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JP2023072390A - 半導体装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置および半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP2023072390A JP2021184924A JP2021184924A JP2023072390A JP 2023072390 A JP2023072390 A JP 2023072390A JP 2021184924 A JP2021184924 A JP 2021184924A JP 2021184924 A JP2021184924 A JP 2021184924A JP 2023072390 A JP2023072390 A JP 2023072390A
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gate insulating
gate
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貴行 島藤
Takayuki Shimafuji
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

Figure 2023072390000001
【課題】縦型MOSFETのターンオン時のdi/dtに起因するノイズを抑制する。
【解決手段】基板上面および基板下面を有する半導体基板と、基板上面に設けられ、膜厚の異なる第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上面にゲート電極と、ゲート電極の上面に層間絶縁膜を介しソース電極と、基板下面にドレイン電極を備え、ゲート絶縁膜の膜厚が異なることによって、しきい値の異なるMOSFET部を含む半導体装置を提供する。
【選択図】図2A

Description

本発明は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
従来、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の半導体装置を高速動作させる際に、ASICを構成するMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)等の駆動過渡期に流れる電流波形をなだらかにして電気的ノイズを低減することで、半導体装置の信頼性を向上できることが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、MOSFETのスイッチング時の電流立ち上がりおよび立下りを緩くして、該MOSFETを組み込んだ電力変換装置のスイッチング周波数を高めることができることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000-12841号公報 特開2004―253765号公報
この発明の目的は、低オン抵抗化のために、多数のセル構造が作り込まれたMOS型半導体装置において、微細化によりセル密度を向上した場合でも、ターンオン時のdi/dtの増加を抑制できる半導体装置を提供することにある。
本発明の第1の態様においては、半導体装置を提供する。半導体装置は、基板上面および基板下面を有する半導体基板に設けられる。半導体基板は、基板上面側にドリフト層を備え、基板下面側にドレイン層を備える。また、ドリフト層の基板上面側に、ドリフト層を介して第1のウェル領域および第2のウェル領域を備える。また、第1のウェル領域および第2のウェル領域のそれぞれの上面側に、第1のソース領域および第2のソース領域を備える。また、基板上面にゲート絶縁膜を備える。ゲート絶縁膜は、膜厚の異なる第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜を備える。また、ゲート絶縁膜の上面にゲート電極を備える。ゲート絶縁膜は、連続する第1のゲート絶縁膜と第2のゲート絶縁膜を備える。また、第1のゲート絶縁膜は、第1のウェル領域および第1のソース領域を覆い、第2のゲート絶縁膜は、第2のウェル領域および第2のソース領域を覆い、第1のゲート絶縁膜は第2のゲート絶縁膜より膜厚が薄い。
さらに、第1のゲート絶縁膜は、ドリフト層を覆い、第2のゲート絶縁膜もドリフト層を覆ってよい。
第2のゲート絶縁膜は、第2のウェル領域、第2のソース領域、および、n型ドリフト層18と接していてよい。
第2のゲート絶縁膜の膜厚は、第1のゲート絶縁膜の膜厚の1.3~2倍であってよい。
本発明の第2の態様においては、半導体装置の製造方法を提供する。製造方法は、第1のウェル領域および第2のウェル領域を形成するウェル領域形成段階を備える。製造方法は、第1のウェル領域および第2のウェル領域の上面側に第1のソース領域および第2のソース領域を形成するソース領域形成段階を備える。製造方法は、基板上面に選択的に、膜厚の異なる第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成段階を備える。第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜の上面にゲート電極を形成するゲート電極形成段階を備える。ゲート電極を覆うように層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成段階を備える。層間絶縁膜の上面にソース電極を形成するソース電極形成段階を備える。製造方法は、基板下面にドレイン電極を形成するドレイン電極形成段階を備える。
ゲート絶縁膜形成段階において、選択的にシリコン酸化膜が形成されている状態で、熱処理を行い、半導体基板を追酸化することで、膜厚の異なる第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜を形成してよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置100の概要を示す上面図である。 図1におけるA-A’断面を示す図である。 図2Aにおける領域Aの他の例を拡大して示す図である。 図2Aにおける領域Aの他の例を拡大して示す図である。 半導体装置100のゲート電圧とドレイン電流の関係を示す図である。 半導体装置100のドレイン電流と時間の関係を示す図である。 半導体装置100の製造方法のフローチャートの一例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 半導体装置100の製造方法の実施例を説明する図である。 本発明の変形例の実施形態に係る半導体装置101の概要を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体装置110の概要を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体装置120の概要を示す断面図である。 本発明の第4の実施形態に係る半導体装置130の概要を示す断面図である。 本発明の比較例に係る半導体装置200の概要を示す断面図である。 半導体装置100と比較例の半導体装置200のゲート電圧とドレイン電流の関係を示す図である。 半導体装置100と比較例の半導体装置200のドレイン電流と時間の関係を示す図である。
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。+および-を含めたnやpの表記が同じ場合は近い濃度であることを示し濃度が同じとは限らない。
なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、又、本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。また、1つの図面において、同一の機能、構成を有する要素については、代表して符合を付し、その他については符合を省略する場合がある。
本明細書においては半導体基板の深さ方向と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する。基板、層またはその他の部材の2つの主面のうち、一方の面を上面、他方の面を下面と称する。「上」、「下」の方向は、重力方向または半導体モジュールの実装時における方向に限定されない。
本明細書では、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。直交座標軸は、構成要素の相対位置を特定するに過ぎず、特定の方向を限定するものではない。例えば、Z軸は地面に対する高さ方向を限定して示すものではない。なお、+Z軸方向と-Z軸方向とは互いに逆向きの方向である。正負を記載せず、Z軸方向と記載した場合、+Z軸および-Z軸に平行な方向を意味する。本明細書では、半導体基板の上面および下面に平行な直交軸をX軸およびY軸とする。また、半導体基板の上面および下面と垂直な軸をZ軸とする。本明細書では、Z軸の方向を深さ方向と称する場合がある。また、本明細書では、X軸およびY軸を含めて、半導体基板の上面および下面に平行な方向を、水平方向と称する場合がある。
本明細書において「同一」または「等しい」のように称した場合、製造ばらつき等に起因する誤差を有する場合も含んでよい。当該誤差は、例えば10%以内である。
本発明の第1の実施形態を図1および図2に基づいて説明する。図1は、本発明の一つの実施形態に係る半導体装置100の概要を示す上面図である。半導体装置100は、半導体基板10に設けられている。半導体基板10は、上面視での形状がほぼ円形のウェーハの一部であってよい。半導体基板10の材質は、一例としてシリコンであるが、材質はシリコンに限定されない。半導体基板10の材質は、炭化珪素(SiC)であってもよい。半導体装置100は、半導体基板10をダイシングすることにより個片化される。
半導体装置100は、活性領域14および耐圧構造部12を有する。活性領域14には、MOSFET等のトランジスタが形成される。本例では、縦型MOSFETが形成されている。
半導体装置100の上面には、活性領域14を囲むように耐圧構造部12が設けられる。本例では、耐圧構造部12が半導体基板10の上面視における縁に沿って設けられている。耐圧構造部12は、ガードリングまたはフィールドプレート等を有しており、活性領域14の終端部分に電界が集中することを抑制して、半導体装置100の耐圧を向上させる。活性領域14の終端部分とは、活性領域14の活性領域14と耐圧構造部12の境界部である。
半導体装置100の上面には、活性領域14および耐圧構造部12に囲まれるように、選択的にゲートパッド16が設けられる。
図1では、活性領域14の上方に設けられるソース電極、ソース電極と半導体基板10とを絶縁する絶縁膜等の図示を省略している。また、耐圧構造部12に設けられるガードリングあるいはフィールドプレート等の図示を省略している。また、ゲートパッド16と活性領域14に設けられた縦型MOSFETのゲート端子を接続する配線の図示を省略している。また、29はソース電極である。
図2Aは、図1におけるA-A’断面を示す図であって、縦型MOSFETの単位セルを2つ示す図である。A-A’断面は、活性領域14を通過するXZ面である。
図2Aにおいて、半導体装置100は、n+型ドレイン層17およびn+型ドレイン層17の上面に接するn型ドリフト層18を備えている。本明細書では、n+型ドレイン層17とn型ドリフト層18の積層を半導体基板10とする。半導体基板10は、基板上面19および基板下面20を有する。n型ドリフト層18の上面は、半導体基板10の基板上面19であってよい。基板上面19は、縦型MOSFETのゲート構造が形成される面であってよい。ゲート構造とは、例えばゲート絶縁膜、ゲート電極、ソース領域、およびチャネル領域の少なくとも一つを含む構造である。
n型ドリフト層18の基板上面19側に選択的にp型ウェル領域22が設けられている。図2Aでは、p型ウェル領域22としてp型ウェル領域22A,22B,22Cがある。p型ウェル領域22A,22B,22Cは、X軸方向に並んで設けられている。
p型ウェル領域22の基板上面19側に選択的にn型ソース領域23が設けられている。n型ソース領域23は、1つのp型ウェル領域22内において、X軸方向に並んで2つ設けられていてよい。図2Aでは、n型ソース領域23としてn型ソース領域23A,23B,23C,23Dが設けられている。n型ソース領域23A,23B,23C,23Dは、X軸方向に並んで設けられている。
図2Aでは、縦型MOSFETの2つの単位セル41A,41Bを示している。-X軸方向側の単位セルを単位セル41Aとし、+X軸方向側の単位セルを単位セル41Bとする。単位セル41Aと単位セル41Bは同じ構造である。
まず、単位セル41Aについて説明する。単位セル41Aは、n型ドリフト層18を挟んで隣り合う2つのp型ウェル領域22A,22Bを備えている。2つのp型ウェル領域22A,22Bは、X軸方向に並んでいる。単位セル41Aの-X軸方向側のp型ウェル領域がp型ウェル領域22Aで、+X軸方向側のp型ウェル領域がp型ウェル領域22Bである。
p型ウェル領域22Aにはn型ソース領域23Aが形成されており、p型ウェル領域22Bにはn型ソース領域23Bが形成されている。
図示していないが、p型ウェル領域22A内の-X軸方向には別のn型ソース領域が形成されており、図2Aに示すn型ソース領域23Aは、p型ウェル領域22A内の+X軸方向側のn型ソース領域である。同様にp型ウェル領域22Bには、-X軸方向のn型ソース領域23Bと、これとは別の+X軸方向のn型ソース領域23Cが形成されている。第1の実施形態において、n型ソース領域23A、n型ドリフト層18を介して並ぶp型ウェル領域22A,22B、およびn型ソース領域23Bが単位セル41Aに含まれる。
次に、単位セル41Aの構造について説明する。基板上面19に選択的にゲート絶縁膜26Aが設けられている。単位セル41Aのゲート絶縁膜がゲート絶縁膜26Aである。ゲート絶縁膜26Aは、単位セル41A内に1つ設けられていてよい。ゲート絶縁膜26Aは、n型ソース領域23A、p型ウェル領域22A、n型ドリフト層18、p型ウェル領域22B、およびn型ソース領域23Bの上に設けられている。
ゲート絶縁膜26Aは、膜厚の異なる部分を有している。ゲート絶縁膜26Aは、ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜厚25Bを備え、ゲート絶縁膜25Aの膜厚は、ゲート絶縁膜25Bの膜厚より薄い。ゲート絶縁膜25Aとゲート絶縁膜厚25Bとは、X軸方向に並び、連続して設けられている。ゲート絶縁膜25Aの膜厚の50~500nmであってよい。ゲート絶縁膜25Bの膜厚は、ゲート絶縁膜25Aの膜厚の1.3~2倍であってよい。例えば、ゲート絶縁膜25Aの膜厚は80nm、ゲート絶縁膜25Bの膜厚は120nmであってよい。ゲート絶縁膜25A,25Bの膜厚は、上面がX軸に平行となっている部分でのZ軸方向の厚さであってよい。
図2Aにおいて、ゲート絶縁膜25Aは、p型ウェル領域22A、およびn型ソース領域23Aの一部と接している。また、ゲート絶縁膜25Bは、p型ウェル領域22B、n型ソース領域23Bの一部、およびn型ドリフト層18と接している。
