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JP2018145151A - 多機能型ペプチドプローブ及びこれを用いた標的分子の選択的濃縮法 - Google Patents

多機能型ペプチドプローブ及びこれを用いた標的分子の選択的濃縮法 Download PDF

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JP2018145151A
JP2018145151A JP2017043134A JP2017043134A JP2018145151A JP 2018145151 A JP2018145151 A JP 2018145151A JP 2017043134 A JP2017043134 A JP 2017043134A JP 2017043134 A JP2017043134 A JP 2017043134A JP 2018145151 A JP2018145151 A JP 2018145151A
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peptide
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Nana Kawasaki
ナナ 川崎
悠葵 太田
Yuki Ota
悠葵 太田
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Abstract

【課題】従来のプローブが有する欠点・問題点がなく、生体分子に対しても使いやすいプローブを提供すること。
【解決手段】本願発明者らは、鋭意研究の結果、特定の配列・構造を有するペプチドプローブ(例えばCHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-G-K-G-X、XはL-プロパルギルグリシン)によって、親水性が向上して生理的条件での生体分子との反応が可能になるとともに、標的分子を樹脂担体から分離回収する際の切断手段の選択肢を増やし、標的分子の特性を考慮して切断手段を選択可能とし、高収率で標的分子を樹脂から分離回収可能になることを見出し、本願発明を完成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、主としてプロテオミクス、メタボロミクス、グライコミクスの分野で用いられる多機能型ペプチドプローブ、及びこれを用いた標的分子の選択的濃縮法に関する。
標的分子を濃縮する方法として、標的分子にアジド(N3)基を導入し、アルキンを持つプローブとそのアジド基をクリック反応(銅イオンを触媒とした環化反応)により共有結合させ、濃縮・回収する方法が知られている(非特許文献1)。ここで用いられるプローブは、樹脂との結合・分離が可能である必要がある。
非特許文献1記載の発明の特徴は、3-エチニルベンズアルデヒドをプローブとして用いたことであり、アルキン基がアジド基とクリック反応により共有結合を形成すること、アルデヒド基がヒドラジン基を持つ樹脂と共有結合すること、プローブと標的分子の複合体は、ヒドロキシアミン処理により樹脂から分離回収できることを特徴としている。
Nishikaze T, Kawabata S, Iwamoto S, Tanaka K.: Reversible hydrazide chemistry-based enrichment for O-GlcNAc-modified peptides and glycopeptides having non-reducing GlcNAc residues. Analyst. 2013 Dec 7;138(23):7224-32.
非特許文献1に記載の方法の欠点・問題点として、3-エチニルベンズアルデヒドの親水性が低く、生理的条件で生体分子と反応させることが容易でない点、及び、樹脂からの分離手段がヒドロキシアミンとの反応に限られるため、副反応が生じ、回収率がよくない点がある。本発明は、これらの問題点がなく、生体分子に対しても使いやすいプローブを提供することを目的とする。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、特定の配列・構造を有するペプチドプローブによって、親水性が向上して生理的条件での生体分子との反応が可能になるとともに、標的分子を樹脂担体から分離回収する際の切断手段の選択肢を増やし、標的分子の特性を考慮して切断手段を選択可能とし、高収率で標的分子を樹脂から分離回収可能になることを見出し、以下の発明を完成した。
