詳細な説明
本明細書において記載される技術の態様は、核酸を検出するための等温法、組成物、キット、およびシステムに指向している。いくつかの局面において、本明細書において提供される組成物および方法は、部分的には、触媒プローブ消化を用いた核酸標的の配列特異的レポートのためのスキームの発見に基づくものである。そのような触媒プローブは、検出アッセイの偽陽性率を減少させることができる(例えば、図46参照)。また、そのような方法はSARS-CoV-2などの、ウイルスの高度に特異的な検出を可能にする(例えば、図47、49~52を参照のこと)。
方法
本明細書において提供される組成物および方法は、部分的には、触媒プローブ消化を用いた核酸標的の配列特異的レポートのためのスキームの発見に基づくものである。
標的核酸を検出するための基本戦略は、例えば、図39~42に描かれている。
1つの局面において、本明細書において提供されるのは、サンプル中の標的核酸を検出するための方法であって、(a) 核酸プローブを標的核酸の増幅からのアンプリコンにハイブリダイズさせる段階; (b) ハイブリダイズされた核酸プローブを、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する二本鎖特異的エキソヌクレアーゼで切断する段階; ならびに(c) 切断された核酸プローブからのレポーター分子を検出する段階および/または任意の残存している非切断核酸プローブを検出する段階を含む、方法である。
別の局面において、本明細書において提供されるのは、サンプル中の標的核酸を検出するための方法であって、(a) 核酸プローブを標的核酸の増幅からのアンプリコンにハイブリダイズさせる段階であって、核酸プローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたは標的核酸の増幅において用いられるプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含み、核酸プローブが、検出可能なシグナルを生成できるレポーター分子を含み、かつ前記増幅がループ媒介等温増幅(LAMP)である、段階; (b) ハイブリダイズされた核酸プローブを、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する二本鎖特異的エキソヌクレアーゼで切断する段階; ならびに(c) 切断された核酸プローブからのレポーター分子を検出する段階および/または任意の残存している非切断核酸プローブを検出する段階を含む、方法である。
別の局面において、本明細書において提供されるのは、(a) 5'から3'方向の切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; (b) LAMPを介して標的核酸を増幅するためのプライマーセット;および(c) レポーター分子を含む核酸プローブを含む、組成物である。
さらに別の局面において、本明細書において提供されるのは、 (a) 5'から3'方向の切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; (b) LAMPを介して標的核酸を増幅するためのプライマーセットであって、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、プライマーセット; ならびに(c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブを含む、組成物である。
本明細書において用いられる場合、「核酸プローブ」は、標的核酸配列にハイブリダイズする核酸鎖をいうように用いられる。複数の核酸プローブを同じ反応において用いることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、標的核酸の増幅において用いられるプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、標的核酸の増幅において用いられるプライマーと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、標的核酸のヌクレオチド配列と同一なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、アンプリコンの内部位置のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。
いくつかの態様において、増幅方法はLAMPであり、かつ核酸プローブは、ヘアピンステムと隣接しているLAMPアンプリコンの一本鎖領域に結合する(例えば、図53A参照)。いくつかの態様において、増幅方法はLAMPであり、かつ核酸プローブは、LAMPアンプリコンのヘアピンループの1つに結合する(例えば、図53B参照)。いくつかの態様において、増幅方法はLAMPであり、かつ核酸プローブは、ヘアピンステムによって部分的に覆われておりLAMPアンプリコンの一本鎖領域の一部を含む、LAMPアンプリコンの領域に結合する(例えば、図53C参照)。
いくつかの態様において、核酸プローブは、少なくとも1つのレポーター分子および少なくとも1つのクエンチャー分子を含み、これらの各々は、それぞれプローブの5'末端、3'末端、または内部に存在しうる。いくつかの態様において、核酸プローブは、5'クエンチャー分子および3'レポーター分子を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、3'クエンチャー分子および5'レポーター分子を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、少なくとも2つのクエンチャー分子を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、5'クエンチャー分子、内部クエンチャー、および3'レポーター分子を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、3'クエンチャー分子、内部クエンチャー、および5'レポーター分子を含む(例えば、図53D参照)。
いくつかの態様において、核酸プローブは、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含む。第1および第2の鎖は、互いに、近くの位置で、例えば1、2、3、4、または5ヌクレオチド以内の位置でアンプリコンにハイブリダイズすることができる。いくつかの態様において、第1および第2の鎖は、アンプリコンにハイブリダイズされた場合に互いに二本鎖領域を形成する。いくつかの態様において、第1鎖および第2鎖は、互いに連結されている。いくつかの態様において、核酸プローブは少なくとも2つの鎖(例えば、2、3、4、5、またはそれ以上)を含み、第1の鎖は第2の鎖中の領域に実質的に相補的な領域を含み、第2の鎖は第3の鎖中の領域に実質的に相補的な領域を含み、第3の鎖は第4の鎖中の領域に実質的に相補的な領域を含み、第4の鎖は第5の鎖中の領域に実質的に相補的な領域を含む、などである。いくつかの態様において、第1、第2、第3、第4、第5などの鎖は、互いに連結されている。いくつかの態様において、核酸プローブは、アンプリコンにハイブリダイズされた場合にヘアピン構造を形成する。いくつかの態様において、核酸プローブは、アンプリコンにハイブリダイズされた場合に一本鎖領域を含む(例えば、図53E参照)。
いくつかの態様において、核酸プローブは、SEQ ID NO: 7~8、19、51~55のうちの1つを含むか、または同じ機能(例えば、ハイブリダイゼーションおよび検出)を維持するSEQ ID NO: 7~8、19、51~55のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、SEQ ID NO: 19、51~55のうちの1つを含むか、または同じ機能(例えば、ハイブリダイゼーションおよび検出)を維持するSEQ ID NO: 19、51~55のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、SEQ ID NO: 51~55のうちの1つを含むか、または同じ機能(例えば、ハイブリダイゼーションおよび検出)を維持するSEQ ID NO: 51~55のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、SEQ ID NO: 51~53のうちの1つを含むか、または同じ機能(例えば、ハイブリダイゼーションおよび検出)を維持するSEQ ID NO: 51~53のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブはプライマーを含む。本明細書において用いられる場合、用語「プライマー」は、DNAの1本の鎖と対合し、DNAポリメラーゼがデオキシリボヌクレオチド鎖の合成を開始する遊離3'-OHを提供するDNA (またはRNA)の配列を記載するために用いられる。好ましくは、プライマーはオリゴヌクレオチドで構成される。プライマーの的確な長さは、温度およびプライマーの供給元を含めて、多くの要因に依存すると考えられる。例えば、標的核酸配列の複雑さに依り、オリゴヌクレオチドプライマーは、より少ないヌクレオチドを含むこともあるが、典型的には15~40またはそれ以上のヌクレオチドを含む。短いプライマー分子は一般に、鋳型と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、より冷たい温度を必要とする。
いくつかの態様において、核酸プライマーは、SEQ ID NO: 5~6、9~18、21~50、56~57のうちの1つを含むか、または同じ機能(例えば、増幅)を維持するSEQ ID NO: 5~6、9~18、21~50、56~57のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供される核酸プローブまたはプライマーは、標的核酸の増幅において用いられる。本明細書において用いられる場合、「増幅する」という用語は、反応の構成要素の全てがインタクトである場合、ポリヌクレオチドの増幅を可能にするのに十分な条件に核酸配列を供する段階をいう。増幅反応の構成要素は、例えば、プライマー、ポリヌクレオチド鋳型、ポリメラーゼ、ヌクレオチドなどを含む。「増幅する」という用語は、典型的には、標的核酸の「指数関数的な」増加をいう。しかしながら、本明細書において用いられる「増幅する」とは、サイクルシークエンス法で得られるような、核酸の選択された標的配列の数の線形増加をいうこともできる。核酸配列を増幅および合成する方法は、当技術分野において公知である。例えば、米国特許第7,906.282号、同第8,367,328号、同第5,518,900号、同第7,378,262号、同第5,476,774号、および同第6,638,722号を参照されたく、これらの全ての内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
いくつかの態様において、増幅はループ媒介等温増幅(LAMP)である。LAMPは、サーモサイクラーを必要とせずに、プライマーセットを使った鎖置換DNA合成を用いて標的DNAの増幅を可能にする。PCR技法とは対照的に、LAMPは等温条件下で高い特異性、効率、および迅速性をもたらして標的配列を増幅する。LAMPは、例えばNotomi T, et al. 「Loop-mediated isothermal amplification of DNA.」 Nucleic Acids Res. 2000;28(12):E63に詳述されており、これは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
したがって、本明細書において提供される方法および組成物は、標的核酸の検出領域を増幅するプライマーまたはプライマーセットを含み、多くのコピーを作製することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供されるプライマーセットは、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、プライマーセットは、フォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む。
本明細書において提供される方法の利点は、ハイブリッド核酸プローブのハイブリダイゼーション段階または切断段階を、標的核酸の増幅と同時に実行できることである。言い換えれば、増幅、ハイブリダイゼーション、および切断段階は、単一の反応容器中で実施することができる。さらに、各消化事象は、結合する標的またはアンプリコンの配列を「チェック」するように作用するので、非常に配列特異的なアウトプットシグナルを確実にする。
いくつかの態様において、核酸プローブのハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーションされた核酸プローブの切断は、標的核酸の増幅の後である。非限定的な例として、ハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーションされた核酸プローブの切断は、増幅後の少なくとも5秒、少なくとも10秒、少なくとも30秒、少なくとも45秒、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも40分、少なくとも50分、少なくとも60分、またはそれ以上の時点で実施される。
いくつかの態様において、核酸プローブのハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーションされた核酸プローブの切断は、標的核酸の増幅からのアンプリコンの単離または精製の後に実施される。言い換えれば、本方法は、核酸プローブのハイブリダイゼーションまたはハイブリダイゼーションされた核酸プローブの切断の前に、増幅反応からのアンプリコンを単離または精製する段階を含む。
本明細書において提供される方法は、標的核酸配列の検出のための種々のレポート機構を用いて達成することができる。本明細書において提供される局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供されるレポーター分子は、標的核酸の存在の容易な同定のために検出可能なシグナルを生成する。本明細書において提供される標的核酸および組成物は、以下でさらに論じられる。
本明細書において記載される方法は、標的核酸の高速検出を可能にする。アッセイを開始してからシグナルを検出するまでの合計時間は、数分から2時間未満であることができる。明確にするために、アッセイを開始することは、標的核酸を増幅するためサンプルに試薬を加えることを意味する。アッセイを開始してからシグナルを検出するまでの合計時間は、約15分~約90分であることができる。したがって、アッセイを開始してからシグナルを検出するまでの合計時間は、約15分、約16分、約17分、約18分、約19分、約20分、約21分、約22分、約23分、約24分、約25分、約26分、約27分、約28分、約29分、約30分、約31分、約32分、約33分、約34分、約35分、約36分、約37分、約38分、約39分、約40分、約41分、約42分、約43分、約44分、約45分、約46分、約47分、約48分、約49分、約50分、約51分、約52分、約53分、約54分、約55分、約56分、約57分、約58分、約59分、約60分、約70分、約75分、約80分、または約90分であることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される方法の合計時間は、多くとも15分、多くとも16分、多くとも17分、多くとも18分、多くとも19分、多くとも20分、多くとも21分、多くとも22分、多くとも23分、多くとも24分、多くとも25分、多くとも26分、多くとも27分、多くとも28分、多くとも29分、多くとも30分、多くとも31分、多くとも32分、多くとも33分、多くとも34分、多くとも35分、多くとも36分、多くとも37分、多くとも38分、多くとも39分、多くとも40分、多くとも41分、多くとも42分、多くとも43分、多くとも44分、多くとも45分、多くとも46分、多くとも47分、多くとも48分、多くとも49分、多くとも50分、多くとも51分、多くとも52分、多くとも53分、多くとも54分、多くとも55分、多くとも56分、多くとも57分、多くとも58分、多くとも59分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも75分、多くとも80分、または多くとも90分であることができる。
いくつかの態様において、本明細書において記載される方法の合計時間は、約15分~約45分の間であることができる。例えば、本明細書において記載される方法の合計時間は、約20分~約40分、または約25分~約35分であることができる。
プローブをアンプリコンにハイブリダイズさせる段階および/またはハイブリダイズされたプローブをエキソヌクレアーゼで切断する段階は、約20℃~約75℃の温度で実施することができる。例えば、プローブをアンプリコンにハイブリダイズさせる段階および/またはハイブリダイズされたプローブをエキソヌクレアーゼで切断する段階は、約25℃~約70℃、約30℃~約65℃または約35℃~約60℃で実施することができる。いくつかの態様において、プローブをアンプリコンにハイブリダイズさせる段階および/またはハイブリダイズされたプローブをエキソヌクレアーゼで切断する段階は、65℃の温度で実施することができる。いくつかの態様において、増幅、ハイブリダイゼーションおよび切断の段階は、一定温度で実施される。
核酸プローブおよびプライマーに対する核酸修飾
本明細書において提供される少なくとも1つの核酸プローブまたはプライマー鎖は独立して、当技術分野において公知の1つまたは複数の核酸修飾を含むことができる。例えば、核酸プローブは独立して、非天然核酸、および/または非天然ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド類似体、ならびに/あるいは化学修飾を含むことができる。非天然核酸は、例えば、天然ヌクレオチドおよび非天然ヌクレオチドの混合物を含むことができる。非天然ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド類似体は、リボース、リン酸、および/または塩基部分の位置で修飾することができる。
例示的な核酸修飾としては、核酸塩基修飾、糖修飾、糖間結合修飾、コンジュゲート(例えば、リガンド)、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。1つの態様において、修飾は、デオキシリボ核酸において生じるようなリボース糖のデオキシリボース糖との置換を含まない。核酸修飾は当技術分野において公知であり、例えば、US20160367702; US20190060458; 米国特許第8,710,200号; および米国特許第7,423,142号を参照されたく、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
例示的な修飾核酸塩基としては、チミン(T)、イノシン、キサンチン、ヒポキサンチン、ヌブラリン、イソグアニシン、ツベルシジン、アデニン、グアニン、シトシンおよびウラシルの置換類似体または修飾類似体、例えば2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチル誘導体および他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピル誘導体および他のアルキル誘導体、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(偽ウラシル)、4-チオウラシル、5-ハロウラシル、5-(2-アミノプロピル)ウラシル、5-アミノアリルウラシル、8-ハロ、アミノ、チオール、チオアルキル、ヒドロキシルおよび他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニン、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジンおよびN-2, N-6およびO-6置換プリン、例えば2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシン、ジヒドロウラシル、3-デアザ-5-アザシトシン、2-アミノプリン、5-アルキルウラシル、7-アルキルグアニン、5-アルキルシトシン、7-デアザアデニン、N6, N6-ジメチルアデニン、2,6-ジアミノプリン、5-アミノ-アリル-ウラシル、N3-メチルウラシル、置換1,2,4-トリアゾール、2-ピリジノン、5-ニトロインドール、3-ニトロピロール、5-メトキシウラシル、ウラシル-5-オキシ酢酸、5-メトキシカルボニルメチルウラシル、5-メチル-2-チオウラシル、5-メトキシカルボニルメチル-2-チオウラシル、5-メチルアミノメチル-2-チオウラシル、3-(3-アミノ-3カルボキシプロピル)ウラシル、3-メチルシトシン、5-メチルシトシン、N4-アセチルシトシン、2-チオシトシン、N6-メチルアデニン、N6-イソペンチルアデニン、2-メチルチオ-N6-イソペンテニルアデニン、N-メチルグアニン、またはO-アルキル化塩基が挙げられるが、これらに限定されることはない。さらなるプリンおよびピリミジンは、米国特許第3,687,808号に開示されているもの、the Concise Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, pages 858-859, Kroschwitz, J. I., ed. John Wiley & Sons, 1990に開示されているもの、およびEnglisch et al., Angewandte Chemie, International Edition, 1991, 30, 613によって開示されているものを含む。
例示的な糖修飾としては、2'-フルオロ、3'-フルオロ、2'-OMe、3'-OMe、および非環状核酸、例えば、ペプチド核酸(PNA)、アンロックド核酸(UNA)またはグリコール核酸(GNA)が挙げられるが、これらに限定されることはない。
いくつかの態様において、核酸修飾は、糖間結合の置換または修飾を含むことができる。例示的な糖間結合の修飾としては、ホスホトリエステル、メチルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロチオエート、メチレンメチルイミノ、チオジエステル、チオノカルバメート、シロキサン、N,N'-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)、アミド-3 (3'-CH2-C(=O)-N(H)-5')およびアミド-4 (3'-CH2-N(H)-C(=O)-5')、ヒドロキシルアミノ、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキサミド、カルボネート、カルボキシメチル、カルバメート、カルボン酸エステル、チオエーテル、酸化エチレンリンカー、スルフィド、スルホネート、スルホンアミド、スルホン酸エステル、チオホルマセタール(3'-S-CH2-O-5')、ホルムアセタール(3'-O-CH2-O-5')、オキシム、メチレンイミノ、メチレンカルボニルアミノ(methykenecarbonylamino)、メチレンメチルイミノ(MMI, 3'-CH2-N(CH3)-O-5')、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、メチレンオキシメチルイミノ、エーテル(C3'-O-C5')、チオエーテル(C3'-S-C5')、チオアセタミド(C3'-N(H)-C(=O)-CH2-S-C5'、C3'-O-P(O)-O-SS-C5'、C3'-CH2-NH-NH-C5'、3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'、および3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'が挙げられるが、これらに限定されることはない。
局面のいずれかのいくつかの態様において、2'-修飾ヌクレオシドは、2'-ハロ(例えば、2'-フルオロ)、2'-アルコキシ(例えば、2'-Oメチル、2'-Oメチルメトキシおよび2'-Oメチルエトキシ)、2'-アリールオキシ、2'-O-アミンまたは2'-O-アルキルアミン(アミンNH2; アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、シアリールアミノ、へテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミンまたはポリアミノ)、O-CH2CH2(NCH2CH2NMe2)2、メチレンオキシ(4'-CH2-O-2') LNA、エチレンオキシ(4'-(CH2)2-O-2') ENA、2'-アミノ(例えば、2'-NH2、2'-アルキルアミノ、2'-ジアルキルアミノ、2'-ヘテロシクリルアミノ、2'-アリールアミノ、2'-ジアリールアミノ、2'-ヘテロアリールアミノ、2'-ジヘテロアリールアミノおよび2'-アミノ酸); NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミン(アミン = NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジへテロアリールアミノ)、-NHC(O)R (R = アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖)、2'-シアノ、2'-メルカプト、2'-アルキル-チオ-アルキル、2'-チオアルコキシ、2'-チオアルキル、2'-アルキル、2'-シクロアルキル、2'-アリール、2'-アルケニル、ならびに2'-アルキニルからなる群より選択される修飾を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、逆位ヌクレオシドはdTである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、5'-修飾ヌクレオチドは、5'-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート)、5'-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート)、5'-ホスホロチオレート、5'-α-チオトリホスフェート、5'-β-チオトリホスフェート、5'-γ-チオトリホスフェート、5'-ホスホラミデート、5'-アルキルホスホネート、5'-アルキルエーテルホスホネート、検出可能な標識およびリガンドからなる群より選択される5'-修飾を含むか; または3'-修飾ヌクレオチドは、3'-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート)、3'-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート)、3'-ホスホロチオレート、3'-α-チオトリホスフェート、3'-β-チオトリホスフェート、3'-γ-チオトリホスフェート、3'-ホスホラミデート、3'-アルキルホスホネート、3'-アルキルエーテルホスホネート、検出可能な標識およびリガンドからなる群より選択される3'-修飾を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、5'-修飾ヌクレオチドは、5'-末端に検出可能な標識またはレポーター分子を含む。検出可能な標識またはレポーター分子の非限定的な例は、本明細書においてさらに記載される。検出可能な標識またはレポーター分子が核酸ではない態様において、そのような検出可能な標識(例えば、フルオロフォア)は、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる。
いくつかの態様において、核酸修飾は、ペプチド核酸(PNA)、架橋型核酸(BNA)、モルホリノ、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)、または当技術分野において述べられる他のゼノ核酸(XNA)を含むことができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの前記核酸修飾を含む。融解温度を増加させる修飾の非限定的な例としては、ロックド核酸(LNA)塩基、小溝結合剤(MGB)、5-ヒドロキシブチニル-2'-デオキシウリジン(SuperT)、5-Me-ピリジン、2-アミノ-デオキシアデノシン、トリメトキシスチルベン、RNA塩基、メチル化RNA塩基、2'フルオロ塩基、およびピレンが挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む。例えば、核酸プローブは3'-OH基を欠く。いくつかの態様において、核酸プローブの3'-OH基はブロックされてもよく、例えば、水素が何らかの他の基で置き換えられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供される増幅段階において用いられるプライマーのうちの少なくとも1つは、核酸修飾を含む。いくつかの態様において、プライマーは、エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる。例えば、標的核酸の増幅に用いられるプライマーの1つまたは複数は、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。修飾ヌクレオチド間結合、修飾核酸塩基、修飾糖、およびそれらの任意の組み合わせなどの、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、当技術分野において公知である。例示的な修飾としては、1、2、3、4、5、6つ、またはそれ以上の修飾ヌクレオチド間結合、例えば、ホスホロチオエート; 逆位ヌクレオシドもしくは5'→5'ヌクレオチド間結合; 3'→3'ヌクレオチド間結合; 2'-OHもしくは2'-修飾ヌクレオシド; 5'-修飾ヌクレオチド; 3'-修飾ヌクレオチド; 2'→5'結合; 脱塩基ヌクレオシド; 非環状ヌクレオシド; スペーサー; 左巻きDNA; 非標準核酸塩基を有するヌクレオチド; 5'-OH基の置換; またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。
5'→3'切断活性を阻害することができる修飾は、プライマー中のどこにでも存在することができる。例えば、それは5'-末端の位置に、内部の位置に、または5'-末端内の位置に、例えば、5'-末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15位以内の位置内にすることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸修飾はプライマーの5'-末端に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、修飾はホスホロチオエート塩基、スペーサー修飾、2'-O-メチルRNA、5'逆位ジデオキシ-dT塩基、および/または2'フルオロ塩基である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、スペーサーは一方または両方のプライマーの3'末端に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、スペーサーは一方または両方のプライマーの内部の位置に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、スペーサーは一方または両方のプライマーの5'末端に位置する。スペーサーの非限定的な例としては、C3スペーサー(ホスホラミダイト); ヘキサンジオール; 1',2'-ジデオキシリボース(dSpacer); PC (光切断可能)スペーサー; スペーサー9 (トリエチレングリコールスペーサー); およびスペーサー18 (18-原子ヘキサエチレングリコールスペーサー)が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、左巻きDNAは、一方または両方のプライマーの3'末端に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、左巻きDNAは、一方または両方のプライマーの5'末端に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、左巻きDNAは、一方または両方のプライマーの5'末端および3'末端に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、左巻きDNAはZ-DNAである。Z-DNAは、DNAの可能な二重らせん構造の1つである。それは、より一般的なB-DNA形態のように、右側にではなく、ジグザグパターンで左側にらせんが巻かれている左巻き二重らせん構造である。Z-DNAは、A-DNAおよびB-DNAと並んで、生物学的に活性な3つの二重らせん構造の1つである。右巻きDNAを基質として用いる多くの酵素(例えば、エキソヌクレアーゼ)は、左巻きDNAを基質として用いることができない。
局面のいずれかのいくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、タンパク質、抗体、スペーサー、非従来型ヌクレオチド連結化学(本明細書においてさらに記載される)、他の架橋剤、またはナノ粒子(例えば、図25A参照)などの、バルク末端基への結合を含む。ナノ粒子は、約2~約750ナノメートルの粒径を有する結晶性または非晶質の粒子を含むことができる。ベーマイトアルミナは、2~750 nmの平均粒径分布を有することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、ナノ粒子は金属ナノ粒子である。金属ナノ粒子の非限定的な例としては、金、銀、パラジウムもしくはチタンナノ粒子、またはそれらの組み合わせが挙げられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、ナノ粒子は、5'→3'エキソヌクレアーゼが連結核酸に作用するのを低減または抑止するのに十分なサイズのものである。局面のいずれかのいくつかの態様において、ナノ粒子は核酸の5'末端に連結される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの一方または両方(例えば、第2のプライマーまたは第1および第2のプライマー)は、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強することができる核酸修飾は、5'-OH、リン酸基、5'-一リン酸; 5'-二リン酸または5'-三リン酸からなる群より選択される5'修飾である。
核酸プローブまたはプライマー鎖の安定性を向上させるために、さまざまな修飾および変形がなされうることは、当業者には明らかであろう。
エキソヌクレアーゼ消化
本明細書において提供される方法、キット、および組成物は、エキソヌクレアーゼ酵素を介した核酸鎖、例えばプローブ鎖の消化に依っている。エキソヌクレアーゼは、ポリヌクレオチド鎖の末端(エキソ(exo))から一度に一つずつヌクレオチドを切断することによって機能する酵素である。3'末端または5'末端のどちらかでホスホジエステル結合を切断する加水分解反応が起こる。理論によって束縛されることを望むわけではないが、エキソヌクレアーゼはハイブリダイズされたプローブを認識かつ消化して、レポーター分子を分離し、それらを標的核酸の検出のために活性化させる。
いくつかの態様において、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有するエキソヌクレアーゼは、熱安定性エキソヌクレアーゼである。いくつかの態様において、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有するエキソヌクレアーゼは、より高い温度、例えば、60℃~65℃で活性である。いくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、Bst full lengthエキソヌクレアーゼである。いくつかの態様において、複数のエキソヌクレアーゼ酵素が用いられる。用いることができるエキソヌクレアーゼ酵素の非限定的な例としては、Bst Full Length、Taq DNAポリメラーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、エキソヌクレアーゼVIII短縮型、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはポリメラーゼ活性を有する。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはポリメラーゼ活性を欠く。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはBst DNAポリメラーゼである。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)由来の全長ポリメラーゼであるBst DNA Polymerase Full Length (「Bst Full Length」または「Bst FL」)である。Bst Full Lengthは、5'→3'ポリメラーゼおよび二本鎖特異的5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を有するが、3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を欠く。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、Bst Full Length (例えば、NEB M0328S)、Bst大断片(Large Fragment) (例えば、NEB M0275S)、Bst 2.0 (例えば、NEB M0537S)、Bst 2.0 WarmStart (例えば、NEB M0538S)、およびBst 3.0 (例えば、NEB M0374S)からなる群より選択される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、0.1 U/μL~5 U/μLの濃度で提供される(すなわち、反応混合物に添加される)。本明細書において用いられる場合、1単位のBst full lengthは、65℃で30分間に10 nmolのdNTPを酸不溶性材料に取り込む酵素の量として定義される。
非限定的な例として、エキソヌクレアーゼ(例えば、Bst FL)は、少なくとも0.1 U/μL、少なくとも0.2 U/μL、少なくとも0.3 U/μL、少なくとも0.4 U/μL、少なくとも0.5 U/μL、少なくとも0.6 U/μL、少なくとも0.7 U/μL、少なくとも0.8 U/μL、少なくとも0.9 U/μL、少なくとも1.0 U/μL、少なくとも1.1 U/μL、少なくとも1.2 U/μL、少なくとも1.3 U/μL、少なくとも1.4 U/μL、少なくとも1.5 U/μL、少なくとも1.6 U/μL、少なくとも1.7 U/μL、少なくとも1.8 U/μL、少なくとも1.9 U/μL、少なくとも2.0 U/μL、少なくとも2.1 U/μL、少なくとも2.2 U/μL、少なくとも2.3 U/μL、少なくとも2.4 U/μL、少なくとも2.5 U/μL、少なくとも2.6 U/μL、少なくとも2.7 U/μL、少なくとも2.8 U/μL、少なくとも2.9 U/μL、少なくとも3.0 U/μL、少なくとも3.1 U/μL、少なくとも3.2 U/μL、少なくとも3.3 U/μL、少なくとも3.4 U/μL、少なくとも3.5 U/μL、少なくとも3.6 U/μL、少なくとも3.7 U/μL、少なくとも3.8 U/μL、少なくとも3.9 U/μL、少なくとも4.0 U/μL、少なくとも4.1 U/μL、少なくとも4.2 U/μL、少なくとも4.3 U/μL、少なくとも4.4 U/μL、少なくとも4.5 U/μL、少なくとも4.6 U/μL、少なくとも4.7 U/μL、少なくとも4.8 U/μL、少なくとも4.9 U/μL、少なくとも5.0 U/μL、少なくとも5.1 U/μL、少なくとも5.2 U/μL、少なくとも5.3 U/μL、少なくとも5.4 U/μL、少なくとも5.5 U/μL、少なくとも5.6 U/μL、少なくとも5.7 U/μL、少なくとも5.8 U/μL、少なくとも5.9 U/μL、少なくとも6.0 U/μL、少なくとも6.1 U/μL、少なくとも6.2 U/μL、少なくとも6.3 U/μL、少なくとも6.4 U/μL、少なくとも6.5 U/μL、少なくとも6.6 U/μL、少なくとも6.7 U/μL、少なくとも6.8 U/μL、少なくとも6.9 U/μL、少なくとも7.0 U/μL、少なくとも7.1 U/μL、少なくとも7.2 U/μL、少なくとも7.3 U/μL、少なくとも7.4 U/μL、少なくとも7.5 U/μL、少なくとも7.6 U/μL、少なくとも7.7 U/μL、少なくとも7.8 U/μL、少なくとも7.9 U/μL、少なくとも8.0 U/μL、少なくとも8.1 U/μL、少なくとも8.2 U/μL、少なくとも8.3 U/μL、少なくとも8.4 U/μL、少なくとも8.5 U/μL、少なくとも8.6 U/μL、少なくとも8.7 U/μL、少なくとも8.8 U/μL、少なくとも8.9 U/μL、少なくとも9.0 U/μL、少なくとも9.1 U/μL、少なくとも9.2 U/μL、少なくとも9.3 U/μL、少なくとも9.4 U/μL、少なくとも9.5 U/μL、少なくとも9.6 U/μL、少なくとも9.7 U/μL、少なくとも9.8 U/μL、少なくとも9.9 U/μL、少なくとも10 U/μL、少なくとも20 U/μL、少なくとも30 U/μL、少なくとも40 U/μL、または少なくとも50 U/μLの濃度で提供される。
エキソヌクレアーゼによる処理は、任意の所望の時間であることができる。例えば、ハイブリダイズされたプローブは、約15秒から約2時間の期間、エキソヌクレアーゼと接触させることができる。いくつかの態様において、エキソヌクレアーゼによる処理は、約1分間である。非限定的な例として、エキソヌクレアーゼによる処理は、約2分、約3分、約4分、約5分、約6分、約7分、約8分、約9分、約10分、約11分、約12分、約13分、約14分、約15分、約16分、約17分、約18分、約19分、約20分、約21分、約22分、約23分、約24分、約25分、約26分、約27分、約28分、約29分、約30分、約31分、約32分、約33分、約34分、約35分、約36分、約37分、約38分、約39分、約40分、約41分、約42分、約43分、約44分、約45分、約46分、約47分、約48分、約49分、約50分、約51分、約52分、約53分、約54分、約55分、約56分、約57分、約58分、約59分、約60分、約70分、約75分、約80分、または約90分の間である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼによる処理は、多くとも5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも11分、多くとも12分、多くとも13分、多くとも14分、多くとも15分、多くとも16分、多くとも17分、多くとも18分、多くとも19分、多くとも20分、多くとも21分、多くとも22分、多くとも23分、多くとも24分、多くとも25分、多くとも26分、多くとも27分、多くとも28分、多くとも29分、多くとも30分、多くとも31分、多くとも32分、多くとも33分、多くとも34分、多くとも35分、多くとも36分、多くとも37分、多くとも38分、多くとも39分、多くとも40分、多くとも41分、多くとも42分、多くとも43分、多くとも44分、多くとも45分、多くとも46分、多くとも47分、多くとも48分、多くとも49分、多くとも50分、多くとも51分、多くとも52分、多くとも53分、多くとも54分、多くとも55分、多くとも56分、多くとも57分、多くとも58分、多くとも59分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも75分、多くとも80分、または多くとも90分の間である。
いくつかの態様において、エキソヌクレアーゼによる処理は、約15分~約45分の間である。例えば、エキソヌクレアーゼによる処理は、約20分~約40分の間、約25分~約35分の間である。
いくつかの態様において、本明細書において提供される方法、キット、および組成物は、DNAポリメラーゼをさらに含む。「ポリメラーゼ」は、ポリヌクレオチド、例えば、DNAおよび/またはRNAの鋳型指向性合成を行う酵素をいう。この用語は、全長ポリペプチドとポリメラーゼ活性を有するドメインとの両方を包含する。パイロコッカス・フリオサス(Pyrococcus furiosus)、サーモコッカス・リトラリス(Thermococcus litoralis)およびサーモトガ・マリティム(Thermotoga maritime)、またはそれらの改変型から単離されたまたは得られたDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない、DNAポリメラーゼが当業者には周知である。市販のポリメラーゼ酵素のさらなる例としては、クレノウ断片(New England Biolabs(登録商標) Inc.)、Taq DNAポリメラーゼ(QIAGEN)、9°N(商標) DNAポリメラーゼ(New England Biolabs(登録商標) Inc.)、Deep Vent(商標) DNAポリメラーゼ(New England Biolabs(登録商標) Inc.)、Manta DNAポリメラーゼ(Enzymatics(登録商標))、Bst DNAポリメラーゼ(New England Biolabs(登録商標) Inc.)およびphi29 DNAポリメラーゼ(New England Biolabs(登録商標) Inc.)が挙げられるが、これらに限定されることはない。ポリメラーゼは、DNA依存性ポリメラーゼおよび逆転写酵素などのRNA依存性ポリメラーゼの両方を含む。少なくとも5つのファミリーのDNA依存性DNAポリメラーゼが知られているが、大部分はファミリーA、BおよびCに分類される。各種ファミリーの間には配列類似性がほとんどまたは全くない。大部分のファミリーAポリメラーゼは、ポリメラーゼ活性、3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性および5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を含めて複数の酵素機能を含むことができる一本鎖タンパク質である。ファミリーBポリメラーゼは、典型的には、ポリメラーゼ活性および3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する単一の触媒ドメイン、ならびに補助因子を有する。ファミリーCポリメラーゼは、典型的には、重合活性および3'から5'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する多サブユニットタンパク質である。大腸菌(E. coli)では、DNAポリメラーゼI (ファミリーA)、II (ファミリーB)およびIII (ファミリーC)の3種類のDNAポリメラーゼが見つかっている。真核細胞では、3つの異なるファミリーBポリメラーゼ、DNAポリメラーゼα、δおよびεが核複製に関与しており、ファミリーAポリメラーゼ、ポリメラーゼγがミトコンドリアDNA複製に使用されている。他の種類のDNAポリメラーゼは、ファージポリメラーゼを含む。同様に、RNAポリメラーゼは、典型的には、真核生物RNAポリメラーゼI、IIおよびIIIならびに細菌RNAポリメラーゼはもちろん、ファージポリメラーゼおよびウイルスポリメラーゼを含む。RNAポリメラーゼは、DNA依存性およびRNA依存性であることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅段階において用いられるDNAポリメラーゼは、鎖置換ポリメラーゼである。鎖置換という用語は、合成中に遭遇する下流DNAを置換する能力を言い表す。局面のいずれかのいくつかの態様において、少なくとも1つ(例えば、1つ、2つ、3つ、または4つ)の鎖置換DNAポリメラーゼが、以下からなる群より選択される: ポリメラーゼIクレノウ断片、Bstポリメラーゼ、Phi-29ポリメラーゼ、および枯草菌(Bacillus subtilis) Pol I (Bsu)ポリメラーゼ。
エキソヌクレアーゼは、本明細書において提供される核酸プローブを消化し、核酸組成物からレポーター分子を遊離して検出可能なシグナルを生成する。(例えば、蛍光または化学発光)。
レポーター分子
本明細書において提供される方法および組成物は、検出可能なシグナルを生成することができるレポーター分子に依っている。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供される核酸プローブは、複数のレポーター分子を含む。いくつかの態様において、複数のレポーター分子の中の少なくとも2つのレポーター分子が異なる。これにより、1つの反応において複数の標的核酸の検出、すなわち多重検出が可能になる。いくつかの態様において、少なくとも2つの標的核酸が検出され、例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10種類、またはそれ以上の異なる標的核酸が検出される。いくつかの態様において、各標的核酸は、区別可能なレポーター分子を含む核酸プローブを用いて検出される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供されるレポーター分子は、以下からなる群より選択される: 蛍光分子/フルオロフォア、放射性同位体、発色団、酵素、酵素基質、化学発光部分、生物発光部分、エコー源物質、非金属同位体、光学レポーター、常磁性金属イオン、および強磁性金属。
他の態様において、検出試薬(例えば、プライマー、プローブなど)は、蛍光化合物で標識されている。蛍光標識された試薬が適切な波長の光に露出されると、その後、その存在を蛍光に起因して検出することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識は、蛍光色素分子、またはフルオロフォアであることができる。多種多様な蛍光レポーター色素が当技術分野において公知である。典型的には、フルオロフォアは、芳香族またはヘテロ芳香族化合物であり、ピレン、アントラセン、ナフタレン、アクリジン、スチルベン、インドール、ベンズインドール、オキサゾール、チアゾール、ベンゾチアゾール、シアニン、カルボシアニン、サリチレート、アントラニレート、クマリン、フルオレセイン、ローダミン、または他の類似の化合物であることができる。
例示的なフルオロフォアとしては、1,5 IAEDANS; 1,8-ANS; 4-メチルウンベリフェロン; 5-カルボキシ-2,7-ジクロロフルオレセイン; 5-カルボキシフルオレセイン(5-FAM); 5-カルボキシナプトフルオレセイン(pH 10); 5-カルボキシテトラメチルローダミン(5-TAMRA); 5-FAM (5-カルボキシフルオレセイン); 5-ヒドロキシトリプタミン(HAT); 5-ROX (カルボキシ-X-ローダミン); 5-TAMRA (5-カルボキシテトラメチルローダミン); 6-カルボキシローダミン6G; 6-CR 6G; 6-JOE; 7-アミノ-4-メチルクマリン; 7-アミノアクチノマイシンD (7-AAD); 7-ヒドロキシ-4-メチルクマリン; 9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン; ABQ; 酸性フクシン(Acid Fuchsin); ACMA (9-アミノ-6-クロロ-2-メトキシアクリジン); アクリジンオレンジ(Acridine Orange); アクリジンレッド(Acridine Red); アクリジンイエロー(Acridine Yellow); アクリフラビン(Acriflavin); アクリフラビンフォイルゲン(Acriflavin Feulgen) SITSA; エクオリン(Aequorin)(発光タンパク質(Photoprotein)); アレキサフルオール(Alexa Fluor)350(商標); アレキサフルオール430(商標); アレキサフルオール488(商標); アレキサフルオール532(商標); アレキサフルオール546(商標); アレキサフルオール568(商標); アレキサフルオール594(商標); アレキサフルオール633(商標); アレキサフルオール647(商標); アレキサフルオール660(商標); アレキサフルオール680(商標); アリザリンコンプレクソン(Alizarin Complexon); アリザリンレッド(Alizarin Red); アロフィコシアニン(Allophycocyanin)(APC); AMC、AMCA-S; AMCA (アミノメチルクマリン(Aminomethylcoumarin)); AMCA-X; アミノアクチノマイシン(Aminoactinomycin) D; アミノクマリン(Aminocoumarin); アニリンブルー(Anilin Blue); ステアリン酸アントロシル(Anthrocyl stearate); APC-Cy7; APTS; アストラゾンブリリアントレッド(Astrazon Brilliant Red) 4G; アストラゾンオレンジ(Astrazon Orange) R; アストラゾンレッド(Astrazon Red) 6B; アストラゾンイエロー(Astrazon Yellow)7 GLL; アタブリン(Atabrine); ATTO-TAG(商標) CBQCA; ATTO-TAG(商標) FQ; オーラミン(Auramine); オーロホスフィン(Aurophosphine) G; オーロホスフィン; BAO 9 (ビスアミノフェニルオキサジアゾール(Bisaminophenyloxadiazole)); BCECF (高pH); BCECF (低pH); 硫酸ベルベリン(Berberine Sulphate); ベータラクタマーゼ(Beta Lactamase); BFP青色偏移GFP (Y66H); BG-647; ビマン(Bimane); ビスベンズアミド(Bisbenzamide); ブランコファー(Blancophor) FFG; ブランコファーSV; BOBO(商標)-1; BOBO(商標)-3; ボディピ(Bodipy)492/515; ボディピ493/503; ボディピ500/510; ボディピ505/515; ボディピ530/550; ボディピ542/563; ボディピ558/568; ボディピ564/570; ボディピ576/589; ボディピ581/591; ボディピ630/650-X; ボディピ650/665-X; ボディピ665/676; ボディピFl; ボディピFL ATP;ボディピFl-セラミド; ボディピR6G SE; ボディピTMR; ボディピTMR-Xコンジュゲート; ボディピTMR-X, SE; ボディピTR; ボディピTR ATP; ボディピTR-X SE; BO-PRO(商標)-1; BO-PRO(商標)-3; ブリリアントスルホフラビン(Brilliant Sulphoflavin) FF; カルセイン(Calcein); カルセインブルー(Calcein Blue); カルシウムクリムソン(Calcium Crimson) (商標); カルシウムグリーン(Calcium Green); カルシウムグリーン-1 Ca2+色素(Dye); カルシウムグリーン-2 Ca2+; カルシウムグリーン-5N Ca2+; カルシウムグリーン-C18 Ca2+; カルシウムオレンジ(Calcium Orange); カルコフルオアホワイト(Calcofluor White); カルボキシ-X-ローダミン(5-ROX); カスケードブルー(Cascade Blue) (商標); カスケードイエロー(Cascade Yellow); カテコールアミン(Catecholamine); CFDA; CFP-シアン蛍光たんぱく質(Cyan Fluorescent Protein); クロロフイル(Chlorophyll); クロモマイシン(Chromomycin) A; クロモマイシン A; CMFDA; セレンテラジン; セレンテラジンcp; セレンテラジンf; セレンテラジンfcp; セレンテラジンh; セレンテラジンhcp; セレンテラジンip; セレンテラジンO; クマリンファロイジン(Coumarin Phalloidin); CPMメチルクマリン; CTC; Cy2(商標); Cy3.1 8; Cy3.5(商標); Cy3(商標); Cy5.1 8; Cy5.5(商標); Cy5(商標); Cy7(商標); シアン(Cyan)GFP; 環状AMPフルオロセンサー(cyclic AMP Fluorosensor) (FiCRhR); d2; ダブシル(Dabcyl); ダンシル(Dansyl); ダンシルアミン(Dansyl Amine); ダンシルカダベリン(Dansyl Cadaverine); ダンシルクロリド(Dansyl Chloride); ダンシル(Dansyl)DHPE; ダンシルフルオリド(Dansyl fluoride); DAPI; ダポキシル(Dapoxyl); ダポキシル2; ダポキシル3; DCFDA; DCFH (ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(Dichlorodihydrofluorescein Diacetate)); DDAO; DHR (ジヒドロローダミン(Dihydorhodamine) 123); Di-4-ANEPPS; Di-8-ANEPPS (ノンレシオ) (non-ratio); DiA (4-Di-16-ASP); DIDS; ジヒドロローダミン(Dihydorhodamine) 123 (DHR); DiO (DiOC18(3)); DiR; DiR (DiIC18(7)); ドーパミン(Dopamine); DsRed; DTAF; DY-630-NHS; DY-635-NHS; EBFP; ECFP; EGFP; ELF 97; エオシン(Eosin); エリスロシン(Erythrosin); エリスロシンITC; エチジウムホモダイマー(Ethidium homodimer)-1 (EthD-1); オイクリシン(Euchrysin); 塩化ユウロピウム(III) (Europium (III) chloride); ユウロピウム; EYFP; ファストブルー(Fast Blue); FDA; フォイルゲン(Feulgen) (パラローザニリン(Pararosaniline)); FITC; FL-645; フラゾオレンジ(Flazo Orange); フルオ(Fluo)-3; フルオ-4; フルオレセインジアセテート(Fluorescein Diacetate); フルオロ-エメラルド(Fluoro-Emerald); フルオロ-ゴールド(Fluoro-Gold) (ヒドロキシスチルブアミジン(Hydroxystilbamidine)); フルオル・ルビー(Fluor-Ruby); フルオルX (FluorX); FM 1-43(商標); FM 4-46; フラレッド(Fura Red) (商標)(高pH); フラ-2(Fura-2)、高カルシウム; フラ-2、低カルシウム; ゲナクリルブリリアントレッド(Genacryl Brilliant Red) B; ゲナクリルブリリアントイエロー(Genacryl Brilliant Yellow) 10GF; ゲナクリルピンク(Genacryl Pink) 3G; ゲナクリルイエロー(Genacryl Yellow) 5GF; GFP (S65T); 赤色偏移GFP (GFP red shifted) (rsGFP); GFP野生型(GFP wild type)、非UV励起(non-UV excitation) (wtGFP); GFP野生型、UV励起(UV excitation) (wtGFP); GFPuv; グロキサン酸(Gloxalic Acid); グラニュラーブルー(Granular Blue); ヘマトポルフィリン(Haematoporphyrin); ヘキスト33258; ヘキスト33342; ヘキスト34580; HPTS; ヒドロキシクマリン(Hydroxycoumarin); ヒドロキシスチルブアミジン(Hydroxystilbamidine) (フルオロゴールド(FluoroGold)); ヒドロキシトリプタミン(Hydroxytryptamine); インドジカルボシアニン(Indodicarbocyanine) (DiD); インドトリカルボシアニン(Indotricarbocyanine) (DiR); イントラホワイト(Intrawhite) Cf; JC-1; JO-JO-1; JO-PRO-1; レーザープロ(LaserPro); ラウロダン(Laurodan); LDS 751; リューコファー(Leucophor) PAF; リューコファーSF; リューコファーWS; リサミンローダミン(Lissamine Rhodamine); リサミンローダミンB; LOLO-1; LO-PRO-1; ルシファーイエロー(Lucifer Yellow); Magグリーン(Mag Green); マグダラレッド(Magdala Red) (フロキシン(Phloxin) B); マグネシウムグリーン(Magnesium Green); マグネシウムオレンジ(Magnesium Orange); マラカイトグリーン(Malachite Green); マリーナブルー(Marina Blue); マキシロンブリリアントフラビン(Maxilon Brilliant Flavin) 10 GFF; マキシロンブリリアントフラビン8 GFF; メロシアニン(Merocyanin); メトキシクマリン(Methoxycoumarin); ミトトラッカーグリーン(Mitotracker Green) FM; ミトトラッカーオレンジ(Mitotracker Orange); ミトトラッカーレッド(Mitotracker Red); ミトラマイシン(Mitramycin); モノブロモビマン(Monobromobimane); モノブロモビマン(mBBr-GSH); モノクロロビマン(Monochlorobimane); MPS (メチルグリーンピロニンスチルベン(Methyl Green Pyronine Stilbene)); NBD; NBDアミン(Amine); ナイルレッド(Nile Red); ニトロベンゾキシアジドール(Nitrobenzoxadidole); ノルアドレナリン(Noradrenaline); ヌクレアファストレッド(Nuclear Fast Red); ヌクレアイエロー(Nuclear Yellow); ニロサンブリリアントフラビン(Nylosan Brilliant Iavin) E8G; オレゴングリーン(Oregon Green)(商標); オレゴングリーン488-X; オレゴングリーン(商標) 488; オレゴングリーン(商標) 500; オレゴングリーン(商標) 514; パシフィックブルー(Pacific Blue); パラローザニリン(Pararosaniline) (フォイルゲン(Feulgen)); PE-Cy5; PE-Cy7; PerCP; PerCP-Cy5.5; PE-テキサスレッド(PE-TexasRed) (レッド613); フロキシン (Phloxin) B (マグダラレッド(Magdala Red)); ホルワイト(Phorwite) AR; ホルワイトBKL; ホルワイトRev; ホルワイトRPA; ホスフィン(Phosphine) 3R; フォトレジスト(PhotoResist); フィコエリスリン(Phycoerythrin) B [PE]; フィコエリスリンR [PE]; PKH26; PKH67; PMIA; ポントクロームブルーブラック(Pontochrome Blue Black); POPO-1; POPO-3; PO-PRO-1; PO-PRO-3; プリムリン(Primuline); プロシオンイエロー(Procion Yellow); ヨウ化プロピジウム(Propidium Iodid) (PI); PyMPO; ピレン(Pyrene); ピロニン(Pyronine); ピロニンB; ピロザールブリリアントフラビン(Pyrozal Brilliant Flavin) 7GF; QSY 7; キナクリンマスタード(Quinacrine Mustard); レゾルフィン(Resorufin); RH 414; Rhod-2; ローダミン(Rhodamine); ローダミン110; ローダミン123; ローダミン5 GLD; ローダミン6G; ローダミンB 540; ローダミンB 200; ローダミンBエキストラ; ローダミンBB; ローダミンBG; ローダミングリーン; ローダミンファリシジン(Rhodamine Phallicidine); ローダミンファロイジン(Rhodamine Phalloidine); ローダミンレッド(Rhodamine Red); ローダミンWT; ローズベンガル(Rose Bengal); R-フィコエリスリン(phycoerythrin) (PE); 赤色偏移GFP (rsGFP, S65T); S65A; S65C; S65L; S65T; サファイア(Sapphire) GFP; セロトニン(Serotonin); セブロンブリリアントレッド(Sevron Brilliant Red) 2B; セブロンブリリアントレッド4G; セブロンブリリアントレッドB; セブロンオレンジ(Sevron Orange); セブロンイエロー(Sevron Yellow) L; sgBFP(商標); sgBFP(商標) (スーパーグロウ(super glow) BFP); sgGFP(商標); sgGFP(商標) (スーパーグロウGFP); SITS; SITS (プリムリン(Primuline)); SITS (スチルベンイソチオスルホン酸(Stilbene Isothiosulphonic Acid)); SPQ (6-メトキシ-N-(3-スルホプロピル)キノリニウム); スチルベン(Stilbene); スルホローダミン(Sulphorhodamine) B can C; スルホローダミンGエキストラ; テトラサイクリン(Tetracycline); テトラメチルローダミン(Tetramethylrhodamine); テキサスレッド(Texas Red) (商標); テキサスレッド-X (Texas Red-X) (商標)コンジュゲート; チアジカルボシアニン(Thiadicarbocyanine) (DiSC3); チアジンレッド(Thiazine Red) R; チアゾールオレンジ(Thiazole Orange); チオフラビン(Thioflavin) 5; チオフラビンS; チオフラビンTCN; チオライト(Thiolyte); チオゾールオレンジ(Thiozole Orange); チノポール(Tinopol) CBS (カルコフロールホワイト(Calcofluor White)); TMR; TO-PRO-1; TO-PRO-3; TO-PRO-5; TOTO-1; TOTO-3; トリコロール(Tricolor) (PE-Cy5); TRITC (テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TetramethylRodamineIsoThioCyanate)); トゥルーブルー(True Blue); トゥルーレッド(TruRed); ウルトラライト(Ultralite); ウラニン(Uranine) B; ウビテックス(Uvitex) SFC; wt GFP; WW 781; XL665; X-ローダミン; XRITC; キシレンオレンジ(Xylene Orange); Y66F; Y66H; Y66W; イエロー(Yellow) GFP; YFP; YO-PRO-1; YO-PRO-3; YOYO-1; およびYOYO-3が挙げられるが、これらに限定されることはない。これらの蛍光化合物の多くの適切な形態を入手することができ、使用することができる。
これらの蛍光化合物の多くの適切な形態を入手することができ、使用することができる。さらなるフルオロフォアの例としては、フルオレセイン、フィコエリスリン、フィコシアニン、o-フタルアルデヒド、フルオレスカミン、Cy3(商標)、Cy5(商標)、アロフィコシアニン、テキサスレッド、ペリジニンクロロフィル、シアニン、フィコエリスリン- Cy5(商標)などのタンデムコンジュゲート、緑色蛍光タンパク質、ローダミン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)およびオレゴングリーン(商標)、ローダミンおよび誘導体(例えば、テキサスレッドおよびテトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC))、ビオチン、フィコエリスリン、AMCA、CyDyes(商標)、6-カルボキシフルオレセイン(FAMおよびFの略称で一般に知られている)、6-カルボキシ-2',4',7',4,7-ヘキサクロロフルオレセイン(HEX)、6-カルボキシ-4',5'-ジクロロ-2',7'-ジメトキシフルオレセイン(dimethoxyfiuorescein) (JOEまたはJ)、N,N,N',N'-テトラメチル-6カルボキシローダミン(TAMRAまたはT)、6-カルボキシ-X-ローダミン(ROXまたはR)、5-カルボキシローダミン-6G (R6G5またはG5)、6-カルボキシローダミン-6G (R6G6またはG6)、およびローダミン110; シアニン色素、例えばCy3、Cy5およびCy7色素; クマリン、例えば、ウンベリフェロン; ベンズイミド色素、例えばヘキスト33258; フェナンスリジン色素、例えばテキサスレッド; エチジウム色素; アクリジン色素; カルバゾール色素; フェノキサジン色素; ポルフィリン色素; ポリメチン色素、例えばCy3、Cy5などのようなシアニン色素; ボディピ色素ならびにキノリン色素が挙げられるが、これらに限定されることはない。
他の例示的な検出可能な標識としては、発光および生物発光マーカー(例えば、ビオチン、ルシフェラーゼ(例えば、細菌ルシフェラーゼ、ホタルルシフェラーゼ、コメツキムシルシフェラーゼなど)、ルシフェリンおよびエクオリン)、放射性標識(例えば、3H、125I、35S、14Cまたは32P)、酵素(例えば、ガラクトシダーゼ、グルコリニダーゼ、ホスファターゼ(例えば、アルカリホスファターゼ)、ペルオキシダーゼ(例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ)、およびコリンエステラーゼ)、ならびにコロイド金または着色ガラスもしくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレンおよびラテックス)ビーズなどの熱量測定標識が挙げられる。そのような標識の使用を教示している特許には、米国特許第3,817,837号、同第3,850,752号、同第3,939,350号、同第3,996,345号、同第4,277,437号、同第4,275,149号、および同第4,366,241号が含まれ、これらの各々が参照により本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識は、3H、125I、35S、14C、32Pおよび33Pを含むが、これらに限定されない、放射性標識であることができる。適切な非金属同位体は、11C、14C、13N、18F、123I、124I、および125Iを含むが、これらに限定されることはない。適切な放射性同位体は、99mTc、95Tc、111In、62Cu、64Cu、Ga、68Gaおよび153Gdを含むが、これらに限定されることはない。適切な常磁性金属イオンは、Gd(III)、Dy(III)、Fe(III)、およびMn(II)を含むが、これらに限定されることはない。適切なX線吸収体は、Re、Sm、Ho、Lu、Pm、Y、Bi、Pd、Gd、La、Au、Au、Yb、Dy、Cu、Rh、Ag、およびIrを含むが、これらに限定されることはない。
いくつかの態様において、検出可能な標識は、フルオロフォアまたは量子ドットである。理論によって束縛されることを望むわけではないが、蛍光試薬を使用すると、撮像/読み出しにおけるシグナル対ノイズ比が低減し、したがって感度を維持することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、レポーター分子は、粒子密度に基づいて光学的特性が変化するナノ粒子を含む(例えば、図30参照)。例えば、一本鎖アンプリコンに特異的な少なくとも2つの核酸プローブはそれぞれ、そのようなナノ粒子に(例えば、それぞれの5'末端および/または3'末端で)連結することができる。アンプリコン結合がない場合、拡散性ナノ粒子プローブは、溶液を第1の色(例えば、赤色)にさせる。標的アンプリコンと結合すると、ナノ粒子の凝集を引き起こし、溶液を第2の色(例えば、紫色)に変化させる。この色の変化により、溶液中の標的アンプリコンの存在が示される。非限定的な例として、金ナノ粒子は、金ナノ粒子密度に依存する溶液中の色変化を示すことができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、ナノ粒子は、例えば、検出段階中に、検出プローブ上の官能基とコンジュゲートまたは結合させることによって凝集される。
クエンチャー
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、クエンチャー分子をさらに含む。クエンチャーは、検出可能な特性、例えば、本明細書において提供されるレポーター分子からの検出可能なシグナルの強度、色などを減少させるように作用することができる。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブの5'末端に存在する。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブの3'末端に存在する。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブの内部位置に存在する。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、プローブのステムまたはループ構造のような、核酸プローブの内部位置に存在する。いくつかの態様において、第1のクエンチャー分子は核酸プローブの5'末端に存在し、第2のクエンチャー分子は核酸プローブの内部位置に存在する。いくつかの態様において、第1のクエンチャー分子は核酸プローブの3'末端に存在し、第2のクエンチャー分子は核酸プローブの内部位置に存在する。
複数のクエンチャー分子を用いることができる。いくつかの態様において、核酸プローブは、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上のクエンチャー分子を含み、これらは互いに同じであっても異なっていてもよい。局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む。2つまたはそれ以上のクエンチャー分子が存在する場合、それらは核酸プローブ内の任意の場所に独立して位置できることに留意されたい。例えば、1つのクエンチャーはプローブの一端に存在することができ、もう1つのクエンチャーはプローブの内部位置に存在することができる。例えば、第1のクエンチャー分子はプローブの内部位置に存在することができ、第2のクエンチャー分子はプローブの3'末端に存在することができる。いくつかの他の態様において、第1のクエンチャー分子はプローブの内部位置に存在することができ、第2のクエンチャー分子はプローブの5'末端に存在することができる。
局面のいずれか1つのいくつかの態様において、プローブは、少なくとも1つのレポーター分子および少なくとも2つのクエンチャー分子を含む。例えば、プローブは、少なくとも1つのレポーター分子および少なくとも2つのクエンチャー分子を含み、ここで1つのレポーター分子はプローブの第1の末端に存在し、第1のクエンチャー分子はプローブの内部位置に存在し、第2のクエンチャー分子はプローブの内部位置または第2の末端に存在する。例えば、レポーター分子はプローブの5'末端に存在し、第1のクエンチャー分子はプローブの内部位置に存在し、第2のクエンチャー分子はプローブの3'末端に存在する。
