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JP2021510525A - Erc1発現を調節するためのオリゴヌクレオチド - Google Patents

Erc1発現を調節するためのオリゴヌクレオチド Download PDF

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ピーター ハーゲドン
リュッケ ペダーセン
リュッケ ペダーセン
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ロシュ イノベーション センター コペンハーゲン エーエス
ロシュ イノベーション センター コペンハーゲン エーエス
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Abstract

本発明は、標的細胞においてERC1の発現を低減することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本オリゴヌクレオチドは、ERC1のmRNA前駆体にハイブリダイズする。本発明はさらに、本オリゴヌクレオチドのコンジュゲートおよび薬学的組成物、ならびに本アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いて、ERC1過剰発現に関連する疾患、例えば癌またはデングウイルス感染症を治療するための方法に関する。

Description

発明の分野
本発明は、ELKS/RAB6相互作用/CASTファミリーメンバー1(ERC1)転写物に相補的であり、細胞におけるERC1の発現の調節をもたらす、オリゴヌクレオチド(オリゴマー)に関する。このようなオリゴヌクレオチドは、標的細胞においてERC1転写物を減少させるために使用され得る。ERC1発現の調節は、一連の医学的障害、例えばデングウイルスまたは癌、例えば、甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、黒色腫、または転移形成にとって有益である。
背景
ELKS/RAB6相互作用/CASTファミリーメンバー1(ERC1)は、神経伝達物質放出を制御するアクティブゾーンタンパク質であるRIM結合タンパク質のファミリーのメンバーである。ERC1を標的とするsiRNAを使用したAstro et al. J Cell Sci, 2014, 127: 3862-3876(非特許文献1)により、リプリンα1、ERC1、およびLL5を含む複合体が、腫瘍転移形成の基礎過程であるインビトロでの細胞遊走において重要であることが示されている。
Alpay et al. 2015 Breast Cancer Res. Vol 151 p. 75-87(非特許文献2)により、shRNAを用いてERC1をインビトロでノックダウンすると、乳癌細胞株におけるNF-κBシグナル伝達が影響を受けることが示されている。
ERC1はまた、黒色腫および甲状腺乳頭癌など様々な癌において癌遺伝子またはキナーゼと共に再配列することが示されている。例えば、WO 2014130975(特許文献1) ERC1およびNakata et al. 1999 Genes, Chromosomes and Cancer Vol 25 p. 97-103(非特許文献3) ERC1を参照されたい。Khadka et al. 2011(非特許文献4)では、デングウイルス感染細胞においてsiRNAを用いてERC1を下方調節すると、これらの細胞におけるウイルス複製が有意に減少することが示された。
ERC1。上記の参照文献のどれも、ERC1を標的とする一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドを開示しておらず、具体的には、これらの文献は、ERC1転写物中のイントロン配列または反復配列を標的とするという概念を開示していない。
同じRNA中の繰り返し部位を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、インビトロのトランスフェクション実験のいくつかの場合において、標的mRNAを下方調節する効力が増強されていることが示されている。これは、GCGR、STST3、MAPT、OGFR、およびBOKのRNAの場合であった(Vickers at al. PLOS one, October 2014, Volume 9, Issue 10(非特許文献5))。WO 2013/120003(特許文献2)もまた、反復部分を標的とすることによるRNAの調節に関係している。
WO 2014130975 WO 2013/120003
Astro et al. J Cell Sci, 2014, 127: 3862-3876 Alpay et al. 2015 Breast Cancer Res. Vol 151 p. 75-87 Nakata et al. 1999 Genes, Chromosomes and Cancer Vol 25 p. 97-103 Khadka et al. 2011 Vickers at al. PLOS one, October 2014, Volume 9, Issue 10
発明の目的
ERC1は、いくつかの腫瘍の発現および進行ならびにデングウイルス感染症の宿主因子に関与している。本発明は、インビボおよびインビトロでERC1のmRNAおよびタンパク質の発現を調節できるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。したがって、本発明は、潜在的に、標準的な癌治療療法と共に併用療法で使用することができ、かつ潜在的に、癌、例えば転移性癌、または甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、および黒色腫などの癌の症状を緩和することができる。さらに、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、デングウイルス感染症の治療または緩和のためにも使用され得る。
発明の概要
本発明は、標的である哺乳動物ERC1核酸に相補的であるアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えばギャップマーオリゴヌクレオチド、およびその使用を提供する。
本発明は、標的である哺乳動物ERC1核酸に存在する特定の領域または配列に相補的である連続ヌクレオチド配列を含む、オリゴヌクレオチドを提供する。
本発明の化合物は、哺乳動物ERC1核酸を発現している細胞において哺乳動物ERC1核酸を阻害することができる。
本発明は、哺乳動物ERC1核酸を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド化合物、ならびにそのインビトロ使用およびインビボ使用、ならびに医薬品におけるそれらの使用を提供する。
したがって、第1の局面において、本発明は、哺乳動物ERC1標的核酸に少なくとも90%の相補性を有する、例えば完全に相補的である10〜30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、10〜50ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、細胞において哺乳動物ERC1標的核酸の発現を低減することができる、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
さらなる局面において、本発明は、連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13からなる群より選択される配列または天然に存在するその変異体に少なくとも90%相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
さらなる局面において、本発明は、連続ヌクレオチド配列が、哺乳動物ERC1標的核酸のmRNA前駆体(例えばSEQ ID NO: 1)中に存在するイントロン領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
さらなる局面において、本発明は、連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の88284〜88297位、88378〜88391位、88425〜88438位、88472〜88485位、88517〜88530位、88656〜88669位、88703〜88716位、88750〜88763位、88795〜88808位、88842〜88855位、88889〜88902位、88936〜88949位、88983〜88996位、89030〜89043位、89077〜89090位、89124〜89137位、89171〜89184位、89265〜89278位、89312〜89325位、89359〜88372位、88374〜88393位、88421〜88440位、88468〜88487位、88513〜88532位、88652〜88671位、88699〜88718位、88746〜88765位、88791〜88810位、88838〜88857位、88885〜88904位、88932〜88951位、88979〜88998位、89026〜89045位、89073〜89092位、89120〜89139位、89167〜89186位、89261〜89280位、89308〜89327位、89355〜89374位、88374〜88391位、88421〜88438位、88468〜88485位、88513〜88530位、88652〜88669位、88699〜88716位、88746〜88763位、88791〜88808位、88838〜88855位、88885〜88902位、88932〜88949位、88979〜88996位、89026〜89043位、89073〜89090位、89120〜89137位、89167〜89184位、89261〜89278位、89308〜89325位、89355〜89372位、88376〜88391位、88423〜88438位、88470〜88485位、88515〜88530位、88654〜88669位、88701〜88716位、88748〜88763位、88793〜88808位、88840〜88855位、88887〜88902位、88934〜88949位、88981〜88996位、89028〜89043位、89075〜89090位、89122〜89137位、89169〜89184位、89263〜89278位、89310〜89325位、89357〜89372位、451815〜451834位、451816〜451833位、451818〜451833位、451818〜451831位からなる群より選択されるSEQ ID NO: 1中の領域に、少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
さらなる局面において、本発明は、SEQ ID NO: 1の標的核酸中の10〜22ヌクレオチド長、例えば14〜20ヌクレオチド長の標的領域に95%相補的、例えば完全に相補的である連続ヌクレオチド配列を含み、該標的領域が該標的核酸において少なくとも5回またはそれより多い回数繰り返されている、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。
さらなる局面において、本発明はアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供し、該アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、TCATttctatCTGT(化合物15_1)、AATCatttctatctgtaTCT(化合物16_1)、TCAtttctatctgtATCT(化合物17_1)、およびTCATttctatctGTAT(化合物18_1)からなる群より選択される(式中、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシドのようなLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、任意で、LNA Cはすべて5-メチルシトシンであり、ヌクレオシド間結合はすべてホスホロチオアートヌクレオシド間結合である)。
さらなる局面において、本発明は、本発明によるアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲートを提供する。
さらなる局面において、本発明は、本発明によるオリゴヌクレオチドまたは本発明のいくつかの局面によるコンジュゲートならびに薬学的に許容される希釈剤、溶媒、担体、塩、および/またはアジュバントを含む、薬学的組成物を提供する。
さらなる局面において、本発明は、本発明によるアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートの、薬学的に許容される塩を提供する。
さらなる局面において、本発明は、哺乳動物ERC1を発現している標的細胞において哺乳動物ERC1発現を阻害するためのインビボまたはインビトロの方法であって、本発明によるオリゴヌクレオチド、コンジュゲート、薬学的に許容される塩、または薬学的組成物の有効量を該細胞に投与する段階を含む、方法を提供する。
さらなる局面において、本発明は、本発明によるオリゴヌクレオチド、コンジュゲート、薬学的に許容される塩、または薬学的組成物の治療的有効量または予防的有効量を、疾患に罹患しているまたは疾患に易罹患性である対象に投与する段階を含む、疾患を治療または予防するための方法を提供する。
さらなる局面において、本発明は、癌、例えば転移性癌、または甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、および黒色腫などの癌を治療または予防するための医薬を調製するための、本発明のオリゴヌクレオチド、コンジュゲート、薬学的に許容される塩、または薬学的組成物の使用を提供する。さらに、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、デングウイルス感染症の治療または緩和のためにも使用され得る。
定義
オリゴヌクレオチド
本明細書において使用される用語「オリゴヌクレオチド」は、当業者によって通常理解されるように、2個またはそれより多い共有結合的に連結したヌクレオシドを含む分子と定義される。このような共有結合しているヌクレオシドは、核酸分子または核酸オリゴマーとも呼ばれ得る。一般に、オリゴヌクレオチドは、固相化学合成とそれに続く精製によって実験室で作製される。オリゴヌクレオチドの配列に言及する場合、共有結合的に連結したヌクレオチドまたはヌクレオシドの核酸塩基部分の配列もしくは順序またはその修飾に言及する。本発明のオリゴヌクレオチドは人工であり、化学的に合成され、典型的には精製または単離される。本発明のオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドを含んでよい。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本明細書において使用される用語「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は、標的核酸、特に、標的核酸の連続配列にハイブリダイズすることにより、標的遺伝子の発現を調節することができるオリゴヌクレオチドと定義される。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、本質的には二本鎖ではなく、したがって、siRNAでもshRNAでもない。好ましくは、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、一本鎖である。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは、該オリゴヌクレオチドの全長にわたって内部または相互の自己相補性の程度が50%未満である限り、ヘアピンまたは分子間二重鎖構造(同じオリゴヌクレオチドの2個の分子間の二重鎖)を形成できることが理解される。
有利には、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の修飾されたヌクレオシドまたはヌクレオチドを含む。
連続ヌクレオチド配列
用語「連続ヌクレオチド配列」は、標的核酸に相補的である、オリゴヌクレオチドの領域を意味する。この用語は、本明細書において、用語「連続核酸塩基配列」および用語「オリゴヌクレオチドモチーフ配列」と同義的に使用される。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチドが、連続ヌクレオチド配列を構成する。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、F-G-F’ギャップマー領域のような連続ヌクレオチド配列を含み、かつ別のヌクレオチド、例えば、連続ヌクレオチド配列に官能基を結合させるのに使用され得るヌクレオチドリンカー領域’を任意で含んでよい。ヌクレオチドリンカー領域は、標的核酸に相補的であってもなくてもよい。
ヌクレオチド
ヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドの構成単位であり、本発明の目的においては、天然ヌクレオチドおよび非天然ヌクレオチドの両方が含まれる。天然には、DNAヌクレオチドおよびRNAヌクレオチドなどのヌクレオチドは、リボース糖部分、核酸塩基部分、および1つまたは複数のリン酸基(ヌクレオシド中には存在しない)を含む。ヌクレオシドおよびヌクレオチドはまた、同義的に「ユニット」または「モノマー」と呼ばれる場合がある。
修飾ヌクレオシド
本明細書において使用される用語「修飾ヌクレオシド」または「ヌクレオシド修飾」は、糖部分または(核酸)塩基部分に対する1つまたは複数の修飾の導入によって、等価なDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドと比べて修飾されたヌクレオシドを意味する。好ましい態様において、修飾ヌクレオシドは、修飾された糖部分を含む。本明細書において、用語「修飾ヌクレオシド」はまた、用語「ヌクレオシド類似体」または修飾「ユニット」もしくは修飾「モノマー」と同義的に使用されてよい。未修飾のDNAまたはRNAの糖部分を有するヌクレオシドは、本明細書においてDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドと呼ばれる。通常、DNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの塩基領域に修飾を有するヌクレオシドは、ワトソン・クリック塩基対が可能であれば、引き続きDNAまたはRNAと呼ばれる。
修飾ヌクレオシド間結合
用語「修飾ヌクレオシド間結合」は、当業者によって通常理解されるように、2個のヌクレオシドを共有結合的に互いにカップリングする、リン酸ジエステル(PO)結合以外の結合と定義される。したがって、本発明のオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシド間結合を含んでよい。いくつかの態様において、修飾ヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合と比べて、オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を高める。天然オリゴヌクレオチドの場合、ヌクレオシド間結合は、隣接ヌクレオシド間のリン酸ジエステル結合を作り出すリン酸基を含む。修飾ヌクレオシド間結合は、インビボ使用のためにオリゴヌクレオチドを安定化する際に特に有用であり、本発明のオリゴヌクレオチド中のDNAヌクレオシドまたはRNAヌクレオシドの領域、例えば、ギャップマーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内、ならびに修飾ヌクレオシドの領域、例えば領域FおよびF’において、ヌクレアーゼ切断から保護する働きをし得る。
ある態様において、オリゴヌクレオチドは、例えばヌクレアーゼ攻撃に対する耐性がより高い1つまたは複数の修飾ヌクレオシド間結合のような、天然のリン酸ジエステルから改変された1つまたは複数のヌクレオシド間結合を含む。ヌクレアーゼ耐性は、オリゴヌクレオチドを血清中でインキュベートすることによって、またはヌクレアーゼ耐性アッセイ法(例えばヘビ毒ホスホジエステラーゼ(SVPD))を用いることによって、明らかにすることができ、どちらも当技術分野において周知である。オリゴヌクレオチドのヌクレアーゼ耐性を増強することができるヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合と呼ばれる。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のヌクレオシド間結合の少なくとも50%は、修飾されており、例えば、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のヌクレオシド間結合の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、または例えば少なくとも90%は、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合のすべてが、ヌクレアーゼ耐性ヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、コンジュゲートのような、非ヌクレオチド官能基に本発明のオリゴヌクレオチドを連結するヌクレオシドはリン酸ジエステルであってよいことが、認識される。
本発明のオリゴヌクレオチド中で使用するための好ましい修飾ヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートである。
ホスホロチオアートヌクレオシド間結合は、ヌクレアーゼ耐性、有益な薬物動態、および製造の容易さという理由から特に有用である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のヌクレオシド間結合の少なくとも50%は、ホスホロチオアートであり、例えば、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列中のヌクレオシド間結合の少なくとも60%、例えば少なくとも70%、例えば少なくとも80%、または例えば少なくとも90%は、ホスホロチオアートである。いくつかの態様において、ホスホロジチオアートヌクレオシド間結合以外は、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列のヌクレオシド間結合のすべてが、ホスホロチオアートである。いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、ホスホロジチオアート結合に加えて、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合と少なくとも1個のリン酸ジエステル結合、例えば、2個、3個、または4個のリン酸ジエステル結合の両方を含む。ギャップマーオリゴヌクレオチドにおいて、リン酸ジエステル結合は、存在する場合、ギャップ領域G中の連続DNAヌクレオシド間に配置されないことが適切である。
ホスホロチオアート結合のようなヌクレアーゼ耐性結合は、標的核酸と二重鎖を形成した際にヌクレアーゼを動員することができるオリゴヌクレオチド領域、例えば、ギャップマーの場合の領域Gにおいて、特に有用である。しかし、ホスホロチオアート結合はまた、ヌクレアーゼを動員しない領域および/または親和性増強領域、例えばギャップマーの場合の領域FおよびF'においても有用であり得る。いくつかの態様において、ギャップマーオリゴヌクレオチドは、領域FもしくはF’または領域FおよびF’の両方に1つまたは複数のリン酸ジエステル結合を含んでよく、領域G中のヌクレオシド間結合は、完全なホスホロチオアートであってよい。
有利には、オリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列中のすべてのヌクレオシド間結合またはオリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオシド間結合が、ホスホロチオアート結合である。
EP 2742135で開示されているように、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、(リン酸ジエステルおよびホスホロチオアート以外の)他のヌクレオシド間結合、例えばアルキルホスホナート/メチルホスホナートインターヌクレオシドを含んでよいことが認識されており、これらは、EP 2742135によれば、例えば、それ以外はDNAホスホロチオアートであるギャップ領域において許容され得る。
核酸塩基
用語「核酸塩基」は、核酸ハイブリダイゼーションにおいて水素結合を形成する、ヌクレオシドおよびヌクレオチド中に存在するプリン(例えば、アデニンおよびグアニン)ならびにピリミジン(例えば、ウラシル、チミン、およびシトシン)部分を含む。本発明において、用語「核酸塩基」はまた、天然核酸塩基と異なる場合があるが核酸ハイブリダイゼーション時に機能的である修飾核酸塩基も含む。この文脈において、「核酸塩基」は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、およびヒポキサンチンなどの天然核酸塩基ならびに非天然変異体の両方を意味する。このような変異体は、例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1において説明されている。
