JP2022166142A - 甘味後引きを低減する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]
以下のA、B、C、Dの4種類の部位から選択される少なくとも1つの部位に高甘味度甘味料が結合することにより生じる甘味の後引きを低減する方法であって、
高甘味度甘味料が結合した部位を除く、A、B、C、Dの部位から選択される少なくとも1つの部位に甘味後引きを低減するための化合物が結合することにより、甘味後引きが低減される、方法、
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質。
[1-1]
以下のA、B、C、Dの4種類の部位から選択される少なくとも1つの部位に高甘味度甘味料が結合することにより生じる甘味の後引きを低減する方法であって、
高甘味度甘味料が結合した部位を除く、A、B、C、Dの部位から選択される少なくとも1つの部位に前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が結合することにより、甘味後引きが低減される、方法、
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質。
[2]
前記高甘味度甘味料が、前記Aの部位に結合する、前記[1]または[1-1]に記載の方法。
[3]
前記甘味後引きを低減するための化合物がB、CおよびDからなる群から選択される少なくとも1つの部位に結合する、前記[1]または[2]に記載の方法。
[3-1]
前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料がB、CおよびDからなる群から選択される少なくとも1つの部位に結合する、前記[1-1]または[2]に記載の方法。
[4]
前記高甘味度甘味料が、前記Aの部位に結合し、前記甘味後引きを低減するための化合物が前記B又は前記Dの部位に結合する、前記[1]~[3]のいずれか一項に記載の方法。
[4-1]
前記高甘味度甘味料が、前記Aの部位に結合し、前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が前記B又は前記Dの部位に結合する、前記[1-1]~[3-1]のいずれか一項に記載の方法。
[5]
前記高甘味度甘味料がレバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドM、ステビオシド、ネオテーム、アリテーム、カンゾウ抽出物、ショ糖誘導体、アセスルファムKおよびサッカリンからなる群から選択される少なくとも1つである、前記[1]~[4-1]のいずれか一項に記載の方法。
[6]
前記甘味後引きを低減するための化合物が、トレハロース、エリトリトール、グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、スクロース、スクラロース、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、前記[1]~[5]のいずれか一項に記載の方法。
[6-1]
前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が、トレハロース、エリトリトール、グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、スクロース、スクラロース、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、前記[1-1]~[5]のいずれか一項に記載の方法。
[7]
(i)レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料と
(ii)グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1種である甘味後引きを低減するための化合物と
を含む、甘味料組成物。
[7-1]
(i)レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料と
(ii)グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1種である前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料と
を含む、甘味料組成物。
[8]
高甘味度甘味料:甘味後引きを低減するための化合物を約1:10~10:1の甘味強度で含む、前記[7]に記載の組成物。
[8-1]
高甘味度甘味料:前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料を約1:10~10:1の甘味強度で含む、前記[7-1]に記載の組成物。
[9]
前記高甘味度甘味料1mgあたり前記甘味後引きを低減するための化合物を200mg含む、前記[7]または[8]に記載の組成物。
[9-1]
前記高甘味度甘味料1mgあたり前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料を200mg含む、前記[7-1]または[8-1]に記載の組成物。
[10]
前記[7]~[9-1]のいずれか一項に記載の組成物を含む、飲食品。
[11]
飲食品の全量に対し前記甘味後引きを低減するための化合物を約5~95%の割合で含有する、前記[10]に記載の飲食品。
[11-1]
飲食品の全量に対し前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料を約5~95%の割合で含有する、前記[10]に記載の飲食品。
本発明は、第1の態様として以下のA、B、C、Dの4種類の部位から選択される少なくとも1つの部位に高甘味度甘味料が結合することにより生じる甘味の後引きを低減する方法であって、
