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JP2023043476A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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JP2023043476A
JP2023043476A JP2021151138A JP2021151138A JP2023043476A JP 2023043476 A JP2023043476 A JP 2023043476A JP 2021151138 A JP2021151138 A JP 2021151138A JP 2021151138 A JP2021151138 A JP 2021151138A JP 2023043476 A JP2023043476 A JP 2023043476A
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shaft
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JP2021151138A
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光司 佐藤
Koji Sato
慎介 平野
Shinsuke Hirano
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NTN Corp
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

【課題】ねじ軸の作動性を損ねることなく、ねじ軸の回転規制部を構成する回転体や軸ケースの摩耗を抑制する。【解決手段】ねじ軸31の軸心回りの回転を規制する回転規制部70は、軸ケース35の内周に形成された断面凹形状をなす軸方向に延びる案内溝35cと、ねじ軸31に設けられた径方向の支軸(支軸ピン71)に支持された状態で案内溝35cに転動可能に嵌め込まれた円筒状回転体としてのガイドカラー72とを有する。ガイドカラー72の外周面72aのうち、少なくとも案内溝35の溝底側の端部、換言すると、ねじ軸31が回転した状態で進退移動する際の軸ケース35との接触予定部にクラウニング74を設ける。【選択図】図3

Description

本発明は、電動アクチュエータに関する。
近年、自動車をはじめとする車両においては、その省力化や低燃費化のために電動化が進展し、例えば、自動変速機、ブレーキおよびステアリング等の操作を電動機の力で行うシステムが使用されるに至っている。このような用途に使用されるアクチュエータとして、例えば、電動モータの回転運動を直線運動に変換して出力する運動変換機構に、電動モータの回転運動を受けて回転するナットと、ナットの回転に伴って軸方向に進退移動するねじ軸とを備えたねじ機構を採用したものがある(例えば、特許文献1)。
上記のねじ機構を有する電動アクチュエータには、ナットの回転時に、直動部材としてのねじ軸がその軸心回りに回転するのを規制するための回転規制部が設けられる。特許文献1に記載されている従来の回転規制部の概要を図5に示す。この回転規制部100は、長手方向の両端部がねじ軸101の径方向外側に突出するようにねじ軸101に取り付けられた支持ピン102と、ねじ軸101の径方向外側で支持ピン102(の突出部)に支持された円筒状の回転体(ガイドカラー)103と、ねじ軸101の一部を収容した軸ケース104の内周に形成され、ガイドカラー103が転動可能に嵌め込まれた断面凹形状をなす軸方向の案内溝(軸方向に延びる案内溝)105と、を備える。この場合、ガイドカラー103の外周面103aがねじ軸101の回転方向で軸ケース104に形成された案内溝105の溝側面105aと係合することにより、ねじ軸101の回転が規制される。
特開2017-184484号公報
上記構成の回転規制部100においては、ねじ軸101をスムーズに進退移動させるべく(ガイドカラー103を滑らかに転動させるべく)、ガイドカラー103の外周面103aとこれに対向する案内溝105の溝側面105aとの間に円筒状の隙間106が形成されるように、ガイドカラー103の外径と案内溝105の溝幅とが調整される。但し、このような隙間106が設けられていると、ナットの回転時(ねじ軸101の進退移動時)に、ガイドカラー103の外周面103aのうち、案内溝105の溝底側の端部103a1が案内溝105の溝側面105aに点接触(エッジ当たり)するまでねじ軸101が回転する可能性がある。この点接触状態では、ガイドカラー103と軸ケース104(に設けられた案内溝105の溝側面105a)との接触部における面圧が高くなるため、上記の回転状態を維持したままねじ軸101が進退移動するとガイドカラー103及び/又は軸ケース104の摩耗が急速に進行する可能性がある。
