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JP2022158108A - 車両用電源制御システム - Google Patents

車両用電源制御システム Download PDF

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JP2022158108A
JP2022158108A JP2021062792A JP2021062792A JP2022158108A JP 2022158108 A JP2022158108 A JP 2022158108A JP 2021062792 A JP2021062792 A JP 2021062792A JP 2021062792 A JP2021062792 A JP 2021062792A JP 2022158108 A JP2022158108 A JP 2022158108A
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Japan
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power supply
ecu
battery
relay
dark current
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Application number
JP2021062792A
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English (en)
Inventor
雅之 森藤
Masayuki Morifuji
直 堀竹
Sunao Horitake
洋紀 小野山
Hiroki ONOYAMA
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

Figure 2022158108000001
【課題】コストの上昇を抑えつつ、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えるとともに、暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制する。
【解決手段】車載のECU30,40,50,60に対する電力供給を制御する車両用電源制御システム1である。複数のECU30,40,50,60に電力を供給する補機バッテリ10と、補機バッテリ10の放電電流を検出する電流センサ15と、クローズ状態とオープン状態とに切り替わるリレー13と、リレー13を切り替え可能で且つ複数のECU30,40,50,60と通信可能なバッテリECU20と、を備えている。バッテリECU20は、イグニッションOFF中における暗電流値が閾値以上の場合には、通電の遮断をECU30,40,50,60に通知した後に、リレー13をオープン状態にしてからクローズ状態に戻す通知後リセット制御を実行するように構成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、車載の電子制御装置に対する電力供給を制御する車両用電源制御システムに関し、特に、車載の電子制御装置における暗電流異常に起因するバッテリ上がりを抑制する車両用電源制御システムに関するものである。
近年、車両に搭載される電子機器の数は増加する傾向にあり、これに伴って、それらの電子機器を制御するための、車両に搭載される電子制御装置(ECU)の数も増加する傾向にある。
これらECUは、イグニッションスイッチを切った後も、電力供給が完全に遮断されることなく、各ECUを構成するマイクロコンピュータのスタンバイ電流や時計やセキュリティシステムを作動させるための微量の電流(暗電流)が供給され続けるスリープ状態へと移行するのが通常である。
もっとも、すべてのECUが常にスムーズにスリープ状態へと移行するとは限らず、ECUの偶発的・一時的な誤作動により、イグニッションスイッチを切った後もスリープ状態へと移行することができない場合がある。かかる場合には、ECUが通信バスを起こし続けてしまい、その結果、暗電流が増加して、バッテリが電力不足に陥ってしまう所謂バッテリ上がりに至るおそれがある。このような現象は、ECUの数が増えるほど確率的に発生し易くなることから、上述の如く、車載のECUの数が増加傾向にある近年の車両では、バッテリ上がりに至る可能性が高まっている。
そこで、例えば特許文献1には、車載のECUの数(系統の数)と同数の電源制御装置を用意し、各ECUに対応する電源制御装置によって、暗電流の異常が発生しているか否かをECUごとに判定し、暗電流の異常が発生していると判定されたECUに対してのみ、正常状態へ復帰させるための初期化処理(強制リセット)を行うようにした電源制御システムが開示されている。
特開2017-134717号公報
上記特許文献1のものによれば、車両に搭載された複数のECUのいずれかで暗電流異常が発生していることのみならず、どのECUで暗電流異常が発生しているかまで特定することが可能となる。また、特許文献1のものでは、暗電流異常が発生していると判定されたECUに対してのみ強制リセットを行うことから、電源遮断によるECUへの悪影響を小さくすることができる。
しかしながら、通常の車両では、複数のECUに対して電源制御装置を1つしか設けないのが一般的であるのに対し、特許文献1の電源制御システムでは、一つ一つのECUに対して個別に電源制御装置を設ける必要があることから、必然的にコストが上昇してしまうという問題がある。
