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JP2025093439A - プラズマ処理装置、プラズマ源およびプラズマ制御方法 - Google Patents

プラズマ処理装置、プラズマ源およびプラズマ制御方法 Download PDF

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JP2025093439A JP2023209074A JP2023209074A JP2025093439A JP 2025093439 A JP2025093439 A JP 2025093439A JP 2023209074 A JP2023209074 A JP 2023209074A JP 2023209074 A JP2023209074 A JP 2023209074A JP 2025093439 A JP2025093439 A JP 2025093439A
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和史 金子
Kazufumi Kaneko
聡 川上
Satoshi Kawakami
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Abstract

Figure 2025093439000001
【課題】熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができるプラズマ処理装置等を提供する。
【解決手段】プラズマ処理装置は、処理室と、基板保持部と、プラズマ源と、を有する。処理室は、基板の処理空間を提供する。基板保持部は、処理室内で基板を保持する。プラズマ源は、プラズマを処理室内に供給するように構成され、ガス供給部と、配管と、電磁波発生器と、電磁波供給部と、共振器配列構造体と、を備える。ガス供給部は、原料ガスを供給する。配管は、ガス供給部と処理室とを接続する。電磁波発生器は、配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させる。電磁波供給部は、配管に設けられた誘電体窓を介して、電磁波を配管内に供給する。共振器配列構造体は、電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含む。
【選択図】図2

Description

本開示は、プラズマ処理装置、プラズマ源およびプラズマ制御方法に関する。
特許文献1には、複数のアンテナと、複数のアンテナの間に間隔を設けて配置された複数の結合防止素子と、を有し、複数の結合防止素子のそれぞれは、チャンバ内にてグランド面を構成する天壁に接続された第1の部材と、第1の部材の先端又はその近傍に接続された第2の部材と、を有する、アレーアンテナが開示されている。また、特許文献2に開示されている方法は、反応チャンバに基板を提供することと、基板上に第1の厚さの炭化ケイ素膜を堆積させることと、第1の厚さの炭化ケイ素膜が高密度化されるリモート水素プラズマ処理に第1の厚さの炭化ケイ素膜を曝すことと、第1の厚さの炭化ケイ素膜の上に第2の厚さの炭化ケイ素膜を堆積させることと、第2の厚さの炭化ケイ素膜が高密度化されるリモート水素プラズマ処理に第2の厚さの炭化ケイ素膜を曝すことと、を含む。
特開2021-114360号公報 特表2020-502797号公報
本開示は、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができるプラズマ処理装置、プラズマ源およびプラズマ制御方法を提供する。
本開示の一態様によるプラズマ処理装置は、処理室と、基板保持部と、プラズマ源と、を有する。処理室は、基板の処理空間を提供するように構成される。基板保持部は、処理室内で基板を保持するように構成される。プラズマ源は、プラズマを処理室内に供給するように構成され、ガス供給部と、配管と、電磁波発生器と、電磁波供給部と、共振器配列構造体と、を備える。ガス供給部は、原料ガスを供給するように構成される。配管は、ガス供給部と処理室とを接続するように構成される。電磁波発生器は、配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される。電磁波供給部は、配管に設けられた誘電体窓を介して、電磁波を配管内に供給するように構成される。共振器配列構造体は、電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される。
本開示によれば、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができる。
図1は、第1実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、第1実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図3は、第1実施形態に係るノズルの構成の一例を示す図である。 図4は、第1実施形態に係るリモートプラズマ源における配管の一例を示す断面図である。 図5は、第1実施形態に係る共振器配列構造体の構成の一例を示す図である。 図6は、図5のA-A断面の一例を示す断面図である。 図7は、第1実施形態に係る共振器単体の平面およびB-B断面の一例を示す図である。 図8は、図7のC-C断面の一例を示す断面図である。 図9は、図7のD-D断面の一例を示す断面図である。 図10は、共振器のS21値と電磁波の周波数との関係の一例を示す図である。 図11は、第1実施形態に係る共振器の共振周波数の算出の一例を示す説明図である。 図12は、変形例1に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図13は、変形例2に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図14は、変形例3に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図15は、変形例4に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図16は、変形例5に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図17は、変形例5に係る共振器配列構造体近傍の断面の一例を示す図である。 図18は、変形例5に係る共振器配列構造体を配管の上流方向から見た構成の一例を示す平面図である。 図19は、図18のF-F断面の一例を示す断面図である。 図20は、変形例5に係る共振器単体の平面およびG-G断面の一例を示す図である。 図21は、図20のI-I断面の一例を示す断面図である。 図22は、図20のJ-J断面の一例を示す断面図である。 図23は、リング部材の位置とプラズマ生成領域との関係の一例を示す図である。 図24は、リング部材の位置とプラズマ生成領域との関係の一例を示す図である。 図25は、シールドの位置とプラズマ生成領域との関係の一例を示す図である。 図26は、変形例6に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図27は、第2実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図28は、第2実施形態に係る共振器配列構造体近傍の断面の一例を示す図である。 図29は、第2実施形態に係る共振器配列構造体を配管の下流方向から見た構成の一例を示す平面図である。 図30は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の構成の一例を示す図である。 図31は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の構成の一例を示す図である。 図32は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の構成の他の一例を示す図である。 図33は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の断面の一例を示す図である。 図34は、第2実施形態に係る共振器配列構造体の一例を示す斜視図である。 図35は、変形例7に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図36は、図35のK-K断面の一例を示す断面図である。 図37は、変形例7に係る共振器の構成の一例を示す図である。 図38は、変形例8に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図39は、変形例8に係る共振器配列構造体近傍の断面の一例を示す図である。 図40は、第3実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図41は、第3実施形態に係る共振器配列構造体の一例を示す斜視図である。 図42は、変形例9に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。 図43は、第4実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。 図44は、第4実施形態に係るプラズマ拡散領域の一例を示す図である。 図45は、プラズマ拡散領域における電子密度の分布の一例を示すグラフである。 図46は、プラズマ拡散領域における電子密度の分布の一例を示すグラフである。 図47は、ガス流量と電子密度との関係の一例を示すグラフである。 図48は、電磁波のパワーと配管直径との関係の一例を示すグラフである。 図49は、電磁波のパワー密度の比と配管直径との関係の一例を示すグラフである。 図50は、共振器配列構造体の空間にガスが滞在する時間と配管直径との関係の一例を示すグラフである。 図51は、プラズマ生成から処理室までの移動時間と配管直径との関係の一例を示すグラフである。