いくつかの態様において、核酸塩基部分は、プリンまたはピリミジンを修飾プリンまたは修飾ピリミジン、例えば、置換されたプリンまたは置換されたピリミジン、例えば、イソシトシン、シュードイソシトシン、5-メチルシトシン、5-チオゾロ-シトシン、5-プロピニル-シトシン、5-プロピニル-ウラシル、5-ブロモウラシル、5-チアゾロ-ウラシル、2-チオ-ウラシル、2'チオ-チミン、イノシン、ジアミノプリン、6-アミノプリン、2-アミノプリン、2,6-ジアミノプリン、および2-クロロ-6-アミノプリンより選択される核酸塩基に変えることによって、修飾される。
核酸塩基部分は、対応する各核酸塩基に対する文字記号、例えば、A、T、G、C、またはUによって示すことができ、ここで、各文字は、等価な機能を有する修飾核酸塩基を任意で含んでよい。例えば、例示されるオリゴヌクレオチドにおいて、核酸塩基部分は、A、T、G、C、および5-メチルシトシンより選択される。任意で、LNAギャップマーの場合、5-メチルシトシンLNAヌクレオシドが使用され得る。
修飾オリゴヌクレオチド
用語「修飾オリゴヌクレオチド」とは、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドおよび/または修飾ヌクレオシド間結合を含むオリゴヌクレオチドを示す。用語「キメラ」オリゴヌクレオチドは、修飾されたヌクレオシドを有するオリゴヌクレオチドを示すために文献で使用されてきた用語である。
相補性
用語「相補性」は、ヌクレオシド/ヌクレオチドがワトソン-クリック塩基対形成する能力を示す。ワトソン-クリック塩基対は、グアニン(G)-シトシン(C)およびアデニン(A)-チミン(T)/ウラシル(U)である。オリゴヌクレオチドは、修飾核酸塩基を有するヌクレオシドを含んでよく、例えば、5-メチルシトシンがしばしばシトシンの代わりに使用され、したがって、用語「相補性」は、非修飾核酸塩基と修飾核酸塩基の間のワトソン-クリック塩基対形成を包含することが理解される(例えば、Hirao et al (2012) Accounts of Chemical Research vol 45 page 2055およびBergstrom (2009) Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry Suppl. 37 1.4.1を参照されたい)。
本明細書において使用される用語「相補率(%)」は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列に対する、その連続ヌクレオチド配列において参照配列(例えば標的配列または配列モチーフ)に相補的であるヌクレオチドの比率(単位はパーセント)を意味する。したがって、相補率(%)は、(標的配列5'-3'およびオリゴヌクレオチド配列3'-5'とアラインした場合に)2つの配列間で相補的である(ワトソン-クリック塩基対を形成する)アラインされた核酸塩基の数を数え、そのオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数でその数を割り、100を掛けることによって算出する。このような比較において、アライン(塩基対を形成)しない核酸塩基/ヌクレオチドは、ミスマッチと呼ばれる。連続ヌクレオチド配列の相補率(%)の計算において、挿入および欠失は許容されない。相補性を測定する際、核酸塩基の化学修飾は、核酸塩基がワトソン-クリック塩基対合を形成する機能的能力を保持している限り、無視される(例えば、5’-メチルシトシンは、同一性パーセント(%)の計算という目的においてはシトシンと同一とみなされる)ことが理解される。
用語「完全に相補的」とは、100%の相補性を意味する。
下記は、標的核酸(SEQ ID NO: 24)に完全に相補的であるオリゴヌクレオチドの例(SEQ ID NO: 15)である。
Figure 2021510525
同一性
本明細書において使用される用語「同一性」は、核酸分子(例えばオリゴヌクレオチド)中の連続ヌクレオチド配列に対する、その連続ヌクレオチド配列において参照配列(例えば配列モチーフ)と同一であるヌクレオチドの比率(百分率(%)で表される)を意味する。したがって、同一性比率は、(本発明の化合物の連続ヌクレオチド配列中および参照配列中の)2つの配列間で同一であるアラインされた塩基(マッチ)の数を数え、そのオリゴヌクレオチド中のヌクレオチドの総数でその数を割り、100を掛けることによって算出する。
したがって、同一性比率(%)=(マッチ×100)/アラインされた領域(例えば連続ヌクレオチド配列)の長さ。連続ヌクレオチド配列の同一性比率(%)の計算において、挿入および欠失は許容されない。同一性を測定する際、核酸塩基の化学修飾は、核酸塩基がワトソン-クリック塩基対合を形成する機能的能力を保持している限り、無視される(例えば、5’-メチルシトシンは、同一性パーセント(%)の計算という目的においてはシトシンと同一とみなされる)ことが理解される。
ハイブリダイゼーション
本明細書において使用される用語「ハイブリダイズすること」または「ハイブリダイズする」は、2本の核酸鎖(例えば、オリゴヌクレオチドおよび標的核酸)が向い合わせの鎖上の塩基対間に水素結合を形成し、それによって二重鎖を形成することと理解される。2本の核酸鎖間の結合の親和性が、ハイブリダイゼーションの強度である。これは、しばしば、オリゴヌクレオチの半分が標的核酸と二重鎖を形成する温度であると定義される融解温度(Tm)の観点から説明される。生理的条件では、Tmは親和性に厳密には比例しない(Mergny and Lacroix, 2003, Oligonucleotides 13:515-537)。標準状態のギブス自由エネルギーΔG°は、結合親和性をより正確に表し、反応の解離定数(Kd)とΔG°=-RTln(Kd)という関係にある(Rは気体定数であり、Tは絶対温度である)。したがって、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の反応のΔG°が非常に小さい場合、これは、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間の強いハイブリダイゼーションを反映している。ΔG°は、水溶液濃度が1Mであり、pHが7であり、かつ温度が37℃である反応に関連するエネルギーである。標的核酸に対するオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションは、自発的反応であり、自発的反応の場合、ΔG°はゼロ未満である。ΔG°は、実験によって、例えば、Hansen et al., 1965, Chem. Comm. 36-38およびHoldgate et al., 2005, Drug Discov Todayにおいて説明されている等温滴定熱量測定(ITC)法を用いて、測定することができる。当業者は、ΔG°測定のために市販の機器が利用可能であることを知っていると考えられる。ΔG°はまた、Sugimoto et al., 1995, Biochemistry 34:11211-11216およびMcTigue et al., 2004, Biochemistry 43:5388-5405によって説明されている適切に導かれた熱力学的パラメーターを用いて、SantaLucia, 1998, Proc Natl Acad Sci USA. 95: 1460-1465によって説明されている最近接モデルを使用することによって、数値的に推定することもできる。意図される核酸標的をハイブリダイゼーションによって調節する可能性を有するためには、本発明のオリゴヌクレオチドは、10〜30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して、-10kcal未満の推定ΔG°値で標的核酸にハイブリダイズする。いくつかの態様において、ハイブリダイゼーションの程度または強さは、標準状態のギブス自由エネルギーΔG°に基づいて測定される。オリゴヌクレオチドは、8〜30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに対して、-10kcalの範囲を下回る、例えば-15kcal未満、例えば-20kcal未満、および例えば-25kcal未満の推定ΔG°値で、標的核酸にハイブリダイズし得る。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、-10〜-60kcal、例えば-12〜-40、例えば-15〜-30kcal、または-16〜-27kcal、例えば-18〜-25kcalの推定ΔG°値で、標的核酸にハイブリダイズする。
標的核酸
本発明によれば、標的核酸は、哺乳動物ERC1をコードする核酸であり、例えば、遺伝子、RNA、mRNA、およびmRNA前駆体、成熟mRNA、またはcDNA配列であってよい。したがって、標的は、ERC1標的核酸と呼ばれてよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、哺乳動物ERC1 RNAのエクソン領域を標的としてよく、または例えば、ERC1 mRNA前駆体中の任意のイントロン領域を標的としてよい(例えば、表1を参照されたい)。
(表1)スプライス変異体のうちの1つのヒトERC1のエクソン領域およびイントロン領域
Figure 2021510525
適切には、標的核酸は、ERC1タンパク質、特に、ヒトERC1のような哺乳動物ERC1をコードする(例えば、ヒト、マウス、ラット、およびサルのERC1のゲノム配列、成熟mRNA配列、およびmRNA前駆体配列を提供する表2および表3を参照されたい)。
いくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13、または天然に存在するその変異体(例えば、哺乳動物ERC1タンパク質をコードする配列)からなる群より選択される。
標的核酸は、いくつかの態様において、ヒトERC1のような哺乳動物ERC1タンパク質をコードするRNAまたはDNA、例えばメッセンジャーRNA、例えば成熟mRNAもしくはmRNA前駆体であってよく、例えば、SEQ ID NO: 1として開示されているもののようなヒトmRNA前駆体配列、またはSEQ ID NO: 2、SEQ ID NO: 3、SEQ ID NO: 4、SEQ ID NO: 5、SEQ ID NO: 6、SEQ ID NO: 7、SEQ ID NO: 8、SEQ ID NO: 9、SEQ ID NO: 10、SEQ ID NO: 11、およびSEQ ID NO: 12において開示されているようなヒト成熟mRNA、または天然に存在するその変異体(例えば、哺乳動物ERC1タンパク質をコードする配列)であってよい。
研究または診断学において本発明のオリゴヌクレオチドを使用する場合には、標的核酸は、DNAまたはRNAに由来するcDNAまたは合成核酸であってよい。
インビボまたはインビトロの適用の場合、本発明のオリゴヌクレオチドは、典型的には、ERC1標的核酸を発現している細胞においてERC1標的核酸の発現を阻害することができる。オリゴヌクレオチドの長さの全域で測定した場合、典型的には、本発明のオリゴヌクレオチドの核酸塩基の連続配列は、1つまたは2つのミスマッチを任意で例外として、かつオリゴヌクレオチドをコンジュゲートのような任意の官能基または他の非相補的末端ヌクレオチド(例えば、領域D'もしくはD’’)に連結することができるヌクレオチドベースのリンカー領域を任意で除いて、ERC1標的核酸に相補的である。
例示的な標的核酸についてのさらなる情報は、表2および表3に提供している。
(表2)様々な種におけるERC1のゲノムおよびアセンブリについての情報
Figure 2021510525
Fwd=フォワード鎖。ゲノム座標は、mRNA前駆体配列(ゲノム配列)を与える。
(表3)様々な種におけるERC1の配列の詳細
Figure 2021510525
SEQ ID NO: 13は、配列決定によって配列を正確に精密化できなかった複数のNNNNからなる領域を含み、したがって縮重配列が含まれることに留意されたい。不確かさを避けるために、本発明の化合物は、実際の標的配列に相補的であり、したがって、縮重化合物ではない。
標的配列
本明細書において使用される用語「標的配列」は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドに相補的である核酸塩基配列を含む、標的核酸中に存在するヌクレオチドの配列を意味する。いくつかの態様において、標的配列は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列に相補的である、標的核酸の領域からなる。標的核酸のこの領域は、標的ヌクレオチド配列と呼ばれる場合がある。いくつかの態様において、標的配列は、単一のオリゴヌクレオチドの連続相補的配列より長く、例えば、本発明のいくつかのオリゴヌクレオチドが標的とすることができる標的核酸の好ましい領域に相当してよい。
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的核酸、例えば本明細書において説明される標的配列に相補的である、連続ヌクレオチド配列を含む。
いくつかの態様において、標的配列は、ヒトとサルの間で保存されており、具体的にはSEQ ID NO: 1とSEQ ID NO: 13の両方に存在する配列である。好ましい態様において、標的配列は、SEQ ID NO: 14中に存在する。
通常、オリゴヌクレオチドが相補的である標的配列は、少なくとも10ヌクレオチドの連続核酸塩基配列を含む。連続ヌクレオチド配列は、10〜50個のヌクレオチド、例えば12〜30個、例えば14〜20個、例えば15〜18個の連続ヌクレオチドである。
本発明の1つの態様において、標的配列はSEQ ID NO: 14である。
本発明の別の態様において、標的配列はSEQ ID NO: 23である。
本発明の別の態様において、標的配列はSEQ ID NO: 24である。
本発明の別の態様において、標的配列はSEQ ID NO: 25である。
本発明の別の態様において、標的配列はSEQ ID NO: 26である。
繰り返された標的領域
標的領域または標的配列は、標的核酸において唯一であることができる(一度だけ存在する)。
本発明のいくつかの局面において、標的領域は、標的核酸の全長において少なくとも2回繰り返されている。本発明によって包含される「繰り返された」とは、標的核酸中の異なる位置に存在する少なくとも10ヌクレオチド長、例えば少なくとも11ヌクレオチド長、または少なくとも12ヌクレオチド長の同一ヌクレオチド配列(標的領域)が、少なくとも2個あることを意味する。それぞれの繰り返された領域は、標的核酸の連続配列において少なくとも1個の核酸塩基によって同一領域から隔てられており、標的核酸内の異なる、かつ重複部分のない位置に位置している。
標的細胞
本明細書において使用される用語「標的細胞」は、標的核酸を発現している細胞を意味する。いくつかの態様において、標的細胞は、インビボまたはインビトロであってよい。いくつかの態様において、標的細胞は、哺乳動物細胞、例えばマウス細胞もしくはラット細胞などのげっ歯動物細胞、またはサル細胞もしくはヒト細胞などの霊長類細胞である。
いくつかの好ましい態様において、標的細胞は、ERC1 mRNA、例えばERC1 mRNA前駆体またはERC1成熟mRNAを発現する。典型的には、ERC1 mRNAのポリAテールは、アンチセンスオリゴヌクレオチドのターゲティングの際には無視される。
天然に存在する変異体
用語「天然に存在する変異体」は、ERC1遺伝子または転写物の変異体を意味し、転写物は、標的核酸と同じ遺伝子座から生じ、標的核酸と同じ染色体位置および方向に由来する方向性のある転写物であるが、例えば、同じアミノ酸をコードする多数のコドンを引き起こす遺伝コードの縮重のせいで、またはmRNA前駆体の選択的スプライシングもしくは一塩基多型のような多型の存在、および対立遺伝子変異体が原因で、異なる場合がある。したがって、オリゴヌクレオチドに対して十分に相補的な配列が存在することにより、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的核酸および天然に存在するその変異体を標的とすることができる。
いくつかの態様において、天然に存在する変異体は、哺乳動物ERC1標的核酸、例えば、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、および14からなる群より選択される標的核酸(または本明細書において開示される他の任意のmRNA前駆体もしくはmRNA)に対して少なくとも95%、例えば、少なくとも98%または少なくとも99%の相同性を有している。
発現の調節
本明細書において使用される用語「発現の調節」は、オリゴヌクレオチドの投与前のERC1の量と比べた場合にERC1の量を変化させるオリゴヌクレオチドの能力についての全般的用語として理解すべきである。あるいは、発現の調節は、対照実験を参照することによって明らかにしてもよい。対照は、生理食塩水組成物で処置される個体もしくは標的細胞、または非ターゲティングオリゴヌクレオチド(モック)で処置される個体もしくは標的細胞であることが、一般に理解される。対照は、生理食塩水組成物で処置される標的細胞、または非ターゲティングオリゴヌクレオチド(モック)で処置される標的細胞であることが、一般に理解される。
本発明による調節は、例えば、mRNAの分解または転写の妨害によってERC1の発現を阻害するか、下方調節するか、低減するか、抑制するか、なくすか、停止するか、妨害するか、妨げるか、減らすか、低下させるか、起こらないようにするか、または終結する、アンチセンスオリゴヌクレオチドの能力として理解されるであろう。
高親和性修飾ヌクレオシド
高親和性修飾ヌクレオシドは、オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に、例えば融解温度(Tm)に基づいて測定されるように、相補的標的に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する、修飾ヌクレオシドである。好ましくは、本発明の高親和性修飾ヌクレオシドは、1つの修飾ヌクレオシドにつき、+0.5〜+12℃、より好ましくは+1.5〜+10℃、および最も好ましくは+3〜+8℃の、融解温度の上昇をもたらす。多数の高親和性修飾ヌクレオシドが当技術分野において公知であり、例えば、多くの2'置換ヌクレオシドならびにロックド核酸(LNA)が含まれる(例えば、Freier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213を参照されたい)。
糖修飾
本発明のオリゴマーは、修飾された糖部分、すなわちDNAおよびRNA中に存在するリボース糖部分と比べた場合に糖部分の修飾を有する、1つまたは複数のヌクレオシドを含んでよい。
オリゴヌクレオチドのいくつかの特性、例えば親和性および/またはヌクレアーゼ耐性を改良することを主に目指して、リボース糖部分の修飾を有する多数のヌクレオシドが作られてきた。
このような修飾には、例えば、ヘキソース環(HNA)、またはリボース環上のC2炭素とC4炭素の間にビラジカル架橋を典型的には有する二環式の環(LNA)、またはC2炭素とC3炭素の間の結合を典型的には欠いている非連結リボース環(例えばUNA)による置換によってリボース環構造が修飾されているものが含まれる。他の糖修飾ヌクレオシドには、例えば、ビシクロヘキソース核酸(WO 2011/017521)または三環式核酸(WO 2013/154798)が含まれる。修飾ヌクレオシドには、例えば、ペプチド核酸(PNA)またはモルホリノ核酸の場合に、糖部分が糖ではない部分で置換されているヌクレオシドも含まれる。
また、糖修飾には、リボース環上の置換基を、DNAヌクレオシドおよびRNAヌクレオシド中に天然に存在する水素または2'-OH基以外の基に変更することによって作られる修飾も含まれる。置換基は、例えば、2’位、3’位、4’位、または5’位に導入されてよい。
修飾糖部分を有するヌクレオシドには、2’置換ヌクレオシドのような2’修飾ヌクレオシドも含まれる。実際、2'置換ヌクレオシドを開発することに多くの注目が集まり、多数の2'置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に有益な特性、例えば、増強されたヌクレオシド耐性および増強された親和性を有することが見出された。
2’糖修飾ヌクレオシド
2'糖修飾ヌクレオシドは、2'位にHまたは-OH以外の置換基を有するか(2'置換ヌクレオシド)、またはLNA(2'-4'ビラジカル架橋)ヌクレオシドのように、リボース環中の2'炭素と第2の炭素の間に架橋を形成することができる2'連結ビラジカルを含む、ヌクレオシドである。
実際、2'糖置換ヌクレオシドを開発することに多くの注目が集まり、多数の2'置換ヌクレオシドが、オリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に有益な特性を有することが見出された。2'置換修飾ヌクレオシドの例は、2'-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2'-O-メチル-RNAヌクレオシド、2'-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2'-O-メトキシエチル-RNA(MOE)ヌクレオシド、2'-アミノ-DNAヌクレオシド、2'-フルオロ-RNAヌクレオシド、および2'-F-ANAヌクレオシドである。さらなる例については、例えば、Freier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213、ならびにDeleavey and Damha, Chemistry and Biology 2012, 19, 937を参照して頂きたい。下記は、いくつかの2’置換修飾ヌクレオシドの例である。
Figure 2021510525
ロックド核酸ヌクレオシド(LNA)
「LNAヌクレオシド」は、リボース環の立体構造を制限または固定する、ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'を連結するビラジカル(「2'-4'架橋」とも呼ばれる)を含む、2'修飾ヌクレオシドである。これらのヌクレオシドは、文献において、架橋核酸または二環式核酸(BNA)とも呼ばれている。リボースの立体構造の固定は、LNAがオリゴヌクレオチド中に組み込まれた場合に相補的なRNA分子またはDNA分子に対するハイブリダイゼーションの親和性が増強されること(二重鎖安定化)に関連付けられている。これは、オリゴヌクレオチド/相補物二重鎖の融解温度を測定することによって、ルーチン的に明らかにすることができる。
非限定的な例示的LNAヌクレオシドは、WO 99/014226、WO 00/66604、WO 98/039352、WO 2004/046160、WO 00/047599、WO 2007/134181、WO 2010/077578、WO 2010/036698、WO 2007/090071、WO 2009/006478、WO 2011/156202、WO 2008/154401、WO 2009/067647、WO 2008/150729、Morita et al., Bioorganic & Med.Chem. Lett. 12, 73-76、Seth et al. J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81、およびMitsuoka et al., Nucleic Acids Research 2009, 37(4), 1225-1238において開示されている。
2’-4’架橋は、2位と4位を架橋する原子を含み、具体的には、式-X-Y-を有する(XはC4’に結合しており、YはC2’に結合している):
式中
Xは、酸素、硫黄、-CRaRb-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(=CRaRb)-、-C(Ra)=N-、-Si(Ra)2-、-SO2-、-NRa-、-O-NRa-、-NRa-O-、-C(=J)-、Se、-O-NRa-、-NRa-CRaRb-、-N(Ra)-O-、または-O-CRaRb-であり;
Yは、酸素、硫黄、-(CRaRb)n-、-CRaRb-O-CRaRb-、-C(Ra)=C(Rb)-、-C(Ra)=N-、-Si(Ra)2-、-SO2-、-NRa-、-C(=J)-、Se、-O-NRa-、-NRa-CRaRb-、-N(Ra)-O-、または-O-CRaRb-であり;
ただし、-X-Y-は、-O-O-、Si(Ra)2-Si(Ra)2-、-SO2-SO2-、-C(Ra)=C(Rb)-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=N-C(Ra)=N-、-C(Ra)=N-C(Ra)=C(Rb)、-C(Ra)=C(Rb)-C(Ra)=N-、および-Se-Se-のいずれでもないことを条件とし;
Jは、酸素、硫黄、=CH2、または=N(Ra)であり;
RaおよびRbは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、チオヒドロキシル、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アルコキシ、置換アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、ヘテロシクリル、アミノ、アルキルアミノ、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、アミノアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、カルバミド、アルカノイルオキシ、スルホニル、アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、チオヒドロキシルスルフィドアルキルスルファニル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシカルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、-OC(=Xa)Rc、-OC(=Xa)NRcRd、および-NReC(=Xa)NRcRdより独立に選択されるか、または
