以下、本発明の一態様に係る自動倉庫システムについて、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
(実施の形態)
図1及び図2を用いて、実施の形態に係る自動倉庫システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態に係る自動倉庫システムの構成概要を示す平面図である。図2は、実施の形態に係る自動倉庫システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態に係る自動倉庫システム1は、自動倉庫100に出入庫される荷物を正確に管理するためのシステムである。自動倉庫システム1は、自動倉庫100と、撮像装置200と、コントローラ300と、表示装置400とを備える。自動倉庫システム1は、さらに、指示装置500を備えていてもよい。
自動倉庫100は、棚110と、搬送装置120、130とを有する。
棚110は、荷物20を保管する。棚110は、例えば、複数の荷物20が載置されたパレット10を保管する。棚110は、図1に示すように水平方向に2列あり、1列につき複数のパレット10が配置可能な構成であってもよいし、垂直方向に複数のパレット10が配置可能な構成であってもよい。また、棚110は、パレット10に載置されていない荷物20を保管してもよい。
搬送装置120は、入庫用の入庫コンベア121と、出庫用の出庫コンベア122とを有する。搬送装置120は、さらに、再入庫用の再入庫コンベア123を有していてもよい。なお、搬送装置120は、コンベアにより構成されているが、環状の経路を周回して走行する搬送車により構成されていてもよい。
入庫コンベア121は、棚110に保管するパレット10を棚110に搬送する、つまり自動倉庫100にパレット10を入庫するコンベアである。出庫コンベア122は、棚110に保管されていたパレット10を搬送する、つまり自動倉庫100からパレット10を出庫するコンベアである。再入庫コンベア123は、出庫コンベア122から出庫されたパレット10のうち、ピッキングステーション140にて作業者Uに所定の荷物20がピッキングされたあとのパレット10を再入庫するためのコンベアである。再入庫コンベア123は、ピッキングステーション140から入庫コンベア121へパレット10を搬送する。
搬送装置130は、入庫コンベア121からパレット10を受け取って、受け取ったパレット10を棚110の所定の位置に移載する移載装置である。また、搬送装置130は、棚110に保管されているパレット10を棚110から引き出して、出庫コンベア122に移載する移載装置である。搬送装置130は、例えば、スタッカクレーンである。
次に、撮像装置200、および、撮像装置200の撮像対象について、図1および図2に加えて、図3および図4も用いて説明する。図3は、実施の形態に係る撮像装置および撮像装置の撮像対象について説明するための概略図である。図4は、実施の形態に係る撮像装置に撮像されることにより得られた画像の一例を示す図である。
図1および図3に示すように、撮像装置200は、自動倉庫100に入庫するパレット10を撮像する。撮像装置200は、自動倉庫100の入庫コンベア121上の空間A1を撮像対象とするように、当該空間A1を撮像する位置および姿勢で固定されている。撮像装置200は、例えば、レンズなどの光学系およびイメージセンサを有するカメラである。
撮像装置200は、空間A1にパレット10または荷物20があることを検出し、パレット10または荷物20を検出したときに撮像を実行することで自動倉庫100に入庫されるパレット10または荷物20を撮像してもよい。この場合、撮像装置200は、物体を検出する距離センサ(例えば赤外線センサ)を用いて、撮像対象とする空間A1にパレット10または荷物20があることを検出してもよい。撮像装置200は、複数のパレット10のそれぞれについて、当該パレット10および当該パレット10に載置されている複数の荷物20を撮像する。
図3に示すように、パレット10は、側面にバーコードを含むラベル11を有している。また、パレット10には、複数の荷物20が載置されている。つまり、複数の荷物20は、複数のパレット10毎にグループ化され、複数のグループに分類されている。つまり、1つのパレット10に載置されている第1の個数(1以上)の荷物20は、当該1つのパレット10に対応する1つのグループ(つまり同一のグループ)に属する。よって、複数の荷物20は、パレット10の数と同じ数のグループに分類されている。複数の荷物20のそれぞれには、側面にバーコードを含むラベル21が貼り付けられている。ラベル11、21には、バーコードの代わりに2次元コードが含まれていてもよいし、他の光学読み取り用コードであってもよい。ラベル11、21に含まれる光学読み取り用コードは、パレット10および荷物20を識別するための識別子であり、それぞれ、グループIDおよび荷物IDを示す。
なお、1つのグループは1つパレット10に対応し、当該1つのパレット10に載置されている第1の個数の荷物20が同一のグループに属するとしたがこれに限らない。1つのグループは複数の商品を管理しやすくするための集合であればよく、例えば、同じ種類の複数の商品が同一のグループに属するとしてもよい。
ラベル11は、パレット10に予め貼り付けられている。ラベル21は、荷物20が入庫される前に、貼り付けられる。このため、ラベル21は、荷物20の個数と同じ枚数が発行されている。また、ラベル11、21は、パレット10および荷物20の、少なくとも入庫コンベア121に対して撮像装置200が配置されている側の側面に貼り付けられている。
また、撮像装置200は、複数のグループのそれぞれについて、当該グループに含まれる所定の個数の荷物20を撮像する。言い換えると、撮像装置200は、複数のパレット10のそれぞれについて、当該パレット10および当該パレット10に載置されている1以上の荷物20を撮像する。また、パレット10にはラベル11が貼り付けられ、荷物20にはラベル21が貼り付けられているため、撮像装置200は、パレット10および荷物20を撮像したときに、パレット10のラベル11および荷物20のラベル21も共に撮像することとなる。これにより、図4に示すように、撮像装置200では、パレット10およびそのラベル11と、荷物20およびそのラベル21とが含まれる画像201が得られる。