係る実情に鑑み、本発明は、運動変換機構の直動部材を構成するねじ軸が軸ケースに収容された電動アクチュエータにおいて、ねじ軸の作動性を損ねることなく、ねじ軸の回転規制部を構成する回転体や軸ケースの摩耗を抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、電動モータと、電動モータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構とを備え、運動変換機構が、電動モータの回転運動を受けて回転するナットと、ナットの回転に伴って軸心回りの回転を規制された状態で軸方向に進退移動するねじ軸とを有し、ねじ軸の上記回転を規制する回転規制部が、ねじ軸を収容した軸ケースの内周に形成された断面凹形状をなす軸方向の案内溝と、ねじ軸に設けられた径方向の支軸に支持された状態で案内溝に転動可能に嵌め込まれた円筒状の回転体とを有する電動アクチュエータにおいて、回転体の外周面のうち、少なくとも案内溝の溝底側の端部にクラウニングが設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、電動モータの回転駆動力がナットを介してねじ軸に入力される結果、ねじ軸、および支軸を介してねじ軸に支持された円筒体が回転した状態で軸方向に進退移動する場合でも、軸ケース(に設けた案内溝の溝側面)に対しては円筒体の外周面のうちでクラウニングが設けられた部分を接触させることができる。これにより、円筒体と軸ケース(案内溝)との接触面圧が過剰に高まるのを防止することができるので、ねじ軸が回転した状態で軸方向に進退移動しても、進退移動時の摺動抵抗を低減して回転体および/又は軸ケースが摩耗するのを防止することができる。
また、円筒体の外周面のうち案内溝の溝底側の端部に、一般的なR部ではなくクラウニングを設けたことにより、円筒体のうち案内溝の溝底側端面の面積(円筒体の体積)をいたずらに減少させることなく、軸ケース(案内溝)に対する円筒体の接触面圧を減少させることが可能となる。これにより、円筒体の機械的強度が低下するのを抑制又は防止することができるので、ねじ軸を安定的に進退移動させることができる。
回転体の外周面のうち、案内溝の溝底側の端部とは反対側の端部には、回転体の軸方向中央部を通る軸直交平面を基準として上記クラウニングとは面対称形状のクラウニングを設けることができる。このようにすれば、回転体を、上記軸直交平面を基準とした左右対称形状にすることができるので、支軸に対して回転体を取り付ける際の回転体の方向性を考慮する必要がなくなる。これにより、所定の構成を有する回転規制部を容易にかつ適切に形成することができる。
上記クラウニングは、単一円弧のクラウニングとすることができる。このようにすれば、所定形状のクラウニングを容易にかつ精度良く設けることができる。この場合、回転体の外周面の直径をDa、上記クラウニングの曲率半径をRとすると、R≧0.5×Daの関係式を満たすように上記クラウニングを形成するのが好ましい。これにより、回転体の外周面のうち案内溝の溝底側の端部への応力集中を適切に回避することができる。
ねじ軸の進退移動を適切に案内可能とする観点から、案内溝および回転体は、ねじ軸の軸心を挟んで対向する二箇所に設けるのが好ましい。
本発明は、ベース樹脂が互いに異なる樹脂部品からなる回転体および軸ケースを有する電動アクチュエータに好ましく適用することができる。
また、本発明は、例えば、ねじ軸が電動モータの出力軸と平行に配置された電動アクチュエータに好ましく適用することができる。
以上のことから、本発明によれば、ねじ軸が有底筒状の軸ケースに収容された電動アクチュエータにおいて、ねじ軸の作動性を損ねることなく、ねじ軸の回転規制部を構成する回転体や軸ケースの摩耗を抑制することが可能となるので、信頼性および作動性に優れた電動アクチュエータを実現することができる。
本発明の実施形態に係る電動アクチュエータの概略断面図である。 図1に示す電動アクチュエータの概略斜視図である。 図1のA-A線矢視断面図である。 図1のB-B線矢視断面図である。 従来の電動アクチュエータの部分拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面(図1~図4)に基づいて説明する。なお、図1は、本発明の実施形態に係る電動アクチュエータ1の概略縦断面図であり、図2は、電動アクチュエータ1の概略斜視図であり、図3は、図1のA-A線矢視断面図であり、図4は、図1のB-B線矢視断面図である。