2個のジェミナルなRaおよびRbは一緒に、任意で置換されたメチレンを形成するか、または
2個のジェミナルなRaおよびRbは、それらが結合している炭素原子と一緒に、-X-Y-の炭素原子を1つだけ有するシクロアルキルもしくはハロシクロアルキルを形成し;
置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキニル、置換アルコキシ、および置換メチレンは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、ヘテロシリル、アリール、およびヘテロアリールより独立に選択される1〜3個の置換基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、およびメチレンであり;
Xaは、酸素、硫黄、または-NRcであり;
Rc、Rd、およびReは、水素およびアルキルより独立に選択され;かつ
nは、1、2、または3である。
本発明のさらに別の特定の態様において、Xは、酸素、硫黄、-NRa-、-CRaRb-、または-C(=CRaRb)-、具体的には酸素、硫黄、-NH-、-CH2-、または-C(=CH2)-、より具体的には酸素である。
本発明の別の特定の態様において、Yは、-CRaRb-、-CRaRb-CRaRb-、または-CRaRb-CRaRb-CRaRb-、特に-CH2-CHCH3-、-CHCH3-CH2-、-CH2-CH2-、または-CH2-CH2-CH2-である。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-O-(CRaRb)n-、-S-CRaRb-、-N(Ra)CRaRb-、-CRaRb-CRaRb-、-O-CRaRb-O-CRaRb-、-CRaRb-O-CRaRb-、-C(=CRaRb)-CRaRb-、-N(Ra)CRaRb-、-O-N(Ra)-CRaRb-、または-N(Ra)-O-CRaRb-である。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に、水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキルからなる群より独立に選択される。
本発明の別の態様において、RaおよびRbは、水素、フルオロ、ヒドロキシル、メチル、および-CH2-O-CH3、特に、水素、フルオロ、メチル、および-CH2-O-CH3からなる群より独立に選択される。
有利には、-X-Y-のRaおよびRbのうちの1つが上記に定義されたとおりであり、他ものがすべて、同時に水素である。
本発明のさらに別の特定の態様において、Raは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。
本発明の別の特定の態様において、Rbは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbの一方または両方は、水素である。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbの一方のみが、水素である。
本発明の1つの特定の態様において、RaおよびRbの一方はメチルであり、他方は水素である。
本発明の特定の態様において、RaおよびRbは、同時に両方ともメチルである。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CH2-、-S-CH2-、-S-CH(CH3)-、-NH-CH2-、-O-CH2CH2-、-O-CH(CH2-O-CH3)-、-O-CH(CH2CH3)-、-O-CH(CH3)-、-O-CH2-O-CH2-、-O-CH2-O-CH2-、-CH2-O-CH2-、-C(=CH2)CH2-、-C(=CH2)CH(CH3)-、-N(OCH3)CH2-、または-N(CH3)CH2-である。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CRaRb-(式中、RaおよびRbは、水素、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に、水素、メチル、および-CH2-O-CH3からなる群より独立に選択される)である。
特定の実施形態において、-X-Y-は、-O-CH2-または-O-CH(CH3)-、特に-O-CH2-である。
2’-4’架橋は、式(A)および式(B)にそれぞれ示すように、リボース環の面より下(β-D-配置)または環の面より上(α-L-配置)のいずれかに位置してよい。
本発明によるLNAヌクレオシドは、具体的には、式(A)または(B)を有する:
Figure 2021510525
式中、
Wは、酸素、硫黄、-N(Ra)-、または-CRaRb-、特に酸素であり;
Bは、核酸塩基または修飾核酸塩基であり;
Zは、隣接ヌクレオシドへのヌクレオシド間結合または5'末端基であり;
Z*は、隣接ヌクレオシドへのヌクレオシド間結合または3'末端基であり;
R1、R2、R3、R5、およびR5*は、水素、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、アジド、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ホルミル、およびアリールより独立に選択され;かつ
X、Y、Ra、およびRbは、上記に定義されたとおりである。
特定の態様では、-X-Y-の定義において、Raは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。別の特定の態様では、-X-Y-の定義において、Rbは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。さらに別の特定の態様では、-X-Y-の定義において、RaおよびRbの一方または両方は、水素である。特定の態様では、-X-Y-の定義において、RaおよびRbの一方のみが、水素である。1つの特定の態様では、-X-Y-の定義において、RaおよびRbの一方はメチルであり、他方は水素である。特定の態様では、-X-Y-の定義において、RaおよびRbは、同時に両方ともメチルである。
さらに別の特定の態様では、Xの定義において、Raは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。別の特定の態様では、Xの定義において、Rbは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。特定の態様では、Xの定義において、RaおよびRbの一方または両方は、水素である。特定の態様では、Xの定義において、RaおよびRbの一方のみが、水素である。1つの特定の態様では、Xの定義において、RaおよびRbの一方はメチルであり、他方は水素である。特定の態様では、Xの定義において、RaおよびRbは、同時に両方ともメチルである。
さらに別の特定の態様では、Yの定義において、Raは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。別の特定の態様では、Yの定義において、Rbは、水素またはアルキル、特に、水素またはメチルである。特定の態様では、Yの定義において、RaおよびRbの一方または両方は、水素である。特定の態様では、Yの定義において、RaおよびRbの一方のみが、水素である。1つの特定の態様では、Yの定義において、RaおよびRbの一方はメチルであり、他方は水素である。特定の態様では、Yの定義において、RaおよびRbは、同時に両方ともメチルである。
本発明の特定の態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、水素およびアルキル、特に、水素およびメチルより独立に選択される。
本発明のさらに別の特定の有利な態様において、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。
本発明の別の特定の態様において、R1、R2、R3は、同時にすべて水素であり、R5およびR5*の一方は水素であり、他方は上記に定義されたとおり、具体的にはアルキル、より具体的にはメチルである。
本発明の特定の態様において、R5およびR5*は、水素、ハロゲン、アルキル、アルコキシアルキル、およびアジドより、特に、水素、フルオロ、メチル、メトキシエチル、およびアジドより独立に選択される。本発明の特定の有利な態様において、R5およびR5*の一方は水素であり、他方はアルキル、特にメチル、ハロゲン、特にフルオロ、アルコキシアルキル、特にメトキシエチル、もしくはアジドであるか;またはR5およびR5*は、両方とも同時に水素もしくはハロゲン、特に、両方とも同時に水素もしくはフルオロである。このような特定の態様において、Wは、有利には、酸素であることができ、-X-Y-は有利には-O-CH2-であることができる。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このようなLNAヌクレオシドは、すべて参照により本明細書に組み入れられるWO 99/014226、WO 00/66604、WO 98/039352、およびWO 2004/046160において開示されており、β-D-オキシLNAヌクレオシドおよびα-L-オキシLNAヌクレオシドとして当技術分野において一般に公知であるものが含まれる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-S-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このようなチオLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 99/014226およびWO 2004/046160において開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-NH-CH2であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このようなアミノLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 99/014226およびWO 2004/046160において開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2CH2-または-OCH2CH2CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このようなLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 00/047599およびMorita et al., Bioorganic & Med.Chem. Lett. 12, 73-76において開示されており、2'-O-4'C-エチレンで架橋された核酸(ENA)として当技術分野において一般に公知であるものが含まれる。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3は、同時にすべて水素であり、R5およびR5*の一方は水素であり、他方は水素ではなく、例えばアルキル、例えばメチルである。このような5’置換LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2007/134181において開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CRaRb-(式中、RaおよびRbの一方または両方は、水素ではなく、具体的にはアルキル、例えばメチルである)であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3は、同時にすべて水素であり、R5およびR5*の一方は水素であり、他方は水素ではなく、具体的にはアルキル、例えばメチルである。このような2箇所修飾されたLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2010/077578において開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CHRa-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このような6’置換LNAヌクレオシドは、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 2010/036698およびWO 2007/090071において開示されている。このような6’置換LNAヌクレオシドにおいて、Raは、具体的にはC1〜C6アルキル、例えばメチルである。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH2-O-CH3)-(「2’O-メトキシエチル二環式核酸」、Seth et al. J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81)である。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH2CH3)-(「2’O-エチル二環式核酸」、Seth et al., J. Org. Chem. 2010, Vol 75(5) pp. 1569-81)である。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH2-O-CH3)-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このようなLNAヌクレオシドはまた、当技術分野において環式MOE(cMOE)としても公知であり、WO 2007/090071において開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CH(CH3)-である。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CH2-O-CH2-(Seth et al., J. Org. Chem 2010 前掲書中)である。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CH(CH3)-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このような6’-メチルLNAヌクレオシドはまた、当技術分野においてcETヌクレオシドとしても公知であり、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 2007/090071(β-D)およびWO 2010/036698(α-L)において開示されているように、(S)-cETジアステレオ異性体または(R)-cETジアステレオ異性体のいずれかであってよい。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-O-CRaRb-(式中、RaもRbも水素ではない)であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。特定の態様において、RaおよびRbは、同時に両方ともアルキルであり、特に、同時に両方ともメチルである。このような6’二置換LNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2009/006478において開示されている。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は-S-CHRa-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5およびR5*は、同時にすべて水素である。このような6’置換チオLNAヌクレオシドは、参照により本明細書に組み入れられるWO 2011/156202において開示されている。このような6’置換チオLNAヌクレオシドの特定の態様において、Raは、アルキル、特に、メチルである。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-C(=CH2)C(RaRb)-、-C(=CHF)C(RaRb)-、または-C(=CF2)C(RaRb)-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。有利には、RaおよびRbは、水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に、水素、メチル、フルオロ、およびメトキシメチルより独立に選択される。特に、RaおよびRbは、両方とも同時に水素もしくはメチルであるか、またはRaおよびRbの一方は水素であり、他方はメチルである。このようなビニルカルボLNAヌクレオシドは、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 2008/154401およびWO 2009/067647において開示されている。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は-N(ORa)-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。特定の態様において、Raは、アルキル、例えばメチルである。このようなLNAヌクレオシドはまた、N置換LNAとしても公知であり、参照により本明細書に組み入れられるWO 2008/150729において開示されている。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-O-N(Ra)-、-N(Ra)-O-、-NRa-CRaRb-CRaRb-、または-NRa-CRaRb-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。有利には、RaおよびRbは、水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に、水素、メチル、フルオロ、およびメトキシメチルより独立に選択される。特定の態様において、Raは、アルキル、例えばメチルであり、Rbは、水素またはメチル、特に水素である(Seth et al., J. Org. Chem 2010前掲書中)。
本発明の別の特定の態様において、-X-Y-は、-O-N(CH3)-である(Seth et al., J. Org. Chem 2010 前掲書中)。
本発明の特定の態様において、R5およびR5*は、同時に両方とも水素である。本発明の別の特定の態様において、R5およびR5*の一方は水素であり、他方はアルキル、例えばメチルである。このような態様において、R1、R2、およびR3は、特に水素であることができ、-X-Y-は、特に-O-CH2-または-O-CHC(Ra)3-、例えば-O-CH(CH3)-であることができる。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-CRaRb-O-CRaRb-、例えば-CH2-O-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。このような特定の態様において、Raは、特にアルキル、例えばメチルであることができ、Rbは、水素またはメチル、特に水素であることができる。このようなLNAヌクレオシドは、立体構造が制限されたヌクレオチド(CRN)としても公知であり、参照により本明細書に組み入れられるWO 2013/036868において開示されている。
本発明の特定の態様において、-X-Y-は、-O-CRaRb-O-CRaRb-、例えば-O-CH2-O-CH2-であり、Wは酸素であり、R1、R2、R3、R5、およびR5*は、同時にすべて水素である。有利には、RaおよびRbは、水素、ハロゲン、アルキル、およびアルコキシアルキル、特に、水素、メチル、フルオロ、およびメトキシメチルより独立に選択される。このような特定の態様において、Raは、特にアルキル、例えばメチルであることができ、Rbは、水素またはメチル、特に水素であることができる。このようなLNAヌクレオシドはまた、COCヌクレオチドとしても公知であり、参照により本明細書に組み入れられるMitsuoka et al., Nucleic Acids Research 2009, 37(4), 1225-1238において開示されている。
指定がない限り、LNAヌクレオシドは、β-D型またはα-L型の立体アイソフォームで存在してよいことが認識される。
本発明のLNAヌクレオシドの具体例は、スキーム1(式中、Bは上記に定義されたとおりである)に提示される。
スキーム1
Figure 2021510525
具体的なLNAヌクレオシドは、β-D-オキシ-LNA、6’-メチル-β-D-オキシLNA、例えば、(S)-6’-メチル-β-D-オキシ-LNA(ScET)およびENAである。
本発明の出発物質または出発化合物のうちの1つが、1つまたは複数の反応段階の反応条件下で安定ではないか、または反応性である、1つまたは複数の官能基を含む場合、当技術分野において周知の方法を適用して、適切な保護基(例えば、“Protective Groups in Organic Chemistry” by T. W. Greene and P. G. M. Wuts, 3rd Ed., 1999, Wiley, New Yorkにおいて説明されている)を、その重大な段階の前に導入することができる。このような保護基は、文献に記載されている標準的方法を用いて、合成のより後の段階で除去することができる。保護基の例は、tert-ブトキシカルボニル(Boc)、9-フルオレニルメチルカルバマート(Fmoc)、2-トリメチルシリルエチルカルバマート(Teoc)、カルボベンジルオキシ(Cbz)、およびp-メトキシベンジルオキシカルボニル(Moz)である。
本明細書において説明される化合物は、いくつかの不斉中心を含むことができ、光学的に純粋な鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、例えばラセミ体、ジアステレオ異性体の混合物、ジアステレオ異性体ラセミ体、またはジアステレオ異性体ラセミ体の混合物の形態で存在することができる。
用語「不斉炭素原子」は、4つの異なる置換基を有する炭素原子を意味する。カーン-インゴールド-プレローグ則によれば、不斉炭素原子は、「R」配置または「S」配置のものであることができる。
化学基の定義
本明細書において、用語「アルキル」は、単独でまたは組合せで、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基、具体的には1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基、より具体的には1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を意味する。直鎖および分枝鎖のC1〜C8アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、異性体ペンチル、異性体ヘキシル、異性体ヘプチル、および異性体オクチル、特に、メチル、エチル、プロピル、ブチル、およびペンチルである。アルキルの具体例は、メチル、エチル、およびプロピルである。
用語「シクロアルキル」は、単独でまたは組合せで、3〜8個の炭素原子を有するシクロアルキル環、および具体的には3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル環を意味する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチル、より具体的にはシクロプロピルおよびシクロブチルである。「シクロアルキル」の具体例は、シクロプロピルである。
用語「アルコキシ」は、単独でまたは組合せで、式アルキル-O-(式中、用語「アルキル」は、先に示した意味を有する)を有する基、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、およびtert-ブトキシを意味する。具体的な「アルコキシ」は、メトキシおよびエトキシである。メトキシエトキシは、「アルコキシアルコキシ」の具体例である。
用語「オキシ」は、単独でまたは組合せで、-O-基を意味する。
用語「アルケニル」は、単独でまたは組合せで、オレフィン結合および最高8個、好ましくは最高6個、特に好ましくは最高4個の炭素原子を含む、直鎖または分枝の炭化水素残基を意味する。アルケニル基の例は、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、isoプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、およびイソブテニルである。
用語「アルキニル」は、単独でまたは組合せで、三重結合および最高8個、好ましくは最高6個、特に好ましくは最高4個の炭素原子を含む、直鎖または分枝の炭化水素残基を意味する。
用語「ハロゲン」または「ハロ」は、単独でまたは組合せで、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素、および具体的には、フッ素、塩素、または臭素、より具体的にはフッ素を意味する。用語「ハロ」は、別の基との組合せで、少なくとも1つのハロゲンによる該基の置換、具体的には1〜5個のハロゲン、特に1〜4個のハロゲン、すなわち、1個、2個、3個、または4個のハロゲンによる置換を意味する。
用語「ハロアルキル」は、単独でまたは組合せで、少なくとも1つのハロゲンによって置換された、具体的には1〜5個のハロゲン、特に1〜3個のハロゲンよって置換された、アルキル基を意味する。ハロアルキルの例には、モノフルオロ-、ジフルオロ-、またはトリフルオロ-メチル、-エチル、または-プロピル、例えば3,3,3-トリフルオロプロピル、2-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、フルオロメチル、またはトリフルオロメチルが含まれる。フルオロメチル、ジフルオロメチル、およびトリフルオロメチルは、具体的な「ハロアルキル」である。