なお、撮像装置200は、距離センサを用いて空間A1にパレット10または荷物20があることを検出するとしたが、これに限らない。撮像装置200は、撮像装置200により撮像されている画像(例えば動画像)に画像処理を行うことで撮像対象とする空間A1にパレット10または荷物20があることを検出してもよい。撮像装置200は、画像処理によりパレット10または荷物20があることを検出する場合、当該検出のために撮像している動画像を利用するため、補助記憶装置に記憶させずに主記憶装置に記憶させた動画像を用いて検出してもよい。また、この場合、撮像装置200は、動画像として補助記憶装置に記憶させておいてから、記憶させた動画像からパレット10または荷物20が映っている画像を抽出することで、パレット10または荷物20が映っている画像を得てもよい。なお、補助記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid Stated Drive)、不揮発性メモリなどである。また、主記憶装置は、例えば、RAM(RandomAccess Memory)などの揮発性メモリである。
コントローラ300は、自動倉庫システム1の制御および管理を行うコントローラである。つまり、コントローラ300は、上位コンピュータであり、例えば、自動倉庫100の搬送装置120、130と情報のやり取りを行うことで、棚110に対して入出庫されるパレット10またはパレット10に載置されている荷物20の管理を行う。コントローラ300は、入庫指示または出庫指示を搬送装置120、130に送信し、搬送装置120、130から入庫完了または出庫完了を示す完了情報を受信する。これにより、コントローラ300は、棚110のどの位置にどの種類の荷物20が載置されているかを示す管理情報を最新の状態に更新することができる。つまり、コントローラ300は、棚110に載置されているパレット10又はパレット10に載置されている荷物20に応じて、管理情報をリアルタイムに更新することで、荷物20を管理する。
コントローラ300は、例えば、搬送装置120、130を用いてパレット10を自動倉庫100に入庫する場合、撮像装置200に当該パレット10を撮像させた後に入庫する。つまり、コントローラ300は、撮像装置200に撮像されたパレット10を、作業者または外部の装置からの許可を得ることなく搬送装置120、130で棚110に格納させる。なお、搬送装置120、130は、コントローラ300から荷物20の入庫指示を受信している場合、撮像装置200において当該荷物20の撮像が完了していることが確認できれば、コントローラ300からの指示を得なくても当該荷物20を自動倉庫100に入庫してもよい。このとき、搬送装置120、130は、撮像装置200において荷物20の撮像が完了したことを、撮像装置200からの完了報告を受信することで検出してもよいし、荷物20が空間A1内において所定期間経過したことで検出してもよい。
また、コントローラ300は、認識装置310を有していてもよい。認識装置310は、撮像装置200により得られた画像を取得し、取得した画像に対して画像認識処理を実行することで、画像に含まれる荷物に関する荷物データを生成する。認識装置310は、コントローラ300が撮像装置200に撮像されたパレット10を自動倉庫100に格納させている間に、または、自動倉庫100に格納させた後に、複数の画像のそれぞれに対して画像認識処理を実行してもよい。認識装置310は、記憶装置を有しており、所定期間の間に撮像装置200において撮像された複数の画像を記憶装置に記憶させてもよい。認識装置310は、記憶装置に記憶させた複数の画像に対して画像認識処理を実行してもよい。認識装置310が有する記憶装置は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid Stated Drive)、不揮発性メモリなどである。
ここで、認識装置310による画像認識処理が、図4の画像201に対して実行された場合を例にして説明する。認識装置310は、具体的には、画像201からパレット10に付与されているラベル11を認識することで、グループIDを認識する。また、認識装置310は、画像201から複数の荷物20に付与されている複数のラベル21を認識することで、荷物IDを認識する。また、認識装置310は、複数のラベル21を認識した数をカウントすることで、荷物20の個数(以下、「認識個数」という。)を認識する。これにより、認識装置310は、1枚の画像201から、1枚の画像201に含まれるパレット10および複数の荷物20について、グループID、荷物IDおよび認識個数を認識し、これらを関連付けることで図5に示すような荷物データを生成する。なお、認識装置310は、ラベル11、21を認識することでグループID、荷物IDおよび認識個数を認識するだけでなく、荷物20の側面に記載されている文字を認識することで商品名、製造業者、賞味期限、型番、シリアルナンバーなどを認識してもよい。なお、図5は、認識装置により生成される荷物データの一例を示す図である。
図5に示すように、荷物データは、画像P1から認識されたパレット10のラベル11が示すグループIDが「G01」であり、画像P1から認識された複数の荷物20のラベル21が示す荷物IDが「B11」、「B12」、「B13」、・・・、「B20」であり、認識された複数の荷物20の個数が「10」であることを示している。つまり、認識装置310は、画像P1を画像認識処理することで、グループID「G01」のパレット10の上に、荷物ID「B11」〜「B20」の10個の荷物20を認識したことが荷物データによって示されている。
荷物データには、さらに、画像毎、つまり、グループ毎に、ステータスを示すステータス情報が付加されていてもよい。ステータスには、例えば、「仮」と、「確定」とがある。ステータスは、荷物データが認識装置310により生成された時点では、「仮」に設定されている。ステータスが「仮」であることは、当該荷物データのグループであるパレット10および複数の荷物20が自動倉庫100への入庫が確定していないことを示す。ステータスは、後述する表示装置400を用いて作業者が荷物データおよび画像の確認作業が終了した場合、「確定」に変更される。ステータスが「確定」であることは、荷物データの荷物データのグループであるパレット10および複数の荷物20が自動倉庫100への入庫が確定していることを示す。例えば、コントローラ300は、ステータスが「仮」であるグループに含まれる複数の荷物20を出庫のための検索対象に含めない。これにより、コントローラ300は、誤認識により誤った荷物データで管理されている荷物20を自動倉庫100から出庫することを低減することができる。