図1等に示す本実施形態の電動アクチュエータ1は、駆動部2と、駆動部2から出力される回転駆動力(回転運動)を直線運動に変換する運動変換機構部3と、駆動部2から出力される回転駆動力を運動変換機構部3に伝達する駆動力伝達部4と、運動変換機構部3を支持する支持部5と、運動変換機構部3の駆動を規制するロック機構部6とを備える。本実施形態の駆動部2は、モータ部8と減速機構部9とで構成される。なお、以下の説明において、方向性を示すために使用する「軸方向」とは、特に断りがない場合、モータ部8を構成する電動モータ10の軸心に沿う方向である。また、軸方向において、モータ部8が配置された側(図1の紙面左側)およびロック機構部6が配置された側(図1の紙面右側)を、それぞれ「軸方向一方側」および「軸方向他方側」とも言う。
モータ部8は、アクチュエータ駆動用の電動モータ10と、電動モータ10を収容したモータケース11とを備える。電動モータ10には、その出力軸10aの回転角を検出可能なモータ、例えば三相ブラシレスモータが好ましく使用される。モータケース11は、ケース本体12と、ケース本体12の軸方向一方側の端部開口を封止する封止部材13とを備える。
減速機構部9は、モータ部8(電動モータ10)の回転を減速して出力する減速機15と、減速機15を収容した減速機ケース16とを備える。減速機ケース16は、その軸方向一方側に隣接配置されたモータケース11のケース本体12に対して分離可能に連結されている。
本実施形態の減速機15は、電動モータ10の出力軸10aと一体回転可能に設けられたサンギヤ17と、減速機ケース16の内周に設けられたリングギヤ18と、サンギヤ17とリングギヤ18の間に配置され、サンギヤ17およびリングギヤ18に噛み合った複数(例えば、3つ)の遊星ギヤ19と、遊星ギヤ19を回転自在に保持した遊星ギヤホルダ20および遊星ギヤキャリア21とを備えた遊星歯車減速機である。遊星ギヤキャリア21は、遊星ギヤ19に連結された環状部21aと、環状部20aの内径端部から軸方向他方側に延びた円筒部21bとを一体に有し、遊星ギヤ19の公転運動を取り出して出力する。遊星ギヤキャリア21の円筒部21bは、後述する転がり軸受46(の内輪)およびギヤボス44と一体回転可能に連結されている。
上記の減速機15により、電動モータ10の回転が減速された上で駆動力伝達部4、さらには運動変換機構部3に伝達される。これにより、電動モータ10の回転トルクを増加することができるので、小型の電動モータ10を採用することができる。
本実施形態の運動変換機構部3は、ボールねじ30で構成される。ボールねじ30は、電動モータ10の出力軸10aと平行に配置されたねじ軸31と、多数のボール33を介してねじ軸31の外周に回転可能に嵌合されたナット32と、循環部材としてのこま34とを備える。ねじ軸31の外周面に形成された螺旋状溝31aとナット32の内周面に形成された螺旋状溝32aとの間に多数のボール33が装填され、こま34が組み込まれている。このような構成により、ナット32が回転するのに伴ってねじ軸31が軸方向に進退移動(軸方向一方側に前進移動、あるいは軸方向他方側に後退移動)する際には、両螺旋状溝31a,32aの間でボール33が循環する。
ねじ軸31は、電動アクチュエータ1の出力部材としても機能するものであり、その軸方向一方側の端部には、ねじ軸31の直線運動を操作対象に出力(伝達)するための操作部36が設けられている。図示例において、操作部36は、操作対象とねじ軸31とを連結するための連結部材が挿入される径方向の貫通孔で構成される。
ねじ軸31(の一部)は、筒部35aおよび底部35bを一体に有する有底筒状の軸ケース35に収容されており、この軸ケース35は、例えばPPS(ポリフェニレンサルファイド)をベース樹脂とする樹脂材料の射出成型品とされる。軸ケース35は、ロック機構部6を収容した筒状のホルダ部35dも一体に有しており、駆動力伝達部4を構成する伝達ギヤケース45に対して分離可能に連結されている。詳細は後述するが、軸ケース35は、ナット32の回転時にねじ軸31がその軸心回りに回転するのを規制するための回転規制部70の構成部品としても機能する。
電動アクチュエータ1は、ねじ軸31の進退移動量(軸方向位置)を検出するための位置検出装置を備える。この位置検出装置は、主に、モータケース11に取り付けられたストロークセンサとしての磁気センサ36(図2参照)と、保持部材38を介してねじ軸31に取り付けられたセンサターゲットとしての永久磁石37とで構成される。この場合、ねじ軸31が軸方向に進退移動すると、これに伴って移動する永久磁石37の磁場(例えば磁束密度の向きおよび強さ)の変化が磁気センサ36によって検出されることにより、ねじ軸31の進退移動量が検出される。