ゲート絶縁膜26Aは、ゲート絶縁膜25Aとゲート絶縁膜25Bとが連続する場所に膜厚が変化する段差部Cを備えている。段差部Cは、上面視で、p型ウェル領域22Aとn型ドリフト層18のX軸方向の境界位置にある。段差部Cの位置をウェル領域22Aとn型ドリフト層18のX軸方向の境界位置としたのは、後述する2つのMOSFET部の間で、ゲート絶縁膜の膜厚に差をつけるためである。
図2Aにおいて、ゲート絶縁膜26Aの上面にゲート電極27Aが設けられている。本例では、ゲート電極としてゲート電極27A,27Bがある。単位セル41Aのゲート電極がゲート電極27Aである。ゲート電極27Bは単位セル41Bのゲート電極である。
ゲート電極27Aは、例えばポリシリコン等の導電材料よりなる。図2Aにおいて、ゲート電極27Aの膜厚は、例えば300~1000nmであってよい。ゲート電極27Aの膜厚は、ゲート絶縁膜25Aの上面および下面がX軸に平行となっている部分でのZ軸方向の厚さであってよい。
ゲート電極27Aの膜厚は、上面がX軸に平行となっている部分で、均一であってよい。また、ゲート電極27Aは、ゲート絶縁膜26Aが露出することの無いようにゲート絶縁膜26Aの段差部Cの形状に倣った形状であってよい。そのため、ゲート電極27Aは、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cに対応する位置に段差を備える。
図2Aにおいて、ゲート電極27Aを覆うように層間絶縁膜28Aが設けられている。本例では、層間絶縁膜として層間絶縁膜28A,28Bがある。単位セル41Aの層間絶縁膜が層間絶縁膜28Aである。層間絶縁膜28Bは単位セル41Bの層間絶縁膜である。
層間絶縁膜28A,Bは、例えばBPSG(Boro Phospho Silicate Glass),PSG(Phosphorus Silicate Glass)等で形成されてよい。層間絶縁膜28は、例えばBPSGの下(BPSGとゲート電極27の間)にHTO(High Temperature Oxide)、NSG(None-doped Silicate Glass)あるいはTEOS(テトラエトキシシラン)膜のいずれかを形成した積層膜であってよい。
図2Aにおいて、層間絶縁膜28の膜厚は、1μm程度であってよい。層間絶縁膜28の膜厚は、上面がX軸に平行な部分でのZ軸方向の厚さであってよい。層間絶縁膜28Aの膜厚は、ゲート絶縁膜25A,25BのX軸に平行な部分では均一であってよい。
層間絶縁膜28Aは、ゲート電極27Aが露出することの無いようにゲート電極27Aの段差部の形状に倣った形状であってよい。そのため、層間絶縁膜28Aは、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cに対応する位置に段差を備える。
前述の通り、ゲート絶縁膜25A,25Bの膜厚の相違によってゲート絶縁膜26Aには段差部Cが形成される。そのため、ゲート絶縁膜26A上に積層されるゲート電極27Aにも段差部Cの影響で段差が形成されている。同様に、ゲート電極27Aに積層される層間絶縁膜28Aにも段差部Cの影響で段差が形成されている。
ゲート絶縁膜26A上に所定の膜厚でゲート電極27Aを形成するにあたり、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cでゲート電極が途切れないようにゲート絶縁膜26Aの段差部の側面にもゲート電極27Aが形成される。そのため、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cよりは-X軸方向にずれてゲート電極27Aにも段差部が形成される。同様に、層間絶縁膜28Aについてもゲート電極27Aの側面を覆うため、ゲート電極27Aの段差により、さらに-X軸方向にずれて段差が形成される。
図2Aにおいて、層間絶縁膜28には、n型ソース領域23およびp型ウェル領域22を開口より露出するコンタクトホール31が設けられている。コンタクトホール31に対し-X軸方向側が層間絶縁膜28Aで、コンタクトホール31の+X軸方向側が層間絶縁膜28Bである。つまり、隣接する単位セル41A,41Bの境は、コンタクトホール31のX軸方向の中央部であってよい。
層間絶縁膜28を覆うようにソース電極29が設けられている。ソース電極29は、アルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金(Al-Si、Al-Cu、Al-Si-Cu)等の金属膜であってよく、例えばAl-Siよりなる。ソース電極29の膜厚は、5μm程度であってよい。ソース電極29の膜厚は、ソース電極29の基板上面19と接する面からソース電極29の上端までの高さであってよい。層間絶縁膜28は、ソース電極29とゲート電極27との間に設けられて、両者を絶縁する。ソース電極29は、コンタクトホール31を充填していている。ソース電極29は、コンタクトホール31を通してn型ソース領域23およびp型ウェル領域22と電気的に接続している。p型ウェル領域22のソース電極29と接する部分には、ソース電極29とp型ウェル領域22との接触抵抗を小さくするために、コンタクト領域(不図示)が設けられてもよい。
基板下面20にn+型ドレイン層17と接するドレイン電極30が設けられている。ドレイン電極30は、例えば、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)あるいはアルミニウムを主成分とする合金(Al-Si、Al-Cu、Al-Si―Cu)等の金属膜などから形成される積層膜(例えば、Ti/Ni/Au、Al/Ti/Ni/Au等)であってよい。
ゲート絶縁膜26Aの下方には、ゲートネック部32Aを備えている。ゲートネック部32Aは、n型ドリフト層18の一部であって、隣接する2つのp型ウェル領域22Aおよびp型ウェル領域22Bに挟まれる部分である。つまり、n型ソース領域23A、p型ウェル領域22A、ゲートネック部32A、p型ウェル領域22B、およびn型ソース領域23BはX軸方向に並んでおり、ゲート絶縁膜26Aはそれらを覆っている。
図2Aに示すように、単位セル41Aは2つのMOSFET部42A,43Aを備える。ゲートネック部32Aの-X軸方向側がMOSFET部42Aであり、+X軸方向側がMOSFET部43Aである。MOSFET部42Aの動作時にチャネルが形成される部分がチャネル部44Aである。MOSFET部43Aの動作時にチャネルが形成される部分がチャネル部45Aである。つまり、1つの単位セル41AにはMOSFET部42A,43Aが形成されていて、このMOSFET部42A,43Aのチャネル部が、それぞれチャネル部44A,45Aである。MOSFET部42Aのゲート絶縁膜は前述のゲート絶縁膜25Aであり、MOSFET部43Aのゲート絶縁膜は前述のゲート絶縁膜25Bである。ゲート絶縁膜25A,25Bは膜厚が異なるので、MOSFET部42AとMOSFET部43Aとではゲート絶縁膜の膜厚が異なる。そのため、単位セル41のXZ面の構造が、ゲートネック部32の中央部を通るZ軸方向中央線に対して左右が非対称な構造となっている。
図2Aのp型ウェル領域22、n型ソース領域23、ゲート絶縁膜26、およびゲート電極27はY軸方向に所定の長さ延伸していてよい。所定の長さとは、例えば、活性領域14の幅と同じであってよく、活性領域14の幅より短くてもよい。
