本開示は、対象の生理学的血流のpHを低下させることが、必要とする対象の多くの状態および疾患ならびにその症状を処置、改善、および予防するのに有用であるという予想外の発見に少なくとも部分的に基づいている。本発明は、血液のpHに必須なシフトをもたらすために、それを必要とする対象に投与することができる安定な治療組成物を提供する。
I.概要
腫瘍学における多くの病態の根源は、化学のいくつかの重要なポイントに従って、不全に端を発する。第1に、酸素送達の欠如は、好気的な代謝を障害し、腫瘍の血管新生を助長する。第2に、解糖系中心的代謝(glycolysis-centric metabolism)は、細胞の近傍で安定な酸性化を生じ、多くの酵素機能、感覚、および代謝的結果を伴う広範なアシドーシスをもたらすことができる。第3に、細胞内および血流カルシウムは、小胞体のようなコンパートメントが減少しながら、がん細胞および宿主の健康細胞内で通常上昇して、感覚機能、細胞分裂、突然変異、および他の機能に影響を及ぼす。第4に、酸性化、低酸素、カルシウムシグナル伝達により促進される代謝鎖における障害、およびこれらの因子由来の腸の障害は、活性酸素種(ROS)を増加させ、これは、細胞破壊を促進し、白血球細胞表現型および応答シグナル伝達に影響を及ぼす。ゆえに、酸素状態、酸塩基状態、カルシウム状態、およびROSは、がんにおいて広範な影響を有する基本的な力である。以下に記載する通り、これらの集合的な影響は、グルコースの有用性をゆがめ、骨髄微小環境「ニッチ」を乱し、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)の上昇を促進して変異原性を促進し、血管新生を促進して腫瘍の血管を新生し、がんにおいて酸塩基適応を可能にしてそれらの増殖を向上させ、p53を障害して固有のアポトーシス制御を圧倒し、全体的な代謝を障害して疲労および認知障害を伴う感覚の乱れを起こし得る。
これらの根源は、より詳細に以下で検討する:
1.酸素送達における向上により、別の健康な細胞を生存させることによりがんは障害され、選択細胞ががんと闘うのを助けることができる:
a.請求の要素
i.向上した酸素は、健康な細胞ががんよりより良好に生存することを助ける。
ii.向上した酸素は、白血球(WBC)ががんと闘うのを助ける。
iii.腫瘍低酸素は、腫瘍成長、代謝、化学療法に対する耐性、および転移に関連している。低酸素腫瘍を有するものは、予後が不良であり、より攻撃的な表現型(Vaupel)を潜在的に有する。
iv.低酸素の徴候を軽減することで、低酸素誘導因子(HIF)を低下させて、がん代謝を障害する解糖酵素の発現および活性を低下させる。
b.記載された組成物がこれをどのように達成するか:
i.酸素に対するヘモグロビンの親和性障害を補正:反発するとHCO3
-(重炭酸塩)を細胞内およびアルカリ性pHにするH+
ii.血管拡張:Ca2+↓+Mg2+↑:エンドセリン収縮↓、Ca2+↓は内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)↑+pH刺激を得る:(一酸化窒素(NO)はその受容体可溶性グアニリルシクラーゼ(sGC)に結合する)NO-sGC拡張↑、B3:プロスタサイクリン拡張↑
iii.赤血球(RBC)および血小板の回復を刺激:エリトロポエチン(EPO)およびアルカリ性骨髄を産生する酸素の分圧(pO2)刺激
iv.凝固亢進の緩和:Ca2+の分解およびグルコースシグナル伝達を伴うアルカリ状態
v.血管プラークを反転して血管を開放:プラークの進行を逆転するアルカリ性+低いROS+eNOS補正
vi.細胞質ゾルのCa2+および少ないROSを伴う完全な代謝鎖を低下させることであって、eNOSがゴルジから細胞膜に転位することを可能にして、内皮指向性血管成長を可能にし、血管の健康および健康な組織における潅流を維持すること(Bビタミン+アスコルビン酸およびグルタチオンで刺激されたデヒドロアスコルビン酸(DHAA)を介して増加した抗酸化剤(抗Ox)が、ROSを低下させる)、細胞内重炭酸塩を増加させること、ならびに、アルカリ状態を回復することによる、選択的な血管新生の回復。局所的低酸素または他の誘導性モーメント(pHシフト)は、確実にNOを誘発するためにバックグラウンドからより良好に区別することが可能である。
2.記載された組成物は、Ca2+の提示およびシグナル伝達を補正する。ほとんどのがん患者は、カルシウムのその調節が破壊され、結局は高カルシウム血症に進行する。継続して高カルシウム血症が悪化するとともに、患者は、多尿症、腹痛、および他の虚弱を経験し得る(Rosnerら、Advances in Chronic Kidney Disease、第21巻、第1号、Elsevier Ltd、2014年、7~17頁)。
a.請求の要素
i.小胞体においてCa+2が増加しながら、高カルシウム血症を解消し、細胞質ゾルのCa+2を低下させること。
ii.上昇した疼痛応答、および通常がんと一致する感覚機能の障害を低下させること。
b.記載された組成物がこれをどのように達成するか:
i.マグネシウムが、能動的および/または受動的の両方で細胞質ゾルのカルシウムを低下させる。能動的なマグネシウムは、血管平滑筋細胞で発現することができる骨原性転写因子を低下させることが示されている。受動的には、血液中、無機リン酸塩に結合することによってこれを行うことができる。石灰化プラークの主要な供給源は、リン酸カルシウム結合であり、したがって、マグネシウムのリン酸塩への結合によって、結合し、プラークを形成するカルシウムに対する有用性が低下する(Ter Braakeら)。
ii.代謝性H+の低下は、細胞由来のH+と血流由来のCa+2との交換が低下することにより細胞質ゾルのカルシウムの低下をもたらす。
iii.アデノシン三リン酸(ATP)の過剰は、筋小胞体ATPアーゼ(SERCA)が細胞質ゾルのCa+2を小胞体の貯蔵に送入することを可能にする。
3.解糖に対する代謝機能障害は、がん代謝の主要な成分である。記載された組成物は、代謝酸(metabolic acid)H+、乳酸塩、ROSを低下させながら、ATPを増加させる代謝鎖を完了することにより代謝機能障害を反転する。がん細胞での代謝の変更は、これが成功するようにがん患者の生理機能を変更するまで進行する。細胞のよりアルカリ性な細胞内pHの変更は、解糖(グルコースの乳酸への破壊)を促進し、糖新生を抑制する。また、乳酸デヒドロゲナーゼは、ピルビン酸塩の乳酸塩への変換に関与するが、pHがおよそ7.5で最適に機能し、これは、細胞内pHががん細胞のものであることと類似する(Webbら、Nature Reviews Cancer、第11巻、第9号、2011年、671~77頁)。ROSは、電子伝達鎖の副産物として生成される。がん細胞が解糖を促進するので、これは、NADH/NAD+の異常比、およびROSの高い生成を起こす電子の漏出の増加をもたらす。
a.記載された組成物がこれをどのように達成するか:
i.細胞質ゾルのカルシウムの低下は、化学浸透圧の勾配の水素制御を回復して、酸化的リン酸化(OxPhos)を回復する(Poburko D、Demaurex N.Pflugers Arch.2012年;464(1):19~26;Celsi Fら、Biochim Biophys Acta.2009年;1787(5):335~344)。
ii.アスコルビン酸、グルタチオンおよび酸化還元の状態における向上により、クレブス回路および/または電子伝達鎖(ETC)活性の効率は改善される(Quijano Cら、Redox Biol.2016年;8:28~42)。
iii.向上した酸素は、代謝収率を上昇させる(Nakazawa MSら、Nat Rev Cancer.2016年;16(10):663~673)。
iv.向上したBビタミンは、代謝収率を上昇させる(Parikh Sら、Curr Treat Options Neurol.2009年;11(6):414~430)。
v.記載された組成物中のMg2+は、より完全にクレブス回路を促進し、Mg-ATPおよびMg-ADP(アデノシン二リン酸)循環を容易にして、代謝収率を増加させる(Yamanaka Rら、Sci Rep.2016年;6:30027)。
vi.より完全な代謝鎖は、より多くのATPを作製する。
vii.より完全な代謝鎖は、より少ない酸H+を作製する(Burns JS、Manda G.Int J Mol Sci.2017年;18(12):2755)。
viii.より完全な代謝鎖は、乳酸塩/酸素負荷を低下させ、過去の負荷をより迅速に返すことが可能である(Burns JS、Manda G.Int J Mol Sci.2017年;18(12):2755)。
4)がん細胞の別の属性は、追加のROSを生成するものである(Shi Xら、Antioxid Redox Signal.2012年;16(11):1215~1228)。がん細胞において観察されたROSの増加は、癌遺伝子の活性化、腫瘍抑制遺伝子の不活性化、高い代謝、およびミトコンドリア機能障害に由来し得る(Trachootham D.ら、Nat Rev Drug Discov.2009年;8:579~591年)。加えて、がんは、別の健康な細胞においてアシドーシスおよび代謝鎖の障害を確実に起こして、ROS生成を増加させることができる。増加したROSは、抗酸化システムを攻撃し、酸化ストレスのために酸化還元のバランスを破壊するが、これは、組織を損傷し、炎症誘発性シグナル伝達を促進することができる。ROSにおけるこのような乱れは、種々のがんにおいて細胞生存、増殖、および転移に寄与する。
ゆえに、酸化還元のバランスにおけるこれらの破壊を標的化することは、がん転帰を改善し、再発を予防するのに重要な標的であり得る。
不完全な代謝鎖は、組織において上昇したROSの1つの供給源である。代謝鎖の完成は、酸素送達、Bビタミン、マグネシウム、抗酸化剤、および低下した細胞内カルシウムにより支持されると通常認識されるので、クレブス回路、電子伝達鎖(ETC)、および酸化的リン酸化(OxPhos)における反応により、CO2およびH2Oへの酸素反応はより大きく、O-、H2O2、OCl-、HOCl、および他の酸化剤の形態への酸化反応はより小さく促進される(Griffiths HRら、Redox Biol.2017年;12:50~57)。ゆえに、ROSの代謝源を低下させることは、抗酸化剤の消費を低下させ、より大きく酸化還元のバランスを促進する1つの方法である。
抗酸化剤は、O-、H2O2、OCl-、HOClのような酸化種を、H2Oのような中和された形態、または他の抗酸化剤が中性形態に還元することができる中間形態に変換するような酸化還元のバランスにおける第2の力をもたらす(Rahal Aら、Biomed Res Int.2014年;2014:761264)。
抗酸化剤を増加させる1つの手段は、静脈投与などの補給である。例えば、アスコルビン酸を補給して、酸化還元のバランスを向上することができる(Bouamama Sら、Appl Physiol Nutr Metab.2017年;42(6):579~587)。加えて、デヒドロアスコルビン酸(DHAA)は、補給することもできるアスコルビン酸の還元された形態である。
DHAAは、抗酸化剤の維持システムの別の成分である。抗酸化剤の反転を増加させるグルタチオンの作用によりアスコルビン酸に循環することができる眼および脳にとりわけ利用しやすいように、グルコース受容体によって容易に吸収される形態として固有の特性を有する。DHAAの別の微妙な差異として、グルタチオン産生を促進する他の部位の中でも肝臓において刺激剤として働く。ここで、ピリドキシンは、グルタチオンを作製する硫酸塩の化学反応と併せて働くが、他の酸化還元の役割の中でもDHAAの再循環を向上させる。
カタラーゼは、酸塩基状態およびカルシウム状態に感受性を有することも示されているペルオキシソームにおいて過酸化物を標的とすることが知られている抗酸化剤である。ペルオキシソーム内のpH状態が、細胞質ゾルのものにより大部分で決定されることを見出されている。加えて、小胞体がストレスの状態にあるとき、ペルオキシソームにおけるカルシウム状態が上昇することを見出されている。カルシウムが上昇した酸性条件下、脂肪酸代謝およびミエリンの保持などのペルオキシソームの機能の障害を伴って、カタラーゼレベルが、ペルオキシソームにおいて低下することが見出されている。ゆえに、アルカリ状態および低カルシウム状態の回復は、抗酸化バランスの回復を支持するカタラーゼレベルを改善する鍵であり得る。
5)グルコースレベルは、がんにおいて通常上昇する。グルコースのこのような上昇は、がんが解糖代謝に通常依存するので、がん増殖に対する重要なイネーブラーであり、多くの糖分子は、エネルギー需要を満たすように分裂する。解糖系中心的代謝のプロセスにおいて、がんは、酸とともに乳酸塩「酸素負荷」、いわゆるワールブルク効果を生成する。
血流の酸性化の上昇または低いpHは、インスリン耐性を促進し、糖の取込みを障害すると認識される1つのシグナルである(Soutoら、Metab Syndr Relat Disord.2011年8月;9(4):247~253)。がんが、アシドーシスに対してマクロ環境を操作すると知られているが、インスリン耐性の限界を克服するグルコースの運搬における適応を利用する。がんに利用可能なグルコースレベルを低下させるのにより多くのグルコースを使用する非がん性細胞を助長する手段の例として、メトホルミンは、一部の患者に首尾よく適用されている(Ziら、Oncol Lett.2018年1月;15(1):683~690)。代替的なアプローチとして、例えば広範な代謝鎖の補正および酸塩基の再平衡化によって細胞外の酸性化を補正することが、がんに利用可能な画分を低下させる健康な細胞におけるグルコースの有用性を向上させる別の手段を提供し得ることはさらに認識される。
コルチゾールの上昇は、肝臓が血糖を管理するシグナルとしてコルチゾールを使用するので、グルコースの上昇に寄与する第2のシグナルである。コルチゾールは、ストレス応答においてさらに参照される。これは、コルチゾールが、ストレスの状態によってミトコンドリアと小胞体との間の連携で産生されるので、細胞レベルで最適でさえある(Picardら、Frontiers in Neuroendocrinology.49.10.1016)。この方法において、細胞器官での正味のストレスが、コルチゾールレベルおよび血糖レベルを決定するフィードバックを提供する。がんが酸性状態を促進して正常な細胞におけるグルコースの有用性を障害するので、身体は、コルチゾールレベルが上昇することにより応答する。ゆえに、ミトコンドリアストレスおよび小胞体ストレスを低下させる作用は、血糖を低下させる対応する効果とともに、コルチゾールレベルを低下させると予期し得る。
6)疲労は、がん処置の間に存在し得る主要な症状であり、処置後の患者にも影響を及ぼす。疲労は、処置の完了した後の年に典型的には改善するが、ごく少数の患者は、効果的な処置の後、数か月または数年、疲労を経験し続ける。これらの疲労の影響は、エネルギー代謝、および、エネルギーのシグナル伝達と例えばCRPで測定される慢性炎症からのシグナル伝達との間の相互作用における様々な欠点が原因であり得る(Bower、Nat Rev Clin Oncol.2014年10月;11(10):597~609)。
依存性のシグナルのシステムとして、炎症は、エネルギー効率に優れた酸化的リン酸化から、速効性であるが効率の低い解糖エネルギーへの代謝のスイッチを誘発する。運動などの短寿命の嫌気性解糖と対照的に、解糖代謝は、利用可能である好気的なリソースにもかかわらず慢性的となる。そのため、いわゆる好気性解糖は、ATP収率の低下をもたらし、反応性酸素種を増加させ;乳酸塩および酸の産生を増加させ、血流における対応する酸シフトは、インスリン感度を低下させる。細胞内のpHを低下させることに加えて、代謝酸の産生の増加は、細胞からのH+流を増加させ、細胞膜でのイオン交換を起こしてコルチゾールにおけるカルシウムを濃縮する。さらに、効率的ではない解糖代謝は、ATPの欠乏をもたらし、細胞内カルシウムを小胞体に通常は再配置するSERCAポンプを障害する。ゆえに、細胞質ゾルのH+およびCa2+は増加して、ペルオキシソームおよびミトコンドリアにおける脂肪酸代謝の支持を抑制する。代謝ストレスはまた、甲状腺に循環するT3/T4レベルを低下させるフィードバックを提供するが、これは、ミトコンドリアにおけるATP産生の主要な調節因子である。
これらの機能障害に対処し、疲労を軽減するために、基礎となる欠損を補正することに注意を向ける必要がある。例えば、代謝鎖を「完了する」ことを標的化した栄養補給を伴うアルカリ性の食餌は、細胞内の好気性解糖を解消して血流へのアルカリ状態を回復する手段を提供し得る(Schwalfenberg、J Environ Public Health.2012年;2012:727630)。類似の方法において、運動刺激は、最初に、代謝酸の産生を増加させ、次いで、腎臓および呼吸器の応答の作用によって、血流におけるアルカリ性の後作用を促進し得る(Moriguchi Tら、Tohoku J Exp Med.2004年;202(3):203~211)。このようなアルカリ化因子は、インスリンペアリングをさらに向上させて、正常な細胞において所望のグルコースの有用性を回復する。補正される場合、例えば、少ないインスリンがグルコースの取込みを促進することを必要とするので、低いインスリン/グルコース比が観察され得ることは予想することができる。
別の考察として、より完全である代謝鎖に影響を及ぼし、カルシウムのような細胞内の電解質にも影響を及ぼし得る食餌および運動のような効果はまた、代謝の回復を助けることができる。例えば、運動は、運動後のアルカリ化相、細胞内でのイオン交換、および乳酸塩負荷の解消を生成すると認識されている。このような因子は、細胞内の酸性状態を軽減して、アルカリ性の環境を回復し、細胞内のカルシウム状態を補正して、小胞体、ゴルジ、ペルオキシソーム、およびミトコンドリアなどのエネルギーを管理する細胞器官における健康を回復する助けとなり得る。そのため、グルコースおよび脂肪酸の両方の代謝の改善は、予期することができる。
コルチゾールにおける破壊事象において、高低にかかわらず、両方の機能障害が、ミトコンドリアストレスおよび/または小胞体ストレスから起こることを考慮に入れるべきである(Mol Endocrinol.2013年3月1日;27(3):384~393)。ゆえに、pHおよびカルシウムを含む、これらのストレッサーの供給源を補正することは、コルチゾール制御を回復して、健康なグルコースレベルをより良好に管理することができる。
甲状腺機能障害において、欠損の根源は、T3およびT4産生を管理する細胞器官およびシステムを障害するので細胞内のレベルでさらに理解することができ、小胞体およびゴルジ細胞器官は、ペルオキシダーゼ系が下方制御されて過剰な酸化ストレスとなることを避けながら、pHおよびカルシウムの乱れによるストレス下にある(Indian J Endocrinol Metab.2016年9月~10月;20(5):674~678)。このような機能障害に対処するため、カルシウムの状態での破壊の補正とともに、酸産生および酸化ストレスを低下させる代謝鎖を完了することを標的化し得る。
がん患者において疲労を起こす別の破壊は、酸素送達に関し、酸素送達は障害され、好気性解糖は低酸素によりなされる。酸素送達におけるこのような障害は、慢性的な血管収縮の結果となり得(Can J Cardiol.2016年7月;32(7):852~862)、健康な細胞の助けとなる内皮におけるカルシウムシグナル伝達での破壊は、血管拡張を予防するように、血漿膜からゴルジに再配置するeNOSをもたらす。血管収縮はまた、ROSおよびカルシウムの上昇により助長することができるが、これは、ゴルジから出現するエンドセリンを発生させて、血漿膜での収縮を起こす(Front Pharmacol.2016年;7:438)。障害の別の源は、貧血から起こり、赤血球の産生は、低酸素、カルシウムの上昇、ROS、およびpHの低下などの骨髄ニッチにおける破壊により障害される(Gilreath JAら、Am J Hematol.2014年;89(2):203~212)。同時に、ミトコンドリアの機能障害は、ヘモグロビンに対するフェリチン産生物の促進を障害して、RBCの成長を支持することができる。ヘモグロビン自体は、低いpHが酸素に対するヘモグロビンの親和性と干渉する、いわゆるボーア効果により影響され得る(Trends in Biochemical Sciences、第2巻、第11号、1977年11月、247~249頁)。凝固亢進は、酸素の循環に影響を及ぼす別の因子である。赤血球沈降速度(ESR)および血圧は、これの測定として役立つことができる。カルシウムレベルが血中で上昇し、炎症マーカーが上昇するので、血小板は、より「粘着性」となって、血液粘度を増加させ、最小の血管における血流を制限する可能性がある。血管プラークはまた、ストレスシグナル伝達がプラークの成長および血管の狭窄を促進するので、がん患者における循環に対する課題をもたらすことができる(Can J Cardiol.2016年7月;32(7):852~862)。NOは、HIFからVEGFへのカスケードが酸素の不十分な場所をシグナル伝達することを可能にする重要な部分であり、新しい血管を必要とするので、一酸化炭素のシグナル伝達の抑制は、血管収縮を促進するが、健康な細胞の助けとなる内皮における血管新生も制限する(Indian J Endocrinol Metab.2012年11月~12月;16(6):918~930)。ゆえに、ミトコンドリアの健康の回復、代謝鎖における補正、および酸、カルシウム、および酸化還元の状態における補正は、代謝性ATP収率を上昇させるという最終目標で、血中酸素の改善を促進する鍵である。
7)がんにおける別の共通の機能障害は、骨髄微小環境または「ニッチ」での乱れを含む(Leukemia、2008年5月;22(5):941~950)。簡単に言うと、骨髄ニッチは、多くのヒト細胞に対するインキュベーターである。これらは、赤血球(RBC)、免疫細胞、および血小板さえ含み得るが、これらすべては、同じ前駆細胞、造血幹細胞(HSC)由来の骨髄で生じる(Birbrair、Alexander;Frenette、Paul S.(2016-03-01)、「Niche heterogeneity in the bone marrow」、Annals of the New York Academy of Sciences.1370(1):82~96。ISSN 1749-6632。PMC 4938003。PMID 27015419)。骨髄ニッチはまた、間葉系幹細胞(MSC)を支持するが、これは、骨形成する骨芽細胞、軟骨形成する軟骨細胞、および脂肪摂取する脂肪細胞に変形する。加えて、MSCとHCSとの細胞間のクロストークはまた、脂肪細胞およびマクロファージがストレスをシグナル伝達するとき、骨破壊する破骨細胞に変形する骨芽細胞の前駆細胞などの特定の細胞型の転帰を促進する。これらの場合のすべてにおいて、生成される各細胞の進化は、酸素、カルシウム、ROS、グルコース、および酸塩基条件の状態を含む、それを「インキュベートした」シグナル伝達および化学的環境により起こる。ゆえに、このような複合体の相互依存性とともに、多くの病理学的状態は、このニッチの環境における乱れから起こり得る。したがって、ニッチの環境に対する乱れは、酸素の低下(低酸素)、過剰なROS、グルコースの乱れ、より酸性の酸塩基状態、およびカルシウム状態の上昇を含み得る。変形例のすべてが身体を維持するのに必要とされる多様な細胞を提供する特別な状況下で所望されるが、目的の身体には存在しないが、がんに対して有利であり得る成長細胞の種類および数を著しく乱すこともできる。ゆえに、ニッチの環境因子を補正することは、炎症を軽減し、破壊的なWBCを停止し、がん転帰を改善する手段として認識される。
ゆがめられた骨髄ニッチ由来のゆがめられた後代に対処することができる1つの刺激は、運動である。ここで、作業細胞に起因する血流における酸性pHシフトは、腎臓および呼吸器のプロセスが続くので、アルカリ性の反発が続く。このようなアルカリ性シフトは、過剰に成熟した好中球および単球を選び、M2抗炎症性形態の高い比を促進することが示されている。この効果は、どのように先天的な免疫細胞の代謝要件が異なるかを知ることにより理解することができる。例えば、好中球は、解糖により依存して、ROS産生に必要であるエネルギーの迅速なバーストをもたらす。単球は、そのM1の炎症相の間は解糖に依存するが、M2の抗炎症解消相の間はミトコンドリアの酸化的リン酸化に移行する。T細胞などのリンパ球は、酸化的リン酸化に非常に依存する(Redox Biol.2017年8月;12:50~57)。好中球およびM1の単球の解糖代謝が、がん細胞の解糖代謝と連携することは留意されたい。さらに、気候を支持する解糖代謝または酸化的リン酸化で支持される代謝鎖は、生存または死滅に対してこれらの細胞の宿命を付勢することができる。少ない好中球および単球を伴う抗炎症性の形態に対するWBC種の変化は、がんにおいて長期的な生存転帰を改善することが示される(Technol Cancer Res Treat.2018年;17:1533033818802813)。
