発明の概要
本発明の目的は、特にがんなどの細胞増殖性疾患、さらには炎症性疾患および/または神経変性疾患も処置するための薬学的活性のある薬剤として使用することができる化合物および/またはその薬学的に許容される塩、ならびにこれらの化合物および/またはその薬学的に許容される塩のうちの少なくとも1種を薬学的活性成分として含む組成物を提供することである。
第1の態様では、本発明は、一般式I:
(式中、
X
1は、存在する各々において独立して、CR
3およびNから選択され、
X
2は、存在する各々において独立して、CR
4およびNから選択され、
nは、存在する各々において独立して、0、1および2から選択され、
Aは、存在する各々において、以下のW基;
に示されている任意の構造から独立して選択され、
R
1は、存在する各々において、水素;C
1〜C
6アルキル;OR
5およびNR
5R
6のうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキル;−(C=O)R
5からなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R
2は、存在する各々において、C
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキル;−NR
7R
8;−OR
8からなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R
3およびR
4は、存在する各々において、水素;ハロゲン、例えば、ClまたはF;C
1〜C
3アルキル;OR
5;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R
5およびR
6は、存在する各々において、水素;C
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R
7は、存在する各々において、水素;C
1〜C
6アルキル;OR
5およびNR
5R
6のうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R
8は、存在する各々において、水素;−CH(CH
3)
2;−C(CH
3)
3;C
3〜C
10シクロアルキル;C
3〜C
10ヘテロシクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキル;OR
5およびNR
5R
6のうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキル;ならびにC
3〜C
10シクロアルキル、C
3〜C
10ヘテロシクロアルキルおよびC
1〜C
4ハロアルキルのうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
Z
1は、存在する各々において、水素;C
1〜C
6アルキル;(=O)、CN、OR
5およびNR
5R
6のうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;ハロゲン、OR
7およびNR
9R
10のうちの1つまたはいくつかで置換されているC
3〜C
10シクロアルキル;C
3〜C
10ヘテロシクロアルキル;ハロゲン、C
1〜C
6アルキル、C
3〜C
10シクロアルキルおよびC
1〜C
4ハロアルキルのうちの1つまたはいくつかで置換されているC
3〜C
10ヘテロシクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、
R
9およびR
10は、存在する各々において、水素;C
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R
11およびR
12は、存在する各々において、C
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;C
3〜C
10ヘテロシクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されている)
を有する化合物およびその薬学的に許容される塩に関する。
一実施形態では、本発明による化合物は、一般式II:
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
11、R
12、Z
1、X
1、X
2およびnは上で定義された通りである)およびその薬学的に許容される塩を有する。
一実施形態では、本発明による化合物は、一般式III:
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、Z
1、X
1、X
2およびnは上で定義された通りである)およびその薬学的に許容される塩を有し、
好ましくは、
R
3およびR
4が、存在する各々において、水素;ハロゲン、例えば、ClまたはF;必要に応じて置換されているC
1〜C
3アルキルからなる群から独立して選択され、
R
8が、存在する各々において、水素;−CH(CH
3)
2;−C(CH
3)
3;C
3〜C
10シクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキル;OR
5およびNR
5R
6のうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキル
;またはC
3〜C
10シクロアルキルおよびC
1〜C
4ハロアルキルのうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
Z
1が、存在する各々において、水素;C
1〜C
6アルキル;OR
5およびNR
5R
6のうちの1つまたは2つで置換されているC
1〜C
6アルキル;C
3〜C
10シクロアルキル;ハロゲン、OR
7およびNR
9R
10のうちの1つまたはいくつかで置換されているC
3〜C
10シクロアルキル;C
3〜C
10ヘテロシクロアルキル;ハロゲン、C
1〜C
6アルキル、C
3〜C
10シクロアルキルおよびC
1〜C
4ハロアルキルのうちの1つまたはいくつかで置換されているC
3〜C
10ヘテロシクロアルキル;C
1〜C
4ハロアルキルからなる群から独立して選択される化合物、およびその薬学的に許容される塩である。
一実施形態では、本発明による化合物は、一般式IV:
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、Z
1、X
2およびnは上で定義された通りである)およびその薬学的に許容される塩を有する。
一実施形態では、本発明による化合物は、一般式V:
(式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、Z
1およびnは上で定義された通りであり、
ここで、好ましくは、
R
3およびR
4が水素である)
およびその薬学的に許容される塩を有する。
一実施形態では、n=0または1であり、Z1は、C1〜C6アルキル、特にメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル;C3〜C10シクロアルキル、特にC3シクロアルキル;C3〜C10ヘテロシクロアルキル;OR5およびNR5R6のうちの1つまたは2つで置換されているC1〜C6アルキル、ならびにその薬学的に許容される塩から選択される。
一実施形態では、R2はOR8であり、R8は、−CH(CH3)2;−C(CH3)3;C1〜C4ハロアルキル;C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキルおよびC1〜C4ハロアルキルのうちの1つまたは2つで置換されているC1〜C6アルキル;またはC1〜C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロプロピル、ジフルオロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、およびフルオロイソプロピルのうちの1つで置換されているC1〜C6アルキル、ならびにその薬学的に許容される塩から選択される。
一実施形態ではn=0または1であり、Z1は、C1〜C6アルキル、特にメチル、エチル、プロピルまたはイソプロピル;C3〜C10シクロアルキル、特にC3シクロアルキル;C3〜C10ヘテロシクロアルキル;OR5およびNR5R6のうちの1つまたは2つで置換されているC1〜C6アルキルから選択され、R5およびR6は、存在する各々において、水素;C1〜C6アルキル;C3〜C10シクロアルキル;C1〜C4ハロアルキルからなる群から独立して選択され、これらのいずれもが必要に応じて置換されており、
R2はOR8であり、R8は、−CH(CH3)2;−C(CH3)3;C1〜C4ハロアルキル;C3〜C10シクロアルキル、C3〜C10ヘテロシクロアルキルおよびC1〜C4ハロアルキルのうちの1もしくは2つで置換されているC1〜C6アルキル;またはC1〜C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロプロピル、ジフルオロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、およびフルオロイソプロピルのうちの1つで置換されているC1〜C6アルキル
ならびにその薬学的に許容される塩から選択される。
一実施形態では、R2はOR8であり、R8は、C1〜C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロプロピル、ジフルオロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、およびフルオロイソプロピルのうちの1つ;またはC1〜C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロプロピル、ジフルオロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、およびフルオロイソプロピルのうちの1つで置換されているC1〜C6アルキルから選択される。
一実施形態では、n=0または1であり、Z1は、メチル;エチル;プロピル;イソプロピル;C3シクロアルキル;C4シクロアルキル;およびC5シクロアルキルから選択される。
一実施形態では、n=0または1であり、Z1は、メチル;エチル;プロピル;イソプロピル;C3シクロアルキル;C4シクロアルキル;およびC5シクロアルキルから選択され、
R2はOR8であり、R8は、C1〜C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロプロピル、ジフルオロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、およびフルオロイソプロピルのうちの1つ;またはC1〜C4ハロアルキル、特にトリフルオロメチル、ジフルオロメチル、フルオロメチル、トリフルオロエチル、ジフルオロエチル、フルオロエチル、トリフルオロプロピル、ジフルオロプロピル、フルオロプロピル、トリフルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、およびフルオロイソプロピルのうちの1つで置換されているC1〜C6アルキルから選択される。
一実施形態では、本発明による化合物は、これより以下に示されている構造のうちの1つを有する:
さらなる態様では、本発明は、少なくとも1つの本発明による化合物を、少なくとも1種の薬学的に許容される担体、賦形剤および/または希釈剤と一緒に含む組成物に関する。
一実施形態では、本発明による組成物は、少なくとも1種の他の薬学的活性のある薬剤をさらに含む。
さらなる態様では、本発明は、薬学的活性のある薬剤としての使用のための、好ましくは障害を処置する方法における使用のための、本発明による化合物または本発明による組成物に関する。
さらなる態様では、本発明は、Axl/MerおよびCSF1R受容体チロシンキナーゼに関連する、伴う、引き起こされるまたは誘発される、特にAxl/MerおよびCSF1R(コロニー刺激因子1受容体)に関連する、伴う、または引き起こされる、好ましくは前記Axl/Merの機能亢進および前記CSF1Rの機能亢進に関連する、伴う、または引き起こされる障害の処置における使用のための、本発明による化合物または本発明による組成物に関する。
一実施形態では、前記障害は、過剰増殖性障害、炎症性障害および神経変性障害から選択される。
一実施形態では、前記過剰増殖性障害は、がん、好ましくは、腺癌、聴神経腫瘍、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、膨大部癌、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、頭蓋咽頭腫、上衣芽腫、上衣細胞腫、髄芽腫、髄上皮腫、中間型松果体実質腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍および松果体芽腫、脳および脊髄腫瘍、乳がん、尿膜管腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、脈絡膜の黒色腫、消化器がん、中枢神経系リンパ腫、子宮頸がん、子宮体がん、脊索腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、直腸結腸がん、皮膚T細胞リンパ腫、類腱腫、菌状息肉腫、子宮内膜がん、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、耳腫瘍、眼内黒色腫、網膜芽腫、胆嚢がん、胃がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、消化管間質細胞腫瘍、婦人科の腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、胆嚢癌、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞がん、組織球症、下咽頭がん、血液系新生物、島細胞腫瘍(内分泌性膵臓)、腎細胞がん、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、白血病、唇および口腔がん、肝臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、小腸の腫瘍、小細胞肺がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、スピナリオムス、多発性内分泌腺腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄性白血病(myeloid leukemia)、多発性骨髄腫、骨髄増殖性障害、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣低悪性度腫瘍、乏突起膠腫、形質細胞腫、膵臓がん、乳頭腫症、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、前立腺がん、直腸がん、腎細胞がん、移行性細胞がん、呼吸器がん、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、皮膚精巣がん、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、子宮肉腫、非黒色腫皮膚がん、黒色腫皮膚がん、皮膚癌、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、扁平頸部がん、胃がん、軟組織腫瘍、精巣がん(testicular cancer)、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎孟および尿管の移行性細胞がん、栄養膜腫瘍、睾丸がん(testicle cancer)、妊娠性がん、泌尿器腫瘍、尿管および腎盂がん、尿道がん、尿路上皮癌、子宮がん、膣がん、外陰がん、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびウィルムス腫瘍、身体の潜在空隙に滲出を引き起こす腫瘍、胸水、心嚢液貯留、腹膜滲出、別名腹水、巨細胞腫(GCT)、骨のGCT、色素性絨毛結節性滑膜炎(PVNS)、腱滑膜巨細胞腫(TGCT)、腱鞘のTGCT(TGCT−TS)から選択されるがんである。
一実施形態では、前記炎症性障害は、骨関節炎、炎症性腸症候群、移植片拒絶反応、全身性エリテマトーデス、潰瘍性大腸炎、クローン病、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫、川崎病、血球貪食症候群(マクロファージ活性化症候群)、多中心性細網組織球症、アテローム性動脈硬化症、一次性進行型多発性硬化症、tenpsyI型糖尿病、II型糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖、肥満、脂肪分解、過好酸球増加症、骨粗鬆症、骨折の危険性の増加、パジェット病、高カルシウム血症、感染症媒介性骨溶解(例えば骨髄炎)、人工関節周囲のまたは磨耗粉媒介性骨溶解、子宮内膜症、炎症性疼痛、慢性疼痛、および骨痛から選択される。
一実施形態では、前記神経変性障害は、Binswanger型認知症、前脳胞症、小頭症、脳性麻痺、先天性水頭症、腹水、進行性核上性麻痺、緑内障、ウィルソン病、アルツハイマー病および他の認知症、パーキンソン病(PD)およびPD関連障害、多発梗塞性認知症、前頭側頭認知症、仮性認知症、プリオン病、運動ニューロン疾患、ハンチントン病、脊髄小脳失調症、ならびに脊髄性筋萎縮症から選択される。
一実施形態では、前記使用は、別の薬学的活性のある薬物または療法、特に放射線療法、化学療法剤、標的薬物および免疫チェックポイント阻害剤薬物と組み合わされる。
さらなる態様では、本発明は、過剰増殖性障害、炎症性障害および/または神経変性障害から選択される疾患の処置の方法であって、本発明による化合物、または本発明による組成物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。
本発明はまた、Axl/MerおよびCSF1Rに関連する、伴う、引き起こされる疾患の処置のための医薬の製造のための、上で定義された本発明による化合物または組成物の使用に関する。本発明はまた、Axl/MerおよびCSF1Rに関連する、伴う、引き起こされるおよび/または誘発される疾患の処置の方法であって、前記本発明による化合物を、それを必要とする患者に投与することを含む方法に関する。一実施形態では、Axl/MerおよびCSF1Rに関連する、伴う、引き起こされるおよび/または誘発される疾患は、過剰増殖性障害、炎症性障害および神経変性障害から選択される疾患であり、これらすべては上でさらに定義されている。
いかなる理論に拘束されることを望むことなく、本発明者らは、本発明の化合物はAxl/MerおよびCSF1Rの効率的な阻害剤であり、よって、Axl/MerおよびCSF1R、特にこれらの機能亢進に関連する、伴う、引き起こされる障害の処置に適しており、よって、細胞生存、増殖、自食作用、血管平滑筋ホメオスタシス、遊走、接着、血管新生、血小板凝集、血栓安定化、赤血球形成、オリゴデンドロサイト細胞生存、破骨細胞機能、先天性免疫、炎症、アポトーシス細胞のファゴサイトーシスおよび/またはナチュラルキラー細胞分化のうちの1つまたはいくつかに対する作用を有すると考える。
本発明の化合物は、細胞増殖を阻害することが可能であり、よって、がん、特に免疫抑制がんおよび不応性がん、ならびに原発性腫瘍転移を含む群から特に選択される、Axl/MerおよびCSF1R誘発性過剰増殖性障害の処置および/または予防に適している。本発明の好ましい実施形態では、Axl/MerおよびCSF1R誘発性障害は、正常な組織と比較して、Axl/MerおよびCSF1Rの過剰発現および/または活動過剰、例えば、自己リン酸化程度の増加に関連する。過剰増殖性障害は、がんであってよく、好ましくは、乳がん、結腸がん、前立腺がん、肺がん、胃がん、卵巣がん、子宮内膜がん、腎臓がん、肝細胞がん、甲状腺がん、子宮がん、食道がん、扁平上皮細胞がん、白血病、骨肉腫、黒色腫、神経膠芽腫および神経芽細胞腫から選択されるがんであってよい。特に好ましい実施形態では、障害は、乳がん、神経膠芽腫、腎臓がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、および黒色腫から選択される。