用語「ハロシクロアルキル」は、単独でまたは組合せで、少なくとも1つのハロゲンによって置換された、具体的には1〜5個のハロゲン、特に1〜3個のハロゲンよって置換された、上記に定義されたシクロアルキル基を意味する。「ハロシクロアルキル」の具体例は、ハロシクロプロピル、特にフルオロシクロプロピル、ジフルオロシクロプロピル、およびトリフルオロシクロプロピルである。
用語「ヒドロキシル」および「ヒドロキシ」は、単独でまたは組合せで、-OH基を意味する。
用語「チオヒドロキシル」および「チオヒドロキシ」は、単独でまたは組合せで、-SH基を意味する。
用語「カルボニル」は、単独でまたは組合せで、-C(O)-基を意味する。
用語「カルボキシ」または「カルボキシル」は、単独でまたは組合せで、-COOH基を意味する。
用語「アミノ」は、単独でまたは組合せで、第一級アミノ基(-NH2)、第二級アミノ基(-NH-)、または第三級アミノ基(-N-)を意味する。
用語「アルキルアミノ」は、単独でまたは組合せで、上記に定義された1つまたは2個のアルキル基で置換された、上記に定義されたアミノ基を意味する。
用語「スルホニル」は、単独でまたは組合せで、-SO2基を意味する。
用語「スルフィニル」は、単独でまたは組合せで、-SO-基を意味する。
用語「スルファニル」は、単独でまたは組合せで、-S-基を意味する。
用語「シアノ」は、単独でまたは組合せで、-CN基を意味する。
用語「アジド」は、単独でまたは組合せで、-N3基を意味する。
用語「ニトロ」は、単独でまたは組合せで、NO2基を意味する。
用語「ホルミル」は、単独でまたは組合せで、-C(O)H基を意味する。
用語「カルバモイル」は、単独でまたは組合せで、-C(O)NH2基を意味する。
用語「カルバミド」は、単独でまたは組合せで、-NH-C(O)-NH2基を意味する。
用語「アリール」は、単独でまたは組合せで、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、およびホルミルより独立に選択される1〜3個の置換基によって任意で置換された、6〜10個の炭素環原子を含む、一価芳香族炭素環式の一環式または二環式の環系を意味する。アリールの例には、フェニルおよびナフチル、特にフェニルが含まれる。
用語「ヘテロアリール」は、単独でまたは組合せで、N、O、およびSより選択される1個、2個、3個、または4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、5〜12個の環原子を有する一価芳香族複素環式の一環式または二環式の環系を意味し、これは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、およびホルミルより独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリールの例には、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、イソオキサゾリル、ベンゾフラニル、イソチアゾリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、イソベンゾフラニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、カルバゾリル、またはアクリジニルが含まれる。
用語「ヘテロシクリル」は、単独でまたは組合せで、N、O、およびSより選択される1個、2個、3個、または4個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子が炭素である、4〜12個、特に4〜9個の環原子を有する一価の飽和または部分的に不飽和な一環式または二環式の環系を意味し、これは、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケニルオキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、およびホルミルより独立に選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい。単環式の飽和ヘテロシクリルの例は、アゼチジニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、チアゾリジニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリン-4-イル、アゼパニル、ジアゼパニル、ホモピペラジニル、またはオキサゼパニルである。二環式の飽和ヘテロシクロアルキルの例は、8-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、キヌクリジニル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、3-オキサ-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニル、または3-チア-9-アザ-ビシクロ[3.3.1]ノニルである。部分的に不飽和なヘテロシクロアルキルの例は、ジヒドロフリル、イミダゾリニル、ジヒドロオキサゾリル、テトラヒドロピリジニル、またはジヒドロピラニルである。
薬学的に許容される塩
用語「薬学的に許容される塩」は、生物学的にまたは他の点で望ましくない遊離塩基または遊離酸の生物学的な有効性および特性を保持している塩を意味する。これらの塩は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、特に塩酸、ならびに酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸、N-アセチルシステインなどの有機酸と共に形成される。さらに、これらの塩は、遊離酸への無機塩基または有機塩基の添加によって調製されてもよい。無機塩基に由来する塩には、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。有機塩基に由来する塩には、第一級アミン、第二級アミン、および第三級アミン、天然の置換アミンを含む置換アミン、環状アミン、および塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、リジン、アルギニン、N-エチルピペリジン、ピペリジン、ポリアミンの樹脂の塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。式(I)の化合物はまた、双性イオンの形態で存在することもできる。式(I)の化合物の特に好ましい薬学的に許容される塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、およびメタンスルホン酸塩である。
保護基
用語「保護基」は、単独でまたは組合せで、別の未保護の反応部位で選択的に化学反応を行うことができるように、多官能性化合物中の反応部位を選択的に封じ込める基を意味する。保護基は、除去することができる。例示的な保護基は、アミノ保護基、カルボキシ保護基、またはヒドロキシ保護基である。
ヌクレアーゼを媒介とした分解
ヌクレアーゼを媒介とした分解は、相補的ヌクレオチド配列との二重鎖を形成した際にそのような配列の分解をもたらすことができるオリゴヌクレオチドに関係する。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼを媒介とした標的核酸の分解を介して機能することができ、その際、本発明のオリゴヌクレオチドは、ヌクレアーゼ、特にエンドヌクレアーゼ、好ましくはRNアーゼHのようなエンドリボヌクレアーゼ(RNアーゼ)を動員することができる。ヌクレアーゼを媒介としたメカニズムを介して作動するオリゴヌクレオチド設計の例は、少なくとも5個または6個のDNAヌクレオシドからなる領域を典型的に含み、親和性増強ヌクレオシド、例えばギャップマー、ヘッドマー、およびテイルマーが片側または両側に隣接している、オリゴヌクレオチドである。
RNアーゼH活性および動員
アンチセンスオリゴヌクレオチドのRNアーゼH活性は、相補的RNA分子との二重鎖の状態にある場合にRNアーゼHを動員する能力を指す。WO 01/23613は、RNアーゼHを動員する能力を測定するのに使用することができる、RNアーゼH活性を測定するためのインビトロの方法を提供している。典型的には、オリゴヌクレオチドは、以下の条件を満たす場合、RNアーゼHを動員することができるとみなされる:すなわち、オリゴヌクレオチドが相補的標的核酸配列と共に提供された場合の初速度(pmol/l/分の単位で測定される)が、試験される該修飾オリゴヌクレオチドと同じ塩基配列を有するがオリゴヌクレオチド中のすべてのモノマー間にホスホロチオアート結合を有するDNAモノマーのみを含むオリゴヌクレオチドを用い、かつ(参照により本明細書に組み入れられる)WO 01/23613の実施例91〜95によって提供される方法論を用いた場合に測定される初速度の少なくとも5%、例えば少なくとも10%、または20%超であること。RHアーゼH活性を測定する際に使用するために、組換えヒトRNアーゼH1が、Lubio Science GmbH, Lucerne, Switzerlandから入手可能である。
ギャップマー
本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、ギャップマーであってよい。アンチセンスギャップマーは、RNアーゼHを媒介とした分解によって標的核酸を阻害するために一般に使用される。ギャップマーオリゴヌクレオチドは、少なくとも3つの独特な構造領域である5'フランク、ギャップ、および3'フランク、すなわちF-G-F'を5'→3'の向きに含む。「ギャップ」領域(G)は、オリゴヌクレオチドがRNアーゼHを動員するのを可能にする一続きの連続DNAヌクレオチドを含む。ギャップ領域には、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む5'隣接領域(F)、および1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、有利には高親和性糖修飾ヌクレオシドを含む3'隣接領域(F')が隣接している。領域Fおよび領域F'中の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、標的核酸に対するオリゴヌクレオチドの親和性を増強する(すなわち、親和性を増強する糖修飾ヌクレオシドである)。いくつかの態様において、領域Fおよび領域F'中の1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシドは、2'糖修飾ヌクレオシド、例えば高親和性2'糖修飾であり、例えば、LNAおよび2'-MOEより独立に選択される。
ギャップマー設計において、ギャップ領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはDNAヌクレオシドであり、それぞれ5'(F)領域または3'(F')領域の糖修飾ヌクレオシドに隣接して配置される。これらのフランクは、ギャップ領域から最も離れた末端、すなわち5'フランクの5'末端および3'フランクの3'末端に少なくとも1つの糖修飾ヌクレオシドを有することを、さらに定義されてもよい。
領域F-G-F'は、連続ヌクレオチド配列を形成する。本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、式F-G-F'のギャップマー領域を含んでよい。
ギャップマー設計F-G-F'の全長は、例えば12〜32ヌクレオシド、例えば13〜24、例えば14〜22ヌクレオシド、例えば14〜17、例えば16〜18ヌクレオシドであってよい。
例として、本発明のギャップマーオリゴヌクレオチドは、以下の式によって表すことができる:
F1〜8-G5〜16-F’1〜8、例えばF1〜8-G7〜16-F’2〜8
ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
領域F、G、およびF'を下記にさらに定義し、F-G-F'式に組み入れることができる。
ギャップマー―領域G
ギャップマーの領域G(ギャップ領域)は、オリゴヌクレオチドがRNアーゼH、例えばヒトRNアーゼH1を動員するのを可能にするヌクレオシド、典型的にはDNAヌクレオシドからなる領域である。RNアーゼHは、DNAとRNAとの二重鎖を認識しRNA分子を酵素的に切断する細胞酵素である。適切なギャップマーは、長さが少なくとも5個または6個の連続DNAヌクレオシド、例えば5〜16個の連続DNAヌクレオシド、例えば6〜15個の連続DNAヌクレオシド、例えば7〜14個の連続DNAヌクレオシド、例えば8〜12個の連続DNAヌクレオチド、例えば8〜12個の連続DNAヌクレオチドのギャップ領域(G)を有してよい。いくつかの態様において、ギャップ領域Gは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個の連続DNAヌクレオシドからなってよい。ギャップ領域中のシトシン(C)DNAは、場合によってはメチル化されていてよく、このような残基は、5-メチル-シトシン(meC)として、またはcの代わりにeを用いて、アノテーションを付される。ギャップ中のシトシンDNAのメチル化は、潜在的毒性を低減するために、cgジヌクレオチドがギャップ中に存在している場合に有利であり、この修飾は、オリゴヌクレオチドの有効性に対して大きな影響を与えない。
いくつかの態様において、ギャップ領域Gは、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個の連続のホスホロチオアート結合DNAヌクレオシドからなってもよい。いくつかの態様において、ギャップ中のヌクレオシド間結合のすべてが、ホスホロチオアート結合である。
従来のギャップマーはDNAギャップ領域を有しているが、ギャップ領域内で使用された場合にRNアーゼH動員を可能にする修飾ヌクレオシドの例が多数ある。ギャップ領域内に含まれた場合にRNアーゼHを動員することができると報告されている修飾ヌクレオシドには、例えば、α-L-LNA、C4'アルキル化DNA(どちらも参照により本明細書に組み入れられるPCT/EP2009/050349およびVester et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 18 (2008) 2296-2300において説明されている)、ANAおよび2'F-ANAのようなアラビノース由来ヌクレオシド(Mangos et al. 2003 J. AM. CHEM. SOC. 125, 654-661)、UNA (unlocked nucleic acid)(参照により本明細書に組み入れられるFluiter et al., Mol. Biosyst., 2009, 10, 1039において説明されている)が含まれる。UNAは、アンロックド核酸であり、典型的にはリボースのC2とC3の間の結合が除去されてアンロックド「糖」残基を形成している。このようなギャップマー中で使用される修飾ヌクレオシドは、ギャップ領域中に導入された場合に2'エンド(DNA様)構造をとるヌクレオシド、すなわちRNアーゼH動員を可能にする修飾物であってよい。いくつかの態様において、本明細書において説明されるDNAギャップ領域(G)は、ギャップ領域中に導入された場合に2'エンド(DNA様)構造をとる1〜3個の糖修飾ヌクレオシドを任意で含んでよい。
領域G―「ギャップブレーカー」
あるいは、ギャップマーのギャップ領域に3'エンド立体構造を与え、同時にいくらかのRNアーゼH活性を保持する、修飾ヌクレオシドの挿入についても多数の報告がある。1つまたは複数の3'エンド修飾ヌクレオシドを含むギャップ領域を有するこのようなギャップマーは、「ギャップブレーカー」または「ギャップが破壊された」ギャップマーとも呼ばれる。例えばWO 2013/022984を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドは、RNアーゼH動員を可能にするのに十分なDNAヌクレオシド領域をギャップ領域内に保持している。RNアーゼHを動員するギャップブレーカーオリゴヌクレオチド設計の能力は、典型的には、配列特異的またはさらに化合物特異的である―標的RNAのより特異的な切断を場合によっては提供するRNアーゼHを動員する「ギャップブレーカー」オリゴヌクレオチドを開示しているRukov et al. 2015 Nucl. Acids Res. Vol. 43 pp. 8476-8487を参照されたい。ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドのギャップ領域内で使用される修飾ヌクレオシドは、例えば、3'エンド確認を与える修飾ヌクレオシド、例えば2'-O-メチル(OMe)ヌクレオシドもしくは2'-O-MOE(MOE)ヌクレオシド、またはβ-D LNAヌクレオシド(ヌクレオシドのリボース糖環のC2'とC4'の間の架橋がβ配座の状態にある)、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドもしくはScETヌクレオシドであってよい。
前述の領域Gを含むギャップマーと同様に、ギャップブレーカーまたはギャップが破壊されたギャップマーのギャップ領域は、(領域Fの3'ヌクレオシドに隣接している)ギャップの5'末端におけるDNAヌクレオシドおよび(領域F'の5'ヌクレオシドに隣接している)ギャップの3'末端におけるDNAヌクレオシドを有する。破壊されたギャップを含むギャップマーは、典型的には、ギャップ領域の5'末端または3'末端のいずれかに、少なくとも3個または4個の連続DNAヌクレオシドからなる領域を保持している。
ギャップブレーカーオリゴヌクレオチドの例示的な設計には、
F1〜8-[D3〜4-E1-D3〜4]-F’1〜8
F1〜8-[D1〜4-E1-D3〜4]-F’1〜8
F1〜8-[D3〜4-E1-D1〜4]-F’1〜8
が含まれ、
式中、領域Gは、角括弧[Dn-Er-Dm]の中にあり、Dは、DNAヌクレオシドの連続配列であり、Eは、修飾ヌクレオシド(ギャップブレーカーまたはギャップ破壊ヌクレオシド)であり、FおよびF'は、本明細書において定義される隣接領域であり、ただし、ギャップマー領域F-G-F'の全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
いくつかの態様において、ギャップが破壊されたギャップマーの領域Gは、少なくとも6個のDNAヌクレオシド、例えば、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、または16個のDNAヌクレオシドを含む。前述したように、DNAヌクレオシドは、連続していてよく、または任意で、1つもしくは複数の修飾ヌクレオシドが割り込んでいてよく、ただし、ギャップ領域GがRNアーゼH動員を媒介できることを条件とする。
ギャップマー―隣接領域FおよびF’
領域Fは、領域Gの5'DNAヌクレオシドのすぐ隣に位置している。領域Fの最も3'側のヌクレオシドは、高親和性糖修飾ヌクレオシドのような糖修飾ヌクレオシド、例えば、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
領域F'は、領域Gの3'DNAヌクレオシドのすぐ隣に位置している。領域F'の最も5'側のヌクレオシドは、高親和性糖修飾ヌクレオシドのような糖修飾ヌクレオシド、例えば、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシド、またはLNAヌクレオシドである。
領域Fは、長さが1〜8個の連続ヌクレオチド、例えば長さが2〜6個、例えば3〜4個の連続ヌクレオチドである。有利には、領域Fの最も5'側のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側の2個のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側の2個のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側の2個のヌクレオシドは、2'置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2個の3'MOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fの最も5'側のヌクレオシドは、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシドである。
領域F'は、長さが2〜8個の連続ヌクレオチド、例えば長さが3〜6個、例えば4〜5個の連続ヌクレオチドである。有利には、いくつかの態様において、領域F'の最も3'側のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側の2個のヌクレオシドは、糖修飾ヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側の2個のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側のヌクレオシドは、LNAヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側の2個のヌクレオシドは、2'置換ヌクレオシドヌクレオシド、例えば2個の3'MOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域F'の最も3'側のヌクレオシドは、MOEヌクレオシドのような2'置換ヌクレオシドである。
領域Fまたは領域F'の長さが1である場合、それは有利にはLNAヌクレオシドであることに注意すべきである。
いくつかの態様において、領域Fおよび領域F’は、独立に、糖修飾ヌクレオシドの連続配列からなるか、またはそれを含む。いくつかの態様において、領域Fの糖修飾ヌクレオシドは、2'-Oアルキル-RNAユニット、2'-O-メチル-RNA、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、2'-アルコキシ-RNA、MOEユニット、LNAユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、および2'-フルオロ-ANAユニットより独立に選択され得る。
いくつかの態様において、領域Fおよび領域F'は、独立にLNAヌクレオシドおよび2'置換修飾ヌクレオシドの両方を含む(混合ウイング設計)。
いくつかの態様において、領域FおよびF’は、1つのタイプの糖修飾ヌクレオシドのみから、例えば、MOEのみ、またはβ-D-オキシLNAのみ、またはScETのみからなる。このような設計は、均一フランク設計または均一ギャップマー設計とも呼ばれる。
いくつかの態様において、領域FもしくはF'、またはFおよびF'のすべてのヌクレオシドはLNAヌクレオシドであり、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシド、ENAヌクレオシド、またはScETヌクレオシドより独立に選択される。いくつかの態様において、領域Fは、1〜5個、例えば2〜4個、例えば3〜4個、例えば、1個、2個、3個、4個、または5個の連続LNAヌクレオシドからなる。いくつかの態様において、領域FおよびF’のすべてのヌクレオシドは、β-D-オキシLNAヌクレオシドである。
いくつかの態様において、領域FもしくはF'、またはFおよびF'のすべてのヌクレオシドは、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドである。いくつかの態様において、領域Fは、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、または8個の連続OMeヌクレオシドまたは連続MOEヌクレオシドからなる。いくつかの態様において、隣接領域のうちの1つだけが、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドからなることができる。いくつかの態様において、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドからなるのは5'(F)隣接領域であり、一方、3'(F')隣接領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、2'置換ヌクレオシド、例えば、OMeヌクレオシドまたはMOEヌクレオシドからなるのは3'(F')隣接領域であり、一方、5'(F)隣接領域は、少なくとも1つのLNAヌクレオシド、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシドまたはcETヌクレオシドを含む。
いくつかの態様において、領域FおよびF'のすべての修飾ヌクレオシドはLNAヌクレオシドであり、例えば、β-D-オキシLNAヌクレオシド、ENAヌクレオシド、またはScETヌクレオシドより独立に選択され、その際、領域FもしくはF'、またはFおよびF'は、任意で、DNAヌクレオシドを含んでよい(交互フランク、より詳細についてはこれらの定義を参照されたい)。いくつかの態様において、領域FおよびF'のすべての修飾ヌクレオシドはβ-D-オキシLNAヌクレオシドであり、その際、領域FもしくはF'、またはFおよびF'は、任意で、DNAヌクレオシドを含んでよい(交互フランク、より詳細についてはこれらの定義を参照されたい)。
いくつかの態様において、領域FおよびF'の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドは、LNAヌクレオシド、例えばβ-D-オキシLNAヌクレオシドまたはScETヌクレオシドである。
