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JP2019085129A - 無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法 - Google Patents

無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法 Download PDF

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JP2019085129A
JP2019085129A JP2017212661A JP2017212661A JP2019085129A JP 2019085129 A JP2019085129 A JP 2019085129A JP 2017212661 A JP2017212661 A JP 2017212661A JP 2017212661 A JP2017212661 A JP 2017212661A JP 2019085129 A JP2019085129 A JP 2019085129A
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美啓 宮原
Yoshihiro Miyahara
美啓 宮原
勇人 秋山
Hayato Akiyama
勇人 秋山
真奈 山中
Mana Yamanaka
真奈 山中
佐藤 嘉則
Yoshinori Sato
嘉則 佐藤
原田 学
Manabu Harada
学 原田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

【課題】無菌充填機で使用される過酢酸を含む殺菌剤の廃棄量を極力抑えることができる無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法を提供する。【解決手段】チャンバー内の殺菌に使用する少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置を設け、回収した殺菌剤を、回転体のシール及び排出コンベヤの殺菌に使用し、さらに再度チャンバー内の殺菌に使用する。【選択図】図5

Description

本発明は、殺菌されたボトルに殺菌された飲料等を無菌雰囲気で充填、密封する無菌充填機において、無菌充填機のチャンバー内を殺菌する殺菌剤を回収し、殺菌剤を再利用する無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法に関する。
従来、プリフォームを連続走行させながら、当該プリフォームを加熱炉内に導入し、加熱炉内でプリフォームを容器に成形するための温度まで加熱し、加熱されたプリフォームに気体を吹き込み、ボトルに成形し、当該ボトルを殺菌し、殺菌された内容物を充填し、殺菌されたキャップにより密封する、容器の殺菌装置が提案されている(特許文献1)。また、プリフォームを殺菌し、殺菌されたプリフォームをボトルに成形するための温度まで加熱し、加熱されたプリフォームに気体を吹き込みボトルに成形し、成形されたボトルに殺菌された内容物を充填し、内容物が充填されたボトルを殺菌されたキャップにより密封する容器の殺菌装置も提案されている(特許文献2)。
このような無菌充填機において、装置の無菌性を確保するために殺菌剤が多用されている。先ず、無菌充填機を運転する前に、ボトルを殺菌する殺菌部、殺菌されたボトルに内容物を充填する充填部、内容物が充填されたボトルを密封する密封部のような各部を遮蔽するチャンバー内を殺菌剤により殺菌している(特許文献3)。また、前述のように成形されたボトルや成形前のプリフォームを殺菌するために殺菌剤が使用される。
さらに、充填部の回転体下部の無菌雰囲気と非無菌雰囲気とのシールにも殺菌剤が使用されている(特許文献4)。また、密封されたボトルを無菌雰囲気から非無菌雰囲気に排出するコンベヤを殺菌液に浸漬することで、非無菌雰囲気の菌等を無菌雰囲気に持ち込まないようにしている(特許文献5)。この充填部のシールとコンベヤ浸漬に使用する殺菌液を単一の貯留槽に貯留して循環することも提案されている(特許文献6)。
上述のチャンバー内殺菌については、例えば、特許文献3では過酸化水素や過酢酸を霧状にチャンバー内に散布することにより、チャンバー内を殺菌している。また、特許文献7では次亜塩素酸と界面活性剤とpH調整剤を含有する殺菌剤がチャンバー内の殺菌に使用されている。さらに、特許文献8では、過酢酸500ppm〜4000ppm、過酸化水素2%〜35%を含む過酢酸系殺菌剤がチャンバー内殺菌に使用されている。
特開2010−189023号公報 特開2015−116814号公報 特開平11−208782号公報 特開平9−110094号公報 特開平11−79385号公報 特開2014−51304号公報 特開2002−332019号公報 特開2010−189034号公報
ボトルの無菌充填機には、プリフォームを供給し、プリフォームをボトルに成形後、当該ボトルを殺菌し、無菌雰囲気で内容物を充填し、密封する形態と、プリフォームを供給し、当該プリフォームを殺菌し、殺菌されたプリフォームを成形して得たボトルに、無菌雰囲気で内容物を充填し、密封する形態がある。いずれの無菌充填機も、無菌充填機を構成する各部を遮蔽するチャンバー内の殺菌、ボトルやプリフォームの殺菌、充填部や密封部等の回転体下部の無菌雰囲気と非無菌雰囲気とのシール、及び無菌雰囲気から非無菌雰囲気にボトルを排出するコンベヤの浸漬に殺菌剤が使用されている。これらの工程で使用される殺菌剤は使用後に廃棄されている。
