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JP2019196839A - 機器温調装置 - Google Patents

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竹内 雅之
Masayuki Takeuchi
雅之 竹内
加藤 吉毅
Yoshitake Kato
吉毅 加藤
山中 隆
Takashi Yamanaka
隆 山中
大見康光
Yasumitsu Omi
康光 大見
義則 毅
Takeshi Yoshinori
毅 義則
功嗣 三浦
Koji Miura
功嗣 三浦
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Denso Corp
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Abstract

【課題】夏期において電池に対する冷却性能の向上を図ることができる機器温調装置を提供する。【解決手段】冷媒回路のエバポレータ46は、空調ユニットに設けられ、冷媒を蒸発させることにより、空調ユニット内を流れる空気を冷却する。そして、作動流体回路の放熱器16は、そのエバポレータ46と一体に構成されている。従って、空調ユニットの冷房運転時にエバポレータ46の冷却作用を放熱器16内の作動流体からの放熱促進に利用できるので、夏期において電池12に対する冷却性能の向上を図ることができる。【選択図】図3

Description

本発明は、対象機器の温度を調整する機器温調装置に関するものである。
この種の機器温調装置として、例えば特許文献1に記載された冷却装置が従来から知られている。この特許文献1に記載された冷却装置は、作動流体を、受熱部、放熱経路、放熱部、帰還経路、受熱部の順に循環させて熱の移動を行う。具体的には、半導体スイッチング素子である対象機器から受熱部の受熱板へ伝わった熱が、受熱板上に供給された液状の作動流体を加熱し、瞬時に気化させる。そして、その受熱板から気化潜熱を奪った蒸気は、受熱部の排出口から放熱経路へと流れ、放熱部で凝縮することにより熱を外気へ放出する。
また、放熱部は車両前面に配置されており、走行風によって作動流体を冷却し凝縮させる。
特開2013−32904号公報
上述した特許文献1の冷却装置のように作動流体が走行風によって冷却される場合、例えば夏期においては外気温度が高いため、放熱部の放熱性能低下により、冷却装置の冷却性能が悪化する。発明者らの詳細な検討の結果、以上のようなことが見出された。
本発明は上記点に鑑み、夏期において対象機器に対する冷却性能の向上を図ることができる機器温調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る機器温調装置は、
対象機器(12)の温度を調整する機器温調装置であって、
圧縮機(40)とコンデンサ(42)と減圧装置(44)とエバポレータ(46)とを有し、冷媒が循環し冷凍サイクルを構成する冷媒回路(38)と、
対象機器から作動流体に吸熱させる吸熱器(14)と作動流体から放熱させる放熱器(16)とを有し、作動流体が循環する作動流体回路(26)とを備え、
エバポレータは、空調ユニット(30)に設けられ、冷媒を蒸発させることにより、空調ユニット内を流れる空気を冷却し、
放熱器は、エバポレータと一体に構成されている。
上述の発明によれば、冷媒回路のエバポレータは、空調ユニットに設けられ、冷媒を蒸発させることにより、空調ユニット内を流れる空気を冷却する。そして、作動流体回路の放熱器は、エバポレータと一体に構成されている。従って、空調ユニットの冷房運転時にエバポレータの冷却作用を放熱器内の作動流体からの放熱促進に利用できるので、夏期において対象機器に対する冷却性能の向上を図ることができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態において機器温調装置の概略構成を示した模式図である。 第1実施形態において機器温調装置を搭載する車両を模式的に示した模式図である。 第1実施形態において、エバポレータとそれに対して一体構成された放熱器との概略構成を模式的に示した第1の斜視図である。 第1実施形態において、図3とは異なる方向から見たエバポレータと放熱器との概略構成を模式的に示した第2の斜視図であって、図3の矢印IV方向からエバポレータと放熱器とを見た図である。 第1実施形態において、エバポレータおよび放熱器のうちチューブ積層方向の一方側の側面を模式的に表した側面図である。 第2実施形態において機器温調装置を搭載する車両を模式的に示した模式図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。 第1実施形態に対する第1の変形例において、エバポレータとそれに対して一体構成された放熱器との概略構成を模式的に示した斜視図であって、第1実施形態の図3に相当する図である。 第1実施形態に対する第2の変形例において、エバポレータとそれに対して一体構成された放熱器との概略構成を模式的に示した斜視図であって、第1実施形態の図3に相当する図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1および図2に示すように、本実施形態の機器温調装置10は、電気自動車やハイブリッド車などの電動車両90に搭載される。そして、本実施形態では、機器温調装置10は、その電動車両90に搭載される二次電池12(以下、単に「電池12」とも呼ぶ)を冷却する冷却装置として機能する。すなわち、機器温調装置10が冷却する対象機器は、電動車両90に搭載される車両搭載装置である電池12である。
機器温調装置10を搭載する電動車両90(以下、単に「車両90」とも呼ぶ)では、二次電池12を主要構成部品として含む蓄電装置(言い換えれば、電池パック)に蓄えた電気エネルギーがインバータなどを介してモータに供給され、それによって車両90は走行する。電池12は車両走行中など車両使用時に自己発熱する。そして、電池12が過度に高温になると、その電池12を構成する電池セル121の劣化が促進されることから、自己発熱が少なくなるように電池セル121の出力および入力に制限を設ける必要がある。そのため、電池セル121の出力および入力を確保するためには、電池12を所定の温度以下に維持するための冷却装置が必要となる。
また、車両走行中だけでなく夏季の駐車放置中などにも電池温度は上昇する。また、蓄電装置は車両90の床下やトランクルーム下などに配置されることが多く、電池12に与えられる単位時間当たりの熱量は小さいものの、長時間の放置により電池温度は徐々に上昇する。電池12を高温状態で放置すると電池12の寿命が大幅に低下するので、車両90の放置中も電池12を冷却するなど電池温度を低温に維持することが望まれている。
更に、電池12は、図1および図2に示すように、複数の電池セル121を含む組電池として構成されているが、各電池セル121の温度にばらつきがあると電池セル121の劣化に偏りが生じ、蓄電装置の性能が低下してしまう。これは、最も劣化した電池セル121の特性に合わせて蓄電装置の入出力特性が決まることによる。そのため、長期間にわたって蓄電装置に所望の性能を発揮させるためには、複数の電池セル121相互間の温度ばらつきを低減させる均温化が重要となる。
