簡潔及び例示目的のため、記載のシステム及び方法の例として原理が示されている。以下の記載では、例示の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が説明されている。しかしながら、当業者には、こうした特定の詳細に限定されずに例示が実施され得ることを理解するであろう。他の例では、例示の理解を不必要に不明確にしないために周知の方法及び構造は詳細に記載されていない。
医療サービス提供者がリアルタイムで患者の薬剤使用を監視及び追跡する能力は、医療サービス提供者が患者に緊急専門サービスを提供するのを支援する。また、医療サービス提供者による患者の薬剤使用のリアルタイムな追跡又は監視は、患者が薬剤の投与を忘れることを防ぎ、患者が処方箋を過剰摂取することを防ぎ、及び薬剤投与中に患者にリアルタイム支援を提供する等、患者に安全性の利点を提供してもよい。更に、リアルタイム薬剤追跡は、患者又は医療サービス提供者が誤って置かれた薬剤を見つけることを可能にすると共に、薬剤の使用時に緊急サービス又は隊員に連絡することを容易にする。
スマートフォン又は類似の伝送ハブ等の電子装置は、ユーザ及び/又は医療サービス提供者がブルートゥースを介して薬剤装置と遠隔通信し、インターネット、Wi−Fi又はセルラを介して遠隔データサーバ及び関連ネットワークと同時に通信することを可能にする。従って、選択された薬剤及び/又は薬剤装置の利用を監視及び追跡し、更に向上した専門医療サービスを患者に届けることを容易にするために、遠隔データサーバと通信する構成可能なスマートセンサ回路及び伝送ハブを提供する薬剤送達システムを提供することが望ましい。
次に図面を参照すると、例示は1つ以上の実施形態を記載することを目的としており、限定することを目的としていない。図1は、参照番号100で概略的に指定された薬剤送達システムの実施形態を示している。スマートセンサ102又はスマートセンサ回路と通信する薬剤送達システム100は、選択された薬剤及び/又は薬剤装置104の患者の使用及び保管に関係付けられるキーパラメータを監視及び追跡することを容易にする。このような医療装置は、例えば、自己注射器Epipen(R)又は自己注射器Epipen(R)キャップ112、インスリンペン、経皮パッチ、定量吸入器、ドライパウダー吸入器、噴霧器、グラチラマー酢酸塩ペン(Glatitramer Acetate Pen)を含んでもよい。特に、本発明の範囲を逸脱せずに、スマートセンサ102は薬剤を分配するために使用される任意の医療装置と併せて動作し得ることが考えられる。
薬剤送達システム100は、スマートセンサ回路102を含む。スマートセンサ102は、薬剤装置104への及び薬剤装置104からの薬剤固有情報を検出し且つ遠隔医療サーバ150及び関連ネットワークへのその交換を容易にするように構成されてもよい。スマートセンサ102は、薬剤装置104上に、薬剤装置104のキャップ部112に、又は包装若しくは容器であり得る関連する薬剤キャリア110上に設けられてもよい。
図示のように、薬剤送達システム100は、一般に、医療サーバ150を含み、スマートセンサ102及び医療サーバ150と遠隔通信する伝送ハブ106を更に含む。伝送ハブ106は、遠隔医療サーバ150とスマートセンサ回路102との間で、スマートセンサ102により検出される薬剤固有情報の伝送及び交換を容易にする。薬剤送達システム100は、ソフトウェアアプリケーション108を更に含む。アプリケーション108は、薬剤送達システム100のプラットフォームと協働して、ユーザ及び/又は医療提供者、伝送ハブ106及び医療サーバ150の間で、薬剤固有情報を収集し、記憶し、監視し且つ遠隔転送することに関連する様々な機能を行うように構成される。
薬剤送達システム100は、患者固有健康関連データを測定し且つその情報を伝送ハブ106及び/又はアプリケーション108に送信するために、1つ以上のバイオメトリック装置120を更に含んでもよい。バイオメトリック装置120は、無線及び/又はブルートゥースを介してこの情報を送信するように構成される。
