JP2020111534A - ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用正孔輸送材料 - Google Patents
ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用正孔輸送材料 Download PDFInfo
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Abstract
Description
例えば特許文献1および2は、有機電界発光素子用材料として、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を開示している。
しかしながら、特許文献1および2で開示されたベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を用いた有機電界発光素子は、これらの特性を十分に実現するものとは言い難く、さらなる改善が求められている。
本発明の一態様は、有機電界発光素子に用いる場合に電流効率を高めることができるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物、有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用正孔輸送材料を提供することに向けられている。
Rは、各々独立に、
水素原子、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、もしくは、
隣接するRと、a環、b環、c環、d環、e環またはf環と、共に形成されている、置換基を有していてもよいナフタレン環の一部、または、
式(3)で示される置換基Zを表し;
L’は、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、カルバゾリレン基からなる群から選択される2価の基、または単結合を表し、
M’は、置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、または炭素数3〜20のヘテロアリール基を表し;
Lは、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、カルバゾリレン基、およびシリル基からなる群から選択される2価の基、または単結合を表し;
Mは、
置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、もしくは炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。
本発明のさらにその他の態様にかかる有機電界発光素子用正孔輸送材料は、上記式(1)または(2)で示されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を含む。
本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物は、式(1)または(2)で示される:
Rは、各々独立に、
水素原子、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、もしくは、
隣接するRと、a環、b環、c環、d環、e環またはf環と、共に形成されている、置換基を有していてもよいナフタレン環の一部、または、
式(3)で示される置換基Zを表し;
L’は、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、カルバゾリレン基からなる群から選択される2価の基、または単結合を表し、
M’は、置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、または炭素数3〜20のヘテロアリール基を表し;
Mは、
置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、もしくは炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。
式(1)または(2)中、Rは、各々独立に、
水素原子、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、もしくは、
隣接するRと、a環、b環、c環、d環、e環またはf環と、共に形成されている、置換基を有していてもよいナフタレン環の一部、または、
式(3)で示される置換基Zを表す。
ここで、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を有機電界発光素子に用いる場合に電流効率をより高めることができるため(以下、単に、電流効率をより高めることができるため、ともいう)、互いに隣接するRと、a環、b環、c環、d環、e環またはf環と、が形成しているナフタレン環が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基であることが好ましい。
置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、カルバゾリレン基からなる群から選択される2価の基、または、単結合を表す。
電流効率をより高めることができるため、L’で表される2価の基が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基であることが好ましい。
L’は、これらの基のうち、原料の入手が容易な点で、各々独立に、置換基を有しない、フェニレン基、ナフチレン基、または単結合であることがより好ましい。
電流効率をより高めることができるため、M’で表されるアリール基もしくはヘテロアリール基が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、またはナフチル基であることが好ましい。
式(1)または(2)中、Lは、
置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、カルバゾリレン基、シリル基からなる群から選択される2価の基、または、
単結合を表す。
Lで表される2価の基が置換基を有する場合には、該置換基としては、例えば、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、およびフェニル基が挙げられる。これらの中でも、電流効率をより高めることができるため、該置換基は、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基であることが好ましい。
Lは、これらの基のうち、過剰に分子量が高くならず、かつ、より電流効率が高められるため、各々独立に、置換基を有しない、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、およびカルバゾリレン基からなる群から選択される2価の基、または単結合であることが好ましい。
また、原料の入手が容易な点で、Lが、各々独立に、置換基を有しない、フェニレン基、ナフタレニレン基、ビフェニレン基、または単結合であることが好ましく、1,4−フェニレン基、2,6−ナフタレニレン基、4,4’−ビフェニレン基、または単結合であることがより好ましい。
式(1)中、Mは、
置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、もしくは炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。
ここで、Mで表されるアリール基もしくはヘテロアリール基が有していてもよい置換基としては、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、またはナフチル基が挙げられる。
