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JP2020081217A - アブレーションカテーテル及び心臓治療システム - Google Patents

アブレーションカテーテル及び心臓治療システム Download PDF

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JP2020081217A
JP2020081217A JP2018218050A JP2018218050A JP2020081217A JP 2020081217 A JP2020081217 A JP 2020081217A JP 2018218050 A JP2018218050 A JP 2018218050A JP 2018218050 A JP2018218050 A JP 2018218050A JP 2020081217 A JP2020081217 A JP 2020081217A
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徹 南野
Toru Minamino
徹 南野
賢一 飯嶋
Kenichi Iijima
賢一 飯嶋
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Abstract

【課題】心室細動の発生自体を抑制可能な、新規のアブレーションカテーテル及び心臓治療システムを提供する。【解決手段】アブレーションカテーテル1Aは、心臓組織の焼灼に用いられるアブレーションカテーテルであって、細長で可撓性を有する絶縁性の本体10と、前記本体の外周面上に設けられた電極部20と、前記電極部と接続された配線と、を備え、前記本体の長手方向における前記電極部の寸法が、1cm超15cm以下である。心臓治療システムは、前記カテーテルアブレーションと、前記配線と接続された高周波電流発生装置と、前記配線と接続されたペーシング用の刺激装置と、前記配線と接続された心電計と、生体を挟んで前記配線と回路を形成する対極板部と、を備える。【選択図】図1A

Description

本発明は、アブレーションカテーテル及び心臓治療システムに関する。
現在、不整脈疾患の治療法としては、抗不整脈薬を用いた薬物療法と、ペースメーカー、植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillators;ICD)等の植込み型心臓電気的デバイスや、経皮的カテーテルアブレーションによる非薬物治療法とが挙げられる。中でも、心臓突然死の主な原因である心室細動に対しては、従来の薬物療法は必ずしも長期予後を改善しないことや、心室細動は興奮様式が複雑且つ無秩序であり、治療の標的部位が不明であるため、カテーテルアブレーションによる治療法が確立されていないことから、ICDによる治療が中心となっている。ICDは患者の心拍を常時観察し、心室細動が発生した際には高電圧の直流通電(ショック)により自動的にこれを停止させる装置であり、心室細動を高い確率で停止させることができる。過去の大規模臨床試験では、心臓突然死の高危険群と考えられる重症心不全の患者等において卓越した予後改善効果が示されている。
一方で、近年、動物実験を中心とした基礎研究によって、心室細動の発症、維持及び再発(除細動不成功)に際して、左右心室の接合部(室間溝)における心室細動波面の分裂(Wavebreak)が重要な役割を果たすことが明らかとなっている(例えば、非特許文献1参照)。
Bourgeois EB et al., "Panoramic optical mapping shows wavebreak at a consistent anatomical site at the onset of ventricular fibrillation.", Cardiovascular Research, Vol. 93, Issue 2, p272-279, 2012.