いくつかの態様において、プローブは、プローブの内部位置にレポーター分子およびプローブの末端位置、例えば5'末端または3'末端にクエンチャー分子を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、5'フルオロフォア(例えば、Cy5またはFAM)、内部ZenまたはTaoクエンチャー分子、および3' Iowa Blackクエンチャー分子を含む。核酸プローブのさらなる非限定的な例は、表5において以下に提供される(SEQ ID NO: 19、51~55および表4も参照されたい)。
(表5)例示的なクエンチャー分子構成; レポーター分子は、当技術分野において公知のものまたは本明細書において記載されるもののいずれか(例えばフルオロフォア、例えば、Cy5、FAM)であることができる。
レポーター分子およびクエンチャー分子は、プローブがアンプリコンにハイブリダイズされない場合にレポーター分子によって生成される検出可能なシグナルをクエンチャー分子がクエンチするように位置付けることができる。いくつかの態様において、レポーター分子およびクエンチャー分子は、核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされた場合にレポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチャー分子がまたクエンチするように位置付けることができる。一般に、レポーター分子およびクエンチャー分子(例えば、第1または第2のクエンチャー分子)は、少なくとも4個のヌクレオチドによって分離されている。いくつかの態様において、レポーター分子およびクエンチャー分子(例えば、第1または第2のクエンチャー分子)は、少なくとも9個のヌクレオチドによって分離されている。例えば、レポーター分子およびクエンチャー分子(例えば、第1または第2のクエンチャー分子)は、少なくとも5個のヌクレオチド、少なくとも6個のヌクレオチド、少なくとも7個のヌクレオチド、少なくとも8個のヌクレオチド、少なくとも9個のヌクレオチド、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも11個のヌクレオチド、少なくとも12個のヌクレオチド、少なくとも13個のヌクレオチド、少なくとも14個のヌクレオチド、少なくとも15個のヌクレオチド、少なくとも16個のヌクレオチド、少なくとも17個のヌクレオチド、少なくとも18個のヌクレオチド、少なくとも19個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも21個のヌクレオチド、少なくとも22個のヌクレオチド、少なくとも23個のヌクレオチド、少なくとも24個のヌクレオチド、少なくとも25個のヌクレオチド、少なくとも26個のヌクレオチド、少なくとも27個のヌクレオチド、少なくとも28個のヌクレオチド、少なくとも29個のヌクレオチド、または少なくとも30個のヌクレオチドによって分離されている。いくつかの態様において、レポーター分子およびクエンチャー分子(例えば、第1または第2のクエンチャー分子)は、50個以下のヌクレオチドによって分離されている。例えば、レポーター分子およびクエンチャー分子(例えば、第1または第2のクエンチャー分子)は、30個以下のヌクレオチド、25個以下のヌクレオチド、20個以下のヌクレオチド、19個以下のヌクレオチド、18個以下のヌクレオチド、17個以下のヌクレオチド、16個以下のヌクレオチド、15個以下のヌクレオチド、14個以下のヌクレオチド、13個以下のヌクレオチド、12個以下のヌクレオチド、11個以下のヌクレオチド、10個以下のヌクレオチド、9個以下のヌクレオチド、8個以下のヌクレオチド、7個以下のヌクレオチド、6個以下のヌクレオチド、5個以下のヌクレオチド、または4個以下のヌクレオチドによって分離されている。
レポーター分子ならびに第1および第2のクエンチャー分子は、プローブがアンプリコンにハイブリダイズされない場合にレポーター分子によって生成される検出可能なシグナルをクエンチャー分子がクエンチするように位置付けることができる。いくつかの態様において、レポーター分子ならびに第1および第2のクエンチャー分子は、核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされた場合にレポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチャー分子がまたクエンチするように位置付けることができる。一般に、第1および第2のクエンチャー分子は、少なくとも4個のヌクレオチドによって分離されている。いくつかの態様において、第1および第2のクエンチャー分子は、少なくとも19個のヌクレオチドによって分離されている。例えば、第1および第2のクエンチャー分子は、少なくとも5個のヌクレオチド、少なくとも6個のヌクレオチド、少なくとも7個のヌクレオチド、少なくとも8個のヌクレオチド、少なくとも9個のヌクレオチド、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも11個のヌクレオチド、少なくとも12個のヌクレオチド、少なくとも13個のヌクレオチド、少なくとも14個のヌクレオチド、少なくとも15個のヌクレオチド、少なくとも16個のヌクレオチド、少なくとも17個のヌクレオチド、少なくとも18個のヌクレオチド、少なくとも19個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも21個のヌクレオチド、少なくとも22個のヌクレオチド、少なくとも23個のヌクレオチド、少なくとも24個のヌクレオチド、少なくとも25個のヌクレオチド、少なくとも26個のヌクレオチド、少なくとも27個のヌクレオチド、少なくとも28個のヌクレオチド、少なくとも29個のヌクレオチド、または少なくとも30個のヌクレオチドによって分離されている。いくつかの態様において、第1および第2のクエンチャー分子は、50個以下のヌクレオチドによって分離されている。例えば、第1および第2のクエンチャー分子は、30個以下のヌクレオチド、25個以下のヌクレオチド、20個以下のヌクレオチド、19個以下のヌクレオチド、18個以下のヌクレオチド、17個以下のヌクレオチド、16個以下のヌクレオチド、15個以下のヌクレオチド、14個以下のヌクレオチド、13個以下のヌクレオチド、12個以下のヌクレオチド、11個以下のヌクレオチド、10個以下のヌクレオチド、9個以下のヌクレオチド、8個以下のヌクレオチド、7個以下のヌクレオチド、6個以下のヌクレオチド、5個以下のヌクレオチド、または4個以下のヌクレオチドによって分離されている。
いくつかの態様において、レポーター分子および第1のクエンチャー分子は、少なくとも4個のヌクレオチドによって分離され、独立して第1および第2のクエンチャー分子は、少なくとも4個のヌクレオチドによって分離されている。例えば、レポーター分子および第1のクエンチャー分子は、少なくとも5個のヌクレオチド、少なくとも6個のヌクレオチド、少なくとも7個のヌクレオチド、少なくとも8個のヌクレオチド、少なくとも9個のヌクレオチド、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも11個のヌクレオチド、少なくとも12個のヌクレオチド、少なくとも13個のヌクレオチド、少なくとも14個のヌクレオチド、少なくとも15個のヌクレオチド、少なくとも16個のヌクレオチド、少なくとも17個のヌクレオチド、少なくとも18個のヌクレオチド、少なくとも19個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも21個のヌクレオチド、少なくとも22個のヌクレオチド、少なくとも23個のヌクレオチド、少なくとも24個のヌクレオチド、少なくとも25個のヌクレオチド、少なくとも26個のヌクレオチド、少なくとも27個のヌクレオチド、少なくとも28個のヌクレオチド、少なくとも29個のヌクレオチド、または少なくとも30個のヌクレオチドによって分離され、独立して第1および第2のクエンチャー分子は、少なくとも5個のヌクレオチド、少なくとも6個のヌクレオチド、少なくとも7個のヌクレオチド、少なくとも8個のヌクレオチド、少なくとも9個のヌクレオチド、少なくとも10個のヌクレオチド、少なくとも11個のヌクレオチド、少なくとも12個のヌクレオチド、少なくとも13個のヌクレオチド、少なくとも14個のヌクレオチド、少なくとも15個のヌクレオチド、少なくとも16個のヌクレオチド、少なくとも17個のヌクレオチド、少なくとも18個のヌクレオチド、少なくとも19個のヌクレオチド、少なくとも20個のヌクレオチド、少なくとも21個のヌクレオチド、少なくとも22個のヌクレオチド、少なくとも23個のヌクレオチド、少なくとも24個のヌクレオチド、少なくとも25個のヌクレオチド、少なくとも26個のヌクレオチド、少なくとも27個のヌクレオチド、少なくとも28個のヌクレオチド、少なくとも29個のヌクレオチド、または少なくとも30個のヌクレオチドによって分離されている。
いくつかの態様において、レポーター分子および第1のクエンチャー分子は、第1のクエンチャー分子と第2のクエンチャー分子との間の距離と比べて互いに近い。いくつかの他の態様において、第1および第2のクエンチャー分子は、レポーター分子と第1/第2のクエンチャー分子との間の距離と比べて互いに近い。
プローブが標的核酸配列にハイブリダイズされた場合、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有するエキソヌクレアーゼがその5'末端部分またはその5'末端を消化し、その5'末端部分またはその5'末端に位置するレポーター分子またはクエンチャー分子を放出し、それによりレポーター分子の検出可能なシグナルをクエンチャー解除して標的核酸配列を指す検出可能なシグナルを生成させる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされない場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされない場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされた場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチングは部分クエンチングまたは完全クエンチングである。本明細書において用いられる場合、「完全にクエンチされる」という用語は、レポーター分子からのいかなるシグナルも検出できないこと、すなわち、100%クエンチされたシグナルまたは0%検出可能なシグナル(例えば、蛍光)をいう。本明細書において用いられる場合、「部分的にクエンチされる」という用語は、レポーター分子からの完全な検出可能なシグナルと比較して低減されているレポーター分子からの検出可能なシグナルをいう。局面のいずれかのいくつかの態様において、「部分的にクエンチされる」とは、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%、少なくとも13%、少なくとも14%、少なくとも15%、少なくとも16%、少なくとも17%、少なくとも18%、少なくとも19%、少なくとも20%、少なくとも21%、少なくとも22%、少なくとも23%、少なくとも24%、少なくとも25%、少なくとも26%、少なくとも27%、少なくとも28%、少なくとも29%、少なくとも30%、少なくとも31%、少なくとも32%、少なくとも33%、少なくとも34%、少なくとも35%、少なくとも36%、少なくとも37%、少なくとも38%、少なくとも39%、少なくとも40%、少なくとも41%、少なくとも42%、少なくとも43%、少なくとも44%、少なくとも45%、少なくとも46%、少なくとも47%、少なくとも48%、少なくとも49%、少なくとも50%、少なくとも51%、少なくとも52%、少なくとも53%、少なくとも54%、少なくとも55%、少なくとも56%、少なくとも57%、少なくとも58%、少なくとも59%、少なくとも60%、少なくとも61%、少なくとも62%、少なくとも63%、少なくとも64%、少なくとも65%、少なくとも66%、少なくとも67%、少なくとも68%、少なくとも69%、少なくとも70%、少なくとも71%、少なくとも72%、少なくとも73%、少なくとも74%、少なくとも75%、少なくとも76%、少なくとも77%、少なくとも78%、少なくとも79%、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、少なくとも99.1%、少なくとも99.5%、少なくとも99.9%、またはそれ以上低減されているレポーター分子からのシグナルをいう。
局面のいずれかのいくつかの態様において、少なくとも1つのクエンチャー分子は、核酸プローブ中のレポーター分子によって発光される蛍光の特定の波長をクエンチする。非限定的な例として、500 nm~550 nmの発光範囲を有するTET、HEXおよびFAMなどの、いくつかのフルオロフォアは、450 nm~550 nmの吸収範囲を有するブラックホールクエンチャー1 (BHQ1)およびダブシルなどの、クエンチャーによってクエンチされる。同様に、TMR、テキサスレッド、ROX、Cy3およびCy5は、BHQ2によってクエンチされる。例えば、Marras, Selection of fluorophore and quencher pairs for fluorescent nucleic acid hybridization probes, Methods Mol Biol. 2006;335:3-16を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はダーククエンチャーである。ダーククエンチャー(ダークサッカー(sucker)としても知られる)は、レポーター分子、例えば、フルオロフォアから励起エネルギーを吸収し、そのエネルギーを熱として放散する物質であり; その一方、典型的な(蛍光)クエンチャーは、このエネルギーの多くを光として再発光する。クエンチャー分子(例えば、蛍光色素から吸収されたエネルギーを放散する非蛍光クエンチャーまたはダーククエンチャー)の非限定的な例としては、Black Hole Quenchers(商標) ( Biosearch Technologies(商標)); Iowa Blackクエンチャー(例えば、Iowa Black FQ(商標) (「3IABkFQ」)およびIowa Black RQ(商標) (例えば、「3IAbRQSp」)); Eclipse(登録商標) Dark Quencher (Epoch Biosciences(商標))、Zen(商標)クエンチャー(Integrated DNA Technologies(商標); 例えば、「ZEN」); TAO(商標)クエンチャー(Integrated DNA Technologies(商標); 例えば、「TAO」); ダブシル(4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸); Qxl(商標)クエンチャー; QSY(登録商標)クエンチャー; ならびにIRDye(登録商標) QC-1が挙げられる。クエンチャーのさらなる非限定的な例は、米国特許第6,465,175号、同第7,439,341号、同第12/252,721号、同第7,803,536号、同第12/853,755号、同第7,476,735号、同第7,605,243号、同第7,645,872号、同第8,030,460号、同第13/224,571号、同第8,916,345号においても提供されており、これらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、Iowa Black(登録商標)クエンチャーである。局面のいずれかのいくつかの態様において、Iowa Black(登録商標)クエンチャーは、好ましくは、核酸プローブの5'または3'の位置に存在する。局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、531 nm (すなわち、可視光スペクトルの緑~黄色領域)にピーク吸光度を有する420~620 nmの範囲の広い吸光スペクトルを有するIowa Black(登録商標) FQである。いくつかの態様において、Iowa Black(登録商標) FQ (例えば、「3IABkFQ」)は、フルオレセインまたは緑~ピンク色のスペクトル領域で発光する他の蛍光色素をクエンチするために用いられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、656 nm (すなわち、可視光スペクトルの橙~赤色領域)にピーク吸光度を有する500~700 nmの範囲の広い吸光スペクトルを有するIowa Black(登録商標) RQである。いくつかの態様において、Iowa Black(登録商標) RQ (例えば、「3IAbRQSp」)は、テキサスレッド(登録商標)、Cy5、または赤色のスペクトル領域で発光する他の蛍光色素をクエンチするために用いられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はZENクエンチャーである。局面のいずれかのいくつかの態様において、ZENクエンチャーは、好ましくは、核酸プローブの内部位置に存在する。例えば、Lennox et al., Mol Ther Nucleic Acids. 2013 Aug; 2(8): e117; US Patents 8916345, 9506059を参照されたく、これらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。ZENは、Iowa Black(登録商標) FQと同様の範囲のフルオロフォア、例えば、FAM、SUN、JOE、HEXまたはMAXをクエンチすることができる。いくつかの態様において、核酸プローブは、ZEN、Iowa Black(登録商標) FQ、およびFAMなどのレポーター分子を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はTAOクエンチャーである。局面のいずれかのいくつかの態様において、TAOクエンチャーは、好ましくは、核酸プローブの内部位置に存在する。TAOは、Iowa Black(登録商標) RQと同様の範囲のフルオロフォア、例えば、Cy3、ATTO550、ROX、テキサスレッド、ATTO647NまたはCy5をクエンチすることができる。いくつかの態様において、核酸プローブは、TAO、Iowa Black(登録商標) RQおよびレポーター分子、例えばCy5を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はブラックホールクエンチャーである。ブラックホールクエンチャー(Black Hole Quencher)(商標)は、置換もしくは非置換アリールもしくはヘテロアリール化合物、またはそれらの組み合わせから選択される少なくとも3つの基を含み、ここで残基のうちの少なくとも2つが環外ジアゾ結合を介して連結されている(例えば、国際公開番号WO2001086001を参照のこと)。ブラックホールクエンチャー(BHQ)は、可視スペクトル全体にわたってクエンチすることができる。ブラックホールクエンチャーの非限定的な例としては、BHQ-0 (430~520 nm); BHQ-1 (480~580 nm、534 nm 吸収(abs)極大); BHQ-2 (520~650 nm、544 nm 吸収極大); BHQ-3 (620~730 nm、672 nm 吸収極大); およびBHQ-10 (480~550nm、516 nm 吸収極大; 水溶性)が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、ダブシル(4-(4'-ジメチルアミノフェニルアゾ)安息香酸)またはその誘導体である。ダブシルは、可視光スペクトルの緑色領域(例えば、346~489 nm、474 nmにピーク吸光度を有する)を吸収し、フルオレセインまたは緑色領域で発光する他のフルオロフォアとともに用いることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はEclipse(登録商標) Dark Quencherである。Eclipse Quencherの吸光度が極大なのは、ダブシルの479 nmと比較して、522 nmの位置である。さらに、Eclipse Quencherの構造はダブシルの構造よりも実質的に電子不足であり、これはより広い範囲の色素、特にRedmond RedおよびCyanine 5などの長波長に発光極大を有する(赤色偏移した)色素に対してより良いクエンチングを導く。さらに、390 nmから625 nmの吸収範囲により、Eclipse Quencherは、広範囲のフルオロフォアの効果的なクエンチングが可能である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子は、QSY(登録商標)クエンチャーである。QSYクエンチャーの非限定的な例としては、QSY35 (410~500 nm、475 nm 極大吸収)、QSY7 (500~600 nm、560 nm 極大吸収)、QSY21 (590~720nm、661 nm 吸収極大)およびQSY9 (500~600 nm、562 nm 吸収極大)が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はQxl(商標)クエンチャーである。Qxl(商標)クエンチャーは全可視光スペクトルに及ぶ。QXLクエンチャーの非限定的な例としては、QXL490 (495 nm 吸収極大であり、EDANS、AMCAおよび大部分のクマリンフルオロフォアのクエンチャーとして用いることができる)、QXL520 (およそ520 nm 吸収極大であり、FAMのクエンチャーとして用いることができる)、QXL570 (578 nm 吸収極大であり、ローダミン(TAMRA、スルホローダミンB、ROXなど)およびCy3フルオロフォアのクエンチャーとして用いることができる)、QXL610 (およそ610 nm 吸収極大であり、ROXのクエンチャーとして用いることができる)、ならびにQXL670 (668 nm 吸収極大であり、Cy5およびCy5様フルオロフォア、例えばHiLyte(商標) Fluor 647のクエンチャーとして用いることができる)が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、クエンチャー分子はIRDye QC-1である。IRDye QC-1は可視から近赤外領域(500~900 nm、極大吸収737 nm)の色素をクエンチする。
検出方法
そのようなレポーター標識およびクエンチャーを検出する手段は、当業者には周知である。したがって、例えば、放射性標識は、写真フィルムまたはシンチレーションカウンターを用いて検出することができ、蛍光マーカーは、放出された光を検出するための光検出器を用いて検出することができる。酵素標識は、典型的には、酵素に酵素基質を与え、酵素基質に対する酵素の作用によって生じる反応生成物を検出することによって検出され、熱量測定標識は、着色標識を視覚化することによって検出することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供されるレポーターおよび/またはクエンチャー分子の検出は、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、比色検出、または免疫蛍光検出を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 特異的高感度酵素レポーターアンロッキング(Specific High-sensitivity Enzymatic Reporter unlocking; SHERLOCK); DNAエンドヌクレアーゼ標的CRISPRトランスレポーター(DETECTR); 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群より選択される。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、プレートに基づくアッセイ(例えば、SHERLOCK、DETECTR、マイクロアレイ、ハイブリダイゼーション、qPCR、配列決定など)を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、レポーター分子は、ラテラルフロー免疫アッセイ(LFIA)、層流、免疫クロマトグラフィーアッセイまたはストリップ試験としても知られている、ラテラルフロー検出を用いて検出することができる。LFIAは、液体サンプル中の抗原、例えばレポーター分子の存在(または非存在)を検出することを目的とした単純な装置である。現在、医療診断のために、在宅検査、ポイントオブケア検査、または実験室での使用のために用いられている多くのLFIA検査がある。LFIA検査は免疫アッセイの一種であり、検査サンプルが毛細管現象により固体基材に沿って流れる。サンプルは試験ストリップに適用された後に、サンプルは微粒子に結合した着色試薬(試験標的抗原に特異的な抗体を一般に含む)に遭遇し、サンプルと混ざり合い、抗体(例えば、標的核酸上の検出可能マーカーに特異的なもしくは標的核酸に相補的な核酸上の検出可能なマーカーに特異的な)で前処理されたまたは本明細書において記載されるコンジュゲートDNAもしくは非コンジュゲートDNAで前処理されたラインまたはゾーンに遭遇する基材に移行する。サンプル中に存在する標的のレベルに応じて、着色した試薬は試験ラインまたはゾーンで捕捉され、結合されるようになることができる。LFIAは基本的に、試験ストリップ形式またはディップスティック形式に合わせて単一の軸に沿って動作するように適合された免疫アッセイである。ストリップ試験は非常に用途が広く、尿、血液、水、および/またはホモジナイズされた組織サンプルなどのような、液体サンプルから膨大な範囲の抗原を検出するために、当業者が容易に変えることができる。ストリップ試験はディップスティック試験としても知られており、その名称は、試験ストリップを検査する液体サンプルに「浸漬」する文字通りの動作からきている。LFIAストリップ試験は使いやすく、最小限の訓練しか必要とせず、現場で使用するポイントオブケア検査(POCT)診断の構成要素として容易に含めることができる。LFIA試験は競合アッセイまたはサンドイッチアッセイとして操作することができる。サンドイッチLFIAはサンドイッチELISAに似ている。サンプルは最初に、標的抗原に対して作製された抗体で標識された着色粒子に遭遇する。試験ラインにも同じ標的に対する抗体が含まれるが、それは抗原上の異なるエピトープに結合しうる。試験ラインは、陽性サンプルにおいて着色されたバンドとして示される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフロー免疫アッセイは、二重抗体サンドイッチアッセイ、競合アッセイ、定量的アッセイ、またはそれらの変形であることができる。競合LFIAは競合ELISAに似ている。サンプルは最初に、標的抗原または類似体で標識された着色粒子に遭遇する。試験ラインは、標的/その類似体に対する抗体を含む。サンプル中の標識されていない抗原は、抗体の結合部位をブロックし、着色粒子の取り込みを防ぐ。試験ラインは、陰性サンプルにおいて着色したバンドとして示される。ラテラルフロー技術にはいくつかのバリエーションがある。複数の捕捉ゾーンを適用して多重試験を作出することも可能である。
核酸を検出するためのラテラルフロー試験の使用は、当技術分野において記述されており; 例えば、米国特許第9,121,849号; 同第9,207,236号; および同第9,651,549号を参照されたく、これらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。「ディップスティック」またはLFIA試験ストリップおよび他の固体支持体の使用は、いくつかの標的に対する免疫アッセイという前後の脈絡の中で当技術分野において説明されている。米国特許第4,943,522号; 同第6,485,982号; 同第6,187,598号; 同第5,770,460号; 同第5,622,871号; 同第6,565,808号; 米国特許出願公開第10/278,676号; 米国特許出願公開第09/579,673号および同第10/717,082号は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられ、そのようなラテラルフロー試験装置の非限定的な例である。免疫化学的アッセイを介して可溶性抗原を検出するための「ディップスティック」技術の使用を記載している特許の例としては、米国特許第4,444,880号; 同第4,305,924号; および同第4,135,884号を含むが、これらに限定されることはなく、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。これらの3つの特許の機器および方法では、「ディップスティック」上の固体表面に固定された第1の構成要素が広く記載されており、この構成要素はスティック上の構成要素-抗原複合体の検出の前に、「ディップスティック」上に固定された構成要素に結合する可溶性抗原を含有する溶液に露出される。
典型的には、ラテラルフローストリップは、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、検出膜、および任意で吸収パッドを含む。サンプルパッドは、フローストリップの最初のパッドであり、サンプル、例えば、本明細書において記載される増幅反応物が添加される場所である。局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルパッドは、セルロース繊維フィルタおよび/または織物メッシュを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルパッドは緩衝液をさらに含む。コンジュゲートパッドは、サンプルパッドと膜との間に存在し; コンジュゲートパッドは、サンプルパッドから泳動用緩衝液と接触した後にラテラルフローストリップの膜に分配される、検出器分子を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、コンジュゲートパッドは、ガラス繊維、セルロース繊維および/または表面改質ポリエステルを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出膜はニトロセルロース膜であり、試験ラインおよび対照ラインを含む。吸収パッドは、使用される場合、ラテラルフローストリップの遠位端に配置される。吸収パッドの主な機能は、ラテラルフローストリップに流入する泳動用緩衝液の総量を増加させることである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップは、標的増幅産物に特異的な領域、または標的増幅産物にハイブリダイズするプローブに特異的な領域を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップは、陽性対照に特異的な領域、または陽性対照にハイブリダイズするプローブに特異的な領域を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップは、検出したいアンプリコンおよび少なくとも1つのプローブを含む緩衝液と接触され; そのような緩衝液は、本明細書において泳動用緩衝液またはハイブリダイゼーション緩衝液ということもできる。局面のいずれかのいくつかの態様において、泳動用緩衝液は、本明細書においてさらに記載される界面活性剤(例えば、SDS)をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、本明細書において記載される任意の段階(例えば、増幅、エキソヌクレアーゼ消化、検出など)で添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、任意でエキソヌクレアーゼをさらに含んでいてもよい、界面活性剤(例えば、SDS)を含む増幅反応物が、泳動用緩衝液に添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、任意でエキソヌクレアーゼをさらに含んでいてもよい、増幅反応物が、界面活性剤(例えば、SDS)を含む泳動用緩衝液に添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、任意でエキソヌクレアーゼをさらに含んでいてもよい、増幅反応物が泳動用緩衝液に添加され、その後、界面活性剤(例えば、SDS)が添加される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、アッセイのラテラルフロー試験ストリップは、界面活性剤、例えば、SDSで前処理される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップは、泳動用緩衝液と接触される前に、界面活性剤と接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、ラテラルフローストリップ上に乾燥される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップのコンジュゲートパッドは、界面活性剤(例えば、SDS)と接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップのコンジュゲートパッドは、乾燥された界面活性剤(例えば、SDS)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップの検出膜は、界面活性剤(例えば、SDS)と接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップの検出膜は、乾燥された界面活性剤(例えば、SDS)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップのサンプルパッドは、界面活性剤(例えば、SDS)と接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフロー層のサンプルパッドは、乾燥された界面活性剤(例えば、SDS)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフローストリップとは別の材料(例えば、膜)が界面活性剤(例えば、SDS)と接触され、界面活性剤を含む材料が、ラテラルフローストリップの添加の前に、添加と同時に、または添加の後に増幅反応物にまたは泳動用緩衝液に添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤(例えば、SDS)は、ラテラルフローストリップとは別の材料(例えば、膜)上に乾燥される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤を含みラテラルフローストリップとは別である、材料(例えば、膜)は、ラテラルフローストリップおよび/または増幅反応物の添加の前に、添加と同時に、または添加の後に、泳動用緩衝液を撹拌するために用いられる。例えば、図31A~31B、図32を参照されたい。
ラテラルフローアッセイは、ラテラルフロー装置(LFD)、すなわち、ラテラルフロー試験ストリップにおいて実行することができる。ラテラルフロー装置またはストリップは、試験領域を含む。試験領域は、その中に固定化されたリガンド結合分子を含む。例えば、リガンド結合分子は、レポーター分子またはレポーター分子に連結された部分と結合することができる。いくつかの態様において、リガンド結合分子は抗体である。いくつかの態様において、ラテラルフロー装置またはストリップは、その中に固定化された異なるリガンド結合分子を含む対照領域も含む。対照領域中のリガンド結合分子は、核酸プローブ中のリガンドに結合することができる。したがって、いくつかの態様において、核酸プローブは、ラテラルフロー検出可能部分を含む。ラテラルフロー検出可能部分の非限定的な例としては、金属部分(例えば、金属ナノ粒子または金属ナノシェルなど)、ラテックスビーズ(着色ラテックスを含む)、カーボンブラックナノ粒子、フルオロフォアなどが挙げられる。いくつかの態様において、金属ナノ粒子または金属ナノシェルは、金粒子、銀粒子、銅粒子、白金粒子、カドミウム粒子、複合粒子、金中空球、金被覆シリカナノシェルおよびシリカ被覆金シェルからなる群より選択される。
検出段階の条件は、特定のアッセイに依存する。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフロー検出段階は、多くとも1分、多くとも2分、多くとも3分、多くとも4分、多くとも5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも20分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、または多くとも60分で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフロー検出段階は、少なくとも5分で実施される。非限定的な例として、ラテラルフロー検出段階は、30分もしくはそれ以下、25分もしくはそれ以下、20分もしくはそれ以下、15分もしくはそれ以下、10分もしくはそれ以下、または5分もしくはそれ以下の期間であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラテラルフロー検出段階は、多くとも5分で実施される。非限定的な例として、ラテラルフロー検出段階は、多くとも5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分で実施される。
本明細書において開示されるように、残存する非切断プローブを検出することができる。核酸鎖を検出するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、残存する非切断プローブは、配列特異的検出方法によって検出することができる。いくつかの態様において、非切断核酸プローブを検出することは、ラテラルフロー検出を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは表面に固定化される。局面のいずれかのいくつかの態様において、プローブは、本明細書において記載されるラテラルフロー試験ストリップにコンジュゲートされる。局面のいずれかのいくつかの態様において、プローブは、本明細書において記載される検出可能なマーカー(例えば、ビオチン、FAM、FITC、ジゴキシゲニンなど)にコンジュゲートされ、ラテラルフロー試験ストリップは、プローブにコンジュゲートされた検出可能なマーカーに特異的な少なくとも1つの領域(例えば、抗ビオチン、ストレプトアビジン、抗FAM、抗FITC、抗ジゴキシゲニン)を含む。
いくつかの態様において、増幅において用いられる少なくとも1つのプライマーは、表面に固定化される。したがって、各核酸標的は、シグナルの特定の空間構成(例えば、固定化表面上)がどの標的が検出されたかを示すので、検出のために同じレポーター分子(例えば、異なるプローブ配列ごとに同じフルオロフォア)を用いることができる。そのような表面の非限定的な例としては、スライド、チューブ、ディップスティック、試験ストリップ、診断ストリップ、マイクロチップ、ろ過装置、膜、中空糸反応器、またはマイクロ流体装置などが挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、リガンド結合分子に対するリガンドを含む。リガンドは、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より独立して選択することができる。いくつかの態様において、リガンドはレポーター分子である。いくつかの態様において、リガンドはクエンチャー分子である。
いくつかの他の態様において、核酸プローブは、レポーター分子および別個のリガンドを含む。例えば、核酸プローブは、レポーター分子およびクエンチャー分子を含み、ここでクエンチャー分子は、リガンド分子に対するリガンドであることができる。
本明細書において用いられる場合、「リガンド結合分子」という用語は、所与のリガンドに特異的に結合する分子をいう。本明細書において用いられる場合、リガンド結合分子に関して「特異的に結合する」および「結合特異性」という用語は、他の非標的リガンドよりも優先的に所与の標的リガンドに結合するその能力をいう。例えば、リガンド結合分子(「分子A」)が所与の標的リガンド(「分子B」)に「特異的に結合する」ことができる場合、分子Aは分子Bと他の任意の数の潜在的な代替結合パートナーとを識別する能力を有する。したがって、潜在的な結合パートナーとして異なるが同等にアクセス可能な複数の分子に露出されると、分子Aは分子Bに選択的に結合し、他の代替の潜在的な結合パートナーは、分子Aによって実質的に結合されないままになる。一般に、分子Aは、他の潜在的な結合パートナーよりも少なくとも10倍、好ましくは50倍、より好ましくは100倍、最も好ましくは100倍を超える頻度で分子Bに優先的に結合する。分子Aは、分子Bではない分子に、弱いながらも検出可能なレベルで結合することができうる。これは一般にバックグラウンド結合として知られており、例えば、適切な対照を用いることにより、分子B特異的結合と容易に識別することができる。
非限定的な例として、リガンド結合分子は、結合対の一方のメンバーであることができる。例えば、リガンド結合分子は、独立して選択された抗体であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンド結合分子は、以下からなる群より独立して選択される: 抗FAM抗体、抗ジゴキシゲニン抗体、抗テトラメチルローダミン(TAMRA)抗体、抗テキサスレッド抗体、抗ジニトロフェニル抗体、抗カスケードブルー抗体、抗ストレプトアビジン抗体、抗ビオチン抗体、抗Cy5抗体、抗ダンシル抗体、抗フルオレセイン抗体、ストレプトアビジン、およびビオチン。
局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンドおよびリガンド結合分子は、結合対のメンバーである。本明細書において用いられる場合、「結合対」という用語は、高親和性で、一般に低マイクロモルからピコモルの範囲で互いに特異的に結合する部分の対をいう。結合対の一方のメンバーが第1の要素にコンジュゲートされ、対の他方のメンバーが第2の要素にコンジュゲートされる場合、第1および第2の要素は、結合対のメンバーの相互作用によって一緒にされることになる。結合対の非限定的な例としては、抗原:抗体(抗原結合断片またはその誘導体を含む)、ビオチン:アビジン、ビオチン:ストレプトアビジン、ビオチン:ニュートラアビジン(またはビオチンに結合する他のアビジン変種など)、受容体:リガンドなどが挙げられる。結合対のさらなる分子は、ニュートラアビジン、ストレプト・タグ(strep-tag)、ストレプ・タクチン(strep-tactin)および誘導体、ならびに他のペプチド、ハプテン、色素に基づくタグ-抗Tagの組み合わせ、例えばSpyCatcher-SpyTag、His-Tag、Fc Tag、ジギトニン、GFP、FAM、ハプテン、SNAP-TAG. HRP、FLAG、HA、myc、グルタチオンS-トランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、小分子などを含むことができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンドは抗原である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンド結合分子は抗体である。
いくつかの態様では、本方法が未消化プローブの配列特異的検出を含むことが述べられた。核酸の配列特異的検出のための方法は、当技術分野において周知である。核酸の配列特異的検出のための例示的な方法としては、トーホールド媒介鎖置換、プローブに基づく電気化学的読み出し、マイクロアレイ検出、配列特異的増幅、コンジュゲートまたは非コンジュゲート核酸鎖とのハイブリダイゼーション、比色アッセイ、ゲル電気泳動、分子ビーコン、フルオロフォア-クエンチャー対、マイクロアレイ、配列決定などが挙げられるが、これらに限定されることはない。
増強された配列特異的検出を達成するために、本明細書において提供される核酸プローブに修飾を行うことができる。例えば、トーホールドは、例えば、より低いGC含量を有する配列と比べて、その相補体へのハイブリダイゼーションに対する鎖置換速度定数の改善をもたらすために、比較的高いGC含量を含むことができる。
アクリダイト修飾は、オリゴヌクレオチドがチオールなどの求核剤との反応(例えば、マイクロアレイ)において使用されること、またはゲル(例えば、ポリアクリルアミド)に組み入れられることを可能にするために用いることができる。したがって、いくつかの態様において、核酸プローブ配列は、1つまたは複数のアクリダイトヌクレオシドを含む。
いくつかの態様において、本方法は、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置において実施される。いくつかの態様において、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段は、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される。いくつかの態様において、装置は、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える。
本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様は、一本鎖核酸鎖、例えば、一本鎖アンプリコンを含む。したがって、本明細書において記載される局面のいずれか1つのいくつかの態様において、本明細書において記載される方法は、一本鎖アンプリコンを産生する段階を含む。本明細書において用いられる場合、「一本鎖アンプリコン」は、一本鎖領域を有する二本鎖核酸を含む。
一本鎖アンプリコンを産生するための方法は、当技術分野において周知である。例えば、二本鎖特異的エキソヌクレアーゼは、二本鎖核酸の5'末端に作用し、これらの分子を鎖が分離可能な部分二重鎖に変換する。したがって、局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される方法は、二本鎖標的核酸を5'から3'方向のエキソヌクレアーゼと接触させ、それによって一本鎖領域を有するアンプリコンを産生するためにプローブとハイブリダイズするための一本鎖領域を産生する段階を含む。
いくつかの態様において、一本鎖アンプリコンを産生する段階は、(a) 標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、増幅のための少なくとも1つのプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む、段階; および(b) 二本鎖アンプリコンを5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼと接触させる段階を含む。
いくつかの態様において、一本鎖アンプリコンを産生する段階は、(a) 増幅のための少なくとも1つのプライマーが1つまたは複数のウリジンヌクレオチドを含む、標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階; および(b) 二本鎖アンプリコンをウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)と接触させて一本鎖領域を有するアンプリコンを産生する段階を含む。このうちのいくつかのさらなる態様において、増幅のための少なくとも1つの他のプライマーが、例えばその5'末端に、検出可能な標識を含む。
いくつかの態様において、一本鎖アンプリコンを産生する段階は、増幅のための少なくとも1つのプライマーが、内部位置においてポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含み、かつ二本鎖アンプリコンが一本鎖、例えば5'一本鎖領域を一端に含む、標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階を含む。
いくつかの態様において、一本鎖アンプリコンを産生する段階は、(a) 標的核酸を増幅して、一本鎖、例えば、5'一本鎖突出部を少なくとも一端に含む二本鎖アンプリコンを産生する段階; および(b) 段階(a)の二本鎖アンプリコンを、一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む核酸プローブと接触させる段階であって、それによって核酸プローブが、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、かつプローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる、段階を含む。
いくつかの態様において、一本鎖アンプリコンを調製する段階は、(a) 標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階: および(b) 二本鎖アンプリコンを界面活性剤と接触させて二本鎖アンプリコンの一方の鎖を置換して、一本鎖アンプリコンを産生する段階を含む。いくつかの態様において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤であり、例えば、界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。
一本鎖アンプリコン、例えば、本明細書において記載される方法によって産生された一本鎖アンプリコンは、プローブをハイブリダイズさせ、プローブを消化してレポーター分子を遊離させる以外の方法を用いて検出できることに留意されたい。一本鎖核酸、例えば、本明細書において記載される方法によって産生された一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出するための例示的な方法としては、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、比色検出、または免疫蛍光検出が挙げられるが、これらに限定されることはない。いくつかの態様において、一本鎖核酸、例えば、本明細書において記載される方法によって産生された一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出する方法は、トーホールド媒介鎖置換、プローブに基づく電気化学的読み出し、マイクロアレイ検出、配列特異的増幅、コンジュゲートもしくは非コンジュゲート核酸鎖とのハイブリダイゼーション、比色アッセイ、ゲル電気泳動、分子ビーコン、フルオロフォア-クエンチャー対、マイクロアレイ、配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの態様において、一本鎖核酸、例えば、本明細書において記載される方法によって産生された一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出する方法は、ラテラルフロー検出を含む。
一本鎖核酸鎖、例えば、一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出する例示的な方法は、本明細書において記載されている。いくつかの態様において、一本鎖核酸鎖、例えば、一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出するための方法は、第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブと一本鎖アンプリコンをハイブリダイズさせて複合体を形成させる段階であって、第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み、かつ第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに複合体の存在を、例えばラテラルフロー検出により、検出する段階を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブの少なくとも一方は、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする。本明細書において用いられる場合、「内側領域」という用語は、プライマー結合部位を含まないアンプリコンの領域をいう(例えば、図5A、図6Bを参照のこと)。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1の核酸プローブは、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2の核酸プローブは、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1および第2の核酸プローブは、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする。
いくつかの態様において、一本鎖核酸鎖、例えば、一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出するための方法は、(a) フルオロフォアを含んだ第1の核酸鎖およびフルオロフォアの蛍光発光をクエンチングするためのクエンチャーを含んだ第2の核酸鎖を含む二本鎖プローブと、一本鎖アンプリコンを接触させる段階; ならびに(b) 第1および/または第2の核酸鎖の結合がクエンチャーによるフルオロフォアの蛍光発光のクエンチングを阻害する、フルオロフォアの蛍光発光を測定する段階を含む。このうちのいくつかのさらなる態様において、フルオロフォアの蛍光発光は、第1および第2の核酸鎖が互いにハイブリダイズする場合にクエンチされる。さらにいくつかのさらなる態様において、二本鎖プローブは、一端に一本鎖突出部を含み、一本鎖突出部を含む核酸鎖は、一本鎖アンプリコンの領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、ここでアンプリコン、および突出部を含む核酸鎖は、互いにハイブリダイズし、それによってクエンチャーによるフルオロフォアの蛍光発光のクエンチングを阻害する。
いくつかの態様において、一本鎖核酸鎖、例えば、一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出するための方法は、一本鎖核酸をラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ここでラテラルフロー試験ストリップが、その中に固定化された核酸捕捉プローブを含んだ試験/捕捉領域を含み、ここで核酸捕捉プローブが、一本鎖核酸の少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメイン(例えば、一本鎖領域)を含む。
いくつかの態様において、一本鎖核酸鎖、例えば、一本鎖アンプリコンまたは非切断プローブを検出するための方法は、複数の核酸プローブを一本鎖核酸鎖にハイブリダイズさせる段階を含み、ここで複数のメンバーが、鎖の異なる領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、ここで各プローブがそれに付着された検出可能な標識を含み、かつここで検出可能な標識が標識密度、pH変化および/または温度変化に応じて光学特性の変化を起こす。いくつかのさらなる態様において、複数の核酸プローブとハイブリダイズさせる段階は、界面活性剤、例えば、SDSの存在下である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、比色アッセイを用いて検出される。比色アッセイでは、被分析物の存在下で測定可能な色の変化を起こす試薬を用いる。例えば、パラ-ニトロフェニルホスフェートは、アルカリホスファターゼ酵素によって黄色の生成物に変換される。クマシーブルーはタンパク質に結合するとスペクトルシフトを誘発し、定量的投与を可能にする。同様の比色アッセイであるビシンコニン酸アッセイでは、化学反応を用いてタンパク質濃度を決定する。酵素免疫測定法では、酵素と複合化された抗体を用いて抗原を検出する。抗体の結合は、TMBなどの試薬の色の変化から推測されることが多い。比色アッセイでは、特定の波長の光の吸光度を測定することにより溶液の濃度を試験するために使用される装置である比色計を用いて、検出することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、比色アッセイは、粒子密度に基づいて光学特性が変化するナノ粒子(例えば、図30参照)、例えば、プラズモンナノ粒子を含む。例えば、一本鎖アンプリコンに特異的な少なくとも2つの核酸プローブをそれぞれそのようなナノ粒子に(例えば、それぞれの5'末端および/または3'末端の位置で)連結することができる。アンプリコン結合がない場合、拡散性ナノ粒子プローブは、溶液を第1の色(例えば、赤色)にさせる。標的アンプリコンに結合すると、ナノ粒子の凝集が起こり、溶液を第2の色(例えば、紫色)に変化させる。この色の変化により、溶液中の標的アンプリコンの存在が示される。非限定的な例として、金ナノ粒子は、金ナノ粒子密度に依存する溶液中の色変化を示すことができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、ナノ粒子は、例えば、検出段階中に、検出プローブ上の官能基にコンジュゲートまたは結合させることによって凝集される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、比色アッセイは、最小限の緩衝化反応におけるpHの変化を介して色の変化を生じさせる。局面のいずれかのいくつかの態様において、比色アッセイは、スプリット西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)のアセンブリを通じた基質(例えば、ABTS (2,2'-アジノビス[3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸]-ジアンモニウム塩)の酸化/還元を介して色の変化を生じさせる。局面のいずれかのいくつかの態様において、比色アッセイは、光学的特性を有する酵素またはタンパク質(例えば、スプリットルシフェラーゼまたはスプリットGFP等価物)のアセンブリを介して色の変化を生じさせる。局面のいずれかのいくつかの態様において、比色アッセイは、DNAインターカレーティング色素、例えば、シアニン色素、TOTO、TO-PRO、SYTOX、臭化エチジウム、ヨウ化プロピジウム、DAPI、Hoechst色素、アクリジンオレンジ、7-AAD、LDS 751、およびヒドロキシスチルバミジンを介して色の変化を生じさせる。1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するための方法であって、(a) 第1のプライマーおよび第2のプライマーで標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む、段階; (b) 二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させて一本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(c) 一本鎖アンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、複数の核酸プローブを一本鎖アンプリコンにハイブリダイズさせる段階を含み、複数のメンバーが、鎖の異なる領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、各プローブが、それに付着された検出可能な標識を含み、かつ検出可能な標識が標識密度、pH変化、および/または温度変化に応じて光学特性の変化を起こし、任意で、前記ハイブリダイズさせる段階が界面活性剤、例えば、SDSの存在下であってもよい、方法である。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するための方法であって、(a) 第1のプライマーおよび第2のプライマーで標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、任意で、第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含んでいてもよい、段階; ならびに(b) 二本鎖アンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、複数の核酸プローブを二本鎖の一方の鎖にハイブリダイズさせる段階を含み、前記ハイブリダイズさせる段階が、界面活性剤、例えば、SDS、および/または一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸に局在化させることができる試薬の存在下であり、複数のメンバーが、鎖の異なる領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、各プローブが、それに付着された検出可能な標識を含み、かつ検出可能な標識が標識密度、pH変化、および/または温度変化に応じて光学特性の変化を起こす、方法である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸に局在化させることができる試薬は、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質、Casタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクタヌクレアーゼ(TALEN)、またはそれらの任意の組み合わせである。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識はナノ粒子である。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出する段階はラテラルフローアッセイによるものであり、ここでラテラルフローアッセイは界面活性剤、例えば、SDSの存在下である。局面のいずれかのいくつかの態様において、アッセイのラテラルフローアッセイ試験ストリップは界面活性剤、例えば、SDSで前処理される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤、例えばSDSはプローブ結合アンプリコンを含む溶液に、アッセイのラテラルフロー試験ストリップに前記溶液を適用する前におよび/または適用するのと同時に添加される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、ゲル電気泳動を用いて検出される。ゲル電気泳動は、DNA断片をそのサイズにしたがって分離するために用いられる技法である。DNAサンプルを、ゲルの一端にあるウェル(くぼみ)にロードし、電流を印加してそれらを、ゲルを通して引っ張る。ゲル電気泳動は、当技術分野において公知の方法にしたがって実施することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、トーホールド媒介鎖置換反応ともいわれるオリゴ鎖置換(OSD)を用いて検出される。核酸鎖置換(OSD)プローブは、増幅産物における特定の配列にハイブリダイズし、それによって、人間の眼でまたは市販の携帯電話で読み取り可能な、蛍光の単純なイエス/ノー読み出しを生成する。局面のいずれかのいくつかの態様において、OSDプローブは、短い半二重鎖(hemiduplex)オリゴヌクレオチドである。OSDプローブの一本鎖「トーホールド」領域は、増幅産物(例えば、LAMPアンプリコンループ配列)に結合し、次に、フルオロフォアおよびクエンチャーの分離をもたらす鎖交換を介してシグナルを発する。OSDはTaqManプローブの機能的等価物であり、非特異的核酸または阻害剤からの干渉なしに単一または多重アンプリコンを特異的にレポートすることができ; 例えば、Bhadra et al. bioRxiv 291849 (2018); Jiang et al. (2015) Anal Chem 87: 3314-3320; Zhang and Winfree (2009) J Am Chem Soc 131: 17303-17314; Bhadra et al. (2015) PLoS One 10: e0123126を参照されたい。
本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、一本鎖アンプリコンを検出するための方法は、トーホールド検出を含む。例えば、一本鎖アンプリコンは二本鎖プローブと接触される。プローブは、フルオロフォア-クエンチャー対を含む。二本鎖プローブのフルオロフォアおよびクエンチャーは互いに近接しているので、フルオロフォアの蛍光発光はクエンチャーによってクエンチされる。二本鎖プローブの一方の鎖は、アンプリコン配列に相補的なヌクレオチド配列を含んだ一本鎖領域を含む。この一本鎖領域は、アンプリコンが、トーホールド領域を含む鎖、すなわち一本鎖領域とハイブリダイズするためのトーホールドとして作用することができる。アンプリコンが、トーホールド領域を含む鎖とハイブリダイズすると、フルオロフォアおよびクエンチャーは、もはや互いに近接していない。フルオロフォアの蛍光発光は、もはやクエンチャーによってクエンチされない; それによって一本鎖アンプリコンが存在する場合には蛍光発光の増加が見られる。この方法の一例を図10に模式的に示す。
一般に、二本鎖プローブは、フルオロフォアを含んだ第1の核酸鎖およびフルオロフォアの蛍光発光をクエンチングするためのクエンチャーを含んだ第2の核酸鎖を含む。二本鎖プローブは、一端に一本鎖の突出部を含み、一本鎖突出部を含む核酸鎖は、一本鎖アンプリコンの領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。フルオロフォアを有する第1の核酸鎖またはクエンチャーを有する第2の核酸鎖のいずれかが、一本鎖突出部を含みうることに留意されたい。好ましくは、フルオロフォアを有する核酸鎖は、一本鎖突出部を含む。本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、第1および第2の鎖は、互いに共有結合することができる。
したがって、1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) (i) フルオロフォアを含んだ第1の核酸鎖; (ii) フルオロフォアの蛍光発光をクエンチングするためのクエンチャーを含んだ第2の核酸鎖を含む二本鎖プローブと一本鎖アンプリコンを接触させる段階; ならびに(b) フルオロフォアの蛍光発光を測定する段階を含む、一本鎖アンプリコン(例えば、本明細書において記載される方法を用いて産生された)を検出する方法である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、フルオロフォアの蛍光発光は、(例えば、二本鎖プローブの)第1および第2の核酸鎖が互いにハイブリダイズする場合にクエンチされる。局面のいずれかのいくつかの態様において、二本鎖プローブは一端に一本鎖突出部を含み、一本鎖突出部を含んだ核酸鎖は、一本鎖アンプリコンの領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンと突出部を含んだ核酸鎖とが互いにハイブリダイズし、それによって、クエンチャーによるフルオロフォアの蛍光発光のクエンチングが阻害される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、分子ビーコンを用いて検出される。分子ビーコン、または分子ビーコンプローブは、均質な溶液中の特定の核酸の存在をレポートできるオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブである。分子ビーコンは、標的核酸配列に結合すると蛍光が回復する内部クエンチ型フルオロフォアを有するヘアピン状の分子である。例えば、Tyagi S and Kramer FR (1996) Nat. Biotechnol. 14 (3): 303-8; Tapp et al. (Apr 2000) BioTechniques. 28 (4): 732-8; Akimitsu Okamoto (2011). Chem. Soc. Rev. 40: 5815-5828を参照されたい。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)を用いて検出される。非限定的な例として、増幅産物を2つの検出プローブと接触させることができ、ここで各プローブは、両方のプローブが増幅産物に結合する場合にのみFRETが起こるように、FRETフルオロフォア対の1つを含む。1つまたはそれ以上のFRET対は、少なくとも1つのFRETドナーおよび少なくとも1つのFRETアクセプターを含むことができる。いくつかの場合において、FRETドナーは第1のプローブに付着され、FRETアクセプターは第2のプローブに付着される。他の場合において、FRETアクセプターは第1のプローブに付着され、FRETドナーは第2のプローブに付着される。FRETドナーおよびアクセプターは、いずれかのプローブのいずれかの末端(3'または5')に付着させることができる。いくつかの場合において、FRETドナーはCy3であり、FRETアクセプターはCy5である。FRET対のさらなる非限定的な例としては、Cy3およびMG; Cy3およびアセチレンMG; Cy3、Cy5およびMG; Cy3およびDIR; Cy3およびCy5およびICG; FITCおよびTRITC; EGFPおよびCy3; CFPおよびYFP; ならびにEGFPおよびYFPが挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、フルオロフォア-クエンチャー対を用いて検出される。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出プローブは、プローブがその標的(例えば、標的核酸の増幅産物)に結合する場合にのみ蛍光シグナルを生成するようなフルオロフォア-クエンチャー対を含む。クエンチャーの非限定的な例としては、ダブシル(400 nm~530 nmをクエンチする); ブラックホールクエンチャー1 (BHQ-1; 480 nm~580 nmをクエンチする); ブラックホールクエンチャー2 (BHQ-2; 550 nm~670 nmをクエンチする); およびブラックベリー(登録商標)クエンチャー650 (BBQ 650; 550 nm~750 nmをクエンチする)が挙げられる。例えば、Marras, Selection of fluorophore and quencher pairs for fluorescent nucleic acid hybridization probes, Methods Mol Biol. 2006;335:3-16を参照されたい。非限定的な例として、検出方法は、(a) クエンチャーが一本鎖アンプリコンの非存在下でフルオロフォアをクエンチする、クエンチャーおよびフルオロフォアを含む検出プローブと一本鎖アンプリコンを接触させる段階; (b) 検出プローブを一本鎖アンプリコンに結合させる段階; ならびに(c) 一本鎖アンプリコンに結合した検出プローブをdsDNA特異的エキソヌクレアーゼ(例えば、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、Endo IV)と接触させてプローブからフルオロフォアを遊離させ、蛍光の検出可能な増加をもたらす段階を含む。例えば、図38A~38Cを参照されたい。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、マイクロアレイを用いて検出される。DNAマイクロアレイ(DNAチップまたはバイオチップとしても一般的に知られている)は、固体表面に付着した微視的なDNAスポットの一群である。そのようなDNAスポットは、少なくとも1つの標的核酸の増幅産物にハイブリダイズするDNAを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、マイクロアレイは、固体支持体上に提供される。局面のいずれかのいくつかの態様において、マイクロアレイは、ラテラルフロー検出ストリップ上に印刷される。局面のいずれかのいくつかの態様において、マイクロアレイは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、少なくとも70、少なくとも80、少なくとも90、または少なくとも100種類の標的核酸を検出するために用いられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、特異的高感度酵素レポーターアンロッキング(SHERLOCK)を用いて検出される。SHERLOCKは、低アトモル濃度で特定のRNA/DNAを検出するために使用できる方法である(例えば、米国特許第10,266,886号; 米国特許第10,266,887号; Gootenberg et al., Science. 2018 Apr 27;360(6387):439-444; Gootenberg et al., Science. 2017 Apr 28;356(6336):438-44を参照されたく、これらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)。手短に言えば、SHERLOCKを用いる検出方法は、(a) 増幅されたDNAをRNAポリメラーゼ(例えば、T7ポリメラーゼ)と接触させて、相補的RNAの産生を促進する段階; (b) RNAを、(i) Cas酵素足場および標的RNAにハイブリダイズする領域を含むcrRNA; (ii) Cas酵素(例えば、Cas13a (以前はC2c2として知られていた)、Cas13b、Cas13c、Cas12a、および/またはCsm6); および(iii) Cas酵素によって切断可能な検出分子と接触させる段階; (c) 検出分子の切断を検出する段階を含み、前記切断は標的RNAの存在を示す。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、DNAエンドヌクレアーゼ標的CRISPRトランスレポーター(DETECTR)を用いて検出される。手短に言えば、DETECTRを用いる検出方法は、(a) 増幅産物を、(i) Cas酵素足場および増幅産物にハイブリダイズする領域を含むcrRNA; (ii) Cas酵素(例えば、Cas12a); および(iii) Cas酵素によって切断可能な検出分子と接触させる段階; (c) 検出分子の切断を検出する段階を含み、前記切断は標的核酸の存在を示す。例えば、米国特許出願US20190241954; PCT特許出願WO2020028729; Chen et al., CRISPR-Cas12a target binding unleashes indiscriminate single-stranded DNase activity, Science. 2018 Apr 27, 360(6387):436-439を参照されたく、これらの各々の内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物のレベルおよび/または配列は、定量的配列決定技術、例えば定量的次世代配列決定技術によって測定することができる。核酸配列を配列決定する方法は、当技術分野において周知である。手短に言えば、対象から得られたサンプルを、標的配列(例えば、標的核酸)と隣接している一本鎖核酸配列(例えば、プライマー結合配列)と特異的にハイブリダイズする1つまたは複数のプライマーと接触させることができ、相補鎖を合成させる。次世代技術では、アダプター(二本鎖または一本鎖)をサンプル中の核酸分子にライゲーションし、アダプターまたはアダプター適合プライマーから合成が進行するものもある。いくつかの第3世代の技術では、配列は、例えば、プローブのハイブリダイゼーションの位置およびパターンを決定することによって、またはセンサーを通過する際の単一分子の1つもしくは複数の特性(例えば、核酸分子がナノポアを通過する際の電界の変調)を測定することによって決定することができる。配列決定の例示的な方法としては、サンガー配列決定(すなわち、ジデオキシ鎖終結)、454配列決定、SOLiD配列決定、ポロニー配列決定、イルミナ配列決定、Ion Torrent配列決定、ハイブリダイゼーションによる配列決定、ナノポア配列決定、ヘリオスコープ配列決定、単一分子リアルタイム配列決定、RNAP配列決定などが挙げられるが、これらに限定されることはない。これらの配列決定方法を実施するための方法およびプロトコールは当技術分野において公知であり、例えば「Next Generation Genome Sequencing」 Ed. Michal Janitz, Wiley-VCH; 「High-Throughput Next Generation Sequencing」 Eds. Kwon and Ricke, Humanna Press, 2011; およびSambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (4 ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (2012)を参照されたく、これらは参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物のレベルおよび/または配列は、PCRを用いて測定することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物の量は、定量的PCR (QPCR)またはリアルタイムPCR法により、例えば、増幅産物に特異的なプライマーのセットおよび/またはSYBR(登録商標) GREENもしくは検出可能なプローブを用いて決定することができる。qPCRおよびリアルタイムqPCRの方法は、当技術分野において周知である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、二本鎖アンプリコンを、検出プローブならびにリコンビナーゼおよび/または一本鎖結合タンパク質(SSB)と接触させる段階を含む。リコンビナーゼおよび/またはSSBの使用は、二本鎖アンプリコン中の関心対象の標的配列に検出プローブを局在化させるのに役立ちうる(例えば、図57参照)。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、二本鎖アンプリコンを(a) 検出プローブ; (b) リコンビナーゼおよび/または一本鎖結合タンパク質(SSB); ならびに(c) 緩衝液添加剤と接触させる段階を含む。そのような緩衝液添加剤の非限定的な例としては、界面活性剤(例えば、SDSもしくは他の界面活性剤)、塩、カオトロピック剤(すなわち、水溶液中の水素結合を破壊する化合物)、DNA二重鎖不安定化剤、還元剤、または温度変化が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、二本鎖アンプリコンを検出プローブおよびCasタンパク質(例えば、Cas9、dCas9、Cas13)と接触させる段階を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、二本鎖アンプリコンを検出プローブおよびジンクフィンガーヌクレアーゼと接触させる段階を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、二本鎖アンプリコンを検出プローブおよび転写活性化因子様エフェクタヌクレアーゼ(TALEN)と接触させる段階を含む。例えば、検出プローブは、Cas、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質によって結合される足場構造を含む。例えば、Cas、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質は、アンプリコン上の相補的領域に検出プローブをガイドすることができる。いくつかの態様において、Cas、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質は、触媒的に不活性であり、アンプリコン標的を切断しない。いくつかの態様において、Cas、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質は、触媒的に活性であり、アンプリコン標的を切断することができる。いくつかの態様において、検出プローブ(Cas、ジンクフィンガーまたはTALENタンパク質とともに用いられる)は、本明細書において記載されるように蛍光、比色アッセイ、LFDまたは別の検出アッセイを通じて検出できる検出可能なマーカーを含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出方法は、二本鎖アンプリコンを、非標準DNA構造(例えば、非B型DNA; 例えば、H-DNAなどの三重鎖DNA)の形成を誘導する検出プローブと接触させる段階を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出プローブは、二本鎖アンプリコンのGAリッチ領域とハイブリダイズし、三重鎖DNA構造をもたらす。そのような非標準DNA (例えば、三重鎖DNA)は、三重鎖特異的抗体または非標準DNA構造に対して高い親和性を有するDNAインターカレーティング色素(例えば、チアゾールオレンジ)を用いて検出することができる。
