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JP2019163227A - 医薬組成物 - Google Patents

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JP2019163227A
JP2019163227A JP2018053352A JP2018053352A JP2019163227A JP 2019163227 A JP2019163227 A JP 2019163227A JP 2018053352 A JP2018053352 A JP 2018053352A JP 2018053352 A JP2018053352 A JP 2018053352A JP 2019163227 A JP2019163227 A JP 2019163227A
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博貴 羽生田
Hiroki HANIUDA
博貴 羽生田
知幸 中里
Tomoyuki Nakazato
知幸 中里
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Kyowa Kirin Co Ltd
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Kyowa Kirin Co Ltd
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Abstract

【課題】ナノ粒子形態の血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤の提供。【解決手段】ナノ粒子形態の式(I)(R1およびR2は、同一または異なって、C1−C6アルコキシ基を表し、R3は、ハロゲン原子を表し、R4およびR5は、同一または異なって、水素原子等を表し、R6およびR7は、同一または異なって、C1−C4アルキル基等を表す)で表される化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤。【選択図】なし

Description

本発明は、眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤等に関する。具体的には、本発明は、ナノ粒子形態の血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤に関する。
点眼剤の剤形としては、一般的に溶液点眼剤または懸濁性点眼剤がある。溶液点眼剤の場合、点眼剤中の有効成分である化合物の濃度を飽和溶解度以上とした製剤を調製することができないこと、および既存のチロシンキナーゼ阻害薬は飽和溶解度が一般的に低いことから、点眼投与後に十分な量の化合物を標的組織である脈絡膜や網膜等の後眼部に送達させることは困難である。そこで、より多くの量の化合物を標的組織に送達させるため、飽和溶解度以上の濃度で化合物を含む懸濁性点眼剤が開発されている。
しかしながら、従来の懸濁性点眼剤においては、化合物の粒子の大きさはマイクロメートルのサイズであり、一部の眼組織、特に脈絡膜や網膜等の後眼部の組織への化合物の送達性が悪く、溶液点眼剤と同様に、十分な量の化合物を標的組織に送達できないことが問題となっている。
近年、ナノ粒子の形態の有効成分を用いたドラッグデリバリーに関する研究が盛んに行われており、特許文献1〜4には、ナノ粒子の形態の有効成分を含む医薬組成物が開示されている。また、特許文献5および6には、血管新生阻害剤等のナノ粒子の形態の有効成分を含む医薬組成物が開示されている。
また、非特許文献1〜6には、凍結乾燥ナノ粒子組成物が開示されている。
非特許文献1には、ナノ粒子組成物を凍結乾燥することにより、保存安定性の向上が期待できることが示されており、実際に、凍結乾燥ナノ粒子組成物とすることで、保存安定性が向上する例が開示されている。加えて、ナノ粒子組成物の凍結乾燥プロセスは非常に複雑であり、これを最適化するためには、処方およびプロセス条件の本格的な検討が必要であること、特に、ポリマー/界面活性剤/凍結乾燥保護剤(cryo and lyoprotectants)の種類や濃度が保存安定性の向上に影響を与えることが開示されている。
非特許文献2、非特許文献3、および非特許文献4においては、凍結乾燥ナノ粒子組成物を水和した際の粒子径が凍結乾燥前と比較して増加していることが示されており、ナノ粒子を凍結乾燥することで全てのナノ粒子が一様に安定化されるわけではないことが開示されている。
非特許文献5では、凍結乾燥ナノ粒子組成物の粒子径が保存中に増大していることが開示されている。
非特許文献6においては、希釈後のナノ粒子組成物の保存安定性が評価されており、ナノ粒子組成物濃度が低いほど保存中に粒子径が増大しやすいことが開示されている。
なお、特許文献1〜6および非特許文献1〜6のいずれにも、本願発明の眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤およびその保存安定性は開示されていない。
米国特許第5518187号明細書 米国特許第5862999号明細書 米国特許第5718388号明細書 米国特許第5510118号明細書 米国特許第5145684号明細書 特表2011-514360号公報
Wassim Abdelwahedら、「Freeze-drying of nanoparticles: Formulation, process and storage considerations」Advanced Drug Delivery Reviews、2006年、58号、1688-1713 Kerstin J. Frankら、 「Development of a nanosuspension for iv administration: From miniscale screening to a freeze dried formulation」European Journal of Pharmaceutical Sciences、2016年、87号、112-117 Krishna D. Koradiaら、「Ziprasidone nanocrystals by wet media milling followed by spray drying and lyophilization: Formulation and process parameter optimization」Journal of Drug Delivery Science and Technology、2018年、43号、73-84 T. Musumeciら、「Lyoprotected Nanosphere Formulations for Paclitaxel Controlled Delivery」Journal of Nanoscience and Nanotechnology、2006年、6号、1-8 Boontida Morakulら、「Precipitation-lyophilization-homogenization (PLH) for preparation of clarithromycin nanocrystals: Influencing factors on physicochemical properties and stability」International Journal of Pharmaceutics、2013年、457号、187-196 Jiexin Dengら、「Understanding the structure and stability of paclitaxel nanocrystals」International Journal of Pharmaceutics、2010年、390号、242-249
本発明の目的は、ナノ粒子形態の血管内皮増殖因子(VEGF)阻害剤を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤を提供することにある。
本発明は、以下のとおりである。
[1]
ナノ粒子形態の式(I)
(式中、
1およびR2は、同一または異なって、C1−C6アルコキシ基を表し、
3は、ハロゲン原子を表し、
4およびR5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基またはアミノ基を表し、
6およびR7は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、アミノ基、1または2のC1−C4アルキル基で置換されているアミノ基、C1−C4アルコキシカルボニルC1−C4アルキル基、C1−C4アルキルカルボニル基またはC3−C5シクロアルキル基を表す)
で表される化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤。
[2]
4およびR5が、同一または異なって、水素原子またはハロゲン原子であり、R6およびR7が、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはC1−C4アルキル基である、[1]に記載の凍結乾燥製剤。
[3]
3が、塩素原子である、[1]または[2]に記載の凍結乾燥製剤。
[4]
6が、C1−C4アルキル基であり、R7が、水素原子である、[1]〜[3]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[5]
4およびR5が、水素原子である、[1]〜[4]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[6]
式(I)で表される化合物が、式(II)
で表される化合物である、[1]に記載の凍結乾燥製剤。
[7]
眼科疾患治療剤が凍結乾燥保護物質をさらに含む、[1]〜[6]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[8]
凍結乾燥保護物質が糖である、[7]に記載の凍結乾燥製剤。
[9]
糖が、ラクトース、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[8]に記載の凍結乾燥製剤
[10]
凍結乾燥製剤から再構成される眼科疾患治療剤における式(I)で表される化合物の濃度が20 mg/mL以下である、[1]〜[9]いずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[11]
眼科疾患治療剤が、粘稠化剤、界面活性剤および分散媒からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、[1]〜[10]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[12]
粘稠化剤が、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、部分けん化ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシエチルセルロース、非晶質セルロース、メチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[11]に記載の凍結乾燥製剤。
[13]
界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸スクロース、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、L-α-ホスファチジルコリン(PC)、1,2-ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、天然レシチン、合成レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、チロキサポール、オクチルフェノールエトキシレート、アルキルグルコシドおよびポロキサマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[11]または[12]に記載の凍結乾燥製剤。
[14]
分散媒が、水、アルコール、流動パラフィン、溶質を含む水、溶質を含むアルコール、および溶質を含む流動パラフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[11]〜[13]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[15]
分散媒が、溶質を含む水である、[11]〜[13]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[16]
溶質が、塩化ナトリウム、グルコース、グリセロール、マンニトール、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、炭酸水素ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、クエン酸水和物、ホウ酸およびホウ砂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[14]または[15]に記載の凍結乾燥製剤。
[17]
眼科疾患治療剤が、防腐剤および包接物質からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、[1]〜[16]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[18]
防腐剤が、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、エデト酸ナトリウム水和物、クロルヘキシジングルコン酸塩およびソルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[17]に記載の凍結乾燥製剤。
[19]
包接物質が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびγ-シクロデキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[17]または[18]に記載の凍結乾燥製剤。
[20]
眼科疾患治療剤が眼局所投与用である、[1]〜[19]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
[21]
眼局所投与が、点眼投与、結膜下投与、テノン嚢下投与、硝子体内投与、上脈絡膜投与、眼周囲投与または眼内インプラントによる投与である、[20]に記載の凍結乾燥製剤。
[22]
[1]〜[21]のいずれかにおいて規定する眼科疾患治療剤を凍結乾燥することを含む、前記眼科疾患治療剤の保存安定性を高める方法。
[23]
[1]〜[21]のいずれかに記載の凍結乾燥製剤を水和することを含む、ナノ粒子形態の眼科疾患治療剤の調製方法。
[24]
[1]〜[21]のいずれかにおいて規定する眼科疾患治療剤を凍結乾燥することを含む、前記眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤を製造する方法。
本発明により、ナノ粒子の形態の血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤等を提供することができる。