いくつかの態様において、領域Fと領域Gの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、領域F'と領域Gの間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。いくつかの態様において、領域FまたはF'、FおよびF'のヌクレオシド間のヌクレオシド間結合は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
さらなるギャップマー設計は、参照により本明細書に組み入れられるWO 2004/046160、WO 2007/146511、およびWO 2008/113832において開示されている。
LNAギャップマー
LNAギャップマーは、領域FおよびF'のいずれか一方または両方がLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなる、ギャップマーである。β-D-オキシギャップマーは、領域FおよびF'のいずれか一方または両方がβ-D-オキシLNAヌクレオシドを含むか、またはそれからなる、ギャップマーである。
いくつかの態様において、LNAギャップマーは、式:[LNA]1〜5-[領域G]-[LNA]1〜5(式中、領域Gはギャップマー領域Gの定義において定義されるとおりである)を有する。
MOEギャップマー
MOEギャップマーは、領域Fおよび領域F'がMOEヌクレオシドからなるギャップマーである。いくつかの態様において、MOEギャップマーは、設計[MOE]1〜8-[領域G]-[MOE]1〜8、例えば[MOE]2〜7-[領域G]5〜16-[MOE]2〜7、例えば[MOE]3〜6-[領域G]-[MOE]3〜6(式中、領域Gはギャップマーの定義において定義されるとおりである)を有する。5〜10-5設計(MOE-DNA-MOE)を有するMOEギャップマーが、当技術分野で広く使用されている。
混合ウイングギャップマー
混合ウイングギャップマーは、領域Fおよび領域F'の一方または両方が、2'置換ヌクレオシド、例えば、2'-Oアルキル-RNAユニット、2'-O-メチル-RNA、2'-アミノ-DNAユニット、2'-フルオロ-DNAユニット、2'-アルコキシ-RNA、MOEユニット、アラビノ核酸(ANA)ユニット、および2'-フルオロ-ANAユニットからなる群より独立に選択される2'置換ヌクレオシド、例えばMOEヌクレオシドを含む、LNAギャップマーである。領域Fおよび領域F'のうちの少なくとも1つまたは領域Fおよび領域F'の両方が少なくとも1つのLNAヌクレオシドを含むいくつかの態様において、領域Fおよび領域F'の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群より独立に選択される。領域Fおよび領域F'のうちの少なくとも1つまたは領域Fおよび領域F'の両方が少なくとも2個のLNAヌクレオシドを含むいくつかの態様において、領域Fおよび領域F'の残りのヌクレオシドは、MOEおよびLNAからなる群より独立に選択される。いくつかの混合ウイング態様において、領域Fおよび領域F'の一方または両方は、1つまたは複数のDNAヌクレオシドをさらに含んでよい。
混合ウイングギャップマー設計は、どちらも参照により本明細書に組み入れられるWO 2008/049085およびWO 2012/109395において開示されている。
交互フランクギャップマー
隣接領域は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む場合があり、これらはLNA-DNA-LNAヌクレオシドという交互モチーフを含むことから、「交互フランク」と呼ばれる。このような交互フランクを含むギャップマーは、「交互フランクギャップマー」と呼ばれる。したがって、「交互フランクギャップマー」は、フランク(FまたはF’)の少なくとも1つがLNAヌクレオシドに加えてDNAを含むLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、領域Fもしくは領域F'の少なくとも1つ、または領域Fおよび領域F'の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような態様において、隣接領域FもしくはF'、またはFおよびF'の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、F領域および/またはF'領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。
交互フランクLNAギャップマーは、WO 2016/127002に開示されている。
交互フランクを有するオリゴヌクレオチドは、フランク(FまたはF')の少なくとも1つがLNAヌクレオシドに加えてDNAを含むLNAギャップマーオリゴヌクレオチドである。いくつかの態様において、領域Fもしくは領域F'の少なくとも1つ、または領域Fおよび領域F'の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような態様において、隣接領域FもしくはF'、またはFおよびF'の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、F領域および/またはF'領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。
いくつかの態様において、領域Fもしくは領域F'の少なくとも1つ、または領域Fおよび領域F'の両方は、LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む。このような態様において、隣接領域FもしくはF'、またはFおよびF'の両方は、少なくとも3つのヌクレオシドを含み、F領域またはF'領域の最も5'側および最も3'側のヌクレオシドはLNAヌクレオシドである。LNAヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドの両方を含む隣接領域は、LNA-DNA-LNAヌクレオシドという交互モチーフを含むことから、交互フランクと呼ばれる。交互フランクLNAギャップマーは、WO 2016/127002に開示されている。
交互フランク領域は、最大3個の連続DNAヌクレオシド、例えば1〜2個または1個もしくは2個もしくは3個の連続DNAヌクレオシドを含んでよい。
交互フランクには、例えば、
[L]1〜3-[D]1〜4-[L]1〜3
[L]1〜2-[D]1〜2-[L]1〜2-[D]1〜2-[L]1〜2
のように、LNAヌクレオシド(L)の数に続いてDNAヌクレオシド(D)の数を表す一連の整数としてコメントを付けることができる。
オリゴヌクレオチド設計において、これらは数字としてしばしば表され、2〜2-1は5'[L]2-[D]2-[L]3'を表し、1-1-1-1-1は5'[L]-[D]-[L]-[D]-[L]3'を表すという具合である。交互フランクを有するオリゴヌクレオチド中のフランク(領域Fおよび領域F')の長さは、独立に、3〜10ヌクレオシド、例えば4〜8、例えば5〜6ヌクレオシド、例えば4個、5個、6個、または7個の修飾ヌクレオシドであってよい。いくつかの態様において、ギャップマーオリゴヌクレオチド中のフランクの一方だけが交互であり、他方はLNAヌクレオチドから構成される。付加的なエキソヌクレアーゼ耐性を与えるために、3'フランク(F')の3'末端に少なくとも2個のLNAヌクレオシドを有することが有利である場合がある。交互フランクを有するオリゴヌクレオチドのいくつかの例は以下のとおりである:
[L]1〜5-[D]1〜4-[L]1〜3-[G]5〜16-[L]2〜6
[L]1〜2-[D]1〜2-[L]1〜2-[D]1〜2-[L]1〜2-[G]5〜16-[L]1〜2-[D]1〜3-[L]2〜4
[L]1〜5-[G]5〜16-[L]-[D]-[L]-[D]-[L]2
ただし、ギャップマーの全長が少なくとも12、例えば少なくとも14ヌクレオチド長であることを条件とする。
オリゴヌクレオチド中の領域D’または領域D’’
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、標的核酸に相補的である、オリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列、例えばギャップマーF-G-F'、およびさらなる5'ヌクレオシドおよび/もしくは3'ヌクレオシドを含むか、またはそれからなってよい。さらなる5'ヌクレオシドおよび/または3'ヌクレオシドは、標的核酸に完全に相補的であってもなくてもよい。このようなさらなる5'ヌクレオシドおよび/または3'ヌクレオシドは、本明細書において領域D'および領域D”と呼ばれ得る。
領域D'または領域D”の付加は、ギャップマーのような連続ヌクレオチド配列をコンジュゲート部分または別の官能基に結合するために使用され得る。連続ヌクレオチド配列をコンジュゲート部分と結合するために使用される場合、これは生物切断可能なリンカーとしての機能を果たすことができる。あるいは、これは、エキソヌクレアーゼ保護を与えるために、または合成もしくは製造を容易にするためにも使用され得る。
領域D'および領域D”を、それぞれ、領域Fの5'末端または領域F'の3'末端に結合して、次の式:D'-F-G-F'、F-G-F'-D”、またはD'-F-G-F'-D”の設計を作ることができる。この場合、F-G-F'は、オリゴヌクレオチドのギャップマー部分であり、領域D'または領域D”は、オリゴヌクレオチドの別個の部分を構成する。
領域D'または領域D”は、独立に、標的核酸に相補的でも非相補的でもよい1個、2個、3個、4個、もしくは5個の付加的なヌクレオチドを含むか、またはそれからなってよい。F領域またはF'領域に隣接したヌクレオチドは、糖修飾ヌクレオチドではなく、例えば、DNAもしくはRNAまたはこれらの塩基修飾型である。D'領域またはD'領域は、ヌクレアーゼ感受性の生物切断可能なリンカーの役割を果たし得る(リンカーの定義を参照されたい)。いくつかの態様において、付加的な5'末端ヌクレオチドおよび/または3'末端ヌクレオチドは、リン酸ジエステル結合で連結されており、DNAまたはRNAである。領域D'または領域D”として使用するために適しているヌクレオチドベースの生物切断可能なリンカーが、WO 2014/076195において開示されており、例として、リン酸ジエステル結合DNAジヌクレオチドが含まれる。ポリオリゴヌクレオチド構築物における生物切断可能なリンカーの使用が、WO 2015/113922において開示されており、その際、これらは、単一のオリゴヌクレオチド内で複数のアンチセンス構築物(例えばギャップマー領域)を連結するのに使用される。
1つの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、ギャップマーを構成する連続ヌクレオチド配列に加えて、領域D'および/または領域D”を含む。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、以下の式によって表すことができる:
F-G-F'、特にF1〜8-G5〜16-F'2〜8
D'-F-G-F'、特にD'1〜3-F1〜8-G5〜16-F'2〜8
F-G-F'-D”、特にF1〜8-G5〜16-F'2〜8-D”1〜3
D'-F-G-F'-D”、特にD'1〜3-F1〜8-G5〜16-F'2〜8-D”1〜3
いくつかの態様において、領域D'と領域Fの間に位置するヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合である。いくつかの態様において、領域F'と領域D”の間に位置するヌクレオシド間結合は、リン酸ジエステル結合である。
コンジュゲート
本明細書において使用される用語「コンジュゲート」は、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分または領域Cもしくは第3の領域)に共有結合的に連結されているオリゴヌクレオチドを意味する。
1つまたは複数の非ヌクレオチド部分への本発明のオリゴヌクレオチドのコンジュゲーションは、例えば、オリゴヌクレオチドの活性、細胞分布、細胞取込み、または安定性に影響を及ぼすことによって、オリゴヌクレオチドの薬理作用を改良し得る。いくつかの態様において、コンジュゲート部分は、オリゴヌクレオチドの細胞分布、生物学的利用能、代謝、排出、透過性、および/または細胞取込みを改良することによって、オリゴヌクレオチドの薬物動態学的特性を改変または増強する。特に、コンジュゲートは、オリゴヌクレオチドを特定の器官、組織、または細胞型に導き、それによって、その器官、組織、または細胞型におけるオリゴヌクレオチドの有効性を高め得る。同時に、コンジュゲートは、標的ではない細胞型、組織、もしくは器官におけるオリゴヌクレオチドの活性、例えばオフターゲット活性、または標的ではない細胞型、組織、もしくは器官における活性を低下させる役割を果たし得る。参照により本明細書に組み入れられるWO 93/07883およびWO 2013/033230は、適切なコンジュゲート部分を提供する。さらに他の適切なコンジュゲート部分は、アシアロ糖タンパク質受容体(ASGPR)に結合することができるものである。特に、三価のN-アセチルガラクトサミンコンジュゲート部分は、ASGPRに結合するために適しており、例えば、(参照により本明細書に組み入れられる)WO 2014/076196、WO 2014/207232、およびWO 2014/179620、特にWO 2014/076196の図13またはWO 2014/179620のクレーム158〜164を参照されたい。
オリゴヌクレオチドコンジュゲートおよびそれらの合成はまた、それぞれがそっくりそのまま参照により本明細書に組み入れられるManoharan in Antisense Drug Technology, Principles, Strategies, and Applications, S.T. Crooke, ed., Ch. 16, Marcel Dekker, Inc., 2001およびManoharan, Antisense and Nucleic Acid Drug Development, 2002, 12, 103による包括的な総説において報告されている。
ある態様において、非ヌクレオチド部分(コンジュゲート部分)は、炭水化物、細胞表面受容体リガンド、原薬、ホルモン、親油性物質、ポリマー、タンパク質、ペプチド、毒素(例えば細菌毒素)、ビタミン、ウイルスタンパク質(例えばカプシド)、またはそれらの組合せからなる群より選択される。
リンカー
結合またはリンカーは、1つまたは複数の共有結合を介して関心対象の1つの化学基またはセグメントを関心対象の別の化学基またはセグメントに連結する、2個の原子間の結合部である。コンジュゲート部分は、直接または連結部分(例えばリンカーまたはテザー)を介してオリゴヌクレオチドに結合させることができる。リンカーは、第3の領域(領域C)、例えばコンジュゲート部分を第1の領域、例えば、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列(領域A)に共有結合的に連結し、それによって領域AからCの末端の1つに連結する働きをする。
本発明のいくつかの態様において、本発明のコンジュゲートまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、標的核酸に相補的なオリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列(領域Aまたは第1の領域)とコンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)との間に配置されるリンカー領域(第2の領域または領域Bおよび/もしくは領域Y)を任意で含んでよい。
領域Bは、正常時に生じる条件もしくは哺乳動物の体内で生じる条件に類似した条件下で切断可能である生理学的に不安定な結合を含むか、またはそれからなる、生物切断可能なリンカーを指す。生理学的に不安定なリンカーが化学的変換(例えば切断)を受ける条件には、pH、温度、酸化的もしくは還元的な条件、または作用物質、および哺乳動物細胞で見出される塩濃度もしくは哺乳動物細胞で生じるものに類似した塩濃度などの化学的条件が含まれる。哺乳動物細胞内条件には、例えばタンパク質分解酵素もしくは加水分解酵素またはヌクレアーゼに由来する、哺乳動物細胞において通常は存在する酵素活性の存在も含まれる。1つの態様において、生物切断可能なリンカーは、S1ヌクレアーゼ切断に感受性である。好ましい態様において、ヌクレアーゼ感受性リンカーは、少なくとも2個の連続したリン酸ジエステル結合、例えば少なくとも3個または4個または5個の連続したリン酸ジエステル結合を含む、1〜10個のヌクレオシド、例えば1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、または10個のヌクレオシド、より好ましくは2〜6個のヌクレオシド、および最も好ましくは2〜4個の連結ヌクレオシドを含む。好ましくは、ヌクレオシドは、DNAまたはRNAである。リン酸ジエステルを含む生物切断可能なリンカーは、(参照により本明細書に組み入れられる)WO 2014/076195においてより詳細に説明されている。
コンジュゲートはまた、生物切断不可能なリンカーを介してオリゴヌクレオチドに連結されてもよく、またはいくつかの態様において、コンジュゲートは、生物切断可能なリンカーに共有結合的に結合した切断不可能なリンカー(領域Y)を含んでもよい。必ずしも生物切断可能ではないが、オリゴヌクレオチド(領域Aまたは第1の領域)にコンジュゲート部分(領域Cまたは第3の領域)を共有結合的に連結する働きを主としてするリンカーは、エチレングリコール、アミノ酸ユニット、またはアミノアルキル基などの繰り返しユニットからなる、鎖構造またはオリゴマーを含んでよい。本発明のオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、以下の領域要素、すなわちA-C、A-B-C、A-B-Y-C、A-Y-B-C、またはA-Y-Cから構築することができる。いくつかの態様において、切断不可能なリンカー(領域Y)は、例えばC6〜C12アミノアルキル基を含む、C2〜C36アミノアルキル基のようなアミノアルキルである。好ましい態様において、リンカー(領域Y)は、C6アミノアルキル基である。コンジュゲートリンカー基は、アミノ修飾オリゴヌクレオチドおよびコンジュゲート基の活性化エステル基を用いて、オリゴヌクレオチドにルーチン的に結合され得る。
治療
本明細書において使用される用語「治療」は、既に存在する疾患(例えば、本明細書において言及される疾患または障害)の治療または疾患の防止、すなわち予防の両方を意味する。したがって、本明細書において言及される治療は、いくつかの態様において、予防的であり得ることが認識される。
発明の詳細な説明
本発明のオリゴヌクレオチド
本発明は、ERC1の発現を阻害することができるオリゴヌクレオチドに関する。この調節は、ERC1をコードしているか、またはERC1の調節に関与している標的核酸にハイブリダイズすることによって、実現され得る。標的核酸は、哺乳動物ERC1配列、例えば、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13からなる群より選択される配列、または天然に存在するその変異体であってよい。
本発明のオリゴヌクレオチドは、ERC1のmRNA前駆体またはmRNAを標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドは、標的の発現を阻害または低減することによって、標的の発現を調節することができる。好ましくは、このような調節は、標的の正常発現レベルと比べて少なくとも20%の発現阻害を、より好ましくは、標的の正常発現レベルと比べて少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、95%の阻害をもたらす。いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、HeLa細胞を用いてインビトロで、ERC1 mRNAの発現レベルを少なくとも60%または70%阻害することができる場合がある。いくつかの態様において、本発明の化合物は、HeLa細胞を用いてインビトロで、ERC1タンパク質の発現レベルを少なくとも50%阻害することができる場合がある。適宜に、実施例は、ERC1 RNAまたはERC1タンパク質の阻害を測定するために使用され得るアッセイ法を提供する(例えば実施例1)。標的の調節は、オリゴヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列と標的核酸とのハイブリダイゼーションによって引き起こされる。いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間にミスマッチを含む。ミスマッチにもかかわらず、標的核酸へのハイブリダイゼーションは、それでもなお、ERC1発現の所望の調節を示すのに十分である場合がある。ミスマッチが原因で低減した結合親和性は、オリゴヌクレオチド中のヌクレオチド数の増加および/またはオリゴヌクレオチド配列内に存在する、標的に対する結合親和性を増大させることができる修飾ヌクレオシド、例えば、LNAを含む2’糖修飾ヌクレオシドの数の増加によって、有利に埋め合わせることができる。
本発明のある局面は、哺乳動物ERC1標的核酸に少なくとも90%の相補性、例えば完全な相補性を有する10〜30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、10〜50ヌクレオチド長、例えば10〜30ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、細胞において哺乳動物ERC1標的核酸の発現を減少させることができる、アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
本発明のある局面は、哺乳動物ERC1標的核酸に少なくとも90%の相補性、例えば完全な相補性を有する10〜22ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、10〜30ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、細胞において哺乳動物ERC1標的核酸の発現を減少させることができる、アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、標的核酸のある領域または標的配列と少なくとも90%相補的、例えば少なくとも91%、例えば少なくとも92%、例えば少なくとも93%、例えば少なくとも94%、例えば少なくとも95%、例えば少なくとも96%、例えば少なくとも97%、例えば少なくとも98%、または100%相補的である、連続配列を含む。
好ましい態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、標的核酸もしくは標的配列に完全に相補的(100%相補的)であるか、またはいくつかの態様において、オリゴヌクレオチドと標的核酸の間に1つもしくは2つのミスマッチを含んでよい。
本発明の別の局面は、連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、および14からなる群より選択される配列または天然に存在するその変異体に少なくとも90%相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド配列または連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1および13に存在する標的配列に少なくとも90%相補的、例えば完全に(または100%)相補的である。いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドの連続配列は、哺乳動物ERC1標的核酸に100%相補的である。
好ましい態様において、オリゴヌクレオチド配列または連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1およびSEQ ID NO: 13に存在する対応する標的配列に100%相補的である。
本発明の別の局面は、連続ヌクレオチド配列が、哺乳動物ERC1標的核酸のmRNA前駆体(例えばSEQ ID NO: 1)中に存在するイントロン領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。
