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JP2022114189A - 6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法 - Google Patents

6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法 Download PDF

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JP2022114189A
JP2022114189A JP2021010371A JP2021010371A JP2022114189A JP 2022114189 A JP2022114189 A JP 2022114189A JP 2021010371 A JP2021010371 A JP 2021010371A JP 2021010371 A JP2021010371 A JP 2021010371A JP 2022114189 A JP2022114189 A JP 2022114189A
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雅彦 関
Masahiko Seki
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Tokuyama Corp
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Abstract

【課題】収率の高い6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法を提供する。【解決手段】酸存在下、式(1)で表されるイソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを-10℃以上50℃以下の温度範囲で接触させて、式(2)で表される6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を得ることを含む。また、メタノール塩酸存在下、式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の還元剤と、を接触させることにより、式(1)で表されるイソインドリノン誘導体を製造した後、得られた式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と、前記ハロゲン化剤とを接触させる。JPEG2022114189000024.jpg49163【選択図】なし

Description

本発明は、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法に関する。
6-ハロゲノイソインドリノン誘導体は、例えば、抗菌薬ガレノキサシン等の種々の医薬品の製造中間体として用いられる有用な化合物である。従来の製造方法として、例えば、特許文献1には、1,2-ジクロロエタン溶媒中において、3-メチルイソインドリン-1-オンにハロゲン化剤(臭素)を滴下して、これらを溶媒の還流温度で混合させて、6-ブロモイソインドリノン誘導体を製造する方法が報告されている(特許文献1)。
国際公開第2014/146490号
しかしながら、発明者が特許文献1に記載の製造方法を追試したところ、6-ブロモイソインドリノン誘導体の収率は、34%程度に留まるものであった(後述する比較例2参照。)。かかる追試の結果が示すように、特許文献1に記載の製造方法によれば、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の収率が十分に得られない場合があり、この点において改善の余地があった。
したがって、本発明の目的は、収率の高い6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、酸存在下でイソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを-10℃以上50℃以下の温度範囲で接触させることで、上記の還流温度より低い温度であっても、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の収率を高めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の一実施の形態に係る6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法は、酸存在下、下記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と、ハロゲン化剤と、を-10℃以上50℃以下の温度範囲で接触させて、下記式(2)で表される6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を製造することを含む。
Figure 2022114189000001
前記式(1)において、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基である。Rは、水素原子、又はアミノ基保護基である。
Figure 2022114189000002
前記式(2)において、R及びRは、前記式(1)で表されるものと同義であり、Xは、前記ハロゲン化剤由来のハロゲン原子である。
前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と前記ハロゲン化剤とは、塩化メチレン及びクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン系溶媒中で接触させることが好ましい。
前記酸は、塩化アルミニウムであり、前記ハロゲン化剤は、臭素及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインから選ばれる少なくとも1種の臭素化剤であることが好ましい。
この場合、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記塩化アルミニウムの量は、1.0モル以上5.0モル以下であり、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記臭素化剤の量は、0.5モル以上1.5モル以下であることがより好ましい。
前記酸は、硫酸であり、前記ハロゲン化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインであることが好ましい。