電流効率をより高めることができるため、Mが、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、もしくはナフチル基で置換されていてもよい炭素数6〜25のアリール基、または、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、もしくはナフチル基で置換されていてもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基であることが好ましく、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、もしくはナフチル基で置換されていてもよい、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、トリフェニレニル基、フルオレン基、スピロビフルオレン基、フェナントリル基、ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、チエニル基、またはフラニル基であることがより好ましい。
これらアリール基またはヘテロアリール基のうち、電流効率をさらに高めることができるため、Mが、1−ナフチル基、2−ジベンゾチエニル基、または9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基であることがさらにより一層好ましい。
一般式(1)または(2)で示される化合物のうち、特に好ましい化合物の具体例としては、次の(1−1)から(1−120)、および(2−1)から(2−15)を例示できるが、本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)はこれらに限定されるものではない。一方で、電流効率をより高めることができるため、(1−2)、(1−28)、(1−69)、(1−95)、(2−1)および(2−8)の化合物が最も好適な化合物として挙げられる。
ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)は、特に限定されるものではないが、例えば、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の有機光導電材料への分野に用いることができるほか、有機電界発光素子用材料として用いることができる。また、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)は、例えば、有機電界発光素子用正孔輸送材料として用いることができる。
すなわち、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用材料は、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を含む。また、本発明の一態様にかかる有機電界発光素子用正孔輸送材料は、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を含む。ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を含む有機電界発光素子用材料および有機電界発光素子用正孔輸送材料は、耐久性および電流効率に優れた有機電界発光素子の作製に資するものである。
本発明の一態様にかかる有機電界発光素子は、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を含む。
有機電界発光素子の構成については特に限定されるものではないが、例えば、以下に示す(i)〜(vi)の構成が挙げられる。
(ii):陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
(iii):陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(iv):陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(v):陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(vi):陽極/正孔注入層/電荷発生層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極。
有機電界発光素子は、発光層、および、該発光層と陰極との間の層からなる群より選ばれる1層以上に上記一般式(1)または(2)で示されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を含む。したがって、図1に示される構成例において有機電界発光素子100は、発光層6および電子輸送層7からなる群より選ばれる少なくとも1層にベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を含む。特に、より電流効率を高めることができるため、正孔注入層3または正孔輸送層5が、ベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)を含むことが好ましい。
基板としては特に限定はなく、例えばガラス板、石英板、プラスチック板などが挙げられる。また、基板1側から発光が取り出される構成の場合、基板1は光の波長に対して透明である。
基板1上(正孔注入層3側)には陽極2が設けられている。
発光が陽極を通過して取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陽極は当該発光を通すかまたは実質的に通す材料(透明材料)で形成される。
なお、陰極側のみから光を取り出す構成の有機電界発光素子の場合、陽極の透過特性は重要ではない。したがって、この場合の陽極に用いられる材料の一例としては、金、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金等が挙げられる。
陽極2と後述する発光層6との間には、陽極2側から、正孔注入層3、後述する電荷発生層4、正孔輸送層5がこの順で設けられている。
正孔注入層3と正孔輸送層5との間には、電荷発生層4が設けられていてもよい。
電荷発生層の材料としては特に制限はないが、例えば、ジピラジノ[2,3−f:2’,3’−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)が挙げられる。
正孔輸送層5と後述する電子輸送層7との間には、発光層6が設けられている。
発光層の材料としては、燐光発光材料、蛍光発光材料、熱活性化遅延蛍光発光材料が挙げられる。発光層では電子・正孔対が再結合し、その結果として発光が生じる。
発光層は、単一の低分子材料または単一のポリマー材料からなっていてもよいが、より一般的には、ゲスト化合物でドーピングされたホスト材料からなっている。発光は主としてドーパントから生じ、任意の色を有することができる。
発光層6と後述する陰極8との間には、電子輸送層7が設けられている。
電子輸送層は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有する。電子輸送層を陰極と発光層との間に介在させることによって、電子がより低い電界で発光層に注入される。
更に、電子輸送層は、正孔障壁性の層としても機能する。すなわち、陽極から注入され、正孔注入層および/または正孔輸送層から発光層に輸送された正孔は、発光層と電子輸送層との界面に存在する正孔の障壁により、電子輸送層に漏れることが抑制される。その結果、該正孔が発光層内の界面に累積され、発光効率が向上する等の効果をもたらし、発光性能の優れた有機電界発光素子が得られる。
電子輸送層7上には陰極8が設けられている。
陽極を通過した発光のみが取り出される構成の有機電界発光素子の場合、陰極は任意の導電性材料から形成することができる。
以上説明した電極(陽極、陰極)を除く各層は、それぞれの層の材料(必要に応じて結着樹脂などの材料、溶剤と共に)を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB(Langmuir-Blodgett method)法などの公知の方法によって薄膜化することにより、形成することができる。