SEQ ID NO: 1におけるイントロン位置は、ERC1 mRNA前駆体の様々なスプライシングに応じて変動し得ることが理解されるであろう。本発明において、最終RNA産物(成熟mRNA)が成熟する間にRNAスプライシングによってmRNA前駆体から除去される、遺伝子配列またはmRNA前駆体中の任意のヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1におけるそれらの位置に関係なく、イントロンである。表1は、SEQ ID NO: 1中の最も一般的なイントロン領域を提供する。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1の815〜37239位、SEQ ID NO: 1の38065〜92655位、SEQ ID NO: 1の93073〜114241位、SEQ ID NO: 1の114317〜119683位、SEQ ID NO: 1の119840〜125357位、SEQ ID NO: 1の125526〜1151111位、SEQ ID NO: 1の151280〜190031位、SEQ ID NO: 1の190170〜191416位、SEQ ID NO: 1の191558〜192772位、SEQ ID NO: 1の192914〜199350位、SEQ ID NO: 1の199545〜246260位、SEQ ID NO: 1の246397〜272525位、SEQ ID NO: 1の272658〜299343位、SEQ ID NO: 1の299505〜381324位より選択される、ヒトERC1のmRNA前駆体中に存在するイントロン領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1の38065〜92655位に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 1の88376〜89391位に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 14に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 23に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 24に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 25に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 26に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、標的核酸のある領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的であり、該標的核酸の領域は、SEQ ID NO: 1の88284〜88297位、88378〜88391位、88425〜88438位、88472〜88485位、88517〜88530位、88656〜88669位、88703〜88716位、88750〜88763位、88795〜88808位、88842〜88855位、88889〜88902位、88936〜88949位、88983〜88996位、89030〜89043位、89077〜89090位、89124〜89137位、89171〜89184位、89265〜89278位、89312〜89325位、89359〜88372位、88374〜88393位、88421〜88440位、88468〜88487位、88513〜88532位、88652〜88671位、88699〜88718位、88746〜88765位、88791〜88810位、88838〜88857位、88885〜88904位、88932〜88951位、88979〜88998位、89026〜89045位、89073〜89092位、89120〜89139位、89167〜89186位、89261〜89280位、89308〜89327位、89355〜89374位、88374〜88391位、88421〜88438位、88468〜88485位、88513〜88530位、88652〜88669位、88699〜88716位、88746〜88763位、88791〜88808位、88838〜88855位、88885〜88902位、88932〜88949位、88979〜88996位、89026〜89043位、89073〜89090位、89120〜89137位、89167〜89184位、89261〜89278位、89308〜89325位、89355〜89372位、88376〜88391位、88423〜88438位、88470〜88485位、88515〜88530位、88654〜88669位、88701〜88716位、88748〜88763位、88793〜88808位、88840〜88855位、88887〜88902位、88934〜88949位、88981〜88996位、89028〜89043位、89075〜89090位、89122〜89137位、89169〜89184位、89263〜89278位、89310〜89325位、89357〜89372位、451815〜451834位、451816〜451833位、451818〜451833位、451818〜451831位からなる群より選択される。
本発明の1つの局面によれば、標的配列は、標的核酸内で繰り返される。すなわち、少なくとも10ヌクレオチド長の少なくとも2つの同一の標的ヌクレオチド配列(標的領域)が、標的核酸において異なる位置に存在する。通常、繰り返された標的領域は、10〜50ヌクレオチド、例えば11〜30ヌクレオチド、例えば12〜25ヌクレオチド、例えば13〜22ヌクレオチド、例えば14〜20ヌクレオチド、例えば15〜19ヌクレオチド、例えば16〜18ヌクレオチドである。好ましい態様において、繰り返された標的領域は、14〜20ヌクレオチドである。
1つの局面において、本発明は、連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の標的核酸において少なくとも2回繰り返されている標的領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、アンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。このことによる効果は、(同じ配列を有する)いくつかのオリゴヌクレオチド化合物が、同じ標的核酸の1つまたは複数の標的領域に(同時に)ハイブリダイズすることができ、それにより、オリゴヌクレオチドが細胞または動物もしくはヒトに投与された場合に、標的核酸の複数の切断事象が起こり得ることである。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列は、少なくとも5回繰り返された標的領域、例えば、少なくとも6回、7回、8回、9回、10回、11回、12回、13回、14回、もしくは15回繰り返された標的領域、または18回より多い回数繰り返された標的領域である、繰り返された標的領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である。1つの態様において、標的領域は、イントロン2内で19回繰り返されている。
さらなる態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、SEQ ID NO: 1の標的核酸中の10〜22ヌクレオチド長、例えば14〜20ヌクレオチド長の標的領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である連続ヌクレオチド配列を含み、該標的領域は該標的核酸のイントロンにおいて少なくとも5回またはそれより多い回数繰り返されている。
いくつかの態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 14中の少なくとも15回、例えば19回繰り返された標的領域に相補的である。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、長さが10〜35個のヌクレオチド、長さが例えば10〜30個、例えば11〜22個、例えば12〜20個、例えば14〜18個または14〜16個の連続ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。有利には、オリゴヌクレオチドは、長さが14〜20個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、22個またはそれ未満のヌクレオチド、例えば20個またはそれ未満のヌクレオチド、例えば18個またはそれ未満のヌクレオチド、例えば14個、15個、16個、または17個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。
いくつかの態様において、連続ヌクレオチド配列は、長さが10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個、または30個の連続ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。好ましい態様において、オリゴヌクレオチドは、長さが14〜20個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる。
本明細書において与えられる任意の範囲は、その範囲の両端の値を含むことを理解すべきである。したがって、あるオリゴヌクレオチドが10〜30個のヌクレオチドを含むと述べられる場合、10個のヌクレオチドと30個のヌクレオチドの両方が含まれる。
いくつかの態様において、本発明の連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 15、16、17、および18からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一、例えば100%同一である。
いくつかの態様において、本発明の連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 19、20、21、および22からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一、例えば100%同一である。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 15、16、17、または18より選択される配列と少なくとも90%の同一性、好ましくは100%の同一性を有する、長さが10〜30個の連続ヌクレオチドからなるか、または含む。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 19、20、21、または22より選択される配列と少なくとも90%の同一性、好ましくは100%の同一性を有する、長さが10〜30個の連続ヌクレオチドからなるか、または含む。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 15、16、17、または18より選択される配列と少なくとも90%の同一性、好ましくは100%の同一性を有する、長さが12〜20個の連続ヌクレオチドからなるか、または含む。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 19、20、21、または22より選択される配列と少なくとも90%の同一性、好ましくは100%の同一性を有する、長さが12〜20個の連続ヌクレオチドからなるか、または含む。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 15、16、17、または18より選択される配列と少なくとも90%の同一性、好ましくは100%の同一性を有する、長さが14〜20個の連続ヌクレオチドからなるか、または含む。
いくつかの態様において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 19、20、21、および22より選択される配列と少なくとも90%の同一性、好ましくは100%の同一性を有する、長さが14〜20個の連続ヌクレオチドからなるか、または含む。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 15、16、17、または18より選択される配列を含む。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、SEQ ID NO: 19、20、21、および22より選択される配列を含む。
オリゴヌクレオチド化合物は、モチーフ配列の特定の設計に相当する。大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、LNA Cはすべて5-メチルシトシンであり、5-メチルDNAシトシンは「e」によって示され、ヌクレオシド間結合はすべて、好ましくは、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。例えば、ヌクレアーゼ耐性および/または標的核酸に対する結合親和性を高めるために、連続した核酸塩基配列(モチーフ配列)を修飾できることが理解されている。修飾は、定義および「オリゴヌクレオチド設計」のセクションで説明されている。表4では、各モチーフ配列の好ましい設計を一覧にしている。通常、修飾ヌクレオシド(例えば高親和性修飾ヌクレオシド)がオリゴヌクレオチド配列に組み込まれる際のパターンは、オリゴヌクレオチド設計と呼ばれる。
本発明のオリゴヌクレオチドは、修飾ヌクレオシドおよびDNAヌクレオシドを用いて設計される。有利には、高親和性修飾ヌクレオシドが使用される。
ある態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド、例えば、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、または少なくとも16個の修飾ヌクレオシドを含む。ある態様において、オリゴヌクレオチドは、1〜10個の修飾ヌクレオシド、例えば2〜9個の修飾ヌクレオシド、例えば3〜8個の修飾ヌクレオシド、例えば4〜7個の修飾ヌクレオシド、例えば6個または7個の修飾ヌクレオシドを含む。適切な修飾は、「定義」セクションの「修飾ヌクレオシド」、「高親和性修飾ヌクレオシド」、「糖修飾」、「2’糖修飾」、および「ロックド核酸(LNA)」の箇所で説明している。
ある態様において、オリゴヌクレオチドは、1つまたは複数の糖修飾ヌクレオシド、例えば2’糖修飾ヌクレオシドを含む。好ましくは、本発明のオリゴヌクレオチドは、2’-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2’-O-メチル-RNAヌクレオシド、2’-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2’-O-メトキシエチル-RNAヌクレオシド、2’-アミノ-DNAヌクレオシド、2’-フルオロ-DNAヌクレオシド、アラビノ核酸(ANA)ヌクレオシド、2’-フルオロ-ANAヌクレオシド、およびLNAヌクレオシドからなる群より独立に選択される1つまたは複数の2’糖修飾ヌクレオシドを含む。修飾ヌクレオシドのうちの1つまたは複数がロックド核酸(LNA)である場合、有利である。
さらなる態様において、オリゴヌクレオチドは、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む。適切なヌクレオシド間修飾は、「定義」セクションの「修飾ヌクレオシド間結合」の箇所で説明している。連続ヌクレオチド配列内のヌクレオシド間結合の少なくとも75%、例えばすべてがホスホロチオアートヌクレオシド間結合である場合、有利である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドの連続配列中のヌクレオシド間結合のすべてが、ホスホロチオアート結合である。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、少なくとも1個のLNAヌクレオシド、例えば、1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、もしくは8個のLNAヌクレオシド、例えば2〜6個のLNAヌクレオシド、例えば3〜7個のLNAヌクレオシド、4〜8個のLNAヌクレオシド、または3個、4個、5個、6個、7個、もしくは8個のLNAヌクレオシドを含む。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド中の修飾ヌクレオシドの少なくとも75%は、LNAヌクレオシドであり、修飾ヌクレオシドの例えば80%、例えば85%、例えば90%は、LNAヌクレオシドである。さらなる態様において、オリゴヌクレオチド中の修飾ヌクレオシドはすべて、LNAヌクレオシドである。さらなる態様において、オリゴヌクレオチドは、β-D-オキシ-LNAと、以下のLNAヌクレオシド:β-Dもしくはα-L立体配置のいずれかまたはそれらの組合せの、チオ-LNA、アミノ-LNA、オキシ-LNA、ScET、および/またはENAのうちの1つまたは複数の両方を含んでよい。さらなる態様において、LNAシトシンユニットはすべて、5-メチルシトシンである。オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列のヌクレアーゼ安定性のためには、ヌクレオチド配列の5'末端に少なくとも1個のLNAヌクレオシドおよび3'末端に少なくとも2個のLNAヌクレオシドを有することが有利である。
本発明のある態様において、本発明のオリゴヌクレオチドは、RNアーゼHを動員することができる。
本発明において、有利な構造設計は、「定義」セクションの、例えば「ギャップマー」、「LNAギャップマー」、「MOEギャップマー」、および「混合ウイングギャップマー」、「交互フランクギャップマー」の箇所で説明しているようなギャップマー設計である。ギャップマー設計には、同一のフランク、混合ウイングフランク、交互フランク、およびギャップブレーカー設計を有するギャップマーが含まれる。本発明において、本発明のオリゴヌクレオチドがF-G-F’設計を有するギャップマーである場合、有利である。いくつかの態様において、ギャップマーは、同一のフランクを有するLNAギャップマーである。
本発明のいくつかの態様において、LNAギャップマーは、以下の同一のフランク設計より選択される。好ましい態様において、F-G-F’設計は、4-6-4、4-8-4、3-11-4、または4-13-3より選択される。
本発明の例示的な化合物
例示的なオリゴヌクレオチド化合物において、大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、LNA Cはすべて5-メチルシトシンであり、5-メチルDNAシトシンは「e」またはmcによって示され、ヌクレオシド間結合はすべて、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
本発明の特定の態様の場合、オリゴヌクレオチドは、CMP-ID-NO: 15_1、16_1、17_1、および18_1のオリゴヌクレオチド化合物群より選択される。
本発明の特定の態様の場合、オリゴヌクレオチドは、CMP-ID-NO: 19_1、20_1、21_1、および22_1のオリゴヌクレオチド化合物群より選択される。
製造方法
さらなる局面において、本発明は、ヌクレオチドユニットを反応させ、それによってオリゴヌクレオチド中に含まれる共有結合的に連結された連続ヌクレオチドユニットを形成させる段階を含む、本発明のオリゴヌクレオチドを製造するための方法を提供する。好ましくは、この方法は、ホスホロアミダイト化学反応を使用する(例えば、Caruthers et al, 1987, Methods in Enzymology vol. 154, pages 287-313を参照されたい)。さらなる態様において、方法は、連続ヌクレオチド配列をコンジュゲート部分(リガンド)と反応させる段階をさらに含む。さらなる局面において、本発明のオリゴヌクレオチドまたはコンジュゲートにされたオリゴヌクレオチドを薬学的に許容される希釈剤、溶媒、担体、塩、および/またはアジュバントと混合する段階を含む、本発明の組成物を製造するための方法が提供される。
薬学的塩
さらなる局面において、本発明は、アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそのコンジュゲートの、薬学的に許容される塩を提供する。好ましい態様において、薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩である。
薬学的組成物
さらなる局面において、本発明は、前述のオリゴヌクレオチドおよび/もしくはオリゴヌクレオチドコンジュゲートまたはそれらの塩のいずれかと、薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントとを含む、薬学的組成物を提供する。薬学的に許容される希釈剤には、リン酸緩衝食塩水(PBS)が含まれ、薬学的に許容される塩には、ナトリウム塩およびカリウム塩が含まれるが、それらに限定されるわけではない。いくつかの態様において、薬学的に許容される希釈剤は、滅菌リン酸緩衝生理食塩水である。いくつかの態様において、オリゴヌクレオチドは、薬学的に許容される希釈剤に加えて50〜300μM溶液の濃度で使用される。
本発明で使用するのに適した製剤は、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Philadelphia, Pa., 17th ed., 1985において見出される。薬物送達のための方法についての簡潔な説明については、例えばLanger (Science 249:1527-1533, 1990)を参照されたい。WO 2007/031091は、薬学的に許容される希釈剤、担体、およびアジュバントの適切かつ好ましいさらなる例を提供する(参照により本明細書に組み入れられる)。適切な投薬量、製剤、投与経路、組成物、剤形、他の治療物質との組合せ、プロドラッグ製剤もまた、WO 2007/031091において提供されている。
本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、薬学的組成物または製剤を調製するために薬学的に許容される活性物質または不活性物質と混合されてよい。薬学的組成物の製剤化のための組成物および方法は、投与経路、疾患の程度、または投与される用量を非限定的に含む、いくつかの判定基準に左右される。
これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌することができるか、または滅菌ろ過することができる。結果として生じる水溶液は、そのままの状態で使用するために包装するか、または凍結乾燥してよく、この凍結乾燥された調製物は、投与前に無菌の水性担体と混合される。調製物のpHは、典型的には、3〜11、より好ましくは5〜9または6〜8、および最も好ましくは7〜8、例えば7〜7.5である。結果として生じる固形組成物は、複数の1回量単位で包装してよく、各単位は、例えば錠剤またはカプセル剤の密閉包装商品中に、前述の1種または複数種の作用物質の一定量を含む。固形組成物はまた、自由に変えられる量に対応する容器中に、例えば、局所的に適用可能なクリーム剤または軟膏剤のために設計された絞り出し可能なチューブ中に、詰めることもできる。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、プロドラッグである。特に、オリゴヌクレオチドコンジュゲートに関して、プロドラッグが作用部位、例えば標的細胞に送達されると、コンジュゲート部分はオリゴヌクレオチドから切断される。
適用
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば、診断学、治療学、および予防法のための研究試薬として使用され得る。
研究では、このようなオリゴヌクレオチドは、細胞(例えばインビトロ細胞培養物)および実験動物においてERC1タンパク質の合成を特異的に調節し、それによって標的の機能解析または治療的介入のための標的としてのその有用性の評価を容易にするのに使用され得る。典型的には、標的調節は、該タンパク質を産生するmRNA前駆体もしくはmRNAを分解もしくは阻害し、それによってタンパク質形成を妨げるか、または該タンパク質を産生する遺伝子もしくはmRNAの調節物質を分解もしくは阻害することによって、実現される。mRNA前駆体を標的とし、それによって成熟mRNAの形成を妨げることにより、さらなる利点が実現され得る。
研究または診断学において本発明のオリゴヌクレオチドを使用する場合には、標的核酸は、DNAまたはRNAに由来するcDNAまたは合成核酸であってよい。
本発明は、ERC1を発現している標的細胞においてERC1発現を調節するためのインビボまたはインビトロの方法であって、本発明のオリゴヌクレオチの有効量を該細胞に投与する段階を含む、方法を提供する。
いくつかの態様において、標的細胞は、哺乳動物細胞、特にヒト細胞である。標的細胞は、インビトロの細胞培養物または哺乳動物の組織の一部分を形成しているインビボ細胞であってよい。好ましい態様において、標的細胞は、血漿、末梢血単核細胞、リンパ節、胸部、頭頸部、脾臓、肝臓、結腸、甲状腺、胃組織、唾液腺組織、副腎組織、膵臓、前立腺、膀胱、胎盤、子宮、子宮頸、精巣に存在する。いくつかの態様において、標的細胞は、癌細胞または前癌細胞である。いくつかの態様において、標的細胞は、前転移性癌細胞または転移性癌細胞である。いくつかの態様において、標的細胞は、デングウイルスに感染した細胞、例えば、ランゲルハンス細胞、単球、マクロファージ、ならびに骨髄、肝臓、および脾臓中の細胞である。診断学において、該オリゴヌクレオチドは、ノーザンブロッティング、インサイチューハイブリダイゼーション、または同様の技術によって、細胞および組織におけるERC1発現を検出および定量するのに使用され得る。
治療学のためには、ERC1の発現を低減することによって治療できる、疾患または障害を有していると推測される動物またはヒト。
本発明は、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、薬学的塩、または薬学的組成物の治療的有効量または予防的有効量を、疾患に罹患しているまたは疾患に易罹患性である対象に投与する段階を含む、疾患を治療または予防するための方法を提供する。
本発明はまた、医薬として使用するための、本明細書において定義されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、組成物、薬学的塩、またはコンジュゲートにも関する。
典型的には、本発明によるオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、薬学的塩、または薬学的組成物は、有効量で投与される。
本発明はまた、本明細書において言及される障害の治療のための医薬を製造するための、または本明細書において言及される障害を治療する方法のための、説明した本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートの使用も提供する。
