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JP2023111752A - 吸収性物品 - Google Patents

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JP2023111752A
JP2023111752A JP2022013766A JP2022013766A JP2023111752A JP 2023111752 A JP2023111752 A JP 2023111752A JP 2022013766 A JP2022013766 A JP 2022013766A JP 2022013766 A JP2022013766 A JP 2022013766A JP 2023111752 A JP2023111752 A JP 2023111752A
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JP2022013766A
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哲宏 蓑田
Tetsuhiro Minoda
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Nippon Paper Crecia Co Ltd
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Nippon Paper Crecia Co Ltd
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Abstract

【課題】後部の幅が広い大型インナーパッドの収納性を高め、アウターとして有用なテープ止めタイプの吸収性物品の提供。【解決手段】着用者下腹部に当たる前身頃60と、着用者股間部に当たる股部70と、着用者臀部に当たる後見頃80とが長手方向に連接され、幅方向両側を前身頃60から股部70を経て後身頃80に延びる一対の立体ギャザー40を有し、立体ギャザー40は、前側領域71に設けられた前側立体ギャザー48と、後側領域81に設けられた後側立体ギャザー49とを有し、立体ギャザー40は吸収性物品50の肌側表面に固定された根元部41を有し、前側立体ギャザー48と後側立体ギャザー49との、長手方向寸法比、及び根元部41間の幅方向間隔比が所定比であり、立体ギャザー40の幅方向の先端間隔が所定長さである、アウターとしてのテープ止めタイプの吸収性物品50。【選択図】図1

Description

本発明は、吸収性物品に関する。
重度の介護では、テープ止めタイプの紙おむつをアウターに、尿とりパッドをインナーにして併用することが行われている。介護現場の人手不足が常態化している昨今では十分な交換頻度を確保しにくいため、とくに夜間に着用するインナーパッドの高吸収量化、大型化が顕著に進んでいる。具体的には、インナーパッドの長手方向における臀部領域の幅方向寸法を、その他の前側領域に比べて大きくしている。
従来のアウターであるテープ止めタイプの紙おむつでは、立体ギャザー根元の間隔が高吸収なインナーパッドに対し十分な幅を有しておらず、インナーパッドを収納するのが難しくなっている。この着用のし難さは、介助者の負担となる上、厚く大型なインナーパッドを適正な位置に固定できないことでインナーパッドにシワが生じ、着用者への圧迫感が生じたり、モレが生じたりしており、これを軽減しようとする介護者、被介護者、双方への相当な心理的肉体的負担となっている。このように、後部の幅が広い大型インナーパッドの収納性が良く、着用作業が容易であり、圧迫感を感じにくく、漏れにくいテープ止めタイプの紙おむつが求められ、種々の提案がなされている。
特許文献1には、前胴回り域と、後胴回り域と、これらの間に配置された股下域と、後胴回り域に設けられ、幅方向に伸縮可能な後側伸縮領域と、前胴回り域と後胴回り域との間を延び、幅方向の中心を挟んで両側に配置された一対の防漏カフ(立体ギャザー)と、を有し、防漏カフの起立支点は、後胴回り域で後側伸縮領域と厚さ方向に重なり、股下域の一対の防漏カフ同士の距離は脚繰領域内の拡幅開始点から後胴回り域に広がり、後胴回り域の一対の防漏カフ同士の距離は前胴回り域の一対の防漏カフ同士の距離よりも長く、さらに、前胴回り域に配置された前胴回り部材と、後胴回り域に配置された後胴回り部材と、前胴回り部材と後胴回り部材とに跨って配置され、吸収体を含み、前胴回り部材及び後胴回り部材とは別体の吸収性本体と、幅方向の前胴回り域の端部と幅方向の後胴回り域の端部とを接合するサイド係止部と、を有し、長手方向に延びる吸収性本体の側辺と、前胴回り部材の後側に位置する辺と、後胴回り部材の前側に位置する辺と、により脚回り開口縁が規定され、防漏カフは吸収性物品に設けられており、後胴回り域における防漏カフの起立支点は、幅方向における吸収体の外側縁とサイド係止部の内側縁との間の距離の2/3以下の距離だけ、吸収体の外側縁よりも幅方向外側に位置し、幅方向における吸収体の外側縁とサイド係止部の内側縁との間の距離の1/3以上、吸収体の外側縁よりも外側に位置する、吸収性物品が記載されている(請求項1)。要するに、特許文献1に記載の吸収性物品は、立体ギャザーの吸収性物品の肌側表面における根元間隔を後見頃で広げることを特徴とするものである。特許文献1によれば、脚回り開口縁の長さを維持しつつ、防漏カフの伸縮性を阻害することを抑制することで防漏カフを立ち上げ易くすることができると記載されている(段落0014)。
特許第6725544号公報