いくつかの態様において、放射性核種は、プローブ、プライマーまたは試薬に付着されたキレート剤またはキレート剤-リンカーに結合されている。例示的なキレート剤としては、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)およびエチレンジアミン四酢酸(EDTA)が挙げられるが、これらに限定されることはない。直接コンジュゲーションに適した放射性核種は、非限定的に、3H、18F、124I、125I、131I、35S、14C、32Pおよび33Pならびにそれらの混合物を含む。キレート剤とともに用いるのに適した放射性核種は、非限定的に、47Sc、64Cu、67Cu、89Sr、86Y、87Y、90Y、105Rh、111Ag、111In、117mSn、149Pm、153Sm、166Ho、177Lu、186Re、188Re、211At、212Bi、およびそれらの混合物を含む。適切なキレート剤は、DOTA、BAD、TETA、DTPA、EDTA、NTA、HDTA、それらのホスホネート類似体、およびそれらの混合物を含むが、これらに限定されることはない。当業者は、核酸などの分子に放射性核種、キレート剤およびキレート剤-リンカーを付着させるための方法を熟知しているであろう。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識は、西洋ワサビペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼを含むが、これらに限定されない、酵素であることができる。酵素標識は、例えば、化学発光シグナル、色シグナルまたは蛍光シグナルを生成することができる。抗体試薬を検出可能に標識するために使用することが企図される酵素は、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ-V-ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ-グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、ベータ-ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコース-VI-リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼを含むが、これらに限定されることはない。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識は、ルシゲニン、ルミノール、ルシフェリン、イソルミノール、セロマティックアクリジニウムエステル(theromatic acridinium ester)、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルを含むが、これらに限定されない、化学発光標識である。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識は、コロイド金または着色ガラスもしくはプラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリプロピレンおよびラテックス)ビーズを含むが、これらに限定されない、スペクトル比色標識であることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出試薬は、c-Myc、HA、VSV-G、HSV、FLAG、V5、HISまたはビオチンなどの、検出可能なタグで標識することもできる。他の検出システム、例えば、ビオチン-ストレプトアビジンシステムを用いることもできる。このシステムでは、関心対象のバイオマーカーと免疫反応性の(すなわち、関心対象のバイオマーカーに特異的な)抗体がビオチン化される。バイオマーカーに結合したビオチン化抗体の量は、ストレプトアビジン-ペルオキシダーゼコンジュゲートおよび発色基質を用いて決定される。そのようなストレプトアビジンペルオキシダーゼ検出キットは、例えば、DAKO; Carpinteria, CAから市販されている。試薬は、152Euなどの蛍光発光金属、またはランタニド系の他の金属を用いて検出可能に標識することもできる。これらの金属は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン四酢酸(EDTA)のような金属キレート基を使用して試薬に付着させることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出された増幅産物のレベルは、参照基準と比較することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、参照基準は、対照サンプル、対照項目のプールされたサンプルにおける標的分子の発現レベル、またはそれに基づく数値もしくは値の範囲であることもできる。局面のいずれかのいくつかの態様において、参照基準は、より早い時点で同じ項目から得られたサンプルにおける標的分子のレベルであることができる。
参照基準レベル未満であるレベルは、参照基準レベルと比べて少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、またはそれ以下低いレベルであることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、参照基準レベル未満であるレベルは、参照基準レベルよりも統計的に有意に低いレベルであることができる。
参照基準レベルを上回るレベルは、参照基準レベルよりも少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約500%、またはそれ以上高いレベルであることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、参照基準レベルを上回るレベルは、参照基準レベルよりも統計的に有意に高いレベルであることができる。
増幅
本明細書において記載されるさまざまな局面の態様は、標的核酸を増幅する段階を含む。本明細書において用いられる場合、「増幅」は、核酸配列の追加のコピー、すなわち、例えば、アンプリコンまたは増幅産物の産生と定義される。核酸配列を増幅する方法は、当技術分野において周知である。そのような方法は、等温増幅、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)およびPCRの変種、例えばcDNA末端の迅速増幅(RACE)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、多重RT-PCR、免疫-PCR、SSIPA、リアルタイムRT-qPCRおよびナノ流体デジタルPCR (nanofluidic digital PCR)を含むが、これらに限定されることはない。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅段階は等温増幅反応を含む。本明細書において用いられる場合、「等温増幅」は、単一の温度で起こる増幅をいう。等温増幅は、単一の温度で実施される増幅プロセスであるか、または増幅プロセスの主要な局面が単一の温度で実施される増幅プロセスである。一般に、等温増幅は、増幅される鋳型鎖をコピーして結合二重鎖を形成するポリメラーゼの能力に依存する。多段階PCRプロセスでは、さらなるプライマーが鋳型に結合し、プロセスを繰り返すことができるように、反応の産物を加熱して2本の鎖を分離する。逆に、等温増幅は、二重鎖の2つの鎖を分離/置換し、鋳型を再コピーするために鎖置換ポリメラーゼに依存する。等温増幅を識別する重要な特徴は、反復プロセスを開始するために適用される方法である。大まかに、等温増幅は、反復的な鋳型コピーを開始するためにプライマーの置換に依存する方法と、単一のプライマー分子の継続的な再利用またはデノボ合成に依存する方法に細別することができる。
等温増幅は、一定温度での標的核酸の迅速かつ特異的な増幅を可能にする。一般に、等温増幅は、(i) 標的核酸内の配列とのプライマーの配列特異的ハイブリダイゼーション、ならびに(ii) (非限定的な例として、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質およびDNAポリメラーゼの組み合わせを用いる)複数ラウンドのプライマーアニーリング、伸長および鎖置換を伴う後続の増幅から構成される。局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅産生は、増幅された産物の同一性を確認するための配列決定のような方法、または濁度などの一般的アッセイを通して検出することができる。いくつかのタイプの等温増幅において、濁度は、反応中に生成されるピロリン酸副産物に起因し; これらの副産物は、溶液の濁度を増加させる白色の沈殿物を形成する。等温増幅において用いられるプライマーは、重合の開始をもたらすのに十分な長さおよび適切な配列のオリゴヌクレオチドであり、すなわち各プライマーは増幅される鋳型(例えば、標的cDNA)の鎖に相補的であるように特別に設計されている。反応が一連の交互の温度段階またはサイクルで実行されるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術とは対照的に、等温増幅は1つの温度で実行され、サーマルサイクラーまたは熱安定性酵素を必要としない。
等温増幅の非限定的な例としては、ループ媒介等温増幅(LAMP)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)が挙げられる。例えば、Yan et al., Isothermal amplified detection of DNA and RNA, March 2014, Molecular BioSystems 10(5), DOI: 10.1039/c3mb70304e; Piepenburg et al. PLOS Biol. 4, e204 (2006); Notomi, T. Loop-mediated isothermal amplification of DNA. Nucleic Acids Res. 28, 63e-663 (2000); Vincent et al. EMBO reports 5.8 (2004): 795-800を参照されたく、各これらの内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はループ媒介等温増幅(LAMP)であり、すなわち、標的核酸を増幅する段階がループ媒介等温増幅を含む。LAMPはDNAの増幅のための単一チューブ技法であり; LAMPでは、その後の増幅ラウンドを容易にするためにループ構造を形成する4~6つのプライマーを用いる。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階は、サンプルをDNAポリメラーゼおよびプライマーのセットと接触させる段階を含み、ここでプライマーのセットは4、5または6つのループ形成プライマーを含む。例えば、図34を参照されたい。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)であり、すなわち、標的核酸を増幅する段階がリコンビナーゼポリメラーゼ増幅を含む。RPAは低温DNAおよびRNA増幅技法である。RPAプロセスでは3つのコア酵素-リコンビナーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質(SSB)、および鎖置換ポリメラーゼを用いる。リコンビナーゼは、オリゴヌクレオチドプライマーを二重鎖DNA中の相同配列と対合することができる。SSBは置換されたDNA鎖に結合し、プライマーが置換されるのを抑止する。最後に、鎖置換ポリメラーゼは、プライマーが標的DNAに結合したところでDNA合成を開始する。標的配列が実際に存在する場合、PCRのように、2つの対向するプライマーを用いることにより、指数関数的なDNA増幅反応が開始される。増幅を開始するために、熱的または化学的融解などの他のサンプル操作は必要とされない。最適な温度(例えば、37~42℃)で、RPA反応は急速に進行し、標的核酸の迅速な検出のために、わずか数個の標的コピーから検出可能なレベルまで、典型的には10分以内に、特異的DNA増幅をもたらす。局面のいずれかのいくつかの態様において、一本鎖DNA結合タンパク質はgp32 SSBタンパク質である。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼはuvsXリコンビナーゼである。例えば、米国特許第7,666,598号を参照されたく、その内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、RPAはリコンビナーゼ支援増幅(Recombinase Aided Amplification; RAA)ということもできる。したがって、局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅段階は、サンプルをリコンビナーゼおよび一本鎖DNA結合タンパク質と接触させる段階を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅段階は、サンプルを、DNAポリメラーゼ、プライマーのセット、リコンビナーゼおよび一本鎖DNA結合タンパク質と接触させる段階を含む。例えば、図33を参照されたい。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)である。HDAではヘリカーゼの二本鎖DNA巻き戻し活性を用いて、一定温度でインビトロDNA増幅のために鎖を分離する。局面のいずれかのいくつかの態様において、ヘリカーゼは熱安定性ヘリカーゼであり、これはHDAの特異性および性能を改善することができ; したがって、等温増幅反応は好熱性ヘリカーゼ依存増幅(tHDA)であることができる。非限定的な例として、ヘリカーゼは、45~65℃で安定かつ活性である熱安定性UvrDヘリカーゼ(Tte-UvrD)である。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階は、サンプルをDNAポリメラーゼ、プライマーのセット、およびヘリカーゼと接触させる段階を含み、ここでヘリカーゼは任意で熱安定性ヘリカーゼであってもよい。例えば、図35~37を参照されたい。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はローリングサークル増幅(RCA)である。RCAは環状DNA鋳型および短いDNAまたはRNAプライマーから開始して、長い一本鎖分子を形成する。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階は、サンプル(例えば、環状DNA)をDNAポリメラーゼおよびプライマーのセットと接触させる段階を含み、ここで第2のプライマーセットは、単一のプライマーを含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応は、転写媒介増幅(TMA)としても知られる核酸配列に基づく増幅(NASBA)である。NASBAは、相補的DNAの形成および元のRNA配列の破壊(例えば、RNase Hの使用)を繰り返すことによるRNAの増幅に主に用いられる等温技法である。NASBA反応混合物は3つの酵素-逆転写酵素(RT)、RNase HおよびT7 RNAポリメラーゼ、ならびに2つのプライマーを含む。T7 RNAポリメラーゼは、5'→3'方向にDNAからRNAの形成を触媒するT7バクテリオファージ由来のRNAポリメラーゼである。プライマー1 (P1)は、標的核酸上の配列に相補的な3'末端配列およびT7 RNAポリメラーゼが認識するプロモーターの5'末端(+)センス配列を含む。プライマー2 (P2)は、P1がプライミングしたDNA鎖に相補的な配列を含む。NASBA酵素およびプライマーは協調して作動し、特定の核酸配列を指数関数的に増幅する。NASBAは、逆転写(例えば、RNAからDNA)および転写段階(例えば、DNAからRNA)を交互に行い、各転写後にRNAが分解されることにより、標的RNA→cDNA→RNA→cDNAなどの増幅をもたらす。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階は、サンプル(例えば、cDNA)を、RNAポリメラーゼ、逆転写酵素、RNaseHおよびプライマーのセットと接触させる段階を含み、ここでプライマーのセットは、RNAポリメラーゼによって認識される5'配列を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応は鎖置換増幅(SDA)である。SDAは、制限エンドヌクレアーゼHincIIがその認識部位のヘミホスホロチオエート形態の未修飾鎖にニックを入れる能力、およびエキソヌクレアーゼ欠損クレノウ(エキソ-クレノウ) DNAポリメラーゼがニックの位置で3'末端を延長して下流のDNA鎖を置換する能力に基づく等温の、インビトロ核酸増幅技法である。指数関数的増幅は、センス反応から置換された鎖がアンチセンス反応の標的として機能する、またはその逆のカップリングセンスおよびアンチセンス反応から生じる。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階はサンプルをDNAポリメラーゼ(例えば、エキソ-クレノウ)、プライマーのセット、および制限エンドヌクレアーゼ(例えば、HincII)と接触させる段階を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はニッキング酵素増幅反応(NEAR)であり、これはSDAと同様のアプローチである。NEARでは、DNAは、ポリメラーゼおよびニッキング酵素を用いて一定温度(例えば、55℃~59℃)で増幅される。ニッキング部位は、ポリメラーゼ置換段階ごとに再生され、指数関数的増幅がもたらされる。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階はサンプルをDNAポリメラーゼ(例えば、エキソ-クレノウ)、プライマーのセット、およびニッキング酵素(例えば、N.BstNBI)と接触させる段階を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はポリメラーゼスパイラル反応(PSR)である。PSR法では、DNAポリメラーゼ(例えば、Bst)およびプライマーの対を用いる。フォワードおよびリバースプライマー配列は、その5'末端で互いに逆であるのに対し、その3'末端配列はその各標的核酸配列に相補的である。PSR法は一定温度61℃~65℃で実施され、複雑ならせん構造をもたらす。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階はサンプルをDNAポリメラーゼ(例えば、エキソ-クレノウ)、および5'末端で互いに逆であるプライマーのセットと接触させる段階を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅反応はポリメラーゼ架橋スパイラル反応(PCLSR)である。PCLSRでは、3つのプライマー(例えば、2つの外側スパイラルプライマーおよび架橋プライマー)を用いて、最終的なスパイラル増幅産物に架橋することができる3 つの独立した不可欠のスパイラル産物を産生する。したがって、局面のいくつかの態様において、増幅段階はサンプルをDNAポリメラーゼおよびプライマーのセット(例えば、2つの外側スパイラルプライマーおよび架橋プライマー)と接触させる段階を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅段階において用いられるDNAポリメラーゼは、鎖置換ポリメラーゼである。鎖置換という用語は、合成中に遭遇する下流DNAを置換する能力を言い表す。局面のいずれかのいくつかの態様において、少なくとも1つ(例えば1つ、2つ、3つまたは4つ)の鎖置換DNAポリメラーゼが、以下からなる群より選択される: ポリメラーゼIクレノウ断片、Bstポリメラーゼ、Phi-29ポリメラーゼおよび枯草菌Pol I (Bsu)ポリメラーゼ。局面のいずれかのいくつかの態様において、段階(c)はサンプル(例えば、cDNA)を鎖置換DNAポリメラーゼ・ポリメラーゼIクレノウ断片、Bstポリメラーゼ、Phi-29ポリメラーゼおよび枯草菌Pol I (Bsu)ポリメラーゼと接触させる段階を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAポリメラーゼは、重合を促進するのに十分な濃度、例えば、0.1 U/μL~100 U/μLで提供(すなわち、反応混合物に添加)される。本明細書において用いられる場合、DNAポリメラーゼの1単位(「U」)は、37℃で30分間に10 nmolのdNTPを酸不溶性物質に取り込む酵素の量と定義される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルは、少なくとも1セットのプライマーと接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、プライマーのセットは、標的核酸に特異的である。局面のいずれかのいくつかの態様において、プライマーのセットは、cDNAに特異的である(すなわち、相補性によって特異的に結合する); 言い換えれば、標的RNAに相補的であるRT段階において産生されたDNAである。局面のいずれかのいくつかの態様において、プライマーは、本明細書において記載される検出可能なマーカー(例えば、FAM)を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルは、DNAポリメラーゼ、プライマーのセット、ならびに、以下: 反応緩衝液(例えば、水和緩衝液)、水、および/または酢酸マグネシウムのうちの少なくとも1つと接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルは、DNAポリメラーゼ、プライマーのセット、リコンビナーゼ、一本鎖DNA結合タンパク質、ならびに、以下: 反応緩衝液(例えば、水和緩衝液)、水、および/または酢酸マグネシウムのうちの少なくとも1つと接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼおよび/またはssDNA結合タンパク質は、水和緩衝液および/または水で溶解される「RPAペレット」において提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅反応における高濃度のマグネシウムは、増幅産物の動態および/または収量を増加させる。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅反応における最終マグネシウム濃度は、28 mMである。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅反応における最終マグネシウム濃度は、少なくとも15 mM、少なくとも16 mM、少なくとも17 mM、少なくとも18 mM、少なくとも19 mM、少なくとも20 mM、少なくとも21 mM、少なくとも22 mM、少なくとも23 mM、少なくとも24 mM、少なくとも25 mM、少なくとも26 mM、少なくとも27 mM、少なくとも28 mM、少なくとも29 mM、少なくとも30 mM、少なくとも31 mM、少なくとも32 mM、少なくとも33 mM、少なくとも34 mM、少なくとも35 mM、少なくとも36 mM、少なくとも37 mM、少なくとも38 mM、少なくとも39 mM、少なくとも40 mM、少なくとも45 mM、または少なくとも50 mMである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は12℃~70℃で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は65℃で実施される。非限定的な例として、等温増幅段階は、少なくとも12℃、少なくとも13℃、少なくとも14℃、少なくとも15℃、少なくとも16℃、少なくとも17℃、少なくとも18℃、少なくとも19℃、少なくとも20℃、少なくとも21℃、少なくとも22℃、少なくとも23℃、少なくとも24℃、少なくとも25℃、少なくとも26℃、少なくとも27℃、少なくとも28℃、少なくとも29℃、少なくとも30℃、少なくとも31℃、少なくとも32℃、少なくとも33℃、少なくとも34℃、少なくとも35℃、少なくとも36℃、少なくとも37℃、少なくとも38℃、少なくとも39℃、少なくとも40℃、少なくとも41℃、少なくとも42℃、少なくとも43℃、少なくとも44℃、少なくとも45℃、少なくとも46℃、少なくとも47℃、少なくとも48℃、少なくとも49℃、少なくとも50℃、少なくとも51℃、少なくとも52℃、少なくとも53℃、少なくとも54℃、少なくとも55℃、少なくとも56℃、少なくとも57℃、少なくとも58℃、少なくとも59℃、少なくとも60℃、少なくとも61℃、少なくとも62℃、少なくとも63℃、少なくとも64℃、少なくとも65℃、少なくとも66℃、少なくとも67℃、少なくとも68℃、少なくとも69℃、または少なくとも70℃の温度で実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は、多くとも12℃、多くとも13℃、多くとも14℃、多くとも15℃、多くとも16℃、多くとも17℃、多くとも18℃、多くとも19℃、多くとも20℃、多くとも21℃、多くとも22℃、多くとも23℃、多くとも24℃、多くとも25℃、多くとも26℃、多くとも27℃、多くとも28℃、多くとも29℃、多くとも30℃、多くとも31℃、多くとも32℃、多くとも33℃、多くとも34℃、多くとも35℃、多くとも36℃、多くとも37℃、多くとも38℃、多くとも39℃、多くとも40℃、多くとも41℃、多くとも42℃、多くとも43℃、多くとも44℃、多くとも45℃、多くとも46℃、多くとも47℃、多くとも48℃、多くとも49℃、多くとも50℃、多くとも51℃、多くとも52℃、多くとも53℃、多くとも54℃、多くとも55℃、多くとも56℃、多くとも57℃、多くとも58℃、多くとも59℃、多くとも60℃、多くとも61℃、多くとも62℃、多くとも63℃、多くとも64℃、多くとも65℃、多くとも66℃、多くとも67℃、多くとも68℃、多くとも69℃、または多くとも70℃の温度で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は室温(例えば、20℃~22℃)で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は体温(例えば、37℃)で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階はおよそ42℃または65℃に設定されたヒートブロックまたはインキュベーターにて実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は少なくとも5分で実施される。非限定的な例として、等温増幅段階は30分もしくはそれ以下、25分もしくはそれ以下、20分もしくはそれ以下、15分もしくはそれ以下、10分もしくはそれ以下または5分もしくはそれ以下の期間であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、等温増幅段階は多くとも5分で実施される。非限定的な例として、等温増幅段階は多くとも5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分で実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、アンプリコンを検出する前に、一本鎖または二本鎖アンプリコンを加熱する段階をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、加熱する段階は、増幅反応の酵素(例えば、ポリメラーゼ、リコンビナーゼなど)を不活性化するために実施される。非限定的な例として、増幅後かつ検出前に、アンプリコンは少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃、または少なくとも95℃に加熱される。加熱する段階は、約10分、約9分、約8分、約7分、約6分、約5分、約4分、約3分、約2分、約1分、約45秒、または約30秒の期間であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは多くとも1分間加熱される。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは多くとも5分間加熱される。非限定的な例として、アンプリコンは多くとも1分、多くとも2分、多くとも3分、多くとも4分、5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分間加熱される。
一本鎖アンプリコン法
いくつかの局面において、本明細書において記載されるのは、ラテラルフロー装置(LFD)を通して特異的に検出できるリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)などの等温指数関数増幅法から一本鎖核酸産物を生成するための方法である。この検出は、偽陽性の原因となるバックグラウンドのRPAアンプリコンを除外することにより、検出の特異性を向上させるため、標的アンプリコン配列に特異的にされうる。決定的に重要なことに、このハイブリダイゼーションに基づく配列検出はLFDストリップ上で直接実施されるため、さらに長いインキュベーション段階の必要性がなくなる。重要なことに、この段階は比較的安価な機器を使用して達成することができ、迅速に実施することができる(例えば、わずか数コピーの標的配列を検出する場合でも、所要時間は15分未満)。
本明細書において記載される方法は、ラテラルフローペパースティックを用い8分で0.6コピー/uLという低いインプットRNAを検出するために用いることができる。比較すると、CDC qRT-PCRでは高価なqPCR装置を用い120分で3~10 cp/uLを達成し、SHERLOCKではラテラルフローペパースティックを用い60分で10~100 cp/uLを達成し、Mammoth Biosciences(商標) DETECTRではラテラルフローペパースティックにより30分で70~300 cp/uLを達成する(例えば、図8および表1を参照のこと)。
(表1)SARS-CoV-2アッセイ検出法の比較。本開示(例えば、ssRPA)、疾病管理予防センター(CDC)および世界保健機関(WHO)によって使用されるDNAエンドヌクレアーゼ標的CRISPRトランスレポーター(DETECTR)、特異的高感度酵素レポーターアンロッキング(SHERLOCK)および定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(qRT-PCR)ワークフローについて詳細を示す。
複数の局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出する方法である。標的核酸は、本明細書において記載される方法、キット、およびシステムを用い単一分子レベルで検出することができる。本明細書において記載される方法は全体として、(a) 一本鎖産物の形成をもたらす方法を用いて、標的核酸を検出可能なレベルまで増幅する段階、および/または(b) 本明細書においてさらに記載される方法もしくは当技術分野において公知の方法を用いて、増幅されたcDNAを検出する段階を含む。したがって、いくつかの態様において、アンプリコンは一本鎖または部分的に一本鎖である。いくつかの態様において、本方法は、本明細書において記載される核酸プローブまたはプライマーのセットをアンプリコンにハイブリダイズさせる段階の前に、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製する段階をさらに含む。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、(i) 第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み; (ii) 第2のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を任意で含んでいてもよい、段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる段階を含む、方法である。いくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、修飾ヌクレオチド間結合修飾核酸塩基、修飾糖、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される。
別の局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)の二本鎖アンプリコンを、一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む核酸プローブと接触させる段階であって、それによって核酸プローブが、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、かつプローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる、段階を含む、方法である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は内部位置に、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、核酸プローブと接触させる段階の前に、二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる段階をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含む。いくつかの態様において、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾は、非標準塩基またはスペーサーである。いくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含む。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、核酸標的を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を非対称的に増幅して一本鎖アンプリコンを産生する段階; および(b) 一本鎖アンプリコンの存在を検出する段階を含む、方法である。
いくつかの態様において、本方法は、二本鎖アンプリコンに界面活性剤を添加する段階をさらに含む。いくつかの態様において、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製する段階は、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンを界面活性剤と接触させて一本鎖アンプリコンを置換する段階を含む。いくつかの態様において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。いくつかの態様において、界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。
いくつかの態様において、増幅は、標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生することをさらに含む。いくつかの態様において、本方法は、少なくとも1つの核酸プローブを二本鎖アンプリコンの1つの鎖にハイブリダイズさせて、二本鎖アンプリコンの1つの鎖にハイブリダイズされた少なくとも1つのプローブを含む複合体を形成させる段階をさらに含み、ここで、ハイブリダイズさせることは界面活性剤、例えばSDSおよび/または一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸にハイブリダイズ/局在化させることができる試薬の存在下である。いくつかの態様において、一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸に局在化させることができる試薬は、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質、Casタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクタヌクレアーゼ(TALEN)、またはそれらの任意の組み合わせである。
エキソヌクレアーゼ
本明細書において記載されるのは、二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる段階を含む方法である。エキソヌクレアーゼは、ポリヌクレオチド鎖の末端(エキソ)からヌクレオチドを一度に1つずつ切断することによって働く酵素である。3'末端または5'末端のどちらかでホスホジエステル結合を切断する加水分解反応が起こる。その近縁種はエンドヌクレアーゼであり、これはポリヌクレオチド鎖の中間部(エンド)でホスホジエステル結合を切断する。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。いくつかの態様において、2つまたはそれ以上、例えば、3つ、4つ、または5つの異なるエキソヌクレアーゼを用いることができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはラムダエキソヌクレアーゼである。ラムダエキソヌクレアーゼは、エキソデオキシリボヌクレアーゼ(ラムダ誘導)、EC 3.1.11.3、ファージラムダ誘導エキソヌクレアーゼ、大腸菌(Escherichia coli)エキソヌクレアーゼIV、大腸菌エキソヌクレアーゼIV、エキソデオキシリボヌクレアーゼIV、およびエキソヌクレアーゼIVということもできる。ラムダエキソヌクレアーゼは二本鎖DNA (dsDNA)を選好し、一本鎖のdsDNA、主にその5'末端にリン酸を有する任意の鎖を分解することを意味する。ラムダエキソヌクレアーゼは、5'から3'方向に線状のまたはニックの入った二本鎖DNAからヌクレオチドを除去することを触媒する。ラムダエキソヌクレアーゼは、5'末端からの二本鎖DNAの高い前進的分解を示す。ラムダエキソヌクレアーゼの好ましい基質は5'-リン酸化二本鎖DNAであるが、非リン酸化基質は大幅に低減された速度で分解される。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラムダエキソヌクレアーゼは、5'-リン酸化末端に対する好ましい活性を介して、線状二本鎖DNAの一本鎖DNAへの変換に用いることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、ラムダエキソヌクレアーゼは、大腸菌からクローニングされたラムダエキソヌクレアーゼ遺伝子(nfo)を保有する大腸菌株から単離されるかまたは得られる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはT7エキソヌクレアーゼである。T7エキソヌクレアーゼは、二本鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼである。T7エキソヌクレアーゼは、エキソヌクレアーゼgp6、Gene product 6 (EC:3.1.11.3)またはGp6ということもできる。T7エキソヌクレアーゼは、線状のまたはニックの入った二本鎖DNAの5'末端の位置で始動する。T7エキソヌクレアーゼは、5'から3'方向に線状のまたはニックの入った二本鎖DNAからヌクレオチドを除去することを触媒する。T7エキソヌクレアーゼは、部位特異的変異誘発またはニック部位伸長のために用いることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、T7エキソヌクレアーゼは、大腸菌ファージT7 (バクテリオファージT7)からクローニングされたT7エキソヌクレアーゼ遺伝子(遺伝子6)を保有する大腸菌株から単離されるかまたは得られる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはエキソヌクレアーゼVIIIである。エキソヌクレアーゼVIIIは二本鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼであり、これは線状二本鎖DNAの5'末端の位置で始動し、5'から3'方向に線状二本鎖DNAからヌクレオチドを除去することを触媒する。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはT5エキソヌクレアーゼである。T5エキソヌクレアーゼは二本鎖DNA特異的エキソヌクレアーゼかつ一本鎖DNAエンドヌクレアーゼであり、これは線状のまたはニックの入った二本鎖DNAの5'末端の位置で始動し、線状のまたはニックの入った二本鎖DNAを5'から3'方向に切断する。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼはRecJfである。RecJfは、5'から3'方向に線状一本鎖DNAからヌクレオチドを除去することを触媒するDNA特異的エキソヌクレアーゼである。RecJfの好ましい基質は、6ヌクレオチド超の長さの5'一本鎖突出部を有する二本鎖DNAである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、0.1 U/μL~5 U/μLの濃度で提供される(すなわち、反応混合物に添加される)。本明細書において用いられる場合、(例えば、ラムダエキソヌクレアーゼの)1単位は、超音波処理した二重鎖[3H]-DNA 1 μgを含む1×ラムダエキソヌクレアーゼ反応緩衝液中37℃で30分、総反応量50 μl中の二重鎖基質から10 nmolの酸可溶性デオキシリボヌクレオチドを生成するために必要とされる酵素の量と定義されるか; または(例えば、T7エキソヌクレアーゼの)1単位は、0.15 mMの超音波処理した二重鎖[3H]-DNAを含む1×NEBuffer 4中37℃で30分、総反応量50 μl中1 nmolの酸可溶性デオキシリボヌクレオチドを生成するために必要とされる酵素の量と定義される。
非限定的な例として、エキソヌクレアーゼ(例えば、ラムダエキソヌクレアーゼまたはT7エキソヌクレアーゼ)は、少なくとも0.1 U/μL、少なくとも0.2 U/μL、少なくとも0.3 U/μL、少なくとも0.4 U/μL、少なくとも0.5 U/μL、少なくとも0.6 U/μL、少なくとも0.7 U/μL、少なくとも0.8 U/μL、少なくとも0.9 U/μL、少なくとも1.0 U/μL、少なくとも1.1 U/μL、少なくとも1.2 U/μL、少なくとも1.3 U/μL、少なくとも1.4 U/μL、少なくとも1.5 U/μL、少なくとも1.6 U/μL、少なくとも1.7 U/μL、少なくとも1.8 U/μL、少なくとも1.9 U/μL、少なくとも2.0 U/μL、少なくとも2.1 U/μL、少なくとも2.2 U/μL、少なくとも2.3 U/μL、少なくとも2.4 U/μL、少なくとも2.5 U/μL、少なくとも2.6 U/μL、少なくとも2.7 U/μL、少なくとも2.8 U/μL、少なくとも2.9 U/μL、少なくとも3.0 U/μL、少なくとも3.1 U/μL、少なくとも3.2 U/μL、少なくとも3.3 U/μL、少なくとも3.4 U/μL、少なくとも3.5 U/μL、少なくとも3.6 U/μL、少なくとも3.7 U/μL、少なくとも3.8 U/μL、少なくとも3.9 U/μL、少なくとも4.0 U/μL、少なくとも4.1 U/μL、少なくとも4.2 U/μL、少なくとも4.3 U/μL、少なくとも4.4 U/μL、少なくとも4.5 U/μL、少なくとも4.6 U/μL、少なくとも4.7 U/μL、少なくとも4.8 U/μL、少なくとも4.9 U/μL、少なくとも5.0 U/μL、少なくとも5.1 U/μL、少なくとも5.2 U/μL、少なくとも5.3 U/μL、少なくとも5.4 U/μL、少なくとも5.5 U/μL、少なくとも5.6 U/μL、少なくとも5.7 U/μL、少なくとも5.8 U/μL、少なくとも5.9 U/μL、少なくとも6.0 U/μL、少なくとも6.1 U/μL、少なくとも6.2 U/μL、少なくとも6.3 U/μL、少なくとも6.4 U/μL、少なくとも6.5 U/μL、少なくとも6.6 U/μL、少なくとも6.7 U/μL、少なくとも6.8 U/μL、少なくとも6.9 U/μL、少なくとも7.0 U/μL、少なくとも7.1 U/μL、少なくとも7.2 U/μL、少なくとも7.3 U/μL、少なくとも7.4 U/μL、少なくとも7.5 U/μL、少なくとも7.6 U/μL、少なくとも7.7 U/μL、少なくとも7.8 U/μL、少なくとも7.9 U/μL、少なくとも8.0 U/μL、少なくとも8.1 U/μL、少なくとも8.2 U/μL、少なくとも8.3 U/μL、少なくとも8.4 U/μL、少なくとも8.5 U/μL、少なくとも8.6 U/μL、少なくとも8.7 U/μL、少なくとも8.8 U/μL、少なくとも8.9 U/μL、少なくとも9.0 U/μL、少なくとも9.1 U/μL、少なくとも9.2 U/μL、少なくとも9.3 U/μL、少なくとも9.4 U/μL、少なくとも9.5 U/μL、少なくとも9.6 U/μL、少なくとも9.7 U/μL、少なくとも9.8 U/μL、少なくとも9.9 U/μL、少なくとも10 U/μL、少なくとも20 U/μL、少なくとも30 U/μL、少なくとも40 U/μL、または少なくとも50 U/μLの濃度で提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は12℃~45℃で実施される。非限定的な例として、エキソヌクレアーゼ段階は、少なくとも12℃、少なくとも13℃、少なくとも14℃、少なくとも15℃、少なくとも16℃、少なくとも17℃、少なくとも18℃、少なくとも19℃、少なくとも20℃、少なくとも21℃、少なくとも22℃、少なくとも23℃、少なくとも24℃、少なくとも25℃、少なくとも26℃、少なくとも27℃、少なくとも28℃、少なくとも29℃、少なくとも30℃、少なくとも31℃、少なくとも32℃、少なくとも33℃、少なくとも34℃、少なくとも35℃、少なくとも36℃、少なくとも37℃、少なくとも38℃、少なくとも39℃、少なくとも40℃、少なくとも41℃、少なくとも42℃、少なくとも43℃、少なくとも44℃、少なくとも45℃の温度で実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は、多くとも12℃、多くとも13℃、多くとも14℃、多くとも15℃、多くとも16℃、多くとも17℃、多くとも18℃、多くとも19℃、多くとも20℃、多くとも21℃、多くとも22℃、多くとも23℃、多くとも24℃、多くとも25℃、多くとも26℃、多くとも27℃、多くとも28℃、多くとも29℃、多くとも30℃、多くとも31℃、多くとも32℃、多くとも33℃、多くとも34℃、多くとも35℃、多くとも36℃、多くとも37℃、多くとも38℃、多くとも39℃、多くとも40℃、多くとも41℃、多くとも42℃、多くとも43℃、多くとも44℃、多くとも45℃の温度で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は、周囲温度または室温(例えば、20℃~22℃)で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は、体温(例えば、37℃)で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は、およそ42℃に設定されたヒートブロック上で実施される。
エキソヌクレアーゼによる処理は、約10分、約9分、約8分、約7分、約6分、約5分、約4分、約3分、約2分、約1分、約45秒または約30秒の期間であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は、多くとも1分で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ段階は、多くとも5分で実施される。非限定的な例として、エキソヌクレアーゼ段階は、多くとも1分、多くとも2分、多くとも3分、多くとも4分、5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分で実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ(例えば、ラムダエキソヌクレアーゼ)は、例えば、グリシン-KOH、MgCl2およびウシ血清アルブミン(BSA)を含む、反応緩衝液(例えば、ラムダエキソヌクレアーゼ反応緩衝液)とともに提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼ(例えば、T7エキソヌクレアーゼ)は、例えば、酢酸カリウム、トリス-酢酸、酢酸マグネシウムおよび/またはDTTを含む反応緩衝液(例えば、NEBuffer 4)とともに提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる前に、二本鎖アンプリコンを加熱する段階をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、加熱する段階は、等温増幅反応の酵素(例えば、ポリメラーゼ、リコンビナーゼなど)を不活性化するために実施される。非限定的な例として、増幅後かつ5'→3'エキソヌクレアーゼとの接触前に、二本鎖アンプリコンは少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃または少なくとも95℃に加熱される。加熱する段階は、約10分、約9分、約8分、約7分、約6分、約5分、約4分、約3分、約2分、約1分、約45秒または約30秒の期間であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、二本鎖アンプリコンは多くとも1分間加熱される。局面のいずれかのいくつかの態様において、二本鎖アンプリコンは多くとも5分間加熱される。非限定的な例として、二本鎖アンプリコンは多くとも1分、多くとも2分、多くとも3分、多くとも4分、5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分間加熱される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる前に二本鎖アンプリコンを加熱する段階を含まない。1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、(i) 第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み; かつ(ii) 第2のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を任意で含んでいてもよい、段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンをT7エキソヌクレアーゼと接触させる段階を含み、エキソヌクレアーゼと接触させる前に二本鎖アンプリコンを加熱する段階を含まない、方法である。
非対称増幅
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、核酸標的を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を非対称的に増幅して一本鎖アンプリコンを産生する段階; および(b) 一本鎖アンプリコンの存在を検出する段階を含む、方法である。本明細書において用いられる場合、「非対称増幅」という用語は、特定のssDNA産物が産生される増幅反応をいう。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅は等温増幅を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅はリコンビナーゼポリメラーゼ増幅を含む。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) 標的核酸を非対称的に増幅して一本鎖アンプリコンを産生する段階であって、増幅が等温増幅を含む、段階; および(b) 一本鎖アンプリコンの存在を検出する段階を含む、核酸標的を検出するための方法である。1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) 標的核酸を非対称的に増幅して一本鎖アンプリコンを産生する段階であって、増幅がリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)を含む、段階; および(b) 一本鎖アンプリコンの存在を検出する段階を含む、核酸標的を検出するための方法である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、非対称増幅は他方のプライマー(例えば、第2または第1)と比較して、一方のプライマー(例えば、第1または第2)の比率の増加に起因する。非限定的な例として、非対称増幅反応は他方のプライマー(例えば、第2または第1)と比較して、一方のプライマー(例えば、第1または第2)の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも100%、少なくとも110%、少なくとも120%、少なくとも130%、少なくとも140%、少なくとも150%、少なくとも160%、少なくとも170%、少なくとも180%、少なくとも190%、少なくとも200%、少なくとも250%、少なくとも300%、少なくとも350%、少なくとも400%、少なくとも450%、または少なくとも500%の増加を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、より量の多いプライマーによる増幅は、そのプライマーのssDNA伸長産物の存在量の増加をもたらす。局面のいずれかのいくつかの態様において、より量の少ないプライマーによる増幅は、dsDNA産物をもたらし、そのプライマーのssDNA伸長産物はほとんどないかあるいは全くない。
局面のいずれかのいくつかの態様において、非対称の産物はdsDNAおよびssDNAの混合物を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、非対称増幅反応のdsDNA産物は、dsDNA特異的ヌクレアーゼ(例えば、dsDNase、T5エキソヌクレアーゼ)を用いて分解される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、非対称増幅反応のためのプライマーの一方または両方は、ssDNA産物のさらなる擬似伸長を低減または抑止するために修飾される。局面のいずれかのいくつかの態様において、より量の少ないプライマーの5'末端が、ssDNA産物のさらなる擬似伸長を低減または抑止するために修飾される。局面のいずれかのいくつかの態様において、一方または両方の増幅プライマーに対する修飾は、DNAポリメラーゼの鎖伸長阻害剤であるジデオキシヌクレオチド(例えば、ddGTP、ddATP、ddTTP、ddCTP)を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、一方または両方の増幅プライマーに対する修飾は、例えば、少なくとも1つのヌクレオチドの存在量が増加した反復ヌクレオチドモチーフを含んだ、尾部を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅反応混合物は、尾部に豊富に存在するヌクレオチドと塩基対合する少なくとも1種類のジデオキシヌクレオチド(例えば、ddGTP、ddATP、ddTTP、ddCTP)を含み、これにより、反応混合物中に存在するdNTPが指数関数的増幅を可能にしながらも、一部の産物が確率的に終結される。局面のいずれかのいくつかの態様において、尾部はA/Tに対するC/Gの比率の増加を含み、増幅反応混合物はddCTPまたはddGTPを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、尾部はC/Gに対するA/Tの比率の増加を含み、増幅反応混合物はddATPまたはddTTPを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、尾部は、例えば、1、2、3、4、5回またはそれ以上の回数繰り返されるモチーフGGGAを含み、増幅反応混合物はddCTPを含む。非限定的な例として、尾部が50%超のC/Gであるように尾部はA/Tよりも少なくとも2倍多いC/Gを含み、反応混合物中の1% ddCTPにより、伸長は各3本鎖の1本において、主に量の少ないプライマーにおいて、終結する(例えば、図2A参照)。
局面のいずれかのいくつかの態様において、非対称増幅反応のためのプライマーの一方または両方は、自己反応性を低減または抑止するために修飾される。局面のいずれかのいくつかの態様において、より量の少ないプライマーの5'末端は、自己反応性を低減または抑止するために修飾される。本明細書において用いられる場合、「自己反応性」は、プライマーがそれ自身にハイブリダイズする傾向をいい、したがって自己アニーリングおよびssDNA産物の異常な伸長を引き起こしうるヘアピン構造を作出することをいう。非限定的な例として、プライマーは、フリー3'nt予測が97.8%超である、例えば、少なくとも97.9%、少なくとも98.0%、少なくとも98.1%、少なくとも98.2%、少なくとも98.3%、少なくとも98.4%、少なくとも98.5%、少なくとも98.6%、少なくとも98.7%、少なくとも98.8%、少なくとも98.9%、少なくとも99.0%、少なくとも99.1%、少なくとも99.2%、少なくとも99.3%、少なくとも99.4%、少なくとも99.5%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、少なくとも99.8%、少なくとも99.9%、少なくとも99.95%、少なくとも99.99%、または少なくとも99.994%であるように、分析ソフトウェア(例えば、NUPACK)を用いて設計することができる。
ストッパに基づくプライミング
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)の二本鎖アンプリコンを、一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む核酸プローブと接触させる段階であって、それによって核酸プローブが、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、かつプローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる、段階を含む、方法である。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅は等温増幅を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅はリコンビナーゼポリメラーゼ増幅を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーは、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2のプライマーは、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1および第2のプライマーはそれぞれ、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含み、これは同じまたは異なる修飾であってもよい。
局面のいずれかのいくつかの態様において、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾は、本明細書においてさらに記載されるように、非標準塩基である。局面のいずれかのいくつかの態様において、非標準塩基はイソシトシン(イソ-dC)である。局面のいずれかのいくつかの態様において、非標準塩基はイソグアノシン(イソ-dG)である。局面のいずれかのいくつかの態様において、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾は、スペーサーである。局面のいずれかのいくつかの態様において、スペーサーは、一方または両方のプライマーの内部位置に配置される。スペーサーの非限定的な例としては、C3スペーサー(ホスホラミダイト); 1',2'-ジデオキシリボース(dSpacer); PC (光切断可能)スペーサー; スペーサー9 (トリエチレングリコールスペーサー); およびスペーサー18 (18-原子ヘキサエチレングリコールスペーサー)が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーは、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2のプライマーは、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1および第2のプライマーはそれぞれ、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含み、これは同じまたは異なる二次構造であってもよい。
トーホールド露出
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)の二本鎖アンプリコンを、一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む核酸プローブと接触させる段階であって、それによって核酸プローブが、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、かつプローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる、段階を含む、方法である。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅は等温増幅を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅はリコンビナーゼポリメラーゼ増幅を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方は内部位置に、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーは内部位置に、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2のプライマーは内部位置に、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1および第2のプライマーはそれぞれ、内部位置に、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み、これは同じまたは異なる修飾であってもよい。局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、核酸プローブと接触させる段階の前に、二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる段階をさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1または第2のプライマーの少なくとも一方または両方はデオキシヌクレオチドとは対照的に、内部位置に、リボヌクレオチド(例えば、ウラシル)を含む。リボヌクレオチドの非限定的な例としては、ウラシル、チミンリボヌクレオチド、シトシンリボヌクレオチド、アデニンリボヌクレオチド、およびグアニンリボヌクレオチドが挙げられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーは内部位置に、リボヌクレオチド(例えば、ウラシル)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2のプライマーは内部位置に、リボヌクレオチド(例えば、ウラシル)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1および第2のプライマーはそれぞれ、内部位置に、リボヌクレオチド(例えば、ウラシル)を含み、これは同じまたは異なるリボヌクレオチドであってもよい。局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される核酸(例えば、一方または両方のプライマー)は、1個、2個、3個、4個、5個、6個またはそれ以上のリボヌクレオチド(例えば、ウラシル)を、例えば、内部位置に含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、核酸プローブと接触させる段階の前に、二本鎖アンプリコンをリボヌクレオチド特異的エンドヌクレアーゼと接触させる段階をさらに含む。二本鎖アンプリコンをリボヌクレオチド特異的エンドヌクレアーゼと接触させることにより、インキュベーション温度で短いssDNA断片が除去され、一本鎖突出部を作製するように、アンプリコンの一方の鎖に内部カットが導入される。局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、核酸プローブと接触させる段階の前に、二本鎖アンプリコンをウラシル特異的エンドヌクレアーゼと接触させる段階をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、ウラシル特異的エンドヌクレアーゼは、USER(商標) (ウラシル特異的切除試薬(Uracil-Specific Excision Reagent))酵素である。USER酵素は、ウラシルの位置に1ヌクレオチドのギャップを生成する。USER酵素は、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)およびDNAグリコシラーゼ-リアーゼであるエンドヌクレアーゼVIIIの混合物である。UDGはウラシル塩基の切除を触媒し、ホスホジエステル骨格はそのままに脱塩基(脱ピリミジン塩基)部位を形成する。エンドヌクレアーゼVIIIのリアーゼ活性は、脱塩基部位の3'側および5'側でホスホジエステル骨格を切断し、塩基を含まないデオキシリボースを遊離させる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、リボヌクレオチド特異的エンドヌクレアーゼと接触させる段階の後にかつ核酸プローブと接触させる段階の前に、二本鎖アンプリコンを加熱する段階をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、加熱する段階は、一本鎖突出部を露出するために実施される。非限定的な例として、リボヌクレオチド特異的エンドヌクレアーゼと接触させた後にかつ核酸プローブと接触させる前に、二本鎖アンプリコンは少なくとも40℃、少なくとも45℃、少なくとも50℃、少なくとも55℃、少なくとも60℃、少なくとも65℃、少なくとも70℃、少なくとも75℃、少なくとも80℃、少なくとも85℃、少なくとも90℃または少なくとも95℃に加熱される。加熱する段階は、約10分、約9分、約8分、約7分、約6分、約5分、約4分、約3分、約2分、約1分、約45秒または約30秒の期間であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、二本鎖アンプリコンは多くとも1分間加熱される。局面のいずれかのいくつかの態様において、二本鎖アンプリコンは多くとも5分間加熱される。非限定的な例として、二本鎖アンプリコンは多くとも1分、多くとも2分、多くとも3分、多くとも4分、5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分間加熱される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、2つの一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンは、第1のプローブが第1の一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含み、第2のプローブが第2の一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む2つの核酸プローブと接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、2つの一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の核酸プローブと接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、2つまたはそれ以上の核酸プローブは、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、かつプローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる。局面のいずれかのいくつかの態様において、プローブのうちの少なくとも1つは、本明細書においてさらに記載されるように、検出可能なマーカーおよび/またはリガンドを含む。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するための方法であって、(a) 第1のプライマーおよび第2のプライマーで標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、第1のプライマーがその5'末端に検出可能な標識を含む、段階; (b) 二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させて、一本鎖領域(例えば、一本鎖アンプリコン)を有するアンプリコンを産生する段階; ならびに(c) 一本鎖領域を有するアンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、一本鎖領域を有するアンプリコンをラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ラテラルフロー試験ストリップが、固定化された核酸捕捉プローブを含む試験/捕捉領域を含み、核酸捕捉プローブが、一本鎖アンプリコンの少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメイン(例えば、一本鎖領域)を含む、方法である。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、(i) 第1のプライマーがその5'末端に検出可能な標識を含み; (ii) 第2のプライマーが1つまたは複数のウリジンヌクレオチドを含む、段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンをラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)と接触させて、一本鎖領域を有するアンプリコン(例えば、一本鎖アンプリコン)を産生する段階; ならびに(c) 一本鎖領域を有するアンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、一本鎖領域を有するアンプリコンをラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ラテラルフロー試験ストリップが、固定化された核酸捕捉プローブを含む試験/捕捉領域を含み、核酸捕捉プローブが、アンプリコンの一本鎖領域の少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメイン(例えば、一本鎖領域)を含む、方法である。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、第1のプライマーが、その5'末端に検出可能な標識、および内部位置においてポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含み、二本鎖アンプリコンが一端に5'一本鎖領域を含む、段階; ならびに(b) 5'一本鎖領域を有するアンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、アンプリコンをラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ラテラルフロー試験ストリップが、固定化された核酸捕捉プローブを含む試験/捕捉領域を含み、核酸捕捉プローブの第1の領域/ドメインが、一本鎖アンプリコンの少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメインを含む、方法である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、二本鎖アンプリコンを界面活性剤、例えば、SDSと接触させる段階をさらに含む。