しかしながら、ICDが体内に植込まれていても、心室細動を停止させるのに必要な通電出力が高く、除細動不成功となる場合があることや、除細動通電に際して患者は強い疼痛を自覚し、恐怖から多大な精神的苦痛を伴い、うつ病や適応障害等の精神疾患を併発する虞があること、自動車運転の禁止等の日常生活での制限が少なからず存在すること等、IDC治療には複数の限界があることが指摘されており、ICD治療に対する患者の満足度は決して十分ではない。これらの限界は、IDC治療が対症療法であり、心室細動の発生自体を抑制する効果を持たない点から生じている。そのため、心室細動の発生自体を抑制し、より安全で低侵襲な心室細動の治療法が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、心室細動の発生自体を抑制可能な、新規のアブレーションカテーテル及び心臓治療システムを提供する。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、細長で可撓性を有する絶縁性の本体と、前記本体の外周面上に設けられた電極部と、を備え、前記本体の長手方向における前記電極部の寸法が従来のアブレーションカテーテルの電極部よりも長いアブレーションカテーテルを用いて、左右心室の接合部を線状焼灼することで、心室細動の発生自体を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係るアブレーションカテーテルは、心臓組織の焼灼に用いられるアブレーションカテーテルであって、細長で可撓性を有する絶縁性の本体と、前記本体の外周面上に設けられた電極部と、前記電極部と接続された配線と、を備え、前記本体の長手方向における前記電極部の寸法が、1cm超15cm以下である。
前記電極部は、前記本体の長手方向に間隔を空けて並べて配置された複数の焼灼用電極を有し、前記配線は、前記複数の焼灼用電極に独立して通電できるように配置され、前記本体の長手方向における前記焼灼用電極の寸法は、前記間隔の1.5倍以上であってもよい。
上記第1態様に係るアブレーションカテーテルは、左右心室の接合部の焼灼に用いられてもよい。
本発明の第2態様に係る心臓治療システムは、上記第1態様に係るアブレーションカテーテルと、前記配線と接続された高周波電流発生装置と、前記配線と接続されたペーシング用の刺激装置と、前記配線と接続された心電計と、生体を挟んで前記配線と回路を形成する対極板部と、を備える。
上記第2態様に係る心臓治療システムは、電極を含む第2のカテーテルと、前記電極により得られた心腔内電位から心臓の3次元マッピング画像を構築する3次元マッピング装置と、を更に備えてもよい。
上記第2態様に係る心臓治療システムは、磁気センサを含むプローブと、前記磁気センサから発生した超音波から心臓の3次元マッピング画像を構築する超音波画像診断装置と、を更に備えてもよい。
上記第2態様に係る心臓治療システムは、X線画像診断装置を更に備えてもよい。
上記第2態様に係る心臓治療システムは、心室細動の治療に用いられてもよい。
上記態様のアブレーションカテーテル及び心臓治療システムによれば、心室細動の発生自体を抑制することができる。
本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルを示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの先端の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの先端の長手方向の断面図である。 本発明の一実施形態に係る心臓治療システムを示す概略構成図である。 試験例1における心腔内超音波画像装置を用いて構築されたブタ心臓の3次元マッピング画像である。 試験例1における左右心室の接合部(室間溝)の線状の焼灼処置前後での心電図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、説明に関連しない部分は図示を省略する場合がある。
≪アブレーションカテーテル≫
本実施形態のアブレーションカテーテルは、心臓組織の焼灼に用いられるアブレーションカテーテルである。本実施形態のアブレーションカテーテルは、細長で可撓性を有する絶縁性の本体と、本体の外周面上に設けられた電極部と、電極部と接続された配線と、を備える。本体の長手方向における電極部の寸法は、1cm超15cm以下である。