しかしながら、特許文献1は、後部が広いインナーを使用することに特化しているため、夜間は良いが日中小型の尿とりパッドを併用する際に、後見頃でインナーの押さえに立体ギャザーの張力が働かず、位置を固定できずモレに至るという不具合がある。また、後見頃の「ハ」(カタカナの「ハ」)の字を描く立体ギャザーは寝返りにより臀部からめくり上がることがあり、大型のインナーパッドでも位置が固定できず、ずれてしまう不具合がある。さらに、着用時に臀部周りで立体ギャザーがめくれ上がり、立体ギャザーの機能が損なわれるという不具合も生じる。
本発明の目的は、後部の幅が広い大型インナーパッドの収納性を高め、アウターとして有用なテープ止めタイプの吸収性物品を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、単に立体ギャザーの吸収性物品の肌側表面における根元間隔を後見頃で広げる構成だけでなく、立体ギャザーを前見頃から股部の途中部に至る前側領域に設けられた前側立体ギャザーと、股部の途中部から後見頃に至る後側領域に設けられた後側立体ギャザーとから構成し、立体ギャザーの長手方向寸法を前側立体ギャザーと後側立体ギャザーとで変更し、前側立体ギャザーの長手方向寸法と後側立体ギャザーの長手方向寸法との比、及び立体ギャザーの根元部の、前側立体ギャザーでの幅方向間隔と後側立体ギャザーでの幅方向間隔との比をそれぞれ所定の範囲とし、一対の立体ギャザーの幅方向における先端間隔を長手方向に沿って所定長さとすることで、所望のテープ止めタイプの吸収性物品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、下記の吸収性物品を提供するものである。
(1)アウターとして使用するテープ止めタイプの吸収性物品であって、
着用者の主に下腹部に当接する前身頃と、着用者の主に股間部に当接する股部と、着用者の主に臀部に当接する後見頃と、が長手方向にこの順に連接され、
前記後見頃には幅方向両側から外方に突出するように配置される、ファスニングテープと、これに係合可能な固定手段と、を有し、
前記吸収性物品の肌側表面に少なくとも一部が固定された根元部を有し、幅方向両側を前記前身頃から前記股部を経て前記後身頃まで延びる一対の立体ギャザーを有し、
前記立体ギャザーは、前記前身頃から前記股部の途中部までの前側領域に設けられた前側立体ギャザーと、前記股部の前記途中部から前記後身頃までの後側領域に設けられた後側立体ギャザーと、を有し、
前記一対の立体ギャザーは、前記前側立体ギャザーと前記後側立体ギャザーとは長手方向寸法が異なり、前記前側立体ギャザーの長手方向寸法:前記後側立体ギャザーの長手方向寸法=1:1乃至3:2の比であり、
前記一対の立体ギャザーの前記根元部の、前記前側立体ギャザーの幅方向間隔:前記後側立体ギャザーの幅方向間隔=7:8乃至3:4の比であり、
前記一対の立体ギャザーの幅方向における先端間隔は、長手方向に沿って所定長さである、吸収性物品。
(2)前記一対の前記前側立体ギャザーと、前記一対の前記後側立体ギャザーとの間に、両者の前記根元部の前記幅方向間隔の違いを調整する接合領域を有する、上記(1)の吸収性物品。
(3)前記接合領域は、長さ20mm以上かつ1000mm以上2500mm以下の面積で設けられる、上記(2)の吸収性物品。
(4)前記接合領域がホットメルト塗布領域である、上記(2)又は(3)の吸収性物品。
(5)サイドパネルをさらに有し、前記サイドパネルにミシン目が付与されている、上記(1)乃至(4)のいずれかの吸収性物品。
本発明によれば、後部の幅が広い大型インナーパッドの収納性を高め、アウターとして有用なテープ止めタイプの吸収性物品が提供される。
本実施形態のテープ止めタイプ吸収性物品内にインナーパッドを収納した状態を模式的に示す平面図である。 (a)は図1に示すA-A断面線における模式断面図を示し、(b)は図1に示すB-B断面線における模式断面図を示す。 本実施形態のテープ止めタイプ吸収性物品内にインナーパッドを収納していない状態を模式的に示す平面図である。 (a)は図3に示すA-A断面線における模式断面図を示し、(b)は図3に示すB-B断面線における模式断面図を示す。 立体ギャザーを設置するための塗膜の形成方法を説明する模式平面図である。
本明細書において、吸収性物品の着用とは、体液の吸収前後を問わず、吸収性物品を身体に着用した状態をいう。吸収性物品において、長さ方向とは吸収性物品を身体に着用したときに着用者の股間部を介して身体の前後に亘る方向であり、幅方向とは長さ方向に対して直交する方向であり、厚さ方向とは各構成部材を積層する方向である。肌面(又は肌側面)とは、吸収性物品を着用したときに、着用者の肌に当接する表面及び肌を臨む表面であり、非肌面(又は非肌側面)とは、着用者の衣服に接触する表面又は衣服を臨む表面である。体液とは、尿や血液、軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
<吸収性物品>
以下、図面を参照しつつ、本実施形態の吸収性物品50について説明する。図1及び図2はインナー(尿取りパッド51)を内部に収納したアウター(吸収性物品50)を示す。図3及び図4は、吸収性物品50を示す。これらの図面は吸収性物品50中の各構成部材の形状や寸法、大小関係等を規定するものではない。
本実施形態の吸収性物品50は、着用者の主に下腹部に当接する前身頃60と、着用者の主に股間部に当接する股部70と、着用者の主に臀部に当接する後身頃80とが長手方向にこの順に連接され、後述する外装体90で構成されたテープ止めタイプ吸収性物品(アウター)である。外装体90の主に股部70の肌側表面に配置された吸収体1が配置され、外装体90の肌側表面の幅方向両側には、長手方向を前身頃60から股部70を経て後身頃80に延びる一対の立体ギャザー40が配置されている。立体ギャザー40は、前身頃60から股部70の途中部に至る前側領域71に設けられた前側立体ギャザー48と、股部70の途中部から後身頃80に位置する至る後側領域81に設けられた後側立体ギャザー49と、を有する。立体ギャザー40において、根元部間の幅方向間隔が前側立体ギャザー48より後側立体ギャザー49で広く設けられている。吸収性物品50の、長手方向の寸法は、例えば、700mm以上1100mm以下の範囲であり、最大幅は700mm以上1500mm以下の範囲であり、また、後見頃の最大幅は300mm以上500mm以下の範囲である。