高甘味度甘味料が結合した部位を除く、A、B、C、Dの部位から選択される少なくとも1つの部位に甘味後引きを低減するための化合物が結合することにより、甘味後引きが低減される、方法を提供する(以下、「本発明の方法1」という)。
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質
高甘味度甘味料が結合した部位を除く、A、B、C、Dの部位から選択される少なくとも1つの部位に前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が結合することにより、甘味後引きが低減される、方法を提供する(以下、「本発明の方法1-1」という)。
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質
なお、本発明の方法1と本発明の方法1-1を総称して、「本発明の方法」ということもある。
一般に、甘味料を含む飲食品を摂取した際、飲食品を嚥下した後も引き続き口腔内の甘味が感じられるという現象が甘味後引きとして知られている。ショ糖などの甘味料では甘味後引きは少ないが、高甘味度甘味料を摂取した際の甘味後引きは、ショ糖に比べて長く継続し、しばしば味覚の不快感を生じる原因になる(図1)。甘味後引きについては、DuBois and Prakash(“Non-Caloric Sweeteners, Sweetness Modulators, and Sweetener Enhancers” Annual Reviews of Food Science And Technology, 3, pp.353-380)に記載がある。
ここで、甘味後引きは、以下のA、B、C、Dの4種類の部位から選択される少なくとも1つの部位に高甘味度甘味料が結合することにより生じる。
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質
甘味の味覚受容体は上記ヘテロ二量体を構成するT1R2サブユニットおよびT1R3サブユニットの細胞外のN末端部分が各々大きな領域を形成していることを特徴とする。この細胞外領域のアミノ酸配列については、T1R2サブユニット(配列番号1)では1-494番目のアミノ酸残基、およびT1R3サブニット(配列番号2)の1-498番目のアミノ酸残基にあたる。この部分を部位Aと呼ぶ。
味覚受容体の接続部分とは、先述の部位Aの部分の下流にあり、部位Aと後述の部位Cの膜貫通領域とを接続している。この部位のアミノ酸配列については、T1R2サブユニット(配列番号1)では495-564番目のアミノ酸残基、およびT1R3サブニット(配列番号2)の499-567番目のアミノ酸残基にあたる。この部位を部位Bと呼ぶ。
味覚受容体の膜貫通領域とは、上記部位Bの下流にある約300アミノ酸残基からなるC末側膜貫通領域のことである。この部位のアミノ酸配列については、T1R2サブユニット(配列番号1)では565-839番目のアミノ酸残基、およびT1R3サブニット(配列番号2)の568-852番目のアミノ酸残基にあたる。この部分を部位Cと呼ぶ。
GLUTsやSGLTsなどの味覚細胞の膜トランスポータータンパク質は、口腔内の細胞膜上に存在する糖輸送体のことを全般的に指す。糖輸送体は一般にグルコーストランスポーターとナトリウム共役型糖輸送体という2つのタイプに分類されるが、いずれであっても糖の輸送に関わっていれば膜トランスポータータンパク質と呼ぶ。これらを総称して部位Dと呼ぶ。
「高甘味度甘味料」は、前記A、B、C、Dの部位に結合可能であり、かつ甘味後引きを生じるものであれば特に限定されないが、具体例としては、アスパルテーム、ネオテームなどのペプチド系甘味料等、例えばスクラロースなどのショ糖誘導体、例えばアセスルファムK、サッカリン等の合成甘味料、例えばソーマチン、モネリンなどの植物から抽出されたタンパク質系甘味料、またはその他の高甘味度甘味料成分を含む植物抽出物、例えばステビア抽出物、カンゾウ抽出物、羅漢果抽出物等や当該抽出物中の甘味料成分、例えばステビア抽出物およびステビアを酵素処理してブドウ糖を付加した酵素処理ステビア等のステビア誘導体などのステビオール配糖体、羅漢果および羅漢果抽出物を処理することで得られるモグロシド配糖体などの植物抽出物から得られる配糖体などが挙げられる。ステビオール配糖体としては、ステビオシド、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドMなどが挙げられる。モグロシド配糖体としては、モグロシドVなどが挙げられる。タンパク質と高甘味度甘味料の対応関係は以下の通りである。部位Aに結合するものには、レバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドM、ステビオシド、ステビア抽出物、羅漢果抽出物、カンゾウ抽出物、ネオテーム、アリテーム、ショ糖誘導体、アセスルファムKおよびサッカリンなどが含まれる。部位Bに結合するものにはソーマチン、ブラゼインなどが含まれる。部位Cに結合するものにはサイクラミン酸などが含まれる。
カンゾウ抽出物とは、ウラルカンゾウ、チョウカカンゾウ又はヨウカンゾウの根又は根茎から得られた、グリチルリチン酸を主成分とするものをいう。カンゾウ抽出物の例としてはカンゾウエキス、グリチルリチン、リコリス抽出物が挙げられる。
ショ糖誘導体はショ糖のOH基又はH基を別の置換基で置換して得られるものであり、その例としては、ショ糖のハロゲン誘導体(スクラロース)、オキサチアジノンジオキシド誘導体、糖アルコール、アルドン酸、ウロン酸等が挙げられる。
甘味後引きの低減とその確認方法については後述する。
