本開示の実施形態は、概して、改善されたアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、ならびにヒトジストロフィン遺伝子においてエクソンスキッピングを誘導するように特別に設計されたその使用方法に関する。ジストロフィンは筋機能において重要な役割を果たし、様々な筋肉関連疾患がこの遺伝子の変異型を特徴とする。したがって、ある特定の実施形態において、本明細書に記載される改善されたアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)およびベッカー型筋ジストロフィー(BMD)に見られる変異ジストロフィン遺伝子などのヒトジストロフィン遺伝子の変異型においてエクソンスキッピングを誘導する。
変異によって引き起こされる異常なmRNAスプライシング事象により、これらの変異ヒトジストロフィン遺伝子は、欠陥のあるジストロフィンタンパク質を発現するか、または測定可能なジストロフィンを全く発現しないかのいずれかであり、これは様々な形態の筋ジストロフィーを引き起こす状態である。この状態を治療するために、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、変異ヒトジストロフィン遺伝子の予めプロセシングされたmRNAの選択された領域にハイブリダイズし、そうでなければ異常にスプライシングされたジストロフィンmRNAにおいてエクソンスキッピングおよび差次的スプライシングを誘導し、それにより筋細胞が、機能性ジストロフィンタンパク質をコードするmRNA転写物を産生することを可能にする。ある特定の実施形態において、結果として生じるジストロフィンタンパク質は、必ずしも「野生型」形態のジストロフィンではなく、むしろ、切断されたが機能的な形態のジストロフィンである。
筋細胞における機能性ジストロフィンタンパク質のレベルを高めることによって、これらおよび関連する実施形態は、筋ジストロフィー、特にDMDおよびBMDなどの筋ジストロフィーの形態の予防および治療に有用であり、これらは、異常なmRNAスプライシングによる欠陥のあるジストロフィンタンパク質の発現を特徴とする。本明細書に記載される特定のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、他のオリゴマーよりも改善されたジストロフィン−エクソン特異的標的化をさらに提供し、それにより、関連する形態の筋ジストロフィーを治療する代替的な方法よりも有意かつ実用的な利点を提供する。
したがって、本開示は、
ヒトジストロフィン遺伝子中でエクソンスキッピングを誘導するために選択された標的に結合することができる18〜25個のサブユニットの長さのアンチセンスオリゴマーであって、アニーリング部位として指定されるジストロフィンプレmRNAのエクソン53標的領域に相補的である塩基の配列を含む、アンチセンスオリゴマーと、
リンカー部分によってアンチセンスオリゴマーにコンジュゲートされた細胞膜透過性ペプチド(CPP)と、を含む、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートに関する。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択される。
本開示はまた、ヒトジストロフィン遺伝子中でエクソンスキッピングを誘導するために選択された標的に結合することができる18〜23個のサブユニットの長さのアンチセンスオリゴマーに関し、アンチセンスオリゴマーは、アニーリング部位として指定されるジストロフィンプレmRNAのエクソン53標的領域に相補的である塩基の配列を含む。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーの塩基は、モルホリノ環構造に連結され、モルホリノ環構造は、1つの環構造のモルホリノ窒素を隣接する環構造の5’環外炭素に結合するリン含有サブユニット間リンケージによって結合される。ある特定の実施形態において、細胞膜透過性ペプチドは、R6(配列番号71)であり、リンカー部分は、グリシンである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、配列番号1として指定される塩基の配列を含み、ここで、各チミン塩基(T)は、任意にウラシル塩基(U)である。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料が、本開示の実施または試験で使用され得るが、好ましい方法および材料が説明される。本開示の目的のために、以下の用語が以下に定義される。
I.定義
「約」とは、基準の数量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、または長さに対して30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%ほどまで変化する数量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、または長さを意味する。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、別段の定めがない限り、飽和直鎖または分岐炭化水素を指す。ある特定の実施形態において、アルキル基は、第一級、第二級、または第三級炭化水素である。ある特定の実施形態において、アルキル基は、1〜10個の炭素原子、すなわち、C1〜C10アルキルを含む。ある特定の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子、すなわち、C1〜C6アルキルを含む。ある特定の実施形態において、アルキル基は、メチル、CF3、CCl3、CFCl2、CF2Cl、エチル、CH2CF3、CF2CF3、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルからなる群から選択される。この用語は、ハロゲン化アルキル基を含む、置換アルキル基および非置換アルキル基の両方を含む。ある特定の実施形態において、アルキル基は、フッ素化アルキル基である。アルキル基が置換され得る部分の非限定的な例は、当業者に既知のように、例えば、参照により本明細書に組み込まれるGreene,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Second Edition,1991で教示されるように、保護されていないか、または必要に応じて保護されているかのいずれかの、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、もしくはヨード)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、硫酸塩、ホスホン酸、リン酸塩、またはホスホン酸塩からなる群から選択される。
「エクソン53スキッピングに適している」とは、対象または患者に関して本明細書で使用される場合、ジストロフィンプレmRNAのエクソン53のスキッピングがないと、リーディングフレームをアウトオブフレームにし、それによりプレmRNAの翻訳を妨げ、対象または患者が機能性または半機能性ジストロフィンを産生することをできなくさせる、ジストロフィン遺伝子の1つ以上の変異を有する対象および患者を含むことが意図される。エクソン53スキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異の例としては、例えば、エクソン42〜52、エクソン45〜52、エクソン47〜52、エクソン48〜52、エクソン49〜52、エクソン50〜52、またはエクソン52の欠失が挙げられる。患者がエクソンスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有するかどうかを判定することは、十分に当業者の範囲内である(例えば、Aartsma−Rus et al.(2009)Hum Mutat.30:293−299、Gurvich et al.,Hum Mutat.2009;30(4)633−640、およびFletcher et al.(2010)Molecular Therapy 18(6)1218−1223を参照)。
本明細書で使用される場合、「オリゴマー」という用語は、サブユニット間リンケージによって結合されるサブユニットの配列を指す。ある特定の例において、「オリゴマー」という用語は、「アンチセンスオリゴマー」に関連して使用される。「アンチセンスオリゴマー」について、各サブユニットは、(i)リボース糖またはその誘導体、および(ii)それらに結合した核酸塩基からなり、これにより、塩基対合部分の順序は、サブユニット、サブユニット間リンケージ、または両方のいずれかが自然発生的ではないという条件で、標的配列内で核酸:オリゴマーヘテロ二本鎖を形成するために、ワトソン−クリック塩基対合によって核酸(典型的にはRNA)中の標的配列に相補的である塩基配列を形成する。ある特定の実施形態において、アンチセンスオリゴマーはPMOである。他の実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、2’−O−メチルホスホロチオエートである。他の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーは、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、または2’−O,4’−C−エチレン架橋核酸(ENA)などの架橋核酸(BNA)である。追加の例示的な実施形態は、本明細書に記載される。
「相補的な」および「相補性」という用語は、ワトソン−クリック塩基対ルールによって互いに関連する2つ以上のオリゴマー(すなわち、各々が核酸塩基配列を含む)を指す。例えば、核酸塩基配列「T−G−A(5’→3’)」は、核酸塩基配列「A−C−T(3’→5’)」に相補的である。相補性は、「部分的」であってもよく、所与の核酸塩基配列の全てには満たない核酸塩基が、塩基対合ルールに従って他の核酸塩基配列にマッチされる。例えば、いくつかの実施形態において、所与の核酸塩基配列と別の核酸塩基配列との間の相補性は、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%であってもよい。または例を続けると、所与の核酸塩基配列と別の核酸塩基配列との間に「完全(complete)」または「完全(perfect)」(100%)な相補性が存在してもよい。核酸塩基配列間の相補性の程度は、配列間のハイブリダイゼーションの効率および強度に有意な影響を与える。
「有効量」および「治療有効量」という用語は、本明細書において互換的に使用され、所望の治療効果をもたらすのに有効である、単回投与または連続投与のうちの一部のいずれかとして、哺乳動物対象に投与される、アンチセンスオリゴマーなどの治療化合物の量を指す。アンチセンスオリゴマーについて、この効果は典型的には、選択された標的配列の翻訳または天然のスプライスプロセシングを阻害することによって、または臨床的に有意な量のジストロフィン(統計的有意性)を産生することによってもたらされる。
いくつかの実施形態において、有効量は、対象を治療するための期間にわたって、アンチセンスオリゴマーを含む少なくとも10mg/kgまたは少なくとも20mg/kgの組成物である。いくつかの実施形態において、有効量は、対象におけるジストロフィン陽性線維の数を正常の少なくとも20%に増加させるために、アンチセンスオリゴマーを含む少なくとも20mg/kgの組成物である。ある特定の実施形態において、有効量は、例えば、健康な同等者と比較して患者において、例えば6MWTで20%の不足から歩行距離を安定化、維持、または改善するために、アンチセンスオリゴマーを含む10mg/kgまたは少なくとも少なくとも様々な実施形態において、標的化配列は、アニーリング20mg/kgの組成物である。様々な実施形態において、有効量は、少なくとも10mg/kg〜約30mg/kg、少なくとも20mg/kg〜約30mg/kg、約25mg/kg〜約30mg/kg、または約30mg/kg〜約50mg/kgである。いくつかの実施形態において、有効量は、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、または約50mg/kgである。別の態様において、有効量は、少なくとも24週間、少なくとも36週間、または少なくとも48週間にわたって、少なくとも約10mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、または約30mg/kg〜約50mg/kgであり、それにより、対象におけるジストロフィン陽性線維の数を正常の少なくとも20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%に増加させ、健康な同等者と比較して患者において、例えば6MWTで20%の不足から歩行距離を安定化または改善する。いくつかの実施形態において、治療は、患者においてジストロフィン陽性線維の数を正常の20〜60%または30〜50%に増加させる。
「増強する」もしくは「増強すること」、または「増加させる」もしくは「増加させること」、または「刺激する」もしくは「刺激すること」とは概して、上記のいずれかのアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは医薬組成物が、アンチセンスオリゴマーなし、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートなし、または対照化合物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、細胞または対象においてより大きい生理学的応答(すなわち、下流効果)をもたらすまたは引き起こす能力を指す。より大きい生理学的応答は、当該技術分野における理解および本明細書の記載から明らかな応答の中でも特に、ジストロフィンタンパク質の機能的形態の発現の増加、または筋組織におけるジストロフィン関連生物活性の増加を含み得る。筋機能の増加も測定され得、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%までの筋機能の増加または改善を含む。機能性ジストロフィンを発現させる筋線維の割合も測定され得、筋線維の約1%、2%、5%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%のジストロフィン発現の増加を含む。例えば、25〜30%の線維がジストロフィンを発現させる場合、約40%の筋機能の改善が起こり得ることが示されている(例えば、DelloRusso et al,Proc Natl Acad Sci USA 99:12979−12984,2002を参照)。「増加した」または「増強された」量は、典型的には、「統計的に有意な」量であり、薬剤の非存在(アンチセンスオリゴマーもしくはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートなし)または対照化合物によって産生される量の1.1、1.2、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50倍以上(例えば、500、1000倍、それらの間の、かつ1を超える全ての整数および小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などを含む)である増加を含み得る。
本明細書で使用される場合、「機能」および「機能性」などという用語は、生物学的、酵素的、または治療的機能を指す。
「機能性」ジストロフィンタンパク質とは概して、典型的には、DMDまたはBMDを有する特定の対象に存在するジストロフィンタンパク質の「改変」型または「欠損」型と比較して、そうでなければ筋ジストロフィーに特徴的である筋組織の進行性分解を低減するのに十分な生物学的活性を有するジストロフィンタンパク質を指す。ある特定の実施形態において、機能性ジストロフィンタンパク質は、当該技術分野の通常の技術に従って測定されるように、野生型ジストロフィンのin vitroまたはin vivoの生物学的活性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%(それらの間の全ての整数を含む)を有し得る。一例として、in vitroでの筋培養におけるジストロフィン関連活性は、筋管サイズ、筋原線維の組織化(または崩壊)、収縮活性、およびアセチルコリンアクセプターの自発的クラスター化に従って測定され得る(例えば、Brown et al.,Journal of Cell Science.112:209−216,1999を参照)。また、動物モデルは、疾患の病因を研究するための貴重なリソースであり、ジストロフィン関連活性を試験するための手段を提供する。DMD研究に最も広く使用されている動物モデルのうちの2つは、mdxマウスおよびゴールデンレトリバー筋ジストロフィー(GRMD)犬であり、両方ともジストロフィン陰性である(例えば、Collins & Morgan,Int J Exp Pathol 84:165−172,2003を参照)。これらおよび他の動物モデルが使用されて、様々なジストロフィンタンパク質の機能活性を測定することができる。本開示の特定のエクソンスキッピングアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの投与後に産生される形態などの、切断型ジストロフィンが含まれる。
「ミスマッチ」(複数可)という用語は、塩基対合ルールに従って標的プレmRNAにマッチしないオリゴマー核酸塩基配列中の1つ以上の核酸塩基(連続的であるか分離しているかにかかわらず)を指す。多くの場合、完全相補性が望ましいが、いくつかの実施形態は、標的プレmRNAに対して1つ以上、好ましくは6、5、4、3、2、または1つのミスマッチを含み得る。オリゴマー内の任意の位置における変動が含まれる。ある特定の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、内部の末端変動付近の核酸塩基配列の変動を含み、存在する場合、典型的には、5’および/または3’末端の約6、5、4、3、2、または1個のサブユニット以内にある。
「モルホリノ」、「モルホリノオリゴマー」、および「PMO」という用語は、以下の一般構造:
の、かつSummerton,J.,et al.,Antisense & Nucleic Acid Drug Development,7:187−195(1997)の図2に記載されるような、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。本明細書に記載されるモルホリノは、上記の一般構造の全ての立体異性体および互変異性体を含む。モルホリノオリゴマーの合成、構造、および結合特性は、米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、同第5,506,337号、同第8,076,476号、および同第8,299,206号に詳述されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態において、モルホリノは、オリゴマーの5’または3’末端で「テール」部分とコンジュゲートされて、その安定性および/または溶解性を高める。例示的なテールは、以下を含む。
上記の例示的なテール部分のうち、「TEG」または「EG3」は、以下のテール部分を指す。
上記の例示的なテール部分のうち、「GT」は、以下のテール部分を指す。
本明細書で使用される場合、「−G−R
6」(配列番号72)および「−G−R
6−Ac」(配列番号72)という用語は、互換的に使用され、本開示のアンチセンスオリゴマーにコンジュゲートされたペプチド部分を指す。様々な実施形態において、「G」は、アミド結合によって「R
6」(配列番号71)にコンジュゲートされたグリシン残基を表し、各「R」は、アミド結合によって一緒にコンジュゲートされたアルギニン残基を表し、これにより「R
6」は、アミド結合によって一緒にコンジュゲートされた6個のアルギニン残基(配列番号71)を意味する。アルギニン残基は、任意の立体配置を有することができ、例えば、アルギニン残基は、L−アルギニン残基、D−アルギニン残基、またはD−アルギニン残基とL−アルギニン残基の混合物であり得る。ある特定の実施形態において、「−G−R
6」(配列番号72)または「−G−R
6−Ac」(配列番号72)は、本開示のPMOアンチセンスオリゴマーの最も3’のモルホリノサブユニットのモルホリン環窒素にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、「−G−R
6」(配列番号72)または「−G−R
6−Ac」(配列番号72)は、本開示のアンチセンスオリゴマーの3’末端にコンジュゲートされ、以下の式を有する。
「核酸塩基」(Nu)、「塩基対合部分」、または「塩基」という用語は、自然発生または「天然」DNAまたはRNA(例えば、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、およびグアニン)で見られるプリンまたはピリミジン塩基、ならびにこれらの自然発生的プリンおよびピリミジンの類似体を指すために互換的に使用される。これらの類似体は、結合親和性などの改善された特性をオリゴマーに与えることができる。例示的な類似体としては、ヒポキサンチン(イノシンの塩基構成成分)、2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、C5−プロピニル修飾ピリミジン、10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル)(G−クランプ)などが挙げられる。
塩基対合部分のさらなる例としては、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、グアニン、およびヒポキサンチン(イノシン)(アシル保護基によって保護されたそれらのそれぞれアミノ基を有する)、2−フルオロウラシル、2−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、2,6−ジアミノプリン、アザシトシン、偽イソシトシンおよび偽ウラシルなどのピリミジン類似体、ならびに8−置換プリン、キサンチン、またはヒポキサンチン(後者の2つは自然分解生成物である)などの他の修飾核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。Chiu and Rana, RNA,2003,9,1034−1048;Limbach et al.Nucleic Acids Research,1994,22,2183−2196、およびRevankar and Rao,Comprehensive Natural Products Chemistry,vol.7,313に開示される修飾核酸塩基もまた企図され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
塩基対合部分のさらなる例としては、1つ以上のベンゼン環が付加された拡大サイズの核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。Glen Researchカタログ(www.glenresearch.com)、Krueger AT et al.,Acc.Chem.Res.,2007,40,141−150、Kool,ET,Acc.Chem.Res.,2002,35,936−943、Benner S.A.,et al.,Nat.Rev.Genet.,2005,6,553−543、Romesberg,F.E.,et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2003,7,723−733、およびHirao,I.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2006,10,622−627(それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載される核酸塩基置き換えは、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートにおいて有用であると考えられる。拡大サイズの核酸塩基の例としては、以下に示されるもの、ならびにその互変異性体が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、通常は注射による、腸内および局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、および胸骨内の注射および注入を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、構造式内で使用される一組の括弧は、括弧間の構造特徴が繰り返されることを示す。いくつかの実施形態において、使用される括弧は、「[」および「]」であり得、ある特定の実施形態において、繰り返す構造特徴を示すために使用される括弧は、「(」および「)」であり得る。いくつかの実施形態において、括弧間の構造特徴の繰り返し反復数は、括弧の外側に示される数、例えば、2、3、4、5、6、7などである。様々な実施形態において、括弧間の構造特徴の繰り返し反復数は、「Z」などの括弧の外側に示される変数によって示される。
本明細書で使用される場合、構造式内のキラル炭素またはリン原子に引き寄せられた直鎖結合または曲がりくねった(squiggly)結合は、キラル炭素またはリンの立体化学が未定義であり、キラル中心の全ての形態を含むことが意図されていることを示す。そのような図の例が以下に示される。
「薬学的に許容される」という語句は、物質または組成物が、製剤を含む他の成分ならびに/または治療される対象と化学的および/もしくは毒性学的に適合性がなければならないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という語句は、非毒性、不活性固体、半固体もしくは液体充填剤、希釈剤、封入材料、または任意のタイプの製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、製剤者の判断に従って、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、スクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルナトリウムセルロース、エチルセルロース、および酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコールエステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギニン酸;発熱性物質除去蒸留水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;非毒性適合性潤滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム;着色剤;離型剤;コーティング剤;甘味剤;香味剤;芳香剤;防腐剤;および酸化防止剤がある。
ジストロフィン合成または産生に関する「回復」という用語は、概して、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療後の筋ジストロフィー患者における、切断型ジストロフィンを含むジストロフィンタンパク質の産生を指す。いくつかの実施形態において、治療は、患者における新規のジストロフィン産生の1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%(それらの間の全ての整数を含む)の増加をもたらす。いくつかの実施形態において、治療は、対象においてジストロフィン陽性線維の数を正常の少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%〜100%に増加させる。他の実施形態において、治療は、対象においてジストロフィン陽性線維の数を正常の約20%〜約60%または約30%〜約50%に増加させる。治療後の患者のジストロフィン陽性線維の割合は、既知の技術を使用して筋生検によって決定され得る。例えば、筋生検は、患者の上腕二頭筋などの好適な筋肉から採取され得る。
陽性ジストロフィン線維の割合の分析は、治療前および/もしくは治療後、または治療過程全体を通した時点において実施され得る。いくつかの実施形態において、治療後生検は、治療前生検と対側の筋肉から採取される。治療前および治療後のジストロフィン発現分析は、好適なジストロフィンアッセイを使用して実施され得る。いくつかの実施形態において、免疫組織化学的検出は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体などのジストロフィンのマーカーである抗体を使用して、筋生検からの組織切片上で実施される。例えば、ジストロフィンの高感度マーカーであるMANDYS106抗体が使用され得る。任意の好適な二次抗体が使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、ジストロフィン陽性線維の割合は、陽性線維の数をカウントした総線維数で割ることによって計算される。正常な筋肉試料は、100%ジストロフィン陽性の線維を有する。したがって、ジストロフィン陽性線維の割合は、正常の割合として表され得る。治療前の筋肉ならびに復帰突然変異線維におけるジストロフィンの微量レベルの存在を制御するために、治療後の筋肉におけるジストロフィン陽性線維をカウントする際に、患者からの治療前の筋肉切片を使用してベースラインが設定され得る。これは、その患者の治療後の筋肉切片におけるジストロフィン陽性線維をカウントするための閾値として使用され得る。他の実施形態において、抗体で染色された組織切片は、Bioquant画像分析ソフトウェア(Bioquant Image Analysis Corporation,Nashville,TN)を使用したジストロフィン定量化にも使用され得る。ジストロフィン蛍光シグナルの総強度は、正常の割合として報告され得る。また、モノクローナルまたはポリクローナル抗ジストロフィン抗体を用いたウェスタンブロット分析を使用して、ジストロフィン陽性線維の割合を決定することができる。例えば、Leica Biosystemsからの抗ジストロフィン抗体NCL−Dys1が使用され得る。また、ジストロフィン陽性線維の割合は、サルコグリカン複合体(β,γ)および/または神経NOSの構成成分の発現を決定することによっても分析され得る。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、治療なしで予想されるDMD患者における進行性呼吸筋機能障害および/または不全を遅らせるか、または低減する。いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、治療なしで予想される換気補助の必要性を低減または排除し得る。いくつかの実施形態において、疾患の経過を追跡するための呼吸機能の測定、ならびに可能性のある治療介入の評価には、最大吸気圧(MIP)、最大呼気圧(MEP)、および努力肺活量(FVC)が含まれる。MIPおよびMEPは、吸入および呼気中に人が発生させることができる圧力レベルをそれぞれ測定し、呼吸筋力の感度尺度である。MIPは、横隔膜の筋力低下の尺度である。
いくつかの実施形態において、MIPおよびFVCを含む他の肺機能検査における変化の前に、MEPは低下し得る。ある特定の実施形態において、MEPは、呼吸機能障害の早期指標であり得る。ある特定の実施形態において、FVCは、最大吸気後の強制呼気中に排出される空気の総体積を測定するために使用され得る。DMD患者では、FVCは、10代前半まで身体的成長と同時に増加する。しかしながら、成長が病気の進行によって遅くなるまたは不良になり、筋力低下が進行すると、肺活量は下降期に入り、10〜12歳の後、年間約8〜8.5パーセントの平均速度で低下する。ある特定の実施形態において、予測MIPパーセント(MIPは体重で調整)、予測MEPパーセント(MEPは年齢で調整)、および予測FVCパーセント(FVCは年齢および身長で調整)は、支持的分析である。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は、DMDもしくはBMD、またはこれらの状態に関連する症状のいずれか(例えば、筋線維の消失)を有する、またはそのリスクがある対象(または患者)など、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートで治療され得る症状を示す、または症状を示すリスクがある任意の動物を含む。好適な対象(または患者)には、実験動物(マウス、ラット、ウサギ、またはモルモットなど)、家畜、および家庭用動物またはペット(ネコまたはイヌなど)が含まれる。非ヒト霊長類、および好ましくはヒト患者(または対象)が含まれる。また、エクソン51スキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有する対象(または患者)において、ジストロフィンを産生する方法も含まれる。
本明細書で使用される場合、「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」、および「末梢に投与される」という語句は、化合物、薬物、またはそれ以外の他の物質の中枢神経系への直接の投与を意味し、これにより患者の系内に入り、したがって代謝および例えば、皮下投与などの他の類似のプロセスの対象となる。
「標的化配列」という語句は、標的プレmRNA中のヌクレオチドの配列に相補的であるオリゴマーの核酸塩基の配列を指す。本開示のいくつかにおいて、標的プレmRNAにおけるヌクレオチドの配列は、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位である。
本開示のいくつかにおいて、標的プレmRNAにおけるヌクレオチドの配列は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位である。
対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)または細胞の「治療」は、対象または細胞の自然経過を変化させる試みにおいて使用される任意のタイプの介入である。治療は、限定するものではないが、オリゴマーまたはその医薬組成物の投与を含み、予防的に、または病理学的事象の開始もしくは病原体との接触の後のいずれかに実施され得る。治療は、ジストロフィンタンパク質に関連した疾患または状態の症状または病理に対する任意の望ましい効果を含み、例えば、治療される疾患または状態の1つ以上の測定可能なマーカーの最小限の変化または改善を含み得る。また、治療される疾患または状態の進行速度を低下させ、その疾患または状態の発症を遅延させる、またはその発症の重症度を低減することを対象とし得る「予防的」治療も含まれる。「治療」または「予防」は、必ずしも疾患もしくは状態またはその随伴症状の完全な根絶、治癒、または予防を示すものではない。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、治療なしで予想され得る、新規のジストロフィン産生を増加させ、疾患進行を遅延させ、歩行不能を遅らせるかもしくは低減し、筋肉の炎症を低減し、筋肉損傷を低減し、筋機能を改善し、肺機能の喪失を低減し、かつ/または筋肉再生を増強する。いくつかの実施形態において、治療は、疾患進行を維持するか、遅延させるか、または遅らせる。いくつかの実施形態において、治療は、歩行を維持するか、または歩行不能を低減する。いくつかの実施形態において、治療は、肺機能を維持するか、または肺機能の喪失を低減する。いくつかの実施形態において、治療は、例えば、6分間歩行試験(6MWT)によって測定されるように、患者の安定した歩行距離を維持するか、または増加させる。いくつかの実施形態において、治療は、10メートルを歩行/走行する時間(すなわち、10メートル歩行/走行試験)を維持するか、または減少させる。いくつかの実施形態において、治療は、仰臥位から立ち上がるまでの時間(すなわち、起立時間試験)を維持するか、または低減する。いくつかの実施形態において、治療は、4つの標準階段を上る時間(4階段上昇試験)を維持するか、または低減する。いくつかの実施形態において、治療は、例えば、MRI(例えば、脚筋のMRI)によって測定されるように、患者における筋肉の炎症を維持するか、または低減する。いくつかの実施形態において、MRIは、T2および/または脂肪画分を測定して、筋変性を特定する。MRIは、炎症、浮腫、筋肉損傷、および脂肪浸潤によって引き起こされる筋肉の構造および組成の変化を特定することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、新規のジストロフィン産生を増加させ、治療なしで予測される歩行不能を遅らせるか、または低減する。例えば、治療は、対象における歩行能力(例えば、歩行の安定化)を安定化するか、維持するか、改善するか、または増加させ得る。いくつかの実施形態において、治療は、例えば、McDonaldら(Muscle Nerve,2010;42:966−74(参照により本明細書に組み込まれる))によって記載される6分間歩行試験(6MWT)によって測定されるように、患者の安定した歩行距離を維持するか、または増加させる。6分間歩行距離(6MWD)の変化は、絶対値、変化率、または%予測値の変化として表され得る。いくつかの実施形態において、治療は、健康な同等者と比較して、対象における20%の不足から6MWTで安定した歩行距離を維持または改善する。健康な同等者の典型的なパフォーマンスと比較した6MWTにおけるDMD患者のパフォーマンスは、%予測値を計算することによって決定され得る。例えば、%予測された6MWDは、男性について以下の方程式を使用して計算され得る:196.72+(39.81×年齢)−(1.36×年齢2)+(132.28×身長(メートル))。女性の場合、%予測された6MWDは、以下の方程式を使用して計算され得る:188.61+(51.50×年齢)−(1.86×年齢2)+(86.10×身長(メートル))(Henricson et al.PLoS Curr.,2012,version 2(参照により本明細書に組み込まれる))。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーを用いた治療は、患者における安定した歩行距離を、ベースラインから3、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、または50メートル超まで増加させる(それらの間の全ての整数を含む)。
DMD患者の筋機能の喪失は、正常な小児の成長および発達の背景に対して起こり得る。実際に、DMDを有する小児は、進行性筋肉障害にもかかわらず、約1年の間に6MWT中の歩行距離の増加を示し得る。いくつかの実施形態において、DMD患者からの6MWDは、定型発達の対照対象、ならびに年齢および性別が一致した対象からの既存の標準データと比較される。いくつかの実施形態において、正常な成長および発達は、標準データにフィッティングされた年齢および身長に基づく方程式を使用して説明され得る。そのような方程式を使用して、DMD患者において6MWDをパーセント予測(%予測)値に変換することができる。ある特定の実施形態において、%予測6MWDデータの分析は、正常な成長および発達を説明する方法を表し、若年齢(例えば、7歳以下)における機能の増加が、DMD患者における能力の改善ではなく安定を表すことを示し得る(Henricson et al.PLoS Curr.,2012,version 2(参照により本明細書に組み込まれる))。
異なるアンチセンス分子を区別するために、アンチセンス分子の命名法システムが提案および公開された(Mann et al.,(2002)J Gen Med 4,644−654を参照)。この命名法は、以下に示されるように、全てが同じ標的領域に向けられたいくつかのわずかに異なるアンチセンス分子を試験するときに特に重要であった:
H#A/D(x:y)
最初の文字は、種を示す(例えば、H:ヒト、M:マウス、C:イヌ)。「#」は、標的ジストロフィンエクソン番号を示す。「A/D」は、それぞれエクソンの始点および終点におけるアクセプターまたはドナースプライス部位を示す。(x y)は、アニーリング座標を表し、「−」または「+」は、それぞれイントロンまたはエクソン配列を示す。例えば、A(−6+18)は、標的エクソンの前にあるイントロンの最後の6塩基、および標的エクソンの最初の18塩基を示す。最も近いスプライス部位がアクセプターになるため、これらの座標の前に「A」が付く。ドナースプライス部位におけるアニーリング座標の記載は、D(+2−18)であり得、最後の2エクソン塩基および最初の18イントロン塩基が、アンチセンス分子のアニーリング部位に対応する。エクソンアニーリング座標全体は、A(+65+85)、つまり、そのエクソンの始点から65番目と85番目との間のヌクレオチドの間の部位によって表される。
II.アンチセンスオリゴマー
A.エクソン53スキッピングを誘導するように設計されたアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート
ある特定の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ジストロフィン遺伝子のエクソン53標的領域に相補的であり、エクソン53のスキッピングを誘導する。特に、本開示は、アニーリング部位として指定されるジストロフィンプレmRNAのエクソン53標的領域に相補的なアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに関する。いくつかの実施形態では、アニーリング部位は、本明細書に記載されるものである。
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ジストロフィンプレmRNAを標的とし、エクソン53のスキッピングを誘導するため、成熟したスプライシングされたmRNA転写物から除外またはスキップされる。エクソン53をスキッピングすることによって、破壊されたリーディングフレームは、インフレーム変異に回復される。DMDは様々な遺伝的サブタイプからなるが、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン53をスキッピングするように特別に設計された。エクソン53のスキッピングに適しているDMD変異は、DMD患者のサブグループ(8%)を含む。
エクソン53のスキッピングを誘導するアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの核酸塩基配列は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン53内の特定の標的配列に相補的であるように設計されている。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのアンチセンスオリゴマーは、PMOであり、PMOの各モルホリノ環は、例えば、DNA(アデニン、シトシン、グアニン、およびチミン)中に見られる核酸塩基を含む核酸塩基に連結される。
B.オリゴマー化学物質の特徴
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、様々なアンチセンスオリゴマー化学物質を用いることができる。オリゴマー化学物質の例としては、モルホリノオリゴマー、ホスホロチオエート修飾オリゴマー、2’−O−メチル修飾オリゴマー、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、ホスホロチオエートオリゴマー、2’−O−MOE修飾オリゴマー、2’−フルオロ修飾オリゴマー、2’−O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)、トリシクロ−DNA、トリシクロ−DNAホスホロチオエートサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]修飾オリゴマー(上記のいずれかの組み合わせを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。ホスホロチオエートおよび2’−O−Me修飾化学物質を組み合わせて、2’−O−Me−ホスホロチオエート骨格を生成することができる。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるPCT公開第WO/2013/112053号および同第WO/2009/008725号を参照されたい。本開示のオリゴマー化学物質の例示的な実施形態が以下にさらに記載される。
1.ペプチド核酸(PNA)
ペプチド核酸(PNA)は、骨格がデオキシリボース骨格と構造的に同形であり、ピリミジンまたはプリン塩基が結合するN−(2−アミノエチル)グリシン単位からなる、DNAの類似体である。天然ピリミジンおよびプリン塩基を含有するPNAは、ワトソン−クリック塩基対合ルールに従い相補的なオリゴマーにハイブリダイズし、塩基対認識の点でDNAを模倣する(Egholm,Buchardt et al.1993)。PNAの骨格は、ホスホジエステル結合ではなくペプチド結合によって形成され、アンチセンス用途(以下の構造を参照)によく適したものになる。骨格は非荷電性であり、通常を超える熱安定性を示すPNA/DNAまたはPNA/RNA二本鎖をもたらす。PNAは、ヌクレアーゼまたはプロテアーゼによって認識されない。PNAの非限定的な例が以下に示される。
自然構造に対する根本的構造変化にもかかわらず、PNAは、DNAまたはRNAへのヘリックス形態での配列特異的結合能力が可能である。PNAの特徴には、相補的なDNAまたはRNAに対する高い結合親和性、単一塩基ミスマッチによって引き起こされる不安定化作用、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼに対する耐性、塩濃度に依存しないDNAまたはRNAとのハイブリダイゼーション、およびホモプリンDNAとの三重鎖形成が含まれる。PANAGENE(商標)は、その独自のBts PNAモノマー(Bts;ベンゾチアゾール−2−スルホニル基)および独自のオリゴマー化プロセスを開発してきた。Bts PNAモノマーを使用したPNAオリゴマー化は、脱保護、カップリング、およびキャッピングの反復サイクルから構成される。PNAは、当該技術分野において既知の任意の技術を使用して合成的に産生され得る。例えば、米国特許第6,969,766号、同第7,211,668号、同第7,022,851号、同第7,125,994号、同第7,145,006号、および同第7,179,896号を参照されたい。また、PNAの調製について、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、および同第5,719,262も参照されたい。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsen et al.,Science,254:1497−1500,1991で見ることができる。上記の各々は、その全体が参照により組み込まれる。
2.ロックド核酸(LNA)
アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、「ロックド核酸」サブユニット(LNA)を含有してもよい。「LNA」は、架橋核酸(BNA)と呼ばれる修飾のクラスのメンバーである。BNAは、リボース環の立体構造をC30−エンド(ノーザン)糖パッカーにロックする共有結合を特徴とする。LNAの場合、架橋は、2’−O位置と4’−C位置との間のメチレンから構成される。LNAは、骨格の事前組織化および塩基スタッキングを増強して、ハイブリダイゼーションおよび熱安定性を高める。
LNAの構造は、例えば、Wengel,et al.,Chemical Communications(1998)455、Koshkin et al.,Tetrahedron(1998)54:3607、Jesper Wengel,Accounts of Chem.Research(1999)32:301、Obika,et al.,Tetrahedron Letters(1997)38:8735、Obika,et al.,Tetrahedron Letters(1998)39:5401、およびObika,et al.,Bioorganic Medicinal Chemistry(2008)16:9230で見ることができ、それらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。LNAの非限定的な例が以下に示される。
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のLNAを組み込み得る。場合によっては、アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、LNAから完全に構成されてもよい。個々のLNAヌクレオシドサブユニットの合成およびそれらのオリゴマーへの組み込みのための方法は、例えば、米国特許第7,572,582号、同第7,569,575号、同第7,084,125号、同第7,060,809号、同第7,053,207号、同第7,034,133号、同第6,794,499号、および同第6,670,461号に記載され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。典型的なサブユニット間リンカーとしては、ホスホジエステル部分およびホスホロチオエート部分が挙げられる。あるいは、非リン含有リンカーが用いられてもよい。さらなる実施形態は、LNA含有アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含み、各LNAサブユニットは、DNAサブユニットによって分離される。ある特定のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、交互のLNAおよびDNAサブユニットから構成され、サブユニット間リンカーは、ホスホロチオエートである。
2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)は、BNAのクラスの別のメンバーである。非限定的な例が以下に示される。
ENAオリゴマーおよびその調製は、Obika et al.,Tetrahedron Lett(1997)38(50):8735に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のENAサブユニットを組み込み得る。
3.アンロックド核酸(UNA)
アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、「アンロックド核酸」(UNA)サブユニットを含有してもよい。UNAおよびUNAオリゴマーは、サブユニットのC2’−C3’結合が切断されたRNAの類似体である。LNAは、(DNAおよびRNAに対して)立体構造的に制限されるが、UNAは非常に柔軟である。UNAは、例えば、WO2016/070166に開示されている。UNAの非限定的な例が以下に示される。