なお、荷物データにおける画像の項目は、画像そのものでなくてもよく、例えば、ファイル名、画像へのリンク先などの画像を特定するための情報であればよい。また、画像P1は、図4で説明した画像201と同じ画像であるものとする。
なお、認識装置310は、コントローラ300と同じコンピュータにより実現されてもよい。また、認識装置310は、コントローラ300とは別体の図示しないコンピュータにより実現されてもよい。
コントローラ300は、荷物データを取得した場合、取得した荷物データを記憶装置に記憶させ、かつ、当該荷物データと共に撮像装置200により得られた画像を表示装置400に送信する。これにより、コントローラ300は、表示装置400に荷物データおよび画像を表示させる。このとき、コントローラ300は、図5に示すように、複数の画像と、複数の画像のそれぞれに対応付けられた荷物データとを表示装置400に送信することで、複数のグループのそれぞれについて、当該グループに対応する荷物データと、当該グループが含まれる画像とを表示装置400に表示させる。また、コントローラ300は、撮像装置200に撮像されたパレット10を自動倉庫100に格納させている間に、または、自動倉庫100に格納させた後に、複数の画像と、複数の画像のそれぞれに対応付けられた荷物データとを表示装置400に表示させてもよい。
なお、1つのグループには、1つのパレット上の荷物が属するとしたが、2以上のパレット上の荷物が属するとしてもよい。このため、1つのグループに2以上のパレット上の荷物が属する場合、2枚以上の画像にまたがって1つのグループに属する荷物が含まれてもよい。また、1つのグループに同一種類の商品が属するとする場合にも、2以上の画像にまたがって1つのグループに属する荷物が含まれてもよい。
また、表示装置400に表示させる荷物データは、認識装置310により認識された荷物データに限らずに、認識した荷物データを用いて、外部サーバなどの情報機器または記憶装置に記憶されているデータベースを照合することにより得られた当該認識した荷物データに関連する詳細データを含んでいてもよい。
表示装置400は、画像を表示する装置である。表示装置400は、通信部410、表示部420、および入力受付部430を有する。
通信部410は、コントローラ300から荷物データおよび画像を受信する。また、通信部410は、後述する入力データをコントローラ300に送信する。通信部410は、例えば、プログラムを実行するプロセッサ、プログラムを記憶しているメモリ、および、無線通信または有線通信を行う通信インタフェースなどにより実現される。
表示部420は、通信部410により受信された荷物データおよび画像を表示する。具体的には、表示部420は、荷物データおよび画像を含み、作業者からの入力を受け付けるためのUI(User Interface)を表示する。表示部420は、例えば、プログラムを実行するプロセッサ、プログラムを記憶しているメモリ、および、ディスプレイにより実現される。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminance)ディスプレイなどである。
表示部420は、例えば、荷物データおよび画像を用いて、グループ毎に、当該グループに属する荷物データと、当該グループに対応付けられた画像とを表示してもよい。つまり、表示装置400は、グループ毎に、当該グループに属する、グループID、荷物ID、認識個数およびステータスの少なくとも1つと、画像とを表示してもよい。
入力受付部430は、表示部420に表示されているUIへの作業者からの入力を受け付ける。通信部410により送信される入力データは、入力受付部により受け付けられた入力を示す。入力受付部430は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッドなどの入力インタフェースにより実現される。
表示装置400は、ディスプレイを有するコンピュータにより構成され、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。
図6および図7は、実施の形態に係る表示装置に表示されるUIの一例を示す図である。
図6に示すように、UI441は、荷物データ442と、画像443とを含む。UI441は、さらに、操作ボタン444、メッセージ445、および、荷物IDボタン446を含んでいてもよい。荷物データ442は、図5に示した荷物データのうちのグループID「G01」のグループに含まれる荷物20の個数、つまり、認識個数である。荷物データ442は、入力ボックスとなっており、作業者が変更可能となっている。つまり、荷物データ442の「10」は、入力受付部430が受け付けた作業者からの入力に応じて変更されうる。なお、UI441には、荷物データとして、荷物IDが含まれていてもよい。画像443は、荷物データにおいてグループID「G01」と対応付けられている画像P1である。
操作ボタン444は、「次へボタン」であり、マウスなどのポインティングデバイスでクリックされることで、荷物データ442の入力ボックスに入力されている数値が確定される。つまり、操作ボタン444は、認識個数を確定するためのボタンである。操作ボタン444が押された場合、表示部420は、例えば図5に示した荷物データのうち次のグループID「G02」に対応する荷物データの認識個数と、画像P2とを表示させてもよい。
メッセージ445は、作業者に入力を促すためのメッセージである。メッセージ445は、例えば、画像443中の荷物20の個数と、荷物データ442中の数値、つまり、認識個数とを作業者に確認させることを促すメッセージである。これにより、作業者は、画像443中の荷物20の個数と、荷物データ442中の数値とが一致していれば、当該数値を管理すべき荷物20の個数として確定させる。
反対に、作業者は、画像443中の荷物20の個数と、荷物データ442中の数値とが一致していなければ、正しい数値を荷物データ442の入力ボックスに入力し、操作ボタン444を押すことで入力した数値を管理すべき荷物20の個数として確定させる。例えば、図6では、画像443中の荷物20の個数と、荷物データ442中の数値とが一致していないため、作業者は、荷物20の正しい個数である「11」を荷物データ442の入力ボックスに入力し、操作ボタン444で確定させることとなる。これにより、グループIDが「G01」に対応付けられている認識個数は、「10」から「11」に変更される。