スマートセンサ回路102は、アプリケーション108により提供される事前選択パラメータを検出するための1つ以上の様々なタイプのセンサを含んでもよい。スマートセンサ102は、薬剤装置104の物理的位置に関連する状態を検出するように構成される物理的位置センサ122を含んでもよい。物理的位置センサは、薬剤装置104が位置している場所についての位置固有情報を提供するために、グローバルポジショニングシステムGPS190等の特徴を組み込んでもよい。この特徴は、薬剤が誤って置かれているか又は医療サービス提供者が薬剤を有する患者を見つけなければならない状況において有利であり得る。
スマートセンサ回路102は、多くのパラメータの中でも特に、温度センサ124による温度、圧力センサ126を介する圧力、センサ128を介する空気流量、磁界(ホール効果)電気伝導性検出器130、センサ132による電気インピーダンス、音声検出器134を介する歪み及び音声、薬剤の色を検出するための比色センサ136等のパラメータを検出するための追加センサを含む、集積回路であってもよい。
センサ回路102が設けられる温度センサ124は、薬剤のリアルタイム温度及び/又は薬剤の保管場所を連続的に測定するように構成されてもよい。温度センサ124がセンサ回路102を介してアプリケーション108に温度測定値を提供すると、情報は、医療サーバ150に中継されて、それにより処理されてもよい。このような温度情報はアプリケーション108及び/又はサーバにより薬剤のための認可保管温度と比較されてもよく、薬剤が望ましくない状態に位置している場合に伝送ハブ106を介して患者にアラートが送られてもよい。そのため、温度センサ124及びセンサ回路102と通信するアプリケーション108は、薬剤装置104及び薬剤が、潜在的な薬剤の劣化を示す非認可温度に位置している時間フレームを更に測定し得る。
例えば、エピネフリン等の薬剤に関して、認可温度は、約15−30℃である。そのため、薬剤の温度の測定値が事前選択された認可範囲外であることを温度センサ124が検出した場合、アプリケーション108により促された測定器170は、伝送ハブ106に設けられたインターフェース又は薬剤装置104又はキャリア110上に設けられた外部装置を介してアラーム、アラート又はメッセージを発してもよい。
スマートセンサ回路102はマイクロコントローラ142を更に含んでもよく、これはプロセッサコア144、メモリ146、及びプログラム可能入出力周辺装置148を含む小型コンピュータであってもよい。アナログセンサを必要とするパラメータの検出のために、スマートセンサ回路102は、例えば、テキサス・インスツルメンツの8/16/32ビットMCU等、アナログセンサから受信した信号をデジタル信号に変換するためのアナログ・デジタル変換器140(ADC)を含み得ることが考えられる。メモリ146は、マイクロコントローラ142に設けられてもよい。メモリ146は、NORフラッシュ又はOTPROM及びRAMの形態で提供されてもよい。更に、マイクロコントローラ142は、薬剤監視アプリケーション108がスマートセンサ回路102に記憶され得るように、組み込みアプリケーションを受信するように構成されてもよい。
スマートセンサ回路102は、例えば、スマートセンサ回路102及び上記の他のセンサにより検出されたデータ及び/又は情報を伝送ハブ106に送信するために、BTLE(ブルートゥースローエナジー無線)又は赤外線送信機等の送信機116を更に含むか又はこれと通信してもよい。BTLE(ブルートゥースローエナジー)無線送信機116及びマイクロコントローラ142の代わりに、ADC140と共にBTLE無線機116及びマイクロコントローラ122の全ての機能を組み込んだモジュール118が提供され得ることが考えられる。マイクロコントローラ122は、例えば、マイクロチップにより製造されるものと同様のものであってもよい。センサ回路102は、RFID、NFC等の他の形態の通信、又は伝送ハブ106と又は直接的に医療サーバ150と通信するための他の形態の無線通信を組み込み得ることが更に考えられる。各センサ回路102は、通信中に伝送ハブ106及びアプリケーション108に送信され得る一意の無線番号を有してもよい。この一意の識別子は、アプリケーション108及びユーザが複数の薬剤装置104を同時に追跡することを可能にし、且つ伝送ハブ106及び回路102が自動的にペアリングされることを更に可能にしてもよい。