典型的なサブユニット間リンカーとしては、ホスホジエステル部分およびホスホロチオエート部分が挙げられる。あるいは、非リン含有リンカーが用いられてもよい。
4.ホスホロチオエート
「ホスホロチオエート」(またはS−オリゴ)は、正常なDNAのバリアントであり、非架橋酸素のうちの1つが硫黄によって置き換えられる。ホスホロチオエートの非限定的な例が以下に示される。
ヌクレオチド間結合の硫化は、5’から3’および3’から5’のDNA POL1エキソヌクレアーゼ、ヌクレアーゼS1およびP1、RNase、血清ヌクレアーゼ、ならびにヘビ毒ホスホジエステラーゼを含む、エンドおよびエキソヌクレアーゼの作用を低減する。ホスホロチオエートは、ホスホン酸水素に対する二硫化炭素中の元素硫黄の溶液の作用、または亜リン酸トリエステルをテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)もしくは3H−1,2−ベンソジチオール−3−オン1,1−ジオキシド(BDTD)のいずれかで硫化する方法、の2つの主要な経路によって作製される(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、J.Org.Chem.55,4693−4699,1990を参照)。後者の方法は、ほとんどの有機溶媒中の元素硫黄の不溶性、および二硫化炭素の毒性の問題を回避する。TETDおよびBDTD法はまた、より高い純度のホスホロチオエートをもたらす。
5.トリクリクロ−DNAおよびトリシクロ−ホスホロチオエートサブユニット
トリシクロ−DNA(tc−DNA)は、骨格の立体構造的柔軟性を制限し、ねじれ角γの骨格形状を最適化するために、各ヌクレオチドがシクロプロパン環の導入によって修飾される、拘束されたDNA類似体のクラスである。ホモ塩基アデニンおよびチミン含有tc−DNAは、相補的RNAと非常に安定したA−T塩基対を形成する。トリシクロDNAおよびその合成は、国際特許出願公開第WO2010/115993号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のトリシクロ−DNAサブユニットを組み込み得る。場合によっては、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、トリシクロ−DNAサブユニットから完全に構成されてもよい。
トリシクロ−ホスホロチオエートサブユニットは、ホスホロチオエートサブユニット間リンケージを有するトリシクロ−DNAサブユニットである。トリシクロ−ホスホロチオエートサブユニットおよびその合成は、国際特許出願公開第WO2013/053928号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のトリシクロ−DNAサブユニットを組み込み得る。場合によっては、アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、トリシクロ−DNAサブユニットから完全に構成されてもよい。トリシクロ−DNA/トリシクロ−ホスホチオエートの非限定的な例が以下に示される。
6.2’−O−メチル、2’−O−MOE、および2’−Fオリゴマー
「2’−O−Meオリゴマー」分子は、リボース分子の2’−OH残基にメチル基を有する。2’−O−Me−RNAは、DNAと同じ(または類似の)挙動を示すが、ヌクレアーゼ分解から保護される。2’−O−Me−RNAはまた、さらなる安定化のためにホスホロチオエートオリゴマー(PTO)と組み合わされ得る。2’O−Meオリゴマー(ホスホジエステルまたはホスホチオエート)は、当該技術分野の常用技術に従って合成され得る(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Yoo et al.,Nucleic Acids Res.32:2008−16,2004を参照)。2’O−Meオリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
2’−O−メトキシエチルオリゴマー(2’−O MOE)は、リボース分子の2’−OH残基にメトキシエチル基を有し、Martin et al.,Helv.Chim.Acta,78,486−504,1995で考察され、それは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。.2’O MOEサブユニットの非限定的な例が以下に示される。
2’−フルオロ(2’−F)オリゴマーは、2’OHの代わりに2’位に蛍光ラジカルを有する。2’−Fオリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
2’−フルオロオリゴマーは、WO2004/043977にさらに記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2’−O−メチル、2’−O−MOE、および2’−Fオリゴマーはまた、以下に図示されるように、1つ以上のホスホロチオエート(PS)リンケージを含んでもよい。
さらに、2’−O−メチル、2’−O−MOE、および2’−Fオリゴマーは、例えば、以下に示される2’−O−メチルPSオリゴマードリサペルセンのように、オリゴマー全体にわたってPSサブユニット間リンケージを含んでもよい。
あるいは、2’−O−メチル、2’−O−MOE、および/または2’−Fオリゴマーは、以下に図示されるように、オリゴマーの末端にPSリンケージを含んでもよい。
式中、
Rは、CH
2CH
2OCH
3(メトキシエチルまたはMOE)であり、
x、y、およびzは、それぞれ指定された5’−ウィング、中央ギャップ、および3’−ウィングの各領域内に含有されるヌクレオチドの数を表す。
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上の2’O−メチル、2’O−MOE、および2’−Fサブユニットを組み込み得、本明細書に記載されるサブユニット間リンケージのいずれかを利用し得る。場合によっては、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、2’−O−メチル、2’−O−MOE、または2’−Fサブユニットから完全に構成され得る。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの一実施形態は、2’−O−メチルサブユニットから完全になる。
7.2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]オリゴマー(MCE)
MCEは、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートで有用な2’O修飾リボヌクレオシドの別の例である。ここで、2’OHは、ヌクレアーゼ抵抗性を高めるために2−(N−メチルカルバモイル)エチル部分へと誘導体化される。MCEオリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
MCEおよびその合成は、Yamada et al.,J.Org.Chem.(2011)76(9):3042−53で考察され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のMCEサブユニットを組み込み得る。
8.立体特異的オリゴマー
立体特異的オリゴマーは、各リン含有リンケージの立体化学が、実質的に立体的に純粋なオリゴマーが産生されるような合成方法によって固定されるものである。立体特異的オリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
上記の例では、オリゴマーの各リンは、同一の立体配置を有する。さらなる例には、上記のオリゴマーが含まれる。例えば、LNA、ENA、トリシクロ−DNA、MCE、2’−O−メチル、2’−O−MOE、2’−F、およびモルホリノ系オリゴマーは、立体特異的リン含有ヌクレオシド間リンケージ、例えば、ホスホロチオエート、ホスホジエステル、ホスホロアミダート、ホスホロジアミデート、または他のリン含有ヌクレオシド間リンケージを用いて調製され得る。そのようなオリゴマーの調製で使用するための立体特異的オリゴマー、調製方法、キラル制御合成、キラル設計、およびキラル補助剤は、例えば、WO2017192664、WO2017192679、WO2017062862、WO2017015575、WO2017015555、WO2015107425、WO2015108048、WO2015108046、WO2015108047、WO2012039448、WO2010064146、WO2011034072、WO2014010250、WO2014012081、WO20130127858、およびWO2011005761に詳述されており、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
立体特異的オリゴマーは、RPまたはSP配置においてリン含有ヌクレオシド間リンケージを有し得る。リンケージの立体配置が制御されるキラルリン含有リンケージは、「立体純粋」と称され、リンケージの立体配置が制御されないキラルリン含有リンケージは、「立体不規則的」と称される。ある特定の実施形態において、本開示のオリゴマーは、複数の立体純粋および立体不規則的リンケージを含み、これにより得られるオリゴマーは、オリゴマーの予め指定された位置に立体純粋サブユニットを有する。立体純粋サブユニットの位置の例は、国際特許出願公開第WO2017/062862A2号において図7Aおよび図7Bに提供されている。一実施形態において、オリゴマー中の全てのキラルリン含有リンケージは、立体不規則的である。一実施形態において、オリゴマー中の全てのキラルリン含有リンケージは、立体純粋である。
n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のキラルリン含有リンケージの全てnは、立体不規則的である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のキラルリン含有リンケージの全てnは、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも10%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも20%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも30%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも40%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも50%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも60%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも70%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも80%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも90%(整数に四捨五入)は、立体純粋である。
n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも2つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも3つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも4つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも5つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも6つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも7つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも8つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも9つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも10個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも11個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも12個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも13個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも14個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも15個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも16個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも17個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも18個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも19個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配置(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも20個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。
9.モルホリノオリゴマー
本開示の例示的な実施形態は、以下の一般構造:
の、かつSummerton,J.,et al.,Antisense & Nucleic Acid Drug Development,7:187−195(1997)の図2に記載されるような、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーに関する。本明細書に記載されるモルホリノは、上記の一般構造の全ての立体異性体および互変異性体を含むことが意図されている。モルホリノオリゴマーの合成、構造、および結合特性は、米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、同第5,506,337号、同第8,076,476号、および同第8,299,206号に詳述されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態において、モルホリノは、オリゴマーの5’または3’末端で「テール」部分とコンジュゲートされて、その安定性および/または溶解性を高める。例示的なテールは、以下を含む。
様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(I)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
各Nuが、一緒になって標的化配列を形成する核酸塩基であり、
Tが、
から選択される部分であり、
R
1が、C
1〜C
6アルキルであり、
Zが、16〜23の整数であり、
標的化配列は、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+36+56)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが20であるH53A(+48+69)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、Zが21であるH53A(+47+69)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
様々な実施形態において、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが19であるH53A(+36+56)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜23の整数である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Xが、チミン(T)またはウラシル(U)である。
いくつかの実施形態において、各Xは独立して、Tである。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
様々な実施形態において、R1は、CF3、CCl3、CFCl2、CF2Cl、エチル、CH2CF3、CF2CF3、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、または2,3−ジメチルブチルである。
いくつかの実施形態において、式(I)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、そのHCl(塩酸)塩である。ある特定の実施形態において、HCl塩は、.6HCl塩である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
例えば式(I)のいくつかの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(II)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Zが、16〜23の整数であり、
各Nuが、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である標的化配列を一緒になって形成する核酸塩基である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+36+56)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが20であるH53A(+48+69)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、Zが21であるH53A(+47+69)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
様々な実施形態において、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが19であるH53A(+36+56)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜23の整数である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Xは
である。ある特定の実施形態において、各Xは独立して、
である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Tは
である。
いくつかの実施形態において、式(II)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、そのHCl(塩酸)塩である。ある特定の実施形態において、HCl塩は、.6HCl塩である。
例えば式(II)のいくつかの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(III)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Zが、16〜23の整数であり、
各Nuが、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である標的化配列を一緒になって形成する核酸塩基である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+36+56)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが20であるH53A(+48+69)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、Zが21であるH53A(+47+69)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
様々な実施形態において、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが19であるH53A(+36+56)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜23の整数である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Xは
である。ある特定の実施形態において、各Xは独立して、
である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Tは
である。
例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢a.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢b.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢c.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢d.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢e.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢f.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢g.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢h.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢i.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢j.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢k.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢l.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢m.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢n.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢o.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢p.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢q.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢r.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢s.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢t.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢u.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢v.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢w.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢x.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢y.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢z.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢aa.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢bb.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢cc.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢dd.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ee.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ff.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢gg.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢hh.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ii.である。
様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーは、式(IV)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
各Nuが、一緒になって標的化配列を形成する核酸塩基であり、
Tが、
から選択される部分であり、
R
1が、C
1〜C
6アルキルであり、
R
2が、Hまたはアセチルから選択され、
標的化配列は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、標的化配列は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。
様々な実施形態において、R1は、CF3、CCl3、CFCl2、CF2Cl、エチル、CH2CF3、CF2CF3、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、または2,3−ジメチルブチルである。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Xは、チミン(T)またはウラシル(U)である
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
例えば式(IV)のいくつかの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーは、式(V)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Rが、Hまたはアセチルから選択され、
各Nuが、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である標的化配列を一緒になって形成する核酸塩基である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Xは
である。ある特定の実施形態において、各Xは独立して、
である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Tは
である。
例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢a.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢b.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢c.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢d.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢e.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢f.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢g.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢h.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢i.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢j.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢k.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢l.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢m.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢n.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢o.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢p.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢q.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢r.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢s.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢t.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢u.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢v.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢w.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢x.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢y.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢z.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢aa.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢bb.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢cc.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢dd.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ee.である。
10.核酸塩基修飾および置換
ある特定の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、RNA核酸塩基およびDNA核酸塩基(多くの場合、当該技術分野では単に「塩基」と称される)から構成される。RNA塩基は、アデニン(A)、ウラシル(U)、シトシン(C)、およびグアニン(G)として一般的に既知である。DNA塩基は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、およびグアニン(G)として一般的に既知である。様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から構成される。
ある特定の実施形態において、オリゴマー中の1つ以上のRNA塩基またはDNA塩基は、RNA塩基またはDNA塩基以外の塩基で修飾または置換されてもよい。修飾または置換塩基を含有するオリゴマーは、核酸中で最も一般的に見られる1つ以上のプリンまたはピリミジン塩基がそれほど一般的ではない、または非天然の塩基で置換されたオリゴマーを含む。
プリン塩基は、以下の一般式によって記載されるように、イミダゾール環に融合したピリミジン環を含む。
アデニンおよびグアニンは、核酸中で最も一般的に見られる2つのプリン核酸塩基である。他の自然発生的プリンとしては、N
6−メチルアデニン、N
2−メチルグアニン、ヒポキサンチン、および7−メチルグアニンが挙げられるが、これらに限定されない。
ピリミジン塩基は、以下の一般式によって記載されるように、6員ピリミジン環を含む。
シトシン、ウラシル、およびチミンは、核酸中で最も一般的に見られるピリミジン塩基である。他の自然発生的ピリミジンとしては、5−メチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、偽ウラシル、および4−チオウラシルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本明細書に記載されるオリゴマーは、ウラシルの代わりにチミン塩基を含有する。
他の好適な塩基としては、2,6−ジアミノプリン、オロト酸、アグマチジン、リシジン、2−チオピリミジン(例えば、2−チオウラシル、2−チオチミン)、G−クランプおよびその誘導体、5−置換ピリミジン(例えば、5−ハロウラシル、5−プロピニルウラシル、5−プロピニルシトシン、5−アミノメチルウラシル、5−ヒドロキシメチルウラシル、5−アミノメチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、スーパーT)、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、7−アザ−2,6−ジアミノプリン、8−アザ−7−デアザグアニン、8−アザ−7−デアザアデニン、8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、スーパーG、スーパーA、およびN4−エチルシトシン、またはその誘導体;N2−シクロペンチルグアニン(cPent−G)、N2−シクロペンチル−2−アミノプリン(cPent−AP)、およびN2−プロピル−2−アミノプリン(Pr−AP)、偽ウラシル、またはその誘導体;ならびに2,6−ジフルオロトルエンのような縮重もしくはユニバーサル塩基、または脱塩基部位のような非存在塩基(例えば、1−デオキシリボース、1,2−ジデオキシリボース、1−デオキシ−2−O−メチルリボース;あるいは環酸素が窒素で置き換えられたピロリジン誘導体(アザリボース))が挙げられるが、これらに限定されない。スーパーA、スーパーG、およびスーパーTの誘導体の例は、米国特許第6,683,173号(Epoch Biosciences)で見ることができ、これは、参照により完全に本明細書に組み込まれる。cPent−G、cPent−AP、およびPr−APは、siRNAに組み込まれたときに免疫賦活作用を低減することが示された(Peacock H.et al.J.Am.Chem.Soc.2011,133,9200)。偽ウラシルは、ウラシルの自然発生的異性化バージョンであり、ウリジンにおける通常のN−グリコシドというよりむしろC−グリコシドによる。偽ウリジン含有合成mRNAは、ウリジン含有mPvNAと比較して、改善された安全性プロファイルを有し得る(WO2009127230(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
ある特定の核酸塩基は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの結合親和性を高めるために特に有用である。これらには、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、およびO−6置換プリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含む)が含まれる。5−メチルシトシン置換は、核酸二本鎖の安定性を0.6〜1.2℃増加させることが示されており、さらに具体的には2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合に、現在より好ましい塩基置換である。追加の例示的な修飾核酸塩基には、核酸塩基の少なくとも1つの水素原子がフッ素で置き換えられているものが含まれる。
11.アンチセンスオリゴマーコンジュゲートの薬学的に許容される塩
本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのある特定の実施形態は、アミノまたはアルキルアミノなどの塩基性官能基を含有してもよく、したがって、薬学的に許容される酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。この点における「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの比較的非毒性の無機酸および有機酸付加塩を指す。これらの塩は、投与ビヒクルまたは剤形製造プロセスにおいて原位置で調製される得か、または本開示の精製されたアンチセンスオリゴマーもしくはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを、その遊離塩基形態で、好適な有機酸もしくは無機酸と別々に反応させ、その後の精製中にそのようにして形成された塩を単離することによって調製され得る。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。(例えば、Berge et al.(1977)“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66:1−19を参照)。
主題のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性の有機酸または無機酸からの、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、無機酸に由来するもの、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸など;ならびに有機酸から調製された塩、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸(salicyclic)、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸(isothionic)などが挙げられる。
ある特定の実施形態では、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上の酸性官能基を含有してもよく、したがって、薬学的に許容される塩基と薬学的に許容される塩を形成することができる。これらの場合における「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの比較的非毒性の無機塩基および有機塩基付加塩を指す。これらの塩は同様に、投与ビヒクルまたは剤形製造プロセスにおいて原位置で調製され得るか、あるいは精製されたアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを、その遊離酸形態で、好適な塩基、例えば、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩と、アンモニアと、または薬学的に許容される有機第一級アミン、第二級アミン、もしくは第三級アミンと別々に反応させることによって調製され得る。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。(例えば、上記のBergeらを参照)。
III.製剤および投与様式
ある特定の実施形態において、本開示は、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの治療送達に好適な製剤または医薬組成物を提供する。したがって、ある特定の実施形態において、本開示は、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化した、治療有効量の本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのうちの1つ以上を含む、薬学的に許容される組成物を提供する。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを単独で投与することは可能であるが、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを医薬製剤(組成物)として投与することが好ましい。一実施形態において、製剤のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(III)に従う。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに適用可能である核酸分子の送達のための方法は、例えば、Akhtar et al.,1992,Trends Cell Bio.,2:139;Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics,ed.AAkhtar,1995,CRC Press、およびSullivan et al.,PCT WO94/02595に記載されている。これらおよび他のプロトコルは、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含む、実質的に任意の核酸分子の送達に利用され得る。
本開示の医薬組成物は、固体または液体形態での投与のために特別に製剤化されてもよく、以下に適合したものを含む:(1)経口投与、例えば、浸漬液(水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤(口腔、舌下、または全身吸収)、ボーラス、粉末、顆粒、舌に適用するためのペースト、(2)例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液または徐放性製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、硬膜外注射による非経口投与、(3)例えば、皮膚に塗布されるクリーム、軟膏、または制御放出性パッチもしくはスプレーとしての局所塗布、(4)例えば、ペッサリー、クリーム、または発泡体としての膣内または直腸内、(5)舌下、(6)眼内、(7)経皮、あるいは(8)経鼻。
薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、(1)糖類、例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン、(3)セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、(4)粉末状トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム、(15)アルギニン酸、(16)発熱性物質除去蒸留水、(17)等張生理食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート、および/またはポリ無水物、ならびに(22)医薬製剤で用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた製剤に適した薬剤の追加の非限定的な例としては、PEGコンジュゲート核酸;リン脂質コンジュゲート核酸;親油性部分を含有する核酸;ホスホロチオエート;様々な組織への薬物の侵入を増強することができるP糖タンパク質阻害剤(Pluronic P85など):生分解性ポリマー、例えば、埋め込み後の徐放性送達のためのポリ(D,L−ラクチド−コグリコリド)ミクロスフェア(Emerich,D F et al.,1999,Cell Transplant,8,47−58)Alkermes,Inc.Cambridge,Mass.;および負荷ナノ粒子、例えば、ポリブチルシアノアクリレートで作られるもの(血液脳関門にわたって薬物を送達することができ、神経取込み機構を変化させることができる)(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry,23,941−949,1999)が挙げられる。
本開示はまた、ポリ(エチレングリコール)(「PEG」)脂質(PEG修飾、分岐、および非分岐、もしくはそれらの組み合わせ、または長期循環型リポソームもしくはステルスリポソーム)を含有する、表面修飾リポソームを含む組成物の使用を特徴とする。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、様々な分子量の共有結合PEG分子も含むことができる。これらの製剤は、標的組織における薬物の蓄積を増加させるための方法を提供する。このクラスの薬物担体は、単核細胞貪食系(MPSまたはRES)によるオプソニン化および排除に抵抗し、それにより、カプセル化薬物の血液循環時間の延長および組織曝露の増強を可能にする(Lasic et al.Chem.Rev.1995,95,2601−2627、Ishiwata et al.,Chem.Pharm.Bull.1995,43,1005−1011)。そのようなリポソームは、おそらく溢血および血管新生標的組織における捕捉によって、腫瘍に選択的に蓄積することが示されている(Lasic et al.,Science 1995,267,1275−1276、Oku et al.,1995,Biochim.Biophys.Acta,1238,86−90)。長期循環型リポソームは、特にMPSの組織に蓄積することが知られている従来のカチオン性リポソームと比較して、DNAおよびRNAの薬物動態および薬力学を増強する(Liu et al.,J.Biol.Chem.1995,42,24864−24870、Choi et al.,国際PCT公開第WO96/10391号、Ansell et al.,国際PCT公開第WO96/10390号、Holland et al.,国際PCT公開第WO96/10392号)。また、長期循環型リポソームは、肝臓や脾臓などの代謝的に攻撃的なMPS組織において蓄積を回避するそれらの能力に基づいて、カチオン性リポソームと比較して、より大きい程度まで薬物をヌクレアーゼ分解から保護する可能性が高い。
さらなる実施形態において、本開示は、米国特許第6,692,911号、同第7,163,695号、および同第7,070,807号に記載されるような、送達のために調製されたアンチセンスオリゴマー医薬組成物およびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート医薬組成物を含む。この点に関して、一実施形態において、本開示は、単独で、あるいはPEG(例えば、分岐もしくは非分岐PEG、または両方の混合物)と組み合わせて、PEGおよび標的化部分と組み合わせて、あるいは架橋剤と組み合わせた上記のいずれかの、リシンおよびヒスチジン(HK)のコポリマーを含む組成物中の本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲート(米国特許第7,163,695号、同第7,070,807号、および6,692,911号に記載)を提供する。ある特定の実施形態において、本開示は、グルコン酸修飾ポリヒスチジンまたはグルコニル化ポリヒスチジン/トランスフェリン−ポリリシンを含む医薬組成物中のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを提供する。当業者であれば、HisおよびLysに類似した特性を有するアミノ酸が組成物内で置換され得ることも認識するであろう。
湿潤剤、乳化剤、および潤滑剤(ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、防腐剤、ならびに酸化防止剤も組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、(1)水溶性酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど、(2)油溶性酸化防止剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなど、および(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが挙げられる。
本開示の製剤には、経口、経鼻、局所(口腔および舌下を含む)、直腸、膣、ならびに/または非経口投与に適した製剤が含まれる。製剤は、便利に単位剤形で提示され得、薬学の技術分野で周知の任意の方法によって調製され得る。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされ得る有効成分の量は、治療される対象および特定の投与様式に応じて異なる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされ得る有効成分の量は、概して、治療効果をもたらす活性成分の量である。概して、この量は、有効成分の約0.1パーセント〜約99パーセント、好ましくは約5パーセント〜約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント〜約30パーセントの範囲である。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、およびポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ無水物から選択される賦形剤と、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートと、を含む。一実施形態において、製剤のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、それぞれ式(V)または式(III)に従う。ある特定の実施形態において、上記の製剤は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを経口的にバイオアベイラビリティにする。
これらの製剤または医薬組成物を調製する方法には、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを担体、および任意に1つ以上の副成分と会合させるステップを含む。概して、製剤は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを液体担体、もしくは微粉化固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