近年、心室細動の発症、維持及び再発(除細動不成功)に際して、左右心室の接合部(室間溝)における心室細動波面の分裂(Wavebreak)が重要な役割を果たすことが明らかとなっていたが、心室細動は、無秩序であり、突発的に発生することから、カテーテルアブレーション治療における標的部位は明らかとなっていなかった。本発明者らは、後述する実施例に示すように、左右心室の接合部(室間溝)を線状焼灼することで、心室細動の発生自体を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、これまでのアブレーションカテーテルでは、線状焼灼を行うために、数回にわたる点状の焼灼を繰り返す必要があった。これに対して、本実施形態のアブレーションカテーテルは、従来の電極部よりも長い電極部を備えることで、左右心室の接合部を容易に線状焼灼することができ、心室細動の発生自体を抑制することができる。
<第1実施形態>
図1Aは、本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルを示す斜視図である。
図1Aに示すアブレーションカテーテル1Aは、細長で可撓性を有する絶縁性の本体10と、本体10の外周面上に設けられた電極部20と、電極部2と接続された配線(後述する図1C参照)と、を備える。また、アブレーションカテーテル1Aは、ハンドル部40を更に備えることができる。ハンドル部に配置された電極部屈曲用ノブ41を操作することで、生体内において電極部20を屈曲させることができ、心内膜側から室間溝に沿うように電極部20を配置することができる。
本体の長手方向における電極部20の寸法は、1cm超15cm以下であり、1.5cm以上14cm以下が好ましく、3cm以上13cm以下がより好ましく、5cm以上12cm以下がさらに好ましい。電極部の寸法が上記範囲内であることで、ヒト(成人)の心臓の長さが12cm以上15cm以下程度であることから、左右心室の接合部に沿うように電極部20を配置することができ、左右心室の接合部をより容易に線状焼灼することができる。
また、本体10の周方向における電極部20の寸法が、本体10の外周の4分の1以上であることが好ましく、3分の1以上であることがより好ましく、2分の1以上であることがさらに好ましく、3分の2以上であることが特に好ましく、1分の1である、すなわち、電極部20が本体10の外周全体を覆っていることが最も好ましい。本体10の外周に対する本体10の周方向における電極部20の寸法の割合が、上記下限値以上であることで、生体内において電極部20をより柔軟に屈曲させることができ、左右心室の接合部をより容易に線状焼灼することができる。
図1Bは、本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの先端の斜視図であり、図1Cは、本発明の第1実施形態に係るアブレーションカテーテルの先端の長手方向の断面図である。
電極部20は、本体の長手方向に間隔22を空けて並べて配置された複数の焼灼用電極21aを有する。配線40は、複数の焼灼用電極21aに独立して通電できるように配置されている。アブレーションカテーテル1Aは、複数の焼灼用電極21aを有することで、カテーテルを動かすことなく、複数の点状焼灼を同時に行うことができ、治療時間の短縮が期待される。
また、本体の長手方向における焼灼用電極21aの寸法Xは、間隔22の長さYの1.5倍以上であることが好ましく、1.6倍以上であることがより好ましく、1.7倍以上であることがさらに好ましく、2.0倍以上であることが特に好ましく、2.5倍以上であることが最も好ましい。本体10の長手方向における間隔22の長さYに対する焼灼用電極21aの寸法Xの割合が上記上限値以下であることで、より効率的に左右心室の接合部を線状焼灼することができる。
焼灼用電極21aは、例えば、白金等の導電性材料からなる。本体10の長手方向における焼灼用電極21aの寸法Xは1mm超が好ましく、3mm以上がより好ましく、5mm以上がさらに好ましい。一方で、本体10の長手方向における焼灼用電極21aの寸法Xの上限値については、特別な限定はないが、例えば1cm程度とすることができる。
また、複数の焼灼用電極21aの寸法Xは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよいが、均一に焼灼できることから、同一であることが好ましい。
焼灼用電極21aの個数としては、本体10の長手方向における電極部20の寸法に収まる範囲であればよく、例えば、2個以上20個以下程度とすることができ、2個以上15以下程度とすることができ、3個以上10個以下程度とすることができる。
本体10は、例えば、シリコーンゴム等の熱可塑性材料からなる。本体10の長手方向における寸法は、公知のアブレーションカテーテルの寸法と同程度とすることができ、例えば、500mm以上2000mm以下とすることができ、750mm以上1500mm以下とすることができる。本体の内径についても同様に、公知のアブレーションカテーテルの内径と同程度とすることができ、例えば、1mm以上10mm以下とすることができ、2mm以上7mm以下とすることができる。