センサ回路102及び医療装置104の位置は、ブルートゥース伝送の信号強度を感知することによる直観的ガイダンスを使用して決定され得る。ユーザが薬剤装置104に接近するか又は遠ざかるときに伝送ハブ106において信号の強度を表示することによって薬剤装置104の位置方向決めが達成されてもよい。また、距離、及び/又は医療装置104におけるセンサ回路102の位置の検出は、ユーザがセンサ回路102の位置を検出できるように、センサ回路102が音、振動及びLEDを発するように、伝送ハブ106又はアプリケーション108においてボタン又は信号を活性化することによって達成され得ることも考えられる。更に、伝送ハブ106又はセンサ回路102及び薬剤装置104が範囲外に移動しているか又はペアリングが中断される場合、伝送ハブ106と協働するアプリケーション108は、センサ回路102及び装置104がもはやペアリング範囲に無いことを示す通知をユーザに対して生成し得ることが考えられる。装置104の最後に検出された位置がアプリケーション108及びサーバ150に送信されてもよい。
センサ回路102の範囲における伝送ハブ106はリアルタイムで自動的に位置情報をアプリケーション108及びサーバ150にアップロードし得ることが考えられる。ユーザがアプリケーションを使用して「位置決め」コマンドを活性化するときはいつでも、サーバ150及び/又はアプリケーション108は薬剤装置104に最後に検出された位置を提供することが更に考えられる。そのため、アプリケーション108は、薬剤装置104の位置を示すためにGPS及び/又はブルートゥースの信号強度を使用することができる。更に、装置104の位置に到達すると、先に検討されたように、センサ回路102は、センサ回路102の位置を検出できるように、音、振動及びLEDを発する。
薬剤装置104は、例えば、エピネフリン(EpiPen(R)自己注射器)、グラチラマー酢酸塩(Copaxone(R)自己注射器)、アダリムマブ(Humira(R)自己注射器)、インスリン(自己注射器)、Naxolone(自己注射器)及び様々な呼吸薬剤送達装置(定量&パウダー吸入器)等の緊急及び/又は他の病状を治療するための1つ以上の薬剤及び/又は薬物送達製品を含んでもよい。様々な例示の実施形態において、薬剤装置104は、エピネフリン、定量&ドライパウダー吸入器又は他の装置を投与するための自己注射器であってもよい。適切な自己注射器及び関連する装置及び方法が、米国特許第4,031,893号、4,226,235号、44,329,988号、4,394,863号、4,484,910号、4,640,686号、4,678,461号、4,795,433号、4,832,682号、5,085,641号、5,092,843号、5,102,393号、5,295,965号、5,354,286号、7,449,012号、7,794,432号及び8,048,035号に記載されており、これらの全ては本明細書において参照により全体が組み込まれる。
スマートセンサ回路102は、例えば、薬剤装置104が利用されている又は活性化されているときに、アプリケーション108により特定される薬剤送達関連パラメータを検出するように構成される。従って、スマートセンサ102は、接触又はフランジブル要素114を更に含んでもよい。接触要素114は、表面が接触され、開かれ又は閉じられたときに信号又は指示を検出及び生成するように構成される。接触要素114は、薬剤装置104が活性化されるか又は包装110が開けられたときに電子回路を閉じて又は開いて、スマートセンサ回路102に信号を送信してもよい。