本実施形態によれば、立体ギャザー40の根元部間の幅方向間隔を前側領域71よりも後側領域81で広げるとともに、立体ギャザー40の長手方向寸法を前側立体ギャザー48と後側立体ギャザー49とで所定の範囲に変更し、立体ギャザー40の根元部41の、前側立体ギャザー48の幅方向間隔と後側立体ギャザー49の幅方向間隔との比を所定の範囲とし、一対の立体ギャザー40の幅方向における先端間隔を長手方向に沿って所定長さとすることで、アウターであるテープ止めタイプ吸収性物品50へのインナーパッド(高吸収ワイドパッド)51の収まりが改善される。
第1に、後見頃の幅が前見頃の幅より大きく、厚さのある高吸収ワイドパッドを手早く立体ギャザー内へ収納することができる。これにより、従来の立体ギャザー根元間隔が狭く収まらないアウターより介助者の着用負担を大幅に軽減できる。
第2に、従来技術とは異なり、立体ギャザー間隔(左右一対の立体ギャザーの先端同士の幅方向距離)は従来通り長手方向に沿って一定の距離であるため、糸ゴム等の弾性伸縮部材の収縮力により、立体ギャザーの張力により高吸収ワイドパッドをアウター表面側に押さえることができる。このため、インナーパッドの着用位置を安定して固定することができる。
第3に、着用時に臀部周りで立体ギャザーがめくれ上がることが抑制される。
第4に、大型の高吸収ワイドパッドをインナーとして使用しても、着用者が寝返り等で体勢を変えても、よれにくい点が挙げられる。インナーパッドが安定的に固定され、インナーパッドが撚れにくいことから、パッドが大型の厚いパットであっても、撚れて部分的に重なることで着用者の肌を圧迫することを抑制できる。
本実施形態によれば、根元部間の幅方向間隔が狭い前側立体ギャザーと、根元部間の幅方向間隔が広い後側立体ギャザーとの切替位置に接合領域(好ましくはホットメルト塗布領域)を所定の面積で設けることで、根元部間の幅方向間隔が異なる前側立体ギャザー、後側立体ギャザーがともに肌側に向かってめくれることを抑制でき、これにより、アウター外へのモレ(尿漏れ)を抑制し、介護負担を軽減できる。
接合領域が狭すぎると、前側立体ギャザー及び後側立体ギャザーの幅方向の隙間からモレが生じ易い傾向があり、広すぎるとパッド収納を阻害する傾向がある。面積が狭すぎる又は長さが20mm以下だとインナーパッド51の上下ズレを抑えられず、広すぎると脚周りの剛性がでてしまい着用感が低下する。接合領域の形状は方形が好ましい。
吸収性物品50は、図1及び図3に示すように、着用者の下腹部に主に当接する前身頃60と、着用者の主に股間部に当接する股部70と、着用者の主に臀部に当接する後身頃80とが、長手方向にこの順に連接されたものである。吸収性物品50は、その肌側表面に吸収体1、及び立体ギャザー40を有する。また、本実施形態の吸収性物品50は、後身頃80の幅方向両端から外方に延出された一対のサイドフラップ62と、サイドフラップ62の幅方向途中部に固定され、幅方向両外方に延出された一対のサイドパネル63と、サイドパネル63の2股に分かれたつまみしろに配設された一対のファスニングテープ64と、前身頃60の長さ方向端部付近において幅方向中央付近に帯状に設けられ、吸収性物品50を着用するときにファスニングテープ64が固定されるターゲットテープ(固定部材)65と、を含む外装体90により外形が構成される。吸収体1は、主に股部70の肌側面に支持され、着用者の股間部を身体の前後から覆う長さ方向に細長い形態を有している。本実施形態では、前身頃60から股部70を介して後身頃80に至る一体化した外装体90により吸収性物品50を構成しているが、これに限定されず、前身頃60、及び後身頃80を別体とし、これらを吸収体1により連結して一体化した吸収性物品50としてもよい。
前身頃60の幅方向の寸法は例えば380mm以上790mm以下の範囲であり、後身頃80の幅方向の寸法(最大幅寸法)は例えば300mm以上500mm以下の範囲であり、股部70の幅方向の寸法は例えば250mm以上320mm以下の範囲、又は270mm以上310mm以下の範囲である。前身頃60、後身頃80及び股部70の各寸法を上述の範囲に調整することで、インナーパッド51を適正に収納できるテープ止めタイプの吸収性物品50が得られる。
以下、各構成部材について、立体ギャザー40、前身頃60、股部70、後身頃80、サイドフラップ62、ターゲットテープ65、及び吸収体1の順で説明する。
<立体ギャザー>
一対の立体ギャザー40は、吸収性物品50の外形を構成する外装体90の肌側表面において、吸収体1の幅方向両側又は吸収体1の非肌側表面の幅方向両端部を前身頃60から股部70を経て後身頃80まで長手方向に延びるように配置されている。本実施形態では、立体ギャザー40は、前身頃60から股部70の途中部に至る前側領域71に設けられた立体ギャザー48と、股部80の途中部から後身頃80に至る後側領域81に設けられた立体ギャザー49と、を有する。一対の立体ギャザー40の少なくとも一部は、吸収性物品50の肌側表面にホットメルト接着剤等で接合されて固定されている。前述の肌側表面に接合及び固定された部分を根元部41とし、前側立体ギャザー48は根元部48Aを有し、後側立体ギャザー49は根元部49Aを有する。本実施形態では、前側立体ギャザー48における2つの根元部間の幅方向間隔、後側立体ギャザー49における2つの根元部間の幅方向間隔を、前側立体ギャザー48の根元部間の幅方向間隔(図1及び図3において線分XXで示される間隔)と、後側立体ギャザー45の根元部間の幅方向間隔(図1及び図3において線分XYで表される間隔)と、が異なる幅(長さ)で設けられている。