また、本体10の長手方向における間隙の長さYは5mm未満が好ましく、3mm以下がより好ましく、2mm以下がさらに好ましい。一方で、本体10の長手方向における間隙の長さYの下限値については、特別な限定はないが、例えば1mm程度とすることができる。
また、複数の間隙の長さYは、それぞれ同一であってもよく、異なっていてもよいが、均一に焼灼できることから、同一であることが好ましい。
本実施形態のアブレーションカテーテルは、図1A〜1Cに示すものに限定されず、本実施形態における効果を損なわない範囲内において、図1A〜1Cに示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図1A〜1Cに示すアブレーションカテーテルにおいては、電極部(焼灼用電極及び間隙等の本体のうち少なくともいずれか一方)に1以上の孔、並びに、本体内部にハンドル部から前記孔まで連通する流路が設けられていてもよい。これにより、流体を、流路を介して孔から流出させて、焼灼用電極の外表面及び焼灼後の組織が流体と接触することで、過熱を防止することができ、焼灼用電極周囲の血液が希釈されて、血液凝固を防止することができる。流体としては、例えば、生理食塩水等の医療用途で一般的に用いられるものが挙げられる。
例えば、図1A〜1Cに示すアブレーションカテーテルにおいては、本体内部であって電極部に隣接しており、流体を循環し得る流路が設けられていてもよい。これにより、流体が焼灼用電極の内表面と接触することで、焼灼用電極及び焼灼後の組織の過熱を防止することができる。
≪心臓治療システム≫
本実施形態の心臓治療システムは、上記カテーテルアブレーションと、前記配線と接続された高周波電流発生装置と、前記配線と接続されたペーシング用の刺激装置と、前記配線と接続された心電計と、生体を挟んで前記配線と回路を形成する対極板部と、を備える。
本実施形態の心臓治療システムは、上記構成を有することで、左右心室の接合部を容易に線状焼灼することができ、心室細動の発生自体を抑制することができる。
図2は、本発明の一実施形態に係る心臓治療システムを示す概略構成図である。
図2に示す心臓治療システム100は、アブレーションカテーテル1Aと、高周波電流発生装置101と、刺激装置103と、心電計104と、対極板部102と、を備える。アブレーションカテーテル1Aは、配線を介して高周波電流発生装置101に接続されている。心臓治療システム100は、アブレーションカテーテル1Aを備えることで、上述したように、カテーテルを動かすことなく、線状焼灼を容易に行うことができ、治療時間の短縮が期待される。
刺激装置103は、配線を介してアブレーションカテーテル1Aに接続しており、心臓に刺激を与えて収縮をコントロールするペーシング部と、刺激を感知するセンシング部とを有する。心電計104は、配線を介してアブレーションカテーテル1Aに接続しており、電極から得られる心腔内電位を記録するために用いられる。刺激装置103及び心電計104における心腔内電位の記録及び心臓への刺激は図2に示すように、焼灼用電極を用いて行ってもよく、電極を含む第2のカテーテルを介して行ってもよい。第2のカテーテルとしては、例えば、一時的(体外式)ペーシングカテーテルを用いることができる。また、心電計104は、体表面から心電位を取得する1以上のスポット電極を更に備えていてもよい。これにより、心腔内及び体表面の両方から心電位を取得することができ、より正確に心電位を測定することができる。対極板部102は、カテーテルアブレーション治療中に被検体の下に置かれ、被検体の生体を挟んで配線と回路を形成する。
本実施形態の心臓治療システムは、図2に示すものに限定されず、本実施形態における効果を損なわない範囲内において、図2に示すものの一部の構成が変更又は削除されたものや、これまでに説明したものにさらに他の構成が追加されたものであってもよい。
例えば、図2に示す心臓治療システムは、制御部105を更に備えていてもよい。複数の焼灼用電極を有するアブレーションカテーテル1Aを用いる場合に、制御部105は、複数の焼灼用電極の遠位側から順に通電されるように、又は、複数の焼灼用電極のうち指定した焼灼用電極のみに通電されるように、高周波電流発生装置を制御することができる。
また、流体112を送液するポンプ111が流路を介してアブレーションカテーテル1Aに接続している場合に、制御部105は、焼灼用電極に通電中又は通電後、焼灼された部位に流体が流出されるように、又は、本体内部において通電後の焼灼用電極に流体が接触するようにポンプを制御することができる。これにより、焼灼用電極及び焼灼後の組織の過熱を防止することができる。
また、制御部105は足踏みスイッチ106を更に備えていてもよい。これにより、足踏みスイッチ106又は高周波電流発生装置101の電源のいずれかを用いて、焼灼用電極の通電の開始及び停止を制御することができる。