例えば、接触要素114と協働するスマートセンサ回路102は、自己注射器の包装の蓋110が開けられたとき、従って、エピネフリン、インスリン、ナロキソン又は別の薬物等の薬剤の注射が展開されそうなときを検出するように構成され、更に注射がユーザにより行われていることを示す。更に、薬剤装置104に設けられた接触要素114と協働するスマートセンサ回路102は、いつEpipen(R)の針が格納されたか又は蓋を被せられたか、及び注射が完了したかを検出するように構成される。このような検出は、1つ以上の接触要素114を使用して容易にされてもよい。センサ102及び接触要素102の使用は、他の薬剤装置104の実施形態に関しても動作可能である。ドライパウダー吸入器等の代替的な薬剤送達装置104に関して、例えば、スマートセンサ回路102は、送達に関する様々なイベントを検出するように構成されてもよい。吸入器104等の薬剤装置104の場合、要素114と協働するセンサ回路102は、いつ薬剤装置104の蓋がドライパウダー吸入器、定量吸入器、噴霧器から取り除かれたかを検出する。
更に、スマートセンサ回路102は、いつ薬剤送達装置104が人に把持されたかを検出してもよい。更に、圧力センサ126と協働して、センサ回路102は、いつ圧力が吸入器又は鼻内噴霧器104の内側又は周囲で増加したか又はいつ力が加圧装置に加えられたかを検出してもよい。このような場合、一般に、定量薬剤容器等の薬剤装置104から薬剤を分散させるために圧力が必要とされ、従って、センサ回路102が加圧装置に加えられた力を検出することは、薬剤が送達される過程であることを示す。次に、この情報は、アプリケーション108及び医療サーバ150に遠隔送信され得る。
経皮送達パッチ等の薬剤送達装置104に関して、例えば、接触要素114と協働するセンサ回路102は、いつ経皮送達パッチ104の包装が開けられたかと共にいつパッチが皮膚に配置されたか、即ち、薬剤が送達されていることを検出するように構成されることを示す。
薬剤装置104は、キャリア110又は包装で提供されてもよく、これは様々な選択された薬剤情報が刻印されていてもよい。また、このような薬剤情報は、センサ回路102、薬剤アプリケーション108に提供され、医療サーバ150に遠隔で記憶されてもよい。例えば、薬剤情報は、薬剤の名前、有効成分、用量、有効期限日、ロットID、認可保管温度及び製品シリアル番号と共に他の薬剤固有の関連情報を含んでもよい。薬剤情報は、機械可読式に印刷されていてもよい。例えば、薬剤情報は、クイックレスポンス(QR)コードとして印刷されていてもよい。また、薬剤情報は、光学文字認識(OCR)を使用して容易に認識される文字列として印刷されていてもよい。こうしたコード内にこの薬剤情報の全てを記憶する代わりに、コードは、アプリケーション108内に又はサーバ150内に記憶されているルックアップテーブルに送信され得る。コードは、特定のコードに割り当てられる情報を遠隔で参照するために使用され得る。コード割り当ては、製造業者による製造又は包装のときに行われ得る。この情報は遠隔で記憶され得るので、薬剤情報もアクセスされ又は修正され得る。
また、キャリア110は、その中に含まれる挿入物又はカードを含んでもよい。その代わりに、薬剤装置104に含まれる任意の情報が包装110上に位置していてもよい。以下で更に詳細に検討されるように、薬剤情報は、薬剤装置104又はスマートセンサ102のメモリ146にデジタル的に符号化されてもよく、情報が薬剤アプリケーション108及び医療サーバ150と共有されることを可能にする。
伝送ハブ106は、スマートセンサ回路102、薬剤アプリケーション108及び遠隔医療サーバ150の間の通信を容易にするように構成されてもよい。伝送ハブ106は、スマート回路102により検出された情報を送信し、医療サーバ150又はプロセッサに情報を送信する。伝送ハブ106は、例えば、アイフォンTM等のスマートフォン、アイパッド(登録商標)TM等のパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータ、タブレット、又はクアルコム(Qualcomm)社により製造される2netハブ等の情報を遠隔送信可能なブルートゥースハブ等のハブを含んでもよい。
センサ回路102と共に各薬剤装置104を追跡するために複数の伝送ハブ106又は電子装置が使用されてもよい。これは、無線機(ブルートゥース、ブルートゥースローエナジー、RFID、NFC等)の製造業者が製造過程の間に特定の無線チップ又はセンサ回路102の各々に割り当てる一意のデジタルコードを使用して達成されてもよい。従って、対応する無線/チップ又はセンタ102の各々に割り当てられる一意のデジタルコードは、薬物又は薬剤装置104にも割り当てられ、各薬剤装置104に別々の識別を提供することができる。