経口投与に適した本開示の製剤は、カプセル、カシェー、ピル、錠剤、トローチ(風味付けした基剤、通常はスクロースおよびアカシアもしくはトラガカント)、粉末、顆粒、または水性もしく非水性の溶液中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油または油中水の液体乳剤として、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、または香錠(不活性塩基、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、もしくはスクロースおよびアカシア)および/もしくは口内洗浄液としての形態などであってもよく、各々は、有効成分として、所定量の本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含有する。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与されてもよい。
経口投与のための本開示の固形剤形(カプセル、錠剤、ピル、糖剤、粉末、顆粒、トルーチなど)において、有効成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかなどの1つ以上の薬学的に許容される担体と混合されてもよい:(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸、(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシア、(3)保湿剤、例えば、グリセロール、(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(5)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(6)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物および界面活性剤、例えば、ポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウム、(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、非イオン性界面活性剤、(8)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土など、(9)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびそれらの混合物、(10)着色剤、ならびに(11)放出制御剤、例えば、クロスポビドンまたはエチルセルロース。カプセル、錠剤、およびピルの場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。類似のタイプの固体医薬組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用した、軟質および硬質シェルのゼラチンカプセル中の充填剤としても用いられ得る。
錠剤は、任意に1つ以上の副成分との圧縮または成型によって作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して調製され得る。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成型することによって作製され得る。
本開示の医薬組成物の錠剤および他の固体剤形、例えば、糖剤、カプセル、ピル、および顆粒は、任意に、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティング、および医薬品製剤技術で周知の他のコーティングを用いて、獲得または調製され得る。また、それらは、所望の放出プロファイル、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用して、その中の有効成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化されてもよい。それらは、例えば凍結乾燥など、迅速放出のために製剤化されてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、または使用直前に滅菌水に溶解され得る滅菌固体医薬組成物の形態の滅菌剤、もしくはいくつかの他の滅菌注射用媒質を組み込むことによって滅菌され得る。また、これらの医薬組成物は任意に、不透明化剤を含有してもよく、それらが有効成分(複数可)のみを、または優先的に、消化管の特定の部分において、任意に遅延した様式で放出する組成物を有してもよい。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。有効成分はまた、適切な場合、上記の賦形剤のうちの1つ以上を有する、マイクロカプセル形態であってもよい。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの経口投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールおよび脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物など、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有してもよい。
不活性希釈剤に加えて、経口医薬組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、ならびに防腐剤などのアジュバントも含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などの懸濁剤を含有してもよい。
直腸投与または膣投与用の製剤は、坐剤として提示され得、これは、本開示の1つ以上の化合物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス、またはサリチル酸塩を含む1つ以上の好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製され得、これは室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔で溶解し、活性化合物を放出する。
本明細書に提供されるオリゴマーの局所投与または経皮投与のための製剤または剤形は、粉末、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤を含む。活性アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体と、および必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合され得る。軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、本開示の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカンス、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有し得る。
粉末および噴霧剤は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。噴霧剤はさらに、クロロフルオロ炭化水素などの通例の噴射剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素を含有することができる。
経皮パッチは、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの体内への制御送達を提供するというさらなる利点を有する。そのような剤形は、オリゴマーを適切な媒質に溶解するか、または分散させることによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚にわたる薬剤の流れを増加させるために使用され得る。そのような流れの速度は、当該技術分野で既知の方法の中でも特に、速度制御膜を提供すること、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に薬剤を分散させることのいずれかによって制御され得る。
非経口投与に適した医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液もしくは乳剤、または使用直前に滅菌注射用溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて、本開示の1つ以上のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含んでもよく、これらは、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含有し得る。本開示の医薬組成物で用いられ得る好適な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合に必要な粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。一実施形態において、医薬組成物のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、それぞれ式(V)または式(III)に従う。
また、これらの医薬組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含有してもよい。主題のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに対する微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含むことによって確保され得る。また、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含むことが望ましい場合もある。さらに、注射用剤形の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤を含むことによってもたらされ得る。
場合によっては、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、当該技術分野で既知の方法の中でも特に、水溶性が乏しい結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の吸収の遅延は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で主題のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製され得る。ポリマーに対するオリゴマーの比率および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、オリゴマー放出の速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、体内組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションに薬物を封入することによっても調製され得る。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが、ヒトおよび動物に医薬品として投与されるとき、それらは、それ自体で、または例えば、薬学的に許容される担体と組み合わせた0.1〜99%(より好ましくは10〜30%)のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含有する医薬組成物として投与され得る。
本開示の製剤または調製物は、経口的、非経口的、局所的、または直腸に投与され得る。これらは典型的には、各投与経路に適した形態で投与される。例えば、それらは、錠剤もしくはカプセルで、注射、吸入、目薬、軟膏、坐剤、もしくは点滴によって、ローションもしくは軟膏によって局所的に、または坐剤によって直腸に投与される。
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、ならびに/または本開示の医薬組成物は、当業者に既知の従来的な方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化され得る。本開示の医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、患者に対して許容できないほどの毒性を示すことなく、特定の患者、組成物、および投与様式に対して望ましい治療反応を達成するために有効である有効成分の量を得るために変動し得る。
選択される投与量レベルは、用いられる本開示の特定のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、またはそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与経路、投与時刻、用いられる特定のオリゴマーの排泄速度または代謝速度、吸収の速度および程度、治療期間、用いられる特定のオリゴマーと組み合わせて使用される他の薬物、化合物、および/または材料、治療中の患者の年齢、性別、体重、条件、全般的な健康状態、および既往歴、ならびに医学技術で周知の同様の要因を含む、様々な要因に依存する。
当該技術分野における通常の技術を有する医師または獣医であれば、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで、医薬組成物中で用いられる本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの用量を開始し、望ましい効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。概して、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの好適な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量であるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの量である。そのような有効用量は、概して、本明細書に記載される要因に依存する。概して、患者のための本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの経口、静脈内、脳室内、および皮下用量は、示された効果のために使用される場合、1日当たり体重1キログラム当たり約0.0001〜約100mgの範囲である。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、概して、約10〜160mg/kgまたは20〜160mg/kgの用量で投与される。場合によっては、160mg/kgを超える用量が必要である場合もある。いくつかの実施形態において、静脈内投与の用量は、約0.5mg〜160mg/kgである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、約0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、約10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、18mg/kg、20mg/kg、21mg/kg、25mg/kg、26mg/kg、27mg/kg、28mg/kg、29mg/kg、30mg/kg、31mg/kg、32mg/kg、33mg/kg、34mg/kg、35mg/kg、36mg/kg、37mg/kg、38mg/kg、39mg/kg、40mg/kg、41mg/kg、42mg/kg、43mg/kg、44mg/kg、45mg/kg、46mg/kg、47mg/kg、48mg/kg、49mg/kg、50mg/kg、51mg/kg、52mg/kg、53mg/kg、54mg/kg、55mg/kg、56mg/kg、57mg/kg、58mg/kg、59mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、105mg/kg、110mg/kg、115mg/kg、120mg/kg、125mg/kg、130mg/kg、135mg/kg、140mg/kg、145mg/kg、150mg/kg、155mg/kg、160mg/kg(それらの間の全ての整数を含む)の用量で投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、10mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、20mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、30mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、40mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、60mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、80mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、160mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、50mg/kgで投与される。
いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、概して、約10〜160mg/kgまたは20〜160mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、静脈内投与のための式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの用量は、約0.5mg〜160mg/kgである。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、約0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、約10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、18mg/kg、20mg/kg、21mg/kg、25mg/kg、26mg/kg、27mg/kg、28mg/kg、29mg/kg、30mg/kg、31mg/kg、32mg/kg、33mg/kg、34mg/kg、35mg/kg、36mg/kg、37mg/kg、38mg/kg、39mg/kg、40mg/kg、41mg/kg、42mg/kg、43mg/kg、44mg/kg、45mg/kg、46mg/kg、47mg/kg、48mg/kg、49mg/kg、50mg/kg、51mg/kg、52mg/kg、53mg/kg、54mg/kg、55mg/kg、56mg/kg、57mg/kg、58mg/kg、59mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、105mg/kg、110mg/kg、115mg/kg、120mg/kg、125mg/kg、130mg/kg、135mg/kg、140mg/kg、145mg/kg、150mg/kg、155mg/kg、160mg/kg(それらの間の全ての整数を含む)の用量で投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、50mg/kgで投与される。
必要に応じて、活性化合物の有効な1日用量は、1日を通して適切な間隔で、任意に単位剤形で別々に投与される、2、3、4、5、6回、またはそれ以上の部分用量として投与されてもよい。ある特定の状況において、投与量は1日1回の投与である。ある特定の実施形態において、投与量は、機能性ジストロフィンタンパク質の所望の発現を維持するために、必要に応じて、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日毎、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週毎、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヵ月毎に1回以上の投与である。ある特定の実施形態において、投与量は、2週間に1回以上の投与である。いくつかの実施形態において、投与量は、2週間に1回の投与である。様々な実施形態において、投与量は、毎月1回以上の投与である。ある特定の実施形態において、投与は、毎月1回の投与である。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで毎週投与される。本明細書で使用される場合、毎週は、1週間毎の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで毎週投与される。本明細書で使用される場合、毎週は、1週間毎の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kg隔週で投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで隔週投与される。本明細書で使用される場合、隔週は、2週間毎の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで隔週投与される。本明細書で使用される場合、隔週は、2週間毎の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで3週間毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで3週間毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで3週間毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで3週間毎に投与される。本明細書で使用される場合、3週間毎は、3週間に1回の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで3週毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで3週毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで3週毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで3週毎に投与される。本明細書で使用される場合、3週間毎は、3週間に1回の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで毎月投与される。本明細書で使用される場合、毎月は、月毎の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで毎月投与される。本明細書で使用される場合、毎月は、月毎の当該技術分野で一般に認められた意味を有すると理解される。
当該技術分野で理解されるように、毎週、隔週、3週間毎、または毎月の投与は、本明細書で考察されるように、1回以上の投与または部分用量であってもよい。
本明細書に記載される核酸分子、アンチセンスオリゴマー、およびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、本明細書に記載され、かつ当該技術分野において既知のような、リポソームへの封入、イオン導入、またはハイドロゲル、シクロデキストリン、生分解性ナノカプセル、および生体接着性ミクロスフェアなどの他のビヒクルへの組み込みが挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の様々な方法によって細胞に投与され得る。ある特定の実施形態において、マイクロ乳化技術を利用して、親油性(非水溶性)医薬品のバイオアベイラビリティを改善してもよい。例としては、Trimetrine(Dordunoo,S.K.,et al.,Drug Development and Industrial Pharmacy,17(12),1685−1713,1991)、およびREV 5901(Sheen,P.C.,et al.,J Pharm Sci 80(7),712−714,1991)が挙げられる。利点の中でも特に、マイクロ乳化は、循環系の代わりにリンパ系への吸収を優先的に誘導し、それにより肝臓を迂回し、肝胆道循環における化合物の破壊を防止することによって、増強されたバイオアベイラビリティを提供する。
開示の一態様において、製剤は、本明細書に提供されるオリゴマーから形成されるミセルと、ミセルが約100nm未満の平均直径を有する少なくとも1つの両親媒性担体とを含有する。より好ましい実施形態は、約50nm未満の平均直径を有するミセルを提供し、さらに好ましい実施形態は、約30nm未満またはさらに約20nm未満の平均直径を有するミセルを提供する。
全ての好適な両親媒性担体が企図されるが、現在好ましい担体は概して、一般的に安全と認められている(GRAS)状態を有し、かつ本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを可溶化すること、および溶液が複雑な水相(ヒト胃腸管に見られるものなど)と接触する後の段階でマイクロ乳化することの両方ができる担体である。これらの要件を満たす両親媒性成分は、通常、HLB(親水性−親油性のバランス)値が2−20であり、それらの構造は、C−6からC−20の範囲の直鎖脂肪族ラジカルを含有する。例としては、ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリドおよびポリエチレングリコールがある。
両親媒性担体の例としては、飽和および一不飽和ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリド、例えば、完全または部分的に水素化された様々な植物油から得られるものが挙げられる。そのような油は有利に、トリ−、ジ−、およびモノ−脂肪酸グリセリド、ならびに対応する脂肪酸のジ−およびモノ−ポリ(エチレングリコール)エステルからなり得、特に好ましい脂肪酸組成物としては、カプリン酸4〜10%、カプリン酸3〜9%、ラウリン酸40〜50%、ミリスチン酸14〜24%、パルミチン酸4〜14%、およびステアリン酸5〜15%が挙げられる。別の有用なクラスの両親媒性担体としては、飽和もしくは一不飽和脂肪酸(SPAN(登録商標)シリーズ)または対応するエトキシ化類似体(TWEEN(登録商標)シリーズ)を有する、部分的にエステル化されたソルビタンおよび/またはソルビトールが挙げられる。
Gelucireシリーズ、Labrafil、Labrasol、またはLauroglycol(全てGattefosse Corporation,Saint Priest,Franceによって製造および流通)、PEG−モノ−オレイン酸、PEG−ジ−オレイン酸、PEG−モノ−ラウリン酸およびジ−ラウリン酸、レシチン、ポリソルベート80など(米国および世界中の多くの企業によって製造および流通)を含む市販の両親媒性担体が、特に有用であり得る。
ある特定の実施形態において、送達は、本開示の医薬組成物を好適な宿主細胞に導入するために、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、ミクロスフェア、脂質粒子、小胞などを使用することによって起こり得る。特に、本開示の医薬組成物は、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフェア、ナノ粒子、または同様のもののいずれかに封入された送達用に製剤化され得る。そのような送達ビヒクルの製剤化および使用は、既知の技術および従来の技術を使用して行われ得る。
本開示での使用に適した親水性ポリマーは、容易に水溶性であり、小胞形成脂質に共有結合することができ、かつ毒性作用なしにin vivoで耐容性がある(すなわち、生体適合性である)ものである。好適なポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ乳酸(ポリラクチドとも呼ばれる)、ポリグリコール酸(ポリグリコリドとも呼ばれる)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸コポリマー、およびポリビニルアルコールが挙げられる。ある特定の実施形態において、ポリマーは、約100もしくは120ダルトン〜最大で約5,000もしくは10,000ダルトン、または約300ダルトン〜約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する。他の実施形態において、ポリマーは、約100〜約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する、または約300〜約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する、ポリ(エチレングリコール)である。ある特定の実施形態において、ポリマーは、約750ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)、例えば、PEG(750)である。ポリマーは、その中のモノマーの数によっても定義され得、本開示の好ましい実施形態は、少なくとも約3つのモノマーのポリマーを利用し、3つのモノマーからなるそのようなPEGポリマーは、分子量が約132ダルトンである。
本開示での使用に適し得る他の親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ポリメトキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、および誘導体化セルロース、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、アクリルエステルおよびメタクリルエステルのポリマー、ポリビニルポリマー、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびそのコポリマー、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ無水物、ポリ(オルソ)エステル、ポリ(ブチック酸)(butic acid)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、多糖類、タンパク質、ポリヒアルロン酸、ポリシアノアクリレート、ならびにそれらのブレンド、混合物、またはコポリマーからなる群から選択される生体適合性ポリマーを含む。
シクロデキストリンは、6、7、または8グルコース単位からなる環状オリゴ糖であり、それぞれギリシャ文字α、β、またはγによって示される。グルコース単位は、α−1,4−グルコシド結合によって連結される。糖単位の椅子型配座の結果として、全ての二次ヒドロキシル基(C−2、C−3における)が環の一方の側に位置する一方で、C−6における全ての一次ヒドロキシル基は、他方の側に位置する。結果として、外面は親水性であり、シクロデキストリンを水溶性にする。対照的に、シクロデキストリンの空洞は、それらが原子C−3およびC−5の水素によって、かつエーテル様酸素によって覆われているため、疎水性である。これらのマトリックスは、例えば、17α−エストラジオールなどのステロイド化合物を含む、様々な比較的疎水性の化合物との複合体形成を可能にする(例えば、van Uden et al.Plant Cell Tiss.Org.Cult.38:1−3−113(1994)を参照)。複合体形成は、ファンデルワールス相互作用および水素結合形成によって起こりる。シクロデキストリンの化学的性質に関する一般的なレビューについては、Wenz,Agnew.Chem.Int.Ed.Engl.,33:803−822(1994)を参照されたい。
シクロデキストリン誘導体の物理化学的性質は、置換の種類および程度に大きく依存する。例えば、それらの水溶性は、不溶性(例えば、トリアセチル−ベータ−シクロデキストリン)から147%可溶性(w/v)(G−2−ベータ−シクロデキストリン)の範囲である。さらに、それらは多くの有機溶媒に可溶性である。シクロデキストリンの特性は、それらの溶解度を増減させることによって、様々な製剤構成成分の溶解度の制御を可能にする。
多数のシクロデキストリンおよびそれらの調製のための方法が記載されている。例えば、Parmeter(I)ら(米国特許第3,453,259号)およびGrameraら(米国特許第3,459,731号)が、電気的中性シクロデキストリンについて記載している。他の誘導体としては、カチオン特性を有するシクロデキストリン[Parmeter(II),米国特許第3,453,257号]、不溶性架橋シクロデキストリン(Solms,米国特許第3,420,788号)、およびアニオン特性を有するシクロデキストリン[Parmeter(III),米国特許第3,426,011号]が挙げられる。アニオン特性を有するシクロデキストリン誘導体のうち、カルボン酸、亜リン酸、亜ホスフィン酸、ホスホン酸、リン酸、チオホスホン酸、チオスルフィン酸、およびスルホン酸は、親シクロデキストリンに付加されている[Parmeter(III)、上記参照]。さらに、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、Stellaら(米国特許第5,134,127号)によって記載されている。
リポソームは、水性内部区画を取り囲む少なくとも1つの脂質二重層膜からなる。リポソームは、膜のタイプおよびサイズによって特徴付けられ得る。小単ラメラ小胞(SUV)は単一膜を有し、典型的には、直径が0.02〜0.05μmの範囲であり、大単ラメラ小胞(LUVS)は、典型的には0.05μmよりも大きい。オリゴラメラ大小胞およびマルチラメラ小胞は、複数の、通常は同心性の膜層を有し、典型的には0.1μmよりも大きい。いくつかの非同心膜を有するリポソームは、すなわち、より大きい小胞内に含有されるいくつかのより小さい小胞は、多胞体小胞と呼ばれる。
本開示の一態様は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含有するリポソームを含む製剤に関し、リポソーム膜は、増加した担持能力を有するリポソームを提供するように製剤化される。あるいは、または加えて、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、リポソームのリポソーム二重層内に含有されてもよく、またはその上に吸着されてもよい。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、脂質界面活性剤と凝集され、リポソームの内部空間内に担持され得る。これらの場合、リポソーム膜は、活性薬剤−界面活性剤凝集体の崩壊効果に抵抗するように製剤化される。
本開示の一実施形態によると、リポソームの脂質二重層は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)で誘導体化された脂質を含有し、これによりPEG鎖は、脂質二重層の内面からリポソームによって封入された内部空間へと延在し、かつ脂質二重層の外部から周囲環境へと延在する。
本開示のリポソーム内に含有される活性薬剤は、可溶化形態である。界面活性剤および活性薬剤の凝集体(対象の活性薬剤を含有するエマルションまたはミセルなど)は、本開示によるリポソームの内部空間内に閉じ込められ得る。界面活性剤は、活性薬剤を分散させ可溶化するように作用し、様々な鎖長(例えば、約C14〜約C20)の生体適合性リゾホスファチジルコリン(LPG)を含むがこれに限定されない、任意の好適な脂肪族、脂環式、または芳香族界面活性剤から選択され得る。PEG−脂質などのポリマー誘導体化脂質は、ミセル/膜融合を阻害するように作用するため、また界面活性剤分子へのポリマーの添加が界面活性剤のCMCを減少させ、ミセル形成を助けるため、ミセル形成にも利用され得る。マイクロモル範囲のCMOを有する界面活性剤が好ましく、より高いCMC界面活性剤を利用して、本開示のリポソーム内に閉じ込められたミセルを調製し得る。
本開示によるリポソームは、当該技術分野で既知の様々な技術のいずれかによって調製され得る。例えば、米国特許第4,235,871号、公開PCT出願第WO96/14057号、New RRC,Liposomes:A practical approach,IRL Press,Oxford(1990),pages 33−104、およびLasic DD,Liposomes from physics to applications,Elsevier Science Publishers BV,Amsterdam,1993を参照されたい。例えば、本開示のリポソームは、リポソーム中で所望の誘導体化脂質の最終モルパーセントに相当する脂質濃度で、親水性ポリマーで誘導体化された脂質を予め形成されたリポソームに拡散することによって、例えば、予め形成されたリポソームを脂質グラフトポリマーから構成されるミセルに曝露することによって、調製され得る。親水性ポリマーを含有するリポソームはまた、当該技術分野で既知のように、均質化、脂質場水和、または押出技術によって形成され得る。
別の例示的な製剤化手順において、活性薬剤はまず、疎水性分子を容易に可溶化するリゾホスファチジルコリンまたは他の低CMC界面活性剤(ポリマーグラフト脂質を含む)中での音波処理によって分散される。次いで、活性薬剤の得られたミセル懸濁液を使用して、好適なモルパーセントのポリマーグラフト脂質またはコレステロールを含有する乾燥脂質試料を再水和する。次いで、脂質および活性薬剤懸濁液は、当該技術分野で既知の押出技術を使用してリポソームに形成され、得られたリポソームは、標準的なカラム分離によって封入されていない溶液から分離される。
本開示の一態様において、リポソームは、選択されたサイズ範囲において実質的に均一なサイズを有するように調製される。1つの効果的なサイズ決定方法は、選択された均一な孔径を有する一連のポリカーボネート膜を通してリポソームの水性懸濁液を押し出すことを伴い、膜の孔径は、その膜を通した押出によってもたらされるリポソームの最大サイズに概ね相当する。例えば、米国特許第4,737,323号(1988年4月12日)を参照されたい。ある特定の実施形態において、DharmaFECT(登録商標)およびLipofectamine(登録商標)などの試薬を利用して、ポリヌクレオチドまたはタンパク質を細胞に導入し得る。
本開示の製剤の放出特性は、封入材料、封入薬物の濃度、および放出調節剤の存在に依存する。例えば、放出は、例えば、胃にあるような低pH、または腸にあるような高pHでのみ放出するpH感受性コーティングを使用して、pH依存性になるように操作され得る。腸溶性コーティングは、胃を通過した後まで放出が起こらないように使用され得る。異なる材料に封入されたシアナミドの複数のコーティングまたは混合物を使用して、胃内で初期放出を得て、続いて腸内で後の放出を得ることができる。放出はまた、塩または細孔形成剤を含むことによっても操作され得、これは、カプセルからの拡散による水取込みまたは薬物の放出を増加させることができる。薬剤の溶解度を修正する賦形剤は、放出速度を制御するためにも使用され得る。マトリックスの分解またはマトリックスからの放出を増強する薬剤も組み込まれ得る。それらは、薬剤に添加され得るか、別個の相として添加され得るか(すなわち、微粒子として)、または化合物に応じてポリマー相で共溶解され得る。ほとんどの場合、量は、0.1〜30パーセント(w/wポリマー)であるべきである。分解促進剤のタイプには、硫酸アンモニウムおよび塩化アンモニウムなどの無機塩、クエン酸、安息香酸、およびアスコルビン酸などの有機酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、および水酸化亜鉛などの無機塩基、ならびにプロタミン硫酸塩、スペルミン、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンなどの有機塩基、ならびにTween(登録商標)およびPluronic(登録商標)などの界面活性剤が含まれる。マトリックスに微細構造を付加する細孔形成剤(すなわち、無機塩および糖類などの水溶性化合物)が、微粒子として添加される。範囲は典型的には、1〜30パーセント(w/wポリマー)である。
また、取込みは、腸内の粒子の滞留時間を変化させることによっても操作され得る。これは、例えば、粒子を粘膜接着性ポリマーでコーティングするか、または封入材料として選択することによって達成され得る。例としては、遊離カルボキシル基を有するほとんどのポリマー、例えば、キトサン、セルロース、および特にポリアクリレート(本明細書で使用される場合、ポリアクリレートとは、アクリレート基、ならびにシアノアクリレートおよびメタクリレートなどの修飾アクリレート基を含むポリマーを指す)が挙げられる。
アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、外科用または医療用のデバイスまたはインプラント内に含まれるように製剤化され得るか、またはそれによって放出されるように適合され得る。ある特定の態様において、インプラントは、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートでコーティングされ得るか、または別の方法で処理され得る。s例えば、ヒドロゲル、または生体適合性および/もしくは生分解性ポリマーなどの他のポリマーを使用して、本開示の医薬組成物でインプラントをコーティングし得る(すなわち、組成物は、ヒドロゲルまたは他のポリマーを使用して医療デバイスと共に使用するように適合され得る)。医療デバイスを薬剤でコーティングするためのポリマーおよびコポリマーは、当該技術分野で周知である。インプラントの例としては、ステント、薬剤溶出性ステント、縫合糸、人工器官、血管カテーテル、透析カテーテル、血管グラフト、人工心臓弁、心臓ペースメーカー、植込み型除細動器、IV針、接骨および骨形成用デバイス、例えば、ピン、スクリュー、プレート、および他のデバイス、ならびに創傷治癒のための人工組織マトリックスが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に提供される方法に加えて、本開示による使用のためのアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、他の医薬品から類推して、ヒトまたは獣医学で使用するための任意の便利な方法で投与するために製剤化され得る。アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、ならびにそれらの対応する製剤は、単独で、または筋芽細胞移植、幹細胞療法、アミノグリコシド系抗生物質の投与、プロテアソーム阻害剤、および上方制御療法(例えば、ジストロフィンの常染色体パラログであるユートロフィンの上方制御)などの筋ジストロフィーの治療における他の治療戦略と組み合わせて投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、追加の治療薬は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの投与の前に、それと同時に、またはその後に投与されてもよい。例えば、アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ステロイドおよび/または抗生物質と組み合わせて投与されてもよい。ある特定の実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、バックグラウンドステロイド理論(例えば、間欠的または長期/連続的バックグラウンドステロイド療法)を受けている患者に投与される。例えば、いくつかの実施形態において、患者は、アンチセンスオリゴマーの投与前にコルチコステロイドで治療されており、ステロイド療法を受け続けてる。いくつかの実施形態において、ステロイドは、糖質コルチコイドまたはプレドニゾンである。
記載される投与経路は、当業者が、任意の特定の動物および状態にとって最適な投与経路および任意の投与量を容易に決定することができるため、指針としてのみ意図される。in vitroおよびin vivoの両方で、機能的な新しい遺伝物質を細胞に導入するための複数のアプローチが試みられている(Friedmann(1989)Science,244:1275−1280)。これらのアプローチには、発現する遺伝子の修飾レトロウイルスへの組み込み、(Friedmann(1989)上記、Rosenberg(1991)Cancer Research 51(18),suppl.:5074S−5079S)、非レトロウイルスベクター(例えば、アデノ関連ウイルスベクター)への組み込み(Rosenfeld,et al.(1992)Cell,68:143−155、Rosenfeld,et al.(1991)Science,252:431−434)、またはリポソームを介した異種プロモーター−エンハンサーエレメントに連結された導入遺伝子の送達(Friedmann(1989)、上記、Brigham,et al.(1989)Am.J.Med.Sci.,298:278−281、Nabel,et al.(1990)Science,249:1285−1288、Hazinski,et al.(1991)Am.J.Resp.Cell Molec.Biol.,4:206−209、およびWang and Huang(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),84:7851−7855)、リガンド特異的、カチオン系輸送システムとの結合(Wu and Wu(1988)J.Biol.Chem.,263:14621−14624)、またはネイキッドDNA、発現ベクターの使用(Nabel et al.(1990)、上記、Wolff et al.(1990)Science,247:1465−1468)が含まれる。導入遺伝子の組織への直接注射は、局所発現のみをもたらす(Rosenfeld(1992)上記、Rosenfeld et al.(1991)上記、Brigham et al.(1989)上記、Nabel(1990)上記、およびHazinski et al.(1991)上記)。Brighamらのグループ(Am.J.Med.Sci.(1989)298:278−281およびClinical Research(1991)39(要約))は、DNAリポソーム複合体の静脈内または気管内のいずれかの投与後のマウスの肺のin vivoトランスフェクションのみを報告している。ヒト遺伝子治療手順のレビュー文献の一例は、Anderson,Science(1992)256:808−813である。
さらなる実施形態において、本開示の医薬組成物は、Han et al.,Nat.Comms.7,10981(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に提供されるように、同じ製剤または別の製剤のいずれかで、本開示の方法において炭水化物と同時投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5%のヘキソース炭水化物を含んでもよい。例えば、本開示の医薬組成物は、5%のグルコース、5%のフルクトース、または5%のマンノースを含んでもよい。ある特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、2.5%のグルコースおよび2.5%のフルクトースを含んでもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5体積%の量で存在するアラビノース、5体積%の量で存在するグルコース、5体積%の量で存在するソルビトール、5体積%の量で存在するガラクトース、5体積%の量で存在するフルクトース、5体積%の量で存在するキシリトール、5体積%の量で存在するマンノース、各々が2.5体積%の量で存在するグルコースとフルクトースの組み合わせ、ならびに5.7体積%の量で存在するグルコース、2.86体積%の量で存在するフルクトース、および1.4体積%の量で存在するキシリトールの組み合わせから選択される炭水化物を含んでもよい。
IV.使用方法
エクソンスキッピングを使用したジストロフィンリーディングフレームの回復
ジストロフィン遺伝子のアウトオブフレーム変異によって引き起こされるDMDの治療に対する潜在的な治療アプローチは、インフレーム変異によって引き起こされるBMDとして既知のより軽度な型のジストロフィン異常症によって示唆される。アウトオブフレーム変異をインフレーム変異に変換する能力は、仮定では、mRNAリーディングフレームを保持し、内部で短縮されたが機能的なジストロフィンタンパク質を産生する。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを、これを達成するように設計した。
PMOの標的プレmRNA配列でのハイブリダイゼーションは、プレmRNAスプライシング複合体の形成を妨げ、成熟mRNAからエクソン53を欠失させる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの構造および配座により、相補的配列に対する配列特異的塩基対合が可能となる。類似の機構により、例えば、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51をスキップするよう設計されたPMOであるエテプリルセンは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51に含有される相補的配列に対する配列特異的塩基対合を可能にする。
全ての79個のエクソンを含有する正常なジストロフィンmRNAは、正常なジストロフィンタンパク質を産生する。図1の図は、エクソン47からエクソン53までのジストロフィンプレmRNAおよび成熟mRNAの小さい区分を示す。各エクソンの形状は、コドンがどのようにエクソン間で分割されるかを示す。注目すべきことに、1つのコドンは、3つのヌクレオチドからなる。長方形のエクソンは、完全なコドンで始まり、終わる。矢印形状のエクソンは、完全なコドンで始まるが、コドンのヌクレオチド#1のみを含有する分割コドンで終わる。このコドンのヌクレオチド#2および#3は、シェブロン形状で始まる後続のエクソンに含有される。
ジストロフィン遺伝子からエクソン全体を失っているジストロフィンmRNAは、典型的には、DMDをもたらす。図2の図は、DMDをもたらすことが知られている遺伝子変異のタイプ(エクソン50の欠失)を示す。エクソン49が完全なコドンで終了し、エクソン51がコドンの第2のヌクレオチドで始まるため、エクソン49の後のリーディングフレームはシフトされ、アウトオブフレームmRNAリーディングフレーム、および変異の下流の誤ったアミノ酸の組み込みをもたらす。その後、機能的なC末端ジストログリカン結合ドメインの非存在により、不安定なジストロフィンタンパク質が産生される。
