3の実施形態で説明した制御を行い、運転開始時の外気温が任意の閾値以上の場合に、第1の実施形態で説明した制御を行うことが好ましい。
〔第4の実施形態〕
上述した第3の実施形態では、制御部20が「直前の運転停止時間」に基づいて「バイパス時間」を決定する例について説明した。これとは別に、本発明では、「運転停止中の外気温」に基づいて「バイパス時間」を決定する構成も可能である。そこで、第4の実施形態では、(空気調和機1が運転開始する前の)空気調和機の運転停止中の外気温に基づいて、バイパス経路59に主として冷媒を流す時間(「バイパス時間」)を決定する構成例について説明する。
第4の実施形態にかかる空気調和機1の全体構成については、第1の実施形態にかかる空気調和機と同様の構成が適用できる。そこで、本実施形態にかかる空気調和機1の構成に関する詳しい説明は省略する。
(冷暖房運転開始時のバイパスバルブなどの制御)
図8には、第4の実施形態にかかる空気調和機1が運転を開始するときのバイパスバルブ33の制御の流れを示す。まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始または冷房運転開始の指示を空気調和機1へ与える。このとき、使用者は、操作部18から暖房運転時または冷房運転時の所望の温度(設定温度)を入力する。なおこのとき、使用者が各種運転モードの何れかを選択することで、選択した運転モードに割り当てられた目標温度を設定温度とすることもできる。
空気調和機1の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して運転開始を指示する信号を送信する。制御部20はこの信号を受信すると、空気調和機1内の各ユニット(例えば、圧縮機52、各送風機13・56など)に対して、運転を開始するための指令を送る。
さらに、空気調和機1内の制御部20は、外気温度センサ62から、空気調和機1が運転を開始する直前の運転停止状態における外気温(「運転停止中の外気温」)に関する情報を取得する(ステップS41)。なお、ここで、「運転停止中の外気温」とは、運転開始前の運転停止状態の直前の所定時間帯(例えば、運転開始直前の1〜3時間の範囲内の時間帯)における外気温の平均を意味する。
そして、制御部20は、取得した「運転停止中の外気温」に基づいて、運転開始時にバイパスバルブ33を開とする時間(この時間を、「バイパス時間」という)を決定する(ステップS42)。
ここでのバイパス時間の決定には、例えば、図9に示すようなグラフを用いて行うことができる。図9に示すグラフは、運転停止中の外気温(℃)とバイパス時間(分)との関係をグラフ化したものである。図9に示すグラフは、制御部20内の記憶部25に格納されている。制御部20では、図9を参照して、取得した「運転停止中の外気温」d1と対応付けられたバイパス時間d2を、バイパス時間として選択する。図9に示すように、「バイパス時間」は、「運転停止中の外気温」が低いほど、長くなるように設定されている。
なお、記憶部25には、図9に示すようなグラフ(関数式)の代わりに、「運転停止中の外気温」と「バイパス時間」とが対応付けられたテーブルが格納されていてもよい。
制御部20は、バイパス時間を決定した後、バイパスバルブ33を開状態とし(ステップS43)、空気調和機1を稼働させる。これ以降の処理については、第1から第3の実施形態と同様の方法で、バイパスバルブ33、圧縮機52、および室内送風機13などの運転を制御することができる。なお、図8に示すステップS43からステップS47の処理は、図6に示すステップS33からステップS37の処理にそれぞれ相当する。
なお、ステップS45でバイパス時間を経過した後でも、設定温度と室温との差が所定の温度(例えば、第1の実施形態のX1)以上の場合は、引き続きバイパスバルブ33を開とし、設定温度と室温との差が所定の温度(例えば、第1の実施形態のX1)よりも小さくなったら、バイパスバルブ33を閉とする制御を行うようにしてもよい。このようにすることで、より短時間で、使用者が入力した設定温度(所望の温度)に近づけることができる。
以上のように、本実施形態の空気調和機1は、運転開始時において、バイパスバルブを開とすることで、より配管の長さの短いバイパス経路に冷媒を通すことができる。これにより、運転開始時の冷暖房の立ち上がり性能を向上させることができる。また、本実施形態の空気調和機1では、運転停止中の外気温に基づいて、バイパスバルブを開状態にする時間を決定することができる。