隣接する単位セルは、p型ウェル領域を共有していてよい。図2Aでは、隣接する単位セル41A,41Bでp型ウェル領域22Bを共有している。そのため、p型ウェル領域22Bは、p型ウェル領域22B内の-X軸方向側に単位セル41Aの一部および+X軸方向側に単位セル41Bの一部を備えていてよい。-X軸方向側の単位セル41Aの一部とは、チャネル部45Aおよびn型ソース領域23Bであってよい。+X軸方向側の単位セル41の一部とは、チャネル部44Bおよびn型ソース領域23Cであってよい。
単位セル41Aは2つのMOSFET部42A,43Aを備える。MOSFET部42Aのチャネル部44Aは、p型ウェル領域22Aに形成される。MOSFET部43Aのチャネル部45Aは、p型ウェル領域22Bに形成される。ゲート電極27Aおよび層間絶縁膜28Aは、ゲート絶縁膜25A,25Bに共通に設けられている。
同様に、単位セル41Bは2つのMOSFET部42B,43Bを備える。MOSFET部42Bのチャネル部44Bは、p型ウェル領域22Bに形成される。MOSFET部43Bのチャネル部45Bは、p型ウェル領域22Cに形成される。ゲート電極27Bおよび層間絶縁膜28Bは、ゲート絶縁膜26Bに共通に設けられている。
ゲート絶縁膜26Bは、連続するゲート絶縁膜25Cおよびゲート絶縁膜25Dを備える。ゲート絶縁膜25Cの膜厚は、ゲート絶縁膜25Dの膜厚より薄い。ゲート絶縁膜25Aとゲート絶縁膜25C、ゲート絶縁膜25Bとゲート絶縁膜25Dは、それぞれ同じ膜厚である。
p型ウェル領域22Bには、単位セル41AのMOSFET部43Aのチャネル部45Aと単位セル41BのMOSFET部42Bのチャネル部44Bが形成される。
つまり、単位セルには2つのMOSFET部が形成され、一方のMOSFET部は1つのウェル領域に、他方のMOSFET部は別のウェル領域にそれぞれ形成され、これら2つのMOSFET部には共通のゲート電極が設けられる。また、1つのウェル領域には、1つの単位セルの一方のMOSFET部と別の単位セルの一方のMOSFET部が形成される。
図2Bは、図2Aに点線で示した領域Aの部分の変形例を示す図である。領域Aは、ゲート絶縁膜26A、ゲート電極27A、および層間絶縁膜28Aを含む。図2Bでは、薄いゲート絶縁膜25Aとこれより厚いゲート絶縁膜25Bの膜厚の変化する段差部Cの形状が図2Aに示す形状と異なる。すなわち、図2Aでは段差部Cがステップ状であるのに対し、図2Bではスロープ状となっている。ゲート絶縁膜25A,25Bの膜厚の差が必要であり、段差部Cの形状は変形してもよい。スロープ状の段差部Cの幅は0~300nmの範囲であってよい。
図2Cは、図2Aの領域Aの別の変形例を示す。図2Cでは、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cがスロープ状となっていることに加え、ゲート絶縁膜26Aの-X軸方向の端部が層間絶縁膜28Aの-X軸方向の端部とX軸方向の位置が一致している。ゲート電極27Aの-X軸方向の端部は、層間絶縁膜28Aに覆われていてよい。ゲート電極27Aの-X軸方向の端部は、ゲート絶縁膜26Aの-X軸方向の端部より+X軸方向側にあってよい。同様に、ゲート絶縁膜26Aの+X軸方向の端部は層間絶縁膜28Aの+X軸方向の端部と一致していてよい。ゲート電極27Aの+X軸方向の端部は、層間絶縁膜28Aに覆われていてよい。ゲート電極27Aの+X軸方向の端部は、ゲート絶縁膜26Aの+X軸方向の端部より-X軸方向側にあってよい。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置100の動作について説明する。図3Aは、半導体装置100のゲート電圧とドレイン電流との関係を示す図である。半導体装置100において、前述の通り、単位セル41Aのゲート絶縁膜26Aは膜厚の薄いゲート絶縁膜25Aと膜厚の厚いゲート絶縁膜25Bを備えている。つまり、ゲート絶縁膜26Aの膜厚は、MOSFET部42Aのチャネル部44Aの上部で薄く、MOSFET部43Aのチャネル部45Aの上部で厚くなっている。そのため、MOSFET部42AとMOSFET部43Aとでしきい値電圧が異なる。MOSFET部42のしきい値電圧をVth1、MOSFET部43のしきい値電圧をVth2としたとき、Vth1<Vth2となる。
半導体装置100では、MOSFET部42およびMOSFET部43には、同じゲート電圧が印加される。そのため、図3Aに示すように、半導体装置100のドレイン電流ID100は、ゲート電圧がVth1を超えた時点でMOSFET部42のドレイン電流ID1が流れ始め、その後、ゲート電圧がVth2を超えた時点でMOSFET部43のドレイン電流ID2が流れ始めてID1に加わって、ドレイン電流ID100はID1+ID2となる。図3Aでは、第1のMOSFET部をMOSFET部42Aとし、第2のMOSFET部をMOSFET部43Aとする。
単位セルの2つのMOSFET部のチャネル幅は同じであってよい。チャネル幅は、ドレイン電流が流れる幅であってよい。単位セルの2つのMOSFET部のゲート絶縁膜の膜厚が同じ場合にはID1=ID2であってよいが、半導体装置100では、ゲート絶縁膜25Aとゲート絶縁膜25Bの膜厚が異なるため、ID1とID2が異なる。単位セル41AのMOSFET部42AとMOSFET部43Aとは、時間差をもってドレイン電流が流れ始めることで、半導体装置100のドレイン電流が段階的に変化する。
図3Bは、半導体装置100のドレイン電流と時間の関係を示す図である。半導体装置100において、ゲート電圧が印加された時のドレイン電流の変化を示す。図3Bにはゲート電圧VGも示す。
半導体装置100では、単位セル41AのMOSFET部42A,43Aに共通のゲート電圧VGが印加され、VGがVth1を超えた時点で、MOSFET部42のドレイン電流ID1が流れ始め、Vth2を超えた時点でMOSFET部43のドレイン電流ID2が流れ始めてID1に加わる。半導体装置100では、ドレイン電流が流れ始める付近の電流上昇率(di/dt)は、単位セル41AのMOSFET部42Aのみを流れるドレイン電流ID1によって決まる。このように、半導体装置100では、Vth1で流れ始める電流を抑えることでdi/dtを小さくすることができる。
つまり、ドレイン電流が流れ始める付近では、単位セルの1つのMOSFET部のみで電流が流れるため、単位セルの2つのMOSFET部で電流が流れ始める場合に比べて、di/dtが小さくなる。
本発明では、単位セル41のMOSFET部42とMOSFET部43とのしきい値が異なることによって、半導体装置100のMOSFET駆動の過渡期に流れる電流波形がなだらかとなる。そのため、半導体装置100を用いることによって、電気的ノイズが低減するようになり、半導体装置100を搭載する半導体機器の高速化あるいは多機能化が容易になる。
MOSFET部42のゲート電極とMOSFET部43のゲート電極を別々に形成したうえでそれぞれのゲート電極に別々の電圧を印加することで同様の効果を得ることが可能となるが、素子の構造やゲート電圧の制御が複雑になってしまう。
本発明の第1の実施形態に係る半導体装置100の製造方法について説明する。図4は、半導体装置100(図2A参照)の製造方法のフローチャートの一例を説明する図である。半導体装置100の製造方法は、ウェル領域形成段階S101、ソース領域形成段階S102、ゲート絶縁膜形成段階S103、ゲート電極形成段階S104、層間絶縁膜形成段階S105、コンタクトホール形成段階S106、ソース電極形成段階S107、および、ドレイン電極形成段階S108を備える。以下において、図4のS101~S108に沿って、図5~図14を用いて製造方法を説明する。