本実施形態では、前側立体ギャザー48の長手方向寸法と、後側立体ギャザー49の長手方向寸法と、が異なっている。前側立体ギャザー48の長手方向寸法:後側立体ギャザー49の長手方向寸法は、例えば、1:1乃至3:2の比である。1:1未満では、前後の幅が異なるとインナーパッド51の固定がゆるくなる傾向がある。3:2を超えると、インナーパッド51が立体ギャザー40内に収まりにくい傾向がある。
本実施形態では、幅方向の両側端部にある立体ギャザー40の各根元部41間の間隔である「幅方向間隔」について、前側立体ギャザー48の幅方向間隔:後側立体ギャザー49の幅方向間隔が7:8乃至3:4の比である。7:8未満になって前側立体ギャザー48の幅方向間隔が小さくなると、後側立体ギャザー49の幅方向間隔が狭くなりすぎてインナーパッド51を収納しにくい、又は前側の幅方向間隔が広すぎてインナーパッド51がずれやすくなる傾向がある。3:4を超えて、後側立体ギャザー49での幅方向間隔が大きくなると、前記と同様に後側立体ギャザー49の幅方向間隔が狭すぎてインナーパッド51を収納しにくくなり、又は前側立体ギャザー48の幅方向間隔が広すぎてインナーパッド51がずれやすくなる傾向がある。
本実施形態において、一対の立体ギャザー40の先端とは幅方向内側の先端であり、より具体的には、吸収性物品を水平に伸ばして広げた状態で立体ギャザー40の幅方向に最も内側にくる箇所(長手方向の線分)であり、幅方向両側に一対存在する。立体ギャザー40の先端は1本目の糸ゴムが付与された位置の近傍になる。そして、幅方向両側端部に存在する2つの立体ギャザー40の先端同士の幅方向間隔である先端間隔は長手方向に沿って所定の長さであり、例えば、70mm以上180mm以下の範囲である。この構成によれば、小型の尿とりパッド等の幅の狭いインナーパッド51も収納時に張力を効かせることが出来、位置を固定することが出来る といった効果が得られる。
本実施形態の一対の立体キャザー40は、前述したように、前側立体ギャザー48の2つの根元部48Aの間の間隔(幅方向間隔)と、後側立体ギャザー49の根元部49Aの間の間隔(幅方向間隔)と、が異なる幅(長さ)で設けられている。このため、長手方向における前側領域71と後側領域81との境界領域で、それぞれ長手方向に延びる立体ギャザー40(48、49)の根元部48A、49Aの間に幅方向にトップシート10側へ固定されていない隙間を生じる実施形態が生成する。このような実施形態では、一対の前側立体ギャザー48と、一対の後側立体ギャザー49との間に、両者の各根元部48、49の幅方向間隔の違いを調整する接合領域42を有する。接合領域42は、例えば、長手方向寸法20mm以上かつ1000mm以上2500mm以下の面積で設けられる。また、接合領域42としては、例えば、ホットメルト塗布領域が挙げられる。ホットメルト塗布領域は、例えば、ホットメルト接着剤を塗布し、乾燥及びさせることにより形成できる。
接合領域42を設けることで、根元間隔が異なる前側立体ギャザー48、後側立体ギャザー49とも肌側に向かってめくれることを抑制でき、これにより、アウター外へモレを抑制し、介護負担を軽減できる。接合領域42が1000mmよりも狭いと、前側立体ギャザー48及び後側立体ギャザー49の根元部48A、49Aの幅方向の隙間からモレが生じ易い傾向があり、2500mmよりも広すぎると固さが出やすくなり着用感が低下する傾向がある。面積が狭すぎる又は長さが20mm未満だとインナーパッド51の上下ズレを抑えられず、広すぎると脚周りの剛性がでてしまい着用感が低下する。本実施形態の接合領域42の平面視形状は方形であるが、これに限定されず、例えば、三角形、六角形、八角形、長方形、円形等でもよい。
ホットメルト接着剤としては、融点が100℃以上180℃以下のものを特に限定なく使用でき、例えば、スチレン-ブタジエン-スチレン系共重合体、スチレン-イソプレン-スチレン系共重合体等の合成ゴム系ホットメルト接着剤、エチレン-酢酸ビニル共重合体等のオレフィン系ホットメルト接着剤等が挙げられる。ホットメルト接着剤の塗布方法としては、ノズルから溶融状態のホットメルト接着剤を非接触式で塗布するカーテンコート法やスパイラル法、接触式で塗布するスロット法等、公知の方法が利用できる。接着剤そうにおけるホットメルト接着剤の含有量は、高吸収性ポリマー13の体液吸収性及び着用時の肌触りを損なわない観点から、例えば10g/m以下の範囲である。
立体ギャザー40は、例えば、間欠スロットコートを利用して、次のようにして形成できる。間欠スロットコートによれば、吸収性物品50A(吸収性物品50の外装体90)の肌側表面の後側領域81の幅方向両側に、長手方向に直線状に延びる一対の後側スロットコート線15を形成する。次いで、吸収性物品50A(吸収性物品50の外装体90)の肌側表面の前側領域71の幅方向両側に、長手方向に直線状に延びる一対の前側スロットコート線16を形成する。スロットコート線16の表面には立体ギャザー48が取り付けられ、スロットコート線15の表面には立体ギャザー49が取り付けられ、全体として立体ギャザー40が構成される。さらに、必要に応じて、一対のスロットコート線15、16の幅方向段差の領域には、間欠スロットコートにより幅方向両端部にスロットコート領域17が形成され、接合領域42となる。
立体ギャザー40は、例えば、図2等に示すように、弾性伸縮部材40aと、撥水性及び/又は防水性のシート部材40bと、を含む。