特に好ましい実施形態では、障害は、乳がん、神経膠芽腫、腎臓がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、および黒色腫から選択される。Axl/MerおよびCSF1Rの機能亢進に関連する、伴う、引き起こされるおよび/または誘発される障害に対する例は、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)、副腎皮質癌、AIDS関連がん、AIDS関連リンパ腫、肛門がん、虫垂がん、星状細胞腫、非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、基底細胞癌、胆管がん、膀胱がん、骨がん、骨肉腫および悪性線維性組織球腫、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、中枢神経系非定型奇形腫様/ラブドイド腫瘍、星状細胞腫、頭蓋咽頭腫、上衣芽腫、上衣細胞腫、髄芽腫、髄上皮腫、中間型松果体実質腫瘍、テント上原始神経外胚葉性腫瘍および松果体芽腫、脳および脊髄腫瘍、乳がん、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、カルチノイド腫瘍、消化器がん、中枢神経系(CNS)リンパ腫、子宮頸がん、脊索腫、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)、慢性骨髄増殖性障害、結腸がん、直腸結腸がん、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞リンパ腫、菌状息肉腫、セザリー症候群、子宮内膜がん、上衣芽腫、上衣細胞腫、食道がん、感覚神経芽腫、ユーイング肉腫ファミリー腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管がん、眼内黒色腫、網膜芽腫、胆嚢がん、胃の(胃)がん、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍(gist)、消化管間質細胞腫瘍、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣胚細胞腫瘍、妊娠性絨毛腫瘍、神経膠腫、有毛細胞白血病、頭頸部がん、心臓がん、肝細胞(肝臓)がん、組織球症、ホジキンリンパ腫、下咽頭がん、眼内黒色腫、島細胞腫瘍(内分泌性膵臓)、カポジ肉腫、腎細胞がん、腎臓がん、ランゲルハンス細胞組織球症、喉頭がん、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia)、慢性リンパ球性白血病、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia)、白血病、唇および口腔がん、肝臓がん、肺がん、非小細胞肺がん、小細胞肺がん、AIDS関連リンパ腫、バーキットリンパ腫、(皮膚T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、マクログロブリン血症、骨の悪性線維性組織球腫および骨肉腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、眼内(眼の)黒色腫、メルケル細胞癌、中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮がん、口のがん、多発性内分泌腺腫瘍症候群、多発性骨髄腫/形質細胞新生物、骨髄異形成症候群、骨髄異形成/骨髄増殖性新生物、骨髄性白血病(myelogenous leukemia)、骨髄性白血病(myeloid leukemia)、骨髄腫(多発性)、骨髄増殖性障害、鼻腔および副鼻腔がん、鼻咽頭がん、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺がん、口腔のがん、口腔がん、中咽頭がん、骨肉腫および骨の悪性線維性組織球腫、卵巣がん、卵巣上皮がん、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣の低悪性潜在的腫瘍、膵臓がん、乳頭腫症、副甲状腺がん、陰茎がん、咽頭がん、松果体芽腫およびテント上原始神経外胚葉性腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞新生物/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、妊娠および乳がん、前立腺がん、直腸がん、腎臓の細胞(腎臓)がん、移行性細胞がん、呼吸器がん、網膜芽腫、横紋筋肉腫、唾液腺がん、肉腫、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、子宮肉腫、非黒色腫皮膚がん、黒色腫皮膚がん、皮膚癌、小細胞肺がん、小腸がん、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、扁平頸部がん、胃(胃の)がん、テント上原始神経外胚葉性腫瘍、T細胞リンパ腫、精巣がん(testicular cancer)、咽喉がん、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺がん、腎孟および尿管の移行性細胞がん、栄養膜腫瘍、妊娠性がん、尿管および腎盂がん、移行性細胞がん、尿道がん、子宮がん、子宮内膜がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症およびウィルムス腫瘍である。
本発明の化合物は、Axl/MerおよびCSF1Rの効率的な阻害剤である。本発明の化合物は、Axl/MerおよびCSF1R、特にその機能亢進に関連する、伴う、引き起こされる障害の処置に適している薬学的活性のある薬剤としての使用に適している。よって、本発明の化合物は、Axl/MerおよびCSF1R誘発性障害の処置に適している。
いかなる理論にも拘束されることを望むことなく、本発明者らは、CSF1が腫瘍進行へのTAM寄与の阻害に対する有望な標的のようにみえる別のケモカインであると考える。CSF1は強力な化学誘引物質であり、単球のマクロファージへの分化を調節している最も重要な成長因子であると考えられる。よって、本発明者らは、腫瘍を推進するTAMにおけるCSF1Rシグナル伝達の阻害は、これらの細胞を排除または再分極する興味深い戦略を意味し、がんを有する患者に対する新規免疫療法が可能であると考える。
さらに、いかなる理論に拘束されることを望むことなく、本発明者らは、CSF1/CSF1R遮断は、TAMの数を低減させるばかりでなく、腫瘍微小環境内で抗原提示をサポートし、T細胞活性化を増強するよう残留TAMを再プログラミングすると考える。ひいては、これは、免疫抑制の減少およびインターフェロン応答の上昇をもたらし、腫瘍進行を制限する(Zhu Y et al., Cancer Res. 2014 Sep 15;74(18):5057-69)。
結論として、二重阻害CSF1RおよびAxl/Mer RTKは、免疫細胞に対する明確なシグナル経路を使用することにより、免疫モジュレーションを介して強い抗がん有効性を提供することが予想される。本発明は、CSF1RおよびAxl/Mer RTKに対する二重阻害能力を有する化合物を提供する。よって、これらは、免疫系モジュレーションを介して特にがん療法に対する高い関連性を有する薬学的活性のある薬剤として使用することができる。
「必要に応じて置換されている」という用語は、本明細書で使用される場合、1個の水素原子が(これが存在し、基の中の員原子に結合している場合)、またはいくつかのこのような水素原子が、適切な基、例えば、フッ素、塩素を含むハロゲン、C1〜C3アルキル、C1〜C3ハロアルキル、例えば、CH2F、CHF2、CF3、CH2CF3、メチルヒドロキシル、ヒドロキシル、COOMe、C(O)H、COOH、アルコキシ、特にC1〜C3アルコキシ、例えば、OMe、またはOCF3で置き換えられていてもよいことを示すことを意味する。
一実施形態では、本発明はまた、本発明による化合物の薬学的に許容される塩に関する。
本発明はまた、本発明による化合物と別の抗がん剤と一緒の組合せに関する。
本発明による化合物と別の抗がん剤との組合せはより良い抗がん作用を有する。例えば、他の抗がん剤との組合せは、他の抗がん剤に対する耐性ができた細胞系の感受性を回復することができ、他の免疫チェックポイント阻害剤ならびに放射線との組合せはまた相乗的有効性を有し得る。本発明による化合物と組み合わせることができる薬剤の例は、細胞毒性薬物(アクチノマイシン、全トランス型レチノイン酸、アザシチジン、アザチオプリン、ブレオマイシン、ボルテゾミブ、カルボプラチン、カペシタビン、シスプラチン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シタラビン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、エピルビシン、エポチロン、エトポシド、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イマチニブ、イリノテカン、メクロレタミン、メルカプトプリン、メトトレキセート、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、テニポシド、チオグアニン、トポテカン、バルルビシン、べムラフェニブ、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン)、標的薬物(ベバシズマブ、リツキシマブ、イピリムマブ、ボルテゾミブ、イマチニブ、セリシクリブ、ado−トラスツズマブ、アファニチブ、アルデスロイキン、アキシチニブ、ベリノスタット、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、ボスチニブ、ブレンツキシマブベドチン、カボザンチニブ、カナキヌマブ、カルフィルゾミブ、セリチニブ、セツキシマブ、クリゾチニブ、ダブラフェニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、エベロリムス、ゲフィチニブ、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、イデラリシブ、イマチニブ、ラパチニブ、レンバチニブ、ニロチニブ、オビヌツズマブ、オファツムマブ、オラパリブ、パルボシクリブ、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ、ペルツズマブ、ポナチニブ、ラムシルマブ、レゴラフェニブ、リツキシマブ(rituxima)、ロミデプシン、ルキソリチニブ、シルツキシマブ、シプリューセル−T、ソラフェニブ、テムシロリムス、トシリズマブ、トファシチニブ、トシツモマブ、トラメチニブ、トラスツズマブ、バンデタニブ、べムラフェニブ、ビスモデギブ、ボリノスタット(vorinosta)、ziv−アフリバーセプト)、免疫チェックポイント阻害剤薬物(イピリムマブ(lpillmumab)、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ(atezolezumab)、アベルマブ、ベバシズマブ(bevacixumab)、トレメリムマブ)が含まれる。
他の組合せは同様に、または代わりに、本発明によるいくつかの化合物を一緒に含んでもよい。これらはまた本発明による組合せにより想定および包含される。
「アルキル」という用語は、特定された範囲の数の炭素原子を有する、一価の直鎖、分枝鎖または環式鎖の、飽和脂肪族炭化水素基を指す。よって、例えば、「C1〜C6アルキル」は、ヘキシルアルキルおよびペンチルアルキル異性体ならびにn−、イソ−、sec−、およびt−ブチル、n−およびイソプロピル、環式プロピル、エチルおよびメチルのいずれかを指す。
「アルケニル」という用語は、1つの炭素−炭素二重結合を含有し、特定された範囲の数の炭素原子を有する一価の直鎖または分枝鎖の脂肪族炭化水素基を指す。よって、例えば、「C2〜C6アルケニル」は、ヘキセニルおよびペンテニル異性体ならびに1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、イソブテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、およびエテニル(またはビニル)のすべてを指す。
「シクロアルキル」という用語は、単独でまたは他のいずれかの用語と組み合わせて、他に定義されない限り、3〜8個の炭素原子を有する、必要に応じて置換されている、または非置換の環式炭化水素などの基を指す。よって、例えば、「C3〜C8シクロアルキル」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、およびシクロオクチルを指す。
「ハロアルキル」という用語は、少なくとも1つのハロゲンで置換されている本明細書で定義されたアルキル基を指す。本発明に有用な直鎖または分枝鎖の「ハロアルキル」基の例として、これらに限定されないが、1つまたは複数のハロゲンで独立して置換されているメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、およびt−ブチルが挙げられる。「ハロアルキル」という用語は、−CHF2、−CF3、−CH2−CH2−F、−CH2−CF3などの置換基を含むと解釈されるべきである。より具体的には、「C1〜C4ハロアルキル」という用語は、これらに限定されないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、トリフルオロエチル、フルオロプロピル、ジフルオロプロピル、トリフルオロプロピル、フルオロイソプロピル、ジフルオロイソプロピル、トリフルオロイソプロピル、フルオロブチル、ジフルオロブチル、トリフルオロブチルを含むことが意図されており、「ブチル」は、すべてのブチル異性体、すなわち、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル;ならびに前述のいずれかの対応するクロロ−アルキル、ならびに1個より多くの水素がハロゲン(F、Cl、Brおよび/またはI)で置換されているC1〜C4アルキルを含む。
「ヘテロアルキル」という用語は、1個または複数の炭素原子がO、N、またはSなどのヘテロ原子で置き換えられているアルキル基を指す。例えば、親分子に結合しているアルキル基の炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられる場合、生成されるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルコキシ基(例えば、−OCH3など)、アミン(例えば、−NHCH3、−N(CH3)2など)、またはチオアルキル基(例えば、−SCH3など)である。親分子に結合していないアルキル基の非末端炭素原子がヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置き換えられる場合、生成されるヘテロアルキル基は、それぞれ、アルキルエーテル(例えば、−CH2CH2−O−CH3など)、アルキルアミン(例えば、−CH2NHCH3、−CH2N(CH3)2など)、またはチオアルキルエーテル(例えば、−CH2−S−CH3)である。
「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
「フェニル」という用語は、本明細書で使用される場合、必要に応じて置換されているまたは非置換のフェニル基を示すことが意図されている。
「ベンジル」という用語は、本明細書で使用される場合、必要に応じて置換されているまたは非置換のベンジル基を示すことが意図されている。
「ヘテロアリール」という用語は、(i)必要に応じて置換されている5員および6員芳香族複素環、ならびに(ii)必要に応じて置換されている9員および10員二環式縮合環系を指し、この中の少なくとも1つの環が芳香族であり、この芳香族複素環または二環式縮合環系はN、O、およびSから独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を含有し、各Nは必要に応じてオキシドの形態であり、芳香族ではない環の各Sは必要に応じてS(O)またはS(O)2である。適切な5員および6員芳香族複素環として、例えば、ピリジル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびチアジアゾリルが挙げられる。適切な9員および10員のヘテロ二環式、縮合環系として、例えば、ベンゾフラニル、インドリル、インダゾリル、ナフチリジニル、イソベンゾフラニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、クロメニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾフラニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、インダゾリル、インドリニル、イソインドリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、2,3−ジヒドロベンゾフラニル、および2,3−ジヒドロベンゾ−1,4−ジオキシニルが挙げられる。
「ヘテロシクリル」または「ヘテロシクロアルキル」という用語、特にC3〜C10ヘテロシクロアルキル」は、(i)必要に応じて置換されている3〜10員飽和および不飽和であるが、少なくとも1個の炭素原子および1〜4個のヘテロ原子を含有する非芳香族単環式の環、(ii)1〜6個のヘテロ原子を含有する必要に応じて置換されている二環系環系、ならびに(iii)必要に応じて置換されている三環系環系を指し、(ii)または(iii)の各環は、独立して、他の環(複数可)に縮合または架橋しており、各環は飽和または不飽和であるが、非芳香族であり、(i)、(ii)、および(iii)の各ヘテロ原子は、N、O、およびSから独立して選択され、各Nは必要に応じてオキシドの形態であり、各SはS(O)またはS(O)2へと必要に応じて酸化されている。適切な3〜10員飽和ヘテロシクロアルキルとして、例えば、アゼチジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピラゾリジニル、ヘキサヒドロピリミジニル、チアジナニル、チアゼパニル、アゼパニル、ジアゼパニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジオキサニル、およびアザシクロオクチルが挙げられる。適切な不飽和の複素環式環として、上記文に列挙された飽和複素環式環に対応するもので、単結合が二重結合で置き換えられているものが挙げられる。本発明での使用に適した特定の環および環系は、本段落および先行する段落に列挙されたものに限定されないことを理解されたい。これらの環および環系は単に代表的なものである。
医薬組成物
薬学的に許容される塩
薬学的に許容される付加塩の例として、制限なしで、無毒性の無機酸および有機酸付加塩、例えば、酢酸から誘導される酢酸塩、アコニット酸から誘導されるアコニット酸塩、アスコルビン酸から誘導されるアスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸から誘導されるベンゼンスルホン酸塩、安息香酸から誘導される安息香酸塩、ケイヒ酸から誘導されるケイヒ酸塩、クエン酸から誘導されるクエン酸塩、エンボン酸から誘導されるエンボン酸塩、エナント酸から誘導されるエナント酸塩、ギ酸から誘導されるギ酸塩、フマル酸から誘導されるフマル酸塩、グルタミン酸から誘導されるグルタミン酸塩、グリコール酸から誘導されるグリコール酸塩、塩酸から誘導される塩酸塩、臭化水素酸から誘導される臭化水素酸塩、乳酸から誘導される乳酸塩、マレイン酸から誘導されるマレイン酸塩、マロン酸から誘導されるマロン酸塩、マンデル酸から誘導されるマンデル酸塩、メタンスルホン酸から誘導されるメタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸から誘導されるナフタレン−2−スルホン酸塩、硝酸から誘導される硝酸塩、過塩素酸から誘導される過塩素酸塩、リン酸から誘導されるリン酸塩、フタル酸から誘導されるフタル酸塩、サリチル酸から誘導されるサリチル酸塩、ソルビン酸から誘導されるソルビン酸塩、ステアリン酸から誘導されるステアリン酸塩、コハク酸から誘導されるコハク酸塩、硫酸から誘導される硫酸塩、酒石酸から誘導される酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸から誘導される、トルエン−p−スルホネートなどが挙げられる。このような塩は、当技術分野で周知のおよび記載されている手順により形成することができる。
例えばシュウ酸など、薬学的に許容されると考えられないこともある他の酸が、本発明の化合物およびその薬学的に許容される酸付加塩を得るのに有用な中間体として、塩の調製に有用であり得る。
別の実施形態では、本発明の化合物は、本発明によるこれらのそれぞれの遊離塩基形態で使用される。
本発明の化合物の金属塩は、アルカリ金属塩、例えば、カルボキシ基を含有する本発明の化合物のナトリウム塩を含む。
本発明の化合物は、非溶媒和形態で、または薬学的に許容される溶媒(複数可)、例えば、水、エタノールなどと一緒に溶媒和形態で提供されてもよい。溶媒和形態はまた、水和形態、例えば、一水和物、二水和物、半水化物、三水和物、四水化物などを含み得る。一般的に、溶媒和形態は、本発明の目的に対して、非溶媒和形態と同等と考えられる。
投与および製剤
本発明の化合物、その活性代謝物または異性体および本発明による塩を含有する医薬の生産およびこれらの用途は、周知の薬学的方法に従い実施することができる。
療法における使用のための、本発明に従い使用可能な本発明の化合物は、原薬化合物の形態で投与され得るが、活性成分を、必要に応じて医薬組成物中の生理学的に許容される塩の形態で、1種または複数種のアジュバント、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、および/または他の慣習的な薬学的助剤と一緒に導入することが好ましい。本発明の化合物のこのような塩は、無水であっても、または溶媒和していてもよい。
好ましい実施形態では、本発明は、本発明に従い使用可能な化合物、またはその薬学的に許容される塩または誘導体を、この化合物用の1種または複数種の薬学的に許容される担体と、必要に応じて、他の治療的および/または予防的成分と一緒に含む医薬を提供する。担体(複数可)は、製剤の他の成分と相容性があり、そのレシピエントにとって有害ではないという意味で「許容される」ものでなければならない。