運転停止中の外気温が低いほど、圧縮機の潤滑油への冷媒の溶け込み量も多くなる。そのため、バイパス時間を運転停止中の外気温に基づいて決定することで、冷媒をバイパスさせる必要性の高さに応じた制御を行うことができる。
なお、上述した第4の実施形態では、制御部20は、「運転停止中の外気温」に基づいて「バイパス時間」を決定している。しかし、別の実施形態として、運転開始前の空気調和機1の運転停止中の圧縮機52内の冷媒の温度に基づいて、「バイパス時間」を決定してもよい。運転停止中の圧縮機52内の冷媒の温度は、外気温の変化に応じて変動する。すなわち、外気温が下がると、圧縮機52内の冷媒の温度も下がる。そのため、第4の実施形態と同様に、圧縮機52内の冷媒温度が低いほど、「バイパス時間」を長くすればよい(図9参照)。
〔第5の実施形態〕
続いて、第5の実施形態について、図10を参照しながら説明する。上述した第1から第4の実施形態では、室内機10と輻射式熱交換ユニット70とが、別々のユニットで構成されている例について説明した。しかし、本発明はこのような構成に限定はされず、室内機10と輻射式熱交換ユニット70とが一つのユニットで構成されていてもよい。そこで、第5の実施形態では、室内機110の筐体111内に、輻射式熱交換部170が配置されている構成例について説明する。
図10には、本実施形態にかかる空気調和機100の全体構成を示す。図10に示すように、本実施の形態にかかる空気調和機100は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室内機10と室外機50とから構成されている。室内機10と室外機50とは、冷媒配管57および冷媒配管58aを介して接続されている。
(1)室外機
室外機50は、主に、筐体51、圧縮機52、四方弁53、室外熱交換器(室外側熱交換器)54、膨張弁55、室外送風機56、冷媒配管57、冷媒配管58a、二方弁37、および三方弁31から構成されている。室外機50については、第1の実施形態で説明した構成と同様の構成が適用できる。
(2)室内機
室内機110は、主に、筐体111、室内熱交換器(室内側熱交換器)12、室内送風機(送風機)13、輻射式熱交換部170、および4個の二方弁32・34・35・36から構成されている。
室内熱交換器(室内側熱交換器)12、室内送風機(送風機)13、および2個の二方弁35・36については、第1の実施形態で説明した構成と同様の構成が適用できる。
輻射式熱交換部170には、輻射式熱交換器用伝熱配管171(以下、単に伝熱配管171と称する)、バイパス経路159、およびバイパスバルブ(バルブ)133などが備えられている。本実施形態では、室内熱交換器12とともに、輻射式熱交換部170および2個の二方弁32・34についても、筐体111内に配置されている。
なお、本実施形態の場合、筐体111内に、室内熱交換器12と輻射式熱交換部170とが配置されているので、二方弁34、35が無い構成であってもよい。この場合、二方弁36は、冷媒配管57に配設され、二方弁32は、冷媒配管58aに配設されている。なお、二方弁36は、室内機110から冷媒配管57が取り外されるときに閉じられ、二方弁32は、室内機110から冷媒配管58aが取り外されるときに閉じられ、冷媒が室内機110から外部に漏れることを防ぐ。
輻射式熱交換器用伝熱配管171は、第1の実施形態で説明した輻射式熱交換器71を構成する伝熱配管と同様の構成が適用できる。第1の実施形態と同様に、伝熱配管の近傍には、輻射パネルが設けられていてもよい。バイパス経路159およびバイパスバルブ(バルブ)133は、第1の実施形態で説明したバイパス経路59およびバイパスバルブ33と同様の構成が適用できる。二方弁32および34は、第1の実施形態で説明した二方弁32および34と同様の構成が適用できる。筐体内における伝熱配管171の配置場所は、特に限定はされないが、例えば、室内熱交換器12の前面側に配置することができる。
第5の実施形態にかかる空気調和機100では、上述の第1から第4の実施形態と同様に、空調運転の制御を行うことができる。
〔参考形態〕