味覚受容体の部位又は膜トランスポータータンパク質と前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が結合する対応関係は、以下のとおりである。部位Aに結合するものには、レバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドM、ステビオシド、ステビア抽出物、羅漢果抽出物、カンゾウ抽出物、ネオテーム、アリテーム、ショ糖誘導体、アセスルファムKおよびサッカリンなどが含まれる。部位Bに結合するものにはソーマチン、ブラゼインなどが含まれる。部位Cに結合するものにはサイクラミン酸などが含まれる。部位Dに結合するものにはグルコースなどが含まれる。
前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)としては、前記高甘味度甘味料の例として挙げた化合物から選択することもできる。ただし、本発明の方法1に用いる場合、高甘味度甘味料と甘味後引きを低減するための化合物とは異なる化合物である。両者はそれぞれA、B、C、Dのうち異なる部位に結合する必要があるからである。
別の実施形態では、高甘味度甘味料が部位Aに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Bに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Aに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Cに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Aに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Dに結合する。
さらなる実施形態では、高甘味度甘味料が部位Bに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Cに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Bに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Dに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Bに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Aに結合する。
別の実施形態では、高甘味度甘味料が部位Cに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Aに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Cに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Bに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Cに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Dに結合する。
また別の実施形態では、高甘味度甘味料が部位Dに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Aに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Dに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Bに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Dに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Cに結合する。
あるいは、本発明の方法において「高甘味度甘味料:前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)」の比率は、モル比で約1:10~1:200000、約1:100~1:20000、約1:500~1:4000、または約1:1000~1:2000となる割合で用いられてもよい。
本発明は上記の高甘味度甘味料(第一成分)および前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)(第二成分)を含む、組成物(以下、「本発明の組成物」という)を提供する。
(i)レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料と
(ii)グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1種である甘味後引きを低減するための化合物と
を含む、甘味料組成物である。
本発明の一実施形態において、当該組成物は、
(i)レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料と
(ii)グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1種である前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料と
を含む、甘味料組成物である。
前記甘味料組成物は、一実施態様において、前記高甘味度甘味料が以下のA、B、C、Dの4種類の部位から選択される少なくとも1つの部位に結合することにより生じる甘味の後引きを低減する。
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質
当該実施態様では、前記甘味の後引きの低減は、前記高甘味度甘味料が結合した部位を除く、A、B、C、Dの部位から選択される少なくとも1つの部位に前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が結合することにより行われる。
また、部位A、B、C、Dについても上記で定義したとおりである。