乱れたWBC応答の源に直接対処するために、少ない低酸素、低カルシウム、低いROSで、ニッチ自体をよりアルカリ性にするように努力することができる。このようなシグナル伝達は、経口または注入の方法を含む食餌、運動、または補給方法によって支持され得るが、例えば、抗炎症性WBC応答を停止する免疫のより高い画分を促進する。低い自己免疫応答で停止した免疫系は、患者がライム疾患に感染した場合に所望され得るような好酸球の応答の上昇などの、選択的なWBC応答を提供するのに必要とされるとき、シグナルをより良好に識別することができる可能性がある。
乱れた骨髄ニッチに対処する測定は、当然のことながら、多発性骨髄腫などの骨を含むがんに関連する。このような場合、機能障害の状態からよりアルカリ性で、少ない低酸素、カルシウムの低下、よりバランスの取れたROSに骨髄を変換することは、軟骨細胞および骨芽細胞の活性を有利にし、破骨細胞および脂肪質の活性を低下させる。このような効果は、多発性骨髄腫などのがんにおける骨障害に対処するのに有益であると予期される(Ann N Y Acad Sci.2016年1月;1364(1):32~51)。
8)ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)の有用性における乱れは、がんにより利用される別の機構である。通常の機能において、PARPは、細胞がDNA処理中の最小の誤差が起こった場合でさえ回復し、複製することができるように、DNAにおける「ニック」を修復するのに使用される。そうではない場合、誤差は、応答を刺激して、影響を受けた細胞を死滅させる。このような適応は、増殖するある特定の細胞には重要である。例えば、PARP阻害剤を投与する場合、骨髄抑制、貧血、および好中球減少が起こり得る。これは、このような細胞がより多くの「誤り」に関与し得る代謝チャレンジの状態において形成されるので驚くべきことではない。がんは、ニコチンアミド補給の障害を伴う酸性状態を促進することにより、PARPをその有利性に上方制御する。この方法において、がんは、PARP阻害の天然なチャネルをブロックして、その結果、正常なチェックおよびバランスは除去されて、チェックせずに複製し、突然変異させる(Mirza MRら、Ann Oncol.2018年;29(6):1366~1376)。この特徴により、断食に関する細胞が処置応答を設計するのが困難になるので、いくつかのがんはとりわけ処置を困難にする。がんにおいて突然変異率を低下する目的で天然なPARP阻害を回復するために、代謝およびミトコンドリアの機能障害を補正してアルカリ状態を回復し、ニコチンアミドレベルを上昇させる手段を探すことを考慮に入れ得る。
9)血管新生は、がんがその利益を利用する別の機構である。血管新生は、新しい血管を成長させるプロセスである。機能するシステムにおいて、血流の低酸素の領域は、低酸素誘導因子(HIF)を生成する。チェックしないままである場合、HIFは進行して血管内皮成長因子(VEGF)を促進して、新しい血管拡張を所望する血管の壁において出芽を開始する。このプロセスが要望を有効にすることを確実にするためのフィードバックを必要とするので、von Hippel-Lindau因子(pVHL)と呼ばれる第2のシグナルは、同時に「ブロック」すべきであり、そうでない場合、HIFのユビキチン化を促進し、血管成長に対する進行を停止する。通常の機能において、pVHLは、一酸化窒素によりブロックされ、運動中などのpHシフトを観察すると、内皮NOS(eNOS)により放出される。
がんは、誘導性一酸化炭素シンターゼ(iNOS)の機能障害を促進することにより血管形成の機能障害を起こして、慢性的なNOの提示を生成する(Redox Biol.2015年12月;6:334~343)。ゆえに、がんは、局部においてpVHLを慢性的にブロックして、HIFがVEGFに進行し、チェックしないまま血管を成長させ得る(Song ZJら、World J Gastroenterol.2002年;8(4):591~595)。注意として、類似の機構は、血管新生を含む黄斑変性のいわゆる「湿潤」形態において存在する(J Clin Invest.2001年3月15日;107(6):717~725)。
がんにおいて血管形成の機能障害を補正するために、最初に、iNOS機能障害を標的とする。iNOSを上昇させる可能性のある一機構として、がんは、カルシウムを上昇させてDビタミンを消耗し、iNOS活性を刺激すると知られているIL-17における上昇をもたらす。別の機構として、がんの好ましい解糖代謝は、カルシウムを上昇させてアディポネクチンレベルを低下させ、iNOSの刺激をさらに可能にしながら、pHを低下させ得る。ゆえに、カルシウムレベルを回復し、カルシウムシグナル伝達をアゴナイズし、アルカリ状態を回復する作用は、iNOS活性を低下させ得る。これを促進するために、マグネシウムは、カルシウムに対するアゴニストとして投与され得る。あるいは、好気的な代謝が、運動、代謝酸の向上、および代謝酸を低下させ、ATP収率を増加させ、細胞内カルシウムを補正し、脂肪酸代謝を回復する酸素供給を改善する手段により助長され得る場合、iNOS活性の低下は、同様に予期され得る。
がんにおける血管形成の機能障害を標的とする第2の手段は、HIFを直接標的化することによって行うことができる(Hu Yら、J Cell Biochem.2013年;114(3):498~50)。HIFが低酸素事象に応じて生成されるので、酸素レベルを増加し、HIFの刺激を低下させる可能性がある(Med Oncol.2016年;33(9):101)。これは、アルカリ状態を使用することにより潜在的に達成して、酸素に対するヘモグロビンのより高い親和性、貧血を解消するより多い酸素を有するアルカリ性骨髄、脈管構造のバランスにおいて血管拡張を支持するeNOS機能の補正、および他の手段を促進することができる。
10)がんを直接攻撃するために、がんにおいてアポトーシスを理解する可能性のある酸性ストレスを促進することができる(Cell Stress Chaperones.2015年5月;20(3):431~440)。治療アプローチは、腫瘍近接部の血流または間質腔において一時的に上昇した酸性pHを送達して、その細胞内pHを減少することができる。このような刺激は、がん細胞において酸性ストレスおよびアポトーシスをもたらし得る。正常で健康な成人細胞は、約7.2の細胞内pH(pHi)およびおよそ7.4の細胞外pH(pHe)を有する一方、がん細胞は、>7.4のpHiを有し、6.7~7.1のpHeを有する(J Cell Mol Med.2010年4月;14(4):771~794)。この低い細胞外pHは、HCO3
-の緩衝能を制限する。pHにおいてこの変更を維持するために、H+ ATPアーゼ、Na+/H+交換器、およびH+流出の共輸送体の活性および発現において上方制御させる。>7.2の細胞内pHのこの変更は、細胞の増殖の増加が可能になる。加えて、これは、細胞の代謝をワールブルク効果(または「好気性」解糖)に変更し、ATPを生成するためにグルコースを乳酸に分解する。アポトーシスを回避することも可能であり、細胞内酸性化を抑圧することにより克服することができる。
11)がんをさらに攻撃するために、p53機能を回復するようにも努力することができる。正常な細胞において、p53は、不健康なミトコンドリアを除去し、細胞自体の死滅を進行することができるストレスのフィードバックプロセスの一部である(Giorgi Cら、Proc Natl Acad Sci U S A.2015年;112(6):1779~1784)。がんにおいて、この関係性は、突然変異が細胞死を促進する従来の機能を破壊するので機能障害である(Cancers(Basel).2011年3月;3(1):994~1013)。Ca+2を消耗したER貯蔵の補正は、例えば代謝機能障害の補正によって、p53(腫瘍抑制遺伝子)を貯蔵する潜在的な方法であり得る。がんに関するp53でのさらなる観察:ほとんどのがんにおいてp53に対して強い選択が存在する。カルシウムポンプは、がんがカスケードをシグナル伝達することを変更する間、調節異常となる。ERにおける貯蔵の消耗は、p53へのシグナル伝達での下方制御によってアポトーシスに対する耐性を可能にする(Monteith、Gregory R.ら、Journal of Biological Chemistry、第287巻、第38号、2012年、31666~73頁)。ERからカルシウムを放出するとき、細胞質ゾルのカルシウムレベルは上昇し、p53を活性化し、次いで、アポトーシス遺伝子を下方制御した(Lowe、Julie M.ら、Cancer Research、第74巻、第8号、2014年4月、2182~92頁)。
図1は、哺乳動物細胞で正常に機能するミトコンドリアにおける水素イオンの化学浸透圧の勾配の潜在性の図を示す。ここで示す通り、血液および間質液のpHは、典型的にはおよそ7.4であり、細胞内の細胞内液のpHは、およそ7.28であり、細胞内のミトコンドリアの膜間腔のpHは、およそ6.88である。イオンポンプは、ミトコンドリアの膜間腔においてH+イオンを濃縮し、内膜を通って膜間腔とミトコンドリアのマトリックスとの間に大きなH+の勾配をもたらす。Ca2+、Na+、K+、Mg2+、およびCl-などの他のイオン種の濃度も操作して、様々な膜を通って電気化学的勾配を作製し、特に、ミトコンドリア内のCa2+は、ミトコンドリア内のH+イオンの流れを管理することが重要である。水素イオンは、ATPシンターゼによって、内膜を通ってミトコンドリアマトリックスに流れ、ADPからATPを作製する。電子伝達鎖は、内膜を通ってH+イオンを再注入するのに使用して、陽子の勾配を維持する。電子伝達の少ない割合が酸素に対して直接起こり、フリーラジカル形成をもたらし、酸化ストレスに寄与し、不十分な抗酸化剤が存在する場合、膜損傷をもたらし得る。
図2は、不十分な食餌または運動不足に長時間曝された後に起こり得る、機能不全な代謝を伴う哺乳動物細胞でのミトコンドリアにおける水素イオンの化学浸透圧の勾配の潜在性の図を示す。図2に示す通り、血液、間質腔、および細胞内液は、アシドーシスシフトを受けている、すなわち、H+イオンの濃度を上昇させ、pHを低下させている。同時に、ミトコンドリアマトリックスにおけるpHは、膜漏出により正常値から上昇するか、または電子伝達鎖からH+イオンのポンピング作用を低下させる。結果として、ATPで利用可能な正味のH+の電気化学的勾配は低下する。さらに、細胞およびミトコンドリアは、他のイオン性種にますます依存して、需要に必要である電気化学的勾配を提供すべきであり、例えば、内膜を通って水素イオンを「押し出す」膜間腔内のCa2+の正常な濃度より高く、水素イオンを「引き出す」ミトコンドリアマトリックス内のCl-の濃度がより高い。この機能障害性のイオンバランスは、超酸化性の種の発達の増加、および膜損傷の増加をもたらし、細胞の代謝は、結果として遅延する。これは、利用可能なATPの量を低下し、様々な有害な状態および障害をもたらすことができる負強化するフィードバックループを引き起こす。
類似の代謝機能障害は、慢性状態における代謝性アシドーシスと呼ばれる乳酸塩負荷をもたらす貧弱な潅流の結果として起こり、例えば、敗血症、多系統萎縮性(MSA)、および抹消四肢における虚血状態に起因し得る。慢性の乳酸塩負荷を伴う個体に対して、高い血液レベルの乳酸塩は、重炭酸緩衝剤と確実に置き換えて、酸塩基ホメオスタシスを維持する。次いで、重炭酸塩の画分は、腎機能により除去されて、ホメオスタシスを維持し、血中重炭酸塩レベルを低下させることができる。加えて、電解質における慢性的な乱れは、重炭酸塩保持に対するセットポイントをシフトして、貯蔵をさらに低下させることができる。このような力は、順に、細胞内保持および細胞内緩衝作用に利用しやすい重炭酸塩を低減し、最後に細胞内のH+貯蔵を低下させる。H+貯蔵におけるこの低減は、所望の化学浸透圧の勾配を維持するのにより多くのCa2+を必要とし、上述した通り、機能障害性のイオンバランスをもたらす。
本開示の安定な治療用組成物は、対象の生理学的血流のpHを低下させ、腎臓および呼吸器の代償プロセスが低下を打ち消すまでの期間の生理学的血流のpHの低下と、通常続くアルカリ性「反発」を維持する。本開示の組成物は、製剤化されたpHが生理学的な基準未満(すなわち7.4未満)であるように製剤化される。重炭酸塩濃度は、一部の例において、生理学的な基準超(すなわち29mM超)であり得る。過剰な重炭酸塩を伴うH+イオンの突然の流入、および電気化学的勾配の操作は、正常なミトコンドリアの代謝プロセスへの戻りを可能にする一方、本開示の組成物に存在する他の電解質、ビタミン、および抗酸化剤の支持は、酸化ストレスからの損傷を低下させる。本開示の組成物の投与の他の利益として、心臓血管の状態、血管拡張、創傷治癒、血管プラーク、重炭酸塩供給、電解質の経済性、代謝機能障害、酸素欠乏、クエン酸回路、腎臓系の操作、抗酸化機能障害、血管新生、一酸化炭素(NO)機能障害、ホルモン機能、および貧血のうちの少なくとも1つの改善が挙げられる。
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は、血管プラークを低下または除去することにより心臓血管の状態の改善に好適である。プラークは、いくつかの因子の結果として動脈において形成し、創傷関連のシグナル機能障害に根ざし、例えば、脂質機能障害、一酸化炭素機能障害、過剰なROSを含み、細胞における酸性環境の存在により部分的に引き起こされる。例えば、酸性環境において、外因性のROSレベルは上昇している。平滑筋は、ROSのいくつかの源を含有し、心臓血管系において重要なシグナル伝達分子として機能することが示される。上昇したROSは、実際に存在しない損傷を充填するように動員されるように、動脈において得られる平滑筋にシグナル伝達する。加えて、ROSを有する酸性環境において、一酸化炭素が存在せずに、マクロファージは、シグナル伝達して、存在しない脅威に応答し、M1からM2形態に変換し、脂質を分離し始めることを引き起こす。脂肪を含む脂質は、泡沫細胞の蓄積である。また、酸性環境において、内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)の機能障害が起こり、アルギナーゼの有用性を上昇させ、コラーゲンの合成に必要とされ、ゆえに、線維芽細胞の酸性pHを刺激する作用と併せて働いて、動脈におけるコラーゲンの発生を促進する。保持される細胞内Ca2+の上昇、および酸性環境に関連する代謝機能障害から起こる未結合のリン酸塩における増加(ほとんどのリン酸塩がADPと複合体化してATPを形成しないので)は、プラークの石灰性無機質化成分の促進をもたらす。細胞におけるアルカリ性環境を回復することにより、本発明の組成物は、一酸化炭素機能障害(これによりNOシグナル伝達を回復すること)、脂質機能障害、eNOS機能障害、平滑筋の動員の低下、内因性および外因性の反応性の酸素種(ROS)の低下、Ca2+の上昇、または脂肪酸代謝の回復のうちの少なくとも1つを補正または改善することにより、血管プラークを低下または逆転させることができる。例えば、アルカリ性環境を導入すると、平滑筋は、ROSシグナルが存在せずに、創傷の不在を認識し、その結果として、これらは下降制御し、その血管拡張および血管収縮の課題に直接的に指向し始める。また、例えば、eNOSの一酸化炭素シグナル伝達の存在におけるアルカリ性の低いROS環境において、泡沫細胞は、シグナル伝達して、その脂質を放出する。石灰性プラーク反転または低下とともに、血管の柔軟さは戻す。加えて、薬物の酸性シフト作用は、鉱物沈着の原子成分を解放する一方、本発明の組成物におけるマグネシウムは、プラーク再沈着の予防を助けて、鉱物沈着成分から動脈の硬化を低下させる。
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は、対象の低酸素を予防または最小化するのに好適である。対象の細胞または組織に達するのに十分な酸素の欠乏は、血流が正常なときでさえ起こり得る。これは、多くの重篤であり、ときに生活にかかわる合併症を引き起こし得る。本発明の組成物の使用により、例えば、心臓発作、心臓血管の問題、肺の状態、振とう性カスケード、再潅流の傷害、心筋梗塞、糖尿病関連の低酸素、組織外傷などの低酸素に通常関連する状態の解消または改善を可能にする。これらの状態の多くは、血管収縮に関連する。組成物は、3つの経路、すなわちエンドセリン、プロスタサイクリン、またはNO可溶性グアニリルシクラーゼ(NO-sGC)のうちの少なくとも1つを介して血管拡張を促進することによりこのような血管収縮に反対に作用することができる。エンドセリン経路に対して、組成物は、血流中のMg2+を上昇させて、Ca2+をアンタゴナイズする。これは、血管収縮を助長することからCa2+をブロックし、動脈を弛緩させ、拡張させることが可能である。一方、組成物はまた、代謝補正を提供して、ROSの代謝源を低下させ、細胞表面でエンドセリン刺激剤の提示を低下させ、それによりCa2+過剰刺激を反転させる。プロスタサイクリン経路に対して、組成物中のナイアシンアミドは、アデノシン3’,5’-環状モノホスフェート(cAMP)活性を上昇させ、血管拡張に対してプロスタサイクリン相乗作用を完了する。NO-sGC経路に対して、上述した通り、本発明の組成物は、細胞へのH+の流れの勾配を提供して、Ca2+流出を促進し、Ca2+提示の上昇を補正する。高レベルのCa2+の1つの効果は、カベオリンの上昇である。カベオリンが上昇するので、これらは、細胞表面のカベオラを定着させ、eNOSの置き換えを引き起こすが、これはゴルジ系に移動する。本発明の組成物を使用して達成可能な低いROSおよび低い細胞内Ca2+の組合せは、eNOSがゴルジから細胞膜に戻ることを可能にし、それにより血管拡張を促進するeNOSの能力を回復する。eNOSが膜に戻るので、血流のpHはシフトし、NO-sGC経路を介してNO放出を促進し、血管拡張を促進する。加えて、いったんNO/NO-sGC血管拡張を再び刺激して効果の期間を延長すると、pHを再平衡する腎臓の応答により、アルカリ性への第2の「pHシフト」を起こす。
図3に示す通り、対象の体が、低酸素の危機などの代謝の危機の状態化にあるとき、細胞内酸性化は、Ca2+の細胞内発生を起こす。これは、アデノシン三リン酸(ATP)が、H+が細胞から離れるので作製されるナトリウム負荷を解消する必要があることから起こる。しかし、低酸素状態において、ATPは障害され、結果としてNa+/K+ ATPアーゼポンプは不活性となる。Ca2+/Na+交換は、細胞のCa2+を蓄積することによりNa+負荷を解消すべきである。このプロセスを反転するために、低酸素状態を解消して、ATP産生(およびNa+/K+ ATPアーゼ)を回復すべきであるか、または細胞外H+を提示すべきである。図4に示す通り、本発明の組成物は、これらのことの両方を達成し、Ca2+の過剰負荷および対応する代謝の危機を迅速に解消することを可能にする。組成物は、血流のpHを調整し、これを酸性化し、これを行うと、H+がNa+/H+交換経路によって入ることを引き起こす。H+が入ると、Na+は押し出される。上述した通り、本発明の組成物は、血管拡張を促進して、血流を改善する。この増加した血流で、入ってくる酸素が増加し、これが、好気的な代謝によってATPの作製を可能にする。組成物はまた、血流のMg2+を増加させる。増加したMg2+は、Mg-ATPとしてATPのNa+/K+ ATPアーゼへの運搬を容易にし、Na+を押し出す刺激をもたらす。血流において増加したNa+の一部は、Ca2+/Na+交換によって再び入る。加えて、H+の血流の提示は、血流の重炭酸塩の増加と協働して、重炭酸塩が細胞に入るのを促進する。このプロセスは、細胞におけるカルシウムの発生を反転する解毒剤を提供し、H+を緩衝させたCa2+の信頼性の低下およびHCO3
-の有用性の増加を伴う化学浸透圧の勾配を回復する細胞の能力を改善して、最終的に代謝酸負荷および代謝性ROSを低下させて酸化還元の状態を伴うアルカリ性に細胞内の回復を促進する。アルカリ性に対する安定な付勢および低いROSは、細胞質ゾル、細胞器官、リソソーム、ペルオキシソームにおける電解質およびpH、細胞内のカルシウムの状態、マグネシウムの状態、およびROSの状態の確実な再平衡化を促進する。加えて、カリウムおよび重炭酸塩を回復する細胞の経済性を変化させる一方、同時に細胞内カルシウムを低下させる。
本発明の組成物の使用により達成され得る血管拡張は、組成物を創傷のケアに有用にする。本発明の組成物の使用が、従来の処置方法で疲弊した対象でさえ創傷の回復を提供し得、壊疽の徴候、または慢性、糖尿病、もしくは外傷性の創傷を有するものを含むことが予想外に発見された。代謝性的の変化は、外傷および手術による外傷に続いて観察される効果の範囲内である。これらは、炎症性応答を含み、影響を受けた領域に対して血流の収縮を誘発する。これは、開放創または内出血の部位での失血を有利に最小化する一方、低酸素の細胞内環境を促進することにより治癒を障害し得る。出血リスクがない、または(例えば圧迫により)低下しているような外傷性の状況において、炎症応答を抑制して、低酸素から二次傷害を避けることが所望され得る。慢性重症肢虚血(CLI)などの慢性炎症の場合、炎症の抑制は治癒を促進することができる。本開示の組成物に起因する血管拡張の促進および改善した潅流は、炎症の周期を破壊することに寄与する。酸素供給を増加するために血管拡張を促進することに加えて、本発明の組成物はまた、創傷に存在する重要な代謝異常を補正することが可能になる。組成物は、例えば、酸性緩衝剤の状態の回復および上昇したCa2+の補正、代謝源のROSの低下、アシドーシスの補正、過剰活性iNOSの補正ならびにeNOSおよびnNOS機能の回復、eNOSを補正した後の有益な血管新生の促進、ならびに異常な血管新生を促進するiNOSの抑制のうちの少なくとも1つを改善し得、そのすべては創傷ケアに対して重要である。
筋肉の支持の一部であり、小脳の制御プロセスの一部であるH+がまた、アセチルコリンの取込みを行い、ATPが、これらの系のすべてに関連しているので、中枢神経系の障害は、別の処置の標的である。加えて、細胞内の酸、カルシウムの発生、低下したROS、およびMgの増加を解消する作用は、ペルオキシソームにおける機能を向上させて、カタラーゼの抗酸化剤供給をより良好に維持し、加えて神経鞘のミエリンの保持に必要な脂質モデリングを支持することができる因子である。
一部の例において、本発明の組成物に起因する生理学的血流のpHの低下は、投与した組成物の特定の製剤化、組成物を投与する速度、またはその両方により、最小である、または観察されない可能性がある。しかし、本明細書に記載される治療利益は、生じる重炭酸塩濃度の正味の上昇により依然として達成することができる。投与時のH+の過剰により、身体は、酸平衡化のプロセスが進行するので、緩衝剤成分(例えば重炭酸塩)の保持および増加に優先順位を付ける。ゆえに、緩衝剤の大部分は、システムが生理学的なpHをベースラインにアルカリ化し、戻すので、細胞および血流内に保持される。このような「アルカリ性の反発」により、開始pHに対して正味のアルカリ性の安定化にわずかにオーバーシュートする血流のpHをもたらし得る。「アルカリ性の反発」は、重炭酸塩を含む、細胞内および血流の緩衝剤成分のより高い残存濃度を達成する。あるいは、システムは、処置前に呈するものと同等の最終pHに調節することができるが、血流の緩衝作用は、酸性種に関して増加する。あるいは、血流のpHは、処置前より酸性に安定させることができるが、前述の様々な交換の現象は促進される。重炭酸塩などの単一の緩衝剤の注入と対照的に、酸性成分を伴わずに、酸および緩衝剤の同時投与は、細胞内のカルシウム補正を達成しながら、H+流出速度を制限する鍵である。
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は、対象の一酸化炭素シンターゼ(NOS)を増加するのに好適である。本開示の組成物によりもたらされるpHの付勢および重炭酸塩濃度の増加(ホメオスタシスが回復する、投与時のpHの低下および「アルカリ性の反発」を含む)はまた、内皮およびニューロンのNOSを回復することができ、一酸化炭素の産生の選択的増加をもたらす。一酸化炭素は、例えばホメオスタシス、平滑筋(特に脈管構造周囲)、ニューロンのシグナル伝達、および消化管において役割を担うガス状のシグナル伝達の分子である。NOは、様々な生理学的システムに関連しており、本明細書に記載される組成物の投与に由来するレベルの増加は、本明細書に記載される治療利益をもたらす役割を担い得る。例えば、緑内障において、NOは、線維柱帯を介して眼内圧を調節する役割を担い得る。アテローム動脈硬化性プラークにおいて、NOは、平滑筋の動員、泡沫細胞の発生および脂質貯蔵の異常な永続性、ならびにコラーゲンの沈着を停止し、プラーク損傷の反転および生理学的基準への血管切片の回復を最後にもたらし得る。