工程(2) 工程(1)で得られた2級アミンと、2−ブロモアニソール誘導体または2−ヨードアニソール誘導体と、を更に反応させ、中間体Aを得る。
工程(3) 中間体Aのアルコキシ基のアルキルを常法により切断した後、求核置換反応により中間体Bを得る。
工程(4) 中間体Bと、置換基L−Mのボロン酸化合物またはボロン酸エステル化合物と、の鈴木カップリング反応により、式(1)で表されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を得ることができる。
また、L−Mを1つの置換基とみなして説明したが、ハロゲン等の反応性残基を有する置換基Mで置換した後、Lのボロン酸またはボロン酸エステルと反応させてもよい。
さらに、鈴木カップリング反応の代わりに根岸カップリング反応や熊田・玉尾カップリング反応を適宜用いることもできる。
この場合、中間体EとMのボロン酸またはボロン酸エステルを反応させることで、式(1)で表される化合物を得ることができる。また、中間体Eであるトリフルオロメタンスルホン酸エステルをボロン酸エステルに変換した後、Mのハロゲン化物またはトリフルオロメタンスルホン酸エステルと反応させても式(1)で表される化合物を得ることができる。更に、中間体Eと上記中間体Cとを反応させることで、式(2)で表される化合物を得ることができる。
有機電界発光素子の発光特性は、室温下、作製した素子に直流電流を印加し、輝度計(製品名:BM−9、トプコンテクノハウス社製)を用いて評価した。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):6.68(d,2H),6.92(d,4H),6.93−7.06(m,10H),7.42(d,4H),7.52(m,1H),7.58(m,2H),7.75(m,1H)。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):6.70(d,1H),6.93−7.09(m,7H),7.42−7.61(m,8H),7.74(d,2H),7.92(d,1H),7.97(d,1H),8.03(d,1H)。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):6.69(d,1H),6.94−7.06(m,7H),7.45(m,2H),7.52(m,2H),7.72(d,2H),7.85−7.98(m,4H),8.02(d,1H),8.42(m,1H),8.65(m,1H)。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):6.71(d,1H),6.90−7.10(m,7H),7.43(m,2H),7.51(m,2H),7.70(d,1H),7.96(m,1H),7.99(d,1H),8.33(m,1H),8.45(m,1H)。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):6.50(d,1H),6.63(d,1H),6.92−7.08(m,6H),7.19(d,4H),7.23−7.38(m,9H),7.45(t,1H),7.52(t,2H),7.58(s,1H),7.99(d,1H),8.03(d,1H)。
1H−NMR(CDCl3)δ(ppm):6.71(d,2H),6.93(d,4H),6.96−7.07(m,8H),7.10(d,2H),7.44(m,4H),7.72(d,2H),7.97(d,2H),8.12(s,2H)。
素子評価に用いた化合物の構造式およびその略称を以下に示す。
(基板1、陽極2の用意)
陽極をその表面に備えた基板として、2mm幅の酸化インジウム−スズ(ITO)膜(膜厚110nm)がストライプ状にパターンされたITO透明電極付きガラス基板を用意した。ついで、この基板をイソプロピルアルコールで洗浄した後、オゾン紫外線洗浄にて表面処理を行った。
洗浄後の表面処理が施された基板上に、真空蒸着法で各層の真空蒸着を行い、各層を積層形成した。
まず、真空蒸着槽内に前記ガラス基板を導入し、1.0×10−4Paまで減圧した。そして、以下の順で、各層の成膜条件に従ってそれぞれ作製した。
昇華精製したHILを0.15nm/秒の速度で55nm成膜し、正孔注入層を作製した。
昇華精製したHATを0.05nm/秒の速度で5nm成膜し、電荷発生層を作製した。
HTL−1を0.15nm/秒の速度で15nm成膜し、第一正孔輸送層を作製した。
合成実施例−1で合成した化合物(2−1)を0.15nm/秒の速度で50nm成膜し、第二正孔輸送層を作製した。
EML−1およびEML−2を95:5(質量比)の割合で35nm成膜し、発光層を作製した。成膜速度は0.18nm/秒であった。
ETLおよびLiqを50:50(質量比)の割合で30nm成膜し、電子輸送層7を作製した。成膜速度は0.15nm/秒であった。
最後に、基板上のITOストライプと直交するようにメタルマスクを配し、陰極8を成膜した。陰極は、銀/マグネシウム(質量比1/10)と銀とを、この順番で、それぞれ80nmと20nmとで成膜し、2層構造とした。銀/マグネシウムの成膜速度は0.5nm/秒、銀の成膜速度は成膜速度0.2nm/秒であった。
素子実施例−1において、化合物(2−1)の代わりに化合物(1−2)等の表1に示す化合物を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
素子実施例−1において、化合物(2−1)の代わりに特許文献1に記載されている化合物201を用いた以外は、素子実施例−1と同じ方法で有機電界発光素子を作製し、評価した。得られた測定結果を表1に示す。
また、本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)は、昇華精製時の熱安定性がよいために昇華精製の操作性に優れ、有機電界発光素子の素子劣化の原因となる不純物の少ない材料を提供することができる(そのため、本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)によれば、有機電界発光素子の耐久性を高めることができる)。また、本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物は蒸着膜の安定性に優れる。
また、本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)からなる薄膜は、正孔注入能、正孔輸送能、電子ブロック能、酸化還元耐性、耐水性、耐酸素性等に優れるため、有機電界発光素子の材料として有用であり、正孔注入材、正孔輸送材、発光ホスト材等として有用である。とりわけ正孔輸送材に用いた際に有用である。
また本発明の一態様にかかるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物(1)または(2)はワイドバンドギャップであり、かつ高い三重項励起準位を有するため、従来の蛍光素子用途のみならず、燐光素子や熱活性化遅延蛍光(TADF)を利用した有機電界発光素子へ好適に用いることができる。
2 陽極
3 正孔注入層
4 電荷発生層
5 正孔輸送層
6 発光層
7 電子輸送層
8 陰極
51 第一正孔輸送層
52 第二正孔輸送層
71 第一電子輸送層
72 第二電子輸送層
100 有機電界発光素子
Claims (18)
- 式(1)または(2)で示されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物:
式(1)および(2)中、
Rは、各々独立に、
水素原子、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、もしくは、
隣接するRと、a環、b環、c環、d環、e環またはf環と、共に形成されている、置換基を有していてもよいナフタレン環の一部、または、
式(3)で示される置換基Zを表し;
式(3)中、