また、強制リセットが行われるのは、暗電流異常と判定されたECUだけではあるものの、強制リセットを行う以上、データ消失や機能不具合の発生といったリスクが付き纏うことになる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コストの上昇を抑えつつ、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えるとともに、暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制することが可能な車両用電源制御システムを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る車両用電源制御システムでは、単一の電源制御装置を用いて、暗電流異常が発生した場合に、複数の電子制御装置の強制リセットを行うとともに、各電子制御装置に対して、強制リセットを行うことを事前に通知するようにしている。
具体的には、本発明は、車両に搭載される電子制御装置に対する電力の供給を制御する車両用電源制御システムを対象としている。
そして、この車両用電源制御システムは、複数の上記電子制御装置に電力を供給する補機バッテリと、上記補機バッテリの放電電流を検出する電流センサと、上記補機バッテリと上記複数の電子制御装置とを通電させるクローズ状態と、当該補機バッテリと当該複数の電子制御装置との通電を遮断するオープン状態とに切り替わるリレーと、上記リレーの切り替えを制御可能で、且つ、上記複数の電子制御装置と通信可能な電源制御装置と、を備え、上記電源制御装置は、上記電流センサによって検出された、イグニッションOFF中における上記複数の電子制御装置の暗電流値が閾値以上の場合には、通電を遮断することを上記複数の電子制御装置に通知した後に、上記リレーをオープン状態にしてからクローズ状態に戻す通知後リセット制御を実行するように構成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、イグニッションOFF中における複数の電子制御装置の暗電流値が閾値以上の場合には、電源制御装置が、リレーを強制的にオープン状態にしてからクローズ状態に戻すことから、偶発的・一時的な誤作動を起こしている電子制御装置を強制リセットすることが可能となる。これにより、イグニッションOFF中にもかかわらず、電子制御装置が通信バスを起こし続けてしまうのを抑えて、バッテリ上がりに至るのを抑制することができる。
さらに、電源制御装置は、通電を遮断することを複数の電子制御装置に通知した後に、リレーを制御して電子制御装置の強制リセットを行うことから、換言すると、複数の電子制御装置に対して強制リセットを行うことを事前に通知することから、強制リセットによる各電子制御装置への影響を小さくすることができる。具体的には、強制リセットを行うことを事前に通知することで、各電子制御装置においてシステムメモリの退避時間を確保することができ、これにより、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えることが可能となる。
しかも、単一の電源制御装置にて通知後リセット制御を行うことから、一つ一つの電子制御装置に対して個別に電源制御装置を設けるシステムに比して、コストの上昇を抑えることができる。
したがって、本発明によれば、コストの上昇を抑えつつ、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えるとともに、暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制することができる。
もっとも、偶発的・一時的な誤作動が連続して起こる可能性は否定できないし、また、各電子制御装置の内部にはコンデンサが設けられているため、電子制御装置内部の電源電圧が直ぐに遮断されない可能性もあることから、誤作動を起こしている電子制御装置が、1回の強制リセットによって、常に正常状態へ復帰するとは限らない。
そこで、上記車両用電源制御システムでは、上記電源制御装置は、上記通知後リセット制御を、上記電流センサによって検出される暗電流値が閾値未満になるか、または、当該通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数になるまで繰り返すとともに、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数になったときに、上記電子制御装置のいずれかが故障していると判定するように構成されていてもよい。
この構成によれば、イグニッションOFF中における暗電流値が閾値以上の場合には、電源制御装置は、暗電流値が閾値未満になるまで通知後リセット制御を繰り返すことから、暗電流異常が偶発的・一時的な誤作動に因る場合には、誤作動を起こしている電子制御装置を確実に正常状態へ復帰させて、バッテリ上がりに至るのをより一層確実に抑制することができる。
一方、電源制御装置は、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数になっても、暗電流値が閾値未満にならない場合、すなわち、暗電流異常が偶発的・一時的な誤作動に因るものではない場合には、通知後リセット制御を終了して、電子制御装置のいずれかが故障していると判定することから、電子制御装置の故障を早期に発見することができる。
さらに、上記車両用電源制御システムでは、上記電流センサは、上記補機バッテリに内蔵されたセンサであり、上記リレーは、上記補機バッテリに内蔵されたフェールセーフ用のリレーであり、上記電源制御装置は、上記補機バッテリに内蔵されたバッテリ制御装置であってもよい。
この構成によれば、補機バッテリに内蔵された既存の、バッテリ制御装置や電流センサやフェールセーフ用のリレーを用いて、通知後リセット制御等を行うことから、コストの上昇をより一層抑えることができる。