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は、それを必要とする対象の乳酸塩負荷を低下させるのに好適である。本明細書で使用される場合、用語「乳酸塩負荷」とは、乳酸塩レベルの上昇により特徴付けられる任意の生理学的状態を意味する。これは、例えば、限定されないが、アシドーシス、敗血症、およびMSAなどの慢性的な乳酸塩負荷、または運動などの身体運動の間および身体運動後に起こり得るような急性的な乳酸塩負荷を含むことができる。筋肉内に保持される乳酸塩が循環する酸素負荷は、刺激されて重炭酸塩により放出し、その後、代謝され、ゆえに、対象の乳酸塩負荷を低下させることができる。乳酸塩負荷を除去する能力は、例えば臓器移植を受けた対象にとって重要である。移植の手順が、クエン酸塩の抗凝固剤の使用を含む場合、クエン酸塩は、代謝されるべきである。この代謝は、これらの個体において乳酸塩負荷を誘発することができる。加えて、乳酸塩負荷は、敗血症の成分、および糖尿病における慢性的な負荷である。上記の例、ならびに乳酸塩負荷を含む他のものにおいて、本発明の組成物の使用は、その負荷を低下させることができる。
本発明の一実施形態において、本発明の組成物は、本発明の組成物を対象に投与することにより、それを必要とする対象のアシドーシスを低下させるのに好適である。外傷の代謝効果の1つは、インスリンの抑制であり、異化作用での増加に向かうインスリンの正常な同化作用の低下をもたらす。これは、必要なエネルギーの50~80%をもたらすトリグリセリドを有する、主要なエネルギー源として遊離脂肪酸へのシフトをもたらす。異化応答の低下は、手術後の迅速な治癒を助長する。これらの同じ機構は、糖尿病患者において動作し、対象がその代謝機能障害において進行するのでより大きな課題となる。潜在的なこの異化プロセスは、不完全な酸化に向かう傾向にある代謝鎖における異常であり、酸性生成物における増加および代謝源からのROSの上昇をもたらす。上述した通り、外傷において、炎症および血管収縮の応答が循環を傷害するので、この異化シフトは低酸素状態により起こる。糖尿病において、シフトは、グルコース不耐性によりマーキングされ、プラーク誘発性循環障害および座位生活により悪化する。両方の場合において、不完全な酸化により、細胞内の酸化、および細胞質ゾルにおいてCa2+を濃縮する運搬の付勢の促進がもたらされる。Ca2+のこの濃縮は、ミトコンドリアの内膜にカスケードするので、Ca2+は、化学浸透圧の勾配においてより大きな役割を得、H+自体の役割を低下させる。Ca2+およびH+におけるこのようなシフトは、電子伝達鎖(ECT)において徐々に進行する機能停止を開始するので、Ca2+は、化学浸透圧の潜在性を制御するより優れた役割を得る。これはまた、ECT段階から代謝性ROSの増加をもたらす。経時的に、循環障害によりBビタミン補給を低下し、クレブス回路およびECTの両方を障害し、代謝性ROSをさらに増加させる。同時に、循環系の補給障害は、抗酸化剤の維持を低下させて、ROSの上昇をチェックしないままにする。このような異常が、感染の間に殺菌性の機能に対してNAPDHオキシターゼを作製することを促進するような、有益な性質を有する一方、これらはまた、異化作用を促進するので、治癒プロセスに対する障害を呈する。さらに、アシドーシス、低酸素、Ca2+、ROS、およびiNOS/NOを含むシグナルのバランスは、必要に応じて、M2マクロファージの出現を集合的に抑制して、治癒を促進する。これらの異常に対処するために、本発明の組成物は、Ca2+補正を容易にし、提示の上昇を介してBビタミン補給およびアスコルビン酸の抗酸化剤補給を向上する。加えて、酸負荷は低下させ、アルカリ性の付勢を促進する。HCO3
-緩衝剤のレベルの上昇はまた、このアルカリ性の付勢を保存するのに役立つ。
上で参照される代謝の要素はまた、インスリン管理に影響を及ぼす。例えば、インスリン放出は、Ca2+の上昇のシグナルが血流に放出されるときに膵臓から刺激される。膵臓に放出されるCa2+に対して、水素は、不完全な代謝によって作製して、細胞質ゾルから血流にCa2+を置き換えるべきである。本明細書の上述の通り、Na+/K+ ATPアーゼは、Mg2+およびATPとともに提供して、Na+が血流に流れ込むことを容易にして、Na+/Ca2+交換器を最後に刺激して、Ca2+を血流に放出するべきである。加えて、起こる増加を感知するために、血流中のCa2+のバックグラウンドレベルは、変化を観察する膵臓に対して十分に低い必要がある。アシドーシスにおいて、Ca2+溶解度が血中および細胞質ゾルで上昇するので、これは障害される。さらなる例として、過酸化物などのROSは、低レベルを示すときインスリン機能を促進することができ、高レベルを示すときインスリンの提示および作用を予防することができる。ゆえに、アシドーシスの補正およびMg2+の向上は、インスリン管理を回復する鍵である。抗酸化剤の支持、ならびにアセチル-CoAのCO2およびH2Oの完全に近い酸化を達成するTCAおよびECTの機能の容易さによるROS(例えばH2O2)の抑制もそうなる。
II.組成物
一部の実施形態において、組成物は、本明細書に記載される場合、対象への静脈内投与に好適であるように製剤化させる安定な治療用組成物である。組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を含有する、静脈内緩衝液を含む。医薬的使用に対するその適合性を確実にするために、酸性溶液および緩衝液は、無菌水溶液中に存在する。緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3,000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分である。酸および塩基は、これらがともに4.0~7.7のpHを有する緩衝液を提供することができるように選択される。
一部の実施形態において、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、約40mmol/L~約3,000mmol/L(例えば約80mmol/L~約2,500mmol/L、約100mmol/L~約2,000mmol/L、約150mmol/L~約1,500mmol/L)の滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、緩衝液は、5.5未満の緩衝液pHを提供するのに有効である。一例において、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、約100mmol/L~約2,000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、緩衝液は、5.5未満の緩衝液pHを提供するのに有効である。別の例において、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、約200mmol/L~約1,000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、緩衝液は、5.5未満の緩衝液pHを提供するのに有効である。
本発明の一実施形態において、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、約40mmol/L~約3,000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、緩衝液は、5.5未満、5.5超、または5.5に等しい緩衝液pHを提供するのに有効である。本発明の別の実施形態において、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、約60mmol/L~約2,000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、緩衝液は、5.5未満、5.5超、または5.5に等しい緩衝液pHを提供するのに有効である。
本発明の別の実施形態において、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、約80mmol/L~約3,000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、緩衝液は、5.5未満、5.5超、または5.5に等しい緩衝液pHを提供するのに有効である。
酸は、水素イオンH+を供与することが可能な分子またはイオンである。溶液中のH+イオンの量は、pHにより測定され、7未満のpHは、酸性pHをなす。ヒトは、典型的には7.4の血流のpHを有する。本開示の組成物は、対象の生理学的血流のpHを低下させるH+イオンの量を提供する酸を含む。いかなる理論にも拘束されずに、本開示の組成物が、例えばミトコンドリアを含む様々な細胞環境においてH+勾配を増加させると考えられている。この増加したミトコンドリアのH+勾配は、ATPの高い産生を起こし、他の生理学的なホメオスタティック系によって、細胞膜の濃度勾配における変化を引き起こし、順に、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、およびカルシウムなどの生理学的イオンを再平衡化する。例えば、血流中の増加したH+勾配は、細胞膜におけるカルシウムポンプを刺激することができ、それにより細胞内H+を増加させ、細胞内Ca2+を低下させる。ナトリウム、マグネシウム、およびカリウムの濃度勾配もまた影響を受ける。本開示の組成物を使用してイオン勾配を操作することにより、多くの状態および疾患ならびにその症状を、処置、改善、または予防することができる。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、少量、中程度の量、または大量に、対象の血流のpHを低下するのに十分である。組成物の代表的な製剤および投与量は、表1に記載される。一部の実施形態において、本開示の組成物における酸の量は、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、もしくは1.1、またはそれ以上、対象の血流のpHを低下させるのに十分である。pHの低下はまた、本開示の組成物の投与後の血流の所望のpHレベル、例えば7.2により発現され得る。一部の実施形態において、本開示の組成物は、約7.3、7.2、7.1、7.0、6.9、6.8、6.7、6.6、6.5、6.4、または6.3、対象の血流のpHを低下させるのに十分な酸を含む。6.3未満に血流のpHを低下させることは、細胞の健康リスクをもたらし、細胞のリン脂質二重層の完全性を脅かし得るので、典型的には勧められない。正常なpHが7.4を超え得るアルカローシスの場合、投与によりもたらされるpHの「低下」により、7.4超の血流のpHを依然としてもたらし得る。例えば、本開示の組成物の投与は、約7.7から約7.5まで生理学的なpHをシフトすることができる。
本開示の組成物は、1つまたは複数の医薬品グレードの酸を含有し得る。一部の実施形態において、本開示の組成物は、1つまたは複数の医薬品グレードの酸の混合物を含む。酸は、任意の生理学的に許容される酸を含み得、限定されないが、塩酸、アスコルビン酸、クエン酸、乳酸、リン酸、またはその組合せを含む。本開示の組成物のpHは、約4~約7.7であり得る。一部の実施形態において、本開示の組成物のpHは、約6.1である。組成物のpHが非常に低い実施形態において、投与の割合は、希釈が血流中に影響を及ぼすので注射部位に近接する組織の損傷を避けるために管理しなければならない。
別の態様において、本開示の組成物は、pH緩衝剤を含む。pH緩衝剤は、所望の値の近くの溶液のpHを維持するのに使用される弱酸または弱塩基である。本開示の組成物は、血流のpHの低下が所望の期間維持され得るようにpH緩衝剤を含む。一部の実施形態において、pH緩衝剤は、コンジュゲート酸またはコンジュゲート塩基を含み得る。一部の実施形態において、pH緩衝剤は、任意の生理学的に許容される緩衝剤を含み得、限定されないが、重炭酸ナトリウム、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、もしくは特定のアルカリ状態を生成する合成緩衝剤(例えばトリスヒドロキシメチルアミノメタン)、またはこれらの組合せを含む。
溶液の緩衝能は、pH変化に抵抗する、すなわち特異的なpHレベルを維持する溶液の能力の測定である。上述した通り、酸塩基ホメオスタシスは、細胞外液中の酸と塩基の適切なバランス、すなわち細胞外液のpHに関連する。ヒトにおいて、血漿のpHはおよそ7.4であり、3つの相互に関連した系:1)重炭酸塩、リン酸塩およびタンパク質を含む、緩衝剤、2)血漿中の二酸化炭素の分圧に影響を及ぼす、呼吸器系、ならびに3)廃酸および廃塩基を排出する、腎臓系によりこの値付近に厳密に維持される。したがって、一部の実施形態において、本開示の組成物は、酸塩基ホメオスタシスを調節する生理学的システムにより加えられる圧力に直面して、約7.4の典型的なpH値未満に所望の血流のpHレベルを維持するために、pH緩衝剤を含む。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、1分~1週間の期間、血流のpHの低下を維持する、または所望のpHレベルを維持するのに十分な量においてpH緩衝剤を含む。低下した血流のpHレベルの所望の期間は、処置される特定の徴候、ならびに処置される個体に依存する。一部の実施形態において、小さい、中程度、または大きい緩衝能を所望され得る。投与の一例において、少量の薬物および/または薬物生成物の緩徐投与は、観察できる酸性シフトの潜在性を軽減するように、呼吸器または腎臓であり得る代償性のプロセスを刺激することができるが、呼吸器および腎臓の活性を刺激している。このような場合において、血流応答は、中性であり得るか、またはアルカリ性に向かう傾向にあり得る。あるいは、ボーラスまたは迅速なIV点滴などの、高用量および/または迅速な投与速度での用量の投与は、酸を導入し、酸性への観察可能な下流のpHを得る代償性のプロセスを圧倒することになる。このような刺激は、処置にわたって、または処置後のアルカリ性への血流のpHの反発が続くものと通常予期される。所定の用量レベルおよび/または投与速度からの転帰は、患者の健康、電解質の状態、pHの状態、および代償性のプロセスの状態が展開するので、患者ごと、投与ごとに異なり得る。異なる緩衝能は、1分~1週間の期間、血流のpHの低下を維持するのに十分であり得る。
他の実施形態において、緩衝能はまた、重炭酸塩などの通常の緩衝剤のモル当量で表すことができる。一部の実施形態において、組成物は、0.1mM HCO3
-当量~1,200mM HCO3
-当量の緩衝能である。他の実施形態において、緩衝能は、0.1mM HCO3
-当量~10mM HCO3
-当量である。一部の実施形態において、緩衝能は、10mM HCO3
-当量~50mM HCO3
-当量である。
一部の実施形態において、緩衝能は、10mM HCO3
-当量~1,000mM HCO3
-当量である。一部の実施形態において、緩衝能は、50mM HCO3
-当量~800mM HCO3
-当量である。一部の実施形態において、緩衝能は、100mM HCO3
-当量~600mM HCO3
-当量である。一部の実施形態において、緩衝能は、200mM HCO3
-当量~550mM HCO3
-当量である。一部の実施形態において、緩衝能は、20mM HCO3
-当量~100mM HCO3
-当量である。他の実施形態において、緩衝能は、HCO3
-または他の通常の緩衝剤のモル濃度で表すことができる。例えば、一部の実施形態において、HCO3
-のモル濃度は、0.01モル~10Mであり得る。他の実施形態において、HCO3
-のモル濃度は、0.5~2Mであり得る。
別の実施形態において、本開示は、生理学的なpH未満(すなわち7.4未満)および生理学的レベル超(すなわち29mM超)のHCO3
-濃度を有する組成物を提供する。一部の実施形態おいて、組成物のpHは、4~7.7であり得、HCO3
-濃度は、30mM~2Mであり得る。他の実施形態において、組成物のpHは、5.5~7.4であり得る。さらなる実施形態において、組成物のpHは、およそ6であり得る。
図5は、本開示の組成物の異なる製剤に起因する酸性状態のシフトの大きさおよび期間の図を示す。黒線は、太線および点線の両方で、大きな酸シフト、すなわち高濃度のH+イオンを含む組成物を示す。しかし、黒色の点線で示す組成物の緩衝能は、太線のものより小さく、したがって酸シフトがより短い期間維持される。灰色の線は、太線および点線の両方で、小さな酸シフト、すなわち低濃度のH+イオンを含む組成物を示す。また、これらの組成物の間の緩衝能は変化し、灰色の点線で示す組成物に起因する酸シフトは、より短い期間維持される。本開示の組成物は、所望の治療特性および投与スケジュールによって、これら2つのスペクトル、シフトの大きさおよびシフトの期間に従って設計することができる。
別の実施形態において、本開示の組成物は、医薬品グレードの塩基および少なくとも1つの医薬品グレードのコンジュゲート酸を含む緩衝液を含む安定な治療用組成物であって、緩衝液が、対象の生理学的血流のpHを0.1~1.1上昇させるのに十分であり、緩衝液が、生理学的血流のpHの上昇を維持するのに十分な緩衝能を有する、安定な治療組成物を提供する。一部の実施形態において、緩衝能は、ある期間、例えば1分間または1週間持続し得る。組成物は、ビタミン、塩、酸、アミノ酸またはその塩、および安定化された酸化種をさらに含み得る。
別の態様において、本開示の組成物は、Na+、K+、Mg2+、Cl-、PO4
3-、またはCa2+などの生理学的に関連しているイオン種の供給源を提供する塩をさらに含み得る。これらは、限定されないが、塩化ナトリウム、リン酸二ナトリウム、塩化カリウム、リン酸一カリウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムを含み得る。組成物は、他の微量元素およびその塩をさらに含み得、限定されないが、セレン、銅、クロム、ヨウ素、フッ化物、亜鉛、マンガン、モリブデン、および鉄を含む。
ナトリウムイオンは、正常な生理学的機能に対して比較的高濃度を必要とする。これは、細胞外液の主要なカチオンである。血液体積、血圧、浸透圧平衡、およびpHの調節、ならびに神経インパルスの生成を含む、多くの生理学的プロセスにおいて重要な役割を担う。
カリウムイオンは、細胞内液の主要なカチオンであり、細胞外液のナトリウムイオンとともに、細胞膜を通る電位の主要なジェネレーターである。したがって、正常な機能において著しい役割を担い、神経伝達、筋収縮、および心臓機能のような身体機能において重要である。
カルシウムイオンは、多くの生理学的プロセスに同様に重要である。特に、Ca2+イオンは、シグナル伝達で使用される最も広範な第2のメッセンジャーの1つである。内皮細胞において、Ca2+イオンは、いくつかのシグナル伝達経路を調節することができ、血管周囲の平滑筋を弛緩させる。Ca2+活性化経路内の機能障害により、非調節平滑筋収縮により引き起こされる緊張状態の増加がもたらされる。この種類の機能障害は、心臓血管疾患、高血圧、および糖尿病で見られる。
マグネシウムイオンは、正常な代謝において比較的高濃度を必要とする。嘔吐および下痢など他の電解質の重度の消失を伴わない限り、マグネシウムの欠乏が稀であることは認識される。しかし、筋肉の振戦および虚弱などの症状を伴う現在食における不足として頻繁に認識されている。このミネラルは、多くの酵素反応で重要であり、興奮膜を安定化する。静脈投与すると、マグネシウムは、麻酔作用を起こすことができ、これは、血管壁の表面を安定化および標準化する血管壁の内皮成分でのその作用の間接的な根拠である。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、0.1mM~1Mの濃度でNa+を含む。他の実施形態において、本開示の組成物は、0.0mM~1Mの濃度でK+を含む。一部の実施形態において、本開示の組成物は、0.1mM~1Mの濃度でMg2+を含む。他の実施形態において、本開示の組成物は、0.1mM~1Mの濃度でCa2+を含む。
上述した通り、様々なイオン種間の相互作用は、様々な生理学的条件下で破壊され、本開示の組成物は、これらの種を正常な生理学的条件および濃度の回復を助けるために含み得る。例えば、高い細胞内Ca2+は、Mg2+、K+、およびH+によるオフセットとして低いレベルに回復することができ、これは、細胞質ゾルにおけるNOSの提示およびNOレベルの回復をもたらし得る。
上述した通り、本明細書に記載される組成物は、ビタミンおよびビタマーを含み得るが、ビタマーは、ビタミン様活性を有する物質である。水溶性および脂溶性の群、ならびにその2つ以上の組合せからなる群から選択されたビタミンはまた、医薬組成物に加えることができる。好ましくは、医薬組成物は、アスコルビン酸を含む。アスコルビン酸は、強力な抗酸化成分として、上皮基底膜を含む結合組織の構造完全性を維持し、創傷治癒を促進するために含まれる。強力な抗炎症作用を伴う薬剤として独特の役割も担うことができる。ビタミンの酸化形態である、デヒドロアスコルビン酸は、そのいくつかがグルタチオンの作用を介して細胞内で減少する場所へ細胞内で移動することを示している。ビタミンのB群、ならびにAおよびEの欠乏はまた、アスコルビン酸、ならびにデヒドロアスコルビン酸およびグルタチオンの対応する相互作用により保護される。一部の実施形態において、本開示の組成物は、グルコーストランスポーターを介して細胞の小胞体に能動的に取り込まれるアスコルビン酸の酸化形態である、デヒドロアスコルビン酸を含む。デヒドロアスコルビン酸の提示はまた、肝臓においてグルタチオンの産生を刺激することができ、これは、デヒドロアスコルビン酸のアスコルビン酸への再循環を容易にする。ゆえに、デヒドロアスコルビン酸は、細胞内抗酸化剤のリソースを間接的に向上させる。デヒドロアスコルビン酸は、医薬品グレードのデヒドロアスコルビン酸を直接組み込むことを介して、またはHOCl、H2O2、もしくはOClなどの活性酸素種と接触することによるアスコルビン酸の変換により存在し得る。
ビタミンのB群は、ヒトの摂食において重要であり、細胞代謝およびエネルギー産生における補酵素として作用する重要な役割を担うことが示されている。ビタミンのB群全体は、処置される患者集団において任意の欠乏に対処する製剤に含まれ得る。
B群ビタミンは、食餌と併せて天然に存在することが見出されており、包括的にこの理由により概して含まれる。B群は、以下を含む:1)チアミン(B1)、具体的には炭水化物の代謝における補酵素として細胞内のエネルギー産生において重要な役割を担う。少なくとも24個の酵素が、補酵素としてチアミンを使用することが知られている;2)フラビンモノヌクレオチドおよびフラビンアデニンジヌクレオチドの形態におけるリボフラビン(B2)は、すべてのデヒドロゲナーゼ酵素の一部である。このビタミンの欠乏は、口腔、舌の炎症、皮膚炎、欠陥のある視力、および血液疾患を引き起こす;3)ナイアシンアミド(B3)は、ビタミンのB群の一部として含まれ、臨床的なペラグラにおける欠乏症候群は、欠乏の周知されている臨床症状である。このビタミンの欠乏状態は、腸疾患およびアルコール乱用に関連する。また、糖尿病およびカルチノイド症候群においても起こる。このビタミンの活性形態は、ニコチンアミドジヌクレオチドNADおよびNADPを含み、ヒト細胞内の酸化還元系に関与する多くのデヒドロゲナーゼに対する補酵素および補助基質であり、エネルギー産生に必須である。製剤中の投与されたニコチンアミドからニコチン酸を生成することで、コレステロール合成の阻害などのニコチンアミドとは共有されない追加の作用を有するニコチン酸を生成する;4)D-パントテン酸カルシウム(B5)、パントテン酸は、補酵素Aの分子の主要な部分を形成し、すべての細胞のミトコンドリアのエネルギー産生する代謝サイクルで重要である。様々な疾患の症候群におけるこのビタミンの効果は認識されている。例えば、ストレプトマイシンにより産生される神経毒性におけるその使用、ならびに糖尿病性ニューロパチー、皮膚疾患、および麻痺性イレウスにおけるその使用;ならびに、5)ピリドキシン(B6)は、40種類の酵素反応にわたって補酵素として広範に利用される。ビタミンのB群はまた、抗酸化剤、および反応性酸素種を低下させるように刺激されたグルタチオンの増加をもたらすのを助け、NOの発現を最後に助ける。
これらの最も重要なことは、アミノ基転移反応、およびトリプトファン代謝でのピリドキシンの影響である。キヌレニナーゼ(kynureminase)は、ピリドキシン欠乏を識別するのに使用される酵素であるが、ピリドキシンが存在しないときにその活性を消失し、トリプトファンからのニコチン酸のキヌレニナーゼ変換の欠乏の結果として二次的なニコチン酸の欠乏をもたらし得る。
シアノコバラミン(B12)は、貧しい食習慣、老化、および糖尿病において血糖降下剤として使用されるある特定の薬物(メトホルミン)に起因する、シアノコバラミンの吸収不良の頻繁な報告から使用される。このビタミンは、発生する正常な赤血球生成に必須であり、最近の知見からも、このビタミンは、運動性ニューロン疾患におけるニューロン伝達の改善に関連している(Rosenfeld、Jeffrey、およびEllis、Amy、2008年、Nutrition and Dietary Supplements in Motor Neuron Disease,Phys Med Rehabil Clin N Am.、19(3):573~589)。