この場合、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記硫酸の量は、3.0モル以上10.0モル以下であり、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインの量は、0.5モル以上1.0モル以下であることがより好ましい。
メタノール塩酸存在下、下記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の還元剤と、を接触させることにより、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体を製造した後、得られた前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と、前記ハロゲン化剤と、を接触させることが好ましい。
Figure 2022114189000003
前記式(3)において、R及びRは、前記式(1)のものと同義である。
また、本発明の他の実施の形態に係るイソインドリノン誘導体の製造方法は、メタノール塩酸存在下、下記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の還元剤と、を接触させて、下記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体を得ることを含む。
Figure 2022114189000004
前記式(3)において、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基である。また、Rは、水素原子、又はアミノ基保護基である。
Figure 2022114189000005
前記式(1)において、
及びRは、前記式(3)のものと同義である。
本発明に係る6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法によれば、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の収率を高めることができる。
以下、本発明に係る一実施の形態について詳細に説明する。本発明の一実施の形態に係る6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法は、下記の反応式に示すように、[1]下記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体から下記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体を製造する方法(以下、単に「第1の製造方法」とする場合もある。)と、[2]前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体から下記式(2)で表される6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を製造する方法(以下、「第2の製造方法」とする場合もある。)と、を含む。以下、順にそれぞれの詳細を説明する。
Figure 2022114189000006
[1]第1の製造方法(イソインドリノン誘導体の製造方法)
まず、第1の製造方法について説明する。第1の製造方法は、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体のヒドロキシル基を還元的に脱離させてイソインドリノン誘導体を製造する方法に関するものである。具体的には、第1の製造方法は、メタノール塩酸(以下、「HCl-MeOH」とも称する。)存在下、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の還元剤と、を接触させて、イソインドリノン誘導体を得ることを含む。
<3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体>
3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体は、第1の製造方法における基質である。3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体は、以下の式(3)で表される化合物である。
Figure 2022114189000007
式(3)において、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基である。また、Rは、水素原子、又はアミノ基保護基である。
は、好ましくは、水素原子、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子から選ばれるハロゲン原子、炭素数6~20のアリール基、炭素数7~30のアラルキル基、又は炭素数3~20のジアルキルアミノアルキル基である。なお、前記アリール基及びアラルキル基は、置換基を有していてもよく、この置換基は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、ハロゲン原子、炭素数7~30アラルキル基、アルキルアミノ基が挙げられる。Rは、より好ましくは、メチル基である。
は、好ましくは、水素原子である。Rがアミノ基保護基である場合、アミノ基保護基としては、好ましくは、ベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、ベンジルオキシカルボニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基(Boc)、フルオレニルメチルオキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、又はピバロイル基である。
(好適な3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体)
上記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体としては、その有用性を考慮すると、下記式(3A)で表される3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンを好ましいものとして挙げることができる。下記式(3A)で表される化合物は、上記式(3)において、Rがメチル基であり、Rが水素原子である化合物である。
Figure 2022114189000008
<還元剤>
本実施の形態に係る製造方法では、還元剤として、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaBHCN)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(NaBH(OAc))からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いる。