本発明の医薬は、経口、直腸、気管支、経鼻、局所的、口腔内頬側、舌下、経皮的、経膣または非経口(皮膚、皮下、筋肉内、腹腔内、静脈内、動脈内、脳内、眼内の注射または点滴を含む)投与に適したもの、あるいは散剤および液体エアゾール剤の投与を含めた、吸入もしくは吹送法による投与、または持続放出系に適した形態であってよい。持続放出系の適切な例として、本発明の化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透過性マトリックスが挙げられ、このマトリックスは、造形品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態であってよい。
よって、従来のアジュバント、担体、または希釈剤と一緒に、本発明に従い使用可能な化合物を、医薬およびその単位剤形の形態に入れてもよい。このような形態として、固体、特に錠剤、充填カプセル剤、散剤およびペレット形態、ならびに液体、特に水性または非水性溶剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、およびこれを充填したカプセル剤(これらはすべて経口使用)、直腸投与用の坐剤、ならびに非経口使用のための注射可能な滅菌溶液が挙げられる。このような医薬およびその単位剤形は、従来の成分を従来の割合で、追加の活性化合物または素成分と一緒に、またはこれら無しで含むことができ、このような単位剤形は利用することになる目標の1日投与量範囲と釣り合った任意の適切な有効量の活性成分を含有することができる。
本発明に従い使用可能な化合物は、多種多様な経口および非経口剤形で投与することができる。以下の剤形は、活性成分として、本発明に従い使用可能な化合物(複数可)または本発明に従い使用可能な化合物(複数可)の薬学的に許容される塩のいずれかを含み得ることは当業者には明らかである。
本発明に従い使用可能な化合物から医薬を調製するために、薬学的に許容される担体は固体または液体のいずれかであり得る。固体形態調製物として、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、および分散性の粒剤が挙げられる。固体担体はまた、希釈剤、香味剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、または封入物質としても作用し得る1種または複数種の物質であり得る。
散剤において、担体は微細に分割された固体であり、これは微細に分割された活性成分との混合物である。錠剤において、活性成分は、必要な結合能を適切な割合で有し、所望の形状およびサイズに圧縮された担体と混合される。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどである。「調製物」という用語は、担体と一緒または担体無しでの活性成分が担体により取り囲まれ、それ故にこれと関連してカプセル剤を提供する、担体としての封入物質を有する活性化合物の製剤を含むことを意図する。同様に、カシェ剤およびロゼンジ剤も含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、およびロゼンジ剤は経口投与に適した固体形態として使用することができる。
坐剤を調製するためには、低融点ワックス、例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物を最初に溶融し、活性成分を撹拌によりその中に均一に分散する。次いで溶融した均質の混合物を好都合なサイズの型に注ぎ入れ、冷却させ、それによって凝固させる。経膣投与に適した組成物は、活性成分に加えて、当技術分野で適切であることが公知の、このような担体を含有するペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡剤またはスプレーとして提示され得る。液体調製物は、液剤、懸濁剤、および乳剤、例えば、水または水−プロピレングリコール溶液を含む。例えば、非経口注射液体調製物は、ポリエチレングリコール水溶液での液剤として製剤化することができる。
よって、本発明による化合物は、非経口投与用に(例えば、注射により、例えばボーラス注射または連続注入で)製剤化されてもよく、アンプル、予備充填したシリンジ、少量点滴中の単位用量形態または保存剤を添加した複数回用量容器で提示されてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、液剤、または乳剤などの形態であり得、製剤化剤、例えば、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含有することができる。代わりに、活性成分は、使用前、適切なビヒクル、例えば、滅菌の、パイロジェンを含まない水を用いて構成するための、滅菌固体の無菌単離によりまたは溶液からの凍結乾燥により得られる粉末形態であってもよい。
経口使用に適した水溶液は、活性成分を水に溶解し、所望する場合、適切な着色剤、香味料、安定化剤および増粘剤を添加することにより調製することができる。経口使用に適した水性懸濁剤は、微細に分割された活性成分を、粘性物質、例えば、天然ガムまたは合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または他の周知の懸濁化剤と共に水中に分散させることにより作製することができる。
また、使用直前に、経口投与用の液体形態調製物へと変換することを意図した固体形態調製物も含まれる。このような液体形態として、液剤、懸濁剤、および乳剤が挙げられる。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味料、安定化剤、緩衝剤、人工甘味剤および天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有し得る。
本発明の一実施形態では、医薬は局所的もしくは全身的に、または2つの経路の組合せを介して適用される。
投与のため、本発明の化合物は、一実施形態では、0.001重量%〜70重量%の化合物、好ましくは0.01重量%〜70重量%の間の化合物、さらにより好ましくは0.1重量%〜70重量%の間の化合物を含有する製剤で投与され得る。一実施形態では、投与される化合物の適切な量は0.01mg/kg(体重)〜1g/kg(体重)の範囲である。
投与に適した組成物として、香味をつけた基剤、通常は、スクロースおよびアカシアまたはトラガント中に活性剤を含むロゼンジ剤;活性成分を不活性基剤、例えば、ゼラチンおよびグリセロールまたはスクロースおよびアカシア中に含むパステル剤;ならびに活性成分を適切な液体担体中に含む口内洗浄剤も挙げられる。
液剤または懸濁剤は、従来の手段、例えば、滴びん、ピペットまたはスプレーを用いて鼻腔に直接適用する。組成物は、単回用量または複数回用量形態で提供することができる。後者の滴びんまたはピペットの場合、これは、適当な、既定量の液剤または懸濁剤を患者に投与することにより達成することができる。スプレーの場合、これは、例えば、計量霧吹きスプレーポンプの手段により達成することができる。
呼吸器への投与はまたエアゾール製剤の手段により達成することができ、この場合、活性成分は、適切な噴霧剤、例えば、クロロフルオロ炭素(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素、または他の適切な気体を有する加圧パックで提供される。エアゾール剤はまた界面活性剤、例えば、レシチンを好都合に含有することができる。薬物の用量は計量弁の準備により制御することができる。
代わりに活性成分は、乾燥粉末の形態、例えば、適切な粉末基剤、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリドン(PVP)中の化合物のパウダーミックスの形態で提供することもできる。好都合に、粉末担体は鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、単位用量形態、例えば、例えばゼラチンのカプセル剤もしくはカートリッジ、または粉末が吸入器の手段により投与され得るブリスター包装で提示することができる。
鼻腔内組成物を含めた、呼吸器への投与を目的とする組成物において、化合物は一般的に、例えば、ほぼ5ミクロンまたはそれ未満の程度の小粒子サイズを有する。このような粒径は、当技術分野で公知の手段、例えば、微粉化により得ることができる。
所望される場合、活性成分の持続放出を付与することに適合させた組成物を利用することができる。
薬学的調製物は好ましくは単位剤形である。このような形態では、調製物は適当な量の活性成分を含有する単位用量に分割される。単位剤形はパッケージされた調製物、すなわち、別個の量の調製物を含有するパッケージ、例えば、バイアルまたはアンプル内にパッケージされた錠剤、カプセル剤、および散剤であり得る。また、単位剤形はそれ自体カプセル剤、錠剤、カシェ剤、またはロゼンジ剤であり得、または単位剤形はパッケージされた形態での適当な数のこれらのいずれかであり得る。経口投与用の錠剤またはカプセル剤ならびに静脈内投与および連続注入用の液体は好ましい組成物である。
製剤および投与に対する技術のさらなる詳細は最新版のRemington's Pharmaceutical Sciences (Maack Publishing Co. Easton, Pa.)に見出すことができる。
本発明は、本発明を限定するためではなく、例示するために付与された以下の図、表および実施例によりさらに例示される。
表
ここで以下の図および表について言及する。
表1は、本発明の選択された化合物に対するAxl、MerおよびCSF1R結合アッセイにおける活性データを示している。阻害は以下の主要な値を有するKdとして示される:A=0.1μM未満のKd;B=0.1μMより大きく、0.5μM未満のKd;C=0.5μMより大きいKd。「n.d.」=未確定
表2は、本発明の選択された化合物に対するCSF1R結合アッセイの活性データを示す。阻害は、パーセンテージ数字でパーセント阻害として(「パーセント(%)」)および阻害数字を異なるクラス(「範囲」)に分類する以下の追加の主要な値と共に示される:A=≧80%阻害;80%阻害>B≧50%阻害;50%阻害>C。
表3は、本発明の選択された化合物に対する細胞のAxl Elisaアッセイ(H1299)における活性データを示している。阻害は、以下の主要な値を有するIC50として示されている:A=0.5μM未満のIC50;B=0.5μMと等しいまたはそれよりも大きく、1.0μM未満のIC50;C=1.0μMと等しいまたはそれよりも大きいIC50。
表4は、本発明の選択された化合物に対する細胞CSF1R Elisaアッセイ(THP−1)における活性データを示している。阻害は、以下の主要な値を有するIC50として示されている:A=0.5μM未満のIC50;B=0.5μMと等しいまたはそれよりも大きく、1.0μM未満のIC50;C=1.0μMと等しいまたはそれよりも大きいIC50。
表5は、細胞のM−NFS−60生存率アッセイにおけるCSF1R活性データを示している;CSF1R阻害は以下の主要な値を有するIC50として示される:A:IC50<1.0μM;B:1.0μM≦IC50<10μM;C:IC50≧10μM。
表6は、細胞のBaF3生存率アッセイにおけるAxl、MerおよびCSF1R活性データを示している;阻害は、以下の主要な値を有するIC50として示される:A:IC50<1.0μM;B:1.0μM≦IC50<10μM;C:IC50≧10μM。
表7は、結合活性(AxlおよびMerおよび細胞活性(Axl H1299 Elisaアッセイ)の点から、本発明の選択された化合物(アスタリスク記号2つ**)とWO2016/166250の選択された化合物(アスタリスク記号1つ*)との比較データを示している。
表8は、これらの構造および対応する特徴の点から化合物1〜179を要約している。
本発明はここで、本発明の範囲を限定することではなく、例示することを意図する以下の実施例を参照してさらに記載される。
(実施例1)
AxlおよびMerに対するキナーゼ結合アッセイ
結合アッセイ原理
Life Technologiesにおいて、示された各キナーゼに対する製造業者の仕様書を使用して、LanthaScreen(登録商標)Euキナーゼ結合アッセイを行った。
簡単に説明すると、このアッセイの裏にある原理は、Alexa Fluor 647標識したトレイサーの目的キナーゼへの結合および置換に基づく。トレイサーのキナーゼへの結合は、EU標識した抗タグ抗体を使用して検出される。トレイサーと抗体の両方がキナーゼに同時結合すると、FRET−シグナルを生じる。阻害剤のキナーゼへの結合は、トレイサーによる結合と競合し、FRET−シグナルの損失をもたらす。
AXLおよびMerに対する結合アッセイプロトコール
所与の化合物をDMSOで希釈し、ストック化合物溶液を生成する。ストック化合物溶液をDMSO中で8つのステップにわたり連続希釈した。DMSO中の各希釈化合物溶液をキナーゼ緩衝液で希釈した。その後4種類の作業用溶液を調製した。第1の溶液では、トレイサー作業用溶液はトレイサー236およびキナーゼ緩衝液からなる。第2の溶液では、Axl、Mer、Tyro3またはMet/抗GST−AB−作業用溶液は、キナーゼAxl、およびMerまたは抗GST−AB(=抗グルタチオン−S−トランスフェラーゼ抗体)のうちの1種をキナーゼ緩衝液中に含有した。第3の溶液では、抗GST−AB作業用溶液を抗GST−ABおよびキナーゼ緩衝液を用いて作製した。最後の溶液では、DMSO作業用溶液中において、DMSOをキナーゼ緩衝液に、最終濃度3%になるまで添加した。4種類の作業用溶液のそれぞれをアッセイプレートに別々に添加し、次いで室温で1時間インキュベートした。インキュベーション後、プログラムLanthaHTRF−Assayを用いて、EnVision(Perkin Elmer)で、FRETシグナルに関してアッセイプレートを測定した。データ評価をQuattroワークフローソフトウエアにおいて行った。Kd(平衡解離定数)値をビヒクル(DMSO)対照ウェルと比べて計算した。
表1は、AXLおよびMerキナーゼ結合アッセイに対して得た結果を要約したものである。
(実施例2)
CSF1Rに対するキナーゼ結合アッセイ
結合アッセイ原理
KINOMEscanTMは、固定化した、活性部位特異的リガンドと競合する化合物の能力を定量的に測定する競合結合アッセイに基づく。アッセイは、3つの構成成分:DNAタグ付きキナーゼ;固定化したリガンド;および試験化合物を組み合わせることにより実施する。固定化したリガンドと競合する試験化合物の能力をDNAタグの定量的PCRを介して測定する。
CSF1Rに対する結合アッセイプロトコール
E.coliを対数期に成長させ、T7ファージを感染させ、溶解するまで32℃で振盪しながらインキュベートした。溶解物を遠心分離し、濾過して、細胞デブリを除去した。残留するキナーゼをHEK−293細胞中に産生させ、続いてqPCR検出用にDNAでタグを付けた。ストレプトアビジンコーティングした磁気ビーズをビオチン化小分子リガンドで、室温で30分間処理して、キナーゼアッセイ用の親和性樹脂を生成した。リガンド結合したビーズを過剰のビオチンで遮断し、遮断緩衝液(SeaBlock(Pierce)、1%BSA、0.05%Tween(登録商標)20、1mM DTT)で洗浄し、未結合のリガンドを除去し、非特異的結合を減少させた。キナーゼ、リガンド結合した親和性ビーズ、および試験化合物を1×結合緩衝液(20%SeaBlock、0.17×PBS、0.05%Tween(登録商標)20、6mM DTT)中で合わせることにより、結合反応物を作った。試験化合物を100%DMSO中111×ストックとして調製した。3つのDMSO制御ポイントを有する11−ポイント3倍化合物希釈系列を使用してKdを決定した。Kd測定用のすべての化合物を100%DMSO中のアコースティック移動(非接触分配)により分配する。次いで、DMSO最終濃度が0.9%となるように、化合物を直接アッセイへと希釈した。%阻害の場合、試験化合物を100%DMSO中の40×ストックとして調製し、直接アッセイへと希釈した。すべての反応はポリプロピレン384ウェルプレート内で実施した。それぞれは0.02mlの最終容量であった。1時間振盪しながら、アッセイプレートを室温でインキュベートし、親和性ビーズを洗浄緩衝液(1×PBS、0.05%Tween(登録商標)20)で洗浄した。次いで、ビーズを溶出緩衝液(1×PBS、0.05%Tween(登録商標)20、0.5μM非ビオチン化親和性リガンド)中に再懸濁させ、30分間振盪しながら室温でインキュベートした。溶出液中のキナーゼ濃度をqPCRで測定した。
CSF1Rキナーゼ結合活性結果は表1(Kd)および2に示されている(試験する化合物濃度0.1μMでのパーセント阻害)。
データ分析
Hill方程式を使用して、標準的な用量反応曲線で結合定数(Kd)を計算した:
Hill傾きは−1に設定した。
Levenberg−Marquardtアルゴリズムで、非線形の最小二乗フィットを使用して、曲線をフィットした。
結合%阻害を以下のように計算した:
(実施例3)
細胞Axl阻害アッセイ
Axl細胞アッセイ原理
Axlをいくつかの悪性がん細胞に発現させる;特にH1299細胞はAxlを内部に発現し、Axlリガンド、Ga6で誘発された場合、Axlのリン酸化(p−Axl)の増加が観察できる。
H1299細胞を使用した酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)
H1299細胞は、細胞培養物フラスコ内で40〜80%コンフルエントな状態であるべきである。次いで細胞をDPBSで洗浄し、トリプシン処理する。遠心分離後、細胞ペレットを予め温めた培養培地(RPMI1640、10%FBS)に再懸濁させ、10ml血清ピペットを用いて6回上下にピペット操作することにより、細胞を分離する。細胞懸濁液を最終濃度1.25×105細胞/mlに希釈した。次いで80μl/ウェル細胞懸濁液をプレートに添加する。細胞プレートを37℃/5%CO2で終夜インキュベートする。化合物をDMSOで10mMに溶解し、窒素キャビネットに保持した。化合物ストックプレートを調製する。基準化合物濃度は0.50mM(5μl+95μl DMSO)から開始し、試験化合物は1.5mM(6μl+34μl DMSO)から開始する。次いで3倍希釈系列(10用量)化合物を生成する。次いで化合物を中央プレートの培地(2μl化合物+198μl培地)で希釈する。20μlの希釈した化合物を中央プレートから細胞コーティングしたプレートへと移す。細胞プレートを37℃/5%CO2で24時間インキュベートする。25μlのヒトGas6(1000ng/ml)を96ウェルプレートに添加する。ヒトGas6の最終濃度は200ng/mlである。プレートを37℃/5%CO2で1時間インキュベートする。培地を除去し、細胞を300μl/ウェルの氷冷1×PBSで1回洗浄する。次いでPBSを除去し、100μl/ウェルの氷冷1×細胞溶解緩衝液を96ウェルプレートに添加する。プレートを4℃で40分間振盪する。次いでプレートは−20℃で貯蔵できる。ミクロウェルストリップが室温に到達した後で、必要とされるミクロウェルの数を切り離す。ミクロウェルをストリップホルダー内に配置する。未使用のミクロ−ウェルは、再密封し、4℃で直ちに貯蔵しなければならない。60μlの細胞溶解物を適当なウェルに添加する。テープで密封し、ミクロウェルの上側を強く圧縮する。プレートを37℃で2時間インキュベートする。テープを穏やかにはがし、ウェルを1×洗浄緩衝液で5回、各ウェルに対して毎回300μlで洗浄する。100μlの再構成した検出抗体(緑色)を各ウェルに添加する。テープで密封し、プレートを37℃で1時間インキュベートする。洗浄手順を繰り返す。100μlの再構成したHRP結合した二次抗体を各ウェルに添加する。テープで密封し、プレートを37℃で30分間インキュベートする。洗浄手順を繰り返す。100μlのTMB基質を各ウェルに添加する。テープで密封し、プレートを37℃で15分間インキュベートする。100μlのSTOP溶液を各ウェルに添加する。数秒間穏やかに振盪させる。STOP溶液の添加から30分間以内の間に吸光度を450nmで読み取る。計算および式:以下の計算および式を、XLフィットソフトウエアを使用したデータ分析に使用する:カーブフィッティングをシグモイドの用量反応性モデル(フィットモデル、205)を使用して行った。データは表3に報告されている(ずっと下に示されている)。
(実施例4)
細胞CSF1R阻害アッセイ
CSF1R細胞アッセイ原理
正常なプロトがん遺伝子c−fmは、単球−マクロファージ系列に沿って、成長、生存、および分化に関与しているマクロファージ成長因子(M−CSF、またCSF1としても公知)受容体をコードする。THP−1細胞は、ヒト単球に対するモデルとして作用する。これは、CSF1R(p−CSF1R)のリン酸化の増加が、CSF1Rリガンド、CSF1により誘発された場合観察できることを確認するものである。M−NFS−60細胞は、CSF1依存性増殖を示すマウス骨髄性細胞系であり、すなわちこれは成長のためにCSF1を必要とする。
THP−1細胞を使用する酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)