また、電池12を冷却する他の冷却装置として、これまでブロワによる送風や、冷凍サイクルを用いた空冷、水冷、あるいは冷媒直接冷却方式が一般的となっているが、ブロワは車室内の空気を送風するだけなので、ブロワの冷却能力は低い。また、ブロワによる送風では空気の顕熱で電池12を冷却するので、空気流れの上流と下流との間で温度差が大きくなり、電池セル121間の温度ばらつきを十分に抑制できない。また、冷凍サイクル方式では冷却能力は高いが、電池セル121との熱交換部は空冷または水冷の何れでも顕熱冷却であるので、同じく、電池セル121間の温度ばらつきを十分に抑制できない。更には、駐車放置中に冷凍サイクルのコンプレッサや冷却ファンを駆動させることは、電力消費の増大や騒音などの原因となるので好ましくない。
これらの背景から、本実施形態の機器温調装置10では、電池12の冷却のために、コンプレッサを用いず作動流体の自然循環で電池12を冷却するサーモサイフォン方式が採用されている。
具体的に、機器温調装置10は、図1および図2に示すように、作動流体が循環する作動流体回路26を備えている。この作動流体回路26は、電池冷却器14と、放熱器16と、往路部としての往路配管18と、復路部としての復路配管20とを有している。その放熱器16と往路配管18と電池冷却器14と復路配管20は環状に連結されている。
その作動流体回路26は、作動流体の蒸発および凝縮により熱移動を行うヒートパイプである。そして、作動流体回路26は、ガス状の作動流体が流れる流路と液状の作動流体が流れる流路とが分離されたループ型のサーモサイフォン(言い換えれば、サーモサイフォン回路)を構成する。なお、図1では、電池冷却器14と、電池冷却器14への各配管18、20の接続部分とが断面図示されている。また、図1および図2において矢印DR1、DR2は、機器温調装置10を搭載する車両90の向きを示す。すなわち、矢印DR1は車両上下方向DR1を示し、矢印DR2は車両前後方向DR2を示している。
作動流体回路26内には作動流体が封入充填されている。そして、作動流体回路26内はその作動流体で満たされている。その作動流体は作動流体回路26を循環し、機器温調装置10は、その作動流体の液相と気相との相変化によって電池12の温度(すなわち、電池温度)を調整する。詳細には、その作動流体の相変化によって電池12を冷却する。
作動流体回路26内に充填されている作動流体は、例えば、HFO−1234yfまたはHFC−134aなどのフロン系冷媒である。
図1および図2に示すように、機器温調装置10の電池冷却器14は、電池12から作動流体に吸熱させる吸熱器(言い換えれば、作動流体吸熱部)である。すなわち、電池冷却器14は、電池12から作動流体へ熱移動させることにより電池12を冷却する。電池冷却器14は、例えば熱伝導性の高いアルミニウム合金等の金属製である。
詳細には、電池冷却器14の内部には、液相の作動流体が溜まる冷却器室14aが形成されている。そして、電池冷却器14は、その冷却器室14a内の作動流体に電池12から吸熱させることにより、その作動流体を蒸発させる。
また、電池冷却器14が冷却する電池12は、直列に電気接続された複数の電池セル121を含んでいる。その複数の電池セル121は電池積層方向DRbに積層されており、その電池積層方向DRbは、車両90が水平に配置された車両水平状態では、水平方向になる。
また本実施形態では、電池12は、車両90の床下に配置されている。そのため、電池冷却器14も車両90の床下に配置されている。なお、確認的に述べるが、図2は模式図であり、電池冷却器14と放熱器16とのそれぞれにおいて各配管18、20の具体的な接続箇所を示してはいない。
電池冷却器14は例えば直方体形状の箱状を成し、電池積層方向DRbへ延びるように形成されている。また、電池冷却器14は、その電池冷却器14の上面141aが形成された上面部141を有している。すなわち、その上面部141の上面141a側とは反対側には、冷却器室14aの上側を形成する上側内壁面141bが形成されている。
作動流体回路26内への作動流体の充填量は、冷却器室14aに溜まった液相の作動流体が沸騰等による気泡を含まない場合に、車両水平状態で冷却器室14aが液相の作動流体で満たされる量とされている。そのため、液相の作動流体の液面は、往路配管18内と復路配管20内とに形成され、電池冷却器14の上側内壁面141bよりも上方に位置する。図1では、往路配管18内における液相の作動流体の液面位置SF1は破線SF1で示され、復路配管20内における液相の作動流体の液面位置SF2は破線SF2で示されている。
複数の電池セル121はそれぞれ電池冷却器14の上面141aの上に並べて配置されている。そして、複数の電池セル121はそれぞれ、電池冷却器14の上面部141との間で熱伝導可能なようにその上面部141に接続されている。これにより、電池冷却器14の上面141aは、電池12を冷却する電池冷却面として機能し、電池冷却器14の上面部141は、その電池冷却面を形成する冷却面形成部として機能する。
電池冷却器14には流入口14bと流出口14cとが形成されている。その流入口14bは、往路配管18の内部に形成された往路流通路18aを電池冷却器14内(すなわち、冷却器室14a)へ連通させている。従って、作動流体回路26を作動流体が循環すると、往路流通路18aの作動流体は電池冷却器14の流入口14bを介して冷却器室14aに流入する。その往路流通路18aは、放熱器16から電池冷却器14へ作動流体を流す作動流体流路である。電池冷却器14の流入口14bは例えば、電池積層方向DRbにおける電池冷却器14の一方側の端部に設けられている。
また、電池冷却器14の流出口14cは、復路配管20の内部に形成された復路流通路20aを電池冷却器14内へ連通させている。従って、作動流体回路26を作動流体が循環すると、冷却器室14aの作動流体は電池冷却器14の流出口14cを介して復路流通路20aへ流出する。その復路流通路20aは、電池冷却器14から放熱器16へ作動流体を流す作動流体流路である。電池冷却器14の流出口14cは例えば、電池積層方向DRbにおける電池冷却器14の他方側の端部に設けられている。なお、電池冷却器14は、冷却器室14aの気相の作動流体を流入口14bと流出口14cとのうち専ら流出口14cから流出させる不図示の構造を備えている。
機器温調装置10の放熱器16は、放熱器16内の作動流体から受熱流体へ放熱させる作動流体放熱部である。詳細に言えば、放熱器16には復路配管20から気相の作動流体が流入し、放熱器16は、作動流体から放熱させることによりその作動流体を凝縮させる。要するに、放熱器16は、作動流体回路26の中で凝縮器として機能する。放熱器16内の作動流体と熱交換させられる受熱流体は、本実施形態では例えば、後述するように、水と冷媒回路38の冷媒とのうちの何れか又は全部である。
また、放熱器16は電池冷却器14よりも上方に配置されている。そして、放熱器16のうち下方寄りの部位に往路配管18が接続され、放熱器16のうち上方寄りの部位に復路配管20が接続されている。要するに、往路配管18は、復路配管20よりも下方にて放熱器16に接続されている。そのため、放熱器16で凝縮した作動流体すなわち放熱器16内の液相の作動流体は、重力によって、放熱器16内から往路流通路18aへと流れる。
以上のように構成された図1の機器温調装置10では、例えば車両走行中など電池12が発熱し電池温度が高くなると、電池セル121の下面を通じて電池冷却器14の上面部141へ熱が伝わり、その熱によって電池冷却器14内の液相の作動流体が沸騰する。その作動流体の沸騰による蒸発潜熱で各電池セル121は冷却される。また、電池冷却器14内で沸騰した作動流体はガス化して上方へ移動する。すなわち、そのガス化した作動流体(すなわち、気相の作動流体)は、復路流通路20aを通って放熱器16へ移動する。そうすると、その放熱器16へ流入した気相の作動流体は放熱器16で冷却されて液化し、往路配管18を通って再び電池冷却器14に流入する。