還元剤の使用量は、特に限定されるものではない。3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体1モルに対して、還元剤を、好ましくは、0.66モル以上4.0モル以下使用し、より好ましくは、1モル以上3モル以下使用する。
<HCl-MeOH>
3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と上記の還元剤との接触は、HCl-MeOH存在下で行われる。HCl-MeOHの濃度は、特に限定されるものではないが、塩化水素(HCl)の質量濃度が1%以上20%以下のHCl-MeOHを用いることが好ましく、HClの質量濃度が5%以上10%以下のHCl-MeOHを用いることがさらに好ましい。また、還元剤1モルに対して、HCl-MeOHを、好ましくは、HClのモル数で0.5モル以上3モル以下使用し、より好ましくは、HClのモル数で0.7モル以上2モル以下使用する。
<イソインドリノン誘導体の製造法>
上述したように、本実施の形態に係る製造方法では、HCl-MeOH存在下、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と還元剤とを接触させて、イソインドリノン誘導体を得る。本実施の形態においては、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と還元剤とを接触させる際は、溶媒中で実施することが好ましい。
(溶媒)
溶媒としては、THF、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジグライム等のエーテル類;塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2-ブタノール、t-ブタノール等のアルコール類等の有機溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で、又はこれらの混合溶媒として用いることができる。中でも、メタノールは、還元剤等用いる試薬に対する溶解力に優れる点で、特に好ましい。
溶媒の使用量は、特に制限されるものではない。溶媒は、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体1gに対して、3mL以上30mL以下使用することが好ましく、5mL以上20mL以下使用することがより好ましい。なお、溶媒として混合溶媒を使用する場合は、混合溶媒の全量が上記の範囲を満足すればよい。
(各成分を接触させる(混合する)方法)
各成分を接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、攪拌機構を備えた反応容器内に、各成分を投入して混合してよい。各成分を混合することにより、メタノール塩酸存在下、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と還元剤とを接触させることができる。各成分を反応容器内に投入する手順は、特に制限されない。例えば、溶媒に3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体を溶解させた後、この溶解液と還元剤とメタノール塩酸とを混合してもよい。この場合、該溶解液に還元剤を添加し、さらにHCl-MeOHを滴下してもよい。
なお、還元剤は、例えば、5分以上30分以下の時間をかけて前記溶解液に添加してもよい。このときの溶解液の温度は、例えば、10℃以上40℃以下としてよい。また、HCl-MeOHは、例えば、1時間以上4時間以下の時間をかけて前記溶解液に滴下してもよい。このときの溶解液の温度は、例えば、0℃以上35℃以下としてよい。
上記の反応は、メタノール塩酸存在下、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と還元剤とを混合(接触)させることにより実施できる。このとき、これらの各成分を攪拌混合する際の反応温度は、-10℃以上60℃以下であることが好ましく、10℃以上45℃以下であることがより好ましい。反応時間は、イソインドリノン誘導体への転化率を確認し、反応が完結する時間に適宜決定すればよい。反応時間は、0.5時間以上17時間以下であればよく、好ましくは、1時間以上8時間以下である。
反応終了後は、以下の方法でイソインドリノン誘導体を精製することが好ましい。先ず、反応により析出した不純物を溶解する。不純物を溶解するには、例えば、濃硫酸を用いてよい。次に、反応液を減圧濃縮しメタノールを留去する。さらに、濃縮残渣に塩化メチレン、及び水を加え反応液を分液する。次に、有機層を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに供する。シリカゲルカラムクロマトグラフィーの溶媒としては、例えば、n-ヘキサンと酢酸エチルとの混合溶媒を用いてよい。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより得られた粗体を乾燥し、n-ヘキサン及び酢酸エチルの混合溶媒を除去して再結晶することによりイソインドリノン誘導体を得る。なお、前記には、シリカゲルカラムを使用する方法を例示したが、精製する場合には、再結晶等の公知の精製方法を採用することもできる。
<イソインドリノン誘導体>
上述した方法でメタノール塩酸存在下、3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と上述した還元剤とを接触させると、下記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体が得られる。
Figure 2022114189000009
式(1)において、R及びRは、式(3)のものと同義である。
(好適なイソインドリノン誘導体)
好適な原料である式(3A)で表される3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンを基質として使用した場合、上記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体として、下記式(1A)で表されるイソインドリノン誘導体(3-メチルイソインドリン-1-オン)を得ることができる。下記式(1A)で表される化合物は、上記式(1)において、Rがメチル基であり、Rが水素原子である化合物である。
Figure 2022114189000010