THP−1細胞は、細胞培養物フラスコ内で5×105〜1×106個の細胞/mlを維持すべきである。遠心分離後、上清を吸引する。細胞ペレットを予め温めた成長培地(RPMI1640、10%FBS、0.05mM 2−メルカプトエタノール)に再懸濁させ、10ml血清ピペットを用いて、上下6回のピペット操作により細胞を分離する。細胞懸濁液は、予め温めた成長培地で、80μl当たり2×105細胞の最終濃度に希釈しなければならない。80μlの細胞懸濁液をプレートのすべてのウェルに添加する。細胞プレートを37℃/5%CO2でインキュベートする。化合物を100%DMSO中に溶解して、10mMストック溶液を生成する(アリコートを窒素キャビネットに貯蔵)。10mM化合物溶液を100%DMSO中で2倍希釈して、5mM溶液(10μl+10μl DMSO)を得、次いで10用量のための3倍段階希釈(10μl+20μl DMSO)を生成する。基準化合物に対して:10mM化合物溶液を100%DMSO中で20倍希釈して、0.5mM溶液(2μl+38μl DMSO)を得、次いで、10用量のための3倍段階希釈(10μl+20μl DMSO)を生成する。2μlの希釈化合物を198μl培地に移して、化合物に対して最高ポイント50μMおよび基準化合物に対して5μMの濃度溶液を得る。次いで、20μlのcpd溶液をアッセイプレート(二重ウェル)に移す。プレートを37℃/5%CO2で24時間インキュベートする。すべてのウェル内のDMSOの最終濃度は0.2%である。ヒトM−CSFを滅菌水中50μg/mlで再構成する。(アリコートを−80℃で貯蔵)。ヒトM−CSFを新鮮培地中で50ng/mlへと1:1000希釈する。化合物を24時間処理した後、25μlの希釈したヒトM−CSF(50ng/ml)をプレートマッピングに従い細胞プレートに移す。すべてのウェル内のヒトM−CSFの最終濃度は10ng/mlである。プレートを37℃/5%CO2で5分間インキュベートする。最初に、適量の完全な溶解緩衝液(100μL/ウェル)を調製し、氷上で貯蔵する。5分間のヒトM−CSFの刺激後、プレートを300μLの氷冷PBSで1回洗浄する。次いで100μlの溶解緩衝液を各ウェルに添加する。プレートを4℃で40分間振盪させる。プレートはここで、−20℃で貯蔵できる。ミクロウェルストリップを室温で平衡化した後、必要とされる数のミクロウェルを切り離す。ミクロウェルをストリップホルダー内に配置する。未使用のミクロウェルは、再密封し、4℃で直ちに貯蔵しなければならない。90μlの細胞溶解物を適当なウェルに添加する。テープで密封し、ミクロウェルの上側を強く圧縮する。プレートを37℃で2時間インキュベートする。テープを穏やかにはがし、ウェルを1×洗浄緩衝液で4回、各ウェルに対して毎回200μlで洗浄する。100μlの再構成した検出抗体(緑色)を各ウェルに添加する。テープで密封し、プレートを37℃で1時間インキュベートする。洗浄手順を繰り返す。100μlの再構成したHRP結合した二次抗体を各ウェルに添加する。テープで密封し、プレートを37℃で30分間インキュベートする。洗浄手順を繰り返す。100μlのTMB基質を各ウェルに添加する。テープで密封し、プレートを37℃で10分間または25℃で30分間インキュベートする。計算および式:以下の計算および式を、XLフィットソフトウエアを使用したデータ分析に対して使用する:シグモイドの用量反応性モデル(フィットモデル、205)を使用してカーブフィッティングを行った。データは表4に報告されている(さらに下に示されている)。
M−NFS−60細胞を使用するCell Titer−Glo(CTG)アッセイ
M−NFS−60細胞は、10%FBS、0.05mM 2−メルカプトエタノール、ペニシリン(100U/ml)/ストレプトマイシン(100mg/ml)を含有し、62ng/ml組換えヒトM−CSFで補充したRPMI−1640培地内で、37℃/5%CO2で培養した。アリコートの細胞を96ウェルプレート(100μl/ウェル中2×105細胞)に播種し、次いで37℃/5%CO2で1時間インキュベートした。化合物を100%DMSO中に溶解して、10mMストック溶液(アリコートを窒素キャビネットに貯蔵)を生成する。10mM化合物溶液を100%DMSO中で2倍希釈して、5mM溶液(10μl+10μl DMSO)を得、次いで10用量のための3倍段階希釈(10μl+20μl DMSO)を生成する。基準化合物に対して:10mM化合物溶液を100%DMSO中で20倍希釈して、0.5mM溶液(2μl+38μl DMSO)を得、次いで8用量のための3倍段階希釈(10μl+20μl DMSO)を生成する。96ウェルプレートを室温で30分間平衡化した。50μlのCell Titer−Glo(登録商標)試薬を各ウェルに添加し、オービタルシェーカー上で2分間混合して、細胞溶解を誘発した。96ウェルプレートを室温で10分間インキュベートして、発光性シグナルを安定化させた。発光をEnVisonプレートリーダーにより700nmで測定した。計算および式:以下の計算および式を、XLフィットソフトウエアを使用したデータ分析に使用した:カーブフィッティングを、シグモイドの用量反応性モデル(フィットモデル、205)を使用して行った。データは表5に報告されている(さらに下に示されている)。
(実施例5)
BaF3−生存率アッセイにより測定される細胞のAxl、MerおよびCSF1R阻害
BaF3細胞に基づくアッセイ原理
この系では、IL−3依存性Ba/F3細胞を改変して、活性化した組換えキナーゼ(本発明の場合Axl、MerおよびCSF1R)を発現させる。IL−3の除去後、改変された細胞は、生存および増殖のため組換えキナーゼの活性に依存する。試験化合物を介してこのようなキナーゼ(複数可)を阻害することは、細胞の生存および増殖を減少させる。
BaF3細胞に基づくアッセイプロトコール
10%FBSを補充したRPMI1640からなる成長培地(GM)内で細胞系を維持した。対数的成長段階にある細胞を収集し、50μl GM内の384ウェルプレートの各ウェルに5,000個の細胞を分配した。親細胞(または、特定された場合、実験的アッセイ)は2ng/mlのIL−3をさらに補充して、細胞成長および生存をサポートする。50ナノリットルの示された参考標準または実験化合物を適当なウェル(二回反復で)に添加し、細胞を37℃/5%CO2で48時間培養した。10μlのCell Titer Gloの添加および発光の測定により生存率を決定し、これを毎秒のカウント数で測定した相対的光単位(RLU)として報告する。以下の計算および式は、GraphPad Prismソフトウエアを使用したデータ分析に使用される:用量反応曲線−阻害を使用してカーブフィッティングを行った。データは表6に報告されている(さらに下に示されている)。
(実施例6)
結合活性(AxlおよびMer)および細胞活性の点からの、本発明の選択された化合物と、WO2016/166250の選択された化合物との比較。
表7は、AxlおよびMerへのこれらの結合活性の点からおよびH1299 Elisaアッセイにおけるこれらの細胞活性の点から、本発明の化合物4、10、16および92(**記号付き)の、WO2016/166250のそれぞれ構造的に類似した化合物27、64、22および48(*記号付き)に対する優位性を示している。データは表1、2および3から抽出し、さらに下の表7において報告されている。
(実施例7)
EMT−6およびMV4−11マウスモデル
a)EMT−6マウスモデル
同系モデル
複数の免疫細胞、特に樹状細胞(DC)およびマクロファージ上に発現し、炎症誘発性シグナル伝達の平衡を保つためのネガティブフィードバックとして作用するAxl/Merはまた、恒常性および誘導性があることが実証されている。CSF1Rの場合、これは腫瘍免疫の微細環境において腫瘍形成を媒介し、骨髄性細胞腫瘍関連マクロファージ(TAM)上に発現する。血清CSF1の上昇、腫瘍中のTAMの数の増加、および組織CSF1および/またはCSF1Rの高い発現は、様々ながんを有する患者における予後の悪さに関連する。マウス同系腫瘍モデルは新規抗がん免疫療法の活性を実証するために広く使用されているツールである。EMT−6同系モデルは有意により高い量の骨髄性細胞、さらにはより高いパーセンテージのTAMも含有する。したがって、EMT−6は、標的免疫細胞の変化を介したがん免疫薬物の有効性効果に対する適切なモデルである。
EMT−6同系腫瘍モデル処置プロトコール
BALB/cマウス(週齢6〜8週の雌、Beijing Vital River Laboratory Animal Technology Co.,Ltd.)の右側腹部の上側に、0.1mLのPBS中EMT−6腫瘍細胞(1×106)を腫瘍発症のために皮下接種した。試験のため、処置は腫瘍植菌の6日後に開始し、マウスには各試験化合物またはビヒクルを毎日経口的に投薬した。腫瘍体積をデジタルキャリパで3日ごとに測定し、式:V=0.5a×b2(式中、aおよびbは腫瘍のそれぞれ長い直径および短い直径(単位:mm)である)を使用して計算した。体重を3日ごとに測定した。試験では、動物の取扱い、ケアおよび処置に関係するすべての手順は、実験動物管理公認協会(Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care(AAALAC))の手引きによる、WuXi AppTecの施設用動物ケアおよび使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC))で承認されたガイドラインに従い実施した。所定のモニタリング時には、動物は、正常な挙動に対する腫瘍成長および処置の任意の作用、例えば、移動性、食物および水の消費(観察のみ)、体重増加/減少(体重は週3回測定)、眼/毛のもつれならびにプロトコールに述べられている他の任意の異常な作用について毎日チェックした。死亡および観察された臨床的徴候を、各サブセット内の動物の数に基づき記録した。データは、本発明の化合物4と、WO2016/166250の構造的に類似した化合物27との対比が図1に例として報告されており、本発明による化合物が他の化合物またはビヒクルより有意に大きな範囲で腫瘍成長を遅らせることを実証している。
b)MV4−11マウスモデル
異種移植片モデル
急性骨髄性白血病(AML)患者におけるAxlまたはGas6の高い発現は、低い生存結果に対する前兆である。AML細胞は、骨髄誘導性間質細胞(BMDSC)によるAxlリガンドGas6の発現および分泌を誘発する。ひいては、Gas6はAxl発現AML細胞の増殖、生存、および化学療法抵抗性を媒介する。AML細胞とBMDSCとの間のこのGas6/Axlパラクリン軸は化学保護腫瘍細胞の生態的地位を確証し、これはAxl標的化手法により取り消すことができる。Axl/Gas6軸は白血病細胞増殖および化学療法抵抗性を促進する。
MV4−11異種移植片腫瘍モデル処置プロトコール
BALB/cヌードマウス(週齢6〜8週の雌、Shanghai SIPPR/BK Laboratory Animal Co.,LTD.)の右側腹部上側に、0.1mLのPBS+マトリゲル(1:1)中のMV4−11腫瘍細胞(1×107)を腫瘍発症のため皮下接種した。試験のため、処置は腫瘍植菌の10日後に開始し、マウスには各試験化合物またはビヒクルを毎日経口的に投薬した。腫瘍体積をデジタルキャリパで3日ごとに測定し、式:V=0.5a×b2(式中、aおよびbは腫瘍のそれぞれ長い直径および短い直径(単位:mm)である)を使用して計算した。体重を3日ごとに測定した。試験では、動物の取扱い、ケアおよび処置に関係するすべての手順は、実験動物管理公認協会(Association for Assessment and Accreditation of Laboratory Animal Care(AAALAC))の手引きによる、WuXi AppTecの施設用動物ケアおよび使用委員会(Institutional Animal Care and Use Committee(IACUC))で承認されたガイドラインに従い実施した。所定のモニタリング時には、動物は、正常な挙動に対する腫瘍成長および処置の任意の作用、例えば、移動性、食物および水の消費(観察のみ)、体重増加/減少(体重は週3回測定)、眼/毛のもつれならびにプロトコールに述べられている他の任意の異常な作用について毎日チェックした。死亡および観察された臨床的徴候を、各サブセット内の動物の数に基づき記録した。データは、本発明の化合物4と、WO2016/166250の構造的に類似した化合物27との対比が図2に例として報告されており、本発明による化合物が他の化合物またはビヒクルよりはるか大きな範囲で腫瘍成長を遅らせることを実証している。
EMT−6およびMV4−11に対するデータは、図1(EMT−6同系モデル有効性試験)および2(MV4−11異種移植片モデル有効性試験)に示されている。
(実施例8)
ジメトキシキノリンの一般的骨格の誘導体化
提示された化合物に、以下に概説されている方法(スキーム1〜21)に従い誘導体化を行った。生成した誘導体は、上記に記載されているアッセイ(実施例1〜7)を使用してキナーゼ結合、細胞の活性およびin vivo活性について試験し、結果は表1〜7および図1および2に要約されている。合成した化合物1〜179は以下の表8に示されている。
スキーム1−一般的合成経路I
C1の合成に対する一般的手順
C1の化合物を調製する方法がスキーム1に示されている。A1とB1の反応を、DMF中のHATU(O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート)、TEAの存在下で行って、C1を得る。代わりに、A1とB1の反応を、ピリジン中EDCI(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)の存在下で行って、C1を得る。
スキーム2−化合物4に対する一般的合成
A3の合成に対する一般的手順
HCl(3M、180mL)に、化合物A2(20.0g、53.1mmol)を10℃でゆっくりと添加し、次いで混合物を0℃に冷却し、NaNO2(11.8g、55.8mmol)の水(50mL)溶液を添加すると、混合物は褐色溶液(溶液A)に変化する。H2O(2000mL)/EtOH(500mL)中のエチル4−クロロ−3−オキソ−ブタノエート(28.2g、170mmol)およびNaOAc(66.1g、812mmol)の混合物に、溶液Aを0〜5℃で滴下添加した。次いで混合物を10℃で1時間撹拌した。黄色の粉末が反応混合物から沈殿した。この現象は反応が作用したことを示し、LCMSは80%所望のMS値を示した。混合物を濾過し、フィルターケーキを水(500mL)で洗浄し、高真空で乾燥させて、35.0gの化合物A3(収率:72.2%)を黄色の粉末として得た。
A4の合成に対する一般的手順
化合物A3(35.0g、117.17mmol)の無水EtOH(300mL)溶液に、KOAc(23.0g、234mmol)を添加した。混合物を78.3℃で6時間加熱還流した。反応混合物は黄色の溶液であった。LCMSは86.7%所望のMS値を示した。混合物を室温に冷却した。大部分のEtOHを減圧下で除去し、残渣をEtOAc(800mL)とH2O(800mL)との間で分配した。水溶液をEtOAc(800mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(900mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、27.0gの化合物A4(収率:87.9%)を黄色の粉末として得た。
A5の合成に対する一般的手順
化合物A4(10.0g、38.1mmol)のDMF(100mL)溶液に、NaH(3.05g、76.3mmol、鉱物油中60%分散液)を0℃で添加し、次いで混合物を20℃で30分間撹拌し、次いでCF3CH2OTf(17.7g、76.3mmol)を混合物に添加し、反応混合物を60℃に2.5時間温めた。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、水(1000mL)で希釈し、EtOAc(1000mL×3)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(1500mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、46.0g(粗生成物、少しのDMFを含有する)の化合物A5を黄色のガム状物質として得た。
A6の合成に対する一般的手順
MeCN(400mL)中の化合物A5(40.0g、116mmol)の混合物に、H2O(200mL)中のCAN(191g、349mmol)を0℃で添加し、次いで混合物を20℃に温め、20℃で17時間撹拌した。TLC(PE/EtOAc=1/2)は反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(500mL×3)で抽出し、合わせた抽出物を飽和NaHCO3水溶液(800mL×3)で洗浄し、有機相を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=4/1〜2/1)で精製して、7.60g(収率:27.5%)の化合物A6を黄色の固体として得た。
A7の合成に対する一般的手順
化合物A6(9.15g、38.4mmol)、D1−2(7.18g、42.3mmol)のMeCN(100mL)溶液に、Cs2CO3(31.3g、96.1mmol)を添加した。反応物を25℃で17時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過した。フィルターケーキをEtOAc(300mL)で洗浄した。濾液をEtOAc(300mL)と水(400mL)とに分配した。有機相をブライン(400mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1:0〜3:1)で精製して、4.3gの所望しない異性体(収率:40%)(低い極性)を黄色の油状物として、および4.9gの化合物A7(収率:46%)(より高い極性)を黄色のガム状物質として得た。
A8の合成に対する一般的手順
化合物A7(4.9g、17.5mmol)のMeOH(33mL)溶液に、H2O(8mL)中のNaOH(2.10g、52.5mmol)を添加した。反応物を20℃で2時間撹拌して、黄色の溶液を得た。TLCは、反応が完了したことを示した。大部分のMeOHを減圧下で除去した。HCl水溶液(1M)を用いて、反応混合物をpH=4に調整した。混合物をDCM(110mL×3)で抽出した。有機層をブライン(150mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、4.41gの化合物A8(収率:100%)を黄色のガム状物質として得た。
4の合成に対する一般的手順
化合物A8(4.41g、17.5mmol)、EDCI(5.03g、26.2mmol)のピリジン(40mL)溶液に、化合物B1−1(5.30g、17.8mmol)を添加した。反応物を25℃で17時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは、撹拌物質が完全に消費されていないことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をDCM(400mL)とH
2O(300mL)との間で分配した。有機層をH
2O(200mL×2)、ブライン(200mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色のガム状物質を得た。粗生成物をCombi Flash(登録商標)(EtOAc:PE=0:1〜1:0)で精製し、溶離液を減圧下で濃縮して、オフホワイト色のガム状物質を得た。生成物をMeCN(30mL)およびH
2O(33mL)に溶解し、凍結乾燥させて、5.23gの化合物7(収率:55%、純度:98.5%)を白色の粉末として得た。
スキーム3−化合物1に対する一般的合成
A9の合成に対する一般的手順
DMF(10mL)中の化合物A6(1.00g、4.20mmol)、Cs2CO3(3.42g、10.5mmol)の混合物に、D1−2(524mg、3.36mmol)を添加した。混合物を15℃で2時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(50mL)とH2O(50mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を黄色の油状物として得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE:EA=1:0〜3:1)で精製して、A9(240mg、21.5%収率、より高い極性、所望の生成物)を黄色のガム状物質として得た。LCMS(Rt=1.080分)は所望のMS値を示した。
A10の合成に対する一般的手順
DCM(3mL)中のA9(240mg、0.902mmol)の混合物に、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(155mg、0.541mmol)を添加した。混合物を15℃で12時間撹拌し、LCMSは出発材料が残留することを示し、Br2(200μL)を添加し、15℃で開始して12時間、黄色の混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物をDCM(50mL)と飽和炭酸水素ナトリウム(30mL)との間で分配し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、A10(300mg、96.4%収率)を黄色の粉末として得た。LCMS(Rt=1.243分)は所望のMS値を示した。
A11の合成に対する一般的手順