上述した第1から第5の実施形態では、本発明の一例として、ヒートポンプサイクル内に、輻射式熱交換器とバイパス経路とが並列に配置されている空気調和機を例に挙げて説明した。但し、上述した輻射式熱交換器71を併用した空調運転時に行われる圧縮機52および室内送風機13の運転制御は、バイパス経路を有していない構成でも実施可能である。
そこで、以下では、本発明の参考の実施形態として、バイパス経路およびバイパスバルブが設けられていない構成について、図11から図14を参照しながら説明する。図11は、参考形態にかかる空気調和機200の全体構成を示す。図12は、参考形態にかかる空気調和機200の内部構成を示す。
<空気調和機の全体構成>
図11では、空気調和機200の暖房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを実線の矢印で示し、空気調和機1の冷房運転時の冷媒(熱媒体)の流れを破線の矢印で示している。
図11に示すように、本実施の形態にかかる空気調和機200は、セパレート式の空気調和機であって、主に、室内機10と室外機50と輻射式熱交換ユニット270とから構成されている。なお、空気調和機200は、室内機10と室外機50と輻射式熱交換ユニット270とが冷媒配管57並びに冷媒配管58aおよび58bを介して接続されることによって構成されている。
参考形態にかかる空気調和機200において、室内機10および室外機50の構成については、第1の実施形態にかかる室内機10および室外機50と同様の構成が適用できる。
本参考形態では、第1の実施形態と同様に、輻射式熱交換器271は、室内機10とは別のユニットとして設けられている。輻射式熱交換ユニット270は、室内に配置されている。輻射式熱交換ユニット270は、主に、輻射式熱交換器271、筐体272、および2個の二方弁32・34から構成されている。なお、他の構成として、第5の実施形態と同様に、室内機10を構成する筐体内に輻射式熱交換器271を配置することも可能である。
輻射式熱交換器271は、ヒートポンプサイクル内の室内熱交換器12と圧縮機52との間に設けられている。輻射式熱交換器271は、筐体272内に配置されている。輻射式熱交換器271は、冷媒が通過する伝熱配管(冷媒配管)、および輻射パネルなどで構成されている。二方弁32および34は、第1の実施形態で説明した二方弁32および34と同様の構成が適用できる。
また、図12に示すように、室内機10内には、室内送風機13、室内熱交換器温度センサ14、室内温度センサ15、表示部16、受信部17、ルーバ19、および制御部20などが備えられている。また、空気調和機200には、室内機10とは別の構成部材として、リモートコントローラ(操作部)18が備えられている。また、室外機50内には、上述したように、圧縮機52、室外送風機56、外気温度センサ62、および圧縮機温度センサ61などが備えられている。これらの構成については、第1の実施形態で説明した各構成部材と同様の構成が適用できる。
以上のように、参考形態にかかる空気調和機200では、輻射式熱交換ユニット270内に、輻射式熱交換器271を迂回するバイパス経路が設けられていない点が、第1の実施形態とは異なっている。また、輻射式熱交換ユニット270内には、制御部20によって制御されるバイパスバルブも備えられていない。したがって、空気調和機200が稼働し、冷凍サイクルが運転を開始すると、冷媒は、輻射式熱交換器271の伝熱配管を無条件に通過する。
ここで、空気調和機200で行われる圧縮機52の制御の一例を、図13を参照しながら説明する。
まず、使用者がリモートコントローラなどを操作して、暖房運転開始または冷房運転開始の指示を空気調和機200へ与える。このとき、使用者は、操作部18から暖房運転時または冷房運転時の所望の温度(設定温度)を入力する。なおこのとき、使用者が各種運転モードの何れかを選択することで、選択した運転モードに割り当てられた目標温度を設定温度とすることもできる。
空気調和機200の受信部17は、この指示を受け取り、制御部20に対して運転開始を指示する信号を送信する。制御部20はこの信号を受信すると、空気調和機200内の各ユニット(例えば、圧縮機52、各送風機13・56など)に対して、運転を開始するための指令を送る。