薬剤装置104を識別することは、アプリケーション108がハブ106上に又は遠隔でサーバ150上にインストールされている伝送ハブ106を使用して達成されてもよい。従って、コードが装置センサ102に割り当てられ且つそれから送信され得るので、装置識別は複数の伝送ハブ106(電話、タブレット、電子装置)を使用して達成され得る。
薬剤アプリケーション108は、1つ以上の選択された薬剤の送達に関連する情報を受信し、処理し及び転送するように構成可能である。アプリケーション108は、薬剤送達システムのアーキテクチャにおいて、伝送ハブ106、センサ回路102の何れかに、又は医療サーバ150又は接続ネットワーク上で遠隔に記憶され又は提供されてもよい。薬剤アプリケーション108は、薬剤の送達に関連する様々なパラメータ及び/又は属性を監視するように構成される。携帯電話等の伝送ハブ106に提供されるアプリケーション108は、ユーザ/患者と共に移動装置106にアクセスする任意の他の許可された個人に事前選択された情報をリアルタイムで提供してもよい。
センサ回路102と通信するアプリケーション108は、EpiPen(R)等の薬剤装置104の物理的位置を検出し、装置104が伝送ハブ106の範囲内に有るとき、更に装置が伝送ハブ106の範囲外に有るときに状態アラート及び他の情報を提供するように構成される。そのため、システム100は、子供等の患者に対する装置104の近接性を検出し、この情報を医者又は親に中継することができる。
また、アプリケーション108は、1つ以上のバイオメトリック装置120とも通信する。バイオメトリック装置120は、ユーザがバイオメトリック装置120を使用するときに検出される及び/又は収集される患者固有データを提供する。この情報は、リアルタイムで伝送ハブ106に送信され、アプリケーション108及び医療サーバ150に更に送信される。そのため、医者又は看護師等の医療専門家は、遠隔で患者のバイオメトリックデータを監視して、バイオメトリック情報に基づいて薬剤の用量及び処方箋を調節することができる。更に、医療提供者は、投薬量の放出を遠隔でプログラムしてもよい。
更に、アプリケーション108は、利用薬剤の検出等の様々な構成可能なユーザ設定を提供するように構成される。アプリケーション108は、いつ包装110の蓋が開けられたか、従って、薬剤(例えば、エピネフリン、インスリン、ナロキソン又は別の薬物)の注射が始まろうとしていることを検出する信号をセンサ回路102から受信するように更に構成される。アプリケーション108は、この情報を処理して医療サーバ150と交換するように構成される。アプリケーション108は、いつ自己注射器の蓋が開けられたか、いつ自己注射器の針が展開され且つ格納されたか、及び/又はいつ注射が遂行されたか等の他のイベントを監視するように構成されてもよい。このような送達固有情報は、アプリケーション108により記憶されると共に、医療サーバ150に送信されてもよい。上記の他の薬剤装置に関して、アプリケーション108は、医療サーバ150に遠隔で使用情報を監視し且つ送信するように構成される。
薬剤使用イベントがアプリケーション108により記憶され及び/又はサーバ150に送信され得るので、このような処理された使用データは、リアルタイムで移動装置又は伝送ハブ106に提供されてもよい。アプリケーション108は、例えば、いつ及びどこでユーザが過去に薬剤装置104を投与したかを示す地図を医療提供者又はユーザに提供してもよい。更に、アプリケーション108は、位置情報を含む、いつ薬剤104が使用されたかについてのリアルタイムアラートを提示することもできる。また、アプリケーション108は、イベントリスト及びグラフ等の薬剤装置104の使用イベントの履歴データ及び分析を提供してもよい。