ジオキサン(3mL)およびH2O(1mL)中のA10(300mg、0.869mmol)、Cs2CO3(708mg、2.17mmol)の混合物に、2,4,6−トリメチル−1,3,5,2,4,6−トリオキサトリボリナン(327mg、2.61mmol)、Pd(dppf)Cl2・CH2Cl2(71mg、0.0869mmol)を添加した。反応混合物をN2大気下、80℃で12時間撹拌して、黒色の混合物を得た。LCMS(Rt=1.186分)は反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却し、DCM(30mL)と水(20mL)との間で分配した。水性相をDCM(30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL×2)で洗浄し、減圧下で濃縮して、粗生成物を褐色油状物として得、これをCombi Flash(登録商標)(PE/EA=1/0〜3/1)で精製して、A11(53mg、21.8%収率)を黄色の油状物として得た。
A12の合成に対する一般的手順
EtOH(1mL)中のA11(50mg、0.178mmol)の混合物に、NaOH(7.14mg、0.178mmol)のH2O(1mL)溶液を添加した。混合物を15℃で2時間撹拌して、褐色懸濁液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮してEtOHを除去した。水性相を水(30mL)で希釈し、HCl(3M)でpH=4〜5に酸性化し、凍結乾燥して、A12(46mg、粗生成物)を黄色のガム状物質として得、これを次のステップで使用した。
1の合成に対する一般的手順
DMF(1mL)中のA12(45mg、178mmol)、HATU(92.5mg、0.243mmol)の混合物に、N
2大気下でB1−1(48.2mg、0.162mmol)、TEA(45μL)を添加した。混合物を60℃で12時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を温度に冷却し、水(10mL)の中に注ぎ入れた。黄色の固体が混合物から沈殿した。混合物を濾過し、フィルターケーキを水(5mL)で洗浄して、褐色固体として粗生成物を得、これを分取TLC(DCM/MeOH=10/1)で精製し、凍結乾燥して、1(42.9mg、49.3%収率、99.1%純度)を黄色の粉末として得た。
スキーム4−化合物3に対する一般的合成
A13の合成に対する一般的手順
第1バッチ:
A6(200mg、0.840mmol)、D1−3(216mg、2.52mmol)、ピリジン(79.7mg、1.01mmol)、およびDMAP(308mg、2.52mmol)のジオキサン(5mL)溶液に、Cu(OAc)2(229mg、1.26mmol)を添加し、混合物を空気中で、100℃で17時間撹拌した。粗製LCMS(Rt:1.490分、1.636分)は、反応が完了したことを示した。
第2バッチ:
A6(500mg、2.10mmol)、D1−3(541mg、6.30mmol)、ピリジン(199mg、2.52mmol)、およびDMAP(770mg、6.30mmol)のジオキサン(10mL)溶液に、Cu(OAc)2(572mg、3.15mmol)を添加し、混合物を空気中で、100℃で17時間撹拌した。粗製のLCMSおよびTLC(PE/EtOAc=3/1)は、反応が完了したことを示した。
各バッチ混合物を合わせ、水(100mL)の中に注ぎ入れ、EA(50mL×3)で抽出し、合わせた抽出物をNH3・H2O水溶液(50mL×3、14%)およびブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾過を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)で精製して、510mgのA13(全収率:20%)を黄色のガム状物質としておよび320mgのA13−1を白色の粉末として得た。
A14の合成に対する一般的手順
第1バッチ:
A13(100mg、0.359mmol、1当量)のDCM(5mL)溶液に、Br2(57mg、0.36mmol、1当量)を添加し、混合物を15℃で17時間撹拌して、褐色溶液を得た。粗製のLCMS(RT:0.977分)は反応が完了していないことを示し、次いで追加のBr2(104mg)を上記混合物に添加し、生成した混合物を15℃で24時間撹拌して、褐色溶液を得た。TLC(PE/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。
第2バッチ:
A13(410mg、1.47mmol)のDCM(5mL)溶液に、Br2(236mg、1.47mmol)を添加し、混合物を15℃で17時間撹拌して、褐色溶液を得た。TLC(プレート1、PE/EtOAc=3/1)は反応が完了していないことを示し、次いでBr2(500mg)を上記混合物に添加し、混合物を30℃で1時間撹拌し、TLC(プレート2、PE/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。
2つの合わせたバッチ混合物をDCM(50mL)に注ぎ入れ、飽和NaHCO3水溶液(50mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得、この残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=10/1〜2/1)で精製して、450mg(収率:86%)のA14を白色の粉末として得た。
A15の合成に対する一般的手順
A14(450mg、1.26mmol)、E1(1.37g、3.78mmol)およびLiCl(53mg、1.3mmol)のDMF(5mL)溶液に、Pd(dppf)Cl2(184mg、0.252mmol)を添加し、混合物をN2で3回パージし、100℃で17時間撹拌して、褐色懸濁液を得た。粗製のLCMS(Rt:1.233分)およびTLC(PE/EtOAc=3/1)は、反応が完了したことを示し、次いで混合物をHCl水溶液(10mL、1M)で処理して、褐色懸濁液を得、TLC(PE/EtOAc=3/1)およびLCMSは反応が完了したことを示した。飽和NaHCO3水溶液を用いて混合物のpH値を8に調整し、EtOAc(30mL×3)で抽出し、合わせた抽出物をブライン(50mL)で洗浄し、無水Na2SO3で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=10/1)で精製して、100mg(収率:26%)のA15を黄色の粉末として得た。
A16の合成に対する一般的手順
A15(100mg、0.327mmol)のEtOH(3mL)溶液に、H2O(1mL)中NaOH(26mg、0.65mmol)を添加し、混合物を15℃で3時間撹拌して、黄色の粉末を得た。TLC(EtOAc)は反応が完了したことを示した。混合物のpH値を5に調整し、混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得、この残渣を真空で乾燥させた。次いで、粗製の化合物を、NaOH水溶液(1M、20mL)で処理してNa塩を形成し、次いでEtOAc(10mL×2)で抽出して、不純物を除去し、HCl水溶液(3M)を用いて、水性相のpH値を5に調整し、DCM(30mL×3)で抽出し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、60mg(収率:63%)のA16を白色の粉末として得た。
3の合成に対する一般的手順
A16(60mg、0.21mmol)、B1−1(61mg、0.21mmol)およびTEA(104mg、1.03mmol)のDMF(1mL)溶液に、HATU(156mg、0.411mmol)を添加し、混合物を15℃で17時間撹拌して、懸濁液を得た。粗製のLCMSおよびHPLCは、反応がうまく働いたことを示した。混合物を濾過し、フィルターケーキをMeCN(2mL)で洗浄して、生成物(約:60mg、HNMR:DMF(7%)を含有)を得た。生成物を凍結乾燥して、36mg(収率:31%)の3を白色の粉末として得た。
スキーム5−化合物6に対する一般的合成
A17の合成に対する一般的手順
DMF(20mL)中のA4(10.0g、38.0mmol)およびCs2CO3(24.8g、76.3mmol)の混合物を25℃で30分間撹拌した。生成した混合物に、E2(9.38g、76.3mmol、7.2mL)を添加した。混合物を25℃で16時間撹拌して、褐色混合物を形成した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(200mL)とH2O(200mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(500mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A17(10.50g、収率:90.5%)を褐色固体として得た。
A18の合成に対する一般的手順
A17(10.5g、34.5mmol)のMeCN(100mL)溶液に、CAN(56.7g、104mmol)のH2O(100mL)溶液を0℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌して、褐色溶液を形成した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物にEtOAc(500mL)および飽和NaHCO3(500mL)を添加した。混合物を濾過した。濾液を分離した。水溶液をEtOAc(500mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(800mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得、これをCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1/0〜4/1)で精製して、A18(2.40g、収率:22.2%、LCMS:63.2%)を暗黄色の油状物として得た。
A19の合成に対する一般的手順
DMF(10mL)中のA18(1.00g、5.04mmol)およびCs2CO3(3.29g、10.1mmol)の混合物に、D1−2(944mg、6.05mmol、0.48mL)を添加した。混合物を20℃で4時間撹拌して、褐色混合物を形成した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を室温に冷却した。混合物をEtOAc(30mL)とH2O(30mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(80mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して残渣を得、これをCombi Flash(登録商標)(溶離液:PE/EtOAc=3/1)で精製して、A19(300mg、収率:26.4%、より高い極性)およびA19−1(450mg、収率:39.4%、低い極性)を黄色の油状物として得た。
A20の合成に対する一般的手順
EtOH(8mL)およびH2O(4mL)中のA19(300mg、1.33mmol)の混合物に、NaOH(159mg、3.98mmol)を添加した。混合物を15℃で2時間撹拌した。LCMSは化合物2が残留することを示した。混合物をもう1時間撹拌して、黄色の溶液を形成した。TLC(溶離液:EtOAc)は反応が完了したことを示した。大部分のEtOHを減圧下で除去した。水溶液をH2O(5mL)で希釈し、HCl(2M、水性)でpH=3〜4に調整し、次いでDCM(10mL×3)で抽出した。有機抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A20(230mg、収率:87.5%)を黄色のガム状物質として得た。
6の合成に対する一般的手順
DMF(6mL)中のA20(240mg、1.21mmol)およびB1−1(300mg、1.01mmol)の混合物に、HATU(575mg、1.51mmol)およびTEA(306mg、3.03mmol、0.42mL)を添加した。混合物を15℃で17時間撹拌した。LCMSは反応が完了していないことを示した。混合物を60℃まで温め、もう3時間撹拌した。LCMSは反応が完了していないことを示した。混合物を60℃でもう17時間撹拌して、褐色混合物を形成した。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(20mL)とH
2O(20mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(50mL×3)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これをCombi Flash(登録商標)(溶離液:PE/EtOAc=1/1〜7/3)で精製し、凍結乾燥して、不純生成物を得た。この不純生成物を分取TLC(溶離液:PE/EtOAc=1/9)でさらに精製して、50mgの生成物を得た。これは、LCMSから、不純物をさらに含有する。H NMRは純粋を示した。次いで試料を分取HPLC(0.05%NH
4HCO
3)でさらに精製した。大部分のMeCNを凍結乾燥で除去して、6(25.4mg、収率:5.3%、LCMS:100%)を白色の粉末として得た。
スキーム6−化合物15に対する一般的合成
A21の合成に対する一般的手順
DMF(150mL)中のA4(25g、95.3mmol)の混合物に、Cs2CO3(77.7g、238mmol)、E3(25g、185mmol、18.8mLを添加した。混合物を25℃で17時間撹拌して褐色混合物を得た。LCMSは反応が完了していないことを示し、10gのE3を新たに上記混合物に添加し、混合物を25℃で3時間撹拌した。LCMS(Rt=1.622分)は反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、フィルターケーキをEtOAc(500mL)で洗浄し、濾液を水(400mL)で洗浄し、水性相をEtOAc(150mL×2)で抽出し、合わせた抽出物を水(500mL×3)、ブライン(500mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A21(18g、40.9mmol)を褐色油状物として得た。粗生成物を次のステップで精製することなく使用した。
A22の合成に対する一般的手順
MeCN(150mL)中のA21(18g、56.9mmol)の混合物にH2O(150mL)中CAN(93.6g、170mmol、85.1mL)を0〜5℃で添加した。混合物を25℃で17時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMS(Rt=1.244分)は反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(300mL)と水(300mL)との間で分配し、水性相をEtOAc(150mL×2)で抽出し、合わせた抽出物を飽和NaHCO3(500mL×3)、ブライン(500mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得、これをCombi Flash(登録商標)(PE/EA=10:1〜2:1)で精製して、A22(1.4g、粗製)を褐色のガム状物質として得た。
A23の合成に対する一般的手順
A22(1.2g、5.71mmol)、D1−1(1.46g、8.56mmol)のDMF(15mL)溶液に、Cs2CO3(3.72g、11.4mmol)を添加した。反応物をN2大気下、20℃で17時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。LCMS(Rt=1.526分)は反応が完了したことを示した。反応混合物をEtOAc(300mL)とH2O(500mL)との間で分配した。分離した水性相をEtOAc(100mL)で抽出した。合わせた有機層をH2O(200mL×2)、ブライン(100mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(石油エーテル/酢酸エチル=1/0〜3/1)で精製して、310mg(収率:19.4%、純度:90%、高い極性)のA23を黄色の褐色油状物として、および430mg(収率:29.8%、純度:99.7%、低い極性)のA23−1を黄色の油状物として得た。
A24の合成に対する一般的手順
A23(310mg、1.23mmol)のMeOH(3mL)溶液に、NaOH(147mg、3.69mmol)のH2O(4mL)溶液を添加した。反応物を20℃で2時間撹拌して、黄色の溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。HCl水溶液(1M)を用いて反応混合物をpH=5に調整した。混合物をEtOAc(100mL×2)で抽出した。有機層をブライン(60mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、300mg(粗製)のA24を黄色の油状物として得た。
A25の合成に対する一般的手順
A24(150mg、0.669mmol)、B1−1(199mg、0.669mmol)のピリジン(3mL)溶液に、N2大気下でEDCI(192mg、1.00mmol)を添加した。反応物をN2大気下、20℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMS(Rt=1.459分)は反応が完了したことを示した。反応混合物をEtOAc(100mL)と水(100mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(60mL×3)で抽出した。合わせた抽出物を0.5MのNaOH水溶液(70mL)、H2O(70mL)、0.5MのHCl水溶液(70mL)、H2O(70mL)、ブライン(60mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、170mg(収率:50.5%)のA25を黄色のガム状物質として得た。
15の合成に対する一般的手順
A25(170mg、0.338mmol)のTHF(3mL)溶液に、H
2O(2mL)中のNMO(79mg、0.675mmol)、OsO
4(26mg、0.101mmol)を添加した。反応物を20℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物をNa
2SO
3(400mg)のH
2O(4mL)溶液に添加し、25℃で20分間撹拌した。濾過後、濾液をEtOAc(100mL)とH
2O(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をH
2O(40mL×2)、ブライン(40mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。分取HPLC(0.01%NH
4HCO
3)の精製後、溶離液を凍結乾燥して、47.9mg(収率:26.4%、純度:100%)の15を白色の粉末として得た。
スキーム7−化合物17および19に対する一般的合成
A26の合成に対する一般的手順
A6(0.4g、1.68mmol、1当量)のCH3CN(20mL)溶液に、Cs2CO3(821mg、2.52mmol、1.5当量)およびD1−4(186mg、2.02mmol、1.2当量)を添加した。生成した混合物を15℃で16時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。LCMSおよびTLC(PE/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。反応混合物をH2O(50mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EtOAc=1/1)で精製して、A26(184mg、37.2%収率)を白色の固体として得た。
A27の合成に対する一般的手順
A26(184mg、0.625mmol、1当量)のMeOH(12mL)およびH2O(2mL)溶液に、NaOH(75mg、1.88mmol、3当量)を添加した。生成した混合物を15℃で2時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得て、次いでH2O(10mL)で希釈し、EtOAc(10mL)で抽出した。0.5MのHCl(5mL)を用いて水層をpH=4に調整し、次いで減圧下で濃縮して、A27(300mg、粗製、多量のNaCl塩を含有)を白色の固体として得た。この生成物を次のステップでさらに精製せずにそのまま使用した。
19の合成に対する一般的手順
B1−1(160mg、0.538mmol、1当量)のピリジン(3mL)溶液に、A27(158mg、0.592mmol、1.1当量)およびEDCI(155mg、0.807mmol、1.5当量)を添加した。生成した混合物を15℃で16時間撹拌し、黄色の溶液を得た。LCMSは反応が完了し、所望の生成物が形成されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をH2O(20mL)に添加し、EtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得、これをカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EtOAc=0/1)で精製して、19(185mg、63%収率)を白色の固体として得た。
17の合成に対する一般的手順
19(185mg、0.339mmol、1当量)のMeOH(5mL)溶液に、NaBH
4(25.7mg、0.678mmol、2当量)を一度に添加し、生成した混合物を0℃で1時間撹拌して、無色の溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。H
2O(1mL)の添加により、反応混合物をクエンチし、減圧下で濃縮して、残渣を得た。次いで残渣をH