別の実施形態では、高甘味度甘味料が部位Aに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Bに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Aに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Cに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Aに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Dに結合する。
さらなる実施形態では、高甘味度甘味料が部位Bに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Cに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Bに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Dに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Bに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Aに結合する。
別の実施形態では、高甘味度甘味料が部位Cに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Aに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Cに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Bに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Cに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Dに結合する。
また別の実施形態では、高甘味度甘味料が部位Dに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(前記甘味後引きを低減するための化合物)が部位Aに結合するか、又は高甘味度甘味料が部位Dに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Bに結合するか、あるいは高甘味度甘味料が部位Dに結合して前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)が部位Cに結合する。
あるいは、本発明の組成物において高甘味度甘味料と前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料(甘味後引きを低減するための化合物)は、モル比で約10~200000、約100~20000、約500~4000、または約1000~2000となる割合で含まれていてもよい。
本発明は、さらに別の実施態様として、本発明の組成物を含む飲食品を提供する(以下、「本発明の飲食品」という)。本発明において、「飲食品」には固体、流動体、及び液体、並びにそれらの混合物であって、経口摂食可能なものの総称である。本発明の飲食品の例としては、栄養補助飲食品、健康飲食品、機能性飲食品、幼児用飲食品、乳児用調製乳、未熟児用調製乳、老人用飲食品等が挙げられる。
乳製品の例としてはバター、チーズ、ヨーグルト、ギイ等が挙げられる。
菓子類の例としては、飴、ジャム、チューインガム、アイスクリーム、スナック菓子、クッキー、ビスケット、ケーキ、ウェハース、菓子パン、チョコレート、和菓子等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の飲食品は、(1)飲食品の原料、(2)中間生産物又は(3)最終形態である飲食品に、本発明の組成物の第一成分及び第二成分を添加する工程を経ることにより製造することができる。この際、第一成分と第二成分は同時に添加してもよく、あるいは異なる製造過程で添加してもよい。
同時に添加する場合、第一成分と第二成分は飲食品の原料、中間生産物又は最終形態である飲食品のいずれに添加してもよい。
第一成分と第二成分を異なる製造過程で添加する場合、例えば、第一成分を飲食品の原料に添加し、第二成分を飲食品の中間生産物に添加してもよく、又は第一成分を飲食品の中間生成物に添加し、第二成分を最終形態である飲食品に添加してもよく、又は第一成分を最終形態である飲食品に添加し、第二成分を飲食品の原料に添加してもよい。あるいは、第二成分を飲食品の原料に添加し、第一成分を飲食品の中間生産物に添加してもよく、又は第二成分を飲食品の中間生成物に添加し、第一成分を最終形態である飲食品に添加してもよく、又は第二成分を最終形態である飲食品に添加し、第一成分を飲食品の原料に添加してもよい。
甘味後引きの評価方法
(1)基準溶液α(甘味料としては、高甘味度甘味料のみを含む飲料)、基準溶液β(他の甘味料を含む基準溶液αと甘味強度が等しい飲料)および試料溶液γ(試料溶液である、基準溶液αとβを混合した一定の割合を含めた飲料)を各自別個のカップに準備する。
(2)口の中を水で良くゆすぎ、吐き出す。このゆすぎ作業を4回繰り返す。
(3)規定量(10ml)の上記基準溶液α、βあるいは試料溶液γを一気に口に含み、5秒後に吐き出す。
(4)吐き出し直後の甘味強度についてVAS法により甘味強度評定値を得る。
(5)吐き出しから45秒後の甘味強度についてVAS法により甘味強度評定値を得る。
甘味後引きの大きさは、吐き出し直後の甘味強度評定値から45秒後の甘味強度評定値への減少量を指標として表される。この値が小さいほど、甘味の時間による低下が少なく、甘味後引きが大きいと判断される。