ボトルやプリフォームの殺菌には過酸化水素を高濃度に含有する過酸化水素水が多用されているが、その他の用途には過酢酸を主成分として含む殺菌剤が使用されている。過酢酸を主成分として含む殺菌剤は、過酢酸、過酸化水素、酢酸及び水からなり、これらが平衡状態にある。この過酢酸を含む殺菌剤を処理せずに廃棄すると、食品工場の廃水処理施設である活性汚泥内の微生物を死滅させ、活性汚泥の生物処理能力を低下させることとなる。そのため、過酢酸と過酸化水素を分解してから処理しなければならない。過酢酸と過酸化水素を分解するには、アルカリで中和する、還元剤を添加する、カタラーゼを添加する、活性炭を通す、遷移金属触媒と接触させる等の方法があり、2種以上の方法を併用することもある。さらに、過酢酸と過酸化水素を分解しても、酢酸が高濃度に含まれているため酢酸イオンをイオン交換樹脂で除去することも行われている。
このように過酢酸を含む殺菌剤を廃棄するために、廃棄の前処理を行う設備費用とランニングコストが過大となっている。従来のように、過酢酸を含む殺菌剤を使用目的ごとに使用後に廃棄すると、廃棄量が多くなるため、できる限り、過酢酸を含む殺菌剤の廃棄量を極小化することが求められている。
過酸化水素は分解して水と酸素となるため、その後の処理は必要ないが、過酢酸は分解して生成する酢酸をさらに処理しなければならない。過酢酸の処理量を減らすためには、殺菌剤に含まれる過酢酸を極小化することも求められる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、無菌充填機において、設備の殺菌に使用される過酢酸を含む殺菌剤の過酢酸濃度を低くし、殺菌剤の使用後、使用した殺菌剤を回収し再利用することで、過酢酸を含む殺菌剤の廃棄量を極力抑えることができる無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法を提供することを目的とする。
本発明に係る無菌充填機は、無菌雰囲気で、殺菌されたボトルに殺菌された内容物を充填し、殺菌された密封部材により密封する無菌充填機であって、前記無菌充填機が前記無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、前記チャンバー内を殺菌するために、前記チャンバー内に設けられた殺菌剤噴霧装置により噴霧される少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填機は、前記殺菌剤回収装置が、前記チャンバーの底部に設けられた排出口から前記殺菌剤を回収する殺菌剤回収ポンプ、及び回収された殺菌剤を貯留する回収殺菌剤タンクを備えると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機は、前記回収殺菌剤タンクから、前記回収された殺菌剤を、ホイール下部の無菌雰囲気と非無菌雰囲気を隔絶する回転体シール用プール、及び密封後の前記ボトルを無菌雰囲気から非無菌雰囲気に排出するコンベヤの無菌性を維持するためのコンベヤ浸漬プールのいずれか一方又は双方に供給する回収殺菌剤供給装置を備えると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機は、前記回収殺菌剤タンクから、前記回収された殺菌剤を、前記殺菌剤噴霧装置に供給する回収殺菌剤供給装置を備えると好適である。
また、本発明に係る無菌充填機は、前記回収殺菌剤タンクが、前記回収された殺菌剤の過酢酸濃度及び過酸化水素濃度を一定範囲に保持する殺菌剤濃度調整装置を備え、当該殺菌剤濃度調整装置が少なくとも前記回収殺菌剤タンクに貯留された前記回収された殺菌剤の前記過酢酸濃度及び前記過酸化水素濃度を測定する過酢酸濃度測定装置及び過酸化水素濃度測定装置により測定された濃度に基づき、前記過酢酸濃度及び前記過酸化水素濃度を調整する過酢酸濃度調整ポンプ及び過酸化水素濃度調整ポンプを備えることを特徴とする無菌充填機。
本発明に係る無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法は、無菌雰囲気で、殺菌されたボトルに殺菌された内容物を充填し、殺菌された密封部材により密封する無菌充填機であって、前記無菌充填機が前記無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、前記チャンバー内を殺菌するために前記チャンバー内に噴霧された少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤を回収し、回収された前記殺菌剤を、ホイール下部の無菌雰囲気と非無菌雰囲気を隔絶する回転体のシール、密封後の前記ボトルを無菌雰囲気から非無菌雰囲気に排出するコンベヤの浸漬、前記チャンバー内の殺菌のいずれか1又は2以上に利用することを特徴とする。