2O(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCH
3CN(2mL)およびH
2O(5mL)に溶解し、次いで凍結乾燥して、生成物を得た。HNMRおよびHPLCは不純物を有する生成物を示し、次いでこの不純生成物をさらに分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×255移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)−ACN];B%:40%〜75%、7分)で精製した。画分を濃縮し、凍結乾燥して、17(89.9mg、48.4%収率、100%純度)を白色の固体として得た。
スキーム8−化合物63に対する一般的合成
A28の合成に対する一般的手順
ジオキサン(17.0mL)中のD1−5(2.55g、10.1mmol、564μL、1.20当量)、A6(2.00g、8.40mmol、1.00当量)およびCs2CO3(5.47g、16.80mmol、2.00当量)の混合物を100℃に12時間加熱した。LCMS(A28:RT=1.24分)は化合物A6が完全に消費され、所望のm/zを有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。混合物を濃縮し、濾液が濃縮された。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1〜1/1)(TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A28:Rf=0.35)で精製した。A28(1.8g、4.55mmol、54.2%収率)を黄色の固体として得た。
A29の合成に対する一般的手順
化合物A28(1.80g、4.55mmol、1当量)のMeOH(12.6mL)溶液に、NaOH(364mg、9.11mmol、2.0当量)のH2O(3.60mL)溶液を15〜25℃で滴下添加した。混合物を15〜25℃で12時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A28:Rf=0.35、A29:Rf=0.01)は化合物A28が完全に消費されたことを示した。混合物を濃縮した。4MのHCl(15.0mL)を用いて残渣のpH値を5〜6に調整した。混合物をDCMおよびIPA(3/1、20mL×4)の溶液で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。化合物A29(1.39g、3.78mmol、83.1%収率)を黄色の固体として得た。
A30の合成に対する一般的手順
化合物A29(200mg、544μmol、1.00当量)および化合物B1−1(165mg、555μmol、1.02当量)のピリジン(5V)溶液に、EDCI(156mg、816μmol、1.50当量)を添加した。混合物をN2下、15〜25℃で12時間撹拌した。LCMS(A30:RT=1.04分)は化合物A29が完全に消費され、所望のm/zを有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。反応混合物を濃縮した。化合物A30(200mg、309μmol、56.8%収率)を褐色油状物として得た。
63の合成に対する一般的手順
式A30(1.00当量)のHCl/MeOH(50mL)溶液を15℃で2時間撹拌した。LCMSは化合物A30が完全に消費され、所望のm/zを有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を逆相のHPLC(0.1%HCl条件)(HPLC)で精製した。化合物63(168mg、92.4%収率、99.2%純度)を黄色の固体として得た。
スキーム9−化合物23に対する一般的合成
A32の合成に対する一般的手順
EtOH(150mL)中のA31(10g、63.7mmol、1当量)の混合物に、SOCl2(8.33g、70.0mmol、5.08mL、1.1当量)を20℃(r.t.)でゆっくりと添加し、生成した混合物を20℃で48時間撹拌して、無色の溶液を得た。これは一般的な反応であるため、反応をTLCまたはLCMSでモニタリングしなかった。混合物をそのまま濃縮し、次いで100mLのトルエンと共に再蒸発させて、A32(12.4g、粗製)を白色の固体として得た。
A33の合成に対する一般的手順
MeCN(120mL)中の化合物A32(12.4g、66.9mmol、1当量)およびK2CO3(23.1g、167mmol、2.5当量)の混合物に、D1−1(28.5g、167mmol、16.4mL、2.5当量)を添加し、生成した混合物を60〜70℃に16時間加熱して、白色の混合物を得た。TLCは2つの新規スポットを示した。混合物をEtOAc(100mL)とH2O(100mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(100mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1/0〜4/1〜3/1)で精製して、化合物A33(9.5g、62.4%収率)を黄色の油状物として得た。
A34の合成に対する一般的手順
A33(2g、8.8mmol、1当量)のMeOH(20mL)溶液に、N2大気下で湿ったPd/C(200mg、10%純度)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(15psi)下、15℃で3時間撹拌して、黒色懸濁液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を、セライトのパッド上で濾過し、濾液を濃縮して、黄色の油状物としてのA34(1.55g、88.8%収率、99.4%純度)を得た。
A35の合成に対する一般的手順
A34(200mg、1.01mmol、1当量)のCH3CN(10mL)溶液に、2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(353mg、1.52mmol、1.5当量)、K2CO3(308mg、2.23mmol、2.2当量)およびEt3N(154mg、1.52mmol、0.2mL、1.5当量)を添加した。生成した混合物を90℃(油浴)で加熱し、4時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した、TLC(PE:EtOAc=3:1)は出発材料の一部が残留し、1つの新規スポットが形成されたことを示した。反応混合物をH2O(30mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=3:1)を精製して、化合物A35(110mg、38.9%収率)を白色の固体として得た。
A36の合成に対する一般的手順
A35(110mg、0.394mmol、1当量)のMeOH(8mL)およびH2O(2mL)溶液に、NaOH(78.8mg、1.97mmol、5当量)を添加した。生成した混合物を15℃で2時間撹拌して無色の溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。0.5MのHClを用いて、反応混合物をpH約4に調整し、30分間撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、A36(121mg、粗製)を白色の固体として得た。
23の合成に対する一般的手順
B1−1(95mg、0.32mmol、1当量)およびA36(88.3mg、0.35mmol、1.1当量)のピリジン(2mL)溶液に、EDCI(92mg、0.48mmol、1.5当量)を添加した。生成した混合物を15℃で16時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。LCMSは大部分の出発材料が消費され、所望の生成物が形成されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得、次いでH
2O(20mL)で希釈し、EtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO
2、PE:EtOAc=1:1)で精製して、生成物を得、これをCH
3CN(2mL)およびH
2O(3mL)に溶解し、凍結乾燥して、23(56.5mg、33.3%収率、100%純度)を白色の粉末として得た。
スキーム10−化合物34に対する一般的合成
A37の合成に対する一般的手順
THF(40mL)中のA32(5.45g、29.4mmol、1当量)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(7.43g、88.3mmol、8.07mL、3当量)の混合物に、TsOH(507mg、2.94mmol、0.1当量)を添加した。生成した混合物を80℃で16時間撹拌して、黄色の溶液を得た。TLC(PE/EtOAc=3/1)は反応が完了したことを示した。反応混合物をH2O(100mL)でクエンチし、EtOAc(50mL×2)で抽出した。有機層をブライン(20mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EtOAc=3:1)で精製して、7.01g(収率:88.4%)のA37を黄色の油状物として得た。
A38の合成に対する一般的手順
A37(7.01g、26.0mmol、1当量)のMeOH(70mL)溶液に、N2下で湿ったPd/C(1.5g、10%純度、水中50%)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(15psi)下で、25℃で16時間撹拌して、黒色懸濁液を得た。TLC(PE/EtOAc=2/1)は反応が完了したことを示した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、濾液を濃縮して、5.84g(収率:93.7%)のA38を紫色の油状物として得た。
A39の合成に対する一般的手順
DCE(25mL)中のA38(4.20g、17.6mmol、1当量)の混合物に、テトラヒドロピラン−4−カルボアルデヒド(2.20g、19.3mmol、1.1当量)、NaBH(OAc)3(9.30g、43.9mmol、2.5当量)およびHOAc(1.05g、17.6mmol、1.0mL、1当量)を添加した。生成した混合物を25℃で17時間撹拌して、紫色の懸濁液を得た。TLC(PE/EtOAc=2/1)は反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、5.53g(粗製)のA39を紫色の油状物として得た。
A40の合成に対する一般的手順
A39(5.53g、16.4mmol、1当量)のMeOH(50mL)溶液に、ポリホルムアルデヒド(2.46g、16.39mmol)、HOAc(984mg、16.4mmol、937μL、1当量)およびNaBH3CN(1.03g、16.4mmol、1当量)を添加した。生成した混合物を25℃で72時間撹拌して、薄赤色の溶液を得た。TLC(PE/EtOAc=1/1)は反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をEtOAc(50mL)に溶解した。飽和Na2CO3(40mL)を溶液に添加した。水溶液をEtOAc(20mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(15mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、5.38g(粗製)のA40を褐色油状物として得た。
A41の合成に対する一般的手順
A40(5.38g、15.3mmol、1当量)のDCM(90mL)溶液に、TFA(46.2g、405mmol、30mL、26.5当量)を添加した。生成した混合物を25℃で16時間撹拌して、褐色混合物を得た。TLC(PE/EtOAc=1/1)は少しの出発材料が依然として残留することを示した。LCMS(Rt=0.665分)は83%の所望の化合物のMSを示した。反応混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)に溶解した。飽和Na2CO3(100mL)を溶液に添加した。水性相をEtOAc(30mL)で抽出した。合わせた有機層抽出物をブライン(20mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1/1)で精製して、1.98g(収率:48.4%)のA41を褐色のガム状物質として得た。
A42の合成に対する一般的手順
A41(520mg、1.95mmol、1当量)およびD1−1(827mg、4.86mmol、475μL、2.5当量)のMeCN(10mL)溶液に、K2CO3(672mg、4.86mmol、2.5当量)を25℃で添加し、次いで混合物を60℃で16時間撹拌して、オフホワイト色の懸濁液を得た。TLC(PE/EtOAc=1/1)は2つの新規スポットを示した。LCMS(Rt=0.711分)は反応が完了したことを示した。混合物を真空で濃縮し、残渣を水(30mL)でクエンチした。生成した溶液をEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=3/1〜2/1〜1/1)で精製して、280mg(収率:46.5%)のA42を黄色の油状物として得た。
A43の合成に対する一般的手順
A42(280mg、0.905mmol、1当量)のMeOH(4mL)溶液に、H2O(0.6mL)中のNaOH(3M、603μL、2当量)を添加し、混合物を20℃で18時間撹拌して、無色の混合物を得た。TLC(PE/EtOAc=1/1)は新規スポットを示した。LCMS(Rt=0.518分)は反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をH2O(10mL)の添加によりクエンチし、次いでEtOAc(20mL)で抽出した。次いで2N塩酸をその水性相に添加して、HCl水溶液でpH=1に調整した。水性相をDCM(10mL×8)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、90mg(粗製)のA43を淡黄色の固体として得た。LCMSは純度81%を示した。水性相はLCMSからの生成物をさらに含有した。次いでトルエン(10mL×5)を水性相に添加した。水性相を減圧下で濃縮して、130mg(粗製、NaCl塩を含有)のA43を白色の固体として得た。LCMSは98%の所望のMS値を示した。
34の合成に対する一般的手順
A43(130mg、0.457mmol、3当量)およびB1−1(45mg、0.15mmol、1当量)のピリジン(1.5mL)溶液に、EDCI(44mg、0.23mmol、1.5当量)を添加した。生成した混合物を20℃で16時間撹拌して、黄色の混合物を得た。TLC(EtOAc)は新規スポットを示した。LCMSは4.9%の所望の化合物のMSを示した。混合物を20℃でもう8時間撹拌した。次いで追加のEDCI(44mg、0.23mmol、1.5当量)を添加した。混合物を20℃で48時間撹拌した。LCMS(Rt=0.773分)は7.2%の所望の化合物のMSを示した。混合物をDCM(50mL)と水(30mL)との間で分配した。水性相をDCM(20mL×3)で抽出した。合わせた抽出物を飽和ブライン(10mL×2)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC[(PE/EtOAc=1/1)/(DCM/MeOH=10/1)=1/1]で精製して、34(3.7mg、収率:4.2%、純度:97.5%)を白色の粉末として得た。
スキーム11−化合物35に対する一般的合成
B3の合成に対する一般的手順
Na(2.66g、116mmol、3当量)のMeOH(40mL)中懸濁液を25℃で30分間撹拌した。次いでB2(10g、38.6mmol、1当量)を上記混合物に添加した。反応物を80℃で17時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。TLCは出発材料が完全に消費されていないことを示した。混合物を室温に冷却した。HCl水溶液(4M)で混合物のpHを1〜2に調整し、EtOAc(200mL×2)で抽出した。合わせた抽出物をブライン(200mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、B3(8.3g、収率:79%)を黄色の油状物として得た。
B4の合成に対する一般的手順
B3(7.1g、26.2mmol、1当量)およびジフェニルメタンイミン(5.7g、31.4mmol、1.2当量)のトルエン(150mL)溶液に、Pd2(dba)3(599mg、0.655mmol、0.025当量)、BINAP(1.22g、1.96mmol、0.075当量)およびt−BuONa(3.52g、36.7mmol、1.4当量)をN2下で添加した。生成した混合物を90℃で加熱し、12時間撹拌して、赤色の溶液を得た。TLCは所望の生成物が形成されたことを示した。H2O(150mL)の添加により反応混合物をクエンチし、EtOAc(150mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EtOAc=20:1)で精製して、6gの粗生成物を得、これをPE/EtOAc=40mL/2mLで粉砕して、4.65gのB4を淡黄色の固体として得た。
B5の合成に対する一般的手順
HCl/MeOH(4M)(20mL)中のB4(5.4g、14.5mmol、1当量)の溶液を20℃で30分間撹拌して、白色の懸濁液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。次いでH2O(50mL)で希釈し、NaHCO3飽和溶液でpH=約9に塩基性化し、EtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE/EtOAc=3/1)で精製して、B5(2.5g、収率:83%)を黄色の油状物として得た。
B6の合成に対する一般的手順
2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(1.83g、12.7mmol、1.05当量)およびジエトキシメトキシエタン(1.97g、13.3mmol、1.1当量)の混合物を50℃で加熱し、1.5時間撹拌した。次いで、B5(2.5g、12.1mmol、1当量)のMeOH(10mL)溶液を混合物に添加した。混合物を50℃で1時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。混合物を室温に冷却し、EtOH(20mL)を添加した。生成した混合物を0℃で30分間撹拌した。白色の粉末を観察した。混合物を濾過した。フィルターケーキをEtOH(20mL)で洗浄し、高真空で乾燥させて、1.3gを白色の固体として得たが、LCMSおよびH NMRはこれが所望の生成物ではないことを示した。濾液をEtOAc(50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をシリカカラム(PE/EtOAc=3/1)で精製して、B6(550mg、粗製)を黄色の固体として得た。H NMRは所望の生成物とB5の混合物を示した。
B7の合成に対する一般的手順
ダウサムA(4mL)中のB6(550mg、1.00mmol、1当量)の溶液を、210℃で加熱し、N2下で1時間撹拌して、褐色溶液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応物を室温に冷却し、H2O(20mL)の添加でクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、DCM:MeOH=10:1)で精製して、B7(30mg、収率:11%、純度:98%)を黄色の固体として得た。
B8の合成に対する一般的手順
B7(30mg、0.116mmol、1当量)および1,2−ジフルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(18.4mg、0.116mmol、1当量)のDMF(1mL)溶液に、Cs2CO3(56.6mg、0.174mmol、1.5当量)を添加した。生成した混合物を40℃で加熱し、2時間撹拌して、赤色の溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。H2O(20mL)の添加により反応をクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(10mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(PE:EtOAc=1:1)で精製して、B8(30mg、収率:65%)を黄色の固体として得た。
B1−2の合成に対する一般的手順
B8(30mg、0.075mmol、1当量)のEtOH(5mL)溶液に、50%水(20mg、10%純度)中のPd/C(湿性)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で数回パージした。混合物をH2(15psi)下、20℃で12時間撹拌して、黒色の懸濁液を得た。LCMSおよびTLCは、出発材料の一部が残留し、1つの新規スポットが形成されたことを示した。反応混合物を濾過し、フィルターを濃縮した。残渣を分取TLC(PE:EtOAc=1:1)で精製して、B1−2(20mg、収率:72%、純度:100%)をオフホワイト色の固体として得た。