(1) 下記式(I)〜(III)のいずれかで表される構造を有するペプチドプローブ。
Xa-Xn1-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn2-Lys-Xb-Xn3-Xc ・・・式(I)
Xa-Xn1-Lys-Xb-Xn2-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn3-Xc ・・・式(II)
Xa-Xn1-Lys-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn2-Xc ・・・式(III)
(式中、
Xn1は、n1個のアミノ酸(n1=0〜10)であり、
Xn2は、n2個のアミノ酸(n2=0〜10)であり、
Xn3は、n3個のアミノ酸(n3=0〜10)であり、
Xaは、フォルミル基で置換された又は置換されていないアミノ酸であり、
Xbは、プロリン以外のアミノ酸であり、
Xcは、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキニル基で置換されたアミノ酸、アジド基若しくは−R−アジド基(Rは炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキレン基)で置換されたアミノ酸、又は特異結合性分子である。)
(2) 特異結合性分子が、アビジン、ストレプトアビジン、脱グリコシル化アビジン、又はビオチンである、(1)記載のペプチドプローブ。
(3) 式(I)〜(III)において、Xcが前記アルキニル基で置換されたアミノ酸である、(1)記載のペプチドプローブ。
(4) 前記アルキニル基がエチニル基、プロピニル基、直鎖若しくは分枝のブチニル基、又は直鎖若しくは分枝のペンチニル基である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
(5) 式(I)〜(III)において、n2及びn3が0である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
(6) 式(I)で表される構造を有する、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
(7) Xaがフォルミル基で置換されたアミノ酸である、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
(8) Xa-Gly-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Lys-Gly-Xc(Xaはフォルミル基で置換されたシステイン)で表される構造を有する、(7)記載のペプチドプローブ。
(9) (1)〜(6)のいずれか1項に記載のペプチドプローブと液体試料中の標的分子を接触させ、ペプチドプローブのC末端に標的分子を結合させる工程、
前記ペプチドプローブのN末端を樹脂担体上に結合させる工程、
固液分離により樹脂担体を回収し、樹脂担体を洗浄する工程、
樹脂担体−ペプチドプローブ−標的分子の複合体をTEVプロテアーゼ、トリプシン若しくはリジルエンドペプチダーゼで消化してペプチドプローブを切断することにより、標的分子を樹脂から分離し回収する工程
を含む、標的分子の選択的濃縮方法。
(10) (7)又は(8)記載のペプチドプローブと液体試料中の標的分子を接触させ、ペプチドプローブのC末端に標的分子を結合させる工程、
前記ペプチドプローブのN末端を樹脂担体上に結合させる工程、
固液分離により樹脂担体を回収し、樹脂担体を洗浄する工程、
樹脂担体−ペプチドプローブ−標的分子の複合体をTEVプロテアーゼ、トリプシン若しくはリジルエンドペプチダーゼで消化してペプチドプローブを切断するか、又はヒドロキシアミンと反応させて樹脂担体とペプチドプローブの結合を解離させることにより、標的分子を樹脂から分離し回収する工程
を含む、標的分子の選択的濃縮方法。
(11) 前記ペプチドプローブは、Xcが炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキニル基で置換されたアミノ酸であり、標的分子がOGlcNAcを有する分子であり、標的分子のOGlcNAcにアジド基を導入した後、銅触媒下でクリック反応を進行させ、ペプチドプローブと標的分子を結合させる、(9)又は(10)記載の方法。