アプリケーション108は、情報を遠隔医療サーバ150と交換するように構成される。アプリケーション108は1つ以上のプロンプト又は入力を提供し、ユーザ又は医療提供者が人口統計情報、地理情報と共に、例えば、運動及び食事項目等のユーザ活動等の選択された情報を提供することを可能にする。更に、アプリケーション108は、ユーザの医療及びバイオメトリック情報を交換するために、例えば、血圧計、グルコース計、酸素濃度計、体重計、EKG、及び医療関連情報を転送するように構成される任意の他の医療装置等、他の医療装置と更に連動してもよい。
薬剤送達システム100は、スマートセンサ回路及び/又はアプリケーション108から信号を受信して、プロセッサ又はクラウドコンピュータサーバ150に情報を遠隔送信することが可能なクラウドコンピューティング基盤を含んでもよい。伝送ハブ106は、例えば、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、セルラ196、Wi−Fi等の通信ネットワーク198を介して接続され得るサーバ又はサーバ群と通信する。接続された伝送ハブ106又は伝送ハブ106若しくはサーバ150に提供されるアプリケーション108は、伝送ハブ106による医療サーバ150への通信及び遠隔アクセスを許可する事前選択された許可及びプロトコルを含む。
医療サーバ150は、医療提供者、健康保険提供者、又は政府健康機関により運営されるサーバであってもよい。薬剤固有情報を記憶することに加えて、医療サーバ150は、患者固有情報を記憶するか又はそれへのアクセスを有してもよい。従って、伝送ハブ106と通信する医療サーバ150は、伝送ハブ106、関連する薬剤装置コントロールセンタ180と共に緊急サービス提供者180等の認可装置に患者固有情報を提供してもよい。
医療サーバ150は、薬剤装置104、移動装置106又は伝送ハブ106、及びコントロールセンタ180からの特定のメッセージを受信して処理するように構成されてもよい。例えば、医療サーバ150は、薬剤、処方箋を確認して補充を注文するように構成されてもよい。医療サーバ150は、計算、決定、データ送受信、制御信号の送受信又はコマンドの処理を行うように構成されるマイクロプロセッサ等の任意の適切なタイプのコンピュータプロセッサであり得るプロセッサ160及び/又はコントローラを含んでもよい。本明細書で用いられる「プロセッサ」という用語は、例えば、マイクロプロセッサ、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び他の類似の処理及び計算装置等の様々な装置を包含するように理解される。
医療サーバ150は、アプリケーション108を実行し、データを記憶し、又は先に述べた医療サーバ150はインターネット又はどこからでもアクセスされる他の接続プラットフォームを介するネットワークにも接続されているので、ユーザがアプリケーション108にアクセスして遠隔で実行することを可能にする任意の他のコンピューティングタスクを行うための処理パワーを有する。
医療サーバ150は、薬剤製造業者又は他のサードパーティにより運営されてもよい。医療サーバ150は、伝送ハブ106上で実行されるダウンロード可能なフォーマットでアプリケーション108を提供してもよく、又はメモリ152に若しくは遠隔でアプリケーションを記憶してもよい。また、医療サーバ150は、ダウンロード可能なアプリケーション及び/又はウェブアプリケーションのサポートを提供してもよい。医療サーバ150は、薬剤装置104に登録することを選択する患者により提供される登録薬剤情報のデータベースを含んでもよい。医療サーバ150は、アプリケーションを介してアクセス可能な様々なサービスを提供してもよい。薬剤アプリケーション108と協働する医療サーバ150は、伝送ハブ又は移動装置106にダウンロード又はストリーミングされ得るテキスト又は音声及び/又は映像の指導を提供してもよい。
医療サーバ150は、登録薬剤装置104の情報に基づいてアプリケーション108及び伝送ハブ106に情報を提供してもよい。例えば、医療サーバ150は、有効期限、薬剤装置使用104を追跡して、接近している有効期限の通知を提供してもよい。そのため、システム100は、薬剤が装置104において使い切られるか又は期限が切れることになっている場合、再注文をキューすることができる。様々な実施形態において、医療サーバ150は、地理位置追跡システム等の追跡システムを提供してもよく、登録ユーザが装置104と通信する薬剤装置104又は伝送ハブ106の最後に知られていた物理的位置を追跡することを可能にする。