弾性伸縮部材40aは、シート部材40bの自由端(他端)付近に長手方向に沿って配設され、該自由端に起立性を付与し、シート部材40bの自由端及びその近傍領域を着用者の体型に合わせて変形可能にする。シート部材40bは、本実施形態では幅方向一端(固定端)が吸収体1のバックシート30の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向途中部が吸収体1のトップシート10の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向他端が起立性を有する自由端である。シート部材40bの固定端(幅方向一端)の固定位置は、本実施形態に限定されず、例えば、吸収体1において、バックシート30の非肌側面、内部に吸収コア20を収納したトップシート10とバックシート30との各縁辺の全部又は一部接合体の肌側面又は非肌側面の幅方向両端付近、トップシート10の肌側面の幅方向両端付近等が挙げられる。前側立体ギャザー48及び立体ギャザー49は同一のシート部材40bで構成される。
シート部材40bは撥水性及び/又は防水性を有するシートであり、例えば不織布から構成される。シート部材用不織布としては、疎水性繊維にて形成された撥水性及び/又は防水性(液不透過性)の不織布を特に限定なく使用でき、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体である複合不織布(SMS不織布)等が挙げられる。シート部材40bの坪量は、例えば、13g/m以上20g/m以下の範囲である。弾性伸縮部材40aとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。
<前身頃、股部、及び後身頃>
前身頃60及び後身頃80は、吸収体1の前側端部(腹側端部)及び後方端部(背側端部)に、それぞれ、不織布等を含む外装体素材により形成されたものである。また、股部70は、前身頃60と後身頃80との間に介在し、これらと同様に、不織布等を含む外装体素材により形成されたものである。
本実施形態では、前身頃60、股部70及び後身頃80は、それぞれ、着用者の非肌側に位置する外装不織布シート(不図示)と、着用者の肌側に位置するバックシートフィルム(不図示)と、を備える。外装不織布シート及びバックシートフィルムからなる外装体素材を、吸収体1が内側となるように吸収体1の中心線で股部70を二つ折りにして、下腹部及び背側部の両側縁が接続される。これにより、外装不織布シートは、伸縮性のウエスト開口部と、一対の脚開口部とを形成し、吸収性物品50を全体として着脱可能なパンツ状に構成する。そして、吸収性物品50を着用すると、下腹部が着用者の腹側で腰部を覆い、背側部16が着用者の背側で腰部を覆う。
外装不織布シートの内側には、例えば、バックシートフィルムが積層されており、前身頃60、後身頃80及び股部70の強度を高めている。外装不織布シートには、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂からなる繊維を含む不織布を使用できる。該不織布の具体例としては、例えば、サーマルボンド不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。これらの中でも、エアスルー不織布、スパンボンド不織布等が好ましい。不織布の坪量は、例えば、15g/m以上40g/m以下の範囲である。バックシートフィルムとしては樹脂フィルムを特に限定なく使用でき、例えば、ポリエチレンフィルム等が挙げられる。バックシートフィルムの坪量は、例えば、10g/m)以上40g/m)以下である。
<サイドフラップ及びターゲットテープ>
本実施形態の吸収性物品50は、バックシートフィルムの下腹部及び背側部16の幅方向両側端部に形成された一対のサイドフラップ62と、背側部16の各サイドフラップ62の、幅方向の外側端部である、自由端側の幅方向側端部に設けられたサイドパネル63と、サイドパネル63の幅方向の外側端部である、自由端側の幅方向側端部に設けられた2股のファスニングテープ64とを有している。本実施形態の吸収性物品50は、サイドフラップ62、サイドパネル63及びファスニングテープ64を有しない実施形態をも包含する。また、サイドパネル63とファスニングテープ64とは、別々の部材により形成されたものでも、両者が一体となって形成されたものでもよい。また、本実施形態において、一のサイドパネル63上の2つのファスニングテープ64は、吸収性物品50の長手方向に離間して設けられていてもよい。ファスニングテープ64は肌側面に、下腹部と背側部16とを締結するための面ファスナーを構成するフック部材からなる締結手段を備えるとともに、各ファスニングテープ64の幅方向の外側端部の先端部には、2股に分かれたつまみしろを設けてもよい。サイドパネル63には分割可能となるミシン目を付与してもよい。一方、下腹部の衣類側表面には、面ファスナーを構成するループ部材で形成されたターゲットテープ65を設けてもよい。吸収性物品50を着用者に着用するときは、各ファスニングテープ64が、締結手段としてループ部材で構成されたターゲットテープ65に固定される。これにより、本実施形態の吸収性物品50をテープ止めタイプ紙おむつの構成とすることができる。これに限定されず、ウエスト部において前身頃60と後身頃80とを幅方向端部で連結し、パンツ状に一体化した吸収性物品50としてもよい。
また、サイドパネル63上の略長さ方向中央又はその近傍を手で切断分割できるミシン目66を付与することができる。これによりミシン目66からタブ部を長く分割することができ、係合位置をより広く自由に選択することが可能になる。体型により吸収性物品50と着用者の身体とを適切に密着させる張力を着用時に発現させることができる。