以上説明したように、本発明に係る車両用電源制御システムによれば、コストの上昇を抑えつつ、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えるとともに、暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る車両用電源制御システムを模式的に示す図である。 車両用電源制御システムによる制御手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用電源制御システム1を模式的に示す図である。この車両用電源制御システム1は、車載のECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)30,40,50,60に対する電力供給を制御するとともに、ECU30,40,50,60を流れる暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制するものである。
より詳しくは、近年の車両には、例えば、エンジンの制御を行うエンジンECUや、発電電動機のトルク制御を行うモータECUや、ハイブリッドシステムの制御を行うハイブリッドECUや、制動装置の制御を行うブレーキECUや、ステアリング装置の制御を行うステアリングECUや、バッテリを管理するバッテリECU等といった様々なECU20,30,40,50,60が搭載されている。
これらのECU30,40,50,60は、イグニッションスイッチを切った(イグニッションOFF)後も、電力供給が完全に遮断されることなく、各ECU30,40,50,60を構成するマイクロコンピュータのスタンバイ電流や時計やセキュリティシステムを作動させるための微量の電流(暗電流)が供給され続けるスリープ状態へと移行するようになっている。
もっとも、すべてのECU30,40,50,60が常にスムーズにスリープ状態へと移行するとは限らず、ECUの偶発的・一時的な誤作動により、イグニッションOFF後もスリープ状態へと移行することができない場合があり、かかる場合には、ECUが通信バスを起こし続けてしまう結果、暗電流が増加して、バッテリ上がりに至るおそれがある。
ここで、ECU30,40,50,60の数と同数の電源制御装置を用意し、各ECU30,40,50,60に対応する電源制御装置によって、暗電流異常が発生しているか否かをECUごとに判定し、暗電流異常が発生していると判定されたECUに対してのみ、正常状態へ復帰させるための強制リセットを行うことも考えられる。
しかしながら、この手法では、一つ一つのECU30,40,50,60に対して個別に電源制御装置を設ける必要があることから、必然的にコストが上昇してしまうという問題がある上、ECU30,40,50,60の強制リセットを行った際に、データ消失や機能不具合が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態に係る車両用電源制御システム1では、イグニッションOFF中に暗電流異常が発生した場合に、ECUを正常状態へ復帰させるべく、単一の電源制御装置(バッテリECU20)にて、通電遮断による強制リセットを行うとともに、強制リセットに先立ち、複数のECU30,40,50,60に対して、通電遮断を行うことを事前に通知するようにしている。以下、このような処理を可能とする車両用電源制御システム1について詳細に説明する。
-システム構成-
本実施形態の車両用電源制御システム1は、図1に示すように、4つのECU(ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50、ECU-D60)に電力を供給する補機バッテリ10と、補機バッテリ10の放電電流を検出する電流センサ15と、リレー13と、補機バッテリ10を管理するバッテリECU20と、を備えている。なお、これら電流センサ15、リレー13およびバッテリECU20は、既存の補機バッテリ10内に標準装備されている機器であり、それ故、本実施形態の車両用電源制御システム1は、ハード的には、新たな機器等を追加することなく、既存の補機バッテリ10を用いて実現することが可能になっている。
補機バッテリ10は、走行用モータ(図示せず)に電力を供給する高電圧大容量のメインバッテリ(図示せず)とは異なり、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60の他、例えば空調装置(図示せず)やオーディオ装置(図示せず)等といった補機に電力を供給する低電圧低容量の蓄電池である。この補機バッテリ10は、リチウムイオンセル11を含むリチウムイオンバッテリとして構成されている。
電流センサ15は、補機バッテリ10に内蔵されていて、補機バッテリ10から供給(放電)される電流を検出するように構成されている。イグニッションOFF後は、空調装置やオーディオ装置等といった補機の電源が落ちる(補機に電流が流れない)ことから、電流センサ15は、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60のスリープ時に、これら4つのECU30,40,50,60に供給される暗電流を検出することになる。この電流センサ15によって検出された電流値(暗電流値)は、バッテリECU20に送信されるようになっている。
リレー13は、万が一、車両システムに異常が生じた場合等に、補機バッテリ10の充放電が行われないようにするために、補機バッテリ10に内蔵されたフェールセーフ用(電源遮断用)のリレーである。このリレー13は、クローズ状態とオープン状態とに切り替わるように構成されていて、図1の二点鎖線で示すクローズ状態では、4つのECU30,40,50,60および補機と補機バッテリ10とを通電させる一方、図1の実線で示すオープン状態では、4つのECU30,40,50,60および補機と補機バッテリ10との通電を遮断するようになっている。