本発明により、生体分子などの所望の標的分子を生理的条件下で高選択的・高収率で回収できる手段が提供される。本発明のペプチドプローブは標的分子に対する特異性が非常に高く、液体試料中の標的分子を高い収率で分離回収できる。また本発明のペプチドプローブは多機能型であり、標的分子を樹脂担体上に捕捉した後、樹脂から標的分子を分離回収する際の切断手段が複数存在するので、標的分子の特性に応じてより良好な切断手段を選択できる。
本発明のペプチドプローブの製造手順を説明する図である。
本発明において、「アミノ酸」という語は、典型的には、天然のタンパク質中に見いだされる20種の通常アミノ酸(アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン)をいう。
特異結合性分子とは、特定の物質と特異的に結合する分子であり、結合パートナーの両方を包含する。具体例として、抗体とその対応抗原、アプタマーとその標的物質、アビジン−ビオチン系分子(アビジン、ストレプトアビジン、脱グリコシル化アビジン、ビオチン等)、ジンクフィンガーのような核酸結合ドメインとその標的核酸配列等を挙げることができる。
本発明の多機能型ペプチドプローブは、下記式(I)〜(III)のいずれかで表される構造を有する。
Xa-Xn1-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn2-Lys-Xb-Xn3-Xc ・・・式(I)
Xa-Xn1-Lys-Xb-Xn2-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn3-Xc ・・・式(II)
Xa-Xn1-Lys-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn2-Xc ・・・式(III)
式中、
Xn1は、n1個のアミノ酸(n1=0〜10)であり、
Xn2は、n2個のアミノ酸(n2=0〜10)であり、
Xn3は、n3個のアミノ酸(n3=0〜10)であり、
Xaは、フォルミル基で置換された又は置換されていないアミノ酸であり、
Xbは、プロリン以外のアミノ酸であり、
Xcは、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキニル基で置換されたアミノ酸(以下、「アルキニル基置換アミノ酸」ということがある)、アジド基若しくは−R−アジド基(Rは炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキレン基)で置換されたアミノ酸(以下、「アジド基置換アミノ酸」ということがある)、又は特異結合性分子である。
式(I)〜(III)のペプチド配列中、Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Glyはタバコモザイクウイルスが有するプロテアーゼであるTEVプロテアーゼの認識配列であり、TEVプロテアーゼによってGln-Gly間で切断することができる。式(I)におけるC末端側及び式(III)におけるN末端側のLys-Xbは、Lys-Cペプチダーゼによる切断部位として設けられており、トリプシンによる切断も可能である。式(III)では、N末側のLys-GluにおいてLys-Cペプチダーゼ又はトリプシンによる切断が可能である。Xaは、主として樹脂担体への結合に利用される残基である。Xcは、標的分子を捕捉するための構造部分である。
Xn1、Xn2、Xn3のアミノ酸の個数は特に限定されないが、合成コスト等の観点から少数であることが好ましい。従って、n1、n2及びn3は、それぞれ0〜10であり、好ましくは0〜7、より好ましくは0〜5、さらに好ましくは0〜3、例えば1又は0である。例えば、n1が1、n2及びn3が0であり得る。
Xaのアミノ酸は特に限定されない。フォルミル基で置換されていてもよいし、フォルミル基で置換されていないアミノ酸であってもよい。フォルミル基で置換されたアミノ酸である場合、アミノ酸分子中に少なくとも1つ、例えば1つのフォルミル基が導入されていればよい。側鎖の官能基がフォルミル基に変換されていてもよいし、分子中のいずれかの水素原子がフォルミル基に置き換わっていてもよい。また、フォルミル基以外の構造もフォルミル基と一緒にN末端残基に導入されていてもよい。
Lys-Xb部分のLys-Cペプチダーゼによる切断を可能とするため、Xbはプロリン以外のアミノ酸とする。
Xcのうちのアルキニル基置換アミノ酸において、アルキニル基の炭素数は好ましくは2〜7、より好ましくは2〜5である。またアルキニル基としては直鎖状のものが好ましい。アルキニル基の具体例として、エチニル基、プロピニル基(プロパルギル基ともいう)、直鎖若しくは分枝の、好ましくは直鎖のブチニル基、又は直鎖若しくは分枝の、好ましくは直鎖のペンチニル基を挙げることができるが、これらに限定されない。アミノ酸はいかなるアミノ酸であってもよい。