荷物IDボタン446は、荷物データのうちグループID「G01」のグループに含まれる複数の荷物20の荷物IDを編集するためのUI450を表示させるためのボタンである。荷物IDボタン446が押された場合、表示部420は、図7に示すUI450を表示する。作業者は、画像443中の荷物20の個数と、荷物データ442中の数値とが一致していなければ、荷物IDボタン446を押すことで、UI450を表示部420に表示させ、荷物IDを編集することとなる。表示部420は、例えば、UI441に重畳してUI450を表示する。なお、表示部420は、荷物IDボタン446が押されなくても、荷物データ442が編集されることで認識個数が変更された場合に、UI450を表示してもよい。つまり、この場合、荷物IDボタン446は、UI441において表示されなくてもよい。
図7に示すように、UI450は、例えば、グループID「G01」のグループに含まれる荷物IDの一覧451と、追加ボタン452、削除ボタン453、追加入力ボックス454、OKボタン455、および、キャンセルボタン456を含む。
荷物IDの一覧451には、グループID「G01」のグループにおいて認識されている荷物の荷物IDの一覧が表示される。図7に示す例では、荷物IDがB11〜B20の10個の荷物の荷物IDが示されている。
追加ボタン452は、荷物IDの一覧451において認識されていない荷物が画像443に含まれている場合に、荷物IDの一覧451に当該認識されていない荷物の荷物IDを入力するための追加入力ボックス454を追加するためのボタンである。追加ボタン452が押された場合、表示部420は、追加入力ボックス454を追加して表示する。図7では、番号11の追加入力ボックス454が追加して表示されている例が示されている。
削除ボタン453は、追加した追加入力ボックス454を削除するためのボタンである。図7に示される状態で、削除ボタン453が押されると、表示部420は、番号11の追加入力ボックス454が削除した一覧を表示する。
追加入力ボックス454は、上述したとおり、荷物IDの一覧451に当該認識されていない荷物の荷物IDを入力するための入力ボックスである。
OKボタン455は、UI450での荷物IDの編集を確定させるためのボタンである。OKボタン455が押されると、UI450での編集が確定される。
キャンセルボタン456は、UI450での荷物IDの編集をキャンセルさせるためのボタンである。キャンセルボタン456が押されると、UI450での編集が編集前の状態に戻される。
このように、作業者は、UI450において荷物IDを編集することより、画像443中に含まれる荷物のうちで荷物IDの一覧451に含まれていない荷物の荷物IDを、荷物データに追加することができる。なお、図7では、UI450に、画像443が表示されない形態を例示したが、画像443が表示される形態であってもよい。作業者は、画像443を見ながら、荷物IDを編集できるからである。
なお、UI441において荷物データ442の数値を編集しなくても、UI450において荷物IDの編集が行われた場合、荷物IDの編集に応じて、荷物データ442の数値を変更してもよい。つまり、UI450において、荷物IDが追加されれば、荷物IDが追加された数だけ荷物データ442の荷物の個数を示す数値を増加させ、荷物IDが削除されれば、荷物IDが削除された数だけ荷物データ442の荷物の個数を示す数値を減少させてもよい。
表示装置400は、UI441、450への作業者からの入力によって確定された数値および荷物IDを含む入力データをコントローラ300に送信する。入力データは、例えば、グループIDと、変更された荷物データである認識個数と、編集された荷物IDとが対応付けられた変更データを含む。また、入力データは、例えば、変更された認識個数および編集された荷物IDが対応付けられておらず、かつ、確認作業が実行されたグループIDを示す確定データを含む。確定データは、変更されていない認識個数、および、編集されていない荷物IDがグループIDに対応付けられているデータであってもよい。
そして、コントローラ300は、入力データを受信した場合、入力データが示す入力に応じて荷物データを更新し、更新後の荷物データを用いて荷物を管理する。具体的には、コントローラ300は、コントローラ300が記憶している荷物データのうち、入力データにより示されるグループIDで対応付けられている認識個数を、当該グループIDで入力データにおいて対応付けられている個数に変更する。また、コントローラ300は、入力データにより示されるグループIDで対応付けられている荷物IDを、当該グループIDで入力データにおいて対応付けられている荷物IDに変更する。また、コントローラ300は、これらの変更と共に、ステータスを「仮」から「確定」に変更する。例えば、コントローラ300は、図6のUI441において作業者に入力された入力データを受信した場合、図8に示すようにグループIDが「G01」に対応付けられている認識個数を「10」から「11」に変更し、荷物IDを11個の荷物IDであるB11〜B20にさらにB201を追加すると共に、ステータスを「仮」から「確定」に変更する。なお、図8は、更新後の荷物データの一例を示す図である。
このように、コントローラ300は、認識装置310によって認識された結果である荷物データを、作業者に確認させることで得られた入力データに更新することで、荷物データを正しい情報に変更することができる。また、コントローラ300は、作業者に確認させることで得られた入力データに基づいて、作業者に確認された荷物データのステータスを確定させるため、作業者が確認済みの荷物データを用いて荷物を管理することができる。
なお、表示装置400は、自動倉庫100が配置されている空間とは異なる空間、例えば、空調されている空間に配置されていてもよい。これにより、作業者は、表示装置400を用いて画像および荷物データの確認作業を、快適な空間で行うことができる。よって、作業効率を向上させることができる。
図9は、実施の形態に係る自動倉庫システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
まず、撮像装置200は、荷物を検出したか否かを判定する(S1)。
撮像装置200は、荷物を検出していれば(S1でYes)、検出した荷物を撮像し(S2)、荷物を検出していなければ(S1でNo)荷物が検出されるまでステップS1での検出を繰り返す。
撮像装置200は、撮像することにより得られた画像をコントローラ300に送信する(S3)。