緩衝液添加剤
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、本明細書において記載される反応のうちの少なくとも1つに緩衝液添加剤を添加する段階をさらに含む。非限定的な例として、緩衝液添加剤は、増幅反応、エキソヌクレアーゼ反応、および/または検出反応(例えばLFD)に添加することができる。緩衝液添加剤の添加は、LFDアウトプットの精度を向上させることができる。緩衝液改変の非限定的な例としては、界面活性剤(例えば、SDS、LDS、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートもしくは他の界面活性剤)、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤(すなわち、水溶液中の水素結合を破壊する化合物)、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、または還元剤が挙げられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、緩衝液添加剤は界面活性剤である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、検出段階は、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤(すなわち、水溶液中の水素結合を破壊する化合物)、DNA二重鎖不安定化剤、還元剤、またはそれらの任意の組み合わせの存在下で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、ラテラルフローアッセイにおいて(例えば、泳動用緩衝液中に) 0.5%~20%の範囲の濃度で存在する。例えば、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、ラテラルフローアッセイにおいて(例えば、泳動用緩衝液中に)約5%~約15%、約7.5%~約12.5%の濃度で存在する。いくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、ラテラルフローアッセイにおいて(例えば、泳動用緩衝液中に)約10%の濃度で存在する。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤を二本鎖アンプリコンに添加する段階をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、本明細書において記載されるエキソヌクレアーゼと接触させる前に二本鎖アンプリコンに添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、本明細書において記載されるエキソヌクレアーゼと接触させた後に二本鎖アンプリコンに添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、検出プローブと接触させる前に二本鎖アンプリコンに添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、増幅反応の開始時、中間時または終了時に添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、増幅反応の開始時に添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、検出プローブとともに添加される。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、本明細書においてさらに記載されるように、ラテラルフロー装置に添加される。
界面活性剤は、二本鎖アンプリコンの一本鎖を、例えば、エキソヌクレアーゼまたは検出プローブに対して、よりアクセスしやすくするように作用することができる。界面活性剤は、イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、ワンポット反応を可能にすることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、界面活性剤は、偽陽性の率を低減する(例えば、少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、または少なくとも100%)。
したがって、1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階; および(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンを界面活性剤と接触させて一本鎖アンプリコンを置換する段階を含む、方法である。本明細書において記載される方法のいずれかによって産生された二本鎖アンプリコンは、例えば、検出のための一本鎖アンプリコンを調製するために、界面活性剤と接触させることができる。
例えば、界面活性剤はアニオン性、カチオン性または双性イオン性であることができる。例示的なアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホブタン二酸塩、N-アルキルフルオレニルサルコシネート、フルオレニルタウレート、フルオレニルイセチオネート(fluorenyl isethionate)、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α-オレフィンスルホネートおよびアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩ならびにトリエタノールアミン塩を含むアンモニウム塩が挙げられるが、これらに限定されることはない。具体的な例示的アニオン性界面活性剤としては、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されることはない。例示的なカチオン性界面活性剤としては、塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB; Calbiochem(商標) #B22633またはAldrich(商標) #85582-0)、塩化セチルトリメチルアンモニウム(CTACl; Aldrich(商標) #29273-7)、臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAB、Sigma #D-8638)、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTACl)、臭化オクチルトリメチルアンモニウム、臭化テトラデシルトリメチルアンモニウム(TTAB)、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム(TTACl)、臭化ドデシルエチルジメチルアンモニウム(DEDTAB)、臭化デシルトリメチルアンモニウム(DlOTAB)、臭化ドデシルトリフェニルホスホニウム(DTPB)、臭化オクタデシリルトリメチルアンモニウム、塩化ステアロアルコニウム、塩化オレアルコニウム、塩化セトリモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムメソスルフェート、パルミトアミドプロピルトリメチルクロリド、クオーターニウム84 (Mackernium(商標) NLE; McIntyre Group(商標), Ltd.)およびコムギ脂質エポキシド(Mackernium WLE(商標); McIntyre Group(商標), Ltd.)、オクチルジメチルアミン、デシルジメチルアミン、ドデシルジメチルアミン、テトラデシルジメチルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、オクチルデシルジメチルアミン、オクチルデシルメチルアミン、ジデシルメチルアミン、ドデシルメチルアミン、塩化トリアセチルアンモニウム、塩化セトリモニウム、ならびに塩化アルキルジメチルベンジルアンモニウムが挙げられるが、これらに限定されることはない。カチオン性界面活性剤のさらなるクラスは、ホスホニウム、イミドゾリンおよびエチル化アミン基を含むが、これらに限定されることはない。
さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。
局面のいずれかのいくつかの好ましい態様において、界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS); ドデシル硫酸リチウム(LDS); アルキルスルフェート; またはアルキルスルホネートからなる群より選択される。局面のいずれかのいくつかの好ましい態様において、界面活性剤はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である。
界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、任意の所望の量まで添加することができる。例えば、界面活性剤は約0.1 mM、約0.2 mM、約0.3 mM、約0.4 mM、約0.5 mM、約0.6 mM、約0.7 mM、約0.8 mM、約0.9 mM、約1 mM、約2 mM、約3 mM、約4 mM、約5 mM、約6 mM、約7 mM、約8 mM、約10 mM、約11 mM、約12 mM、約13 mM、約14 mM、約15、mM、約16 mM、約17 mM、約18 mM、約19 mM、約20 mM、約25 mM、約30 mM、約35 mM、約40 mM、約45 mM、約50 mM、約55 mM、約60 mM、約65 mM、約70 mM、約75 mM、約80 mM、約85 mM、約90 mM、約95 mM、または約100 mMの終濃度まで添加することができる。
さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液(例えば、増幅反応、エキソヌクレアーゼ反応、LFD泳動用緩衝液)中に0.5%~20%の範囲の濃度で存在する。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液中に少なくとも0.5%の濃度で存在する。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液中に約5%の濃度で存在する。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液中に約10%の濃度で存在する。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液中に多くとも20%の濃度で存在する。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液中に少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4%、少なくとも4.5%、少なくとも5%、少なくとも5.5%、少なくとも6%、少なくとも6.5%、少なくとも7%、少なくとも7.5%、少なくとも8%、少なくとも8.5%、少なくとも9%、少なくとも9.5%、少なくとも10%、少なくとも10.5%、少なくとも11%、少なくとも11.5%、少なくとも12%、少なくとも12.5%、少なくとも13%、少なくとも13.5%、少なくとも14%、少なくとも14.5%、少なくとも15%、少なくとも15.5%、少なくとも16%、少なくとも16.5%、少なくとも17%、少なくとも17.5%、少なくとも18%、少なくとも18.5%、少なくとも19%、少なくとも19.5%、または少なくとも20%の濃度で存在する。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、溶液中に多くとも0.5%、多くとも1%、多くとも1.5%、多くとも2%、多くとも2.5%、多くとも3%、多くとも3.5%、多くとも4%、多くとも4.5%、多くとも5%、多くとも5.5%、多くとも6%、多くとも6.5%、多くとも7%、多くとも7.5%、多くとも8%、多くとも8.5%、多くとも9%、多くとも9.5%、多くとも10%、多くとも10.5%、多くとも11%、多くとも11.5%、多くとも12%、多くとも12.5%、多くとも13%、多くとも13.5%、多くとも14%、多くとも14.5%、多くとも15%、多くとも15.5%、多くとも16%、多くとも16.5%、多くとも17%、多くとも17.5%、多くとも18%、多くとも18.5%、多くとも19%、多くとも19.5%、または多くとも20%の濃度で存在する。
さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、多くとも20 uLの容量で溶液に添加される。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、多くとも20 uLの容量で溶液に添加される。さまざまな局面のいくつかの態様において、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤は、多くとも1 uL、多くとも2 uL、多くとも3 uL、多くとも4 uL、多くとも5 uL、多くとも6 uL、多くとも7 uL、多くとも8 uL、多くとも9 uL、多くとも10 uL、多くとも11 uL、多くとも12 uL、多くとも13 uL、多くとも14 uL、多くとも15 uL、多くとも16 uL、多くとも17 uL、多くとも18 uL、多くとも19 uL、または多くとも20 uLの容量で溶液に添加される。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブを二本鎖アンプリコンの1つの鎖にハイブリダイズさせて、二本鎖アンプリコンの1つの鎖にハイブリダイズされた第1および第2のプローブを含む複合体を形成させる段階であって、前記ハイブリダイズさせることは界面活性剤、例えばSDSおよび/または一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸にハイブリダイズ/局在化させることができる試薬の存在下であり、第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み、かつ第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(c) 複合体を、例えばラテラルフローアッセイ/装置により、検出する段階を含む、方法である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、本明細書において記載される反応のうちの少なくとも1つに密集剤を添加する段階をさらに含む。非限定的な例として、密集添加剤は、増幅反応、エキソヌクレアーゼ反応、および/または検出反応(例えばLFD)に添加することができる。密集剤の非限定的な例としては、PEG、PEG8000、異なる分子量のデキストラン、デキストラン硫酸、フィコールまたはグリセロールが挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本方法は、本明細書において記載される反応のうちの少なくとも1つにブロッキング剤を添加する段階をさらに含む。非限定的な例として、ブロッキング添加剤は、増幅反応、エキソヌクレアーゼ反応および/または検出反応(例えばLFD)に添加することができる。いくつかの態様において、ブロッキング剤は、本明細書において記載される検出反応に添加される。ブロッキング剤の非限定的な例としては、BSA、IgG、tRNA、一本鎖過剰DNAまたはRNA、過剰直交またはランダムプライマー、二本鎖過剰DNAなどが挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅反応の後、二本鎖アンプリコンは、少なくとも1つの検出プローブと接触される。二本鎖アンプリコンへの検出プローブの侵入を増加させるために、いくつかの方法を用いることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質(SSB)および/またはヘリカーゼの濃度を調節して検出プローブの侵入を改善する。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質(SSB)および/またはヘリカーゼの濃度を増加させて検出プローブの侵入を改善する。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼの濃度を増加させて検出プローブの侵入を改善する。局面のいずれかのいくつかの態様において、SSBの濃度を増加させて検出プローブの侵入を改善する。局面のいずれかのいくつかの態様において、ヘリカーゼの濃度を増加させて検出プローブの侵入を改善する。リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質(SSB)および/またはヘリカーゼの濃度のそのような調節は、本明細書においてさらに記載されるように、緩衝液添加剤の存在下で実施することもできる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅反応の後、二本鎖アンプリコンは、少なくとも1つの検出プローブおよび配列誘導エンドヌクレアーゼ、例えば、エンドヌクレアーゼ活性を欠いているものと接触される。いくつかの態様において、配列誘導エンドヌクレアーゼは、CRISPR-Casタンパク質である。一般には、任意のエンドヌクレアーゼ活性を欠く配列誘導エンドヌクレアーゼであり、本明細書においてdCasということができる。例えば、配列誘導エンドヌクレアーゼは、触媒的に不活性である。言い換えれば、配列誘導エンドヌクレアーゼは、親CRISPR-Casタンパク質のヌクレアーゼ、例えば、エンドヌクレアーゼ活性を欠く。配列誘導エンドヌクレアーゼを含む態様において、少なくとも1つの検出プローブは、配列誘導エンドヌクレアーゼに結合するための足場領域をさらに含む。
本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、配列誘導エンドヌクレアーゼは、C2c1、C2c3、Cas1、Cas100、Cas12a、Cas12b、Cas12c、Cas12d、Cas12e、Cas13a、Cas13b、Cas13c、Cas1B、Cas2、Cas3、Cas4、Cas5、Cas6、Cas7、Cas8、Cas9 (CsnlおよびCsxl2としても知られる)、Casl、CaslB、CaslO、Cmr1、Cmr3、Cmr4、Cmr5、Cmr6、Cpf1、Csa5、Csa5、CsaX、Csb1、Csb2、Csb3、Csc1、Csc2、Cse1、Cse2、Csf1、Csf2、Csf3、Csf4、Csm2、Csm3、Csm4、Csm5、Csm6、Csn2、Csx1、Csx10、Csx14、Csx15、Csx16、Csx17、Csx3、Csy1、Csy2、Csy3、およびそれらの相同体、またはそれらの改変型からなる群より選択されるCRISPR-Casタンパク質を含む。配列誘導エンドヌクレアーゼは、既知のCRISPR-Casタンパク質の類似体または変種由来とすることができることに留意されたい。本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、配列誘導エンドヌクレアーゼはdCas9、dCas12、またはdCas13である。
標的核酸
本明細書において記載されるのは、標的核酸を検出するために用いることができる方法、キット、およびシステムである。さらに、本明細書において提供される組成物は、標的核酸をさらに含むことができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は標的DNAであり、これは「関心対象のDNA」または「関心対象の遺伝子」ということもできる。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的DNAは、任意のDNA配列または任意の遺伝子であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的DNAは一本鎖DNA (ssDNA)である。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的DNAは二本鎖DNA (dsDNA)である。
本明細書において提供される方法および組成物は、例えば、疾患バイオマーカー、微生物核酸配列、ウイルス核酸配列などを検出するために用いることができる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法および組成物は、疾患(例えば、感染症)を診断、予防または処置するために用いることができる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法、組成物およびキットは、サンプル中のSAR-CoV2の存在を同定するために用いることができる。いくつかの態様において、本明細書において提供される方法、組成物およびキットは、感染症を有する対象を診断するために用いることができる。いくつかの態様において、感染症はCOVID19である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は標的RNAであり、これは「関心対象のRNA」ということもできる。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は標的RNAであり、一本鎖DNA (ssRNA)である。リボ核酸(RNA)は、遺伝子のコード化、脱コード化、調節および発現におけるさまざまな生物学的役割に不可欠な高分子核酸分子である。RNAの各ヌクレオチドにはリボース糖が含まれており、炭素には1'から5'までの番号が付されている。1'位には塩基が結合しており、一般的にはアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、またはウラシル(U)である。リン酸基は、1つのリボースの3'位と次のリボースの5'位に結合している。リン酸基はそれぞれ負電荷を持っているため、RNAは荷電分子(ポリアニオン)になる。RNAをDNAと区別する重要な構造的要素は、リボース糖の2'位にヒドロキシル基が存在することである。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的RNAは、任意の既知のタイプのRNAであることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的RNAは、表2から選択されるRNAを含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、単一分子レベルで検出することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される方法、キット、およびシステムを用いて、10分子未満の標的核酸を検出することができる。非限定的な例として、本明細書において記載される方法、キット、およびシステムを用いて、少なくとも1分子、少なくとも2分子、少なくとも3分子、少なくとも4分子、少なくとも5分子、少なくとも6分子、少なくとも7分子、少なくとも8分子、少なくとも9分子、少なくとも10分子、少なくとも20分子、少なくとも30分子、少なくとも40分子、少なくとも50分子、少なくとも60分子、少なくとも70分子、少なくとも80分子、少なくとも90分子、少なくとも10分子、少なくとも102分子、少なくとも103分子、少なくとも104分子、または少なくとも105分子の標的核酸を検出することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される方法、キットおよびシステムを用いて、サンプルインプット1マイクロリットルあたり少なくとも0.6分子の標的核酸(分子/μLまたはコピー/μL)を検出することができる。非限定的な例として、本明細書において記載される方法、キット、またはシステムを用いて、少なくとも0.1コピー/μL、少なくとも0.2コピー/μL、少なくとも0.3コピー/μL、少なくとも0.4コピー/μL、少なくとも0.5コピー/μL、少なくとも0.6コピー/μL、少なくとも0.7コピー/μL、少なくとも0.8コピー/μL、少なくとも0.9コピー/μL、少なくとも1コピー/μL、少なくとも2コピー/μL、少なくとも3コピー/μL、少なくとも4コピー/μL、少なくとも5コピー/μL、少なくとも6コピー/μL、少なくとも7コピー/μL、少なくとも8コピー/μL、少なくとも9コピー/μL、少なくとも10コピー/μL、少なくとも20コピー/μL、少なくとも30コピー/μL、少なくとも40コピー/μL、少なくとも50コピー/μL、少なくとも60コピー/μL、少なくとも70コピー/μL、少なくとも80コピー/μL、少なくとも90コピー/μL、少なくとも10コピー/μL、少なくとも102コピー/μL、少なくとも103コピー/μL、または少なくとも104コピー/μLの標的核酸を検出することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的RNAはウイルスRNAであることができる。したがって、1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) 対象からウイルスRNAを単離する段階; および(b) 本明細書において記載される方法(例えば、消化-LAMPおよび/またはssRPAならびに検出)を実施する段階を含む、対象由来のサンプル中のRNAウイルスを検出する方法である。
本明細書において用いられる場合、「RNAウイルス」という用語は、RNAゲノムを含むウイルスをいう。局面のいずれかのいくつかの態様において、RNAウイルスは、二本鎖RNAウイルス、プラスセンスRNAウイルス、マイナスセンスRNAウイルス、または逆転写ウイルス(例えば、レトロウイルス)である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RNAウイルスはIII群(すなわち、二本鎖RNA (dsRNA))ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、III群RNAウイルスは、アマルガウイルス科(Amalgaviridae)、ビルナウイルス科(Birnaviridae)、クリソウイルス科(Chrysoviridae)、シストウイルス科(Cystoviridae)、エンドルナウイルス科(Endornaviridae)、ハイポウイルス科(Hypoviridae)、メガビルナウイルス科(Megabirnaviridae)、パルティティウイルス科(Partitiviridae)、ピコビルナウイルス科(Picobirnaviridae)、レオウイルス科(Reoviridae) (例えば、ロタウイルス(Rotavirus))、トティウイルス科(Totiviridae)、クアドリウイルス科(Quadriviridae)からなる群より選択されるウイルスファミリーに属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、III群RNAウイルスは、ボティビルナウイルス(Botybirnavirus)属に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、III群RNAウイルスは、ボトリチス・ポリ(Botrytis porri) RNAウイルス1、テンサイヨコバイ(Circulifer tenellus)ウイルス1、コレオトリカム・カメリア(Colletotrichum camelliae)糸状菌ウイルス1、ウリ類黄化関連(Cucurbit yellows associated)ウイルス、スクレロチニア・スクレロチオラム(Sclerotinia sclerotiorum)衰弱関連ウイルス、およびスピシスティラス・フェスティヌス(Spissistilus festinus)ウイルス1からなる群より選択される未分類の(unassigned)種である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RNAウイルスはIV群(すなわち、プラスセンス一本鎖(ssRNA))ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、IV群RNAウイルスは、ニドウイルス目(Nidovirales)、ピコルナウイルス目(Picornavirales)およびティモウイルス目(Tymovirales)からなる群より選択されるウイルス目に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、IV群RNAウイルスは、アルテリウイルス科(Arteriviridae)、コロナウイルス科(Coronaviridae) (例えば、コロナウイルス、SARS-CoV)、メソニウイルス科(Mesoniviridae)、ロニウイルス科(Roniviridae)、ジシストロウイルス科(Dicistroviridae)、イフラウイルス科(Iflaviridae)、マルナウイルス科(Marnaviridae)、ピコルナウイルス科(Picornaviridae) (例えば、ポリオウイルス、ライノウイルス(風邪ウイルス)、A型肝炎ウイルス)、セコウイルス科(Secoviridae) (例えば、コモウイルス亜科(sub Comovirinae))、アルファフレキシウイルス科(Alphaflexiviridae)、ベータフレキシウイルス科(Betaflexiviridae)、ガンマフレキシウイルス科(Gammaflexiviridae)、ティモウイルス科(Tymoviridae)、アルファテトラウイルス科(Alphatetraviridae)、アルベルナウイルス科(Alvernaviridae)、アストロウイルス科(Astroviridae)、バルナウイルス科(Barnaviridae)、ベニウイルス科(Benyviridae)、ブロモウイルス科(Bromoviridae)、カリシウイルス科(Caliciviridae) (例えば、ノーウォーク(Norwalk)ウイルス)、カルモテトラウイルス科(Carmotetraviridae)、クロステロウイルス科(Closteroviridae)、フラビウイルス科(Flaviviridae) (例えば、黄熱ウイルス、西ナイルウイルス、C型肝炎ウイルス、デング熱ウイルス、ジカウイルス)、フサリウイルス科(Fusariviridae)、ヘペウイルス科(Hepeviridae)、ハイポウイルス科(Hypoviridae)、レビウイルス科(Leviviridae)、ルテオウイルス科(Luteoviridae) (例えば、オオムギ黄化萎縮ウイルス)、ポリシピウイルス科(Polycipiviridae)、ナルナウイルス科(Narnaviridae)、ノダウイルス科(Nodaviridae)、ペルムトテトラウイルス科(Permutotetraviridae)、ポティウイルス科(Potyviridae)、サルトロウイルス科(Sarthroviridae)、スタトウイルス科(Statovirus)、トガウイルス科(Togaviridae) (例えば、風疹ウイルス、ロス川ウイルス、シンドビスウイルス、チクングニアウイルス)、トンブスウイルス科(Tombusviridae)およびビルガウイルス科(Virgaviridae)からなる群より選択されるウイルス科に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、IV群RNAウイルスは、バシラリオルナウイルス属(Bacillariornavirus)、ディシピウイルス属(Dicipivirus)、ラビルナウイルス属(Labyrnavirus)、セキウイルス属(Sequiviridae)、ブルネルウイルス属(Blunervirus)、シレウイルス属(Cilevirus)、ハイグレウイルス属(Higrevirus)、イダエオウイルス属(Idaeovirus)、ネゲウイルス属(Negevirus)、ウルミアウイルス属(Ourmiavirus)、ポレモウイルス属(Polemovirus)、シナイウイルス属(Sinaivirus)およびソベモウイルス属(Sobemovirus)からなる群より選択されるウイルス属に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、IV群RNAウイルスは、エンドウヒゲナガアブラムシウイルス、バストロウイルス(Bastrovirus)、ブラックフォード(Blackford)ウイルス、ブルーベリー壊死リングブロッチ(Blueberry necrotic ring blotch)ウイルス、カディシストロウイルス、シャジクモ(Chara australis)ウイルス、エクストラスモール(Extra small)ウイルス、ゴジベリークロロシス(Goji berry chlorosis)ウイルス、ヘペリウイルス(Hepelivirus)、ジンメンダニ(Jingmen tick)ウイルス、ルブラン(Le Blanc)ウイルス、ネディシストロウイルス(Nedicistrovirus)、タバコカスミカメ(Nesidiocoris tenuis)ウイルス1、ニフラウイルス(Niflavirus)、黄褐色クレイジーアント(Nylanderia fulva)ウイルス1、オルセー(Orsay)ウイルス、ホネクイハナムシ(Osedax japonicus) RNAウイルス1、ピカリウイルス(Picalivirus)、プラスモパラ・ハルステディイ(Plasmopara halstedii)ウイルス、白紋羽病菌(Rosellinia necatrix)フザリウイルス1、サントゥイユ(Santeuil)ウイルス、セカリウイルス(Secalivirus)、ヒアリ(Solenopsis invicta)ウイルス3、武漢(Wuhan)大型ブタ回虫ウイルスからなる群より選択される未分類の当種である。局面のいずれかのいくつかの態様において、IV群RNAウイルスは、サルトロウイルス科(Family Sarthroviridae)、アルベトウイルス属(Genus Albetovirus)、オウマイウイルス属(Genus Aumaivirus)、パパニウイルス属(Genus Papanivirus)、ヴィルトウイルス属(Genus Virtovirus)、および慢性ハチ麻痺ウイルスからなる群より選択されるサテライトウイルスである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RNAウイルスはV群(すなわち、マイナスセンスssRNA)ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、V群RNAウイルスは、ネガルナウイルス門(Negarnaviricota)、ハプロウイルス亜門(Haploviricotina)およびポリプロウイルス亜門(Polyploviricotina)からなる群より選択されるウイルス門または亜門に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、V群RNAウイルスは、チュンキュウビリセテス(Chunqiuviricetes)、エリオビリセテス(Ellioviricetes)、インストビリセテス(Insthoviricetes)、ミルネビリセテス(Milneviricetes)、モンジビリセテス(Monjiviricetes)およびユンチャンビリセテス(Yunchangviricetes)からなる群より選択されるウイルスクラスに属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、V群RNAウイルスは、アルティクラウイルス目(Articulavirales)、ブニヤウイルス目(Bunyavirales)、ゴウジアンウイルス目(Goujianvirales)、ジングチュウイルス目(Jingchuvirales)、モノネガウイルス目(Mononegavirales)、ムウイルス目(Muvirales)およびセルペントウイルス目(Serpentovirales)からなる群より選択されるウイルス目に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、V群RNAウイルスは、アムヌーンウイルス科(Amnoonviridae) (例えば、タアストラップ(Taastrup)ウイルス)、アレナウイルス科(Arenaviridae) (例えば、ラッサ(Lassa)ウイルス)、アスピウイルス科(Aspiviridae)、ボルナウイルス科(Bornaviridae) (例えば、ボルナ(Borna)病ウイルス)、チュウイルス科(Chuviridae)、クルリウイルス科(Cruliviridae)、フェラウイルス科(Feraviridae)、フィロウイルス科(Filoviridae) (例えば、エボラ(Ebola)ウイルス、マールブルグ(Marburg)ウイルス)、フィモウイルス科(Fimoviridae)、ハンタウイルス科(Hantaviridae)、ジョンウイルス科(Jonviridae)、ミモナウイルス科(Mymonaviridae)、ナイロウイルス科(Nairoviridae)、ニャミウイルス科(Nyamiviridae)、オルトミクソウイルス科(Orthomyxoviridae) (例えば、インフルエンザ(Influenza)ウイルス)、パラミクソウイルス科(Paramyxoviridae) (例えば、麻疹(Measles)ウイルス、ムンプス(Mumps)ウイルス、ニパ(Nipah)ウイルス、ヘンドラ(Hendra)ウイルスおよびNDV)、ペリブニヤウイルス科(Peribunyaviridae)、ファズマウイルス科(Phasmaviridae)、フェニュイウイルス科(Phenuiviridae)、ニューモウイルス科(Pneumoviridae) (例えば、RSVおよびメタニューモウイルス(Metapneumovirus))、キンウイルス科(Qinviridae)、ラブドウイルス科(Rhabdoviridae) (例えば、狂犬病(Rabies)ウイルス)、サンウイルス科(Sunviridae)、トスポウイルス科(Tospoviridae)、ならびにユエウイルス科(Yueviridae)からなる群より選択されるウイルス科に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、V群RNAウイルスは、アンフェウイルス属(Anphevirus)、アルリウイルス属(Arlivirus)、チェンチウイルス属(Chengtivirus)、クラスタウイルス属(Crustavirus)、ティラピネウイルス属(Tilapineviridae)、ワストリウイルス属(Wastrivirus)、およびデルタウイルス属(Deltavirus) (例えば、D型肝炎ウイルス)からなる群より選択されるウイルス属に属する。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RNAウイルスは、ウイルスによりコードされた逆転写酵素を含む、VI群RNAウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、VI群RNAウイルスは、ウイルス目・オルテルウイルス目(Ortervirales)に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、VI群RNAウイルスは、ベルパオウイルス科(Belpaoviridae)、カウリモウイルス科(Caulimoviridae)、メタウイルス科(Metaviridae)、シュードウイルス科(Pseudoviridae)、レトロウイルス科(Retroviridae) (例えば、レトロウイルス、例えばHIV)、オルトレトロウイルス科(Orthoretrovirinae)およびスプマレトロウイルス科(Spumaretrovirinae)からなる群より選択されるウイルスファミリーまたはサブファミリーに属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、VI群RNAウイルスは、アルファレトロウイルス(例えば、トリ白血病ウイルス; ラス肉腫ウイルス)、ベータレトロウイルス(例えば、マウス乳腺腫瘍ウイルス)、ボビスプマウイルス(例えば、ウシ泡沫状ウイルス)、デルタレトロウイルス(例えば、ウシ白血病ウイルス; ヒトTリンパ球向性ウイルス)、イプシロンレトロウイルス(例えば、ウォールアイ皮膚肉腫ウイルス)、エクイスプマウイルス(例えば、ウマ泡沫状ウイルス)、フェリスプマウイルス(例えば、ネコ泡沫状ウイルス)、ガンマレトロウイルス(例えば、マウス白血病ウイルス;ネコ白血病ウイルス)、レンチウイルス(例えば、ヒト免疫不全ウイルス1; サル免疫不全ウイルス; ネコ免疫不全ウイルス)、プロシミスプマウイルス(例えば、褐色オオガラゴ原猿泡沫状ウイルス(Brown greater galago prosimian foamy virus))、およびシミスプマウイルス(例えば、東部チンパンジーサル泡沫状ウイルス(Eastern chimpanzee simian foamy virus))からなる群より選択されるウイルス属に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、ウイルスは、レトロウイルスに酷似し、レトロウイルスに由来しうるゲノム中の内因性ウイルス要素である内因性レトロウイルス(ERV; 例えば、内因性レトロウイルスW群エンベロープメンバー1 (ERVWE1); HCP5 (HLA複合体P5); ヒト奇形がん腫由来ウイルス)である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、DNAゲノムを有するウイルス、すなわちDNAウイルスによって産生されるウイルスDNAまたはRNAを含む。非限定的な例として、DNAウイルスは、I群(dsDNA)ウイルス、II群(ssDNA)ウイルスまたはVII群(dsDNA-RT)ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAウイルスによって産生されるDNAは、DNAゲノムまたはその断片を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAウイルスによって産生されるRNAは、DNAゲノムのRNA転写物を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAウイルスはI群(すなわち、dsDNA)ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、I群dsDNAウイルスは、カウドウイルス目(Caudovirales); ヘルペスウイルス目(Herpesvirales); およびリガメンウイルス目(Ligamenvirales)からなる群より選択されるウイルス目に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、I群dsDNAウイルスは、アデノウイルス科(Adenoviridae) (例えば、アデノウイルス)、アロヘルペスウイルス科(Alloherpesviridae)、アンプラウイルス科(Ampullaviridae)、アスコウイルス科(Ascoviridae)、アスファルウイルス科(Asfarviridae) (例えば、アフリカ豚熱ウイルス)、バキュロウイルス科(Baculoviridae)、ビカウダウイルス科(Bicaudaviridae)、クラバウイルス科(Clavaviridae)、コルチコウイルス科(Corticoviridae)、フセロウイルス科(Fuselloviridae)、グロブロウイルス科(Globuloviridae)、グッタウイルス科(Guttaviridae)、ヘルペスウイルス科(Herpesviridae) (例えば、ヒトヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス)、ヒトロサウイルス科(Hytrosaviridae)、イリドウイルス科(Iridoviridae)、ラビダウイルス科(Lavidaviridae)、リポトリックスウイルス科(Lipothrixviridae)、マラコヘルペスウイルス科(Malacoherpesviridae)、マルセイユウイルス科(Marseilleviridae)、ミミウイルス科(Mimiviridae)、ミオウイルス科(Myoviridae) (例えば、腸内細菌ファージT4)、ニマウイルス科(Nimaviridae)、ヌディウイルス科(Nudiviridae)、パンドラウイルス科(Pandoraviridae)、パピローマウイルス科(Papillomaviridae)、フィコドナウイルス科(Phycodnaviridae)、プラズマウイルス科(Plasmaviridae)、ポドウイルス科(Podoviridae) (腸内細菌ファージT7)、ポリドナウイルス(Polydnaviruses)、ポリオーマウイルス科(Polyomaviridae) (例えば、サルウイルス40、JCウイルス、BKウイルス)、ポックスウイルス科(Poxviridae) (例えば、牛痘ウイルス、天然痘)、ルディウイルス科(Rudiviridae)、シホウイルス科(Siphoviridae) (例えば、腸内細菌ファージλ)、スファエロリポウイルス科(Sphaerolipoviridae)、テクチウイルス科(Tectiviridae)、トリストロマウイルス科(Tristromaviridae)およびツーリウイルス科(Turriviridae)からなる群より選択されるウイルス科に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、I群dsDNAウイルスは、ディノドナウイルス(Dinodnavirus)、リジディオウイルス(Rhizidiovirus)およびサルタープロウイルス(Salterprovirus)からなる群より選択されるウイルス属に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、I群dsDNAウイルスは、アワビ萎縮症候群関連ウイルス、セイヨウミツバチ(Apis mellifera)糸状ウイルス、バンディクート乳頭腫症がん腫症ウイルス(Bandicoot papillomatosis carcinomatosis virus)、セドラトウイルス、カウモエバウイルス、KIs-V、レンタイル(Lentille)ウイルス、レプトピリナ・ブーラルディ(Leptopilina boulardi)糸状ウイルス、メガウイルス、メタロスファエラ小塔状正二十面体ウイルス(Metallosphaera turreted icosahedral virus)、メタノサルシナ球状ウイルス(Methanosarcina spherical virus)、モリウイルス シベリカムウイルス(sibericum virus)、オルフェオウイルスIHUMI-LCC2、フェオシスティス・グロボサ(Phaeocystis globosa)ウイルス、およびピソウイルスからなる群より選択される未分類のウイルス種に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、I群dsDNAウイルスは、オーガニックレイク(Organic Lake)ヴィロファージ、エースレイクマウイルス(Ace Lake Mavirus)ヴィロファージ、ディシュイレイク(Dishui Lake)ヴィロファージ1、グアラニー(Guarani)ヴィロファージ、フェオシスティス・グロボサウイルスヴィロファージ、リオネグロ(Rio Negro)ヴィロファージ、スプートニック(Sputnik)ヴィロファージ2、イエローストーンレイク(Yellowstone Lake)ヴィロファージ1、イエローストーンレイクヴィロファージ2、イエローストーンレイクヴィロファージ3、イエローストーンレイクヴィロファージ4、イエローストーンレイクヴィロファージ5、イエローストーンレイクヴィロファージ6、イエローストーンレイクヴィロファージ7、およびザミロン(Zamilon)ヴィロファージ2からなる群より選択されるヴィロファージである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAウイルスはII群(すなわち、ssDNA)ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、II群ssDNAウイルスは、アネロウイルス科(Anelloviridae)、バシラドナウイルス科(Bacilladnaviridae)、ビドナウイルス科(Bidnaviridae)、サーコウイルス科(Circoviridae)、ジェミニウイルス科(Geminiviridae)、ジェノモウイルス科(Genomoviridae)、イノウイルス科(Inoviridae)、マイクロウイルス科(Microviridae)、ナノウイルス科(Nanoviridae)、パルボウイルス科(Parvoviridae)、スマコウイルス科(Smacoviridae)、およびスピラウイルス科(Spiraviridae)からなる群より選択されるウイルスファミリーに属する。
局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAウイルスはVII群(すなわち、dsDNA-RT)ウイルスである。局面のいずれかのいくつかの態様において、VII群dsDNA-RTウイルスは、オルテルウイルス(Ortervirales)目に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、VII群dsDNA-RTウイルスは、カウリモウイルス科またはヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae) (例えば、B型肝炎ウイルス)に属する。局面のいずれかのいくつかの態様において、VII群dsDNA-RTウイルスは、
バドナウイルス(Badnavirus)、カウリモウイルス(Caulimovirus)、カベモウイルス(Cavemovirus)、ペツウイルス(Petuvirus)、ロサドナウイルス(Rosadnavirus)、ソレンドウイルス(Solendovirus)、ソイモウイルス(Soymovirus)、ツングロウイルス(Tungrovirus)、アビヘパドナウイルス(Avihepadnavirus)およびオルソヘパドナウイルス(オルトヘパドナウイルス)からなる群より選択されるウイルス属に属する。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸はコロナウイルス由来である。コロナウイルスの学名は、オルトコロナウイルス亜科(Orthocoronavirinae)またはコロナウイルス亜科(Coronavirinae)である。コロナウイルスは、コロナウイルス科、ニドウイルス目、およびリボウィリア域(Riboviria)に属する。それらは、哺乳類に感染するアルファコロナウイルスおよびベータコロナウイルス、ならびに鳥類に主に感染するガンマコロナウイルスおよびデルタコロナウイルスに分けられる。アルファコロナウイルスの非限定的な例としては、ヒトコロナウイルス229E、ヒトコロナウイルスNL63、ユビナガコウモリコロナウイルス1、ユビナガコウモリコロナウイルスHKU8、ブタ流行性下痢ウイルス、リノロフスコウモリコロナウイルスHKU2、スコトフィラスコウモリコロナウイルス512、およびネコ感染性腹膜炎ウイルス(FIPV、ネコ感染性肝炎ウイルスともいわれる)が挙げられる。ベータコロナウイルスの非限定的な例としては、ベータコロナウイルス1 (例えば、ウシコロナウイルス、ヒトコロナウイルスOC43)、ヒトコロナウイルスHKU1、マウスコロナウイルス(マウス肝炎ウイルス(MHV)としても知られる)、アブラコウモリコロナウイルスHKU5、ルーセットコウモリコロナウイルスHKU9、重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス(例えば、SARS-CoV、SARS-CoV-2)、タイロニクテリスコウモリコロナウイルスHKU4、中東呼吸器症候群(MERS)関連コロナウイルス、およびヘッジホッグコロナウイルス1 (EriCoV)が挙げられる。ガンマコロナウイルスの非限定的な例としては、シロイルカコロナウイルスSW1、および感染性気管支炎ウイルスが挙げられる。デルタコロナウイルスの非限定的な例としては、ヒヨドリコロナウイルスHKU11、およびブタコロナウイルスHKU15が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス(SARS-CoV); 重症急性呼吸器症候群関連コロナウイルス2 (SARS-CoV-2); 中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV); HCoV-NL63; およびHCoV-HKu1からなる群より選択されるコロナウイルス由来である。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、2019年のコロナウイルス病(COVID19または単にCOVID)を引き起こす重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2 (SARS-CoV-2)由来である。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SARSを引き起こす重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)由来である。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、MERSを引き起こす中東呼吸器症候群関連コロナウイルス(MERS-CoV)由来である。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、任意の既知のRNAまたはDNAウイルス由来である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、少なくとも1つのウイルスRNAは、SARS-CoV-2 RNAである。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離体SARS-CoV-2の少なくとも一部分を含む(例えば、完全ゲノム、SARS-CoV-2 Jan. 2020/NC_045512.2 Assembly (wuhCor1)を参照のこと)。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、N遺伝子、S遺伝子、またはORF1ab遺伝子などの、SARS-CoV-2由来の任意の遺伝子を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 1 (重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離体SARS-CoV-2、N遺伝子)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 2 (重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離体SARS-CoV-2、S遺伝子)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 3 (重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離体SARS-CoV-2、ORF1ab遺伝子)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 58 (重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離体SARS-CoV-2、E遺伝子)を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 1~3もしくは58のうちの1つ、またはSEQ ID NO: 1~3もしくは58のうちの1つの同じ機能もしくはコドン最適化されたバージョンを維持するSEQ ID NO: 1~3もしくは58のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 1~3もしくは58のうちの1つを含むか、または同じ機能を維持するSEQ ID NO: 1~3もしくは58のうちの1つと少なくとも95%同一である核酸配列を含む。
いくつかの態様において、標的核酸は、SEQ ID NO: 1~4、20、58のうちの1つ、またはその同じ機能もしくは機能的断片を維持するSEQ ID NO: 1~4、20もしくは58のうちの1つと少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、もしくは少なくとも99%同一である核酸配列を含む。
SEQ ID NO: 1、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株Wuhan-Hu-1、Nヌクレオキャプシドリンタンパク質、遺伝子ID: 43740575、1260 bp ss-RNA、NC_045512 REGION: 28274~29533
SEQ ID NO: 2、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株Wuhan-Hu-1、S表面糖タンパク質、遺伝子ID: 43740568、3822 bp ss-RNA、NC_045512 REGION: 21563~25384
SEQ ID NO: 3、ORF1abポリタンパク質、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株Wuhan-Hu-1、NCBI参照配列: NC_045512.2 region: 266~21555、21290 nt
SEQ ID NO: 58、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2分離株Wuhan-Hu-1、Eエンベロープタンパク質、遺伝子ID: 43740570、228 bp ss-RNA、NC_045512 領域26245~26472
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は合成配列である。局面のいずれかのいくつかの態様において、合成配列は標準塩基を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、合成配列(例えば、合成標的核酸および/または一方もしくは両方のプライマー)は、非標準塩基を含む。核酸は、核酸塩基(当技術分野において単に「塩基」といわれることが多い)修飾または置換を含むこともできる。
本明細書において用いられる場合、「非修飾」または「天然」または「標準」核酸塩基は、プリン塩基のアデニン(A)およびグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)を含む。修飾核酸塩基または非標準核酸塩基は、イノシン、イソシトシン、イソグアニン、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、アデニンおよびグアニンの6-メチルおよび他のアルキル誘導体、アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよび他のアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン、5-ハロウラシルおよびシトシン、5-プロピニルウラシルおよびシトシン、6-アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5-ウラシル(偽ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよび(anal)他の8-置換アデニンおよびグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチルおよび他の5-置換ウラシルおよびシトシン、7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン、8-アザグアニンおよび8-アザアデニン、7-デアザグアニンおよび7-デアザアデニン(7-daazaadenine)および3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンを含むが、これらに限定されない、他の合成核酸塩基および天然核酸塩基を含むことができる。これらの核酸塩基のうちのあるものは、本発明において特徴とされる阻害性核酸の結合親和性を高めるのに特に有用である。これらは、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、ならびに2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシルおよび5-プロピニルシトシンを含む、N-2、N-6および0-6置換プリンを含む。5-メチルシトシン置換は、0.6~1.2℃核酸二重鎖安定性を高めることが示されており(Sanghvi, Y. S., Crooke, S. T. and Lebleu, B., Eds., dsRNA Research and Applications, CRC Press, Boca Raton, 1993, pp. 276-278)、より具体的には2'-O-メトキシエチル糖修飾と組み合わせた場合の、例示的な塩基置換である。局面のいずれかのいくつかの態様において、修飾核酸塩基には、塩基対として別々にまたは一緒に使用できる非天然核酸塩基の非限定的な例である d5SICS および dNAM を含めることができる(例えば、Leconte et. al. J. Am. Chem. Soc.2008, 130, 7, 2336-2343; Malyshev et. al. PNAS. 2012. 109 (30) 12005-12010を参照のこと)。局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸は、当技術分野において公知の任意の修飾核酸塩基、すなわち、非修飾および/または天然の核酸塩基から修飾される任意の核酸塩基を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、左巻きDNA、右巻きDNA、RNA、(例えば、DNAおよびRNAの)キメラ、または別の核酸構造である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、抗体、タンパク質、脂質、表面、または他の基材に共有結合的または非共有結合的に付着している。基材の非限定的な例としては、ラテラルフローストリップ; 核酸足場; タンパク質足場; 脂質足場; デンドリマー; 微粒子; マイクロビーズ; 磁性マイクロビーズ; 常磁性マイクロビーズ; 医療器具(例えば、注射針もしくはカテーテル)または医療用インプラント; マイクロタイタープレート; 微多孔膜; マイクロチップ; 中空糸; 中空糸リアクタもしくはカートリッジ; 液体ろ過膜; 液体ろ過装置; 膜; 診断ストリップ; ディップスティック; 体外装置; 混合要素(例えば、スパイラルミキサー); 顕微鏡用スライド; フロー装置; マイクロ流体装置; 生細胞; 生体組織もしくは器官の細胞外マトリックス; またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。固体基材は、金属、金属合金、重合体、プラスチックを含むが、これらに限定されない、任意の材料で作られうる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、そのような基材から前に切断されている。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸の配列は、標的核酸が付着している基材(例えば、タンパク質)の同一性を表すか、コード化するか、または指定する。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸の配列は、それが複合体を形成している別の要素の同一性を表すか、コード化するか、または指定する(例えば、標的核酸が付着している抗体の抗原を指定する)。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸の少なくとも1つの鎖は、当技術分野において公知の核酸修飾を含む。非限定的な例として、二本鎖標的核酸の非標的鎖(すなわち、本明細書において記載されるプローブによって結合されない鎖)は、核酸修飾を含む(例えば、図54A~54C参照)。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸の少なくとも1つの鎖は、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。修飾ヌクレオチド間結合、修飾核酸塩基、修飾糖、およびそれらの任意の組み合わせなどの、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、当技術分野において公知である。例示的な修飾としては、1、2、3、4、5、6、またはそれ以上の修飾ヌクレオチド間結合、例えば、ホスホロチオエート; 逆位ヌクレオシドもしくは5'→5'ヌクレオチド間結合; 3'→3'ヌクレオチド間結合; 2'-OHもしくは2'-修飾ヌクレオシド; 5'-修飾ヌクレオチド; 2'→5'結合; 脱塩基ヌクレオシド; 非環状ヌクレオシド; 非標準核酸塩基を有するヌクレオチド; 5'-OH基の置換; またはそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されることはない。
5'→3'切断活性を阻害することができる修飾は、標的核酸中のどこにでも存在することができる。例えば、それは5'-末端の位置に、内部の位置に、または5'-末端内の位置に、例えば、5'-末端から1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、または15位以内の位置内にすることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸修飾は標的核酸の5'-末端に位置する。局面のいずれかのいくつかの態様において、修飾はホスホロチオエート塩基、スペーサー修飾、2'-O-メチルRNA、5'逆位ジデオキシ-dT塩基、および/または2'フルオロ塩基である。
標的核酸の安定性を向上させるために、さまざまな修正および変形を行うことができると当業者には明らかであろう。
サンプル調製
本明細書において記載されるのは、サンプルからの標的核酸の検出を可能にする方法、キット、およびシステムである。本明細書において用いられる「サンプル」または「試験サンプル」という用語は、試験の必要のある生物体、例えば、対象から採取または単離されたサンプルを表す。局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される技術は、痰サンプル、咽頭サンプルまたは鼻サンプルを含むがこれらに限定されない、生体サンプルのいくつかの例を包含する。局面のいずれかのいくつかの態様において、生体サンプルは細胞、または組織、または末梢血、または体液である。例示的な生体サンプルとしては、生検、腫瘍サンプル、生物流体サンプル; 血液; 血清; 血漿; 尿; 精液; 粘液; 組織生検; 器官生検; 滑液; 胆汁; 脳脊髄液; 粘膜分泌物; 浸出液; 汗; 唾液; および/または組織サンプルなどが挙げられるが、これらに限定されることはない。この用語は、上記のサンプルの混合物も含む。「試験サンプル」という用語は、未処理または前処理(もしくは前加工処理)された生体サンプルも含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、試験サンプルは対象からの細胞を含むことができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルはウイルス輸送用培地(VTM)などの、輸送用培地と接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、輸送用培地は、サンプル採取の時点と標的核酸の検出との間で標的核酸を保存する。適切なウイルス輸送用培地の構成要素は、保護タンパク質、微生物汚染を制御するための抗生物質、およびpHを制御するための1つまたは複数の緩衝液を含有する等張溶液を提供するように設計される。しかしながら、等張性は絶対的な要件ではない; 非常に奏功している輸送用培地の中には、スクロースの高張溶液を含有しているものもある。液体輸送用培地は、主にスワブまたは採取スワブから培地中に放出された物質を輸送するために使用される。ウイルス病原体の不活性化の可能性が高く、結果として得られる希釈が許容できる場合は、液体培地が他の検体に添加されうる。ヒト患者の咽頭および鼻腔スワブの採取に用いるのに適したVTMは、以下のように調製される: (1) 仔牛輸液ブロス10 gと牛アルブミン画分V 2 gを滅菌蒸留水に加える(400 mlに); (2) ゲンタマイシン硫酸溶液(50 mg/ml) 0.8 mlとアンホテリシンB (250 μg/ml) 3.2 mlを加える; および(3) ろ過によって滅菌する。ウイルス輸送用培地のさらなる非限定的な例としては、COPANユニバーサル輸送用培地(Universal Transport Medium); イーグル最小必須培地(Eagle Minimum Essential Medium; E-MEM); 輸送用培地199 (Transport medium 199); およびPBS-グリセロール輸送用培地が挙げられる。例えば、Johnson, Transport of Viral Specimens, CLINICAL MICROBIOLOGY REVIEWS, Apr. 1990, p. 120-131; Collecting, preserving and shipping specimens for the diagnosis of avian influenza A(H5N1) virus infection, Guide for field operations, October 2006を参照されたい。局面のいずれかのいくつかの態様において、ウイルス輸送用培地は、本明細書において記載される方法(消化-LAMPおよび/またはssRPA)を阻害しない。
局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸はサンプルから単離される。局面のいずれかのいくつかの態様において、RNA単離は、標準的なRNA抽出方法またはキットを用いて実施することができる。標準的なRNA抽出方法の非限定的な例としては、(1) フェノール-グアニジンイソチオシアネート(GITC)に基づく溶液(例えば、TRIZOLおよびTRI試薬)などの、有機抽出; (2) シリカ膜に基づくスピンカラム技術(例えば、RNeasyおよびその変種); (3) 常磁性粒子技術(例えば、DYNABEADS mRNA DIRECT MICRO); (4) 塩化セシウムまたはトリフルオロ酢酸セシウムを用いる密度勾配遠心分離; (5) 塩化リチウムおよび尿素分離; (6) オリゴ(dt)-セルロースカラムクロマトグラフィー; ならびに(7) 非カラムポリ(A)+精製/単離が挙げられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、DNA単離は、標準的なDNA抽出方法またはキットを用いて実施することができる。標準的なDNA抽出方法の非限定的な例としては、有機抽出、CHELEX 100抽出および固相抽出が挙げられる。
標的核酸分子は、当技術分野において公知のいくつかの手順のいずれかを用いて特定の生体サンプルから単離することができ、選択される特定の単離手順は、特定の生体サンプルに適切である。例えば、凍結融解およびアルカリ溶解手順は、固体材料から核酸分子を得るのに有用でありうる(Roiff, A et al. PCR: Clinical Diagnostics and Research, Springer (1994))。
局面のいずれかのいくつかの態様において、試験サンプルは未処理の試験サンプルであることができる。本明細書において用いられる場合、「未処理の試験サンプル」という語句は、溶液中での希釈および/または懸濁を除いて、いかなる事前のサンプル前処理も有していない試験サンプルをいう。試験サンプルを処理するための例示的な方法は、遠心分離、ろ過、超音波処理、ホモジナイゼーション、加熱、凍結および融解、ならびにそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されることはない。局面のいずれかのいくつかの態様において、試験サンプルは、凍結試験サンプルであることができる。凍結サンプルは、本明細書において記載される方法、アッセイ、およびシステムを用いる前に融解することができる。融解後、凍結サンプルは、本明細書において記載される方法、アッセイおよびシステムに供される前に遠心分離することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、試験サンプルは、例えば、遠心分離および清澄化試験サンプルを含む上清の収集による、清澄化試験サンプルである。局面のいずれかのいくつかの態様において、試験サンプルは、前処理された試験サンプル、例えば、遠心分離、ホモジナイゼーション、超音波処理、ろ過、融解、精製、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される処理から生じる上清またはろ液であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、試験サンプルは、化学的および/または生物学的試薬で処理することができる。化学的および/または生物学的試薬は、例えば、処理中に、サンプル中の生体分子(例えば、核酸およびタンパク質)を含むサンプルの安定性を保護および/または維持するために用いることができる。当業者は、本明細書において記載される核酸の検出に必要な生体サンプルの前処理に適切な方法およびプロセスを熟知している。