以下に、開示するプラズマ処理装置、プラズマ源およびプラズマ制御方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態により開示技術が限定されるものではない。
ところで、プラズマ励起用のマイクロ波を用いたプラズマ処理装置では、プラズマの電子密度を高めるために処理容器内に供給されるマイクロ波の電力を上昇させることがある。処理容器内に供給されるマイクロ波の電力を上昇させるほど、プラズマの電子密度を高めることができる。
ここで、処理容器内に供給されるマイクロ波の電力を上昇させることによりプラズマの電子密度がある上限値に到達すると、処理容器内の空間の誘電率が負となることが知られている。この電子密度の上限値を適宜「遮断密度」と呼ぶ。また、マイクロ波が空間を伝搬するか否かを示す指標として、屈折率が知られている。屈折率Nは、以下の式(1)により表される。
N=√ε√μ ・・・(1)
ただし、ε:誘電率、μ:透磁率
透磁率は一般に正であるので、処理容器内の空間の誘電率が負となると、上記の式(1)により、処理容器内の空間の屈折率が純虚数となる。これにより、マイクロ波が減衰して処理容器内の空間を伝搬することができなくなる。このように、プラズマの電子密度が遮断密度に到達すると、処理容器内の空間においては、マイクロ波が伝搬できないため、マイクロ波の電力がプラズマに十分に吸収されない。結果として、処理容器内に生成されるプラズマの広範囲での高密度化が阻害されるという問題がある。なお、上記ではマイクロ波を一例として説明したが、超短波(VHF:Very High Frequency)~極超短波(UHF:Ultra High Frequency)帯の電磁波を用いたプラズマ処理装置においても同様の問題がある。
プラズマ処理装置において、処理室と配管で接続された別空間であるプラズマ生成室で生成したプラズマを処理室に導入する、独立型のリモートプラズマ方式が知られている。独立型のリモートプラズマ方式では、プラズマ生成室(プラズマ源)からの熱、電磁波およびイオンの影響は抑制されるが、プラズマ源と処理対象の基板との距離が遠いため、プラズマが拡散し、プラズマ密度(ラジカル密度)が低下することがある。また、処理ガスやプラズマが配管やノズルを介してプラズマ生成室から処理室まで導入される際に、イオンやラジカルの衝突による反射、消失および再結合が起こるので、プラズマ密度(ラジカル密度)が低下することがある。このような低密度ラジカルでは、基板処理の速度が低下することになる。そこで、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することが期待されている。
(第1実施形態)
[プラズマ処理装置の構成]
図1は、第1実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。まず、図1を用いてプラズマ処理装置1における独立型のリモートプラズマ方式によるプラズマ生成の概略を説明する。図1に示すように、プラズマ処理装置1では、制御装置11がRF(Radio Frequency)電源16を制御することで、アンテナ18によって電磁波(磁界H)を発生させ、誘電体窓20を介して、配管に設置された共振器配列構造体100の複数の共振器に電磁波を供給する。共振器配列構造体100では、電磁波と複数の共振器との共振により、配管内にプラズマPが生成される。なお、回転磁界を発生させるアンテナと、回転磁界と共振する方向に複数の共振器が配列された共振器配列構造体を用いてもよい。プラズマPは、配管内をノズル41へと流れるうちにイオンが再結合され、配管からノズル41の貫通孔を通って、ラジカルRが処理室へと流れる。このとき、ノズル41の貫通孔は、イオンを配管から処理室へと通過させない直径である。なお、プラズマ処理装置1では、誘電体窓20を境界として、制御装置11側が大気雰囲気、配管および処理室側が真空雰囲気となっている。本実施形態では、RF電源16から共振器配列構造体100まで、または、RF電源16からノズル41までをリモートプラズマ源と表す。
図2は、第1実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。プラズマ処理装置1は、装置本体10および制御装置(制御部の一例)11を備える。図1に示すプラズマ処理装置1は、例えば、独立型のリモートプラズマ方式のプラズマ処理装置として構成される。装置本体10は、処理容器12、ステージ14、RF(Radio Frequency)電源(電磁波発生器の一例)16、アンテナ18、配管36、ガス供給部38および共振器配列構造体100を備える。また、装置本体10は、ノズル41を含む。ノズル41は、処理容器12の側壁12aの上部に設けられる。RF電源16、アンテナ18および共振器配列構造体100を少なくとも含むリモートプラズマ源30は、ガス供給部38と処理容器12とを接続する配管36に設けられる。なお、リモートプラズマ源30は、ガス供給部38を含む形態としてもよい。
処理容器12は、例えば表面が陽極酸化処理されたアルミニウム等によって略円筒状に形成されており、内部に略円筒形状の処理空間Sを提供している。なお、処理容器12および処理空間Sは、処理室の一例である。処理容器12の底面の略中央部にはステージ14が配置される。また、処理容器12の底面には、排気用の排気口12hが設けられている。排気口12hには、排気管54を介して、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプや自動圧力制御弁等を有する排気装置56が接続されている。排気装置56により、処理空間Sを所望の真空度まで減圧することができる。処理容器12は、保安接地されている。処理容器12の側壁12aには、被処理体WPの搬入/搬出を行うための開口12cが形成されている。開口12cは、ゲートバルブGBによって開閉される。
ステージ14には、被処理体WPが載置される。ステージ14は、略円板状をなしており、AlN等のセラミックスによって形成されている。ステージ14の内部には、被処理体WPを昇降するための昇降ピン(図示せず)がステージ14の上面に対して突没可能に設けられている。ステージ14は、上面に静電チャックを有し、被処理体WPを保持する。静電チャックの電極14aは、直流電源64が電気的に接続されている。静電チャックは、直流電源64から印加される直流電圧により発生する静電気力によって、被処理体WPを上面に吸着保持することができる。なお、ステージ14の内部には、図示しない冷媒流路やヒータ等の温調機構が設けられ、ステージ14に載置された被処理体WPの温度が制御される。
RF電源16は、アンテナ18に結合され、少なくとも1つのインピーダンス整合回路を介してプラズマ生成用のソースRF信号(ソースRF電力)を生成するように構成される。一実施形態において、ソースRF信号は、10MHz~3000MHzの範囲内の周波数を有する。一実施形態において、RF電源16は、異なる周波数を有する複数のソースRF信号を生成するように構成されてもよい。生成された1または複数のソースRF信号は、アンテナ18に供給される。なお、RF電源16は、上述のように電磁波発生器の一例であり、高周波電源の一例である。また、アンテナ18は、電磁波供給部の一例である。
アンテナ18は、1または複数のコイルを含む。一実施形態において、アンテナ18は、ソレノイド状のコイルを含む。つまり、アンテナ18は、ループ状に巻かれている。なお、アンテナ18の開口部は、円形、楕円形および多角形(方形、三角形等)等のうち、いずれの形状であっても構わない。アンテナ18には、RF電源16が接続され、ソースRF信号が供給される。アンテナ18によって生成される磁界Hは、配管36の側壁に設置された共振器配列構造体100の複数の共振器を貫く方向となる。なお、アンテナ18は、略円形の渦巻き状(平面スパイラル状)に形成された平面コイル等であってもよい。
配管36は、ガス供給部38と処理容器12の処理空間Sとを接続する。配管36の処理空間S側の端部には、ノズル41が設けられる。配管36の他方の端部は、ガス供給部38に接続される。
ガス供給部38は、少なくとも1つのガスソース38a、少なくとも1つのバルブ38b、および少なくとも1つの流量制御器38cを含んでもよい。一実施形態において、ガス供給部38は、少なくとも1つの処理ガスを、それぞれに対応のガスソース38aからそれぞれに対応のバルブ38bおよび流量制御器38cを介して配管36に供給するように構成される。各流量制御器38cは、例えばマスフローコントローラまたは圧力制御式の流量制御器を含んでもよい。さらに、ガス供給部38は、少なくとも1つの処理ガスの流量を変調またはパルス化する1またはそれ以上の流量変調デバイスを含んでもよい。
図3は、第1実施形態に係るノズルの構成の一例を示す図である。図3に示すように、ノズル41は、複数の貫通孔41aを有し、配管36の端部の断面方向に蓋をするように配置され、複数の貫通孔41aから処理ガスおよびラジカルが処理空間Sに供給される。複数の貫通孔41aは、配管36の内部空間36aで生成されたプラズマに含まれるイオンについて、処理空間Sへと通過させない直径であることが好ましい。つまり、プラズマに含まれるイオンは、貫通孔41aを通過する際に再結合してラジカルとなり、処理空間Sに供給される。なお、共振器配列構造体100とノズル41との間の距離は、任意に設定可能である。