バッテリECU(電源制御装置)20は、補機バッテリ10に内蔵されていて、主として補機バッテリ10のSOC(State Of Charge:充電率)を管理する役目を担っている。バッテリECU20は、各種の演算処理を実行するCPU(Central Processing Unit)や、プログラムやデータが記憶されたROM(Read Only Memory)や、CPUによる演算処理の実行中に生成されたデータや情報を一時的に保持するRAM(Random Access Memory)等を中心とするマイクロコンピュータであり、ROMに記憶された各種のプログラムをCPU上で実行することで、各種の演算処理を実行するように構成されている。
このバッテリECU20は、リレー13を制御してクローズ状態とオープン状態とを切り替え可能に構成されている。また、バッテリECU20は、CAN(Controller Area Network)などの車載ネットワークを介して、4つのECU30,40,50,60と接続されていて、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60のそれぞれと通信することが可能となっている。
-通知後リセット制御-
本実施形態の車両用電源制御システム1では、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えるとともに、暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制するべく、電流センサ15によって検出された、4つのECU30,40,50,60を流れる暗電流値が所定の閾値以上の場合には、通電を遮断することを各ECU30,40,50,60に通知した後に、リレー13をオープン状態にしてからクローズ状態に戻す制御(通知後リセット制御)を実行するように、バッテリECU20を構成している。
より詳しくは、バッテリECU20は、一時的な暗電流の増加と、バッテリ上がりに至るような継続的な暗電流異常とを区別するために、電流センサ15によって検出された暗電流値が、所定時間以上継続して閾値以上である場合に初めて、通知後リセット制御を実行するように構成されている。
このように、車両用電源制御システム1では、暗電流異常が発生した場合に、バッテリECU20が、リレー13を強制的にオープン状態にしてからクローズ状態に戻すことで、4つのECU30,40,50,60全てを強制リセットすることから、偶発的・一時的な誤作動を起こしているECUを正常状態へ復帰させて、バッテリ上がりに至るのを抑制することが可能となる。
さらに、バッテリECU20は、通電を遮断することをECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60に通知した後に強制リセットを実行に移すことから、換言すると、4つのECU30,40,50,60全てに対して強制リセットを行うことを事前に通知することから、各ECU30,40,50,60においてシステムメモリの退避時間を確保することができ、これにより、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えることが可能となる。
もっとも、偶発的・一時的な誤作動が連続して起こる可能性は否定できないし、また、各ECU30,40,50,60の内部にはコンデンサが設けられているため、ECU30,40,50,60内部の電源電圧が直ぐに遮断されない可能性もあることから、誤作動を起こしているECUが、1回の強制リセットによって、常に正常状態へ復帰するとは限らない。
そこで、本実施形態の車両用電源制御システム1では、通知後リセット制御の実行後に電流センサ15によって検出される暗電流値が閾値未満になるか、または、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数n(nは正の整数)になるまで、通知後リセット制御を繰り返すとともに、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数nになったときに、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60のいずれかが故障していると判定するように、バッテリECU20を構成している。
このように、イグニッションOFF中における暗電流値が閾値以上の場合には、バッテリECU20は、暗電流値が閾値未満になるまで通知後リセット制御を繰り返すことから、暗電流異常が偶発的・一時的な誤作動に因る場合には、誤作動を起こしているECUを確実に正常状態へ復帰させて、バッテリ上がりに至るのをより一層確実に抑制することができる。一方、バッテリECU20は、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数nになっても、暗電流値が閾値未満にならない場合、すなわち、暗電流異常が偶発的・一時的な誤作動に因るものではない場合には、通知後リセット制御を終了して、4つのECU30,40,50,60のいずれかが故障していると判定することから、各ECU30,40,50,60の故障を早期に発見することができる。
しかも、本実施形態の車両用電源制御システム1では、上述の如く、既存の補機バッテリ10を用いて、単一のバッテリECU20にて通知後リセット制御を行うことから、一つ一つのECU30,40,50,60に対して個別に電源制御装置を設けるシステムに比して、コストの上昇を抑えることができる。
-制御手順-
次に、図2に示すフローチャートを用いて、車両用電源制御システム1による制御手順の一例を説明する。