なお、サイドフラップ62の基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等からなる不織布が挙げられ、これらの基材を単独で、又は複数組み合わせてもよい。また、サイドパネル63及びファスニングテープ64の基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等からなる樹脂フィルムや不織布が挙げられ、これらの基材を単独で、又は複数組み合わせてもよい。また、フック部材とは、面ファスナーを構成する部材のうち、フック状突起からなる部材を指し、ループ部材とは、フック部材と対を成す部材であって、ループ状に密集して起毛された部材を指す。面ファスナーは、このフック部材とループ部材とが対となって構成されている。吸収性物品50は、例えば、背側部16を着用者の背部にあてた状態で、下腹部を着用者の腹部側に持っていき、ファスニングテープ64をターゲットテープ65に締結することで、着用できる。また、ミシン目66はサイドパネル63の長さ方向略中央に等間隔の切れ目を入れて設けることができる。
<吸収体>
吸収体1は、図2に示すように、肌側から非肌側に向けて積層した、トップシート10、吸収コア20、及びバックシート30を基本単位とするものである。本実施形態の吸収体1は、トップシート10の肌側面の幅方向両端付近に、長手方向に延びる一対の立体ギャザー40を有している。吸収体1には公知の種々の改変を施すことができる。以下、トップシート10、吸収コア20、バックシート30、及び立体ギャザー40の順に各部材の構成をさらに詳しく説明する。
(トップシート)
トップシート10は、吸収性シート90及び吸収コア20に向けて体液を速やかに通過させる液透過性のシート状基材である。トップシート10は、着用者の肌に当接する場合あることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えない基材が好ましい。該基材としては、例えば、親水性シート、同種又は異種の親水性シートの積層体である複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等が挙げられる。親水性シートとしては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いて作製された、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。
トップシート10には、液透過性を向上させる観点から、エンボス加工や穿孔加工を表面に施してもよい。トップシート10は、肌への刺激を低減させる観点から、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等の1種又は2種以上を含有してもよい。トップシート10の坪量は、強度、加工性及び液戻り量の観点から、例えば、15g/m以上40g/m以下の範囲である。トップシート10の形状は特に制限されず、漏れがないように体液を反応性吸収性シート90及び吸収コア20へと誘導するために必要とされる、吸収コア20の一部又は全部を覆う形状であればよい。
(吸収コア)
吸収コア20は、その長手方向の寸法(最大長さ)が、例えば、100mm以上800mm以下の範囲、150mm以上500mm以下の範囲、又は270mm以上500mm以下の範囲である。吸収コア20の幅方向の寸法(最大幅)は、例えば、50mm以上500mm以下の範囲、60mm以上400mm以下の範囲、又は70mm以上105mm以下の範囲である。また、吸収コア20の平面視形状が砂時計型である場合は、長手方向寸法が180mm以上800mm以下の範囲、着用者の腹部及び背部にそれぞれ当接する腹側部及び背側部の幅方向寸法がともに60mm以上400mm以下の範囲であり、着用者の股間部に当接する股部の幅方向寸法が90mm以上250mm以下の範囲である。吸収コア20の全面又は一部にエンボス加工を施してもよい。吸収コア20の平面視形状としては、例えば、砂時計型、Iの字状、長方形、4角が丸まった角丸四角形、長円等が挙げられる。吸収コア20は、上層(肌側)に配置された上層吸収体と、下層(非肌側)に配置された下層吸収体との積層体でもよい。
吸収コア20は、例えば、吸収基材として、吸収性繊維と、高吸収性ポリマー(以下「SAP」ともいう)と、を含有する。
(吸収性繊維)
吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュー、吸収紙、親水性不織布等が挙げられる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N-BKP))、合成繊維、樹脂繊維、非木材パルプ等の綿状解繊物等が挙げられる。吸収コア20に吸収性繊維としてフラッフパルプを用いた場合、吸収性繊維の坪量は、例えば100g/m以上800g/m以下の範囲又は325g/m以上615g/m以下の範囲である。これにより、肌触りを損なわずに、より多くの体液を吸収できる。
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマーとしては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等が挙げられる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩が好ましく、ポリアクリル酸アルカリ金属塩がより好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムが更に好ましい。高吸収性ポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