要するに、機器温調装置10でサーモサイフォン現象が開始されると、作動流体回路26に作動流体が矢印ARcのように循環する。このように、機器温調装置10では、これらの作動がコンプレッサ等の駆動装置を必要とせずに、作動流体回路26に封入された作動流体の自然循環により行われる。
本実施形態の車両90は、一般的な車両と同様に、温度調整された空気を車室内へ吹き出す図2の空調ユニット30を備えている。その空調ユニット30は、例えば車室内前方に設けられたインストルメントパネル内に配置されている。空調ユニット30は、エバポレータ46を除き、一般的な車両用空調ユニットと同様の構成である。例えば図2に示すように、空調ユニット30は、その空調ユニット30の筐体としての空調ケース32を有している。その空調ケース32内には、エバポレータ46、空気を加熱する加熱器33、および冷風と温風との混合割合を調整するエアミックスドア34などが収容されている。
また、機器温調装置10は、空調ユニット30内で空気を冷却すると共に作動流体回路26の作動流体を冷却するために冷媒回路38を備えている。この冷媒回路38は作動流体回路26とは別の冷却回路である。冷媒回路38には冷媒が循環し、その冷媒回路38は蒸気圧縮冷凍サイクルを構成する。
図2に示すように、冷媒回路38は、少なくとも圧縮機40、コンデンサ42、減圧装置44、エバポレータ46、およびこれらを環状に接続する冷媒配管等を有している。冷媒回路38の冷媒は例えばフロン系冷媒である。また、冷媒回路38の冷媒は、作動流体回路26の作動流体と同じ流体であってもよいし、異なる流体であってもよい。
圧縮機40は、冷媒を吸入し圧縮してから吐出する。圧縮機40は、エンジンまたは電気モータによって駆動される。
コンデンサ42は、エンジンルーム等の車両が走行する際に生じる走行風を受け易い場所に設けられている。コンデンサ42には圧縮機40で圧縮された冷媒が流入し、コンデンサ42は、その圧縮された冷媒を凝縮液化させる。すなわち、コンデンサ42は、そのコンデンサ42の内部を流れる冷媒と走行風などの外気とを熱交換させる室外熱交換器である。
減圧装置44は、コンデンサ42から流出した冷媒を減圧し、その減圧後の冷媒をエバポレータ46へ流す。
エバポレータ46は、空調ケース32内に形成された空気通路に配置されている。エバポレータ46は、空調ユニット30に設けられた空気冷却用の熱交換器である。すなわち、エバポレータ46は、減圧装置44により減圧された冷媒と空調ケース32の空気通路を流れる送風空気とを熱交換させ、その熱交換により冷媒を蒸発気化させると共に送風空気を冷却する。エバポレータ46から流出した冷媒は圧縮機40へ戻る。なお、エバポレータ46の詳細については後述する。
なお、冷媒回路38は、上述した圧縮機40とコンデンサ42と減圧装置44とエバポレータ46のほかに、例えば、液相冷媒と気相冷媒とを分離する気液分離器を有していてもよい。
次に、本実施形態のエバポレータ46について詳述する。図3および図4に示すように、エバポレータ46には、空調ユニット30の送風機によって矢印Fa方向へ空気が送風され、エバポレータ46は、この送風空気と冷媒とを熱交換させる。すなわち、エバポレータ46は、冷媒を蒸発させることにより、空調ユニット30内を流れる空気を冷却する。
本実施形態のエバポレータ46は、例えばエバポレータ46内の冷媒流れがUターンするUターン型の空調用熱交換器である。エバポレータ46は、空気流れ方向Faに2列配置された冷媒チューブ48、49、50、51と、複数のコルゲートフィン52とを有している。これらの冷媒チューブ48〜51はすべて断面偏平状の冷媒通路を構成する偏平形のチューブである。これらの冷媒チューブ48〜51はそれぞれ、チューブ長手方向DRtへ延びるように形成されている。チューブ長手方向DRtは車両上下方向DR1に一致する必要はないが、本実施形態では、チューブ長手方向DRtは車両上下方向DR1に一致している。
ここで、複数の第1冷媒チューブ48と複数の第2冷媒チューブ49は2列のうちの風下側の列である風下側チューブ列を成し、チューブ積層方向DRsに並んで積層配置されている。そして、複数の第1冷媒チューブ48は、複数の第2冷媒チューブ49に対してチューブ積層方向DRsの一方側に配置されている。そのチューブ積層方向DRsとチューブ長手方向DRtと空気流れ方向Faは互いに交差する方向(詳細には、互いに直交する方向)となっている。
また、複数の第3冷媒チューブ50と複数の第4冷媒チューブ51は2列のうちの風上側の列である風上側チューブ列を成し、チューブ積層方向DRsに並んで積層配置されている。そして、複数の第3冷媒チューブ50は、複数の第4冷媒チューブ51に対してチューブ積層方向DRsの一方側に配置されている。
コルゲートフィン52は波形に成形された熱交換フィンであり、各冷媒チューブ48〜51の相互の間に配置されている。コルゲートフィン52は、各冷媒チューブ48〜51の平坦面に一体に接合される。
複数の第1および第2冷媒チューブ48、49と、それらのチューブ48、49相互間に配置された複数のコルゲートフィン52は、風下側熱交換部53を構成する。また、複数の第3および第4冷媒チューブ50、51と、それらのチューブ50、51相互間に配置された複数のコルゲートフィン52は、風下側熱交換部53に対し空気流れ方向Faの風上側に配置された風上側熱交換部54を構成する。そして、矢印Fa方向へ流れる空気は、その熱交換部53、54において各冷媒チューブ48〜51の相互間を通過し、その通過の際に冷媒チューブ48〜51内の冷媒と熱交換される。
エバポレータ46は、複数のタンク56、57、58、59を有している。その複数のタンク56、57、58、59はそれぞれ、チューブ積層方向DRsへ延びるように形成されている。すなわち、チューブ積層方向DRsは、各タンク56、57、58、59の長手方向でもある。これらの各タンク56〜59は、冷媒チューブ48〜51への冷媒の分配もしくは冷媒チューブ48〜51からの冷媒の集合を行うものである。要するに、各タンク56〜59内にはそれぞれ冷媒が流通する。
複数のタンク56〜59のうちの風下側上方タンク56と風上側上方タンク57は一体構成になっている。そして、風上側上方タンク57は、風下側上方タンク56に対し空気流れ方向Faの風上側に配置されている。
また、複数のタンク56〜59のうちの風下側下方タンク58と風上側下方タンク59は一体構成になっている。そして、風上側下方タンク59は、風下側下方タンク58に対し空気流れ方向Faの風上側に配置されている。
風下側上方タンク56は、第1および第2冷媒チューブ48、49に対し車両上下方向DR1において上方に配置され、風下側下方タンク58は、第1および第2冷媒チューブ48、49に対し車両上下方向DR1において下方に配置されている。そして、第1および第2冷媒チューブ48、49はそれぞれ、その一端にて風下側上方タンク56へ連結し、その他端にて風下側下方タンク58へ連結されている。
また、風上側上方タンク57は、第3および第4冷媒チューブ50、51に対し車両上下方向DR1において上方に配置され、風上側下方タンク59は、第3および第4冷媒チューブ50、51に対し車両上下方向DR1において下方に配置されている。そして、第3および第4冷媒チューブ50、51はそれぞれ、その一端にて風上側上方タンク57へ連結し、その他端にて風上側下方タンク59へ連結されている。
すなわち、風下側上方タンク56および風上側上方タンク57は、風下側下方タンク58および風上側下方タンク59に対しチューブ長手方向DRtの一方側に配置されている。言い換えれば、風下側上方タンク56および風上側上方タンク57は、風下側下方タンク58および風上側下方タンク59よりも車両上下方向DR1において上方に配置されている。