本明細書において言及される疾患または障害は、ERC1発現の増大に関連している。
本発明の方法は、好ましくは、ERC1の異常に高いレベルおよび/または活性が原因で生じる疾患に対する治療または予防のために使用される。
本発明はさらに、ERC1の異常に高いレベルおよび/または活性を治療するための医薬を製造するための、本明細書において定義されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、薬学的塩、または薬学的組成物の使用にも関する。
1つの態様において、本発明は、癌またはデングウイルス感染症である疾患または障害の治療において使用するための、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、または薬学的組成物に関する。
いくつかの態様において、癌は、甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、黒色腫、または転移性癌などの癌を含む群より選択される。
投与
本発明のオリゴヌクレオチド、コンジュゲート、または薬学的組成物は、腸内に(例えば、経口的もしくは消化管を介して)または非経口的に(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、脳内、脳室内、もしくはくも膜下腔内)投与されてよい。非限定的な態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、コンジュゲート、薬学的塩、または薬学的組成物は、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、または筋肉内への注射または注入を含む非経口経路によって投与される。
1つの態様において、活性なオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートは、静脈内投与される。
別の態様において、活性なオリゴヌクレオチドもしくはオリゴヌクレオチドコンジュゲートまたは薬学的組成物は、皮下投与される。
いくつかの態様において、本発明のオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、または薬学的組成物は、0.1〜15mg/kg、例えば0.2〜10mg/kg、例えば0.25〜5mg/kgの用量で投与される。投与は、週に1回、2週毎、3週毎、またはさらには、月に1回であることができる。
本発明はまた、静脈内投与用の剤形である医薬を製造するための、説明した本発明のオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートの使用も提供する。
本発明はまた、皮下投与用の剤形である医薬を製造するための、説明した本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドコンジュゲートの使用も提供する。
併用療法
いくつかの態様において、本発明のアンチセンスオリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチドコンジュゲート、または薬学的組成物は、別の治療物質との併用治療において使用するためのものである。治療物質は、例えば、前述の疾患または障害に対する標準治療であることができる。
態様
本発明の以下の態様は、本明細書において説明する他の任意の態様と組み合わせて使用され得る。
1 哺乳動物ERC1標的核酸に少なくとも90%の相補性を有する10〜30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、10〜50ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、細胞において該哺乳動物ERC1標的核酸の発現を低減することができる、前記アンチセンスオリゴヌクレオチド。
2 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13からなる群より選択される配列または天然に存在するその変異体に少なくとも90%相補的である、態様1記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
3 連続ヌクレオチド配列が、哺乳動物ERC1標的核酸に完全に相補的である、態様1または2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
4 連続ヌクレオチド配列が、哺乳動物ERC1標的核酸のmRNA前駆体(例えばSEQ ID NO: 1)中に存在するイントロン領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、態様1〜3のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
5 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の815〜37239位、SEQ ID NO: 1の38065〜92655位、SEQ ID NO: 1の93073〜114241位、SEQ ID NO: 1の114317〜119683位、SEQ ID NO: 1の119840〜125357位、SEQ ID NO: 1の125526〜151111位、SEQ ID NO: 1の151280〜190031位、SEQ ID NO: 1の190170〜191416位、SEQ ID NO: 1の191558〜192772位、SEQ ID NO: 1の192914〜199350位、SEQ ID NO: 1の199545〜246260位、SEQ ID NO: 1の246397〜272525位、SEQ ID NO: 1の272658〜299343位、SEQ ID NO: 1の299505〜381324位、SEQ ID NO: 1の381470〜417640位、SEQ ID NO: 1の417740〜454053位、SEQ ID NO: 1の454243〜499584位より選択される、ヒトERC1のmRNA前駆体中に存在するイントロン領域に、少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、態様1〜4のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
6 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の38065〜92655位またはSEQ ID NO: 1の88379〜89391位に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、態様1〜5のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
7 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 14、23、24、25、または26に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、態様1〜6のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
8 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の88284〜88297位、88378〜88391位、88425〜88438位、88472〜88485位、88517〜88530位、88656〜88669位、88703〜88716位、88750〜88763位、88795〜88808位、88842〜88855位、88889〜88902位、88936〜88949位、88983〜88996位、89030〜89043位、89077〜89090位、89124〜89137位、89171〜89184位、89265〜89278位、89312〜89325位、89359〜88372位、88374〜88393位、88421〜88440位、88468〜88487位、88513〜88532位、88652〜88671位、88699〜88718位、88746〜88765位、88791〜88810位、88838〜88857位、88885〜88904位、88932〜88951位、88979〜88998位、89026〜89045位、89073〜89092位、89120〜89139位、89167〜89186位、89261〜89280位、89308〜89327位、89355〜89374位、88374〜88391位、88421〜88438位、88468〜88485位、88513〜88530位、88652〜88669位、88699〜88716位、88746〜88763位、88791〜88808位、88838〜88855位、88885〜88902位、88932〜88949位、88979〜88996位、89026〜89043位、89073〜89090位、89120〜89137位、89167〜89184位、89261〜89278位、89308〜89325位、89355〜89372位、88376〜88391位、88423〜88438位、88470〜88485位、88515〜88530位、88654〜88669位、88701〜88716位、88748〜88763位、88793〜88808位、88840〜88855位、88887〜88902位、88934〜88949位、88981〜88996位、89028〜89043位、89075〜89090位、89122〜89137位、89169〜89184位、89263〜89278位、89310〜89325位、89357〜89372位、451815〜451834位、451816〜451833位、451818〜451833位、および451818〜451831位からなる群より選択されるSEQ ID NO: 1の標的領域に、少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、態様1〜7のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
9 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の標的核酸中の10〜22ヌクレオチド長、例えば14〜20ヌクレオチド長の標的配列に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的であり、該標的配列が該標的核酸において少なくとも5回またはそれ以上繰り返されている、態様1〜8のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
10 SEQ ID NO: 1〜8からなる群より選択される標的核酸に-10kcal未満のΔG°でハイブリダイズすることができる、態様1〜3記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
11 標的核酸がRNAである、態様1〜10記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
12 RNAがmRNAである、態様11記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
13 mRNAがRNA前駆体または成熟RNAである、態様12記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
14 連続ヌクレオチド配列が、少なくとも10個の連続ヌクレオチド、特に11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、または29個の連続ヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、態様1〜13のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
15 連続ヌクレオチド配列が、12〜22個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、態様1〜14のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
16 連続ヌクレオチド配列が、12〜18個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、態様1〜15のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
17 長さが10〜35個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、態様1〜16のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
18 長さが11〜22個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、態様1〜17のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
19 長さが12〜18個のヌクレオチドを含むか、またはそれからなる、態様17または18記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
20 オリゴヌクレオチドまたは連続ヌクレオチド配列が一本鎖である、態様1〜19のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
21 オリゴヌクレオチドがsiRNAでも自己相補的でもない、態様1〜20のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
22 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 15、16、17、および18より選択される配列を含むか、またはそれからなる、態様1〜21に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
23 連続ヌクレオチド配列が、該連続ヌクレオチド配列が相補的である標的核酸と比べて、0〜3個のミスマッチを有する、態様1〜22のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
24 連続ヌクレオチド配列が、標的核酸と比べて1個のミスマッチを有する、態様23記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
25 連続ヌクレオチド配列が、標的核酸と比べて2個のミスマッチを有する、態様24記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
26 連続ヌクレオチド配列が、標的核酸配列に完全に相補的である、態様25記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
27 1つまたは複数の修飾ヌクレオシドを含む、態様1〜26記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
28 1つまたは複数の修飾ヌクレオシドが高親和性修飾ヌクレオシドである、態様27記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
29 1つまたは複数の修飾ヌクレオシドが2’糖修飾ヌクレオシドである、態様28記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
30 1つまたは複数の2’糖修飾ヌクレオシドが、2’-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2’-O-メチル-RNAヌクレオシド、2’-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2’-O-メトキシエチル-RNAヌクレオシド、2’-アミノ-DNAヌクレオシド、2’-フルオロ-DNAヌクレオシド、2’-フルオロ-ANAヌクレオシド、およびLNAヌクレオシドからなる群より独立に選択される、態様29記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
31 1つまたは複数の修飾ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである、態様27〜30記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
32 修飾LNAヌクレオシドがオキシ-LNAである、態様31記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
33 修飾ヌクレオシドがβ-D-オキシ-LNAである、態様32記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
34 修飾ヌクレオシドがチオ-LNAである、態様31記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
35 修飾ヌクレオシドがアミノ-LNAである、態様31記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
36 修飾ヌクレオシドがcETである、態様31記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
37 修飾ヌクレオシドがENAである、態様31記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
38 修飾LNAヌクレオシドが、β-D-オキシ-LNA、α-L-オキシ-LNA、β-D-アミノ-LNA、α-L-アミノ-LNA、β-D-チオ-LNA、α-L-チオ-LNA、(S)cET、(R)cET、β-D-ENA、およびα-L-ENAより選択される、態様31記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
39 少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、態様1〜38のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
40 修飾ヌクレオシド間結合がヌクレアーゼ耐性である、態様39記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
41 連続ヌクレオチド配列内のヌクレオシド間結合の少なくとも50%がホスホロチオアートヌクレオシド間結合またはボラノリン酸ヌクレオシド間結合である、態様40記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
42 連続ヌクレオチド配列内のヌクレオシド間結合がすべて、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である、態様41記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
43 RNアーゼHを動員することができる、態様1〜42に記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
44 アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列がギャップマーを含む、態様43記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
45 アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、式5’-F-G-F’-3’(式中、領域FおよびF’は、1〜7個の修飾ヌクレオシドを独立に含むか、またはそれらからなり、かつGは、RNアーゼHを動員することができる6〜17個のヌクレオシドの領域、例えば6〜17個のDNAヌクレオシドを含む領域である)のギャップマーからなるか、またはそれを含む、態様43または44記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
46 修飾ヌクレオシドが、2’-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2’-O-メチル-RNAヌクレオシド、2’-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2’-O-メトキシエチル-RNAヌクレオシド、2’-アミノ-DNAヌクレオシド、2’-フルオロ-DNAヌクレオシド、アラビノ核酸(ANA)ヌクレオシド、2’-フルオロ-ANAヌクレオシド、およびLNAヌクレオシドからなる群より独立に選択される2’糖修飾ヌクレオシドである、態様45記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
47 領域FおよびF’中の修飾ヌクレオシドのうちの1つまたは複数がLNAヌクレオシドである、態様45または46記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
48 領域FおよびF’中のすべての修飾ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである、態様47記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
49 領域FおよびF’がLNAヌクレオシドからなる、態様48記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
50 領域FおよびF’中のすべての修飾ヌクレオシドがオキシ-LNAヌクレオシドである、態様49記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
51 領域FまたはF’のうちの少なくとも1つが、2’-O-アルキル-RNA、2’-O-メチル-RNA、2’-アルコキシ-RNA、2’-O-メトキシエチル-RNA、2’-アミノ-DNA、および2’-フルオロ-DNAからなる群より独立に選択される少なくとも1個の2’置換修飾ヌクレオシドをさらに含む、態様47記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
52 領域G中のRNアーゼH動員ヌクレオシドが、DNA、α-L-LNA、C4’アルキル化DNA、ANA、および2'F-ANA、ならびにUNAより独立に選択される、態様47〜51記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
53 領域G中のヌクレオシドが、DNAヌクレオシドおよび/またはα-L-LNAヌクレオシドである、態様52記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
54 領域Gが、少なくとも75%のDNAヌクレオシドからなる、態様52または53記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
55 アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、TCATttctatCTGT、AATCatttctatctgtaTCT、TCAtttctatctgtATCT、およびTCATttctatctGTATからなる群より選択される(式中、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシドのようなLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、任意で、LNA Cはすべて5-メチルシトシンであり、ヌクレオシド間結合はすべてホスホロチオアート結合である)、態様1〜54のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
56 CMP ID NO: 15_1、16_1、17_1、および18_1より選択される、態様55記載のオリゴヌクレオチド。
57 請求項1〜56のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲート。
58 コンジュゲート部分が、炭水化物、細胞表面受容体リガンド、原薬、ホルモン、親油性物質、ポリマー、タンパク質、ペプチド、毒素、ビタミン、ウイルスタンパク質、またはそれらの組合せより選択される、態様57記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
59 コンジュゲート部分が、アシアロ糖タンパク質受容体に結合することができる、態様57または58記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
60 アンチセンスオリゴヌクレオチドとコンジュゲート部分の間に配置されるリンカーを含む、態様57〜59のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
61 リンカーが生理学的に不安定なリンカーである、態様60記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
62 生理学的に不安定なリンカーが、ヌクレアーゼ感受性リンカーである、態様61記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
63 オリゴヌクレオチドが、式D’-F-G-F’またはF-G-F’-D’’(式中、F、F’、およびGは、態様47〜56で定義されるとおりであり、D’またはD’’は、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合を有する1個、2個、または3個のDNAヌクレオシドを含む)を有する、態様61または62記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドコンジュゲート。