参考例19および参考例24で得られたナノ粒子組成物、ならびに参考比較例3および参考比較例4で得られたマイクロ粒子組成物をそれぞれ、ラットに単回点眼投与(4〜12μL/目(eye))したときの薬物動態を評価した。縦軸は脈絡膜/強膜中の化合物IIの塩酸塩水和物の濃度 (ng/g)を示し、横軸は参考例および参考比較例の番号を示す。 参考例1の媒体、ならびに参考例1および参考例2で得られたナノ粒子組成物をそれぞれ、ラットに、レーザー照射直後からレーザー照射後14日まで1日2回で点眼投与した際の血管新生抑制効果を評価した。アフリベルセプト(アイリーア(登録商標)硝子体内注射液、バイエル株式会社)を、ラットの眼へのレーザー照射直後に、硝子体内注射し、投与14日後の血管新生抑制効果を評価した。縦軸は脈絡膜新生血管面積(Choroidal neovascularization area)(ピクセル(pixel))を示し、横軸は投与した物質名を示す。*は、媒体投与群に対する、アフリベルセプトならびに参考例1および参考例2のナノ粒子組成物投与群のDunnet 検定における有意差(p<0.05)を示す。 カニクイザルの眼にレーザーを照射し、レーザー誘発脈絡膜血管新生モデルを作製した。蛍光眼底造影検査より、照射スポットごとに脈絡膜血管新生Grade評価を実施し、Grade 4(造影前期または中期の鮮明な過蛍光と損傷領域以外の後期蛍光漏出)の出現率を算出した。媒体、参考例1に従って調製したナノ粒子組成物、および参考比較例2で得られた溶液組成物をそれぞれ、当該動物モデルへ1日4回で35日間点眼投与した際の血管新生抑制効果を評価した。当該動物モデルへアフリベルセプト(アイリーア(登録商標)硝子体内注射液、バイエル株式会社)を硝子体内注射し、投与35日後までの血管新生抑制効果を評価した。縦軸はGrade 4の出現率(% of Grade 4 lesion)を示し、横軸は薬剤の投与期間または投与後の期間を示す(例えば、-1は投与開始日の前日、7は投与開始7日目を指す)。なお、◆は参考例1の媒体投与群、●は参考例1に準じたナノ粒子組成物投与群、▲は参考比較例2の溶液組成物投与群、■はアフリベルセプト投与群をそれぞれ示す。 媒体および参考例1に従って調製したナノ粒子組成物をそれぞれ、幼弱マウスを高酸素負荷処置(75%酸素下、5日間)に供した後通常酸素下に戻して、1日2回で5日間点眼投与した際の網膜における血管新生抑制効果を評価した。縦軸は網膜中の新生血管面積(網膜の総組織面積に対する新生血管面積の割合、%)を示し、横軸は投与した物質名を示す。***は、媒体投与群に対する参考例1に従って調製したナノ粒子組成物投与群のunpaired t-testにおける有意差(p≦0.001)を示す。 実施例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の保存中の粒子径の推移を示す。 実施例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の保存中の粒子径の変化量を示す。 比較例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の保存中の粒子径の推移を示す。 比較例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の保存中の粒子径の変化量を示す。 実施例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の保存中の濃度の推移を示す。 比較例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の保存中の濃度の推移を示す。 実施例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる類縁総量の保存中の推移を示す。 実施例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる類縁総量の保存中の変化量を示す。 比較例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる類縁総量の保存中の推移を示す。 比較例1〜8で調製したナノ粒子組成物に含まれる類縁総量の保存中の変化量を示す。
本発明は、眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤に関する。眼科疾患治療剤は、有効成分として、ナノ粒子形態の式(I)
(式中、
1およびR2は、同一または異なって、C1−C6アルコキシ基を表し、
3は、ハロゲン原子を表し、
4およびR5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基またはアミノ基を表し、
6およびR7は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、アミノ基、1または2のC1−C4アルキル基で置換されているアミノ基、C1−C4アルコキシカルボニルC1−C4アルキル基、C1−C4アルキルカルボニル基、またはC3−C5シクロアルキル基を表す)で表される化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を含む。以下、本明細書において、「式(I)で表される化合物」は、特段明記しない限り、式(I)で表される化合物の薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物も包含するものとする。式(I)で表される化合物は、血管内皮増殖因子(VEGF)受容体阻害剤である。
式(I)中のR1およびR2は、同一または異なって、C1-C6アルコキシ基を表し、それぞれメトキシ基であることが好ましい。
式(I)中のR3は、ハロゲン原子を表し、塩素原子であることが好ましい。
式(I)中のR4およびR5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基またはアミノ基を表し、同一または異なって、水素原子またはハロゲン原子であることが好ましく、それぞれ水素原子またはハロゲン原子であることがより好ましく、それぞれ水素原子であることがさらに好ましい。
式(I)中のR6およびR7は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、アミノ基、1または2のC1−C4アルキル基で置換されているアミノ基、C1−C4アルコキシカルボニルC1−C4アルキル基、C1−C4アルキルカルボニル基、またはC3−C5シクロアルキル基を表し、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基またはC1−C4アルコキシ基であることが好ましく、R6がC1−C4アルキル基であり、かつR7が水素原子であることがより好ましく、R6がメチル基であり、かつR7が水素原子であることがさらに好ましい。
式(I)中の各置換基の組み合わせとしては、R4およびR5が、同一または異なって、水素原子またはハロゲン原子であり、かつR6およびR7が、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはC1−C4アルキル基であることが好ましく、R3が塩素原子であり、R4およびR5が、同一または異なって、水素原子またはハロゲン原子であり、かつR6およびR7が、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはC1−C4アルキル基であることがより好ましく、R3が塩素原子であり、R4およびR5が水素原子であり、R6がC1−C4アルキル基であり、かつR7が水素原子であることがより好ましい。
式(I)で表される化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物としては、例えば、式(II)
で表される化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物が挙げられる。以下、本明細書において、「式(II)で表される化合物」は、特段明記しない限り、式(II)で表される化合物の薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物も包含するものとする。
式(I)および式(II)で表される化合物は、特開2003-12668号公報に開示された方法、またはこれに準じた方法で製造することができる。
式(I)および式(II)で表される化合物は、薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。薬学的に許容可能な塩としては、例えば、塩酸塩、フッ化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩等のハロゲン化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、乳酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩、メシル酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩等の低級アルキルスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩等のアリールスルホン酸塩、グリシン酸塩、フェニルアラニン酸塩、グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩等のアミノ酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アミン塩等の有機塩基塩等が挙げられる。
式(I)および式(II)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩には、その分子内塩および付加物、ならびにそれらの溶媒和物および水和物等も含まれる。
式(I)および式(II)で表される化合物は、遊離体(フリー体)もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物の形態であってもよい。
遊離体またはその薬学的に許容可能な塩の水和物としては、例えば、一水和物、二水和物、三水和物が挙げられる。水和する水の数は特に限定されない。
遊離体またはその薬学的に許容可能な塩の溶媒和物としては、例えば、一溶媒和物、二溶媒和物、三溶媒和物が挙げられる。溶媒和する溶媒の数は特に限定されない。
溶媒和する溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコールが挙げられる。遊離体またはその薬学的に許容可能な塩の溶媒和物としては、例えば、メタノール和物、エタノール和物等のアルコール和物が挙げられる。
式(I)および式(II)で表される化合物は、その無機酸塩もしくは有機酸塩、またはそれらの水和物であることが好ましく、塩酸塩またはその水和物であることがより好ましい。
眼科疾患治療剤は、ナノ粒子の形態の式(I)または式(II)で表される化合物に加えて、ナノ粒子の形態以外の形態の式(I)または式(II)で表される化合物を含んでいてもよい。ナノ粒子の形態以外の形態としては、例えばマイクロ粒子の形態等が挙げられる。
ナノ粒子の形態以外の形態の式(I)または式(II)で表される化合物の含有量は、ナノ粒子の形態の式(I)または式(II)で表される化合物の含有量の20質量%以下であることが好ましい。
式(I)または式(II)で表される化合物の総量の60質量%〜100質量%がナノ粒子の形態であることが好ましく、70質量%〜100質量%がナノ粒子の形態であることがより好ましく、80質量%〜100質量%がナノ粒子の形態であることがさらに好ましい。
本明細書において、ナノ粒子の形態とは、粒子がナノメートルオーダーであることを意味し、一般的には、粒子の平均粒子径が10〜1000nmであることを意味する。
ナノ粒子の形態の式(I)または式(II)で表される化合物は、粉砕または結晶化により調製されることが好ましい。
ナノ粒子の形態の式(I)または式(II)で表される化合物の平均粒子径は、10〜400nmであることが好ましく、10〜300nmであることがより好ましく、10〜200nmであることがさらに好ましく、20〜180nmであることがよりさらに好ましく、30〜150nmであることがよりさらに好ましく、50〜130nmであることが特に好ましい。
本明細書における平均粒子径は、動的光散乱法(測定条件:散乱角173°、波長633nm)で測定する。
本明細書におけるメジアン径(D50)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(測定条件:2 mV He-Neレーザ(波長632.8nm)、焦点距離100 nm)で測定する。
式(I)または式(II)で表される化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、眼科疾患治療剤100重量部に対して、0.01〜20重量部であることが好ましく、0.01〜15重量部であることがより好ましく、0.01〜10重量部であることがさらに好ましい。
眼科疾患治療剤は、粘稠化剤、界面活性剤および分散媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分をさらに含んでいてもよい。また、眼科疾患治療剤は、防腐剤および包接物質からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分をさらに含んでいてもよい。
眼科疾患治療剤は、粘稠化剤、界面活性剤および分散媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分と、防腐剤および包接物質からなる群から選ばれる少なくとも1種の成分とをさらに含んでいることが好ましい。
粘稠化剤、界面活性剤、分散媒、防腐剤および包接物質はそれぞれ、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤に用いられる粘稠化剤としては、例えば、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、部分けん化ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシエチルセルロース、非晶質セルロース、メチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよびトリエタノールアミン等が挙げられる。好ましい粘稠化剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポビドン(ポリビニルピロリドン)、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシメチルセルロース等が挙げられる。粘稠化剤は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤において、粘稠化剤の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、眼科疾患治療剤100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましく、0.05〜3重量部であることがより好ましく、0.1〜2.5重量部であることがさらに好ましい。
眼科疾患治療剤に用いられる界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸スクロース、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80、Tween(登録商標)80)、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ラウリル硫酸ナトリウム、L-α-ホスファチジルコリン(PC)、1,2-ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、天然レシチン、合成レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、チロキサポール、オクチルフェノールエトキシレート、アルキルグルコシドおよびポロキサマー等が挙げられる。好ましい界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンおよびポロキサマーが挙げられる。より好ましい界面活性剤としては、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(ポリソルベート80)、ポロキサマー(プルロニック(登録商標)F-127)が挙げられる。界面活性剤は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤において、界面活性剤の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、眼科疾患治療剤100重量部に対して、0〜5重量部であることが好ましく、0〜3重量部であることがより好ましく、0〜1.0重量部であることがさらに好ましい。
粘稠化剤および界面活性剤を組み合わせて使用する場合、粘稠化剤および界面活性剤の組合せとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヒドロキシプロピルセルロースとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ヒドロキシプロピルセルロースとチロキサポール、ポビドンとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリビニルアルコールとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサマーとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが挙げられる。
粘稠化剤および界面活性剤の好ましい組合せとしては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポビドンとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポリビニルアルコールとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサマーとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが挙げられる。粘稠化剤および界面活性剤のより好ましい組合せとしては、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポビドンとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポロキサマーとモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンが挙げられる。