コントローラ300は、画像を撮像装置200から受信した場合、受信した画像をコントローラ300が備える認識装置310が有する記憶装置に記憶させる(S4)。
なお、ステップS1〜S4は、所定期間において繰り返し実行され、コントローラ300は、所定期間において撮像装置200により撮像された複数の画像を記憶することとなる。なお、ステップS1、S2が所定期間において繰り返し実行され、所定期間において撮像装置200により撮像された複数の画像がステップS3においてコントローラ300に送信されてもよい。
コントローラ300の認識装置310は、記憶装置に記憶させた複数の画像のそれぞれに対して画像認識処理を実行し、認識結果として荷物データを生成する(S5)。
コントローラ300は、画像および当該画像に対応する荷物データを、認識装置310の記憶装置に記憶させ、かつ、表示装置400に送信する(S6)。
表示装置400の表示部420は、画像および荷物データを受信し、受信した画像および荷物データを含むUI441を表示する(S7)。
表示装置400の入力受付部430は、表示部420に表示しているUI441(場合によってはUI450)への入力を受け付ける(S8)。そして、表示装置400の通信部410は、入力受付部430により受け付けられた入力に基づく入力データをコントローラ300に送信する。
コントローラ300は、入力データを表示装置400から受信した場合、管理している荷物データのステータスを確定させる(S9)。
本実施の形態に係る自動倉庫システム1は、棚110と、搬送装置120、130とを有する自動倉庫100を備えた自動倉庫システム1であって、撮像装置200と、表示装置400と、コントローラ300とを備える。撮像装置200は、自動倉庫100に入庫する荷物20を撮像する。表示装置400は、撮像装置200により得られた画像を表示可能である。コントローラ300は、(i)作業者からの許可を得ることなく荷物20を搬送装置120、130で棚110に格納させ、(ii)荷物20に関する荷物データを取得し、(iii)取得した荷物データと共に画像を表示装置400に表示させる。
これによれば、自動倉庫100は、撮像装置200により撮像された後の荷物20を作業者の許可を得ることなく入庫するため、自動倉庫100の入庫口で荷物20が滞留することを低減することができる。また、コントローラ300は、自動倉庫100に入庫する荷物20の画像を、当該荷物20に関する荷物データと共に表示装置400に表示させるため、作業者は、表示装置400に表示された荷物データと画像とを比較することで、荷物20に関する荷物データが正しいか否かを容易に確認することができる。このため、作業者は、正しくない荷物データの荷物20を容易に特定することができ、自動倉庫100に入庫する荷物20の認識ミスを効果的に低減することができる。
また、本実施の形態に係る自動倉庫システム1は、さらに、認識装置310を備える。認識装置310は、撮像装置200により得られた画像を取得し、取得した画像に対して画像認識処理を実行することで、画像に含まれる荷物に関する荷物データを生成する。そして、コントローラ300は、荷物データを認識装置310から取得する。このため、作業者は、自動倉庫100に入庫する荷物20の、認識装置310による認識ミスを効果的に低減することができる。また、認識装置310は、荷物20の自動倉庫100への入庫を待機させることなく画像認識処理を複数の画像に対してまとめて実行することができるため、荷物20の入庫口での滞留を低減でき、かつ、効率よく画像認識処理を実行することができる。
また、本実施の形態に係る自動倉庫システム1において、複数の荷物20は、1以上の第1の個数毎に複数のグループにグループ化されている。また、撮像装置200は、複数のグループのそれぞれを撮像する。撮像装置200は、例えば、各グループを1回ずつ撮像することで、1グループにつき1枚の画像を得る。そして、コントローラ300は、複数のグループのそれぞれについて、当該グループに対応する荷物データと、当該グループが含まれる画像とを表示装置400に表示させる。このため、作業者は、グループ毎に確認作業を行うことができ、確認作業を短時間で完了させることができる。
(変形例1)
変形例1に係る自動倉庫システムについて説明する。
上記実施の形態に係る自動倉庫システム1では、コントローラ300は、全てのグループについて、画像および荷物データを表示装置400に送信し、作業者に画像および荷物データの確認作業を行わせていたが、全てのグループについて確認作業を行わせなくてもよい。
図10は、変形例1に係る自動倉庫システムの動作を説明するためのシーケンス図である。
変形例1に係る自動倉庫システム1では、実施の形態に係る自動倉庫システム1と比較して、コントローラ300においてさらにステップS11およびS12が行われる点が異なる。変形例1に係る自動倉庫システム1のその他の動作は、実施の形態に係る自動倉庫システム1の動作と同様であるため、詳細な説明を省略する。
コントローラ300は、ステップS5の後で、複数のグループのそれぞれの入庫個数を取得する(S11)。例えば、コントローラ300は、1つのパレット10に対応する複数の荷物20のそれぞれに発行されたラベル21の発行枚数をラベル21の発行装置から取得することで、入庫個数を取得する。また、例えば、コントローラ300は、入庫予定の荷物の個数を外部の装置から取得することで、入庫個数を取得してもよい。なお、コントローラ300は、パレット単位で荷物20の入庫個数を取得しなくてもよく、第2の個数(2以上の定められた個数)のパレットの荷物20の入庫個数を取得してもよい。例えば、コントローラ300は、2つのパレット10に対して20個の荷物20のそれぞれに20枚のラベル21が発行された場合、当該2つのパレット10に対する入庫個数として20個を取得する。コントローラ300は、第2の個数のパレット単位で入庫個数を取得する場合、第2の個数のパレットを1グループとして認識してもよい。
コントローラ300は、複数のグループのそれぞれについて、当該グループとして入庫する荷物の個数である入庫個数と、荷物データに含まれる認識個数とが一致するか否かを判定する(S12)。
コントローラ300は、入庫個数および認識個数が一致しない場合(S12でNo)、入庫個数および認識個数が一致しないグループに対応する荷物データおよび画像を表示装置400に送信し(S6)、当該荷物データおよび当該画像を表示装置400に表示させる(S7)。