また、本発明に係る無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法は、前記回収された殺菌剤の前記過酢酸及び前記過酸化水素の濃度を測定し、前記回収された殺菌剤の前記過酢酸及び前記過酸化水素の濃度を一定範囲に保持することを特徴とする無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法。
本発明の無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法によれば、無菌充填機のチャンバー内の殺菌に使用する殺菌剤をその都度廃棄せず、回収して無菌充填機の他の部位で使用する殺菌剤として充当し、さらに、チャンバー内の殺菌にも再利用することで、廃棄する殺菌剤の量を極力抑えることができる。また、殺菌剤に含まれる過酢酸を低濃度とし、過酸化水素を高濃度として殺菌性を高めることにより、廃棄する殺菌剤中の過酢酸の量を抑えることができる。結果として、殺菌剤の廃棄のための設備費用及びランニングコストを低減することができる。
本発明の実施の形態に係る無菌充填機の一例の概略を示す平面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機におけるボトルの成形工程を示し、(A)はプリフォーム供給工程を、(B)はプリフォームの加熱工程を、(C)はプリフォームのボトルへの成形工程を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機における殺菌、充填及び密封工程を示し、(D)は成形されたボトルの殺菌工程を、(E)は殺菌されたボトルのエアリンス工程を、(F)はボトルへの内容物の充填工程を、(G)は内容物が充填されたボトルの密封工程を示す。 従来の無菌充填機の各チャンバーの殺菌装置の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機が備える殺菌剤回収装置及び回収殺菌剤供給装置を示す。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機の充填部の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機の排出部の一例を示す側面図である。 本発明の実施の形態に係る無菌充填機が備える過酢酸濃度調整装置及び過酸化水素濃度調整装置の一例を示す。
以下に本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
最初にプリフォームの供給から加熱部、成形部、殺菌部、充填部、密封部及び排出部からなる無菌充填機の概要を図1により説明し、各部を遮蔽するチャンバー内を殺菌する殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置、回収した殺菌剤を供給する回収殺菌剤供給装置及び回収された殺菌剤中の過酢酸及び過酸化水素の濃度を調整する過酢酸濃度調整装置及び過酸化水素濃度調整装置について、図5、図6、図7、及び図8により説明する。この実施の形態によれば、無菌充填機のチャンバー内を殺菌する殺菌剤を、使用の都度廃棄することなく再使用することができる。その結果、殺菌剤の廃棄量及び廃棄する殺菌剤の過酢酸濃度を低減でき、殺菌剤を廃棄するための事前処理設備を過大にする必要もなく、初期投資及びランニングコストを抑えることができる。
(無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法の概要)
図1に示すように、本実施形態に係る無菌充填機は、プリフォーム1を供給するプリフォーム供給装置5、プリフォーム1をボトル3に成形する温度に加熱する加熱部12、加熱されたプリフォーム1をボトル3に成形する成形部16、成形されたボトル3を殺菌する殺菌部30、殺菌されたボトル3をエアリンスするエアリンス部34、エアリンスされたボトル3に殺菌された内容物を充填する充填部39及び内容物が充填されたボトル3を殺菌されたキャップ4により密封する密封部44を備えている。さらに、密封されたボトル3が排出コンベヤ48に載置され、非無菌ゾーンに排出される排出部47を備える。
加熱部12及び成形部16は成形部チャンバー17、殺菌部30は殺菌部チャンバー33、エアリンス部34はエアリンス部チャンバー36、充填部39、密封部44及び排出部47は充填部チャンバー41により各々遮蔽されている。殺菌部30で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が成形部16に流入しないように、成形部16と殺菌部30の間には雰囲気遮断チャンバー27が設けられている。殺菌部30で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、雰囲気遮断チャンバー27内が排気されることで、成形部16に流入することはない。
無菌充填機の運転開始前に、殺菌部チャンバー33、エアリンス部チャンバー36及び充填部チャンバー41の各チャンバー内は殺菌される。チャンバー内の殺菌は過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤をチャンバー内に噴霧することにより行われる。本実施形態に係る無菌充填機は、各チャンバー内で使用される過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置49を備える。