粘稠化剤および界面活性剤を組み合わせて使用する場合、粘稠化剤および界面活性剤の重量比は、特に限定されるものではないが、界面活性剤/粘稠化剤として、例えば、0〜500であり、好ましくは0〜60であり、より好ましくは0〜10である。
眼科疾患治療剤に用いられる分散媒としては、例えば、水、アルコール、流動パラフィン、溶質を含む水、溶質を含むアルコール、溶質を含む流動パラフィン等が挙げられる。好ましい分散媒としては、例えば、水、流動パラフィン、溶質を含む水が挙げられる。より好ましい分散媒としては、例えば、水、溶質を含む水が挙げられる。分散媒は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤において、分散媒の含有量は、特に限定されるものではない。例えば、分散媒以外の成分の含有量を調整し、眼科疾患治療剤の残余が分散媒となるようにすればよい。具体的には、眼科疾患治療剤に含まれる分散媒以外の成分の含有量の和に対して、眼科疾患治療剤が100重量部となるように、眼科疾患治療剤に分散媒を加えればよい。分散媒の含有量は、例えば、眼科疾患治療剤100重量部に対して、68〜99.9重量部であることが好ましく、78〜99.9重量部であることがより好ましく、85〜99.9重量部であることがより好ましい。
分散媒に含まれる溶質としては、特に限定されるものではないが、医薬の分野において等張化剤として使用されるものが挙げられる。等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、グルコース(ブドウ糖)、グリセロール、マンニトール、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、炭酸水素ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、クエン酸水和物、ホウ酸、ホウ砂、リン酸等が挙げられる。好ましい等張化剤は、塩化ナトリウム、グルコース(ブドウ糖)、グリセロール、マンニトールが挙げられる。等張化剤は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤において、溶質の含有量は、特に限定されるものではないが、水、アルコール、または流動パラフィン100重量部に対し、0〜50重量部であることが好ましく、0〜25重量部であることがより好ましい。
眼科疾患治療剤に用いられる防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、エデト酸ナトリウム水和物、クロルヘキシジングルコン酸塩、ソルビン酸等が挙げられる。好ましい防腐剤としては、例えば、塩化ベンザルコニウムが挙げられる。防腐剤は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤において、防腐剤の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、眼科疾患治療剤100重量部に対して、0〜1重量部であることが好ましく、0〜0.75重量部であることがより好ましく、0〜0.5重量部であることがさらに好ましい。
眼科疾患治療剤に用いられる包接物質は分子を取り込む性質を有するものであれば特に限定されない。包接物質としては、例えば、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)、γ-シクロデキストリン等が挙げられる。好ましい包接物質としては、例えば、β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンが挙げられる。より好ましい包接物質としては、例えば、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)が挙げられる。包接物質は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。
眼科疾患治療剤において、包接物質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、眼科疾患治療剤100重量部に対して、0〜1重量部であることが好ましく、0〜0.75重量部であることがより好ましく、0〜0.5重量部であることがさらに好ましい。
眼科疾患治療剤は眼局所投与さてもよい。眼局所投与としては、例えば、点眼投与、結膜下投与、テノン嚢下投与、硝子体内投与、上脈絡膜投与(suprachoroidal injection)、眼周囲投与(periocular injection)、または眼内インプラントによる投与もしくはその他のドラッグデリバリーデバイスによる投与等が挙げられる。好ましい眼局所投与は点眼投与である。
眼科疾患治療剤は、哺乳動物等に投与することにより、血管内皮増殖因子(VEGF)関連疾患の予防や治療等に用いることができる。
血管内皮増殖因子(VEGF)関連疾患としては、例えば、滲出型加齢性黄斑変性(wet-type (neovascular or exudative) age related macular degeneration、wet-AMD)、萎縮型加齢性黄斑変性、脈絡膜新生血管、病的近視における脈絡膜新生血管、網膜静脈分枝閉塞症、黄斑浮腫、網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫、増殖性糖尿病網膜症、血管新生緑内障、網膜色素線条症、未熟児網膜症、Coats病、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、嚢腫状黄斑浮腫、糖尿病網膜症による硝子体内出血、イールズ病、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜上膜、ブドウ膜炎、多巣性脈絡膜炎、前部虚血性視神経症、角膜血管新生、翼状片、眼内黒色腫、グリオーマ後天性網膜血管腫、放射線網膜症、結節性硬化症、グリオーマ後天性網膜血管腫、結膜扁平上皮癌または高眼圧症等が挙げられる。好ましい血管内皮増殖因子(VEGF)関連疾患としては、例えば、滲出型加齢性黄斑変性、病的近視における脈絡膜新生血管、網膜静脈分枝閉塞症、網膜中心静脈閉塞症、網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、糖尿病黄斑浮腫、増殖性糖尿病網膜症または血管新生緑内障が挙げられる。
眼科疾患治療剤は血管内皮増殖因子(VEGF)関連疾患の治療や予防等に用いることができるが、この中でも、既存の抗VEGF阻害薬(硝子体内注射剤)で適応が取得されている滲出型加齢性黄斑変性(wet-type (neovascular or exudative) age related macular degeneration、wet-AMD)、網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、病的近視における脈絡膜新生血管および糖尿病黄斑浮腫、ならびに、適応外であっても臨床において抗VEGF阻害薬(硝子体内注射剤)の治療効果が報告されている増殖性糖尿病網膜症、血管新生緑内障、ブドウ膜炎および未熟児網膜症等の眼科疾患の予防や治療等に用いることが好ましい。
上記のような眼科疾患では、例えば臨床において抗VEGF阻害薬の硝子体内注射によって良好な治療効果(最高矯正視力の回復、病態により肥厚した網膜の菲薄化等の組織学的な改善、等々)が認められており、臨床での有効性が期待されている。しかしながら、例えば既存の抗VEGF阻害薬(硝子体内注射剤)は、治療効果は高いものの、投与経路が硝子体内注射であること、高い再発率などにより継続的な治療が必要であることから、患者本人、家族および医療従事者の負担が極めて大きく、社会的な問題となっている。このような事情から、上記のような眼科疾患においては、患者本人、家族および医療従事者等の負担軽減の観点から硝子体内注射以外の非侵襲的かつ簡便な経路で投与可能な薬剤(経口剤や点眼剤等)の開発が望まれており、点眼等の経路により有効成分を患者に投与できる点において、本発明の眼科疾患治療剤は有用である。
本発明の凍結乾燥製剤は、眼科疾患治療剤の成分の一部もしくは全部を凍結乾燥したものである。。
ナノ粒子の形態の式(I)または式(II)で表される化合物の製造方法は特に限定されないが、粉砕等の製剤学の技術分野において一般的に用いられるナノ粒子化方法により製造することができる。
例えば、市販の器具(ジルコニア容器、ジルコニアボール等)や市販のナノ粉砕機等を用いて、式(I)または式(II)で表される化合物を粉砕し、次いで市販の遠心機等を用いて精製等することにより、ナノ粒子を製造することができる。また、式(I)または式(II)で表される化合物の溶液から、液相ないし気相で刺激を与えることにより晶析させて、ナノ粒子を製造することができる。
粉砕工程においては、式(I)または式(II)で表される化合物に加え、粘稠化剤、界面活性剤、分散媒、防腐剤および包接物質からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加して粉砕してもよい。
粉砕工程においては、粘稠化剤、界面活性剤および分散媒からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加し、さらに防腐剤および包接物質からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加して粉砕してもよい。
粉砕の方法は特に限定されるものではないが、例えば、乾式粉砕、湿式粉砕等が挙げられ、好ましくは湿式粉砕が挙げられる。
式(I)または式(II)で表される化合物に分散媒を添加し、次いで粉砕する湿式粉砕がより好ましい。
精製の方法は特に限定されるものではないが、市販の無菌ろ過装置等を用いて精製することが挙げられる。
凍結乾燥するための眼科疾患治療剤は、凍結乾燥保護物質をさらに含んでいてもよい。凍結乾燥保護物質としては、例えば、糖およびアミノ酸が挙げられる。糖としては、例えば、単糖、二糖および糖アルコールが挙げられる。より具体的には、糖としては、例えば、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、グルコース、スクロース、トレハロース、マルトース、フルクトース、およびデキストランが挙げられる。アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、プロリン、グルタミン、およびリシンが挙げられる。また、凍結乾燥保護物質としては、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよびグリセリンが挙げられる。凍結乾燥保護物質は、単一の成分であってもよいし、2種以上の成分の組み合わせであってもよい。なお、マンニトールおよびグルコースは、凍結乾燥保護物質と分散媒の溶質との両方の役割を持つことができる。
凍結乾燥保護物質の含有量は、眼科疾患治療剤100重量部に対して、好ましくは1〜20重量部であり、より好ましくは5〜15重量部であり、さらに好ましくは10重量部である。
本発明はまた、上記の眼科疾患治療剤を凍結乾燥することを含む、眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤を製造する方法にも関する。凍結乾燥製剤は、公知の方法、またはこれに準じた方法で製造することができる。
本発明はまた、上記の眼科疾患治療剤を凍結乾燥することを含む、眼科疾患治療剤の保存安定性を高める方法にも関する。
本発明はまた、上記の凍結乾燥製剤を水和することを含む、ナノ粒子組成物の調製方法にも関する。本発明の凍結乾燥製剤は、水和してもナノ粒子が凝集することなく、眼科疾患治療剤を再構成することができる。
再構成とは、凍結乾燥製剤を適切な分散媒に溶解または懸濁させることで、再び眼科疾患治療剤とすることをいう。
凍結乾燥製剤から再構成される眼科疾患治療剤における式(I)又は式(II)で表される化合物の濃度は、好ましくは20 mg/mL以下であり、より好ましくは1〜20 mg/mL以下である。
以下に、参考例、参考比較例、参考試験例、実施例、比較例、および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
N-[2-クロロ-4-(6,7-ジメトキシキノリン-4-イルオキシ)フェニル]-N'-(5-メチルイソオキサゾール-3-イル)ウレア塩酸塩水和物(化合物IIの塩酸塩水和物)は、特開2003-12668号公報に開示された方法に従い調製した。
参考例1
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、和光純薬、以下同じ)、ポリソルベート80(純正化学、以下同じ)、塩化ベンザルコニウム(塩化ベンザルコニウム(BAC)、ナカライテスク、以下同じ)、D-マンニトール(純正化学、以下同じ)、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液(5質量%、以下同じ)を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し(13200rpm、28分)、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を1.28 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は114 nmであった。
参考例2
精製条件を13200rpm、5.5分に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が5.36 mg/mL、平均粒子径が169 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例3
精製条件を13200rpm、2分に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が6.50mg/mL、平均粒子径が151 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例4
精製条件を13200rpm、20分に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.54 mg/mL、平均粒子径が122 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例5
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.75重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.75重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.49 mg/mL、平均粒子径が198 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例6
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から1.0重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/1.00重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.29 mg/mL、平均粒子径が175 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例7
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から1.25重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/1.25重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.42 mg/mL、平均粒子径が188 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例8
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から2.5重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/2.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.44 mg/mL、平均粒子径が471 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例9
ポリソルベート80量を0.1重量部から1.0重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/1.0重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.36 mg/mL、平均粒子径が179 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例10
ポリソルベート80量を0.1重量部から0.001重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.001重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.51 mg/mL、平均粒子径が117 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例11