医療サーバ150と共に薬剤システム100は、データ及び情報を記憶するために医療サーバ150と通信する記憶装置又はメモリ152を更に含んでもよい。メモリは、医療サーバ150上に設けられ又は医療サーバ150により外部からアクセス可能であってもよい。メモリ152は、任意の適切なタイプのコンピュータ可読及びプログラム可能メモリであり得る。コンピュータ可読媒体の例は、磁気記録装置、非一時的なコンピュータ可読記憶メモリ、光学ディスク、磁気光学ディスク、及び/又は半導体メモリ(例えば、RAM、ROM等)を含む。メモリ152に加えて又はメモリ152に代えて使用され得る磁気記録装置の例は、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、及び磁気テープ(MT)を含む。光学ディスクの例は、DVD(デジタル多用途ディスク)、DVD−RAM、CD−ROM(コンパクトディスク・リードオンリメモリ)、及びCD−R(記録可能)/RWを含む。
メモリ152は、薬剤装置104に関する情報を記憶してもよい。メモリ152に記憶されている情報は、製造日、有効期限、薬物、用量、指導音声、指導テキスト、他の使用説明、処方箋情報、再注文情報、及び連絡情報を含んでもよい。
キャリア110に設けられるセンサ回路102は、キャリア110を再注文及び/又はリサイクルする目的で医療提供者がキャリアを追跡することを可能にする。キャリア110の使用が完了すると、キャリア110に設けられているセンサ回路102は、伝送ハブ106を介してシステム100に位置情報を送信してもよい。費用及び無駄を減らすために、センサ回路102は、医療提供者の位置に設けられている伝送ハブを介して返還位置に追跡されてもよい。このため、医療提供者は、キャリア110が範囲になるとセンサ回路102を検出して、ユーザのために交換薬剤装置104を再注文するように医療提供者を促してもよい。
動作時に、センサ回路102、伝送ハブ106、アプリケーション108及び遠隔医療サーバ150と協働する薬物配送システム100は、薬剤装置104のリアルタイム監視を提供し、これは薬剤の温度、伝送ハブ106の位置検出を介する薬剤のおおよその位置、及び更なる薬剤の投与及び使用情報を含んでもよい。
先に開示されたように、センサ回路102は、EpiPen(R)キャップ112、自己注射器プラスチックケース110又はキャリア110との接続部を含み得る薬剤装置104に接続され又は取り付けられる。図3に示されるように、ステップ202において、センサ回路102は、接触要素114を使用して、いつ自己注射器の包装の蓋が開けられたか及び薬物使用が始まりそうであるかを検出する。また、センサ回路102は、いつ自己注射器の針が展開されたか及びいつ注射が始まっているか及び更にいつ針が格納されたかを更に検出してもよい。
ステップ204及び206において、スマートセンサ回路102により薬剤送達が検出されると、アプリケーション108は、アプリケーション108を介して投与情報にアクセスし、事前選択された順序で伝送ハブ106又は移動装置106に送信される一連の音声、映像又はテキストプロンプトを含むその情報を送達してもよい。投与情報は、関連プロトコルに従って送信され、どのように薬剤装置104を適切に使用するか及びどのように薬剤を送達するかについて患者又はユーザを指導してもよい。更に、システム100は、伝送ハブ106の位置208を検出する。
更に、ステップ210において、自己注射器又は薬剤装置104がセンサ回路102により開けられたことが検出されると、及び/又は薬剤装置104が展開されたことを検出すると、センサ回路102は、ステップ212において、伝送ハブ106又は接続サーバ150又は関連ネットワーク装置により第1の応答者、介護人、医療専門家又は911等の緊急電話番号に連絡したいかどうかを決定するようにユーザを促す信号をアプリケーション108に送信してもよい。