殺菌された殺菌部チャンバー33、エアリンス部チャンバー36及び充填部チャンバー41の各チャンバー内には、除菌フィルタ55により無菌化された無菌エアが供給され、各チャンバーの内部が陽圧に保持される。このことにより、殺菌部30より下流の無菌充填機内の無菌性が維持される。各チャンバー内を陽圧に保持する圧力は、充填部チャンバー41内が最も高く、エアリンス部チャンバー36、殺菌部チャンバー33と上流ほど低く設定される。雰囲気遮断チャンバー27は排気されることで、その内部は大気圧とほぼ同一の圧力に保持される。
(無菌充填機及び無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法の詳細)
まず、図2(A)に示すプリフォーム1が、図1に示すプリフォーム供給装置5から、プリフォーム供給コンベヤ6により所望の速度で連続的に加熱部12に搬送される。
本実施形態におけるプリフォーム1は試験管状の有底筒状体であり、ボトル3と同様な口部2がその成形当初に付与される。この口部2にはプリフォーム1の成形と同時に雄ネジが形成される。また、プリフォーム1には口部2の下部に搬送のためのサポートリング2aが形成される。プリフォーム1又はボトル3はこのサポートリング2aを介してグリッパ22により把持され、無菌充填機内を走行する。プリフォーム1は射出成形、圧縮成形等によって成形される。プリフォーム1の材質はポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなり、これらの樹脂単体又は混合物であっても構わないし、リサイクルされた熱可塑性樹脂を含んでも構わない。また、バリア性を付与するために、エチレン−ビニルアルコール共重合体、メタキシリレンジアミンのような芳香族アミンをモノマーとするポリアミド等の熱可塑性樹脂を層として、又は混合物として含んでも構わない。
加熱部12に供給されたプリフォーム1は、一定ピッチで多数のグリッパ22が設けられたホイール7、8により搬送され、加熱炉搬送ホイール9に達する。ここで、図2(B)のようにグリッパ22から解放され、プリフォーム1の口部2にスピンドル19が挿入され、加熱部12内のプリフォーム1を加熱する加熱炉に搬送される。
加熱炉に入ったプリフォーム1は、図2(B)に示すように、赤外線ヒータ14又はその他の加熱手段によって、後のブロー成形に適した温度まで加熱される。この温度は90℃から130℃であると好適である。
なお、プリフォーム1の口部2の温度は、変形等を防止するため70℃以下の温度に抑えられる。
プリフォーム1は図2(B)に示すように、口部2にスピンドル19が挿入され、回転しながら、加熱炉内を搬送される。スピンドル19は無端チェーン13に一定間隔で設けられている。無端チェーン13はプーリ10及び11により作動する。スピンドル19に代えてマンドレルをプリフォーム1に挿入することによって、プリフォーム1を倒立状態で回転させつつ搬送することも可能である。
加熱されたプリフォーム1は、スピンドル19から解放され、グリッパ22に把持されて、ホイール15を経て、ブロー成形機の成形ホイール18に搬送される。成形ホイール18に備えられた金型20により、図2(C)に示すように、ボトル3にブロー成形される。金型20及びブローノズル21は、成形ホイール18の回りに複数個配置され、成形ホイール18の回転とともに成形ホイール18の周りを一定速度で旋回する。加熱されたプリフォーム1が到来すると、金型20はプリフォーム1を挟み込む。続いてブローノズル21がプリフォーム1に接合され、図示しない延伸ロッドがブローノズル21に設けられた孔に導かれ、プリフォーム1内に挿入され、ブローノズル21からプリフォーム1内に空気等の気体が吹き込まれることにより、金型20内でボトル3が成形される。成形されたボトル3は、金型20から取り出され、検査ホイール23に設けられたグリッパ22によりサポートリング2aを把持され、検査ホイール23に受け渡される。
成形されたボトル3は、検査ホイール23の周辺に備えられた検査機材24により、ボトル温度、ボトル胴部、サポートリング2a、ボトル口部天面、ボトル底部等が検査され、異常と判断された場合は、図示しない排出装置により、無菌充填機の外部に排出される。
ボトル温度検査は、ボトル3の表面温度を検査して、ボトル3の良否を判断する。温度センサは、例えば赤外線放射温度計であるが、他の温度計を使用することも可能である。ボトル成形時の余熱がボトル3に残存することが、ボトル3を適正に殺菌するために必要であり、温度センサにより検出される温度は50℃以上であることが好ましい。
また、ボトル胴部、サポートリング2a、ボトル口部天面、ボトル底部はカメラにより撮像され、各箇所の状態が検査される。撮像された画像は画像処理装置により処理され、傷、異物、変形、変色等の異常の存否について判断される。許容範囲を超えたボトル3は異常と判断される。異常と判断されたボトル3は図示しない排出装置により、無菌充填機の外部に排出される。
検査機材24による検査により異常と判断されなかったボトル3は、殺菌部30で発生する殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が成形部16に流入しないように、成形部16と殺菌部30の間に設けられた雰囲気遮断チャンバー27内のホイール25、26を経て、殺菌部30に搬送される。