ポリソルベート80を組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.17 mg/mL、平均粒子径が105 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例12
D-マンニトール量を0.1重量部から1.0重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/1.0重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.13 mg/mL、平均粒子径が140 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例13
D-マンニトール量を0.1重量部から0.5重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.5重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.53 mg/mL、平均粒子径が124 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例14
D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.50 mg/mL、平均粒子径が138 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例15
ジルコニア容器に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.05 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し、ジルコニアボールをスクリーン除去し、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し(10000rpm、1分)、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を0.65 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は426 nmであった。
参考例16
ジルコニア容器に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径1.0 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し、ジルコニアボールをスクリーン除去し、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を1.35 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は154 nmであった。
参考例17
ジルコニア容器に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径3.0 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し、ジルコニアボールをスクリーン除去し、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を1.17 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は155 nmであった。
参考例18
グルコース水溶液をグリセロール水溶液(8.2質量%、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が4.09 mg/mL、平均粒子径が164 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例19
グルコース水溶液をグリセロール水溶液に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.49 mg/mL、平均粒子径が133 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例20
グルコース水溶液をグリセロール水溶液に変更し、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.76 mg/mL、平均粒子径が148 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例21
グルコース水溶液をグリセロール水溶液に変更し、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.18 mg/mL、平均粒子径が119 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例22
グルコース水溶液を生理食塩水に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が3.21 mg/mL、平均粒子径が266 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例23
グルコース水溶液を生理食塩水に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.24 mg/mL、平均粒子径が252 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例24
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、信越化学工業、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.54 mg/mL、平均粒子径が153 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例25
組成に包摂物質(ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD))を加えること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/0.5重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.27 mg/mL、平均粒子径が32 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例26
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール(PVA)、シグマアルドリッチ、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルアルコール(PVA)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.53 mg/mL、平均粒子径が139 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例27
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(ポリビニルピロリドン(PVP)、純正化学、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.44 mg/mL、平均粒子径が89 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例28
ジルコニア容器に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでポリオキシエチレン(196)ポリオキシプロピレン(67)グリコール(プルロニック(登録商標)F-127、シグマアルドリッチ、以下同じ)、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、水を添加、希釈し、ジルコニアボールをスクリーン除去し、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/プルロニック(登録商標)F-127=1重量部/0.15重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し(13200rpm、60分)、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を8.13 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は147 nmであった。
参考例29
プルロニック(登録商標)F-127量を0.15重量部から0.5重量部に変更すること以外は、参考例28と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/プルロニック(登録商標)F-127=1重量部/0.5重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.00 mg/mL、平均粒子径が86 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例30
界面活性剤をポリソルベート80から12-Hydroxy-octadecanoic acid polymer with α-hydro-ω-hydroxypoly(oxy-1,2-ethanediyl) (Solutol(登録商標)HS15、BASF、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/Solutol(登録商標)HS15/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.52 mg/mL、平均粒子径が132 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例31
界面活性剤をポリソルベート80から4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールポリマー (ホルムアルデヒドおよびオキシラン含有)(Tyloxapol、シグマアルドリッチ、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/Tyloxapol/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.51 mg/mL、平均粒子径が114 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例32
界面活性剤をポリソルベート80からポリエチレングリコールモノ-p-イソオクチルフェニルエーテル(トリトン(登録商標)X100、ナカライテスク、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/トリトン(登録商標)X100/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.04 mg/mL、平均粒子径が132 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例33
界面活性剤をポリソルベート80からポリオキシエチレンヒマシ油(Cremophor(登録商標)EL、シグマアルドリッチ、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/Cremophor(登録商標)EL/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.12 mg/mL、平均粒子径が125 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例34
界面活性剤をポリソルベート80からn-オクチル-β-D-グルコシド(和光純薬、以下同じ)、に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/n-オクチル-β-D-グルコシド /塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.23 mg/mL、平均粒子径が120 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例35
界面活性剤をポリソルベート80からラウリル硫酸ナトリウム(ナカライテスク、以下同じ)に変更し、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.25重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ラウリル硫酸ナトリウム/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.25重量部/0.0005重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が3.57 mg/mL、平均粒子径が70 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例36
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.1重量部に変更し、界面活性剤をポリソルベート80からラウリル硫酸ナトリウムに変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)およびD-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ラウリル硫酸ナトリウム=1重量部/0.1重量部/0.0025重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.74 mg/mL、平均粒子径が66 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例37
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.1重量部に変更し、界面活性剤をポリソルベート80からラウリル硫酸ナトリウムに変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)を組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ラウリル硫酸ナトリウム/D-マンニトール=1重量部/0.1重量部/0.0025重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.47 mg/mL、平均粒子径が97 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例38
塩化ベンザルコニウム(BAC)を組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/ D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.23 mg/mL、平均粒子径が121 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例39
塩化ベンザルコニウム(BAC)量を0.001重量部から0.01重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.01重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.57 mg/mL、平均粒子径が111 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例40
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.3重量部に変更し、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.3重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.25 mg/mL、平均粒子径が81 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例41
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.3重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80=1重量部/0.3重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.04 mg/mL、平均粒子径が89 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例42