等甘味強度に調整された基準溶液αと基準溶液β、およびそれらからなる試料溶液γという三種類の溶液について、上記方法によりそれぞれの甘味後引きを測定した。測定の順序は、評価者毎にランダムに決定した。次に、基準溶液αと基準溶液βの配合割合(ア:イ)から試料溶液γの甘味後引きの理論値を求めた。ここで試料溶液γの甘味後引きは、基準溶液αと基準溶液βの配合割合によって変動すると考えられる。従って、試料溶液γの甘味後引きの理論値として、基準溶液αとβの配合割合に応じて重みづけした甘味後引きの重みづけ平均値((アx基準溶液αの甘味後引き+イx基準溶液βの甘味後引き)/(ア+イ))を算出した。また、重みづけ平均値を1とした場合の試料溶液γの甘味後引きの実測値の比率(試料溶液γの甘味後引き/理論値)から1を引いた値を甘味後引き低減効果の指標とした。
また、以下の実施例では、この値を100倍し、パーセントとして表示したものをこの指標が10未満の場合には甘味後引き防止効果がないと判断され、この値が10以上であれば甘味後引き防止効果があると判断される。
レバウジオシドD溶液とグルコース溶液を用いて試験を実施した。
甘味後引きのある高甘味度甘味料としてレバウジオシドDを用いた。レバウジオシドDは、味覚受容体のVFT部分(部位A)と結合する。一方、グルコースは、受容体外のグルコーストランスポーター部分(部位D)と結合することが知られている。
基準溶液α1として、レバウジオシドDを重量濃度593ppmで脱イオン水に溶解した溶液を調製した。基準溶液β1として、基準溶液α1と等甘味強度となるようにグルコースを重量濃度12.3%で脱イオン水に溶解した溶液を調製した。試料溶液γ1として、基準溶液α1と基準溶液βを1:1の配合で混合した溶液を調製した。
官能評価に熟練した官能パネル(N=4)が評価に参加した。
各パネルはそれぞれ基準溶液α1、β1、および試料溶液γ1について上記方法により甘味後引きを評価した。基準溶液α1、β1、試料溶液γ1のそれぞれについて、4名の平均値を算出し、各溶液の甘味後引き指標値とした。
表1は、各溶液の甘味後引き指標値を表している。これらの値を用いて、上記方法によりグルコースによる甘味後引き低減効果を算出したところ、46%(51/34.8-1)となった。部位Aに結合する高甘味度甘味料レバウジオシドDに対して部位Dに結合する甘味料グルコースには甘味後引き防止効果があることが示された。
レバウジオシドD溶液とソーマチン溶液を用いて試験を実施した。レバウジオシドDは、味覚受容体のVFT部分(部位A)と結合する。ソーマチンは味覚受容体の接続部分(部位B)と結合することが知られている。
基準溶液α1として、レバウジオシドDを593ppmの重量濃度で脱イオン水に溶解した。基準溶液β2として、それと等甘味強度となるようにソーマチンを9.77ppmの重量濃度で脱イオン水に溶解した。試料溶液γ2として、基準溶液α1と基準溶液β2を1:1の配合で混合した溶液を調製した。
実施例1と同様の方法で、パネリストによる評価の集計からより次の結果が得られた(表2)。
これらの値を用いて、上記方法によりソーマチンによる甘味後引き低減効果を算出したところ、43%(38.5/27.0-1)となった。部位Aに結合する高甘味度甘味料レバウジオシドDに対して部位Bに結合する甘味料ソーマチンには甘味後引き低減効果があることが示された。
レバウジオシドD溶液とフルクトース溶液を用いて試験を実施した。レバウジオシドDは、味覚受容体のVFT部分(部位A)と結合し、フルクトースはレバウジオシドDと同じ味覚受容体のVFT部分(部位A)と結合することが知られている。
基準溶液α1として、レバウジオシドDを593ppmの重量濃度で脱イオン水に溶解した。基準溶液β3として、それと等甘味強度となるようにフルクトースを5.8%の重量濃度で脱イオン水に溶解した。試料溶液γ3として、基準溶液α1と基準溶液β3を1:1の配合で混合した溶液を調製した。
実施例1と同様の方法で、パネリストによる評価の集計より次の結果が得られた(表3)。
これらの値を用いて、上記方法によりフルクトースによる甘味後引き防止効果を算出したところ、7%(38/35.4-1)となった。部位Aに結合する高甘味度甘味料レバウジオシドDに対して、それと同じく部位Aに結合する甘味料フルクトースには甘味後引き防止効果は極めて低いことが示された。
甘味後引きのある高甘味度甘味料としてソーマチンを用いた。甘味後引きを低減する成分としてグルコースを選択した。ソーマチンは、味覚受容体の接続部分(部位B)と結合する。一方、グルコースは、受容体外のグルコーストランスポーター部分(部位D)と結合することが知られている。
基準溶液α2として、ソーマチンを9.77ppmの濃度で脱イオン水に溶解した。基準溶液β1として、それと等甘味強度となるようにグルコースを12.3%の濃度で脱イオン水に溶解した。試料溶液γ4として、基準溶液α2と基準溶液β1を1:1の配合で混合した溶液を調製した。
実施例1と同様の方法で、パネルより次の結果が得られた。
これらの値を用いて、上記方法によりグルコースによるソーマチンの甘味後引き防止効果を算出したところ、17%(37.6/32.1-1)となった。部位Bに結合する高甘味度甘味料ソーマチンに対して部位Dに結合する甘味料グルコースには甘味後引き防止効果があることが示された。
従って、異なる部位を同時刺激することで甘味後引きが防止されることが確認された。
部位Aと結合する高甘味度甘味料と、その甘味後引きを減少させる後引き改善成分である部位B、C、あるいはDに結合する甘味料との至適配合量を確認することを目的として、以下の試験を実施した。甘味強度の等しい、レバウジオシドD水溶液(高甘味度甘味料)とグルコース水溶液(後引きを低減させる化合物)を準備し、レバウジオシドD水溶液:グルコース水溶液の配合比率を9:1に設定して甘味後引き減少効果を検討した。
基準溶液α1と基準溶液β1の配合比率を基準溶液α1:基準溶液β1が9:1となる比率で混合した場合について、実施例1と同じ手順で評価を行った。試料溶液γ5として、基準溶液α1と基準溶液β1を9:1の配合で混合した溶液を調製した。