駆動力伝達部4は、駆動部2(減速機構部9)の出力を運動変換機構部3に伝達する伝達ギヤ機構41と、伝達ギヤ機構41を収容した伝達ギヤケース45とを備える。伝達ギヤケース45は、その軸方向一方側に隣接配置された減速機ケース16に対して分離可能に連結されている。
伝達ギヤ機構41は、駆動側のドライブギヤ42と、これと噛み合う従動側のドリブンギヤ43と、ドライブギヤ42の内周に配置されたギヤボス44とを備え、ギヤボス44は、ドライブギヤ42の軸方向両側に配置された転がり軸受46,47によって回転自在に支持されている。転がり軸受46は伝達ギヤケース45の内周に装着され、転がり軸受47は支持部5を構成する軸受ケース51の内周に装着されている。
ギヤボス44は、小径円筒部44aと大径円筒部44bとを一体に有する段付き円筒状に形成され、電動モータ10の回転軸10aと同軸に配置されている。小径円筒部44aの外周面には遊星ギヤキャリア21の円筒部21aの内周面が圧入され、大径円筒部44bの外周面にはドライブギヤ42の内周面が圧入されている。
ドリブンギヤ43は、ボールねじ30のナット32の径方向外側に配置された円筒状のナット装着部43aを有し、本実施形態ではナット32の外周面がナット装着部43aの内周面に圧入されている。
以上の構成により、電動モータ10の出力軸10aが回転し、その回転駆動力が減速機15を介してギヤボス44に伝達されると、ギヤボス44およびドライブギヤ42が一体回転すると共に、ギヤボス44と噛み合ったドリブンギヤ43およびボールねじ30のナット32が一体回転する。これにより、ナット32(電動モータ10の出力軸10a)の回転方向に応じてねじ軸31が軸方向に進退移動し、ねじ軸31の操作部36に連結された操作対象が操作される。
伝達ギヤケース45は、ねじ軸31の一部を収容した円筒部45aを有する。円筒部45aとねじ軸31との間には筒状のブーツ47が取り付けられる。ブーツ47は、ゴム材料あるいは熱可塑性エラストマー等の弾性材料で形成され、小径筒部47aおよび大径筒部47bと、両筒部47a,47bを接続する蛇腹部47cとを一体に有する。小径筒部47aはブーツバンド48Aによってねじ軸31に対して締め付け固定され、大径筒部47bはブーツバンド48Bによって伝達ギヤケース45の円筒部45aに対して締め付け固定される。このような構成により、伝達ギヤケース45(伝達ギヤケース45、減速機ケース16、モータケース11、軸ケース35および後述する軸受ケース51などを連結することで形成される電動アクチュエータ1のケーシング)内への異物侵入、および当該ケーシング内に介在するグリース等の潤滑剤の外部漏洩が防止される。
支持部5は、ボールねじ30のナット32を回転自在に支持する支持軸受50と、支持軸受50を収容した軸受ケース51とを備える。軸受ケース51は、その軸方向一方側に隣接配置された伝達ギヤケース45に対して分離可能に連結されている。
支持軸受50としては、外輪50aおよび内輪50bと、これらの間に転動自在に配された複列のボール50cとを備え、ラジアル荷重および両方向のアキシャル荷重を支持することができる複列アンギュラ玉軸受が使用される。軸受ケース51と支持軸受50との間には、径方向内向きの鍔部52aを一体に有する鍔付き円筒状のスリーブ52が配置されており、支持軸受50の外輪50aは、スリーブ52の鍔部52aとスリーブ52の内周面に装着された止め輪53とで挟持されることにより、軸方向の位置決めがなされている。一方、支持軸受50の内輪50bは、ドリブンギヤ43とナット32の外周面に装着された止め輪54とで挟持されることにより、軸方向の位置決めがなされている。
ロック機構部6は、ロック部材61と、ロック部材61を軸方向に進退移動させるための駆動力を発生するロック用モータ(例えばDCモータ)64とを備える。ロック用モータ64の出力軸にはこれと一体回転可能に滑りねじ軸63が取り付けられており、この滑りねじ軸63の外周に、ロック部材61を固定的に保持した滑りねじナット62が螺着している。ロック用モータ64は、動力電源(例えば、電動モータ10の動力電源と共通の動力電源)と電気的に接続された状態で軸ケース35に設けられた筒状のホルダ部35dに収容されており、ホルダ部35dの軸方向他方側の端部開口は、ホルダ部35dに取り付けられたキャップ65で封口されている。