図5において、半導体装置100は半導体基板10に形成される。本例における半導体基板10は、上面視における形状がほぼ円形のウェーハの一部であってよい。半導体装置100は、半導体基板10をダイシングすることで複数製造されてよい。半導体基板10の材質はシリコン(Si)であってよい。半導体基板10の材質はシリコン(Si)に限定されない。半導体基板10の材質は炭化珪素(SiC)であってもよい。
半導体装置100は、n+型ドレイン層17の上面に接してn型ドリフト層18を備えている。本明細書では、n+型ドレイン層17とn型ドリフト層18の積層を半導体基板10とする。半導体基板10は、基板上面19および基板下面20を有する。
半導体基板10は、n+型ドレイン層17上にn型ドリフト層18をエピタキシャル成長して形成してよい。この場合、n+型ドレイン層17は、初期の半導体基板10であってよい。n+型ドレイン層17およびn型ドリフト層18は、n型不純物を含む。n型ドリフト層18のn型不純物量は、n+型ドレイン層17のn型不純物量より少ない。n型不純物は、例えばリン(P)あるいはヒ素(As)である。n型ドリフト層18の膜厚は、例えば10~50μmであってよい。
半導体基板10は、n型ドリフト層18にイオン注入によってn+型ドレイン層17を設けることで形成してもよい。この場合、n型ドリフト層18は、初期の半導体基板10であってよい。n+型ドレイン層17を形成するための不純物は、例えばリン(P)あるいはヒ素(As)であってよい。イオン注入する前に、所定の膜厚になるようn型ドリフト層18を裏面側より研削してもよい。
n型ドリフト層18をエピタキシャル成長で形成する際、n型ドリフト層18が厚い場合には、n型ドリフト層18をエピタキシャル成長するのに時間がかかってしまため、n型ドリフト層18にイオン注入によってn+型ドレイン層17を設ける方が有効である。
図6において、図4のウェル領域形成段階S101について説明する。フォトリソグラフィにより基板上面19に所定のパターンのレジスト膜(不図示)を形成し、そのレジスト膜をマスクとして半導体基板10にp型不純物を選択的にイオン注入する。p型不純物は、例えばボロン(B)である。その後、レジスト膜を除去して、所定の熱処理を行うことでp型ウェル領域22を形成する。p型ウェル領域22はX軸方向に複数形成されてよい。図6では、-X軸方向側より、p型ウェル領域22A,22B,22Cである。
図6で、p型ウェル領域22Aおよび22Cは一部図示されていないため、p型ウェル領域22Bに比べ、X軸方向の幅が小さく記されているが、p型ウェル領域22A,22B,22CはX軸方向の幅が同じであってよい。p型ウェル領域22BのX軸方向の幅W1は、例えば、1~4μmであってよい。p型ウェル領域22は、所定の間隔D1を隔ててX軸方向に並んで選択的に複数形成されている。間隔D1は、例えば、0.3~1μmであってよい。
図7において、図4のソース領域形成段階S102について説明する。フォトリソグラフィにより基板上面19に所定のパターンのレジスト膜(不図示)を形成し、そのレジスト膜をマスクとしてp型ウェル領域22にn型不純物を選択的にイオン注入する。n型不純物は、例えばリン(P)である。その後、レジスト膜を除去して、所定の熱処理を行うことで複数のn型ソース領域23を形成する。n型ソース領域23は、1つのp型ウェル領域22内において、X軸方向に並んで2つ形成されてよい。図7では、-X軸方向側より、n型ソース領域23A,23B,23C,23Dである。図7では、p型ウェル領域22A内の-X軸方向側のn型ソース領域およびp型ウェル領域22C内の+X軸方向側のn型ソース領域は一部図示されていない。
型ソース領域23A,23B,23C,23DのX軸方向の幅は同じであってよい。n型ソース領域23のX軸方向の幅W2は、例えば、0.3~1μmであってよい。1つのp型ウェル領域22内に2つのn型ソース領域23が所定の間隔D2を隔ててX軸方向に並んで選択的に形成されている。間隔D2は、例えば、0.3~1μmであってよい。
p型ウェル領域22の-X軸方向側端部からp型ウェル領域22内の-X軸方向側のn型ソース領域23の-X軸方向側端部までの距離は間隔D3であってよい。間隔D3は、例えば0.1~1μmであってよい。p型ウェル領域22の+X軸方向側端部からp型ウェル領域22内の+X軸方向側のn型ソース領域23の+X軸方向側端部までの距離も間隔D3であってよい。
図8~10において、図4のゲート絶縁膜形成段階S103について説明する。ゲート絶縁膜形成段階S103では、少なくとも2回に分けてシリコン酸化膜を形成する。図8では、1回目のシリコン酸化膜の形成として、基板上面19の全面にシリコン酸化膜24を形成する。シリコン酸化膜24は、半導体基板10を熱酸化して形成してよい。シリコン酸化膜24は、CVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成してもよい。
次に、図9では、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、基板上面19に選択的にシリコン酸化膜24を残す。シリコン酸化膜24はX軸方向に並んでいる。図9では、シリコン酸化膜24は、-X軸方向側がシリコン酸化膜24A、+X軸方向側がシリコン酸化膜24Bである。シリコン酸化膜24Aは、n型ドリフト層18、p型ウェル領域22Bおよびn型ソース領域23Bの上面に接していてよい。シリコン酸化膜24Bは、n型ドリフト層18、p型ウェル領域22Cおよびn型ソース領域23Dの上面に接していてよい。
シリコン酸化膜24Aの-X軸方向側の端は、上面視で、p型ウェル領域22Aおよびn型ドリフト層18のX軸方向の境界上にあってよい。シリコン酸化膜24Aの+X軸方向側の端は、上面視で、n型ソース領域23B上にあってよい。同様に、シリコン酸化膜24Bの-X軸方向側の端は、上面視で、p型ウェル領域22Bおよびn型ドリフト層18のX軸方向の境界上にあってよい。シリコン酸化膜24Aの+X軸方向側の端は、上面視で、n型ソース領域23D上にあってよい。
次に、図10では、2回目のシリコン酸化膜の形成として、基板上面19上にシリコン酸化膜を形成する。シリコン酸化膜は、半導体基板10を熱酸化して形成してよい。シリコン酸化膜は、CVD法で形成してもよい。この際、予めシリコン酸化膜24が形成されている領域はその他の領域に比べシリコン酸化膜の膜厚が厚くなる。2回目のシリコン酸化膜の形成をCVD法で行った場合は、ゲート絶縁膜26と半導体基板との界面を良好にするため、シリコン酸化膜の形成をCVD法で行った後、熱酸化を行うのが好ましい。これは、熱酸化を行うことで雰囲気中の酸素原子と半導体基板中のシリコン原子が反応してシリコン酸化膜が形成されるため、初期の基板上面19より半導体基板の内部(-Z方向側)に、清浄なシリコン酸化膜と半導体基板との界面が形成されるからである。
以上のゲート絶縁膜形成段階S103によって、膜厚の厚いゲート絶縁膜25B、および膜厚がゲート絶縁膜25Bより薄いゲート絶縁膜25Aを備えるゲート絶縁膜26が形成される。ゲート絶縁膜26には、ゲート絶縁膜25Aとゲート絶縁膜25Bの膜厚が変化する部分である段差部Cが形成される。段差部Cは、上面視で、p型ウェル領域22Aとn型ドリフト層18のX軸方向の境界位置にあってよい。段差部Cの位置をウェル領域22Aとn型ドリフト層18のX軸方向の境界位置とするのは、2つのMOSFET部の間で、ゲート絶縁膜の膜厚に差をつけるためである。段差部Cは、X軸方向の所定の幅を有してもよい。X軸方向の所定の幅とは、例えば0~300nmの範囲であってよい。
次に図11では、図4のゲート電極形成段階S104を説明する。ゲート絶縁膜26の上面にゲート電極層27を形成する。ゲート電極層27は、ゲート絶縁膜26を覆う。