殺菌部30に搬送されたボトル3は、殺菌ホイール28において殺菌される。ボトル3を殺菌するために、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物がボトル3に吹き付けられる。ボトル3への殺菌剤のガス吹き付け工程を図3(D)に示す。ボトル3に殺菌剤のガス等を吹き付けるため、殺菌剤ガス吹き付けノズル31が設けられる。殺菌剤ガス吹き付けノズル31は、その先端のノズル孔が直下を走行するボトル3の口部2の開口に正対し得るように固定される。また、必要に応じて殺菌剤ガス吹き付けノズル31の下方にボトル3の走行路に沿って、図3(D)に示すように殺菌剤ガス吹き付けトンネル32が設けられる。殺菌剤ガス吹き付けノズル31は一本であっても複数本であっても構わない。ボトル3に吹き付けられた殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物がボトル3の内部に流入し、ボトル3の内面を殺菌する。このとき、ボトル3が殺菌剤ガス吹き付けトンネル32内を走行することで、殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物が、ボトル3の外面にも流れて、ボトル3の外面が殺菌される。
殺菌剤のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は、殺菌剤ガス生成器によりガス化される殺菌剤又はガス化された殺菌剤が凝結したミストである。殺菌剤ガス生成器は、殺菌剤を滴状にして供給する二流体スプレーノズルである殺菌剤供給部と、この殺菌剤供給部から供給された殺菌剤を分解温度以下に加熱して気化させる気化部とを備える。殺菌剤供給部は、殺菌剤供給路及び圧縮空気供給路からそれぞれ殺菌剤と圧縮空気を導入して殺菌剤を気化部内に噴霧するようになっている。気化部は、内外壁間にヒータを挟み込んだパイプであり、このパイプ内に吹き込まれた殺菌剤を加熱し気化させる。気化した殺菌剤のガスは殺菌剤ガス吹き付けノズル31から気化部外に噴出する。
殺菌剤は少なくとも過酸化水素を含有することが好ましい。その含有量は0.5質量%〜65質量%の範囲が適当である。0.5質量%未満では殺菌力が不足する場合があり、65質量%を超えると安全上扱いが困難となる。また、さらに好適なのは0.5質量%〜40質量%であり、40質量%以下では扱いがより容易であり、低濃度となるために殺菌後の殺菌剤の残留量を低減できる。
殺菌剤を過酸化水素水とした場合、過酸化水素水のガスの吹き付け量は以下の通りとなる。殺菌剤のガス吹き付けノズル31からボトル3の内面に吹き付けられる過酸化水素水のガスにより、ボトル3の内面に付着する過酸化水素の量は、過酸化水素を35質量%含む過酸化水素水の量として、30μL/ボトル〜150μL/ボトルが好ましく、より好ましくは50μL/ボトル〜100μL/ボトルである。また、ボトル3に吹き付けられる過酸化水素水のガスの過酸化水素濃度は、2mg/L〜20mg/Lが好ましく、より好ましくは5mg/L〜10mg/Lである。
また、殺菌剤は水を含んでいるが、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトンなどのケトン類、グリコールエーテル類等の1種又は2種以上を含んでも構わない。
さらに、殺菌剤は過酢酸、酢酸等の有機酸、次亜塩素酸ナトリウム等の塩素化合物、オゾン等殺菌効果を有する化合物、陽イオン界面活性剤、非イオン系界面活性剤、リン酸化合物等の添加剤を含んでも構わない。
殺菌部30で殺菌されたボトル3は図1に示すように、ホイール29を経て、エアリンス部34に搬送される。ボトル3は、図1に示すエアリンスホイール35において、図3(E)に示すようにエアリンスノズル38により無菌エアが吹き付けられる。無菌エアは常温でも構わないが、加熱されることが好ましい。無菌エアは、ボトル3の内部に残存する殺菌剤を排出し、残存する殺菌剤を分解してさらに殺菌効果を高め、ボトル3の内部に異物が存在する場合は排除する効果もある。
エアリンスノズル38は上下動可能として、無菌エアをボトル3内に吹き込んでも構わない。この時、ボトル3を倒立状態にすると、異物の排除が容易となる。また、無菌エアではなく、無菌水を倒立させたボトル3の内部に導入して、ボトル3の内部をリンスしても構わない。さらに無菌エアと無菌水を併用してボトル3をリンスしても構わない。
エアリンス部34でエアリンスされたボトル3は図1に示すように、ホイール37を経て、充填部39に搬送される。充填部39では、図1に示す充填ホイール40にて、図3(F)に示す充填工程のように、充填ノズル42によりボトル3に内容物が充填される。内容物はあらかじめ殺菌されており、ボトル3と同期的に走行する充填ノズル42により、ボトル3内に一定量の飲料等の内容物が充填される。
内容物が充填されたボトル3は、図1に示すホイール43を経て密封部44に搬送される。密封部44に設けられた密封ホイール45では、図3(G)に示す密封工程のように、あらかじめ殺菌されたキャップ4が、密封ホイール45に設けられた図示しないキャッパーにより、ボトル3の口部2に巻き締められ、ボトル3は密封される。
密封されたボトル3は、密封ホイール45のグリッパ22から排出部47の排出ホイール46のグリッパ22に受け渡される。排出ホイール46に受け渡されたボトル3は排出コンベヤ48に載置される。排出コンベヤ48に載置されたボトル3は充填部チャンバー41内から無菌充填機の外部に排出される。