また、制御部105は、データ出力用ポート108から配線を介して、データ出力部(コンピュータ)110が接続されていてもよい。これにより、電流の出力値、治療時間、心腔内電位等のデータを出力することができる。
例えば、図2に示す心臓治療システムは、電極を含む第2のカテーテル及び3次元マッピング装置を更に備えていてもよい。3次元マッピング装置は、前記第2のカテーテルが含む電極から得られる心腔内電位から心臓の3次元マッピング画像を構築することができる。構築された3次元マッピング画像を用いることで、左右心室の接合部を焼灼するようにアブレーションカテーテル1A中の電極部を配置させることができる。
例えば、図2に示す心臓治療システムは、磁気センサを含むプローブと、超音波画像診断装置と、を備えていてもよい。超音波画像診断装置は、前記磁気センサから発生した超音波から心臓の3次元マッピング画像を構築することができる。構築された3次元マッピング画像を用いることで、左右心室の接合部を焼灼するようにアブレーションカテーテル1A中の電極部を配置させることができる。
例えば、図2に示す心臓治療システムは、X線画像診断装置を更に備えていてもよい。X線画像診断装置から得られた被検体の心臓のX線画像を用いることで、左右心室の接合部を焼灼するようにアブレーションカテーテル1A中の電極部を配置させることができる。
<使用方法>
本実施形態の心臓治療システム100の使用方法について以下に説明する。
従来のカテーテルアブレーション治療と同様に、被検体の大腿静脈からアブレーションカテーテル1Aを挿入し、電極部屈曲用ノブ41を操作することで、電極部20を屈曲させて、心内膜側から左右心室の接合部(室間溝)に沿うように電極部20を配置する。特に、このとき、上記3次元マッピング装置が心腔内電位から構築した心臓の3次元マッピング画像、上記超音波画像診断装置が超音波から構築した心臓の3次元マッピング画像及び上記X線画像診断装置から得られた心臓のX線画像からなる群より選ばれる少なくとも1つの画像を用いて、電極部20の位置決めを行うことができる。次いで、制御部105は電極部20が室間溝の適切な位置に配置された場合に、高周波電流発生装置101の電源をオンにする。これにより、高周波電流発生装置高周波電流発生装置から生成された電流は焼灼用電極を介して被検体の心臓に伝わり、被検体の下に配置された対極板部102から高周波電流発生装置101に戻り、回路が形成される。このとき、焼灼用電極と心筋との接触部において、ジュール熱により発熱が生じて、心筋焼灼が行われる。電流の出力値、通電時間等は、被検体の年齢、症状等に応じて、制御部105において適宜制御することができる。また、複数の焼灼電極を有するアブレーションカテーテルを用いる場合には、制御部105は、複数の焼灼用電極の遠位側から順に通電されるように、又は、複数の焼灼用電極のうち指定した焼灼用電極のみに通電されるように、高周波電流発生装置を制御する。本実施形態の心臓治療システム100では、電極部20が室間溝の全長に沿って配置されているため、線状焼灼を容易に行うことができ、治療時間の短縮が期待される。
なお、心臓の焼灼標的部位としては、前方(腹側)の室間溝及び後方(背側)の室間溝のうち少なくともいずれか一方を焼灼すればよく、前方(腹側)の室間溝において心室細動波面の分裂(Wavebreak)がより起きやすいことから、少なくとも前方(腹側)の室間溝を焼灼することが好ましく、前方(腹側)の室間溝及び後方(背側)の室間溝の両方を焼灼することがより好ましい。
焼灼と同時又は焼灼後に、制御部は流路を介して流体112を焼灼用電極及び心臓の焼灼部に送液して、冷却するようにポンプ111を制御する。これにより、焼灼用電極及び心臓の焼灼部が過熱するのを防止することができる。
被検体としては、心筋梗塞や心筋症、心不全の患者であって、心室細動を発症する可能性がある患者又は既に心室細動を発症したことのある患者が対象となり得る。被検体が前者である場合、心臓治療システムの適用は、心室細動の予防となり得る。
本実施形態の心臓治療システムは、後述する実施例に示すように、心室細動の治療に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試験例1]ブタ心臓を用いた心室細動に対するカテーテルアブレーション試験
1.プロトコール