高吸収性ポリマーは、例えば、粒子状、繊維状等の形態で用いられるが、取扱い易さ等の観点から好ましくは粒子状で用いられる。このとき、粉体としての流動性が悪い微粉末の高吸収性ポリマーの使用を避け、中位粒子径を有する高吸収性ポリマーを用いることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、吸収コア20が硬くなることにより発生するごつごつとした触感を低減することができる。高吸収性ポリマーの中位粒子径は、例えば、50μm以上600μm以下の範囲又は100μm以上500μm以下の範囲である。
吸収コア20中のSAPの坪量は、例えば、60g/m以上450g/m以下の範囲、又は245g/m以上445g/m以下の範囲である。SAPの坪量を前述の数値範囲内とすることで、吸収コア20におけるゲルブロッキングを防止し、かつ、吸収コア20に多量の体液を吸収させることができる。また、吸収コア20において、吸収コア20全体の重量に対する、高吸収性ポリマーの重量の比率である、高吸収性ポリマーの重量/吸収コア20全体の重量×100(%)は、例えば、15重量%以上の範囲、又は15重量%以上70重量%以下の範囲である。
吸収コア20において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートでもよい。
(バックシート)
バックシート30は、吸収コア20が保持する体液が衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、該基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の単層不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布積層体、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体等の複合不織布、これらの複合材料等が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
バックシート30の坪量は、強度及び加工性の点から、例えば15g/m以上60g/m以下の範囲である。また、着用時の蒸れを防止するため、バックシート30には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート30に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート30にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
<吸収体の製造方法>
吸収体1は、公知の製造方法により製造できるが、例えば、トップシート10とバックシート30との間に吸収コア20を配置する工程と、トップシート10の縁辺とバックシート30の縁辺とを一部又は全周に亘ってホットメルト接着剤やヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス等を用いて固定する工程と、を含む製造方法が挙げられる。必要に応じて、レッグギャザー、ウエストギャザー、サイドフラップ等を設けることができる。
<吸収性物品の製造方法>
吸収性物品50の製造方法としては、特に制限はなく、従来公知の方法を採用でき、例えば、前身頃60、股部70、及び後身頃80の所定の形状を有する外装不織布シート及びバックシートフィルムを用意する工程と、外装不織布シートとバッグシートフィルムとを含む外装体素材の肌側表面に吸収体1を配設し、さらに立体キャザー40を配設する工程と、前身頃60のターゲットテープ65と後身頃80のファスニングテープ64とを接続する工程と、を含む製造方法等が挙げられる。ファスニングテープ64は、あらかじめ、サイドパネル63の基材表面に締結手段を接着し、所定の形状に切断してサイドパネル63とし、これをサイドフラップ62に接合してもよい。
本実施形態に係る吸収性物品50に収納される吸収性物品51は、体液吸収量が多い、高吸収ワイドパッド等のパッド製品であり、図2に示すように、吸収体1と同様の構成であり、トップシート11と、吸収コア21と、バックシート31と、立体ギャザー45と、を含んで構成されている。トップシート11は前述したトップシート10と同様であり、吸収コア21は、長手方向に延びる2つの貫通孔46を有する以外は前述した吸収コア20と同様であり、バックシート31は、前述したバックシート30と同様であり、立体ギャザー45は、根元部間間隔が等間隔である以外は立体ギャザー40と同様である。
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本実施形態をより具体的に説明する。
(実施例1~7及び比較例1~7)
表1に示す構成を有するアウター用のテープ止めタイプ吸収性物品、及び表2に示す構成を有するインナー用のテープ止め尿取りパッドをそれぞれ作製し、パネラー10名に着用してもらい、次のモニター評価に供した。結果を表3に示す。
(長時間連続着用の圧迫感、違和感)
パネラー10名に一晩(8時間以上、実績10~14時間)着用してもらい、圧迫感の有無について回答を得た。
(交換作業性)
10名のパネラーに、上記のテープ止めタイプ吸収性物品の着用、交換を実施した介護スタッフに、着用後にインナー用のテープ止め尿取りパッド交換時の作業性(テープ止めへインナーパッドを容易に納めることが出来るか)について回答を得た。
(漏れの有無)
10名のパネラーに、上記のテープ止めタイプ吸収性物品の着用、交換を実施した介護スタッフに、漏れ及びインナーパッドのズレ、ヨレが見られたかについて回答を得た。
回答は以下の基準で評価した。
○:「圧迫感を感じなかった」「漏れ、ズレ、ヨレが見られなかった」「インナーパッド交換時にテープ止めへインナーパッドが納めやすかった」が8人以上10人以下のとき