なお、上記式(1)及び(1A)で表されるイソインドリノン誘導体は、公知の化合物である。そのため、該イソインドリノン誘導体の製造方法は、特に制限されるものではなく、その他の公知の方法でも製造することができる。例えば、還元剤としてトリエチルシラン(EtSiH)を用いてよい。なお、還元剤としてトリエチルシランを用いる場合は、基質と還元剤との接触は、必ずしもメタノール塩酸存在下で行わなくてもよい。
但し、前記の第1の製造方法を用いれば、還元剤としてトリエチルシランを用いる従来例と比較して、イソインドリノン誘導体の収率を高めることができる。そのため、イソインドリノン誘導体を製造する場合には、前記の第1の製造方法を採用することが好ましい。
[2]第2の製造方法
次に、第2の製造方法について説明する。第2の製造方法は、イソインドリノン誘導体をハロゲン化して6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を製造する方法に関するものである。具体的には、第2の製造方法は、酸存在下、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを-10℃以上50℃以下の温度範囲で接触させて、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を得ることを含む。
<イソインドリノン誘導体>
イソインドリノン誘導体は、第2の製造方法における基質である。イソインドリノン誘導体は、上記式(1)で表わされる化合物である。
なお、前記のとおり、イソインドリノン誘導体は、必ずしも第1述の製造方法によって得られたものでなくてもよく、公知の製造方法を用いて得られたものでもよい。但し、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の純度を高めるためには、純度の高いイソインドリノン誘導体を基質として用いることが好ましい。そのためには、第2の製造方法における基質としては、上述した第1の製造方法で製造したイソインドリノン誘導体を用いることが好適である。
また、第2の製造方法において、前記の第1の製造方法で製造されたイソインドリノン誘導体を使用する場合、例えば、第1の製造方法で製造したものを単離精製して使用することができる。また、第1の製造方法に従えば、高い収率でイソインドリンボロン酸誘導体を得ることができるため、精製することなく、溶媒等を留去しただけで使用してもよい。
<ハロゲン化剤>
ハロゲン化剤は、イソインドリノン誘導体中の芳香環内の水素原子の1つを、該ハロゲン化剤由来のハロゲン原子に置換(以下、「ハロゲン化」とも称する。)する反応剤である。ハロゲン化剤は、ハロゲン単体、N-ハロゲノスクシンイミド、N-ハロゲノフタルイミド、及び1,3-ジハロゲノ-5,5-ジメチルヒダントインから選ばれる少なくとも1種を含む。
ここで、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。すなわち、ハロゲン化剤としては、塩素化剤、臭素化剤、又はヨウ素化剤が挙げられる。
塩素化剤は、塩素(Cl)単体(以下、単に「塩素」とも称する。)、N-クロロスクシンイミド(NCS)、N-クロロフタルイミド、及び1,3-ジクロロ-5,5-ジメチルヒダントイン(以下、「DCDMH」とも称する。)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
臭素化剤は、臭素(Br)単体(以下、単に「臭素」とも称する。)、N-ブロモスクシンイミド(NBS)、N-ブロモフタルイミド、及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン(以下、「DBDMH」とも称する。)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
ヨウ素化剤は、ヨウ素(I)単体(以下、単に「ヨウ素」とも称する。)、N-ヨードスクシンイミド(NIS)、N-ヨードフタルイミド、及び1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントイン(以下、「DIDMH」とも称する。)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
ハロゲン化剤は、基質との反応性に優れている点で、臭素化剤又はヨウ素化剤を用いることが好ましい。また、ハロゲン化剤は、安価である点で、塩素化剤又は臭素化剤を用いることが好ましい。すなわち、ハロゲン化剤は、基質との反応性に優れ、かつ、安価である点で、臭素化剤を用いることがより好ましい。
ハロゲン化剤の使用量は、特に制限されるものではない。イソインドリノン誘導体1モルに対してハロゲン化剤を、ハロゲン化剤基準で、好ましくは、0.3モル以上2.0モル以下使用し、より好ましくは、0.3モル以上1.5モル以下使用する。
(臭素化剤)
ハロゲン化剤としては、前記の通り、臭素化剤を使用することが好ましい。好ましい臭素化剤を使用する場合について個別にさらに説明する。イソインドリノン誘導体1モルに対して臭素化剤の量は、臭素分子基準で、好ましくは、0.3モル以上2.0モル以下であり、より好ましくは、0.3モル以上1.5モル以下である。
臭素化剤としては、上述したものの中でも、合成目的とする6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を得るための反応の位置選択性を高める点で、臭素が好ましい。臭素化剤として臭素を用いる場合、イソインドリノン誘導体1モルに対して臭素の量は、臭素分子基準で、好ましくは、1.0モル以上2.0モル以下あり、より好ましくは、1.1モル以上1.5モル以下である。また、臭素化剤としてDBDMHを用いる場合、イソインドリノン誘導体1モルに対してDBDMHの量は、DBDMH分子基準で、好ましくは、0.3モル以上1.0モル以下であり、より好ましくは、0.3モル以上0.7モル以下である。
<酸>
イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤との接触は、酸の存在下で行われる。酸は、イソインドリノン誘導体を酸化してベンゼン環中のパイ電子が酸素原子に奪われることを抑制し、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤との求電子置換反応を促進する。酸は、ルイス酸及びブレンステッド酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む。ルイス酸は、塩化アルミニウム(三塩化アルミニウム、AlCl)、4塩化スズ、及び4塩化チタンを含む。ルイス酸は、好ましくは、三塩化アルミニウムである。ブレンステッド酸は、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、及びトリクロロ酢酸を含む。ブレンステッド酸は、好ましくは、硫酸である。