一方で、コントローラ300は、入庫個数および認識個数が一致する場合(S12でYes)、入庫個数および認識個数が一致するグループに対応する荷物データおよび画像を表示装置400に表示させず、つまり、当該荷物データおよび当該画像を表示装置400に送信せずに、当該グループに対応する荷物データのステータスを確定した状態で認識装置310の記憶装置に記憶させる(S9)。コントローラ300が入庫個数および認識個数が一致する場合に対応する荷物データおよび画像を表示装置400に送信しないのは、入庫個数および認識個数が一致したことが正しく認識できた結果であると考えられるからであり、この場合、作業者によるチェックの必要がないと考えられるからである。
これによれば、コントローラ300は、入庫個数および認識個数が一致するグループについては正しく認識されていると判断し、当該グループに対応する荷物データおよび画像を表示装置400に表示させない。このため、作業者が確認する画像の数を少なくすることができ、作業者は、確認作業を短時間で完了させることができる。
なお、コントローラ300は、認識装置310において得られた認識個数を取得するとしたが、認識個数を取得する代わりに、複数の荷物20にRFID(Radio Frequency Identifier)タグが付与されている場合には、RFIDリーダにより読み取られた荷物の個数を取得してもよいし、外部の機器から得られたデータに含まれる荷物の個数を取得してもよい。つまり、変形例1では、コントローラ300は、グループに含まれる荷物の個数である所定の個数を取得し、入庫個数および認識個数が一致するか否かに応じて、ステップS6を実行するか、ステップS9を実行するかを行う構成であればよい。
(変形例2)
変形例2に係る自動倉庫システムについて説明する。
上記実施の形態に係る自動倉庫システム1では、さらに、グループのうち出庫指示に応じて一部の荷物がピッキングされた後の荷物を再入庫する際に、ピッキングが作業者によって正確に行われたか否かを判定することに、更新後の荷物データにおける認識個数を利用してもよい。
図11は、変形例2に係る自動倉庫システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
変形例2に係る自動倉庫システム1Aは、実施の形態に係る自動倉庫システム1と比較して、さらに、指示装置500を備える点が異なる。変形例2に係る自動倉庫システム1Aのその他の構成は、実施の形態に係る自動倉庫システム1と同様であるため、詳細な説明を省略する。
再入庫がされる場合、まず、搬送装置120、130は、自動倉庫100に複数のグループの中から、コントローラ300からの出庫指示に応じた一のグループを出庫する。ここで出庫される位置のグループは、一つのパレット10である。搬送装置120、130は、作業者Uによりピッキングされた後においても、当該一のグループに荷物20が含まれる場合、当該一のグループを自動倉庫100に再入庫する。
指示装置500は、ピッキングステーション140において作業をしている作業者Uに、出庫コンベア122から出庫されたパレット10から出庫指示で指定された荷物をピッキングさせる指示を通知する通知部510を有する装置である。通知部510は、画像を表示することで通知するディスプレイであってもよいし、音声を出力することで通知するスピーカであってもよい。指示装置500は、例えば、ディスプレイまたはスピーカを有するコンピュータにより構成され、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなどである。
認識装置310は、再入庫される一のグループが撮像装置200により撮像された画像に対して画像認識処理を実行することで、再入庫されるときの一のグループの荷物20の個数を認識し、認識することにより得られた個数である認識個数を再入庫個数として含む荷物データを生成する。
コントローラ300は、ピッキングされる前の一のグループの荷物の個数から、出庫指示によって作業者Uにピッキングさせた荷物の個数を減じた個数である再入庫予定個数が、再入庫個数と一致するか否かを判定する。コントローラ300は、再入庫予定個数が再入庫個数と一致しない場合、再入庫予定個数および再入庫個数が一致しないことを示す情報である通知情報を指示装置500に送信する。これにより、指示装置500は、作業者Uに、再入庫予定個数および再入庫個数が一致しないことを通知する。
なお、通知情報は、例えば、当該ピッキングが出庫指示に従って行われなかったこと通知する情報であってもよいし、認識装置310において誤認識が発生したことを示す情報であってもよい。
なお、コントローラ300は、認識装置310において得られた認識個数を再入庫個数として含む荷物データを取得するとしたが、これに限らずに、複数の荷物20にRFID(Radio Frequency Identifier)タグが付与されている場合には、RFIDリーダにより読み取られた荷物の個数を再入庫個数として含む荷物データを取得してもよいし、外部の機器から得られたデータを再入庫個数として含む荷物データを取得してもよい。
図12は、変形例2に係る自動倉庫システムの再入庫の動作を説明するためのシーケンス図である。
変形例2に係る自動倉庫システム1Aでは、実施の形態に係る自動倉庫システム1と比較して、コントローラ300においてさらにステップS11a、S12aおよびS13が行われる点と、指示装置500においてステップS14が行われる点とが異なる。変形例2に係る自動倉庫システム1Aのその他の動作は、実施の形態に係る自動倉庫システム1の動作と同様であるため、詳細な説明を省略する。
ステップS1a〜S5aでは、基本的には、実施の形態で説明したステップS1〜S5と同様の動作が行われる。異なる点は、再入庫されるグループを撮像した画像に再入庫されたことを識別する識別情報が付与されることである。再入庫されたグループであることは、出庫されたグループをトラッキングすることで検出されてもよいし、当該グループのパレット10に付与されているラベル11を読み取ることで検出されてもよい。
コントローラ300は、ステップS5aの後で、再入庫される予定のグループの入庫個数である再入庫予定個数を取得する(S11a)。再入庫予定個数は、上述したように、再入庫されるグループのピッキング前における認識個数、つまり、更新後の荷物データにおいて当該グループに対応付けられている認識個数から出庫指示でピッキングさせた荷物の個数を減じることで算出される。
コントローラ300は、再入庫予定個数と、再入庫される予定のグループの荷物の認識結果である荷物データに含まれる認識個数とが一致するか否かを判定する(S12a)。