図4は、第1実施形態に係るリモートプラズマ源における配管の一例を示す断面図である。図4に示すように、配管36の側壁の一部には、共振器配列構造体100が設置される。この場合、共振器配列構造体100は、誘電体窓20を兼ねる。配管36の内部空間36aのうち、共振器配列構造体100と接する空間には、プラズマPが生成される。なお、以下の説明では、配管36の長手方向と直交する断面方向を、図4の断面の方向と規定する。また、共振器配列構造体100は、配管36の曲面に合わせた曲面としてもよい。
図2を再び参照する。共振器配列構造体100は、電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが電磁波の波長よりも小さい複数の共振器を配列して形成される。なお、共振器配列構造体はメタマテリアルとも称され、共振器はメタアトムとも称される。
共振器配列構造体100が配管36の側壁に位置することにより、アンテナ18によって配管36の内部空間36aに供給される電磁波と共振器配列構造体100の複数の共振器とを共振させることができる。電磁波と複数の共振器との共振により、配管36の内部空間36aに電磁波を効率よく供給することができ且つ処理空間の透磁率を負にすることができる。内部空間36aの透磁率が負である場合、内部空間36a内で生成されるプラズマの電子密度が遮断密度に到達し且つ内部空間36aの誘電率が負である場合であっても、上記の式(1)により屈折率が実数となるため、内部空間36aにおいて電磁波が伝搬することができる。これにより、内部空間36a内で生成されるプラズマの電子密度が遮断密度に到達する場合であっても、プラズマの表皮深さを超えて電磁波の伝搬が可能でありプラズマに電磁波の電力が効率よく吸収される。結果として、プラズマの表皮深さを越えた広範囲で高密度なプラズマを生成することができる。すなわち、本実施形態に係るプラズマ処理装置1によれば、共振器配列構造体100が配管36の側壁に位置することにより、内部空間36a内においてプラズマを広範囲で高密度化を実現することができる。
ここで、図4および図5を参照して、共振器配列構造体100の詳細な構成について説明する。図5は、第1実施形態に係る共振器配列構造体の構成の一例を示す図である。図5には、図2のアンテナ18側から見た共振器配列構造体100が示されている。共振器配列構造体100は、例えば、自身の長手方向が配管36の長手方向と合うように配置される。本実施形態では、共振器配列構造体100の内部空間36a側にプラズマPが生成される。
共振器配列構造体100は、電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが電磁波の波長よりも小さい複数の共振器101を格子状に配列して形成される。また、複数の共振器101は、共振器配列構造体100の基部の面積が広い側の後述する第1面106と平行な平面の方向、つまり、同一平面の方向に配置されているとも表すことができる。具体的には、図5に示すように、複数の共振器101は、平板状の共振器配列構造体100において、同一平面に配置される。すなわち、複数の共振器101は、共振器配列構造体100の長手方向の面と平行な平面に配置される。つまり、アンテナ18側から見ると、透過して表すC字状のリング部材111が、C字が見えるように格子状に並ぶ配置となる。共振器配列構造体100には、例えば、列方向(横方向)が配管36の直径に収まる列であって、行方向(縦方向)がアンテナ18の直径に収まる行の共振器101が配列される。図5の例では、共振器配列構造体100の列方向の長さL1、行方向の長さL2となっている。
このとき、複数の共振器101それぞれの境界は、境界105として表しているが、実際には、複数の共振器101が共振器配列構造体100として一体として形成されている。なお、複数の共振器101が別体として形成され、格子状の枠に嵌められたり、互いに接着されたりして共振器配列構造体100が構成されるようにしてもよい。複数の共振器101の各々は、コンデンサ等価素子およびコイル等価素子からなる直列共振回路を構成する。直列共振回路は、平面上に導体をパターニングすることで、実現される。なお、アンテナ18で生成される磁界Hは、C字状のリング部材111を貫く方向となる。
図6は、図5のA-A断面の一例を示す断面図である。図6に示すように、共振器配列構造体100のA-A断面では、複数の共振器101の断面が並んで現れることになる。また、図5と同様に、複数の共振器101それぞれの境界は、境界105で表される。ここで、共振器配列構造体100の第1面106は、配管36の内部空間36a側に向く面であり、第2面107は、アンテナ18側に向く面である。つまり、図2では、図6に示す共振器配列構造体100が上下反転して配置される。
図7は、第1実施形態に係る共振器単体の平面およびB-B断面の一例を示す図である。図7では、一体として形成された複数の共振器101のうち、ある共振器101を一例として、共振器101単体の平面図150と、平面図150のB-B断面の断面図151とを表している。平面図150および断面図151に示すように、単体の共振器101は、境界105に囲まれた領域内にある。つまり、本実施形態では、共振器101は、2枚のC字状のリング部材111がそれぞれ誘電体112によって囲まれている状態である。誘電体112は、1枚目のC字状のリング部材111から第1面106までの厚さ109aが、2枚目のC字状のリング部材111から第2面107までの厚さ109bよりも薄くなるように形成されている。これにより、共振器配列構造体100では、配管36の内部空間36a側である第1面106側に選択的にプラズマを発生させることができる。すなわち、共振器配列構造体100は、共振器101の各リング部材111から表面までの誘電体112の厚さによって、プラズマ生成面を制御可能である。
図8は、図7のC-C断面の一例を示す断面図である。図9は、図7のD-D断面の一例を示す断面図である。図7の断面図151、図8および図9に示すように、単体の共振器101は、導体からなる2枚のC字状のリング部材111であって、互いに逆向きに隣接して配置されるリング部材111の間に誘電体112が配置された構造を有する。すなわち、共振器101においては、互いに逆向きの2枚のC字状のリング部材111によって誘電体112が挟まれている状態である。2枚のC字状のリング部材111の対向面や、各リング部材111の両端部においてコンデンサ等価素子が形成され、各リング部材111に沿ってコイル等価素子が形成される。これにより、共振器101は、直列共振回路を構成することができる。なお、図7から図9に示す共振器101においては、C字状のリング部材111の配置数(以下、適宜「積層数」とも言う。)が2であるが、C字状のリング部材111の積層数が2より大きくてもよい。この場合、共振器101は、C字状のリング部材111は、互いに逆向きに隣接して配置され、C字状のリング部材111の間に誘電体112が配置された構造を有する。
図2を再び参照する。制御装置11は、プロセッサ、メモリ、および入出力インターフェイスを有する。メモリには、プログラムおよびプロセスレシピ等が記憶されている。プロセッサは、メモリからプログラムを読み出して実行することにより、メモリ内に記憶されたプロセスレシピに基づいて、入出力インターフェイスを介して、装置本体10の各部を統括制御する。
制御装置11は、例えば、配管36の内部空間36aにプラズマPが生成される際、複数の共振器101の共振周波数よりも高い目標周波数帯において、アンテナ18によって内部空間36aに供給される電磁波と複数の共振器101とが共振するように制御する。ここで、共振周波数とは、例えば、複数の共振器101の透過特性値(例えば、S21値)が極小値となる周波数である。
ここで、図10および図11を用いて共振器101の共振周波数について説明する。図10は、共振器のS21値と電磁波の周波数との関係の一例を示す図である。アンテナ18によって配管36の内部空間36aに供給される電磁波の周波数が各共振器101の共振周波数Fr(=約2.35GHz)と一致する場合に、各共振器101のS21値が極小値となり、電磁波と各共振器101との共振が発生する。なお、図10では、電磁波の一例としてマイクロ波で説明しているが、VHF帯の電磁波であっても同様である。電磁波と各共振器101との共振は、各共振器101の共振周波数Frよりも高い所定の周波数帯(例えば、約0.1GHz)においても、維持される。各共振器101の共振周波数Frよりも高い所定の周波数帯においては、電磁波と各共振器101との共振により内部空間36aの共振器配列構造体100下側のプラズマ生成領域にて、誘電率と透磁率をともに負にすることができる。従って、上記の式(1)から分かる通り、内部空間36aの共振器配列構造体100下側のプラズマ生成領域での電磁波の伝搬が可能となる。目標周波数帯は、各共振器101の共振周波数Frよりも高い所定の周波数帯(例えば、約0.1GHz)に設定される。目標周波数帯は、例えば、各共振器101の共振周波数Frの0.05倍以内であることが好ましい。