ゲート絶縁膜26は、膜厚の薄いゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25より厚いゲート絶縁膜25Bを備え、膜厚が変化する部分に段差部Cを備える。ゲート電極層27には、上面視で、ゲート絶縁膜26の段差部Cに対応する位置に段差が形成されていてよい。ゲート電極層27の段差については、ゲート絶縁膜26が露出することの無いようにゲート絶縁膜26の段差部Cの形状に倣った形状であってよい。
ゲート電極層27は、ポリシリコン等の導電材料で形成されてよい。ゲート電極層27はCVD法で形成されてよい。ゲート電極層27の膜厚は、上面および下面がX軸に平行となっている部分でのZ軸方向の高さであってよい。ゲート電極層27の膜厚は、一例として、300~1000nmである。
次に、図12では、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、選択的にゲート絶縁膜26およびゲート電極27の積層構造を形成する。ゲート絶縁膜26およびゲート電極27の積層構造は、X軸方向に並んでいてよい。ゲート絶縁膜26およびゲート電極27の積層構造は、-X軸方向側がゲート絶縁膜26Aおよびゲート電極27Aの積層構造で、+X軸方向側がゲート絶縁膜26Bおよびゲート電極27Bの積層構造であってよい。
ゲート絶縁膜26とゲート電極27の積層構造は、隣接するp型ウェル領域22およびそれぞれのp型ウェル領域22内に設けられた1つのソース領域の一部、およびn型ドリフト層18を覆うように形成されてよい。つまり、ゲート絶縁膜26Aとゲート電極27Aの積層構造は、p型ウェル領域22A、n型ソース領域23A、p型ウェル領域22B、n型ソース領域23B、およびn型ドリフト層18を覆っていてよい。同様に、ゲート絶縁膜26Bとゲート電極27Bの積層構造は、p型ウェル領域22B、n型ソース領域23C、p型ウェル領域22C、n型ソース領域23D、およびn型ドリフト層18を覆っていてよい。
ゲート絶縁膜26とゲート電極27の積層構造は、ゲート絶縁膜26の-X軸方向側の端とゲート電極27の-X軸方向側の端は上面視で略一致していてよい。ゲート絶縁膜26の+X軸方向側の端とゲート電極27の+X軸方向側の端は上面視で略一致していてよい。ゲート絶縁膜26およびゲート電極27について、-X軸方向側の端と+X軸方向側の端は略一致するようにすることで、1つの同じエッチング用マスクを用いて製造することが可能となる。
ゲート絶縁膜26の-X軸方向側の端は、上面視で、-X軸方向側のp型ウェル領域22内の+X軸方向側のn型ソース領域23上にあってよい。ゲート絶縁膜25の+X軸方向側の端は、上面視で、+X軸方向側のp型ウェル領域22内の-X軸方向側のn型ソース領域23上にあってよい。つまり、ゲート絶縁膜26Aの-X軸方向側の端は、上面視で、-X軸方向側のp型ウェル領域22A内の+X軸方向側のn型ソース領域23A上にあってよい。ゲート絶縁膜26Aの+X軸方向側の端は、上面視で、+X軸方向側のp型ウェル領域22B内の-X軸方向側のn型ソース領域23B上にあってよい。
次に、図13では、図4の層間絶縁膜形成段階S105を説明する。ゲート電極27を覆うように、層間絶縁膜28を形成する。層間絶縁膜28は、例えばBPSG、PSG(Phosphorus Silicate Glass)等で形成されてよい。層間絶縁膜28は、例えばBPSGの下(BPSGとゲート電極27の間)にHTO(High Temperature Oxide)、NSG(None-doped Silicate Glass)あるいはTEOS(テトラエトキシシラン)膜のいずれかを形成した積層膜であってよい。層間絶縁膜28の膜厚は、例えば1μmであってよい。層間絶縁膜28の膜厚は、上面および下面がX軸に平行な部分のZ軸方向の厚さであってよい。
次に、図14では、図4のコンタクトホール形成段階S106を説明する。フォトリソグラフィおよびエッチングにより、層間絶縁膜28にコンタクトホール31を形成する。コンタクトホール31は、n型ソース領域23およびp型ウェル領域22を露出してよい。図14では、コンタクトホール31は、n型ソース領域23B、p型ウェル領域22B、およびn型ソース領域23Cを露出しする。
コンタクトホール31は、異方性のドライエッチングによって形成してよい。コンタクトホール31を形成後、層間絶縁膜28をリフロー処理してよい。コンタクトホール31を形成後、層間絶縁膜28をリフロー処理しなくてもよい。図14において、ゲート絶縁膜26,ゲート電極27の端面は、層間絶縁膜28によって覆われていてよい。
図14で、コンタクトホール31の-X軸方向側が層間絶縁膜28Aで、コンタクトホール31の+X軸方向側が層間絶縁膜28Bである。
図2Cに示す断面構造となるよう製造する際は、ゲート絶縁膜26の上面にゲート電極27を形成した後、フォトリソグラフィおよびエッチングで、ポリシリコンのみをエッチングして、ゲート絶縁膜はエッチングしない。その後ゲート絶縁膜26およびゲート電極27の上面の全体に層間絶縁膜を形成して、その後、フォトリソグラフィおよびエッチングで、層間絶縁膜28およびゲート絶縁膜26を同じ工程でエッチングして、コンタクトホールを形成する。
図2Aにおいて、ソース電極形成段階S107およびドレイン電極形成段階S108を説明する。まず、ソース電極形成段階S107では、層間絶縁膜28を覆うようにソース電極29を形成する。ソース電極29はアルミニウムあるいはアルミニウムを主成分とする合金(Al-Si、Al-Cu、Al-Si-Cu)等の金属膜であってよい。ソース電極29は、スパッタ法で形成してよい。ソース電極29は、層間絶縁膜28上にバリアメタル(不図示)を介して形成してよい。バリアメタルは、チタン膜(Ti)、窒化チタン膜(TiN)、またはこれらの積層膜(例えば、Ti/TiN等)であってよい。バリアメタルは、スパッタ法で形成してよい。ソース電極29は、コンタクトホール31を充填してよい。ソース電極29は、n型ソース領域23およびp型ウェル領域22と電気的に接続する。
ドレイン電極形成段階S108において、基板下面20のドレイン層に接しドレイン電極30を形成する。ドレイン電極30はニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銀(Ag)、アルミニウム(Al)あるいはアルミニウムを主成分とする合金(Al-Si、Al-Cu、Al-Si―Cu)等の金属膜などから形成される積層膜(例えば、Ti/Ni/Au、Al/Ti/Ni/Au等)であってよい。ドレイン電極30は、スパッタ法で形成してよい。次に、熱処理を行い、n+型ドレイン層17とドレイン電極30とのオーミック接合を形成する。ソース電極形成段階S107の後、且つドレイン電極形成段階S108の前において、基板下面20側を研削してもよい。ここまでの製造工程により半導体装置100が完成する。
図15において、半導体装置100の変形例として半導体装置101を説明する。半導体装置101では、隣接する単位セル41A,41Bにおいて、ゲート絶縁膜26Aと26Bが異なる形状となっている。異なる形状とは、ゲート絶縁膜26Aが膜厚の薄いゲート絶縁膜25Aおよび膜厚がゲート絶縁膜25Aより厚いゲート絶縁膜25Bを備え、-X軸方向側にゲート絶縁膜25Aが、+X軸方向側にゲート絶縁膜25Aが配置するのに対し、ゲート絶縁膜26Bでは膜厚の薄いゲート絶縁膜25Cおよび膜厚がゲート絶縁膜25Cより厚いゲート絶縁膜25Dを備え、-X軸方向側にゲート絶縁膜25Dが、+X軸方向側にゲート絶縁膜25Cが配置することでよい。半導体装置101の製造方法は、半導体装置100の製造方法と同じであってよい。半導体装置101では、半導体装置100と同様に、di/dtを小さくする効果が得られる。