薬剤装置104及びキャリア110に関する情報並びに位置がアプリケーション108を介してサーバ150に送信されてもよい。これは、薬剤装置104が伝送ハブ106の範囲に入ると自動的に行われてもよく、又は伝送ハブ106においてアプリケーション108に手動で行われてもよい。薬剤送達システム100は、薬剤装置104に接近して設けられたセンサ回路102が伝送ハブ106といつ通信するかをリアルタイムで連続的に検出し、センサ102が伝送ハブ106の範囲内に有るかどうかを検出する信号を送信してもよい。薬剤装置104の検出は、一般にはセンサ回路102と伝送ハブ106との間の伝送範囲に依存し、ブルートゥースの場合、これは約150ftである。また、薬剤装置104は、GPSチップ又はセンサ回路102とのセルラ通信を使用して追跡され得ることも考えられる。アプリケーション108又は伝送ハブ106は、装置104の検出されたGPS座標をテキストメッセージ又は可聴音声コマンドに変換してもよい。このため、緊急提供者が連絡を受けると、可聴音声コマンドが提供者に治療の必要性及び薬剤装置104及びユーザの検出位置を警告するであろう。
検討されたように、アプリケーション108は、薬剤装置106の位置を検出してもよい。BTLE信号が存在する場合、アプリケーション108は、薬剤装置104が伝送ハブ106の近接内に有り、従って患者が近くに薬剤を有していることを推定してもよい。この情報は、クラウド/医療サーバ150に送信され、次に、患者が薬剤を手元に有していると(両親等の)介護者に中継され得る。BTLE信号が失われると、薬剤が近くに無い可能性が高いことを推定し、アプリケーション108は患者又は介護者にアラートを送信し得る。
図4は、薬剤装置104の使用の監視を示す。ステップ405及び410において、複数の位置信号が、伝送ハブ106、センサ回路102及びアプリケーション108の間で交換されて、薬剤装置104及びキャリア110の近接位置に関するリアルタイムの情報を提供してもよい。ステップ420及び425において、センサ回路102が伝送ハブ106による検出範囲から出ると、メッセージが送信されてユーザに通知する。更に、センサが範囲に戻るか又は伝送ハブ106の範囲内で再活性化されると、ユーザにメッセージが送信される。
位置情報及び使用情報を用いて、アプリケーション108と共にシステム100は、伝送ハブ106又は移動装置の位置追跡サービスを利用して、患者を位置付け、ステップ435で、ナロキソン、エピネフリン又はコルチコステロイド等の緊急薬剤が送達されるときにいつでも、ステップ445で、911に及び/又は介護者にメッセージを送信し、ステップ455で補充が注文されてもよい。また、ユーザは、薬剤送達イベントが発生するときの追加連絡先設定を構成することもできる。
更に、システム100は、保管及び使用及び注文を監視することに関する支援を提供してもよい。薬剤装置104が開けられると、アプリケーション108は、薬剤を使用したかどうか、及び薬剤の交換補充のために再注文したいかどうかについての情報を提供するようにユーザを促す。
また、患者の薬剤利用は、インスリン、Copaxone(R)又は気管支拡張剤等の維持薬物に関する薬剤遵守を長期的に計画するためにタイムスタンプと共に、センサ回路102及び伝送ハブ106を介して医療サーバ150に送信され得る。測定又は適合された薬剤の送達回数及び用量を関連バイオメトリック装置120により計測されたバイオメトリックと結合することは、遠隔で患者を管理している医療関係者が患者から心拍、呼吸、血圧、酸素飽和度及び/又は体温の変化等の効果及び副作用を見ることを可能にする。更に、接続されたバイオメトリック装置120は、医療提供者が用量、食事及び運動等の変数を患者のバイオメトリックの変化と比較することを可能にする。
所定の例示の態様を具体的に参照して、様々な例示の実施形態が詳細に記載されているが、本発明は他の実施形態も可能であり、その詳細は様々な明らかな点で修正可能であることが理解される。当業者には容易に明らかであるが、本発明の精神及び範囲内でありながら変形及び修正がもたらされ得る。従って、先の開示、記載及び図面は、単なる例示であって、請求項のみによって定義される本発明を限定するものではない。