図11は、第1実施形態に係る共振器の共振周波数の算出の一例を示す説明図である。図11の断面図152に示すように、共振器101は、2枚のC字状のリング部材111で誘電体112を挟んだ構造と捉えることができる。このとき、共振器101のC字状のリング部材111を貫く磁界Hが生じると、C字状のリング部材111に誘導電流Ieが発生する。なお、図11では、C字状のリング部材111の外側を囲む誘電体112は省略している。
一方、共振器101の共振周波数は、図11の断面図152および平面図153における各寸法から求められる。つまり、共振器101の共振周波数は、C字状のリング部材111の寸法と、2枚のC字状のリング部材111に挟まれる誘電体112の厚さとから、下記の式(2)~(5)に示すように、求めることができる。式(2)は、共振器101のインダクタンスLMAを求める式である。式(3)は、共振器101のキャパシタンスCMAのうち、平面図153の上半分または下半分に相当するキャパシタンスChalfを求める式である。式(4)は、共振器101としてのキャパシタンスCMAを求める式である。式(5)は、共振器101の共振周波数Frを求める式である。
Figure 2025093439000002

Figure 2025093439000003

Figure 2025093439000004

Figure 2025093439000005
式(2)において、rはC字状のリング部材111の中心からC字の幅の中心までの半径を表し、μは真空の透磁率を表す。式(3)において、Chalfは、共振器101のキャパシタンスのうち、平面図153の上半分または下半分に相当するキャパシタンスを表す。また、式(3)において、εは誘電率、εは真空の誘電率(電気定数)、SはC字状のリング部材111の上半分または下半分の面積、dは2枚のC字状のリング部材111の間隔を表す。また、式(3)において、routはC字状のリング部材111の外側の半径を表し、rinはC字状のリング部材111の内側の半径を表し、SsplitはC字状のリング部材111のC字の間隙の面積を表す。なお、Ssplitは、平面図153に示すC字状のリング部材111の幅Wcと、C字の間隙gとから、長方形の面積として近似的に求められる。また、式(3)において、dPTFEは誘電体112としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いた場合の2枚のC字状のリング部材111の間隔を表す。なお、断面図152に示すように、2枚のC字状のリング部材111の厚さd1は、同じ厚さであるのが好ましい。
式(5)では、式(2)および式(4)で求めたインダクタンスLMAおよびキャパシタンスCMAに基づいて、共振器101の共振周波数Frを求めている。なお、共振周波数Frは、C字状のリング部材111の外側の半径routおよび内側の半径rinが大きいほど低くなるとともに、2枚のC字状のリング部材111に挟まれる誘電体112の厚さdが薄いほど低くなる。また、共振周波数Frは、C字状のリング部材111を積層する枚数が増加するほど低くなる。つまり、リング部材111の外側の半径routおよび内側の半径rinや誘電体112の厚さdを調整することで、異なる共振周波数を有する共振器101を形成することができる。また、本実施形態では、C字状のリング部材111として、円リングの一部に切り欠きがある形状で説明しているが、これに限定されない。リング部材の形状は、円リングに限られず、例えば、楕円リング、三角形リング、方形リング、および、多角形リング等のいずれかのリングに切り欠き(間隙gに相当)がある形状であってもよい。また、誘電体112は、材質を変更することで誘電率εを変更することができ、PTFEに限らず、例えば、SiN、SiC、Al2О3等を使用してもよい。
このように、本実施形態の共振器配列構造体100は、複数の共振器101がアンテナ18の開口部と対向する方向に配置されるので、磁界Hが共振器101のC字状のリング部材111を貫いて磁界共鳴が可能となる。従って、共振器配列構造体100の各共振器101は、共振周波数Frで共振することができる。
なお、複数の共振器に対する電磁波の伝搬については共振周波数と屈折率、誘電率および透磁率との関係は、たとえば、「PHYSICAL REVIEW E 71,036617(2005)」の「Electromagnetic parameter retrieval from inhomogeneous metamaterials」により、D.R.Smith,D.C.Vier,Th.Koschny and C.M.Soukoulisらにより報告されている。
次に、プラズマ処理装置1におけるリモートプラズマ源30における高密度ラジカルの生成について説明する。図2に示すように、共振器配列構造体100では、磁界Hが各共振器101を貫く方向となるので、各共振器101が共振し、各共振器101の第1面106側ではプラズマPが励起される。つまり、共振器配列構造体100の第1面106側が、プラズマ生成領域となる。配管36の内部空間36aは、ガス供給部38から処理容器12内の処理空間Sへと処理ガスが供給されているので、処理空間Sに向かう流れが発生する。従って、ガス供給部38から内部空間36aに供給された処理ガスは、各共振器101の第1面106側においてプラズマPが励起されるとともに、ノズル41の各貫通孔41aを通って処理空間Sへと流れる。ノズル41の各貫通孔41aは、イオントラップとして機能する。つまり、ノズル41の各貫通孔41aからは、高密度ラジカルが処理空間Sへと供給される。被処理体WPは、処理空間Sに供給された高密度ラジカルによって処理される。
このように、本実施形態では、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができる。すなわち、被処理体WPが配置される処理空間Sとリモートプラズマ源30との間の距離が長くイオンが消滅するので、イオンによるチャージアップダメージを抑制することができる。また、処理空間Sとリモートプラズマ源30との間がノズル41で分離されているので、熱輻射による熱ダメージ、光によるダメージおよび電磁波の影響を抑制することができる。また、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制できるので、表面処理における濡れ性を改善できるとともに、薄膜形成(ALD:Atomic Layer Deposition)および微細加工(ALE:Atomic Layer Etching)に適している。さらに、処理空間Sとリモートプラズマ源30との間の距離が長く、処理ガスとラジカルとが均等に混ざり合うので、被処理体WPに対して均一な処理を行うことができる。また、ラジカルを含む活性ガスの処理容器12への導入位置は、任意に選択することができる。さらに、共振器配列構造体100により高密度プラズマを生成するのでラジカル生成の効率がよく、基板処理の速度を向上させることができる。また、クリーニングガスが処理容器12内により広がるので、処理容器12の側壁12a等に付着したデポのクリーニングを行うことができる。
(変形例1)
続いて、図12~図26を用いて、第1実施形態の変形例1~6について説明する。なお、以下に説明する各変形例では、第1実施形態の装置本体10と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。図12は、変形例1に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図12に示す変形例1の装置本体10aは、第1実施形態の装置本体10に対して、配管36の配置を処理容器12dの上面12bへと変更したものである。装置本体10aでは、例えば、上面12bの中心にノズル41が接するように、処理容器12dに配管36が接続される。なお、図12の例では、共振器配列構造体100の配置は、配管36の配置変更に併せて処理容器12dの上部に変更されているが、共振器配列構造体100と配管36との位置関係は変更されず、配管36の側面に共振器配列構造体100が設けられている。また、ノズル41は、例えば、ステージ14と同程度の直径を有するシャワープレートとしてもよい。このように、装置本体10aでは、上面12bがステージ14に載置された被処理体WPの上面と対向するので、被処理体WPの面内均一性をより向上させることができる。
(変形例2)
図13は、変形例2に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図13に示す変形例2の装置本体10bは、変形例1の装置本体10aに対して、配管36の処理容器12d内への突出量を長くして、ノズル41をステージ14に近づけたものである。このように、装置本体10bでは、変形例1の装置本体10aよりも被処理体WP近傍のラジカルの密度を向上させることができる。
(変形例3)
図14は、変形例3に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図14に示す変形例3の装置本体10cは、第1実施形態の装置本体10に対して、共振器配列構造体100とは別に、誘電体窓20を配管36の側壁に設け、リモートプラズマ源30aとしたものである。このように、リモートプラズマ源30aでは、共振器配列構造体100は、配管36の内部空間36aに配置されるので、第1実施形態よりも共振器配列構造体100の配管36の断面方向の幅を広げることができる。つまり、プラズマPの生成領域をより大きくすることができ、処理空間Sに供給されるラジカルの密度をより向上させることができる。
(変形例4)