殺菌部30を遮蔽する殺菌部チャンバー33、エアリンス部34を遮蔽するエアリンス部チャンバー36及び充填部39、密封部44及び排出部47を遮蔽する充填部チャンバー41内は無菌充填機の稼働前に殺菌される。そのため、図4に示すように各チャンバーには殺菌剤噴霧装置50が設けられ、殺菌剤噴霧装置50は殺菌剤吹き付けノズル51が備えられ、殺菌剤吹き付けノズル51からチャンバー内に殺菌剤が噴霧される。
殺菌剤吹き付けノズル51は、一流体スプレーまたは殺菌剤を圧縮エアと混合して噴霧する二流体スプレーやスピンボールを用いたスプレーノズルが使用される。殺菌剤をチャンバー内の全域に付着するように吹き付けることができれば、殺菌剤吹き付けノズル51はどのような形態でも、複数個でも、異なるスプレーノズルを併用しても構わない。また、殺菌剤吹き付けノズル51は、チャンバーの壁面に設けて壁面から吹き付けても、チャンバー内部に設けて、チャンバー内部に吹き付けても構わない。殺菌剤吹き付けノズル51は、チャンバー内の全域に殺菌剤が付着するように配置されるならチャンバー内のいずれの場所に設けられても構わない。
殺菌剤は、少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である。過酢酸が1000ppm未満では殺菌力が不十分であり、2000ppmを超えると廃液の過酢酸濃度が高くなる。また、過酸化水素が10000ppm未満では殺菌力が不十分であり、50000ppmを超えると過剰である。さらに過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7を超えると殺菌力が不十分であり、1/20未満では過酸化水素濃度が過剰となる。過酢酸と過酸化水素の濃度が上記の範囲にあり、その濃度比が1/7〜1/20であることにより、従来の過酢酸と過酸化水素との濃度比が1/0.7〜1/5である過酢酸系殺菌による殺菌に比べ、短時間で殺菌でき、廃液の過酢酸濃度を低く抑えることができることを見出した。また、殺菌剤は好ましくは40℃から70℃に加温され吹き付けられる。加温されると殺菌剤の殺菌効果が高まる。しかし、高温にすると過酢酸が過度に分解する。
殺菌剤吹き付けノズル51から殺菌剤を吹き付けた後に、殺菌剤吹き付けノズル51により、各チャンバーの全域に無菌水が吹き付けられる。当該、無菌水により、各チャンバー内に残存する殺菌剤が洗浄される。無菌水とは、121℃以上で4分以上加熱される水又は除菌フィルタを通すことで無菌化された水である。吹き付けられる無菌水は加熱されることが好ましい。加熱されることで洗浄力が増し、その後の無菌エアの吹き付けにより気化が促進される。
また、各チャンバーには図4に示すように、無菌エア供給装置52が備えられる。無菌エア供給装置52は各チャンバーの上部に接続される。無菌エア供給装置52はブロワ53、加熱装置54及び除菌フィルタ55を備える。ブロワ53によるエアが加熱装置54により加熱され、除菌フィルタ55により除菌された後に、無菌エアとなって各チャンバー内に供給される。
無菌エア供給装置52から供給される無菌エアにより、各チャンバー内に残存する水を気化させて除去する。この時、無菌エアが加熱されることで水の気化による除去が迅速に行われる。また、無菌エア供給装置52は、無菌充填機稼働時に各チャンバー内の無菌性を維持するため、各チャンバー内に無菌エアを供給する。この場合、無菌エアは加熱される必要はない。
各チャンバー内への殺菌剤の吹き付け前に、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ性化合物の水溶液を吹き付けて充填部チャンバー41内の充填部39、密封部44及び排出部47を洗浄しても構わない。また、少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤によりチャンバー内を殺菌し、無菌水により洗浄した後に、過酸化水素のガス若しくはミスト又はこれらの混合物により各チャンバー内を殺菌しても構わない。過酸化水素のガス若しくはミスト又はこれらの混合物は前述の殺菌剤ガス生成器により生成される。
無菌エアの供給により各チャンバー内は陽圧に保たれ、各チャンバーから流出する無菌エアは、開口部から排気される。各チャンバーに排気装置を設けて排気しても構わない。
無菌充填機稼働前の殺菌において、殺菌剤吹き付けノズル51により、殺菌剤が吹き付けられることにより、除菌フィルタ55の表面も殺菌することができる。除菌フィルタ55は121℃×15分以上の蒸気による滅菌を施すことで殺菌しても構わない。
無菌充填機の運転前に殺菌部チャンバー33、エアリンス部チャンバー36及び充填部チャンバー41内を殺菌するために各チャンバー内に吹き付けられる殺菌剤は、図4に示すように各チャンバーの底部に設けられた溝64に集められ、廃棄されていた。本発明の実施形態によれば、図5に示すように、各チャンバーの底部に設けられた溝64に集められた殺菌剤は殺菌剤回収装置49により回収される。殺菌剤回収装置49は殺菌剤回収ポンプ56及び回収殺菌剤タンク57を備えている。殺菌剤は、各チャンバーの底部に設けられた溝64から殺菌剤回収ポンプ56により回収殺菌剤タンク57に貯留される。