A44の合成に対する一般的手順
A18(1.43g、7.21mmol、1当量)、K2CO3(2.49g、18mmol、2.5当量)のMeCN(143mL)中懸濁液にD1−1(3.07g、18mmol、2.5当量)を25℃で添加した。反応物を60℃で17時間撹拌して、黄色の懸濁液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。100mgのA18からのパイロット反応と合わせた後、反応混合物に後処理を行った。反応混合物をEtOAc(200mL)とH2O(200mL)との間で分配した。有機層をブライン(200mL×2)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黒色の油状物を得た。粗生成物をCombi Flash(登録商標)(EtOAc:PE=0:1〜1:4)で精製して、A44(0.8g、収率:43%、純度:95%)を黄色の油状物として得た。
A45の合成に対する一般的手順
A44(0.8g、3.33mmol、1当量)のMeOH(10mL)溶液に、H2O(3mL)中のNaOH(400mg、9.99mmol、3当量)を添加した。反応物を25℃で1.5時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。反応物を25℃で17時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されたことを示した。反応物をpH=4に調整し、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層をブライン(150mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A45(710mg、粗製)を黄色の油状物として得た。
35の合成に対する一般的手順
B1−2(20mg、1当量)およびA45(17.3mg、0.081mmol、1.5当量)のピリジン(0.5mL)溶液に、EDCI(15.6mg、0.081mmol、1.5当量)を添加した。生成した混合物を20℃で12時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge 150×50 10μ;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)−ACN];B%:55%〜85%、7.8分)で精製し、次いで濃縮し、凍結乾燥して、35(11.8mg、収率:38%、純度:100%)を白色の粉末として得た。
スキーム12−化合物44に対する一般的合成
A46の合成に対する一般的手順
ジオキサン(8.5mL)中のD1−6(831.50mg、5.04mmol、1.20当量)、A6(1.00g、4.20mmol、1.00当量)およびCs2CO3(2.74g、8.40mmol、2.00当量)の混合物を80℃に12時間加熱した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A6:Rf=0.42、A46:Rf=0.36)はA6が消費されたことを示した。混合物を濃縮し、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1〜1/1)で精製した(TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A46:Rf=0.36)。A46(0.82g、2.54mmol、60.60%収率)を黄色の油状物として得た。
A47の合成に対する一般的手順
A46(0.82g、2.54mmol、1.00当量)のMeOH(5.7mL)溶液に、NaOH(305mg、7.63mmol、3.00当量)のH2O(1.64mL)溶液を15〜25℃で滴下添加した。混合物を15〜25℃で5時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A46:Rf=0.34、A47:Rf=0.01)は、A46が完全に消費されたことを示した。混合物を濃縮した。4MのHCl(15.0mL)を用いて残渣のpH値を5〜6に調整した。混合物をDCMおよびIPA(3/1、20mL×4)の溶液で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。A47(0.68g、2.31mmol、90.83%収率)を黄色の油状物として得た。
44の合成に対する一般的手順
A47(0.15g、510μmol、1.00当量)のピリジン(5mL)溶液に、EDCI(147mg、765μmol、1.50当量)を添加し、15分間撹拌した。B1−1(155mg、520μmol、1.02当量)を混合物に添加した。混合物を25℃で12時間撹拌した。LC−MS(44:RT=0.84分)はA47が完全に消費され、所望の質量を有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。HPLC(ET24988−44−P1A、化合物44:RT=2.55分)は、1つの主要ピークが検出されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を逆相HPLC(0.1%HCl条件)で精製した。44(0.08g、134μmol、26.3%収率、96.2%純度)を黄色の固体として得た。
スキーム13−化合物120に対する一般的合成
D1−8の合成に対する一般的手順
Mg(67.1g、2.76モル、10当量)およびI2(701mg、2.76mmol、0.01当量)のTHF(350mL)中懸濁液に、内部温度を40〜55℃の間で保つような速度でゆっくりとTHF(1L)中の1,2−ジブロモエタン(259g、1.38モル、5.0当量)をゆっくりと添加した。添加後、D1−7(50g、276mmol、1当量)のTHF(375mL)溶液を滴下添加した。反応混合物を40〜55℃で16時間保持した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=2/1、D1−8:Rf=0.27)は、D1−7が完全に消費され、多くの新規スポットが形成されたことを示した。反応物を飽和NH4Cl(3L)で、0℃でゆっくりとクエンチした。混合物を抽出し、水性相をDCM/i−PrOH(v/v=10/1、2.5Lおよび1L)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=10/1〜3/1)で精製した。D1−8(14g、137mmol、49.6%収率)を黄色の油状物として得、これを次のステップでさらに精製せずに使用した。
D1−9の合成に対する一般的手順
D1−8(7g、68.5mmol、1.0当量)およびTEA(20.8g、206mmol、3.0当量)のDCM(60mL)溶液に、MsCl(15.7g、137.1mmol、2.0当量)を0℃で0.5時間ゆっくりと滴下添加した。混合物を25℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=2/1、PMA、D1−8:Rf=0.27)はD1−8が完全に消費されたことを示した。反応混合物をNH4Cl水溶液(5mL)の添加によりクエンチし、CH2Cl2(30mL、15mL)で抽出した。有機相を合わせ、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1〜1/1)で精製した。D1−9(11.5g、粗製)を赤色の油状物として得、これを次のステップでさらに精製せずに使用した。
A48の合成に対する一般的手順
D1−9(21.3g、89.43mmol、1.0当量)およびCs2CO3(87.42g、268.30mmol、3.0当量)のジオキサン(150mL)溶液に、A6(20.95g、116.26mmol、1.3当量)を15℃で添加した。混合物を40℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A47:Rf=0.3)はD1−9が完全に消費されたことを示した。反応混合物に水(5mL)を添加し、EtOAc(5mL)で抽出した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=20/1〜3/1)で精製した。A48(15.2g、粗製)を赤色の油状物として得、これを次のステップでさらに精製せずに使用した。
A49の合成に対する一般的手順
MeOH(30mL)およびH2O(30mL)中のA48(15.5g、48.1mmol、1.0当量)の溶液に、LiOH.H2O(6.05g、144mmol、3当量)を15℃で添加した。混合物を15℃で3時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A47:Rf=0.3)はA47が完全に消費されたことを示した。反応混合物を濃縮して、MeOHを除去した。HCl溶液(1M、18mL)を用いて、pH値を2〜3に調整した。混合物をDCM(100mL)で抽出した。有機相をNa2SO4で乾燥させた。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、生成物を得た。A49(14g、47.6mmol、98.9%収率)を薄赤色の固体として得、これを次のステップでさらに精製せずに使用した。
120の合成に対する一般的手順
A49(200mg、679μmol、1当量)のDCM(2mL)溶液に、B1−3(243mg、815μmol、1.2当量)およびDIPEA(175mg、1.36mmol、2.0当量)を25℃で添加した。混合物にT3P(648mg、1.02mmol、EtOAc溶液中純度50%、1.5当量)を15℃で添加した。混合物を25℃で16時間撹拌した。LCMS(120:RT=1.01分)は120の12.9%を検出したことを示した。混合物を水(2mL)で洗浄した。有機相を濃縮して、残渣を得た。残渣を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge Prep OBD C18 150×40mm×10μm;移動相:[水(10mM NH
4HCO
3)−ACN];B%:30%〜50%、8分)で精製した。120(40mg、68.7μmol、10.1%収率、純度98.6%)をオフホワイト色の固体として得た。
スキーム14−化合物115に対する一般的合成
B10の合成に対する一般的手順
クロロベンゼン(10mL)中のB9(500mg、2.24mmol、1当量)および3−フルオロ−4−ニトロ−フェノール(703mg、4.47mmol、2当量)の混合物を131℃で12時間撹拌して、オフホワイト色の懸濁液を得た。LCMS(Rt=1.045〜1.107分)は、約25%の545−1および約75%の所望のMS値を示した。反応混合物を濾過し、濾液ケーキをトルエン(10mL)で洗浄し、真空下で乾燥させて、粗製の化合物を得た。粗製の化合物を10%NaOH水溶液で塩基性化し、懸濁液を室温で1時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液ケーキを高真空で乾燥して、B10(300mg、37.6%収率、96.5%純度)を黄色の固体として得た。
B1−4の合成に対する一般的手順
EtOH(10mL)中のB10(300mg、0.871mmol、1当量)およびNH4Cl(466mg、8.71mmol、10当量)の混合物に、Zn(570mg、8.71mmol、10当量)を添加した。反応混合物を20℃で12時間撹拌して、黒色の混合物を得た。LCMS(Rt=0.997分)は反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、B1−4(270mg、99%収率)を黄色の固体として得た。粗生成物を次のステップでさらに精製せずに使用した。
115の合成に対する一般的手順
化合物A49(1.00当量)およびB1−4(1.02当量)のピリジン(5V)溶液に、N
2下、15〜25℃でEDCI(1.50当量)を添加した。混合物をN
2下、15〜25℃で12時間撹拌した。LCMSはA49が完全に消費され、所望のm/zを有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を逆相HPLCで精製した。115(128mg、60.7%収率、95.6%純度)を白色の固体として得た。
スキーム15−化合物53に対する一般的合成
A50の合成に対する一般的手順
ジオキサン(45mL)中の化合物A6(3.00g、12.6mmol、1.00当量)、D1−10(2.78g、15.1mmol、1.74mL、1.20当量)およびCs2CO3(8.21g、25.2mmol、2.00当量)の混合物を30℃に60時間加熱した。LCMS(A49:RT=1.16分)はA6が完全に消費され、所望のMSが検出されたことを示した。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、石油エーテル/酢酸エチル=3/1〜1/1)で精製した(TLC:石油エーテル/酢酸エチル=1/1、A49:Rf=0.50)。A50(2.5g、8.50mmol、67.4%収率)を黄色の固体として得た。
A51の合成に対する一般的手順
MeOH(17.5mL)およびH2O(5mL)中のA49(2.5g、8.50mmol、1当量)の溶液に、NaOH(1.02g、25.5mmol、3当量)を添加した。混合物を25℃で4時間撹拌した。TLC(石油エーテル/酢酸エチル=3/1、A49:Rf=0.30、A50:Rf=0.00)はA49が完全に消費され、より高い極性を有する1つの主要な新規スポットが検出されたことを示した。反応混合物を酢酸エチル(20mL)およびH2O(10mL)に加え、15〜25℃で10分間撹拌した。混合物を分離した。4MのHCl(10.0mL)を用いて水性層のpH値を5〜6に調整した。混合物をDCMおよびIPA(3/1、30mL×4)の溶液で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。A51(2g、7.51mmol、88.4%収率)を淡黄色の油状物として得た。
B12の合成に対する一般的手順
DMSO(10mL)中のB11(1g、4.87mmol、1当量)および1,2−ジフルオロ−4−ニトロ−ベンゼン(1.55g、9.75mmol、1.08mL、2当量)の混合物に、Cs2CO3(3.18g、9.75mmol、2当量)を添加した。反応混合物を50℃で12時間撹拌して、褐色混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を20℃にし、EtOAc(100mL)で希釈し、水(50mL×3)およびブライン(80mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗製の化合物を得た。粗製の化合物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);20g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、10%〜50%〜100%酢酸エチル/石油エーテル勾配、30mL/分での溶離液)で精製して、B12(1g、59%収率、98.9%純度)を黄色の固体として得た。
B1−5の合成に対する一般的手順
MeOH(20mL)中のB12(1g、2.90mmol、1当量)の混合物に、N2下でPd/C(200mg、10%純度、50%H2O)を添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で2回パージした。混合物をH2(15psi)下、20℃で12時間撹拌して、黒色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、B1−5(560mg、61.3%収率)をオフホワイト色の固体として得た。生成物を次のステップでさらに精製せずに使用した。
53の合成に対する一般的手順
A50(1.00当量)およびB1−5(1.02当量)のピリジン(7V)溶液に、EDCI(1.50当量)をN
2下15〜25℃で添加した。混合物をN
2下、15〜25℃で12時間撹拌した。LCMSはA51が完全に消費され、所望のm/zを有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を逆相のHPLCで精製した。53(199mg、61.7%収率、98.3%純度)を黄色の固体として得た。
スキーム16−化合物58に対する一般的合成
B13の合成に対する一般的手順
DMSO(5mL)中のB11(500mg、2.44mmol、1当量)および1−フルオロ−2−メチル−4−ニトロ−ベンゼン(756mg、4.87mmol、2当量)の混合物に、Cs2CO3(1.59g、4.87mmol、2当量)を添加した。反応混合物を50℃で12時間撹拌して、黒色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、水(30mL×3)およびブライン(30mL)で洗浄し、減圧下で濃縮して、粗製の化合物を得た。粗製化合物をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(ISCO(登録商標);12g SepaFlash(登録商標)シリカフラッシュカラム、5〜70%酢酸エチル/石油エーテル勾配、30mL/分での溶離液)で精製して、B13(190mg、22.4%収率、98%純度)を黄色の固体として得た。
B1−6の合成に対する一般的手順
MeOH(10mL)中のB13(190mg、558.28μmol、1当量)の混合物に、Pd/C(38mg、10%純度、50%H2O)をN2下で添加した。懸濁液を真空下で脱気し、H2で2回パージした。混合物をH2(15psi)下、20℃で12時間撹拌して、黒色の混合物を得た。LCMS(Rt=0.670分)は反応が完了したことを示した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮して、B1−6(150mg、粗製)を黄色の油状物として得た。粗製の化合物を次のステップでさらに精製せずに使用した。
58の合成に対する一般的手順
A51(1.00当量)およびB1−6(1.02当量)のピリジン(7V)溶液に、N
2下、15〜25℃でEDCI(1.50当量)を添加した。混合物をN
2下、15〜25℃で12時間撹拌した。LCMSはA51が完全に消費され、所望のm/zを有する1つの主要ピークが検出されたことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を逆相HPLCで精製した。58(168mg、52.4%収率、98.2%純度)を白色の固体として得た。
スキーム17−化合物176に対する一般的合成
A53の合成に対する一般的手順
EtOH(25mL)に、Na(339.38mg、14.76mmol、349.88μL、1.1当量)を添加し、Naが消滅した後、ジエチルプロパンジオエート(3.01g、18.79mmol、2.84mL、1.4当量)を上記混合物に添加し、混合物を100℃で30分間撹拌した。反応混合物に、A52(2.00g、13.42mmol、1.50mL、1当量)のEtOH(10mL)溶液を10分間にわたり滴下添加し、次いで混合物を17時間撹拌した。TLCは、より低い極性を有する1つの主要な新規スポットが検出されたことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残渣を水(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をHCl(1N)(25mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0〜2%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)で精製して、2.6g(収率:84.87%)のA53を無色の油状物として得た。
A54の合成に対する一般的手順
H2O(10mL)およびEtOH(10mL)中のA53(2.6g、11.39mmol、1当量)の溶液に、KOH(2.56g、45.56mmol、4当量)を添加し、混合物を15℃で1.5時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、溶媒を除去した。残渣を水(20mL)で希釈して、HCl(1N)でpHを3〜5に調整し、次いでこれをEtOAc(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(20mL×3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.7g(収率:86.69%)のA54を白色の固体として得た。
A55の合成に対する一般的手順
A54(1.7g、9.87mmol、1当量)のNMP(2mL)溶液を110℃で2時間撹拌した。TLCは材料が残留し、より低い極性を有する1つの主要な新規スポットが検出されたことを示した。次いで、混合物を120℃に17時間加熱し、TLCは材料が依然として残留したことを示した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(30mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.01g(収率:79.81%)のA55を白色の固体として得た。
A56の合成に対する一般的手順