エテプリルセンは、エクソン51をスキップして、mRNAリーディングフレームを回復させる。エクソン49が完全なコドンで終了し、エクソン52がコドンの第1のヌクレオチドで始まるため、エクソン51の欠失は、リーディングフレームを回復させ、「インフレーム」BMD変異に類似した、無傷のジストログリカン結合部位を有する内部で短縮されたジストロフィンタンパク質の産生をもたらす(図3)。
ジストロフィンmRNAオープンリーディングフレームを回復させるためにエクソンスキッピングを使用してDMD表現型を改善する実現可能性は、非臨床試験で裏付けられている。DMDのジストロフィー動物モデルにおける多くの研究は、エクソンスキッピングによるジストロフィンの回復が、筋力と筋機能の確実な改善をもたらすことを示している(Sharp 2011、Yokota 2009、Wu 2008、Wu 2011、Barton−Davis 1999、Goyenvalle 2004、Gregorevic 2006、Yue 2006、Welch 2007、Kawano 2008、Reay 2008、van Putten 2012)。この説得力のある例は、エクソンスキッピング(PMO使用)療法後のジストロフィンレベルを同じ組織の筋機能と比較した研究から得られるものである。ジストロフィーmdxマウスでは、マウスに特異的なPMOで処置した前脛骨筋(TA)筋が、ストレス誘導性収縮後にその最大許容力の約75%を維持したのに対し、未処置の対側TA筋は、その最大許容力の約25%しか維持しなかった(p<0.05)(Sharp2011)。別の研究では、3匹のジストロフィーCXMDイヌが、2〜5ヵ月齢において、週1回で5〜7週間または隔週で22週間、その遺伝子変異に対するPMO特異性を使用したエクソンスキッピング療法を受けた。エクソンスキッピング療法後、3匹のイヌ全てが、骨格筋におけるジストロフィンの広範囲の全身に及ぶ発現、ならびにベースラインと比較した歩行(15mのランニング試験)の維持または改善を示した。対照的に、未処置の同齢のCXMDイヌは、研究にわたって歩行の著しい低下を示した(Yokota 2009)。
ヒトDMD転写物全体を発現させるmdxマウスおよびヒト化DMD(hDMD)マウスモデルの両方において、PMOは、ホスホロチオエートよりも等モル濃度で多くのエクソンスキッピング活性を有することが示された(Heemskirk 2009)。エクソン51のスキッピングに適している異なる変異を有するDMD患者由来の正常なヒト骨格筋細胞または筋細胞における逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)およびウェスタンブロット(WB)を使用したin vitro実験は、エテプリルセン(PMO)をエクソン51のスキッピングの強力な誘導剤として特定した。エテプリルセン誘導エクソン51のスキッピングは、hDMDマウスモデルにおいてin vivoで確認されている(Arechavala−Gomeza 2007)。
ヒトジストロフィンプレmRNAのエクソン53の標的領域に相補的であり、エクソン53のスキッピングを誘導する、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの効果を分析するための臨床転帰は、ジストロフィン陽性線維(PDPF)の割合、6分間歩行試験(6MWT)、歩行不能(LOA)、ノーススター歩行評価(NSAA)、肺機能検査(PFT)、外部の支持なしで(仰臥位から)立ち上がる能力、デノボジストロフィン産生、および他の機能的尺度を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有する対象においてジストロフィンを産生するための方法を提供し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。ある特定の実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を有する対象において、mRNAリーディングフレームを回復させて、ジストロフィンタンパク質産生を誘導するための方法を提供する。タンパク質産生は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ウェスタンブロット分析、または免疫組織化学検査(IHC)によって測定され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有する対象においてジストロフィンを産生するための方法を提供し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。ある特定の実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を有する対象において、mRNAリーディングフレームを回復させて、ジストロフィンタンパク質産生を誘導するための方法を提供する。タンパク質産生は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ウェスタンブロット分析、または免疫組織化学検査(IHC)によって測定され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDの治療を必要としている対象においてそれを行うための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDの治療を必要としている対象においてそれを行うための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
様々な実施形態において、対象の治療は、疾患進行の遅延によって測定される。いくつかの実施形態において、対象の治療は、対象における歩行の維持、または対象における歩行不能の低減によって測定される。いくつかの実施形態において、歩行は、6分間歩行試験(6MWT)を使用して測定される。ある特定の実施形態において、歩行は、ノーススタート歩行評価(NSAA)を使用して測定される。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDを有する対象において肺機能を維持するか、または肺機能の喪失を低減するための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているDMD遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDを有する対象において肺機能を維持するか、または肺機能の喪失を低減するための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているDMD遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、肺機能は、最大呼気圧(MEP)として測定される。ある特定の実施形態において、肺機能は、最大吸気圧(MIP)として測定される。いくつかの実施形態において、肺機能は、努力肺活量(FVC)として測定される。
さらなる実施形態において、本開示の医薬組成物は、Han et al.,Nat.Comms.7,10981(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に提供されるように、同じ製剤または別の製剤のいずれかで、本開示の方法において炭水化物と同時投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5%のヘキソース炭水化物と同時投与されてもよい。例えば、本開示の医薬組成物は、5%のグルコース、5%のフルクトース、または5%のマンノースと同時投与されてもよい。ある特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、2.5%のグルコースおよび2.5%のフルクトースと同時投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5体積%の量で存在するアラビノース、5体積%の量で存在するグルコース、5体積%の量で存在するソルビトール、5体積%の量で存在するガラクトース、5体積%の量で存在するフルクトース、5体積%の量で存在するキシリトール、5体積%の量で存在するマンノース、各々が2.5体積%の量で存在するグルコースとフルクトースの組み合わせ、ならびに5.7体積%の量で存在するグルコース、2.86体積%の量で存在するフルクトース、および1.4体積%の量で存在するキシリトールの組み合わせから選択される炭水化物と同時投与されてもよい。
様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、治療有効量の非ステロイド性抗炎症化合物と同時投与される。いくつかの実施形態において、非ステロイド性抗炎症化合物は、NF−kB阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態において、NF−kB阻害剤は、CAT−1004またはその薬学的に許容される塩であってもよい。様々な実施形態において、NF−kB阻害剤は、サリチル酸塩およびDHAのコンジュゲートであってもよい。いくつかの実施形態において、NF−kB阻害剤は、CAT−1041またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態において、NF−kB阻害剤は、サリチル酸塩およびEPAのコンジュゲートである。様々な実施形態において、NF−kB阻害剤は、
、またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、非ステロイド性抗炎症化合物は、TGF−b阻害剤である。例えば、ある特定の実施形態において、TGF−b阻害剤は、HT−100である。
ある特定の実施形態において、療法で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。ある特定の実施形態において、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。ある特定の実施形態において、療法で使用するための薬剤の製造で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。ある特定の実施形態において、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療のための薬剤の製造で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。
V.キット
本開示はまた、遺伝的疾患を有する患者の治療のためのキットを提供し、このキットは、好適な容器に包装された、少なくともアンチセンス分子(例えば、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲート)を、その使用についての説明書と共に備える。キットは、緩衝液、安定剤などの周辺試薬も含み得る。当業者であれば、上記方法の用途が、多くの他の疾患の治療で使用するのに適したアンチセンス分子を同定するために幅広い用途を有することを理解するべきである。一実施形態において、キットは、式(III)によるアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含む。一実施形態において、キットは、式(V)によるアンチセンスオリゴマーを含む。
上記の開示は、理解を明確にする目的で、例示および実施例によってある程度詳細に記載されてきたが、本開示の教示を踏まえて、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、ある特定の変更および修正がそれに対してなされ得ることは、当業者に容易に明らかになるであろう。以下の実施例は、例示としてのみ提供されるものであり、限定するものではない。当業者であれば、実質的に類似した結果をもたらすように変更または修正され得る様々な重要ではないパラメータを容易に認識するであろう。
材料および方法
細胞および組織培養処理条件
分化ヒト筋細胞(ZenBio,Inc.)を利用して、エクソンスキッピングを測定した。具体的には、筋芽細胞(ZenBio,Inc.、SKB−F)を、成長培地中(SKB−M、ZenBio,Inc.)中で37℃および5%のCO2において80〜90%コンフルエントに成長させた。成長培地を分化培地(SKM−D、ZenBio,Inc.)と置き換えることによって分化を開始した。エクソン53スキッピングをアッセイするために、1×104個の分化細胞を24ウェルプレートに播種し、様々な濃度のPMOまたはPPMOを含む1mLの分化培地(SKM−D、ZenBio,Inc.)を各ウェルに添加し、96時間インキュベートした。
ウェスタンブロット分析
ウェスタンブロット分析のために、133μLの緩衝液中、直径約5mmで9〜18×20μmの組織切片の比率において、均質化緩衝液(4%のSDS、4M尿素、125mMトリス−HCl(pH6.8))を用いて組織を均質化した。対応する溶解物を採取し、製造業者の説明書に従ってRC DCタンパク質アッセイキット(BioRadカタログ番号500−0122)を使用して、タンパク質定量化に供した。組織抽出物試料を、BSA標準曲線の範囲内に入るように、均質化緩衝液を使用して1:10に希釈した。25μlのタンパク質溶解物、7μlのNuPAGE LDS試料緩衝液(Life Technologiesカタログ番号NP0008、Carlsbad,California,USA)、および3μlのNuPAGE還元剤(10x)(Life Technologiesカタログ番号NP0004)を使用して、35μlの試料が所望の量のタンパク質を含有するように、試料を調製した。タンパク質試料を95℃で5分間加熱した後、試料を遠心分離し、NuPAGE Novex 10ウェル、1mm、ミニ3〜8%ポリアクリルアミドトリス−酢酸塩ゲル(Life Technologiesカタログ番号EA0375)上に、1レーン当たり最大50μgの全タンパク質装填量で上清を装填した。ゲルを、色素前面がゲルから流出するまで、室温において150ボルトで泳動した。得られたタンパク質ゲルを、NuPAGE転写緩衝液(Life Technologies NP006−1)、10%メタノール、および0.1% NuPAGE酸化防止剤(Life Technologies NP0005)を使用して、30ボルトで、室温において75分間、PVDF膜(Life Technologiesカタログ番号LC2007)に移した。
タンパク質転写後、PVDF膜をTTBS緩衝液(1X TBS(Amrescoカタログ番号J640−4L)、0.1%(v/v)tween(登録商標)−20)に浸漬した。膜をブロッキング緩衝液(TTBS中の5%(w/v)非脂肪乾燥乳(Lab Scientificカタログ番号M0841))に移し、静かに揺動させながら4℃で一晩浸した。ブロッキング後、膜を、ブロッキング緩衝液を使用して1:20に希釈したDYS1(Leicaカタログ番号NCL−DYS1)中で室温において60分間、またはブロッキング緩衝液で1:100,000に希釈した抗−α−アクチニン抗体(Sigma−Aldrichカタログ番号NA931V)中で室温において20分間のいずれかでインキュベートし、続いて6回洗浄した(TTBSで各5分間)。西洋ワサビペルオキシダーゼ(GE Healthcareカタログ番号NA931V)にコンジュゲートした抗マウスIgGを、ブロッキング緩衝液を使用して1:40,000に希釈し、膜に45分間(DYS1)または15分間(α−アクチニン)添加し、続いて再び6回洗浄した。ECL Prime Western Detection Kit(GE Healthcareカタログ番号RPN2232)を使用して、フィルムをゲルに曝露し、それに応じて現像した。現像したフィルムを、ImageQuant TL Plusソフトウェア(バージョン8.1)を使用してスキャンおよび分析し、Graphpadソフトウェアを使用して線形回帰分析を実施した。
各ウェスタンブロットゲルは、例えば64%、16%、4%、1%、および0.25%に希釈した正常組織(マウス大腿四頭筋、横隔膜、または心臓)から抽出され(例えば、図5Aおよび図5Bを参照)、DMD組織(例えば、mdxマウス大腿四頭筋、横隔膜、もしくは心臓、またはNHP大腿四頭筋、横隔膜、もしくは平滑筋(GI))抽出物にスパイクした、総タンパク質を使用して調製された4点または5点のジストロフィン標準曲線を含む。標準曲線試料を、上記のように処理した。ジストロフィンバンド強度をゲル標準曲線と比較することによって、野生型ジストロフィンレベルのパーセント(%WT)としてのジストロフィンタンパク質レベルを決定した。
RT−PCR分析
RT−PCR分析のために、製造業者のプロトコルに従ってIllustra GEスピンキットを使用して、RNAを細胞から単離した。RNAの濃度および純度を、NanoDropを使用して決定した。エクソン53のスキッピングを、エクソン51/52接合部および54配列番号74(5’−CATCAAGCAGAAGGCAACAA−3’)を結合する順方向プライマーと、エクソン51/52接合部および54配列番号 75(5’−GAAGTTTCAGGGCCAAGTCA−3’)を結合する逆方向プライマーとを用いて、RT−PCRによって測定した。スキップされたエクソン53は、201bpのアンプリコンを生じ、スキップされていないエクソン53は、413bpのアンプリコンを生じさせた。
マウスエクソン23のスキッピングを、順方向プライマー配列番号76(5’−CACATCTTTGATGGTGTGAGG−3’)、および逆方向プライマー配列番号77(5’−CAACTTCAGCCATCCATTTCTG−3’)を用いて、RT−PCRによって測定した。
RNAをRT−PCRに供した後、ゲルキャピラリー電気泳動を使用するCaliper装置を使用して、試料を分析した。エクソンスキッピング率を、以下の方程式を使用して計算した:(スキップされたバンドの曲線下面積)/(スキップされたバンドおよびスキップされていないバンドの曲線下面積の合計)×100。
免疫組織化学検査:ジストロフィン染色:
マウス大腿四頭筋の10ミクロンの凍結組織切片を使用して、PBS中10%ヤギ血清+1% BSA中のジストロフィン一次抗体(希釈1:250、ウサギ、Abcam、カタログ番号ab15277)、および10%ヤギ血清+1% BSA中の二次抗体Alexa−Fluoro 488ヤギ抗ウサギ(希釈1:1000)によって、ジストロフィンを検出した。
モルホリノサブユニットの調製
スキーム1を参照すると、Bは、塩基対合部分を表し、モルホリノサブユニットは、示されるように、対応するリボヌクレオシド(1)から調製されてもよい。モルホリノサブユニット(2)は、好適な保護基前駆体、例えば、塩化トリチルとの反応によって任意に保護されてもよい。3’保護基は概して、以下により詳細に記載されるように、固体オリゴマー合成中に除去される。塩基対合部分は、固相オリゴマー合成に対して好適に保護され得る。好適な保護基としては、アデニンおよびシトシンに対するベンゾイル、グアニンに対するフェニルアセチル、およびヒポキサンチン(I)に対するピバロイルオキシメチルが挙げられる。ピバロイルオキシメチル基は、ヒポキサンチン複素環塩基のN1位置に導入され得る。保護されていないヒポキサンチンサブユニットが用いられてもよいが、活性化反応における収率は、塩基が保護されている場合にはるかに優れている。他の好適な保護基には、米国特許第8,076,476号に開示されているものが含まれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
活性化されたリン化合物4と3の反応は、所望のリンケージ部分5を有するモルホリノサブユニットをもたらす。
構造4の化合物は、当業者に既知の様々な方法を使用して調製され得る。次いで、モルホリノ部分とのカップリングは、上記に概説されるとおりに進む。
構造5の化合物は、サブユニット間リンケージを含むオリゴマーを調製するための固相オリゴマー合成に使用され得る。そのような方法は、当該技術分野で周知である。簡潔に、構造5の化合物は、5’末端で修飾されて、固体支持体へのリンカーを含有してもよい。一旦支持されると、5の保護基(例えば、3’末端のトリチル)は除去され、遊離アミンは、構造5の第2の化合物の活性化リン部分と反応する。この配列は、所望の長さのオリゴが得られるまで繰り返される。末端の3’末端の保護基は、3’修飾が所望される場合、除去されるか、またはそのままにされるかのいずれかであってもよい。オリゴは、様々な方法、または固体支持体へのリンケージを切断するための塩基を用いた例示的な処理を使用して、固体支持体から除去され得る。
本開示の一般的および具体的なモルホリノオリゴマーにおけるモルホリノオリゴマーの調製は、実施例においてより詳細に説明される。
モルホリノオリゴマーの調製
本開示の化合物の調製は、スキーム2に従って、以下のプロトコルを使用して実施される。
トリチルピペラジンフェニルカルバメート35の調製:ジクロロメタン中の化合物11の冷却懸濁液(6mL/g 11)に、水中の炭酸カリウム(3.2当量)の溶液(4mL/g炭酸カリウム)を添加した。この二相混合物に、ジクロロメタン中のクロロギ酸フェニル(1.03当量)の溶液(2g/gクロロギ酸フェニル)をゆっくりと添加した。反応混合物を20℃に加温した。反応完了時(1〜2時間)に、層を分離した。有機層を水で洗浄し、無水炭酸カリウム上で乾燥させた。生成物35をアセトニトリルからの結晶化によって単離した。
カルバメートアルコール36の調製:水素化ナトリウム(1.2当量)を、1−メチル−2−ピロリジノン中に懸濁した(32mL/g水素化ナトリウム)。この懸濁液に、トリエチレングリコール(10.0当量)および化合物35(1.0当量)を添加した。得られたスラリーを95℃に加熱した。反応完了時(1〜2時間)に、混合物を20℃に冷却した。この混合物に、30%ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(v:v)および水を添加した。生成物含有有機層を、水性NaOH、水性コハク酸、および飽和水性塩化ナトリウムで連続的に洗浄した。生成物36を、ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル/ヘプタンからの結晶化によって単離した。
テール酸37の調製:テトラヒドロフラン中の化合物36の溶液(7mL/g 36)に、コハク酸無水物(2.0当量)およびDMAP(0.5当量)を添加した。混合物を50℃に加熱した。反応完了時(5時間)に、混合物を20℃に冷却し、水性NaHCO3を用いてpH8.5に調整した。メチルtert−ブチルエーテルを添加し、生成物を水層中に抽出した。ジクロロメタンを添加し、混合物を水性クエン酸でpH3に調整した。生成物含有有機層を、pH=3のクエン酸緩衝液と飽和水性塩化ナトリウムの混合物で洗浄した。この37のジクロロメタン溶液を、化合物38の調製において単離することなく使用した。
38の調製:化合物37の溶液に、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)(1.02当量)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.34当量)、次いで1−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.1当量)を添加した。混合物を55℃に加熱した。反応完了時(4〜5時間)に、混合物を20℃に冷却し、1:1の0.2Mクエン酸/ブラインおよびブラインで連続的に洗浄した。ジクロロメタン溶液は、アセトンへの、次いでN,N−ジメチルホルムアミドへの溶媒交換を受け、生成物を、アセトン/N,N−ジメチルホルムアミドから飽和水性塩化ナトリウム中への沈殿によって単離した。粗生成物を水中で数回再スラリー化して、残留N,N−ジメチルホルムアミドおよび塩を除去した。
PMO合成方法A:ジスルフィドアンカーの使用
アンカー装填樹脂への活性化「テール」の導入を、固相合成中のサブユニットの組み込みに使用される手順によって、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)中で実施した。
この手順を、シラン処理したジャケット付きペプチド槽(ChemGlass,NJ,USA)内で、粗多孔性(40〜60μm)ガラスフリット、オーバーヘッド撹拌器、およびテフロン(登録商標)三方活栓を用いて実施して、N2がフリットまたは真空抽出を通して泡立つことを可能にした。
以下の手順の樹脂処理/洗浄ステップは、樹脂流動化または撹拌床反応器および溶媒/溶液抽出の2つの基本操作からなる。樹脂流動化については、N2がフリットを通って上方に流れることを可能にするように活栓を配置し、指定の樹脂処理/洗浄を反応器に加え、樹脂に浸透し、完全に湿らせた。次いで、混合を開始し、樹脂スラリーを所定時間混合した。溶媒/溶液抽出については、混合およびN2流動を停止し、真空ポンプを起動し、次いで、樹脂処理/洗浄の廃棄物への排出を可能にするように活栓を配置した。特に記載のない限り、樹脂処理/洗浄体積は全て、15mL/gの樹脂であった。
シラン処理したジャケット付きペプチド槽内のアミノメチルポリスチレン樹脂(100〜200メッシュ;窒素置換に基づいて約1.0mmol/g装填;75g、1当量、Polymer Labs,UK、部品番号1464−X799)に、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP;20mL/g樹脂)を添加し、樹脂を1〜2時間混合しながら膨潤させた。膨潤溶媒の排出後、樹脂をジクロロメタン(2×1〜2分)、25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミン(2×3〜4分)、およびジクロロメタン(2×1〜2分)で洗浄した。最終洗浄の排出後、樹脂を、1−メチル−2−ピロリジノン中のジスルフィドアンカー34の溶液(0.17M;15mL/g樹脂、約2.5当量)で処理し、樹脂/試薬混合物を45℃で60時間加熱した。反応完了時に、加熱を中断し、アンカー溶液を排出し、1−メチル−2−ピロリジノン(4×3〜4分)およびジクロロメタン(6×1〜2分)で樹脂を洗浄した。樹脂を、ジクロロメタン中の10%(v/v)二炭酸ジエチルの溶液(16mL/g、2×5〜6分)で処理し、次いで、ジクロロメタン(6×1〜2分)で洗浄した。樹脂39を、N2流下で1〜3時間、次いで、真空下で一定重量(±2%)になるまで乾燥させた。収率:原樹脂重量の110〜150%
アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の装填の決定:樹脂の装填量(潜在的に利用可能な反応部位の数)を、樹脂1グラム当たりのトリフェニルメチル(トリチル)基の数の分光アッセイによって決定する。
既知の重量の乾燥樹脂(25±3mg)をシラン処理した25mLのメスフラスコに移し、ジクロロメタン中の約5mLの2%(v/v)トリフルオロ酢酸を添加する。内容物を穏やかに旋回させて混合し、30分間放置する。体積は、さらなるジクロロメタン中の2%(v/v)トリフルオロ酢酸で最大25mLになり、内容物を完全に混合する。ポジティブディスプレイスメント式ピペットを使用して、トリチル含有溶液(500μL)のアリコートを10mLのメスフラスコに移し、その体積をメタンスルホン酸で10mLにする。
最終溶液中のトリチルカチオン含有量を、431.7nmのUV吸光度によって測定し、樹脂装填量を、適切な体積、希釈、消散係数(ε:41μmol−1cm−1)、および樹脂重量を使用して、樹脂1グラム当たりのトリチル基(μmol/g)で測定する。アッセイを三つ組で実施し、平均装填量を計算する。
本実施例の樹脂装填手順は、約500μmol/gの装填量を樹脂に提供する。ジスルフィドアンカー組み込みステップを室温で24時間実施する場合、300〜400μmol/gの装填量を得た。
テール装填量:アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の調製と同じ設定および体積を使用して、テールを固体支持体に導入することができる。アンカー装填樹脂を最初に酸性条件下で脱保護し、カップリング前に得られた材料を中和した。カップリングステップでは、ジスルフィドアンカー溶液の代わりに、4−エチルモルホリン(NEM、0.4M)を含有するDMI中の38の溶液(0.2M)を使用した。45℃で2時間後、樹脂39を25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで2回、およびDCMで1回洗浄した。樹脂に、無水安息香酸(0.4M)およびNEM(0.4M)の溶液を添加した。25分後、反応器ジャケットを室温に冷却し、樹脂を25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで2回、およびDCMで8回洗浄した。樹脂40を濾過し、高真空下で乾燥させた。樹脂40の装填を、テール装填量で使用される元のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂39の装填量と定義する。
固相合成:モルホリノオリゴマーを、2mLのGilsonポリプロピレン反応カラム(部品番号3980270)内のGilson AMS−422 Automated Peptide Synthesizer上で調製した。水流用のチャネルを備えたアルミニウムブロックを、合成器上に置いたときにカラムの周囲に配置した。AMS−422は別の方法として、試薬/洗浄溶液を添加し、指定の時間保持し、真空を使用してカラムを空にする。
最大約25サブユニットの長さの範囲のオリゴマーについては、500μmol/gに近い樹脂の装填量を伴うアミノメチルポリスチレンジ−スルフィド樹脂が好ましい。より大きいオリゴマーについては、300〜400μmol/gの樹脂の装填量を伴うアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂が好ましい。5’−テールを有する分子が所望される場合、テールが装填された樹脂は、同じ装填ガイドラインで選択される。
以下の試薬溶液を調製した:
脱トリチル化溶液:4:1ジクロロメタン/アセトニトリル中の10%シアノ酢酸(w/v)
中和溶液:3:1ジクロロメタン/イソプロパノール中の5%ジイソプロピルエチルアミン、ならびに
カップリング溶液:1,3−ジメチルイミダゾリジノン中の、所望の塩基およびリンケージタイプの0.18M(または20サブユニットよりも長く成長したオリゴマーについては0.24M)活性化モルホリノサブユニット、および0.4M Nエチルモルホリン。
ジクロロメタン(DCM)を、異なる試薬溶液の洗浄を分離する移行洗浄として使用した。
合成器上で、ブロックを42℃に設定して、30mgのアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂(またはテール樹脂)を含む各カラムに、2mLの1−メチル−2−ピロリジノンを点火し、室温で30分間放置した。2mLのジクロロメタンで2回洗浄した後、以下の合成サイクルを用いた。
個々のオリゴマーの配列を、各カラムが適切な配列中の適切なカップリング溶液(A、C、G、T、I)を受けるように合成器にプログラムした。カラム内のオリゴマーがその最終サブユニットの組み込みを完了したとき、カラムをブロックから除去し、0.89M 4−エチルモルホリンを含有する4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(DMI中0.32M)から構成されるカップリング溶液を用いて、手動で最終サイクルを実施した。
樹脂からの切断ならびに塩基および骨格保護基の除去:メトキシトリチル化後、樹脂を2mLの1−メチル−2−ピロリジノンで8回洗浄した。1−メチル−2−ピロリジノン中の0.1M 1,4−ジチオスレイトール(DTT)および0.73Mトリエチルアミンからなる1mLの切断溶液を添加し、カラムに蓋をし、室温で30分間放置した。その後、12mLのWheatonバイアルに排出した。大きく収縮した樹脂を300μLの切断溶液で2回洗浄した。溶液に、4.0mLの濃縮水性アンモニア(−20℃で保存)を添加し、バイアルにきつく蓋をし(テフロン(登録商標)ライナー付きスクリューキャップで)、混合物を旋回させて溶液を混合した。バイアルを45℃のオーブン内に16〜24時間置き、塩基および骨格保護基の切断をもたらした。
粗生成物精製:バイアル入りのアンモノリシス溶液をオーブンから取り出し、室温に冷却させた。溶液を20mLの0.28%水性アンモニアで希釈し、Macroprep HQ樹脂(BioRad)を含む2.5×10cmのカラムに通した。塩勾配(A:0.28%アンモニア、B:0.28%アンモニア中の1M塩化ナトリウム、60分間で0〜100% B)を使用して、メトキシトリチル含有ピークを溶出した。組み合わせた画分をプールし、所望の生成物に応じてさらに処理した。
モルホリノオリゴマーの脱メトキシトリチル化:Macroprep精製からのプールされた画分を1MのH3PO4で処理して、pHを2.5に低下させた。最初の混合後、試料を室温で4分間放置し、その際に2.8%アンモニア/水でpH10〜11に中和した。生成物を固相抽出(SPE)によって精製した。
SPEカラム充填および調整:Amberchrome CG−300M(Rohm and Haas;Philadelphia,PA)(3mL)を、20mLフリットカラム(BioRad Econo−Pac Chromatography Columns(732−1011))に充填し、樹脂を3mLの以下のものですすぐ:0.28% NH4OH/80%アセトニトリル;0.5M NaOH/20%エタノール;水;50mM H3PO4/80%アセトニトリル;水;0.5 NaOH/20%エタノール;水;0.28% NH4OH。
SPE精製:脱メトキシトリチル化からの溶液をカラムに装填し、樹脂を3〜6mLの0.28%水性アンモニアで3回すすいだ。Wheatonバイアル(12mL)をカラムの下に配置し、生成物を、0.28%水性アンモニア水中の2mLの45%アセトニトリルで2回洗浄することによって溶出した。
生成物単離:溶液をドライアイス中で凍結させ、バイアルを凍結乾燥機に入れ、ふわふわした白色粉末を得た。試料を水に溶解し、0.22ミクロンのフィルタ(Pall Life Sciences、Acrodisc 25mmのシリンジフィルタ、0.2ミクロンのHT Tuffryn膜を備える)を通して、シリンジを使用して濾過し、UV分光光度計上で光学密度(OD)を測定して、存在するオリゴマーのOD単位を決定し、かつ分析用の試料を分注した。次いで、溶液を、凍結乾燥のためにWheatonバイアルに戻した。
MALDIによるモルホリノオリゴマーの分析:MALDI−TOF質量分析を使用して、精製物中の画分の組成を決定し、かつオリゴマーの同一性(分子量)の証拠を提供した。3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸(シナピン酸)、3,4,5−トリヒドキシアセトフェノン(THAP)、またはアルファ−シアノ−4−ヒドキシケイ皮酸(HCCA)の溶液をマトリックスとして用いて希釈した後、試料を実験した。
CPPコンジュゲート化(以下に開示する配列番号72および72)
分析手順:マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量スペクトル(MALDI−TOF−MS)を、シナピン酸(SA)マトリックスを使用して、Bruker Autoflex(商標)Speed上で記録した。3000ダイオードアレイ検出器およびProPacTM SCX−20カラム(250×4mm)を備えたThermo Dionex UltiMate 3000システム上で、1.0mL/分の流速(pH=2、カラム温度30℃)を使用して、SCX−HPLCを実施した。移動相は、A(24mMのH
3PO
4を含有する水中の25%アセトニトリル)およびB(1MのKClおよび24mMのH
3PO
4を含有する水中の25%アセトニトリル)であった。勾配溶出を用いた:0分、35% B;2分、35% B;22分、80% B;25分、80% B;25.1分、35% B;30分、35% B。
PMO−A(1.82g、0.177mmol、2日間の凍結乾燥により新たに乾燥させたもの、以下の表に記載)
(式中、1〜25および5’から3’の各Nuは、(配列番号78)である)
Ac−L−Arg−L−Arg−L−Arg−L−Arg−L−Arg−L−Arg−Gly−OH(配列番号72)ヘキサトリフルオロ酢酸塩(614.7mg、0.354mmol)、および1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサトリフルオロリン酸塩(HATU、134.4mg、0.354mmol)の混合物に、ジメチルスルホキシド(DMSO、20mL)を添加した。混合物を室温で3分間撹拌し、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、68.5mg、0.530mmol)を添加した。5分後、濁った混合物は、澄明な溶液になった。反応をSCX−HPLCによって監視した。2時間後、20mLの10%水酸化アンモニウム溶液(2.8% NH3)を添加した。混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応を400mLの水の添加によって終了した。トリフルオロエタノール(2.0mL)を溶液に添加した。
溶液を2つの部分に分割し、各部分をWCXカラム(カラム当たり10gの樹脂)によって精製した。各WCXカラムを最初に水中の20%アセトニトリル(v/v)で洗浄して、PMO#1出発物質を除去した。MALDI−TOF質量スペクトル分析がPMO#1シグナルの非存在を示したとき、洗浄(各カラムに対して225mL)を中止した。次いで、各カラムを水(カラム当たり100mL)で洗浄した。所望の生成物、PPMO#1を2.0MのグアニジンHCl(各カラムに対して140mL)で溶出した。PPMO#1の精製溶液を一緒にプールし、次いで2つの部分に分割し、それぞれSPEカラム(各カラムに対して10gの樹脂)によって脱塩した。
SPEカラムを、最初に1.0MのNaCl水溶液(各カラムに対して100mL)で洗浄して、PPMO#1の六塩酸塩を生成した。次いで、各SPEカラムを水(各カラムに対して200mL)で洗浄した。最終の脱塩したPPMO#1を、水中の50%アセトニトリル(v/v、各カラムに対して150mL)によって溶出した。アセトニトリルを減圧下での排出によって除去した。得られた水溶液を凍結乾燥させて、所望のコンジュゲートPPMO#1六塩酸塩(1.93g、収率94.5%)を得た。
実施例1:エクソン53のin vitroスキッピング(RD細胞)
以下の表に記載されるヒトジストロフィン(DMD)エクソン53を標的とするPMO化合物を、上記の方法に従って合成し、ヒト横紋筋肉腫(RD)細胞においてDMDエクソン53スキッピングについて評価した。
具体的には、ヒトRD細胞を、標準的な技術を使用して、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎仔血清(FBS)中で培養した。凍結乾燥したPMOを約1.0mMでヌクレアーゼフリー水に再懸濁し、モル濃度を検証するために、PMO溶液をNanoDrop 2000分光光度計(Thermo Scientific)を使用して測定した。製造業者の説明書およびSGキット(Lonza)に従ってヌクレオポレーションを使用して、PMOをRD細胞に送達した。
PMOを、示されている濃度で試験し、37℃、5%CO2のインキュベーター中で24時間培インキュベートした(24ウェルプレートのウェル当たり4×105細胞(n=3))。RNAを、GE HealthcareのRNAspin 96ウェルRNA単離キットを使用してPMO処理細胞から抽出し、以下のように、標準的な技術および示されているエクソン由来のプライマーを使用してRT−PCRに供した。エクソン53プライマーは、エクソン52および54由来であった。
Caliper LabChipバイオアナライザーを使用してスキッピングを測定し、以下の式によりエクソンスキッピング%(すなわち、全長PCR産物に対するエクソンスキップされた産物のバンド強度)を計算した:
[エクソン53スキップされた産物/(エクソン53スキップされた産物とエクソン53スキップされていない産物との合計)*100]。
結果が以下の表および図XおよびYに示される。
実施例2: in vitro(筋芽細胞)でのエクソン53スキッピング
以下の表に記載されるヒトジストロフィン(DMD)エクソン53を標的とする実施例1のPMO化合物および対応するPPMO化合物(上記の方法に従って調製)を、健康なヒトの筋芽細胞においてDMDエクソン53スキッピングについて評価した。
具体的には、健康なヒト筋芽細胞(Zen−Bio,Inc.から購入した継代5〜6、SKB−F−SL)を、約40%の密集度で播種し、SKM−M培地(Zen−Bio,Inc.)中で、様々な濃度(すなわち、40μm、20μm、10μm、5μm、2.5μm、および1.25μm)のPMOおよびPPMOで処理する。96時間のインキュベーション後、筋芽細胞をPBSで洗浄し、Illustra GE RNAspin 96キット(カタログ番号25−055−75、GE Healthcare Bio−Sciences)中のRA1溶解緩衝液によって溶解する。RNAを溶出するために40μLのRNaseフリー水を使用したことを除いて、製造業者の推奨に従って全RNAを単離する。
エクソン53スキッピングを決定するために、2段階エンドポイントRT−PCRを実施する。具体的には、11マイクロリットルの全RNAを、最初に、SuperScript IV First−strand合成キット(カタログ番号18091200、Invitrogen)によって、製造業者の説明書に従ってランダムヘキサマーを使用して、cDNAに逆転写する。ヒトDMDエクソン51/52接合部および54を標的としたプライマー(順方向プライマー:(配列番号74):CATCAAGCAGAAGGCAACAA;逆方向プライマー(配列番号75):GAAGTTTCAGGGCCAAGTCA)を用いて、9μLのcDNAをPlatinum Taq DNAポリメラーゼPCR Supermix High Fidelity(カタログ番号12532024、Invitrogen)に添加することによって、PCRを実施する。PCR増幅を、BioRad CFX96リアルタイムサーモサイクラーを使用して、表2に示されるプログラムを使用して実施する。スキップされたPCR産物またはスキップされていないPCR産物の発現を、DNA High Sensitivity Reagentキット(CLS760672、Perkin Elmer)を使用して、32μLのPCR産物をLabChip GXシステム上に装填することによって評価する。DMDエクソン53スキッピングの割合を、スキップされた(201bp)およびスキップされていない(413bp)バンドの合計モル濃度と比較した、エクソン53スキップされたバンド(201bp)のモル濃度(nmol/L)の割合として計算する。
群の平均値が各用量において互いに統計的に異なるかどうかを評価するために、両側不対スチューデントt検定(等分散的)を使用する。0.05未満のP値は、統計的に有意であると考えられる。
実施例3:MDXマウス研究
mdxマウスは、ジストロフィン遺伝子のエクソン23の変異を含む、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について一般に認められ、よく特徴付けられた動物モデルである。M23Dアンチセンス配列(配列番号73)は、エクソン23スキッピングを誘導し、機能的ジストロフィン発現を回復させることが知られている。6〜7週齢のMDXマウスに、40mg/kgの用量で、または生理食塩水と共に、以下の表のPPMO4225またはPMO4225のいずれかの尾静脈への単回注射を与えた。
PMO4225およびPPMO4225を各々、上記のPMO方法AおよびCPPコンジュゲーション方法によって調製した。
処置したマウスを、単回投与注射の7、30、60、および90日後に屠殺した(群当たりn=6)。横隔膜、心臓、および右大腿四頭筋を、ジストロフィンタンパク質の産生を測定するためのウェスタンブロット分析、およびエクソンスキッピングの割合を測定するためのRT−PCR分析のために処置し、左大腿四頭筋を上記のように免疫組織化学検査およびH/E染色のために処置した。
ジストロフィンタンパク質回復をウェスタンブロットによって定量化し、エクソン23スキッピングの割合を上記のように各々RT−PCRによって測定した。
RT−PCRおよびウェスタンブロットの結果が、図5A〜図10Bおよび以下の表に示される。驚くべきことに、PPMO4225は、PMO4225と比較して、有意により高く持続的なレベルのジストロフィン回復およびエクソン23スキッピングを誘導し、最も高いレベルは、注射後30日目に生じた。さらに驚くべきことに、PMO4225が心臓内のジストロフィンレベルを増加させなかったときに、PPMO4225は、増加させた。PMO4225では、全ての時点で、心臓内のジストロフィンおよびエクソンスキッピングは観察されなかった。
免疫組織化学検査の結果が図11に示される。ここで、PPMO4225は、大腿四頭筋全体にわたってジストロフィンを回復させるが、4225は「斑状」の発現パターンをもたらす。PPMO4225処置によるジストロフィンの均一な分布は、骨格筋の広範な標的化が達成可能であることを示す。PPMO4225は、in vivoでPMO4225よりも有意に改善された送達を有する。
実施例4:MDXマウス用量反応試験
6〜7週齢のMDXマウスに、40mg/kg、80mg/kg、または120mg/kgの用量で、上記のPPMO4225またはPMO4225のいずれかの尾静脈への単回注射を与えた(群当たりn=6)。
処置したマウスを、注射の30日後に屠殺した。横隔膜、大腿四頭筋、および心臓を、ウェスタンブロット分析のために処置して、以下の修正を伴う上記のウェスタンブロットプロトコル(例えば、実施例3で使用)に基づいて、ジストロフィンタンパク質の産生を測定した。
野生型の割合としてのジストロフィンタンパク質回復が、以下の表および図12〜図15に示される。
驚くべきことに、データは、PPMO4225の単回投与が、PMO4225よりも有意にかつ実質的に大きい程度まで、mdxマウスにおいて用量依存的にジストロフィンレベルを増加させることを示す。
実施例5:横隔膜および心臓のMDXマウスIHC研究
6〜7週齢のMDXマウスに、80mg/kgまたは生理食塩水の用量でPPMO4225の尾静脈への単回注射を与え、6〜7週齢の野生型マウスに、生理食塩水の単回注射を与えた。処置したmdxマウス、生理食塩水mdxマウス、および野生型マウスを、単回投与注射の30日後に屠殺した(群当たりn=4)。免疫組織化学検査の結果が図19に示される。ここで、結果は、PPMO4225で治療したmdxマウスにおけるDMDの罹患率および死亡率に関連する、組織におけるジストロフィンの均一な増加を示す。
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本明細書で引用される全ての出版物および特許出願は、各個々の出版物または特許出願が具体的かつ個々に参照によって組み込まれるように指示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
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本開示の実施形態は、概して、改善されたアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、ならびにヒトジストロフィン遺伝子においてエクソンスキッピングを誘導するように特別に設計されたその使用方法に関する。ジストロフィンは筋機能において重要な役割を果たし、様々な筋肉関連疾患がこの遺伝子の変異型を特徴とする。したがって、ある特定の実施形態において、本明細書に記載される改善されたアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)およびベッカー型筋ジストロフィー(BMD)に見られる変異ジストロフィン遺伝子などのヒトジストロフィン遺伝子の変異型においてエクソンスキッピングを誘導する。
変異によって引き起こされる異常なmRNAスプライシング事象により、これらの変異ヒトジストロフィン遺伝子は、欠陥のあるジストロフィンタンパク質を発現するか、または測定可能なジストロフィンを全く発現しないかのいずれかであり、これは様々な形態の筋ジストロフィーを引き起こす状態である。この状態を治療するために、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、変異ヒトジストロフィン遺伝子の予めプロセシングされたmRNAの選択された領域にハイブリダイズし、そうでなければ異常にスプライシングされたジストロフィンmRNAにおいてエクソンスキッピングおよび差次的スプライシングを誘導し、それにより筋細胞が、機能性ジストロフィンタンパク質をコードするmRNA転写物を産生することを可能にする。ある特定の実施形態において、結果として生じるジストロフィンタンパク質は、必ずしも「野生型」形態のジストロフィンではなく、むしろ、切断されたが機能的な形態のジストロフィンである。
筋細胞における機能性ジストロフィンタンパク質のレベルを高めることによって、これらおよび関連する実施形態は、異常なmRNAスプライシングによる欠陥のあるジストロフィンタンパク質の発現を特徴とする筋ジストロフィー、特にDMDおよびBMDなどの筋ジストロフィーの形態の予防および治療に有用である。本明細書に記載される特定のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、他のオリゴマーよりも改善されたジストロフィン−エクソン特異的標的化をさらに提供し、それにより、関連する形態の筋ジストロフィーを治療する代替的な方法よりも有意かつ実用的な利点を提供する。
したがって、本開示は、
ヒトジストロフィン遺伝子中でエクソンスキッピングを誘導するために選択された標的に結合することができる18〜25個のサブユニットの長さのアンチセンスオリゴマーであって、アニーリング部位として指定されるジストロフィンプレmRNAのエクソン53標的領域に相補的である塩基の配列を含む、アンチセンスオリゴマーと、
リンカー部分によってアンチセンスオリゴマーにコンジュゲートされた細胞膜透過性ペプチド(CPP)と、を含む、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートに関する。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択される。
本開示はまた、ヒトジストロフィン遺伝子中でエクソンスキッピングを誘導するために選択された標的に結合することができる18〜23個のサブユニットの長さのアンチセンスオリゴマーに関し、アンチセンスオリゴマーは、アニーリング部位として指定されるジストロフィンプレmRNAのエクソン53標的領域に相補的である塩基の配列を含む。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーの塩基は、モルホリノ環構造に連結され、モルホリノ環構造は、1つの環構造のモルホリノ窒素を隣接する環構造の5’環外炭素に結合するリン含有サブユニット間リンケージによって結合される。ある特定の実施形態において、細胞膜透過性ペプチドは、R6(配列番号71)であり、リンカー部分は、グリシンである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、配列番号1として指定される塩基の配列を含み、ここで、各チミン塩基(T)は、任意にウラシル塩基(U)である。