パネリスト(N=3)による評価の集計から次の結果が得られた。これらの値を用いて、上記方法により基準溶液α1と基準溶液β1の比率が9:1の場合の甘味後引き低減効果を算出したところ、11%(23.6/21.3-1)となった。比率が9:1の場合でもレバウジオシドDに対してグルコースが甘味後引き防止効果を十分に有することが示された。
次に甘味強度の等しい、レバウジオシドD水溶液(高甘味度甘味料)とグルコース水溶液(後引きを低減させる化合物)を準備し、レバウジオシドD水溶液:グルコース水溶液の配合比率を5:4に設定して甘味後引き減少効果を検討した。
基準溶液α3として、レバウジオシドDを373ppmの濃度で脱イオン水に溶解した。基準溶液β4として、それと等甘味強度となるようにグルコースを7.8%の濃度で脱イオン水に溶解した。試料溶液γ6として、基準溶液α3と基準溶液β4を5:4の配合で混合した溶液を調製した。
パネリスト(N=4)による評価の集計から次の結果が得られた。これらの値を用いて、上記方法により基準溶液α3と基準溶液β4の比率が5:4の場合の甘味後引き防止効果を算出したところ、37.3%(40.3/29.4-1)となった。比率が5:4の場合でもレバウジオシドDに対してグルコースが甘味後引き防止効果を十分に有することが示された。
上記実施例1、5および6の結果をもとに、甘味後引き防止の効果が10%以上の場合には後引き防止効果がある“○”とし、10%未満の場合には後引き防止効果がない “×”として、レバウジオシドD溶液とグルコース溶液との配合比率と甘味後引きの低減効果との関係についてまとめたのが下表である。グルコース溶液との混合によりレバウジオシドD溶液の甘味後引の防止が奏される。また、この効果は、レバウジオシドD溶液:グルコース溶液が9:1~1:9の範囲で幅広く観察される。
甘味後引き低減効果が10%以上のもの ○
実施例5と同様に、基準溶液α3として、レバウジオシドDを373ppmの濃度で脱イオン水に溶解したものと、基準溶液β4として、それと等甘味強度となるようにグルコースを7.8%の濃度で脱イオン水に溶解したものを用意した。試料溶液として、基準溶液α3と基準溶液β4を、10:0、9:1、7:3、5:4、4:5、3:7、1:9、0:10の配合で混合した溶液を調製した。
官能評価試験をより正確に行う目的で、少数の訓練された感度の高いパネリスト(N=2)により評価を行った。すなわち、標準的な甘味料であるスクロース、フルクトース、グルコースに対する摂取直後の甘味強度評定値の標準偏差を算出し、評定値が安定している2名のパネリストが評価をした。上記の各試料溶液の甘味後引き防止効果についてデータを取り、各試料溶液について甘味後引き防止効果を評価した。基準溶液α3と基準溶液β4を、5:4と9:1とした試験の結果をそれぞれ表9および表10に示す。
Claims (11)
- 以下のA、B、C、Dの4種類の部位から選択される少なくとも1つの部位に高甘味度甘味料が結合することにより生じる甘味の後引きを低減する方法であって、
高甘味度甘味料が結合した部位を除く、A、B、C、Dの部位から選択される少なくとも1つの部位に前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が結合することにより、甘味後引きが低減される、方法、
(A)味覚受容体のVFT部分
(B)味覚受容体の接続部分
(C)味覚受容体の膜貫通領域
(D)味覚細胞の膜トランスポータータンパク質。 - 前記高甘味度甘味料が、前記Aの部位に結合する、請求項1に記載の方法。
- 前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料がB、CおよびDからなる群から選択される少なくとも1つの部位に結合する、請求項1または2に記載の方法。
- 前記高甘味度甘味料が、前記Aの部位に結合し、前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が前記B又は前記Dの部位に結合する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記高甘味度甘味料がレバウジオシドA、レバウジオシドD、レバウジオシドM、ステビオシド、ネオテーム、アリテーム、カンゾウ抽出物、ショ糖誘導体、アセスルファムKおよびサッカリンからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料が、トレハロース、エリトリトール、グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、スクロース、スクラロース、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
- (i)レバウジオシドDおよびレバウジオシドMからなる群から選択される少なくとも1種の高甘味度甘味料と
(ii)グルコース、ラクトース、ガラクトース、キシリトール、ソーマチン、ブラゼインおよびサイクラミン酸からなる群から選択される少なくとも1種である前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料と
を含む、甘味料組成物。 - 高甘味度甘味料:前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料を約1:10~10:1の甘味強度で含む、請求項7に記載の組成物。
- 前記高甘味度甘味料1mgあたり前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料を200mg含む、請求項7または8に記載の組成物。
- 請求項7~9のいずれか一項に記載の組成物を含む、飲食品。
- 飲食品の全量に対し前記高甘味度甘味料とは異なる甘味料を約5~95%の割合で含有する、請求項10に記載の飲食品。
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