Xcのうちのアジド基置換アミノ酸において、−R−アジド基のRの炭素数は少ないことが一般には好ましく、例えば炭素数は好ましくは1〜7、より好ましくは1〜5、さらに好ましくは1〜3である。アミノ酸はいかなるアミノ酸であってもよい。
Xcのうちの特異結合性分子としては、アビジン、ストレプトアビジン、脱グリコシル化アビジン、ビオチン等のアビジン−ビオチン系分子が好ましい。
Xcとしては、アルキニル基置換アミノ酸が好ましい。
式(I)〜(III)の中でも、式(I)の構造を有するペプチドプローブを好ましく使用し得る。式(I)の中でも特に好ましいペプチドプローブとして、下記構造のペプチドプローブを挙げることができる。
Xa-Gly-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Lys-Gly-Xc ・・・式(I')
(式(I')中、Xaはフォルミル基で置換されたシステインであり、Xcは上記アルキニル基で置換されたアミノ酸である)
式(I')は、式(I)においてXn1がGlyであり、Xn2及びXn3が存在せず(n2及びn3が0)、Xbがグリシンであり、Xcが上記アルキニル基で置換されたアミノ酸であるペプチドプローブ構造である。Xcのアルキニル基置換アミノ酸の好ましい例は式(I)と同様である。このようなペプチドプローブの好ましい具体例の1つとして、下記実施例で合成されているCHO置換Cys-Gly-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Lys-Gly-L-プロパルギルグリシン(配列番号1)を挙げることができる。CHO置換Cysとは、フォルミル基で置換されたシステインであり、例えばCys側鎖の-SH基が-CHO基に置き換わったアミノ酸誘導体を挙げることができる。Xcはプロパルギルグリシンに限定されるものではなく、Xcのアルキニル基置換アミノ酸の好ましい例としては、例えば、プロピニル基で置換されたアミノ酸や、上記定義の通りのアルキニル基で置換されたグリシンを挙げることができる。
本発明のペプチドプローブの製造では、まずペプチド部分を合成した後、必要に応じてN末の残基にフォルミル基(-CHO)を導入すればよい。Xcがアルキニル基置換アミノ酸又はアジド基置換アミノ酸の場合、ペプチド合成においてこれらのアミノ酸をC末端アミノ酸残基として使用すればよい。Xcが特異結合性分子の場合、ペプチド合成後にC末端残基に特異結合性分子を結合させればよい。
ペプチド部分の合成は、固相合成法により行なえばよい。固相合成法自体は周知の常法である(例えば、九州大学大学院工学研究院片山研究室著「ペプチ道」、平成26年10月公開;B. Dorner, P. White編「固相合成ハンドブック」、メルク、2002年5月などを参照)。まず、Nαアミノ基や側鎖が適当な保護基で保護されたC末端アミノ酸を適当な固相樹脂上に導入し、Nαアミノ基を脱保護した後、次の保護アミノ酸を導入し、順次Nαアミノ基の脱保護と保護アミノ酸の導入を繰り返せばよい。N末端のアミノ酸まで導入したら側鎖を脱保護し、樹脂からペプチドを切断する。
Nαアミノ基の保護にはFmoc基やBoc基を使用できるが、本発明のペプチドプローブの製造では、脱保護条件が穏やかで(ピぺリジンなどの弱塩基で脱保護できる)高い品質・収量を得られるFmoc基による方法を好ましく用いることができる。側鎖保護に用いる保護基も周知であり、Fmoc法の場合はt-ブチルアルコール系の保護基(tBuなど)を利用できる。Fmoc法に用いるための、側鎖が適当な保護基で保護されたNα基Fmoc化アミノ酸が市販されているので、そのような市販品を好ましく用いることができる。
ペプチドのN末端へのフォルミル基導入は、N末端とするアミノ酸残基の種類に応じて適当な方法を用いればよい。N末端がCysの場合、3-(4-formylphenyl)propiolonitrileを用いてN末端のCysのスルフヒドリル基を高収率でフォルミル化することができる。N末端がCys以外のアミノ酸の場合には、固相合成樹脂から切り出す前に、分子内にフォルミル基とカルボン酸を有する分子(例えば4-ホルミル安息香酸など)をペプチドのN末端に脱水縮合することにより、N末端にフォルミル基を導入することができる。この場合はフォルミル基以外の構造もN末端残基に導入されるが、そのようなアミノ酸誘導体も「フォルミル基で置換されたアミノ酸」という語に包含されるものとする。