コントローラ300は、再入庫予定個数および認識個数が一致しない場合(S12aでNo)、通知情報を指示装置500に送信する(S13)。
指示装置500は、通知情報を受信した場合、再入庫予定個数および再入個数が一致しないことを通知する(S14)。指示装置500は、例えば、通知情報に応じて、ピッキングが出庫指示に従って正しく行われなかった、または、誤認識が発生したことを作業者Uに通知する。
一方で、コントローラ300は、再入庫予定個数および認識個数が一致する場合(S12aでYes)、通知を行わず、荷物データの認識個数を再入庫予定個数に更新する(S15)。
変形例2に係る自動倉庫システム1Aによれば、再入庫されたグループについて、画像処理によって認識された荷物の認識個数と、荷物データおよび出庫指示によって算出される再入庫予定個数とを比較することで、ピッキングが作業者Uに正しく行われたか否かを判定し、ピッキングが作業者Uに正しく行われていない場合にその旨を通知している。このため、誤ってピッキングが行われた荷物を特定することが容易にできる。
(変形例3)
変形例3に係る自動倉庫システムについて説明する。
上記実施の形態に係る自動倉庫システム1では、認識装置310は、画像中のバーコードなどの光学読み取り用コードを認識する画像認識処理を行うとしたが、これに限らずに、画像認識処理として画像中の文字列を認識するOCRを行う構成としてもよい。
図13は、変形例3に係る撮像装置および撮像装置の撮像対象について説明するための概略図である。図14は、変形例3に係る撮像装置に撮像されることにより得られた画像の一例を示す図である。
図13に示すように、この場合、入庫コンベア121は、1個単位で荷物20Aの搬送を行う。このため、撮像装置200は、複数の荷物20Aのそれぞれについて、当該荷物20Aを撮像する。これにより、図14に示すように、撮像装置200では、荷物20Aの側面に配置されている、ラベル21、商品名22、製造業者23、賞味期限24およびバーコード25が含まれる画像202が得られる。なお、荷物20Aには、ラベル21またはバーコード25が含まれていなくてもよく、商品名22、製造業者23および賞味期限24のいずれかが含まれていればよい。
認識装置310は、撮像装置200により得られた画像202に対してOCRを含む画像認識処理を行う。これにより、認識装置310は、荷物ID、商品名、製造業者、および賞味期限を認識する。認識装置310は、具体的には、ラベル21を認識することで、荷物IDを認識する。なお、認識装置310は、荷物20Aの側面に配置されているバーコードを認識することで、荷物IDを認識してもよい。また、認識装置310は、荷物20Aの側面の商品名22、製造業者23および賞味期限24に対してOCRを行うことで、それぞれ、製造業者、商品名および賞味期限を認識する。これにより、認識装置310は、画像202から、当該画像202に含まれる荷物について、荷物ID、商品名、製造業者、および賞味期限を認識し、これらを関連付けることで図15に示されるような荷物データを生成する。なお、認識装置310は、ラベル21またはバーコードを認識せずに、OCRを行うことで、製造業者、商品名および賞味期限を認識し、荷物データを生成してもよい。なお、図15は、変形例3に係る認識装置により生成される荷物データの一例を示す図である。
図15に示すように、荷物データは、画像P11から認識された荷物20Aのラベル21が示す荷物IDが「B11」であり、画像P11から認識された商品名、製造業者および賞味期限がそれぞれ「商品a11」、「メーカA」および「2018/08」であることを示している。つまり、認識装置310は、画像P11を画像認識処理することで、荷物ID「B11」、商品名「商品a11」、製造業者「メーカA」および賞味期限「2018/08」の荷物20Aを認識したことが荷物データによって示されている。また、実施の形態と同様に、荷物データには、さらに、画像毎、つまり、荷物毎に、ステータスを示すステータス情報が付加されていてもよい。
図16は、変形例3に係る表示装置に表示されるUIの一例を示す図である。
図16に示すように、UI441Aは、荷物データ442a〜442cと、画像443Aとを含む。UI441Aは、さらに、操作ボタン444、および、メッセージ445Aを含んでいてもよい。荷物データ442a〜442cは、それぞれ、図15に示した荷物データのうちの荷物ID「B11」に対応付けられている商品名、製造業者および賞味期限である。荷物データ442a〜442cのそれぞれは、入力ボックスとなっており、作業者が変更可能となっている。つまり、荷物データ442aの「商品a11」、荷物データ442bの「メーカA」および荷物データ442cの「2018/08」は、入力受付部430が受け付けた作業者からの入力に応じて変更されうる。なお、UI441Aには、荷物データとして、荷物IDが含まれていてもよい。画像443Aは、荷物データにおいて荷物ID「B11」と対応付けられている画像P11である。
操作ボタン444は、実施の形態のUI441での操作ボタン444と同じ「次へボタン」であり、マウスなどのポインティングデバイスでクリックされることで、荷物データ442a〜442cの入力ボックスに入力されている文字列が確定される。これにより、作業者は、画像443A中の荷物20Aの商品名22、製造業者23、賞味期限24と、荷物データ442a〜442c中の文字列とが一致していれば、当該文字列を管理すべき荷物20Aの荷物データとして確定させる。反対に、作業者は、画像443A中の荷物20Aの商品名22、製造業者23、賞味期限24と、荷物データ442a〜442c中の文字列とが一致していなければ、正しい文字列を荷物データ442a〜442cの入力ボックスに入力し、操作ボタン444を押すことで入力した文字列を管理すべき荷物20Aの荷物データとして確定させる。例えば、図16では、画像443A中の商品名22および製造業者23と、荷物データ442a、442b中の文字列とが一致しているが、画像443A中の賞味期限24と、荷物データ442c中の文字列とが一致していないため、作業者は、荷物20Aの正しい賞味期限24である「2018/09」を荷物データ442cの入力ボックスに入力し、操作ボタン444で確定させることとなる。これにより、荷物ID「B11」に対応付けられている賞味期限は、「2018/08」から「2018/09」に変更される。
そして、コントローラ300は、入力データを受信した場合、入力データが示す入力に応じて荷物データを更新し、更新後の荷物データを用いて荷物を管理する。以降の処理は、実施の形態と同様であるので詳細な説明を省略する。