図15は、変形例4に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図15に示す変形例4の装置本体10dは、第1実施形態の装置本体10に対して、さらに、他の処理ガスを処理容器12e内に導入する配管37およびガス供給部38dを有する。また、装置本体10dは、配管36の処理容器12e側に、ノズル41に代えてオリフィス42を有する。オリフィス42は、ノズル41の代わりに、その長さによってイオンが消滅するイオントラップとして機能する。なお、オリフィス42は、ガスインジェクタの一例である。また、配管37は、例えば、配管37の処理容器12e側に、オリフィス42と同様のオリフィスを有する。装置本体10dでは、ガス供給部38から供給された処理ガス(キャリアガス)が、共振器配列構造体100により生成されたプラズマPにより活性化され、活性ガス43aとしてオリフィス42から処理空間Sに供給される。また、ガス供給部38dおよび配管37からは、処理ガス43bが処理空間Sに供給される。活性ガス43aと処理ガス43bとは、処理空間S内で混合され、活性ガス43aにより処理ガス43bが活性化されて処理ガス43cとなって、被処理体WPの上面に供給される。このように、装置本体10dでは、プラズマ励起される処理ガスと異なる処理ガスを処理空間Sに供給して活性化することができる。
(変形例5)
図16は、変形例5に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図16に示す変形例5の装置本体10eは、第1実施形態の装置本体10に対して、ノズル41と共振器配列構造体100とを一体化して共振器配列構造体200としたものである。共振器配列構造体200は、配管36cの処理容器12側において、配管36cの断面を塞ぐように設けられる。また、装置本体10eは、配管36に代えて、配管36b,36cを有する。さらに、配管36bと配管36cとの接続部36dには、誘電体窓20aが設けられ、誘電体窓20aおよび内部空間36aを介して共振器配列構造体200に磁界Hを供給可能なようにアンテナ18が配置されている。つまり、装置本体10eは、リモートプラズマ源30に代えて、リモートプラズマ源30bを有する。
配管36bと配管36cとは、例えば直角となるように接続部36dで接続される。接続部36dは、アンテナ18側から見て共振器配列構造体200の平面と対向する方向の壁面に誘電体窓20aが設けられる。なお、配管36bと配管36cとの接続は、アンテナ18からの磁界Hが誘電体窓20aを介して共振器配列構造体200に供給可能であれば、どのような角度で接続されてもよい。
図17は、変形例5に係る共振器配列構造体近傍の断面の一例を示す図である。図17に示すように、共振器配列構造体200は、例えば、第1実施形態の共振器配列構造体100と同様の平板状の共振器配列構造体であり、配管36cの端部に設けられ、側壁12aと同様の厚さを有する。なお、図17では、断面E-Eを示すために厚さが異なるように描いている。共振器配列構造体200では、第1面206側にプラズマPが生成される。第1面206側で生成されたプラズマPは、後述する各共振器201の中心に設けられた貫通孔208を通って、共振器配列構造体200の第2面207側、つまり処理空間Sに供給される。このとき、プラズマPのうちイオンは、貫通孔208により再結合され、ラジカルとして処理空間Sに供給される。ここで、共振器配列構造体200の第1面206は、内部空間36a側、つまり、アンテナ18および誘電体窓20a側に向く面であり、第2面207は、処理空間S側に向く面である。
ここで、図18を参照して、共振器配列構造体200の詳細な構成について説明する。図18は、変形例5に係る共振器配列構造体を配管の上流方向から見た構成の一例を示す平面図である。図18には、図17の内部空間36a側、つまり、アンテナ18および誘電体窓20a側から見た共振器配列構造体200のE-E断面が示されている。共振器配列構造体200は、例えば、自身の長手方向が配管36cの断面方向と合うように(平行となる方向に)配置される。変形例5では、共振器配列構造体200の配管36cの内部空間36a側にプラズマPが生成される。
共振器配列構造体200は、電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが電磁波の波長よりも小さい複数の共振器201を格子状に配列して形成される。また、複数の共振器201は、共振器配列構造体200の基部の面積が広い側の第1面206と平行な平面の方向、つまり、同一平面の方向に配置されているとも表すことができる。具体的には、図18に示すように、複数の共振器201は、平板状の共振器配列構造体200において、配管36cの断面方向と平行な平面の方向に配置される。つまり、アンテナ18側から見ると、透過して表すC字状のリング部材211が、C字が見えるように格子状に並ぶ配置となる。共振器配列構造体200には、例えば、6行6列のうち、各角の1つをそれぞれ省略した共振器201が配列される。つまり、共振器配列構造体200には、例えば、各象限8個ずつ共振器201が配列される。このとき、複数の共振器201それぞれの境界は、境界205として表しているが、実際には、複数の共振器201が共振器配列構造体200として一体として形成されている。なお、複数の共振器201が別体として形成され、格子状の枠に嵌められたり、互いに接着されたりして共振器配列構造体200が構成されるようにしてもよい。複数の共振器201の各々は、コンデンサ等価素子およびコイル等価素子からなる直列共振回路を構成する。直列共振回路は、平面上に導体をパターニングすることで、実現される。なお、アンテナ18で生成される磁界Hは、C字状のリング部材211を貫く方向となる。
図19は、図18のF-F断面の一例を示す断面図である。図19に示すように、共振器配列構造体200のF-F断面では、複数の共振器201の断面が並んで現れることになる。また、図18と同様に、複数の共振器201それぞれの境界は、境界205で表される。ここで、共振器配列構造体200の第1面206は、上述のように、内部空間36a側、つまり、アンテナ18および誘電体窓20a側に向く面であり、第2面207は、処理空間S側に向く面である。また、複数の共振器201それぞれの中心には、貫通孔208が設けられている。
図20は、変形例5に係る共振器単体の平面およびG-G断面の一例を示す図である。図20では、一体として形成された複数の共振器201のうち、ある共振器201を一例として、共振器201単体の平面図250と、平面図250のC-C断面の断面図251とを表している。平面図250および断面図251に示すように、単体の共振器201は、境界205に囲まれた領域内にある。つまり、変形例5では、共振器201は、2枚のC字状のリング部材211がそれぞれ誘電体212によって囲まれている状態である。誘電体212は、1枚目のC字状のリング部材211から第1面206までの厚さ209aが、2枚目のC字状のリング部材211から第2面207までの厚さ209bよりも薄くなるように形成されている。これにより、共振器配列構造体200では、共振器配列構造体100と同様に、配管36cの内部空間36a側である第1面206側に選択的にプラズマを発生させることができる。すなわち、共振器配列構造体200は、共振器201の各リング部材211から表面までの誘電体212の厚さによって、プラズマ生成面を制御可能である。
貫通孔208は、第1面206が面する内部空間36aと、第2面207が面する処理空間Sとを連通する。貫通孔208は、例えば、断面が円形である。貫通孔208は、例えば、直径を10mm以下とすることで、イオンを再結合させ、ラジカルおよび活性化していない処理ガスを配管36cの内部空間36aから処理空間Sへと通過させる。また、貫通孔208は、例えば、直径2mm以下であることがより好ましい。つまり、貫通孔208は、イオンを内部空間36aから処理空間Sへと通過させない直径である。すなわち、第1面206側の内部空間36aで生成されたプラズマに含まれるラジカルおよび活性化していない処理ガスは、貫通孔208を通って、第2面207側の処理空間Sに供給される。また、プラズマに含まれるイオンは、貫通孔208を通過する際に再結合してラジカルとなり、同様に処理空間Sに供給される。処理空間Sには、高密度ラジカルが供給され、当該ラジカルにより、被処理体WPが処理される。
図21は、図20のI-I断面の一例を示す断面図である。図22は、図20のJ-J断面の一例を示す断面図である。図20の断面図251、図21および図22に示すように、単体の共振器201は、導体からなる2枚のC字状のリング部材211であって、互いに逆向きに隣接して配置されるリング部材211の間に誘電体212が配置された構造を有する。すなわち、共振器201においては、互いに逆向きの2枚のC字状のリング部材211によって誘電体212が挟まれている状態である。また、2枚のC字状のリング部材211の中心には、上述のように貫通孔208が設けられている。2枚のC字状のリング部材211の対向面や、各リング部材211の両端部においてコンデンサ等価素子が形成され、各リング部材211に沿ってコイル等価素子が形成される。これにより、共振器201は、直列共振回路を構成することができる。なお、図20から図22に示す共振器201においては、C字状のリング部材211の積層数が2であるが、C字状のリング部材211の積層数が2より大きくてもよい。この場合、共振器201は、C字状のリング部材211は、互いに逆向きに隣接して配置され、C字状のリング部材211の間に誘電体212が配置された構造を有する。なお、共振器201の共振周波数については、第1実施形態の共振器101の場合と同様であるので説明を省略する。