Xcが特異結合性分子の場合には、合成したペプチドのC末端残基に特異結合性分子を結合させる。このステップは通常、ペプチドN末端へのフォルミル基導入の前に行われる。特異結合性分子がタンパク質の場合、ペプチドのC末端残基が有する官能基と特異結合性分子の官能基を利用して両者を結合できる。ビオチンの場合、所望の分子をビオチン標識するための試薬キット類が種々市販されており、本発明でもそのような市販品を好ましく用いることができる。
本発明のペプチドプローブは、種々の所望の標的分子を選択的に分離濃縮するために用いることができる。特に限定されないが、中でもとりわけ糖タンパク質・糖ペプチドの選択的濃縮に好ましく用いることができる。本発明のペプチドプローブによれば、試料中の目的の糖タンパク質・糖ペプチドを液体クロマトグラフィーや質量分析での分析に適した状態で選択的に分離濃縮することができる。
本発明のペプチドプローブを用いた標的分子の選択的濃縮方法では、まず、本発明のペプチドプローブを液体試料中の標的分子と接触させ、Xc部分の構造を利用してペプチドプローブのC末端に標的分子を結合させる。液体試料中の標的分子は、直接的又は間接的にペプチドプローブC末端に結合する。この結合に先立ち、通常、標的分子がプローブC末端のXc部分の構造に結合できるよう、標的分子側にはXc部分の構造に応じた修飾処理を施す。
ペプチドプローブC末端に標的分子を結合させた後、ペプチドプローブのN末端を樹脂担体上に結合させる。
プローブN末端にフォルミル基(-CHO)が存在する場合には、フォルミル基を利用して樹脂担体に結合すればよい。ヒドラジン修飾された樹脂を用いれば、樹脂上のNH-NH2とペプチドプローブの-CHOとの間で共有結合(ヒドラジド結合)が形成され、樹脂担体上にペプチドプローブ−標的分子複合体が捕捉される。そのような樹脂は公知であり、市販品も存在する。
プローブN末端にフォルミル基が存在しない場合には、N末端残基の種類に応じて適当な手段を採用すればよい。例えばN末端がシステインの場合、Iodoacetyl基を有する樹脂を用いて、システインのSH基を介して樹脂上に結合すればよい。N末端がシステイン以外の残基の場合には、4-Hydroxysuccinimidylで活性化されたカルボン酸を有する樹脂を用いて、N末端残基のNH2を介して樹脂上に結合すればよい。いずれの樹脂も公知であり、市販品も存在する。
複合体を樹脂担体上に捕捉後、固液分離により樹脂担体を回収し、洗浄して未反応の分子を除去する。
次いで、樹脂担体−ペプチドプローブ−標的分子の複合体をTEVプロテアーゼ、トリプシン若しくはリジルエンドペプチダーゼで消化してペプチドプローブを切断することにより、標的分子を樹脂担体から分離し回収する。N末端にフォルミル基を有するプローブを用いて、ヒドラジド結合によりヒドラジン修飾樹脂上に結合させた場合には、これらの酵素による消化に加え、ヒドロキシアミンと反応させて樹脂担体とペプチドプローブの結合を解離させることによって標的分子を切り出すという手段も選択することができる。TEVプロテアーゼ、トリプシン又はリジルエンドペプチダーゼは、標的分子のアミノ酸配列に応じて、標的分子を切断しない適当な1つ又は2つ以上を選択すればよい。ヒドロキシアミンによる結合解離と酵素切断を組み合わせて行っても差し支えない。以上により、液体試料中の所望の標的分子を選択的に濃縮回収することができる。
以下、本発明による選択的濃縮方法の好ましい態様の1つである、アルキンとアジドとの間のクリック反応(銅触媒アジド−アルキン環化付加反応; Cu-Catalyzed Azide Alkyne Cycloaddition (CuAAC))を利用してペプチドプローブと標的分子を結合する選択的濃縮について説明する。CuAACは、室温程度の水中で進行し、多数の他の分子が共存してもほとんど反応が阻害されずスムーズに進行する等の利点があり、生命科学分野をはじめ様々な分野で汎用されるようになってきている。
この態様における標的分子の好ましい例は、OGlcNAc(O-結合型N-アセチルグルコサミン)を有する分子である。OGlcNAcは、タンパク質分子中のSer残基とThr残基のヒドロキシル基にO-グリコシド結合している糖である。OGlcNAcを有する分子は、O結合型糖鎖を有する糖タンパク質をトリプシン等で消化してペプチドに断片化し、かつ、ペプチド上に1残基のOGlcNAc(このOGlcNAcには1残基のフコースが結合していてもよい)を残して糖鎖を切断処理した糖ペプチドであってよい。糖タンパク質をペプチドに断片化後、Endo F1, Endo F2, Endo F3, Endo M, Endo H等のエンドグリコシダーゼと反応させることで、ペプチド上に1残基のOGlcNAc(あるいは1残基のOGlcNAc+1残基のフコース)を残して糖鎖を切断することができる。液体クロマトグラフィーや質量分析の前処理として本選択的濃縮方法を実施する場合、OGlcNAcを有する分子は典型的にはこのようなOGlcNAc結合ペプチドである。