風下側上方タンク56は仕切板561を有している。その風下側上方タンク56の内部空間としてのタンク空間は、その仕切板561によってチューブ積層方向DRsに仕切られ分割されている。
すなわち、風下側上方タンク56のタンク空間は、仕切板561によって隔てられた一方の分割タンク空間と他方の分割タンク空間とから成る。そして、風下側上方タンク56は、一方の分割タンク空間が形成された一方側タンク部562と、他方の分割タンク空間が形成された他方側タンク部563とを有する。一方側タンク部562は、他方側タンク部563に対しチューブ積層方向DRsの一方側に配置されている。
その一方側タンク部562には、第1および第2冷媒チューブ48、49のうち、第2冷媒チューブ49は連結されず第1冷媒チューブ48が連結されている。そして、他方側タンク部563には、第1および第2冷媒チューブ48、49のうち、第1冷媒チューブ48は連結されず第2冷媒チューブ49が連結されている。
また、一方側タンク部562には、冷媒が流入する冷媒入口562aが形成されている。減圧装置44(図2参照)から流出した冷媒は、この冷媒入口562aから一方側タンク部562内へ流入する。
風上側上方タンク57は仕切板571を有している。その風上側上方タンク57のタンク空間は、その仕切板571によってチューブ積層方向DRsに仕切られ分割されている。
すなわち、風上側上方タンク57のタンク空間は、仕切板571によって隔てられた一方の分割タンク空間と他方の分割タンク空間とから成る。そして、風上側上方タンク57は、一方の分割タンク空間が形成された一方側タンク部572と、他方の分割タンク空間が形成された他方側タンク部573とを有する。一方側タンク部572は、他方側タンク部573に対しチューブ積層方向DRsの一方側に配置されている。
その一方側タンク部572には、第3および第4冷媒チューブ50、51のうち、第4冷媒チューブ51は連結されず第3冷媒チューブ50が連結されている。そして、他方側タンク部573には、第3および第4冷媒チューブ50、51のうち、第3冷媒チューブ50は連結されず第4冷媒チューブ51が連結されている。
また、一方側タンク部572には、エバポレータ46の外部へ冷媒を流出させる冷媒出口572aが形成されている。一方側タンク部572内の冷媒は、この冷媒出口572aから圧縮機40(図2参照)へと流出する。
また、風上側上方タンク57の他方側タンク部573は風下側上方タンク56の他方側タンク部563に連通している。従って、その両方の他方側タンク部563、573内の相互間では、冷媒が流通可能となっている。
なお、風下側下方タンク58のタンク空間は仕切られてはおらず、チューブ積層方向DRsのタンク全長にわたって1つの流路を形成している。このことは、風上側下方タンク59のタンク空間についても同様である。
また、エバポレータ46の各構成要素、具体的には、複数の冷媒チューブ48〜51、複数のコルゲートフィン52、および複数のタンク56〜59は何れも、熱伝導性に優れたアルミニウム合金等の金属製である。そして、エバポレータ46の全体は、ろう付けにより一体に接合されている。
以上のように構成されたエバポレータ46の冷媒流れについて説明すると、先ず、減圧装置44(図2参照)からの気液二相冷媒が、図3および図4の矢印Aaのように、冷媒入口562aを介して風下側上方タンク56の一方側タンク部562内へ流入する。その流入した冷媒は、矢印Abのようにチューブ積層方向DRsの一方側から他方側へ一方側タンク部562内を流れると共に、複数の第1冷媒チューブ48のそれぞれへ分配される。その第1冷媒チューブ48では冷媒は矢印Acのように上方から下方へ流れ、第1冷媒チューブ48から風下側下方タンク58内へ流入する。
その風下側下方タンク58内では、冷媒は矢印Adのようにチューブ積層方向DRsの一方側から他方側へ流れ、風下側下方タンク58内から複数の第2冷媒チューブ49のそれぞれへ分配される。その第2冷媒チューブ49では冷媒は矢印Aeのように下方から上方へ流れ、第2冷媒チューブ49から風下側上方タンク56の他方側タンク部563内へ流入する。
その風下側上方タンク56の他方側タンク部563内では冷媒は矢印Af、Agのように空気流れ方向Faの風上側へ流れ、風上側上方タンク57の他方側タンク部573内へ流入する。他方側タンク部573内へ流入した冷媒は、複数の第4冷媒チューブ51のそれぞれへ分配される。その第4冷媒チューブ51では冷媒は矢印Ahのように上方から下方へ流れ、第4冷媒チューブ51から風上側下方タンク59内へ流入する。
その風上側下方タンク59内では、冷媒は矢印Aiのようにチューブ積層方向DRsの他方側から一方側へ流れ、風上側下方タンク59内から複数の第3冷媒チューブ50のそれぞれへ分配される。その第3冷媒チューブ50では冷媒は矢印Ajのように下方から上方へ流れ、第3冷媒チューブ50から風上側上方タンク57の一方側タンク部572内へ流入する。
その一方側タンク部572内へ流入した冷媒は、矢印Akのようにチューブ積層方向DRsの他方側から一方側へ一方側タンク部572内を流れ、その後、矢印Amのように一方側タンク部572内から冷媒出口572aを介してエバポレータ46外へ流出する。その流出した冷媒は、圧縮機40(図2参照)に吸い込まれる。
次に、作動流体回路26の放熱器16について詳述する。図3および図4に示すように、その放熱器16は、上方放熱部161と下方放熱部162とを有している。その下方放熱部162は、上方放熱部161よりも車両上下方向DR1において下方に配置されている。これらの上方放熱部161と下方放熱部162は何れも、熱伝導性に優れたアルミニウム合金等の金属製である。なお、図3および図4では、放熱器16を判りやすく図示するために、放熱器16に点ハッチングが施されている。
上方放熱部161および下方放熱部162は何れも、内部に作動流体が入るタンク形状を成しており、エバポレータ46の各タンク56〜59と同様にチューブ積層方向DRsへ延びるように形成されている。
上方放熱部161のうちチューブ積層方向DRsの一方側にある一端部には、作動流体入口16aが形成されている。この作動流体入口16aには復路配管20(図1参照)が接続されているので、復路配管20の作動流体は作動流体入口16aから上方放熱部161内へ流入する。
また、下方放熱部162のうちチューブ積層方向DRsの一方側にある一端部には、作動流体出口16bが形成されている。この作動流体出口16bには往路配管18(図1参照)が接続されているので、下方放熱部162の作動流体は作動流体出口16bから往路配管18へ流出する。
更に、上方放熱部161のうちチューブ積層方向DRsの他方側にある他端部と、下方放熱部162のうちチューブ積層方向DRsの他方側にある他端部は、不図示の連通配管を介して相互に接続されている。これにより、上方放熱部161内と下方放熱部162内はその連通配管を介して相互に連通している。従って、下方放熱部162は、上方放熱部161の作動流体流れ下流側に連結されている。
放熱器16はエバポレータ46の各タンク56〜59の外側に設置されている。具体的には、放熱器16の放熱部161、162は何れも、エバポレータ46の冷媒チューブ48〜51から離れて配置されている。
詳細に言うと、上方放熱部161は、上方タンク56、57に対しチューブ長手方向DRtでの冷媒チューブ48〜51側とは反対側に配置されている。要するに、上方放熱部161は、上方タンク56、57の上方に配置されている。そして、2つの上方タンク56、57の並び方向において、上方放熱部161は、その2つの上方タンク56、57の間の中間位置に配置されている。