逆転写
標的核酸がRNAである態様において、標的RNAは、後に増幅され検出される相補的DNA (cDNA)に逆転写されることができる。したがって、本明細書において記載される方法は、サンプルを逆転写酵素およびプライマーのセットと接触させる段階をさらに含むことができる。本明細書において記載される方法は、標的RNAを増幅の前に逆転写する段階、およびプローブとハイブリダイズさせる段階をさらに含むことができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写段階および増幅段階は、同じ反応において同時に実施される。
「逆転写酵素」(RT)という用語は、RNA鋳型から相補的DNA (cDNA)を生成するために用いられるRNA依存性DNAポリメラーゼをいう。局面のいずれかのいくつかの態様において、cDNAは一本鎖DNA (ssDNA)または二本鎖DNA (dsDNA)である。逆転写酵素は、レトロウイルスがそのゲノムを複製するために用いられ、レトロトランスポゾン移動性遺伝要素が宿主ゲノム内で増殖するために用いられ、真核細胞がその線状染色体の末端でテロメアを伸長するために用いられ、およびdsDNA-RTウイルスである、ヘパドナウイルス科(Hepadnaviridae)のメンバーB型肝炎ウイルスなどの、いくつかの非レトロウイルスにより用いられる。逆転写酵素は、細菌においてマルチコピー一本鎖DNA (msDNA)と呼ばれる染色体外DNA/RNAキメラ要素の合成にも使用される。レトロウイルスRTは、3つの連続した生化学的活性、つまりRNA依存性DNAポリメラーゼ活性、リボヌクレアーゼH (RNAse H)活性および/またはDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する。全体として、これらの活性により、酵素は一本鎖RNAを二本鎖cDNAに変換することが可能になる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、RNA転写物からcDNAを産生することができる任意の酵素であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、ヒト免疫不全ウイルス1型由来のHIV-1逆転写酵素を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MuLV、M-MLVまたはMMLVといわれる)由来のM-MuLV逆転写酵素を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AVM)由来のAMV逆転写酵素を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、真核生物の染色体のテロメアを維持するテロメラーゼ逆転写酵素を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、任意のVI群またはVII群ウイルスによって発現されるものから選択される。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、M-MLV RT、AMV RT、レトロトランスポゾンRT、テロメラーゼ逆転写酵素、およびHIV-1逆転写酵素からなる群より選択される天然RTである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、本明細書において記載されるM-MuLV RT、AMV RT、または別の天然RTの操作型または組換え型である。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素はProtoScript (登録商標) II逆転写酵素であり、これは本明細書においてProtoScript (登録商標) II RTまたはプロトスクリプターゼ(Protoscriptase) IIともいわれる。ProtoScript (登録商標) II RTは、組換えモロニーマウス白血病ウイルス(M-MuLV)逆転写酵素、例えば、大腸菌trpE遺伝子とM-MuLV pol遺伝子の中央領域との融合体である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、Maxima(登録商標) RT、Omniscript(登録商標) RT、PowerScript(登録商標) RT、Sensiscript(登録商標) RT (SES)、SuperScript(登録商標) II (SSIIまたはSS2)、SuperScript(登録商標) III (SSIIIまたはSS3)、SuperScript(登録商標) IV (SSIV)、Accuscript(登録商標) RT (ACC)、組換えHIV RT、imProm-II(登録商標) (IP2) RT、M-MLV RT (MML)、Protoscript(登録商標) RT (PRS)、Smart MMLV (SML) RT、ThermoScript(登録商標) (TSR) RTからなる群より選択される(例えば、Levesque-Sergerie et al., BMC Molecular Biology volume 8, Article number: 93 (2007); Okello et al., PLoS One. 2010 Nov 10;5(11):e13931を参照のこと)。MMLVに由来するRTの非限定的な例としては、PowerScript(登録商標)、ACC、MML、SML、SS2およびSS3が挙げられる。AMVに由来するRTの非限定的な例としては、PRSおよびTSRが挙げられる。独自の供給源由来のRTの非限定的な例としては、IP2、SES、Omniscript(登録商標)が挙げられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、野生型RTと比較して増加した熱安定性(例えば、48℃まで)を示す。
本明細書において用いられる場合、逆転写酵素(例えば、ProtoScript(登録商標) II RT)の1単位(「U」)は、鋳型としてポリ(rA)・オリゴ(dT)18を用い37℃で10分、50μlの総反応容量中の酸不溶性物質に1 nmolのdTTPを取り込む酵素の量と定義される。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、少なくとも1 U/μL、少なくとも2 U/μL、少なくとも3 U/μL、少なくとも4 U/μL、少なくとも5 U/μL、少なくとも6 U/μL、少なくとも7 U/μL、少なくとも8 U/μL、少なくとも9 U/μL、少なくとも10 U/μL、少なくとも20 U/μL、少なくとも30 U/μL、少なくとも40 U/μL、少なくとも50 U/μL、少なくとも60 U/μL、少なくとも70 U/μL、少なくとも80 U/μL、少なくとも90 U/μL、少なくとも100 U/μL、少なくとも110 U/μL、少なくとも120 U/μL、少なくとも130 U/μL、少なくとも140 U/μL、少なくとも150 U/μL、少なくとも160 U/μL、少なくとも170 U/μL、少なくとも180 U/μL、少なくとも190 U/μL、少なくとも200 U/μL、少なくとも210 U/μL、少なくとも220 U/μL、少なくとも230 U/μL、少なくとも240 U/μL、少なくとも250 U/μL、少なくとも260 U/μL、少なくとも270 U/μL、少なくとも280 U/μL、少なくとも290 U/μL、少なくとも300 U/μL、少なくとも310 U/μL、少なくとも320 U/μL、少なくとも330 U/μL、少なくとも340 U/μL、少なくとも350 U/μL、少なくとも360 U/μL、少なくとも370 U/μL、少なくとも380 U/μL、少なくとも390 U/μL、少なくとも400 U/μL、少なくとも410 U/μL、少なくとも420 U/μL、少なくとも430 U/μL、少なくとも440 U/μL、少なくとも450 U/μL、少なくとも460 U/μL、少なくとも470 U/μL、少なくとも480 U/μL、少なくとも490 U/μL、または少なくとも500 U/μLの濃度で提供される。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、20 U/μLの濃度で提供される。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、200 U/μLの濃度で提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、サンプルは、第1のプライマーセットと接触される。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーセットは、サンプル中の標的RNAおよび非標的RNAに結合するプライマー、すなわち「一般」プライマーを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーセットは、ランダムヘキサマー、すなわち、全ての可能なヘキサマー配列に相当するオリゴヌクレオチドの混合物を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーセットは、mRNAまたはウイルス転写物のポリA尾部に結合するオリゴ(dT)プライマーを含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーセットは、標的RNAに特異的である。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーセットは、第2のプライマーセット(例えば、増幅段階において用いられる)のリバースプライマーを含む。ワンポット反応を含む態様において、第1のプライマーセットは、第2のプライマーセットを含むことができ、または第2のプライマーセットは、第1のプライマーセットを含むことができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、標的RNAが一本鎖cDNAに逆転写される、1ラウンドの重合を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写段階は、サンプルを逆転写酵素、第1のプライマーセット、および以下のうちの少なくとも1つと接触させる段階を含む: 反応緩衝液、水、酢酸マグネシウム(もしくは塩化マグネシウムなどの別のマグネシウム化合物) dNTP、DTT、および/またはRNase阻害剤。局面のいずれかのいくつかの態様において、反応緩衝液は、反応を特定の最適pH (例えば、8.1)に維持し、Tris(pH8.1)、KCl、MgCl2、および他の緩衝液または塩のような構成要素を含むことができる。マグネシウムイオン(Mg2+)はポリメラーゼの補因子として機能し、ポリメラーゼの活性を高めることができる。デオキシヌクレオシド三リン酸(dNTP)は、cDNAの重合において用いられる糖としてデオキシリボースを含む遊離ヌクレオシド三リン酸(例えば、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)である。ジチオスレイトール(DTT)は、遊離スルフヒドリル基を保有するタンパク質(例えば、RT)を安定化させるために用いられる酸化還元試薬である。局面のいずれかのいくつかの態様において、RNase阻害剤は、ssRNAまたはdsRNAを特異的に切断するRNase A、BおよびCを特異的に阻害する。RNase AおよびRNase Bは、CおよびU残基の位置で一本鎖RNAを特異的に分解するエンドリボヌクレアーゼである。RNase CはdsRNAを認識し、それらを特定の標的位置で切断して、それらを成熟RNAに変換する。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、12℃~45℃で実施される。非限定的な例として、RT段階は、少なくとも12℃、少なくとも13℃、少なくとも14℃、少なくとも15℃、少なくとも16℃、少なくとも17℃、少なくとも18℃、少なくとも19℃、少なくとも20℃、少なくとも21℃、少なくとも22℃、少なくとも23℃、少なくとも24℃、少なくとも25℃、少なくとも26℃、少なくとも27℃、少なくとも28℃、少なくとも29℃、少なくとも30℃、少なくとも31℃、少なくとも32℃、少なくとも33℃、少なくとも34℃、少なくとも35℃、少なくとも36℃、少なくとも37℃、少なくとも38℃、少なくとも39℃、少なくとも40℃、少なくとも41℃、少なくとも42℃、少なくとも43℃、少なくとも44℃、少なくとも45℃の温度で実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、多くとも12℃、多くとも13℃、多くとも14℃、多くとも15℃、多くとも16℃、多くとも17℃、多くとも18℃、多くとも19℃、多くとも20℃、多くとも21℃、多くとも22℃、多くとも23℃、多くとも24℃、多くとも25℃、多くとも26℃、多くとも27℃、多くとも28℃、多くとも29℃、多くとも30℃、多くとも31℃、多くとも32℃、多くとも33℃、多くとも34℃、多くとも35℃、多くとも36℃、多くとも37℃、多くとも38℃、多くとも39℃、多くとも40℃、多くとも41℃、多くとも42℃、多くとも43℃、多くとも44℃、多くとも45℃の温度で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、室温(例えば、20℃~22℃)で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、体温(例えば、37℃)で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、およそ42℃に設定されたヒートブロック上で実施される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、多くとも1分で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、多くとも5分で実施される。局面のいずれかのいくつかの態様において、RT段階は、多くとも20分で実施される。非限定的な例として、RT段階は、多くとも1分、2分、3分、4分、5分、多くとも6分、多くとも7分、多くとも8分、多くとも9分、多くとも10分、多くとも15分、多くとも20分、多くとも25分、多くとも30分、多くとも40分、多くとも50分、多くとも60分、多くとも70分、多くとも80分、多くとも90分、または多くとも100分で実施される。
組成物
別の局面において、本明細書において提供されるのは、標的核酸を検出するのに有用な組成物である。組成物は、本明細書において論じられる試薬のいずれかを含みうる。1つの局面において、組成物は、(a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; (b) 標的核酸を増幅するためのプライマーセット; および(c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブを含む。いくつかの態様において、増幅はLAMPであり、かつプライマーセットは、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む。いくつかの態様において、プライマーセットは、フォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、クエンチャー分子をさらに含む。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされない場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされた場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。いくつかの態様において、核酸プローブは、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、複数のレポーター分子を含む。いくつかの態様において、複数のレポーター分子の中の少なくとも2つのレポーター分子が異なる。いくつかの態様において、核酸プローブは、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの前記核酸修飾を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、標的核酸の増幅において用いられるプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、標的核酸の増幅において用いられるプライマーと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、アンプリコンの内部位置のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、ここで第1の鎖は、第2の鎖中の領域に実質的に相補的である領域を含む。いくつかの態様において、第1および第2の鎖は、互いに連結されている。いくつかの態様において、核酸プローブは、相補的核酸にハイブリダイズされた場合に、ヘアピン構造を形成する。
いくつかの態様において、組成物は、参照核酸または対照核酸をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、標的核酸をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、標的核酸から二本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、標的核酸から産生された二本鎖アンプリコンをさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、標的核酸から産生された一本鎖アンプリコンをさらに含む。
1つの局面において、組成物は、以下の1つまたは複数を含む: (i) エキソヌクレアーゼ; (ii) ポリメラーゼ; (iii) リコンビナーゼ; (iv) 一本鎖結合タンパク質; (v) 増幅用の第1のプライマーおよび任意で第2のプライマー; (vi) 核酸増幅用の1つまたは複数の試薬; ならびに(vii) 増幅された核酸。組成物は、上記の構成要素のいずれか1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または全7つを含むことができることに留意されたい。1つの局面において、組成物は、(i) エキソヌクレアーゼ; (ii) ポリメラーゼ; (iii) 増幅用の第1のプライマーおよび任意で第2のプライマー; (iv) 核酸増幅用の1つまたは複数の試薬; ならびに(v) 増幅された核酸を含む。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を増幅するための第1のプライマーおよび第2のプライマーを含む組成物である。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーは、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2のプライマーは、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を含む。したがって、1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を増幅するための第1のプライマーおよび第2のプライマーを含む組成物であって、第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み、第2のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を任意で含んでいてもよい、組成物である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、第1のプライマーは、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第2のプライマーは、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1および第2のプライマーは独立して、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み、これは同じまたは異なる核酸修飾であることができる。1つの局面において、本明細書において記載されるのは、標的核酸を増幅するための第1のプライマーおよび第2のプライマーを含む組成物であって、第1のプライマーおよび第2のプライマーの各々が、独立して、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む、組成物である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、(例えば、第1および/または第2のプライマーの) 5'末端に存在する。局面のいずれかのいくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、(例えば、第1および/または第2のプライマーの) 3'末端に存在する。局面のいずれかのいくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、(例えば、第1および/または第2のプライマーの) 5'末端および3'末端に存在し、これは同じまたは異なる核酸修飾であることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾は、(例えば、第1および/または第2のプライマーの)内部位置に存在する。そのような核酸修飾の非限定的な例は、本明細書においてさらに記載されている。
局面のいずれかのいくつかの態様において、組成物は、核酸増幅のための1つまたは複数の試薬をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、dNTPをさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、緩衝液をさらに含む。いくつかの態様において、組成物は、凍結乾燥形態である。いくつかの態様において、組成物は、以下のうちの少なくとも1つをさらに含む: 逆転写酵素、反応緩衝液、希釈剤、水、マグネシウム塩(例えば酢酸マグネシウムもしくは塩化マグネシウム) dNTP、還元剤(例えばDTT)、および/またはRNase阻害剤。
局面のいずれかのいくつかの態様において、組成物は、5'→3'エキソヌクレアーゼをさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、エキソヌクレアーゼは、本明細書においてさらに記載されるように、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、またはそれらの任意の組み合わせである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、組成物は、増幅のための標的核酸をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、参照核酸(例えば、既知の核酸配列などの陽性対照)である。局面のいずれかのいくつかの態様において、標的核酸は、ウイルスRNAまたはウイルスDNAなどの、本明細書においてさらに記載される標的核酸である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、組成物は、標的核酸の増幅によって産生されたアンプリコンをさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは二本鎖である。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは、一端に5'一本鎖突出部を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは、両端に5'一本鎖突出部を含む。そのような5'一本鎖突出部は、本明細書においてさらに記載される方法(例えば、ストッパに基づくプライミング、消化に基づくトーホールド露出)を用いて産生することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、アンプリコンは一本鎖である。そのような一本鎖アンプリコンは、本明細書においてさらに記載される方法(例えば、5'→3'エキソヌクレアーゼ消化、非対称増幅)を用いて産生することができる。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) 検出可能な標識を含む第1の核酸鎖; および(b) リガンド結合分子に対するリガンドを含む第2の核酸プローブを含む二本鎖核酸である。局面のいずれかのいくつかの態様において、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖は、互いに実質的に相補的である。したがって、1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) 検出可能な標識を含む第1の核酸鎖; および(b) リガンド結合分子に対するリガンドを含む第2の核酸プローブを含み、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖が互いに実質的に相補的である、二本鎖核酸である。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識を含む第1の核酸鎖は、本明細書において記載される方法を用いて産生される。そのような検出可能な標識およびリガンドの非限定的な例は、本明細書においてさらに記載されている。1つの局面において、本明細書において記載されるのは、本明細書において記載される二本鎖核酸を含む組成物である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、組成物は、リガンドと結合することができるリガンド結合分子をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンド結合分子は、抗体である。局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンド結合分子は、リガンドに特異的に結合する抗体であり、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される。局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンドはビオチンであり、リガンド結合分子はアビジンまたはストレプトアビジンである。局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載されるリガンドは、リガンド結合分子として用いられ、本明細書において記載されるリガンド結合分子は、リガンドとして用いられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンドおよびリガンド結合分子は、親和性対のメンバーである。局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンドおよびリガンド結合分子は、以下からなる群から選択される、親和性対のメンバーである: 対応する抗体またはその結合部分もしくは断片と組み合わせたハプテン性または抗原性化合物; ジゴキシゲニンおよび抗ジゴキシゲニン; マウス免疫グロブリンおよびヤギ抗マウス免疫グロブリン; 非免疫学的結合対; ビオチンおよびアビジン; ビオチンおよびストレプトアビジン; ホルモンおよびホルモン結合タンパク質; チロキシンおよびコルチゾール-ホルモン結合タンパク質; 受容体および受容体アゴニスト; 受容体および受容体アンタゴニスト; アセチルコリン受容体およびアセチルコリンまたはその類似体; IgGおよびプロテインA; レクチンおよび糖質; 酵素および酵素補因子; 酵素および酵素阻害剤; 核酸二重鎖を形成することができる相補的オリゴヌクレオチド対; ならびに負に帯電した第1の分子および正に帯電した第2の分子。
局面のいずれかのいくつかの態様において、リガンド結合分子は、さまざまな基材の表面に固定化またはコンジュゲートすることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される組成物は、そのような基材をさらに含む。したがって、本明細書において提供されるさらなる局面は、基材がその表面上に、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも25個、少なくとも50個、少なくとも100個、少なくとも250個、少なくとも500個またはそれ以上のリガンド結合分子を含めて、少なくとも1個のリガンド結合分子を含む、基材および本明細書において記載される少なくとも1個のリガンド結合分子を含む、本明細書において記載される標的核酸のアンプリコンを標的にするかまたはそれに結合するための「核酸検出基材」または製品である。いくつかの態様において、基材は、本明細書において記載されるコンジュゲーション方法のいずれかまたはいずれかの他の技術的に認識された方法を用いて、本明細書において記載される少なくとも1つのリガンド結合分子でコンジュゲートまたはコーティングすることができる。
固体基材は、多種多様な材料からおよび種々の形式で作製することができる。例えば、固体基材は、ビーズ(重合体マイクロビーズ、磁気マイクロビーズなどを含む)、フィルタ、繊維、スクリーン、メッシュ、チューブ、中空糸、足場、プレート、チャネル、アッセイ形式において通常用いられる他の基材、およびそれらの任意の組み合わせの形態で用いることができる。基材の非限定的な例としては、ラテラルフローストリップ; 核酸足場; タンパク質足場; 脂質足場; デンドリマー; 微粒子; マイクロビーズ; 磁性マイクロビーズ; 常磁性マイクロビーズ; 医療器具(例えば、注射針もしくはカテーテル)または医療用インプラント; マイクロタイタープレート; 微多孔膜; マイクロチップ; 中空糸; 中空糸リアクタもしくはカートリッジ; 液体ろ過膜; 液体ろ過装置; 膜; 診断ストリップ; ディップスティック; 体外装置; 混合要素(例えば、スパイラルミキサー); 顕微鏡用スライド; フロー装置; マイクロ流体装置; 生細胞; 生体組織もしくは器官の細胞外マトリックス; またはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。固体基材は、金属、金属合金、重合体、プラスチック、紙、ガラス、織物、包装材料、細胞、組織、ヒドロゲル、タンパク質、ペプチド、核酸などの生体材料、およびそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の材料で作製することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、組成物は、検出可能な標識を検出するための手段をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識を検出するための手段は、ラテラルフロー検出を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識を検出するための手段は、LFIAを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出可能な標識を検出するための手段は、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 特異的高感度酵素レポーターアンロッキング(SHERLOCK); DNAエンドヌクレアーゼ標的CRISPRトランスレポーター(DETECTR); 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)から選択される検出方法を含む。
いくつかの態様において、組成物の1つまたは複数の構成要素が、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置される。いくつかの態様において、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段は、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される。いくつかの態様において、装置は、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載される組成物は、キットの形態である。
キット
本明細書において記載される技術の別の局面は、標的核酸を検出するためのキットに関する。本明細書において記載されるのは、本明細書において記載されるキットの1つまたは複数に含まれうるキット構成要素である。キットは、本明細書において提供される組成物のいずれか、ならびにそのための包装および材料を含むことができる。
1つの局面において、キットは、a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; b) 標的核酸を増幅するためのプライマーセット; およびc) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブを含む。いくつかの態様において、増幅はLAMPであり、かつプライマーセットは、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む。いくつかの態様において、プライマーセットは、フォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む。いくつかの態様において、キット中の核酸プローブは、SEQ ID NO: 51~55から選択される。
別の局面において、キットは、(a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; (b) LAMPによって標的核酸を増幅するためのプライマーセットであって、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、プライマーセット; ならびに(c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブを含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、クエンチャー分子をさらに含む。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされない場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。いくつかの態様において、クエンチャー分子は、核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされた場合に、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする。いくつかの態様において、核酸プローブは、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブは、複数のレポーター分子を含む。いくつかの態様において、複数のレポーター分子の中の少なくとも2つのレポーター分子が異なる。いくつかの態様において、核酸プローブは、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの核酸修飾を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、プライマーセット中のプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、プライマーセット中のプライマーと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む。いくつかの態様において、核酸プローブは、プライマーセットを用いて調製されたアンプリコンの内部位置のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、ここで第1の鎖は、第2の鎖中の領域に実質的に相補的である領域を含む。いくつかの態様において、第1および第2の鎖は、互いに連結している。いくつかの態様において、核酸プローブは、相補的核酸にハイブリダイズされた場合にヘアピン構造を形成する。
いくつかの態様において、キットは、参照核酸または対照核酸をさらに含む。いくつかの態様において、キットは、レポーター分子を検出するためのラテラルフロー装置をさらに含む。いくつかの態様において、キットは、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに含む。いくつかの態様において、キットは、鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において提供されるキットまたは組成物は、1つまたは複数の反応混合物を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、反応混合物は、ヌクレオチド三リン酸(NTP)またはデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)をさらに含む。いくつかの態様において、反応混合物は、緩衝液をさらに含む。反応混合物中で用いられる緩衝液は、本明細書において提供される核酸プローブおよび/またはプライマーの安定性を可能にするように選択されることが企図される。そのような緩衝液を選択する方法は当技術分野において公知であり、また、実施される反応のpHまたは温度を含めてさまざまな条件におけるその特性について選択することもできる。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) エキソヌクレアーゼ; および(b) DNAポリメラーゼを含む、サンプル中の標的核酸を検出するためのキットである。
1つの局面において、本明細書において記載されるのは、(a) エキソヌクレアーゼ; (b) DNAポリメラーゼ; および(c) 第1のプライマーセットを含む、サンプル中の標的核酸を検出するためのキットである。別の局面において、本明細書において記載されるのは、(a) エキソヌクレアーゼ; (b) DNAポリメラーゼ; (c) 第1のプライマーセット; (d) リコンビナーゼ; および(e) 一本鎖DNA結合タンパク質を含む標的核酸を検出するためのキットである。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、等温増幅反応を用いて、標的核酸および第1のプライマーセットから標的等温増幅産物を産生するために用いられる。いくつかの態様において、キットは、標的核酸から二本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む。いくつかの態様において、キットは、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、エキソヌクレアーゼを用いて一本鎖増幅産物を産生するために用いられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAポリメラーゼは鎖置換DNAポリメラーゼである。局面のいずれかのいくつかの態様において、鎖置換DNAポリメラーゼは、ポリメラーゼIクレノウ断片、Bstポリメラーゼ、Phi-29ポリメラーゼおよび枯草菌Pol I (Bsu)ポリメラーゼからなる群より選択される。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、十分な量のポリメラーゼIクレノウ断片、Bstポリメラーゼ、Phi-29ポリメラーゼおよび枯草菌Pol I (Bsu)ポリメラーゼを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、DNAポリメラーゼは、反応混合物に添加されるのに十分な量で提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、等温増幅のための少なくとも1セットのプライマーを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅プライマーのセットは、標的RNAに特異的である。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅プライマーのセットは、cDNA、言い換えれば、標的RNAに相補的であるRT段階で産生されたDNAに特異的である(すなわち、相補性によって特異的に結合する)。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、逆転写(RT)プライマーのセットをさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、RTプライマーのセットは、サンプル中の標的RNAおよび非標的RNAに結合するプライマー、すなわち「一般」プライマーを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、RTプライマーのセットは、ランダムヘキサマー、すなわち、全ての可能なヘキサマー配列に相当するオリゴヌクレオチドの混合物を含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、RTプライマーのセットは、mRNAまたはウイルス転写物のポリA尾部に結合するオリゴ(dT)プライマーを含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、RTプライマーのセットは、標的RNAに特異的である。局面のいずれかのいくつかの態様において、RTプライマーのセットは、増幅プライマーのセットからのリバースプライマーを含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、RTプライマーのセットは、増幅プライマーのセットを含むことができ、または増幅プライマーのセットはRTプライマーのセットを含むことができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、プライマーおよび/またはプローブは、反応混合物に添加されるのに十分な濃度、例えば、0.2 μM~1.6 μM、例えば、5 μM~35 μMで提供される。非限定的な例として、プライマーおよび/またはプローブは、少なくとも0.05 μM、少なくとも0.1 μM、少なくとも0.2 μM、少なくとも0.3 μM、少なくとも0.4 μM、少なくとも0.5 μM、少なくとも0.6 μM、少なくとも0.7 μM、少なくとも0.8 μM、少なくとも0.9 μM、少なくとも1 μM、少なくとも2 μM、少なくとも3 μM、少なくとも4 μM、少なくとも5 μM、少なくとも6 μM、少なくとも7 μM、少なくとも8 μM、少なくとも9 μM、少なくとも10 μM、少なくとも11 μM、少なくとも12 μM、少なくとも13 μM、少なくとも14 μM、少なくとも15 μM、少なくとも16 μM、少なくとも17 μM、少なくとも18 μM、少なくとも19 μM、少なくとも20 μM、少なくとも21 μM、少なくとも22 μM、少なくとも23 μM、少なくとも24 μM、少なくとも25 μM、少なくとも26 μM、少なくとも27 μM、少なくとも28 μM、少なくとも29 μM、少なくとも30 μM、少なくとも35 μM、少なくとも40 μM、少なくとも45 μM、または少なくとも50 μMの濃度で提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、リコンビナーゼおよび一本鎖DNA結合(SSB)タンパク質をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、一本鎖DNA結合タンパク質はgp32 SSBタンパク質である。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼは、uvsXリコンビナーゼである。局面のいずれかのいくつかの態様において、リコンビナーゼおよび一本鎖DNA結合タンパク質は、反応混合物に添加されるのに十分な量で提供される。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、十分な濃度でRPA試薬(例えば、DNAポリメラーゼ、ヘリカーゼ、SSB)を含むRPAペレットを含む。例えば、米国特許第7,666,598号を参照されたく、この内容は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは逆転写酵素をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、標的RNAをDNAに逆転写し、DNAを検出可能な増幅産物に増幅するために用いられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、モロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)逆転写酵素(RT)、鳥類骨髄芽球症ウイルス(AMV) RT、レトロトランスポゾンRT、テロメラーゼ逆転写酵素、HIV-1逆転写酵素、またはそれらの組換え型からなる群より選択される。局面のいずれかのいくつかの態様において、逆転写酵素は、少なくとも200 U/μLが反応混合物に添加されうるように、十分な量で提供される。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、以下のうちの少なくとも1つをさらに含む: 反応緩衝液、希釈剤、水、酢酸マグネシウム(もしくは塩化マグネシウムなどの別のマグネシウム化合物) dNTP、DTT、および/またはRNase阻害剤。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、本明細書において記載される組成物、例えば、核酸組成物を含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、サンプルから核酸を単離するための試薬をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、サンプルからDNAを単離するための試薬をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、サンプルからRNAを単離するための試薬をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、例えばサンプルを溶解するための、界面活性剤をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、スワブなどのサンプル収集装置をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、輸送用培地を任意で含んでいてもよい、サンプル収集容器をさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 特異的高感度酵素レポーターアンロッキング(SHERLOCK); DNAエンドヌクレアーゼ標的CRISPRトランスレポーター(DETECTR); 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)から選択される検出方法に適した試薬を含む、増幅産物を検出するための試薬をさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、さらなるプライマーセットおよび/または検出可能なプローブ(例えば、qPCR、配列決定を用いる検出のためのもの)をさらに含む。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、対照を増幅および/または検出するための試薬をさらに含む。SARS-CoV-2の陰性対照の非限定的な例としては、特定のプライマーを用いて検出することができる、MERS、SARS、229e、NL63およびhKu1が挙げられる。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、標的増幅産物および/または少なくとも1つの陽性対照に特異的な1つまたは複数のラテラルフローストリップをさらに含む。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、標的増幅産物とのハイブリダイゼーションによる検出のためのプローブのセットをさらに含む。
いくつかの態様において、キットは、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置をさらに含む。いくつかの態様において、キットの少なくとも1つの構成要素は、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置される。いくつかの態様において、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段は、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される。いくつかの態様において、装置は、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段、例えば、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、比色検出、または免疫蛍光検出をさらに備える。
いくつかの態様において、キットは、本明細書において記載される試薬の有効量を含む。当業者によって理解されるように、試薬は、使用前に液体中に希釈または懸濁することができる凍結乾燥形態または濃縮形態で供給することができる。本明細書において記載されるキット試薬は、アリコートでまたは単位用量で供給することができる。
いくつかの態様において、本明細書において記載される構成要素は、単独でまたは任意の組み合わせでキットとして提供することができる。そのようなキットは、本明細書において記載される構成要素およびその包装材料を含む。さらに、キットは情報資料を任意で含んでいてもよい。
いくつかの態様において、キット中の組成物は、いくつかの態様においてキットの他の構成要素を実質的に含まない水密性または気密性容器の中で提供することができる。例えば、本明細書において記載される試薬は、2つ以上の容器中で供給することができ、例えば、所定回数、例えば、1回、2回、3回またはそれ以上の適用に十分な試薬を有する容器中で供給することができる。本明細書において記載される1つまたは複数の構成要素は、任意の形態、例えば、液体形態、乾燥形態または凍結乾燥形態で提供することができる。試薬の懸濁液または溶液のための液体または構成要素は、無菌の形で提供することができ、微生物または他の夾雑物を含むべきではない。本明細書において記載される構成要素が液体溶液で提供される場合、液体溶液は好ましくは水溶液である。
情報資料は、本明細書において記載される方法に関連する解説的資料、説明資料、宣伝資料、またはその他の資料とすることができる。キットの情報資料は、その形態が限定されない。いくつかの態様において、情報資料は、試薬の生産、濃度、有効期限、バッチ、または生産地情報などに関する情報を含むことができる。いくつかの態様において、情報資料は、キットの構成要素を使用または投与するための方法に関する。
キットは、典型的には、1つの包装、例えば、繊維系、例えば、厚紙、または高分子系、例えば、発泡スチロールの箱に含まれたそのさまざまな要素とともに提供される。筐体は、内部と外部との間の温度差を維持するように構成することができ、例えば、試薬を、予め選択された温度で予め選択された時間、維持するために絶縁特性を提供することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、キットは、検出装置をさらに含むことができる。非限定的な例として、検出装置は、発光ダイオード(LED)光源および/またはフィルタ(例えば、検出可能なマーカーの発光波長に対して特異的なプラスチックフィルタ)を備えることができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、キットおよび/または検出装置は、野外展開可能、すなわち、輸送可能、非冷蔵、および/また安価である。局面のいずれかのいくつかの態様において、検出装置は、無線装置(例えば、携帯電話、個人用デジタル補助装置(PDA)、タブレット)をさらに備える。
システム
図9は、本明細書において記載されるシステムの例示的な概略図を示す。非限定的な例として、本明細書において記載される増幅産物は、本明細書において記載されるプレートに基づくアッセイ100 (例えば、SHERLOCK、DETECTR、マイクロアレイ、ハイブリダイゼーション、qPCR、配列決定など)を用いて検出することができる。アッセイがフルオロフォアなどの検出可能なマーカーを用いて検出される態様において、検出アッセイ100を光源200 (アッセイにおける検出分子の特定の励起波長による)およびフィルタ300 (アッセイにおける検出分子の特定の放出波長による)に露出することによって、アッセイの結果を検出することができる。アッセイにおける検出分子の放出波長は、携帯用コンピューティング装置400 (例えば、携帯電話)のカメラ405またはカメラ405を備える他の任意の装置によって検出することができる。局面のいずれかのいくつかの態様において、増幅産物は、試験ストリップ150を用いて(例えば、ラテラルフロー検出および/またはコンジュゲートDNAもしくは非コンジュゲートDNAを用いて)検出される。試験ストリップ150の比色シグナルは、携帯用コンピューティング装置400 (例えば、携帯電話)またはカメラ405を備える他の任意の装置のカメラ405によって検出することができる。
携帯用コンピューティング装置400は、ネットワーク500に接続することができる。いくつかの態様において、ネットワーク500は、別のコンピューティング装置600および/またはサーバ800に接続することができる。ネットワーク500は、本開示を実施するためのさまざまな他の装置、サーバ、またはネットワーク機器に接続することができる。コンピューティング装置600は、ディスプレイ700に接続することができる。コンピューティング装置400または600は、デスクトップコンピュータ、サーバ(リモートサーバを含む)、モバイル装置、または任意の他の適切なコンピューティング装置を備える、任意の適切なコンピューティング装置であることができる。いくつかの例では、システムを実装するためのプログラムは、データベース900に格納され、サーバ800上で実行されることができる。さらに、データおよび前記プログラムによって処理または生成されたデータは、データベース900に格納することができる。
本明細書において記載される方法およびシステムは、任意のタイプのハードウェアおよび/またはソフトウェアで実施することができ、予めプログラムされた汎用コンピューティング装置の使用を含むことができることを最初に理解されたい。例えば、システムは、サーバ、パーソナルコンピュータ、携帯用コンピュータ、シンクライアント、または任意の適切な1台もしくは複数の装置を用いて実装することができる。その実施のためのキット、方法および/または構成要素は、電気ケーブル、光ファイバケーブルなどの任意の通信媒体上で、または無線方式で、任意の適切な通信プロトコルを使用して相互に接続された、単一の場所の単一の装置、または単一もしくは複数の場所の複数の装置の使用を含むことができる。
また、本明細書において記載されるシステムは、特定の機能を果たす複数のモジュールを有する形式で配置または使用することができることにも留意されたい。これらのモジュールは、明確にするためにその機能に基づいて単に模式的に図示されており、必ずしも特定のハードウェアまたはソフトウェアを表すものではないことを理解されたい。これに関して、これらのモジュールは、論じた特定の機能を実質的に果たすように実装されたハードウェアおよび/またはソフトウェアであることができる。さらに、モジュールは、本開示内で一緒に組み合わせることができ、所望の特定の機能に基づいて追加のモジュールに分割することができる。したがって、本開示は、本明細書において開示される本発明の技術を限定するものと解釈すべきものではなく、単にその1つの例示的実施態様を示すものと理解すべきものである。
コンピュータシステムは、クライアントとサーバとを含むことができる。クライアントとサーバは、一般に相互にリモートであり、通常、通信ネットワークを介して対話する。クライアントとサーバの関係は、各々のコンピュータ上で動作する、互いにクライアント/サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。いくつかの実施態様において、サーバは、(例えば、クライアント装置と対話するユーザにデータを表示し、ユーザからユーザ入力を受信する目的で)データ(例えば、HTMLページ)をクライアント装置に送信する。クライアント装置で生成されたデータ(例えば、ユーザ対話の結果)は、サーバにおいてクライアント装置から受信することができる。
本明細書において記載される対象物の実施態様は、データサーバなどのバックエンド構成要素を含むコンピュータシステム、またはアプリケーションサーバなどのミドルウェア構成要素を含むコンピュータシステム、またはユーザが本明細書において記載される対象物の実施態様と対話するためのグラフィカル・ユーザ・インターフェースまたはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素を含むコンピューティングシステム、または1つもしくは複数のそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素もしくはフロントエンド構成要素の任意の組合せにおいて実装することができる。システムの構成要素は、任意の形のデジタルデータ通信またはデジタルデータ通信の媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカル・エリア・ネットワーク(「LAN」)および広域ネットワーク(「WAN」)、インターネットワーク(例えばインターネット)、およびピアツーピアネットワーク(例えば、アドホック・ピアツーピアネットワーク)が挙げられる。
本明細書において記載される対象物および動作の実施態様は、デジタル電子回路として、または本明細書において開示される構造およびそれらの構造的均等物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、もしくはハードウェアとして、またはそれらのうちの1つもしくは複数の組合せとして実装することができる。本明細書において記載される対象物の実施態様は、データ処理機器が実行するための、またはデータ処理機器の動作を制御するようにコンピュータ記憶媒体上で符号化されたモジュール1つまたは複数のコンピュータプログラム、すなわち、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。代替として、または加えて、プログラム命令は、データ処理機器が実行するための適切な受信側機器に送信するための情報を符号化するように生成される、人為的に生成された伝播信号、例えば、機会で生成された電気信号、光信号、または電磁信号上で符号化することもできる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶機器、コンピュータ可読記憶基板、ランダムもしくはシリアル・アクセス・メモリ・アレイもしくは装置、またはそれらの1つもしくは複数の組合せとすることができ、またはそれらに含めることができる。さらに、コンピュータ記憶媒体は伝播信号ではないが、コンピュータ記憶媒体は、人為的に生成された伝播信号において符号化されたコンピュータプログラム命令の発信元または宛先とすることができる。またコンピュータ記憶媒体は、1つまたは複数の別個の物理的構成要素または媒体(例えば、CD、ディスク、または他の記憶機器)とすることもでき、またはそれらに含めることができる。
本明細書において記載される動作は、1台または複数のコンピュータ可読記憶機器に格納されたデータまたは他のソースから受信されたデータに対して「データ処理機器」によって実行される動作として実装することができる。
「データ処理機器」という用語は、例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、システム・オン・チップ、または複数のそれらのもの、またはそれらの組合せを含む、データを処理するためのあらゆる種類の機器、装置、および機械を包含する。機器は、FPGA (フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)またはASIC (特定用途向け集積回路)などの専用論理回路を含むことができる。また機器は、ハードウェアに加えて、問題のコンピュータプログラムの実行環境を生成するコード、例えば、プロセッサファームウェアを構成するコード、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、クロスプラットフォームランタイム環境、仮想マシン、またはそれらのうちの1つもしくは複数の組合せも含むことができる。機器および実行環境は、ウェブサービス、分散コンピューティング、グリッド・コンピューティング・インフラストラクチャなど、さまざまな異なるコンピューティング・モデル・インフラストラクチャを実現することができる。
コンピュータプログラムは(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、スクリプト、またはコードとしても知られる)、コンパイル言語またはインタプリタ言語、宣言言語または手続き形言語、を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムまたは、モジュール、構成要素、サブルーチン、オブジェクト、もしくはコンピューティング環境で用いるのに適したその他のユニットを含む、任意の形式で配置することができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに対応しうるが、そうである必要はない。プログラムは、他のプログラムもしくはデータ(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つもしくは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、問題のプログラムに専用の単一ファイルに、または複数の連携したファイル(例えば、1つもしくは複数のモジュール、サブプログラム、もしくはコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータ上で、または1箇所に位置し、もしくは複数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように配置することができる。
本明細書において記載されるプロセスおよび論理フローは、入力データに作用してアウトプットを生成することによって動作を実行する1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実行することができる。またプロセスおよび論理フローは専用論理回路、例えば上記のFPGAまたはASICによっても実行することができ、機器を専用論理回路、例えば上記のFPGAまたはASICとして実装することもできる。
コンピュータプログラムの実行に適するプロセッサには、例えば、汎用と専用両方のマイクロプロセッサ、および任意の種類のディジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサなどが含まれる。一般に、プロセッサは、読取り専用メモリまたはランダム・アクセス・メモリまたはその両方から命令およびデータを受け取る。コンピュータの必須要素は、命令に従って動作を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1台または複数の記憶機器である。一般に、コンピュータは、データを格納するための1台または複数の大容量記憶機器、例えば、磁気、光磁気ディスク、もしくは光ディスクを含み、そこからデータを受け取り、かつ/またはそこにデータを転送するように動作可能に結合される。しかし、コンピュータはそのような機器を有する必要はない。さらに、コンピュータは、別の機器、例えば、いくつか例を挙げると、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオもしくはビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、または携帯用記憶装置(例えば、ユニバーサル・シリアル・バス(USB)・フラッシュ・ドライブ)に組み込むこともできる。コンピュータプログラム命令およびデータを格納するのに適した装置には、あらゆる形の不揮発性メモリ、媒体、およびメモリ装置が備えられ、これには、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュ・メモリ・装置などの半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクが備えられる。プロセッサおよびメモリは、専用論理回路によって補うこともでき、かつ/または専用論理回路に組み込むこともできる。
定義
便宜上、本明細書、実施例および添付の特許請求の範囲において用いられるいくつかの用語および語句の意味を以下に提供する。特に明記しない限り、または文脈から暗に示されない限り、以下の用語および語句は以下に示す意味を含む。本発明の範囲は特許請求の範囲によってのみ限定されるため、定義は、特定の態様の説明を助けるために提供するものであり、主張する本発明を限定する意図はない。特に定義されない限り、本明細書において用いられる全ての技術的および科学的用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。当技術分野における用語の使用と本明細書において提供されるその定義との間に明らかな矛盾がある場合、本明細書のなかで提供される定義が優先されるものとする。
便宜上、本明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲において用いられるある特定の用語をここにまとめる。
本明細書において記載されるさまざまな態様は、一本鎖突出部を含む。「一本鎖突出部」とは、鎖が相補鎖の3'末端を超えて伸長していることを意味する。一本鎖突出部は、任意の所望の長さのものであることができる。例えば、各突出部は独立して、長さが5もしくはそれ以上のヌクレオチド、長さが約5ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、長さが約5ヌクレオチド~約15ヌクレオチド、長さが約10ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、長さが約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、長さが約15ヌクレオチド~約25ヌクレオチドまたは長さが約15ヌクレオチド~約20ヌクレオチドであることができる。いくつかの態様において、各突出部は独立して、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25ヌクレオチド、またはそれ以上である。
一本鎖突出部が両端に存在する場合、それらは同じ長さまたは異なる長さのものであってもよい。例えば、第1の一本鎖突出部は、長さが5ヌクレオチドもしくはそれ以上、長さが約5ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、長さが約5ヌクレオチド~約15ヌクレオチド、長さが約10ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、長さが約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、長さが約15ヌクレオチド~約25ヌクレオチドまたは長さが約15ヌクレオチド~約20ヌクレオチドであることができる。本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、第1の突出部は、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25ヌクレオチド、またはそれ以上である。
同様に、第2の一本鎖突出部は、長さが5ヌクレオチドもしくはそれ以上、長さが約5ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、長さが約5ヌクレオチド~約15ヌクレオチド、長さが約10ヌクレオチド~約25ヌクレオチド、長さが約10ヌクレオチド~約20ヌクレオチド、長さが約15ヌクレオチド~約25ヌクレオチドまたは長さが約15ヌクレオチド~約20ヌクレオチドであることができる。本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、第2の突出部は、長さが5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25ヌクレオチド、またはそれ以上である。
用語「減少する」、「低減した」、「低減」、または「阻害する」は全て、本明細書において、統計的に有意な量の減少を意味するように用いられる。いくつかの態様において、「低減する」、「低減」もしくは「減少する」または「阻害する」は、典型的には、参照基準レベル(例えば所与の処置または薬剤がない)と比較して少なくとも10%の減少を意味し、例えば、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、またはそれ以上の減少を含むことができる。本明細書において用いられる場合、「低減」または「阻害」は参照基準レベルと比較して完全な阻害または低減を包含しない。「完全な阻害」は参照基準レベルと比較して100%の阻害である。減少は、好ましくは、所与の障害のない個体の正常範囲内であると認められるレベルまで下げることができる。
用語「増加した」、「増加する」、「増強する」、または「活性化する」は全て、統計的に有意な量の増加を意味するように本明細書において用いられる。いくつかの態様において、用語「増加した」、「増加する」、「増強する」または「活性化する」は、参照基準レベルと比較して少なくとも10%の増加、例えば、少なくとも約20%、もしくは少なくとも約30%、もしくは少なくとも約40%、もしくは少なくとも約50%、もしくは少なくとも約60%、もしくは少なくとも約70%、もしくは少なくとも約80%、もしくは少なくとも約90%の増加、または100%を含め100%までの増加、または参照基準レベルと比較して10~100%の間の任意の増加、あるいは参照基準レベルと比較して少なくとも約2倍、もしくは少なくとも約3倍、もしくは少なくとも約4倍、もしくは少なくとも約5倍、もしくは少なくとも約10倍の増加、もしくは2倍~10倍の間の任意の増加またはそれ以上の増加を意味することができる。マーカーまたは症状の文脈において、「増加する」はそのようなレベルの統計的に有意な増加である。
本明細書において用いられる場合、「対象」はヒトまたは動物を意味する。通常、動物は霊長類、げっ歯類、家畜または狩猟動物のような脊椎動物である。霊長類には、チンパンジー、カニクイザル、クモザル、およびマカク、例えば、アカゲザル(Rhesus)が含まれる。げっ歯類には、マウス、ラット、ウッドチャック、フェレット、ウサギ、およびハムスターが含まれる。家畜および狩猟動物には、ウシ、ウマ、ブタ、シカ、バイソン、緩衝液ロー、ネコ科の種、例えば、家ネコ、イヌ科の種、例えば、イヌ、キツネ、オオカミ、鳥科の種、例えば、ニワトリ、エミュー、ダチョウ、ならびに魚類、例えば、マス、ナマズ、およびサケが含まれる。いくつかの態様において、対象は哺乳動物、例えば霊長類、例えばヒトである。用語「患者」、「個体」、および「対象」は、本明細書において互換的に用いられる。
好ましくは、対象は哺乳動物である。哺乳動物はヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、イヌ、ネコ、ウマ、またはウシでありうるが、しかしこれらの例に限定されない。ヒト以外の哺乳動物を、ウイルス感染症の動物モデルに相当する対象として有利に用いることができる。対象は雄性または雌性であることができる。
対象は、以前に、処置の必要のある状態(例えば、ウイルス感染症)またはそのような状態に関連した1つもしくは複数の合併症と診断された、あるいはそれらに苦しんでいるとまたはそれらを有すると特定された、かつ任意で、ウイルス感染症またはウイルス感染症に関連した1つもしくは複数の合併症の処置を既に受けたものであることができる。あるいは、対象は、ウイルス感染症またはウイルス感染症に関連した1つもしくは複数の合併症を有すると以前に診断されていないものであることもできる。例えば、対象は、ウイルス感染症またはウイルス感染症に関連した1つもしくは複数の合併症の1つまたは複数のリスク因子を示すもの、あるいはリスク因子を示さない対象であることができる。特定の状態の検査の「必要のある対象」は、その状態を有する、その状態を有すると診断された、またはその状態を発症するリスクがある対象とすることができる。
本明細書において用いられる場合、用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、互換的に用いられて、隣接残基のα-アミノ基とカルボキシ基との間のペプチド結合により、互いに連結されている一連のアミノ酸残基を指定する。用語「タンパク質」、および「ポリペプチド」は、そのサイズまたは機能に関係なく、修飾アミノ酸(例えば、リン酸化、糖化、グリコシル化アミノ酸など)およびアミノ酸類似体を含む、アミノ酸の重合体をいう。「タンパク質」および「ポリペプチド」は比較的大きいポリペプチドに関して用いられることが多く、用語「ペプチド」は小さいポリペプチドに関して用いられることが多いが、当技術分野におけるこれらの用語の用法は重なっている。用語「タンパク質」および「ポリペプチド」は、遺伝子産物およびその断片をいう場合、本明細書において互換的に用いられる。したがって、例示的なポリペプチドまたはタンパク質には、遺伝子産物、天然に存在するタンパク質、相同体、オルソログ、パラログ、断片、ならびに前記の他の等価物、変種、断片、および類似体が含まれる。
本明細書において記載されるさまざまな態様において、記載される特定のポリペプチドのいずれかの、変種(天然もしくはその逆のもの)、対立遺伝子、相同体、保存的に改変された変種、および/または保存的置換変種が包含されることがさらに企図される。アミノ酸配列に関して、当業者は、コードされる配列中の単一のアミノ酸または低率のアミノ酸を改変させる、核酸、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質の配列に対する個々の置換体、欠失体、または付加体が、その改変によってあるアミノ酸の化学的に類似したアミノ酸による置換がもたらされ、かつポリペプチドの所望の活性を保持する「保存的に改変された変種」であることを認識しているであろう。そのような保存的に改変された変種は、多形変種、種間相同体、および本開示と整合する対立遺伝子に加えて存在し、それらを除外しない。
例えば、1つの脂肪族残基を別の脂肪族残基(例えばIle、Val、Leu、もしくはAlaをIle、Val、Leu、もしくはAlaの別の1つ)に置換することによって、または1つの極性残基を別の極性残基に(例えばLysとArg; GluとAsp; もしくはGlnとAsnとの間で)置換することによって、所与のアミノ酸を、類似の生理化学的特徴を有する残基に交換することができる。他のそのような保存的置換、例えば、類似の疎水性特徴を有する領域全体の置換が周知である。保存的アミノ酸置換を含むポリペプチドは、天然または参照ポリペプチドの所望の活性および特異性が保持されていることを確認するために試験することができる。