ここで、共振器配列構造体200を一例として、リング部材の位置とプラズマ生成領域との関係について説明する。図23および図24は、リング部材の位置とプラズマ生成領域との関係の一例を示す図である。図23に示すように、共振器配列構造体200では、誘電体212について、1枚目のC字状のリング部材211から第1面206までの厚さ209aが、2枚目のC字状のリング部材211から第2面207までの厚さ209bよりも薄い。誘電体212は、C字状のリング部材211から表面までの厚さが薄い方が電磁波の電力を吸収しやすく、各共振器201の誘電体212の当該厚さの薄い側の表面にプラズマが励起されやすくなる。例えば、共振器配列構造体200では、厚さ209bを厚さ209aの2倍以上とすることで、各共振器201の厚さ209a側である第1面206側にプラズマが励起されやすくなる。
一方、図24に示す共振器配列構造体200aでは、誘電体212について、1枚目のC字状のリング部材211から第1面206aまでの厚さ209cが、2枚目のC字状のリング部材211から第2面207aまでの厚さ209dよりも厚い。この場合、厚さ209cを厚さ209dの2倍以上とすることで、各共振器201Aの厚さ209d側である第2面207a側にプラズマが励起されやすくなる。なお、厚さ209cと厚さ209dの厚さを略同一とすると、第1面206aおよび第2面207aの両面側にプラズマが励起されることになる。図23および図24に示すように、共振器201内のC字状のリング部材211の位置により、プラズマ生成面を制御することができる。変形例5では、処理空間Sにラジカルを供給するので、内部空間36a側にプラズマ生成面の第1面206が位置する図23に示す共振器配列構造体200が好ましい。
図25は、シールドの位置とプラズマ生成領域との関係の一例を示す図である。図25に示す共振器配列構造体200bは、共振器配列構造体200の2枚目のC字状のリング部材211と第2面207までの間に、さらにシールド213を設けたものである。シールド213は、例えば、アルミニウム等の導電性部材であり、ファラデーシールドが形成されている。シールド213は、アンテナ18から放射される電磁波について、共振器配列構造体200bの第2面207側への電界を遮蔽する。共振器配列構造体200bでは、共振器配列構造体200bの第2面207側に電界がないことから電圧がかからないため、共振器配列構造体200bの第2面307側、つまり、処理空間S側でのプラズマの励起および放電を抑制することができる。
このように、変形例5では、平板状の共振器配列構造体200を用いることで、ノズル41を省略することができる。また、変形例5では、第1実施形態と比べて、共振器配列構造体200のプラズマ生成領域と処理空間Sとの距離が短いため、より高密度のラジカルを供給することができる。さらに、配管36cの長さは、アンテナ18から共振器配列構造体200に対して磁界Hを供給できる長さであれば限定されないので、リモートプラズマ源30bの配置の自由度を向上させることができる。
(変形例6)
図26は、変形例6に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図26に示す変形例6の装置本体10fは、変形例5の装置本体10eに対して、アンテナ18、誘電体窓20aおよび配管36b,36cに代えて、アンテナ18a、誘電体窓20bおよび配管36eを有するものである。なお、RF電源16、アンテナ18a、誘電体窓20bおよび共振器配列構造体200は、リモートプラズマ源30cを構成する。装置本体10fでは、配管36eの一部について、断面の円周方向の壁面が誘電体窓20bとなっており、誘電体窓20bを取り囲むようにアンテナ18aのコイルが巻かれている。つまり、アンテナ18aのコイルの内側に、誘電体窓20bおよび配管36eの内部空間が配置される。アンテナ18aで発生した磁界Hは、誘電体窓20bを介して配管36e内を通り、共振器配列構造体200に供給される。このように、リモートプラズマ源30cでは、配管36eの誘電体窓20bを取り囲むようにアンテナ18aが配置されるので、リモートプラズマ源30cの配置の自由度をより向上させることができる。
(第2実施形態)
上記の第1実施形態では、平板状の共振器配列構造体100,200を用いたが、各共振器が複数のセルを形成するセル形状の共振器配列構造体を用いてもよく、この場合の実施の形態につき、第2実施形態として説明する。なお、第2実施形態におけるプラズマ処理装置2は、リモートプラズマ源の構成を除いて上述の第1実施形態と同様であるので、その重複する構成および動作の説明については省略する。
図27は、第2実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図27に示すように、第2実施形態の装置本体10gは、第1実施形態のリモートプラズマ源30に代えて、リモートプラズマ源30dを有する。リモートプラズマ源30dは、RF電源16、アンテナ18、誘電体窓20cおよび配管36内に配置された共振器配列構造体300を有する。なお、リモートプラズマ源30dには、第1実施形態と同様に、ガス供給部38を含めてもよい。
誘電体窓20cは、変形例3の誘電体窓20と同様に、配管36の側壁に設けられている。なお、誘電体窓20cの大きさは、共振器配列構造体300に磁界Hが供給可能な大きさであれば限定されない。
図28は、第2実施形態に係る共振器配列構造体近傍の断面の一例を示す図である。図28に示すように、共振器配列構造体300は、配管36の誘電体窓20cがある位置に、後述するベースプレート320が配管36の断面方向と平行となる方向に配置される。共振器配列構造体300では、ベースプレート320に設けられた各セルCの各貫通孔325を通って、内部空間36g側から内部空間36f側に向けて処理ガスの流れが発生する。内部空間36f側の各セルCのセル空間では、処理ガスがプラズマ励起され、プラズマPが生成される。各セルCで生成されたプラズマPは、内部空間36fおよびノズル41を介して、処理空間Sに供給される。このとき、プラズマPのうちイオンは、ノズル41の各貫通孔41aにより再結合され、ラジカルとして処理空間Sに供給される。
図29は、第2実施形態に係る共振器配列構造体を配管の下流方向から見た構成の一例を示す平面図である。図29に示す共振器配列構造体300は、配管36の下流方向、つまりノズル41側から見た状態である。すなわち、共振器配列構造体300は、第1面が配管36の断面方向と平行となる方向に配置される。以下の説明では、図29におけるX軸方向およびY軸方向を基準として、共振器配列構造体300の構造について説明する。
図29に示すように、共振器配列構造体300は、カード形状の共振器301が格子状に配列される。なお、以下の説明では、共振器配列構造体300をメタマテリアル300と表し、カード形状の共振器301をメタアトム301と表す場合がある。図29の例では、メタアトム301で囲まれるセルCがX軸方向に5列、Y軸方向に5行形成(セルC11~C55)されるように、メタアトム301が配置されている。つまり、メタアトム301は、長手方向がX軸方向に沿うように、配置X11、X12、・・・、X15、・・・、X61、X62、・・・、X65というように、6行5列に配置されている。また、メタアトム301は、長手方向がY軸方向に沿うように、配置Y11、Y21、・・・、Y51、・・・、Y16、Y26、・・・、Y56というように、5行6列に配置されている。なお、セルCは、格子の間口および深さがメタアトム301のC字状のリング部材(例えば、リング部材311B)の外形以上の大きさである。すなわち、メタアトム301は、メタマテリアル300の基部の面積が広い側の第1面と垂直な平面の方向、つまり、X軸方向およびY軸方向ごとに同一平面の方向に配置されているとも表すことができる。
さらに、共振器配列構造体300の各セルCの底面の中心には、貫通孔325が形成されている。なお、周辺部のセルCを構成するメタアトム301と、中心部のセルC近傍のメタアトム301とは、異なる共振周波数Frを有するようにしてもよい。第2実施形態では、磁界Hの方向は、例えば、各セルCを構成するX軸方向とY軸方向の両方に配置された各メタアトム301を貫通する方向となる。なお、磁界Hの方向は、X軸方向またはY軸方向であってもよい。この場合、磁界Hがメタアトム301のC字状のリング部材311を貫く方向となるメタアトム301が磁界Hと共振する。
複数の共振器301は、図30および図31に示す共振器301Aおよび共振器301Bの少なくともいずれか一つ共振器を含む。複数の共振器301の各々は、コンデンサ等価素子およびコイル等価素子からなる直列共振回路を構成する。直列共振回路は、平面上に導体をパターニングすることで、実現される。
図30は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の構成の一例を示す図である。図30に示すカード形状の共振器301Aは、導体からなる互いに逆向き且つ同心円状の2枚のC字状のリング部材311Aが誘電体板312Aの一面上に積層された構造を有する。内側のリング部材311Aと外側のリング部材311Aの対向面や、各リング部材311Aの両端部においてコンデンサ等価素子が形成され、各リング部材311Aに沿ってコイル等価素子が形成される。これにより、共振器301Aは、直列共振回路を構成することができる。