酸としては、ハロゲン原子のイソインドリノン誘導体に対する選択性を高めるため、塩化アルミニウム(具体的には、三塩化アルミニウム)を用いることが好ましい。酸の使用量は、特に制限されるものではない。酸として三塩化アルミニウムを用いる場合、イソインドリノン誘導体1モルに対して三塩化アルミニウムの量は、好ましくは、1.0モル以上5.0モル以下であり、より好ましくは、2.5モル以上3.5モル以下である。なお、この酸の使用量は、酸そのものの量(モル数)である。三塩化アルミニウムを使用した場合には、三塩化アルミニウムそのものの使用量(モル数)である。
酸として三塩化アルミニウムを用いる場合、ハロゲン化剤としては、臭素、及び/又はDBDMHを用いることが好ましく、DBDMHを用いることがより好ましい。酸として三塩化アルミニウムを用いる場合、DBDMHは、臭素よりも6-ブロモイソインドリノン誘導体の収率を高めることができるためである。この場合、イソインドリノン誘導体1モルに対して臭素化剤の量は、臭素分子基準で、好ましくは、0.5モル以上1.5モル以下である。
酸として硫酸を用いる場合、硫酸の量は、イソインドリノン誘導体1モルに対して3.0モル以上10.0モル以下であることが好ましく、3.5モル以上8.5モル以下であることがより好ましい。なお、この酸の使用量は、酸そのものの量(モル数)である。すなわち、硫酸(HSO)を使用した場合には、硫酸そのものの使用量(モル数)である。
酸として硫酸を用いる場合、ハロゲン化剤としては、DBDMHを用いることが好ましい。この場合、イソインドリノン誘導体1モルに対してDBDMHの量は、臭素分子基準で、好ましくは、0.5モル以上1.0モル以下である。
<6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造法>
上述したように、本実施の形態に係る製造方法においては、酸存在下、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを接触させ、これらを反応させて6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を得る。本実施の形態に係る製造方法においては、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを接触させる際は、溶媒中で実施することが好ましい。
<溶媒>
酸存在下のイソインドリノン誘導体とハロゲン化剤との接触は、塩化メチレン及びクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン系の溶媒中で実施されることが好ましい。
溶媒としては、上述したハロゲン系の溶媒の他に、又は、上述したハロゲン系の溶媒に加えて、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;THF、2-メチルTHF、1,4-ジオキサン、tert-ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;1,2-ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、アセトン等のケトン類等の有機溶媒を用いてよい。
溶媒の使用量は、特に制限されるものではない。イソインドリノン誘導体1gに対して、溶媒を1mL以上30mL以下使用することが好ましく、3mL以上20mL以下使用することがより好ましい。なお、溶媒として混合溶媒を使用する場合は、混合溶媒の全量が上記の範囲を満足すればよい。
(各成分を接触させる(混合する)方法)
各成分を接触させる方法は、特に制限されるものではない。例えば、撹拌機構を備えた反応容器内に、各成分を投入して混合してよい。各成分を混合することにより、酸存在下、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを接触させることができる。各成分を反応容器内に投入する手順は、特に制限されない。例えば、溶媒にイソインドリノン誘導体を溶解させた後、この溶解液と酸とを混合してよい。さらにその後、得られた混合物と、イソインドリノン誘導体を溶解したのと同一の溶媒に必要に応じて溶解したハロゲン化剤の溶解液とを混合してもよい。この場合、該溶解液を該混合物に滴下してもよい。
なお、該溶解液と酸とを混合するときの溶解液の温度は、5℃以上25℃以下としてよい。また、ハロゲン化剤は、例えば、5分以上60分以下の時間をかけて前記溶解液に加えてもよい。
イソインドリノン誘導体の溶解液と酸との混合物は、この混合物とハロゲン化剤の溶解液とを混合する前に、イソインドリノン誘導体の溶解液と酸とを十分に混合するために、イソインドリノン誘導体の溶解液の攪拌を行ってもよい。このとき、イソインドリノン誘導体の溶解液と酸とを混合する時間は、イソインドリノン誘導体の溶液の量と添加する酸の量によるが、例えば、5分以上40分以下としてよい。
(反応温度)
イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とは、-10℃以上50℃以下の温度範囲で接触させる。ハロゲン化剤として臭素を用いる場合、反応温度は、0℃以上40℃以下であることが好ましい。また、ハロゲン化剤としてDBDMHを用いる場合、反応温度は、0℃以上50℃以下であることが好ましく、5℃以上40℃以下であることがより好ましい。イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを酸の存在下で接触させることによって、1,2-ジクロロエタン溶媒の還流温度よりも低い温度でイソインドリノン誘導体とハロゲン化剤との反応を進ませることができる。また、反応温度を1,2-ジクロロエタン溶媒の還流温度よりも低くしても、高い収率で6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を得ることができる。
反応温度は、反応開始(各成分を攪拌混合し始めて)から終了(攪拌混合を止める)までの間において、必ずしも同一の温度に保たなくてもよく、上述した温度範囲において段階的に変えてもよい。例えば、反応温度は、2段階で上がるようにしてもよい。具体的には、例えば、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤との混合物を-10℃以上15℃未満の温度範囲で1時間以上6時間以下で反応させた後に、15℃以上50℃以下で1時間以上5時間以下の温度範囲でさらに反応してもよい。
(反応時間)