アミノ酸は、その側鎖の特性の類似性にしたがって分類することができる(A. L. Lehninger中, Biochemistry, second ed., pp. 73-75, Worth Publishers, New York (1975)中): (1) 非極性: Ala (A)、Val (V)、Leu (L)、Ile (I)、Pro (P)、Phe (F)、Trp (W)、Met (M); (2) 非荷電極性: Gly (G)、Ser (S)、Thr (T)、Cys (C)、Tyr (Y)、Asn (N)、Gin (Q); (3) 酸性: Asp (D)、Glu (E); (4) 塩基性: Lys (K)、Arg (R)、His (H)。あるいは、天然に存在する残基は、共通の側鎖特性: (1) 疎水性: ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile; (2) 中性親水性: Cys、Ser、Thr、Asn、Gln; (3) 酸性: Asp、Glu; (4) 塩基性: His、Lys、Arg; (5) 鎖配向に影響を与える残基: Gly、Pro; (6) 芳香族: Trp、Tyr、Pheに基づいていくつかの群に分けることができる。非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーの別のクラスへの交換を伴う。特定の保存的置換は、例えば、以下を含む; AlaのGlyへもしくはSerへ; ArgのLysへ; AsnのGlnへもしくはHisへ; AspのGluへ; CysのSerへ; GlnのAsnへ; GluのAspへ; GlyのAlaへもしくはProへ; HisのAsnへもしくはGlnへ; IleのLeuへもしくはValへ; LeuのIleへもしくはValへ; LysのArgへ、GlnへもしくはGluへ; MetのLeuへ、TyrへもしくはIleへ; PheのMetへLeuへもしくはTyrへ; SerのThrへ; ThrのSerへ; TrpのTyrへ; TyrのTrpへ; および/またはPheのValへ、Ileへ、もしくはLeuへの置換。
いくつかの態様において、本明細書において記載されるポリペプチド(またはそのようなポリペプチドをコードする核酸)は、本明細書において記載されるアミノ酸配列のうちの1つの機能的断片であることができる。本明細書において用いられる場合、「機能的断片」は、本明細書において記載されるアッセイにしたがって野生型参照ポリペプチドの活性の少なくとも50%を保持するポリペプチドの断片またはセグメントである。機能的断片は、本明細書において開示される配列の保存的置換を含むことができる。
いくつかの態様において、本明細書において記載されるポリペプチドは、本明細書において記載される配列の変種であることができる。いくつかの態様において、変種は保存的に改変された変種である。保存的置換変種は、例えば、天然ヌクレオチド配列の変異によって得ることができる。本明細書においていわれる「変種」は、天然ポリペプチドまたは参照ポリペプチドと実質的に相同なポリペプチドであるが、しかしこれは1つのまたは複数の欠失、挿入または置換のために天然ポリペプチドまたは参照ポリペプチドのアミノ酸配列とは異なるアミノ酸配列を有する。変種ポリペプチドをコードするDNA配列は、天然DNA配列または参照DNA配列と比べてヌクレオチドの1つまたは複数の付加、欠失、または置換を含むが、しかし活性を保持している変種タンパク質またはその断片をコードする配列を包含する。多種多様のPCRに基づく部位特異的変異誘発法が、当技術分野において公知であり、人工的な変種を作製および試験するために当業者によって適用されうる。
変種DNAまたはアミノ酸配列は、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、またはそれ以上、天然配列または参照配列と同一でありうる。天然配列と変異体配列との間の相同性度(%同一性)は、例えば、ワールドワイドウェブ上でこの目的のために一般的に使用される自由に利用可能なコンピュータプログラム(例えばデフォルトの設定でBLASTpまたはBLASTn)を用いて、その2つの配列を比較することにより判定されうる。
いくつかの態様において、本明細書において記載される方法は、少なくとも1つの標的、例えば標的核酸のレベルを測定すること、検出することまたは決定することに関する。本明細書において用いられる場合、「検出すること」または「測定すること」という用語は、サンプル中の被分析物の存在を示すために、例えばプローブ、標識または標的分子からのシグナルを観察することをいう。特定の標識部分を検出するために当技術分野において公知の任意の方法を、検出に用いることができる。例示的な検出方法は、分光法、蛍光法、光化学法、生化学法、免疫化学法、電気法、光学法または化学法を含むが、これらに限定されることはない。局面のいずれかのいくつかの態様において、測定することは、定量的な観察であることができる。配列決定、例えば、所与の配列要素、例えばバーコード要素またはその領域の存在を示すまたは確認する配列決定は、検出することの1つの形態である。
局面のいずれかのいくつかの態様において、本明細書において記載されるポリペプチド、核酸、細胞または微生物は、操作することができる。本明細書において用いられる場合、「操作された」とは、人の手によって操作されたという局面をいう。例えば、ポリヌクレオチドの少なくとも1つの局面、例えばその配列が、自然界に存在するような局面とは異なるように人の手によって操作された場合、ポリヌクレオチドは「操作された」ものとみなされる。
本明細書において用いられる場合、「接触させること」は、本明細書において記載される少なくとも1つの構成要素(例えば、サンプル、標的核酸、標的RNA、cDNA、増幅産物など)に作用物質を送達または露出するための任意の適切な手段をいう。いくつかの態様において、接触させることは、物理的な人間の活動、例えば、注射; 分注、混合、および/もしくはデカントする行為; ならびに/または送達装置もしくは機械の操作を含む。
本明細書において用いられる場合、「ハイブリダイズすること」、「ハイブリダイズする」、「ハイブリダイゼーション」、「アニールすること」、または「アニールする」という用語は、核酸の鎖が塩基対合を通じて相補鎖と結合してハイブリダイゼーション複合体を形成する任意のプロセスを用いる相補的核酸の対合に関して互換的に用いられる。言い換えれば、「ハイブリダイゼーション」という用語は、2本の一本鎖ポリヌクレオチドが非共有結合して安定な二本鎖ポリヌクレオチドを形成するプロセスをいう。さらに、「ハイブリダイズする」という用語は、一本鎖核酸またはその領域が、別の一本鎖核酸もしくはその領域と水素結合塩基対相互作用を形成する現象(分子間ハイブリダイゼーション)、または同じ核酸の別の一本鎖領域と水素結合塩基対相互作用を形成する現象(分子内ハイブリダイゼーション)をいう。ハイブリダイゼーションは、関与する塩基配列により支配され、相補的な核酸塩基が水素結合を形成し、ハイブリッドの安定性は、塩基対の同一性(例えば、G:C塩基対はA:T塩基対よりも強い)および連続した塩基対の数により決定され、相補的な塩基のストレッチが長いほど、より安定なハイブリッドが形成される。「ハイブリダイゼーション」という用語は、三本鎖ハイブリダイゼーションをいうこともある。得られる(通常)二本鎖ポリヌクレオチドは「ハイブリッド」または「二重鎖」である。
本明細書において記載されるさまざまな局面のいくつかの態様において、プローブを増幅産物にハイブリダイズさせる段階は、加熱することおよび/または冷却することを含む。例えば、増幅産物およびプローブを含む反応物を加熱し、次に冷却してハイブリダイゼーションを促進することができる。
ハイブリダイゼーション段階は、増幅産物を調製するために用いたのと同じ反応容器中で実行できることに留意されたい。あるいは、増幅産物は、ハイブリダイゼーション段階の前に増幅反応物から単離または精製されてもよい。言い換えれば、増幅段階およびハイブリダイゼーション段階は、異なる反応容器中である。
「ハイブリダイゼーション条件」は、典型的には、約1 M未満、より通常には約500 mM未満、さらにより通常には約200 mM未満の塩濃度を含む。ハイブリダイゼーション温度は5℃まで低くすることができるが、典型的には22℃より高く、より典型的には約30℃より高く、多くの場合には約37℃を上回る。ハイブリダイゼーションは通常、ストリンジェントな条件、すなわちプローブがその標的部分配列にハイブリダイズする条件の下で実施される。ストリンジェントな条件は、配列に依存し、状況によって異なる。より長い断片は、特異的なハイブリダイゼーションのために、より高いハイブリダイゼーション温度を必要としうる。塩基組成および相補鎖の長さ、有機溶媒の存在ならびに塩基ミスマッチの程度を含めて、他の要因がハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響を与えうるため、パラメータの組み合わせは、どれか1つだけの絶対的尺度よりも重要である。一般に、ストリンジェントな条件は、規定されたイオン強度およびpHでの特定の配列に対するTmよりも約5℃低くなるように選択される。例示的なストリンジェント条件としては、pH 7.0~8.3および少なくとも25℃の温度で少なくとも0.01 M~1 M以下のNaイオン濃度(または他の塩)の塩濃度が挙げられる。例えば、対立遺伝子特異的プローブハイブリダイゼーションには、5×SSPE (750 mM NaCl, 50 mMリン酸Na, 5 mM EDTA, pH 7.4)および25~30℃の温度の条件が適している。ストリンジェントな条件については、例えば、Sambrook, Fritsche and Maniatis, Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd Ed. Cold Spring Harbor Press (1989)およびAnderson Nucleic Acid Hybridization, 1st Ed., BIOS Scientific Publishers Limited (1999)を参照されたい。「と特異的にハイブリダイズする(Hybridizing specifically to)」もしくは「と特異的にハイブリダイズする(specifically hybridizing to)」または同様の表現は、その配列が複合混成物(例えば、全細胞) DNAまたはRNAに存在する場合に、ストリンジェントな条件の下で、分子が特定のヌクレオチド配列に実質的にまたは特定のヌクレオチド配列だけに結合すること、二重化すること、またはハイブリダイズすることをいう。
「実質的に同一」という用語は、2つまたはそれ以上のヌクレオチド配列が、少なくとも65%、70%、80%、85%、90%、95%、または97%同一のヌクレオチドを有することを意味する。いくつかの態様において、「実質的に同一」とは、2つまたはそれ以上のヌクレオチド配列が同じ同一のヌクレオチドを有することを意味する。
本明細書において用いられる「実質的な相補性の」または「実質的に相補的な」という用語は、場合によっては同一の配列といわれる、結合核酸の完全な相補性、および核酸の所望の結合を達成するのに十分な相補性の両方をいう。対応して、「相補的ハイブリッド」という用語は、実質的に相補的なハイブリッドを包含する。
本明細書において用いられる場合、および別段の指示がない限り、「相補的」という用語は、第2のヌクレオチド配列に関連して第1のヌクレオチド配列を記載するために用いられる場合、当業者によって理解されるように、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとある特定の条件の下でハイブリダイズして二重鎖構造を形成する能力をいう。そのような条件は、例えば、ストリンジェントな条件であることができ、ここでストリンジェントな条件は、400 mM NaCl, 40 mM PIPES pH 6.4, 1 mM EDTA、50℃または70℃で12~16時間、その後に洗浄を含みうる。生物内で遭遇する可能性のある生理学的に関連する条件などの、他の条件も適用可能である。当業者は、ハイブリダイズしたヌクレオチドの最終的な用途に応じて、2つの配列の相補性の試験に最も適した条件のセットを決定することができるであろう。
本明細書において用いられる場合、オリゴヌクレオチド(すなわち、オリゴヌクレオチドプライマーまたは標的核酸などのヌクレオチドの配列)の文脈における「相補的な」という用語は、標準的なワトソン/クリック塩基対合則をいう。例えば、配列「5'-A-G-T-C-3'」は配列「3'-T-C-A-G-5'」に相補的である。天然の核酸で一般に見られない、または化学的に合成されたある特定のヌクレオチドが、本明細書において記載される核酸に含まれてもよく; これらは、塩基および糖で修飾されたヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸、例えばイノシン、イソシトシンおよびイソグアニンを含むが、これらに限定されることはない。本明細書において用いられる「相補的」配列はまた、ハイブリダイズするその能力に関する上記の要件が満たされる限り、非ワトソン・クリック塩基対および/または非天然ヌクレオチドおよび修飾ヌクレオチドから形成される塩基対を含むか、あるいはそれらから完全に形成されうる。そのような非ワトソン・クリック塩基対は、G:Uゆらぎまたはフーグスティーン塩基対合を含むが、これらに限定されることはない。言い換えれば、相補性は完全である必要はない; 安定な二重鎖がミスマッチ塩基対、変性、または非対応のヌクレオチドを含むこともある。核酸技術の当業者は、例えば、オリゴヌクレオチドの長さ、オリゴヌクレオチドの塩基の組成および配列、ミスマッチ塩基対の発生率、イオン強度、他のハイブリダイゼーション緩衝液の構成要素および条件を含むいくつかの不確定要素を考慮して、二重鎖の安定性を経験的に決定することができる。
相補性は部分的であってよく、ここで、塩基対合則にしたがって2本の核酸鎖のヌクレオチド塩基の一部のみが一致する。相補性は完全または全体であってよく、ここで、塩基対合則にしたがって2本の核酸鎖のヌクレオチド塩基の全部が一致する。相補性がないこともあり、この場合には塩基対合則にしたがって2本の核酸鎖のヌクレオチド塩基のいずれもが一致しない。局面のいずれかのいくつかの態様において、2本の核酸鎖は少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%相補的である。核酸鎖間の相補性の程度は、核酸鎖間のハイブリダイゼーションの効率および強度に大きな影響を与える。これは、核酸間の結合に依存する検出方法において特に重要である。
本明細書において用いられる場合、「特異的結合」という用語は、2つの分子、化合物、細胞および/または粒子間の化学的相互作用をいい、ここで、第1の実体が、標的ではない第3の実体に結合するよりも大きな特異性および親和性で第2の標的実体に結合する。いくつかの態様において、特異的結合は、標的ではない第3の実体に対する親和性よりも少なくとも10倍、少なくとも50倍、少なくとも100倍、少なくとも500倍、少なくとも1000倍、またはそれより大きい、第2の標的実体に対する第1の実体の親和性をいうことができる。所与の標的に特異的な試薬は、用いられるアッセイの条件の下でその標的に対する特異的結合を示すものである。
本明細書において用いられる場合、「オリゴヌクレオチド」という用語は、典型的には合成手段によって調製される、一本鎖DNAまたはRNA分子を含むが、これらに限定されないことが意図される。本発明のヌクレオチドは、典型的には、アデノシン、グアノシン、ウリジン、シチジンおよびチミジンに由来するヌクレオチドなどの天然に存在するヌクレオチドである。オリゴヌクレオチドが「二本鎖」といわれる場合、一対のオリゴヌクレオチドが、典型的には、例えばDNAに関連する水素結合らせん配列で存在することは当業者によって理解される。二本鎖オリゴヌクレオチドの100%相補的な形態に加えて、本明細書において用いられる「二本鎖」という用語は、バルジおよびループのような構造的特徴を含む形態を含むことも意図される(Stryer, Biochemistry, Third Ed. (1988)を参照されたく、これは参照により全ての目的のためにその全体が本明細書に組み入れられる)。
用語「統計学的に有意な」または「有意に」は、統計的有意性をいい、一般には2標準偏差(2SD)またはそれ以上の差異を意味する。
作業実施例以外において、または別のように指示される場合を除き、本明細書において用いられる成分の数量または反応条件を表す全ての数は、いかなる場合にも「約」という用語で修飾されていると理解されるべきである。用語「約」は、割合に関連して用いられる場合、±1%を意味しうる。局面のいずれかのいくつかの態様において、パーセンテージに関連して用いられる「約」という用語は、言及されている値の±5% (例えば、±4%、±3%、±2%、±1%)を意味することができる。
本明細書において用いられる場合、用語「含む」は、提示されている定義された要素に加えて、他の要素も存在できることを意味する。「含む」の使用は、限定ではなく包含を示す。
用語「からなる」は、態様のその記載において列挙されていない任意の要素を除く、本明細書において記載される組成物、方法、および各構成要素をいう。
本明細書において用いられる場合、用語「本質的に~からなる」は、所与の態様に必要とされる要素をいう。この用語は、本発明のその態様の基本的かつ新規または機能的な特徴に著しく影響を及ぼさない、要素の存在を許容する。
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈によって明らかに別のことが示される場合を除き、複数形の言及物を含む。同様に、「または」という語は、文脈によって明らかに別のことが示される場合を除き、「および」を含むものと意図される。本明細書において記載されるものと同様または同等な方法および材料を、本開示の実施または試験において用いることができるが、適切な方法および材料を以下に記載する。「例えば(e.g.)」という略号は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、非限定的な例を示すために本明細書において用いられる。したがって「例えば(e.g.)」という略号は「例えば(for example)」という用語と同義である。
値の範囲が提供される場合、本明細書では範囲の上限と下限との間の各数値が企図および開示される。
本明細書において開示される本発明の代替要素または態様の群分けは、限定と解釈されるべきではない。各群のメンバーは個別に、または群の他のメンバーもしくは本明細書において見出される他の要素と任意に組み合わせて参照および主張することができる。群の1つまたは複数のメンバーは、便宜上および/または特許性の理由から、群に含まれ、または群から削除されることができる。そのような包含または削除が行われる場合、本明細書は、修正された群を含むものとみなされ、したがって添付の特許請求の範囲において用いられる全てのマーカッシュ群の記載を満たすものとされる。
本明細書において特に定義されない限り、本出願に関連して用いられる科学的おおび技術的用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般に理解されている意味を有するものとする。本発明は、本明細書において記載される特定の方法論、プロトコール、および試薬などに限定されず、したがって変化しうることが理解されるべきである。本明細書において用いられる専門用語は、特定の態様を記載するためだけのものであり、特許請求の範囲によってのみ定義される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。免疫学および分子生物学における一般的な用語の定義は、The Merck Manual of Diagnosis and Therapy, 20th Edition, Merck Sharp & Dohme Corp.刊行, 2018 (ISBN 0911910190, 978-0911910421); Robert S. Porter et al. (編), The Encyclopedia of Molecular Cell Biology and Molecular Medicine, Blackwell Science Ltd.刊行, 1999-2012 (ISBN 9783527600908); およびRobert A. Meyers (編), Molecular Biology and Biotechnology: a Comprehensive Desk Reference, VCH Publishers, Inc.刊行, 1995 (ISBN 1-56081-569-8); Immunology by Werner Luttmann, Elsevier刊行, 2006; Janeway's Immunobiology, Kenneth Murphy, Allan Mowat, Casey Weaver (編), W. W. Norton & Company, 2016 (ISBN 0815345054, 978-0815345053); Lewin's Genes XI, Jones & Bartlett Publishers刊行, 2014 (ISBN-1449659055); Michael Richard Green and Joseph Sambrook, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 4th ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., USA (2012) (ISBN 1936113414); Davis et al., Basic Methods in Molecular Biology, Elsevier Science Publishing, Inc., New York, USA (2012) (ISBN 044460149X); Laboratory Methods in Enzymology: DNA, Jon Lorsch (編) Elsevier, 2013 (ISBN 0124199542); Current Protocols in Molecular Biology (CPMB), Frederick M. Ausubel (編), John Wiley and Sons, 2014 (ISBN 047150338X, 9780471503385), Current Protocols in Protein Science (CPPS), John E. Coligan (編), John Wiley and Sons, Inc., 2005; およびCurrent Protocols in Immunology (CPI) (John E. Coligan, ADA M Kruisbeek, David H Margulies, Ethan M Shevach, Warren Strobe, (編) John Wiley and Sons, Inc., 2003 (ISBN 0471142735, 9780471142737)において見出すことができ、これらの内容は全て、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
他の用語は、本発明のさまざまな局面の記載のなかで本明細書において定義される。
本出願を通じて引用されている、参照文献、交付済み特許、公開された特許出願、および同時係属中の特許出願を含めて、全ての特許および他の刊行物は、例えば、本発明に関連して用いられうるそのような刊行物に記載されている方法論を、記載および開示する目的で参照により本明細書に明示的に組み入れられる。これらの刊行物は、本出願の出願日の前にこれらが単に開示されたことを示しているだけである。この点で、本発明者らが先行発明によってまたはその他任意の理由で、そのような開示に先行する資格がないと認めるものと解釈されるべきではない。日付に関する全ての記載またはこれらの書類の内容に関する表現は、本出願者らが入手できる情報に基づいており、これらの書類の日付または内容の正確さに関して何らの承認をなすものではない。
本開示の態様の記載は、網羅的であるものと、または開示された正確な形態に本開示を限定するものと意図されない。本開示の特定の態様および例が例示を目的として本明細書に記載されるものの、当業者なら認識するように、本開示の範囲内で種々の等価な修正が可能である。例えば、方法の段階または機能は所与の順序で提示されるが、代替的な態様が異なる順序で機能を果たすこともあり、または機能は実質的に同時に果たされることもある。本明細書において提供される開示の教示は、必要に応じて他の手順または方法に適用されうる。本明細書において記載されるさまざまな態様を組み合わせて、さらなる態様を提供することができる。本開示の局面を、必要なら、上記の参照文献および出願書類の組成物、機能および概念を採用するように修正して、本開示のさらなる態様を提供することができる。さらに、生体機能等価の考慮によって、種類または量で生物学的または化学的作用に影響を与えることなくタンパク質構造のいくらかの変化を加えることができる。これらのおよびその他の変更を、詳細な説明に照らして本開示に加えることができる。そのような変形は全て、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
前述の態様のいずれかの特定の要素は組み合わされてもよく、または他の態様における要素に代用されてもよい。さらに、本開示のある特定の態様に関連した利点がこれらの態様との関連で記載されているが、他の態様がそのような利点を示すこともあり、本開示の範囲内に入るように全ての態様がそのような利点を必ずしも示すことを要しない。
本明細書において記載される技術は以下の実施例によってさらに例示されるが、以下の実施例は、決して、さらに限定するものであると解釈されるべきではない。本発明の趣旨または範囲を変更することなく、さまざまな修正、追加、置換などを実施することができ、そのような修正および変形は、後に続く特許請求の範囲において定義される本発明の範囲内に包含されることが、関連する技術分野の当業者には明らかであろう。
本明細書において記載される技術のいくつかの態様は、番号付けされた以下の項目のいずれかによって定義することができる。
1. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、(i) 第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み; (ii) 第2のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を任意で含んでいてもよい、段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる段階を含む、方法。
2. 5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾が、修飾ヌクレオチド間結合修飾核酸塩基、修飾糖、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目1の方法。
3. 第1のプライマーが、(a) 1、2、3、4、5、6つ、またはそれ以上の修飾ヌクレオチド間結合; (b) 逆位ヌクレオシドまたは5'→5'ヌクレオチド間結合; (c) 2'-OHまたは2'-修飾ヌクレオシド; (d) 5'-修飾ヌクレオチドおよび/または3'-修飾ヌクレオチド; (e) 2'→5'結合; (f) 脱塩基ヌクレオシド; (g) 非環状ヌクレオシド; (h) スペーサー; (i) 左巻きDNA; ならびに(j) (a)~(j)の任意の組み合わせを含む、項目1または2の方法。
4. 修飾ヌクレオチド間結合が、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アルキルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸、ボラノリン酸エステル、ホスホン酸水素、アルキルまたはアリールホスホネート、架橋ホスホロアミデート、架橋ホスホロチオエート、架橋アルキレンホスホネート、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-Si(H)2-O-)、およびN,N'-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)、アミド-3 (3'-CH2-C(=O)-N(H)-5')およびアミド-4 (3'-CH2-N(H)-C(=O)-5')、ヒドロキシルアミノ、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキサミド、カルボネート、カルボキシメチル、カルバメート、カルボン酸エステル、チオエーテル、酸化エチレンリンカー、スルフィド、スルホネート、スルホンアミド、スルホン酸エステル、チオホルマセタール(3'-S-CH2-O-5')、ホルムアセタール(3'-O-CH2-O-5')、オキシム、メチレンイミノ、メチレンカルボニルアミノ(methykenecarbonylamino)、メチレンメチルイミノ(MMI, 3'-CH2-N(CH3)-O-5')、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、メチレンオキシメチルイミノ、エーテル(C3'-O-C5')、チオエーテル(C3'-S-C5')、チオアセタミド(C3'-N(H)-C(=O)-CH2-S-C5'、C3'-O-P(O)-O-SS-C5'、C3'-CH2-NH-NH-C5'、3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'、および3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'からなる群より選択される、項目3の方法。
5. 修飾ヌクレオチド間結合がホスホロチオエートである、項目4の方法。
6. 2'-修飾ヌクレオシドが、2'-ハロ(例えば、2'-フルオロ)、2'-アルコキシ(例えば、2'-Oメチル、2'-Oメチルメトキシおよび2'-Oメチルエトキシ)、2'-アリールオキシ、2'-O-アミンまたは2'-O-アルキルアミン(アミンNH2; アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、シアリールアミノ、へテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミンまたはポリアミノ)、O-CH2CH2(NCH2CH2NMe2)2、メチレンオキシ(4'-CH2-O-2') LNA、エチレンオキシ(4'-(CH2)2-O-2') ENA、2'-アミノ(例えば、2'-NH2、2'-アルキルアミノ、2'-ジアルキルアミノ、2'-ヘテロシクリルアミノ、2'-アリールアミノ、2'-ジアリールアミノ、2'-ヘテロアリールアミノ、2'-ジヘテロアリールアミノおよび2'-アミノ酸); NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミン(アミン = NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、またはジへテロアリールアミノ)、-NHC(O)R (R = アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールまたは糖)、2'-シアノ、2'-メルカプト、2'-アルキル-チオ-アルキル、2'-チオアルコキシ、2'-チオアルキル、2'-アルキル、2'-シクロアルキル、2'-アリール、2'-アルケニル、ならびに2'-アルキニルからなる群より選択される修飾を含む、項目3~5のいずれかの方法。
7. 逆位ヌクレオシドがdTである、項目3~6のいずれかの方法。
8. 5'-修飾ヌクレオチドが、5'-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート)、5'-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート)、5'-ホスホロチオレート、5'-α-チオトリホスフェート、5'-β-チオトリホスフェート、5'-γ-チオトリホスフェート、5'-ホスホラミデート、5'-アルキルホスホネート、5'-アルキルエーテルホスホネート、検出可能な標識およびリガンドからなる群より選択される5'-修飾を含むか; または3'-修飾ヌクレオチドが、3'-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート)、3'-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート)、3'-ホスホロチオレート、3'-α-チオトリホスフェート、3'-β-チオトリホスフェート、3'-γ-チオトリホスフェート、3'-ホスホラミデート、3'-アルキルホスホネート、3'-アルキルエーテルホスホネート、検出可能な標識およびリガンドからなる群より選択される3'-修飾を含む、項目3~7のいずれかの方法。
9. 5'-修飾ヌクレオチドが、5'-末端に検出可能な標識を含む、項目3~8のいずれかの方法。
10. 第2のプライマーが、5'-末端に5'-OHまたはリン酸基を含む、項目1~9のいずれかの方法。
11. 第2のプライマーが、5'-末端に5'-モノホスフェート; 5'-ジホスフェート、または5'-トリホスフェートを含む、項目1~10のいずれかの方法。
12. エキソヌクレアーゼが、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、またはそれらの任意の組み合わせである、項目1~11のいずれかの方法。
13. 段階(a)の増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)からなる群より選択される等温増幅を含む、項目1~12のいずれかの方法。
14. 段階(a)の増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、またはヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)を含む、項目1~13のいずれかの方法。
15. 標的核酸が一本鎖である、項目1~14のいずれかの方法。
16. 標的核酸が二本鎖である、項目1~14のいずれかの方法。
17. 標的核酸がRNAである、項目1~16のいずれかの方法。
18. 標的核酸がウイルスRNAである、項目1~17のいずれかの方法。
19. 標的核酸がDNAである、項目1~15のいずれかの方法。
20. 標的核酸がウイルスDNAである、項目1~19のいずれかの方法。
21. エキソヌクレアーゼと接触させる前に、二本鎖アンプリコンを加熱する段階をさらに含む、項目1~20のいずれかの方法。
22. 段階(b)の後に一本鎖アンプリコンを検出する段階をさらに含む、項目1~21のいずれかの方法。
23. 検出が、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群より選択される、項目22の方法。
24. 検出する段階が、(a) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブと一本鎖アンプリコンをハイブリダイズさせて複合体を形成させる段階であって、(i) 第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み; かつ(ii) 第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(b) 複合体の存在を検出する段階を含む、項目22の方法。
25. 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブの少なくとも一方が、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする、項目24の方法。
26. 検出可能な標識が、光吸収色素、蛍光色素、発光分子または生物発光分子、量子ドット、放射性標識、酵素、比色標識からなる群より選択される、項目24または25の方法。
27. 検出可能な標識が、コロイド金、着色ガラスまたはプラスチックビーズ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される比色標識である、項目24~26のいずれかの方法。
28. 検出可能な標識が金ナノ粒子またはラテックスビーズである、項目27の方法。
29. リガンドが、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、項目24~28のいずれかの方法。
30. リガンドがビオチンである、項目24~29のいずれかの方法。
31. リガンド結合分子が抗体である、項目24~30のいずれかの方法。
32. 検出する段階がラテラルフロー検出によるものである、項目24~31のいずれかの方法。
33. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)の二本鎖アンプリコンを、一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む核酸プローブと接触させる段階であって、それによって核酸プローブが、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、かつプローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる、段階を含む、方法。
34. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、内部位置に、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み、方法が、核酸プローブと接触させる段階の前に、二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させる段階をさらに含む、項目33の方法。
35. 5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾が、修飾ヌクレオチド間結合修飾核酸塩基、修飾糖、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目34の方法。
36. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、内部位置に、(a) 修飾ヌクレオチド間結合; (b) 逆位ヌクレオシド、5'→5'ヌクレオチド間結合または3'→3'ヌクレオチド間結合; (c) 2'-OHまたは2'-修飾ヌクレオシド; (d) 2'→5'結合; (e) 脱塩基ヌクレオシド; (f) 非環状ヌクレオシド; (g) スペーサー; ならびに(h) (a)~(g)の任意の組み合わせを含む、項目33~35のいずれかの方法。
37. 修飾ヌクレオチド間結合が、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アルキルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸、ボラノリン酸エステル、ホスホン酸水素、アルキルまたはアリールホスホネート、架橋ホスホロアミデート、架橋ホスホロチオエート、架橋アルキレンホスホネート、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-Si(H)2-O-)、およびN,N'-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)、アミド-3 (3'-CH2-C(=O)-N(H)-5')およびアミド-4 (3'-CH2-N(H)-C(=O)-5')、ヒドロキシルアミノ、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキサミド、カルボネート、カルボキシメチル、カルバメート、カルボン酸エステル、チオエーテル、酸化エチレンリンカー、スルフィド、スルホネート、スルホンアミド、スルホン酸エステル、チオホルマセタール(3'-S-CH2-O-5')、ホルムアセタール(3'-O-CH2-O-5')、オキシム、メチレンイミノ、メチレンカルボニルアミノ(methykenecarbonylamino)、メチレンメチルイミノ(MMI, 3'-CH2-N(CH3)-O-5')、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、メチレンオキシメチルイミノ、エーテル(C3'-O-C5')、チオエーテル(C3'-S-C5')、チオアセタミド(C3'-N(H)-C(=O)-CH2-S-C5'、C3'-O-P(O)-O-SS-C5'、C3'-CH2-NH-NH-C5'、3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'、および3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'からなる群より選択される、項目36の方法。
38. 修飾ヌクレオチド間結合がホスホロチオエートである、項目37の方法。
39. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、2'-OHまたは2'-ハロ(例えば、2'-フルオロ)、2'-アルコキシ(例えば、2'-Oメチル、2'-Oメチルメトキシおよび2'-Oメチルエトキシ)、2'-アリールオキシ、2'-O-アミンもしくは2'-O-アルキルアミン(アミンNH2; アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、シアリールアミノ、へテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミンもしくはポリアミノ)、O-CH2CH2(NCH2CH2NMe2)2、メチレンオキシ(4'-CH2-O-2') LNA、エチレンオキシ(4'-(CH2)2-O-2') ENA、2'-アミノ(例えば、2'-NH2、2'-アルキルアミノ、2'-ジアルキルアミノ、2'-ヘテロシクリルアミノ、2'-アリールアミノ、2'-ジアリールアミノ、2'-ヘテロアリールアミノ、2'-ジヘテロアリールアミノおよび2'-アミノ酸); NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミン(アミン = NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、もしくはジへテロアリールアミノ)、-NHC(O)R (R = アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールもしくは糖)、2'-シアノ、2'-メルカプト、2'-アルキル-チオ-アルキル、2'-チオアルコキシ、2'-チオアルキル、2'-アルキル、2'-シクロアルキル、2'-アリール、2'-アルケニル、ならびに2'-アルキニルからなる群より選択される修飾を含む2'-修飾ヌクレオシドを独立して含む、項目33~38のいずれかの方法。
40. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、2'-OHヌクレオシドを含む、項目39の方法。
41. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、5'-末端に5'-OHまたはリン酸基を含む、項目33~40のいずれかの方法。
42. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、5'-末端に5'-モノホスフェート; 5'-ジホスフェート、または5'-トリホスフェートを含む、項目33~41のいずれかの方法。
43. エキソヌクレアーゼが、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、またはそれらの任意の組み合わせである、項目33~42のいずれかの方法。
44. 段階(a)の増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)からなる群より選択される等温増幅を含む、項目33~43のいずれかの方法。
45. 段階(a)の増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、またはヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)を含む、項目33~44のいずれかの方法。
46. 標的核酸が一本鎖である、項目33~45のいずれかの方法。
47. 標的核酸が二本鎖である、項目33~46のいずれかの方法。
48. 標的核酸がRNAである、項目33~47のいずれかの方法。
49. 標的核酸がウイルスRNAである、項目33~48のいずれかの方法。
50. 標的核酸がDNAである、項目33~47のいずれかの方法。
51. 標的核酸がウイルスDNAである、項目33~47のいずれかの方法。
52. エキソヌクレアーゼと接触させる前に、二本鎖アンプリコンを加熱する段階をさらに含む、項目33~51のいずれかの方法。
53. 段階(b)の後に一本鎖アンプリコンを検出する段階をさらに含む、項目33~52のいずれかの方法。
54. 検出が、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群より選択される、項目53の方法。
55. 検出する段階が、(a) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブと一本鎖アンプリコンをハイブリダイズさせて複合体を形成させる段階であって、(i) 第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み; かつ(ii) 第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(b) 複合体の存在を検出する段階を含む、項目53の方法。
56. 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブの少なくとも一方が、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする、項目55の方法。
57. 検出可能な標識が、光吸収色素、蛍光色素、発光分子または生物発光分子、量子ドット、放射性標識、酵素、比色標識からなる群より選択される、項目55または56の方法。
58. 検出可能な標識が、コロイド金、着色ガラスまたはプラスチックビーズ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される比色標識である、項目55~57のいずれかの方法。
59. 検出可能な標識が、金ナノ粒子またはラテックスビーズである、項目58の方法。
60. リガンドが、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、項目55~59のいずれかの方法。
61. リガンドがビオチンである、項目55~60のいずれかの方法。
62. リガンド結合分子が抗体である、項目55~61のいずれかの方法。
63. 検出する段階がラテラルフロー検出によるものである、項目55~62のいずれかの方法。
64. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)の二本鎖アンプリコンを、一本鎖突出部に実質的に相補的な配列を含む核酸プローブと接触させる段階であって、それによって核酸プローブが、相補的な一本鎖突出部とハイブリダイズし、プローブに相補的ではない鎖を一本鎖アンプリコンとして遊離させる、段階を含む、方法。
65. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含む、項目64の方法。
66. ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾が、非標準塩基またはスペーサーである、項目65の方法。
67. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害する二次構造を含む、項目64または65の方法。
68. 段階(a)の増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)からなる群より選択される等温増幅を含む、項目64~67のいずれかの方法。
69. 段階(a)の増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、またはヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)を含む、項目64~68のいずれかの方法。
70. 標的核酸が一本鎖である、項目64~69のいずれかの方法。
71. 標的核酸が二本鎖である、項目64~70のいずれかの方法。
72. 標的核酸がRNAである、項目64~71のいずれかの方法。
73. 標的核酸がウイルスRNAである、項目64~72のいずれかの方法。
74. 標的核酸がDNAである、項目64~71のいずれかの方法。
75. 標的核酸がウイルスDNAである、項目64~71のいずれかの方法。
76. 段階(b)の後に一本鎖アンプリコンを検出する段階をさらに含む、項目64~75のいずれかの方法。
77. 検出が、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群より選択される、項目76の方法。
78. 検出する段階が、(a) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブと一本鎖アンプリコンをハイブリダイズさせて複合体を形成させる段階であって、(i) 第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み; かつ(ii) 第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(b) 複合体の存在を検出する段階を含む、項目76の方法。
79. 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブの少なくとも一方が、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする、項目77の方法。
80. 検出可能な標識が、光吸収色素、蛍光色素、発光分子または生物発光分子、量子ドット、放射性標識、酵素、比色標識からなる群より選択される、項目77または78の方法。
81. 検出可能な標識が、コロイド金、着色ガラスまたはプラスチックビーズ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される比色標識である、項目77~80のいずれかの方法。
82. 検出可能な標識が、金ナノ粒子またはラテックスビーズである、項目81の方法。
83. リガンドが、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、項目76~82のいずれかの方法。
84. リガンドがビオチンである、項目76~83のいずれかの方法。
85. リガンド結合分子が抗体である、項目76~84のいずれかの方法。
86. 検出する段階がラテラルフロー検出によるものである、項目76~85のいずれかの方法。
87. 核酸標的を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を非対称的に増幅して一本鎖アンプリコンを産生する段階; および(b) 一本鎖アンプリコンの存在を検出する段階を含む、方法。
88. 段階(a)の非対称的増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)からなる群より選択される等温増幅を含む、項目87の方法。
89. 段階(a)の非対称的増幅が、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、またはヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)を含む、項目87または88の方法。
90. 検出が、ラテラルフロー検出; コンジュゲートDNAまたは非コンジュゲートDNAとのハイブリダイゼーション; 比色アッセイ; ゲル電気泳動; トーホールド媒介鎖置換反応; 分子ビーコン; フルオロフォア-クエンチャー対; マイクロアレイ; 配列決定; および定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)からなる群より選択される、項目87~89のいずれかの方法。
91. 検出する段階が、(a) (i) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブと一本鎖アンプリコンをハイブリダイズさせて複合体を形成させる段階であって、第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み; かつ(ii) 第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(b) 複合体の存在を検出する段階を含む、項目87~90のいずれかの方法。
92. 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブの少なくとも一方が、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする、項目91の方法。
93. 検出可能な標識が、光吸収色素、蛍光色素、発光分子または生物発光分子、量子ドット、放射性標識、酵素、比色標識からなる群より選択される、項目91または92の方法。
94. 検出可能な標識が、コロイド金、着色ガラスまたはプラスチックビーズ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される比色標識である、項目91~93のいずれかの方法。
95. 検出可能な標識が、金ナノ粒子またはラテックスビーズである、項目94の方法。
96. リガンドが、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、項目91~95のいずれかの方法。
97. リガンドがビオチンである、項目91~96のいずれかの方法。
98. リガンド結合分子が抗体である、項目91~97のいずれかの方法。
99. 検出する段階がラテラルフロー検出によるものである、項目91~98のいずれかの方法。
100. 標的核酸が一本鎖である、項目91~99のいずれかの方法。
101. 標的核酸が二本鎖である、項目87~100のいずれかの方法。
102. 標的核酸がRNAである、項目87~101のいずれかの方法。
103. 標的核酸がウイルスRNAである、項目87~102のいずれかの方法。
104. 標的核酸がDNAである、項目87~103のいずれかの方法。
105. 標的核酸がウイルスDNAである、項目87~104のいずれかの方法。
106. 標的核酸を検出する方法であって、
(a) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブと標的核酸をハイブリダイズさせて複合体を形成させる段階であって、(i) 第1の核酸プローブが第1の検出可能な標識を含み; かつ(ii) 第2の核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(b) 複合体の存在を検出する段階を含み、
標的核酸が一本鎖である、
方法。
107. 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブの少なくとも一方が、一本鎖アンプリコンの内側領域でハイブリダイズする、項目106の方法。
108. 検出可能な標識が、光吸収色素、蛍光色素、発光分子または生物発光分子、量子ドット、放射性標識、酵素、比色標識からなる群より選択される、項目106または107の方法。
109. 検出可能な標識が、コロイド金、着色ガラスまたはプラスチックビーズ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される比色標識である、項目106~108のいずれかの方法。
110. 検出可能な標識が、金ナノ粒子またはラテックスビーズである、項目109の方法。
111. リガンドが、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、項目106~110のいずれかの方法。
112. リガンドがビオチンである、項目106~111のいずれかの方法。
113. リガンド結合分子が抗体である、項目106~112のいずれかの方法。
114. 検出する段階がラテラルフロー検出によるものである、項目106~113のいずれかの方法。
115. 標的核酸がRNAである、項目106~114のいずれかの方法。
116. 標的核酸がウイルスRNAである、項目106~115のいずれかの方法。
117. 標的核酸がDNAである、項目106~114のいずれかの方法。
118. 標的核酸がウイルスDNAである、項目106~114のいずれかの方法。
119. 標的核酸が一本鎖アンプリコンである、項目106~118のいずれかの方法。
120. 検出する段階(a)の前に一本鎖アンプリコンを調製する段階をさらに含む、項目119の方法。
121. 標的核酸を増幅するための第1のプライマーおよび第2のプライマーを含む組成物であって、第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含み、かつ第2のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を増強する核酸修飾を任意で含んでいてもよい、組成物。
122. 第1のプライマーおよび第2のプライマーの各々が、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を独立して含む、標的核酸を増幅するための第1のプライマーおよび第2のプライマーを含む組成物。
123. 5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾が5'末端に存在する、項目121または122の組成物。
124. 5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾が内部位置に存在する、項目121または122の組成物。
125. 5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾が、修飾ヌクレオチド間結合修飾核酸塩基、修飾糖、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目121~124のいずれかの組成物。
126. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの少なくとも一方または両方が、ポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含む、標的核酸を増幅するための第1のプライマーおよび第2のプライマーを含む組成物。
127. プライマーの少なくとも一方が、(a) 修飾ヌクレオチド間結合; (b) 逆位ヌクレオシドまたは5'→5'ヌクレオチド間結合; (c) 2'-OHまたは2'-修飾ヌクレオシド; (d) 5'修飾ヌクレオチドおよび/または3'修飾ヌクレオチド; (e) 2'→5'結合; (f) 脱塩基ヌクレオシド; (g) 非環状ヌクレオシド; (h) スペーサー; (i) 左巻きDNA; ならびに(j) (a)~(i)の任意の組み合わせからなる群より選択される修飾を含む、項目122~126のいずれかの組成物。
128. 修飾ヌクレオチド間結合が、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アルキルホスホネート、ホスホラミデート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸、ボラノリン酸エステル、ホスホン酸水素、アルキルまたはアリールホスホネート、架橋ホスホロアミデート、架橋ホスホロチオエート、架橋アルキレンホスホネート、メチレンメチルイミノ(-CH2-N(CH3)-O-CH2-)、チオジエステル(-O-C(O)-S-)、チオノカルバメート(-O-C(O)(NH)-S-)、シロキサン(-O-Si(H)2-O-)、およびN,N'-ジメチルヒドラジン(-CH2-N(CH3)-N(CH3)-)、アミド-3 (3'-CH2-C(=O)-N(H)-5')およびアミド-4 (3'-CH2-N(H)-C(=O)-5')、ヒドロキシルアミノ、シロキサン(ジアルキルシロキサン)、カルボキサミド、カルボネート、カルボキシメチル、カルバメート、カルボン酸エステル、チオエーテル、酸化エチレンリンカー、スルフィド、スルホネート、スルホンアミド、スルホン酸エステル、チオホルマセタール(3'-S-CH2-O-5')、ホルムアセタール(3'-O-CH2-O-5')、オキシム、メチレンイミノ、メチレンカルボニルアミノ(methykenecarbonylamino)、メチレンメチルイミノ(MMI, 3'-CH2-N(CH3)-O-5')、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ、メチレンオキシメチルイミノ、エーテル(C3'-O-C5')、チオエーテル(C3'-S-C5')、チオアセタミド(C3'-N(H)-C(=O)-CH2-S-C5'、C3'-O-P(O)-O-SS-C5'、C3'-CH2-NH-NH-C5'、3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'、および3'-NHP(O)(OCH3)-O-5'からなる群より選択される、項目127の組成物。
129. 修飾ヌクレオチド間結合がホスホロチオエートである、項目128の組成物。
130. 2'-修飾ヌクレオシドが、2'-ハロ(例えば、2'-フルオロ)、2'-アルコキシ(例えば、2'-Oメチル、2'-Oメチルメトキシおよび2'-Oメチルエトキシ)、2'-アリールオキシ、2'-O-アミンもしくは2'-O-アルキルアミン(アミンNH2; アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、シアリールアミノ、へテロアリールアミノ、ジヘテロアリールアミノ、エチレンジアミンもしくはポリアミノ)、O-CH2CH2(NCH2CH2NMe2)2、メチレンオキシ(4'-CH2-O-2') LNA、エチレンオキシ(4'-(CH2)2-O-2') ENA、2'-アミノ(例えば、2'-NH2、2'-アルキルアミノ、2'-ジアルキルアミノ、2'-ヘテロシクリルアミノ、2'-アリールアミノ、2'-ジアリールアミノ、2'-ヘテロアリールアミノ、2'-ジヘテロアリールアミノおよび2'-アミノ酸); NH(CH2CH2NH)nCH2CH2-アミン(アミン = NH2、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヘテロシクリル、アリールアミノ、ジアリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、もしくはジへテロアリールアミノ)、-NHC(O)R (R = アルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールもしくは糖)、2'-シアノ、2'-メルカプト、2'-アルキル-チオ-アルキル、2'-チオアルコキシ、2'-チオアルキル、2'-アルキル、2'-シクロアルキル、2'-アリール、2'-アルケニル、ならびに2'-アルキニルからなる群より選択される修飾を含む、項目127~129のいずれかの組成物。
131. 逆位ヌクレオシドがdTである、項目127~130のいずれかの組成物。
132. 5'-修飾ヌクレオチドが、5'-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート)、5'-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート)、5'-ホスホロチオレート、5'-α-チオトリホスフェート、5'-β-チオトリホスフェート、5'-γ-チオトリホスフェート、5'-ホスホラミデート、5'-アルキルホスホネート、5'-アルキルエーテルホスホネート、検出可能な標識およびリガンドからなる群より選択される5'-修飾を含むか; または3'-修飾ヌクレオチドが、3'-モノチオホスフェート(ホスホロチオエート)、3'-モノジチオホスフェート(ホスホロジチオエート)、3'-ホスホロチオレート、3'-α-チオトリホスフェート、3'-β-チオトリホスフェート、3'-γ-チオトリホスフェート、3'-ホスホラミデート、3'-アルキルホスホネート、3'-アルキルエーテルホスホネート、検出可能な標識およびリガンドからなる群より選択される3'-修飾を含む、項目127~131のいずれかの組成物。
133. 5'-修飾ヌクレオチドが、5'-末端に検出可能な標識を含む、項目127~132のいずれかの組成物。
134. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの一方が、5'-末端に5'-OHまたはリン酸基を含む、項目121~127のいずれかの組成物。
135. 第1のプライマーまたは第2のプライマーの一方が、5'-末端に5'-モノホスフェート; 5'-ジホスフェート、または5'-トリホスフェートを含む、項目121~134のいずれかの組成物。
136. 核酸増幅のための1つまたは複数の試薬をさらに含む、項目121~135のいずれかの組成物。
137. 5'→3'エキソヌクレアーゼをさらに含む、項目121~136のいずれかの組成物。
138. エキソヌクレアーゼが、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、またはそれらの任意の組み合わせである、項目137の組成物。
139. 増幅のための標的核酸をさらに含む、項目121~138のいずれかの組成物。
140. 標的核酸が参照核酸である、項目139の組成物。
141. 標的核酸の増幅によって産生されたアンプリコンをさらに含む、項目121~140のいずれかの組成物。
142. アンプリコンが二本鎖である、項目141の組成物。
143. アンプリコンが、少なくとも一端に5'一本鎖突出部を含む、項目142の組成物。
144. アンプリコンが一本鎖である、項目141の組成物。
145. キットの形態である、項目121~144のいずれかの組成物。
146. 第1の核酸鎖および第2の核酸鎖が互いに実質的に相補的である、
a. 検出可能な標識を含む第1の核酸鎖; および
b. リガンド結合分子に対するリガンドを含む第2の核酸プローブ
を含む、二本鎖核酸。
147. 検出可能な標識が、光吸収色素、蛍光色素、発光分子または生物発光分子、量子ドット、放射性標識、酵素、比色標識からなる群より選択される、項目146の二本鎖核酸。
148. 検出可能な標識が、コロイド金、着色ガラスまたはプラスチックビーズ、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される比色標識である、項目146または147の二本鎖核酸。
149. 検出可能な標識が、金ナノ粒子またはラテックスビーズである、項目148の二本鎖核酸。
150. リガンドが、有機分子および無機分子、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、ペプチド模倣体、糖タンパク質、レクチン、ヌクレオシド、ヌクレオチド、単糖、二糖、三糖、オリゴ糖、多糖、リポ多糖、ビタミン、ステロイド、ホルモン、補因子、受容体、受容体リガンド、ならびにそれらの類似体および誘導体からなる群より選択される、項目146~149のいずれかの二本鎖核酸。
151. リガンドがビオチンである、項目146~150のいずれかの二本鎖核酸。
152. 項目146~151のいずれかの二本鎖核酸を含む組成物。
153. リガンドと結合することができるリガンド結合分子をさらに含む、項目152の組成物。
154. リガンド結合分子が抗体である、項目152の組成物。
155. 検出可能な標識を検出するための手段をさらに含む、項目152~154のいずれかの組成物。
156. 検出可能な標識を検出するための手段がラテラルフロー検出を含む、項目155の組成物。
157. 検出可能な標識を検出するための手段がLFIAを含む、項目155の組成物。
158. キットの形態である、項目152~157のいずれかの組成物。
159. 一本鎖アンプリコンを検出する段階が、(a) (i) フルオロフォアを含んだ第1の核酸鎖; (ii) フルオロフォアの蛍光発光をクエンチングするためのクエンチャーを含んだ第2の核酸鎖を含む二本鎖プローブと一本鎖アンプリコンを接触させる段階; ならびに(b) フルオロフォアの蛍光発光を測定する段階を含み、フルオロフォアの蛍光発光は、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖が互いにハイブリダイズする場合にクエンチされ、二本鎖プローブが一端に一本鎖突出部を含み、一本鎖突出部を含んだ核酸鎖が、一本鎖アンプリコンの領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、アンプリコンと突出部を含んだ核酸鎖とが互いにハイブリダイズし、それによって、クエンチャーによるフルオロフォアの蛍光発光のクエンチングが阻害される、項目22、53、76または87のいずれかの方法。
160. 第1の核酸鎖が一本鎖突出部を含む、項目159の方法。
161. 第1の核酸鎖および第2の核酸鎖が互いに共有結合している、項目159または160の方法。
162. 界面活性剤を二本鎖アンプリコンに添加する段階をさらに含む、項目1~105のいずれかの方法。
163. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンを界面活性剤と接触させて一本鎖アンプリコンを置換する段階を含む、方法。
164. 界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、項目162または163の方法。
165. 界面活性剤がドデシル硫酸ナトリウム(SDS)である、項目162~164のいずれかの方法。
166. 標的核酸を検出するための方法であって、第1のプライマーおよび第2のプライマーで標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、第1のプライマーがその5'末端に検出可能な標識を含む、段階; (b) 二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させて、一本鎖領域(例えば、一本鎖アンプリコン)を有するアンプリコンを産生する段階; ならびに(c) 一本鎖領域を有するアンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、一本鎖領域を有するアンプリコンをラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ラテラルフロー試験ストリップが、固定化された核酸捕捉プローブを含む試験/捕捉領域を含み、核酸捕捉プローブが、一本鎖アンプリコンの少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメイン(例えば、一本鎖領域)を含む、方法。
167. 標的核酸を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、(i) 第1のプライマーがその5'末端に検出可能な標識を含み; (ii) 第2のプライマーが1つまたは複数のウリジンヌクレオチドを含む、段階; ならびに(b) 段階(a)からの二本鎖アンプリコンをラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)と接触させて、一本鎖領域を有するアンプリコン(例えば、一本鎖アンプリコン)を産生する段階; ならびに(c) 一本鎖領域を有するアンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、一本鎖領域を有するアンプリコンをラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ラテラルフロー試験ストリップが、固定化された核酸捕捉プローブを含む試験/捕捉領域を含み、核酸捕捉プローブが、アンプリコンの一本鎖領域の少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメイン(例えば、一本鎖領域)を含む、方法。
168. 標的核酸を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を第1のプライマーおよび第2のプライマーで増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、第1のプライマーが、その5'末端に検出可能な標識、および内部位置においてポリメラーゼによる相補鎖の合成を阻害することができる核酸修飾を含み、二本鎖アンプリコンが一端に5'一本鎖領域を含む、段階; ならびに(b) 5'一本鎖領域を有するアンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、アンプリコンをラテラルフロー試験ストリップに適用する段階を含み、ラテラルフロー試験ストリップが、固定化された核酸捕捉プローブを含む試験/捕捉領域を含み、核酸捕捉プローブの第1の領域/ドメインが、一本鎖アンプリコンの少なくとも一部に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含んだトーホールドドメインを含む、方法。
169. 二本鎖アンプリコンを界面活性剤、例えば、SDSと接触させる段階をさらに含む、項目166~168のいずれかの方法。
170. 標的核酸を検出するための方法であって、(a) 標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階; (b) 第1の核酸プローブおよび第2の核酸プローブを二本鎖アンプリコンの1つの鎖にハイブリダイズさせて、二本鎖アンプリコンの1つの鎖にハイブリダイズされた第1のプローブおよび第2のプローブを含む複合体を形成させる段階であって、前記ハイブリダイズさせることが、界面活性剤、例えばSDSおよび/または一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸にハイブリダイズ/局在化させることができる試薬の存在下であり、第1の核酸プローブが、第1の検出可能な標識を含み、かつ第2の核酸プローブが、リガンド結合分子に対するリガンドを含む、段階; ならびに(c) 複合体を、例えばラテラルフローアッセイ/装置により、検出する段階を含む、方法。
171. 標的核酸を検出するための方法であって、(a) 第1のプライマーおよび第2のプライマーで標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含む、段階; (b) 二本鎖アンプリコンを5'→3'エキソヌクレアーゼと接触させて一本鎖アンプリコンを産生する段階; ならびに(c) 一本鎖アンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、複数の核酸プローブを一本鎖アンプリコンにハイブリダイズさせる段階を含み、複数のメンバーが、鎖の異なる領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、各プローブがそれに付着された検出可能な標識を含み、かつ検出可能な標識が標識密度、pH変化、および/または温度変化に応じて光学特性の変化を起こし、任意で、前記ハイブリダイズさせる段階が界面活性剤、例えば、SDSの存在下であってもよい、方法。