ロック部材61は、軸受ケース51に設けられた非真円形状(例えば、矩形状)の貫通孔51aに挿入された断面非真円形状の非真円部を有する。これにより、ロック用モータ64の出力軸が回転すると、その回転動力を受けたロック部材61が回り止めされた状態で軸方向に進退移動する。ロック部材61は、駆動部2とボールねじ30のナット32の間での動力伝達を規制する規制位置、および上記動力伝達を許容する許容位置の二位置間を軸方向に進退移動する。なお、図1は、ロック部材61が規制位置に位置した状態を示している。
ロック部材61が前進する方向にはドライブギヤ42が配置されており、ドライブギヤ42にはロック部材61の非真円部が挿入される孔部42aが形成されている。本実施形態における上記の規制位置は、ロック部材61の非真円部がドライブギヤ42の孔部42aに挿入され、ロック部材61とドライブギヤ42とがドライブギヤ42の回転方向で係合する位置として定義される。この場合、ロック部材61が規制位置に位置すると、ドライブギヤ42の回転が規制されるので、電動アクチュエータ1は、ナット32の回転(ねじ軸31の進退移動)、つまり操作対象に対する直線運動の出力が規制されるロック状態となる。一方、図示は省略しているが、ロック部材61の非真円部がドライブギヤ42の孔部42aから完全に離脱するまでロック部材61が後退移動する(ロック部材61が許容位置に位置する)と、ロック部材61とドライブギヤ42の係合状態が解消されるので、ドライブギヤ42およびナット32の回転、ひいてはねじ軸31の進退移動が許容されるロック解除状態となる。
以上の構成を有する本実施形態のロック機構部6は、以下のように動作する。
まず、電動モータ10の駆動状態では、ロック部材61が上記の許容位置で保持される。この状態で電動モータ10への通電が停止されると、ロック用モータ64が駆動されてロック部材61が許容位置から規制位置に向けて前進移動する。ロック部材61が規制位置に位置するとロック用モータ64が停止し、ロック部材61が規制位置で保持される。その後、電動モータ10への通電が再開されると、ロック用モータ64が駆動されてロック部材61が規制位置から許容位置に向けて後退移動する。ロック部材61が許容位置に位置すると、ロック用モータ64が停止してロック部材61が許容位置で保持される。
ロック状態とロック解除状態の切り替えを正確に行うため、ロック機構部6には、ロック部材61の軸方向位置(ストローク量)を検出するための検出部66が設けられる。本実施形態の検出部66は、滑りねじナット62の軸方向位置を検出することで、滑りねじナット62に保持されたロック部材61の軸方向位置を間接的に検出する。
以下、本実施形態の電動アクチュエータ1で採用している特徴的構成について詳細に説明する。
図1、図3および図4に示すように、ねじ軸31の軸方向他方側の端部(後端部)には、ナット32の回転時にねじ軸31がその軸心回りに回転するのを規制するための回転規制部70を設けている。回転規制部70は、軸ケース35の筒部35aの内周に形成された軸方向の案内溝35cと、ねじ軸31に設けられた径方向の支軸に支持された状態で案内溝35cに嵌め込まれた円筒状の回転体(ガイドカラー)72とを有し、案内溝35cおよびガイドカラー72は、ねじ軸31の軸心を挟んで180°対向する二箇所に設けられている。ねじ軸31の後端部には、ねじ軸31を径方向に貫通する貫通孔31bが形成されており、この貫通孔31bには、上記支軸としての支持ピン71がその長手方向の両端部をねじ軸31の径方向外側に突出させた状態で挿入(圧入)されている。
ガイドカラー72は、ポリアセタール(POM)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などといった熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂材料で形成され、ここではPBTを主成分とする樹脂材料で形成されたものが使用される。このガイドカラー72が嵌め込まれた各案内溝35cは、互いに平行な一対の溝側面35c1と、両溝側面35c1を繋ぐ溝底面35c2とで画成された断面凹形状を有し、径一定の円筒面状に形成されたガイドカラー72の外周面72aと案内溝35の溝側面35c1との間には、円筒状のすきまZが形成される。つまり、案内溝35cの溝幅Dbは、ガイドカラー72の外周面72aの直径(外径)Daよりも大きく設定される(Db>Da)。また、ガイドカラー72は、支持ピン71に対してすきまばめされている。以上の構成により、ねじ軸31が軸方向に進退移動するとき、ガイドカラー72は、支持ピン71によって回転自在に支持された状態で案内溝35cの溝側面35c1上を滑らかに転動可能である。なお、上記の「すきまばめ」の定義は、JIS B 0401-1に規定された「すきまばめ」の定義に準ずる。