そして、圧縮機52が回転を開始すると、冷媒は冷凍サイクル内を循環する。空気調和機200では、運転開始時から、輻射式熱交換器271の伝熱配管を冷媒が通過する。すなわち、室内熱交換器12と輻射式熱交換器271とを併用した運転が行われる(ステップS51)。
次に、制御部20は、設定温度と室温との差が、所定の温度X’2(ここでX’2は、例えば、1℃から3℃の範囲内とすることができる)よりも小さくなったか否かを確認する(ステップS52)
そして、設定温度と室温との差が所定の温度X’2以上の場合には(ステップS52でNO)、初期設定時の状態を維持し、制御部20内の圧縮機制御部22は、室温に基づいて、圧縮機52の回転数を制御する(ステップS53)。
一方、設定温度と室温との差が所定の温度X’2よりも小さくなると(ステップS52でYES)、制御部20内の圧縮機制御部22は、室内熱交換器12の冷媒温度に基づいて、圧縮機52の回転数を制御する(ステップS54)。室内熱交換器12の冷媒温度は、例えば、室内熱交換器温度センサ14によって測定することができる。
ステップS53およびステップS54の処理が終了した後は、再び、ステップS52に戻り、設定温度と室温との差が所定の温度X’2よりも小さいか否かの監視が行われる。
このように、上記の制御は、冷暖房運転中に継続して行われる。このような制御を行うことで、室内熱交換器12内の冷媒の温度変化に応じた運転制御を行うことができる。これにより、暖房運転時の温度低下、あるいは、暖房運転時の温度上昇を抑えることができる。
続いて、空気調和機200で行われる室内送風機13の制御の一例を、図14を参照しながら説明する。
空気調和機200の受信部17が操作部18から、暖房運転または冷房運転開始の指示を受け取ると、受信部17は、制御部20に対して運転開始を指示する信号を送信する。制御部20はこの信号を受信すると、空気調和機200内の各ユニット(例えば、圧縮機52、各送風機13・56など)に対して、運転を開始するための指令を送る。
そして、圧縮機52が回転を開始すると、冷媒は冷凍サイクル内を循環する。空気調和機200では、運転開始時から、輻射式熱交換器271の伝熱配管を冷媒が通過する。すなわち、室内熱交換器12と輻射式熱交換器271とを併用した運転が行われる(ステップS61)。
次に、制御部20は、設定温度と室温との差が、第3の所定の温度X’3(ここで、X3’は、例えば、1℃から3℃の範囲内とすることができる)よりも小さくなったか否かを確認する(ステップS62)。
そして、設定温度と室温との差が所定の温度X’3以上の場合には(ステップS62でNO)、制御部20内の室内送風機制御部23は、室内送風機13の運転を継続する(ステップS64)。なお、ここでの室内送風機13の運転では、上述の第1の実施形態のステップS5(図3参照)と同様に、回転数を落とすような制御を行ってもよい。
一方、設定温度と室温との差が所定の温度X’3よりも小さくなると(ステップS62でYES)、室内送風機制御部23は、室内送風機13の運転を停止する(ステップS63)。
以上のような制御を行った後は、室内送風機制御部23は、室内送風機13の制御を終了してもよい。あるいは、再びステップS62に戻り、制御部20は、温度と室温との差が所定の温度X’3よりも小さいか否かの監視を継続し、監視結果に基づいて、室内送風機制御部23が室内送風機13の運転制御を行ってもよい。
このような制御を行うことで、設定温度と室温と差に応じて室内送風機13の運転状態を変更することができる。これにより、より快適な空調運転を行うことができる。
(まとめ)
上記の本発明にかかる空気調和機では、室温と設定温度との差が所定値(第1の所定値)よりも小さくなったら、前記バルブを閉にしてもよい。前記バルブを閉とすることで、前記熱媒体は、主として前記第2の室内側熱交換器を流れる。これにより、室内側熱交換器と第2の室内側熱交換器とを併用した空調運転を行うことができる。
上記の本発明にかかる空気調和機では、運転開始前の前記空気調和機の運転停止時間が長いほど、前記バイパス経路に主として前記熱媒体を流す時間を長くしてもよい。このようにすることで、必要性の高さに応じて、前記バイパス経路に主として前記熱媒体を流す時間を決定することができる。
上記の本発明にかかる空気調和機では、運転開始前の前記空気調和機の運転停止中の外気温、または、運転開始前の前記空気調和機の運転停止中の前記圧縮機内の前記熱媒体の温度に基づいて、前記バイパス経路に主として前記熱媒体を流す時間を決定してもよい。このようにすることで、必要性の高さに応じて、前記バイパス経路に主として前記熱媒体を流す時間を決定することができる。