このように、認識装置310がOCRを実行することで荷物20Aの側面に含まれる文字列を認識することにより得られた荷物データであっても、表示装置400を用いて作業者が確認作業することにより、正しい文字列に確定させることができるため、自動倉庫に入庫する荷物の認識ミスを効果的に低減することができる。
なお、入庫コンベア121は、1個単位で荷物20Aの搬送を行うとしたが、パレット単位で荷物の搬送を行ってもよい。この場合、撮像装置200は、パレット単位で撮像し、認識装置310は、自動倉庫にパレットが入庫された後に、撮像装置200によりえら得た画像に対してOCRを含む画像処理を行う。この場合、認識装置310は、パレット上の複数の荷物のそれぞれに記載されている文字に対してOCRを行ってもよいし、パレットに記載されている文字に対してOCRを行ってもよい。
(変形例4)
変形例4に係る自動倉庫システムについて説明する。
図17は、変形例4に係る自動倉庫システムの表示装置に送信する荷物データおよび画像について説明するための図である。
変形例4に係る自動倉庫システムでは、図17に示すように変形例3に係る自動倉庫システム1において、さらに、コントローラ300が、撮像装置200が撮像することにより得られた複数の画像を所定の条件に基づいて並べ替えた順序で表示装置400に表示させる。具体的には、コントローラ300は、例えば、所定の条件としての、製造業者名、商品名などの共通の項目を有するデータを並べ替えることで、複数の画像および荷物データを、商品名別または製造業者別で一括または連続して表示させる。これにより、表示装置400には、商品名または製造業者名に関係なくバラバラに撮像された複数の画像、または、バラバラに認識された荷物データを、同じ商品名または同じ製造業者毎に連続して表示されることができる。つまり、作業者は、所定の条件で類似する荷物の画像を連続して確認することができるため、確認作業のミスを減少させることができ、また、確認作業を短時間で完了させることができる。
(変形例5)
変形例5に係る自動倉庫システムについて説明する。
実施の形態に係る自動倉庫システム1は、1台の表示装置400を備える構成であるとしたが、これに限らずに、複数の表示装置を備える構成としてもよい。
図18は、変形例5に係る自動倉庫システムの表示装置に送信する荷物データおよび画像について説明するための図である。
この場合、コントローラ300は、複数の表示装置400A、400Bのそれぞれで互いに異なる荷物データおよび画像を表示させる。コントローラ300は、取得した荷物データを表示装置の数(本変形例では2)の分だけ分割し、分割することで得られた複数の分割荷物データをそれぞれ複数の表示装置に表示させる。つまり、コントローラ300は、表示装置400Aに表示させる荷物データおよび画像を表示装置400Bに表示させず、表示装置400Bで表示させる荷物データおよび画像を表示装置400Aに表示させない。図18に示す例では、表示装置400Aに製造業者がメーカAである荷物データを表示させ、表示装置400Bに製造業者がメーカBである荷物データを表示させる。このため、複数の作業者が分担して確認作業を行うことができ、確認作業を短時間で完了させることができる。
なお、コントローラ300は、表示装置400Aおよび表示装置400Bに重複する荷物データおよび画像を表示させてもよい。この場合、コントローラ300は、複数の作業者の作業の重複を避けるために、表示装置400Aおよび表示装置400Bの一方で確定された荷物データおよび画像を、他方では確定作業が既に行われたことを示す態様で表示させてもよい。確定作業が既に行われたことを示す態様での表示とは、例えば、グレーアウトさせた表示、確定済みを示すメッセージと共に表示などである。
(その他)
以上、本発明の自動倉庫システムについて、実施の形態に基づいて説明した。しかしながら、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものも、あるいは、上記説明された複数の構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
実施の形態では、コントローラ300は、認識装置310の認識結果としての荷物データを取得するとしたが、これに限らずに、複数の荷物20にRFID(Radio Frequency Identifier)タグが付与されている場合には、RFIDリーダにより読み取られたデータ(例えば荷物の個数)を荷物データとして取得してもよい。同様に、コントローラ300は、外部の機器から得られたデータを荷物データとして取得してもよい。この場合であっても、作業者は、表示装置400を用いて荷物データと画像とを比較することで、RFIDリーダまたは外部の機器から得られた荷物データが正しい情報であるかを確認し、誤った情報であれば正しい情報に変更することができる。
実施の形態に係る表示装置400を用いた作業者の確認作業において、UI441に表示された画像443がぼけている、画像443に汚れが映っている、画像443にノイズが映っているなど画像443の品質が悪い場合、表示装置400は、作業者から画像443の品質が悪いことを示す入力を受け付けてもよい。これにより、表示装置400は、当該入力を示す情報をコントローラ300に送信し、コントローラ300は、該当する画像に対応する荷物またはグループを出庫して再入庫させ、再度、撮像装置200に当該荷物またはグループを撮像させてもよい。また、この場合、コントローラ300は、撮像装置200に不具合が発生している可能性があることを示す情報を作業者に通知してもよい。
変形例3に係る認識装置310は、異なるエンジンのOCRを実行し、第1のエンジンのOCRの結果と、第2のエンジンのOCRの結果とが一致する場合、荷物データのステータスを確定する処理を行ってもよい。これにより、作業者の確認作業を少なくすることができる。
変形例3に係る認識装置310は、画像202に対してOCRを実行することで、商品名、製造業者および賞味期限を認識するとしたが、これに限らずに、バーコード25などの光学読み取り用コードを認識することで当該コードに関連付けられた商品名、製造業者および賞味期限の少なくとも1つを認識してもよい。
変形例3では、荷物20Aの側面に賞味期限24が含まれているとしたが、賞味期限24に限らずに製造年月日が含まれてもよい。つまり、荷物には、商品の製造に関する時期が含まれていてもよい。この場合、認識装置310は、当該時期を画像認識処理で認識することとなる。