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.3重量部に変更し、ポリソルベート80量を0.1重量部から0.01重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80=1重量部/0.3重量部/0.01重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.74 mg/mL、平均粒子径が73 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例43
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.15重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80=1重量部/0.15重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が4.89 mg/mL、平均粒子径が111 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例44
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.15重量部に変更し、ポリソルベート80量を0.1重量部から0.01重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80=1重量部/0.15重量部/0.01重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が3.52 mg/mL、平均粒子径が67 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例45
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.1重量部に変更し、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.51 mg/mL、平均粒子径が69 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例46
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.1重量部に変更し、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)を組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ D-マンニトール=1重量部/0.1重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.23 mg/mL、平均粒子径が60 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例47
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.1重量部に変更し、ポリソルベート80量を0.1重量部から0.02重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)量を0.001重量部から0.0002重量部に変更し、D-マンニトールを量を0.1重量部から0.02重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.1重量部/0.02重量部/0.0002重量部/0.02重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.51 mg/mL、平均粒子径が67 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例48
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.1重量部に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.1重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.75 mg/mL、平均粒子径が82 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例49
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.05重量部に変更し、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.05重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.00 mg/mL、平均粒子径が66 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例50
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製した後(13200rpm、25分)、pH3に調整し、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を1.31 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は133 nmであった。
参考例51
グルコース水溶液をD-マンニトール水溶液(10質量%、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.49 mg/mL、平均粒子径が98 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例52
グルコース水溶液をクエン酸水溶液(1質量%)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.35 mg/mL、平均粒子径が137 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例53
グルコース水溶液をリン酸水溶液(6.2質量%、以下同じ)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.75 mg/mL、平均粒子径が227 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例54
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グリセロール水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、グルコース水溶液を用いて希釈し、濃度を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は1.30 mg/mLであった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は203 nmであった。
参考例55
粘稠化剤にポリビニルピロリドン(PVP)を追加すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.23 mg/mL、平均粒子径が149 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例56
界面活性剤にレシチンを追加すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/レシチン/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.35 mg/mL、平均粒子径が144 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例57
界面活性剤にポリエチレングリコールを追加すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリエチレングリコール/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.01重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.62 mg/mL、平均粒子径が128 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例58
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、界面活性剤をポリソルベート80からポリエチレングリコールに変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリエチレングリコール/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.01重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.86 mg/mL、平均粒子径が65 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例59
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、界面活性剤をポリソルベート80からラウリル硫酸ナトリウムに変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ラウリル硫酸ナトリウム=1重量部/0.1重量部/0.0025重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.44 mg/mL、平均粒子径が89 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例60
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール(プルロニック(登録商標)F-68、シグマアルドリッチ、以下同じ)に変更し、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/プルロニック(登録商標)F-68=1重量部/0.5重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.24 mg/mL、平均粒子径が94 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例61
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からプルロニック(登録商標)F-127に変更し、ポリソルベート80量を0.1重量部から0.02重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトールを組成から除くこと以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/プルロニック(登録商標)F-127/ポリソルベート80=1重量部/0.1重量部/0.02重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.19 mg/mL、平均粒子径が84 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例62
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=1重量部/0.25重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.56 mg/mL、平均粒子径が176 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例63
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=1重量部/1.0重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.35 mg/mL、平均粒子径が149 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例64
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.61 mg/mL、平均粒子径が85 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例65
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からプルロニック(登録商標)F-127に変更し、グルコース水溶液をD-マンニトール水溶液に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ プルロニック(登録商標)F-127/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.44 mg/mL、平均粒子径が119 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例66
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、グルコース水溶液をD-マンニトール水溶液に変更すること以外は、参考例1と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物濃度が1.43 mg/mL、平均粒子径が137 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例67
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでプルロニック(登録商標)F-127、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グリセロール水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/プルロニック(登録商標)F-127/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、グリセロール水溶液を用いて希釈し、濃度を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は1.31 mg/mLであった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は432 nmであった。
参考例68
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 1700rpm, 1分loop/10回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し(13200rpm、60分)、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を2.37 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は76 nmであった。
参考例69
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.1重量部から0.3重量部に変更すること以外は、参考例68と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.3重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.90 mg/mL、平均粒子径が90 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例70
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/10回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.3重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し(13200rpm、100分)、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を1.90 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は75 nmであった。
参考例71
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 1700rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=1重量部/0.3重量部とした。
このナノ粒子組成物を、マイクロ冷却遠心機(3740、クボタ)を用いて精製し(13200rpm、40分)、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を1.33 mg/mLとした。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は105 nmであった。