ビタミンKは、脂溶性ビタミンである。ビタミンの2種類の天然に存在する形態が存在する。ビタミンK1は、食餌性ビタミンKであり、緑菜野菜に豊富である一方、ビタミンK2は、組織内に存在する。ビタミンK2は、細菌により合成される。発酵したダイズ、チーズ、カード、ならびにある程度までの肉および肉製品のような発酵製品において主に見出される(Thijssen、H.H.ら、1996年、Phylloquinone and menaquinone-4 distribution in rats:synthesis rather than uptake determines menaquinone-4 organ concentrations、J Nutr 126:537~43)。ビタミンK2は、メナキノンとして動物内で見出される。これは、ビタミンKのヒト活性化形態であり、骨折の治癒を促進すると言われている。カルビンジンおよびオステオカルシンなどの多くのカルシウム結合タンパク質においてグルタミン酸塩の残基のカルボキシル化に必須である。これらのタンパク質は、カルシウムの取込みおよび骨の石灰化に関与する。
ビタミンK2ではなくビタミンK1に対して確立した一日投与量がある。骨粗鬆症に対するビタミンK2の典型的な治療経口用量は、45mg/日である。凝固と異なり、より高レベルのビタミンKは、オステオカルシンの完全なガンマ-カルボキシル化に必要である(Booth、S.L.およびJ.W.Suttie、1998年、J.Nutr 128:785~8)。ビタミンK欠乏は、健康な高齢の女性において寛骨塩密度の低下および骨折リスクの増加に関連する。動物研究では、ビタミンKの最も強力な形態がビタミンK2であることが示され、経口で0.1mg/kgでラットに投与した(Akiyama、Y.ら、Biochem Pharmacol 49:1801~7)。メナキノン-4の形態のビタミンK2は、最も生物学的な活性化形態である。これは、骨粗鬆症の処置において広く研究されている。これらの研究の1つにおいて、241名の骨粗鬆症の女性に、45mg/日でビタミンK2および150mgのカルシウム元素を与えた。2年後、ビタミンK2は、腰椎の骨塩密度を維持し、骨折の発生率を著しく低く(対照群において10%対30%)維持することを示した(Shiraki、M.ら、J Bone Miner Res 15:515~21)。
ビタミンK1ではなくビタミンK2は、動脈プラークの石灰化を阻害することができる。1996年、ラットに関する動物研究で、高用量のビタミンK2(1日に体重1kg当たり100mg)が、大用量の合成ビタミンDにより誘発される腎臓および大動脈の両方におけるカルシウムの増加を阻害することが見出された(Seyama、Y.ら、Int J Vitam Nutr Res 66:36~8)。類似の研究は、ウサギで行われた。高用量のビタミンK2(10週間で1日に1~10mg/kg)は、大動脈および肺動脈においてアテローム動脈硬化性プラークの進行を阻害した(Kawashima、H.Y.ら、1997年、Jpn J Pharmacol 75:135~43)。
ビタミンK2はまた、対照群と比較して、総コレステロールレベル、脂質過酸化、大動脈におけるエステルコレステロールの沈着、および血漿における因子Xの活性を低下させることが分かった。500名超の閉経後の女性に関する研究では、ビタミンK1およびビタミンK2の摂取と冠動脈の石灰化との間の関係を調査した。研究でサンプリングした62%の女性が、冠動脈の石灰化を有した。ビタミンK2のみの摂取は、冠動脈の石灰化の低下に向かう傾向に関連した(Beulens、J.W.ら、Atherosclerosis 203:489~93)。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、上記のビタミンまたはビタマーのうちの1つまたは複数を含む。組成物は、1用量当たり1μg~1,000mgの量で上記のビタミンまたはビタマーのうちの1つまたは複数を含み得る。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、抗酸化化合物をさらに含み得る。これらは、限定されないが、トコフェロール(aTCP)、補酵素Q10(Q)、シトクロムc(C)およびグルタチオン(GSH)などの非酵素化合物、ならびにマンガンスーパーオキシドジスムターゼ(MnSOD)、カタラーゼ(Cat)、グルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)、リン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ(PGPX)、グルタチオンレダクターゼ(GR)、ペルオキシレドキシン(PRX3/5)、グルタレドキシン(GRX2)、チオレドキシン(TRX2)およびチオレドキシンレダクターゼ(TRXR2)を含む酵素成分を含み得る。組成物は、1用量当たり1μg~1,000mgの量で上記の抗酸化化合物のうちの1つまたは複数を含み得る。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、安定化された酸化種をさらに含み得る。安定化された酸化種は、限定されないが、H2O、O2、H2O2、Cl2O、およびH3Oのうちの1つまたは複数であり得る。
他の補助剤は、用量当たり60~90μgの濃度でセレンおよび/またはセレノシステインを含み得る。他の補助剤はまた、他の微量元素およびその塩を含み得、限定されないが、銅、クロム、ヨウ素、フッ化物、亜鉛、マンガン、モリブデン、および鉄を含む。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、医薬品グレードの化合物を安定な治療用組成物に合わせることにより製剤化することができる。化合物は、最終体積となるように加える水とともに、所望の量を血管に加えることができる。一部の実施形態において、本開示の組成物は、5mL~500mLの最終体積で含む。他の実施形態において、組成物は、約250mLの最終体積で含む。一部の実施形態において、組成物は、20mLのバイアルで提供することができる。本発明の組成物は、投与前にさらに希釈することができる。例えば、20mLのバイアルは、投与のために100mLの分注体積に生理食塩水で希釈され得る。他の実施形態において、液体製剤は、凍結乾燥を介して固体を乾燥するので低下させることができる。次いで、凍結乾燥した製剤は、投与前に特定の体積に再構成され得る。
表1は、20mLのバイアル当たりの本開示の例示的な実施形態によって組成物の様々な製剤を示す:
一部の実施形態において、表1における組成物の成分は、治療ニーズによって±1%、2%、5%、または10%で、列挙した値から変化することができる。表1の組成物はまた、治療ニーズによって上述した通り、追加の成分をさらに含み得る。
一部の実施形態において、本開示の組成物は、貯蔵寿命を向上させるために安定化させ得る。組成物は、当業者に知られている好適な技術により安定化することができ、限定されないが、凍結、凍結乾燥、UVまたはスペクトルをブロックするバイアル(例えばアンバーバイアル)の使用、窒素などの安定化する気体での過剰充填、溶液による安定化する気体のバブリング、反応種を複数のバイアルに分離して使用時に合わせること、およびコールドチェーンの貯蔵を含む。非限定例として、組成物の酸および緩衝剤の成分は、2つのバイアルに分離することができる。本開示の組成物の他の成分(例えばシアノコバラミン、d-パントテン酸カルシウム、および/またはそれ以外)は、これらのバイアルに含まれ得るか、または追加のバイアルにさらに分離され得る。
一部の実施形態において、組成物は、(a)少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を含む緩衝液を含む安定な治療用組成物を含有する第1のバイアルであって、緩衝液が、対象の生理学的血流のpHを0.1~1.1低下させるのに十分であり、緩衝液が、対象の生理学的血流のpHの低下を1分~1週間維持するのに十分な緩衝能を有する、バイアル、ならびに必要に応じて(b)使用説明書を含む、キットで提供することができる。
一部の実施形態において、組成物は、(a)無菌水溶液中に少なくとも1つの医薬品グレードの酸を含む静脈投与用の緩衝液を含有する第1のバイアル、(b)無菌水溶液中に少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を含有する第2のバイアルであって、2つのバイアルの内容物が、組み合わされると、静脈内緩衝液を形成し、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度が、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択が、4~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である、バイアル、ならびに必要に応じて(c)使用説明書を含む、キットで提供することができる。
バイアルは、バイアルまたはソフト点滴静注バッグから溶液を取り出すためにシリンジを挿入するのに好適な膜を伴う注射バイアルであり得る。組成物は、無菌水溶液中のバイアルに含有され得る。溶液は、投与前に賦形剤を加える濃縮溶液として提供され得る。賦形剤は、無菌水であり得る。キットは、賦形剤を含有する予め充填された容器をさらに含み得る。好ましい実施形態において、ソフト点滴バッグは、賦形剤で予め充填されている。あるいは、組成物のバイアルは、希釈をせずに注射に好適な濃度である溶液を含有することができる。好ましくは、注射用の溶液は、等張性である。すなわち、溶液は、塩、グルコースなどの炭水化物、NaHCO3、またはグリシンなどのアミノ酸を含有することができ、血漿と等張性である。他の例において、溶液は、より迅速な細胞内の取込みを促進するような低張性であり得るか、またはより緩慢な細胞内の取込みを促進するような高張性であり得る。
一部の実施形態において、キットは、2つのバイアルを含有する。第1のバイアルは、無菌水溶液中に少なくとも1つの医薬品グレードの酸を含有する。例えば、第1のバイアルは、医薬品グレードのアスコルビン酸、チアミンHCl、硫酸マグネシウム、シアノコバラミン、ナイアシンアミド、ピロキシジンHCl、リボフラビン5’リン酸塩、D-パントテン酸カルシウム、ならびに塩化ナトリウムおよび水を含有する水性溶媒(注射用)を含有することができる。第2のバイアルは、無菌水溶液中に少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を含有する。例えば、第2のバイアルは、医薬品グレードの重炭酸ナトリウム、ならびに塩化ナトリウムおよび水を含有する水性溶媒(注射用)を含有することができる。バイアルの内容物は、冷蔵または凍結状態で貯蔵することができる。
別の実施形態において、キットは、投与前に再構築され得る凍結乾燥した粉末の容器を含有することができる。凍結乾燥した粉末は、等張液であり得る。
本明細書に記載される各キットは、使用のための使用説明書をさらに含み得る。使用説明書は、当然のことながら、キット自体に依存し、賦形剤を使用すべきか、他の成分を投与前に医薬品グレードの緩衝液と混合させるべきかに依存する。
III.処置方法
一態様において、本開示は、低酸素関連疾患または状態を予防、軽減または処置する方法であって、有効量の組成物をそれを必要とする対象に投与して、酸素運搬を向上し、それにより血中酸素レベルを増加させるステップを含み、組成物が少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度が、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択が、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である、方法を提供する。
一部の実施形態において、低酸素関連疾患または状態は、がん、血管新生または血管新生関連障害である。一部の実施形態において、がんは、腫瘍または固形腫瘍である。がんは、乳がん、膵がん、卵巣がん、結腸がん、肺がん、非小細胞肺がん、上皮内癌(ISC)、扁平上皮癌(SCC)、甲状腺がん、子宮頸がん、子宮がん、前立腺がん、精巣がん、脳がん、膀胱がん、胃がん、肝細胞腫、黒色腫、神経膠腫、網膜芽細胞腫、中皮腫、骨髄腫、リンパ腫および白血病のうちのいずれか1つであり得る。
一部の実施形態において、組成物は、細胞内HCO3
-レベルを増加させ、それにより酸素に対するヘモグロビンの親和性を促進する。組成物の代表的な処方および投与量を表1に示す。
一部の実施形態において、対象は、過剰な酸または重炭酸塩によるものである、血中電解質不均衡を患う。
一部の実施形態において、方法は、記載の組成物を用いて、対象の静脈血中のpO2レベルを上昇させるステップを含む。組成物の代表的な処方および投与量を表1に示す。
別の態様において、本開示はまた、血清カルシウムの上昇を特徴とする状態を患う対象を処置する方法を提供する。方法は、有効量の組成物を対象に投与して、血中カルシウムレベルを低下させるステップを含み、組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
別の態様において、本開示はまた、対象の腫瘍抑制タンパク質p53の機能を回復させる方法を提供する。方法は、有効量の組成物を対象に投与するステップを含み、組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
別の態様において、本開示はまた、がんを有する対象の健康な組織における血管新生を回復させながら、対象の腫瘍の侵襲を抑制する方法を提供する。方法は、有効量の組成物を対象に投与して、eNOSを増加させ、iNOSを抑制するステップを含み、組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
別の態様において、本開示はまた、がんを有し、がんに関連する血糖の上昇を患う対象を処置する方法を提供する。方法は、有効量の組成物を対象に投与して、下垂体、甲状腺および腎機能を改善し、それにより血糖レベルを低下させるステップを含み、組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
一部の実施形態において、組成物はコルチゾールレベルを低下させ、それによりミトコンドリアストレスおよび小胞体ストレスを緩和することで循環グルコースを低下させる。組成物の代表的な処方および投与量を表1に示す。
別の態様において、本開示はまた、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)を阻害する方法を提供する。方法は、有効量の組成物をそれを必要とする対象に投与するステップを含み、組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
別の態様において、本開示はまた、乱れた骨髄微小環境を回復させる方法を提供する。方法は、有効量の組成物をそれを必要とする対象に投与するステップを含み、方法は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
さらに別の態様において、本開示はまた、がんにおいてアポトーシスを促進する方法を提供する。方法は、有効量の組成物をそれを必要とする対象に投与し、それにより血流中の酸性pHを一時的に上昇させて、細胞内pHをさらに低下させることにより、がん細胞に酸化ストレスおよびアポトーシスをもたらすステップを含み、組成物は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を無菌水溶液中に含み、緩衝液中の医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の濃度は、対象に投与したとき、60mmol/L~3000mmol/Lの滴定可能な全酸含有量を提供するのに十分であり、医薬品グレードの酸および医薬品グレードのpH緩衝剤の選択は、4.0~7.7の緩衝液pHを提供するのに有効である。
別の態様において、本開示は、対象の代謝を変更する方法を提供し、方法は、少なくとも1つの医薬品グレードの酸および少なくとも1つの医薬品グレードのpH緩衝剤を含む緩衝液を含む安定な治療用組成物を対象に投与することを含み、緩衝液は、対象の生理学的血流のpHを0.01~1.1低下させるのに十分であり、緩衝液は、対象の生理学的血流のpHの低下を1分~1週間維持するのに十分な緩衝能を有する。
本開示の治療有効量の組成物の投与経路としては、静脈内、筋肉内もしくは非経口投与、経口投与、耳内投与、局所投与、吸入、またはその他の方法でネブライザ投与、経粘膜投与および経皮投与が挙げられるが、これらに限定されない。本開示の組成物はまた、静脈内、ボーラス、皮膚、経口、耳内、坐薬、頬側、眼内または吸入送達用に製剤化され得る。静脈内または非経口投与、すなわち注射または注入のために、組成物はまた、好適な医薬希釈剤および担体、例えば水、生理食塩水、デキストロース溶液、フルクトース溶液、エタノール、または動物、植物もしくは合成起源の油を含有し得る。組成物はまた、当技術分野で公知である保存剤および緩衝剤を含有し得る。治療有効量が、静脈内、皮膚または皮下注射により投与される場合、溶液はまた、pH、張度、安定性などを調整するための成分を含有し得、これらはすべて当技術分野の技術範囲内である。局所投与のために、組成物は、例えば液体、ゲル、ペーストまたはクリームに製剤化され得る。一部の実施形態において、組成物は、局所パッチを介して投与され得る。眼内投与のために、組成物は、例えば、眼の表面および/もしくは周囲組織に塗布される液体点眼剤に、またはゲル、ペーストもしくはクリームとして製剤化され得る。耳内投与のために、組成物は、例えば点耳剤に製剤化され得る。
組成物は、全身および局所または限局性投与を含む、様々な負荷量の投与用に製剤化され得る。技術および処方は全般的に、Remmington’s Pharmaceutical Sciences,Meade Publishing Co., Easton, PAに見出すことができる。全身投与には、筋肉内、静脈内、腹腔内および皮下を含む注射が好ましい。注射用に、薬剤は、好ましくは生理学的に適合性のある緩衝剤、例えばハンクス液またはリンゲル液中の液体溶液中で製剤化され得る。さらに、薬剤は、固体形態で製剤化され得、使用直前に再溶解または懸濁され得る。凍結乾燥形態も含まれる。
静脈内、皮膚または皮下注射用の組成物は、ペプチドに加えて、等張性ビヒクル、例えば塩化ナトリウム注射、リンゲル注射、デキストロース注射、デキストロースおよび塩化ナトリウム注射、乳酸化リンゲル注射クエン酸緩衝剤pH5.5、または当技術分野で公知の他の担体、希釈剤および添加剤を含有し得る。本明細書に詳細に記載されるように、本発明の医薬組成物はまた、安定剤、保存剤、緩衝剤、抗酸化剤または当業者に公知の他の添加剤を含有し得る。医薬組成物は、静脈内または非経口投与用に製剤化される。典型的には、静脈内または非経口投与用の組成物は、等張性水性緩衝剤または薬学的に許容される有機溶媒であり得る、好適な無菌溶媒を含む。
全身製剤としては、注射、例えば皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内または腹腔内注射による投与のために設計されたものが挙げられる。有用な注射可能な調製物としては、水性または油性ビヒクル中の活性化合物の無菌懸濁液、溶液またはエマルションが挙げられる。組成物はまた、可溶化剤、製剤化剤、例えば懸濁化、安定化および/または分散剤も含有し得る。注射用製剤は、単位剤形、例えばアンプルまたは複数回用量容器で提供され得、追加の保存剤を含有し得る。予防的投与のために、化合物は、先に記載した状態または疾患のうちの1つを発症するリスクのある患者に投与され得る。代替的には、予防的投与は、基礎疾患を患うか、または基礎疾患と正式に診断された患者における症状の開始を回避するために適用され得る。
製剤は、生物全体の処置のための他の成分を含み得る。例えば、抗酸化添加剤および/または酸化促進添加剤が存在し得る。後者は、予防として作用する薬剤であり得、前者は、特定の医学的状態を処置するように作用する薬剤であり得る。
上記の製剤に加えて、医薬組成物はまた、デポ調製物として製剤化され得る。このような長時間作用性製剤は、インプラント術(例えば皮下または筋肉内)によるか、または筋肉内注射により投与され得る。したがって、例えば、薬剤は、好適なポリマー性または疎水性材料(例えば許容される油中のエマルションとして)もしくはイオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として、例えば難溶性塩として製剤化され得る。徐放性処方物はまた、パッチ、例えば経皮パッチも含む。パッチは、通常は効率的に経皮送達されない可能性がある皮膚から薬物分子を導入するために、独特な組合せの波形で超音波を配置する超音波アプリケータとともに用いられ得る。
当業者に公知の様々な添加剤が、製剤に含まれ得る。添加剤の例としては、可溶化剤、皮膚浸透促進剤、乳白剤、保存剤(例えば抗酸化剤)、ゲル化剤、緩衝剤、界面活性剤(特に非イオン性および両性界面活性剤)、乳化剤、軟化剤、増粘剤、安定剤、保湿剤、着色剤、香料などが挙げられるが、これらに限定されない。乳化剤、軟化剤および保存剤とともに、可溶化剤および/または皮膚浸透促進剤を含むことが特に好ましい。最適な局所製剤は、約:2重量%~60重量%、好ましくは2重量%~50重量%の可溶化剤および/または皮膚浸透促進剤;2重量%~50重量%、好ましくは2重量%~20重量%の乳化剤;2~20重量%の軟化剤;および0.01~0.2重量%の保存剤を、製剤の残りを構成する活性剤および担体(例えば水)とともに含む。皮膚浸透促進剤は、治療レベルの活性剤の通過を容易にし、破壊されていない皮膚の合理的サイズの領域を通過させる働きがある。好適な促進剤は、当技術分野で周知であり、例えば:低級アルカノール、例えばメタノール、エタノールおよび2-プロパノール;アルキルメチルスルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、デシルメチルスルホキシド(C10MSO)およびテトラデシルメチルスルホキシド;ピロリドン、例えば2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドンおよびN-(ヒドロキシエチル)ピロリドン;尿素;N,N-ジエチル-m-トルアミド;C.sub.2-C.sub.6アルカンジオール;種々の溶媒、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)およびテトラヒドロフルフリルアルコール;ならびに1-置換アザシクロヘプタン-2-オン、特に1-n-ドデシルシクルアザシクロヘプタン-2-オン(ラウロカプラム、Whitby Research Incorporated,Richmond,Va.から商品名AzoneRTMで入手できる)が挙げられる。
可溶化剤の例としては、以下:親水性エーテル、例えばジエチレングリコールモノエチルエーテル(エトキシジグリコール、Transcutol(商標)として市販されている)およびジエチレングリコールモノエチルエーテルオレエート(Softcutol(商標)として市販されている);ポリエチレンヒマシ油誘導体、例えばポリオキシ35ヒマシ油、ポリオキシ40硬化ヒマシ油など;ポリエチレングリコール、特に低分子量ポリエチレングリコール、例えばPEG300およびPEG400、ならびにポリエチレングルコール誘導体、例えばPEG-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド(Labrasol(商標)として市販されている);アルキルメチルスルホキシド、例えばDMSO;ピロリドン、例えば2-ピロリドンおよびN-メチル-2-ピロリドン;ならびにDMAが挙げられるが、これらに限定されない。多くの可溶化剤はまた、吸収促進剤として作用し得る。単一の可溶化剤が、製剤に組み込まれてもよく、または可溶化剤の混合物がそこに組み込まれてもよい。好適な乳化剤および共乳化剤としては、マイクロエマルション製剤に関して記載された乳化剤および共乳化剤が挙げられるが、これらに限定されない。軟化剤としては、例えばプロピレングリコール、グリセロール、イソプロピルミリステート、ポリプロピレングリコール-2(PPG-2)ミリスチルエーテルプロピオネートなどが挙げられる。