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の任意の方法および材料が、本開示の実施または試験で使用され得るが、好ましい方法および材料が説明される。本開示の目的のために、以下の用語が以下に定義される。
I.定義
「約」とは、基準の数量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、または長さに対して30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%ほどまで変化する数量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、サイズ、量、重量、または長さを意味する。
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、別段の定めがない限り、飽和直鎖または分岐炭化水素を指す。ある特定の実施形態において、アルキル基は、第一級、第二級、または第三級炭化水素である。ある特定の実施形態において、アルキル基は、1〜10個の炭素原子、すなわち、C1〜C10アルキルを含む。ある特定の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子、すなわち、C1〜C6アルキルを含む。ある特定の実施形態において、アルキル基は、メチル、CF3、CCl3、CFCl2、CF2Cl、エチル、CH2CF3、CF2CF3、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、および2,3−ジメチルブチルからなる群から選択される。この用語は、ハロゲン化アルキル基を含む、置換アルキル基および非置換アルキル基の両方を含む。ある特定の実施形態において、アルキル基は、フッ素化アルキル基である。アルキル基が置換され得る部分の非限定的な例は、当業者に既知のように、例えば、参照により本明細書に組み込まれるGreene,et al.,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley and Sons,Second Edition,1991で教示されるように、保護されていないか、または必要に応じて保護されているかのいずれかの、ハロゲン(フルオロ、クロロ、ブロモ、もしくはヨード)、ヒドロキシル、アミノ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシ、アリールオキシ、ニトロ、シアノ、スルホン酸、サルフェート、ホスホン酸、ホスフェート、またはホスホネートからなる群から選択される。
「エクソン53スキッピングに適している」とは、対象または患者に関して本明細書で使用される場合、ジストロフィンプレmRNAのエクソン53のスキッピングがないと、リーディングフレームをアウトオブフレームにし、それによりプレmRNAの翻訳を妨げ、対象または患者が機能性または半機能性ジストロフィンを産生することをできなくさせる、ジストロフィン遺伝子の1つ以上の変異を有する対象および患者を含むことが意図される。エクソン53スキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異の例としては、例えば、エクソン42〜52、エクソン45〜52、エクソン47〜52、エクソン48〜52、エクソン49〜52、エクソン50〜52、またはエクソン52の欠失が挙げられる。患者がエクソンスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有するかどうかを判定することは、十分に当業者の範囲内である(例えば、Aartsma−Rus et al.(2009)Hum Mutat.30:293−299、Gurvich et al.,Hum Mutat.2009;30(4)633−640、およびFletcher et al.(2010)Molecular Therapy 18(6)1218−1223を参照)。
本明細書で使用される場合、「オリゴマー」という用語は、サブユニット間リンケージによって結合されるサブユニットの配列を指す。ある特定の例において、「オリゴマー」という用語は、「アンチセンスオリゴマー」に関連して使用される。「アンチセンスオリゴマー」について、各サブユニットは、(i)リボース糖またはその誘導体、および(ii)それらに結合した核酸塩基からなり、これにより、塩基対合部分の状態は、サブユニット、サブユニット間リンケージ、または両方のいずれかが天然に存在しないという条件で、ワトソン−クリック塩基対合によって核酸(典型的にはRNA)中の標的配列に相補的である塩基配列を形成し、標的配列内で核酸:オリゴマーヘテロ二本鎖を形成する。ある特定の実施形態において、アンチセンスオリゴマーはPMOである。他の実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、2’−O−メチルホスホロチオエートである。他の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーは、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、または2’−O,4’−C−エチレン架橋核酸(ENA)などの架橋核酸(BNA)である。追加の例示的な実施形態は、本明細書に記載される。
「相補的な」および「相補性」という用語は、ワトソン−クリック塩基対ルールによって互いに関連する2つ以上のオリゴマー(すなわち、各々が核酸塩基配列を含む)を指す。例えば、核酸塩基配列「T−G−A(5’→3’)」は、核酸塩基配列「A−C−T(3’→5’)」に相補的である。相補性は、「部分的」であってもよく、所与の核酸塩基配列の全てには満たない核酸塩基が、塩基対合ルールに従って他の核酸塩基配列にマッチされる。例えば、いくつかの実施形態において、所与の核酸塩基配列と別の核酸塩基配列との間の相補性は、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、または約95%であってもよい。または例を続けると、所与の核酸塩基配列と別の核酸塩基配列との間に「完全(complete)」または「完全(perfect)」(100%)な相補性が存在してもよい。核酸塩基配列間の相補性の程度は、配列間のハイブリダイゼーションの効率および強度に有意な影響を与える。
「有効量」および「治療有効量」という用語は、本明細書において互換的に使用され、所望の治療効果をもたらすのに有効である、単回投与または連続投与のうちの一部のいずれかとして、哺乳動物対象に投与される、アンチセンスオリゴマーなどの治療化合物の量を指す。アンチセンスオリゴマーについて、この効果は典型的には、選択された標的配列の翻訳または天然のスプライスプロセシングを阻害することによって、または臨床的に意味のある量のジストロフィン(統計的有意性)を産生することによってもたらされる。
いくつかの実施形態において、有効量は、対象を治療するための期間にわたって、アンチセンスオリゴマーを含む少なくとも10mg/kgまたは少なくとも20mg/kgの組成物である。いくつかの実施形態において、有効量は、対象におけるジストロフィン陽性線維の数を正常の少なくとも20%に増加させるための、アンチセンスオリゴマーを含む少なくとも20mg/kgの組成物である。ある特定の実施形態において、有効量は、健康な同等者と比較して患者において、例えば6MWTで20%の不足から歩行距離を安定化、維持、または改善するための、アンチセンスオリゴマーを含む10mg/kgまたは少なくとも20mg/kgの組成物である。様々な実施形態において、有効量は、少なくとも10mg/kg〜約30mg/kg、少なくとも20mg/kg〜約30mg/kg、約25mg/kg〜約30mg/kg、または約30mg/kg〜約50mg/kgである。いくつかの実施形態において、有効量は、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、または約50mg/kgである。別の態様において、有効量は、少なくとも24週間、少なくとも36週間、または少なくとも48週間にわたって、少なくとも約10mg/kg、約20mg/kg、約25mg/kg、約30mg/kg、または約30mg/kg〜約50mg/kgであり、それにより、対象におけるジストロフィン陽性線維の数を正常の少なくとも20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%に増加させ、健康な同等者と比較して患者において、例えば6MWTで20%の不足から歩行距離を安定化または改善する。いくつかの実施形態において、治療は、患者においてジストロフィン陽性線維の数を正常の20〜60%または30〜50%に増加させる。
「増強する」もしくは「増強すること」、または「増加させる」もしくは「増加させること」、または「刺激する」もしくは「刺激すること」とは概して、上記のいずれかの1つまたはそれより多いアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは医薬組成物が、アンチセンスオリゴマーなし、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートなし、または対照化合物のいずれかによって引き起こされる応答と比較して、細胞または対象においてより大きい生理学的応答(すなわち、下流効果)をもたらすまたは引き起こす能力を指す。より大きい生理学的応答は、当該技術分野における理解および本明細書の記載から明らかな応答の中でも特に、ジストロフィンタンパク質の機能的形態の発現の増加、または筋組織におけるジストロフィン関連生物活性の増加を含み得る。筋機能の増加も測定され得、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%までの筋機能の増加または改善を含む。機能性ジストロフィンを発現させる筋線維の割合も測定され得、筋線維の約1%、2%、5%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%のジストロフィン発現の増加を含む。例えば、25〜30%の線維がジストロフィンを発現させる場合、約40%の筋機能の改善が起こり得ることが示されている(例えば、DelloRusso et al,Proc Natl Acad Sci USA 99:12979−12984,2002を参照)。「増加した」または「増強された」量は、典型的には、「統計的に有意な」量であり、薬剤の非存在(アンチセンスオリゴマーなしまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートなし)または対照化合物によって産生される量の1.1、1.2、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50またはそれより大きな倍数(例えば、500、1000倍、それらの間の、かつ1を超える全ての整数および小数点、例えば、1.5、1.6、1.7、1.8などを含む)である増加を含み得る。
本明細書で使用される場合、「機能」および「機能性」などという用語は、生物学的、酵素的、または治療的機能を指す。
「機能性」ジストロフィンタンパク質とは概して、典型的には、DMDまたはBMDを有する特定の対象に存在するジストロフィンタンパク質の「改変」型または「欠損」型と比較して、そうでなければ筋ジストロフィーに特徴的である筋組織の進行性分解を低減するのに十分な生物学的活性を有するジストロフィンタンパク質を指す。ある特定の実施形態において、機能性ジストロフィンタンパク質は、当該技術分野の通常の技術に従って測定されるように、野生型ジストロフィンのin vitroまたはin vivoの生物学的活性の約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%(それらの間の全ての整数を含む)を有し得る。一例として、in vitroでの筋培養におけるジストロフィン関連活性は、筋管サイズ、筋原線維の組織化(または崩壊)、収縮活性、およびアセチルコリンアクセプターの自発的クラスター化に従って測定され得る(例えば、Brown et al.,Journal of Cell Science.112:209−216,1999を参照)。また、動物モデルは、疾患の病因を研究するための貴重なリソースであり、ジストロフィン関連活性を試験するための手段を提供する。DMD研究に最も広く使用されている動物モデルのうちの2つは、mdxマウスおよびゴールデンレトリバー筋ジストロフィー(GRMD)犬であり、両方ともジストロフィン陰性である(例えば、Collins & Morgan,Int J Exp Pathol 84:165−172,2003を参照)。これらおよび他の動物モデルが使用されて、様々なジストロフィンタンパク質の機能活性を測定することができる。本開示の特定のエクソンスキッピングアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの投与後に産生される形態などの、切断型ジストロフィンが含まれる。
「ミスマッチ」(複数可)という用語は、塩基対合ルールに従って標的プレmRNAにマッチしないオリゴマー核酸塩基配列中の1つ以上の核酸塩基(連続的であるか分離しているかにかかわらず)を指す。多くの場合、完全相補性が望ましいが、いくつかの実施形態は、標的プレmRNAに対して1つ以上、好ましくは6、5、4、3、2、または1つのミスマッチを含み得る。オリゴマー内の任意の位置における変動が含まれる。ある特定の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、内部の末端変動付近の核酸塩基配列の変動を含み、存在する場合、典型的には、5’および/または3’末端の約6、5、4、3、2、または1個のサブユニット以内にある。
「モルホリノ」、「モルホリノオリゴマー」、および「PMO」という用語は、以下の一般構造:
の、かつSummerton,J.,et al.,Antisense & Nucleic Acid Drug Development,7:187−195(1997)の図2に記載されるような、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーを指す。本明細書に記載されるモルホリノは、上記の一般構造の全ての立体異性体および互変異性体を含む。モルホリノオリゴマーの合成、構造、および結合特性は、米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、同第5,506,337号、同第8,076,476号、および同第8,299,206号に詳述されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態において、モルホリノは、オリゴマーの5’または3’末端で「テール」部分とコンジュゲートされて、その安定性および/または溶解性を高める。例示的なテールは、以下を含む。
上記の例示的なテール部分のうち、「TEG」または「EG3」は、以下のテール部分を指す。
上記の例示的なテール部分のうち、「GT」は、以下のテール部分を指す。
本明細書で使用される場合、「−G−R
6」(配列番号72)および「−G−R
6−Ac」(配列番号72)という用語は、互換的に使用され、本開示のアンチセンスオリゴマーにコンジュゲートされたペプチド部分を指す。様々な実施形態において、「G」は、アミド結合によって「R
6」(配列番号71)にコンジュゲートされたグリシン残基を表し、各「R」は、アミド結合によって一緒にコンジュゲートされたアルギニン残基を表し、これにより「R
6」は、アミド結合によって一緒にコンジュゲートされた6個のアルギニン残基(配列番号71)を意味する。アルギニン残基は、任意の立体配置を有することができ、例えば、アルギニン残基は、L−アルギニン残基、D−アルギニン残基、またはD−アルギニン残基とL−アルギニン残基の混合物であり得る。ある特定の実施形態において、「−G−R
6」(配列番号72)または「−G−R
6−Ac」(配列番号72)は、本開示のPMOアンチセンスオリゴマーの最も3’のモルホリノサブユニットのモルホリン環窒素にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、「−G−R
6」(配列番号72)または「−G−R
6−Ac」(配列番号72)は、本開示のアンチセンスオリゴマーの3’末端にコンジュゲートされ、以下の式を有する。
「核酸塩基」(Nu)、「塩基対合部分」、または「塩基」という用語は、天然に存在するまたは「天然」DNAまたはRNA(例えば、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、およびグアニン)で見られるプリンまたはピリミジン塩基、ならびにこれらの天然に存在するプリンおよびピリミジンの類似体を指すために互換的に使用される。これらの類似体は、結合親和性などの改善された特性をオリゴマーに与えることができる。例示的な類似体としては、ヒポキサンチン(イノシンの塩基構成成分)、2,6−ジアミノプリン、5−メチルシトシン、C5−プロピニル修飾ピリミジン、10−(9−(アミノエトキシ)フェノキサジニル)(G−クランプ)などが挙げられる。
塩基対合部分のさらなる例としては、ウラシル、チミン、アデニン、シトシン、グアニン、およびヒポキサンチン(イノシン)(アシル保護基によって保護されたそれらのそれぞれアミノ基を有する)、2−フルオロウラシル、2−フルオロシトシン、5−ブロモウラシル、5−ヨードウラシル、2,6−ジアミノプリン、アザシトシン、シュードイソシトシンおよびシュードウラシルなどのピリミジン類似体、ならびに8−置換プリン、キサンチン、またはヒポキサンチン(後者の2つは自然分解生成物である)などの他の修飾核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。Chiu and Rana, RNA,2003,9,1034−1048;Limbach et al.Nucleic Acids Research,1994,22,2183−2196、およびRevankar and Rao,Comprehensive Natural Products Chemistry,vol.7,313に開示される修飾核酸塩基もまた企図され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
塩基対合部分のさらなる例としては、1つ以上のベンゼン環が付加された拡大サイズの核酸塩基が挙げられるが、これらに限定されない。Glen Researchカタログ(www.glenresearch.com)、Krueger AT et al.,Acc.Chem.Res.,2007,40,141−150、Kool,ET,Acc.Chem.Res.,2002,35,936−943、Benner S.A.,et al.,Nat.Rev.Genet.,2005,6,553−543、Romesberg,F.E.,et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2003,7,723−733、およびHirao,I.,Curr.Opin.Chem.Biol.,2006,10,622−627(それらの内容は参照により本明細書に組み込まれる)に記載される核酸塩基置き換えは、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートにおいて有用であると考えられる。拡大サイズの核酸塩基の例としては、以下に示されるもの、ならびにその互変異性体が挙げられる。
本明細書で使用される場合、「非経口投与」および「非経口的に投与される」という語句は、通常は注射による、腸内および局所投与以外の投与様式を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、嚢下、くも膜下、脊髄内、および胸骨内の注射および注入を含むが、これらに限定されない。
本明細書で使用される場合、構造式内で使用される一組の括弧は、括弧間の構造特徴が繰り返されることを示す。いくつかの実施形態において、使用される括弧は、「[」および「]」であり得、ある特定の実施形態において、繰り返す構造特徴を示すために使用される括弧は、「(」および「)」であり得る。いくつかの実施形態において、括弧間の構造特徴の繰り返し反復数は、括弧の外側に示される数、例えば、2、3、4、5、6、7などである。様々な実施形態において、括弧間の構造特徴の繰り返し反復数は、「Z」などの括弧の外側に示される変数によって示される。
本明細書で使用される場合、構造式内のキラル炭素またはリン原子に
描かれた直鎖結合または曲がりくねった(squiggly)結合は、キラル炭素またはリンの立体化学が未定義であり、キラル中心の全ての形態を含むことが意図されていることを示す。そのような図の例が以下に示される。
「薬学的に許容される」という語句は、物質または組成物が、製剤を含む他の成分ならびに/または治療される対象と化学的および/もしくは毒性学的に適合性がなければならないことを意味する。
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という語句は、非毒性、不活性固体、半固体もしくは液体充填剤、希釈剤、封入材料、または任意のタイプの製剤補助剤を意味する。薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、製剤者の判断に従って、糖類、例えば、ラクトース、グルコース、スクロース;デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えば、カカオバターおよび坐剤ワックス;油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油;グリコール、例えば、プロピレングリコール;エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;発熱性物質除去蒸留水;等張生理食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;リン酸緩衝液;非毒性適合性滑沢剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム;着色剤;離型剤;コーティング剤;甘味剤;香味剤;芳香剤;防腐剤;および酸化防止剤がある。
ジストロフィン合成または産生に関する「回復」という用語は、概して、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療後の筋ジストロフィー患者における、切断型ジストロフィンを含むジストロフィンタンパク質の産生を指す。いくつかの実施形態において、治療は、患者における新規のジストロフィン産生の1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または100%(それらの間の全ての整数を含む)の増加をもたらす。いくつかの実施形態において、治療は、対象においてジストロフィン陽性線維の数を正常の少なくとも約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約95%〜100%に増加させる。他の実施形態において、治療は、対象においてジストロフィン陽性線維の数を正常の約20%〜約60%または約30%〜約50%に増加させる。治療後の患者のジストロフィン陽性線維の割合は、既知の技術を使用して筋生検によって決定され得る。例えば、筋生検は、患者の上腕二頭筋などの好適な筋肉から採取され得る。
陽性ジストロフィン線維の割合の分析は、治療前および/もしくは治療後、または治療過程全体を通した時点において実施され得る。いくつかの実施形態において、治療後生検は、治療前生検と対側の筋肉から採取される。治療前および治療後のジストロフィン発現分析は、好適なジストロフィンアッセイを使用して実施され得る。いくつかの実施形態において、免疫組織化学的検出は、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体などのジストロフィンのマーカーである抗体を使用して、筋生検からの組織切片上で実施される。例えば、ジストロフィンの高感度マーカーであるMANDYS106抗体が使用され得る。任意の好適な二次抗体が使用されてもよい。
いくつかの実施形態において、ジストロフィン陽性線維の割合は、陽性線維の数をカウントした総線維数で割ることによって計算される。正常な筋肉試料は、100%ジストロフィン陽性の線維を有する。したがって、ジストロフィン陽性線維の割合は、正常の割合として表され得る。治療前の筋肉ならびに復帰突然変異線維におけるジストロフィンの微量レベルの存在を制御するために、治療後の筋肉におけるジストロフィン陽性線維をカウントする際に、患者からの治療前の筋肉切片を使用してベースラインが設定され得る。これは、その患者の治療後の筋肉切片におけるジストロフィン陽性線維をカウントするための閾値として使用され得る。他の実施形態において、抗体で染色された組織切片は、Bioquant画像分析ソフトウェア(Bioquant Image Analysis
Corporation,Nashville,TN)を使用したジストロフィン定量にも使用され得る。ジストロフィン蛍光シグナルの総強度は、正常の割合として報告され得る。また、モノクローナルまたはポリクローナル抗ジストロフィン抗体を用いたウェスタンブロット分析を使用して、ジストロフィン陽性線維の割合を決定することができる。例えば、Leica Biosystemsからの抗ジストロフィン抗体NCL−Dys1が使用され得る。また、ジストロフィン陽性線維の割合は、サルコグリカン複合体(β,γ)および/または神経NOSの構成成分の発現を決定することによっても分析され得る。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、治療なしで予想されるDMD患者における進行性呼吸筋機能障害および/または不全を遅らせるか、または低減する。いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、治療なしで予想される換気補助の必要性を低減または排除し得る。いくつかの実施形態において、疾患の経過を追跡するための呼吸機能の測定、ならびに可能性のある治療介入の評価には、最大吸気圧(MIP)、最大呼気圧(MEP)、および努力肺活量(FVC)が含まれる。MIPおよびMEPは、吸入および呼気中に人が発生させることができる圧力レベルをそれぞれ測定し、呼吸筋力の感度尺度である。MIPは、横隔膜の筋力低下の尺度である。
いくつかの実施形態において、MIPおよびFVCを含む他の肺機能検査における変化の前に、MEPは低下し得る。ある特定の実施形態において、MEPは、呼吸機能障害の早期指標であり得る。ある特定の実施形態において、FVCは、最大吸気後の強制呼気中に排出される空気の総体積を測定するために使用され得る。DMD患者では、FVCは、10代前半まで身体的成長と同時に増加する。しかしながら、成長が病気の進行によって遅くなるまたは不良になり、筋力低下が進行すると、肺活量は下降期に入り、10〜12歳の後、年間約8〜8.5パーセントの平均速度で低下する。ある特定の実施形態において、予測MIPパーセント(MIPは体重で調整)、予測MEPパーセント(MEPは年齢で調整)、および予測FVCパーセント(FVCは年齢および身長で調整)は、支持的分析である。
本明細書で使用される場合、「対象」および「患者」という用語は、DMDもしくはBMD、またはこれらの状態に関連する症状のいずれか(例えば、筋線維の消失)を有する、またはそのリスクがある対象(または患者)など、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートで治療され得る症状を示す、または症状を示すリスクがある任意の動物を含む。好適な対象(または患者)には、実験動物(マウス、ラット、ウサギ、またはモルモットなど)、家畜、および家庭用動物またはペット(ネコまたはイヌなど)が含まれる。非ヒト霊長類、および好ましくはヒト患者(または対象)が含まれる。また、エクソン51スキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有する対象(または患者)において、ジストロフィンを産生する方法も含まれる。
本明細書で使用される場合、「全身投与」、「全身に投与される」、「末梢投与」、および「末梢に投与される」という語句は、化合物、薬物、または他の物質の中枢神経系への直接以外の投与を意味し、これによりそれが患者の系に入り、したがって代謝および他の類似のプロセス、例えば、皮下投与の対象となる。
「標的化配列」という語句は、標的プレmRNA中のヌクレオチドの配列に相補的であるオリゴマーの核酸塩基の配列を指す。本開示のいくつかにおいて、標的プレmRNAにおけるヌクレオチドの配列は、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位である。
本開示のいくつかにおいて、標的プレmRNAにおけるヌクレオチドの配列は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位である。
対象(例えば、ヒトなどの哺乳動物)または細胞の「治療」は、対象または細胞の自然経過を変化させる試みにおいて使用される任意のタイプの介入である。治療は、限定するものではないが、オリゴマーまたはその医薬組成物の投与を含み、予防的に、または病理学的事象の開始もしくは病原体との接触の後のいずれかに実施され得る。治療は、ジストロフィンタンパク質に関連した疾患または状態の症状または病理に対する任意の望ましい効果を含み、例えば、治療される疾患または状態の1つ以上の測定可能なマーカーの最小限の変化または改善を含み得る。また、治療される疾患または状態の進行速度を低下させ、その疾患または状態の発症を遅延させる、またはその発症の重症度を低減することを対象とし得る「予防的」治療も含まれる。「治療」または「予防」は、必ずしも疾患もしくは状態またはその随伴症状の完全な根絶、治癒、または予防を示すものではない。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、治療なしで予想され得る、新規のジストロフィン産生を増加させ、疾患進行を遅延させ、歩行能力の喪失を遅らせるかもしくは低減し、筋肉の炎症を低減し、筋肉損傷を低減し、筋機能を改善し、肺機能の喪失を低減し、かつ/または筋肉再生を増強する。いくつかの実施形態において、治療は、疾患進行を維持するか、遅延させるか、または遅らせる。いくつかの実施形態において、治療は、歩行を維持するか、または歩行能力の喪失を低減する。いくつかの実施形態において、治療は、肺機能を維持するか、または肺機能の喪失を低減する。いくつかの実施形態において、治療は、例えば、6分間歩行試験(6MWT)によって測定されるように、患者の安定した歩行距離を維持するか、または増加させる。いくつかの実施形態において、治療は、10メートルを歩行/走行する時間(すなわち、10メートル歩行/走行試験)を維持するか、または減少させる。いくつかの実施形態において、治療は、仰臥位から立ち上がるまでの時間(すなわち、起立時間試験)を維持するか、または低減する。いくつかの実施形態において、治療は、4つの標準階段を上る時間(4階段上昇試験)を維持するか、または低減する。いくつかの実施形態において、治療は、例えば、MRI(例えば、脚筋のMRI)によって測定されるように、患者における筋肉の炎症を維持するか、または低減する。いくつかの実施形態において、MRIは、T2および/または脂肪画分を測定して、筋変性を確認する。MRIは、炎症、浮腫、筋肉損傷、および脂肪浸潤によって引き起こされる筋肉の構造および組成の変化を確認することができる。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた治療は、新規のジストロフィン産生を増加させ、治療なしで予測される歩行能力の喪失を遅らせるか、または低減する。例えば、治療は、対象における歩行能力(例えば、歩行の安定化)を安定化するか、維持するか、改善するか、または増加させ得る。いくつかの実施形態において、治療は、例えば、McDonaldら(Muscle Nerve,2010;42:966−74(参照により本明細書に組み込まれる))によって記載される6分間歩行試験(6MWT)によって測定されるように、患者の安定した歩行距離を維持するか、または増加させる。6分間歩行距離(6MWD)の変化は、絶対値、変化率、または%予測値の変化として表され得る。いくつかの実施形態において、治療は、健康な同等者と比較して、対象における20%の不足から6MWTで安定した歩行距離を維持または改善する。健康な同等者の典型的なパフォーマンスと比較した6MWTにおけるDMD患者のパフォーマンスは、%予測値を計算することによって決定され得る。例えば、%予測された6MWDは、男性について以下の方程式を使用して計算され得る:196.72+(39.81×年齢)−(1.36×年齢2)+(132.28×身長(メートル))。女性の場合、%予測された6MWDは、以下の方程式を使用して計算され得る:188.61+(51.50×年齢)−(1.86×年齢2)+(86.10×身長(メートル))(Henricson et al.PLoS Curr.,2012,version 2(参照により本明細書に組み込まれる))。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーを用いた治療は、患者における安定した歩行距離を、ベースラインから3、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、または50メートル超まで増加させる(それらの間の全ての整数を含む)。
DMD患者の筋機能の喪失は、正常な小児の成長および発達の背景に対して起こり得る。実際に、DMDを有する小児は、進行性筋肉障害にもかかわらず、約1年の間に6MWT中の歩行距離の増加を示し得る。いくつかの実施形態において、DMD患者からの6MWDは、定型発達の対照対象、ならびに年齢および性別が一致した対象からの既存の標準データと比較される。いくつかの実施形態において、正常な成長および発達は、標準データにフィッティングされた年齢および身長に基づく方程式を使用して説明され得る。そのような方程式を使用して、DMD患者において6MWDをパーセント予測(%予測)値に変換することができる。ある特定の実施形態において、%予測6MWDデータの分析は、正常な成長および発達を説明する方法を表し、若年齢(例えば、7歳以下)における機能の増加が、DMD患者における能力の改善ではなく安定を表すことを示し得る(Henricson et al.PLoS Curr.,2012,version 2(参照により本明細書に組み込まれる))。
異なるアンチセンス分子を区別するために、アンチセンス分子の命名法システムが提案および公開された(Mann et al.,(2002)J Gen Med 4,644−654を参照)。この命名法は、以下に示されるように、全てが同じ標的領域に向けられたいくつかのわずかに異なるアンチセンス分子を試験するときに特に重要であった:
H#A/D(x:y)
最初の文字は、種を示す(例えば、H:ヒト、M:マウス、C:イヌ)。「#」は、標的ジストロフィンエクソン番号を示す。「A/D」は、それぞれエクソンの始点および終点におけるアクセプターまたはドナースプライス部位を示す。(x y)は、アニーリング座標を表し、「−」または「+」は、それぞれイントロンまたはエクソン配列を示す。例えば、A(−6+18)は、標的エクソンの前にあるイントロンの最後の6塩基、および標的エクソンの最初の18塩基を示す。最も近いスプライス部位がアクセプターになるため、これらの座標の前に「A」が付く。ドナースプライス部位におけるアニーリング座標の記載は、D(+2−18)であり得、最後の2エクソン塩基および最初の18イントロン塩基が、アンチセンス分子のアニーリング部位に対応する。エクソンアニーリング座標全体は、A(+65+85)、つまり、そのエクソンの始点から65番目と85番目との間のヌクレオチドの間の部位によって表される。
II.アンチセンスオリゴマー
A.エクソン53スキッピングを誘導するように設計されたアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート
ある特定の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ジストロフィン遺伝子のエクソン53標的領域に相補的であり、エクソン53のスキッピングを誘導する。特に、本開示は、アニーリング部位として指定されるジストロフィンプレmRNAのエクソン53標的領域に相補的なアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに関する。いくつかの実施形態では、アニーリング部位は、本明細書に記載されるものである。
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ジストロフィンプレmRNAを標的とし、エクソン53のスキッピングを誘導するため、成熟したスプライシングされたmRNA転写物から除外またはスキップされる。エクソン53をスキッピングすることによって、破壊されたリーディングフレームは、インフレーム変異に修復される。DMDは様々な遺伝的サブタイプからなるが、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン53をスキッピングするように特別に設計された。エクソン53のスキッピングに適しているDMD変異は、DMD患者のサブグループ(8%)を含む。
エクソン53のスキッピングを誘導するアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの核酸塩基配列は、ジストロフィンプレmRNAのエクソン53内の特定の標的配列に相補的であるように設計されている。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのアンチセンスオリゴマーは、PMOであり、PMOの各モルホリノ環は、例えば、DNA(アデニン、シトシン、グアニン、およびチミン)中に見られる核酸塩基を含む核酸塩基に連結される。
B.オリゴマー化学物質の特徴
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、様々なアンチセンスオリゴマー化学物質を用いることができる。オリゴマー化学物質の例としては、モルホリノオリゴマー、ホスホロチオエート修飾オリゴマー、2’−O−メチル修飾オリゴマー、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、ホスホロチオエートオリゴマー、2’−O−MOE修飾オリゴマー、2’−フルオロ修飾オリゴマー、2’−O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)、トリシクロ−DNA、トリシクロ−DNAホスホロチオエートサブユニット、2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]修飾オリゴマー(上記のいずれかの組み合わせを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。ホスホロチオエートおよび2’−O−Me修飾化学物質を組み合わせて、2’−O−Me−ホスホロチオエート骨格を生成することができる。例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれるPCT公開第WO/2013/112053号および同第WO/2009/008725号を参照されたい。本開示のオリゴマー化学物質の例示的な実施形態が以下にさらに記載される。
1.ペプチド核酸(PNA)
ペプチド核酸(PNA)は、骨格がデオキシリボース骨格と構造的に同形であり、ピリミジンまたはプリン塩基が結合するN−(2−アミノエチル)グリシン単位からなる、DNAの類似体である。天然ピリミジンおよびプリン塩基を含有するPNAは、ワトソン−クリック塩基対合ルールに従い相補的なオリゴマーにハイブリダイズし、塩基対認識の点でDNAを模倣する(Egholm,Buchardt et al.1993)。PNAの骨格は、ホスホジエステル結合ではなくペプチド結合によって形成され、アンチセンス用途(以下の構造を参照)によく適したものになる。骨格は非荷電性であり、通常を超える熱安定性を示すPNA/DNAまたはPNA/RNA二本鎖をもたらす。PNAは、ヌクレアーゼ
やプロテアーゼによって認識されない。PNAの非限定的な例が以下に示される。
自然構造に対する根本的構造変化にもかかわらず、PNAは、DNAまたはRNAへのヘリックス形態での配列特異的結合能力が可能である。PNAの特徴には、相補的なDNAまたはRNAに対する高い結合親和性、単一塩基ミスマッチによって引き起こされる不安定化作用、ヌクレアーゼおよびプロテアーゼに対する耐性、塩濃度に依存しないDNAまたはRNAとのハイブリダイゼーション、およびホモプリンDNAとの三重鎖形成が含まれる。PANAGENE(商標)は、その独自のBts PNAモノマー(Bts;ベンゾチアゾール−2−スルホニル基)および独自のオリゴマー化プロセスを開発してきた。Bts PNAモノマーを使用したPNAオリゴマー化は、脱保護、カップリング、およびキャッピングの反復サイクルから構成される。PNAは、当該技術分野において既知の任意の技術を使用して合成的に産生され得る。例えば、米国特許第6,969,766号、同第7,211,668号、同第7,022,851号、同第7,125,994号、同第7,145,006号、および同第7,179,896号を参照されたい。また、PNAの調製について、米国特許第5,539,082号、同第5,714,331号、および同第5,719,262も参照されたい。PNA化合物のさらなる教示は、Nielsen et al.,Science,254:1497−1500,1991で見ることができる。上記の各々は、その全体が参照により組み込まれる。
2.ロックド核酸(LNA)
アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、「ロックド核酸」サブユニット(LNA)を含有してもよい。「LNA」は、架橋核酸(BNA)と呼ばれる修飾のクラスのメンバーである。BNAは、リボース環の立体構造をC30−エンド(ノーザン)糖パッカーにロックする共有結合を特徴とする。LNAの場合、架橋は、2’−O位置と4’−C位置との間のメチレンから構成される。LNAは、骨格の事前組織化および塩基スタッキングを増強して、ハイブリダイゼーションおよび熱安定性を高める。
LNAの構造は、例えば、Wengel,et al.,Chemical Communications(1998)455、Koshkin et al.,Tetrahedron(1998)54:3607、Jesper Wengel,Accounts of Chem.Research(1999)32:301、Obika,et al.,Tetrahedron Letters(1997)38:8735、Obika,et al.,Tetrahedron Letters(1998)39:5401、およびObika,et al.,Bioorganic Medicinal Chemistry(2008)16:9230で見ることができ、それらは、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。LNAの非限定的な例が以下に示される。
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のLNAを組み込み得る。場合によっては、アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、LNAから完全に構成されてもよい。個々のLNAヌクレオシドサブユニットの合成およびそれらのオリゴマーへの組み込みのための方法は、例えば、米国特許第7,572,582号、同第7,569,575号、同第7,084,125号、同第7,060,809号、同第7,053,207号、同第7,034,133号、同第6,794,499号、および同第6,670,461号に記載され、それらの各々は、参照によりその全体が組み込まれる。典型的なサブユニット間リンカーとしては、ホスホジエステル部分およびホスホロチオエート部分が挙げられる。あるいは、非リン含有リンカーが用いられてもよい。さらなる実施形態は、LNA含有アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含み、各LNAサブユニットは、DNAサブユニットによって分離される。ある特定のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、交互のLNAおよびDNAサブユニットから構成され、サブユニット間リンカーは、ホスホロチオエートである。
2’O,4’C−エチレン架橋核酸(ENA)は、BNAのクラスの別のメンバーである。非限定的な例が以下に示される。
ENAオリゴマーおよびその調製は、Obika et al.,Tetrahedron Lett(1997)38(50):8735に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のENAサブユニットを組み込み得る。
3.アンロックド核酸(UNA)
アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、「アンロックド核酸」(UNA)サブユニットを含有してもよい。UNAおよびUNAオリゴマーは、サブユニットのC2’−C3’結合が切断されたRNAの類似体である。LNAは、(DNAおよびRNAに対して)立体構造的に制限されるが、UNAは非常に柔軟である。UNAは、例えば、WO2016/070166に開示されている。UNAの非限定的な例が以下に示される。
典型的なサブユニット間リンカーとしては、ホスホジエステル部分およびホスホロチオエート部分が挙げられる。あるいは、非リン含有リンカーが用いられてもよい。
4.ホスホロチオエート
「ホスホロチオエート」(またはS−オリゴ)は、正常なDNAのバリアントであり、非架橋酸素のうちの1つが硫黄によって置き換えられる。ホスホロチオエートの非限定的な例が以下に示される。
ヌクレオチド間結合の硫化は、5’から3’および3’から5’のDNA POL1エキソヌクレアーゼ、ヌクレアーゼS1およびP1、RNase、血清ヌクレアーゼ、ならびにヘビ毒ホスホジエステラーゼを含む、エンドおよびエキソヌクレアーゼの作用を低減する。ホスホロチオエートは、ホスホン酸水素に対する二硫化炭素中の元素硫黄の溶液の作用、または亜リン酸トリエステルをテトラエチルチウラムジスルフィド(TETD)もしくは3H−1,2−ベンソジチオール−3−オン1,1−ジオキシド(BDTD)のいずれかで硫化する方法、の2つの主要な経路によって作製される(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、J.Org.Chem.55,4693−4699,1990を参照)。後者の方法は、ほとんどの有機溶媒中の元素硫黄の不溶性、および二硫化炭素の毒性の問題を回避する。TETDおよびBDTD法はまた、より高い純度のホスホロチオエートをもたらす。
5.トリシクロ−DNAおよびトリシクロ−ホスホロチオエートサブユニット
トリシクロ−DNA(tc−DNA)は、骨格の立体構造的柔軟性を制限し、ねじれ角γの骨格形状を最適化するために、各ヌクレオチドがシクロプロパン環の導入によって修飾される、拘束されたDNA類似体のクラスである。ホモ塩基アデニンおよびチミン含有tc−DNAは、相補的RNAと非常に安定したA−T塩基対を形成する。トリシクロDNAおよびその合成は、国際特許出願公開第WO2010/115993号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のトリシクロ−DNAサブユニットを組み込み得る。場合によっては、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、トリシクロ−DNAサブユニットから完全に構成されてもよい。
トリシクロ−ホスホロチオエートサブユニットは、ホスホロチオエートサブユニット間リンケージを有するトリシクロ−DNAサブユニットである。トリシクロ−ホスホロチオエートサブユニットおよびその合成は、国際特許出願公開第WO2013/053928号に記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のトリシクロ−DNAサブユニットを組み込み得る。場合によっては、アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、トリシクロ−DNAサブユニットから完全に構成されてもよい。トリシクロ−DNA/トリシクロ−ホスホチオエートの非限定的な例が以下に示される。
6.2’−O−メチル、2’−O−MOE、および2’−Fオリゴマー
「2’−O−Meオリゴマー」分子は、リボース分子の2’−OH残基にメチル基を有する。2’−O−Me−RNAは、DNAと同じ(または類似の)挙動を示すが、ヌクレアーゼ分解から保護される。2’−O−Me−RNAはまた、さらなる安定化のためにホスホロチオエートオリゴマー(PTO)と組み合わされ得る。2’O−Meオリゴマー(ホスホジエステルまたはホスホチオエート)は、当該技術分野の常用技術に従って合成され得る(例えば、参照により全体が本明細書に組み込まれる、Yoo et al.,Nucleic Acids Res.32:2008−16,2004を参照)。2’O−Meオリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
2’−O−メトキシエチルオリゴマー(2’−O MOE)は、リボース分子の2’−OH残基にメトキシエチル基を有し、Martin et al.,Helv.Chim.Acta,78,486−504,1995で考察され、それは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。.2’O MOEサブユニットの非限定的な例が以下に示される。
2’−フルオロ(2’−F)オリゴマーは、2’OHの代わりに2’位に蛍光ラジカルを有する。2’−Fオリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
2’−フルオロオリゴマーは、WO2004/043977にさらに記載されており、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
2’−O−メチル、2’−O−MOE、および2’−Fオリゴマーはまた、以下に図示されるように、1つ以上のホスホロチオエート(PS)リンケージを含んでもよい。
さらに、2’−O−メチル、2’−O−MOE、および2’−Fオリゴマーは、例えば、以下に示される2’−O−メチルPSオリゴマードリサペルセンのように、オリゴマー全体にわたってPSサブユニット間リンケージを含んでもよい。