△:「圧迫感を感じなかった」「漏れ、ズレ、ヨレが見られなかった」「インナーパッド交換時にテープ止めへインナーパッドが納めやすかった」が5人以上7人以下のとき
×:「圧迫感を感じなかった」「漏れ、ズレ、ヨレが見られなかった」「インナーパッド交換時にテープ止めへインナーパッドが納めやすかった」がいないか4人以下のとき
結果を表3に示す。
Figure 2023111752000002
Figure 2023111752000003
Figure 2023111752000004
実施例1~7及び比較例1~7は、実際には次のようであった。
(実施例1)長時間使用後、良好なモニター結果を得た。立体ギャザー根元間隔の前後の幅の比がインナーパッドの幅を適切に収納し、接合封入領域がインナーの前後のズレを有効に抑えることができた。
(実施例2)立体ギャザー根元間隔が異なる前側領域と後側領域の長さの比を変更した。良好な使用感であったとの結果が得られた。
(実施例3)立体ギャザー根元間隔を若干変更した。同様に良好な使用感であったとの結果が得られた。後側領域の立体ギャザー根元間隔を広くした。実施例2と同様に良好な使用感であったとの結果が得られた。
(実施例4)接合領域を狭くした。インナーパッドの前後のズレは有効に抑えられており、良好なモニター結果であった。
(実施例5)接合領域の長さ、幅を変更した。同様にインナーパッドの前後のズレは有効に抑えられており、良好なモニター結果であった。
(実施例6)接合領域の長さ、幅を変更し大きくした。同様にインナーパッドの前後のズレは有効に抑えられており、着用の違和感もなく良好だった。
(実施例7)接合封入領域の長さ、幅を変更し大きくした。同様にインナーパッドの前後のズレは有効に抑えられており、着用の違和感もなく良好だった。
(比較例1)前側領域と後側領域の長さの比を変更した。インナーパッドの収まりが悪く着用中にズレが生じ漏れに至った。交換作業性もインナーパッドが入れにくく低評価であった。
(比較例2)比較例1と同様に前側領域と後側領域の長さの比を変更したず、インナーパッドの収まりが悪くモレが生じ、低評価であった。
(比較例3)立体ギャザー根元部間の幅方向間隔を変更した。インナーパッドの収納性が悪化しモレの発生、交換作業性の低下となった。
(比較例4)後側領域の立体ギャザー根元部間の幅方向間隔をかなり広く変更した。インナーパッドの交換作業性は良いがインナーパッドがずれることによる着用の違和感、モレ防止性が悪化した。
(比較例5)接合領域を長さを規定より小さくした。インナーパッドの前後のズレが生じ漏れに至った。またインナーのズレによる着用の違和感も生じていた。
(比較例6)接合領域の面積を規定より大きくした。インナーパッドの前後のズレは抑制できたが少し脚周りに剛性がでてしまい着用感が若干悪化した。
(比較例7)接合領域の面積を規定より小さくした。インナーパッドの前後のズレによるモレが生じた。交換作業性、着用感に問題はなかった。
1 吸収体
10、11 トップシート
15 後側スロットコート線
16 前側スロットコート線
17 スロットコート領域
20、21 吸収コア
30、31 バックシート
40、45 立体ギャザー
41、48A、49A 根元部
42 接合領域
48 前側立体ギャザー
49 後側立体ギャザー
50、51 吸収性物品
60 前身頃
62 サイドフラップ
63 サイドパネル
64 ファスニングテープ
65 ターゲットテープ
66 ミシン目
70 股部
71 前側領域
80 後身頃
81 後側領域
90 外装体

Claims (5)

  1. アウターとして使用するテープ止めタイプの吸収性物品であって、
    着用者の主に下腹部に当接する前身頃と、着用者の主に股間部に当接する股部と、着用者の主に臀部に当接する後見頃と、が長手方向にこの順に連接され、
    前記後見頃には幅方向両側から外方に突出するように配置される、ファスニングテープと、これに係合可能な固定手段と、を有し、
    前記吸収性物品の肌側表面に少なくとも一部が固定された根元部を有し、幅方向両側を前記前身頃から前記股部を経て前記後身頃まで延びる一対の立体ギャザーを有し、
    前記立体ギャザーは、前記前身頃から前記股部の途中部までの前側領域に設けられた前側立体ギャザーと、前記股部の前記途中部から前記後身頃までの後側領域に設けられた後側立体ギャザーと、を有し、
    前記一対の立体ギャザーは、前記前側立体ギャザーと前記後側立体ギャザーとは長手方向寸法が異なり、前記前側立体ギャザーの長手方向寸法:前記後側立体ギャザーの長手方向寸法=1:1乃至3:2の比であり、
    前記一対の立体ギャザーの前記根元部の、前記前側立体ギャザーの幅方向間隔:前記後側立体ギャザーの幅方向間隔=7:8乃至3:4の比であり、
    前記一対の立体ギャザーの幅方向における先端間隔は、長手方向に沿って所定長さである、吸収性物品。
  2. 前記一対の前記前側立体ギャザーと、前記一対の前記後側立体ギャザーとの間に、両者の前記根元部の前記幅方向間隔の違いを調整する接合領域を有する、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記接合領域は、長さ20mm以上かつ1000mm以上2500mm以下の面積で設けられる、請求項2に記載の吸収性物品。
  4. 前記接合領域がホットメルト塗布領域である、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品。
  5. サイドパネルをさらに有し、前記サイドパネルにミシン目が付与されている、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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