64 態様1〜56のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは態様57〜63のいずれかに記載のコンジュゲートの、薬学的に許容される塩。
65 態様1〜56記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは態様57〜63記載のコンジュゲート、ならびに薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントを含む、薬学的組成物。
66 ヌクレオチドユニットを反応させ、それによってオリゴヌクレオチド中に含まれる共有結合的に連結された連続ヌクレオチドユニットを形成させる段階を含む、態様1〜56のいずれか1つに記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドを製造するための方法。
67 連続ヌクレオチド配列をヌクレオチドではないコンジュゲーション部分と反応させる段階をさらに含む、態様66記載の方法。
68 オリゴヌクレオチドを薬学的に許容される希釈剤、担体、塩、および/またはアジュバントと混合する段階を含む、態様65記載の組成物を製造するための方法。
69 哺乳動物ERC1を発現している標的細胞においてERC1発現を低減するためのインビボまたはインビトロの方法であって、態様1〜56記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、態様57〜63記載のコンジュゲート、態様64記載の薬学的に許容される塩、または態様65記載の薬学的組成物の有効量を該細胞に投与する段階を含む、方法。
70 態様1〜56記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、態様57〜63記載のコンジュゲート、態様64記載の薬学的に許容される塩、または態様65記載の薬学的組成物の治療的有効量または予防的有効量を、疾患に罹患しているまたは疾患に易罹患性である対象に投与する段階を含む、疾患を治療、緩和、または予防するための方法。
71 対象の疾患を治療、緩和、または予防するための医薬として使用するための、態様1〜56記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、態様57〜63記載のコンジュゲート、態様64記載の薬学的に許容される塩、または態様65記載の薬学的組成物。
72 対象の疾患を治療、緩和、または予防するための医薬を調製するための、態様1〜56記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、態様57〜63記載のコンジュゲート、または態様64記載の薬学的に許容される塩の使用。
73 疾患が、ERC1のインビボ活性に関連している、態様70〜72記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
74 疾患が、ERC1遺伝子の過剰発現および/またはERC1タンパク質の異常レベルに関連している、態様70〜73記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
75 ERC1遺伝子発現が、態様1〜56記載のオリゴヌクレオチドもしくは態様57〜63記載のコンジュゲートまたは態様64記載の薬学的に許容される塩もしくは態様65記載の薬学的組成物を用いない場合の発現と比べて、少なくとも30%、または少なくとももしくは少なくとも40%、または少なくとも50%、または少なくとも60%、または少なくとも70%、または少なくとも80%、または少なくとも90%、または少なくとも95%低減している、態様74記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
76 疾患が、甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、黒色腫、または転移性癌より選択される癌である、態様70〜75記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
77 疾患がデングウイルス感染症である、態様70〜76記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
78 対象が哺乳動物である、態様70〜77記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
79 哺乳動物がヒトである、態様78記載の方法、アンチセンスオリゴヌクレオチド、または使用。
材料および方法
(表4)オリゴヌクレオチドモチーフ配列(SEQ ID NOによって示される)、これらの設計、ならびにモチーフ配列に基づいて設計された具体的なオリゴヌクレオチド化合物(CMP ID NOによって示される)の一覧
Figure 2021510525
*複数の数は、反復ターゲティング化合物を指す。
モチーフ配列は、オリゴヌクレオチド中に存在する核酸塩基の連続配列に相当する。
設計とは、ギャップマー設計F-G-F’を指し、各数字は、連続した修飾ヌクレオシド、例えば2’修飾ヌクレオシドの数を表し(1番目の数字=5’フランク)、その後にDNAヌクレオシドの数を続け(2番目の数字=ギャップ領域)、その後に修飾ヌクレオシドの数、例えば2’修飾ヌクレオシドの数を続け(3番目の数字=3’フランク)、任意で、標的核酸に相補的である連続配列の一部分では必ずしもない、DNAおよびLNAのさらなる繰り返された領域が前にあるか、または後にある。
オリゴヌクレオチド化合物は、モチーフ配列の特定の設計に相当する。大文字はβ-D-オキシLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、LNA Cはすべて5-メチルシトシンであり、5-メチルDNAシトシンは「e」によって示され、ヌクレオシド間結合はすべて、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である。
オリゴヌクレオチド合成
通常、オリゴヌクレオチド合成は当技術分野において公知である。適用できるプロトコールを下記に示す。本発明のオリゴヌクレオチドは、使用する装置、支持体、および濃度の見地から、若干異なる方法によって製造された場合がある。
オリゴヌクレオチドは、1μmolスケールで、Oligomaker 48においてホスホロアミダイトアプローチを用いてウリジンユニバーサル支持体上で合成する。合成の最後に、アンモニア水を60℃で5〜16時間用いて、固体支持体からオリゴヌクレオチドを切断する。逆相HPLC(RP-HPLC)または固相抽出によってオリゴヌクレオチドを精製し、UPLCによって特徴を明らかにし、ESI-MSによって分子量をさらに確認する。
オリゴヌクレオチドの伸長
アセトニトリルに溶かした0.1Mの5’-O-DMT-保護アミダイト溶液およびアクチベーターとしてのアセトニトリル中DCI(4,5-ジシアノイミダゾール)(0.25M)を用いて、β-シアノエチル-ホスホロアミダイト(DNA-A(Bz)、DNA-G(ibu)、DNA-C(Bz)、DNA-T、LNA-5-メチル-C(Bz)、LNA-A(Bz)、LNA-G(dmf)、またはLNA-T)の連結を行う。最終サイクルのために、所望の修飾、例えば、コンジュゲート基を結合するためのC6リンカーまたはコンジュゲート基それ自体を有するホスホロアミダイトを用いることができる。水素化キサンタン(9:1のアセトニトリル/ピリジン中、0.01M)を用いることによって、ホスホロチオアート結合を導入するためのチオール化を行う。7:2:1のTHF/ピリジン/水に溶かした0.02Mヨウ素を用いて、リン酸ジエステル結合を導入することができる。その他の試薬は、オリゴヌクレオチド合成のために通常使用されるものである。
固相合成後のコンジュゲーションのために、固相合成の最後のサイクルにおいて、市販のC6アミノリンカーホスホロアミダイトを用いることができ、脱保護および固体支持体からの切断の後に、アミノ連結され脱保護されたオリゴヌクレオチドを単離する。これらのコンジュゲートは、標準的な合成方法を用いて官能基を活性化することにより、導入される。
RP-HPLCによる精製:
Phenomenex Jupiter C18 10μ 150×10mmカラムを用いる分取RP-HPLCによって、粗製化合物を精製する。0.1M酢酸アンモニウムpH8およびアセトニトリルを、流速5mL/分で緩衝液として使用する。回収した画分を凍結乾燥して、典型的には白色固形物として、精製化合物を得る。
略語:
DCI:4,5-ジシアノイミダゾール
DCM:ジクロロメタン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMT:4,4’-ジメトキシトリチル
THF:テトラヒドロフラン
Bz:ベンゾイル
Ibu:イソブチリル
RP-HPLC:逆相高速液体クロマトグラフィー
Tmアッセイ法:
オリゴヌクレオチドおよびRNA標的(リン酸結合、PO)二重鎖を、RNアーゼフリー水500mlに加えて3mMに希釈し、2×Tm緩衝液(200mM NaCl、0.2mM EDTA、20mMリン酸Na、pH7.0)500mlと混合する。溶液を3分間、95℃まで加熱し、次いで、室温で30分間、アニールさせた。二重鎖の融解温度(Tm)を、Peltier温度プログラマーPTP6を備えたLambda 40 UV/VIS分光光度計において、PE Templabソフトウェア(Perkin Elmer)を用いて測定する。温度を20℃から95℃に徐々に上げ、次いで、25℃まで下げ、260nmでの吸光度を記録する。一次導関数ならびに融解およびアニーリングの両方の局所極大値を用いて、二重鎖Tmを評価する。
実施例1:インビトロの有効性および効力の試験
ERC1の1つの領域を標的とするオリゴヌクレオチドならびにERC1の少なくとも3つの独立した領域を標的とするオリゴヌクレオチドを、HeLa細胞におけるインビトロ実験で試験した。これらのオリゴヌクレオチドのEC50(効力)および最大kd(有効性)を評価した。
細胞株
HeLa細胞株をEuropean Collection of Authenticated Cell Cultures (ECACC)から購入し、供給業者によって推奨されているように、37℃、5%CO2の加湿インキュベーター中で維持した。アッセイ法のために、ウェル当たり2,500個の細胞を、供給業者によって推奨されるように10%ウシ胎児血清(FBS)を含むイーグル最小必須培地(Sigma、M4655)を入れた96マルチウェルプレートに播種した。
オリゴヌクレオチドの効力および有効性
オリゴヌクレオチドを添加する前に、細胞を24時間インキュベートした。オリゴヌクレオチドをPBSに溶解し、0.01μM、0.031μM、0.1μM、0.31μM、1μM、3.21μM、10μM、および32.1μMのオリゴヌクレオチド最終濃度で細胞に添加した。最終培養体積は100μl/ウェルであった。オリゴヌクレオチド化合物の添加後3日目に細胞を採取し、製造業者の取扱い説明書に従ってPureLink Pro 96 RNA精製キット(Thermo Fisher Scientific)を用いて全RNAを抽出した。標的転写物のレベルを、Thermo Fisher ScientificによるFAM標識TaqManアッセイ法を用いて、技術的二重鎖および生物学的三重鎖の設定で、VIC標識GAPDH対照プローブとの多重反応において、定量した。関心対象の標的転写物ERC1(Hs01553904_m1)およびハウスキーピング遺伝子GAPDH(4326317E VIC(登録商標)/MGBプローブ)に対するTaqManプライマーアッセイ法。オリゴヌクレオチドのEC50および有効性を、対照試料に対する比率(%)として表6に示す。
EC50の計算は、GraphPad Prism6で実施した。ERC1の最大ノックダウンレベルを、対照に対する比率(%)として表5に示す。
(表5)EC50および最大ノックダウン(最大Kd)の、対照に対する比率(%)
Figure 2021510525

Claims (26)

  1. 哺乳動物ERC1標的核酸に少なくとも90%の相補性を有する、例えば完全に相補的である10〜30ヌクレオチド長の連続ヌクレオチド配列を含む、10〜50ヌクレオチド長のアンチセンスオリゴヌクレオチドであって、細胞において該哺乳動物ERC1標的核酸の発現を低減することができる、前記アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  2. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、および13からなる群より選択される配列または天然に存在するその変異体に少なくとも90%相補的である、請求項1記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  3. 連続ヌクレオチド配列が、哺乳動物ERC1標的核酸に完全に相補的である、請求項1または2記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  4. 連続ヌクレオチド配列が、哺乳動物ERC1核酸のmRNA前駆体(例えばSEQ ID NO: 1)中に存在するイントロン領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、請求項1〜3のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  5. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の815〜37239位、SEQ ID NO: 1の38065〜92655位、SEQ ID NO: 1の93073〜114241位、SEQ ID NO: 1の114317〜119683位、SEQ ID NO: 1の119840〜125357位、SEQ ID NO: 1の125526〜151111位、SEQ ID NO: 1の151280〜190031位、SEQ ID NO: 1の190170〜191416位、SEQ ID NO: 1の191558〜192772位、SEQ ID NO: 1の192914〜199350位、SEQ ID NO: 1の199545〜246260位、SEQ ID NO: 1の246397〜272525位、SEQ ID NO: 1の272658〜299343位、SEQ ID NO: 1の299505〜381324位、SEQ ID NO: 1の381470〜417640位、SEQ ID NO: 1の417740〜454053位、SEQ ID NO: 1の454243〜499584位より選択される、ヒトERC1のmRNA前駆体中に存在するイントロン領域に、少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、請求項1〜4のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  6. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の38065〜92655位に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、請求項1〜5のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  7. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 14、12、24、25、または26に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、請求項1〜6のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  8. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の88284〜88297位、88378〜88391位、88425〜88438位、88472〜88485位、88517〜88530位、88656〜88669位、88703〜88716位、88750〜88763位、88795〜88808位、88842〜88855位、88889〜88902位、88936〜88949位、88983〜88996位、89030〜89043位、89077〜89090位、89124〜89137位、89171〜89184位、89265〜89278位、89312〜89325位、89359〜88372位、88374〜88393位、88421〜88440位、88468〜88487位、88513〜88532位、88652〜88671位、88699〜88718位、88746〜88765位、88791〜88810位、88838〜88857位、88885〜88904位、88932〜88951位、88979〜88998位、89026〜89045位、89073〜89092位、89120〜89139位、89167〜89186位、89261〜89280位、89308〜89327位、89355〜89374位、88374〜88391位、88421〜88438位、88468〜88485位、88513〜88530位、88652〜88669位、88699〜88716位、88746〜88763位、88791〜88808位、88838〜88855位、88885〜88902位、88932〜88949位、88979〜88996位、89026〜89043位、89073〜89090位、89120〜89137位、89167〜89184位、89261〜89278位、89308〜89325位、89355〜89372位、88376〜88391位、88423〜88438位、88470〜88485位、88515〜88530位、88654〜88669位、88701〜88716位、88748〜88763位、88793〜88808位、88840〜88855位、88887〜88902位、88934〜88949位、88981〜88996位、89028〜89043位、89075〜89090位、89122〜89137位、89169〜89184位、89263〜89278位、89310〜89325位、89357〜89372位、451815〜451834位、451816〜451833位、451818〜451833位、451818〜451831位からなる群より選択されるSEQ ID NO: 1の標的領域に、少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的である、請求項1〜7のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  9. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 1の標的核酸中の10〜22ヌクレオチド長、例えば14〜20ヌクレオチド長の標的領域に少なくとも90%相補的、例えば完全に相補的であり、該標的領域が該標的核酸において少なくとも2回繰り返されている、請求項1〜8のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  10. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 15、16、17、および18からなる群より選択される配列と少なくとも90%同一、例えば100%同一である、請求項1〜9のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  11. 連続ヌクレオチド配列が、SEQ ID NO: 15、16、17、および18からなる群より選択される配列からなるか、またはそれを含む、請求項1〜10のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  12. 連続ヌクレオチド配列が、1つまたは複数の2’糖修飾ヌクレオシドを含む、請求項1〜11のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  13. 1つまたは複数の2’糖修飾ヌクレオシドが、2’-O-アルキル-RNAヌクレオシド、2’-O-メチル-RNAヌクレオシド、2’-アルコキシ-RNAヌクレオシド、2’-O-メトキシエチル-RNAヌクレオシド、2’-アミノ-DNAヌクレオシド、2’-フルオロ-DNAヌクレオシド、アラビノ核酸(ANA)ヌクレオシド、2’-フルオロ-ANAヌクレオシド、およびLNAヌクレオシドからなる群より独立に選択される、請求項12記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  14. 1つまたは複数の2’糖修飾ヌクレオシドがLNAヌクレオシドである、請求項12または13記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  15. 連続ヌクレオチド配列が、少なくとも1個の修飾ヌクレオシド間結合を含む、請求項1〜14のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  16. 連続ヌクレオチド配列内のヌクレオシド間結合の少なくとも50%、例えば少なくとも75%、例えば少なくとも90%、例えばすべてが、ホスホロチオアートヌクレオシド間結合である、請求項1〜15のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  17. RNアーゼHを動員することができる、請求項1〜16のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  18. アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、式5’-F-G-F’-3’のギャップマーからなるか、またはそれを含み、式中、領域FおよびF’は、1〜8個のヌクレオシドを独立に含み、そのうちの1〜5個が2’糖修飾ヌクレオシドでありかつ該F領域およびF’領域の5’末端および3’末端を定め、かつGは、RNアーゼHを動員することができる6〜17個のヌクレオシドの領域、例えば6〜17個のDNAヌクレオシドを含む領域である、請求項1〜17のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  19. アンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列が、TCATttctatCTGT(化合物15_1)、AATCatttctatctgtaTCT(化合物16_1)、TCAtttctatctgtATCT(化合物17_1)、およびTCATttctatctGTAT(化合物18_1)からなる群より選択され、式中、大文字は、β-D-オキシLNAヌクレオシドのようなLNAヌクレオシドを表し、小文字はDNAヌクレオシドを表し、任意で、LNA Cはすべて5-メチルシトシンであり、かつヌクレオシド間結合はすべてホスホロチオアート結合である、請求項1〜18のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  20. 請求項1〜18のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドおよび該オリゴヌクレオチドに共有結合的に結合した少なくとも1つのコンジュゲート部分を含む、コンジュゲート。
  21. 請求項1〜19のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは請求項20記載のコンジュゲートの、薬学的に許容される塩。
  22. 請求項1〜19のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたは請求項20記載のコンジュゲート、ならびに薬学的に許容される希釈剤、溶媒、担体、塩、および/またはアジュバントを含む、薬学的組成物。
  23. 哺乳動物ERC1を発現している標的細胞において哺乳動物ERC1発現を阻害するためのインビボまたはインビトロの方法であって、請求項1〜19のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項20記載のコンジュゲート、請求項21記載の薬学的に許容される塩、または請求項22記載の薬学的組成物の有効量を該細胞に投与する段階を含む、前記方法。
  24. 医薬品において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項20記載のコンジュゲート、請求項21記載の薬学的に許容される塩、または請求項22記載の薬学的組成物。
  25. デングウイルス感染症または癌、例えば、甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、黒色腫、もしくは転移性癌の治療または予防において使用するための、請求項1〜19のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項20記載のコンジュゲート、請求項21記載の薬学的に許容される塩、または請求項22記載の薬学的組成物。
  26. デングウイルス感染症または癌、例えば、甲状腺癌、乳癌、頭頸部癌、結腸直腸癌、腎臓癌、精巣癌、黒色腫、もしくは転移性癌の治療または予防のための医薬を調製するための、請求項1〜19のいずれか一項記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド、請求項20記載のコンジュゲート、請求項21記載の薬学的に許容される塩、または請求項22記載の薬学的組成物の使用。
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