あるいは、2’−O−メチル、2’−O−MOE、および/または2’−Fオリゴマーは、以下に図示されるように、オリゴマーの末端にPSリンケージを含んでもよい。
式中、
Rは、CH
2CH
2OCH
3(メトキシエチルまたはMOE)であり、
x、y、およびzは、それぞれ指定された5’−ウィング、中央ギャップ、および3’−ウィングの各領域内に含有されるヌクレオチドの数を表す。
本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上の2’O−メチル、2’O−MOE、および2’−Fサブユニットを組み込み得、本明細書に記載されるサブユニット間リンケージのいずれかを利用し得る。場合によっては、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、2’−O−メチル、2’−O−MOE、または2’−Fサブユニットから完全に構成され得る。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの一実施形態は、2’−O−メチルサブユニットから完全になる。
7.2’−O−[2−(N−メチルカルバモイル)エチル]オリゴマー(MCE)
MCEは、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートで有用な2’O修飾リボヌクレオシドの別の例である。ここで、2’OHは、ヌクレアーゼ抵抗性を高めるために2−(N−メチルカルバモイル)エチル部分へと誘導体化される。MCEオリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
MCEおよびその合成は、Yamada et al.,J.Org.Chem.(2011)76(9):3042−53で考察され、これは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上のMCEサブユニットを組み込み得る。
8.立体特異的オリゴマー
立体特異的オリゴマーは、各リン含有リンケージの立体化学が、実質的に立体的に純粋なオリゴマーが産生されるような合成方法によって固定されるものである。立体特異的オリゴマーの非限定的な例が以下に示される。
上記の例では、オリゴマーの各リンは、同一の立体配置を有する。さらなる例には、上記のオリゴマーが含まれる。例えば、LNA、ENA、トリシクロ−DNA、MCE、2’−O−メチル、2’−O−MOE、2’−F、およびモルホリノ系オリゴマーは、立体特異的リン含有ヌクレオシド間リンケージ、例えば、ホスホロチオエート、ホスホジエステル、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、または他のリン含有ヌクレオシド間リンケージを用いて調製され得る。そのようなオリゴマーの調製で使用するための立体特異的オリゴマー、調製方法、キラル制御合成、キラル設計、およびキラル補助剤は、例えば、WO2017192664、WO2017192679、WO2017062862、WO2017015575、WO2017015555、WO2015107425、WO2015108048、WO2015108046、WO2015108047、WO2012039448、WO2010064146、WO2011034072、WO2014010250、WO2014012081、WO20130127858、およびWO2011005761に詳述されており、その各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
立体特異的オリゴマーは、RPまたはSP配置においてリン含有ヌクレオシド間リンケージを有し得る。リンケージの立体配置が制御されるキラルリン含有リンケージは、「立体純粋」と称され、リンケージの立体配置が制御されないキラルリン含有リンケージは、「立体不規則的」と称される。ある特定の実施形態において、本開示のオリゴマーは、複数の立体純粋および立体不規則的リンケージを含み、これにより得られるオリゴマーは、オリゴマーの予め指定された位置に立体純粋サブユニットを有する。立体純粋サブユニットの位置の例は、国際特許出願公開第WO2017/062862A2号において図7Aおよび図7Bに提供されている。一実施形態において、オリゴマー中の全てのキラルリン含有リンケージは、立体不規則的である。一実施形態において、オリゴマー中の全てのキラルリン含有リンケージは、立体純粋である。
n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のキラルリン含有リンケージのn個全ては、立体不規則的である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のキラルリン含有リンケージのn個全ては、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも10%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも20%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも30%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも40%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも50%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも60%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも70%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも80%(最も近い整数に)は、立体純粋である。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマー中のn個のリン含有リンケージのうちの少なくとも90%(最も近い整数に)は、立体純粋である。
n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも2つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも3つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも4つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも5つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも6つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも7つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも8つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも9つの連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも10個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも11個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも12個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも13個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも14個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも15個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも16個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも17個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも18個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも19個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。n個(nは1以上の整数である)のキラルリン含有リンケージを有するオリゴマーの一実施形態において、オリゴマーは、同じ立体配向(すなわち、SPまたはRPのいずれか)の少なくとも20個の連続的な立体純粋リン含有リンケージを含有する。
9.モルホリノオリゴマー
本開示の例示的な実施形態は、以下の一般構造:
の、かつSummerton,J.,et al.,Antisense & Nucleic Acid Drug Development,7:187−195(1997)の図2に記載されるような、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマーに関する。本明細書に記載されるモルホリノは、上記の一般構造の全ての立体異性体および互変異性体を含むことが意図されている。モルホリノオリゴマーの合成、構造、および結合特性は、米国特許第5,698,685号、同第5,217,866号、同第5,142,047号、同第5,034,506号、同第5,166,315号、同第5,521,063号、同第5,506,337号、同第8,076,476号、および同第8,299,206号に詳述されており、これらは全て参照により本明細書に組み込まれる。
ある特定の実施形態において、モルホリノは、オリゴマーの5’または3’末端で「テール」部分とコンジュゲートされて、その安定性および/または溶解性を高める。例示的なテールは、以下を含む。
様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(I)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
各Nuが、一緒になって標的化配列を形成する核酸塩基であり、
Tが、
から選択される部分であり、
R
1が、C
1〜C
6アルキルであり、
Zが、16〜23の整数であり、
標的化配列は、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+36+56)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが20であるH53A(+48+69)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、Zが21であるH53A(+47+69)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
様々な実施形態において、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが19であるH53A(+36+56)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜23の整数である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Xが、チミン(T)またはウラシル(U)である。
いくつかの実施形態において、各Xは独立して、Tである。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
様々な実施形態において、R1は、CF3、CCl3、CFCl2、CF2Cl、エチル、CH2CF3、CF2CF3、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、または2,3−ジメチルブチルである。
いくつかの実施形態において、式(I)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、そのHCl(塩酸)塩である。ある特定の実施形態において、HCl塩は、.6HCl塩である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
例えば式(I)のいくつかの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(II)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Zが、16〜23の整数であり、
各Nuが、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である標的化配列を一緒になって形成する核酸塩基である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+36+56)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが20であるH53A(+48+69)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、Zが21であるH53A(+47+69)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
様々な実施形態において、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが19であるH53A(+36+56)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜23の整数である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Xは
である。ある特定の実施形態において、各Xは独立して、
である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Tは
である。
いくつかの実施形態において、式(II)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、そのHCl(塩酸)塩である。ある特定の実施形態において、HCl塩は、.6HCl塩である。
例えば式(II)のいくつかの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(III)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Zが、16〜23の整数であり、
各Nuが、H53A(+45+62)、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+36+56)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+48+69)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、H53A(+47+69)、およびH53A(+32+56)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である標的化配列を一緒になって形成する核酸塩基である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+36+56)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが20であるH53A(+48+69)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、Zが21であるH53A(+47+69)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数であり、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
様々な実施形態において、ジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位は、Zが16であるH53A(+45+62)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが19であるH53A(+36+56)、およびZが23であるH53A(+32+56)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜23の整数である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Xは
である。ある特定の実施形態において、各Xは独立して、
である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Tは
である。
例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢a.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢b.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢c.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢d.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢e.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢f.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢g.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢h.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢i.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢j.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢k.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢l.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢m.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢n.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢o.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢p.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢q.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢r.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢s.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢t.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢u.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢v.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢w.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢x.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢y.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢z.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢aa.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢bb.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢cc.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢dd.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ee.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ff.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢gg.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢hh.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ii.である。
様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーは、式(IV)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
各Nuが、一緒になって標的化配列を形成する核酸塩基であり、
Tが、
から選択される部分であり、
R
1が、C
1〜C
6アルキルであり、
R
2が、Hまたはアセチルから選択され、
標的化配列は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、標的化配列は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。
様々な実施形態において、R1は、CF3、CCl3、CFCl2、CF2Cl、エチル、CH2CF3、CF2CF3、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペンチル、2,2−ジメチルブチル、または2,3−ジメチルブチルである。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Xは、チミン(T)またはウラシル(U)である
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
例えば式(IV)のいくつかの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーは、式(V)に従うか、
またはその薬学的に許容される塩であり、式中、
Rが、Hまたはアセチルから選択され、
各Nuが、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+32+51)、H53A(+37+56)、H53A(+38+57)、H53A(+40+59)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択されるジストロフィンプレmRNA中のエクソン53アニーリング部位に相補的である標的化配列を一緒になって形成する核酸塩基である。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+32+51)、Zが18であるH53A(+37+56)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+40+59)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、H53A(+23+42)、H53A(+26+45)、H53A(+29+48)、H53A(+38+57)、H53A(+41+60)、H53A(+44+63)、H53A(+47+66)、H53A(+23+43)、H53A(+26+46)、H53A(+29+49)、H53A(+32+52)、H53A(+38+58)、H53A(+41+61)、H53A(+44+64)、H53A(+46+66)、H53A(+23+44)、H53A(+29+50)、H53A(+38+59)、H53A(+41+62)、H53A(+44+65)、H53A(+31+53)、H53A(+32+54)、H53A(+36+58)、H53A(+39+61)、H53A(+40+62)、H53A(+45+67)、H53A(+46+68)、およびH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、アニーリング部位は、Zが18であるH53A(+23+42)、Zが18であるH53A(+26+45)、Zが18であるH53A(+29+48)、Zが18であるH53A(+38+57)、Zが18であるH53A(+41+60)、Zが18であるH53A(+44+63)、Zが18であるH53A(+47+66)、Zが19であるH53A(+23+43)、Zが19であるH53A(+26+46)、Zが19であるH53A(+29+49)、Zが19であるH53A(+32+52)、Zが19であるH53A(+38+58)、Zが19であるH53A(+41+61)、Zが19であるH53A(+44+64)、Zが19であるH53A(+46+66)、Zが20であるH53A(+23+44)、Zが20であるH53A(+29+50)、Zが20であるH53A(+38+59)、Zが20であるH53A(+41+62)、Zが20であるH53A(+44+65)、Zが21であるH53A(+31+53)、Zが21であるH53A(+32+54)、Zが21であるH53A(+36+58)、Zが21であるH53A(+39+61)、Zが21であるH53A(+40+62)、Zが21であるH53A(+45+67)、Zが21であるH53A(+46+68)、およびZが21であるH53A(+47+69)からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、Zは、16〜21の整数である。いくつかの実施形態において、Zは、18〜21の整数である。
いくつかの実施形態において、各Nuは独立して、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から選択される。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Xは
である。ある特定の実施形態において、各Xは独立して、
である。
様々な実施形態において、標的化配列および対応するZは、以下から選択される。
ここで、Aは
であり、Cは
であり、Gは
であり、Tは
である。
例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢a.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢b.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢c.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢d.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢e.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢f.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢g.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢h.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢i.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢j.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢k.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢l.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢m.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢n.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢o.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢p.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢q.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢r.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢s.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢t.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢u.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢v.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢w.である。例えば式(I)、式(II)、および式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢x.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢y.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢z.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢aa.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢bb.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢cc.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢dd.である。例えば式(IV)および式(V)のアンチセンスオリゴマーの実施形態を含む、いくつかの実施形態において、標的化配列およびZは、上記の表からの選択肢ee.である。
10.核酸塩基修飾および置換
ある特定の実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、RNA核酸塩基およびDNA核酸塩基(多くの場合、当該技術分野では単に「塩基」と称される)から構成される。RNA塩基は、アデニン(A)、ウラシル(U)、シトシン(C)、およびグアニン(G)として一般的に既知である。DNA塩基は、アデニン(A)、チミン(T)、シトシン(C)、およびグアニン(G)として一般的に既知である。様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)、アデニン(A)、5−メチルシトシン(5mC)、ウラシル(U)、およびヒポキサンチン(I)から構成される。
ある特定の実施形態において、オリゴマー中の1つ以上のRNA塩基またはDNA塩基は、RNA塩基またはDNA塩基以外の塩基で修飾または置換されてもよい。修飾または置換塩基を含有するオリゴマーは、核酸中で最も一般的に見られる1つ以上のプリンまたはピリミジン塩基がそれほど一般的ではない、または非天然の塩基で置換されたオリゴマーを含む。
プリン塩基は、以下の一般式によって記載されるように、イミダゾール環に
縮合したピリミジン環を含む。
アデニンおよびグアニンは、核酸中で最も一般的に見られる2つのプリン核酸塩基である。他の
天然に存在するプリンとしては、N
6−メチルアデニン、N
2−メチルグアニン、ヒポキサンチン、および7−メチルグアニンが挙げられるが、これらに限定されない。
ピリミジン塩基は、以下の一般式によって記載されるように、6員ピリミジン環を含む。
シトシン、ウラシル、およびチミンは、核酸中で最も一般的に見られるピリミジン塩基である。他の
天然に存在するピリミジンとしては、5−メチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、
シュードウラシル、および4−チオウラシルが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態において、本明細書に記載されるオリゴマーは、ウラシルの代わりにチミン塩基を含有する。
他の好適な塩基としては、2,6−ジアミノプリン、オロト酸、アグマチジン、リシジン、2−チオピリミジン(例えば、2−チオウラシル、2−チオチミン)、G−クランプおよびその誘導体、5−置換ピリミジン(例えば、5−ハロウラシル、5−プロピニルウラシル、5−プロピニルシトシン、5−アミノメチルウラシル、5−ヒドロキシメチルウラシル、5−アミノメチルシトシン、5−ヒドロキシメチルシトシン、スーパーT)、7−デアザグアニン、7−デアザアデニン、7−アザ−2,6−ジアミノプリン、8−アザ−7−デアザグアニン、8−アザ−7−デアザアデニン、8−アザ−7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、スーパーG、スーパーA、およびN4−エチルシトシン、またはその誘導体;N2−シクロペンチルグアニン(cPent−G)、N2−シクロペンチル−2−アミノプリン(cPent−AP)、およびN2−プロピル−2−アミノプリン(Pr−AP)、シュードウラシル、またはその誘導体;ならびに2,6−ジフルオロトルエンのような縮重塩基もしくはユニバーサル塩基、または脱塩基部位のような非存在塩基(例えば、1−デオキシリボース、1,2−ジデオキシリボース、1−デオキシ−2−O−メチルリボース;あるいは環酸素が窒素で置き換えられたピロリジン誘導体(アザリボース))が挙げられるが、これらに限定されない。スーパーA、スーパーG、およびスーパーTの誘導体の例は、米国特許第6,683,173号(Epoch Biosciences)で見ることができ、これは、参照により完全に本明細書に組み込まれる。cPent−G、cPent−AP、およびPr−APは、siRNAに組み込まれたときに免疫賦活作用を低減することが示された(Peacock H.et al.J.Am.Chem.Soc.2011,133,9200)。シュードウラシルは、ウラシルの自然発生的異性化バージョンであり、ウリジンにおける通常のN−グリコシドというよりむしろC−グリコシドによる。シュードウリジン含有合成mRNAは、ウリジン含有mPvNAと比較して、改善された安全性プロファイルを有し得る(WO2009127230(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。
ある特定の核酸塩基は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの結合親和性を高めるために特に有用である。これらには、5−置換ピリミジン、6−アザピリミジン、ならびにN−2、N−6、およびO−6置換プリン(2−アミノプロピルアデニン、5−プロピニルウラシル、および5−プロピニルシトシンを含む)が含まれる。5−メチルシトシン置換は、核酸二本鎖の安定性を0.6〜1.2℃増加させることが示されており、さらに具体的には2’−O−メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合に、現在好ましい塩基置換である。追加の例示的な修飾核酸塩基には、核酸塩基の少なくとも1つの水素原子がフッ素で置き換えられているものが含まれる。
11.アンチセンスオリゴマーコンジュゲートの薬学的に許容される塩
本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのある特定の実施形態は、アミノまたはアルキルアミノなどの塩基性官能基を含有してもよく、したがって、薬学的に許容される酸と薬学的に許容される塩を形成することができる。この点における「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの比較的非毒性の無機酸および有機酸付加塩を指す。これらの塩は、投与ビヒクルまたは剤形製造プロセスにおいて原位置で調製され得るか、または本開示の精製されたアンチセンスオリゴマーもしくはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを、その遊離塩基形態で、好適な有機酸もしくは無機酸と別々に反応させ、その後の精製中にそのようにして形成された塩を単離することによって調製され得る。代表的な塩としては、臭化水素酸塩、塩酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩、酢酸塩、吉草酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチル酸塩、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩、およびラウリルスルホン酸塩などが挙げられる。(例えば、Berge et al.(1977)“Pharmaceutical Salts”,J.Pharm.Sci.66:1−19を参照)。
主題のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの薬学的に許容される塩は、例えば、非毒性の有機酸または無機酸からの、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などに由来するもの;ならびに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パルミチン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸(salicyclic)、スルファニル酸、2−アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イソチオン酸(isothionic)などから調製された塩が挙げられる。
ある特定の実施形態では、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、1つ以上の酸性官能基を含有してもよく、したがって、薬学的に許容される塩基と薬学的に許容される塩を形成することができる。これらの場合における「薬学的に許容される塩」という用語は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの比較的非毒性の無機塩基および有機塩基付加塩を指す。これらの塩は同様に、投与ビヒクルまたは剤形製造プロセスにおいて原位置で調製され得るか、あるいは精製されたアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを、その遊離酸形態で、好適な塩基、例えば、薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、もしくは重炭酸塩と、アンモニアと、または薬学的に許容される有機第一級アミン、第二級アミン、もしくは第三級アミンと別々に反応させることによって調製され得る。代表的なアルカリまたはアルカリ土類塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、およびアルミニウム塩などが挙げられる。塩基付加塩の形成に有用な代表的な有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジンなどが挙げられる。(例えば、上記のBergeらを参照)。
III.製剤および投与様式
ある特定の実施形態において、本開示は、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの治療送達に好適な製剤または医薬組成物を提供する。したがって、ある特定の実施形態において、本開示は、1つ以上の薬学的に許容される担体(添加剤)および/または希釈剤と共に製剤化した、治療有効量の本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのうちの1つ以上を含む、薬学的に許容される組成物を提供する。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを単独で投与することは可能であるが、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを医薬製剤(組成物)として投与することが好ましい。一実施形態において、製剤のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、式(III)に従う。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに適用可能である核酸分子の送達のための方法は、例えば、Akhtar et al.,1992,Trends Cell Bio.,2:139;Delivery Strategies for Antisense Oligonucleotide Therapeutics,ed.Akhtar,1995,CRC Press、およびSullivan et al.,PCT WO94/02595に記載されている。これらおよび他のプロトコルは、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含む、実質的に任意の核酸分子の送達に利用され得る。
本開示の医薬組成物は、固体または液体形態での投与のために特別に製剤化されてもよく、以下に適合したものを含む:(1)経口投与、例えば、水薬(水性または非水性の溶液または懸濁液)、錠剤(頬側、舌下、または全身吸収を目標)、ボーラス、粉末、顆粒、舌に適用するためのペースト、(2)例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液または徐放性製剤としての、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、硬膜外注射による非経口投与、(3)例えば、皮膚に塗布されるクリーム、軟膏、または制御放出性パッチもしくはスプレーとしての局所塗布、(4)例えば、ペッサリー、クリーム、または発泡体としての膣内または直腸内、(5)舌下、(6)眼内、(7)経皮、あるいは(8)経鼻。
薬学的に許容される担体として役立ち得る材料のいくつかの例としては、(1)糖類、例えば、ラクトース、グルコース、およびスクロース、(2)デンプン、例えば、トウモロコシデンプンおよびジャガイモデンプン、(3)セルロースおよびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、酢酸セルロース、(4)粉末状トラガカント、(5)麦芽、(6)ゼラチン、(7)タルク、(8)賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐剤ワックス、(9)油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、および大豆油、(10)グリコール、例えば、プロピレングリコール、(11)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、およびポリエチレングリコール、(12)エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル、(13)寒天、(14)緩衝剤、例えば、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム、(15)アルギン酸、(16)発熱性物質除去蒸留水、(17)等張生理食塩水、(18)リンゲル液、(19)エチルアルコール、(20)pH緩衝液、(21)ポリエステル、ポリカーボネート、および/またはポリ酸無水物、ならびに(22)医薬製剤で用いられる他の非毒性適合性物質が挙げられるが、これらに限定されない。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを用いた製剤に適した薬剤の追加の非限定的な例としては、PEGコンジュゲート核酸;リン脂質コンジュゲート核酸;親油性部分を含有する核酸;ホスホロチオエート;様々な組織への薬物の侵入を増強することができるP糖タンパク質阻害剤(Pluronic P85など):生分解性ポリマー、例えば、埋め込み後の徐放性送達のためのポリ(D,L−ラクチド−コグリコリド)ミクロスフェア(Emerich,D F et al.,1999,Cell Transplant,8,47−58)Alkermes,Inc.Cambridge,Mass.;および負荷ナノ粒子、例えば、ポリブチルシアノアクリレートで作られるもの(血液脳関門にわたって薬物を送達することができ、神経取込み機構を変化させることができる)(Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry,23,941−949,1999)が挙げられる。
本開示はまた、ポリ(エチレングリコール)(「PEG」)脂質(PEG修飾、分岐、および非分岐、もしくはそれらの組み合わせ、または長期循環型リポソームもしくはステルスリポソーム)を含有する、表面修飾リポソームを含む組成物の使用を特徴とする。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、様々な分子量の共有結合PEG分子も含むことができる。これらの製剤は、標的組織における薬物の蓄積を増加させるための方法を提供する。このクラスの薬物担体は、単核細胞貪食系(MPSまたはRES)によるオプソニン化および排除に抵抗し、それにより、カプセル化薬物の血液循環時間の延長および組織曝露の増強を可能にする(Lasic et al.Chem.Rev.1995,95,2601−2627、Ishiwata et al.,Chem.Pharm.Bull.1995,43,1005−1011)。そのようなリポソームは、おそらく溢血および血管新生標的組織における捕捉によって、腫瘍に選択的に蓄積することが示されている(Lasic et al.,Science 1995,267,1275−1276、Oku et al.,1995,Biochim.Biophys.Acta,1238,86−90)。長期循環型リポソームは、特にMPSの組織に蓄積することが知られている従来のカチオン性リポソームと比較して、DNAおよびRNAの薬物動態および薬力学を増強する(Liu et al.,J.Biol.Chem.1995,42,24864−24870、Choi et al.,国際PCT公開第WO96/10391号、Ansell et al.,国際PCT公開第WO96/10390号、Holland et al.,国際PCT公開第WO96/10392号)。また、長期循環型リポソームは、肝臓や脾臓などの代謝的に攻撃的なMPS組織において蓄積を回避するそれらの能力に基づいて、カチオン性リポソームと比較して、より大きい程度まで薬物をヌクレアーゼ分解から保護する可能性がある。
さらなる実施形態において、本開示は、米国特許第6,692,911号、同第7,163,695号、および同第7,070,807号に記載されるような、送達のために調製されたアンチセンスオリゴマー医薬組成物およびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート医薬組成物を含む。この点に関して、一実施形態において、本開示は、単独で、あるいはPEG(例えば、分岐もしくは非分岐PEG、または両方の混合物)と組み合わせて、PEGおよび標的化部分と組み合わせて、あるいは架橋剤と組み合わせた上記のいずれかの、リシンおよびヒスチジン(HK)のコポリマーを含む組成物中の本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲート(米国特許第7,163,695号、同第7,070,807号、および6,692,911号に記載)を提供する。ある特定の実施形態において、本開示は、グルコン酸修飾ポリヒスチジンまたはグルコニル化ポリヒスチジン/トランスフェリン−ポリリシンを含む医薬組成物中のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを提供する。当業者であれば、HisおよびLysに類似した特性を有するアミノ酸が組成物内で置換され得ることも認識するであろう。
湿潤剤、乳化剤、および滑沢剤(ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなど)、着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤、芳香剤、防腐剤、ならびに酸化防止剤も組成物中に存在することができる。
薬学的に許容される酸化防止剤の例としては、(1)水溶性酸化防止剤、例えば、アスコルビン酸、システイン塩酸塩、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど、(2)油溶性酸化防止剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、アルファ−トコフェロールなど、および(3)金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸などが挙げられる。
本開示の製剤には、経口、経鼻、局所(頬側および舌下を含む)、直腸、膣、ならびに/または非経口投与に適した製剤が含まれる。製剤は、便利に単位剤形で提示され得、薬学の技術分野で周知の任意の方法によって調製され得る。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされ得る有効成分の量は、治療される対象および特定の投与様式に応じて異なる。単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされ得る有効成分の量は、概して、治療効果をもたらす活性成分の量である。概して、この量は、有効成分の約0.1パーセント〜約99パーセント、好ましくは約5パーセント〜約70パーセント、最も好ましくは約10パーセント〜約30パーセントの範囲である。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、シクロデキストリン、セルロース、リポソーム、ミセル形成剤、例えば、胆汁酸、およびポリマー担体、例えば、ポリエステルおよびポリ酸無水物から選択される賦形剤と、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートと、を含む。一実施形態において、製剤のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、それぞれ式(V)または式(III)に従う。ある特定の実施形態において、上記の製剤は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを経口的にバイオアベイラビリティにする。