クリック反応を利用するには、ペプチドプローブとして、Xc部分にC≡C結合を有するもの、すなわちXcがアルキニル基置換アミノ酸であるものを用い、かつ、標的分子側にアジド基を持たせる必要がある。タンパク質・ペプチド上にOGlcNAc末端が存在すれば、GalT(Y289L)酵素(β-1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ)によりOGlcNAc上にGalNAz(N-ガラクトサミンアジド)を結合できるので、これにより標的分子のOGlcNAcにアジド基を導入することができる。
標的分子のOGlcNAcにアジド基を導入した後、銅触媒下でクリック反応(CuAAC)を生じさせ、ペプチドプローブC末端のアルキニル基と標的分子のアジド基を共有結合させる。これ以後の樹脂担体との結合、固液分離、ペプチドプローブの切断等の工程は、先に述べた通りに実施すればよい。標的分子を含む液体試料が、上記の通りO結合型糖タンパク質をトリプシン処理して調製した試料である場合には、標的分子は既にトリプシン消化を受けているため、ペプチドプローブの切断にはトリプシンも不都合なく使用することができる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
1. ペプチドプローブの合成
CHO置換Cys-Gly-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Lys-Gly-X(X=L-プロパルギルグリシン)(配列番号1)は、下記の手順(図1)で合成した。
(1) 樹脂Wang resin(ヒドロキシ樹脂)をジクロロメタンで一晩膨潤させる。N-Fmoc化L-プロパルギルグリシン及びジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N-ジメチル-4-アミノピリジン(DMAP)をジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、膨潤させた樹脂に添加し4℃で30分攪拌することにより、樹脂上にN-Fmoc-L-プロパルギルグリシンを導入する。未反応のヒドロキシ基は無水安息香酸でベンゾイル化する。樹脂はDMF等で洗浄する。
(2) ピペリジンのDMF溶液を加えて室温で15分間振とうし、Fmocを脱保護する。樹脂はDMFで洗浄する。
(3) N-Fmoc-Glyを縮合剤カクテル(*)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)とともにL-プロパルギルグリシン-Wang resinに添加する。室温で15分振とうし、N-Fmoc-Gly-L-プロパルギルグリシン-Wang resinとする。未反応アミノ基は無水酢酸によりアセチル化する。
(*) 縮合剤カクテル:1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HTBU)及び1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾルをDMFに溶解したもの。
(4) ピペリジンのDMF溶液を加えて室温で15分間振とうし、Fmocを脱保護する。樹脂はDMFで洗浄する。
(5) αN-Fmoc, εN-Boc-Lysを縮合剤カクテルに溶解し、DIEAとともにGly-L-プロパルギルグリシン-Wang resinに添加する。室温で15分振とうし、αN-Fmoc,εN-Boc-Lys-Gly-L-プロパルギルグリシン-Wang resinとする。未反応アミノ基は無水酢酸によりアセチル化する。
(6) 以下同様にFmoc-Gln(Trt), Fmoc-Phe, Fmoc-Tyr(PO(Obzl)OH), Fmoc-Leu, Fmoc-Asn(Trt), Fmoc-Glu(OtBu), Fomc-Gly, Fmoc-Cys(Trt)の順にペプチドを伸長させ、Fmoc-Cys(Trt)-Gly-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Leu-Tyr(PO(Obzl)OH)-Phe-Gln(Trt)-Gly-εN-Boc-Lys--L-プロパルギルグリシン-Wang resinとする。