また、下方放熱部162は、下方タンク58、59に対しチューブ長手方向DRtでの冷媒チューブ48〜51側とは反対側に配置されている。要するに、下方放熱部162は、下方タンク58、59の下方に配置されている。そして、2つの下方タンク58、59の並び方向において、下方放熱部162は、その2つの下方タンク58、59の間の中間位置に配置されている。
このように、放熱器16の放熱部161、162は、空気流れ方向Faにおける冷媒チューブ48〜51の風上側正面および風下側正面の何れからも外れた位置に配置されている。そのため、その放熱部161、162は、冷媒チューブ48〜51の相互間を通過する空気流れを妨げない配置となっている。
また、放熱器16は、エバポレータ46のタンク56〜59に対し金属結合によって連結されており、エバポレータ46と一体に構成されている。従って、放熱器16およびエバポレータ46は、相互に熱伝導可能に一体構成され、全体として1つの複合熱交換器となっている。放熱器16は、空調ケース32内に収容されたエバポレータ46と一体構成であるので、この放熱器16も空調ケース32内に収容されている。その放熱器16とエバポレータ46のタンク56〜59との金属結合とは、具体的には、ろう付けによる金属接合である。
詳細には、放熱器16のうちの上方放熱部161は、風下側上方タンク56と風上側上方タンク57とのそれぞれに対し金属結合によって連結されている。また、放熱器16のうちの下方放熱部162は、風下側下方タンク58と風上側下方タンク59とのそれぞれに対し金属結合によって連結されている。
エバポレータ46の2つの下方タンク58、59は上述したように一体構成であるが、その2つの下方タンク58、59の相互間には、図5に示すように、車両上下方向DR1へ貫通する隙間であるタンク間排水空間58aが形成されている。そのため、エバポレータ46の冷媒チューブ48〜51によって凝縮させられた凝縮水のうちの一部は、このタンク間排水空間58aに矢印Wa、Wbのように流れ込み、タンク間排水空間58aを上方から下方へと流れる。
そのタンク間排水空間58aは例えば、チューブ積層方向DRsへ並んで複数設けられている。そして、チューブ積層方向DRsにおけるタンク間排水空間58aの相互間に、2つの下方タンク58、59を互いに連結する部位が構成されている。
更に、放熱器16の下方放熱部162と2つの下方タンク58、59との間には、タンク間排水空間58aをエバポレータ46外へ連通させる一対の下流側排水空間162a、162bが形成されている。その一対の下流側排水空間162a、162bのうちの一方の下流側排水空間162aは下方放熱部162と風下側下方タンク58との間の隙間であり、他方の下流側排水空間162bは下方放熱部162と風上側下方タンク59との間の隙間である。
一方の下流側排水空間162aは例えば、チューブ積層方向DRsへ並んで複数設けられている。そして、チューブ積層方向DRsにおける一方の下流側排水空間162aの相互間に、下方放熱部162と風下側下方タンク58とを互いに連結する部位が構成されている。これと同様に、他方の下流側排水空間162bも例えば、チューブ積層方向DRsへ並んで複数設けられている。そして、チューブ積層方向DRsにおける他方の下流側排水空間162bの相互間に、下方放熱部162と風上側下方タンク59とを互いに連結する部位が構成されている。
一方の下流側排水空間162aの一端162cはタンク間排水空間58aの下端に接続し、一方の下流側排水空間162aの他端162dは、その一端162cよりも下方に位置し且つエバポレータ46外へ開放されている。これと同様に、他方の下流側排水空間162bの一端162eもタンク間排水空間58aの下端に接続し、他方の下流側排水空間162bの他端162fは、その一端162eよりも下方に位置し且つエバポレータ46外へ開放されている。
そのため、一対の下流側排水空間162a、162bにはそれぞれ、タンク間排水空間58aから凝縮水が流入し、その凝縮水は下流側排水空間162a、162b内を一端162c、162e側から他端162d、162f側へ流れる。このとき、その凝縮水は、下方放熱部162の表面に付着しつつ流れる。そして、その凝縮水は、下流側排水空間162a、162bの他端162d、162fから矢印Wc、Wdのようにエバポレータ46外へ排出される。
上述した放熱器16の作動流体流れについて説明すると、先ず、復路配管20からの作動流体が、図3および図4の矢印Baのように、作動流体入口16aを介して上方放熱部161内へ流入する。その流入した作動流体は、矢印Bbのようにチューブ積層方向DRsの一方側から他方側へ上方放熱部161内を流れる。それと共に、その上方放熱部161内を流れる作動流体は上方タンク56、57内の冷媒へ放熱して凝縮し、その後、気液二相となって矢印Bcのように不図示の連通配管へと流れる。
連通配管の作動流体は、連通配管から下方放熱部162内へ流入する。その下方放熱部162内へ流入した作動流体は、矢印Bdのようにチューブ積層方向DRsの他方側から一方側へ下方放熱部162内を流れる。それと共に、その下方放熱部162内を流れる作動流体は下方タンク58、59内の冷媒へ放熱して更に凝縮する。このとき、エバポレータ46の凝縮水(言い換えれば、ドレン水)が下方放熱部162の表面に付着していれば、下方放熱部162内の作動流体はその凝縮水へも放熱する。下方放熱部162内で凝縮した作動流体は、矢印Beのように作動流体出口16bから往路配管18へ流出する。
なお、確認的に述べるが、放熱器16はエバポレータ46の何れのタンク56〜59内とも連通しておらず、放熱器16内の作動流体がエバポレータ46内の冷媒と混ざることはない。
図3および図4に示すように、放熱器16は、上方放熱部161のうちエバポレータ46の一方側タンク部572に対して金属結合されている部位161aと、下方放熱部162とを所定放熱部位161a、162として含んでいる。その所定放熱部位161a、162では、矢印Ak、Bbおよび矢印Ac、Bdに示すように、その所定放熱部位161a、162に対して金属結合を介したタンク57、58側における冷媒流れと相対向する向きに作動流体が流れる。要するに、放熱器16内の作動流体流れは、その一部分にて、エバポレータ46のタンク56〜59内の冷媒流れに対し相対向する向きに流れる対向流となっている。
上述したように、本実施形態によれば、図2〜4に示すように、冷媒回路38のエバポレータ46は、空調ユニット30に設けられ、冷媒を蒸発させることにより、空調ユニット30内を流れる空気を冷却する。そして、作動流体回路26の放熱器16は、そのエバポレータ46と一体に構成されている。従って、空調ユニット30の冷房運転時にエバポレータ46の冷却作用を放熱器16内の作動流体からの放熱促進に利用できるので、夏期において電池12に対する冷却性能の向上を図ることができる。
ここで、本実施形態の機器温調装置10と特許文献1の冷却装置とを対比すると、特許文献1の冷却装置では車両前面に放熱部が配置されている。これに対し、本実施形態の機器温調装置10では、その特許文献1の放熱部に相当する放熱器16は、エバポレータ46と一体に構成されている。電池12の冷却が特に必要とされる冷却必要時期すなわち夏期や春秋などの中間期には、空調ユニット30は冷房運転をしているので、エバポレータ46は低温(具体的には、約1℃〜10℃)で作動している。そのため、エバポレータ46と放熱器16との間の伝熱により、放熱器16もそのエバポレータ46とほぼ同等の温度になり、放熱器16は、特許文献1の冷却装置が有する放熱部よりも低温になる。