図31は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の構成の一例を示す図である。図31に示すカード形状の共振器301Bは、導体からなる2枚のC字状のリング部材311Bであって、互いに逆向きに隣接して配置されるリング部材311Bの間に誘電体板312Bが配置された構造を有する。すなわち、共振器301Bにおいては、互いに逆向きの2枚のC字状のリング部材311Bによって誘電体板312Bが挟まれている。2枚のC字状のリング部材311Bの対向面や、各リング部材311Bの両端部においてコンデンサ等価素子が形成され、各リング部材311Bに沿ってコイル等価素子が形成される。これにより、共振器301Bは、直列共振回路を構成することができる。なお、カード形状の共振器301Bは、2枚のC字状のリング部材311Bの組ごとにカード形状に形成されているとも表すことができる。
なお、図31に示す共振器301Bにおいては、リング部材311Bの「積層数」が2であるが、リング部材311Bの積層数が2よりも大きくてもよい。図32は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の構成の他の一例を示す図である。図32に示す共振器301Bは、導体からなるN(N≧2)枚のC字状のリング部材311Bであって、互いに逆向きに隣接して配置されるリング部材311Bの間に誘電体板312Bが配置された構造を有する。このような構造によっても、共振器301Bは、直列共振回路を構成することができる。なお、以下の説明において、共振器301Aおよび共振器301Bを共振器301として表す場合、リング部材311A,311Bをリング部材311と表し、誘電体板312A,312Bを誘電体312と表す場合がある。
また、複数の共振器301の各々には、絶縁性の被膜が形成されてもよい。図33は、第2実施形態に係るカード形状の共振器の断面の一例を示す図である。図33には、図31に示す共振器301Bの側断面が示されている。共振器301Bの表面には、絶縁性の被膜(誘電体膜の一例)313が形成されている。被膜313の材質は、例えば、セラミックである。被膜313の厚さは、例えば0.001mm~2mmの範囲内である。複数の共振器301の各々に絶縁性の被膜313が形成されることにより、複数の共振器301の各々での異常放電を抑制することができる。
図34は、第2実施形態に係る共振器配列構造体の一例を示す斜視図である。なお、図34においては、メタアトム301の向きが判りやすいように、一部のメタアトム301にリング部材を描いているが、実際は表面が誘電体(絶縁膜)で覆われているものとする。
図34に示す共振器配列構造体300は、ベースプレート320を有する。ベースプレート320は、例えば石英やセラミックス等の誘電体材料により構成される。ベースプレート320には、メタアトム301を嵌め込むための溝として、X軸方向の溝321Xと、Y軸方向の溝321Yとが複数設けられている。また、ベースプレート320の各セルの底面となる部分には、図29に示すように、貫通孔325が設けられている。
溝321Xおよび溝321Yには、それぞれメタアトム301が嵌め込まれる。以降の説明では、溝321Xに嵌め込まれたメタアトム301をメタアトム301Xと表し、溝321Yに嵌め込まれたメタアトム301をメタアトム301Yと表す場合がある。また、メタアトム301Xは、メタアトム301Yよりも幅が広いものとし、メタアトム301X同士は端部が互いに接するものとする。メタアトム301Xとメタアトム301Yとに囲まれた領域は、それぞれセルCである。図34の例では、セルC11~C55の5行5列のセルが形成される。
側面押さえ部材323は、最外周のメタアトム301のうち、図29に示す配置Y11~Y51と、配置Y16~Y56のメタアトム301Yの片面と接するように、それぞれネジ324を用いてベースプレート320に固定される。なお、側面押さえ部材323およびネジ324は、押さえ部材の一例であり、誘電体部材であるアルミナ等のセラミックスで形成されている。
側面押さえ部材327は、最外周のメタアトム301のうち、図29に示す配置X11~X15と、配置X61~X65のメタアトム301Xの片面と接するように、それぞれネジ328を用いてベースプレート320に固定される。側面押さえ部材327と最外周のメタアトム301Xとの間には、空間327aが形成される。空間327aは、プラズマ生成を考慮して設けられているが無くてもよく、側面押さえ部材327とメタアトム301Xの片面とが直接、接していてもよい。なお、側面押さえ部材327およびネジ328は、押さえ部材の一例であり、誘電体部材であるアルミナ等のセラミックスで形成されている。
押さえ部材329は、2つの側面押さえ部材327の間で、メタアトム301X,301Yを押さえる。押さえ部材329は、メタアトム301Yの上部を長手方向に連続して押さえるとともに、メタアトム301Xの上端部も押さえるように、2つの側面押さえ部材327の間に設置される。つまり、押さえ部材329は、側面押さえ部材323と平行に設置される。なお、押さえ部材329は、誘電体部材であるアルミナ等のセラミックスで形成されている。
部材330は、押さえ部材329を固定するために、側面押さえ部材327の上部に配置される。押さえ部材329の端部は、側面押さえ部材327と部材330とで挟み込まれる。部材330は、ネジ331により側面押さえ部材327に固定される。なお、部材330およびネジ331は、押さえ部材の一例であり、誘電体部材であるアルミナ等のセラミックスで形成されている。
貫通孔325は、各セルCが面する配管36の内部空間36fと、ベースプレート320の各セルCが形成される面とは反対側の面、つまりベースプレート320の下面が面する配管36の内部空間36gとを連通する。すなわち、図27において、配管36の上流側であるガス供給部38から処理空間Sに向かう処理ガスが貫通孔325を通過可能となる。貫通孔325は、例えば、断面が円形である。なお、共振器配列構造体300は、ベースプレート320を省略し、各共振器301が、例えば溶接等により接続されるような構造としてもよい。
次に、プラズマ処理装置2におけるリモートプラズマ源30dにおける高密度ラジカルの生成について説明する。図27および図28に示すように、共振器配列構造体300では、磁界Hが各セルCの共振器301を貫く方向となるので、共振器301が共振し、各セルCではプラズマPが励起される。つまり、各セルCのセル空間が、プラズマ生成領域となる。配管36の内部空間36fは、ガス供給部38から処理空間Sへと処理ガスが供給されているので、処理空間Sに向かう流れが発生する。従って、ガス供給部38から各貫通孔325を通って内部空間36fに供給された処理ガスは、各セルCにおいてプラズマPが励起されるとともに、ノズル41の各貫通孔41aを通って処理空間Sへと流れる。ノズル41の各貫通孔41aは、イオントラップとして機能する。つまり、ノズル41の各貫通孔41aからは、高密度ラジカルが処理空間Sへと供給される。被処理体WPは、処理空間Sに供給された高密度ラジカルによって処理される。
このように、セル形状の共振器配列構造体300を用いても、第1実施形態と同様に、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができる。
(変形例7)
続いて、図35~図39を用いて、第2実施形態の変形例7,8について説明する。なお、以下に説明する各変形例では、第1,第2実施形態の装置本体10,10gと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。図35は、変形例7に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図35に示す変形例7の装置本体10hは、第2実施形態のリモートプラズマ源30dに代えて、リモートプラズマ源30eを有する。リモートプラズマ源30eは、RF電源16、電磁波放射機構18b、誘電体窓20d、誘電体20eおよび共振器配列構造体400を有する。なお、リモートプラズマ源30eには、第2実施形態と同様に、ガス供給部38を含めてもよい。
電磁波放射機構18bは、第2実施形態のアンテナ18に対応し、共振器配列構造体400に電磁波として例えばマイクロ波を供給する。電磁波放射機構18bは、筒状をなす外側導体および外側導体内に外側導体と同軸状に設けられた内側導体を有する。電磁波放射機構18bは、外側導体と内側導体との間に電磁波伝送路を有する同軸管と、電磁波を共振器配列構造体400に放射するアンテナ部とを有する。アンテナ部の下面側には、配管36の壁面の一部を形成する誘電体窓20dが設けられており、その下面は共振器配列構造体400のセルCが形成されていない側の面と接している。なお、共振器配列構造体400は、配管36内に配置される。誘電体窓20dを透過した電磁波は、電磁波放射機構18bの内側導体を中心とした回転磁界H1として、共振器配列構造体400の各セルC内のセル空間にプラズマを生成する。なお、回転磁界H1は、電磁波放射機構18bにおける電力導入構造、つまり、同軸管を電磁波がTEMモードで伝播することに起因する。すなわち、共振器配列構造体400が配置される誘電体窓20dの下面では、アンテナ部から供給される電磁波がTM01モードであるので、磁場の方向を回転磁界H1と見なすことができる。