(7) ピペリジンのDMF溶液を添加して脱Fmoc化し、Cys(Trt)-Gly-Glu(OtBu)-Asn(Trt)-Leu-Tyr(PO(Obzl)OH)-Phe-Gln(Trt)-Gly-εN-Boc-Lys--L-プロパルギルグリシン-Wang resinとする。
(8) TFAを添加し、側鎖の脱保護及び脱樹脂を行う。
(9) 3-(4-formylphenyl)propiolonitrileを用いてN末端のCysのスルフヒドリルをフォルミル化する。
同様の手順で他の配列のペプチドプローブも合成した(配列番号2〜9、X=L-プロパルギルグリシン)。N末端がCysではないペプチドには、側鎖の脱保護及び脱樹脂の前に、分子内にフォルミル基とカルボン酸を有する分子(例えば4-ホルミル安息香酸)をN端残基に脱水縮合することにより、ペプチドN末端にフォルミル基を導入することができる。合成したプローブはすべてMALDI-TOF-MS (autoflex, Bruker社) を用いて測定することで正しく合成できていることを確認した。
CHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-G-K-G-X(配列番号1)
CHO置換G-E-N-L-Y-F-Q-X(配列番号2)
CHO置換G-E-N-L-Y-F-Q-G-X(配列番号3)
CHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-G-K-X(配列番号4)
CHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-G-X(配列番号5)
CHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-X(配列番号6)
CHO置換C-R-R-R-R-Pentynoic acid(配列番号7)
CHO置換C-G-G-K-G-Pentynoic acid(配列番号8)
CHO置換C-G-G-K-Pentynoic acid(配列番号9)
2.ペプチドプローブを用いたOGlcNAc結合ペプチドの選択的濃縮
Thermo社からOGlcNAcペプチド標品 (H-Thr-Ala-Pro-Thr-(O-GlcNAc)Ser-Thr-Ile-Ala-Pro-Gly-OH) を購入した。この1 pmolのOGlcNAcペプチド標品を100 pmolの牛アルブミントリプシン消化物に添加し、Thermo社のClick-IT(登録商標) O-GlcNAc Enzymatic Labeling Systemを用いてOGlcNAcペプチド標品を選択的にアジド標識した。余剰の試薬は逆相カラムで取り除いた。ここに、2.5μgのCHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-G-K-G-X(配列番号1)を含む45μLのt-butyl alcohol/水 1:1 を加え、アジド標識されたO-GlcNAcペプチド標品を溶解させた。ここに、一価銅のキレート材であるTris[(1-benzyl-1H-1, 2, 3-triazol-4-yl)methyl]amineと硫酸銅をそれぞれ500 nMと100 nMとなるように加え、5μLの100 mM アスコルビン酸を加え、二価銅を還元し一価銅を生成させることでazide-alkyne Huisgen cycloaddition (クリック反応) を開始した。4時間後、余剰のCHO置換C-G-E-N-L-Y-F-Q-G-K-G-Xを1 mgのbenzenesulfonyl azide functionalized silica gelを加えこのレジンに吸着させた。アジド標識されたOGlcNAcペプチド標品を含む上清を50μLのヒドラジドレジンと混合し、4時間室温で放置し、クリック反応によりアジド標識されたOGlcNAcペプチド標品とプローブが結合したものだけをヒドラジドレジンに固定した。このレジンを牛アルブミントリプシン消化物を除くために3回1 mLの蒸留水で洗浄した後、10 ngのtrypsin/LysC Mix (Promega社)を含む50μL 50 mM重炭酸アンモニウムで処理 (摂氏37度、16時間) することで目的のOGlcNAcペプチド標品を切り出した。目的のOGlcNAcペプチド標品を、牛アルブミントリプシン消化物から精製できていることが、nanoLC/MS/MSでの測定で確認された。

Claims (11)

  1. 下記式(I)〜(III)のいずれかで表される構造を有するペプチドプローブ。