すなわち、本実施形態の機器温調装置10では放熱器16と電池冷却器14との温度差が、特許文献1の冷却装置と比較して大きくなる。本実施形態の作動流体回路26ではその温度差により作動流体を自然循環させるサーモサイフォン方式が採用されているので、作動流体回路26における作動流体の循環量はその温度差にほぼ比例する。従って、本実施形態の機器温調装置10では、例えば特許文献1の冷却装置と比較して、夏期を含む上記冷却必要時期において、冷媒の循環量を増加させると共に、電池12に対する冷却性能を向上させることが可能である。
また、走行風を利用する特許文献1の冷却装置では冬期など電池12を冷却したくないシーンにおいても冷却してしまうのに対し、冬期には空調ユニット30は冷房運転しないので、エバポレータ46には冷媒が流れない。すなわち、本実施形態の機器温調装置10では、冬期において、電池冷却器14と放熱器16との温度差が小さくなる。或いは、放熱器16の方が電池冷却器14よりも高温になるというように、その温度差が逆転する。これにより、特許文献1の冷却装置に比して本実施形態の機器温調装置10では、冬期に、作動流体の循環量が減少し或いはその作動流体の循環が停止するので、電池12を過剰に冷却してしまうことを抑制することが可能である。
また、春または秋などの中間期に電池12の冷却が必要であり且つ空調ユニット30の暖房運転も行いたいシーンでは、電池12の廃熱が放熱器16から空調ケース32内に放散されるので、その電池12の廃熱を車室内の暖房に利用することが可能である。
また、本実施形態によれば、エバポレータ46は、複数の冷媒チューブ48〜51と、その複数の冷媒チューブ48〜51が連結されたタンク56〜59とを有し、そのタンク56〜59内には、冷媒が流通する。そして、放熱器16は、タンク56〜59の外側に設置され、そのタンク56〜59に対し金属結合によって連結されている。従って、放熱器16とタンク56〜59との間ではその金属結合を介した熱伝導によって高い伝熱性能を確保できるので、タンク56〜59内の冷媒への放熱器16の放熱性能を向上させることが可能である。
また、本実施形態によれば図5に示すように、エバポレータ46の複数の下方タンク58、59の相互間には、冷媒チューブ48〜51によって凝縮させられた凝縮水が流れるタンク間排水空間58aが形成されている。そして、放熱器16の下方放熱部162と複数の下方タンク58、59との間には、そのタンク間排水空間58aから凝縮水が流入しその凝縮水が流れる下流側排水空間162a、162bが形成されている。従って、エバポレータ46の凝縮水の潜熱により、放熱器16で作動流体を冷却する冷却性能を向上させることが可能である。延いては、電池12に対する冷却性能を向上させることが可能である。
それと共に、空調ユニット30のON−OFF切替えによりエバポレータ46の温度が変化しても、水の蓄冷効果により、放熱器16で作動流体を冷却する冷却能力を安定させることが可能である。すなわち、電池12を冷却する冷却能力を安定させることが可能である。
また、本実施形態によれば図3および図4に示すように、エバポレータ46は、下方タンク58、59と、その下方タンク58、59よりも上方に配置される上方タンク56、57とを有する。放熱器16は、上方放熱部161と、その上方放熱部161の作動流体流れ下流側に連結され上方放熱部161よりも下方に配置される下方放熱部162とを有する。そして、上方放熱部161は、上方タンク56、57に対し金属結合によって連結され、下方放熱部162は、下方タンク58、59に対し金属結合によって連結されている。従って、放熱器16とタンク56〜59との間ではその金属結合を介した熱伝導によって高い伝熱性能を確保できる。
更に、放熱器16では、作動流体は上方放熱部161と下方放熱部162とのうち先ず上方放熱部161へ流入し、次にその上方放熱部161から下方放熱部162へと流れ、下方放熱部162から放熱器16の外部へと流出する。すなわち、放熱器16で凝縮した液相の作動流体は重力によって上方放熱部161から下方放熱部162へ流れるので、その凝縮した液相の作動流体を電池冷却器14(図1参照)へ送るという点で有利である。
また、本実施形態によれば図3および図4に示すように、放熱器16が含む所定放熱部位161a、162では、その所定放熱部位161a、162に対して金属結合を介したタンク57、58側における冷媒流れと相対向する向きに作動流体が流れる。従って、その所定放熱部位161a、162において、作動流体流れが冷媒流れと相対向する向きではない場合と比較して、作動流体と冷媒との間の熱伝達性能を高めることができ、延いては、電池12に対する冷却性能の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば図3および図4に示すように、放熱器16の放熱部161、162は何れも、エバポレータ46の冷媒チューブ48〜51から離れて配置されている。従って、空調ユニット30内では、放熱器16とエバポレータ46との全体のうちエバポレータ46部分のみに送風される。そのため、放熱器16内の作動流体の熱は専らエバポレータ46のタンク56〜59に伝わるので、エバポレータ46に対する送風量に応じて空調ユニット30の冷房能力と作動流体回路26の電池冷却能力との割合を制御することが可能である。
例えば、冷房能力と電池冷却能力との総和を圧縮機40の回転数で制御した際の挙動は次のようになる。すなわち、エバポレータ46に対する送風量が多い場合には、エバポレータ46の熱交換部53、54を多くの空気が流れるため冷房能力が増加し、その一方で、電池冷却能力は相対的に低下する。これに対し、エバポレータ46に対する送風量が少ない場合には、エバポレータ46の熱交換部53、54を流れる空気の流量が小さいので冷房能力が低下し、その一方で、電池冷却能力は相対的に増加する。
また、本実施形態によれば図3および図4に示すように、作動流体回路26はループ型のサーモサイフォンを構成する。従って、作動流体回路26では作動流体が自然循環し、その作動流体の自然循環を利用して電池12を冷却することが可能である。
また、本実施形態によれば、放熱器16内の作動流体は空調用のエバポレータ46によって冷却される。そのため、放熱器16に送風するための専用送風機を設ける必要がないというメリットがある。
ところで、特許文献1の冷却装置では、本実施形態の放熱器16に相当する放熱部が車両前面に配置されている。但し、電池12は、車両90の床下やトランクルーム下などに配置されることが多いので、特許文献1の冷却装置では放熱部と本実施形態の電池冷却器14に相当する受熱部とをつなぐ配管が長くなり、その配管の経路も複雑になる。そのため、その配管における圧損や熱の授受に起因して冷却装置の冷却性能が大きく低下してしまう。また、特許文献1の冷却装置において車両前面ではなく受熱部近傍など別の場所に放熱部が配置されたことを想定した場合、近年の車両は車載機器の増加や車室内空間の拡大等で搭載スペースが限られてきており、放熱部の搭載スペースの確保が困難である。
これに対し、本実施形態の機器温調装置10では、放熱器16はエバポレータ46と一体構成であり、空調ケース32内に収容されている。従って、図2に示すように、特許文献1の冷却装置との比較で、本実施形態の機器温調装置10では、放熱器16と電池冷却器14との間の距離を短くすることが可能である。そのため、例えば、各配管18、20における圧損や熱の授受に起因した冷却性能の悪化を抑制することが可能である。そして、放熱器16の搭載スペースの確保も容易であるので、機器温調装置10の良好な搭載性を得ることができる。