本実施形態の回転規制部70は、ゴム又は熱可塑性エラストマー等の弾性材料で形成され、ねじ軸31と軸ケース35の底部35bとの間に介在する緩衝部材73をさらに有する。緩衝部材73にはねじ軸31の径方向に沿う貫通孔73aが設けられており、緩衝部材73は、貫通孔73aに支持ピン71を挿通することでねじ軸31に対して取付固定される。そのため、支持ピン71は、ガイドカラー72の支軸として機能するだけでなく、緩衝部材73の取付部材としても機能する。このような構成により、ねじ軸31、支持ピン71、ガイドカラー72および緩衝部材73等を備えたアセンブリを容易に組み立てることができる。また、緩衝部材73が設けられていることにより、仮にねじ軸31が軸ケース35の底部35bに衝突した場合でも、その衝撃荷重を緩衝部材73で吸収・緩和することができるので、軸ケース35が破損等する可能性を低減することができる。
ところで、ねじ軸31は、ナット32が回転する(ナット32に電動モータ10の回転駆動力が入力される)のに伴って軸方向に進退移動するわけであるが、ナット32に入力される回転駆動力は、多数のボール33等を介してねじ軸31にも入力される。電動アクチュエータ1が前述した回転規制部70を有していることにより、ねじ軸31に回転駆動力RF(図3参照)が入力されてもねじ軸31が大きく回転することはないが、ねじ軸31を滑らかに進退移動(ガイドカラー72を滑らかに転動)させるべく互いに対向するガイドカラー72の外周面72aと案内溝35cの溝側面35c1との間にすきまZを設けた関係上、ねじ軸31は僅かに回転可能である。ねじ軸31が回転すると、ねじ軸31に取り付けられた支持ピン71およびこれに支持されたガイドカラー72もねじ軸31と一体的に回転する。
本実施形態では、ねじ軸31が多少回転した状態(ねじ軸31に回転駆動力RFが入力された状態)で進退移動する場合でも、ガイドカラー72と軸ケース35に形成した案内溝35cとの接触部(接触予定部)で面圧が過剰に高まるのを防止するための対策を講じている。具体的には、図3に示すように、ガイドカラー72の外周面72aのうち、少なくとも案内溝35cの溝底面35c2側の端部、つまり、ねじ軸31が回転した状態で進退移動する際の軸ケース35との接触予定部にクラウニング74を設け、当該接触予定部で接触面圧が過剰に高まるのを可及的に防止するようにしている。これにより、ねじ軸31が回転した状態でねじ軸31が進退移動しても、進退移動時に生じる摺動抵抗を減じてガイドカラー72および/又は軸ケース35が摩耗するのを防止することができる。
また、ガイドカラー72のうちねじ軸31が回転した状態で進退移動する際の軸ケース35との接触予定部に、一般的なR部ではなくクラウニング74を設けたことにより、ガイドカラー72のうち案内溝35cの溝底側の端面72bの面積(ガイドカラー72の体積)をいたずらに減少させることなく、軸ケース35(案内溝35c)に対するガイドカラー72の接触面圧を減少させることが可能となる。これにより、ガイドカラー72の機械的強度が低下するのを抑制又は防止することができるので、ねじ軸31を安定的に進退移動させることができる。
本実施形態では、上記接触予定部に、円筒状をなすガイドカラー72の外周面72aのみに対して接線Rとなる位置に曲率中心を持つ曲率半径Rの円弧面72cが形成されように単一円弧のクラウニング74を設けている。このようなクラウニング74を設けたことにより、ガイドカラー72の外周面72aと溝底面35c2側の端面72bとは、円弧面72cを介して接続される。なお、円弧面72cの曲率半径Rは、ガイドカラー72の外径Daとの間に、R≧0.5×Daの関係式が成立するように設定される。例えば、外径Da=5mmのガイドカラー72を使用する場合、曲率半径R=3mmに設定される。
本実施形態のガイドカラー72は、その軸方向(図3の紙面左右方向)中央部を通る軸直交平面を基準として面対称形状とされる。つまり、拡大しての図示は省略しているが、ガイドカラー72の外周面72aのうち、案内溝35の溝底面35c2とは反対側の端部(ねじ軸31の外周面に近い側の端部)には、上記軸直交平面を基準としてクラウニング74(円弧面72c)と面対称形状のクラウニング(円弧面)が設けられている。この場合、ガイドカラー72を支持ピン71の外周に嵌合する際に、ガイドカラー72の方向性を考慮する必要がなくなるので、ガイドカラー72の組付性(電動アクチュエータ1の組み立て作業性)を高めつつ、ガイドカラー72の誤組み付けを確実に防止することができる。