本発明の第2の実施形態を図16に基づいて説明する。第2の実施形態の半導体装置110と第1の実施形態の半導体装置100との違いは、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cの位置がゲートネック部32Aの上方に設けられる点である。ゲート絶縁膜26Aは、膜厚の薄いゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Aより膜厚の厚いゲート絶縁膜25Bよりなる。ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25BはX軸方向に並んでいてよい。ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Bは連続している。ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Bの膜厚が変化する部分に段差部Cが設けられる。ゲート絶縁膜25Aは、n型ソース領域23A、p型ウェル領域22A、およびn型ドリフト層18の上面に設けられる。ゲート絶縁膜25Bは、n型ソース領域23B、p型ウェル領域22B、およびn型ドリフト層18の上面に設けられる。ゲート絶縁膜26Aの段差部Cは、上面視でゲートネック部32A上に設けられる。単位セル41Aにおいて、MOSFET部42Aのチャネル部44Aの上面のゲート絶縁膜は、ゲート絶縁膜25Aよりなり、MOSFET部43Aのチャネル部45Aの上面のゲート絶縁膜はゲート絶縁膜25Bよりなる。
第2の実施形態の半導体装置110では、第1の実施形態の半導体装置100と同様に、チャネル部44上のゲート絶縁膜25Aの膜厚は、チャネル部45上のゲート絶縁膜25Bの膜厚より薄い構造となっている。そのため、MOSFET部42およびMOSFET部43でしきい値が異なり、di/dt特性を調整することが可能となる。第2の実施形態の半導体装置110では、半導体装置100に比べてゲート-ドレイン間の静電容量が大きくなることでターンオフ時のdv/dtが小さくなりノイズが低減される。
第2の実施形態の半導体装置110の製造方法については、第1の実施形態の半導体装置100の製造方法と同様であるため、記載を省略する。
本発明の第3の実施形態を図17に基づいて説明する。第3の実施形態の半導体装置120と第1の実施形態の半導体装置100との違いは、ゲート絶縁膜26Aの段差部Cの位置がp型ウェル領域22Aの上方に設けられる点である。
ゲート絶縁膜26Aは、膜厚の薄いゲート絶縁膜25Aおよび膜厚がゲート絶縁膜25Aより厚いゲート絶縁膜25Bよりなる。ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25BはX軸方向に並んでいてよい。ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Bは、連続していてよい。ゲート絶縁膜25Aとゲート絶縁膜25Bの膜厚が変化する部分に段差部Cが設けられる。ゲート絶縁膜25Aは、n型ソース領域23A、p型ウェル領域22Aの上面に設けられる。ゲート絶縁膜25Bは、n型ソース領域23B、p型ウェル領域22B、n型ドリフト層18、およびp型ウェル領域22Aの上面に設けられる。つまり、段差部Cは、上面視でp型ウェル領域22A上にある。単位セル41Aにおいて、MOSFET部42Aのチャネル部44Aの上面のゲート絶縁膜は、ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Bよりなり、MOSFET部43Aのチャネル部45Aの上面のゲート絶縁膜はゲート絶縁膜25Bよりなる。
第3の実施形態の半導体装置120では、チャネル部44A上にゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Bが設けられている。そのため、第1の実施形態と同様にMOSFET部42およびMOSFET部43でしきい値が異なり、di/dt特性を調整することが可能となる。第3の実施形態の半導体装置120では、ゲート絶縁膜25の段差部Cが上面視でp型ウェル領域22A上にあることで、半導体装置100と比べてゲート-ソース間の静電容量が小さくなることでQg(充電電荷量)を抑えドライブ損失を小さくできる。
第3の実施形態の半導体装置120の製造方法については、第1の実施形態の半導体装置100の製造方法と同様であるため、記載を省略する。
本発明の第4の実施形態を図18に基づいて説明する。第4の実施形態の半導体装置130と第1の実施形態の半導体装置100との違いは、ゲート絶縁膜26およびゲート電極27がゲートネック部32の上方で層間絶縁膜28によって分割されている点である。
半導体装置130では、膜厚の薄いゲート絶縁膜25Aおよび膜厚がゲート絶縁膜25Aより厚いゲート絶縁膜25Bが層間絶縁膜28Aで分割されている。また、半導体装置130のゲート電極27Aは、ゲート絶縁膜25A上およびゲート絶縁膜25B上に形成されている。ゲート電極27Aは、層間絶縁膜28Aで分割されている。ゲート絶縁膜25A上のゲート電極27Aについて、-X軸方向側の端部がゲート絶縁膜25Aの-X軸方向側の端部と略一致し、+X軸方向側の端部がゲート絶縁膜25Aの+X軸方向側の端部と略一致している。同様に、ゲート絶縁膜25B上のゲート電極27Aについて、-X軸方向側の端部がゲート絶縁膜25Bの-X軸方向側の端部と略一致し、+X軸方向側の端部がゲート絶縁膜25Aの+X軸方向側の端部と略一致している。ゲート絶縁膜25A上のゲート電極27Aおよびゲート絶縁膜25B上のゲート電極27Aは、同一のゲート配線(不図示)を通してゲートパッド16に接続していてよい。ゲート絶縁膜25A上のゲート電極27Aおよびゲート絶縁膜25B上のゲート電極27Aは、電気的に接続されている。
半導体装置130において、ゲート絶縁膜25Aは、n型ソース領域23A、p型ウェル領域22A、および、n型ドリフト層18と接している。半導体装置130において、ゲート絶縁膜25Bは、n型ソース領域23B、p型ウェル領域22B、および、n型ドリフト層18と接している。単位セル41Aにおいて、MOSFET部42Aのチャネル部44Aの上面のゲート絶縁膜は、ゲート絶縁膜25Aよりなり、MOSFET部43Aのチャネル部45Aの上面のゲート絶縁膜は、ゲート絶縁膜25Bよりなる。
第4の実施形態の半導体装置130では、チャネル部44上にゲート絶縁膜25Aが設けられ、チャネル部45上にゲート絶縁膜25Bが設けられている。そのため、第1の実施形態と同様にMOSFET部42およびMOSFET部43でしきい値が異なり、di/dt特性を調整することが可能となる。第4の実施形態の半導体装置130では、ゲート絶縁膜25Aおよびゲート絶縁膜25Bが層間絶縁膜28Aで分割されることで、半導体装置100に比べてゲート-ドレイン間の静電容量を小さくすることができる。
第4の実施形態の半導体装置130の製造方法については、ゲート絶縁膜26Aおよびゲート電極27Aをフォトリソグラフィとエッチングで加工する際段差部C近傍も取り除く点が第1の実施形態の半導体装置100の製造方法と異なるが、他は同様であるため、記載を省略する。
図19は、第1の実施形態の比較例を説明する図である。比較例の半導体装置200では、ゲート絶縁膜の膜厚は均一となっている。つまり、単位セル41A内のMOSFET部42AとMOSFET部43Aとは、ゲート絶縁膜の膜厚が同じとなっている。同様に、単位セル41B内のMOSFET部42BとMOSFET部43Bとは、ゲート絶縁膜の膜厚が同じとなっている。また、ゲート絶縁膜26A,26Bは膜厚が同じである。本例では、ゲート絶縁膜26A,26Bの膜厚は、第1の実施形態の半導体装置100のゲート絶縁膜25Aの膜厚と同じであってよい。