参考例72
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更すること以外は、参考例71と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)=1重量部/0.3重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.91 mg/mL、平均粒子径が62 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例73
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更すること以外は、参考例68と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)=1重量部/0.3重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.21 mg/mL、平均粒子径が77 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例74
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、ポリソルベート量を0重量部から0.1重量部に変更すること以外は、参考例71と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80=1重量部/0.3重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.75 mg/mL、平均粒子径が81 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例75
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、ポリソルベート量を0重量部から0.01重量部に変更すること以外は、参考例71と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80=1重量部/0.3重量部/0.01重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.65 mg/mL、平均粒子径が60 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例76
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、ポリソルベート量を0重量部から0.1重量部に変更すること以外は、参考例71と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80=1重量部/0.15重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.95 mg/mL、平均粒子径が70 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例77
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からポリビニルピロリドン(PVP)に変更し、ポリソルベート量を0重量部から0.01重量部に変更すること以外は、参考例71と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ポリビニルピロリドン(PVP)/ポリソルベート80=1重量部/0.15重量部/0.01重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.97 mg/mL、平均粒子径が57 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例78
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からプルロニック(登録商標)F-127に変更すること以外は、参考例71と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ プルロニック(登録商標)F-127=1重量部/0.3重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.59 mg/mL、平均粒子径が96 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例79
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からプルロニック(登録商標)F-127に変更すること以外は、参考例68と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ プルロニック(登録商標)F-127=1重量部/0.3重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.48 mg/mL、平均粒子径が133 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例80
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=0.1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物の濃度を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は0.90 mg/mLであった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は400 nmであった。
参考例81
ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)量を0.5重量部から0.05重量部に変更し、ポリソルベート80量を0.1重量部から0.01重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)量を0.001重量部から0.0001重量部に変更し、D-マンニトール量を0.1重量部から0.01重量部に変更すること以外は、参考例80と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=0.1重量部/0.05重量部/0.01重量部/0.0001重量部/0.01重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が1.12 mg/mL、平均粒子径が226 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例82
粘稠化剤をヒドロキシプロピルセルロース(HPC)からヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)に変更し、ポリソルベート80量を0.1重量部から0.01重量部に変更し、塩化ベンザルコニウム(BAC)量を0.001重量部から0.0001重量部に変更し、D-マンニトール量を0.1重量部から0.01重量部に変更すること以外は、参考例80と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=0.1重量部/0.05重量部/0.01重量部/0.0001重量部/0.01重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.77 mg/mL、平均粒子径が268 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例83
化合物IIの塩酸塩水和物量を0.1重量部から0.2重量部に変更すること以外は、参考例80と同様にナノ粒子組成物を調製した。組成が化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=0.2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部であり、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が2.07 mg/mL、平均粒子径が258 nmのナノ粒子組成物を得た。
参考例84
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径1.0 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=0.2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物の濃度を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は2.05 mg/mLであった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は365 nmであった。
参考例85
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-10℃)を行い、その後、グルコース水溶液を添加、希釈し(Mill/Mix 400rpm, 5分)、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を、グリセロールを用いて希釈し、ナノ粒子組成物の組成を、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=0.25重量部/0.125重量部/0.025重量部/0.00025重量部/0.025重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は2.06 mg/mLであった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizer (Malvern instruments Nano series)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は206 nmであった。
参考比較例1
ポリプロピレン容器に4-[4-[3-(4-クロロ-3-トリフルオトメチルフェニル)-ウレイド]-3-フルオロフェノキシ]ピリジン-2-カルボン酸メチルアミド(Active Bio、以下同じ)を秤量し、次いで軽質流動パラフィン(ナカライテスク、以下同じ)を添加、懸濁液とし、ステンレスビーズ(直径3.0 mm、バイオメディカルサイエンス)を入れて蓋をした。自転・公転ミキサー(あわとり練太郎ARE-310、シンキ―、以下同じ)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、軽質流動パラフィンを添加、希釈した。その後、自転・公転ミキサーを用いて、湿式粉砕を行い、軽質流動パラフィンを添加、希釈し、4-[4-[3-(4-クロロ-3-トリフルオトメチルフェニル)-ウレイド]-3-フルオロフェノキシ]ピリジン-2-カルボン酸メチルアミド濃度21.1 mg/mLのマイクロサスペンションを得た。
マイクロサスペンションをレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック、日機装)を用いて測定すると、4-[4-[3-(4-クロロ-3-トリフルオトメチルフェニル)-ウレイド]-3-フルオロフェノキシ]ピリジン-2-カルボン酸メチルアミドの粒子径は5.15μm(D50)であった。
参考比較例2
容器に[4-[N-(2,3-ジメチル-2H-インダゾール-6-イル)-N-メチルアミノ]ピリミジン-2-イルアミノ]-2-メチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩を秤量し、次いでカプチゾル(Captisol、CYDEX、以下同じ)水溶液、リン酸二水素ナトリウム(和光純薬、以下同じ)、塩化ナトリウム(和光純薬、以下同じ)を添加し、水酸化ナトリウムを用いてpH5.0に調整し、溶液組成物(パゾパニブ水溶液)を得た。溶液組成物の組成は、[4-[N-(2,3-ジメチル-2H-インダゾール-6-イル)-N-メチルアミノ]ピリミジン-2-イルアミノ]-2-メチルベンゼンスルホンアミド塩酸塩/Captisol/リン酸塩/塩化ナトリウム=5 mg/mL/70 mg/mL/3.45 mg/mL/1.45 mg/mLとした。
参考比較例3
ポリプロピレン容器に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでグルコース水溶液(組成:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/ D-マンニトール=0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部)を添加、懸濁液とし、ステンレスビーズ(直径3.0 mm、バイオメディカルサイエンス)を入れて蓋をした。自転・公転ミキサー(あわとり練太郎ARE-310)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、グルコース水溶液(組成:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部)を添加、希釈した。その後、自転・公転ミキサーを用いて、湿式粉砕を行い、グルコース水溶液(組成:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部)を添加、希釈し、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.46 mg/mLのマイクロサスペンションを得た。
マイクロサスペンションをレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック、日機装)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の粒子径は8.56μm(D50)であった。
参考比較例4
4-[4-[3-(4-クロロ-3-トリフルオトメチルフェニル)-ウレイド]-3-フルオロフェノキシ]ピリジン-2-カルボン酸メチルアミドの代わりに化合物IIの塩酸塩水和物を用いたこと以外は、参考比較例1と同様にマイクロ粒子組成物を調製した。化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が0.17 mg/mL、D50が6.83 μmのマイクロ粒子組成物を得た。
参考比較例5
ポリプロピレン容器に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、リン酸緩衝生理食塩水水溶液を添加、懸濁液とし、ステンレスビーズ(直径3.0 mm、バイオメディカルサイエンス)を入れて蓋をした。自転・公転ミキサー(あわとり練太郎ARE-310)を用いて、湿式粉砕を行い、その後、リン酸緩衝生理食塩水水溶液を添加、希釈した。その後、自転・公転ミキサーを用いて、湿式粉砕を行い、リン酸緩衝生理食塩水水溶液を添加、希釈し、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度が5.27 mg/mLのマイクロサスペンションを得た。
マイクロサスペンションをレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラック、日機装)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の粒子径は4.80 μm(D50)であった。
参考試験例1
参考例のナノ粒子組成物および参考比較例のマイクロ粒子組成物をラットに単回点眼投与したときの薬物動態
参考例19および参考例24のナノ粒子組成物、ならびに参考比較例3および参考比較例4のマイクロ粒子組成物をそれぞれ、ラットに単回点眼投与(4〜12μL/eye、各群n=2)したときの薬物動態を評価した。ナノ粒子組成物またはマイクロ粒子組成物を雄性Brown Norwayラットの右眼に単回点眼投与し、点眼投与後4〜7時間に安楽死させ、右眼球を摘出した。眼球を洗浄した後に眼球組織試料(脈絡膜/強膜)を採取した。
採取した眼球組織試料に一定量の50vol%メタノール溶液を添加してホモジナイズし、さらにアセトニトリルを添加して撹拌した。試料を遠心分離して上清を採取し、10 mmol/Lの酢酸アンモニウム溶液を添加して測定試料とした。
測定試料中の薬物濃度を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC/MS/MS)を用いて測定した。結果を表16および図1に示す。
脈絡膜・強膜中濃度、脈絡膜・強膜中濃度/製剤濃度は平均値 (n=2)
表16は、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が1000 nm以下となることにより、脈絡膜・強膜への移行性が飛躍的に高まることを示している。
参考試験例2
参考例のナノ粒子組成物をラットに単回点眼投与したときの薬物動態