回収される殺菌剤は、少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤である。
回収殺菌剤タンク57に貯留された過酢酸を含む殺菌剤は、回収殺菌剤供給装置61により回転体シール用プール58及び排出コンベヤ浸漬プール59のいずれか一方又は双方に供給され、回転体のシール及び排出コンベヤ48のいずれか一方又は双方の殺菌に使用される。また、無菌充填機の運転開始前に行われる各チャンバー内の殺菌時に殺菌剤噴霧装置50に供給され、再度各チャンバー内の殺菌に使用しても構わない。この場合、再度使用される殺菌剤は、さらに回収されて使用される。ポンプ60、62及び63を備える回収殺菌剤供給装置61は、回収殺菌剤タンク57から回転体シール用プール58、排出コンベヤ浸漬プール59及び殺菌剤噴霧装置50に回収された殺菌剤を供給する。
図6に充填ホイール40を示す。充填ホイール40の外周に一定間隔で設けられ、充填ホイール40を旋回するグリッパ22に把持された殺菌済みのボトル3に、充填ノズル42から内容物が充填される。充填部チャンバー41は充填ホイール40の可動部41bと固定部41aからなる。固定部41aと可動部41bにより遮蔽される内部は、無菌充填機の稼働中に無菌雰囲気に維持される。可動部41bの外部となる可動部41bの下部には、図示しない駆動装置が備えられている。可動部41bは充填ホイール40の回転と共に回転するが、可動部41bのスカート部の端面は、殺菌剤が貯留される回転体シール用プール58に挿入されており、このシールにより充填ホイール40の回転中に充填部チャンバー41内は外部と遮蔽されて無菌性を維持できる。回転体シール用プール58には、各チャンバーの殺菌に使用され、回収された少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤が貯留される。回収殺菌剤タンク57からポンプ60により、回収された殺菌剤が回転体シール用プール58に供給される。また、無菌充填機の運転が停止となるような回転体シール用プール58に殺菌剤が不要となった場合、殺菌剤はポンプ62により回収殺菌剤タンク57に排出される。また、無菌充填機稼働中はポンプ60及び62を運転し、回転体シール用プール58内の殺菌剤と回収殺菌剤タンク57内の殺菌剤とを循環させても構わない。
殺菌部30の殺菌ホイール28及び密封部44の密封ホイール45も充填ホイール40と同様に回転体シール用プール58を有しており、同様に回収殺菌剤供給装置61により回収殺菌剤タンク57から殺菌剤が供給される。
図7に内容物が充填され、密封されたボトル3を無菌雰囲気から非無菌雰囲気に排出する排出コンベヤ48を示す。充填部チャンバー41により遮蔽される内部は無菌雰囲気であるが、密封されたボトル3が排出される無菌充填機の外部は非無菌雰囲気である。無菌雰囲気と非無菌雰囲気を循環する排出コンベヤ48は、排出コンベヤ浸漬プール59により殺菌剤に浸漬されて循環する。非無菌雰囲気に触れた排出コンベヤ48は、非無菌雰囲気で菌等が表面に付着しても、殺菌剤に浸漬されることにより表面が殺菌され、無菌雰囲気に戻っても無菌雰囲気内を菌等により汚染することはない。排出コンベヤ浸漬プール59には、各チャンバーの殺菌に使用され、回収された少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤が貯留される。回収殺菌剤タンク57からポンプ60により回収された殺菌剤は排出コンベヤ浸漬プール59に供給される。また、排出コンベヤ浸漬プール59に殺菌剤が不要となった場合は、ポンプ63により回収殺菌剤タンク57に排出される。また、無菌充填機稼働中はポンプ60及び63を運転し、排出コンベヤ浸漬プール59内の殺菌剤と回収殺菌剤タンク57内の殺菌剤とを循環させても構わない。
図8に示すように、回収殺菌剤タンク57には過酢酸濃度調整装置65及び過酸化水素濃度調整装置66が備えられると好適である。過酢酸濃度調整装置65は過酢酸濃度測定装置67が備えられ、過酸化水素濃度調整装置66には過酸化水素濃度測定装置68が設けられる。過酢酸の濃度が下がり、回収殺菌剤の過酢酸濃度が1000ppm近傍となった場合は、回収殺菌剤の一部をポンプ69により排出して廃棄し、高濃度の過酢酸を含む新たな殺菌剤を過酢酸貯留タンク70から、回収殺菌剤タンク57に貯留される殺菌剤中の過酢酸が適当な濃度となるまで、過酢酸濃度調整ポンプ71により回収殺菌剤タンク57に加える。また、過酸化水素の濃度が下がり、回収殺菌剤の過酸化水素濃度が10000ppm近傍となった場合は、回収殺菌剤の一部をポンプ69により排出して廃棄し、高濃度の過酸化水素を含む新たな殺菌剤を過酸化水素貯留タンク72から、回収殺菌剤タンク57に貯留される殺菌剤中の過酸化水素が適当な濃度となるまで、過酸化水素濃度調整ポンプ73により回収殺菌剤タンク57に加える。
過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20の範囲内であることは、過酢酸濃度測定装置65及び過酸化水素濃度測定装置66による測定値を図示しない演算装置により演算して確認する。過酢酸と過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20の範囲にない場合は、過酢酸又は過酸化水素の濃度を上げることにより調整する。