反応時間は、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体への転化率を確認し、反応が完結する時間に適宜決定すればよい。ハロゲン化剤として臭素を用いる場合、反応時間は、1時間以上17時間以下であればよく、好ましくは、2時間以上8時間以下である。また、臭素化剤としてDBDMHを用いる場合、反応時間は、1時間以上48時間以下であればよく、好ましくは、2時間以上24時間以下である。
反応終了後は、以下の方法で6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を精製することが好ましい。先ず、反応液を、例えば、氷水等への注入により冷却し、水酸化ナトリウム水溶液等の強塩酸を加えてアルカリ性とする。次に、反応液を分液して水層を抽出する。水層の抽出には、例えば、塩化メチレンを用いてよい。次に、有機層を混合し、脱水、減圧濃縮し、6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を得る。脱水には、例えば、硫酸マグネシウムを用いてよい。
上記処理後の処理液及び固形物において、イソインドリノン誘導体が占める割合は、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により確認できる。また、イソインドリノン誘導体が合成されていることは、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光分析、赤外(IR)分光分析、及び融点測定により確認できる。
<6-ブロモイソインドリノン誘導体>
上述した方法で、酸存在下、イソインドリノン誘導体とハロゲン化剤とを接触させると、下記式(2)で表される6-ハロゲノイソインドリノン誘導体が得られる。
Figure 2022114189000011
式(2)において、R、及びRは、式(1)で表されるものと同義である。また、Xは、前記ハロゲン化剤由来のハロゲン原子である。具体的には、Xとしては、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。中でも、ハロゲン化剤のとして好適な臭素化剤を用いる場合、Xは、臭素原子が好ましい。また、反応性と安定性とを考慮しても、Xは、臭素原子であることが好ましい。また、Xは、6位の位置に存在する。
(好適な6-ハロゲノイソインドリノン誘導体)
好適な原料である式(1A)で表される3-メチルイソインドリン-1-オンを使用した場合、上記式(2)で表される6-ブロモイソインドリノン誘導体として、下記式(2A)で表される6-ブロモイソインドリノン誘導体(6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オン)を得ることができる。下記式(2A)で表される化合物は、上記式(2)において、Rがメチル基であり、Rが水素原子であり、Xが臭素原子である化合物である。
Figure 2022114189000012
(異性体)
上述した方法によれば、下記式(2’)で表される異性体が生成される場合がある。この異性体は、ハロゲン原子であるXが4位の位置に存在する4-ハロゲノイソインドリノン誘導体である。
Figure 2022114189000013
式(2’)において、R、R及びXは、式(2)のものと同義である。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明する。なお、下記の実施例は、例示的に示す具体例であって、本発明は、これらにより限定されるものではない。また、製造例1は、第1の製造方法における基質である3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体の一例としての3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンの合成に係る例であり、実施例1及び比較例1は、第1の製造方法に係る実施例(すなわち、イソインドリノン誘導体の製造方法に係る実施例)であり、実施例2~8及び比較例2は、第2の製造方法に係る例(すなわち、6-ブロモイソインドリノン誘導体の製造方法に係る実施例)である。
<製造例1>
(3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンの合成)
下記反応式に示すように、以下の方法で、フタルイミド(式(4)参照。)から、下記式(3A)に示す3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンを合成した。
Figure 2022114189000014
フタルイミド(50g、0.34mol)を塩化メチレン(500mL)に溶かし、ここへ、メチルマグネシウムブロミド(MeMgBr、1.04mol)を-10~7℃で1時間かけて滴下した。この混合物を7℃で2時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)加えた。この「混合物を減圧濃縮し、濃縮残渣に水(200mL)を加え得られたスラリーを濾過後、水、及びヘキサンで洗浄、乾燥することにより上記式(3A)に示す3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンを得た(39.2g、71%)。
NMR分光の分析結果は、下記のとおりであった。
H-NMR(DMSO-d6)δ:8.80 (br, 1H), 7.62-7.56 (m, 3H), 7.49-7.44 (m, 1H), 6.09 (s, 1H), 1.59 (s, 3H)。
<実施例1;第1の製造方法>
(イソインドリノン誘導体の合成)
以下の方法で、上記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体として下記反応式(3A)に示す3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オンを使用して、式(1A)に示す3-メチルイソインドリン-1-オンを合成した。
Figure 2022114189000015
3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(33.7g、0.207mol)をメタノール(525mL)に溶かし、NaBHCN(27g、0.43mol)を25℃で10分かけて加えた。この溶液に、35℃以下で、HClの質量濃度が7.5% HCl-MeOH(238mL、0.491mol)を2時間30分かけて滴下した。
その後、濃塩酸を加え、pH2に調整した。反応液を減圧濃縮しメタノールを留去した。濃縮残渣に塩化メチレン、及び水を加え分液した。有機層を濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル)で精製した。さらに、得られた粗体を酢酸エチル、ヘキサンから再結晶することによりイソインドリノン誘導体を得た(26.5g、87%)。