先ず、ステップS1でイグニッションOFFされる(イグニッションスイッチが切られる)と、ステップS2に進み、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60がスリープ状態へ移行した後、ステップS3へ進む。
次のステップS3では、バッテリECU20が、1トリップ(イグニッションOFFからイグニッションONまで)中におけるリレー遮断回数kとして、k=0を読み込んだ後、ステップS4へ進む。次のステップS4では、イグニッションOFF中における、補機バッテリ10からECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60へ供給される暗電流を検出する。
次のステップS5では、バッテリECU20が、ステップS4で電流センサ15によって検出された暗電流値が閾値以上か否か(より正確には、暗電流値が所定時間以上継続して閾値以上であるか否か)を判定する。このステップS5での判定結果がNOの場合、すなわち、電流センサ15によって検出された暗電流値が閾値未満の場合には、ステップS6に進む。
次のステップS6では、バッテリECU20が、イグニッションONされたか否かを判定する。このステップS6での判定結果がNOの場合、すなわち、未だスリープ状態が継続している場合には、ステップS4に戻る。
ここで、ステップS5での判定結果がNOであったということは、4つのECU30,40,50,60が正常にスリープ状態へ移行しており、スタンバイ電流や時計やセキュリティシステム等を作動させるための微量の電流しか消費されていないことから、ステップS4→ステップS5→ステップS6という流れが繰り返され、これにより、1トリップに亘って、各ECU30,40,50,60における偶発的・一時的な誤作動による暗電流異常の発生が監視され続けることになる。一方、ステップS6での判定結果がYESになった場合、すなわち、イグニッションONによりスリープ状態が終了した場合には、そのままENDして、暗電流異常の発生の監視を終了する。
これらに対して、ステップS5での判定結果がYESの場合、すなわち、ステップS4で検出された暗電流値が閾値以上の場合には、ステップS7へ進む。次のステップS7では、バッテリECU20が、k≧nか否か、すなわち、1トリップ中におけるリレー遮断回数kが所定回数n以上であるか否かを判定する。このステップS7での判定結果がNOの場合、すなわち、1トリップ中におけるリレー遮断回数kが未だ所定回数n未満である場合には、ステップS8へ進む。仮にn=3(回)に設定されている場合には、ステップS3でk=0が読み込まれていることから、ステップS7での判定結果はNOとなるので、ステップS8へ進むことになる。
次のステップS8では、バッテリECU20が、補機バッテリ10と各ECU30,40,50,60との通電を遮断すること(通電遮断)を4つのECU30,40,50,60全てに通知した後、ステップS9に進む。このように、4つのECU30,40,50,60全てに対して通電遮断を行うことを事前に通知することで、各ECU30,40,50,60においてシステムメモリの退避時間が確保され、突然の通電遮断によるデータ消失や機能不具合の発生を抑えることが可能となる。
次のステップS9では、バッテリECU20が、リレー13を制御してクローズ状態からオープン状態に切り替えた後、ステップS10に進む。このように、リレー13をオープン状態にすることで、4つのECU30,40,50,60と補機バッテリ10との通電が一旦遮断される。
次のステップS10では、バッテリECU20が、リレー13を制御してオープン状態からクローズ状態に切り替えた後、ステップS11に進む。このように、リレー13をクローズ状態に戻すことで、4つのECU30,40,50,60と補機バッテリ10との通電が復帰して、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60の強制リセットが完了する。
次のステップS11では、バッテリECU20が、1トリップ中におけるリレー遮断回数kとして、k=k+1を読み込んだ後、ステップS4へ戻る。これにより、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60の強制リセットが行われる度に、1トリップ中におけるリレー遮断回数kの値が1ずつ加算されることになる。
次のステップS4では、電流センサ15が、補機バッテリ10から強制リセット後のECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60に供給される暗電流を検出した後、ステップS5に進む。
次のステップS5では、バッテリECU20が、ステップS4で電流センサ15によって検出された強制リセット後の暗電流値が閾値以上か否かを判定する。このステップS5での判定結果がNOの場合には、偶発的・一時的な誤作動を起こしていたECUが、1回の強制リセットによって、正常状態へ復帰したことから、(ステップS6→)ステップS4→ステップS5→ステップS6という流れを繰り返して、暗電流異常の発生を監視し続ける。
これに対し、ステップS5での判定結果がYESの場合、すなわち、強制リセット後も暗電流値が閾値以上のままである場合には、ステップS7での判定結果がNOであれば、ステップS8で通電遮断を通知し、ステップS9でリレー13をオープン状態に切り替え、ステップS10でリレー13をクローズ状態に戻し、ステップS11でリレー遮断回数kを加算した後、ステップS4へ戻るという流れを繰り返す。
そうして、ステップS7において、1トリップ中におけるリレー遮断回数kが所定回数n以上になる前に、誤作動を起こしていたECUが、複数回の強制リセットによって、正常状態へ復帰すれば、(ステップS6→)ステップS4→ステップS5→ステップS6という流れを繰り返して、暗電流異常の発生を監視し続ける。