L’は、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、およびカルバゾリレン基からなる群から選択される2価の基、または単結合を表し、
M’は、置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、または炭素数3〜20のヘテロアリール基を表し;
Lは、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、カルバゾリレン基、およびシリル基からなる群から選択される2価の基、または単結合を表し;
Mは、置換基を有していてもよい、炭素数6〜25のアリール基、もしくは炭素数3〜20のヘテロアリール基を表す。 - 互いに隣接するRと、a環、b環、c環、d環、e環またはf環と、が形成しているナフタレン環が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基である請求項1に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Lで表される2価の基が有していてもよい置換基は、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基である請求項1または2に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Mで表されるアリール基もしくはヘテロアリール基が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、またはナフチル基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- L’で表される2価の基が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、またはフェニル基である請求項1〜4のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- M’で表されるアリール基もしくはヘテロアリール基が有していてもよい置換基は、重水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、またはナフチル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Lが、フェニレン基、ビフェニリレン基、テルフェニリレン基、ナフタレニレン基、フルオレニレン基、スピロビフルオレニレン基、ジベンゾチエニレン基、ジベンゾフラニレン基、およびカルバゾリレン基からなる群から選択される2価の基、または単結合である請求項1〜6のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Rが、各々独立に、水素原子、フッ素原子、メチル基、またはトリフルオロメチル基である請求項1〜7のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Lが、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレニレン基、または単結合である請求項1〜8のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Mが、
フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、もしくはナフチル基で置換されていてもよい炭素数6〜25のアリール基、または、
フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、もしくはナフチル基で置換されていてもよい炭素数3〜20のヘテロアリール基である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。 - Lが、1,4−フェニレン基、4,4’−ビフェニレン基、2,6−ナフタレニレン基、または単結合である請求項1〜10のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- Mが、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、もしくはナフチル基で置換されていてもよい、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、トリフェニレニル基、フルオレン基、スピロビフルオレン基、フェナントリル基、
ジベンゾチエニル基、ジベンゾフラニル基、カルバゾリル基、ベンゾチエニル基、インドリル基、チエニル基、またはフラニル基である請求項1〜11のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。 - Mが、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−ビフェニリル基、3−ビフェニリル基、4−ビフェニリル基、m−テルフェニル−5’−イル基、1−トリフェニレニル基、2−トリフェニレニル基、9,9−ジメチルフルオレン−1−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−3−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−4−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−1−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−3−イル基、9,9−ジフェニルフルオレン−4−イル基、9,9’−スピロビフルオレン−1−イル基、9,9’−スピロビフルオレン−2−イル基、9,9’−スピロビフルオレン−3−イル基、9,9’−スピロビフルオレン−4−イル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、
1−ジベンゾチエニル基、2−ジベンゾチエニル基、3−ジベンゾチエニル基、4−ジベンゾチエニル基、1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−ベンゾチエニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、1−チエニル基、2−チエニル基、1−フラニル基、または2−フラニル基である請求項1〜12のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。 - Mが、1−ナフチル基、2−ジベンゾチエニル基、または9,9−ジフェニルフルオレン−2−イル基である請求項1〜13のいずれか1項に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- 以下の構造式(1−2)、(1−28)、(1−69)、(1−95)、(2−1)または(2−8)で表される化合物である請求項1に記載のベンゾオキサジノフェノキサジン化合物。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の一般式(1)または(2)で示されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を含む有機電界発光素子用材料。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の一般式(1)または(2)で示されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を含む有機電界発光素子用正孔輸送材料。
- 請求項1〜15のいずれか1項に記載の一般式(1)または(2)で示されるベンゾオキサジノフェノキサジン化合物を含む有機電界発光素子の発光効率改善剤。
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