NMR分光の分析結果は、下記のとおりであった。
H-NMR(CDCl3)δ:7.92 (br, 1H), 7.85 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.57 (t, J = 7.5, 1.2 Hz, 1H), 7.50 - 7.41 (m, 2H), 4.72 (q, J = 6.7 Hz, 1H), 1.52 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
<比較例1>
3-メチル-3-ヒドロキシイソインドリン-1-オン(3g、0.0184mol)をメタノール(46mL)に溶かし、NaBHCN(1.29g、0.0205mol)を25℃で10分かけて加えた。この溶液に、25℃で、HClの質量濃度が35%の濃塩酸(9滴、0.36mL、HClのモル数:4.32mmol)加え、同温で2時間攪拌した。その結果、目的物である3-メチルイソインドリン-1-オンは、痕跡量(微量)しか生成しなかった。
実施例1及び比較例1に係る製造方法及びHPLC測定結果を下記表1にまとめる。
Figure 2022114189000016
<実施例2;第2の製造方法>
(6-ブロモイソインドリノン誘導体の合成)
以下の方法で、下記反応式(1A)に示す3-メチルイソインドリン-1-オンを使用して、式(2A)に示す6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オンを合成した。なお、下記反応式に示すように、目的物である6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オンの異性体として下記式(2’A)に示す4-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オンがさらに生成される。
Figure 2022114189000017
3-メチルイソインドリン-1-オン(1.00g、4.42mmol)の塩化メチレン(7mL)溶液に、8℃で三塩化アルミニウム(1.76g、13.2mmol、3.0eq)を加え20分攪拌した。この溶液に、臭素(0.92g、5.76mmol、1.3eq)の塩化メチレン(3mL)溶液を30minかけて滴下した(7℃まで温度上昇)。この混合物を5℃で3時間、25℃で2時間攪拌した。
この反応液を氷水(10mL)中にゆっくり注入し、質量濃度が24%のNaOH水溶液を多量に加えて、pH:11に調整した。この混合物を分液し、水層を塩化メチレン(10mL)で抽出した。有機層を混合し、硫酸マグネシウム脱水、減圧濃縮し、粗体を得た。
この粗体をHPLC分析したところ、粗体は、3-メチルイソインドリン-1-オン(原料):6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オン(目的物):4-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オン(異性体)の比率が15:62:12の混合物であることが分かった。この粗体をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチルは、1:1とした。)で精製することにより、6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オンを得た(0.81g、収率53%)。
NMR分光の分析結果は、下記のとおりであった。
H-NMR(DMSO-d)δ:8.00 (s, 1H), 7.72 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.52 (s,lH), 7.34 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 4.73-4.68 (m,lH), 1.53 (d, J = 6.8 Hz, 3H)。
HPLC分析の分析結果は、下記のとおりであった。
分析条件:
サンプル濃度:0.5%THF
注入量:5μL
検出波長:254nm
流速:1.0mL/min
カラム温度:30℃
移動相:20% アセトニトリル(0~10min)、20~100% アセトニトリル (10~20min)
充填剤:X Bridge C18 5μm (4.6x150mm)
保持時間は、6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オンが14.277minであり、4-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オンが14.594minであった。
<実施例3>
実施例2において、三塩化アルミニウムの量を、1.76gから1.17g(8.80mmol、2.0equiv.)へ変更したこと、及び臭素の量を、0.92gから1.13g(7.09mmоl、1.6equiv.)へ変更したこと以外は、実施例2に記載したのと同様の方法で反応を行った。
<実施例4>
実施例2において、三塩化アルミニウムの量を、1.76gから1.47g(11.0mmol、2.5equiv.)へ変更したこと以外は、実施例2に記載したのと同様の方法で反応を行った。
<実施例5>
3-メチルイソインドリン-1-オン(0.10g、0.679mmol)の塩化メチレン(1mL)溶液に硫酸(0.55g、8.3eq、5.64mmol)を25℃で加えた。この溶液にDBDMH(0.10g、0.346mmol、0.51equiv.)を添加し、25℃で18時間攪拌した。
反応液に、水(3mL)、酢酸エチル(4mL)を加え、有機層についてHPLC分析したところ、この有機層は、3-メチルイソインドリン-1-オン(原料):6-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オン(目的物):4-ブロモ-3-メチルイソインドリン-1-オン(異性体)の比率が5.4:56:20の混合物であることが分かった。
<実施例6>
実施例5において、硫酸の量を、0.55gから4.63g(47.5mmоl、70equiv.)へ変更したこと、及びDBDMHの量を、0.10gから0.12g(0.407mmоl、0.60equiv.)へと変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。
<実施例7>
実施例5において、硫酸の量を、0.55gから0.26g(2.71mmоl、4.0equiv.)へ変更したこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。