他の活性剤、例えば抗炎症剤、鎮痛剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗生物質、ビタミン、抗酸化剤、およびアントラニレート、ベンゾフェノン(特にベンゾフェノン-3)、カンファー誘導体、シンナメート(例えばオクチルメトキシシンナメート)、ジベンソイルメタン(例えばブチルメトキシジベンゾイルメタン)、p-アミノ安息香酸(PABA)およびこれらの誘導体、ならびにサリチレート(例えばオクチルサリチレート)を含むがこれらに限定されないサンスクリーン製剤に一般に見出されるサンブロック剤も製剤に含まれ得る。ある特定の局所製剤において、活性剤は、製剤の約0.25重量%~75重量%の範囲、好ましくは製剤の約0.25重量%~30重量%の範囲、より好ましくは製剤の約0.5重量%~15重量%の範囲および最も好ましくは製剤の約1.0重量%~約10重量%の範囲の量で存在する。局所用皮膚処置組成物は、その粘性、および消費者が意図する使用に合うように、好適な容器に梱包され得る。例えば、ローションまたはクリームは、ボトルもしくはロールボールアプリケータ、または推進剤駆動エアロゾルデバイス、もしくは指での操作に適したポンプを備えた容器に梱包され得る。組成物がクリームである場合、これは単純に、変形不可能なボトルまたはスクイズ容器、例えば管または蓋付のジャーに保存され得る。組成物はまた、米国特許第5,063,507号に記載されたものなどのカプセルに含まれ得る。したがって、化粧品に許容される組成物を含有する密閉容器も提供される。
投与される化合物の量は、例えば処置される特定の適応症、投与方式、所望の利益が予防的であるのかまたは治療的であるのか、処置される適応症の重症度ならびに患者の年齢および体重、特定の活性化合物の生物学的利用能などを含む様々な因子に依存する。有効な投与量の決定は、本明細書に開示される一般的なおよび特定の例と合わせて、十分に当業者の能力の範囲内である。
特定の個体に対する投与量は、従来の考察を用いて(例えば適当な従来の薬理学的プロトコルを用いて)当業者により決定され得る。医師は、例えば、最初に比較的低用量を処方し、その後、適当な応答が得られるまで用量を増加する。個体に投与される用量は、個体において有益な治療応答を経時的にもたらすか、または用途に応じて、例えば症状を減少させる、または他の適当な活性をもたらすのに十分である。用量は、特定の製剤の有効性、用いられるmiRNAの活性、安定性または血清半減期、および個体の状態、ならびに処置される個体の体重または体表面積により決定される。用量の大きさはまた、特定の個体における特定のベクター、製剤などの投与に伴う任意の有害な副作用の存在、性質および程度によって決定される。
本発明の医薬組成物を使用する静脈内療法の期間は、処置または寛解される状態、ならびに各個々の哺乳動物の状態および潜在的な特異体質反応に応じて異なる。各注入の期間は、<1分(例えばボーラス注射)~約1時間(静脈内送達)である。注入は24時間以内に繰り返され得る。したがって、哺乳動物は、1日当たり約1~約25回注入を受け得る。好ましくは、1日当たりの注入回数は1回または2回である。各注入間の期間は、1、2、5、10、20、30、40、50分、または1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間またはそれ以上であり得る。投与はまた、処置される状態および/または各個々の哺乳動物の応答に応じて、毎時、毎日、毎週、毎月、四半期ごと、半年ごと、毎年などを含む様々な頻度のいずれか、または任意の他の特定の時間枠で行われ得る。他の実施形態において、本発明の医薬組成物は、単一の事象として投与されてもよく、または1週間、複数週間、1か月間、1年間もしくは複数年間の期間にわたって、または必要に応じて任意の他の所望の期間投与されてもよい。
あるいは、注入は、その間に実質的な期間を設けず次々に行われてもよい。一実施形態において、注入は約45分間続く。用量は、患者における栄養素の相対的または絶対的な欠乏の重症度に応じて、週に2~3回繰り返され得る。臨床評価は、状態を確立するために必要であり得るが、病歴の見直し、症状の主観的見直し、ヒトの場合、哺乳動物の主観的見解または任意の特定の欠乏の見直しに限定され得る。
投与の別の実施形態において、投与は、上記のように2つの溶液:1つの酸シフト(AS)と1つの塩基シフト(BS)との間で交互に行われる。様々な頻度でのAS/BS/AS/BSの交互の投与は、酸性から塩基性へ、または塩基性から酸性へのより大きなpHの振幅を生じさせることが予想される。運動を通じて生じさせるこのような事象は、血管拡張のための一酸化窒素(NO)放出を促進する上で(Capellini、Verena K.ら、2013、The Effect of Extracellular pH Changes on Intracellular pH and Nitric Oxide Concentration in Endothelial and Smooth Muscle Cells from Rat Aorta、PLOS One、8(5):e62887)、およびカルジオリピンの修復とリモデリングを促進するために(Khalafat、Nadaら、2011、Lipid Packing Variations Induced by pH in Cardiolipin-Containing bilayers: The Driving Force for the Cristae-Like Shape Instability、Biochimica et Biophysica Acta-Biomembranes、1808(11):2724~2733)、その価値が認められている。これらの交互の投与は、各々0.5~60分間続き得、所望の治療効果を得るために必要に応じて1回、2回またはそれ以上の回数で交互に行われ得る。ASおよびBS投与では、必ずしもそれらのシフト作用または投与期間のいずれかが同一である必要はない。すなわち、例えば、AS組成物は、より短い投与にわたってより大きなシフトに影響を及ぼし得るが、BS組成物はより長い投与にわたってより小さなシフトに影響を及ぼし得る。一部の実施形態において、例示的な投与プロファイルは、5分のAS投与、次いで10分のBS投与であり、2回繰り返され得る(すなわち、5/10/5/10)。他の例示的な投与プロファイルは、例えば10/10/10/10または0.5/0.5/0.5/0.5であり得る。
処置の有効性は、本開示の組成物を投与する前、その間および/もしくはその後に、または本開示の組成物を用いて一連の処置の投与を行う前、その間および/またはその後にバイオマーカーを測定することにより決定され得る。例示的なバイオマーカー、および使用できる適応症を表2に示し、これらとしては、例えばA1マイクロ、尿細管障害および電解質不均衡;A2マクロ、脳小血管疾患、肝線維症;ACE、高血圧症、心不全、糖尿病性腎症;アディポネクチン、血管疾患、メタボリックシンドローム;アポA-I、高密度脂質粒子;アポA-II、HDL代謝;アポC-II、虚血性脳卒中、心疾患;アポC-III、メタボリックシンドロームおよび高トリグリセリド結晶;アポH、2型糖尿病、メタボリックシンドローム;AT-III、静脈血栓症、異常凝固;B2M、抹消動脈疾患;BDNF、精神障害;CD163、HIV感染、炎症、心血管疾患;CD40、アテローム性動脈硬化不安定性;CD40-L、細胞増殖;CgA、腫瘍;C-ペプチド、メタボリックシンドローム;CRP、炎症および組織損傷;シスタチン-C、心血管疾患、電解質不均衡;EGF、細胞増殖;EN-RAGE、炎症、心疾患;EPO、貧血、慢性腎疾患;E-セレクチン、炎症、電解質不均衡;第VII因子、血栓症(血液凝固);フィコリン-3、糖尿病性抹消神経障害;FRTN、血液障害、貧血;FSH、妊娠合併症;GDF-15、ミトコンドリア疾患;全GLP-1、2型糖尿病、インスリン分泌;HB-EGF、上皮細胞増殖(炎症);ICAM-1、炎症;IFN-ガンマ、炎症および免疫応答;IL-1アルファ、炎症;IL-1ベータ、炎症;IL-10、炎症;IL-12p40、炎症、多発性硬化症、アルツハイマー疾患;IL-12p70、腹膜炎、炎症;IL-15、アルツハイマー疾患;IL-17、炎症、ループス、脳血管炎;IL-18、メタボリックシンドローム、急性腎障害;IL-1ra、炎症;IL-2、炎症;IL-23、炎症、ループス;IL-3、炎症、細胞増殖、増殖および分化;IL-4、炎症;IL-5、炎症因子、喘息、慢性閉塞性肺疾患;IL-6、炎症;IL-6r、冠動脈性心疾患;IL-7、免疫介在性炎症性疾患;IL-8、炎症;IL-10、結核に関連する合併症;LH、不妊症;Lp(a)、心血管疾患;MCP-1、炎症;MCP-2、結核;MCP-4、喘息、転移;M-CSF、代謝、血液および免疫異常;MIG、心不全および左心室機能不全;MIP-1アルファ、高脂肪食のサイトカイン発現、創傷治癒;MIP-1ベータ、自己免疫障害;MIP-3アルファ、虚血性脳卒中の組織損傷および自己免疫疾患;MMP-3、虚血性および出血性脳卒中;MMP-9、虚血性および出血性脳卒中;MPIF-1、川崎病(一部の血管壁の炎症);MPO、炎症および虚血;ミオグロビン、炎症および虚血;NAP-2、B型肝炎;NGF-ベータc、アルツハイマー疾患、精神障害;Nr-CAM、アルツハイマー疾患、認知障害;オステオカルシン、骨粗しょう症、骨形成;PAI-1、メタボリックシンドローム;PARC、ゴーシェ病(肝臓/脾臓の肥大);PDGF-BB、骨芽細胞の発生および骨形成、肝線維症;PEDF、心血管代謝障害;ペリオスチン、喘息;PLGF、血管新生、脈管形成およびリンパ管新生;PPP、内分泌膵臓腫瘍;PRL;P-セレクチン、炎症;RAGE、慢性炎症性疾患;RANTES、腹部大動脈瘤、ウイルス性疾患;レジスチン、炎症、心血管疾患;S100-B、脳損傷および血液脳関門の破壊;SAA、炎症;SAP、急性および慢性炎症;SCF、腫瘍増殖;SHBG、甲状腺疾患、下垂体疾患;SOD-1、筋萎縮性側索硬化症;ソルチリン、冠動脈疾患、情動障害;ST2、炎症および癒着;TAFI、動脈血栓症、急性虚血;TBG、甲状腺関連疾患;TIMP-1、組織リモデリング、創傷治癒および腫瘍転移;TN-C、心筋炎;TNF-アルファ、炎症;TNF-ベータ、炎症、心血管疾患;TNFR2、虚血性脳卒中、インスリン障害;TTR、代謝および敗血症障害;VCAM-1、炎症;VEGF、血管新生、低酸素症;ビトロネクチン、アルツハイマー疾患;ならびにvWF、不整脈、急性動脈損傷を挙げることができる。
一部の実施形態において、組成物は、静脈内、筋肉内または非経口投与、経口投与、耳内投与、局所投与、吸入投与、経粘膜投与および経皮投与により送達され得る。一部の実施形態において、静脈内投与はボーラス送達である。一部の実施形態において、組成物は、局所送達により投与される。
一部の実施形態において、上記の方法は、第2の薬剤を対象に投与するステップをさらに含む。組成物は、第2の薬剤を投与する前またはその後に対象に投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、第2の薬剤と同時に投与される。
一部の実施形態において、第2の薬剤としては、抗がん剤、例えば:アベマシクリブ、酢酸アビラテロン、アブラキサン(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ABVD、ABVE、ABVE-PC、AC、アカラブルチニブ、AC-T、アクテムラ(トシリズマブ)、アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)、ADE、アドトラスツズマブエムタンシン、アドリアマイシン(ドキソルビシン塩酸塩)、ジマレイン酸アファチニブ、アフィニトール(エベロリムス)、アキンゼオ(ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩)、アルダラ(イミキモド)、アルデスロイキン、アレセンサ(アレクチニブ)、アレクチニブ、アレムツズマブ、アリムタ(ペメトレキセド二ナトリウム)、アリコパ(コパンリシブ塩酸塩)、注射用アルケラン(メルファラン塩酸塩)、アルケラン錠(メルファラン)、アロキシ(パロノセトロン塩酸塩)、アルンブリグ(ブリガチニブ)、アメルズ(アミノレブリン酸)、アミホスチン、アミノレブリン酸、アナストロゾール、アパルタミド、アプレピタント、アラネスプ(ダルベポエチンアルファ)、アレディア(パミドロン酸二ナトリウム)、アリミデックス(アナストロゾール)、アロマシン(エキセメスタン)、アラノン(ネララビン)、三酸化ヒ素、アーゼラ(オファツムマブ)、アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ、アスパラス(カラスパルガーゼペゴル-mknl)、アテゾリズマブ、アバスチン(ベバシズマブ)、アベルマブ、アキシカブタゲンシロロイセル、アキシチニブ、アザシチジン、アゼドラ(イオベングアンI 131)、バベンチオ(アベルマブ)、BEACOPP、ベレオダク(ベリノスタット)、ベリノスタット、ベンダムスチン塩酸塩、ベンデカ(ベンダムスチン塩酸塩)、BEP、ベスポンサ(イノツズマブオゾガマイシン)、ベバシズマブ、ベキサロテン、ビカルタミド、BiCNU(カルムスチン)、ビニメチニブ、ブレオマイシン、ブリナツモマブ、ブリンサイト(ブリナツモマブ)、ボルテゾミブ、ボシュリフ(ボスチニブ)、ボスチニブ、ビラフトビ(エンコラフェニブ)ブレンツキシマブベドチン、ブリガチニブ、BuMel、ブスルファン、ブスルフェクス(ブスルファン)、カバジタキセル、カボメティクス(カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩)、カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩、CAF、カラスパルガーゼペゴル-mknl、カルケンス(アカラブルチニブ)、キャンパス(アレムツズマブ)、カンプトサール(イリノテカン塩酸塩)、カペシタビン、CAPOX、カラック(フルオロウラシル-局所)、カルボプラチン、カルボプラチン-タキソール、カルフィルゾミブ、カルムスチン、カルムスチンインプラント、カソデックス(ビカルタミド)、CEM、セミプリマブ-rwlc、セリチニブ、セルビジン(ダウノルビシン塩酸塩)、サーバリックス(組換えHPV二価ワクチン)、セツキシマブ、CEV、クロラムブシル、クロラムブシル-プレドニゾン、CHOP、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クロラール(クロファラビン)、CMF、コビメチニブ、コメトリク(カボザンチニブ-S-リンゴ酸塩)、コパンリシブ塩酸塩、COPDAC、コピックトラ(デュベリシブ)、COPP、COPP-ABV、コスメゲン(ダクチノマイシン)、コテリック(コビメチニブ)、クリゾチニブ、CVP、シクロホスファミド、サイラムザ(ラムシルマブ)、シタラビン、シタラビンリポソーム、シトサール-U(シタラビン)、ダブラフェニブ、ダカルバジン、ダコゲン(デシタビン)、ダコミチニブ、ダクチノマイシン、ダラツムマブ、ダルベポエチンアルファ、ダルザレックス(ダラツムマブ)、ダサチニブ、ダウノルビシン塩酸塩、ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム、デシタビン、デフィブロチドナトリウム、デファイテリオ(デフィブロチドナトリウム)、デガレリクス、デニロイキンディフチトックス、デノスマブ、デポシト(シタラビンリポソーム)、デキサメタゾン、デクスラゾキサン塩酸塩、ジヌツキシマブ、ドセタキセル、ドキシル(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ドキソルビシン塩酸塩、ドキソルビシン塩酸塩リポソーム、Dox-SL(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、デュルバルマブ、デュベリシブ、エフデックス(フルオロウラシル-局所)、エリガード(酢酸ロイプロリド)、エリテック(ラスブリカーゼ)、エレンス(エピルビシン塩酸塩)、エロツズマブ、エロキサチン(オキサリプラチン)、エルトロンボパグオラミン、エルゾンリス(タグラクソフスプ-erzs)、エマパルマブ-Izsg、エメンド(アプレピタント)、エムプリシティ(エロツズマブ)、メシル酸エナシデニブ、エンコラフェニブ、エンザルタミド、エピルビシン塩酸塩、EPOCH、エポエチンアルファ、エポゲン(エポエチンアルファ)、エルビツクス(セツキシマブ)、メシル酸エリブリン、エリベッジ(ビスモデギブ)、エルレアダ(アパルタミド)、エルロチニブ塩酸塩、エルウィナーゼ(アスパラギナーゼエルウィニアクリサンテミ)、エチヨル(アミホスチン)、エトポホス(エトポシドリン酸塩)、エトポシド、エトポシドリン酸塩、エバセト(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、エベロリムス、エビスタ(ラロキシフェン塩酸塩)、エボメラ(メルファラン塩酸塩)、エキセメスタン、5-FU(フルオロウラシル注射)、5-FU(フルオロウラシル-局所)、ファレストン(トレミフェン)、ファリーダック(パノビノスタット)、ファスロデックス(フルベストラント)、FEC、フェマーラ(レトロゾール)、フィルグラスチム、フィルマゴン(デガレリクス)、フルダラビンリン酸塩、フルオロプレックス(フルオロウラシル-局所)、フルオロウラシル注射、フルオロウラシル-局所、フルタミド、FOLFIRI、FOLFIRI-ベバシズマブ、FOLFIRI-セツキシマブ、FOLFIRINOX、FOLFOX、フォロチン(プララトレキサート)、フォスタマチニブ二ナトリウム、FU-LV、フルベストラント、フシレブ(ロイコボリンカルシム)、ガミファント(エマパルマブ-Izsg)、ガーダシル(組換えHPV四価ワクチン)、ガーダシル9(組換えHPV九価ワクチン)、ガジバ(オビヌツズマブ)、ゲフィチニブ、ゲムシタビン塩酸塩、ゲムシタビン-シスプラチン、ゲムシタビン-オキサリプラチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、ジェムザール(ゲムシタビン塩酸塩)、ジオトリフ(ジマレイン酸アファチニブ)、ギルテリチニブフマル酸塩、グリベック(メシル酸イマチニブ)、ギリアデルウェハー(カルムスチンインプラント)、グルカルピダーゼ、酢酸ゴセレリン、グラニセトロン、グラニセトロン塩酸塩、グラニックス(フィルグラスチム)、ハラベン(メシル酸エリブリン)、ヘマンジオル(プロプラノロール塩酸塩)、ハーセプチン(トラスツズマブ)、組換えHPV二価ワクチン、組換えHPV九価ワクチン、組換えHPV四価ワクチン、ハイカムチン(トポテカン塩酸塩)、ハイドレア(ヒドロキシ尿素)、ヒドロキシ尿素、ハイパーCVAD、イブランス(パルボシクリブ)、イブリツモマブチウキセタン、イブルチニブ、ICE、アイクルシグ(ポナチニブ塩酸塩)、イダルビシン塩酸塩、イデラリシブ、イディファ(メシル酸エナシデニブ)、イフェックス(イホスファミド)、イホスファミド、IL-2(アルデスロイキン)、メシル酸イマチニブ、イムブルビカ(イブルチニブ)イミフィンジ(デュルバルマブ)、イミキモド、イムリジック(タリモジーンラハーパレプベック)、インライタ(アキシチニブ)、イノツズマブオゾガマイシン、組換えインターフェロンアルファ-2b、インターロイキン-2(アルデスロイキン)、イントロンA(組換えインターフェロンアルファ-2b)、イオベングアンI 131、イピリムマブ、イレッサ(ゲフィチニブ)、イリノテカン塩酸塩、イリノテカン塩酸塩リポソーム、イストダックス(ロミデプシン)、イボシデニブ、イクサベピロン、クエン酸イクサゾミブ、イグゼンプラ(イクサベピロン)、ジャカフィ(ルキソリチニブリン酸塩)、JEB、ジェブタナ(カバジタキセル)、カドサイラ(アドートラスツズマブエムタンシン)、ケピバンス(パリフェルミン)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)、キスカリ(リボシクリブ)、キムリア(チサゲンレクロイセル)、カイプロリス(カルフィルゾミブ)、酢酸ランレオチド、ジトシル酸ラパチニブ、ラロトレクチニブ硫酸塩、ラルトルボ(オララツマブ)、レナリドミド、メシル酸レンバチニブ、レンビマ(メシル酸レンバチニブ)、レトロゾール、ロイコボリンカルシウム、ロイケラン(クロラムブシル)、酢酸ロイプロリド、レブランケラスティック(アミノレブリン酸)、リブタヨ(セミプリマブ-rwlc)、リポドックス(ドキソルビシン塩酸塩リポソーム)、ロムスチン、ロンサーフ(トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩)、ロルブレナ(ロルラチニブ)、ロルラチニブ、ルモキシティ(モキセツモマブパスドトックス-tdfk)、ルプロン(酢酸ロイプロリド)、ルプロンデポー(酢酸ロイプロリド)、ルタテラ(ルテチウムLu177-ドータテート)、ルテチウム(Lu177-ドータテート)、リンパルザ(オラパリブ)、マルキボ(ビンクリスチン硫酸塩リポソーム)、マツラン(プロカルバジン塩酸塩)、メクロレタミン塩酸塩、酢酸メゲストロール、メキニスト(トラメチニブ)、メクトビ(ビニメチニブ)、メルファラン、メルファラン塩酸塩、メルカプトプリン、メスナ、メスネックス(メスナ)、メトトレキサート、臭化メチルナルトレキソン、ミドスタウリン、マイトマイシンC、ミトキサントロン塩酸塩、モガムリズマブ-kpkc、モキセツモマブパスドトックス-tdfk、モゾビル(プレリキサホル)、マスタージェン(メクロレタミン塩酸塩)、MVAC、ミレラン(ブスルファン)、マイロターグ(ゲムツズマブオゾガマイシン)、ナノ粒子パクリタキセル(パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤)、ナベルビン(酒石酸ビノレルビン)、ネシツムマブ、ネララビン、マレイン酸ネラチニブ、ネルリンクス(マレイン酸ネラチニブ)、ネツピタントおよびパロノセトロン塩酸塩、ニューラスタ(ペグフィルグラスチム)、ニューポジェン(フィルグラスチム)、ネクサバール(トシル酸ソラフェニブ)、ニランドロン(ニルタミド)、ニロチニブ、ニルタミド、ニンラーロ(クエン酸イクサゾミブ)、トシル酸ニラパリブ一水和物、ニボルマブ、エヌプレート(ロミプロスチム)、オビヌツズマブ、オドムゾ(ソニデジブ)、OEPA、オファツムマブ、OFF、オラパリブ、オララツマブ、オマセタキシンメペコハク酸塩、オンキャスパー(ペグアスパラガーゼ)、オンダンセトロン塩酸塩、オニバイド(イリノテカン塩酸塩リポソーム)、オンタク(デニロイキンジフチトクス)、オプジーボ(ニボルマブ)、OPPA、オシメルチニブ、オキサリプラチン、パクリタキセル、パクリタキセルアルブミン安定化ナノ粒子製剤、PAD、パルボシクリブ、パリフェルミン、パロノセトロン塩酸塩、パロノセトロン塩酸塩およびネツピタント、パミドロン酸二ナトリウム、パニツムマブ、パノビノスタット、パゾパニブ塩酸塩、PCV、PEB、ペグアスパラガーゼ、ペグフィルグラスチム、ペグインターフェロンアルファ-2b、PEG-イントロン(ペグインターフェロンアルファ-2b)、ペンブロリズマブ、ペメトレキセド二ナトリウム、パージェタ(ペルツズマブ)、ペルツズマブ、プレリキサホル、ポマリドミド、ポマリスト(ポマリドミド)、ポナチニブ塩酸塩、ポートラーザ(ネシツムマブ)、ポテリジオ(モガムリズマブ-kpkc)、プララトレキサート、プレドニゾン、プロカルバジン塩酸塩、プロクリット(エポエチンアルファ)、プロロイキン(アルデスロイキン)、プロリア(デノスマブ)、プロマクタ(エルトロンボパグオラミン)、プロプラノロール塩酸塩、プロベンジ(シプロイセルT)、プリネトール(メルカプトプリン)、プリキサン(メルカプトプリン)、二塩化ラジウム223、ラロキシフェン塩酸塩、ラムシルマブ、ラスブリカーゼ、ラブリズマブ-cwvz、R-CH