172. 標的核酸を検出するための方法であって、(a) 第1のプライマーおよび第2のプライマーで標的核酸を増幅して二本鎖アンプリコンを産生する段階であって、任意で、第1のプライマーが、5'→3'エキソヌクレアーゼの5'→3'切断活性を阻害することができる核酸修飾を含んでいてもよい、段階; ならびに(b) 二本鎖アンプリコンを検出する段階を含み、前記検出する段階が、複数の核酸プローブを二本鎖の一方の鎖にハイブリダイズさせる段階を含み、前記ハイブリダイズさせる段階が、界面活性剤、例えば、SDS、および/または一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸に局在化させることができる試薬の存在下であり、複数のメンバーが、鎖の異なる領域に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、各プローブがそれに付着された検出可能な標識を含み、かつ検出可能な標識が標識密度、pH変化、および/または温度変化に応じて光学特性の変化を起こす、方法。
173. 一本鎖核酸鎖を二本鎖核酸に局在化させることができる試薬が、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質、Casタンパク質、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、転写活性化因子様エフェクタヌクレアーゼ(TALEN)、またはそれらの任意の組み合わせである、項目171または172の方法。
174. 検出可能な標識がナノ粒子である、項目166~173のいずれかの方法。
175. 検出する段階がラテラルフローアッセイによるものであり、ラテラルフローアッセイが界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤の存在下である、前記項目のいずれかの方法。
176. 界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤が、0.5%~20%の範囲の濃度である、項目175の方法。
177. 界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤が、約10%の濃度である、項目178の方法。
178. 界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤が、緩衝液、例えば、ラテラルフローアッセイのための泳動用緩衝液中である、項目175~176のいずれかの方法。
179. 界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤が、プローブ結合アンプリコンを含む溶液に、その溶液をアッセイのラテラルフロー試験ストリップに適用する前におよび/または適用するのと同時に添加される、項目175~178のいずれかの方法。
180. アッセイのラテラルフロー試験ストリップが、界面活性剤、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、および/または還元剤で前処理される、項目175~179のいずれかの方法。
本明細書において記載される技術のいくつかの態様は、番号付けされた以下の項目のいずれかによって定義することができる。
1. サンプル中の標的核酸を検出するための方法であって、(a) 核酸プローブを標的核酸の増幅からのアンプリコンにハイブリダイズさせる段階であって、核酸プローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたは標的核酸の増幅において用いられるプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含み、核酸プローブが、検出可能なシグナルを生成できるレポーター分子を含み、かつ前記増幅がループ媒介等温増幅(LAMP)である、段階; (b) ハイブリダイズされた核酸プローブを、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する二本鎖特異的エキソヌクレアーゼで切断する段階; および(c) 切断された核酸プローブからのレポーター分子を検出する段階、または任意の残存している非切断核酸プローブを配列特異的な方法で検出する段階を含む、方法。
2. 核酸プローブをハイブリダイズさせる段階またはハイブリダイズされた核酸プローブを切断する段階が、標的核酸の増幅と同時である、項目1の方法。
3. レポーター分子が、蛍光分子、放射性同位体、発色団、酵素、酵素基質、化学発光部分、生物発光部分、エコー源物質、非金属同位体、光学レポーター、常磁性金属イオン、および強磁性金属からなる群より選択される、項目1または2の方法。
4. 核酸プローブがクエンチャー分子をさらに含む、項目1~3のいずれかの方法。
5. 核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされない場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目4の方法。
6. 核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされた場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目4または5の方法。
7. 核酸プローブが、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む、項目4~6のいずれかの方法。
8. 核酸プローブが、複数のレポーター分子を含む、項目1~7のいずれかの方法。
9. 増幅において用いられる少なくとも1つのプライマーが、エキソヌクレアーゼの5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を阻害することができる核酸修飾を含む、項目1~8のいずれかの方法。
10. 核酸プローブが、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの前記核酸修飾を含む、項目1~9のいずれかの方法。
11. 核酸プローブが、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目1~10のいずれかの方法。
12. エキソヌクレアーゼがポリメラーゼ活性を欠く、項目1~11のいずれかの方法。
13. エキソヌクレアーゼがポリメラーゼ活性を有する、項目1~12のいずれかの方法。
14. エキソヌクレアーゼが、Bst Full Length、Taq DNAポリメラーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、エキソヌクレアーゼVIII短縮型、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目1~13のいずれかの方法。
15. レポーター分子を検出する段階が、レポーター分子によって生成される検出可能なシグナルを検出する段階を含む、項目1~14のいずれかの方法。
16. レポーター分子を検出する段階が、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、または免疫蛍光検出を含む、項目1~15の方法。
17. レポーター分子を検出する段階がラテラルフローアッセイを含む、項目1~16のいずれかの方法。
18. 核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、項目1~17のいずれかの方法。
19. 配列特異的検出が、トーホールド媒介鎖置換、プローブに基づく電気化学的読み出し、マイクロアレイ検出、配列特異的増幅、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目1~18のいずれかの方法。
20. 核酸プローブが、標的核酸の増幅において用いられるプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目1~19のいずれかの方法。
21. サンプル中の標的核酸を検出するためのキットであって、(a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; (b) LAMPによって標的核酸を増幅するためのプライマーセットであって、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、プライマーセット; ならびに(c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブを含む、キット。
22. プライマーセットがフォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む、項目21のキット。
23. 核酸プローブがクエンチャー分子をさらに含む、項目21または23のキット。
24. 核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされない場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目23のキット。
25. 参照核酸をさらに含む、項目21~24のいずれかのキット。
26. レポーター分子を検出するためのラテラルフロー装置をさらに含む、項目21~25のいずれかのキット。
27. レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに含む、項目21~26のいずれかのキット。
28. 鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む、項目21~27のいずれかのキット。
29. dNTPをさらに含む、項目21~28のいずれかのキット。
30. 緩衝液をさらに含む、項目21~29のいずれかのキット。
31. (a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ; (b) LAMPを介して標的核酸を増幅するためのプライマーセットであって、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、プライマーセット; ならびに(c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブを含む、組成物。
32. プライマーセットがフォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む、項目31の組成物。
33. 核酸プローブがクエンチャー分子をさらに含む、項目31または32の組成物。
34. 核酸プローブが相補鎖にハイブリダイズされない場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目33の組成物。
35. 標的核酸をさらに含む、項目31~34のいずれかの組成物。
36. 鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む、項目31~35のいずれかの組成物。
37. dNTPをさらに含む、項目31~36のいずれかの組成物。
38. 緩衝液をさらに含む、項目31~37のいずれかの組成物。
39. 凍結乾燥された形態である、項目31~38のいずれかの組成物。
40. 組成物の1つまたは複数の構成要素が、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置されている、項目31~39のいずれかの組成物。
41. 2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置をさらに含む、項目21~30のいずれかのキット。
42. キットの少なくとも1つの構成要素が、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置されている、項目21~30または41のいずれかのキット。
43. 2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置において実施される、項目1~20のいずれかの方法。
44. 流体を第1から第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段が、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される、項目40~43のいずれかの組成物、キット、または方法。
45. 装置が、レポーター分子から検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える、項目40~44のいずれかの組成物、キット、または方法。
本明細書において記載される技術のいくつかの態様は、番号付けされた以下の項目のいずれかによって定義することができる。
1. サンプル中の標的核酸の増幅からのアンプリコンを検出するための方法であって、
核酸プローブを標的核酸の増幅からのアンプリコンにハイブリダイズさせる段階であって、
核酸プローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたは標的核酸の増幅において用いられるプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含み、
核酸プローブが、検出可能なシグナルを生成できるレポーター分子を含み、かつ
任意で、核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされた場合にレポーター分子からの検出可能なシグナルが部分的にクエンチされる、
段階;
ハイブリダイズされた核酸プローブを、5'から3'方向のエキソヌクレアーゼ活性を有する二本鎖特異的エキソヌクレアーゼで切断する段階; および
切断された核酸プローブからのレポーター分子を検出する段階、または任意の残存している非切断核酸プローブを検出する段階
を含む、方法。
2. 核酸プローブをハイブリダイズさせる段階またはハイブリダイズされた核酸プローブを切断する段階が、標的核酸の増幅と同時である、項目1の方法。
3. 核酸プローブをハイブリダイズさせる段階またはハイブリダイズされた核酸プローブを切断する段階が、標的核酸の増幅の後である、項目1の方法。
4. レポーター分子が、蛍光分子、放射性同位体、発色団、酵素、酵素基質、化学発光部分、生物発光部分、エコー源物質、非金属同位体、光学レポーター、常磁性金属イオン、および強磁性金属からなる群より選択される、項目1~3のいずれかの方法。
5. 核酸プローブがクエンチャー分子をさらに含む、項目1~4のいずれかの方法。
6. 核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされない場合に、クエンチャー分子がレポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目5の方法。
7. 核酸プローブがアンプリコンにハイブリダイズされた場合に、クエンチャー分子がレポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目5または6の方法。
8. 核酸プローブが、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む、項目5~7のいずれかの方法。
9. 核酸プローブが、複数のレポーター分子を含む、項目1~8のいずれかの方法。
10. 複数のレポーター分子の中の少なくとも2つのレポーター分子が異なる、項目9の方法。
11. 増幅において用いられる少なくとも1つのプライマーが、エキソヌクレアーゼの5'→3'エキソヌクレアーゼ活性を阻害することができる核酸修飾を含む、項目1~10のいずれかの方法。
12. 核酸プローブが、少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目1~11のいずれかの方法。
13. 核酸プローブが、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目1~12のいずれかの方法。
14. 核酸プローブが、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目1~13のいずれかの方法。
15. エキソヌクレアーゼがポリメラーゼ活性を欠く、項目1~14のいずれかの方法。
16. エキソヌクレアーゼがポリメラーゼ活性を有する、項目1~15のいずれかの方法。
17. エキソヌクレアーゼが、Bst Full Length、Taq DNAポリメラーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、エキソヌクレアーゼVIII短縮型、ラムダエキソヌクレアーゼ、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、およびそれらの任意の組み合わせからなる群より選択される、項目1~16のいずれかの方法。
18. 増幅が等温増幅である、項目1~17のいずれかの方法。
19. 増幅が、ループ媒介等温増幅(LAMP)、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)からなる群より選択される、項目1~18のいずれかの方法。
20. 増幅がループ媒介等温増幅(LAMP)である、項目1~19のいずれかの方法。
21. アンプリコンが一本鎖である、項目1~20のいずれかの方法。
22. 核酸プローブをアンプリコンにハイブリダイズさせる段階の前に、標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製する段階をさらに含む、項目21の方法。
23. レポーター分子を検出する段階が、レポーター分子によって生成される検出可能なシグナルを検出する段階を含む、項目1~22のいずれかの方法。
24. レポーター分子を検出する段階が、蛍光検出、発光検出、化学発光検出、比色検出、または免疫蛍光検出を含む、項目1~23のいずれかの方法。
25. レポーター分子を検出する段階がラテラルフローアッセイを含む、項目1~24のいずれかの方法。
26. 核酸プローブがリガンド結合分子に対するリガンドを含む、項目1~25のいずれかの方法。
27. 核酸プローブがラテラルフロー検出可能部分を含む、項目1~26のいずれかの方法。
28. 非切断核酸プローブを検出する段階が配列特異的検出を含む、項目1~27のいずれかの方法。
29. 配列特異的検出が、トーホールド媒介鎖置換、プローブに基づく電気化学的読み出し、マイクロアレイ検出、配列特異的増幅、コンジュゲートもしくは非コンジュゲート核酸鎖とのハイブリダイゼーション、比色アッセイ、ゲル電気泳動、分子ビーコン、フルオロフォア-クエンチャー対、マイクロアレイ、配列決定、またはそれらの任意の組み合わせを含む、項目28の方法。
30. 非切断核酸プローブを検出する段階がラテラルフロー検出を含む、項目1~29のいずれかの方法。
31. 核酸プローブが表面に固定化される、項目1~30のいずれかの方法。
32. 増幅において用いられる少なくとも1つのプライマーが表面に固定化される、項目1~31のいずれかの方法。
33. 核酸プローブが、標的核酸の増幅において用いられるプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目1~32のいずれかの方法。
34. 核酸プローブが、標的核酸の増幅において用いられるプライマーと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む、項目1~33のいずれかの方法。
35. 核酸プローブが、アンプリコンの内部位置のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目1~34のいずれかの方法。
36. 核酸プローブが、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖中の領域に実質的に相補的である領域を含む、項目1~35のいずれかの方法。
37. 第1の鎖および第2の鎖が互いに連結されている、項目36の方法。
38. 核酸プローブが、アンプリコンにハイブリダイズされた場合にヘアピン構造を形成する、項目1~37のいずれかの方法。
39. 核酸プローブが、アンプリコンにハイブリダイズされた場合に一本鎖領域を含む、項目1~38のいずれかの方法。
40. 検出が、少なくとも2つの標的核酸の多重検出である、項目1~39のいずれかの方法。
41. 2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置において実施される、項目1~40のいずれかの方法。
42. 流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段が、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される、項目41の方法。
43. 装置が、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える、項目42の方法。
44. サンプル中の標的核酸を検出するためのキットであって、
a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ;
b) 標的核酸を増幅するためのプライマーセット; および
c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブ
を含む、キット。
45. 増幅がLAMPであり、かつプライマーセットが、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、項目44のキット。
46. プライマーセットが、フォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む、項目45のキット。
47. 核酸プローブがクエンチャー分子をさらに含む、項目44~46のいずれかのキット。
48. 核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされない場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目47のキット。
49. 核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされた場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目47のキット。
50. 核酸プローブが、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む、項目47~49のいずれかのキット。
51. 核酸プローブが、複数のレポーター分子を含む、項目44~50のいずれかのキット。
52. 複数のレポーター分子の中の少なくとも2つのレポーター分子が異なる、項目51のキット。
53. 核酸プローブが、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目44~52のいずれかのキット。
54. 核酸プローブが、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目44~53のいずれかのキット。
55. 参照核酸をさらに含む、項目44~54のいずれかのキット。
56. レポーター分子を検出するためのラテラルフロー装置をさらに含む、項目44~55のいずれかのキット。
57. レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに含む、項目44~56のいずれかのキット。
58. 標的核酸から二本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む、項目44~57のいずれかのキット。
59. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む、項目44~58のいずれかのキット。
60. 鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む、項目44~59のいずれかのキット。
61. dNTPをさらに含む、項目44~60のいずれかのキット。
62. 緩衝液をさらに含む、項目44~61のいずれかのキット。
63. 2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置をさらに含む、項目44~62のいずれかのキット。
64. キットの少なくとも1つの構成要素が、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置されている、項目44~63のいずれかのキット。
65. 流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段が、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される、項目63または64のキット。
66. 装置が、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える、項目63~65のいずれかのキット。
67. 核酸プローブが、プライマーセット中のプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目44~66のいずれかのキット。
68. 核酸プローブが、プライマーセット中のプライマーと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む、項目44~67のいずれかのキット。
69. 核酸プローブが、プライマーセットを用いて調製されたアンプリコンの内部位置のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目44~68のいずれかのキット。
70. 核酸プローブが、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖中の領域に実質的に相補的である領域を含む、項目44~69のいずれかのキット。
71. 第1の鎖および第2の鎖が互いに連結されている、項目70のキット。
72. 核酸プローブが、相補的核酸にハイブリダイズされた場合にヘアピン構造を形成する、項目44~71のいずれかのキット。
73. a) 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼ;
b) 標的核酸を増幅するためのプライマーセット; および
c) レポーター分子を含む核酸プローブであって、レポーター分子が、検出可能なシグナルを生成することができ、かつプローブが、標的核酸のヌクレオチド配列に対してまたはプライマーセット中のプライマーに対して実質的に相補的または同一なヌクレオチド配列を含む、核酸プローブ
を含む、組成物。
74. 増幅がLAMPであり、かつプライマーセットが、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、項目73の組成物。
75. プライマーセットが、フォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む、項目74の組成物。
76. 核酸プローブがクエンチャー分子をさらに含む、項目73~75のいずれかの組成物。
77. 核酸プローブが相補鎖にハイブリダイズされない場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目76の組成物。
78. 核酸プローブが相補的核酸鎖にハイブリダイズされた場合に、クエンチャー分子が、レポーター分子からの検出可能なシグナルをクエンチする、項目76の組成物。
79. 核酸プローブが、少なくとも1つのさらなるクエンチャー分子をさらに含む、項目73~78のいずれかの組成物。
80. 核酸プローブが、複数のレポーター分子を含む、項目73~79のいずれかの組成物。
81. 複数のレポーター分子の中の少なくとも2つのレポーター分子が異なる、項目80の組成物。
82. 核酸プローブが、相補鎖とハイブリダイズさせるために核酸プローブの融解温度(Tm)を増大させることができる核酸修飾を欠く核酸プローブと比べて、少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目73~81のいずれかの組成物。
83. 核酸プローブが、ポリメラーゼによる伸長を阻害することができる少なくとも1つの核酸修飾を含む、項目73~82のいずれかの組成物。
84. 参照核酸をさらに含む、項目73~83のいずれかの組成物。
85. 標的核酸をさらに含む、項目73~84のいずれかの組成物。
86. 標的核酸から二本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む、項目73~85のいずれかの組成物。
87. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む、項目73~86のいずれかの組成物。
88. 鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む、項目73~87のいずれかの組成物。
89. dNTPをさらに含む、項目73~88のいずれかの組成物。
90. 緩衝液をさらに含む、項目73~89のいずれかの組成物。
91. 凍結乾燥形態である、項目73~90のいずれかの組成物。
92. 組成物の1つまたは複数の構成要素が、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置されている、項目73~91のいずれかの組成物。
93. 流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段が、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される、項目92の組成物。
94. 装置が、レポーター分子からの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える、項目92または93の組成物。
95. 核酸プローブが、標的核酸の増幅において用いられるプライマーに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目73~94のいずれかの組成物。
96. 核酸プローブが、標的核酸の増幅において用いられるプライマーと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む、項目73~95のいずれかの組成物。
97. 核酸プローブが、アンプリコンの内部位置のヌクレオチド配列に実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目73~96のいずれかの組成物。
98. 核酸プローブが、第1の核酸鎖および第2の核酸鎖を含み、第1の鎖が、第2の鎖中の領域に実質的に相補的である領域を含む、項目73~97のいずれかの組成物。
99. 第1の鎖および第2の鎖が互いに連結されている、項目98の組成物。
100. 核酸プローブが、相補的核酸にハイブリダイズされた場合にヘアピン構造を形成する、項目73~99のいずれかの組成物。
101. 標的核酸から産生された一本鎖アンプリコンをさらに含む、項目73~100のいずれかの組成物。
102. 標的核酸から産生された二本鎖アンプリコンをさらに含む、項目73~101のいずれかの組成物。
103. サンプル中の標的核酸を検出するためのキットであって、核酸プローブを含み、核酸プローブが、SEQ ID NO: 51~55からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、キット。
104. 5'→3'切断活性を有するエキソヌクレアーゼをさらに含む、項目103のキット。
105. 標的核酸を増幅するためのプライマーセットをさらに含む、項目103または104のキット。
106. 増幅がLAMPであり、プライマーセットが、フォワード外側プライマー(F3)、リバース外側プライマー(R3)、フォワード内側プライマー(FIP)、およびリバース内側プライマー(RIP)を含む、項目105のキット。
107. プライマーセットが、フォワードループプライマー(LF)およびリバースループプライマー(LR)をさらに含む、項目106のキット。
108. 参照核酸をさらに含む、項目103~107のいずれかのキット。
109. ラテラルフロー装置をさらに含む、項目103~108のいずれかのキット。
110. 核酸プローブからの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに含む、項目103~109のいずれかのキット。
111. 標的核酸から二本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む、項目103~110のいずれかのキット。
112. 標的核酸から一本鎖アンプリコンを調製するための試薬をさらに含む、項目103~111のいずれかのキット。
113. 鎖置換活性を有するDNAポリメラーゼをさらに含む、項目103~112のいずれかのキット。
114. dNTPをさらに含む、項目103~113のいずれかのキット。
115. 緩衝液をさらに含む、項目103~114のいずれかのキット。
116. 2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置をさらに含む、項目103~115のいずれかのキット。
117. キットの少なくとも1つの構成要素が、2つまたはそれ以上のチャンバと、流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段とを備える装置中に配置されている、項目103~116のいずれかのキット。
118. 流体を第1のチャンバから第2のチャンバに不可逆的に移動させるための手段が、内蔵バネによって作動させることができ、内蔵バネの位置エネルギーがソレノイドトリガーによって解放される、項目116または117のキット。
119. 装置が、核酸プローブからの検出可能なシグナルを検出するための手段をさらに備える、項目116~118のいずれかのキット。
120. プライマーセット中のプライマーが、核酸プローブに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含む、項目105~119のいずれかのキット。
121. プライマーセット中のプライマーが、核酸プローブと実質的に同一なヌクレオチド配列を含む、項目105~120のいずれかのキット。
122. プライマーセットを用いて調製されたアンプリコンの内部位置に、核酸プローブに実質的に相補的なヌクレオチド配列が含まれる、項目103~121のいずれかのキット。
実施例1: リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)および配列特異的ラテラルフロー装置(LFD)を用いた核酸の高特異性検出法
序論
特定の標的被分析物配列の等温増幅における最近の技術革新は、結果の視覚的な読み出しと組み合わせて、迅速、安価で、容易に使用可能な機器を使用する高感度のポイントオブケア(POC)診断の可能性をもたらした。
特に興味深い等温増幅法の1つはリコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)であり、これは標的核酸配列(DNA、RNA)の迅速な、指数関数的増幅を可能にする(例えば、Piepenburg 2006を参照のこと)。PCRと同様に、それは標的配列の逆鎖に対応する一対のプライマーを用い、それによって成功裏のアンプリコンを形成させるためには2つの独立した配列を検出する必要があるため、増幅が非常に特異的になる。しかしながら、PCRとは異なり、反応は等温的に行われるため、高価なサーモサイクリング機は必要とされない。また、これにより、標準的なPCRプロトコールと比較して、反応が非常に迅速に(通常30分未満で)行われることが可能になる(例えば、Piepenburg 2006, Tsaloglou 2018を参照のこと)。
いくつかの視覚的診断用読み出しアッセイが開発されているが、ラテラルフロー装置(LFD)読み出しにはいくつかの重要な利点がある。LFDは、毛細管現象を使って反応物または試薬を一連の膜に沿って移送し、標的被分析物の存在下でのみ試験ラインの位置にシグナルを発生させるもので、多種多様の標的(例えばタンパク質、抗体、核酸、薬物濃度)をいくつかの異なるタイプの読み出し(例えば蛍光、発色、比色)によって検出するために用いられている。重要なことに、それらは一方向の試薬の流れを用いるため、複数の試薬ラインを連続してプリントすることが可能になる。これにより、複数の試験ラインを使用した多重検出アッセイが可能になる。この局面により、試薬の有効性または安定性をチェックできるように装置に組み込むことができるプリントされた対照ラインを使用して、単一のアッセイで、試験実験と対照実験の両方を実施することも可能になる。
LFD読み出しは非常に特異的であり、標的に依存するシグナルの事前増幅と組み合わせると、検出を非常に高感度にすることもできる。いくつかの実証により、RPA増幅をLFDに基づく読み出しと組み合わせることの可能性が示されている。しかしながら、LFD読み出しによる多くのRPA増幅DNA検出スキームは、最初は別々のプライマー上に存在するが増幅中に一緒になった、フルオロフォアまたはビオチンなどの非DNAシグナルに依存している。RPAはエラーが生じやすく、プライマー「二量体」または他の非特異的な接続がLFD上で陽性シグナルとなるため、これらは本質的に特異性に限界がある。標的アンプリコンの迅速な視覚的検出のためにRPA産物をラテラルフロー装置(LFD)に適用するいくつかの実証はあったが、それらには、RPAバックグラウンドアンプリコンからの偽陽性の問題を排除する、配列特異的な方法で標的アンプリコンをチェックする能力がない。最近の技術の1つでは、RPA段階に続いてCRISPRに基づく検出段階を行うことで、アンプリコンの配列特異的なチェックを達成している。標的アンプリコンへのCRISPR結合を介して配列特異的な方法でアンプリコンをチェックすることにより、このアプローチは、RPAからの偽陽性シグナルの低減により、検出の特異性を大幅に向上させることができる。しかしながら、この技法では、このRPA後の配列特異的チェックを達成するために、LFD読み出し前に余分な加熱インキュベーション段階(通常30分)および余分な酵素試薬が必要とされる(例えば、図8参照)。
非LFD読み出しはまた、一本鎖産物をうまく用い、直接的にまたはトーホールド媒介鎖置換により相補的な試験鎖へのハイブリダイゼーションによる配列の「試験」を可能にする。例としては、マイクロアレイへのハイブリダイゼーション、または二重鎖産物の融解が妨げられる任意の他のシステムが挙げられる。
本明細書において記載されるのは、ラテラルフロー装置(LFD)を通して特異的に検出できるRPAなどの等温指数関数増幅法から一本鎖核酸産物を作製するための方法である。この検出は、偽陽性の原因となるバックグラウンドのRPAアンプリコンを除外することにより、検出の特異性を向上させるため、標的アンプリコン配列に特異的にされうる。決定的に重要なことに、このハイブリダイゼーションに基づく配列検出はLFDストリップ上で直接実施されるため、さらに長いインキュベーション段階の必要性がなくなる。重要なことに、この段階は比較的安価な機器を使用して達成することができ、迅速に実施することができる(例えば、わずか数コピーの標的配列を検出する場合でも、所要時間は15分未満)。
ssDNA産物を作製するための戦略
一本鎖RPAアンプリコン配列を産生するために用いることができるいくつかの戦略が存在する。1つの戦略では、エキソヌクレアーゼ(例えば、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII、T5エキソヌクレアーゼ、RecJf、またはそれらの任意の組み合わせ)を用いて、二本鎖アンプの2本の鎖の一方だけを消化する(例えば、図1A参照)。消化されるプライマーの5'末端でリン酸化してさらに良好な消化を確実にすることができ、残りのプライマーの5'末端で(例えば、一連のホスホロチオエート(PS)結合で)保護して、エキソヌクレアーゼ消化を低減することができる。
一本鎖DNAを産生するための別の戦略は、非対称RPA反応が二本鎖アンプリコンと一本鎖アンプリコンの両方を産生するように、一方のプライマーを他方よりも多量に含めることである(例えば、図1B参照)。場合によっては、一本鎖産物がさらなる偽伸長を起こす可能性がありうる。この場合には、いくつかの戦略を展開して、末端が(それ自体または別の鎖のいずれかで)さらに伸長するのを防ぐことができる。産物の3'末端は、反対側のプライマーの5'を修飾するか、または追加の塩基を付加するいくつかの戦略によって保護することができる(例えば、図2A~2B参照)。
RPA増幅のハイブリダイゼーションに基づく検出を可能にする戦略は、記載されている一本鎖配列の読み出しのいずれかを通じて検出することができる一本鎖 RNA を産生する、転写(例えば、T7に基づく転写; 例えば、米国特許第10,266,886号; 米国特許第10,266,887号; Gootenberg et al., Science. 2018 Apr 27;360(6387):439-444; Gootenberg et al., Science. 2017 Apr 28;356(6336):438-44を参照のこと)の産物を検出することでありうる。
高温での数段階により、この方法を迅速に進めることが可能であるが、増幅は室温などの低温でもゆっくりと行うことができるため、増幅のための特別なインキュベーション機器は必要とされない。
RPA増幅は、異なるコピー数のRNA (出発物質)を用いて実施された。ゲル電気泳動のデータから、RPAが産物をおよそ3コピーまで成功裏に増幅できることが示される。対照として、陰性対照(RNA鋳型または出発物質を含まない)を同じゲル上で泳動した。「dsDNA」は、アンプリコンが二本鎖産物のままである場合の、RPA後のサンプルを示す。「ssDNA」は、二本鎖産物が消化されて一本鎖標的バンドのみが残った、エキソ処理後を示す(例えば図3参照)。
さらなる戦略
一本鎖アンプリコンを露出させるために、エキソヌクレアーゼ消化、非対称増幅、および/またはストッパに基づくプライミングに加えて、以下の3つの戦略のいずれかを用いることができる。
1) 二本鎖アンプリコン中の関心対象の標的配列にプローブを局在化させるためのリコンビナーゼおよび/または一本鎖結合タンパク質(SSB)の使用。
2) 非切断効果を有するように変異され、または標的配列に結合した際に活性化される特異的活性もしくはヌクレアーゼ活性を有するようにプログラムされ、ガイドRNAまたはDNAプローブをアンプリコン配列に局在化させるようにされうる、Casファミリータンパク質(Cas9、dCas9、Cas13)またはジンクフィンガーヌクレアーゼまたはTALENの使用。これらのプローブは蛍光、比色、LFDまたは他の、読み出しについて前述したように機能化されうる。
3) 三重鎖構造の形成を介して一本鎖プローブをアンプリコン配列のGAリッチ領域に局在化させることによるような、二重鎖DNAの検出のための非標準的(例えば、非B型) DNA構造形成の使用。
ラテラルフロー装置読み出し
標的アンプリコンの配列特異的なLFD検出は、いくつかのハイブリダイゼーションに基づく戦略によって実施することができる。一本鎖標的検出の1つの戦略では、ビオチンで直接標識された標的を用いる(例えば、図4A~4C参照)。例えば、ビオチン化された保護プライマーと単純な「通常の」プライマーは、ビオチンを有するアンプリコンを産生するように作用する。これらはそれ自体ではLFD試験ラインを活性化することができないが、ビオチンで標識されたssDNAへの消化(または他の変換)により、FAMプローブはハイブリダイズすることが可能になる。この戦略は、アンプリコンの配列に関するダブルチェックを提供する(例えば、図24A~24B参照)。このタイプの一本鎖核酸検出を用いて、10 pMの感度で、1分未満(例えば45秒)でシグナルDNAが検出された(例えば、図4B参照)。
図6A~6Bにおいて実証されるように、標的鎖がシグナル鎖(例えば着色ラテックスビーズにコンジュゲートした配列)を試験ラインに(例えばビオチン-ストレプトアビジン相互作用を介して)特異的に繋ぎ止めるスプリント戦略も用いることができる。2つのハイブリダイゼーションプローブを用いたこの戦略は、アンプリコンの配列のトリプルチェックを提供する。
代替の設計では、パッド繋ぎ止め部分(例えば、ストレプトアビジン試験ラインに結合するビオチン)を有するプライマー、またはシグナル部分(例えば、ラテックスビーズ、金ナノ粒子、もしくは他の試薬と会合してシグナルを繋ぎ止める作用物質)に直接付着されたプライマーを用いる。重要なことに、核酸のプログラム可能性により、シグナル鎖上の配列に結合し、異なる一本鎖ドメインを突出させて、同じシグナルコンジュゲートを複数の標的配列に用いることができるようにする架橋鎖などの、さらなる鎖を、繋ぎ止められたシグナル複合体に組み入れることができる。
トーホールド媒介鎖置換(例えば、Yurke 2000を参照のこと)を用いて、アンプリコン配列を読み出すこともできる。これは、一本鎖産物の作製、引き続いてプライマー間のアンプリコン配列の一部もしくは全部のトーホールドに基づく検出のための前述の戦略の1つ(例えば、図5A参照)を用いて、またはトーホールドとして作用することができるプライマー配列もしくはその相補体の一部を露出させる戦略(例えば、図5B~5C参照)を用いて行うことができる。後者の戦略は、プライマーが等モル濃度で含まれ、主に二本鎖アンプリコン産物が産生される、標準的な対称RPAで用いるのに適している。標的配列を検出するために、純粋にハイブリダイゼーションに基づいて関連付けるのではなく、トーホールド媒介鎖置換を用いることで、単一系の検出に対する特異性をさらに向上させることができる(例えば、Zhang 2012を参照のこと)。これらのアンプリコンのトーホールド媒介鎖置換読み出しをするのではなく、分子ビーコン(例えば、Tyagi 1996を参照のこと)を代わりに用いることができる。
トーホールド媒介鎖置換を用いて、蛍光アッセイにより一本鎖アンプリコンを特異的に検出することができる(例えば、図10および例えばZhang et al. 2012 Nature chemistry 4.3 (2012): 208を参照のこと)。フルオロフォアで標識された鎖とクエンチャー鎖は、標的アンプリコンの非存在下では蛍光がクエンチされるが、しかし標的が存在すると、蛍光鎖がクエンチャー鎖から離れるようになって、蛍光を発することができるように、ともにアセンブルされる。この蛍光は目測で、例えば、適切な照明を用いて、または蛍光スキャナー、蛍光プレートリーダーもしくはリアルタイムPCR機によって検出することができる(例えば、図11A~11Cを参照のこと)。
図6A~6Bに描かれた戦略で、完全なワークフローを試験した。LFDは、RNAのおよそ3コピーの増幅産物を検出することができる。LFDストリップには、標的の存在を示す赤い試験ラインが(「検出」と書かれた赤い矢印の位置に)表示される。エキソヌクレアーゼ処理なしのRPA産物(依然として二本鎖産物のまま)は、LFDで検出することができない。それゆえ、ssRPAを適用した場合(RPA+エキソ)のみ、一本鎖標的を検出することができる(例えば、図7参照)。
一本鎖アンプリコン読み出しのさらに高い感度の検出は、HRPを介した発色沈殿反応などの、二次増幅段階を用いて達成することができる。しかしながら、これらは追加の構成要素および複雑さも要する。目に見えるラテックスビーズの読み出しに加えて、金ナノ粒子、化学発光、蛍光、または他の視覚的な読み出し戦略を用いることができる。LFDは、結果の正確な定量化のためにデジタルリーダー装置とさらに組み合わせることができる。
フルオロフォア-クエンチャー対を用いた溶液中の一本鎖産物の蛍光読み出し、LFD もしくは他の表面にプリントされたマイクロアレイ、または産物の配列決定などの、代替の読み出し戦略を展開することもできる。
結論
本明細書において記載されるのは、RPAから一本鎖DNA産物を調製し、その後にラテラルフロー装置(LFD)を用いて迅速な検出を行うための方法である。重要なことに、読み出し機構は、正しい配列が増幅されていることをチェックして、RPA段階からのバックグラウンドアンプリコン(例えば、プライマー二量体、誤った産物)が除去され、それゆえ偽陽性をもたらさないことを確実にする。この戦略は、種々の標的タイプ(一本鎖RNA、一本鎖DNA、二本鎖DNAなど)および任意の配列に柔軟に対応できるため、標的配列の高感度かつ高特異性検出を組み合わせた汎用戦略となる。
実施例2: SARS-CoV-2 RNAの迅速かつ高感度な検出のための一本鎖RPA
本明細書において記載されるのは、一本鎖リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(ssRPA)法であり、これはRPAの高速等温増幅と、その後の二本鎖DNAアンプリコンの一本鎖への迅速変換を組み合わせ、ゆえに、簡易なハイブリダイゼーションに基づく高特異性の読み出しを可能にする。本明細書において実証されるのは、SARS-CoV-2 RNAスパイクサンプル、ならびにウイルス輸送用培地(VTM)または水中の臨床用鼻咽頭スワブ、およびラテラルフロー装置での、唾液の高感度(例えば、1反応あたり10コピー)かつ迅速(例えば、抽出後8分の反応時間)な視覚的検出のためのssRPAの有用性である。ssRPAはCOVID-19パンデミックに対する大量検査を容易にするために迅速、高感度、かつ使用しやすいRNA検出を供与する。
序論
効果的でかつ使用しやすい大量検査は、SARS-CoV-2パンデミックの拡大を抑えるのに役立ちうる。血清学的検査は最近および過去の露出を明らかにするが、RNA検査は活動性感染の早期検出を可能にする。標準的なRT-qPCRは、高い分析感度(インプット1 μlあたり1~100コピーのウイルスRNA)を達成する1が、何時間もかかり、比較的複雑な機器を要する。リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)2,4およびループ媒介等温増幅(LAMP)3などの、等温法2,3は、30~90分で10~1200コピーのRNAの、機器なし検出を提供することができる5~8(総説9参照)。RPA反応は数分以内に数百万コピーの二本鎖DNA (dsDNA)アンプリコンを生成することができるが、そのリコンビナーゼ駆動のプライミング過程では多塩基ミスマッチを起こしやすく、さらなる特異性のチェックを必要とする8,10。条件付きで伸長可能なプライマーまたは切断可能なプライマー間プローブを用いてRPAを増強することで、特異性は高まる2,12,13,14が、反応速度が低減される傾向にある。あるいは、Cas126またはCas135,15ヌクレアーゼを増幅産物に適用すると、配列特異的にシグナルを生成するが、ワークフローの複雑さおよび反応時間の大幅な増大を招く。本明細書において記載されるのは、最適な速度と精度の両方を維持するように配置された、(1) dsDNAの迅速増幅、(2) ssDNAへの変換、および(3) 配列特異的ハイブリダイゼーションに基づく読み出しを連続して適用する「一本鎖RPA」(ssRPA)法である(例えば、図12A、図27A参照)。増幅のために、クラス最高の速度で阻害することができる、特異性を増強する構成要素とは別に、基本的なRT-RPA2を適用した。ssDNA変換のために、エキソヌクレアーゼを用いて、化学的に保護された標的を除いて全てを消化した。最後に、ハイブリダイゼーションに基づく読み出しをLFDによって実証する。
結果
SARS-CoV-2スパイクタンパク質配列の5'末端を主な検出標的として選択した。図12Bまたは図27Bの詳細なプロトコール(例えば、プロトコールAまたはプロトコールBを参照のこと)では、サンプルを基本RT-RPA反応混合物中で希釈し、フォワードプライマーを6ホスホロチオエート結合塩基の5'尾部で修飾して、エキソヌクレアーゼ保護を付与した16,17。この反応をヒーティングブロック上42℃で5分間行い、平均して8秒未満の倍加間隔とした(10 nM超までの数コピー、5分以内に50 μlは36回超の倍加を表す)。次に、産物のサンプルをドデシル硫酸ナトリウム(SDS)で処理し、エキソヌクレアーゼおよびラテラルフロー(エキソ/LFD)緩衝液中に希釈し、ここでdsDNA中の保護されていない鎖をT7エキソヌクレアーゼにより急速に(1分以下)消化して、保護されたssDNA標的を得た16,17。消化緩衝液中の3'-ビオチンおよび5'-FAM修飾プローブの対は、増幅プライミングドメイン間の、それゆえ増幅プライミングドメインとは無関係の、配列を標的とするように使用可能であり、RPAプライミングだけでは達成できない特異性を提供するものであった。それゆえ、正しい標的ssDNAは、LFD内で両方の検出プローブを共局在化させる架橋として作用し、最終的に金ナノ粒子をストレプトアビジンラインに結合させて、早ければ1~2分で視覚的な読み出しをもたらした。ssRPAおよびLFD検出のための完全な反応タイムラインは、図12Cおよび図27Cに記載されている。プロトコールは、試験管、42℃のヒートブロックまたは水浴、LFDストリップ、およびマイクロピペットを用いて実施することができる(例えば、図12D参照)。
ssRPAをまず初めに、緩衝液をスパイクしたサンプルで試験した。図27D (図12E、図14A~14Bも参照のこと)は、DNase/RNase不含水中で連続的に希釈した合成SARS-CoV-2 RNAのLFD検出を、同じストリップ上にて複数の間隔で撮影した写真を示す。(例えば、他のサンプルタイプの希釈については図18A~18B、図19A~19Bおよび図20A~20B、ならびにエキソヌクレアーゼおよび他の構成要素が必要とされることの実証については図21、図22A~22Bおよび図23を参照のこと)。インプットRNAの濃度を、RT-qPCRおよび市販の標準物質との直接比較によって定量化した(例えば、図13参照)。結果から、50 μlのアッセイ容量でおよそ10個までのRTqPCR 検出可能なコピー数と、少なくとも5桁の動的領域が明らかである。真の陽性結果は1~2分からすぐに観察されたが、60分超のLFDインキュベーションでは鋳型なしの陰性対照について試験ラインが全く形成されなかった。10 (抽出)コピー未満の検出限界(LoD)を実証するために、ヒト唾液に熱不活性化培養ウイルスをスパイクし、20中20の陽性試験を示した(例えば、図27E参照)。特異性を試験するために、コロナウイルス229E、MERS、SARS-CoV-1およびNL63、ならびに代替診断のインフルエンザB、インフルエンザA、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)およびライノウイルス17を含め、8つの他の呼吸器ウイルスからのウイルスRNAをスパイクしたDNase/RNase不含水にて、アッセイあたり各105超のコピー数で、ssRPAを実施した。10分のLFDインキュベーションの後に偽陽性は認められなかった(例えば、図27F、図12F、図14A~14Bおよび図15を参照のこと)。最後に、このアッセイの頑健性をクライアントの患者サンプルで試験した。ウイルス輸送用培地(VTM)中に貯蔵した鼻咽頭(NP)スワブ、水中に貯蔵したNPスワブ、または唾液として採取した計16個の陽性および陰性患者サンプルを、単一チューブRNA抽出(抽出緩衝液との1:1混合液、95℃×5分)によって処理し、その後、RT-RPAにおいて10% v/vで用いた(例えば、図27G、図12G、図16、および図17A~17Bを参照のこと)。この研究の結果、全てのサンプルタイプで100%の感度および100%の特異性が実証された。匹敵する感度(例えば、最終反応容量50 μlに希釈した唾液5 μl中にスパイクした3~10コピー)および速度(例えば、抽出後の反応時間7分)は、スパイクした水と同様に達成された。エキソヌクレアーゼ要件の実証については、例えば、図21を参照されたい。
考察
ssRPA法は、RPAおよびエキソヌクレアーゼ段階を連続的に適用することにより、RT-RPAの速度2をssDNAハイブリダイゼーションの配列特異性と組み合わせている。一本鎖変換の代わりとして、増幅後ハイブリダイゼーションの読み出しは、高温融解および再ハイブリダイゼーションを介してLFDプローブに結合させることによっても達成されうる。ssRPAの概念的枠組みは、最適な感度および速度を達成するために、dsDNAをアウトプットする他の等温読み出し法にも一般化することができる。本方法は、例えば、複数の試験位置を有するまたは有しないLFDでトーホールドプローブ読み出し19を用いることにより、一塩基特異性を達成するために用いることもできる。ssRPAは、ワンポットワークフローで、または凍結乾燥試薬を用い常温流通および貯蔵のために実施することも可能であり、これによって大量検査がさらに容易になる。
方法
サンプル供給源。 合成SARS-CoV-2 RNA (Twist Biosciences(商標), 102019)はサンプルqPCR定量化において使用し、全ての合成プライマーおよびプローブ(IDT)は、特定の修飾を加えて化学合成し、100もしくは250 nmolスケールで注文し、脱塩またはPAGE精製し、そのまま使用した。コロナウイルス229E (ATCC, VR-740D)、MERS (BEI, NR-50549)、SARS-CoV-1 (BEI, NR-52346)およびNL63 (BEI, NR-44105)、ならびにインフルエンザA (ATCC, VR-1736D)、インフルエンザB (ATCC, VR-1535D)、呼吸器合胞体ウイルス(ATCC, VR-1580DQ)およびライノウイルス(ATCC, VR-1663D)からのウイルスゲノムRNA (感染細胞から単離された)を図12Fおよび図27Fにおける特異性実験のために用いた。唾液LoDアッセイを含めて、全てのSARS-CoV-2スパイクイン実験において熱不活化SARS-CoV-2 (BEI, NR-52286)を用いた。匿名化された3名以上のドナーからプールされたヒト唾液(Lee Biosolutions(商標), 991-05-P)は、2019年11月より前に収集され、人為的サンプルを調製するために用いられた。全ての臨床サンプルは、BioCollections Worldwide(商標), Inc.から購入し、出荷前に95℃で5分間熱不活性化した。
プライマーおよびプローブ設計。 比較的きれいなRPA製品は、適切な塩および温度条件(NUPACK.org)用にインシリコで設計された複数のプライマー対の結果であり、標的増幅を緩徐化しうるプライマー二量体およびその他の意図しない反応を最小限に抑えることを目標として、経験的に試験されたものである。SARS-CoV-2 5'スパイク用RPAプライマー配列およびLFDプローブは、以下の通りであった。「*」はホスホロチオエート結合(エキソヌクレアーゼ保護用)を意味し、「/Phos/」は5'リン酸を意味し、「/56-FAM/」は5' FAMフルオロフォア(ナノ粒子捕捉用)を意味し、「/3ビオ(Bio)/」は3'ビオチン(試験ライン捕捉用)を意味する。
SARS-CoV-2 5'スパイク: Fwdプライマー:
、Revプライマー:
(SEQ ID NO: 6、例えば、5'Phos有りまたは無し)、FAM LFDプローブ:
、ビオチンLFDプローブ:
。
図15に示されるプライマー配列は以下の通りである: インフルエンザAフォワード
およびリバース
; インフルエンザBフォワード
およびリバース
; コロナ229Eフォワード
およびリバース
; ライノウイルスフォワード
およびリバース
; RSVフォワード
およびリバース
。
サンプル調製。 SARS-CoV-2サンプルは、DNase/Rnase不含水中で希釈したBEIウイルスゲノムサンプルを、蛍光定量化されたTwist Biosciences(商標) qPCR RNA標準物質(上記に詳述)と比較して社内で定量化された。106コピー/μlの標準物質の10倍連続希釈液は、サンプルの損失を避けるために低結合性のチップおよびチューブを用いて、DNase/RNase不含水中で10コピー/μlまで作製された。ゲノムサンプルも0.1×、0.001×、0.0001×、0.00001×および0.000001×ストックに希釈された。その後、4×TaqPath 1-Step RT-qPCRマスターミックス(商標) (Life Science(商標), A15300)およびCDC N1プライマー/プローブ対(IDT, 10006713)を用い、サンプル容量1 μl、100 nMプライマーおよび50 nMプローブを含む、総容量50 μlでqPCR (Bio-Rad(商標), CFX connect(商標))による増幅を実施した。標準物質のCtおよび予想希釈濃度に対して線形回帰を実施し(R2 = 0.999)、次にこれを用いて、サンプルCtをそれぞれ184000、1170および64コピー/μlの絶対量に変換し、95%信頼区間はカウントでおよそ2:1倍に及んだ。必要に応じて定量したサンプルをさらに希釈し、DNase/RNase不含水またはプールしたヒト唾液に5 μlあたりおよそ3コピーまたはそれ以上でスパイクすることによって単純および人為的サンプルを調製し、RT-RPA反応において直接用いた。64コピー/μlの希釈を用いて、3コピー/サンプル実験を作出した。
特異性実験の場合、7種類の呼吸器系ウイルス由来のゲノムRNAを、特記しない限り、105コピー/μlでDNase/RNase不含水にスパイクした(この場合、定量は供給源から供給されなかった)。陽性対照として、熱不活性化SARS-CoV-2ウイルスを1000コピー/μlで用いた。全て、RT-RPA反応混合物中で1:50に(インプット1 μlを総反応容量50 μlに)希釈した。ウイルス株をqPCRでさらに同定した。4×TaqPath RT-PCR MM(商標) 5 μL、ウイルス特異的プライマー混合物(各1 μM) 1 μl、100×EvaGreen(商標) 0.2 μl、および水12.8 μlから構成される反応混合物をアセンブルした。混合物をPCRプレートに移入し、CDC TaqPath(商標) RTプロトコールにしたがい、BioRad(商標) qPCR機で実行した。
RT-RPA。 指定した標的に対する10 μMフォワードプライマーおよびリバースプライマー各2.5 μl、TwistAmp Basic RPA再水和緩衝液(TwistDx(商標), TABAS03KIT) 29.5 μl、DNase/Rnase不含水7~11 μl、ならびにProtoscript II逆転写酵素(商標) (NEB, M0368S) 1 μlの混合物を短くボルテックスし、TwistAmp(商標)凍結乾燥反応物に添加し、数回ピペッティングして混合した。280 mM酢酸マグネシウム5 μlおよびサンプル1~5 μlを反応チューブの蓋に添加した。混合物50 μlをスピンダウンし、短時間ボルテックスし、再度スピンダウンし、直ちに標準PCR機(Applied Biosystems(商標), 4484073)またはヒーティングブロック(Benchmark Scientific(商標), BSH300)において42℃で5分インキュベートした。いくつかの態様において、その後、それを10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とサンプル12 μl:SDS 8 μlの比率で十分に混合して、酵素を不活性化した。
アンプリコン消化。 増幅中、消化およびLFD緩衝液混合物をLFD泳動用緩衝液(Milenia(商標), MGHD 1) 34.25 μl、100 nMビオチンプローブ5 μl、1 μM FAMプローブ1.25 μl、10×NEBuffer 4(商標) (NEB, B7004S) 5 μlおよびT7エキソヌクレアーゼ(NEB, M0263S) 2 μlで調製した。混合物を短時間ボルテックスし、2 mL チューブ(エッペンドルフ(商標))に添加した。完了後、RT-RPA反応物2.5 μlを上記の消化混合物42.5 μlに添加し、室温で1分間インキュベートした。
電気泳動。 全てのゲル(8×8 cm)は、15%ポリアクリルアミドの変性用PAGE (Invitrogen (商標), EC6885BOX)であり、ろ過水で10×TBE (Promega(商標), V4251)から希釈された1×TBE緩衝液中、65℃、200Vで、30分間泳動した。その後、ゲルをカセットから取り出し、1×SybrGold(商標) (Life Technologies(商標))中で3分間染色し、Typhoon(商標)スキャナー(General Electric(商標))で画像化した。ラダーは25~766 nt DNA (NEB, #B7025)である。
ラテラルフローアッセイ。 標準的なHybriDetect(商標) LFDストリップ(Milenia Biotec(商標), MGHD 1)を上記の2 mLエッペンドルフチューブに、矢印が混合液から上/下を向くように挿入し、ストリップを乱暴に扱わないように注意を払った。ニトロセルロースを保護する膜でこれを覆い、半剛性のバッキングカードで支持した。ストリップを所望により2分間またはそれ以上インキュベートした。
プロトコールA: ssRPA-LFD (SDSなし)
必要な材料: TwistAmp(商標) Basic Kit (周囲温度で解凍); フォワードプライマー10 μM (IDT); リバースプライマー10 μM (IDT); RNA鋳型; Protoscript II逆転写酵素(商標) (NEB, M0368S); DNase/RNase不含水; ならびにラテラルフローストリップおよび緩衝液(Milenia(商標), MGHD 1)。
段階1: RPA反応のセットアップおよび実行(増幅前(PRE-AMPLIFICATION)域時)。反応時間を確実にするため反応をセットアップする前にヒーティングブロックをセットアップしておく。
段階1A。 以下の順序で調製する(1反応あたり): 10 μMフォワードプライマー2.5 μL; 10 μMリバースプライマー2.5 μL; DNase/RNase不含水7 μL; 再水和緩衝液(TwistDX(商標)キットに含まれている) 29.5 μL; およびProtoscript II(商標)逆転写酵素1 μL。短時間ボルテックスおよびスピンする。
段階1B。 上記の反応物をTwistAmp Basic反応物(TwistDXキットに含まれる乾燥粉末)に添加する。数回ピペッティングして混合する(またはボルテックスする)。
段階1C。 280 mM酢酸マグネシウム(TwistDXキットに含まれる) 5 μLおよびRNA鋳型5 μLをチューブの蓋に添加する(このように、RNAおよびMgOAcは、全体的な混合の前にチューブの蓋の中で分離された状態に保たれる)。RNA鋳型に5 μL未満の容量を用いる場合、水の容量をそれに応じて増やし、総反応容量を50 μLにすることができる。チューブの蓋を閉め、短時間スピンダウンし、その後に短時間ボルテックスして反応を開始する。次の段階の前に、短時間スピンする。
段階1D。 直ぐに、42℃で5分間インキュベートする。
段階2: LFD検出用にナノ粒子およびエキソヌクレアーゼをセットアップする(増幅後(POST-AMPLIFICATION)域時)。
段階2A。 RPAを実行中に、別の「検出チューブ」(2 mLエッペンドルフ(商標)チューブ)に以下を調製する(1反応あたり): 100 nMビオチンプローブ5 μL; 1 μM FAMプローブ1.25 μL; Milenia緩衝液34.25 μL; NEB緩衝液4(商標) 5 μL; およびT7エキソヌクレアーゼ2 μL。短時間ボルテックスおよびスピンする。
段階2B。 RPA反応が完了したら、RPAサンプル2.5 μLを採取し、検出チューブに挿入する。短時間ボルテックスおよびスピンする。
段階2C。 エキソヌクレアーゼ消化のために1分待つ。
段階2D。 ラテラルフローストリップを検出チューブに直接挿入する。1~2分待ち、試験ラインの有/無を観察する。
プロトコールB: ssRPA-LFD (SDS)
必要な材料: TwistAmp Basic Kit (周囲温度で解凍); フォワードプライマー10 μM (IDT); リバースプライマー10 μM (IDT); RNA鋳型; Protoscript II逆転写酵素(NEB, M0368S); DNase/RNase不含水; ドデシル硫酸ナトリウム(SDS); ならびにラテラルフローストリップおよび緩衝液(Milenia(商標), MGHD 1)。
迅速RNA抽出プロトコール。患者サンプル(VTM中の鼻液(nasal in VTM)、体液(water)または唾液のいずれか) 5 μLを採取する。Lucigen(商標)抽出緩衝液5 μLと混合する。95℃で5分間インキュベートする。チューブを取り出し、氷上に置く。ssRPAのために5 μL (1サンプルあたり計10 μL中)を用いる。
ssRPAプロトコール
段階1: RPAのセットアップおよび実行(増幅前ベンチ上)。反応時間を確実にするため反応をセットアップする前にヒートブロックをセットアップしてください。
段階1.1: 室温にて以下の順序で調製する(1反応あたり): DNase/RNase不含水5 μL; 再水和緩衝液(TwistDX(商標)キットに含まれている) 29.5 μL; 10 μMフォワードプライマー2.5 μL; 10 μMリバースプライマー2.5 μL; およびProtoscript II(商標)逆転写酵素0.5 μL。およそ3秒ボルテックスし、短時間(およそ3秒)スピンする。マスターミックスを作る場合、ピペッティングエラーなしでマスターミックスを全サンプルが十分に得ることを確実にするためにn個のサンプルに対しておよそ(n+1)x個のマスターミックス溶液を必ず作るようにすること。
段階1.2: 上記の反応物をTwistAmp Basic(商標)反応物(TwistDX(商標)キットに含まれる乾燥粉末)に添加する。その後、チューブにRNA鋳型(または陰性対照には水を) 5 μL添加する。
段階1.3: 280 mM酢酸マグネシウム(TwistDX(商標)キットに含まれる) 5 μLをチューブの蓋に添加する(このように、MgOAcは、全体的な混合の前にチューブの蓋の中で分離された状態に保たれる)。チューブの蓋を閉め、短時間(およそ3秒)スピンダウンし、その後におよそ3秒ボルテックスして反応を開始する。次の段階の前に、短時間(およそ3秒)スピンする。
段階1.4: 直ちに、42℃で5分間インキュベートする。
段階2: LFDのセットアップ(増幅後ベンチ上)
段階2.1。 RPAを実行中に、2 mL低結合チューブに以下を調製する(1反応あたり): 10 μM FAMプローブ1 μL; 10 μM保護ビオチンプローブ1 μL; 泳動用緩衝液64 μL; およびNEB緩衝液4(商標) 10 μL。短時間ボルテックスおよびスピンし、次いで各々にT7エキソヌクレアーゼ4 μLを添加する。短時間ボルテックスおよびスピンする。
SDS段階、2.2: チューブの蓋に10% SDS 12 μLを添加する。RPA反応が完了したら、直ちにRPAサンプルを3~5秒間ボルテックスする。その後、RPAサンプル8 μLを蓋に添加し、25~30回素早く上下にピペッティングして、RPAをSDSと混合する。直ちに、溶液をスピンダウンし、5秒間ボルテックスし、5秒間スピンする。
段階2.3。 室温で1分間インキュベートする(エキソヌクレアーゼ消化のため)。
段階2.4。 ラテラルフローストリップをチューブに入れ、2分間インキュベートする(ただし、1時間まで待ってもよい)。
緩衝液添加剤の添加は、LFDアウトプットの精度を向上させることができる。緩衝液改変の非限定的な例としては、界面活性剤(例えば、SDS、LDS、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートもしくは他の界面活性剤)、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤(すなわち、水溶液中の水素結合を破壊する化合物)、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、または還元剤が挙げられる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、このプロトコールは、以下の非限定的な変形を含むことができる: (1) SDS + RPAを泳動用(running)溶液に混合する(本明細書において記載されるプロトコールB); (2) RPA + エキソヌクレアーゼをSDS + 泳動用緩衝液に混合する; または(3) RPA + エキソヌクレアーゼ + 泳動用緩衝液、最後にSDSを混合する。局面のいずれかのいくつかの態様において、インキュベーション段階(例えば、1分)は、上記の、2つの段階のいずれかの間に追加することができる。
局面のいずれかのいくつかの態様において、LFDをSDSで前処理し、例えば、コンジュゲートパッドまたはニトロセルロース膜上に乾燥させる。局面のいずれかのいくつかの態様において、SDSをペパー片、ニトロセルロース膜、または他の材料上で乾燥させ、これをLFDの直前にまたはLFDと同時に溶液中に添加する。任意で、LFDはSDSを泳動用溶液中へ攪拌するために用いられてもよい。SDSは、LFDシステムでRPAを実行する場合に現れうる重大な偽陽性を除去する。
実施例3: 一塩基分解での迅速で高感度な核酸検出のための方法
1. 本技術の意図された使用
迅速で正確で高感度な核酸検出は、疾患診断および疾患予防のためにますます重要となっている。パンデミック中には、診断能力が疾患の蔓延を食い止める律速段階となる。特別なk機器および専門知識を必要とせずに簡単な操作を提供する、費用対効果の高く迅速で正確で高感度な方法が非常に望まれている。本明細書において記載されるのは、この要求を満たすトーホールドスイッチングに基づく等温増幅LFD検出法(tsRPA)である。
2. 本技術はどのように機能するのか?
tsRPA技術(例えば、図25A~25C参照)では、超高速増幅および検出のために、迅速な等温リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ナノ粒子およびラテラルフロー検出(LFD)を用いる。本技術では、トーホールドスイッチング機構を用いて、高精度を達成する。
ウイルスRNAを例にとる。まず初めに、標的核酸を抽出するか、または酵素により遊離させる。その後、標的配列xを含有するウイルスゲノムを、逆転写酵素、RPA試薬、ナノ粒子で標識したフォワードプライマーa、およびリバースプライマーbとともに反応混合物中に添加する。aが標的中の相補配列a*に結合し、逆転写によってRNAがRNA-cDNAハイブリッドに変換される。その後、リコンビナーゼにより、プライマーbはcDNA上のb*配列に結合し、a-x-bの完全なアンプリコンを生成することが可能になる。その後、RPAはこのアンプリコンを指数関数的に増幅し、5分で検出可能なシグナルを発生させる。増幅された産物はLFDパッドに加えられ、ここでトーホールドスイッチによりナノ粒子結合鎖はLFDパッド上のプローブに結合することが可能になり、シグナル検証のためにバンドが装置上に表示されることが可能になる。
本明細書において記載されるのは、tsRPA技術の3つの非限定的なシナリオである。
第1のシナリオ(例えば、図25A参照)では、RPAの後、完全なアンプリコンをラムダエキソヌクレアーゼまたはT7エキソヌクレアーゼで処理して、a*-x-b鎖を除去する。a-x*-b*鎖はナノ粒子に結合しているため、消化から保護される。短時間の熱不活性化段階の後、サンプルはLFDパッドに負荷され、そこでb突出部を有する二本鎖プローブがプリントされる。標的鎖のb*はプローブのb突出部に結合し、より長い塩基マッチングによりa-x*プローブ鎖に取って代わる。その後、ナノ粒子からのシグナルがLFD上で濃縮される。
第2のシナリオ(例えば、図25B参照)では、ウラシル含有リバースプライマーがRPAに用いられる。増幅後、次にユーザ酵素を添加してリバースプライマーを断片化し、完全なアンプリコン中の相補配列b*を露出させる。その後、消化された産物はLFDパッドに加えられる。一本鎖b*はプローブ中のb配列に結合し、完全なアンプリコン中の相補鎖(a*-x)は、より長い塩基マッチングによりプローブに取って代わられる。その後、ナノ粒子からのシグナルがLFD上で濃縮される。
第3のシナリオ(例えば、図25C参照)では、配列cとaの間のナノ粒子鎖にストッパを配置する。増幅中、ストッパはDNAポリメラーゼの伸長を止め、一本鎖突出部cを有する二本鎖の完全なアンプリコンを生成する。LFDパッドでは、c突出部はプローブ中のc*配列に結合し、完全なアンプリコンの相補鎖(a*-x-b)は、より長い塩基マッチングによりプローブに取って代わられる。その後、ナノ粒子からのシグナルがLFD上で濃縮される。
3. 本技術は、既存の技術と比べて満たされていない要求/大幅な改善をどのように満たすのか?