全身麻酔下のブタ(体重30kg前後)の頸静脈及び大腿静脈から、記録及び心室細動誘発用の電極カテーテル(ジョンソンアンドジョンソン社製、型番:36B33R)、心筋焼灼用電極を備えるアブレーションカテーテル(ジョンソンアンドジョンソン社製、型番:36H35M)、3次元マッピング装置(ジョンソンアンドジョンソン社製、型番:CARTO3)と連動した心腔内超音波画像装置(シーメンス社製、型番:Acuson X300)のプローブ(ジョンソンアンドジョンソン社製、型番:10438577)をそれぞれ挿入した。心室細動は、心内に留置した電極カテーテルからの心室頻回刺激を用いて誘発した。心室細動が出現した際には、予め体表面に貼付したパッチ電極で直流除細動を行い、直ちに停止させた。
2.左右心室接合部へのカテーテルアブレーションによる心室細動の誘発抑制可否の検討
X線画像診断装置(フィリップス社製、型番:Allura Xper FD10)及び心腔内超音波画像装置による撮像から、左右心室の接合部(前、後室間溝)の位置を把握し、これに沿って右心室の心内膜側から前方(腹側)の室間溝及び後方(背側)の室間溝について線状の焼灼を行い(図3参照、黒丸は焼灼位置を示す)、接合部を介した左右心室間の伝導を途絶させた。焼灼処置前、前方(腹側)の室間溝の焼灼処置後、前方(腹側)及び後方(背側)の室間溝の焼灼処置後に、それぞれ心室頻回刺激を行い、心室細動の誘発性を評価した。心室細動が誘発された場合は、直ちに直流通電により停止させた。評価結果を図4に示す。
図4から、前方(腹側)及び後方(背側)の室間溝の線状の焼灼処置後には、心室頻回刺激を行っても、心室細動が誘発されないことが明らかとなった。このことから、カテーテルアブレーションを用いた、本実施形態の心臓治療システムは、心室細動の根本的な治療として有効であると考えられる。
本実施形態のアブレーションカテーテル及び心臓治療システムによれば、心室細動の発生自体を抑制することができ、心室細動の治療に有効である。
1A…カテーテルアブレーション、10…本体、20…電極部、21a…焼灼用電極、22…間隔、30…配線、40…バンドル部、41…電極部屈曲用ノブ、100…心臓治療システム、101…高周波電流発生装置、102…対極板部、103…刺激装置、104…心電計、105…制御部、106…足踏みスイッチ、107…ポンプ用ポート、108…データ出力用ポート、109…電源、110…データ出力部、111…ポンプ、112…流体

Claims (8)

  1. 心臓組織の焼灼に用いられるアブレーションカテーテルであって、
    細長で可撓性を有する絶縁性の本体と、
    前記本体の外周面上に設けられた電極部と、
    前記電極部と接続された配線と、
    を備え、
    前記本体の長手方向における前記電極部の寸法が、1cm超15cm以下である、アブレーションカテーテル。
  2. 前記電極部は、前記本体の長手方向に間隔を空けて並べて配置された複数の焼灼用電極を有し、
    前記配線は、前記複数の焼灼用電極に独立して通電できるように配置され、
    前記本体の長手方向における前記焼灼用電極の寸法は、前記間隔の1.5倍以上である、請求項1に記載のアブレーションカテーテル。
  3. 左右心室の接合部の焼灼に用いられる、請求項1又は2に記載のアブレーションカテーテル。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアブレーションカテーテルと、
    前記配線と接続された高周波電流発生装置と、
    前記配線と接続されたペーシング用の刺激装置と、
    前記配線と接続された心電計と、
    生体を挟んで前記配線と回路を形成する対極板部と、
    を備える、心臓治療システム。
  5. 電極を含む第2のカテーテルと、
    前記電極により得られた心腔内電位から心臓の3次元マッピング画像を構築する3次元マッピング装置と、
    を更に備える、請求項4に記載の心臓治療システム。
  6. 磁気センサを含むプローブと、
    前記磁気センサから発生した超音波から心臓の3次元マッピング画像を構築する超音波画像診断装置と、
    を更に備える、請求項4又は5に記載の心臓治療システム。
  7. X線画像診断装置を更に備える、請求項4〜6のいずれか一項に記載の心臓治療システム。
  8. 心室細動の治療に用いられる、請求項4〜7のいずれか一項に記載の心臓治療システム。
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JP2001070269A (ja) * 1999-09-06 2001-03-21 Toshiba Corp 電気生理マッピング装置
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JP2009291612A (ja) * 2008-06-05 2009-12-17 Biosense Webster Inc 同時に起こるペーシングおよび切除のためのフィルター

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