OP、R-CVP、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)二価ワクチン、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)九価ワクチン、組換えヒトパピローマウイルス(HPV)四価ワクチン、組換えインターフェロンアルファ-2b、レゴラフェニブ、レリストール(臭化メチルナルトレキソン)、R-EPOCH、レタクリット(エポエチンアルファ)、レブリミド(レナリドミド)、リウマトレックス(メトトレキサート)、リボシクリブ、R-ICE、リツキサン(リツキシマブ)、リツキサンハイセラ(リツキシマブおよびヒトヒアルロニダーゼ)、リツキシマブ、リツキシマブおよびヒトヒアルロニダーゼ、ロラピタント塩酸塩、ロミデプシン、ロミプロスチム、ルビドマイシン(ダウノルビシン塩酸塩)、ルブラカ(カンシル酸ルカパリブ)、カンシル酸ルカパリブ、ルキソリチニブリン酸塩、リダプト(ミドスタウリン)、サンキューソ(グラニセトロン)、スクレロゾル胸膜内エアロゾル(タルク)、シルツキシマブ、シプロイセルT、ソマチュリンデポー(酢酸ランレオチド)、ソニデギブ、トシル酸ソラフェニブ、スプリセル(ダサチニブ)、STANFORD V、滅菌タルク粉末(タルク)、ステリタルク(タルク)、スチバーガ(レゴラフェニブ)、スニチニブリンゴ酸塩、サストール(グラニセトロン)、スーテント(スニチニブリンゴ酸塩)、シラトロン(ペグインターフェロンアルファ-2b)、シルヴァント(シルツキマブ)、シンリボ(オマセタキシンメペコハク酸塩)、タブロイド(チオグアニン)、TAC、タフィンラー(ダブラフェニブ)、タグラクソフスプ-erzs、タグリッソ(オシメルチニブ)、タルク、タリモジーンラハーパレプベック、クエン酸タモキシフェン、タラビンPFS(シタラビン)、タルセバ(エルロチニブ塩酸塩)、タルグレチン(ベキサロテン)、タシグナ(ニロチニブ)、タバリッセ(フォスタマチニブ二ナトリウム)、タキソール(パクリタキセル)、タキソテール(ドセタキセル)、テセントリク(アテゾリズマブ)、テモダール(テモゾロミド)、テモゾロミド、テムシロリムス、サリドマイド、サロミド(サリドマイド)、チオグアニン、チオテパ、チブソボ(イボシデニブ)、チサゲンレクロイセル、トシリズマブ、トラック(フルオロウラシル-局所)、トポテカン塩酸塩、トレミフェン、トーリセル(テムシロリムス)、トテクト(デクスラゾキサン塩酸塩)、TPF、トラベクテジン、トラメチニブ、トラスツズマブ、トレアンダ(ベンダムスチン塩酸塩)、トレキサール(メトトレキサート)、トリフルリジンおよびチピラシル塩酸塩、トリセノックス(三酸化ヒ素)、タイケルブ(ジトシル酸ラパチニブ)、ユルトミリス(ラヴリズマブ-cwvz)、ユニツキシン(ジヌツキシマブ)、三酢酸ウリジン、VAC、バルルビシン、バルスター(バルルビシン)、バンデタニブ、VAMP、バルビ(ロラピタント塩酸塩)、ベクティビックス(パニツムマブ)、VeIP、ベルケイド(ボルテゾミブ)、ベムラフェニブ、ベネクレクスタ(ベネトクラクス)、ベネトクラクス、ベージニオ(アベマシクリブ)、ビダーザ(アザシチジン)、ビンブラスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩、ビンクリスチン硫酸塩リポソーム、酒石酸ビノレルビン、VIP、ビスモデギブ、ビストガード(三酢酸ウリジン)、ビトラクビ(ラロトレクチニブ硫酸塩)、ビジンプロ(ダコミチニブ)、ボラキサーゼ(グルカルピダーゼ)、ボリノスタット、ヴォトリエント(パゾパニブ塩酸塩)、ヴィキセオス(ダウノルビシン塩酸塩およびシタラビンリポソーム)、ザーコリ(クリゾチニブ)、ゼローダ(カペシタビン)、XELIRI、XELOX、ザイゲバ(デノスマブ)、ゾーフィゴ(二塩化ラジウム223)、ゾスパタ(ギルテリチニブフマル酸塩)、イクスタンジ(エンザルタミド)、ヤーホイ(イピリムマブ)、イエスカルタ(アキシカブタゲンシロロイセル)、ヨンデリス(トラベクテジン)、ザルトラップ(ジブアフリベルセプト)、ザルシオ(フィルグラスチム)、ゼジュラ(トシル酸ニラパリブ一水和物)、ゼルボラフ(ベムラフェニブ)、ゼバリン(イブリツモマブチウキセタン)、ザインカード(デクスラゾキサン塩酸塩)、ジブアフリベルセプト、ゾフラン(オンダンセトロン塩酸塩)、ゾラデックス(酢酸ゴセレリン)、ゾレドロン酸、ゾリンザ(ボリノスタット)、ゾメタ(ゾレドロン酸)、ザイデリグ(イデラリシブ)、ジカディア(セリチニブ)、ザイティガ(酢酸アビラテロン)を挙げることができる。
一部の実施形態において、組成物は、対象がアジュバントまたはネオアジュバント化学療法で処置された後に投与される。一部の実施形態において、組成物は、対象がアジュバントまたはネオアジュバント化学療法で処置された後の1~90日に投与される。
一部の実施形態において、上記の方法は、第2の用量の組成物を対象に投与するステップをさらに含む。第2の用量は、第1の用量が投与された後の1~30日に対象に投与され得る。
IV.定義
本開示による組成物および方法の詳細な記載を理解するのを助けるために、いくつかの明白な定義は、本開示の様々な態様の一義的な開示を容易にするために提供される。別段定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的、科学的用語は、本開示が属する当業者により通常理解されるのと同じ意味を有する。
本明細書で使用される場合、用語「対象」および「患者」は、対象が任意の形態の処置を有するか、現在受けているかにかかわらず互換的に使用される。本明細書で使用される場合、用語「1体の対象」および「複数の対象」とは、任意の脊椎動物を指すことができ、限定されないが、哺乳動物(例えばウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、およびマウス、非ヒト霊長類(例えばカニクイザル、チンパンジーなどのサル)、ならびにヒト)を含む。対象は、ヒトまたは非ヒトであり得る。本文脈において、「正常な」、「対照の」、または「参照の」対象、患者、または集団は、それぞれ、検出可能な疾患または障害を呈していないものである。
用語「疾患」は、本明細書で使用される場合、用語「障害」および「状態」(医学的な状態)と一般に同義であることが意図され、互換的に使用されるので、すべては、ヒトもしくは動物の身体、または正常な機能が障害されたその部分の1つの異常な状態を反映し、兆候および症状を区別することにより典型的に明らかになり、ヒトまたは動物が生命の期間または質を低下させることになる。
本明細書で使用される場合、「がん」とは、身体における異常細胞の制御されない成長で特徴付けられる疾患の広範な群を指す。非調節細胞の分裂は、近接組織に浸潤する悪性腫瘍または細胞の形成をもたらし得、リンパ系または血流によって身体の遠位部分に転移し得る。
「アポトーシス」とは、細胞が死滅するようにプログラムされたプロセスを指す。アポトーシスは、ミトコンドリアからのシトクロムの漏出により通常は誘発され、電子伝達系を介したミトコンドリアおよびエネルギーポテンシャルの低下、反応性酸素種およびフリーラジカルの増加、ならびに膜の完全性の消失をもたらす、シグナル伝達カスケード(カスパーゼおよび他のタンパク質)を伴う。
本明細書で使用される場合、「処置」もしくは「処置すること」、または「軽減すること」もしくは「改善すること」は、互換的に使用される。これらの用語は、治療利益および/または予防的利益を含むが限定されない有益なまたは所望の結果を得るアプローチを指す。治療利益とは、処置下にある1つまたは複数の疾患、状態、または症状における任意の治療的に適切な改善または効果を意味する。予防的利益に対して、組成物は、疾患、状態、または症状がすでに明らかになっていない場合でも、特定の疾患、状態、もしくは症状を発症するリスクのある対象、または疾患の生理学的な症状のうちの1つまたは複数を報告する対象に投与することができる。
用語「予防する」、「予防すること」、「予防」、「予防的処置」などは、障害または状態を有していないが、そのリスクまたは発症しやすい対象において、障害または状態を発症する可能性を低下させることを指す。
本明細書で使用される場合、用語「阻害する」または「ブロックする」とは、互換的に使用され、少なくとも約50%、例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、99%、または100%の部分的かつ完全な阻害/ブロックの両方を包含する。
用語「減少」、「低下した」、「低下」、「減少する」、または「阻害する」は、概して統計的に有意な量の減少を意味するように、本明細書ですべて使用される。しかし、誤解を避けるために、「低下した」、「低下」、または「減少する」もしくは「阻害する」とは、参照レベルと比較して少なくとも10%の減少、例えば、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の減少、もしくは最大100%もしくは100%を含む減少(例えば、参照試料と比較して不在レベル)、または参照レベルと比較して10~100%の任意の減少を意味する。
用語「増加した」、「増加する」または「向上する」または「活性化する」は、概して統計的に有意な量の増加を意味するように、本明細書ですべて使用され、誤解を避けるために、用語「増加した」、「増加する」または「向上する」または「活性化する」とは、参照レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の減少、もしくは最大100%もしくは100%を含む増加、または参照レベルと比較して10~100%の任意の増加、または少なくとも約2倍、もしくは少なくとも約3倍、もしくは少なくとも約4倍、もしくは少なくとも約5倍、もしくは少なくとも約10倍、または参照レベルと比較して2倍~10倍以上の任意の増加を意味する。
用語「実質的に」は、「完全に」を排除せず、例えば、Yを「実質的に含まない」組成物は、Yを完全に含まない可能性がある。必要な場合、用語「実質的に」は、本発明の定義から省略し得る。
本明細書で使用される場合、用語「およそ」または「約」とは、目的の1つまたは複数の値に適用するので、記述した基準値に類似する値を指す。一部の実施形態において、用語「およそ」または「約」とは、別段の記載がない、または文脈から明らかではない限り、記述した基準値のいずれかの方向(それ超もしくはそれ未満)で、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満に含まれる値の範囲を指す(このような数値が可能な値の100%を超える場合を除く)。本明細書で別段の指示がない限り、用語「約」とは、値、例えば、個々の成分、組成物、または実施形態の機能性に関して同等である、記載した値に近傍な重量パーセントを含むことが意図される。
用語「有効量」、「有効用量」、または「有効投与量」とは、所望の効果を達成するか、または少なくとも部分的に達成するのに十分な量として定義される。薬物または治療剤の「治療有効量」または「治療有効投与量」は、単独でまたは別の治療剤と組み合わせて使用するとき、疾患の症状の重症度の低下、疾患の症状がない時期の頻度および期間の増加、または疾患の苦痛による障害もしくは無能力の予防により確認される疾患の退縮を促進する、薬物の任意の量である。薬物の「予防有効量」または「予防有効投与量」は、疾患を発症するリスクのある、または疾患の再発に苦しむ対象に、単独でまたは別の治療剤と組み合わせて投与するとき、疾患の再発の発症を阻害する薬物の量である。治療剤または予防剤の疾患の退縮を促進する、または疾患の発症もしくは再発を阻害する能力は、例えば、臨床試験中のヒト対象、ヒトにおける有効性が予想される動物モデルシステム、またはin vitroアッセイにおける薬剤の活性のアッセイなどの当業者に知られている様々な方法を使用して評価することができる。
用量は、多くの場合、体重に対して表される。ゆえに、[g、mg、または他の単位]/kg(またはg、mgなど)で表される用量は、通常、用語「体重」が明確に言及されていない場合でさえ、「体重1kg(または1g、1mgなど)当たりの」[g、mg、または他の単位]を指す。
例として、抗がん剤は、対象において、がんの進行を遅延させる、またはがんの退縮を促進する薬物である。好ましい実施形態において、治療有効量の薬物は、がんを排除する点までがんの退縮を促進する。「がんの退縮を促進すること」とは、有効量の薬物を、単独でまたは抗新生物剤と組み合わせて投与することが、患者において、腫瘍成長もしくはサイズの減少、腫瘍の壊死、少なくとも1つの疾患の症状の重症度の低下、疾患の症状がない時期の頻度および期間の増加、疾患の苦痛による障害もしくは無能力の予防、または疾患の症状の改善をもたらすことを意味する。薬理学的な有効性とは、患者のがんの退縮を促進する薬物の能力を指す。生理学的な安全性とは、薬物の投与に起因する細胞、臓器、および/または生物体レベルでの、許容可能な低レベルの毒性または他の有害な生理学的な効果(有害効果)を指す。
腫瘍の処置の例として、治療有効量または投与量の薬物は、未処置の対象に対して、好ましくは少なくとも約20%、より好ましくは少なくとも約40%、さらにより好ましくは少なくとも約60%、なおより好ましくは少なくとも約80%細胞成長または腫瘍成長を阻害する。最も好ましい実施形態において、治療有効量または投与量の薬物は、完全に細胞成長または腫瘍成長を阻害する、すなわち、好ましくは100%細胞成長または腫瘍成長を阻害する。腫瘍成長を阻害する化合物の能力は、以下に記載されるアッセイを使用して評価することができる。腫瘍成長の阻害は、処置の直後であり得、ある期間の後、または反復投与の後にのみ起こり得る。あるいは、組成物のこの特性は、細胞成長を阻害する化合物の能力を検査することにより評価することができる。この阻害は、当業者に知られているアッセイによりin vitroで測定することができる。本明細書に記載される他の好ましい実施形態において、腫瘍の退縮は、観察することができ、少なくとも約20日間、より好ましくは少なくとも約40日間、またはさらにより好ましくは少なくとも約60日間継続し得る。
本明細書で使用される場合、「投与すること」とは、当業者に知られている様々な方法および送達システムのいずれかを使用して、対象に治療剤を含む組成物の物理的な導入を指す。本明細書に記載される抗体に対する好ましい投与経路として、静脈内、腹腔内、筋肉内、皮下、脊髄または他の非経口の投与経路、例えば、注射または注入が挙げられる。成句「非経口投与」とは、本明細書で使用される場合、通常注射による経腸および局所投与以外の投与の様式を意味し、限定されないが、静脈内、腹腔内、筋肉内、動脈内、鞘内、リンパ管内、病変内、包内、眼窩内、心内、皮内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外、および胸骨内の注射および注入、ならびにin vivo電気穿孔が挙げられる。あるいは、本明細書に記載される組成物は、局所、表皮、または粘膜の投与経路、例えば、鼻腔内、経口、経膣、直腸、舌下、または局所的などの非腸管外経路を介して投与することができる。投与することはまた、例えば、1回、複数回、および/または1回もしくは複数回の長期間にわたって実施することができる。
用語「薬剤」は、化学化合物、化学化合物の混合物、生物学的な巨大分子(例えば、核酸、抗体、タンパク質もしくはその一部、例えばペプチド)、または細菌、植物、真菌もしくは動物(特に哺乳動物)の細胞もしくは組織などの生体物質から作製された抽出物を示すのに本明細書では使用される。このような薬剤の活性は、対象において局部的または全身的に作用する、生物学的、生理学的、または薬理学的に活性な物質(複数も可)である「治療剤」として好適化し得る。
用語「治療剤」、「治療可能な薬剤」、または「処置剤」は、互換的に使用され、対象に投与するといくつかの有益な効果を付与する分子または化合物を指す。有益な効果として、診断決定の実現;疾患、症状、障害、または病態の改善;疾患、症状、障害、または状態の開始を低減または予防すること;および疾患、症状、障害、または病態を概して反対に作用することが挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「医薬品グレード」とは、薬物のある特定の指定された生物学的に活性および/もしくは不活性な成分が、ある特定の指定された絶対および/もしくは相対濃度、純粋および/もしくは毒性限界内にあるべきであること、ならびに/または、成分が、所望の生理活性アッセイにより測定されるある特定の活性レベルを呈すべきであることを意味する。さらに、「医薬品グレードの化合物」として、任意の活性または不活性の薬物、生物製剤または試薬が挙げられ、これに対する化学的純度基準は、認識された国または領域の薬局方(例えば、米国薬局方(USP)、英国薬局方(BP)、国民医薬品集(NF)、欧州薬局方(EP)、日本薬局方(JP)など)により確立されている。医薬品グレードは、局所、眼、非経口、経鼻、肺管、粘膜、経膣、直腸、静脈内などを含む手段による投与に対する適合性をさらに組み込む。
用語「誘導体」とは、本明細書で使用される場合、別のものに構造的に関連する化学物質、すなわち、「本来の」物質を指し、「親」化合物を指すことができる。「誘導体」は、1つまたは複数のステップにおいて構造的に関連する親化合物から作製することができる。成句「密接に関連する誘導体」とは、その分子量が親化合物の重量を50%より多く超過しない誘導体を意味する。密接に関連する誘導体の全体的な物理的および化学的特性はまた、親化合物と類似する。
「併用」療法とは、本明細書で使用される場合、別段文脈から明らかではない限り、連携した様式で2つ以上の治療剤の投与を包含することを意味し、限定されないが、同時投薬を含む。具体的には、併用療法は、同時投与(例えば混合製剤の投与または別々の治療用組成物の同時の投与)、および連続または逐次的な投与の両方を包含するが、ただし1つの治療剤の投与は、別の治療剤の投与のいくつかの方法で調整する。例えば、1つの治療剤は、異なる治療剤を投与した後にのみ投与し、所定の時間作用することを可能にする。例えば、Kohrtら、(2011)Blood 117:2423を参照のこと。
「試料」、「試験試料」、および「患者試料」は、本明細書で互換的に使用することができる。試料は、血清、尿血漿、羊水、脳脊髄水、細胞(例えば抗体産生細胞)または組織の試料であり得る。このような試料は、患者から得て直接使用することができる、または例えば、濾過、蒸留、抽出、濃縮、遠心分離、干渉する成分の不活性化、試薬の添加などにより、前処置して、本明細書で考察しているもしくは当該技術分野において知られているいくつかの手法で試料の特徴を変更することができる。用語「試料」および「生体試料」とは、本明細書で使用される場合、試験される、および/または抗体などの目的の分析物を含有すると疑われる生体物質を一般に指す。試料は、対象由来の任意の組織試料であり得る。試料は、対象由来のタンパク質を含み得る。
任意の細胞種、組織、または体液を利用して、試料を得ることができる。このような細胞種、組織、および液体として、生検および検死の試料などの組織の切片、組織学的目的で採取された凍結切片、血液(例えば全血)、血漿、血清、喀痰、便、涙、粘液、唾液、毛髪、皮膚、赤血球、血小板、間質液、眼の水晶体液、脳脊髄液、汗、鼻液、関節液、月経分泌物、羊水、精液などが挙げられる。細胞種および組織として、リンパ液、腹水、婦人科系の液体、尿、腹膜水、脳脊髄水、膣をすすいで得られた液体、または膣を洗浄して得られた液体も挙げられる。組織または細胞種は、動物由来の細胞の試料を除去することにより提供することができるが、予め単離した細胞(例えば、別の人、別の時間、および/または別の目的で単離する)を使用することにより達成することができる。処置または転帰歴を有するものなどの保存組織もまた使用することができる。タンパク質の精製は必要ではない。
尿、血液、血清、および血漿、ならびに他の体液を収集する、取り扱う、および処理するための当該技術分野に周知されている方法は、例えば、本明細書で提供される抗体が免疫診断の試薬として、および/またはイムノアッセイのキットにおいて利用されるとき、本開示を実施するのに使用することができる。試験試料は、抗体、抗原、ハプテン、ホルモン、薬物、酵素、受容体、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド、またはポリヌクレオチドなどの目的の分析物に加えて、さらなる部分を含み得る。例えば、試料は、対象から得られる全血試料であり得る。試験試料、特に全血が、例えば前処置試薬で、本明細書に記載されるイムノアッセイの前に処置する必要があり得る、または所望され得る。前処置が必要でない場合でさえ、前処置は、必要に応じて、単なる利便性のために(例えば市販のプラットフォームでのレジメンの一部として)行うことができる。試料は、対象から得て直接、または前処置に続いて使用して、試料の特徴を変更することができる。前処置として、抽出、濃縮、干渉する成分の不活性化、および/または試薬の添加が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「in vitro」とは、多細胞生物内ではなく、人工的な環境、例えば、試験管または反応器、細胞培養などにおいて起こる事象を指す。
本明細書で使用される場合、用語「in vivo」とは、非ヒト動物などの多細胞生物内で起こる事象を指す。
本明細書および添付の請求項の範囲において使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、明らかに別の意味で指示された文脈でない限り、複数形を含むことは留意されたい。
用語「含むこと(including)」、「含むこと(comprising)」、「含有すること(containing)」、または「有すること(having)」、およびその変形は、以下に列挙される項目およびその等価物、ならびに別段の記載がない限り、追加の主題を包含することを意味する。
成句「一実施形態において」、「様々な実施形態において」、「一部の実施形態において」などは、繰返し使用される。このような成句は、同じ実施形態を必ずしも指さないが、別の意味で指示された文脈でない限り、同じ実施形態を指すことができる。
用語「および/または」または「/」とは、項目のいずれか1つ、項目の任意の組合せ、またはこの用語が関連する項目のすべてを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「およそ」または「約」とは、目的の1つまたは複数の値に適用するので、記述した基準値に類似する値を指す。一部の実施形態において、用語「およそ」または「約」とは、別段の記載がない、または文脈から明らかではない限り、記述した基準値のいずれかの方向(それ超もしくはそれ未満)で、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ未満に含まれる値の範囲を指す(このような数値が可能な値の100%を超える場合を除く)。本明細書で別段の指示がない限り、用語「約」とは、値、例えば、個々の成分、組成物、または実施形態の機能性に関して同等である、記載した値に近傍な重量パーセントを含むことが意図される。
本明細書で使用される場合、用語「各」とは、項目の集合を言及するのに使用されるとき、集合内の個々の項目を識別することを意図するが、集合のすべての項目を必ずしも指さない。例外は、明示的な開示または明らかに別の意味で指示された文脈である場合に起こり得る。
本明細書で提供されるあらゆる例または例示的な言語(例えば「など」)の使用は、本発明をより良好に照らすことだけを意図しており、別段の請求がない限り、本発明の範囲に制限をもたらさない。本明細書における言語は、本発明の実施に必須な任意の請求されていない要素を意図すると解釈すべきではない。
本明細書に記載されるすべての方法は、別段本明細書で記載がない限り、または別段文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の好適な順で実施される。提供される方法のいずれかに関して、方法のステップは、同時にまたは逐次的に起こり得る。方法のステップが逐次的に起こるとき、ステップは、別段の記載がない限り、任意の順で起こり得る。
方法がステップの組合せを含む場合、ステップのどの組合せも、またはどの副次的な組合せも、別段の記載がない限り、本開示の範囲に包含される。
本明細書で引用される各出版物、特許出願、特許、および他の参照文献は、本開示と矛盾しない程度に、その全体を参照により組み込まれる。本明細書に開示される出版物は、本発明の出願日前の開示のみ提示される。本明細書では、事前の発明に基づき、本発明がこのような公開に対して先行する権利はないことの承認として解釈されることはない。さらに、提供された公開日は、実際の公開日とは異なる場合があり、これは独立して確認する必要がある。
本明細書に記載された例および実施形態が、例示の目的のみであり、その観点から、様々な修正または変更が、当業者によって示唆され、本明細書の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれるべきであると理解される。
[実施例1]
化学療法後の回復における本発明の組成物の効果
本実施例において、本発明の組成物は、本明細書に開示される場合、潜在的な潅流不足を補正し、細胞内電解質および重症肢虚血(CLI)に関連する代謝異常を補正する可能性のある、静脈内(IV)薬物療法として開発された(図6)。
本発明の組成物(本研究において「RJX」とも言う)は、有酸素運動に近いが同時に起こる酸素負荷を伴わないアルカリ性の反発に続いて、酸性血流のpHシフトを起こすことができる、酸塩基化学成分を含有する。これらの成分はまた、代謝的な利点を引き出す潜在性を有し得る。本発明の組成物はまた、マグネシウムの濃度を血流にもたらすが、これは、細胞内イオン種の「レベル」を再平衡する酸塩基化学で行うことができる。本発明の組成物はまた、炎症シグナル伝達および高血圧を下方制御し、免疫誘導性の形態を抑制しながら神経および動脈において一酸化窒素の機能を回復するのに好ましい、細胞内のカルシウムおよび細胞内アシドーシスの解消を低減させる。本発明の組成物はまた、抗酸化剤およびBビタミンの代謝鎖のリソースを増加させるが、これは、代謝的な酸化ストレスを軽減する電気分解の補正とともに行う。
化学療法関連の疲労の領域での調査により、この効果が「がん生存者の大部分に対して正常な機能および生活の質を著しく破壊させ得、がん処置に続く数年持続し得る」ことが認識される1。実際に、疲労は、75~99%の患者に影響を及ぼす、がんの最も幅広い有害な副作用であると考えられている2。このような場合の持続する疲労の原因がまだ完全に理解されていないが、「慢性炎症、自律神経失調症、HPA軸機能障害、および/またはミトコンドリア損傷が、正常なニューロンの機能の破壊に寄与し得る」ことが証拠から示唆される1。全身の萎縮を伴う筋肉低下、ミトコンドリアの数の低下、および酸化ストレスの増加は、化学療法後の疲労の一般的に引用される他の要素である2。がん関連の疲労に対する診断マーカーは、表1.1に提示する1。