<実施例8>
実施例5において、0.10gのDBDMHの代わりに、0.14g(0.883mmol、1.3equiv.)の臭素を用いたこと以外は、実施例5に記載したのと同様の方法で反応を行った。
<比較例2>
3-メチルイソインドリン-1-オン(147mg、1mmol)の1,2-ジクロロエタン(2mL)溶液に、25℃で三塩化アルミニウム(235mg、2.51mmol)、及び臭素(0.105g、1.32mmol)を加え、15時間加熱還流した。この混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)、及び酢酸エチル(10mL)を加えた後、セライト濾過した。この濾液の有機層を減圧濃縮し、濃縮残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン/酢酸エチル=1:1)で精製することにより、6-ブロモイソインドリノン誘導体を得た(76.4mg、34%)。
実施例2~8及び比較例2に係る製造方法及びHPLC測定結果を下記表2にまとめる。
Figure 2022114189000018

Claims (8)

  1. 酸存在下、
    下記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と、
    ハロゲン化剤と、
    を-10℃以上50℃以下の温度範囲で接触させて、下記式(2)で表される6-ハロゲノイソインドリノン誘導体を製造することを含む、
    6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法:
    Figure 2022114189000019
    前記式(1)において、
    は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基であり、
    は、水素原子、又はアミノ基保護基であり、
    Figure 2022114189000020
    前記式(2)において、
    及びRは、前記式(1)のものと同義であり、Xは、前記ハロゲン化剤由来のハロゲン原子である。
  2. 塩化メチレン及びクロロホルムからなる群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン系溶媒中、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と前記ハロゲン化剤とを接触させる、
    請求項1に記載の6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法。
  3. 前記酸は、三塩化アルミニウムであり、
    前記ハロゲン化剤は、臭素及び1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインからなる群から選ばれる少なくとも1種の臭素化剤である、
    請求項1又は2に記載の6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法。
  4. 前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記三塩化アルミニウムの量は、1.0モル以上5.0モル以下であり、
    前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記臭素化剤の量は、0.5モル以上1.5モル以下である、
    請求項3に記載の6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法。
  5. 前記酸は、硫酸であり、
    前記ハロゲン化剤は、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインである、
    請求項1又は2に記載の6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法。
  6. 前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記硫酸の量は、3.0モル以上10.0モル以下であり、
    前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体1モルに対して前記1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントインの量は、0.5モル以上1.0モル以下である、
    請求項5に記載の6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法。
  7. メタノール塩酸存在下、下記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と、シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の還元剤と、を接触させことにより、前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体を製造した後、
    得られた前記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体と、前記ハロゲン化剤と、を接触させる、
    請求項1~6の何れか1項に記載の6-ハロゲノイソインドリノン誘導体の製造方法:
    Figure 2022114189000021
    前記式(3)において、
    及びRは、前記式(1)のものと同義である。
  8. メタノール塩酸存在下、
    下記式(3)で表される3-ヒドロキシイソインドリノン誘導体と、
    シアノ水素化ホウ素ナトリウム及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の還元剤と、
    を接触させて、下記式(1)で表されるイソインドリノン誘導体を得ることを含む、
    イソインドリノン誘導体の製造方法:
    Figure 2022114189000022
    前記式(3)において、
    は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、アリール基、アラルキル基、又はジアルキルアミノアルキル基であり、
    は、水素原子、又はアミノ基保護基であり、
    Figure 2022114189000023
    前記式(1)において、
    及びRは、前記式(3)のものと同義である。
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