これに対し、n回の強制リセットによっても、誤作動を起こしていたECUが正常状態に復帰せず、1トリップ中におけるリレー遮断回数kが所定回数nに達し、ステップS7での判定結果がYESになった場合には、ステップS12へ進む。
次のステップS12では、バッテリECU20が、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60のいずれかが故障していると判定した後、ENDする。なお、強制リセットをn回連続して行っても、暗電流値が閾値以上のままである場合のみならず、1回の強制リセットによって暗電流値が閾値未満になった後、再び暗電流値が閾値以上になったために強制リセットを実行した結果、1トリップ中におけるリレー遮断回数kが通算して所定回数n以上になった場合にも、バッテリECU20は、ECU-A30、ECU-B40、ECU-C50およびECU-D60のいずれかが故障していると判定する。
なお、4つのECU30,40,50,60のいずれかが故障していると判定した後は、例えば、補機バッテリ10のSOCに余裕がある場合には、リレー13をクローズ状態に維持したまま、故障していないECUへの暗電流の供給を優先する一方、補機バッテリ10のSOCに余裕がない場合には、リレー13をオープン状態に切り替えて、4つのECU30,40,50,60全てに対する暗電流の供給を停止するように、バッテリECU20を構成してもよい。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、4つのECU30,40,50,60に本発明の車両用電源制御システム1を適用したが、これに限らず、2つ若しくは3つまたは5つ以上のECUに本発明の車両用電源制御システム1を適用するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数nになっても、暗電流値が閾値未満にならない場合には、4つのECU30,40,50,60のいずれかが故障していると判定するに止めたが、これに限らず、例えば、車両のユーザに対して、ユーザの所持するスマートフォン等を通じて、4つのECU30,40,50,60のいずれかが故障している旨を伝えるように、バッテリECU20を構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、既存の補機バッテリ10を用いて車両用電源制御システム1を構成するようにしたが、これに限らず、例えば、バッテリECU20以外の単一の電源制御装置を用いて通知後リセット制御を実行させるようにしてもよいし、フェールセーフ用のリレー13以外のリレーを補機バッテリ10と4つのECU30,40,50,60との間に別途設けて、通電と通電遮断とを切り替えるようにしてもよい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、コストの上昇を抑えつつ、強制リセットによるデータ消失や機能不具合の発生を抑えるとともに、暗電流の増加によるバッテリ上がりを抑制することができるので、車載の電子制御装置に対する電力供給を制御する車両用電源制御システムに適用して極めて有益である。
1 車両用電源制御システム
10 補機バッテリ
13 リレー
15 電流センサ
20 バッテリECU(バッテリ制御装置)
30 ECU-A(電子制御装置)
40 ECU-B(電子制御装置)
50 ECU-C(電子制御装置)
60 ECU-D(電子制御装置)

Claims (3)

  1. 車両に搭載される電子制御装置に対する電力の供給を制御する車両用電源制御システムであって、
    複数の上記電子制御装置に電力を供給する補機バッテリと、
    上記補機バッテリの放電電流を検出する電流センサと、
    上記補機バッテリと上記複数の電子制御装置とを通電させるクローズ状態と、当該補機バッテリと当該複数の電子制御装置との通電を遮断するオープン状態とに切り替わるリレーと、
    上記リレーの切り替えを制御可能で、且つ、上記複数の電子制御装置と通信可能な電源制御装置と、を備え、
    上記電源制御装置は、上記電流センサによって検出された、イグニッションOFF中における上記複数の電子制御装置の暗電流値が閾値以上の場合には、通電を遮断することを上記複数の電子制御装置に通知した後に、上記リレーをオープン状態にしてからクローズ状態に戻す通知後リセット制御を実行するように構成されていることを特徴とする車両用電源制御システム。
  2. 上記請求項1に記載の車両用電源制御システムにおいて、
    上記電源制御装置は、上記通知後リセット制御を、上記電流センサによって検出される暗電流値が閾値未満になるか、または、当該通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数になるまで繰り返すとともに、通知後リセット制御の繰り返し回数が所定回数になったときに、上記電子制御装置のいずれかが故障していると判定するように構成されていることを特徴とする車両用電源制御システム。
  3. 上記請求項1または2に記載の車両用電源制御システムにおいて、
    上記電流センサは、上記補機バッテリに内蔵されたセンサであり、
    上記リレーは、上記補機バッテリに内蔵されたフェールセーフ用のリレーであり、
    上記電源制御装置は、上記補機バッテリに内蔵されたバッテリ制御装置であることを特徴とする車両用電源制御システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2025134487A1 (ja) * 2023-12-22 2025-06-26 日産自動車株式会社 電源システムと電源システムの制御方法

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