このような疲労を軽減するために、文献では、運動(Exerc Immunol Rev.、2016年;22:82~93)、マグネシウムおよびBビタミンを含む代謝鎖の補給(Nutrients、2016年3月;8(3):163)、およびアスコルビン酸を含む抗酸化剤の補給が認識されている。記載された組成物が酸塩基成分を利用して運動のような血流応答を刺激することを認識することで、マグネシウム、Bビタミンおよびアスコルビン酸(他の成分中)を送達しながら、記載された組成物は、化学療法後の疲労に対処するその潜在性について研究されている。
化学療法後の患者の概要
本報告は、カテゴリーAの特別なアクセスプロセスを通してオーストラリア保健省薬品・医薬品行政局(FDAと類似の官庁)により認可された、記載された組成物での69歳のオーストラリア人男性の処置に関する。以下の表1.2の通り、R-hyper CVAD化学療法レジメンでの「ダブルヒット」非ホジキンリンパ腫に対する処置の後、患者を記載された組成物で処置した。
レジメンは、非ホジキンリンパ腫に対してeviQの処置プロトコルのhyper CVAD 部分AおよびBによって処方された。eviQは、オンラインのオーストラリア政府の根拠に基づいたがん処置の情報のウェブサイトであり、最良の根拠に基づいたがん処置の実用プロトコルに対するガイドとして、オーストラリア、および次第に全世界からアクセスされる。
化学療法レジメンの間およびその後、患者は、極度の疲労を呈した。例えば、患者は、「台所を単に歩き終わるときに数十秒間立ち止まり、休憩する必要がある」と報告された。加えて、認知的エンゲージメントでの障害では、患者が、「精錬された」会話に関与すること、または化学療法前の状態と一致した手法で「適切に選ばれた巧みな」言葉でコミュニケーションを取るができなかったとして報告された。障害の全リストは、記載された組成物での処置に続く回復状態との症状の比較とともに、以下の「結果の概要の節G」に提示する。
したがって、組成物による療法により、記載された通り、このような症状に対して患者の緩和を促進するように提案された。組成物の投薬は、最終化学療法処置に続く16日を開始し、以下の表1.3の通り、いくつかの用量は休日およびクリスマスの中断のためにより長く間隔(それぞれ11日の中断および17日の中断)をあけたが、週3回(月水金)の標的の用量頻度で送達された。
用量レジメンは、100mlの生理食塩水で希釈し、45分にわたってIVを介して送達された、記載された組成物の20mlの用量からなった。モニタリング要素として、静脈血ガスを、投薬の直前のT=0分、投薬の間のT=30分、およびおよそT=60分(注入の終了の15分以内)での投薬に続いて測定した。血ガスのパラメーターは、静脈のpH、HCO3
-、sO2、pO2、TCO2、pCO2、K+、Ca+2、グルコース、ヘマトクリット% PCV、ヘモグロビン濃度を含んだ。血ガスを、最初の8回の注入に対して各注入で測定した後、月曜日の各注入で週1回測定した。
結果の概要:
特定の応答を、以下の節に記載される通り、以下に関して記載した。
A)疲労症状の緩和
B)3週間の血液属性の変化
C)薬物投与の結果としてのpHシフト
D)電解質の刺激された交換
E)刺激された血糖応答
F)酸素に対するヘモグロビンの親和性の向上を介する急性潅流
G)下降した状態からの急速な赤血球およびヘモグロビンの回復
H)血管拡張状態に付勢して進行する急性の血管拡張応答
I)運動後の相の応答と類似した血圧および心拍数の用量応答
A)疲労症状の緩和
臨床的見地から、換言すると、リンパ腫の緩解に言及するのとは別に患者にとって何が最も意味のあったかについて、組成物の注入を開始した後の疲労の症状の転換が最も著しかった。留意することが重要なのは、化学療法を完了した後、フォローアップのPETスキャン以外に医師から追加の支援が得られず、身体的、精神的に消耗していた。化学療法後の疲労の緩和は、生活を変える悪影響にもかかわらず、示唆も提供もなされなかった。
患者の介護者の記述において「記載された」疲労症状:
・ 患者は、「全体的で完全な疲労およびエネルギーの枯渇」を呈した。「疲労が、ギロチンと同様に鋭くなり、直ちに動作を停止せざるを得ず、ものを持っている場合、それを下へ置くもしくは渡す必要があるか、または落としそうになる。横になると、徐々に再び消耗を感じる。精神は依然として完全に用心深いままであり、次いで、1分以内に入眠する。」
・ 同様に重症で衰弱性の型の疲労は、精神的疲労および失見当識であった。患者は、「考えを、考えたり動いたりする流れにまとめたり、順序立てたりすること」ができなかった。「記憶は鮮明であると報告するが、2つの記憶をつなぎ合わせることができず、精神のこの状態、処置にわたって継続した超現実的な経験を観察することができた。」会話を続けようとするとき、「脳が、」身体的な疲労の重さの下で「追いつくのに数秒超かかる。」
以下は、患者の介護者の記述において「記載された」疲労症状の緩和の記録である。適用できる列挙した解消の時間に留意されたい。
化学療法後:(以下に強調した残存する症状)
1.最初の数週間以内に、「精神的疲労および失見当識」は、「著しく」向上すると観察された。
2.最初の4週間にわたって、「数時間持続する労作後倦怠感が持続した」が、28日目から、患者の「疲労感は、労作レベルに対して正常値として予期するものである。」
3.85日目までに、「全身虚弱または四肢重感はほぼ消失する。」患者は、「RJX(注:記載された組成物)での処置の第2の週の後に明らかになった段階的で安定な改善を経験した。」患者は、「ジムに長い期間、定期的に通っており、化学療法の間の中断期間でさえ、たとえウェイトや強度が大幅に低下させたとしてもできる限り通っていた。」65日目までに、「完全なトレーニングルーティンおよび最大限のウェイト、ならびに完全な正常な活動に戻った。」
4.85日目までに、「集中または注意の低下が、依然として起こるが、毎日ではなく、一度に1時間または2時間のみである」が、集中の持続は、大幅に回復した。
5.85日目までに、「短期記憶の消失が、依然として偶発的に起こり、ランダム(2、3日に1回)に起こる」が、短期記憶は、大幅に回復した。
6.85日目までに、「動機付けの低下は、全くなかった。」
7.85日目までに、「不眠は、睡眠の質とともに、著しく改善している。」
8.85日目までに、患者は、「良かろうが、悪かろうが、または無関心であろうが、物事に対して疲労を感じず、より情動的である」と報告した通り、係合した情動活動での増加を呈した。
B)9日および85日後の血液属性の変化
血液属性の比較を、記載された組成物での先行処置(多くのマーカーに対して11/26、選択マーカーに対して8/17)と、85日間のうちの9日間および28日間における4用量の投与後との間で行った。表1.5(9日の結果)および表6(85日の結果)に概説される通り、健康な応答は、エネルギー、免疫機能および炎症、酸素結合能、ならびに様々なシステムレベルの効果を表すマーカーに対して観察された。エネルギーマーカーにより、解消した疲労の患者の経験と一致する甲状腺機能(代謝速度と相関)の改善が示唆された。様々なマーカーはまた、炎症シグナル伝達の低下を示したが、これは、とりわけ、将来的ながんリスクおよびDVT凝塊リスクの低下を示すことができる。様々なマーカーはまた、貧血から解消する進行を示したが、これは、適切な酸素送達を確実にする鍵である。加えて、様々なマーカーは、内皮機能の潜在的な改善および骨障害のリスクの潜在的な低下とともに、肝臓、腎臓の機能における潜在的な向上を示唆する。PSAのわずかな上昇が、9日目に観察されたが、値は、依然として患者に対する年齢の正常値内であった。PSAスコアが運動により影響を受け得ることを考慮に入れると、PSAの結果は、記載された組成物の運動のような刺激に続いて一時的に付勢させた可能性がある(Kindermann Wら、Urologe A.2011年;50(2):188~196)。85日目までに、総PSAの全体の減少が観察された。
本報告において特徴付けるもののような早期の患者データという贅沢がもたらされ、Revenは、第II相の臨床業務に対する包括的なモニタリング計画を設計する。同時に、Revenを、患者の治癒をもたらす重要なモードの熟慮した予測で第II相試験に入るように配置する。
表1.5の多くの結果が考察を生むが、WBC数の解釈は与えられる。フィルグラスチムを、化学療法後/記載された組成物の投与前に投与して、正常中間値のWBC数を達成した。次いで、記載された組成物は、抗炎症性のアルカリ環境(アルカリ性への完全な代謝鎖+アルカリ性の反発)を促進して、炎症性マクロファージを潜在的に明らかにした可能性がある。そのため、マクロファージの全数を低下させるように作用することができ、炎症誘発性表現型(例えば、M1、CD16+)と抗炎症性表現型(例えば、M2、CD16-)との比を変更する可能性がある。文献において、2.5<x<7.0(E9/L)のWBC数が、NSLCがんに有益であり得ることが観察された。
生存能力(記載された組成物:8.1→3.9)(Technol Cancer Res Treat.2018;17:1533033818802813)。びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫に対して、生存能力は、単球全体(記載された組成物:1.5→0.9)および好中球(記載された組成物:3.9→2.3)が減少した場合、および炎症誘発性/抗炎症性単球(測定せず)が低い場合に改善した(Oncotarget.2017年7月18日;8(29):47790~47800)。
C)薬物投与の結果としてのpHシフト
記載された組成物の投薬に応じて、観察できる運動のようなpHシフトを観察することができる。図7における0日目の応答で示す通り、pH応答(黒色)は、腎臓および呼吸器のプロセスが刺激を解消するので、酸性シフトと続くアルカリ性の反発を呈することができる。2日目において、潜在的に粗野な測定頻度の人為的な結果として、酸性シフトを観察しなかった。61日目はまた、長期的な見地に対して提示される。pHと並んで、HCO3
-(灰色の点線)は、垂直方向に応答する、または反対方向に移動することができる。これらの関係の性質は、依然として研究段階であるが、シグナルは、a)細胞内への/細胞内からのHCO3
-流、b)腎活性からのHCO3
-再循環/産生、c)呼吸器負荷であるCO2およびH2Oの状態からHCO3
-およびH+の状態まで平衡をシフトする炭酸脱水酵素の作用のバランスを提示すると考えられる。
D)電解質の刺激された交換
記載された組成物の投薬に応じて、観察できる電解質交換を観察することができる。一般に、おそらくATPアシスト交換プロセスがコルチゾールから血流にCa2+を移動することを可能にした、または酸性状態における変化が骨などのCa2+リザーバーへのおよびリザーバーからの交換を管理したので、Ca2+は特定の点で上昇することが通常見られた。K+の提示は、おそらくATPアシストプロセスが血液からコルチゾールにK+を移動することを可能にしたので、処置後に低下することが見られた。持続的な処置にわたって、低血流のK+の独特の傾向は留意され得る(0日目、2日目、対、82日目、図8)。これは、細胞が運動出力の潜在性に対して必要に応じて細胞内K+の状態(血液から希薄化する)をより良好に維持することができることを示す可能性がある。
E)刺激された血糖応答
記載された組成物は、通常、観察できる血糖応答を刺激する。図9に示す通り、グルコースレベルを、80mg/dlの正常低値から100mg/dlの正常中間値レベルに用量1の間に補正した。これは、代謝使用にグルコースがより良好に最適である副腎および下垂体の機能の回復を示す。注意として、血糖の上昇は、用量1の2日前に血中で測定し(表1.5)、用量1の直前に正常値の下位で測定した(図9)。血糖における高い可変性は、迷走神経機能の障害の1つの徴候であるが、これは、副交感神経および交感神経の応答を同等にして、血糖、心拍数、および血圧を維持する。記載された組成物が迷走神経の制御の代謝的要素を回復するのを助け、記載された組成物の運動のような刺激が必須なシステムを「トレーニングして」より良好に連携する可能性がある。
F)酸素に対するヘモグロビンの親和性の向上を介する急性潅流
記載された組成物はまた、酸素状態における変化を誘発する(図10)。第1の用量応答で分かる通り、血中酸素(静脈sO2)は、45%から87%に迅速に補正された。さらに、sO2の状態は、1週間、間隔が空いたときでさえ、用量間で>77%を維持した。1つの例外として、入ってくるsO2の状態は、用量6と7との間の20日間の休日の中断の後、60%に低下した。用量7の間(示さず)、sO2は再び補正し、T0以外のすべてにおいて77%超を観察した。考えられる説明として、記載された組成物は、赤血球細胞中の細胞内HCO3
-を増加させて、ヘモグロビンが代わりにO2を運ぶようにH+をより良好に吸収し得る。また、記載された組成物は、細胞代謝を改善して、H+を低下させ得る。
G)下降した状態からの急速な赤血球およびヘモグロビンの回復
患者は、化学療法レジメンの結果、貧血状態を呈した。ヘマトクリット状態は、従来の正常低値状態の37%に対して、(T0およびT60、0日目の測定に基づいて)24%~27%である。治療の経過の間、ヘマトクリットの安定な増加が、(前の節で紹介したように)観察された。貧血からの回復の速度を確立するために、最初の6つの処置に対するT60(事後用量-最終)のヘマトクリット値を、図11に示す通りプロットした。T60値は、最も血管拡張した状態を提示し、理想的には血管拡張の一定レベルを提示するように選ばれた。図11に示す通り、最初の5用量を行って、20日間のスパンにわたって評価した場合RBC画分で33%増加することを引き起こした。この回復曲線が、現在の業界大手EPOGENで引用された値と同様であることも注目に値する。記載された組成物が毎日投与することができることを認識することで、応答の速度が異なる投与戦略またはより密な投薬スケジュールで改善され得る場合に確立することを将来の研究に残す。
この応答は、投薬の間に刺激されるpO2シグナルの低下に部分的によるものであると考えられる(図11)。このようなpO2の低下は、骨髄のRBC成長に拍車をかける腎臓からのEPO(骨髄の赤血球の産生を調節する腎臓の細胞で産生される、天然に存在するホルモン)放出を刺激すると予期される。アルカリ性の反発の因子(図7)は、文献ではHCO3
-の状態が赤血球応答にリンクすると示唆されるので、骨髄でRBC酸性を促進する潜在性を有する第2の因子である。
H)血管拡張状態に進歩的に付勢する急性の血管拡張応答
酸性の血流刺激、ならびに記載された組成物のマグネシウムおよびニコチンアミド成分の結果として、エンドセリン、プロスタサイクリン、およびNO-sGCの血管拡張経路を促進すると考えられる。これは、血管の供給量の増加を起こし、液体が細胞内から引き出して血圧を維持することを必要とし、運動に応じて認識されるような抗炎症性プロセスを効果的に促進する。血管拡張の代理としての徴候として、ヘマトクリットの赤血球画分における急激の変化を研究した。ヘマトクリット提示の物質変化が秒ではなく日の時間尺度で起こることを考慮に入れると、ヘマトクリット濃度の急激な低下は、血漿体積の増加を提示すると解釈された。
図12に示す通り、測定可能な血管拡張は、T0ヘマトクリット濃度に基づく開始の血管拡張、およびT60ヘマトクリット濃度に基づく最終「100%」の血管拡張における差異により示される、投薬の結果として観察された。「100%」の定義が、プロットの利便性に対して、理論的に原理を伝達するために選ばれる一方、絶対的な血管拡張は、両方の状態において血管の体積を特徴付ける放射性トレーサー研究をせずに数的に擁護することができず、実現不可能であると考えられた。それにもかかわらず、データにより、実質的な血液体積の拡張(血管拡張)が観察されたことが示唆された。さらに、血管拡張の程度は、最初の6用量において高い可変性があり、処置の間に観察された追加の拡張はほとんどなく用量7~10に対してT0で安定であることが観察された。患者が、おおよそ同時に快適性の期間が延長したと最初に感じると報告したことを考慮に入れると、血管拡張の制御システムが療法によって上昇した機能状態に回復したので、脈管構造が、より名目上は血管拡張されているパターンに安定化していたと考えられる。図12Bの下の表もまた、投薬サイクルにわたってヘマトクリットの継続的な上昇を示し、赤血球の状態の回復を示す(次の節でさらに考察する)。
I)通常の運動後の応答と類似した血圧および心拍数の用量応答
投薬に対する患者の応答での別の観察として、心拍数および血圧のシグナルは、通常の運動後の応答を伴ういくつかの行動パターンを分け合ったことが観察された8。用量開始後(図13、用量26、82日目)、収縮期血圧は、運動後の応答に類似する手法で数分の枠で低下することが分かった。心拍数のシグナルはまた、運動後の運動相に類似した手法で再び、75分の観察枠にわたって着実に低下したプロファイルを示した。記載された組成物由来の改善した酸素化が、代謝要求をより容易に満たすことが可能にしたので、心拍数および血圧が低下して、エネルギー供給のバランスを維持する。これらの運動後のようなシグナルに加えて、拡張期の低下は、用量開始に続いて観察され、応答が図12に示すような、血管拡張事象を示す可能性がある。
8)最大下の運動中の中核温度の測定:食道、直腸、および腸の温度(Lee、Stuart&Jon Williams、W&M Schneider、Suzanne(2000年).Core Temperature Measurement During Submaximal Exercise:Esophageal,Rectal,and Intestinal Temperatures)。
結論の概説:
記載された組成物は、患者の適用において、軽減し、次いで、化学療法後の疲労を完全に消失することが観察された。本報告において記載されるのは、以下の作用である:
A)疲労症状の軽減:様々な生活を変化する症状を解消して、健康および安寧において測定可能な改善をもたらした。
B)21日間にわたって6用量に続いて測定可能な血液中の変化は、エネルギー、免疫機能および炎症、酸素結合能、ならびに様々なシステムレベルの効果における健康における有益な変化を潜在的に示した。
C)アルカリ性の反発およびHCO3
-の提示の上昇を伴うpHシフト事象を誘発し、運動中および運動後に血流で見られるものと類似する。
D)運動と一致する手法における電解質の交換を刺激し、血流カリウムの低下を具体的に示し、細胞内カリウムのより高度な維持を潜在的に暗示する。
E)運動と一致する手法において血糖応答を刺激し、非常に最初の用量の間に正常低値から正常中間値への増加を示し、80日の観察期間にわたって持続した。
F)酸素に対するヘモグロビンの親和性の向上を介する急性潅流、第1の用量の間に45%から87%までのsO2で酸素送達の障害の解消を具体的に示し、その後永続的に観察した。
G)下降した状態からの急速な赤血球およびヘモグロビンの回復、最初の5用量に続く20日目の処置による33%の増加を具体的に示す。
H)観察した急性の血管拡張応答、連続する処置にわたって持続する「大部分が血管拡張する」状態に進行した。
I)血圧および心拍数は、運動後の応答と類似した手法で投薬の間に低下したことが観察された。
化学療法後の患者における疲労軽減に記載された組成物を適用する場合、記載された組成物は、処置の経路にわたって支持される進歩的な改善を伴う非常に最初の用量由来の効果を与えることが観察された。この処置の生活を変える悪影響は、89日目に患者の介護者の記述において最良に合算させる。
「精神、身体、および思惑において多大な改善が存在する。
本人は、正常値の上限で熱狂的で、焦点化し、十分に鋭く、明らかで、用心深い!引きずることはなく、機能はすべて戻って、完全に統合される。
本人は、RJX(注:記載された組成物)を摂取するたびにこの状態により完全に移動した。」
本報告は、カテゴリーAの特別なアクセスプロセスを通してオーストラリア保健省薬品・医薬品行政局(FDAと類似の官庁)により認可された、記載された組成物での69歳のオーストラリア人男性の処置に関する(図14)。R-hyper CVAD化学療法レジメンでの「ダブルヒット」非ホジキンリンパ腫に対する処置の後、患者を記載された組成物で処置して、極度の疲労に対処した。
[実施例2]
ウマのライム、クッシング病、または蹄葉炎を有するウマにおいて実証されるような本発明の組成物の効果
本実施例において、本発明の組成物は、本明細書に開示される場合、潜在的な潅流不足、細胞内電解質および重症肢虚血(CLI)に関連する代謝異常を補正する可能性のある、静脈内(IV)薬物療法として製剤化された。本発明の組成物は、有酸素運動に近いが同時に起こる酸素負荷を伴わないアルカリ性の反発に続いて、酸性血流のpHシフトを起こす、酸塩基化学成分を含有する。これらの成分はまた、代謝的な利点を引き出す潜在性を有し得る。本発明の組成物は、マグネシウムの濃度の増加を血流にもたらすが、これは、細胞内イオン種の「レベル」を再平衡する酸塩基化学で行うことができる。これは、細胞内のカルシウムおよび細胞内アシドーシスの解消の低減をもたらし得るが、これは、炎症シグナル伝達および高血圧を下方制御し、免疫誘導性の形態を抑制しながら神経および動脈において一酸化窒素の機能を回復するのに好ましい。本発明の組成物は、抗酸化剤およびBビタミンの代謝鎖のリソースを増加させるが、これは、代謝的な酸化ストレスを軽減する電気分解の補正とともに行う。IV注入の利点として、本発明の組成物は、腸をバイパスして、必要に応じて種の「時間同期した」提示の上昇を確実にする。ゆえに、本発明の組成物が働いて、治癒を予防する通常の「ストレス付勢」を反転させる。
馬クッシング病は、中間部当たりの下垂体におけるドーパミン制御の消失であり、副腎の機能障害をもたらす。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌が過剰であり、これは、コルチゾールの分泌における下流の上方制御を引き起こす。クッシング病は、進行性の活動性の低下(dehabilitation)、蹄葉炎、創傷治癒の遅延、慢性感染症、寄生、体重減少、糖尿病、尿崩症、過剰な体脂肪、失明、発作、疑似乳分泌(pseudolactaion)、行動の変化、および生殖の問題を引き起こす。臨床兆候として、長毛および巻毛、多尿、多渇および多汗が挙げられる(McCue、Patrick M.The Veterinary Clinics:Equine Practice、第18巻、第3号、2002年、139~53頁)。最終的に、クッシング病の潜在的な副作用である、蹄葉炎は、約34%のウマに影響を及ぼし、蹄における体重負荷を伴う極度の疼痛を引き起こす(Wylie、Claire E.ら、Veterinary Journal、第193巻、第1号、Elsevier Ltd、2012年、58~66頁)。これは、通常、安楽死の必要性をもたらす。
ライム疾患、またはBorrelia Burgdorferiは、ダニ咬傷により送達される細菌性の脅威である。いったん生物体に入ると、ボレリア属は、クレブス回路および酸化的リン酸化などの、細胞で完全なエネルギー収率に寄与することができる前に、解糖の第1段階で作製されるピルビン酸塩を奪うことにより細胞を攻撃する。検出を回避する測定において、ボレリア属はまた、フィブリン応答を誘発し、フィブリンにおいて着実に巻き付けられる(Onder、Ozlemら、Journal of Biological Chemistry、第287巻、第20号、2012年、16860~68頁)。この方法において、身体自身の物質において効率的に覆い隠され、免疫認識から隠される。完全に早期に対処しない場合、このクローキングによりボレリア属が増殖することを助けて、細胞ごとに代謝エネルギー系を分解する。より多くの細胞がこの周期に影響を受け、その代謝がなくなるので、大環境は、着実により酸性となる。アシドーシスのこの第2のヒットは、アルカリ性の環境が、プラスミンを促進し、フィブリンを分解することが可能であるので、クローキングの完全性をさらに有利にする。ゆえに、ライムが優位になることが可能な場合、その後の複製、クローキング、およびエネルギー系の分解を通してその有利性を永続的にして、酸性化をさらに促進することができる(Carroll、James A.ら、Infection and Immunity、第68巻、第12号、2000年、6677~84頁)。
1.1.方法
本実施例は、3頭のウマにおける本発明の組成物(本研究において「RJX G2」とも言う)の最初のウマの適用すべてに対する方法および結果を特徴付ける。3頭のウマに対する本発明の組成物の投与によって、ペンシルベニア州チェスター郡のFrost Ranchで2018年11月に研究が行われた。対象1は、糖尿病前症、クッシング疾患を伴う蹄葉炎、およびライム疾患の病歴を有する、739ポンド(335kg)の34歳の雌馬、ウェルシュクロスであった。対象2は、クッシング疾患を伴う蹄葉炎およびライム疾患の病歴を有する、724ポンド(328kg)の13歳の去勢馬、ウェルシュクロスであった。対象3は、652ポンド(296kg)の12歳の雌馬、ウェルシュクロスであり、ライム疾患の病歴を有する。