図20Aは、半導体装置200のゲート電圧とドレイン電流との関係を示す図である。図3Aで示した第1の実施形態におけるゲート電圧とドレイン電流の関係を点線で示し、比較例におけるゲート電圧とドレイン電流の関係を実線で示す。半導体装置200では、MOSFET部42AおよびMOSFET部43Aのしきい値電圧Vth1は、ゲート絶縁膜26Aの膜厚などによって決定されるが、ゲート絶縁膜26Aの膜厚が均一なため、同じしきい値電圧Vth1となっている。
半導体装置200のゲート絶縁膜26の膜厚は、半導体装置100のMOSFET部42Aのゲート絶縁膜25Aの膜厚と同じである。半導体装置200では、MOSFET部42AおよびMOSFET部43Aには、同じゲート電圧が印加されるため、MOSFET部42AおよびMOSFET部43Aは、ゲート電圧がVth1を超えた時点より同時にドレイン電流ID200が流れ始める。そのため、半導体装置200は全体がON状態となり、第1の実施形態におけるID1の2倍のドレイン電流が流れる。
図20Bは、ドレイン電流と時間の関係を示す図である。図3Bで示した第1の実施形態におけるドレイン電流と時間の関係を点線で示し、比較例におけるドレイン電流と時間の関係を実線で示す。図20Bにはゲート電圧VGも示した。ゲート電圧VGがVth1を超えた時点で、MOSFET部42AおよびMOSFET部43Aでドレイン電流ID1が流れ始める。よって、半導体装置200では、ゲート電圧VGがVth1を超えた時点で、第1の実施形態におけるID1の2倍のドレインが流れ始める。そのため、半導体装置200では、ゲート電圧VGがVth1を超えた時の電流の傾き(実線)が、同じく半導体装置100の電流の傾き(点線)に比べ大きく、di/dtが大きい。MOSFETのオン抵抗を下げるために、微細化によって単位セル41の密度を向上する場合、ターンオン時のdi/dtが大きいとゲイン特性も高くなるために、による電磁障害(ノイズ)のリスクが出ると言った問題がある。
本例では、縦型MOSFETの場合を示したが、縦型IGBTの場合も同様に、短絡耐量が低下するという問題に対して、ゲート絶縁膜の膜厚を厚くすることで、チャネルに流れる電流を減らし飽和電流を抑制して、IGBTが短絡状態になった際の短絡電流を下げて短絡耐量を向上することが可能となる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
10 半導体基板
12 耐圧構造部
14 活性領域
16 ゲートパッド
17 ドレイン層
18 ドリフト層
19 基板上面
20 基板下面
22、22A、22B、22C p型ウェル領域、
23、23A、23B、23C、23D n型ソース領域
24 シリコン酸化膜
25A、25B、25C、25D ゲート絶縁膜
26、26A、26B ゲート絶縁膜
27、27A、27B ゲート電極
28、28A、28B 層間絶縁膜
29 ソース電極
30 ドレイン電極
31 コンタクトホール
32A、32B ゲートネック部
41A、41B 単位セル
42A、43A、42B、43B MOSFET部
44A、45A、44B、45B チャネル部

Claims (7)

  1. 上面と下面を有する半導体基板の、
    前記上面側にドリフト層が配置され、前記下面側にドレイン層が配置され、
    前記ドリフト層の前記上面側に前記ドリフト層を介して並ぶ第1のウェル領域および第2のウェル領域が配置され、
    前記第1のウェル領域の前記上面側に、選択的に第1のソース領域が配置され、
    前記第2のウェル領域の前記上面側に、選択的に第2のソース領域が配置され、
    前記半導体基板の前記上面に選択的にゲート絶縁膜が配置され、
    前記ゲート絶縁膜の上面にゲート電極が配置され、
    前記ゲート絶縁膜は、連続する第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜を有し、
    前記第1のゲート絶縁膜は、前記第1のウェル領域および前記第1のソース領域の上面に配置され、
    前記第2のゲート絶縁膜は、前記第2のウェル領域および前記第2のソース領域の上面に配置され、
    前記第1のゲート絶縁膜は、前記第2のゲート絶縁膜よりも膜厚が薄い
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1のゲート絶縁膜が、前記ドリフト層の上面に配置され、
    前記第2のゲート絶縁膜も、前記ドリフト層の上面に配置される
    請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第2のゲート絶縁膜が、前記ドリフト層および前記第1のウェル領域の上面に配置される
    請求項1に記載の半導体装置。
  4. 上面と下面を有する半導体基板の、
    前記上面側にドリフト層が配置され、前記下面側にドレイン層が配置され、
    前記ドリフト層の前記上面側に前記ドリフト層を介して並ぶ第1のウェル領域および第2のウェル領域が配置され、
    前記第1のウェル領域の前記基板上面側に、第1のソース領域が配置され、
    前記第2のウェル領域の前記基板上面側に、第2のソース領域が配置され、
    前記半導体基板の上面に選択的にゲート絶縁膜が配置され、
    前記ゲート絶縁膜の上面にゲート電極が配置され、
    前記ゲート絶縁膜は、層間絶縁膜を介して並ぶ第1のゲート絶縁膜および第2のゲート絶縁膜を有し、
    前記第1のゲート絶縁膜は、前記第1のウェル領域および前記第1のソース領域の上面に配置され、
    前記第2のゲート絶縁膜は、前記第2のウェル領域および前記第2のソース領域の上面に配置され、
    前記第1のゲート絶縁膜は、前記第2のゲート絶縁膜よりも膜厚が薄い
    ことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第1のゲート絶縁膜の1.3倍以上2倍以下である
    請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 上面と下面を備え、前記上面側にドリフト層を備え、前記下面側にドレイン層を備える半導体基板の、
    前記上面側に、ウェル領域を形成するウェル領域形成段階と、
    前記ウェル領域の前記上面側にソース領域を形成するソース領域形成段階と、
    前記上面に、第1のゲート絶縁膜と前記第1のゲート絶縁膜より膜厚の厚い第2のゲート絶縁膜を有するゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成段階と、
    前記ゲート絶縁膜の上面にゲート電極を形成するゲート電極形成段階と、
    前記ゲート電極を覆うように層間絶縁膜を形成する層間絶縁膜形成段階と、
    前記層間絶縁膜の上面にソース電極を形成するソース電極形成段階と、
    前記半導体基板の下面にドレイン電極を形成するドレイン電極形成段階と
    を備える半導体装置の製造方法。
  7. 前記ゲート絶縁膜形成段階において、前記半導体基板の全体に前記ゲート絶縁膜を形成し、前記ゲート絶縁膜を選択的に除去した直後に、再びゲート絶縁膜を形成することで、膜厚の異なる前記第1のゲート絶縁膜と前記第1のゲート絶縁膜より膜厚の厚い前記第2のゲート絶縁膜を形成する
    請求項6に記載の半導体装置の製造方法。

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