A55(1.01g、7.88mmol、1当量)および2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(1.25g、8.67mmol、1.1当量)のDCM(15mL)溶液に、DMAP(1.44g、11.82mmol、1.5当量)を添加し、混合物を0℃に冷却後、EDCI(2.11g、11.03mmol、1.4当量)を添加した。混合物を15℃で17時間撹拌した。TLCは反応が完了し、より低い極性を有する1つの主要な新規スポットが検出されたことを示した。混合物を50mlの水で処理し、混合物をEtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を1NのHCl(20mL×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して、1.9g(収率:94.82%)のA56を黄色の油状物として得た。
A57の合成に対する一般的手順
A56(1.9g、7.47mmol、1当量)のEtOH(40mL)溶液を80℃で4時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、1.47g(収率:99.23%)のA57を黄色の油状物として得た。
A58の合成に対する一般的手順
NaNO2(767.36mg、11.12mmol、1.5当量)のH2O(12mL)溶液を、CH3COOH(4mL)およびH2O(12mL)中のA57(1.47g、7.41mmol、1当量)の溶液に0℃で滴下添加した。撹拌混合物を0℃で2時間維持し、次いで15℃で2.5時間維持した。次いで、水(10ml)を添加し、混合物を17時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、これをEtOAc(30mL×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(15mL×2)、ブライン(15mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、1.42g(収率:84.27%)のA58を黄色の油状物として得た。
A59の合成に対する一般的手順
A58(3.1g、13.64mmol、1当量)のEtOH(50mL)溶液に、湿ったPd/C(0.4g)および濃HCl(227.82mg、6.25mmol、223.36μL)を添加した。懸濁液を脱気し、H2で3回パージした。混合物をH2(15Psi)下、40℃で17時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。懸濁液を、セライトのパッドを通して濾過し、パッドをEtOH(10mL×3)で洗浄した。合わせた濾液を、白色の固体としての3.3g(収率:96.87%、HCl)のA59へと濃縮乾固させた。
A60の合成に対する一般的手順
A59(1.00g、4.00mmol、1当量、HCl)のDCM(5mL)溶液に、TEA(1.22g、12.01mmol、1.67mL、3当量)を添加し、次いで4,4,4−トリフルオロブタノイルクロリド(1.29g、8.01mmol、2当量)を0℃で滴下添加した。添加後、混合物を20℃で1時間撹拌して、黄色の混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO3水溶液(20mL×2)、NaCl(20mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(0〜20%酢酸エチル/石油エーテルの溶離液)で精製して、0.32g(収率:23.69%)のA60を黄色の油状物として得た。
A61の合成に対する一般的手順
A60(0.32g、948.62μmol、1当量)のDCM(10mL)溶液に、PPh3(497.62mg、1.90mmol、2当量)、I2(481.53mg、1.90mmol、382.17μL、2当量)およびTEA(383.96mg、3.79mmol、528.15μL、4当量)を添加した。混合物を20℃で2時間撹拌した。TLCは反応が完了したことを示した。反応混合物を水(20mL)で希釈し、これをEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(10mL×3)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(シリカフラッシュカラム、0〜20%酢酸エチル/石油エーテル勾配の溶離液)を精製して、0.22g(収率:72.63%)のA61を黄色の油状物として得た。
A62の合成に対する一般的手順
THF(8mL)およびH2O(2mL)中の化合物A61(0.29g、908.18μmol、1当量)の溶液に、LiOH・H2O(57.17mg、1.36mmol、1.5当量)を添加し、混合物を20℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。次いで、混合物を50℃でもう6時間撹拌した。LCMSは反応が完了したことを示した。残渣を水(20mL)で希釈し、次いで凍結乾燥して、0.325g(粗製)のA62を白色の固体として得た。
176の合成に対する一般的手順
A62(0.15g、粗製)のピリジン(2mL)溶液に、B1−1(153.11mg、514.99μmol、1当量)およびEDCI(148.09mg、772.49μmol、1.5当量)を添加した。混合物を15℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは7%の所望の生成物を検出したことを示した。反応混合物を水(30mL)で希釈し、これをEtOAc(10mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaCl水溶液(10mL×3)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣を分取TLC(DCM:MeOH=20:1)で精製して、5mg(収率:1.46%)の176を白色の固体として得た。
スキーム18−化合物178に対する一般的合成
A64の合成に対する一般的手順
DMF(20mL)中のA63(2g、9.17mmol、1当量)の混合物に、Cs2CO3(7.47g、22.9mmol、2.5当量)および2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(4.26g、18.3mmol、2当量)を0℃で添加し、混合物を15℃で1時間撹拌して、青白い混合物を得た。LCMSは所望の生成物が観察されたことを示した。混合物を氷水(30mL)の中に注ぎ入れた。水性相を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機相をブライン(50mL×5)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1/0〜3/1)で精製して、A63(1.49g、42.5%収率)を白色の固体として得た。
A65の合成に対する一般的手順
H2O(2mL)およびトルエン(20mL)中のA64(1.49g、3.90mmol、1当量)およびD1−3(1.00g、11.70mmol、3当量)の混合物に、K3PO4(2.07g、9.75mmol、2.5当量)、PCy3(109mg、390μmol、126μL、0.1当量)およびPd(OAc)2(87.5mg、390μmol、0.1当量)を添加し、混合物をN2保護下、80℃で5時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは所望の生成物が観察されたことを示した。混合物をEtOAc(15mL)と水(10mL)との間で分配した。水性相をEtOAc(10mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1/0〜5/1〜3/1)で精製して、A65(150mg、11.2%収率)を黄色の固体として得た。
A66の合成に対する一般的手順
THF(2mL)およびH2O(1mL)中のA65(150mg、437μmol、1当量)の混合物に、LiOH・H2O(36.6mg、874μmol、2当量)を添加し、混合物を15℃で1時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは反応物質が消費されたことを示した。1NのHClを用いて、混合物をpH=4〜5に酸性化し、次いでこれをDCM(15mL)と水(10mL)との間で分配した。水性相をDCM(10mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A66(70mg、61.3%収率)を黄色のガム状物質として得た。
178の合成に対する一般的手順
ピリジン(2mL)中のA66(70mg、268μmol、1当量)およびB1−1(71.7mg、241μmol、0.9当量)の混合物に、EDCI(102mg、535μmol、2当量)を添加し、混合物を15℃で16時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、粗生成物を得た。粗生成物を分取HPLC(Waters Xbridge BEH C18 100×25mm×5μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)−ACN];B%:45%〜75%、9.5分)で精製して、178(35.1mg、24.2%収率)を白色の粉末として得た。
スキーム19−化合物179に対する一般的合成
A68の合成に対する一般的手順
A67(4g、25.3mmol、1当量)および2,2,2−トリフルオロエチルトリフルオロメタンスルホネート(6.46g、27.8mmol、1.1当量)のDMF(30mL)中懸濁液にCs2CO3(12.4g、37.9mmol、1.5当量)を添加した。反応物を60〜70℃で16時間撹拌して、淡黄色の懸濁液を得た。TLCは反応が完了したことを示した。混合物を水(100mL)とEtOAc(100mL)との間で分配した。有機層をブライン(100mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A68(6.1g、粗製)を白色の粉末として得た。
A69の合成に対する一般的手順
A68(1g、4.16mmol、1当量)のTHF(5mL)溶液に、LDA(2M、2.29mL、1.1当量)をN2下、−78℃で添加した。反応混合物を5分間撹拌し、I2(1.16g、4.58mmol、1.1当量)のTHF(5mL)溶液を添加した。反応物を−78℃で30分間さらに撹拌し、次いで20℃に17時間温めて、黄色の混合物を得た。LCMSは大部分の出発材料が依然として残留したことを示した。混合物を水(5mL)でクエンチし、1NのHCl(1mL)を添加した。混合物をEtOAc(80mL)とH2O(80mL)との間で分配した。有機層を飽和ブライン(80mL×3)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をCombi Flash(登録商標)(PE/EtOAc=1/0〜10/1)で精製して、A69(70mg、4.6%収率)を黄色のガム状物質として得た。
A70の合成に対する一般的手順
A69(170mg、0.464mmol、1当量)のTHF(3mL)溶液に、H2O(1mL)中LiOH(22mg、0.928mmol、2当量)を添加した。反応物を20℃で1.5時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。LiOH(20mg)を添加した。反応物を20℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。LiOH(20mg)を添加した。反応物を40℃で5時間撹拌して、黄色の混合物を得た。TLCは反応が完了したことを示した。1NのHClを用いて、0〜10℃で反応物をpH=4に調整し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A70(130mg、79.5%収率)を黄色のガム状物質として得た。
C3の合成に対する一般的手順
ピリジン(2mL)中のA70(120mg、0.341mmol、1当量)およびB1−1(101mg、0.341mmol、1当量)の混合物にEDCI(131mg、0.682mmol、2当量)を添加した。反応物を20℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をEtOAc(20mL)とH2O(20mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色のガム状物質を得た。粗生成物を分取TLC(最初はEtOAc/PE=1/3、次いでDCM/MeOH=30:1)で精製して、C3(150mg、69.7%収率、100%純度)をオフホワイト色の粉末として得た。
179の合成に対する一般的手順
トルエン(2mL)およびH
2O(0.2mL)中のC3(130mg、0.206mmol、1当量)、D1−3(28mg、0.329mmol、1.6当量)、P(cy)
3(8mg、0.021mmol、0.1当量)およびK
3PO
4(153mg、0.721mmol、3.5当量)の混合物に、Pd(OAc)
2(5mg、0.021mmol、0.1当量)を添加した。反応物を、N
2下、100℃で2時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。反応物をN
2下、100℃で2時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。シクロプロピルボロン酸(30mg)、およびK
3PO
4(150mg)を反応混合物に添加した。反応物をN
2下、100℃で1時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。混合物をEtOAc(30mL)とH
2O(30mL)との間で分配した。水性層をEtOAc(20mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。粗生成物を分取TLC(DCM/MeOH=40/1)で精製して、黄色のガム状物質を得た。LCMSは不純を示した。黄色のガム状物質を分取HPLC(カラム:Waters Xbridge C18 150×50mm×10μm;移動相:[水(0.04%NH
3H
2O+10mM NH
4HCO
3)−ACN];B%:50%〜80%、11分)で精製した。LCMSは不純を示した。溶離液を減圧下で濃縮して、黄色の油状物を得た。油状物を分取TLC(EtOAc/PE=1/2)で精製して、黄色のガム状物質を得た。LCMSは不純を示した。黄色のガム状物質を分取HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 100×25mm×3μm;移動相:[水(0.05%アンモニア水酸化物v/v)−ACN];B%:64%〜64%、12分)で精製した。溶離液を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をMeCN(5mL)とH
2O(5mL)との間で分配し、凍結乾燥して、179(12.2mg、10.9%収率、100%純度)を白色の粉末として得た。
スキーム20−一般的合成経路II
A71の合成に対する一般的手順
A6(10g、42.0mmol、1当量)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(10.6g、126mmol、11.5mL、3当量)のTHF(100mL)溶液に、p−TsOH(723mg、4.20mmol、0.1当量)を添加した。生成した混合物を80℃で3時間撹拌して、黄色の溶液を得た。TLC(PE:EtOAc=3:1)は反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。次いで、H2O(100mL)で希釈して、EtOAc(100mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブライン(60mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をカラムクロマトグラフィー(SiO2、PE:EtOAc=3:1)を精製して、A71(13g、94.6%収率、98.5%純度)を黄色の油状物として得た。
A72の合成に対する一般的手順
MeOH(60mL)およびTHF(60mL)中のA71(13g、40.3mmol、1当量)の溶液に、NaOH(3M、40.3mL、3当量)を添加した。生成した混合物を60℃で加熱し、1時間撹拌して、赤色の溶液を得た。LCMSは反応が完了したことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。次いで、H2O(50mL)で希釈し、EtOAc(100mL×2)で抽出した。水層をpH約5に調整し、DCM(100mL×2)で抽出し、ブライン(30mL×2)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、A72(9.9g、83.4%収率、100%純度)を黄色の固体として得た。
C4の合成に対する一般的手順
ピリジン(15mL)中の化合物A72(8.28g、28.2mmol、1.5当量)、化合物B1−1(5.58g、18.8mmol、1当量)の混合物に、EDCI(7.20g、37.5mmol、2当量)を添加した。反応物を20℃で17時間撹拌して、黄色の混合物を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。反応混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をEtOAc(200mL)とH2O(200mL)との間で分配した。有機層をH2O(200mL×2)、ブライン(200mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色のガム状物質を得た。粗生成物をCombi Flash(登録商標)(EtOAc/PE=0/1〜7/2)で精製して、C4(6.29g、収率:57%、純度:98%)を黄色のガム状物質として得た。
16の合成に対する一般的手順
C4(6.29g、11mmol、1当量)のDCM(20mL)溶液に、TFA(10mL、135mmol、12.3当量)を0℃で添加した。反応物を20℃で17時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。混合物を減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をTHF(20mL)に溶解した。HCl(2M、11mL、2当量)を添加した。反応物を20℃で2時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。HCl(2M、11mL、2当量)を添加した。反応物を20℃で2時間撹拌して、黄色の溶液を得た。TLCは出発材料が完全に消費されていないことを示した。THF(25mL)およびHCl(2M、25mL)を添加した。反応物を50℃で17時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。反応物を55℃で1.5時間撹拌して、黄色の溶液を得た。LCMSは出発材料が完全に消費されていないことを示した。濾過後、フィルターケーキをH2O(10mL×2)で洗浄し、NaHCO3(300mL)と、DCM(300mL)と、MeOH(50mL)との間で分配した。水性層をDCM(300mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、黄色の粉末を得た。粗生成物をEtOAc/PE(1/1、40mL)で粉砕して、16(4.26g、収率:79%、純度:100%)を白色の粉末として得た。
C2の合成に対する一般的手順
C2の化合物を調製する方法がスキーム8に示されている。16とD1との反応をCs
2CO
3の存在下、DMFまたはMeCNなどの溶媒中で行って、C2を得る。加えて、多くのD1アルキル試薬は市販のものである。
スキーム21−化合物29に対する一般的合成
16(20mg、0.409mmol、1当量)およびD1−11(2.37mg、0.409mmol、2.86μL、1当量)のCH
3CN(2mL)溶液に、Cs
2CO
3(20mg、0.613mmol、1.5当量)を添加した。生成した混合物を20℃で16時間撹拌して、黄色の溶液を得た。TLC(PE:EtOAc=0:1)は、出発材料がわずかに残留し、所望の生成物が形成されたことを示した。反応混合物を、H
2O(5mL)の添加によりクエンチし、EtOAc(5mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、残渣を得た。残渣をTLC(PE:EtOAc=0:1)で精製して、次いでCH
3CN(1mL)およびH
2O(1mL)に溶解し、凍結乾燥して、29(14mg、62.6%収率、100%純度)を白色の粉末として得た。
参考文献
本発明はここで、実施例1〜2の結合アッセイ(表1〜2)、実施例3〜4の細胞ELISAアッセイ(表3および4)、実施例4および5の細胞生存率アッセイ(表5および6)において選択された化合物の活性データ、ならびに実施例6〜7、表7、実施例8および図1および2の比較データを示す表1〜7によりさらに例として記載され、
1H−NMR−データを含む化合物1〜179の構造が表8に示されている。