tsRPA技術は、迅速な検出時間を提供し(例えば、図26参照)、総回転時間はおよそ10分である。RT-RPA段階は等温であり、検出可能な産物を得るのに5分しか必要でない。熱不活性化はわずか1分未満であり、消化時間はわずか1分である。最終的な検出段階は4分を要する。このスキームは、現在のFDA承認プロトコールまたは最新技術よりもはるかに速い。
tsRPA技術は高感度である。RPA反応により、単一コピー分解でのウイルス標的の検出が可能になる。
tsRPA技術は高精度である。トーホールドスイッチング機構はミスマッチ感受性である。わずか数塩基の違いで2つの異なるウイルス株を識別するプローブを設計することができる。
tsRPA技術は、特別な機器および人員を必要とせず、操作することが非常に容易である。試験を行うために必要なのは、2つのヒートブロックとピペットだけである。これにより、パンデミックの発生時に機器および専門知識が不足している場合のような、種々の場合にこの技術を広く適用することができる。
tsRPA技術は安価である。特殊な機器および専門知識を必要とするアッセイと比較して、試験の費用はずっと低い。
実施例4: 例示的な等温増幅ワークフロー
RPA
RPAによって作製されたdsDNAアンプリコンは、3つの代替アプローチを介して配列特異的なプローブにアクセスできるようにすることができる(例えば、図33参照)。
(1) ssRPA: dsDNA特異的単方向エキソヌクレアーゼ(例えば、Tエキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼなど)の作用により、アンプリコンの一方の鎖が特異的に除去される。その後、ssDNAプローブは配列特異的に標的に結合することができる。この用途では、鎖の一方は、ホスホロチオエートまたは他の保護末端もしくは内部修飾(例えば、タンパク質、抗体、スペーサー、非従来型のヌクレオチド連結化学作用、架橋などのバルク末端基)を介して保護される。プローブ鎖は、同様の修飾により任意でヌクレアーゼ保護されていてもよい。
(2) 鎖侵入: リコンビナーゼ、SSB、および/またはヘリカーゼの作用により、二重鎖構造の部分的な巻き戻しを介してssDNAプローブによるdsDNAアンプリコンの侵入を媒介することができる。このプロセスは、熱による不活性化または界面活性剤(例えば、SDS、LDS、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートもしくは他の界面活性剤)、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、還元剤の使用により任意で補助されてもよく、これにより濃度依存的に元の増幅混合物の構成要素を完全にまたは選択的に不活性化することができる。あるいはまたはさらに、増幅プロセスの後にリコンビナーゼまたは一本鎖結合タンパク質(SSB)またはヘリカーゼを添加することまたはその濃度を調節することにより、プローブの侵入を改善することができる。
(3) CRISPR構成要素を用いたdCas媒介検出: ヌクレアーゼデッドdCas(nuclease-dead dCas)タンパク質(dCas9、dCas12、dCas13など)を、gRNAプローブのdsDNAアンプリコンへの配列特異的結合に用いることができる。gRNAプローブは、読み出しのために下記の修飾(例えば、ビオチン、FAM、フルオロフォア、クエンチャー、ナノ粒子)を保有するように直接修飾されてもよく、これらの修飾を保有するオリゴに結合する尾部によって標識されてもよい。
注記: ヌクレアーゼデッドCasタンパク質は、その切断ドメインの変異によって得られる。Cas9の例の場合、RuvCおよびHNHヌクレアーゼドメインの一方または両方を点突然変異(SpCas9のD10AおよびH840A)により不活性化させることによって、ヌクレアーゼデッドCas9 (dCas9)を得ることができる。例えば、Brezgin et al. International Journal of Molecular Sciences 20, no. 23 (2019): 6041; Hsu et al. Cell 157, 1262-1278 (2014)を参照されたく、これらの各々の内容は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
RPAの読み出し方法
LFD検出: プローブは、ラテラルフロー装置への結合を媒介する官能基(例えば、抗FAMナノ粒子がストレプトアビジン試験ライン上のライン形成に用いられる一般的なストリップ形式のラテラルフロー装置に適合するビオチンおよび/またはFAM/FITC末端修飾)を保有する。2つのプローブの共局在化により、ナノ粒子は試験ライン上に固定化され、陽性シグナルが得られる。アンプリコンの結合がない場合、拡散プローブは試験ラインを形成しない。あるいは、プローブの1つに相補的なssDNAオリゴ(x)で試験ラインをコーティングすることもできる。この場合、プローブの一方は、ナノ粒子結合プローブと共局在化する場合、間接的にナノ粒子を固定化するために用いられる相補配列(x*)を保有する。
比色読み出し: DNA標的の存在に応じた色の変化は、プラズモンナノ粒子を共局在化させることによって誘導することができる。特に、プローブは、それらをプラズモンナノ粒子とコンジュゲートさせることによって修飾される。アンプリコンの存在下で、かつその存在下でのみ、プローブはそれにハイブリダイズし、かくしてナノ粒子を共局在化させ、肉眼によってまたは分光光度計のような機器で読み取られうる色の変化を引き起こす。
蛍光検出: トーホールドプローブは、その5'に(任意で内部または3'にも)フルオロフォア(例えば、FAM)を保有する。クエンチャー(例えば、ブラックホールクエンチャー)を3'に(または代わりに、クエンチャーをトーホールドプローブ上のフルオロフォアと近接させる位置に)保有する、より短いプロテクタ鎖は、トーホールドプローブの5'ドメインとの相補性を介してトーホールドプローブに最初に結合される。アンプリコン結合の存在下では、プロテクタ鎖が置換されるため、クエンチャーはもはやフルオロフォアのすぐ近くにない。蛍光の増加は、アンプリコンの陽性シグナルとして読み出される。この蛍光は、蛍光検出器を備えた蛍光光度計、qPCR機またはプレートリーダーを用いて検出することができる。あるいは、検出アッセイは、フルオロフォアで修飾した1つのプローブおよびフルオロフォアで修飾した別のプローブにより、蛍光状態のプローブから開始することができる。プローブは溶液中で自由に浮遊し始めるため、励起可能であり、蛍光シグナルを発生する。標的アンプリコンの存在下では、プローブは共局在化し、フルオロフォアおよびクエンチャー分子を近接させるため、蛍光シグナルの喪失を引き起こし、標的の存在を示唆する。蛍光読み出しを得るための第3の方法では、プローブが標的アンプリコンに結合した後にプローブを検出および消化する二本鎖特異的エキソまたはエンドヌクレアーゼ(例えば、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エンドIV)を伴う(あるいは、内部エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが、これを達成することができる)。プローブは、一方の末端の位置にはクエンチャーで、およびもう一方の末端の位置にはフルオロフォアで修飾されている。相補的な標的が存在しない場合、プローブは一本鎖であるため、ランダムにコイル状になり、これがフルオロフォアとクエンチャー分子を近接して保持し、蛍光シグナルをクエンチする。プローブが標的にハイブリダイズすると、プローブはらせん軌道に沿って引き伸ばされ、両端でフルオロフォアとクエンチャー分子を分離し、これによってフルオロフォアが励起光に応答して光子を放出することが可能になる。例えば、図33を参照されたい。図38A~38Cは、蛍光用途を支持するデータを提供する。
自己相補性を有する分子ビーコン、または内部クエンチャーを有するZEN(商標)プローブなどの、他のクエンチャープローブの設計を代替として用いることができる。あるいは、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)フルオロフォア対を構成するフルオロフォア修飾を有するプローブを、用いることができる。この場合、標的上でのそれらの共局在化により、FRETシグナルが得られる。
あるいは、Cas媒介プローブ結合の場合、比色または蛍光検出は、共局在時に一緒にアセンブルするスプリットdCas9、スプリットGFP-dCas融合体、スプリットHRP (比色)などのdCasのスプリット融合タンパク質の使用によって達成することができる。これらの半ドメインは、あるいは、gRNAプローブにコンジュゲートされてもよい。
LAMP
LAMPはさまざまな長さのDNAアンプリコンを、鎖状体の形で産生する。各鎖状体はDNAの一本鎖である。鎖状体は強力な二次構造を有し、二重ヘアピン(例えば、図34におけるアンプリコン1を参照のこと)またはヘアピン(例えば、図34におけるアンプリコン2、3...Nを参照のこと)に折り畳まれる。二重ヘアピンは、中央部に露出した一本鎖領域を有し、これにプローブがハイブリダイズしうる。ヘアピンは、通常プローブのハイブリダイゼーションに用いることができない長い二本鎖ステム領域を有する。本明細書において記載されるのは、プローブがさまざまなLAMPアンプリコンに結合しうる5つの異なる方法(例えば、図34における2A~2E)である。プローブは、本明細書において記載されるように、読み出しを可能にするために他の分子/粒子で修飾することができる。
直接プローブ結合: LAMPアンプリコンの一部は中間二重ヘアピン分子であり、中間二重ヘアピン分子の標的領域(例えば、図34においてb*c*と表示した)が一本鎖として存在する。LAMP反応を不活性化する化学物質(例えば、典型的な化学物質は、SDS、Triton-Xのような界面活性剤またはホルムアミド、水酸化ナトリウムなどのような変性剤を含む)を添加することによって増幅を停止し、その後、プローブ(例えば、図34においてbおよびcと表示した)を導入して標的にハイブリダイズさせる。あるいは、化学試薬を添加することによって増幅を停止する代わりに、LAMP反応は、全てのプライマーを消費することによって自然に寿命が尽きうる。
エキソヌクレアーゼ消化による一本鎖変換: LAMPアンプリコンの一部は、標的領域を含む長い二本鎖ステムを持つDNAヘアピンとして存在する。標的は、DNAエキソヌクレアーゼを用いてステムの2つの腕部の1つを消化することにより露出され、かくして標的が露出される。二本鎖特異的エキソヌクレアーゼを用いることができ、その結果、ステムの腕部の1つを消化した後に、エキソヌクレアーゼが一本鎖ループ領域に到達すると、それ以上進行することができなくなる。
リコンビナーゼによるプローブ結合および一本鎖結合タンパク質の作用: リコンビナーゼは、DNAの一本鎖が相同な二本鎖DNA領域に侵入(ハイブリダイズ)することを可能にするDNA酵素である。この作用は、置換された一本鎖DNA領域に結合して複合体を安定化する一本鎖結合タンパク質によってさらに支援される。LAMP反応は不活性化され(または寿命が尽き)、その後、リコンビナーゼ、一本鎖結合タンパク質、燃料(ATP)およびプローブが導入される。プローブは、配列相同性により標的を見つけ、リコンビナーゼ作用によりそれらにハイブリダイズされる。リコンビナーゼ酵素を用いる代わりに、二本鎖DNAを巻き戻すことによりそれを局所的に変性させ、プローブが侵入およびハイブリダイズすることを可能にするヘリカーゼ酵素を用いることもできる。このプロセスは、濃度依存的に元の増幅混合物中の構成要素を完全にまたは選択的に不活性化することができる界面活性剤(例えば、SDS、LDS、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートもしくは他の界面活性剤)、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、還元剤などの緩衝液添加剤の使用により任意で補助されてもよい。
熱変性: プローブを添加し、その後、LAMP反応物を加熱してLAMPアンプリコンを変性(すなわち、融解)させ、その二次構造を破壊する。その後、アンプリコンの二次構造が再構築される前に、露出された一本鎖領域にプローブが結合することが可能になる、高プローブ濃度の存在下で反応物を急速に冷却する。加熱段階は1分から15分間、80℃~90℃の温度を伴うことができる。冷却段階は1分未満の間から60分もの間、60℃~10℃の温度を伴うことができる。熱変性は、上記の技法が適用される前に、上記の技法が適用されると共に、または上記の技法が適用された後に、上記の3つの方法のいずれかと組み合わされうる。
dCas媒介プローブ結合。ヌクレアーゼデッドdCasタンパク質(例えば、dCas9、dCas12、dCas13)を、gRNA (ガイドRNA)プローブのアンプリコン二本鎖領域への配列特異的結合に用いることができる。gRNAプローブは、読み出しのために下記の修飾を保有するように直接修飾されてもよい。
LAMPの読み出し方法
LFD読み出し。 2つのプローブ(例えば、図34においてb*およびc*と表示した)の各々は、関心対象の標的に相補的である。上記は、これらが標的にハイブリダイズするさまざまな方法である。プローブは、それらの両方がアンプリコンに結合する場合かつその場合に限り、ラテラルフロー装置上でシグナルを生成するように、機能的に修飾されてもよい。プローブの一方は、ラテラルフロー装置の試験ラインの位置に固定化されたストレプトアビジン分子によって捕捉されるように、ビオチン分子またはDNAハンドル(例えば、図34においてxと表示した)で修飾される。他方のプローブはFAM分子で修飾される。抗FAM抗体でコーティングされた着色ナノ粒子(例えば、金ナノ粒子またはラテックスビーズ)が、アンプリコンおよびハイブリダイズしたプローブを含む緩衝液中に導入される。粒子はプローブ上のFAM分子に結合する。2つのプローブの共局在化により、ナノ粒子は試験ライン上に固定化され、陽性シグナルが得られる。アンプリコンの結合がない場合、拡散プローブは試験ラインを形成しない。あるいは、プローブの1つに相補的なssDNAオリゴ(x)で試験ラインをコーティングすることもできる。この場合、プローブの一方は、ナノ粒子結合プローブと共局在化する場合、間接的にナノ粒子を固定化するために用いられる相補配列(x*)を保有する。
比色読み出し: DNA標的の存在に応じた色の変化は、プラズモンナノ粒子を共局在化させることによって誘導することができる。特に、プローブは、それらをプラズモンナノ粒子とコンジュゲートさせることによって修飾される。アンプリコンの存在下で、かつその存在下でのみ、プローブはそれにハイブリダイズし、かくしてナノ粒子を共局在化させ、肉眼によってまたは分光光度計のような機器で読み取られうる色の変化を引き起こす。
蛍光読み出し: 蛍光読み出しは、フルオロフォア分子の近くからクエンチャー分子を置換することによって得られうる。プローブはフルオロフォア分子で修飾することができ、クエンチャーを保有するプロテクタ分子がプローブにハイブリダイズされる。標的アンプリコンが存在しない場合、フルオロフォアはクエンチされ、入ってくる光子の励起に応答して光子を放出しない。標的アンプリコンが存在する場合、プローブはこれにハイブリダイズするため、クエンチャーを担持するプロテクタ鎖を置換し、蛍光分子が励起光に応答して光子を放出することが可能になる。この蛍光は、蛍光検出器を備えた蛍光光度計またはqPCR機を用いて検出することができる。あるいは、検出アッセイは、フルオロフォアで修飾した1つのプローブおよびフルオロフォアで修飾した別のプローブにより、蛍光状態のプローブから開始することができる。プローブは溶液中で自由に浮遊し始めるため、励起可能であり、蛍光シグナルを発生する。標的アンプリコンの存在下では、プローブは共局在化し、フルオロフォアおよびクエンチャー分子を近接させるため、蛍光シグナルの喪失を引き起こし、標的の存在を示唆する。蛍光読み出しを得るための第3の方法では、プローブが二本鎖DNA分子の一部である場合かつその場合に限り、プローブを検出および消化する二本鎖特異的エキソヌクレアーゼを伴う。プローブは、一方の末端の位置にはクエンチャーで、およびもう一方の末端の位置にはフルオロフォアで修飾されている。相補的な標的が存在しない場合、プローブは一本鎖であるため、ランダムにコイル状になり、これがフルオロフォアとクエンチャー分子を近接して保持し、蛍光シグナルをクエンチする。プローブが標的にハイブリダイズすると、プローブはらせん軌道に沿って引き伸ばされ、両端でフルオロフォアとクエンチャー分子を分離し、これによってフルオロフォアが励起光に応答して光子を放出することが可能になる。
HDA
ヘリカーゼ依存増幅(HAD)は、DNA ヘリカーゼを用いて二本鎖 DNA を巻き戻す。その後、一本鎖結合タンパク質は、巻き戻された一本鎖領域に結合することによって構造を安定化し、プライマーの結合を可能にする。BST DNAポリメラーゼの高い置換活性により、この方法は標的領域の等温指数関数的増幅を達成することができる。図35および図36は、HDAの反応機構および例示的なワークフローを示す。HDAの場合、反応速度を促進し、かつ/または標的結合の動態を改善するために、密集剤(例えば、PEG、PEG8000、異なる分子量のデキストラン、デキストラン硫酸、フィコール、グリセロール)を添加することができる。図37は、HDAの反応効率に及ぼす密集剤の効果の例示的なデータを示す。
HDAによって作製されたdsDNAアンプリコンは、3つの代替アプローチを介して配列特異的なプローブにアクセスできるようにすることができる(例えば、図36参照)。
(1) ssHDA: dsDNA特異的単方向エキソヌクレアーゼ(例えば、Tエキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼなど)の作用により、アンプリコンの一方の鎖が特異的に除去される。その後、ssDNAプローブは配列特異的に標的に結合することができる。この用途では、鎖の一方は、ホスホロチオエートまたは他の保護末端もしくは内部修飾(例えば、タンパク質、抗体、スペーサー、非従来型のヌクレオチド連結化学作用、架橋などのバルク末端基)を介して保護される。プローブ鎖は、同様の修飾により任意でヌクレアーゼ保護されていてもよい。
(2) 鎖侵入: リコンビナーゼ、SSB、および/またはヘリカーゼの作用により、二重鎖構造の部分的な巻き戻しを介してssDNAプローブによるdsDNAアンプリコンの侵入を媒介することができる。このプロセスは、熱による不活性化または界面活性剤(例えば、SDS、LDS、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートもしくは他の界面活性剤)、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、還元剤の使用により任意で補助されてもよく、これにより濃度依存的に元の増幅混合物の構成要素を完全にまたは選択的に不活性化することができる。あるいはまたはさらに、増幅プロセスの後にリコンビナーゼまたは一本鎖結合タンパク質(SSB)またはヘリカーゼを添加することまたはその濃度を調節することにより、プローブの侵入を改善することができる。
(3) CRISPR構成要素を用いたdCas媒介検出: ヌクレアーゼデッドdCasタンパク質(dCas9、dCas12、dCas13など)を、gRNAプローブのdsDNAアンプリコンへの配列特異的結合に用いることができる。gRNAプローブは、読み出しのために下記の修飾(例えば、ビオチン、FAM、フルオロフォア、クエンチャー、ナノ粒子)を保有するように直接修飾されてもよく、これらの修飾を保有するオリゴに結合する尾部によって標識されてもよい。
HDAの読み出し方法
LFD検出: プローブは、ラテラルフロー装置への結合を媒介する官能基(例えば、抗FAMナノ粒子がストレプトアビジン試験ライン上のライン形成に用いられる一般的なストリップ形式のラテラルフロー装置に適合するビオチンおよび/またはFAM/FITC末端修飾)を保有する。2つのプローブの共局在化により、ナノ粒子は試験ライン上に固定化され、陽性シグナルが得られる。アンプリコンの結合がない場合、拡散プローブは試験ラインを形成しない。あるいは、プローブの1つに相補的なssDNAオリゴ(x)で試験ラインをコーティングすることもできる。この場合、プローブの一方は、ナノ粒子結合プローブと共局在化する場合、間接的にナノ粒子を固定化するために用いられる相補配列(x*)を保有する。
比色読み出し: DNA標的の存在に応じた色の変化は、プラズモンナノ粒子を共局在化させることによって誘導することができる。特に、プローブは、それらをプラズモンナノ粒子とコンジュゲートさせることによって修飾される。アンプリコンの存在下で、かつその存在下でのみ、プローブはそれにハイブリダイズし、かくしてナノ粒子を共局在化させ、肉眼によってまたは分光光度計のような機器で読み取られうる色の変化を引き起こす。
蛍光検出: トーホールドプローブは、その5'に(任意で内部または3'にも)フルオロフォア(例えば、FAM)を保有する。クエンチャー(例えば、ブラックホールクエンチャー)を3'に(または代わりに、クエンチャーをトーホールドプローブ上のフルオロフォアと近接させる位置に)保有する、より短いプロテクタ鎖は、トーホールドプローブの5'ドメインとの相補性を介してトーホールドプローブに最初に結合される。アンプリコン結合の存在下では、プロテクタ鎖が置換されるため、クエンチャーはもはやフルオロフォアのすぐ近くにない。蛍光の増加は、アンプリコンの陽性シグナルとして読み出される。この蛍光は、蛍光検出器を備えた蛍光光度計、qPCR機またはプレートリーダーを用いて検出することができる。あるいは、検出アッセイは、フルオロフォアで修飾した1つのプローブおよびフルオロフォアで修飾した別のプローブにより、蛍光状態のプローブから開始することができる。プローブは溶液中で自由に浮遊し始めるため、励起可能であり、蛍光シグナルを発生する。標的アンプリコンの存在下では、プローブは共局在化し、フルオロフォアおよびクエンチャー分子を近接させるため、蛍光シグナルの喪失を引き起こし、標的の存在を示唆する。蛍光読み出しを得るための第3の方法では、プローブが標的アンプリコンに結合した後にプローブを検出および消化する二本鎖特異的エキソまたはエンドヌクレアーゼ(例えば、T7エキソヌクレアーゼ、ラムダエキソヌクレアーゼ、エンドIV)を伴う(あるいは、内部エキソヌクレアーゼ活性を有するポリメラーゼが、これを達成することができる)。プローブは、一方の末端の位置にはクエンチャーで、およびもう一方の末端の位置にはフルオロフォアで修飾されている。相補的な標的が存在しない場合、プローブは一本鎖であるため、ランダムにコイル状になり、これがフルオロフォアとクエンチャー分子を近接して保持し、蛍光シグナルをクエンチする。プローブが標的にハイブリダイズすると、プローブはらせん軌道に沿って引き伸ばされ、両端でフルオロフォアとクエンチャー分子を分離し、これによってフルオロフォアが励起光に応答して光子を放出することが可能になる。
自己相補性を有する分子ビーコン、または内部クエンチャーを有するZEN(商標)プローブなどの、他のクエンチャープローブの設計を代替として用いることができる。あるいは、フェルスター共鳴エネルギー転移(FRET)フルオロフォア対を構成するフルオロフォア修飾を有するプローブを、用いることができる。この場合、標的上でのそれらの共局在化により、FRETシグナルが得られる。
あるいは、Cas媒介プローブ結合の場合、比色または蛍光検出は、共局在時に一緒にアセンブルするスプリットdCas9、スプリットGFP-dCas融合体、スプリットHRP (比色)などのdCasのスプリット融合タンパク質の使用によって達成することができる。これらの半ドメインは、あるいは、gRNAプローブにコンジュゲートされてもよい。
等温増幅法
本明細書において記載される任意の等温増幅法を、本明細書において記載される任意の検出法と組み合わせて用いることができる。等温増幅法の非限定的な例としては、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅(RPA)、ループ媒介等温増幅(LAMP)、ヘリカーゼ依存等温DNA増幅(HDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、核酸配列に基づく増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、ニッキング酵素増幅反応(NEAR)、ポリメラーゼスパイラル反応(PSR)、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)、プライマー交換反応(PER)、交換反応によるシグナル増幅(SABER)、転写に基づく増幅システム(TAS)、自家持続配列複製反応(3SR)、単一プライマー等温増幅(SPIA)、およびクロスプライミング増幅(CPA)が挙げられる。
本明細書において記載される増幅および/または検出方法のいずれかにおいて、界面活性剤(例えば、SDS、LDS、アルキルスルフェート、アルキルスルホネートもしくは他の界面活性剤)、胆汁酸塩、イオン性塩、カオトロピック剤、ホルムアミド、DNA二重鎖不安定化剤、還元剤などの緩衝液添加剤を用いて、i) ラテラルフロー装置を前処理することができ、ii) 第2の段階(例えば、エキソヌクレアーゼ、もしくはリコンビナーゼ、もしくはCas結合)と一緒に添加することができ、またはiii) 読み出しの後または前の最後の段階(例えば、エキソヌクレアーゼ、もしくはリコンビナーゼ、もしくはCas結合)として添加することができる。
任意で、熱不活性化または熱変性は、等温増幅と第2段階の間、または第2段階の後かつ読み出しの前に実施されてもよい。
全ての方法を介した検出のためのプローブは、末端修飾もしくは内部修飾として、または官能基を保有する別のオリゴにハイブリダイズする尾部ドメイン(3'もしくは5')を介して間接的に、官能基(例えば、フルオロフォア、クエンチャー、ビオチン、ナノ粒子など)を有することができる。Casを介した検出の場合、ガイドRNA (gRNA)の尾部または一本鎖ループドメインは、官能基で直接的または間接的に(例えば、ハイブリダイゼーションを介して)修飾することができる。
Casを介したプローブ結合によるLFD検出では、代わりに1つのgRNAプローブのみで検出を達成することができる。この場合、アンプリコンの標的鎖は、ビオチン化プライマーを用いて合成することができる。フルオロフォアまたはナノ粒子によって修飾されうる第2の鎖を、gRNAプローブの一本鎖部分(ループまたは尾部など)に結合させることにより、同じ複合体上に固定化することができる。アセンブルされた複合体は、アンプリコンの存在下でナノ粒子を試験ラインに固定化することにより試験ラインを形成することができる(例えば、ストレプトアビジンでコーティングされた試験ラインへのビオチン基の結合を介して)。
全ての異形の増幅および/または検出プロセスについて、反応速度を促進し、かつ/または標的結合の動態を改善するために、密集剤(例えば、PEG、PEG8000、異なる分子量のデキストラン、デキストラン硫酸、フィコール、グリセロール)を添加することができる。任意で、他のブロッカー配列、または一般的なブロッキング剤(BSA、IgG、tRNA、一本鎖の過剰DNAもしくはRNA、過剰な直交もしくはランダムプライマー、二本鎖の過剰DNAまたは同様のもの)を反応のためにまたは検出段階のために含めてもよい。
実施例5: 消化-検出
本明細書において記述されるのは、触媒プローブ消化を用いた核酸標的の配列特異的レポートのためのスキームである。二本鎖特異的な5プライムから3プライム方向のエキソヌクレアーゼ活性の能力を有する酵素(例えば、インタクトな5プライムから3プライム方向のエキソヌクレアーゼ活性を有するBst Full Length DNA鎖置換ポリメラーゼ)を広範囲の反応温度(例えば20℃から70℃)で導入した。配列が標的の「検出」領域(5塩基~40塩基)に相補的である二重標識プローブも導入した(例えば、図39A~39Bを参照のこと)。
プローブの各末端に1つずつある2つの標識は、フルオロフォアおよびクエンチャーの対であることができ(他の場合は後述)、この場合、プローブは溶液中で自由に浮遊している(結合していない)ときにクエンチされる。標的の存在下で、プローブは配列相補性のために標的の検出領域にハイブリダイズする。これによって、プローブが二本鎖の形態である場合にフルオロフォアとクエンチャーの間の平均距離が増加するため、蛍光シグナルのわずかな増加が起こる。ここで、導入された二本鎖特異的エキソヌクレアーゼ酵素は、その5プライムから3プライム方向のエキソヌクレアーゼ活性を用いてプローブを消化し、それゆえフルオロフォアとクエンチャーを溶液中に放出し、それらの間の平均距離を大幅に増加させ、大幅に増加した蛍光をもたらしうる。反応の進行は、リアルタイムPCR機によく見られるような、蛍光リーダーを用いてモニターすることができる。この蛍光は配列特異的であり、プローブが相補的なハイブリダイゼーションによって標的の検出領域を認識した場合にのみ発生することに留意されたい。偽の標的はプローブに結合せず、それゆえプローブは未消化のままになる。決定的に重要なことに、各消化事象は、結合する標的またはアンプリコンの配列を「チェック」するように作用するので、非常に配列特異的なアウトプットシグナルを確実にする。
実施例6: 消化-LAMP
消化-検出をLAMP等温増幅に適用して、核酸標的を増幅すること、およびその存在を配列特異的にレポートすることにより核酸標的を検出するための配列特異的な方法である消化-LAMPを生成した。図40は、消化-LAMPの機構を例示している。
図40において、検出領域はLAMPアンプリコンのループ領域にあるが、一般的には露出したアンプリコン一本鎖領域のどこにあってもよい。プローブの各末端に1つずつある2つの標識は、フルオロフォアおよびクエンチャーの対であることができ(他の場合は後述)、この場合、プローブは溶液中で自由に浮遊している(結合していない)ときにクエンチされる。標的の存在下で、LAMP反応において、増幅プライマーおよび鎖置換ポリメラーゼを用いることにより検出領域が増幅され、多数のコピーが作製される。プローブは配列相補性のためにこれらの中間アンプリコンの検出領域にハイブリダイズする。これによって、プローブが二本鎖の形態である場合にフルオロフォアとクエンチャーの間の平均距離が増加するため、蛍光シグナルのわずかな増加が起こる。ここで、導入された二本鎖特異的耐熱性酵素は、その5プライムから3プライム方向のエキソヌクレアーゼ活性を用いてプローブを消化し、それゆえフルオロフォアとクエンチャーを溶液中に放出し、それらの間の平均距離を大幅に増加させ、大幅に増加した蛍光をもたらしうる。反応の進行は、リアルタイムPCR機によく見られるような、蛍光リーダーを用いてモニターすることができる。この蛍光は配列特異的であり、プローブが相補的なハイブリダイゼーションによって標的の検出領域を認識した場合にのみ発生することに留意されたい。偽の増幅(例えば、プライマー二量体による)では検出領域のコピーが産生されず、それゆえプローブは未消化のままになる。蛍光レポートの場合、プローブの内部修飾として追加のクエンチャーを有することにより、プローブが二重クエンチされてもよいことに留意されたい(例えばIDTによるZenプローブ)。これにより、結合していないプローブのバックグラウンド蛍光をさらに低減させることができる。あるいは、切断時に蛍光シグナルが変化するようにプローブ上にFRET対が局在化されてもよい。
実施例7: 代替レポート機構
ラテラルフロー装置(LFD): プローブは2つの異なる親和性化学物質、例えばビオチンおよびFAMで標識される。ビオチンはストレプトアビジンに対して強い親和性を有するが、FAMは抗FAM抗体に対して強い親和性を有する。通常、抗FAM抗体でコーティングされたナノ粒子は、シグナルをさらに増強するために用いられ、この場合、それらは有効な標識である。LFDは2本のラインを含み、そのラインには親和性分子が固定化されている。第1のラインは対照ラインと呼ばれ、一方の標識(標識1、例えばビオチン)に対して親和性を有するが、第2のラインは試験ラインと呼ばれ、他方の標識(標識2、例えば抗FAMでコーティングされたナノ粒子)に対して親和性を有する。プローブが未消化の場合には、標識1に対する親和性により対照ラインの位置で捕捉される(例えば、ストレプトアビジンが、未消化プローブに含まれるビオチンを捕捉する)ため、ナノ粒子は対照ラインの位置に局在化し、ラインが見えるようになり、陰性を示す。その一方で、プローブが消化されると、ナノ粒子は標識1に連結されず、それゆえ対照ラインの位置で固定化されない。それらはさらに拡散し、試験ライン(これは標識2に対して親和性を有する)の位置で捕捉され、試験ラインが見えるようになり、陽性を示す。
プラズモンシフトによる比色読み出し: プローブの両端をプラズモンナノ粒子(例えば、金ナノ粒子)で二重標識する。共局在化したプラズモンナノ粒子は、吸光度の「ピークシフト」を起こし、目に見える色の変化を引き起こす。したがって、プローブが消化されると、プラズモンナノ粒子が分離し、肉眼または分光光度計で検出できる色の変化を引き起こす。
多重蛍光読み出し: 前述のように、プローブは配列特異的である。したがって、プローブをスペクトル的に重複しないフルオロフォアとコンジュゲートさせるだけで、同じチューブ内で複数標的の存在を独立してレポートすることができる。したがって、蛍光チャネルを標的用に確保しておくことも可能である。リアルタイムPCR機は最大で5つのスペクトル的に重複しないチャネルを支持し、1つのチューブでの5つの異なる標的の検出を可能にしうる。
代替の読み出し戦略: 消化-LAMPの結果は、例えばトーホールド媒介鎖置換を用いた残存プローブ配列の配列特異的検出、プローブに基づく電気化学的読み出し、マイクロアレイ検出、または配列特異的増幅スキームを含むが、これらに限定されない、代替の二次戦略を用いて読み出されてもよい。消化-LAMPの結果は、ゲル電気泳動または配列決定を用いて読み出されてもよい。
実施例8: 消化-LAMPによるSARS-COV-2 RNAおよびRNaseP対照遺伝子の多重検出
FAM標識二重クエンチ消化プローブを使い30分以内に消化-LAMPを用いて、わずか50コピーのSARS-CoV-2を検出することができる。さらに、COVID陽性患者は、熱不活性化されたが、それ以外にはRNA抽出のために処理されていない匿名化された唾液サンプルから成功裏に特定された。混入物質による増幅の阻害を排除するため、遍在するヒト対照RNAであるRNAsePを増幅するためのLAMPプライマーセットも反応混合物に含めた。RNAsePアンプリコンは、HEXフルオロフォアで標識された二重クエンチプローブで検出され、標準的なリアルタイムPCR機器を用いて直交波長チャネルで検出された。
消化-検出および/または消化-LAMPに適合する酵素のリスト
消化-検出および/または消化-LAMPに適合する酵素は、Bst Full Length、Taq DNAポリメラーゼ、T7エキソヌクレアーゼ、エキソヌクレアーゼVIII短縮型、ラムダエキソヌクレアーゼ、およびT5エキソヌクレアーゼを含むが、これらに限定されることはない。
消化からのプライマーおよびアンプリコンの保護
アンプリコンおよびプライマーは、アッセイの性能を向上させるために消化から保護する必要がありうるいくつかの二本鎖領域(偽またはそれ以外)を形成しうる。この技法のいくつかのバージョンでは、ホスホロチオエートヌクレオチド、逆 dT、5プライマーリン酸化、非標準塩基 (isoC、isoG)などのようなDNA修飾の使用により、酵素消化から保護されたプライマーを用いることができる。
融解温度を上昇させるためのプローブ修飾
プローブは、DNAおよび/もしくはRNAから作製され、ならびに/またはそれらの融解温度を上昇させる修飾を含みうる。修飾の中には、LNA塩基(ロックされた核酸)、MGB(小溝結合剤)、SuperT (5-ヒドロキシブチニル-2'-デオキシウリジン)、5-Me-ピリジン、2-アミノ-デオキシアデノシン、トリメトキシスチルベン、ピレンなどが含まれる。
レポートされるシグナルを増加させるためのプローブ修飾
プローブを複数のレポート部分(例えばフルオロフォア、金ナノ粒子、ラテックスナノビーズ、ビオチン、ストレプトアビジン、FAMなど)で修飾して、レポートされるシグナルを増加させてもよい。例えば、複数のフルオロフォアおよび/または金ナノ粒子および/またはラテックスナノビーズをプローブごとに付着させて、プローブが消化される場合に得られる正味の蛍光シグナルおよび/または比色シグナルおよび/またはLFDシグナルを増加させてもよい。あるいは、ビオチン、ストレプトアビジン、FAMなどのような複数の親和性部分をプローブに付着させて、LFDに対するプローブの親和性捕捉効率を高めてもよい。これらの複数のレポート部分は、修飾化学(Treblerホスホラミダイト、内部修飾、蛍光ヌクレオチド、アミノプリン修飾など)によって付着されてもよい。
LAMP反応条件
消化-LAMPは、試験管(例えば200 uL、1.5 mL、2 mL)、キュベット、マイクロ流体チャンバ、またはカスタムチャンバ(例えば3Dプリント容器)を含むが、これらに限定されない、任意の適切な容器中で実行されてもよい。複数のインプット供給源(例えば、異なる患者からのサンプル)が、単一の反応チャンバ内で一緒にプールされてもよい。
実施例9: 代替アッセイ設計
プローブ配列:
本明細書において提供される局面のいずれかのいくつかの態様において、核酸プローブ配列は、プライマー配列の1つと実質的に類似している。いくつかの態様において、核酸プローブ配列は、プライマー領域内の標的配列の領域に相補的である。
プローブ構造:
いくつかの態様において、核酸プローブは、RNA、LNA、または他の塩基を含む。
いくつかの態様において、核酸プローブは、さらなるシグナル増強のために複数のフルオロフォア(例えば、同じまたは異なるタイプのもの)を含む。いくつかの態様において、フルオロフォアは同じ配列上に存在する。いくつかの態様において、フルオロフォアは、同じ配列であるが、異なるフルオロフォア/部分を有する混合物上に存在する。
いくつかの態様において、核酸プローブは、同じプローブ鎖において組み合わされたラテラルフロー検出可能部分およびフルオロフォアの両方を含む。いくつかの態様において、ラテラルフロー検出可能部分およびフルオロフォアは、同じ反応からの蛍光読み出しおよびLFA読み出しの両方を可能にするために、一緒に混合された異なるプローブ鎖(例えば、同じ配列を有する)により構成される。
いくつかの態様において、一塩基多型(SNP)または標的核酸(例えば、ウイルス配列)の異なる変種を検出するために、例えば、互いに1または2塩基だけ異なる類似のプローブ配列の混合物が、同じ溶液内で用いられる。
いくつかの態様において、個々のプローブは、シグナル読み出しを特定の表面(例えば、スライドガラス、チューブの側面)に局在化させるために表面に固定化される。このようにして、シグナルの特定の空間構成により、どの標的が溶液中で検出されたかが示されるので、全ての異なる標的は、読み出しのために同じ部分(例えば、異なるプローブ配列ごとに同じフルオロフォア)を使用する。
いくつかの態様において、個々のプライマーは、表面の部位に一部または全部の増幅を局在化させるために、表面に固定化される。
いくつかの態様において、核酸プローブは、エキソヌクレアーゼ消化によっても、ある部分が別の部分に付着されるのをなお免れるように、一緒にハイブリダイズした少なくとも2つの鎖を含む(例えば、図43を参照のこと)。
プローブ読み出し:
いくつかの態様において、複数のプローブはそれぞれ、異なるフルオロフォアまたは検出可能な部分を含む(例えば、多重化)。
ほとんどの場合、可能性のある一連の疾患のうち1つだけが検査で陽性と出るものと予想される疾患診断などの用途では、組み合わせ読み出しを用いて、限られた数のスペクトル的に検出可能なチャネルで高い多重化を達成することができる。例えば、ある疾患はCy5チャネルでのみ蛍光を引き起こしうるが、別の疾患はFITCチャネルでのみ蛍光を引き起こし、第3の疾患は両方のチャネルで蛍光を引き起こすと考えられる。
酵素:
いくつかの態様において、Bst full length酵素は、消化-LAMPアッセイにおいて唯一の酵素として用いられる。いくつかの態様において、Bst full length酵素は、別の酵素(Bst Large Fragment、Bst 2.0、Bst 2.0 WarmStart、Bst 3.0など)に加えて補充される。
実施例10: 消化-LAMPアッセイ
本明細書において記載されるのは、消化プローブの触媒代謝回転による標的および増幅シグナル産生の特異的検出である(例えば、図44A~44Bを参照のこと)。実験設定: (例えば、図44Aを参照のこと) 標的DNAアンプリコン(例えば、SEQ ID NO: 3 (SARS-CoV-2 ORF1ab)のnt 1980~2176に対応する配列
を有する)を、60℃の温度で消化プローブ(Digest probe) (例えば、配列/56-FAM/ CCA CCA ATA /ZEN/ ATG ATA GAG TCA GCA CAC A /3IABkFQ/、SEQ ID NO: 19を有し、ここで/56-FAM/はFAM蛍光分子であり、/ZEN/および/3IABkFQ/はクエンチャー分子である)と混合した。標的の濃度は10 nMであったが、プローブの濃度は4つの異なるチューブでそれぞれ10 nM、20 nM、50 nMおよび100 nMとして変化させた。Bst Full Length酵素を0.1 U/μLの濃度で含めた(Bstなしの条件以外)。蛍光をモニターするリアルタイムPCR機を用いて、プローブ消化の進行をモニターした。結果: 図44Bは、標的濃度を固定したまま、プローブ濃度の増加に比例して蛍光シグナルが増加することを示す。これは、含まれているBst Full Length酵素の二本鎖特異的な5プライムから3プライム方向のエキソヌクレアーゼ活性に起因した消化によるプローブの触媒代謝回転を示す。酵素がない場合(Bstなし、図44Bの右下)または標的がない場合(標的なし、図44Cの左下)、100 nMのプローブが存在する場合でも識別可能なシグナルの増加はなく、プローブ消化が標的特異的であり、Bst Full Length酵素によって駆動されることを示している。したがって、消化プローブ技術は、標的を検出し、単なる化学量論的プローブ(例えばTaqman(商標)プローブまたは分子ビーコン(Molecular Beacon))によって達成できるものをはるかに超えて高い(増幅された)シグナルを生成しうる。
消化プローブは、ある範囲の温度下で頑健性を発揮する(例えば、図45参照)。実験設定: 図44A~44Bのように、図45では、標的DNAアンプリコン(10 nM)を消化プローブと、さまざまな濃度: 20 nM (2:1)、50 nM (5:1)および100 nM (10:1)でBst Full Length酵素(0.1 U/μL)の存在下において混合した。リアルタイムPCR機を用いて30分間、プローブ消化の進行をモニターした。30分後に、非特異的DNAエンドヌクレアーゼを導入して、全てのプローブを消化し、終点の蛍光を記録した。30分後に消化されたプローブの割合を、この終点に対して計算した。結果: 30℃から65℃までの広い温度範囲でプローブの消化が観察された。プローブの消化は、50℃~65℃の温度範囲で最も効率的であり、ここで最大5倍過剰のプローブが30分で100%消化された(例えば、図45参照)。消化効率はプローブ配列、プローブ長、緩衝液組成、塩濃度、標的配列、標的長などのような、さまざまな要因に依存する。
消化-LAMPは、LAMP検出と比較して優れた特異性を示す(例えば、図46参照)。実験設定: 消化-LAMPの特異性を、dsDNAとの結合時のみ蛍光を発する色素(STYO-9)を用いてシグナルを発生させる従来のLAMP増幅と比較した。消化プローブ(As1e.mid28.Cy5、E1.mid29.Cy5、およびS-123.mid28.Cy5)ならびにSYTO-9をともに、同じLAMP反応に含めた。消化プローブは、赤色チャネルで蛍光を発するCy5色素を含むが、SYTO-9色素は青色チャネルで蛍光を発する。リアルタイムPCR機を用いてこれら両方の独立したチャネルで、蛍光を同時に記録した。実験条件は、SARS-CoV-2ウイルスの存在の診断が機能する条件を模倣している。具体的には、標的は、プールされたヒト鼻液のマトリックス中の合成SARS-CoV-2 RNA (陽性対照、3回の繰り返しと表示した)またはSARS-CoV-2 RNAを含まないプールされたヒト鼻液のマトリックス(NTC、すなわち鋳型対照なし、93回の繰り返しと表示した)であった。増幅のためにLAMPプライマーセットAs1e、S-123、およびE1を用いた。結果: 図46の左側では、消化-LAMPは、標的(SARS-CoV-2 RNA)の存在下でのみシグナルを発生するが、標的の非存在下では検出閾値を超えるシグナルが発生することはない。対照的に、図46の右側では、LAMPは標的の非存在下で非特異的増幅をもたらし、検出閾値を超える偽陽性シグナルをもたらす。SYTO-9チャネルに強い偽陽性シグナルがある場合でも、Cy5消化-プローブチャネルでは検出閾値を超えるシグナルが発生することはなく、プローブが偽のアンプリコンと、標的から生成された真のアンプリコンとを識別する能力を有することを意味していることに留意されたい。
消化-LAMPは、感染性疾患の特異的検出を可能にする(例えば、図47参照)。
消化-LAMPは、分子ビーコン技術と比較して優れたシグナルを示す(例えば、図48参照)。実験設定: SARS-CoV-2 RNAを検出するための消化-LAMP反応物を、以下のように総容量50 μLで設定した: 200コピーの合成SARS-CoV-2 RNA断片、NEB Warm Start LAMPマスターミックス(25 μL)、RNase阻害剤マウス(RNase Inhibitor Murine) (0.5 U/μL)、塩酸グアニジン(Guanidine Hydrochloride) (40 mM)、Bst Full Length (図48に示した濃度で)、As1e.FIP (1.6 μM)、As1e.BIP (1.6 μM)、As1e.F3 (0.2 μM)、As1e.B3 (0.2 μM)、As1e.LF (0.4 μM)、As1e.LB (0.4 μM)およびAs1e.mid28消化プローブ(0.2 μM)。反応物をリアルタイムPCR機において65℃でインキュベートし、蛍光をおよそ30秒ごとに1時間記録した。
消化-LAMPは、SARAs-COV-2を強固に検出する(例えば、図49参照)。実験条件: SARS-CoV-2 RNAを検出するための消化-LAMP反応物を、以下のように総容量50 μLで設定した: 100コピーの合成SARS-CoV-2 RNA断片、NEB Warm Start LAMPマスターミックス(25 μL)、RNase阻害剤マウス(RNase Inhibitor Murine) (0.5 U/μL)、塩酸グアニジン(Guanidine Hydrochloride) (40 mM)、Bst Full Length (0.2 U/μL)、As1e.FIP (1.6 μM)、As1e.BIP (1.6 μM)、As1e.F3 (0.2 μM)、As1e.B3 (0.2 μM)、As1e.LF (0.4 μM)、As1e.LB (0.4 μM)、As1e.mid28消化プローブ(0.2 μM)、E1.FIP (1.6 μM)、E1.BIP (1.6 μM)、E1.F3 (0.2 μM)、E1.B3 (0.2 μM)、E1.LF (0.4 μM)、E1.LB (0.4 μM)、E1.mid29消化プローブ(0.2 μM)、S-123.FIP (1.6 μM)、S-123.BIP (1.6 μM)、S-123.F3 (0.2 μM)、S-123.B3 (0.2 μM)、S-123.LF (0.4 μM)、S-123.LB (0.4 μM)、およびS-123.mid28消化プローブ(0.2 μM)。反応物をリアルタイムPCR機において65℃でインキュベートし、蛍光をおよそ30秒ごとに1時間記録した。
多重消化(Multiplexed Digest)-LAMPは同じチューブ内でSARS-CoV-2 RNAおよびヒト検体対照(例えば、ACTB1)を検出することができる(例えば図50A~50B参照)。実験条件: SARS-CoV-2 RNAおよびヒト検体対照を検出するための消化-LAMP反応物を、以下のように総容量40 μLで設定した: 100コピーの合成SARS-CoV-2 RNA断片、臨床鼻腔溶出液10 μL、NEB Warm Start LAMPマスターミックス(20 μL)、RNase阻害剤マウス(RNase Inhibitor Murine)(0.5 U/μL)、塩酸グアニジン(Guanidine Hydrochloride) (40 mM)、Bst Full Length (0.2 U/μL)、As1e.FIP (1.6 μM)、As1e.BIP (1.6 μM)、As1e.F3 (0.2 μM)、As1e.B3 (0.2 μM)、As1e.LF (0.4 μM)、As1e.LB (0.4 μM)、As1e.mid28消化プローブ(0.2 μM)、E1.FIP (1.6 μM)、E1.BIP (1.6 μM)、E1.F3 (0.2 μM)、E1.B3 (0.2 μM)、E1.LF (0.4 μM)、E1.LB (0.4 μM)、E1.mid29消化プローブ(0.2 μM)、S-123.FIP (1.6 μM)、S-123.BIP (1.6 μM)、S-123.F3 (0.2 μM)、S-123.B3 (0.2 μM)、S-123.LF (0.4 μM)、S-123.LB (0.4 μM)、およびS-123.mid28消化プローブ(0.2 μM)。反応物をリアルタイムPCR機において65℃でインキュベートし、蛍光をおよそ30秒ごとに1時間記録した。
消化-LAMPでは、鼻腔サンプル中のSARS-CoV-2が検出される(例えば図51参照)。消化-LAMPでは、唾液サンプル中のSARS-CoV-2が検出される(例えば図52参照)。
プローブは、アンプリコンの完全または部分的に露出した一本鎖領域に結合するように設計することができる(例えば、図53A~53Dを参照のこと)。図53Aでは、プローブは二重ヘアピンの一本鎖ステム領域に結合するが、図53Bでは、プローブは一本鎖ループ領域の1つに結合し、図53Cでは、プローブはステム内の部分的に露出した一本鎖領域に結合し、二本鎖アンプリコン領域に取って代わる。図53Dに示されるように、フルオロフォアおよびクエンチャー領域はそれぞれ、プローブの5'もしくは3'末端に位置してもよく、またはそれらはプローブの内部に位置してもよい。増強されたシグナルを得るために、2つ以上のクエンチャーまたはフルオロフォアを1つのプローブに含めることができる。図53Eに示されるように、プローブは、例えば図53Eの上部パネルに示される通り、一緒にハイブリダイズした複数の鎖を含むことができる。プローブは、ヘアピンのような内部部分二次構造を有することもできる。プローブは、標的にハイブリダイズされた場合に、3'突出部を有することができる。
(表3)さまざまな検出実験において本明細書で用いられるプライマーセット。As1eはSARS-CoV-2のORF1a遺伝子を、E1はSARS-CoV-2のE遺伝子を、およびS-123はSARS-CoV-2のS遺伝子をそれぞれ標的にするプライマーセットである。ACTB1は、ヒトACTB1遺伝子を標的にするプライマーセットであり、これは診断アッセイにおいてヒト検体対照として機能する。
(表4)さまざまな検出実験において本明細書で用いられるプローブ。As1e.mid28はSARS-CoV-2のORF1a遺伝子を、E1.mid29はSARS-CoV-2のE遺伝子を、およびS-123.mid28はSARS-CoV-2のS遺伝子をそれぞれ標的にするプローブである。ACTB1.mid28は、ヒトACTB遺伝子を標的にするプローブであり、一方でDetRP.mid30は、ヒトリボザイムRNAsePを標的にするプローブであり、これらのどちらも診断アッセイにおいてヒト検体対照として機能しうる。
実施例11: 二本鎖標的/アンプリコンおよび消化によるシグナル増幅
二本鎖核酸標的は、本明細書において記載される核酸プローブを用いて検出することができる(例えば、図54A~54Cを参照のこと)。実験設定: 特に明記しない限り、二本鎖標的検出反応物は最終反応容量25 μL中、20 nMのdsDNA標的分子(標的なしの対照を除く)、100 nMの消化プローブ、1×等温増幅緩衝液(NEB #B0537S)、2 mM MgSO4、および0.1 U/μLのBst DNA Polymerase Full Length (NEB #M0328S) から構成される。この反応物を65℃で1時間インキュベートし、インキュベーションの開始から1分ごとにリアルタイムPCRシステム(Bio-Rad(商標) CFX96)を用いて消化プローブの蛍光読み出しを記録した。消化プローブおよびdsDNA標的の配列を以下に示す。
SEQ ID NO: 19、消化プローブ(28 nt): (5'から3'方向へ) /6-FAM/ CCACCAATA /ZEN/ ATGATAGAGTCAGCACACA /IABkFQ/、ここで/6-FAM/はFAM蛍光分子であり、/ZEN/および/IABkFQ/はクエンチャー分子である。
SEQ ID NO: 4、dsDNA標的(197 bp): 標的鎖(5'から3'方向); 消化プローブ結合部位は太字で二重下線が引かれたテキストで示されている(例えば、SEQ ID NO: 4のnt 84~111):
。
SEQ ID NO: 20、dsDNA標的(197 bp): 相補鎖(5'から3'方向):
。
特段の記載がない限り、実施例11および関連する図(例えば、図54~57)において、「dsDNA標的」は、この197 bpのdsDNA標的配列(すなわち、SEQ ID NO: 4、20)をいう。SEQ ID NO: 4および20は、SEQ ID NO: 3 (SARS-CoV-2 ORF1ab)のnt 1980~2176に対応する。
二本鎖標的を検出する場合、ある範囲のプローブ濃度を用いることができる(例えば、図55参照)。実験設定: 反応条件は、Bst Full Lengthポリメラーゼの濃度を0.2 U/μLに増やした以外は、図54の場合と同じであった。保護されていないdsDNA標的分子を、図55における全ての反応に用いた。結果: 終点の蛍光レベルとプローブ濃度の間の正の比例関係から、プローブの触媒消化代謝回転が示唆される(例えば、図55の上グラフを参照のこと)。dsDNA標的(例えば、図55の左下グラフを参照のこと)を添加しなかった場合、100 nMのプローブの存在下でもシグナルはバックグラウンドレベルに近いままであり、このことから、シグナル生成が標的特異的であることが示唆される。Bst Full Lengthポリメラーゼを添加しなかった場合(例えば、図55の右下グラフを参照のこと)もシグナルはほぼゼロのままであり、このことから、プローブの結合がBst Full LengthポリメラーゼによるdsDNA標的の部分消化によって補助されることが示唆される。これらの結果は、プローブ結合のために標的鎖を露出させるための前処理なしに、単一のインキュベーション反応で二本鎖分子を効率的に検出できることを示唆している。
検出可能なプローブ消化が、dsDNA標的を用いある範囲の温度にわたって観察された(例えば、図56参照)。実験設定: 反応条件は、20 nM dsDNA標的(保護されていない)を0.2 U/μL Bst Full Lengthポリメラーゼの存在下で3つの異なる濃度: 20 nM (1:1のプローブ対標的の比率)、50 nM (2.5:1)および100 nM (5:1)の消化プローブと混合したが、図54~55に示したものと同じであった。リアルタイムPCR機を用いて1分ごとに30分間、4つの異なる温度50℃、55℃、60℃および65℃でプローブ消化の進行をモニターした。30分のインキュベーションの最後に、20単位のT5エキソヌクレアーゼ(NEB #M0663S)を添加して、反応中の全ての未反応プローブを完全に消化し、完全消化された(すなわち、切断効率100%)蛍光も記録した。次いで、T5処理後の蛍光で割った30分のインキュベーション後の終点蛍光から、プローブの切断効率を計算した。結果: ある範囲の温度50℃から65℃にわたって、検出可能なプローブ消化が観察された(例えば、図56参照)。プローブ消化は、60℃~65℃の温度範囲で最も効率的であり、この場合、30分で最大2.5倍過剰のプローブが100%消化された。消化効率はプローブ配列、プローブ長、緩衝液組成、塩濃度、dsDNA標的配列、dsDNA標的長などのような、さまざまな要因に依存する。
二本鎖核酸標的のさらなる検出方法は、消化プローブを一本鎖結合(SSB)タンパク質と組み合わせることを含む(例えば、図57参照)。