参考例1、参考例7、参考例9、参考例15、参考例27、参考例29および参考例39に従って調製したナノ粒子組成物をそれぞれ、ラットに単回点眼投与したときの薬物動態を評価した。ナノ粒子組成物を雄性Brown Norwayラットの右眼に単回点眼投与し(5μL/eye、各群n=2)、点眼投与後4時間に安楽死させ、右眼球を摘出した。眼球を洗浄した後に脈絡膜/強膜試料を採取した。
採取した脈絡膜/強膜試料に一定量の50vol%メタノール溶液を添加してホモジナイズし、さらにアセトニトリルを添加して撹拌した。試料を遠心分離して上清を採取し、10 mmol/Lの酢酸アンモニウム溶液を添加して測定試料とした。
測定試料中の薬物濃度を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC/MS/MS)を用いて測定した。結果を表17に示す。
脈絡膜・強膜中濃度、脈絡膜・強膜中濃度/製剤濃度は平均値 (n=3)
表17は、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が400nm未満であると、脈絡膜・強膜への移行性が好ましく、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が200nm未満であると、脈絡膜・強膜への移行性がより好ましく、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が120nm未満であると、脈絡膜・強膜への移行性がさらに好ましいことを示している。
参考試験例3
参考例のナノ粒子組成物をラットに単回点眼投与したときの薬物動態
参考例1および参考例26に準じて調製したナノ粒子組成物ならびに参考例50、参考例52、参考例53、参考例54、参考例57および参考例85のナノ粒子組成物をそれぞれ、ラットに単回点眼投与したときの薬物動態を評価した。ナノ粒子組成物を雄性Brown Norwayラットの右眼に単回点眼投与し(5μL/eye、各群n=2)、点眼投与後4時間に安楽死させ、右眼球を摘出した。眼球を洗浄した後に脈絡膜/強膜試料を採取した。
採取した脈絡膜/強膜試料に一定量の50vol%メタノール溶液を添加してホモジナイズし、さらにアセトニトリルを添加して撹拌した。試料を遠心分離して上清を採取し、10 mmol/Lの酢酸アンモニウム溶液を添加して測定試料とした。
測定試料中の薬物濃度を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC/MS/MS)を用いて測定した。結果を表18に示す。
脈絡膜・強膜中濃度、脈絡膜・強膜中濃度/製剤濃度は平均値 (n=3)
表18は、化合物IIの塩酸塩水和物がナノ粒子であれば、その製剤組成によらず、脈絡膜・強膜への移行性が高いことを示している。一方、分散媒をグリセロールとした眼軟膏(参考例85)のみ脈絡膜・強膜中への移行性が低下した。
参考試験例4
参考例のナノ粒子組成物および参考比較例のマイクロ粒子組成物をウサギに単回点眼投与したときの薬物動態
参考例1および参考例40に従って調製したナノ粒子組成物、参考例84のナノ粒子組成物、ならびに参考比較例5に従って調製したマイクロ粒子組成物をそれぞれ、Kbl:Dutchウサギに単回点眼投与(20 μL/eye(目))したときの薬物動態を評価した。ナノ粒子組成物またはマイクロ粒子組成物を動物の右眼に単回点眼投与した(各条件n=3)。点眼投与後1.5時間に安楽死させ、眼球を摘出した。眼球を洗浄した後に脈絡膜/網膜試料を採取した。
採取した脈絡膜/網膜試料に一定量の50vol%メタノール溶液を添加してホモジナイズし、さらにアセトニトリルを添加して撹拌した。試料を遠心分離して上清を採取し、10 mmol/Lの酢酸アンモニウム溶液を添加して測定試料とした。
測定試料中の化合物IIの塩酸塩水和物の濃度を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC/MS/MS)を用いて測定した。結果を表19および表20に示す。
平均値(n=3)
平均値(n=3)
表19および表20は、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が400nm未満であると、脈絡膜・網膜への移行性が好ましく、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が150nm未満であると、脈絡膜・網膜への移行性がより好ましく、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径が70nm未満であると、脈絡膜・網膜への移行性がさらに好ましいことを示している。
表19および表20は、参考例のナノ粒子組成物および参考比較例のマイクロ粒子組成物をウサギに単回点眼投与したとき、粒子径が小さいほど化合物IIの塩酸塩水和物の脈絡膜/網膜への移行性が高いことを示している。
参考試験例5
参考例1に従って調製したナノ粒子組成物および参考比較例1に従って調製したマイクロ粒子組成物をカニクイザルに単回点眼投与したときの薬物動態
参考例1に従って調製したナノ粒子組成物または参考比較例1に従って調製したマイクロ粒子組成物を、雄性カニクイザルに単回点眼投与したときの薬物動態を評価した。参考例1に従って調製したナノ粒子組成物を右眼に点眼投与(50 μL/eye(目))し、同時に、参考比較例1に従って調製したマイクロ粒子組成物を左眼に点眼投与(50 μL/eye(目))した。点眼投与後4時間または48時間(各時点n=2)に採血した後に安楽死させ、眼球を摘出した。眼球を洗浄した後に脈絡膜組織を採取した。
採取した脈絡膜試料に50vol%メタノール溶液を一定量添加してホモジナイズし、さらにアセトニトリルを添加して撹拌した。試料を遠心分離して上清を採取し、10 mmol/Lの酢酸アンモニウム溶液を添加したものを測定試料とした。測定試料中の薬物濃度を液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析計(LC/MS/MS)を用いて測定し、眼組織試料中の薬物濃度を算出した。結果を表21に示す。
平均値(n=2)
参考例1に従って調製したナノ粒子組成物または参考比較例1に従って調製したマイクロ粒子組成物を、雄性カニクイザルに単回点眼投与したとき、ナノ粒子組成物に含まれる化合物IIの塩酸塩水和物の脈絡膜中濃度は、マイクロ粒子組成物に含まれるレゴラフェニブ(4-[4-[3-(4-クロロ-3-トリフルオトメチルフェニル)-ウレイド]-3-フルオロフェノキシ]ピリジン-2-カルボン酸メチルアミド)の脈絡膜中濃度よりも顕著に高かった。
参考試験例6
ラットのレーザー惹起脈絡膜新生血管モデルにおける参考例のナノ粒子組成物の血管新生抑制効果
本試験は、代表的な滲出型加齢性黄斑変性症モデルであるラットのレーザー惹起脈絡膜新生血管モデルにおいて、参考例のナノ粒子組成物が血管新生抑制効果を示すか否かを評価することを目的とする。なお、本明細書において「媒体」とは、薬効成分(実施例では化合物II)以外の全ての成分を意味する。
雄性Brown Norwayラット(各群n=12〜13)の眼球を検査用散瞳点眼剤で散瞳させ、塩酸ケタミン/塩酸キシラジン(7:1、v/v)混合溶液を大腿筋肉内に投与(1 mL/kg)して全身麻酔を施した。その後、スリットランプを用いて右眼眼底を観察し、マルチカラーレーザー光凝固装置を用いて、網膜の8ヵ所にレーザー(波長 532 nm、スポットサイズ 80 μm、照射時間 0.05 sec、出力 120 mW)を照射することでレーザー惹起脈絡膜新生血管モデル動物を作製した。
参考例1の媒体、参考例1および参考例2のナノ粒子組成物を、レーザー照射直後からレーザー照射後14日までモデル動物に1日2回で点眼投与した(5μL/eyeで6時間:18時間の間隔)。アフリベルセプト(アイリーア(登録商標)硝子体内注射液、バイエル株式会社)をレーザー照射直後に硝子体内注射(5 μL/eye(目)、1回)した。
レーザー照射14日後、全身麻酔下で4%(v/v)FITC-dextran溶液を尾静脈に投与(1mL/匹)した。イソフルラン(マイラン製薬株式会社)吸入による過麻酔により安楽死させ、眼球を摘出した。摘出した眼球は、4%パラホルムアルデヒド(PFA)を含む0.1 mol/Lリン酸緩衝液で24時間固定した。
脈絡膜フラットマウント標本を作製するため、実体顕微鏡(EZ-4、ライカマイクロシステムズ株式会社)下で、固定後の眼球の角膜輪部に注射針を用いて穴を開け、その穴を起点に角膜全体、虹彩および水晶体を切除して眼杯の状態にした。網膜色素上皮細胞以外の網膜組織を剥がし、眼杯を分割した。FLUOROMOUNT(DBS社)を滴下し、カバーガラスで封入して標本を作製し、4℃、遮光下で24時間乾燥させた。
共焦点顕微鏡(Nikon ECLIPSE TE 2000-U)を用いて、脈絡膜血管新生部位の写真を撮影した。脈絡膜血管新生の評価として、ImageJ(アメリカ国立衛生研究所)で、血管が新生し、盛り上がっている一番高い部分より内側の面積(単位:ピクセル(pixel))を算出した。そして、1眼8箇所のデータのうち、不明瞭なレーザー照射部位を省いた3ヵ所以上の血管新生面積の平均を個体値とし、各群の平均面積を算出した。また、統計処理として、媒体群に対するアフリベルセプト(アイリーア(登録商標)硝子体内注射液、バイエル株式会社)投与群、参考例1投与群および参考例2投与群のBartlett 検定を実施し、等分散である場合はDunnet 検定を実施した。なお、検定には統計解析ソフト(Stat Light、ユックムス株式会社)を用い、いずれの検定も有意水準は5%(両側検定)とした。結果を図2および表22に示す。
平均値(n = 12〜13)
*: p < 0.05、媒体vsアフリベルセプト、参考例1および参考例2
ラットのレーザー惹起脈絡膜新生血管モデルにおいて、参考例1および参考例2のナノ粒子組成物を点眼投与したとき、アフリベルセプト(アイリーア、硝子体内注射)と同等以上の血管新生抑制効果が確認された。
参考試験例7
カニクイザルレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおける参考例のナノ粒子組成物および参考比較例の溶液の薬理作用
本試験は、代表的な滲出型加齢性黄斑変性症モデルであるカニクイザルレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルにおいて、参考例のナノ粒子組成物が薬理作用を示すか否かを評価することを目的とする。
薬剤の投与開始21日前に、動物(全例)の両眼にレーザーを照射し、動物モデルを作製した。レーザーを照射する動物の眼に散瞳剤を点眼し,散瞳を確認した後,塩酸ケタミン(50 mg/mL)およびキシラジン水溶液(20 mg/mL)の混合液[7:1(v/v)]を筋肉内投与(0.2 mL/kg,10 mg/kg)した。網膜レーザーレンズ接眼部に特殊コンタクトレンズ角膜装着補助剤(スコピゾル眼科用液)を適量滴下した。照射眼に網膜レーザーレンズを圧着し,黄斑を確認した。黄斑の確認後,マルチカラーレーザー光凝固装置(MC-500,株式会社ニデック)を用いて,緑色レーザー(波長532 nm、照射スポットサイズ 80 μm,照射時間 0.1秒間,出力 1000 mW)を中心窩を避けた黄斑周囲に8ヶ所照射した。
表23に示す試験構成で、媒体、参考例1に従って調製したナノ粒子組成物、および参考比較例2の溶液組成物をそれぞれ、動物へ1日4回で35日間点眼投与した。アフリベルセプト(アイリーア(登録商標)硝子体内注射液、バイエル株式会社)は、動物に硝子体内注射(1回)した。
検眼鏡的検査を馴化期間中(−1日目)および投与期間中(投与7,14,21,28および34日目)に実施した。ポータブルスリットランプ(SL-15,興和株式会社)を用いて肉眼および対光反射検査を実施した。散瞳剤を点眼して散瞳を確認した後,塩酸ケタミン(50 mg/mL)を筋肉内投与(0.2 mL/kg,10 mg/kg)した。ポータブルスリットランプを用いて前眼部および中間透光体を検査し,額帯式双眼倒像検眼鏡(IO-αSmall Pupil,株式会社ナイツ)を用いて眼底を検査した。全例について眼底カメラ(VX-10α,興和株式会社)を用いて眼底の写真撮影を実施した。
蛍光眼底造影検査を馴化期間中(−1日目)および投与期間中(投与7,14,21,28および34日目)に実施した。検査として、肉眼および検眼鏡的検査の散瞳および麻酔下で,造影剤(フルオレサイト静注500 mg,日本アルコン株式会社)を前腕の橈側皮静脈から投与(0.1 mL/kg,0.1 mL/s)した。造影剤投与約1,3,5分後に眼底カメラを用いて撮影を実施した。照射スポットごとに脈絡膜血管新生Grade評価を実施した。蛍光眼底造影の画像を観察し,表24の基準に従って,照射スポットごとにGradeを決定した。
a)造影剤投与約1分後の蛍光眼底画像
b)造影剤投与約3分後の蛍光眼底画像
c)造影剤投与約5分後の蛍光眼底画像
検査時点ごとに各眼のGrade 1〜4の出現率を以下の式によりそれぞれ算出した。
Grade 出現率(%)= 照射スポット数/8 × 100
Grade 4の出現率の結果を表25と図3に示す。
平均値 (n=6)
標準誤差 (n=6)
カニクイザルレーザー誘発脈絡膜血管新生モデルに参考例1のナノ粒子組成物を点眼投与したとき、アフリベルセプト(アイリーア、硝子体内注射)と同等の血管新生抑制効果が確認され、その効果は参考比較例2の溶液組成物と比較して顕著に高かった。
参考試験例8
マウス高酸素負荷網膜症モデルにおける参考例のナノ粒子組成物の薬理作用
本試験は、代表的な糖尿病網膜症モデルであるマウス高酸素負荷網膜症(oxygen-induced retinopathy)モデルにおいて、参考例のナノ粒子組成物が薬理作用を示すか否かを評価することを目的とする。
幼弱(1週齢)の129SVEマウス(各群10〜12匹)を高酸素負荷処置(75%酸素下、5日間)に供した後、通常酸素下で媒体および参考例1に準じて調製したナノ粒子組成物を1日2回(8-9時の間に1回、16-17時の間に1回)で右眼に5日間点眼投与(2 μL/eye(目))した。投与期間終了後、ケタミン/キラジンを腹腔内投与して麻酔し、Euthasolを腹腔内投与して動物を安楽死させた。眼球を摘出し、室温下で4%パラホルムアルデヒドで1時間処置して固定した。固定化した眼球から網膜組織を分取し、Isolectin-B4を含有する塩化カルシウム緩衝液で染色した。眼球を洗浄した後、フラットマウント標本を作成し、顕微鏡下で網膜中の新生血管面積(網膜の総組織面積に対する新生血管面積の割合)を評価した。
統計処理として、unpaired t-testで媒体投与群に対する、参考例1に従って調製したナノ粒子組成物投与群の有意差を検定した。検定には統計解析ソフトとしてGraphpad Prismを用い、いずれの検定も有意水準は5%とした。
結果を表26および図4に示す。
マウス高酸素負荷網膜症モデルにおいて、参考例1に準じて調製したナノ粒子組成物を1日2回で点眼投与したとき、媒体投与群と比較して有意(p≦0.001; Unpaired student t-test)な、網膜中における血管新生抑制効果が認められた。
実施例1
工程1
ジルコニア容器(シンキー)に化合物IIの塩酸塩水和物を秤量し、次いでヒドロキシプロピルセルロース(ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、日本曹達、以下同じ)、水を添加、懸濁液とし、ジルコニアボール(ジルコニア粉砕ボール、YTZ 直径0.1 mm、ニッカトー)を入れて蓋をした。自転・公転ナノ粉砕機(NP−100、シンキー)を用いて、湿式粉砕(Mill/Mix 2000rpm, 1分loop/30回/-20℃)を行い、その後、ジルコニアボールをスクリーン除去し(Clean Media 2000rpm, 1分、Mill/Mix 400rpm, 1分)、ナノ粒子組成物を得た。
ナノ粒子組成物の組成は、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)=5重量部/1.25重量部とした。
工程2
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80(メルク、以下同じ)、塩化ベンザルコニウム(塩化ベンザルコニウム(BAC)、日油、以下同じ)、D-マンニトール(メルク、以下同じ)、ラクトース(DMV International、以下同じ)、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ラクトース=2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機(FDU-2110、東京理化器械、以下同じ)を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は19.20 mg/mL、類縁総量は0.326%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizer(Malvern instruments Nano series、以下同じ)を用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は104 nmであった。
実施例2