また、本実施形態によれば、複数の電池セル121はそれぞれ電池冷却器14の上面141aの上に並べて配置されている。すなわち、電池12の各電池セル121は、電池冷却器14の上面部141の上に載っている。ここで、例えば電池冷却器14の上面141aではなく側面に各電池セル121が接触する比較例を想定した場合、その比較例では、電池冷却器14と各電池セル121との間に、その両者の間の伝熱を促進するための或る程度の押付け荷重(例えば、拘束力)が必要となる。
これに対し、本実施形態の機器温調装置10では、上記のように各電池セル121は電池冷却器14の上に載っており、言い換えれば、電池セル121の側面ではなく下面に電池冷却器14が配置されている。そのため、電池セル121の自重で電池セル121と電池冷却器14との間に接触荷重を確保することが可能である。従って、本実施形態のように電池12の下側に電池冷却器14を配置する下面冷却方式の方が、上記比較例のような配置方式よりも、電池12を冷却する上で有利である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。
本実施形態では図6に示すように、作動流体回路26は、作動流体を循環させる流体循環装置261を有している。この点において本実施形態は前述の第1実施形態と異なっている。それ以外については、本実施形態は第1実施形態と同様である。
具体的に、流体循環装置261は例えばウォータポンプである。流体循環装置261は、往路配管18と復路配管20との何れに設けられてもよいが、本実施形態では、往路配管18に設けられている。
本実施形態では流体循環装置261によって作動流体が循環するので、その作動流体の循環に作動流体の相変化を利用する必要がない。従って、本実施形態の作動流体は、不凍液を含むクーラント等の冷却水や絶縁流体など常に液相の流体である。但し、本実施形態の作動流体は、第1実施形態と同様に相変化する流体であっても差し支えない。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では図1に示すように、機器温調装置10が冷却する対象機器は二次電池12であるが、その対象機器に限定はない。例えば、その対象機器は、モータ、インバータ、充電器など二次電池12以外の電子機器であってもよいし、単なる発熱体であってもよい。また、その対象機器は車載機器に限らず、基地局など定置で冷却が必要な機器であってもよい。
(2)上述の各実施形態において、放熱器16とエバポレータ46のタンク56〜59との金属結合とは、ろう付けによる金属接合であるが、これは一例である。例えば、その金属結合としては、ろう付けのほかに、ハンダ付け、溶接、および、金属部材同士を接触させるボルト止め等が考えられる。要するに、その金属結合とは、金属の熱伝導によって放熱器16とタンク56〜59との間で熱の授受が行われる結合関係であればよい。
(3)上述の各実施形態では図3および図4に示すように、放熱器16は上方放熱部161と下方放熱部162とを有しているが、その2つの放熱部161、162のうちの一方が無い放熱器16も想定できる。
例えば、放熱器16が2つの放熱部161、162のうち上方放熱部161だけを有する例が図7に示されている。この図7の例では、下方放熱部162が無いので、作動流体出口16b(図3参照)は、上方放熱部161のうちチューブ積層方向DRsの他方側にある他端部に形成されている。そして、上方放熱部161内の作動流体は、その作動流体出口16bから矢印Bfのように往路配管18へ流出する。
また、放熱器16が2つの放熱部161、162のうち下方放熱部162だけを有する例が図8に示されている。この図8の例では、上方放熱部161が無いので、作動流体入口16a(図3参照)は、下方放熱部162のうちチューブ積層方向DRsの他方側にある他端部に形成されている。そして、復路配管20からの作動流体は、その作動流体入口16aを介して矢印Bgのように下方放熱部162内へ流入する。
(4)上述の各実施形態では図3および図4に示すように、エバポレータ46はタンク56〜59を複数有しているが、エバポレータ46のタンクは1つであってもよいし、或いは、エバポレータ46は、タンク56〜59を有さない熱交換器であってもよい。
(5)上述の各実施形態では図3および図4に示すように、エバポレータ46の冷媒チューブ48〜51は2列のチューブ列を成しているが、そのチューブ列は1列であってもよいし3列以上であってもよい。
(6)上述の各実施形態において、空調ユニット30は、例えば車室内最前部に配置されるフロント空調ユニットであるが、これは一例である。例えば、放熱器16およびエバポレータ46を収容する空調ユニット30は、デュアルエアコンのうちのリヤ空調ユニットであってもよい。
(7)上述の各実施形態では図2に示すように、冷凍サイクルを構成する空調用の冷媒回路38は、空調ユニット30内を流れる送風空気を専ら冷やすクーラシステムであるが、これは一例である。例えば、その冷媒回路38は、そのクーラシステムとしての機能に加え更に、送風空気を温めるヒートポンプシステムとしての機能を備えていてもよい。
(8)上述の各実施形態において、往路配管18は、機器温調装置10の往路部としてとして設けられているが、その往路部は、ホースやパイプなどの配管部材で構成されている必要はない。例えば、ブロック状物内に形成された孔が往路流通路18aとして設けられている場合には、そのブロック状物のうち往路流通路18aを形成する部位が往路部に相当する。このことは、復路配管20に関しても同様である。
(9)上述の第1実施形態では図1に示すように、作動流体回路26は、上方放熱部161と下方放熱部162とから構成された放熱器16を有しているが、図1の放熱器16に加え更に別の放熱器を有していても差し支えない。その別の放熱器としては、例えば、上述の各実施形態のようにエバポレータ46の冷媒と作動流体回路26の作動流体とを熱交換させる熱交換器、冷媒−冷媒熱交換器、または、チラーなどを採用することができる。その冷媒−冷媒熱交換器とは、冷媒回路38(図2参照)の冷凍サイクルとは別の冷凍サイクルの一部を構成し、その別の冷凍サイクルを循環する冷媒を蒸発させることにより作動流体回路26の作動流体を冷却する熱交換器である。また、上記チラーとは、冷却水等の液媒体で作動流体回路26の作動流体を冷却する冷却装置である。
(10)上述の第1実施形態において、作動流体回路26内に充填されている作動流体は、例えばフロン系冷媒であるが、その作動流体回路26内の作動流体はフロン系冷媒に限らない。例えば、その作動流体回路26内に充填されている作動流体として、プロパンまたはCOなどの他の冷媒や、相変化する他の媒体が用いられても差し支えない。
(11)上述の各実施形態では、機器温調装置10は電池12を冷却することで電池12の温度調整を行うが、機器温調装置10は、そのような冷却機能に加え、電池12を加熱する加熱機能を備えていても差し支えない。
(12)上述の各実施形態では図2に示すように、電池12および電池冷却器14は、車両90の床下に配置されているが、その床下以外の場所に配置されても差し支えない。例えば、電池12および電池冷却器14は、車両90のトランクルーム下のラゲージ、またはセンターコンソールに配置されてもよい。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、冷媒回路のエバポレータは、空調ユニットに設けられ、冷媒を蒸発させることにより、空調ユニット内を流れる空気を冷却する。そして、作動流体回路の放熱器は、エバポレータと一体に構成されている。