なお、ガイドカラー72は、必ずしも上記のような面対称形状とする必要はなく、左右非対称形状としても構わない。例えば、誤組み付けの防止対策が講じられた自動組み付け設備を用いてガイドカラー72の組み付けを行う場合等、ガイドカラー72の誤組み付けの可能性がないような場合には、左右非対称形状のガイドカラー72を用いても構わない。
以上、本発明の一実施形態に係る電動アクチュエータ1について説明したが、電動アクチュエータ1には、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜の変更を施すことができる。
例えば、ガイドカラー72の外周面72aに設けるべきクラウニング74は、ねじ軸31が回転した状態で進退移動する際におけるガイドカラー72と軸ケース35(に設けた案内溝35c)との接触面圧を減じることができるものであれば良く、前述した単一円弧以外のもの、例えば曲率中心が互いに異なる複数の円弧を接続したもの、としても良い。また、クラウニング74は、ガイドカラー72の外周面72aのうち案内溝35cの溝底面35c2側の端部(ガイドカラー72の外周面72aのうちねじ軸31が回転した状態で進退移動する際の軸ケース35との接触予定部)のみならず、ガイドカラー72の外周面72aの全域に設けても良い。
また、以上で説明した実施形態では、回転規制部70を構成する一対のガイドカラー72,72を一本の支持ピン71の長手方向両端部で回転可能に支持するようにした(支持ピン71として、その長手方向の両端部でガイドカラー72を回転可能に支持するものを使用した)が、一対のガイドカラー72,72は、それぞれがねじ軸31に装着された二本の支持ピン71で回転可能に支持することもできる(図示省略)。
また、運動変換機構部3は、ボール33およびこま34が省略され、実質的にねじ軸31およびその外周に回転可能に嵌合されたナット32のみで構成された、いわゆるすべりねじで構成することも可能である。また、本発明は、減速機構部9が省略され、駆動部2が実質的にモータ部8のみで構成された(電動モータ10の回転駆動力がそのまま伝達ギヤ機構部4に伝達される)電動アクチュエータ1にも適用することができる。
本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
1 電動アクチュエータ
2 駆動部
3 運動変換機構部
10 電動モータ
31 ねじ軸
32 ナット
35 軸ケース
35c 案内溝
35c2 溝底面
70 回転規制部
71 支持ピン(支軸)
72 ガイドカラー(円筒状の回転体)
74 クラウニング
Z すきま

Claims (5)

  1. 電動モータと、該電動モータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構とを備え、
    前記運動変換機構が、前記電動モータの回転運動を受けて回転するナットと、該ナットの回転に伴って軸心回りの回転を規制された状態で軸方向に進退移動するねじ軸とを有し、
    前記ねじ軸の前記回転を規制する回転規制部が、前記ねじ軸を収容した軸ケースの内周に形成された断面凹形状をなす軸方向の案内溝と、前記ねじ軸に設けられた径方向の支軸に支持された状態で前記案内溝に転動可能に嵌め込まれた円筒状の回転体とを有する電動アクチュエータにおいて、
    前記回転体の外周面のうち、少なくとも前記案内溝の溝底側の端部にクラウニングが設けられていることを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 前記回転体の外周面のうち、前記案内溝の溝底側の端部とは反対側の端部に、前記回転体の軸方向中央部を通る軸直交平面を基準として前記クラウニングと面対称形状のクラウニングが設けられている請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記クラウニングが、単一円弧のクラウニングであり、
    前記回転体の外周面の直径をDa、前記クラウニングの曲率半径をRとしたとき、R≧0.5×Daの関係式を満たす請求項1又は2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記案内溝および前記回転体が、前記ねじ軸の軸心を挟んで対向する二箇所に設けられている請求項1~3の何れか一項に記載の電動アクチュエータ。
  5. 前記回転体および前記軸ケースは、ベース樹脂が互いに異なる樹脂部品である請求項1~4の何れか一項に記載の電動アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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