上記の本発明にかかる空気調和機は、室温と設定温度との差が第2の所定値よりも小さくなったら、前記室内側熱交換器内の前記熱媒体の温度に基づいて前記圧縮機の回転数を制御するようにしてもよい。このような制御は、前記熱媒体が、主として前記第2の室内側熱交換器を流れているときに行うことが好ましい。これにより、より快適な空調運転を行うことができる。
上記の本発明にかかる空気調和機では、前記バルブが閉のときに、前記室内側熱交換器に設けられている送風機の回転数を落とす、あるいは、該送風機の運転を停止するようにしてもよい。これにより、より快適な空調運転を行うことができる。
上記の本発明にかかる空気調和機では、室温と設定温度との差が第3の所定値よりも小さくなったら、前記室内側熱交換器に設けられている送風機の運転を停止するようにしてもよい。これにより、より快適な空調運転を行うことができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
1 :空気調和機
10 :室内機
12 :室内熱交換器(室内側熱交換器)
13 :室内送風機(送風機)
14 :室内熱交換器温度センサ
15 :室内温度センサ
20 :制御部
21 :バイパスバルブ制御部
22 :圧縮機制御部
23 :室内送風機制御部
33 :バイパスバルブ(バルブ)
50 :室外機
52 :圧縮機
54 :室外熱交換器(室外側熱交換器)
55 :膨張弁
59 :バイパス経路
61 :圧縮機温度センサ
62 :外気温度センサ
70 :輻射式熱交換ユニット
71 :輻射式熱交換器(第2の室内側熱交換器)
100 :空気調和機
133 :バイパスバルブ(バルブ)
159 :バイパス経路
170 :輻射式熱交換部
171 :輻射式熱交換器用伝熱配管
X1 :第1の所定の温度(所定値)
X2 :第2の所定の温度(第2の所定値)
X3 :第3の所定の温度(第3の所定値)

Claims (7)

  1. 熱媒体を圧縮する圧縮機と、暖房運転時には凝縮器として機能するとともに、冷房運転時には蒸発器として機能する室内側熱交換器と、熱媒体を減圧する膨張弁と、暖房運転時には蒸発器として機能するとともに、冷房運転時には凝縮器として機能する室外側熱交換器とを含むヒートポンプサイクルを備えている空気調和機であって、
    前記ヒートポンプサイクルは、
    前記圧縮機と前記室内側熱交換器との間に配置された第2の室内側熱交換器と、
    前記圧縮機と前記室内側熱交換器との間に配置され、前記熱媒体が前記第2の室内側熱交換器を迂回して流れるバイパス経路と、
    前記バイパス経路に配置されたバルブと
    をさらに含み、
    運転開始時に、前記バルブは開となり、前記熱媒体は主として前記バイパス経路を流れる、空気調和機。
  2. 室温と設定温度との差が所定値よりも小さくなったら、前記バルブを閉にする、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 運転開始前の前記空気調和機の運転停止時間が長いほど、前記バイパス経路に主として前記熱媒体を流す時間を長くする、請求項1に記載の空気調和機。
  4. 運転開始前の前記空気調和機の運転停止中の外気温、または、運転開始前の前記空気調和機の運転停止中の前記圧縮機内の前記熱媒体の温度に基づいて、前記バイパス経路に主として前記熱媒体を流す時間を決定する、請求項1に記載の空気調和機。
  5. 室温と設定温度との差が第2の所定値よりも小さくなったら、
    前記室内側熱交換器内の前記熱媒体の温度に基づいて前記圧縮機の回転数を制御する、請求項1から4の何れか1項に記載の空気調和機。
  6. 前記バルブが閉のときに、
    前記室内側熱交換器に設けられている送風機の回転数を落とす、あるいは、該送風機の運転を停止する、請求項1から5の何れか1項に記載の空気調和機。
  7. 室温と設定温度との差が第3の所定値よりも小さくなったら、前記室内側熱交換器に設けられている送風機の運転を停止する、請求項1から6の何れか1項に記載の空気調和機。
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