過酢酸濃度調整装置65及び過酸化水素濃度調整装置66により、各チャンバー内の殺菌、回転体のシール及び排出コンベヤ48の浸漬に使用される殺菌剤の過酢酸濃度及び過酸化水素濃度は常に適正に保たれる。
殺菌剤の過酢酸濃度は、回収殺菌剤タンク57に貯留される殺菌剤の導電率を導電率計により測定し、測定される導電率を過酢酸濃度に演算することにより測定される。導電率と過酢酸濃度の関係は、事前または定期的に校正することで、より正確に過酢酸濃度を導電率から演算することができる。この場合、過酢酸濃度測定装置67は導電率計と演算装置からなる。
過酸化水素濃度は酸素電極法により求めることが可能である。この場合、過酸化水素濃度測定装置68は、酸素電極法を用いた測定器である。
本発明は以上説明したように構成されるが、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨内において種々変更可能である。
1…プリフォーム
3…ボトル
30…殺菌部
33…殺菌部チャンバー
34…エアリンス部
36…エアリンス部チャンバー
39…充填部
41…充填部チャンバー
44…密封部
47…排出部
48…排出コンベヤ
49…殺菌剤回収装置
57…回収殺菌剤タンク
58…回転体シール用プール
59…排出コンベヤ浸漬プール
61…回収殺菌剤供給装置
65…過酢酸濃度調整装置
66…過酸化水素濃度調整装置
67…過酢酸濃度測定装置
68…過酸化水素濃度測定装置

Claims (7)

  1. 無菌雰囲気で、殺菌されたボトルに殺菌された内容物を充填し、殺菌された密封部材により密封する無菌充填機であって、前記無菌充填機が前記無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、
    前記チャンバー内を殺菌するために、前記チャンバー内に設けられた殺菌剤噴霧装置により噴霧される少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤を回収する殺菌剤回収装置を備えることを特徴とする無菌充填機。
  2. 請求項1に記載の無菌充填機において、
    前記殺菌剤回収装置が、前記チャンバーの底部に設けられた排出口から前記殺菌剤を回収する殺菌剤回収ポンプ、及び回収された殺菌剤を貯留する回収殺菌剤タンクを備えることを特徴とする無菌充填機。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無菌充填機において、
    前記回収殺菌剤タンクから、前記回収された殺菌剤を、ホイール下部の無菌雰囲気と非無菌雰囲気を隔絶する回転体シール用プール、及び密封後の前記ボトルを無菌雰囲気から非無菌雰囲気に排出するコンベヤの無菌性を維持するためのコンベヤ浸漬プールのいずれか一方又は双方に供給する回収殺菌剤供給装置を備えることを特徴とする無菌充填機。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の無菌充填機において、
    前記回収殺菌剤タンクから、前記回収された殺菌剤を、前記殺菌剤噴霧装置に供給する回収殺菌剤供給装置を備えることを特徴とする無菌充填機。
  5. 請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の無菌充填機において、
    前記回収殺菌剤タンクが、前記回収された殺菌剤の過酢酸濃度及び過酸化水素濃度を一定範囲に保持する殺菌剤濃度調整装置を備え、当該殺菌剤濃度調整装置が少なくとも前記回収殺菌剤タンクに貯留された前記回収された殺菌剤の前記過酢酸濃度及び前記過酸化水素濃度を測定する過酢酸濃度測定装置及び過酸化水素濃度測定装置により測定された濃度に基づき、前記過酢酸濃度及び前記過酸化水素濃度を調整する過酢酸濃度調整ポンプ及び過酸化水素濃度調整ポンプを備えることを特徴とする無菌充填機。
  6. 無菌雰囲気で、殺菌されたボトルに殺菌された内容物を充填し、殺菌された密封部材により密封する無菌充填機であって、前記無菌充填機が前記無菌充填機を構成する部位ごとに遮蔽するチャンバーを有する前記無菌充填機において、
    前記チャンバー内を殺菌するために前記チャンバー内に噴霧された少なくとも過酢酸1000ppm〜2000ppm及び過酸化水素10000ppm〜50000ppmを含み、前記過酢酸と前記過酸化水素の濃度比が1/7〜1/20である殺菌剤を回収し、回収された前記殺菌剤を、ホイール下部の無菌雰囲気と非無菌雰囲気を隔絶する回転体のシール、密封後の前記ボトルを無菌雰囲気から非無菌雰囲気に排出するコンベヤの浸漬、前記チャンバー内の殺菌のいずれか1又は2以上に利用することを特徴とする無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法。
  7. 請求項6に記載の無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法において、
    前記回収された殺菌剤の前記過酢酸及び前記過酸化水素の濃度を測定し、前記回収された殺菌剤の前記過酢酸及び前記過酸化水素の濃度を一定範囲に保持することを特徴とする無菌充填機で使用する殺菌剤の再利用方法。
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