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ソルビトール(純正化学、以下同じ)、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ソルビトール=2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は18.01 mg/mL、類縁総量は0.327%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は107 nmであった。
実施例3
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/10.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は18.57 mg/mL、類縁総量は0.327%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は108 nmであった。
実施例4
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ソルビトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ソルビトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は8.86 mg/mL、類縁総量は0.329%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は162 nmであった。
実施例5
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/10.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は9.36 mg/mL、類縁総量は0.328%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は165 nmであった。
実施例6
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ラクトース、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ラクトース=0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は4.64 mg/mL、類縁総量は0.329%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は234 nmであった。
実施例7
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ソルビトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ソルビトール=0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は4.47 mg/mL、類縁総量は0.331%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は227 nmであった。
実施例8
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/10.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を凍結乾燥機を用いて凍結乾燥し、凍結乾燥ナノ粒子組成物を得た。該製剤に水を添加し、溶解すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は4.30 mg/mL、類縁総量は0.329%であった。
再水和後のナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は226 nmであった。
比較例1
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ラクトース、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ラクトース=2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は19.76 mg/mL、類縁総量は0.333%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は110 nmであった。
比較例2
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ソルビトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ソルビトール=2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は20.94 mg/mL、類縁総量は0.336%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は115 nmであった。
比較例3
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=2重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/10.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は19.60 mg/mL、類縁総量は0.335%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は114 nmであった。
比較例4
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ソルビトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ソルビトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は9.93 mg/mL、類縁総量は0.336%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は163 nmであった。
比較例5
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=1重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/10.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は10.20 mg/mL、類縁総量は0.336%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は160 nmであった。
比較例6
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ラクトース、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ラクトース=0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は4.99 mg/mL、類縁総量は0.332%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は220 nmであった。
比較例7
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、ソルビトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール/ソルビトール=0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/0.1重量部/10重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は4.90 mg/mL、類縁総量は0.336%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は214 nmであった。
比較例8
実施例1の工程1で調製したナノ粒子組成物にポリソルベート80、塩化ベンザルコニウム(BAC)、D-マンニトール、水を加え、化合物IIの塩酸塩水和物/ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/ポリソルベート80/塩化ベンザルコニウム(BAC)/D-マンニトール=0.5重量部/0.5重量部/0.1重量部/0.001重量部/10.1重量部とした。
このナノ粒子組成物を測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の濃度は4.80 mg/mL、類縁総量は0.336%であった。
ナノ粒子組成物をZeta Sizerを用いて測定すると、化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径は207 nmであった。
試験例1
実施例1〜8、比較例1〜8で調製したナノ粒子組成物を25℃・60%RHにて1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月保存した後の化合物IIの塩酸塩水和物の平均粒子径、濃度、類縁総量を測定した結果を、表35〜37および図5〜14に示す。

Claims (24)

  1. ナノ粒子形態の式(I)
    (式中、
    1およびR2は、同一または異なって、C1−C6アルコキシ基を表し、
    3は、ハロゲン原子を表し、
    4およびR5は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基またはアミノ基を表し、
    6およびR7は、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキルチオ基、トリフルオロメチル基、ニトロ基、アミノ基、1または2のC1−C4アルキル基で置換されているアミノ基、C1−C4アルコキシカルボニルC1−C4アルキル基、C1−C4アルキルカルボニル基またはC3−C5シクロアルキル基を表す)
    で表される化合物もしくはその薬学的に許容可能な塩、またはそれらの水和物もしくは溶媒和物を含む眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤。
  2. 4およびR5が、同一または異なって、水素原子またはハロゲン原子であり、R6およびR7が、同一または異なって、水素原子、ハロゲン原子またはC1−C4アルキル基である、請求項1に記載の凍結乾燥製剤。
  3. 3が、塩素原子である、請求項1または2に記載の凍結乾燥製剤。
  4. 6が、C1−C4アルキル基であり、R7が、水素原子である、請求項1〜3のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  5. 4およびR5が、水素原子である、請求項1〜4のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  6. 式(I)で表される化合物が、式(II)
    で表される化合物である、請求項1に記載の凍結乾燥製剤。
  7. 眼科疾患治療剤が凍結乾燥保護物質をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  8. 凍結乾燥保護物質が糖である、請求項7に記載の凍結乾燥製剤。
  9. 糖が、ラクトース、マンニトールおよびソルビトールからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の凍結乾燥製剤
  10. 凍結乾燥製剤から再構成される眼科疾患治療剤における式(I)で表される化合物の濃度が20 mg/mL以下である、請求項1〜9いずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  11. 眼科疾患治療剤が、粘稠化剤、界面活性剤および分散媒からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜10のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  12. 粘稠化剤が、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポビドン、部分けん化ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシエチルセルロース、非晶質セルロース、メチルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウムおよびトリエタノールアミンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11に記載の凍結乾燥製剤。
  13. 界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシル40、ステアリン酸スクロース、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、L-α-ホスファチジルコリン(PC)、1,2-ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、オレイン酸、天然レシチン、合成レシチン、オレイルポリオキシエチレンエーテル、ラウリルポリオキシエチレンエーテル、ジオレイン酸ジエチレングリコール、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノリシノール酸グリセリル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ポリエチレングリコール、チロキサポール、オクチルフェノールエトキシレート、アルキルグルコシドおよびポロキサマーからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11または12に記載の凍結乾燥製剤。
  14. 分散媒が、水、アルコール、流動パラフィン、溶質を含む水、溶質を含むアルコール、および溶質を含む流動パラフィンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項11〜13のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  15. 分散媒が、溶質を含む水である、請求項11〜13のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  16. 溶質が、塩化ナトリウム、グルコース、グリセロール、マンニトール、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、炭酸水素ナトリウム、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、クエン酸水和物、ホウ酸およびホウ砂からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項14または15に記載の凍結乾燥製剤。
  17. 眼科疾患治療剤が、防腐剤および包接物質からなる群から選ばれる少なくとも1種をさらに含む、請求項1〜16のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  18. 防腐剤が、塩化ベンザルコニウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、エデト酸ナトリウム水和物、クロルヘキシジングルコン酸塩およびソルビン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項17に記載の凍結乾燥製剤。
  19. 包接物質が、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンおよびγ-シクロデキストリンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項17または18に記載の凍結乾燥製剤。
  20. 眼科疾患治療剤が眼局所投与用である、請求項1〜19のいずれかに記載の凍結乾燥製剤。
  21. 眼局所投与が、点眼投与、結膜下投与、テノン嚢下投与、硝子体内投与、上脈絡膜投与、眼周囲投与または眼内インプラントによる投与である、請求項20に記載の凍結乾燥製剤。
  22. 請求項1〜21のいずれかにおいて規定する眼科疾患治療剤を凍結乾燥することを含む、前記眼科疾患治療剤の保存安定性を高める方法。
  23. 請求項1〜21のいずれかに記載の凍結乾燥製剤を水和することを含む、ナノ粒子形態の眼科疾患治療剤の調製方法。
  24. 請求項1〜21のいずれかにおいて規定する眼科疾患治療剤を凍結乾燥することを含む、前記眼科疾患治療剤の凍結乾燥製剤を製造する方法。
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