また、第2の観点によれば、エバポレータは、複数の冷媒チューブと、その複数の冷媒チューブが連結されたタンクとを有し、そのタンク内には、冷媒が流通する。そして、放熱器は、タンクの外側に設置され、そのタンクに対し金属結合によって連結されている。従って、放熱器とタンクとの間ではその金属結合を介した熱伝導によって高い伝熱性能を確保できるので、タンク内の冷媒への放熱器の放熱性能を向上させることが可能である。
また、第3の観点によれば、エバポレータの複数のタンクの相互間には、複数の冷媒チューブによって凝縮させられた凝縮水が流れるタンク間排水空間が形成されている。そして、放熱器とその複数のタンクとの間には、そのタンク間排水空間から凝縮水が流入しその凝縮水が流れる下流側排水空間が形成されている。従って、エバポレータの凝縮水の潜熱により、放熱器で作動流体を冷却する冷却性能を向上させることが可能である。延いては、対象機器に対する冷却性能を向上させることが可能である。
それと共に、空調ユニットのON−OFF切替えによりエバポレータの温度が変化しても、水の蓄冷効果により、放熱器で作動流体を冷却する冷却能力を安定させることが可能である。すなわち、対象機器を冷却する冷却能力を安定させることが可能である。
また、第4の観点によれば、エバポレータは、下方タンクに加え、その下方タンクよりも上方に配置される上方タンクを有する。放熱器は、上方放熱部と、その上方放熱部の作動流体流れ下流側に連結され上方放熱部よりも下方に配置される下方放熱部とを有する。そして、上方放熱部は、上方タンクに対し金属結合によって連結され、下方放熱部は、下方タンクに対し金属結合によって連結されている。従って、上記の第2の観点と同様に、放熱器とタンクとの間ではその金属結合を介した熱伝導によって高い伝熱性能を確保できる。
更に、放熱器では、作動流体は上方放熱部と下方放熱部とのうち先ず上方放熱部へ流入し、次にその上方放熱部から下方放熱部へと流れ、下方放熱部から放熱器の外部へと流出する。すなわち、液相の作動流体は重力によって上方放熱部から下方放熱部へ流れるので、その液相の作動流体を吸熱器へ送るという点で有利である。
また、第5の観点によれば、放熱器が含む所定放熱部位では、その所定放熱部位に対して金属結合を介したタンク側における冷媒流れと相対向する向きに作動流体が流れる。従って、その所定放熱部位において、作動流体流れが冷媒流れと相対向する向きではない場合と比較して、作動流体と冷媒との間の熱伝達性能を高めることができ、延いては、対象機器に対する冷却性能の向上を図ることができる。
また、第6の観点によれば、放熱器は、エバポレータの複数の冷媒チューブから離れて配置されている。従って、空調ユニット内では、放熱器およびエバポレータ全体のうちエバポレータ部分のみに送風される。そのため、放熱器内の作動流体の熱は専らエバポレータのタンクに伝わるので、エバポレータに対する送風量に応じて空調ユニットの冷房能力と対象機器に対する作動流体回路の冷却能力との割合を制御することが可能である。
例えば、冷房能力と作動流体回路の冷却能力との総和を圧縮機の回転数で制御した際の挙動は次のようになる。すなわち、エバポレータに対する送風量が多い場合には、エバポレータの冷媒チューブの相互間を多くの空気が流れるため冷房能力が増加し、その一方で、作動流体回路の冷却能力は相対的に低下する。これに対し、エバポレータに対する送風量が少ない場合には、エバポレータの冷媒チューブの相互間を流れる空気の流量が小さいので冷房能力が低下し、その一方で、作動流体回路の冷却能力は相対的に増加する。
また、第7の観点によれば、作動流体回路はループ型のサーモサイフォンを構成する。従って、作動流体回路では作動流体が自然循環し、その作動流体の自然循環を利用して対象機器の温度を調整することが可能である。
また、第8の観点によれば、対象機器は、車両に搭載される装置である。
また、第9の観点によれば、対象機器は二次電池である。
12 電池(対象機器)
14 電池冷却器(吸熱器)
16 放熱器
26 作動流体回路
30 空調ユニット
38 冷媒回路
40 圧縮機
42 コンデンサ
44 減圧装置
46 エバポレータ

Claims (9)

  1. 対象機器(12)の温度を調整する機器温調装置であって、
    圧縮機(40)とコンデンサ(42)と減圧装置(44)とエバポレータ(46)とを有し、冷媒が循環し冷凍サイクルを構成する冷媒回路(38)と、
    前記対象機器から作動流体に吸熱させる吸熱器(14)と前記作動流体から放熱させる放熱器(16)とを有し、前記作動流体が循環する作動流体回路(26)とを備え、
    前記エバポレータは、空調ユニット(30)に設けられ、前記冷媒を蒸発させることにより、前記空調ユニット内を流れる空気を冷却し、
    前記放熱器は、前記エバポレータと一体に構成されている機器温調装置。
  2. 前記エバポレータは、複数の冷媒チューブ(48、49、50、51)と、該複数の冷媒チューブが連結されたタンク(56、57、58、59)とを有し、
    前記タンク内には、前記冷媒が流通し、
    前記放熱器は、前記タンクの外側に設置され、該タンクに対し金属結合によって連結されている請求項1に記載の機器温調装置。
  3. 前記エバポレータは前記タンク(58、59)を複数有し、
    該複数のタンクはそれぞれ、前記複数の冷媒チューブに対し下方に配置され、
    前記複数のタンクの相互間には、前記複数の冷媒チューブによって凝縮させられた凝縮水が流れるタンク間排水空間(58a)が形成され、
    前記放熱器と前記複数のタンクとの間には、前記タンク間排水空間から前記凝縮水が流入し該凝縮水が流れる下流側排水空間(162a、162b)が形成されている請求項2に記載の機器温調装置。
  4. 前記タンクは下方タンク(58、59)であり、
    前記エバポレータは、前記下方タンクに加え、前記複数の冷媒チューブが連結され前記下方タンクよりも上方に配置される上方タンク(56、57)を有し、
    前記放熱器は、上方放熱部(161)と、該上方放熱部の作動流体流れ下流側に連結され該上方放熱部よりも下方に配置される下方放熱部(162)とを有し、
    前記上方放熱部は、前記上方タンクに対し金属結合によって連結され、
    前記下方放熱部は、前記下方タンクに対し金属結合によって連結されている請求項2または3に記載の機器温調装置。
  5. 前記放熱器は所定放熱部位(161a、162)を含み、
    該所定放熱部位では、該所定放熱部位に対して前記金属結合を介した前記タンク側における冷媒流れと相対向する向きに前記作動流体が流れる請求項2ないし4のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  6. 前記放熱器は、前記複数の冷媒チューブから離れて配置されている請求項2ないし5のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  7. 前記吸熱器は、前記対象機器から前記作動流体に吸熱させることにより該作動流体を蒸発させ、
    前記放熱器は、前記吸熱器よりも上方に配置され、前記作動流体から放熱させることにより該作動流体を凝縮させ、
    前記作動流体回路はループ型のサーモサイフォンを構成する請求項1ないし6のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  8. 前記対象機器は、車両(90)に搭載される装置である請求項1ないし7のいずれか1つに記載の機器温調装置。
  9. 前記対象機器は二次電池である請求項1ないし8のいずれか1つに記載の機器温調装置。
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