これらの製剤または医薬組成物を調製する方法には、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを担体、および必要に応じて1つ以上の副成分と会合させるステップを含む。概して、製剤は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを液体担体、もしくは微粉化固体担体、またはその両方と均一かつ密接に会合させ、次いで、必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
経口投与に適した本開示の製剤は、カプセル、カシェー、ピル、錠剤、トローチ(風味付けした基剤、通常はスクロースおよびアカシアもしくはトラガカント)、粉末、顆粒、または水性もしく非水性の溶液中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油または油中水の液体乳剤として、またはエリキシル剤もしくはシロップとして、または香錠(不活性基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、もしくはスクロースおよびアカシア)および/もしくは口内洗浄液としての形態などであってもよく、各々は、有効成分として、所定量の本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含有する。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートはまた、ボーラス、舐剤、またはペーストとして投与されてもよい。
経口投与のための本開示の固形剤形(カプセル、錠剤、ピル、糖剤、粉末、顆粒、トルーチなど)において、有効成分は、クエン酸ナトリウムもしくはリン酸二カルシウム、および/または以下のいずれかなどの1つ以上の薬学的に許容される担体と混合されてもよい:(1)充填剤または増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸、(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、および/またはアカシア、(3)保湿剤、例えば、グリセロール、(4)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、(5)溶解遅延剤、例えば、パラフィン、(6)吸収促進剤、例えば、第四級アンモニウム化合物および界面活性剤、例えば、ポロキサマーおよびラウリル硫酸ナトリウム、(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロール、非イオン性界面活性剤、(8)吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土など、(9)滑沢剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、およびそれらの混合物、(10)着色剤、ならびに(11)放出制御剤、例えば、クロスポビドンまたはエチルセルロース。カプセル、錠剤、およびピルの場合、医薬組成物はまた、緩衝剤を含んでもよい。類似のタイプの固体医薬組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使用した、軟質および硬質シェルのゼラチンカプセル中の充填剤としても用いられ得る。
錠剤は、必要に応じて1つ以上の副成分との圧縮または成型によって作製され得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑沢剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を使用して調製され得る。成型錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を好適な機械で成型することによって作製され得る。
本開示の医薬組成物の錠剤および他の固体剤形、例えば、糖剤、カプセル、ピル、および顆粒は、必要に応じて、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶性コーティング、および医薬品製剤化技術で周知の他のコーティングを用いて、獲得または調製され得る。また、それらは、所望の放出プロファイル、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを提供するために、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを様々な割合で使用して、その中の有効成分の徐放または制御放出を提供するように製剤化されてもよい。それらは、例えば凍結乾燥など、迅速放出のために製剤化されてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、または使用直前に滅菌水に溶解され得る滅菌固体医薬組成物の形態の滅菌剤、もしくはいくつかの他の滅菌注射用媒質を組み込むことによって滅菌され得る。また、これらの医薬組成物は必要に応じて、不透明化剤を含有してもよく、それらが有効成分(複数可)のみを、または優先的に、消化管の特定の部分において、必要に応じて遅延した様式で放出する組成物を有してもよい。使用され得る埋め込み組成物の例としては、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。有効成分はまた、適切な場合、上記の賦形剤のうちの1つ以上を有する、マイクロカプセル形態であってもよい。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの経口
投与用の液体剤形は、薬学的に許容される乳剤、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシル剤を含む。有効成分に加えて、液体剤形は、例えば、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ソルビタンのポリエチレングリコールおよび脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物など、当該技術分野で一般的に使用される不活性希釈剤を含有してもよい。
不活性希釈剤に加えて、経口医薬組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、ならびに防腐剤などのアジュバントも含むことができる。
活性化合物に加えて、懸濁液は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物などの懸濁化剤を含有してもよい。
直腸投与または膣投与用の製剤は、坐剤として提示され得、これは、本開示の1つ以上の化合物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス、またはサリチル酸塩を含む1つ以上の好適な非刺激性賦形剤または担体と混合することによって調製され得、これは室温では固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔で溶解し、活性化合物を放出する。
本明細書に提供されるオリゴマーの局所投与または経皮投与のための製剤または剤形は、粉末、噴霧剤、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入剤を含む。活性アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、滅菌条件下で、薬学的に許容される担体と、および必要とされ得る任意の防腐剤、緩衝剤、または噴射剤と混合され得る。軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、本開示の活性化合物に加えて、動物性および植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛、またはそれらの混合物などの賦形剤を含有し得る。
粉末および噴霧剤は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物などの賦形剤を含有することができる。噴霧剤はさらに、クロロフルオロ炭化水素などの通例の噴射剤、ならびにブタンおよびプロパンなどの揮発性非置換炭化水素を含有することができる。
経皮パッチは、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの体内への制御送達を提供するというさらなる利点を有する。そのような剤形は、オリゴマーを適切な媒質に溶解するか、または分散させることによって作製され得る。吸収促進剤もまた、皮膚にわたる薬剤の流れを増加させるために使用され得る。そのような流れの速度は、当該技術分野で既知の方法の中でも特に、速度制御膜を提供すること、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に薬剤を分散させることのいずれかによって制御され得る。
非経口投与に適した医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容される滅菌等張水溶液もしくは非水溶液、分散液、懸濁液もしくは乳剤、または使用直前に滅菌注射用溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて、本開示の1つ以上のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含んでもよく、これらは、糖、アルコール、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、製剤を意図されたレシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁化剤もしくは増粘剤を含有し得る。本開示の医薬組成物で用いられ得る好適な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油などの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散液の場合に必要な粒径の維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。一実施形態において、医薬組成物のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、それぞれ式(V)または式(III)に従う。
また、これらの医薬組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、および分散剤などのアジュバントを含有してもよい。主題のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートに対する微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることによって確保され得る。また、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を組成物に含むことが望ましい場合もある。さらに、注射用剤形の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなど、吸収を遅延させる薬剤を含めることによってもたらされ得る。
場合によっては、薬物の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの薬物の吸収を遅らせることが望ましい。これは、当該技術分野で既知の方法の中でも特に、水溶性が乏しい結晶性または非晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成され得る。次いで、薬物の吸収速度は、その溶解速度に依存し、溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された薬物形態の吸収の遅延は、薬物を油ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
注射用デポー形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中で主題のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートのマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製され得る。ポリマーに対するオリゴマーの比率および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、オリゴマー放出の速度が制御され得る。他の生分解性ポリマーの例としては、ポリ(オルトエステル)およびポリ(酸無水物)が挙げられる。デポー注射用製剤はまた、体内組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルションに薬物を封入することによっても調製され得る。
本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが、ヒトおよび動物に医薬品として投与されるとき、それらは、それ自体で、または例えば、薬学的に許容される担体と組み合わせた0.1〜99%(より好ましくは10〜30%)のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含有する医薬組成物として投与され得る。
本開示の製剤または調製物は、経口的、非経口的、局所的、または直腸に投与され得る。これらは典型的には、各投与経路に適した形態で投与される。例えば、それらは、錠剤もしくはカプセル形態で、注射、吸入、目薬、軟膏、坐剤、もしくは点滴によって、ローションもしくは軟膏によって局所的に、または坐剤によって直腸に投与される。
選択される投与経路にかかわらず、適切な水和形態で使用され得る本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、ならびに/または本開示の医薬組成物は、当業者に既知の従来的な方法によって薬学的に許容される剤形に製剤化され得る。本開示の医薬組成物中の有効成分の実際の投与量レベルは、特定の患者に対して許容できないほどの毒性を示すことなく、該患者、組成物、および投与様式に対して望ましい治療反応を達成するために有効である有効成分の量を得るために変動し得る。
選択される投与量レベルは、用いられる本開示の特定のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、またはそのエステル、塩、もしくはアミドの活性、投与経路、投与時刻、用いられる特定のオリゴマーの排泄速度または代謝速度、吸収の速度および程度、治療期間、用いられる特定のオリゴマーと組み合わせて使用される他の薬物、化合物、および/または材料、治療中の患者の年齢、性別、体重、状態、全般的な健康状態、および既往歴、ならびに医学技術で周知の同様の要因を含む、様々な要因に依存する。
当該技術分野における通常の技術を有する医師または獣医であれば、必要な医薬組成物の有効量を容易に決定および処方することができる。例えば、医師または獣医は、所望の治療効果を達成するために必要とされるレベルよりも低いレベルで、医薬組成物中で用いられる本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの投与を開始し、望ましい効果が達成されるまで投与量を徐々に増加させることができる。概して、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの好適な1日用量は、治療効果をもたらすのに有効な最低用量であるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの量である。そのような有効用量は、概して、本明細書に記載される要因に依存する。概して、患者のための本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの経口、静脈内、脳室内、および皮下用量は、示された効果のために使用される場合、1日当たり体重1キログラム当たり約0.0001〜約100mgの範囲である。
いくつかの実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、概して、約10〜160mg/kgまたは20〜160mg/kgの用量で投与される。場合によっては、160mg/kgを超える用量が必要である場合もある。いくつかの実施形態において、静脈内投与の用量は、約0.5mg〜160mg/kgである。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、約0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、約10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、18mg/kg、20mg/kg、21mg/kg、25mg/kg、26mg/kg、27mg/kg、28mg/kg、29mg/kg、30mg/kg、31mg/kg、32mg/kg、33mg/kg、34mg/kg、35mg/kg、36mg/kg、37mg/kg、38mg/kg、39mg/kg、40mg/kg、41mg/kg、42mg/kg、43mg/kg、44mg/kg、45mg/kg、46mg/kg、47mg/kg、48mg/kg、49mg/kg、50mg/kg、51mg/kg、52mg/kg、53mg/kg、54mg/kg、55mg/kg、56mg/kg、57mg/kg、58mg/kg、59mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、105mg/kg、110mg/kg、115mg/kg、120mg/kg、125mg/kg、130mg/kg、135mg/kg、140mg/kg、145mg/kg、150mg/kg、155mg/kg、160mg/kg(それらの間の全ての整数を含む)の用量で投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、10mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、20mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、30mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、40mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、60mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、80mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、160mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、オリゴマーは、50mg/kgで投与される。
いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、概して、約10〜160mg/kgまたは20〜160mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、静脈内投与のための式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの用量は、約0.5mg〜160mg/kgである。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、約0.5mg/kg、1mg/kg、2mg/kg、3mg/kg、4mg/kg、5mg/kg、6mg/kg、7mg/kg、8mg/kg、9mg/kg、または10mg/kgの用量で投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、約10mg/kg、11mg/kg、12mg/kg、15mg/kg、18mg/kg、20mg/kg、21mg/kg、25mg/kg、26mg/kg、27mg/kg、28mg/kg、29mg/kg、30mg/kg、31mg/kg、32mg/kg、33mg/kg、34mg/kg、35mg/kg、36mg/kg、37mg/kg、38mg/kg、39mg/kg、40mg/kg、41mg/kg、42mg/kg、43mg/kg、44mg/kg、45mg/kg、46mg/kg、47mg/kg、48mg/kg、49mg/kg、50mg/kg、51mg/kg、52mg/kg、53mg/kg、54mg/kg、55mg/kg、56mg/kg、57mg/kg、58mg/kg、59mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、105mg/kg、110mg/kg、115mg/kg、120mg/kg、125mg/kg、130mg/kg、135mg/kg、140mg/kg、145mg/kg、150mg/kg、155mg/kg、160mg/kg(それらの間の全ての整数を含む)の用量で投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで投与される。いくつかの実施形態において、式(III)のアンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたは式(V)のアンチセンスオリゴマーは、50mg/kgで投与される。
所望される場合、活性化合物の有効な日用量は、1日を通して適切な間隔で、必要に応じて単位剤形で別々に投与される、2、3、4、5、6回、またはそれより多くの部分用量として投与されてもよい。ある特定の状況において、投与は1日1回の投与である。ある特定の実施形態において、投与は、機能性ジストロフィンタンパク質の所望の発現を維持するために、必要に応じて、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14日毎、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12週毎、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12ヵ月毎に1回以上の投与である。ある特定の実施形態において、投与は、2週間毎に1度、1回以上の投与である。いくつかの実施形態において、投与は、2週間毎に1度、1回の投与である。様々な実施形態において、投与は、毎月1回以上の投与である。ある特定の実施形態において、投与は、毎月1回の投与である。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで毎週投与される。本明細書で使用される場合、毎週は、1週間毎の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで毎週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで毎週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで毎週投与される。本明細書で使用される場合、毎週は、1週間毎の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kg隔週で投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで隔週投与される。本明細書で使用される場合、隔週は、2週間毎の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで隔週投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで隔週投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで隔週投与される。本明細書で使用される場合、隔週は、2週間毎の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで3週間毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで3週間毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで3週間毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kgで3週間毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで3週間毎に投与される。本明細書で使用される場合、3週間毎は、3週間毎に1回の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで3週毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで3週毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで3週毎に投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで3週毎に投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、160mg/kgで3週毎に投与される。本明細書で使用される場合、3週間毎は、3週間毎に1回の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、10mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、20mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、30mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、40mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、60mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、80mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、100mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、160mg/kgで毎月投与される。本明細書で使用される場合、毎月は、1か月毎の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、10mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、20mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、30mg/kgで毎月投与される。様々な実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、40mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、60mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、80mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマーは、100mg/kgで毎月投与される。いくつかの実施形態において、アンチセンスオリゴマー
は、160mg/kgで毎月投与される。本明細書で使用される場合、毎月は、1か月毎の当該技術分野で認められた意味を有すると理解される。
当該技術分野で理解されるように、毎週、隔週、3週間毎、または毎月の投与は、本明細書で考察されるように、1回もしくはそれより多くの投与または部分用量であってもよい。
本明細書に記載される核酸分子、アンチセンスオリゴマー、およびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、本明細書に記載され、かつ当該技術分野において既知のような、リポソームへの封入、イオン導入、またはハイドロゲル、シクロデキストリン、生分解性ナノカプセル、および生体接着性ミクロスフェアなどの他のビヒクルへの組み込みが挙げられるが、これらに限定されない、当業者に既知の様々な方法によって細胞に投与され得る。ある特定の実施形態において、マイクロ乳化技術を利用して、親油性(非水溶性)医薬品のバイオアベイラビリティを改善してもよい。例としては、Trimetrine(Dordunoo,S.K.,et al.,Drug Development and Industrial Pharmacy,17(12),1685−1713,1991)、およびREV 5901(Sheen,P.C.,et al.,J Pharm Sci 80(7),712−714,1991)が挙げられる。利点の中でも特に、マイクロ乳化は、循環系の代わりにリンパ系への吸収を優先的に誘導し、それにより肝臓を迂回し、肝胆道循環における化合物の破壊を防止することによって、増強されたバイオアベイラビリティを提供する。
開示の一態様において、製剤は、本明細書に提供されるオリゴマーから形成されるミセルと、ミセルが約100nm未満の平均直径を有する少なくとも1つの両親媒性担体とを含有する。より好ましい実施形態は、約50nm未満の平均直径を有するミセルを提供し、さらに好ましい実施形態は、約30nm未満またはさらに約20nm未満の平均直径を有するミセルを提供する。
全ての好適な両親媒性担体が企図されるが、現在好ましい担体は概して、一般的に安全と認められている(GRAS)状態を有し、かつ本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを可溶化すること、および溶液が複雑な水相(ヒト胃腸管に見られるものなど)と接触した後の段階でそれをマイクロ乳化することの両方ができる担体である。これらの要件を満たす両親媒性成分は、通常、HLB(親水性−親油性のバランス)値が2−20であり、それらの構造は、C−6からC−20の範囲の直鎖脂肪族ラジカルを含有する。例としては、ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリドおよびポリエチレングリコールがある。
両親媒性担体の例としては、飽和および一不飽和ポリエチレングリコール化脂肪酸グリセリド、例えば、完全または部分的に水素化された様々な植物油から得られるものが挙げられる。そのような油は有利に、トリ−、ジ−、およびモノ−脂肪酸グリセリド、ならびに対応する脂肪酸のジ−およびモノ−ポリ(エチレングリコール)エステルからなり得、特に好ましい脂肪酸組成物としては、カプリン酸4〜10%、カプリン酸3〜9%、ラウリン酸40〜50%、ミリスチン酸14〜24%、パルミチン酸4〜14%、およびステアリン酸5〜15%が挙げられる。別の有用なクラスの両親媒性担体としては、飽和もしくは一不飽和脂肪酸(SPAN(登録商標)シリーズ)または対応するエトキシ化類似体(TWEEN(登録商標)シリーズ)を有する、部分的にエステル化されたソルビタンおよび/またはソルビトールが挙げられる。
Gelucireシリーズ、Labrafil、Labrasol、またはLauroglycol(全てGattefosse Corporation,Saint Priest,Franceによって製造および流通)、PEG−モノ−オレイン酸、PEG−ジ−オレイン酸、PEG−モノ−ラウリン酸およびジ−ラウリン酸、レシチン、ポリソルベート80など(米国および世界中の多くの企業によって製造および流通)を含む市販の両親媒性担体が、特に有用であり得る。
ある特定の実施形態において、送達は、本開示の医薬組成物を好適な宿主細胞に導入するために、リポソーム、ナノカプセル、微粒子、ミクロスフェア、脂質粒子、小胞などを使用することによって行い得る。特に、本開示の医薬組成物は、脂質粒子、リポソーム、小胞、ナノスフェア、ナノ粒子、または同様のもののいずれかに封入された送達用に製剤化され得る。そのような送達ビヒクルの製剤化および使用は、既知の技術および従来の技術を使用して行われ得る。
本開示での使用に適した親水性ポリマーは、容易に水溶性であり、小胞形成脂質に共有結合することができ、かつ毒性作用なしにin vivoで耐容性がある(すなわち、生体適合性である)ものである。好適なポリマーとしては、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ乳酸(ポリラクチドとも呼ばれる)、ポリグリコール酸(ポリグリコリドとも呼ばれる)、ポリ乳酸−ポリグリコール酸コポリマー、およびポリビニルアルコールが挙げられる。ある特定の実施形態において、ポリマーは、約100もしくは120ダルトン〜最大で約5,000もしくは10,000ダルトン、または約300ダルトン〜約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する。他の実施形態において、ポリマーは、約100〜約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する、または約300〜約5,000ダルトンの重量平均分子量を有する、ポリ(エチレングリコール)である。ある特定の実施形態において、ポリマーは、約750ダルトンの重量平均分子量を有するポリ(エチレングリコール)、例えば、PEG(750)である。ポリマーは、その中のモノマーの数によっても定義され得、本開示の好ましい実施形態は、少なくとも約3つのモノマーのポリマーを利用し、3つのモノマーからなるそのようなPEGポリマーは、分子量が約132ダルトンである。
本開示での使用に適し得る他の親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ポリメトキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、および誘導体化セルロース、例えば、ヒドロキシメチルセルロースまたはヒドロキシエチルセルロースが挙げられる。
ある特定の実施形態において、本開示の製剤は、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアルキレン、アクリルエステルおよびメタクリルエステルのポリマー、ポリビニルポリマー、ポリグリコリド、ポリシロキサン、ポリウレタンおよびそのコポリマー、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、乳酸およびグリコール酸のポリマー、ポリ酸無水物、ポリ(オルソ)エステル、ポリ(酪酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、多糖類、タンパク質、ポリヒアルロン酸、ポリシアノアクリレート、ならびにそれらのブレンド、混合物、またはコポリマーからなる群から選択される生体適合性ポリマーを含む。
シクロデキストリンは、6、7、または8グルコース単位からなる環状オリゴ糖であり、それぞれギリシャ文字α、β、またはγによって示される。グルコース単位は、α−1,4−グルコシド結合によって連結される。糖単位の椅子型配座の結果として、全ての二次ヒドロキシル基(C−2、C−3における)が環の一方の側に位置する一方で、C−6における全ての一次ヒドロキシル基は、他方の側に位置する。結果として、外面は親水性であり、シクロデキストリンを水溶性にする。対照的に、シクロデキストリンの空洞は、それらが原子C−3およびC−5の水素によって、かつエーテル様酸素によって覆われているため、疎水性である。これらのマトリックスは、例えば、17α−エストラジオールなどのステロイド化合物を含む、様々な比較的疎水性の化合物との複合体形成を可能にする(例えば、van Uden et al.Plant Cell Tiss.Org.Cult.38:1−3−113(1994)を参照)。複合体形成は、ファンデルワールス相互作用および水素結合形成によって起こりる。シクロデキストリンの化学的性質に関する一般的なレビューについては、Wenz,Agnew.Chem.Int.Ed.Engl.,33:803−822(1994)を参照されたい。
シクロデキストリン誘導体の物理化学的性質は、置換の種類および程度に大きく依存する。例えば、それらの水溶性は、不溶性(例えば、トリアセチル−ベータ−シクロデキストリン)から147%可溶性(w/v)(G−2−ベータ−シクロデキストリン)の範囲である。さらに、それらは多くの有機溶媒に可溶性である。シクロデキストリンの特性は、それらの溶解度を増減させることによって、様々な製剤構成成分の溶解度の制御を可能にする。
多数のシクロデキストリンおよびそれらの調製のための方法が記載されている。例えば、Parmeter(I)ら(米国特許第3,453,259号)およびGrameraら(米国特許第3,459,731号)が、電気的中性シクロデキストリンについて記載している。他の誘導体としては、カチオン特性を有するシクロデキストリン[Parmeter(II),米国特許第3,453,257号]、不溶性架橋シクロデキストリン(Solms,米国特許第3,420,788号)、およびアニオン特性を有するシクロデキストリン[Parmeter(III),米国特許第3,426,011号]が挙げられる。アニオン特性を有するシクロデキストリン誘導体のうち、カルボン酸、亜リン酸、亜ホスフィン酸、ホスホン酸、リン酸、チオホスホン酸、チオスルフィン酸、およびスルホン酸は、親シクロデキストリンに付加されている[Parmeter(III)、上記参照]。さらに、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン誘導体は、Stellaら(米国特許第5,134,127号)によって記載されている。
リポソームは、水性内部区画を取り囲む少なくとも1つの脂質二重層膜からなる。リポソームは、膜のタイプおよびサイズによって特徴付けられ得る。小単ラメラ小胞(SUV)は単一膜を有し、典型的には、直径が0.02〜0.05μmの範囲であり、大単ラメラ小胞(LUVS)は、典型的には0.05μmよりも大きい。オリゴラメラ大小胞およびマルチラメラ小胞は、複数の、通常は同心性の膜層を有し、典型的には0.1μmよりも大きい。いくつかの非同心膜を有するリポソームは、すなわち、より大きい小胞内に含有されるいくつかのより小さい小胞は、多胞体小胞と呼ばれる。
本開示の一態様は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含有するリポソームを含む製剤に関し、リポソーム膜は、増加した担持能力を有するリポソームを提供するように製剤化される。あるいは、または加えて、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、リポソームのリポソーム二重層内に含有されてもよく、またはその上に吸着されてもよい。本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、脂質界面活性剤と凝集され、リポソームの内部空間内に担持され得る。これらの場合、リポソーム膜は、活性薬剤−界面活性剤凝集体の崩壊効果に抵抗するように製剤化される。
本開示の一実施形態によると、リポソームの脂質二重層は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)で誘導体化された脂質を含有し、これによりPEG鎖は、脂質二重層の内面からリポソームによって封入された内部空間へと延在し、かつ脂質二重層の外部から周囲環境へと延在する。
本開示のリポソーム内に含有される活性薬剤は、可溶化形態である。界面活性剤および活性薬剤の凝集体(対象の活性薬剤を含有するエマルションまたはミセルなど)は、本開示によるリポソームの内部空間内に閉じ込められ得る。界面活性剤は、活性薬剤を分散させ可溶化するように作用し、様々な鎖長(例えば、約C14〜約C20)の生体適合性リゾホスファチジルコリン(LPG)を含むがこれに限定されない、任意の好適な脂肪族、脂環式、または芳香族界面活性剤から選択され得る。PEG−脂質などのポリマー誘導体化脂質は、ミセル/膜融合を阻害するように作用するため、また界面活性剤分子へのポリマーの添加が界面活性剤のCMCを減少させ、ミセル形成を助けるため、ミセル形成にも利用され得る。マイクロモル濃度範囲のCMOを有する界面活性剤が好ましく、より高いCMC界面活性剤を利用して、本開示のリポソーム内に閉じ込められたミセルを調製し得る。
本開示によるリポソームは、当該技術分野で既知の様々な技術のいずれかによって調製され得る。例えば、米国特許第4,235,871号、公開PCT出願第WO96/14057号、New RRC,Liposomes:A practical approach,IRL Press,Oxford(1990),pages 33−104、およびLasic DD,Liposomes from physics to applications,Elsevier Science Publishers BV,Amsterdam,1993を参照されたい。例えば、本開示のリポソームは、リポソーム中で所望の誘導体化脂質の最終モルパーセントに相当する脂質濃度で、親水性ポリマーで誘導体化された脂質を予め形成されたリポソームに拡散することによって、例えば、予め形成されたリポソームを脂質グラフトポリマーから構成されるミセルに曝露することによって、調製され得る。親水性ポリマーを含有するリポソームはまた、当該技術分野で既知のように、均質化、脂質場水和、または押出技術によって形成され得る。
別の例示的な製剤化手順において、活性薬剤はまず、疎水性分子を容易に可溶化するリゾホスファチジルコリンまたは他の低CMC界面活性剤(ポリマーグラフト脂質を含む)中での音波処理によって分散される。次いで、活性薬剤の得られたミセル懸濁液を使用して、好適なモルパーセントのポリマーグラフト脂質またはコレステロールを含有する乾燥脂質試料を再水和する。次いで、脂質および活性薬剤懸濁液は、当該技術分野で既知の押出技術を使用してリポソームに形成され、得られたリポソームは、標準的なカラム分離によって封入されていない溶液から分離される。
本開示の一態様において、リポソームは、選択されたサイズ範囲において実質的に均一なサイズを有するように調製される。1つの効果的なサイズ決定方法は、選択された均一な孔径を有する一連のポリカーボネート膜を通してリポソームの水性懸濁液を押し出すことを伴い、膜の孔径は、その膜を通した押出によってもたらされるリポソームの最大サイズに概ね相当する。例えば、米国特許第4,737,323号(1988年4月12日)を参照されたい。ある特定の実施形態において、DharmaFECT(登録商標)およびLipofectamine(登録商標)などの試薬を利用して、ポリヌクレオチドまたはタンパク質を細胞に導入し得る。
本開示の製剤の放出特性は、封入材料、封入薬物の濃度、および放出調節剤の存在に依存する。例えば、放出は、例えば、胃にあるような低pH、または腸にあるような高pHでのみ放出するpH感受性コーティングを使用して、pH依存性になるように操作され得る。腸溶性コーティングは、胃を通過した後まで放出が起こらないように使用され得る。異なる材料に封入されたシアナミドの複数のコーティングまたは混合物を使用して、胃内で初期放出を得て、続いて腸内で後の放出を得ることができる。放出はまた、塩または細孔形成剤を含ませることによっても操作され得、これは、水取込みまたはカプセルからの拡散による薬物の放出を増加させることができる。薬剤の溶解度を修正する賦形剤は、放出速度を制御するためにも使用され得る。マトリックスの分解またはマトリックスからの放出を増強する薬剤も組み込まれ得る。それらは、薬物に添加され得るか、別個の相として添加され得るか(すなわち、微粒子として)、または化合物に応じてポリマー相で共溶解され得る。ほとんどの場合、量は、0.1〜30パーセント(w/wポリマー)であるべきである。分解促進剤のタイプには、硫酸アンモニウムおよび塩化アンモニウムなどの無機塩、クエン酸、安息香酸、およびアスコルビン酸などの有機酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、および水酸化亜鉛などの無機塩基、ならびにプロタミン硫酸塩、スペルミン、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンなどの有機塩基、ならびにTween(登録商標)およびPluronic(登録商標)などの界面活性剤が含まれる。マトリックスに微細構造を付加する細孔形成剤(すなわち、無機塩および糖類などの水溶性化合物)が、微粒子として添加される。範囲は典型的には、1〜30パーセント(w/wポリマー)である。
また、取込みは、腸内の粒子の滞留時間を変化させることによっても操作され得る。これは、例えば、粒子を粘膜接着性ポリマーでコーティングするか、または封入材料として選択することによって達成され得る。例としては、遊離カルボキシル基を有するほとんどのポリマー、例えば、キトサン、セルロース、および特にポリアクリレート(本明細書で使用される場合、ポリアクリレートとは、アクリレート基、ならびにシアノアクリレートおよびメタクリレートなどの修飾アクリレート基を含むポリマーを指す)が挙げられる。
アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、外科用または医療用のデバイスまたはインプラント内に含まれるように製剤化され得るか、またはそれによって放出されるように適合され得る。ある特定の態様において、インプラントは、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートでコーティングされ得るか、または別の方法で処理され得る。例えば、ヒドロゲル、または生体適合性および/もしくは生分解性ポリマーなどの他のポリマーを使用して、本開示の医薬組成物でインプラントをコーティングし得る(すなわち、組成物は、ヒドロゲルまたは他のポリマーを使用して医療デバイスと共に使用するように適合され得る)。医療デバイスを薬剤でコーティングするためのポリマーおよびコポリマーは、当該技術分野で周知である。インプラントの例としては、ステント、薬剤溶出性ステント、縫合糸、人工器官、血管カテーテル、透析カテーテル、血管グラフト、人工心臓弁、心臓ペースメーカー、植込み型除細動器、IV針、接骨および骨形成用デバイス、例えば、ピン、スクリュー、プレート、および他のデバイス、ならびに創傷治癒のための人工組織マトリックスが挙げられるが、これらに限定されない。
本明細書に提供される方法に加えて、本開示による使用のためのアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、他の医薬品から類推して、ヒトまたは獣医学で使用するための任意の便利な方法で投与するために製剤化され得る。アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲート、ならびにそれらの対応する製剤は、単独で、または筋芽細胞移植、幹細胞療法、アミノグリコシド系抗生物質の投与、プロテアソーム阻害剤、および上方制御療法(例えば、ジストロフィンの常染色体パラログであるユートロフィンの上方制御)などの筋ジストロフィーの治療における他の治療戦略と組み合わせて投与されてもよい。
いくつかの実施形態において、追加の治療薬は、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの投与の前に、それと併せて、またはその後に投与されてもよい。例えば、アンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、ステロイドおよび/または抗生物質と組み合わせて投与されてもよい。ある特定の実施形態において、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、バックグラウンドステロイド理論(例えば、間欠的または長期/連続的バックグラウンドステロイド療法)を受けている患者に投与される。例えば、いくつかの実施形態において、患者は、アンチセンスオリゴマーの投与前にコルチコステロイドで治療されており、ステロイド療法を受け続けている。いくつかの実施形態において、ステロイドは、糖質コルチコイドまたはプレドニゾンである。
記載される投与経路は、当業者が、任意の特定の動物および状態にとって最適な投与経路および任意の投与量を容易に決定することができるため、指針としてのみ意図される。in vitroおよびin vivoの両方で、機能的な新しい遺伝物質を細胞に導入するための複数のアプローチが試みられている(Friedmann(1989)Science,244:1275−1280)。これらのアプローチには、発現する遺伝子の修飾レトロウイルスへの組み込み、(Friedmann(1989)上記、Rosenberg(1991)Cancer Research 51(18),suppl.:5074S−5079S)、非レトロウイルスベクター(例えば、アデノ随伴ウイルスベクター)への組み込み(Rosenfeld,et al.(1992)Cell,68:143−155、Rosenfeld,et al.(1991)Science,252:431−434)、またはリポソームを介した異種プロモーター−エンハンサーエレメントに連結された導入遺伝子の送達(Friedmann(1989)、上記、Brigham,et al.(1989)Am.J.Med.Sci.,298:278−281、Nabel,et al.(1990)Science,249:1285−1288、Hazinski,et al.(1991)Am.J.Resp.Cell Molec.Biol.,4:206−209、およびWang and Huang(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.(USA),84:7851−7855)、リガンド特異的、カチオン系輸送システムとの結合(Wu and Wu(1988)J.Biol.Chem.,263:14621−14624)、またはネイキッドDNA、発現ベクターの使用(Nabel et al.(1990)、上記、Wolff et al.(1990)Science,247:1465−1468)が含まれる。導入遺伝子の組織への直接注射は、局所発現のみをもたらす(Rosenfeld(1992)上記、Rosenfeld et al.(1991)上記、Brigham et al.(1989)上記、Nabel(1990)上記、およびHazinski et al.(1991)上記)。Brighamらのグループ(Am.J.Med.Sci.(1989)298:278−281およびClinical Research(1991)39(要約))は、DNAリポソーム複合体の静脈内または気管内のいずれかの投与後のマウスの肺のin vivoトランスフェクションのみを報告している。ヒト遺伝子治療手順のレビュー文献の一例は、Anderson,Science(1992)256:808−813である。