本発明の組成物は、2バイアルシステムで提供され、その各々は、100mLの溶液を含有する。Aバイアル(USP酸性シフト)は、Bビタミン、マグネシウム、および抗酸化剤を含む独自開発の酸である。二次的なAバイアル-緩衝酸のみは、そのすべての成分を、酸および緩衝剤の成分を除く溶液から排除した。Bバイアル(USP)は、緩衝液である。Aバイアルの生成物は、使用前は40°F(4.4℃)で冷蔵し、Bバイアルの生成物は、70°F(21℃)で貯蔵した。100mlのAバイアルの生成物を生理食塩水のIVバッグ(1000または2000mLのいずれか)に合わせ、次いで、100mlのBバイアルの生成物をIVバッグに合わせた。IVバッグを、注入点の18インチ(46cm)上の高さの点から吊り下げた。カテーテルを対象の頸動脈に挿入した。処置の5分前、静脈の血液試料を、分析(IDEXX Laboratories:血液学、化学、内分泌学、および血清学)ならびに血ガス分析(酸/塩基状態、酸素測定法、電解質、代謝物)(T=-5分)のために患者から抽出した。5分後(T=0分)、IVバッグをカテーテルに接続し、点滴を開放して注入を開始した。点滴速度を調整して、45分(T=45分)で注入を完了した。静脈の血液試料を、処置の間、処置開始の20分後(T=20分)に対象から抽出した。処置後の静脈の血液試料を、処置開始の時間0から最大120分後に対象から抽出した。処置後の試料を、血ガス分析(酸/塩基状態、酸素測定法、電解質、および代謝物)にかけた。すべてのマーカーは、用量1(1日目)、用量4(6日目)、および用量5(8日目)で採取した。本発明の組成物の投薬および変形例は、表2.1~2.3に記載する。(血液学、化学、内分泌学、および血清学)のための対象1の「処置前の」静脈の血液試料を、処置開始の60分後に誤って採取したことは留意すべきである。結果は、大きな変化が濃度ベースのマーカー(例えば、RBC、ヘマトクリット)で観察されたので、血漿体積での事後用量の変化を反映する可能性がある。
1.2.結果および考察
安全性および快適性の経験:
ウマは、投与の間、落ち着いており、苦痛の徴候は示さなかった。この作業で、注入低下速度は、45分間の注入時間を達成するように制御した。注入時間は、実質的に低下する(約15分以下)可能性はあるが、種の予防処置においてここでは最初として予期された。提示速度の最適化は、継続する作業の対象である。
血ガス(酸素状態)および酸塩基応答:
本発明の組成物の運動のような属性を、pH、重炭酸塩(HCO3
-)、pO2(酸素の分圧)、pCO2(二酸化炭素の分圧)、およびsO2(ヘモグロビンの酸素飽和)を含む、静脈の血ガスを測定することにより評価した。動脈の血ガスが、肺から血液までの酸素移動の完全性を評価する黄金の基準であり続けるが、静脈の血ガスは、目的の患者の快適性および安全性におけるこの作業に対して記録された(より多くのリスクおよび疼痛が、組織下の深部の高圧の動脈構造、対、低圧の静脈表面を評価することに関連する)。同時に、静脈の測定は、組織への酸素送達の完全性、すなわち、酸素送達が必要性を満たすか、それを超えるかどうかを示す。
下記の表2.4~2.6は、対象の各々において、本発明の組成物の用量1、4、および5に対してT-5、20、50分で測定した、血ガス応答の時間軸を提示する。選択試料は、対象1および3(*で示す)では利用不可能であった。すべてのウマの応答が物質的に類似したが、対象2は、すべての試料が効果的に記録されたので主要な例として提示される。
対象2 - 用量1、4、および5に続いて観察された応答
(1)対象2 - 用量1の応答(緩衝酸のみ):
図15に示す用量1の応答は、処置の間、事前用量のレベルからアルカリ性に上昇する静脈のpHを明らかにする。次いで、pHは、酸性の事後用量にわずかに低下した。酸のみの溶液が酸性に血流をシフトすることが予期されるが、これは、T=20で観察されなかった。血液が、実際にT=20の前に酸性にシフトし、この観察点が、腎臓および呼吸器の代償プロセスが酸塩基状態の制御をすでに開始した後に起こった可能性がある。
用量1で入ってくる静脈HCO3
-の値は、クッシング疾患の期間の代償性と一致した、正常値(33.2mmol/L、正常値は30.1mmol/L未満である)から上昇した。ゆえに、HCO3
-は、過剰な代謝性H+を緩衝することにより血流のpHを「上昇させる」(これらを効率的に結合してpHとして測定されるものから隠す)。投薬の間、HCO3
-は、T=20~31mmol/Lで低下した。これは、細胞内および/または腎臓抽出へのHCO3
-の運搬を促進するH+の作用により説明することができる。
図16に示すのと同時に、血中酸素のいくつかの変化を観察した。静脈sO2は、55%から69%に上昇し、pO2は、30mmHgから35mmHgに上昇する一方、pCO2は、54.5%から46.5%に低下した。心拍数および呼吸を厳密に測定しなかったが、労力または呼吸の上昇は観察されなかった。
対象2 - 用量4の応答:
図17に示す通り、静脈のpH応答は、用量1の応答と多くの点において類似し、投薬の間、アルカリ性に上昇し、酸性の事後用量に再び低下した。事前用量のpHは、事前用量1で観察されたものよりわずかに酸性であり、代謝性のH+負荷の増加、HCO3
-の低下、または腎臓の「セットポイント」の一時的な調整を呈する。用量4により、HCO3
-状態での大きな差異が明らかになった。HCO3
-の健康的な正常レベル(26.7mmol/L)は、用量1(33.2mmol/L)の前に見られるHCO3
-の高い代償的なレベルに対して測定された。最終的に、図18で示す通り、静脈sO2およびpO2は、pCO2での低下とともに、本発明の組成物の投与の間、上昇すると観察され、用量1の応答と一致した。
(3)対象2 - 用量5に対して観察された応答:
用量5により、pHおよび酸素測定法の応答での実質的な変化を観察した。図19に示す通り、用量5の事前投与状態は、両方ともにアルカリ性(pH=7.453)であり、非代償性(HCO3
-=29.4mmol/L)であった。これは、クッシング病の解消であり得ることを示唆する。pH応答に関して、用量5のpHは、用量1および4に対する応答と異なり観察枠を通して酸性に低下することが観察された。これは、酸性注入が持続的な応答を与えるので、代償性のHCO3
-の付勢および欠乏を開始するアルカリ性に起因する可能性がある。上昇するまたは変化しないままである代わりに、血流のHCO3
-は、観察期間を通して低下し、細胞内への流れおよび/または向上した腎臓抽出と一致した。これはまた、クッシング病の代償性とは逆になり、HCO3
-の血流保持が予期される。
図20に示す通り、用量5の酸素測定法は影響を受けた。最初に、事前用量sO2では、37mmHgのpO2が73%で観察され、用量間の酸素補給の永続的な上昇を潜在的に示した。投与の間、sO2およびpO2は、pCO2が大きく変化しないまま、さらに上昇するのが観察された。
すべての対象に対するpHおよび酸素測定法の取出しの概説:
応答においてわずかな差異は存在したが、多くの類似性が、図21に示される、提示される対象2の応答と対象1および3で観察されたものとの間で観察された。例えば、向上したホメオスタシスが、酸/塩基の状態および酸素補給に関して観察されたので、すべての対象は、4用量(用量5の前の7日目に測定される)にわたって「調整効果」を示した。4用量の後、すべての対象は、重炭酸塩の代償性(HCO3
-、30.1mmol/L以下で正常)なしにアルカリ(pH>7.42)に付勢されるものとして提示された。これらの結果は、酸負荷の低下および/または腎性の酸操作機能の改善を可能にするより完全な代謝鎖を示唆する。静脈sO2およびpO2において観察された増加は、酸素送達の用量の改善を示すことができ、これは、より好気的に完全な代謝鎖に好ましい。これらの属性は、クッシング病の機能障害の代謝源が影響され得ることを潜在的に示した。
用量4および5からの電解質、Hb、Glu、およびLac応答:
酸塩基および酸素測定法のシグナルに加えて、対象を、選択血中電解質、ヘモグロビン(Hb)、グルコース(Glu)、および乳酸塩(Lac)に対してモニタリングした。用量1は、現場の機器がこれらのパラメーターに対する較正しなかったので、広範な電解質応答に対して測定しなかった。較正は、用量4および5の記録を支持する時間で達成し、表2.7に提示する。前述の通り、対象2のデータは、研究下のシグナルの各々に対する叙述的な例として提示される。
対象2のHb、Glu、Lac、および電解質応答:
観察の時間枠にわたって、Hb最終測定は、用量4での観察期間の反発を根拠に、初期値から低下した。対象2の用量4の応答は、13.2g/dLへの反発の前に、25分間で14.8g/dLから11.9g/dL(25%希釈)に濃度が低下するHbを示す。Hbの反発は、対象2において見られたが、これは、この時間枠では起こり得ない反発なので、溶血とは解釈されない。Hb濃度の変化は、血管拡張由来の血液体積の変化に起因する可能性が最も高い。この場合、血漿は、細胞内(例えば、炎症を起こした細胞)から血液内に流して、拡張した状態で作製された血管体積を支持する(Brocker、Chadら、Biomolecular Concepts、第3巻、第4号、2012年、345~64頁)。このような交換は、血管体積が増加する血管拡張の条件下、血圧を維持するために運動のような刺激の間に必要とされる。ゆえに、血管拡張は、炎症を軽減する可能性とともに、外見上確認された。
観察の時間枠にわたって、Gluは、用量4の間、開始値から不安定であった(上下した)一方、用量5での観察期間、反発の根拠を示した。低下が、血液体積の増加に起因にするが、Glu濃度の上昇には起因しない。この観察されたグルコースの上昇は、運動中に起こるようなグルコース交換の混乱と一致する(Richter、E.A.ら、Skeletal Muscle Metabolism in Exercise and Diabetes.1998年)。このような効果は、下垂体、副腎、甲状腺、および膵臓の機能などの副交感神経の制御の調整に寄与し得る。
乳酸塩を、用量4の間の典型的な安静時の値未満のレベルに低下させた(<1mmol/L、正常なウマの安静時の乳酸塩は、1~2mmol/Lである)。乳酸塩レベルは、55分間で、「正常な」レベル(1.3mmol/L)から低値(0.3mmol/L)に低下した。加えて、事前用量5の測定乳酸塩は、正常値(0.4mmol/L)未満であり、測定の55分間にわたってそれ未満を維持した。乳酸塩は、酸素が不足する嫌気的プロセス由来の酸素負荷を呈し、乳酸塩の低下は、好気的に完全な代謝鎖と一致する。乳酸塩は、用量5の全期間で正常レベル未満を維持し、用量間の持続効果を潜在的に暗示した。乳酸塩の低下は、アルカリ性の揺れにもかかわらず観察されたが、これは、筋肉から貯蔵された乳酸塩が放出されたはずである(Robergs、Robert A.ら、American Journal of Physiology.Regulatory,Integrative and Comparative Physiology、第287巻、第3号、2004年、R502~16頁)。ゆえに、乳酸塩の低下は、内因性および貯蔵される成分の両方を含み得る。
注入プロセスの間、電解質交換が観察された。カリウム(K+)およびナトリウム(Na+)の血液レベルは、処置の間に低下することが観察された。とりわけ、K+は、55分間の観察にわたって37%(例えば、用量4:4.6mmol/L→2.9mmol/L)に低下した。他の電解質での緩やかな変化はまた、処置の期間で観察された。対象2において観察される電解質交換は、他の対象で観察されるものと物質的に類似し、交換プロセスが対象にわたって繰り返され得ることを示唆する。血流カルシウムにおける正味の減少が、投薬する週に続いてその後の血液採取において注目されたので、カルシウムに関する効果は、血液「化学」の概要においてさらに考察される。血流カルシウム(Ca2+)レベルはまた、すべての対象で低下することが観察された。
血液学、化学、内分泌学、および血清学:
血液採取はまた、各対象で行って、事前用量1の1日目と用量4に続くが用量5に先行する8日目との間の血液学、化学、内分泌学、および血清学の差異を評価した。測定した量は、表2.8に概説し、さらに下記で考察する。
すべての対象におけるクレアチニンの上昇、およびすべての対象に対する血中尿素窒素(BUN):クレアチニンの比の低下は、腎臓による流れの増加と一致した。クレアチニンの測定は、筋肉量の増加と一致し、ホスホクレアチンとして筋肉中のアデノシン三リン酸(ATP)を貯蔵する能力を改善した。
血小板数およびフィブリノゲンは、すべての対象で増加し(表2.8および図22)、凝結カスケードにわたる制御および凝結生成物の消費の低下と一致した。これはまた、血小板減少症を解消すると、骨髄での血小板の生成の増加、および向上した肝機能によるフィブリノゲンの提示の上昇と一致する。
血流Ca2+およびK+は、すべての対象で低下することが観察され(図23)、血流の提示を低下させるように、Na+/K+ ATPアーゼを介するK+の細胞内の取込み、およびCa2+の腎臓抽出と一致する。Ca2+の低下およびK+の増加は、電子伝達鎖の機能を回復し、代謝反応性の酸素種(ROS)を低下させ、アルカリ状態を促進し、基礎代謝率を上昇させるように、Ca2+に依存して化学浸透圧の勾配を低下させる可能性を有し得る。これらの因子は、上昇したMg+2で作用して、ペルオキシソームの機能:長鎖脂肪酸の代謝、神経機能に対するミエリンの保持、および過酸化物に対して抗酸化作用を提供するカタラーゼの回復を有利にする。加えて、低いCa2+は、カベオリンに結合したカベオラを低下させて、内皮一酸化窒素シンターゼ(eNOS)がゴルジから膜カベオラにおける機能場所に転移することを可能にする。低い細胞内カルシウムはまた、とりわけ、マクロファージ、小膠細胞、および骨芽細胞に対するM2表現型の提示をより「治癒すること」の表れであり得る。増加したK+は、筋肉機能および神経伝達を向上させ、筋肉の痙攣を低下させ、他の利益をもたらす。これらの病態の詳細は、FDAによる本発明の組成物の過去の情け深い使用で観察され、K+およびCa2+に関する、様々な症状の改善に関することとして提示される。
クレアチンキナーゼは、3体の対象すべてにおいて低下し(表2.8)、これは、筋肉内の貯蔵されたエネルギーの向上に対してホスホクレアチンとしてクレアチンを伴うATPの貯蔵を促進する酵素作用においてクレアチンキナーゼの消費の潜在的な増加と一致する。あるいは、血漿クレアチンキナーゼの低下により、血流への損傷した組織含有量の提示を最小限とするように、心筋梗塞(心臓発作)、横紋筋融解症(重度の筋肉破壊)、筋ジストロフィー、自己免疫性筋炎、および急性腎傷害などの、組織損傷の進行速度の低下を示すことができる。
総T4(チロキシン)は、すべての対象で増加することが観察され、チロキシンの産生が増加することによって甲状腺機能が改善されることを潜在的に示す。T4における変更は、代謝の低下をもたらす、自己免疫障害(クッシング病など)で通常、下方制御される。分解されるとき、Na+/K+ ATPアーゼの合成における増加、グルコース吸収、グリコーゲン分解、グルコネオゲネシス、脂肪分解、タンパク質合成、正味の異化性分解、向上した交感神経制御に対する心臓のベータ-1受容体、および基礎代謝率に関連する(Johannsen、Darcy L.ら、Effect of Short-Term Thyroxine Administration on Energy Metabolism and Mitochondrial Efficiency in Humans、第7巻、第7号、2012年)。ウマの内因性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)は、すべての対象で低下すると観察され、コルチゾールレベルの低下と一致する(図24)。コルチゾールレベルの低下は、落ち着きおよび抗不安効果を促進し、ならびにクッシング疾患の解消を促進する(Elzinga、Bernet M.ら、Neuropsychopharmacology、第28巻、第9号、2003年、1656~65頁)。上昇したコルチゾールは、外傷後ストレス障害などの高いストレスおよび不安に通常、関連する。T4における増加およびACTHの低下は、エネルギー系の制御およびグルコースの制御における改善を示唆するが、これは、甲状腺機能低下の機能障害の中心である。図11に示す通り、インスリンとグルコースとの間の関係の改善は、甲状腺ホルモンの変更と同時に起こった。とりわけ、インスリンは、グルコースの取込みを支持するのにほとんど必要なかった。4用量後、代謝鎖を変更して、代謝酸をより少なくし、細胞内で達成されるアルカリ化がインスリン感度におけるその後の改善を促進することが可能になると解釈することができる。
白血球(WBC)および好中球数は、3体中2体の対象(対象1および2)で低下したことが観察され、炎症応答の軽減と一致した(図25)。WBC全体での低下が観察されたにもかかわらず、好酸球の実質的な増加が、すべての対象で観察された。この場合、本発明の組成物は、抗炎症性のアルカリ環境を促進することができ、炎症性マクロファージのクリアランスを促進する。WBC全体での低下が観察されたにもかかわらず、好酸球の実質的な増加が、すべての対象で観察された(図25)。
ライム抗体は、希釈比での可観察性により測定される(図26)が、処置の1週間後のすべての対象における4つの因子により低下することを示した。この測定において、より小さい因子は、血液試料が、抗体が検出不可能となる前に少量でのみ希釈することができることを意味する。ライムの表面タンパク質でも、すべての対象に対して最も多くの場合1週間後に増加し、次いで処置のない1週間の後に観察したとき低下したことを観察した(図26)。これは、表面タンパク質が無効化された病原体の曝露された殻を表すので効果的な抗体応答と一致し、効果的な免疫応答後に上昇し、その後、系から除去される。
1.3.結論
本発明の組成物は、急激の運動のような刺激を提供することができ、これにより、血流のpHは、酸性にシフトして、応答する代償性の腎臓および呼吸器のプロセスを引き起こす。その間、血液から細胞へのpH勾配(H+勾配)は乱され、H+、HCO3
-、Ca2+、K+、Na+、Mg2+、およびCl-を含む、イオンの通用性に対して血流と細胞内との間の一連の交換を容易にする。同時に、pHはまた、O2に対するヘモグロビンの親和性、酵素の活性、インスリンペアリング、およびグルコースの取込み、ならびに血管拡張に影響を及ぼす。
全対象で観察される非代償性(HCO3
-=30.1mmol/L以下)およびアルカリに付勢された(pH>7.42)酸塩基状態は、酸負荷を低下させるより完全な代謝鎖、および/または腎性の酸操作機能での改善を示唆し得る。静脈sO2およびpO2において観察された増加は、酸素送達能の改善を示すことができ、これは、より好気的に完全な代謝鎖に好ましい。これは、クッシング病での代謝性酸の障害が、代謝性酸(H+)がより少なくなるように補正しており、対応して、pHを制御するために血流のHCO3
-は少ない必要があるという徴候であり得る(Tritosら、Clinical Neuroendocrinology、第1版、第124巻)。本発明の組成物のpH刺激が、細胞内の電気分解の状態を再設定することが理解される一方、Bビタミン、Mg+2、および抗酸化剤を含む、本発明の組成物の他の成分はまた、結果により示唆されるような代謝鎖を改善することも予期すべきである。もちろん、pHの同時低下は、腎臓のセットポイントも調整していることを示す。これらの属性は、クッシング病の機能障害の代謝源がウマに影響され得ることを潜在的に示す。
「余分な」O2が肺に戻されるとき(高い静脈sO2)、心拍数、呼吸数、赤血球数(RBC数)、および各RBCの酸素に対するヘモグロビンの親和性は、組織生存に必要なレベルに対して過剰に作用することが示唆される。あるいは、sO2およびpO2が低いとき、一部の組織は、ほとんど「放置され」ないので、酸素が十分に供給されないと解釈され得る。ゆえに、組織への酸素の提供が向上することで、O2に対するヘモグロビンの親和性が向上するという結果となり得る。これらの向上は、これらの機構の両方が、酸素で利用可能なより多くの位置を残しながら、ヘモグロビンの位置に対するH+の競合を低下させるので、アルカリ状態およびRBC数において上昇したHCO3
-の状態下の文献と一致する(Oellermann,M.ら、Journal of Experimental Biology、第217巻、第9号、2014年、1430~36頁)。これらの結果により、本発明の組成物が血流のpHを安全にシフトし、潜在的に血中酸素の状態を向上させ、新しいRBC数に対する必要性をシグナル伝達することを含む、一連の代償的な効果を刺激することが示唆されている。類似の事象は、運動選手のトレーニングにおいて観察されている。
血液のK+およびNa+は、処置の間に低下したが、これは、増加した血漿体積、腎臓抽出、または細胞内への流れに起因し得る。細胞内に提示される場合、筋肉機能および神経伝達を向上させると予期されるK+は、他の利益とともに、筋肉の痙攣を低下させる。K+の細胞内への流れは、ATP収率が改善された場合、Na+/K+ ATPアーゼの作用を増加させる。例えばpHシフトから細胞へのH+の流れは、化学浸透圧の勾配を上昇させて、ATPにおいてこのような増加を促進することが予期され得る。Ca低下は、血流の提示を低下させるように、Na+/K+ ATPアーゼを介するK+の細胞内の取込み、およびCa2+の腎臓抽出と一致する。Ca2+の低下およびK+の増加は、Ca2+に依存して化学浸透圧の勾配を低下させる可能性を有し得る。これらの変更は、電子伝達鎖の機能を回復し、代謝反応性の酸素種を低下させ、アルカリ状態を促進し、基礎代謝率を上昇させる。これらの因子は、上昇したMg2+で作用して、ペルオキシソームの機能:長鎖脂肪酸の代謝、神経機能に対するミエリンの保持、および過酸化物に対して抗酸化作用を提供するカタラーゼの回復を有利にする。加えて、低いCa2+は、カベオリンに結合したカベオラを低下させて、eNOSがゴルジから膜カベオラにおける機能場所に転移することを可能にする。低い細胞内カルシウムはまた、M2マクロファージ、小膠細胞、骨芽細胞、および他をより「治癒すること」の表れであり得る(Xu、Rendeら、Arteriosclerosis,Thrombosis,and Vascular Biology、第37巻、第2号、2017年、226~36頁)。
白血球は、ウマのうち2頭で低下したが、好酸球は上昇した。この種のWBC、好酸球が、ライム疾患などの細菌性の脅威と闘うのにとりわけ適していることを考慮に入れると、好酸球が広範な免疫停止を達成した後により容易に動員されたことを提案する。ゆえに、アルカリ状態により、広範なWBC応答は停止されて、細菌性の脅威の下での局所部位が聞き入れるのを助けるシグナルを有することを可能にする。加えて、アルカリ状態は、フィブリンのクローキングを損ない、ボレリア属(Borellia)を好酸球の動員に対して可視化する、プラスミンの作用を有利にし得る。類似の効果は、化学療法後の疲労に対して本発明の組成物で処置した、情け深いケアの受ける患者において観察された。この場合を研究するのに、アルカリ状態が、マクロファージの全数を低下させ、炎症誘発性表現型(例えば、M1、CD16+)と抗炎症性表現型(例えば、M2、CD16-)との比も変更し得ることを認識した。文献において、このようなWBCの変更が、がん患者における転帰に有益となり得ることが観察されている(Imtiaz、Fauziaら、International Archives of Medicine、第5巻、第1号、BioMed Central Ltd、2012年、2頁)。このような変更はまた、ライム疾患のような、様々な自己免疫障害に関連する。
集合的に、ライムの結果は、解消に向けた進行を示唆する。処置の3か月後のフォローアップチェックでは、3体の対象のうち2体が、ライムではない状態を維持した。将来的な研究において、長期的な再発を再処置して、状態が永続的にクリアであり得るかを確認することを提案する。ライム疾患は、ウマのプロジェクトの前に他の患者で研究されていないが、現在、将来的な研究の重要な焦点となる。
蹄葉炎は、上記で機械的に示していないが、牧草地に出ることが可能になるウマにおいて緩解していることを証明した。結論において、本発明の組成物は、ウマでの使用に対して安全であることが実証された。本研究は、クッシング疾患、ライム疾患、および蹄葉炎を処置するのに対して有用性の潜在的な根拠をさらに呈した。加えて、向上した組織の酸素化、向上した選択的WBC応答で停止する免疫、改善した甲状腺機能、コルチゾールレベルの低下、凝固選択性を維持しながらの凝固機能の回復、高められた代謝、および電気分解の補正を実証する。これらの観察のさらなる確認は、継続する作業の対象である。