    Xa-Xn1-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn2-Lys-Xb-Xn3-Xc ・・・式(I)
    Xa-Xn1-Lys-Xb-Xn2-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn3-Xc ・・・式(II)
    Xa-Xn1-Lys-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Xn2-Xc ・・・式(III)
    (式中、
    Xn1は、n1個のアミノ酸(n1=0〜10)であり、
    Xn2は、n2個のアミノ酸(n2=0〜10)であり、
    Xn3は、n3個のアミノ酸(n3=0〜10)であり、
    Xaは、フォルミル基で置換された又は置換されていないアミノ酸であり、
    Xbは、プロリン以外のアミノ酸であり、
    Xcは、炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキニル基で置換されたアミノ酸、アジド基若しくは−R−アジド基(Rは炭素数1〜10の直鎖又は分枝のアルキレン基)で置換されたアミノ酸、又は特異結合性分子である。)
  2. 特異結合性分子が、アビジン、ストレプトアビジン、脱グリコシル化アビジン、又はビオチンである、請求項1記載のペプチドプローブ。
  3. 式(I)〜(III)において、Xcが前記アルキニル基で置換されたアミノ酸である、請求項1記載のペプチドプローブ。
  4. 前記アルキニル基がエチニル基、プロピニル基、直鎖若しくは分枝のブチニル基、又は直鎖若しくは分枝のペンチニル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
  5. 式(I)〜(III)において、n2及びn3が0である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
  6. 式(I)で表される構造を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
  7. Xaがフォルミル基で置換されたアミノ酸である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のペプチドプローブ。
  8. Xa-Gly-Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln-Gly-Lys-Gly-Xc(Xaはフォルミル基で置換されたシステイン)で表される構造を有する、請求項7記載のペプチドプローブ。
  9. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のペプチドプローブと液体試料中の標的分子を接触させ、ペプチドプローブのC末端に標的分子を結合させる工程、
    前記ペプチドプローブのN末端を樹脂担体上に結合させる工程、
    固液分離により樹脂担体を回収し、樹脂担体を洗浄する工程、
    樹脂担体−ペプチドプローブ−標的分子の複合体をTEVプロテアーゼ、トリプシン若しくはリジルエンドペプチダーゼで消化してペプチドプローブを切断することにより、標的分子を樹脂から分離し回収する工程
    を含む、標的分子の選択的濃縮方法。
  10. 請求項7又は8記載のペプチドプローブと液体試料中の標的分子を接触させ、ペプチドプローブのC末端に標的分子を結合させる工程、
    前記ペプチドプローブのN末端を樹脂担体上に結合させる工程、
    固液分離により樹脂担体を回収し、樹脂担体を洗浄する工程、
    樹脂担体−ペプチドプローブ−標的分子の複合体をTEVプロテアーゼ、トリプシン若しくはリジルエンドペプチダーゼで消化してペプチドプローブを切断するか、又はヒドロキシアミンと反応させて樹脂担体とペプチドプローブの結合を解離させることにより、標的分子を樹脂から分離し回収する工程
    を含む、標的分子の選択的濃縮方法。
  11. 前記ペプチドプローブは、Xcが炭素数2〜10の直鎖若しくは分枝のアルキニル基で置換されたアミノ酸であり、標的分子がOGlcNAcを有する分子であり、標的分子のOGlcNAcにアジド基を導入した後、銅触媒下でクリック反応を進行させ、ペプチドプローブと標的分子を結合させる、請求項9又は10記載の方法。
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