さらなる実施形態において、本開示の医薬組成物は、Han et al.,Nat.Comms.7,10981(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に提供されるように、追加的に炭水化物を含み得る。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5%のヘキソース炭水化物を含んでもよい。例えば、本開示の医薬組成物は、5%のグルコース、5%のフルクトース、または5%のマンノースを含んでもよい。ある特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、2.5%のグルコースおよび2.5%のフルクトースを含んでもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5体積%の量で存在するアラビノース、5体積%の量で存在するグルコース、5体積%の量で存在するソルビトール、5体積%の量で存在するガラクトース、5体積%の量で存在するフルクトース、5体積%の量で存在するキシリトール、5体積%の量で存在するマンノース、各々が2.5体積%の量で存在するグルコースとフルクトースの組み合わせ、ならびに5.7体積%の量で存在するグルコース、2.86体積%の量で存在するフルクトース、および1.4体積%の量で存在するキシリトールの組み合わせから選択される炭水化物を含んでもよい。
IV.使用方法
エクソンスキッピングを使用したジストロフィンリーディングフレームの回復
ジストロフィン遺伝子のアウトオブフレーム変異によって引き起こされるDMDの治療に対する潜在的な治療アプローチは、インフレーム変異によって引き起こされるBMDとして既知のより軽度な型のジストロフィン異常症によって示唆される。アウトオブフレーム変異をインフレーム変異に変換する能力は、仮定では、mRNAリーディングフレームを保持し、内部で短縮されたが機能的なジストロフィンタンパク質を産生する。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを、これを達成するように設計した。
PMOの標的プレmRNA配列でのハイブリダイゼーションは、プレmRNAスプライシング複合体の形成を妨げ、成熟mRNAからエクソン53を欠失させる。本開示のアンチセンスオリゴマーおよびアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの構造および配座により、相補的配列に対する配列特異的塩基対合が可能となる。類似の機構により、例えば、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51をスキップするよう設計されたPMOであるエテプリルセンは、ジストロフィンプレmRNAのエクソン51に含有される相補的配列に対する配列特異的塩基対合を可能にする。
全ての79個のエクソンを含有する正常なジストロフィンmRNAは、正常なジストロフィンタンパク質を産生する。図1の図は、エクソン47からエクソン53までのジストロフィンプレmRNAおよび成熟mRNAの小さい区分を示す。各エクソンの形状は、コドンがどのようにエクソン間で分割されるかを示す。注目すべきことに、1つのコドンは、3つのヌクレオチドからなる。長方形のエクソンは、完全なコドンで始まり、終わる。矢印形状のエクソンは、完全なコドンで始まるが、コドンのヌクレオチド#1のみを含有する分割コドンで終わる。このコドンのヌクレオチド#2および#3は、シェブロン形状で始まる後続のエクソンに含有される。
ジストロフィン遺伝子からエクソン全体を失っているジストロフィンmRNAは、典型的には、DMDをもたらす。図2の図は、DMDをもたらすことが知られている遺伝子変異のタイプ(エクソン50の欠失)を示す。エクソン49が完全なコドンで終了し、エクソン51がコドンの第2のヌクレオチドで始まるため、エクソン49の後のリーディングフレームはシフトされ、アウトオブフレームmRNAリーディングフレーム、および変異の下流の誤ったアミノ酸の組み込みをもたらす。その後、機能的なC末端ジストログリカン結合ドメインの非存在により、不安定なジストロフィンタンパク質が産生される。
エテプリルセンは、エクソン51をスキップして、mRNAリーディングフレームを回復させる。エクソン49が完全なコドンで終了し、エクソン52がコドンの第1のヌクレオチドで始まるため、エクソン51の欠失は、リーディングフレームを回復させ、「インフレーム」BMD変異に類似した、無傷のジストログリカン結合部位を有する内部で短縮されたジストロフィンタンパク質の産生をもたらす(図3)。
ジストロフィンmRNAオープンリーディングフレームを回復させるためにエクソンスキッピングを使用してDMD表現型を改善する実現可能性は、非臨床試験で裏付けられている。DMDのジストロフィー動物モデルにおける多くの研究は、エクソンスキッピングによるジストロフィンの回復が、筋力と筋機能の確実な改善をもたらすことを示している(Sharp 2011、Yokota 2009、Wu 2008、Wu 2011、Barton−Davis 1999、Goyenvalle 2004、Gregorevic 2006、Yue 2006、Welch 2007、Kawano 2008、Reay 2008、van Putten 2012)。この説得力のある例は、エクソンスキッピング(PMO使用)療法後のジストロフィンレベルを同じ組織の筋機能と比較した研究から得られるものである。ジストロフィーmdxマウスでは、マウスに特異的なPMOで処置した前脛骨(TA)筋が、ストレス誘導性収縮後にその最大許容力の約75%を維持したのに対し、未処置の対側TA筋は、その最大許容力の約25%しか維持しなかった(p<0.05)(Sharp2011)。別の研究では、3匹のジストロフィーCXMDイヌが、2〜5ヵ月齢において、週1回で5〜7週間または隔週で22週間、その遺伝子変異に対するPMO特異性を使用したエクソンスキッピング療法を受けた。エクソンスキッピング療法後、3匹のイヌ全てが、骨格筋におけるジストロフィンの広範囲の全身に及ぶ発現、ならびにベースラインと比較した歩行(15mのランニング試験)の維持または改善を示した。対照的に、未処置の同齢のCXMDイヌは、研究にわたって歩行の著しい低下を示した(Yokota 2009)。
ヒトDMD転写物全体を発現させるmdxマウスおよびヒト化DMD(hDMD)マウスモデルの両方において、PMOは、ホスホロチオエートよりも等モル濃度で多くのエクソンスキッピング活性を有することが示された(Heemskirk 2009)。エクソン51のスキッピングに適している異なる変異を有するDMD患者由来の正常なヒト骨格筋細胞または筋細胞における逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)およびウェスタンブロット(WB)を使用したin vitro実験は、エテプリルセン(PMO)をエクソン51のスキッピングの強力な誘導剤として特定した。エテプリルセン誘導エクソン51のスキッピングは、hDMDマウスモデルにおいてin vivoで確認されている(Arechavala−Gomeza 2007)。
ヒトジストロフィンプレmRNAのエクソン53の標的領域に相補的であり、エクソン53のスキッピングを誘導する、アンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートの効果を分析するための臨床転帰は、ジストロフィン陽性線維(PDPF)の割合、6分間歩行試験(6MWT)、歩行能力の喪失(LOA)、ノーススター歩行評価(NSAA)、肺機能検査(PFT)、外部の支持なしで(仰臥位から)立ち上がる能力、デノボジストロフィン産生、および他の機能的尺度を含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有する対象においてジストロフィンを産生するための方法を提供し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。ある特定の実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を有する対象において、mRNAリーディングフレームを回復させて、ジストロフィンタンパク質産生を誘導するための方法を提供する。タンパク質産生は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ウェスタンブロット分析、または免疫組織化学検査(IHC)によって測定され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有する対象においてジストロフィンを産生するための方法を提供し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。ある特定の実施形態において、本開示は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有するデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)を有する対象において、mRNAリーディングフレームを回復させて、ジストロフィンタンパク質産生を誘導するための方法を提供する。タンパク質産生は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ウェスタンブロット分析、または免疫組織化学検査(IHC)によって測定され得る。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDの治療を必要としている対象においてそれを行うための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDの治療を必要としている対象においてそれを行うための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているジストロフィン遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
様々な実施形態において、対象の治療は、疾患進行の遅延によって測定される。いくつかの実施形態において、対象の治療は、対象における歩行の維持、または対象における歩行能力の喪失の低減によって測定される。いくつかの実施形態において、歩行は、6分間歩行試験(6MWT)を使用して測定される。ある特定の実施形態において、歩行は、ノーススタート歩行評価(NSAA)を使用して測定される。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDを有する対象において肺機能を維持するか、または肺機能の喪失を低減するための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているDMD遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーコンジュゲートまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、本開示は、DMDを有する対象において肺機能を維持するか、または肺機能の喪失を低減するための方法を提供し、対象は、エクソン53のスキッピングに適しているDMD遺伝子の変異を有し、方法は、本明細書に記載されるように、アンチセンスオリゴマーまたはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。
いくつかの実施形態において、肺機能は、最大呼気圧(MEP)として測定される。ある特定の実施形態において、肺機能は、最大吸気圧(MIP)として測定される。いくつかの実施形態において、肺機能は、努力肺活量(FVC)として測定される。
さらなる実施形態において、本開示の医薬組成物は、Han et al.,Nat.Comms.7,10981(2016)(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に提供されるように、同じ製剤または別の製剤のいずれかで、本開示の方法において炭水化物と共投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5%のヘキソース炭水化物と共投与されてもよい。例えば、本開示の医薬組成物は、5%のグルコース、5%のフルクトース、または5%のマンノースと共投与されてもよい。ある特定の実施形態において、本開示の医薬組成物は、2.5%のグルコースおよび2.5%のフルクトースと共投与されてもよい。いくつかの実施形態において、本開示の医薬組成物は、5体積%の量で存在するアラビノース、5体積%の量で存在するグルコース、5体積%の量で存在するソルビトール、5体積%の量で存在するガラクトース、5体積%の量で存在するフルクトース、5体積%の量で存在するキシリトール、5体積%の量で存在するマンノース、各々が2.5体積%の量で存在するグルコースとフルクトースの組み合わせ、ならびに5.7体積%の量で存在するグルコース、2.86体積%の量で存在するフルクトース、および1.4体積%の量で存在するキシリトールの組み合わせから選択される炭水化物と共投与されてもよい。
様々な実施形態において、本開示のアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートは、治療有効量の非ステロイド性抗炎症化合物と
共投与される。いくつかの実施形態において、非ステロイド性抗炎症化合物は、NF−kB阻害剤である。例えば、いくつかの実施形態において、NF−kB阻害剤は、CAT−1004またはその薬学的に許容される塩であってもよい。様々な実施形態において、NF−kB阻害剤は、サリチル酸塩およびDHAのコンジュゲートであってもよい。いくつかの実施形態において、NF−kB阻害剤は、CAT−1041またはその薬学的に許容される塩である。ある特定の実施形態において、NF−kB阻害剤は、サリチル酸塩およびEPAのコンジュゲートである。様々な実施形態において、NF−kB阻害剤は、
、またはその薬学的に許容される塩である。
いくつかの実施形態において、非ステロイド性抗炎症化合物は、TGF−b阻害剤である。例えば、ある特定の実施形態において、TGF−b阻害剤は、HT−100である。
ある特定の実施形態において、療法で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。ある特定の実施形態において、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。ある特定の実施形態において、療法で使用するための薬剤の製造で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。ある特定の実施形態において、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療のための薬剤の製造で使用するための、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲートが記載されている。
V.キット
本開示はまた、遺伝的疾患を有する患者の治療のためのキットを提供し、このキットは、好適な容器に包装された、少なくともアンチセンス分子(例えば、本明細書に記載されるアンチセンスオリゴマーまたはアンチセンスオリゴマーコンジュゲート)を、その使用についての説明書と共に備える。キットは、例えば、緩衝液、安定剤などの周辺試薬も含み得る。当業者であれば、上記方法の用途が、多くの他の疾患の治療で使用するのに適したアンチセンス分子を同定するために幅広い用途を有することを理解するべきである。一実施形態において、キットは、式(III)によるアンチセンスオリゴマーコンジュゲートを含む。一実施形態において、キットは、式(V)によるアンチセンスオリゴマーを含む。
上記の開示は、理解を明確にする目的で、例示および実施例によってある程度詳細に記載されてきたが、本開示の教示を踏まえて、添付の特許請求の範囲の精神または範囲から逸脱することなく、ある特定の変更および修正がそれに対してなされ得ることは、当業者に容易に明らかになるであろう。以下の実施例は、例示としてのみ提供されるものであり、限定するものではない。当業者であれば、実質的に類似した結果をもたらすように変更または修正され得る様々な重要ではないパラメータを容易に認識するであろう。
材料および方法
細胞および組織培養処理条件
分化ヒト筋細胞(ZenBio,Inc.)を利用して、エクソンスキッピングを測定した。具体的には、筋芽細胞(ZenBio,Inc.、SKB−F)を、成長培地中(SKB−M、ZenBio,Inc.)中で37℃および5%のCO2において80〜90%コンフルエントに成長させた。成長培地を分化培地(SKM−D、ZenBio,Inc.)で置き換えることによって分化を開始させた。エクソン53スキッピングをアッセイするために、1×104個の分化細胞を24ウェルプレートに播種し、様々な濃度のPMOまたはPPMOを含む1mLの分化培地(SKM−D、ZenBio,Inc.)を各ウェルに添加し、96時間インキュベートした。
ウェスタンブロット分析
ウェスタンブロット分析のために、133μLの緩衝液中、直径約5mmで9〜18×20μmの組織切片の比率において、均質化緩衝液(4%のSDS、4M尿素、125mMトリス−HCl(pH6.8))を用いて組織を均質化した。対応する溶解物を採取し、製造業者の説明書に従ってRC DCタンパク質アッセイキット(BioRadカタログ番号500−0122)を使用して、タンパク質定量に供した。組織抽出物試料を、BSA標準曲線の範囲内に入るように、均質化緩衝液を使用して1:10に希釈した。25μlのタンパク質溶解物、7μlのNuPAGE LDS試料緩衝液(Life Technologiesカタログ番号NP0008、Carlsbad,California,USA)、および3μlのNuPAGE還元剤(10x)(Life Technologiesカタログ番号NP0004)を使用して、35μlの試料が所望の量のタンパク質を含有するように、試料を調製した。タンパク質試料を95℃で5分間加熱した後、試料を遠心分離し、上清を、NuPAGE Novex 10ウェル、1mm、ミニ3〜8%ポリアクリルアミドトリス−酢酸塩ゲル(Life Technologiesカタログ番号EA0375)上に、1レーン当たり最大50μgの総タンパク質負荷量でロードした。ゲルを、色素前面がゲルから流出するまで、室温において150ボルトで泳動した。得られたタンパク質ゲルを、NuPAGE転写緩衝液(Life Technologies NP006−1)、10%メタノール、および0.1% NuPAGE酸化防止剤(Life Technologies NP0005)を使用して、30ボルトで、室温において75分間、PVDF膜(Life Technologiesカタログ番号LC2007)に移した。
タンパク質転写後、PVDF膜をTTBS緩衝液(1X TBS(Amrescoカタログ番号J640−4L)、0.1%(v/v)tween(登録商標)−20)に浸漬した。膜をブロッキング緩衝液(TTBS中の5%(w/v)脱脂粉乳(Lab Scientificカタログ番号M0841))に移し、静かに揺動させながら4℃で一晩浸した。ブロッキング後、膜を、ブロッキング緩衝液を使用して1:20に希釈したDYS1(Leicaカタログ番号NCL−DYS1)中で室温において60分間、またはブロッキング緩衝液で1:100,000に希釈した抗−α−アクチニン抗体(Sigma−Aldrichカタログ番号NA931V)中で室温において20分間のいずれかでインキュベートし、続いて6回洗浄した(TTBSで各5分間)。西洋ワサビペルオキシダーゼ(GE Healthcareカタログ番号NA931V)にコンジュゲートした抗マウスIgGを、ブロッキング緩衝液を使用して1:40,000に希釈し、膜に45分間(DYS1)または15分間(α−アクチニン)添加し、続いて再び6回洗浄した。ECL Prime Western Detection Kit(GE Healthcareカタログ番号RPN2232)を使用して、フィルムをゲルに曝露し、それに応じて現像した。現像したフィルムを、ImageQuant TL Plusソフトウェア(バージョン8.1)を使用してスキャンおよび分析し、Graphpadソフトウェアを使用して線形回帰分析を実施した。
各ウェスタンブロットゲルは、例えば64%、16%、4%、1%、および0.25%に希釈した正常組織(マウス大腿四頭筋、横隔膜、または心臓)から抽出され(例えば、図5Aおよび図5Bを参照)、DMD組織(例えば、mdxマウス大腿四頭筋、横隔膜、もしくは心臓、またはNHP大腿四頭筋、横隔膜、もしくは平滑筋(GI))抽出物にスパイクした、総タンパク質を使用して調製された4点または5点のジストロフィン標準曲線を含む。標準曲線試料を、上記のように処理した。ジストロフィンバンド強度をゲル標準曲線と比較することによって、野生型ジストロフィンレベルのパーセント(%WT)としてのジストロフィンタンパク質レベルを決定した。
RT−PCR分析
RT−PCR分析のために、製造業者のプロトコルに従ってIllustra GEスピンキットを使用して、RNAを細胞から単離した。RNAの濃度および純度を、NanoDropを使用して決定した。エクソン53のスキッピングを、エクソン51/52接合部および54配列番号74(5’−CATCAAGCAGAAGGCAACAA−3’)を結合する順方向プライマーと、エクソン51/52接合部および54配列番号 75(5’−GAAGTTTCAGGGCCAAGTCA−3’)を結合する逆方向プライマーとを用いて、RT−PCRによって測定した。スキップされたエクソン53は、201bpのアンプリコンを生じ、スキップされていないエクソン53は、413bpのアンプリコンを生じさせた。
マウスエクソン23のスキッピングを、順方向プライマー配列番号76(5’−CACATCTTTGATGGTGTGAGG−3’)、および逆方向プライマー配列番号77(5’−CAACTTCAGCCATCCATTTCTG−3’)を用いて、RT−PCRによって測定した。
RNAをRT−PCRに供した後、ゲルキャピラリー電気泳動を使用するCaliper装置を使用して、試料を分析した。エクソンスキッピング率を、以下の方程式を使用して計算した:(スキップされたバンドの曲線下面積)/(スキップされたバンドおよびスキップされていないバンドの曲線下面積の合計)×100。
免疫組織化学検査:ジストロフィン染色:
マウス大腿四頭筋の10ミクロンの凍結組織切片を使用して、PBS中10%ヤギ血清+1% BSA中のジストロフィン一次抗体(希釈1:250、ウサギ、Abcam、カタログ番号ab15277)、および10%ヤギ血清+1% BSA中の二次抗体Alexa−Fluoro 488ヤギ抗ウサギ(希釈1:1000)によって、ジストロフィンを検出した。
モルホリノサブユニットの調製
スキーム1を参照すると、Bは、塩基対合部分を表し、モルホリノサブユニットは、示されるように、対応するリボヌクレオシド(1)から調製されてもよい。モルホリノサブユニット(2)は、好適な保護基前駆体、例えば、塩化トリチルとの反応によって
必要に応じて保護されてもよい。3’保護基は概して、以下により詳細に記載されるように、固体オリゴマー合成中に除去される。塩基対合部分は、固相オリゴマー合成に対して好適に保護され得る。好適な保護基としては、アデニンおよびシトシンに対するベンゾイル、グアニンに対するフェニルアセチル、およびヒポキサンチン(I)に対するピバロイルオキシメチルが挙げられる。ピバロイルオキシメチル基は、ヒポキサンチン複素環塩基のN1位置に導入され得る。保護されていないヒポキサンチンサブユニットが用いられてもよいが、活性化反応における収率は、塩基が保護されている場合にはるかに優れている。他の好適な保護基には、米国特許第8,076,476号に開示されているものが含まれ、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
活性化されたリン化合物4と3の反応は、所望のリンケージ部分5を有するモルホリノサブユニットをもたらす。
構造4の化合物は、当業者に既知の様々な方法を使用して調製され得る。次いで、モルホリノ部分とのカップリングは、上記に概説されるとおりに進む。
構造5の化合物は、サブユニット間リンケージを含むオリゴマーを調製するための固相オリゴマー合成に使用され得る。そのような方法は、当該技術分野で周知である。簡潔に、構造5の化合物は、5’末端で修飾されて、固体支持体へのリンカーを含有してもよい。一旦支持されると、5の保護基(例えば、3’末端のトリチル)は除去され、遊離アミンは、構造5の第2の化合物の活性化リン部分と反応する。この配列は、所望の長さのオリゴが得られるまで繰り返される。末端の3’末端の保護基は、3’修飾が所望される場合、除去されるか、またはそのままにされるかのいずれかであってもよい。オリゴは、様々な方法、または固体支持体へのリンケージを切断するための塩基を用いた例示的な処理を使用して、固体支持体から除去され得る。
本開示の一般的および具体的なモルホリノオリゴマーにおけるモルホリノオリゴマーの調製は、実施例においてより詳細に説明される。
モルホリノオリゴマーの調製
本開示の化合物の調製は、スキーム2に従って、以下のプロトコルを使用して実施される。
トリチルピペラジンフェニルカルバメート35の調製:ジクロロメタン中の化合物11の冷却懸濁液(6mL/g 11)に、水中の炭酸カリウム(3.2当量)の溶液(4mL/g炭酸カリウム)を添加した。この二相混合物に、ジクロロメタン中のクロロギ酸フェニル(1.03当量)の溶液(2g/gクロロギ酸フェニル)をゆっくりと添加した。反応混合物を20℃に加温した。反応完了時(1〜2時間)に、層を分離した。有機層を水で洗浄し、無水炭酸カリウム上で乾燥させた。生成物35をアセトニトリルからの結晶化によって単離した。
カルバメートアルコール36の調製:水素化ナトリウム(1.2当量)を、1−メチル−2−ピロリジノン中に懸濁した(32mL/g水素化ナトリウム)。この懸濁液に、トリエチレングリコール(10.0当量)および化合物35(1.0当量)を添加した。得られたスラリーを95℃に加熱した。反応完了時(1〜2時間)に、混合物を20℃に冷却した。この混合物に、30%ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル(v:v)および水を添加した。生成物含有有機層を、水性NaOH、水性コハク酸、および飽和水性塩化ナトリウムで連続的に洗浄した。生成物36を、ジクロロメタン/メチルtert−ブチルエーテル/ヘプタンからの結晶化によって単離した。
テール酸37の調製:テトラヒドロフラン中の化合物36の溶液(7mL/g 36)に、コハク酸無水物(2.0当量)およびDMAP(0.5当量)を添加した。混合物を50℃に加熱した。反応完了時(5時間)に、混合物を20℃に冷却し、水性NaHCO3を用いてpH8.5に調整した。メチルtert−ブチルエーテルを添加し、生成物を水層中に抽出した。ジクロロメタンを添加し、混合物を水性クエン酸でpH3に調整した。生成物含有有機層を、pH=3のクエン酸緩衝液と飽和水性塩化ナトリウムの混合物で洗浄した。この37のジクロロメタン溶液を、化合物38の調製において単離することなく使用した。
38の調製:化合物37の溶液に、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド(HONB)(1.02当量)、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(0.34当量)、次いで1−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(1.1当量)を添加した。混合物を55℃に加熱した。反応完了時(4〜5時間)に、混合物を20℃に冷却し、1:1の0.2Mクエン酸/ブラインおよびブラインで連続的に洗浄した。ジクロロメタン溶液は、アセトンへの、次いでN,N−ジメチルホルムアミドへの溶媒交換を受け、生成物を、アセトン/N,N−ジメチルホルムアミドから飽和水性塩化ナトリウム中への沈殿によって単離した。粗生成物を水中で数回再スラリー化して、残留N,N−ジメチルホルムアミドおよび塩を除去した。
PMO合成方法A:ジスルフィドアンカーの使用
アンカー
充填樹脂への活性化「テール」の導入を、固相合成中のサブユニットの組み込みに使用される手順によって、ジメチルイミダゾリジノン(DMI)中で実施した。
この手順を、粗多孔性(40〜60μm)ガラスフリット、オーバーヘッド撹拌器、およびテフロン(登録商標)三方活栓を備えた、シラン処理したジャケット付きペプチド容器(ChemGlass,NJ,USA)内で実施して、N2がフリットを通して泡立つことまたは真空抽出を可能にした。
以下の手順の樹脂処理/洗浄液ステップは、樹脂流動化または撹拌床反応器および溶媒/溶液抽出の2つの基本操作からなる。樹脂流動化については、N2がフリットを通って上方に流れることを可能にするように活栓を配置し、指定の樹脂処理/洗浄液を反応器に加え、樹脂を浸透させ、完全に湿らせた。次いで、混合を開始し、樹脂スラリーを所定時間混合した。溶媒/溶液抽出については、混合およびN2流動を停止し、真空ポンプを起動し、次いで、樹脂処理/洗浄液の廃棄物への排出を可能にするように活栓を配置した。特に記載のない限り、樹脂処理/洗浄液の体積は全て、15mL/gの樹脂であった。
シラン処理したジャケット付きペプチド容器内のアミノメチルポリスチレン樹脂(100〜200メッシュ;窒素置換に基づいて約1.0mmol/g充填;75g、1当量、Polymer Labs,UK、部品番号1464−X799)に、1−メチル−2−ピロリジノン(NMP;20mL/g樹脂)を添加し、樹脂を1〜2時間混合しながら膨潤させた。膨潤溶媒の排出後、樹脂をジクロロメタン(2×1〜2分)、25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミン(2×3〜4分)、およびジクロロメタン(2×1〜2分)で洗浄した。最終洗浄液の排出後、樹脂を、1−メチル−2−ピロリジノン中のジスルフィドアンカー34の溶液(0.17M;15mL/g樹脂、約2.5当量)で処理し、樹脂/試薬混合物を45℃で60時間加熱した。反応完了時に、加熱を中断し、アンカー溶液を排出し、1−メチル−2−ピロリジノン(4×3〜4分)およびジクロロメタン(6×1〜2分)で樹脂を洗浄した。樹脂を、ジクロロメタン中の10%(v/v)二炭酸ジエチルの溶液(16mL/g、2×5〜6分)で処理し、次いで、ジクロロメタン(6×1〜2分)で洗浄した。樹脂39を、N2流下で1〜3時間、次いで、真空下で一定重量(±2%)になるまで乾燥させた。収率:元の樹脂重量の110〜150%
アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の充填の決定:樹脂の充填量(潜在的に利用可能な反応部位の数)を、樹脂1グラム当たりのトリフェニルメチル(トリチル)基の数について分光アッセイによって決定する。
既知の重量の乾燥樹脂(25±3mg)をシラン処理した25mLのメスフラスコに移し、ジクロロメタン中の約5mLの2%(v/v)トリフルオロ酢酸を添加する。内容物を穏やかに旋回させて混合し、30分間放置する。体積は、さらなるジクロロメタン中の2%(v/v)トリフルオロ酢酸で最大25mLになり、内容物を完全に混合する。ポジティブディスプレイスメント式ピペットを使用して、トリチル含有溶液(500μL)のアリコートを10mLのメスフラスコに移し、その体積をメタンスルホン酸で10mLにする。
最終溶液中のトリチルカチオン含有量を、431.7nmのUV吸光度によって測定し、樹脂充填量を、適切な体積、希釈、吸光係数(ε:41μmol−1cm−1)、および樹脂重量を使用して、樹脂1グラム当たりのトリチル基(μmol/g)で測定する。アッセイを三つ組で実施し、平均充填量を計算する。
本実施例の樹脂充填手順は、約500μmol/gの充填量を樹脂に提供する。ジスルフィドアンカー組み込みステップを室温で24時間実施する場合、300〜400μmol/gの充填量を得た。
テール充填:アミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂の調製と同じ設定および体積を使用して、テールを固体支持体に導入することができる。アンカー充填樹脂を最初に酸性条件下で脱保護し、カップリング前に得られた材料を中和した。カップリングステップでは、ジスルフィドアンカー溶液の代わりに、4−エチルモルホリン(NEM、0.4M)を含有するDMI中の38の溶液(0.2M)を使用した。45℃で2時間後、樹脂39を25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで2回、およびDCMで1回洗浄した。樹脂に、無水安息香酸(0.4M)およびNEM(0.4M)の溶液を添加した。25分後、反応器ジャケットを室温に冷却し、樹脂を25%イソプロパノール/ジクロロメタン中の5%ジイソプロピルエチルアミンで2回、およびDCMで8回洗浄した。樹脂40を濾過し、高真空下で乾燥させた。樹脂40の充填を、テール充填で使用される元のアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂39の充填と定義する。
固相合成:モルホリノオリゴマーを、2mLのGilsonポリプロピレン反応カラム(部品番号3980270)内のGilson AMS−422 Automated Peptide Synthesizer上で調製した。カラムを合成器上に置いたときに、水流用のチャネルを備えたアルミニウムブロックをそのカラムの周囲に配置した。AMS−422は別の方法として、試薬/洗浄溶液を添加し、指定の時間保持し、真空を使用してカラムを空にする。
最大約25サブユニットの長さの範囲のオリゴマーについては、500μmol/g樹脂に近い充填量を伴うアミノメチルポリスチレンジ−スルフィド樹脂が好ましい。より大きいオリゴマーについては、300〜400μmol/g樹脂の充填量を伴うアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂が好ましい。5’−テールを有する分子が所望される場合、テールが充填された樹脂は、同じ充填ガイドラインで選択される。
以下の試薬溶液を調製した:
脱トリチル化溶液:4:1ジクロロメタン/アセトニトリル中の10%シアノ酢酸(w/v)
中和溶液:3:1ジクロロメタン/イソプロパノール中の5%ジイソプロピルエチルアミン、ならびに
カップリング溶液:1,3−ジメチルイミダゾリジノン中の、所望の塩基およびリンケージタイプの0.18M(または20サブユニットよりも長く成長したオリゴマーについては0.24M)活性化モルホリノサブユニット、および0.4M Nエチルモルホリン。
ジクロロメタン(DCM)を、異なる試薬溶液の洗浄液を分離する移行洗浄液として使用した。
合成器上で、ブロックを42℃に設定して、30mgのアミノメチルポリスチレン−ジスルフィド樹脂(またはテール樹脂)を含む各カラムに、2mLの1−メチル−2−ピロリジノンを
添加し、室温で30分間放置した。2mLのジクロロメタンで2回洗浄した後、以下の合成サイクルを用いた。
個々のオリゴマーの配列を、各カラムが適切な配列中の適切なカップリング溶液(A、C、G、T、I)を受けるように合成器にプログラムした。カラム内のオリゴマーがその最終サブユニットの組み込みを完了したとき、カラムをブロックから除去し、0.89M 4−エチルモルホリンを含有する4−メトキシトリフェニルメチルクロリド(DMI中0.32M)から構成されるカップリング溶液を用いて、手動で最終サイクルを実施した。
樹脂からの切断ならびに塩基および骨格保護基の除去:メトキシトリチル化後、樹脂を2mLの1−メチル−2−ピロリジノンで8回洗浄した。1−メチル−2−ピロリジノン中の0.1M 1,4−ジチオスレイトール(DTT)および0.73Mトリエチルアミンからなる1mLの切断溶液を添加し、カラムに蓋をし、室温で30分間放置した。その後、12mLのWheatonバイアルに排出した。大きく収縮した樹脂を300μLの切断溶液で2回洗浄した。溶液に、4.0mLの水性濃アンモニア(−20℃で保存)を添加し、バイアルにきつく蓋をし(テフロン(登録商標)ライナー付きスクリューキャップで)、混合物を旋回させて溶液を混合した。バイアルを45℃のオーブン内に16〜24時間置き、塩基および骨格保護基の切断をもたらした。
粗生成物精製:バイアル入りのアンモノリシス溶液をオーブンから取り出し、室温に冷却させた。溶液を20mLの0.28%水性アンモニアで希釈し、Macroprep HQ樹脂(BioRad)を含む2.5×10cmのカラムに通した。塩勾配(A:0.28%アンモニア、B:0.28%アンモニア中の1M塩化ナトリウム、60分間で0〜100% B)を使用して、メトキシトリチル含有ピークを溶出した。組み合わせた画分をプールし、所望の生成物に応じてさらに処理した。
モルホリノオリゴマーの脱メトキシトリチル化:Macroprep精製からのプールされた画分を1MのH3PO4で処理して、pHを2.5に低下させた。最初の混合後、試料を室温で4分間放置し、その際に2.8%アンモニア/水でpH10〜11に中和した。生成物を固相抽出(SPE)によって精製した。
SPEカラム充填およびコンディショニング:Amberchrome CG−300M(Rohm and Haas;Philadelphia,PA)(3mL)を、20mLフリットカラム(BioRad Econo−Pac Chromatography Columns(732−1011))に充填し、樹脂を3mLの以下のものですすぐ:0.28% NH4OH/80%アセトニトリル;0.5M NaOH/20%エタノール;水;50mM H3PO4/80%アセトニトリル;水;0.5 NaOH/20%エタノール;水;0.28% NH4OH。
SPE精製:脱メトキシトリチル化からの溶液をカラムに充填し、樹脂を3〜6mLの0.28%水性アンモニアで3回すすいだ。Wheatonバイアル(12mL)をカラムの下に配置し、生成物を、0.28%水性アンモニア水中の2mLの45%アセトニトリルで2回洗浄することによって溶出した。
生成物単離:溶液をドライアイス中で凍結させ、バイアルを凍結乾燥機に入れ、ふわふわした白色粉末を得た。試料を水に溶解し、0.22ミクロンのフィルタ(Pall Life Sciences、Acrodisc 25mmのシリンジフィルタ、0.2ミクロンのHT Tuffryn膜を備える)を通して、シリンジを使用して濾過し、UV分光光度計上で光学密度(OD)を測定して、存在するオリゴマーのOD単位を決定し、かつ分析用に試料を分配した。次いで、溶液を、凍結乾燥のためにWheatonバイアルに戻した。
MALDIによるモルホリノオリゴマーの分析:MALDI−TOF質量分析を使用して、精製物中の画分の組成を決定し、かつオリゴマーの同一性(分子量)の証拠を提供した。3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸(シナピン酸)、3,4,5−トリヒドキシアセトフェノン(THAP)、またはアルファ−シアノ−4−ヒドキシケイ皮酸(HCCA)の溶液をマトリックスとして用いて希釈した後、試料を実験した。
CPPコンジュゲート化(以下に開示する配列番号72および72)
分析手順:マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量スペクトル(MALDI−TOF−MS)を、シナピン酸(SA)マトリックスを使用して、Bruker Autoflex(商標)Speed上で記録した。3000ダイオードアレイ検出器およびProPacTM SCX−20カラム(250×4mm)を備えたThermo Dionex UltiMate 3000システム上で、1.0mL/分の流速(pH=2、カラム温度30℃)を使用して、SCX−HPLCを実施した。移動相は、A(24mMのH
3PO
4を含有する水中の25%アセトニトリル)およびB(1MのKClおよび24mMのH
3PO
4を含有する水中の25%アセトニトリル)であった。勾配溶出を用いた:0分、35% B;2分、35% B;22分、80% B;25分、80% B;25.1分、35% B;30分、35% B。
PMO−A(1.82g、0.177mmol、2日間の凍結乾燥により新たに乾燥させたもの、以下の表に記載)
(式中、1〜25および5’から3’の各Nuは、(配列番号78)である)
Ac−L−Arg−L−Arg−L−Arg−L−Arg−L−Arg−L−Arg−Gly−OH(配列番号72)ヘキサトリフルオロ酢酸塩(614.7mg、0.354mmol)、および1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシドヘキサトリフルオロリン酸塩(HATU、134.4mg、0.354mmol)の混合物に、ジメチルスルホキシド(DMSO、20mL)を添加した。混合物を室温で3分間撹拌し、次いで、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA、68.5mg、0.530mmol)を添加した。5分後、濁った混合物は、澄明な溶液になった。反応をSCX−HPLCによって監視した。2時間後、20mLの10%水酸化アンモニウム溶液(2.8% NH3)を添加した。混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応を400mLの水の添加によって終了した。トリフルオロエタノール(2.0mL)を溶液に添加した。
溶液を2つの部分に分割し、各部分をWCXカラム(カラム当たり10gの樹脂)によって精製した。各WCXカラムを最初に水中の20%アセトニトリル(v/v)で洗浄して、PMO#1出発物質を除去した。MALDI−TOF質量スペクトル分析がPMO#1シグナルの非存在を示したとき、洗浄(各カラムに対して225mL)を中止した。次いで、各カラムを水(カラム当たり100mL)で洗浄した。所望の生成物、PPMO#1を2.0MのグアニジンHCl(各カラムに対して140mL)で溶出した。PPMO#1の精製溶液を一緒にプールし、次いで2つの部分に分割し、それぞれSPEカラム(各カラムに対して10gの樹脂)によって脱塩した。
SPEカラムを、最初に1.0MのNaCl水溶液(各カラムに対して100mL)で洗浄して、PPMO#1の六塩酸塩を生成した。次いで、各SPEカラムを水(各カラムに対して200mL)で洗浄した。最終の脱塩したPPMO#1を、水中の50%アセトニトリル(v/v、各カラムに対して150mL)によって溶出した。アセトニトリルを減圧下での排出によって除去した。得られた水溶液を凍結乾燥させて、所望のコンジュゲートPPMO#1六塩酸塩(1.93g、収率94.5%)を得た。
実施例1:エクソン53のin vitroスキッピング(RD細胞)
以下の表に記載されるヒトジストロフィン(DMD)エクソン53を標的とするPMO化合物を、上記の方法に従って合成し、ヒト横紋筋肉腫(RD)細胞においてDMDエクソン53スキッピングについて評価した。
具体的には、ヒトRD細胞を、標準的な技術を使用して、ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)+10%ウシ胎仔血清(FBS)中で培養した。凍結乾燥したPMOを約1.0mMでヌクレアーゼフリー水に再懸濁し、容量モル濃度を検証するために、PMO溶液をNanoDrop 2000分光光度計(Thermo Scientific)を使用して測定した。製造業者の説明書およびSGキット(Lonza)に従ってヌクレオポレーションを使用して、PMOをRD細胞に送達した。
PMOを、示されている濃度で試験し、37℃、5%CO2のインキュベーター中で24時間インキュベートした(24ウェルプレートのウェル当たり4×105細胞(n=3))。RNAを、GE HealthcareのRNAspin 96ウェルRNA単離キットを使用してPMO処理細胞から抽出し、以下のように、標準的な技術および示されているエクソン由来のプライマーを使用してRT−PCRに供した。エクソン53プライマーは、エクソン52および54由来であった。
Caliper LabChipバイオアナライザーを使用してスキッピングを測定し、以下の式によりエクソンスキッピング%(すなわち、全長PCR産物に対するエクソンスキップされた産物のバンド強度)を計算した:
[エクソン53スキップされた産物/(エクソン53スキップされた産物とエクソン53スキップされていない産物との合計)*100]。
結果が以下の表および図XおよびYに示される。
実施例2: in vitro(筋芽細胞)でのエクソン53スキッピング
以下の表に記載されるヒトジストロフィン(DMD)エクソン53を標的とする実施例1のPMO化合物および対応するPPMO化合物(上記の方法に従って調製)を、健康なヒトの筋芽細胞においてDMDエクソン53スキッピングについて評価した。
具体的には、健康なヒト筋芽細胞(Zen−Bio,Inc.から購入した継代5〜6、SKB−F−SL)を、約40%の密集度で播種し、SKM−M培地(Zen−Bio,Inc.)中で、様々な濃度(すなわち、40μm、20μm、10μm、5μm、2.5μm、および1.25μm)のPMOおよびPPMOで処理する。96時間のインキュベーション後、筋芽細胞をPBSで洗浄し、Illustra GE RNAspin 96キット(カタログ番号25−055−75、GE Healthcare Bio−Sciences)中のRA1溶解緩衝液によって溶解する。RNAを溶出するために40μLのRNaseフリー水を使用したことを除いて、製造業者の推奨に従って全RNAを単離する。
エクソン53スキッピングを決定するために、2段階エンドポイントRT−PCRを実施する。具体的には、11マイクロリットルの全RNAを、最初に、SuperScript IV First−strand合成キット(カタログ番号18091200、Invitrogen)によって、製造業者の説明書に従ってランダムヘキサマーを使用して、cDNAに逆転写する。ヒトDMDエクソン51/52接合部および54を標的としたプライマー(順方向プライマー:(配列番号74):CATCAAGCAGAAGGCAACAA;逆方向プライマー(配列番号75):GAAGTTTCAGGGCCAAGTCA)を用いて、9μLのcDNAをPlatinum Taq DNAポリメラーゼPCR Supermix High Fidelity(カタログ番号12532024、Invitrogen)に添加することによって、PCRを実施する。PCR増幅を、BioRad CFX96リアルタイムサーモサイクラーを使用して、表2に示されるプログラムを使用して実施する。スキップされたPCR産物またはスキップされていないPCR産物の発現を、DNA High Sensitivity Reagentキット(CLS760672、Perkin Elmer)を使用して、32μLのPCR産物をLabChip GXシステム上に充填することによって評価する。DMDエクソン53スキッピングの割合を、スキップされた(201bp)およびスキップされていない(413bp)バンドの合計容量モル濃度と比較した、エクソン53スキップされたバンド(201bp)の容量モル濃度(nmol/L)の割合として計算する。
群の平均値が各用量において互いに統計的に異なるかどうかを評価するために、両側不対スチューデントt検定(等分散的)を使用する。0.05未満のP値は、統計的に有意であると考えられる。
実施例3:MDXマウス研究
mdxマウスは、ジストロフィン遺伝子のエクソン23の変異を含む、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)について一般に認められ、よく特徴付けられた動物モデルである。M23Dアンチセンス配列(配列番号73)は、エクソン23スキッピングを誘導し、機能的ジストロフィン発現を回復させることが知られている。6〜7週齢のMDXマウスに、40mg/kgの用量で、または生理食塩水と共に、以下の表のPPMO4225またはPMO4225のいずれかの尾静脈への単回注射を与えた。
PMO4225およびPPMO4225を各々、上記のPMO方法AおよびCPPコンジュゲーション方法によって調製した。
処置したマウスを、単回用量注射の7、30、60、および90日後に屠殺した(群当たりn=6)。横隔膜、心臓、および右大腿四頭筋を、ジストロフィンタンパク質の産生を測定するためのウェスタンブロット分析、およびエクソンスキッピングの割合を測定するためのRT−PCR分析のために処理し、左大腿四頭筋を上記のように免疫組織化学検査およびH/E染色のために処理した。
ジストロフィンタンパク質回復をウェスタンブロットによって定量し、エクソン23スキッピングの割合を上記のように各々RT−PCRによって測定した。
RT−PCRおよびウェスタンブロットの結果が、図5A〜図10Bおよび以下の表に示される。驚くべきことに、PPMO4225は、PMO4225と比較して、有意により高く持続的なレベルのジストロフィン回復およびエクソン23スキッピングを誘導し、最も高いレベルは、注射後30日目に生じた。さらに驚くべきことに、PMO4225が心臓内のジストロフィンレベルを増加させなかったときに、PPMO4225は、増加させた。PMO4225では、全ての時点で、心臓内のジストロフィンおよびエクソンスキッピングは観察されなかった。
免疫組織化学検査の結果が図11に示される。ここで、PPMO4225は、大腿四頭筋全体にわたってジストロフィンを回復させるが、4225は「斑状」の発現パターンをもたらす。PPMO4225処置によるジストロフィンの均一な分布は、骨格筋の広範な標的化が達成可能であることを示す。PPMO4225は、in vivoでPMO4225よりも有意に改善された送達を有する。
実施例4:MDXマウス用量反応試験
6〜7週齢のMDXマウスに、40mg/kg、80mg/kg、または120mg/kgの用量で、上記のPPMO4225またはPMO4225のいずれかの尾静脈への単回注射を与えた(群当たりn=6)。
処置したマウスを、注射の30日後に屠殺した。横隔膜、大腿四頭筋、および心臓を、ウェスタンブロット分析のために処
理して、以下の修正を伴う上記のウェスタンブロットプロトコル(例えば、実施例3で使用)に基づいて、ジストロフィンタンパク質の産生を測定した。
野生型の割合としてのジストロフィンタンパク質回復が、以下の表および図12〜図15に示される。
驚くべきことに、データは、PPMO4225の単回用量が、PMO4225よりも有意にかつ実質的に大きい程度まで、mdxマウスにおいて用量依存的にジストロフィンレベルを増加させることを示す。
実施例5:横隔膜および心臓のMDXマウスIHC研究
6〜7週齢のMDXマウスに、80mg/kgの用量のPPMO4225または生理食塩水の尾静脈への単回注射を与え、6〜7週齢の野生型マウスに、生理食塩水の単回注射を与えた。処置したmdxマウス、生理食塩水mdxマウス、および野生型マウスを、単回用量注射の30日後に屠殺した(群当たりn=4)。免疫組織化学検査の結果が図19に示される。ここで、結果は、PPMO4225で治療したmdxマウスにおけるDMDの罹患率および死亡率に関連する、組織におけるジストロフィンの均一な増加を示す。
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本明細書で引用される全ての出版物および特許出願は、各個々の出版物または特許出願が具体的かつ個々に参照によって組み込まれるように指示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
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