誘電体窓20dは、配管36の側壁に設けられ、共振器配列構造体400と接するように、一部が内部空間36h内に突出している。誘電体20eは、配管36内に配置され、誘電体窓20dとともに、配管36の断面方向の中心部分に配置される共振器配列構造体400を挟み込む。つまり、誘電体窓20d等が配置される位置における配管36の断面は、誘電体窓20d側から順に、誘電体窓20d、共振器配列構造体400および誘電体20eで塞がれた状態となっている。なお、配管36内を流れる処理ガスは、共振器配列構造体400の各セルCを構成する共振器401の貫通孔415を通ることで、ノズル41側に流れることができる。
図36は、図35のK-K断面の一例を示す断面図である。図36に示すように、共振器配列構造体400は、第2実施形態の共振器配列構造体300と同様のセル形状の共振器配列構造体である。共振器配列構造体400は、共振器配列構造体300のベースプレート320の貫通孔325に代えて、配管36の処理ガスが流れる方向と略直交する図36のY軸方向に配置された共振器401に、貫通孔415を設けている。つまり、共振器配列構造体400は、図36のX軸方向に配置された共振器301と、Y軸方向に配置された共振器401とで生成される各セルCを有する。各セルCの共振器301,401では、回転磁界H1がそれぞれのリング部材(リング部材311,411)を貫くので共振器301,401を共振させ、各セルC内のセル空間にプラズマを励起することができる。
図37は、変形例7に係る共振器の構成の一例を示す図である。図37に示す共振器401は、導体からなる2枚のC字状のリング部材411であって、互いに逆向きに隣接して配置されるリング部材411の間に誘電体板412が配置された構造を有する。すなわち、共振器401においては、互いに逆向きの2枚のC字状のリング部材411によって誘電体板412が挟まれている。2枚のC字状のリング部材411の対向面や、各リング部材411の両端部においてコンデンサ等価素子が形成され、各リング部材411に沿ってコイル等価素子が形成される。これにより、共振器401は、直列共振回路を構成することができる。また、共振器401は、中央に貫通孔415を有する。貫通孔415を設けることによって、対向する2面が共振器401で形成されたセルCでは、図36のX軸方向に隣接するセルCとの間でガスやプラズマが流入出可能となる。なお、共振器401は、2枚のC字状のリング部材411の組ごとに形成されているとも表すことができる。また、以下の説明では、誘電体板412を誘電体412と表す場合がある。
このように、変形例7では、回転磁界H1を供給する電磁波放射機構18bとセル形状の共振器配列構造体400とを用いても、第2実施形態と同様に、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができる。
(変形例8)
図38は、変形例8に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図38に示す変形例8の装置本体10iは、第2実施形態の装置本体10gに対して、ノズル41の位置に180度反転した共振器配列構造体300を配置し、第1実施形態の変形例5と同様の位置から電磁波を供給するものである。また、装置本体10iは、第1実施形態の変形例5と同様に、配管36に代えて、配管36b,36cを有する。共振器配列構造体300は、配管36cの処理容器12側において、配管36cの断面を塞ぐように設けられる。さらに、配管36bと配管36cとの接続部36dには、誘電体窓20aが設けられ、誘電体窓20aを介して共振器配列構造体300に回転磁界H1を供給可能なように電磁波放射機構18bが配置されている。つまり、装置本体10iは、リモートプラズマ源30dに代えて、リモートプラズマ源30fを有する。なお、リモートプラズマ源30fは、第2実施形態と同様にガス供給部38を含んでもよい。
配管36bと配管36cとは、例えば直角となるように接続部36dで接続される。接続部36dは、電磁波放射機構18b側から見て共振器配列構造体300の各セルCが形成される側の面と対向する方向の壁面に誘電体窓20aが設けられる。なお、配管36bと配管36cとの接続は、電磁波放射機構18bからの回転磁界H1が誘電体窓20aを介して共振器配列構造体300に供給可能であれば、どのような角度で接続されてもよい。
共振器配列構造体300は、変形例5と同様に、各セルCが形成される面を配管36の上流側、つまり内部空間36a側に向けて配置される。この場合、貫通孔325は、例えば、直径を10mm以下とすることで、イオンを再結合させ、ラジカルおよび活性化していない処理ガスを内部空間36aから処理空間Sへと通過させる。また、貫通孔325は、例えば、直径2mm以下であることがより好ましい。つまり、貫通孔325は、イオンを内部空間36aから処理空間Sへと通過させない直径である。
図39は、変形例8に係る共振器配列構造体近傍の断面の一例を示す図である。図39に示すように、共振器配列構造体300は、配管36cの端部に設けられ、例えば、ベースプレート320が側壁12aと同様の厚さを有する。なお、図39では、若干厚さが異なるように描いている。共振器配列構造体300では、内部空間36a側の各セルCのセル空間にプラズマPが生成される。各セルCで生成されたプラズマPは、ベースプレート320に設けられた各セルCの各貫通孔325を通って、共振器配列構造体300の各セルCが形成されていない側、つまり処理空間Sに供給される。このとき、プラズマPのうちイオンは、貫通孔325により再結合され、ラジカルとして処理空間Sに供給される。
このように、第2実施形態と変形例5とを組み合わせて、ノズル41を省略することができる。また、変形例8では、第2実施形態と比べて、共振器配列構造体300のプラズマ生成領域と処理空間Sとの距離が短いため、より高密度のラジカルを供給することができる。さらに、変形例5と同様に、リモートプラズマ源30fの配置の自由度を向上させることができる。
(第3実施形態)
上記の第2実施形態では、セル形状の共振器配列構造体300,400を用いたが、各共振器が共振器配列構造体の中心から放射状に配置された共振器配列構造体を用いてもよく、この場合の実施の形態につき、第3実施形態として説明する。なお、第3実施形態におけるプラズマ処理装置3は、リモートプラズマ源の構成を除いて上述の第1,第2実施形態と同様であるので、その重複する構成および動作の説明については省略する。
図40は、第3実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図40に示すように、第3実施形態の装置本体10jは、第2実施形態のリモートプラズマ源30dに代えて、リモートプラズマ源30gを有する。リモートプラズマ源30gは、RF電源16、電磁波放射機構18b、誘電体窓20aおよび配管36c内に配置された共振器配列構造体500を有する。すなわち、第3実施形態は、変形例8において、ノズル41を設けて共振器配列構造体500を配管36c内に配置したものである。なお、リモートプラズマ源30gには、第2実施形態と同様に、ガス供給部38を含めてもよい。
図41は、第3実施形態に係る共振器配列構造体の一例を示す斜視図である。図41に示す共振器配列構造体500は、マイクロ波の磁界成分と共振可能であり且つサイズがマイクロ波の波長よりも小さい複数の共振器501を含むように形成される。すなわち、複数の共振器501は、共振器配列構造体500の基部の面積が広い側の第1面と垂直な平面の方向、つまり、共振器配列構造体500の中心を軸として回転可能な同一平面の方向に配置されているとも表すことができる。また、複数の共振器501は、共振器501が横に複数連結された短冊形共振器520を複数形成している。図41の例では、短冊形共振器520は、共振器501が3つ連結されている。複数の短冊形共振器520は、短冊形状の短辺がベースプレート510の平面と直交する方向となるように、且つ、電磁波放射機構18bの中心軸を起点として放射状となるように配置される。電磁波放射機構18bから供給される電磁波の回転磁界H1は、複数の短冊形共振器520の各共振器501のリング部材511を貫く方向となる。
ベースプレート510には、複数の貫通孔525が設けられている。貫通孔525は、共振器配列構造体300の貫通孔325と同様に、内部空間36fと内部空間36gとを連通し、処理ガスが配管36b側から配管36c側へと流れることができる。共振器501の詳細については、第2実施形態の共振器301Bと同様であるのでその説明を省略する。なお、複数の共振器501の各々は、サイズが電磁波の波長の1/10未満のサイズである。また、共振器配列構造体500は、短冊形共振器520が形成された側が配管36cの下流側、つまり、処理空間S側を向くように配置される。なお、共振器配列構造体500は、ベースプレート510を省略し、各短冊形共振器520が、例えば溶接等により接続されるような構造としてもよい。
次に、プラズマ処理装置3におけるリモートプラズマ源30gにおける高密度ラジカルの生成について説明する。図40に示すように、共振器配列構造体500では、回転磁界H1が短冊形共振器520の各共振器501を貫く方向となるので、各共振器501が共振し、各共振器501の表面ではプラズマPが励起される。つまり、各短冊形共振器520の近傍が、プラズマ生成領域となる。配管36cの内部空間36fは、ガス供給部38から処理空間Sへと処理ガスが供給されているので、処理空間Sに向かう流れが発生する。従って、ガス供給部38から各貫通孔525を通って内部空間36fに供給された処理ガスは、各短冊形共振器520の近傍においてプラズマPが励起されるとともに、ノズル41の各貫通孔41aを通って処理空間Sへと流れる。ノズル41の各貫通孔41aは、イオントラップとして機能する。つまり、ノズル41の各貫通孔41aからは、高密度ラジカルが処理空間Sへと供給される。被処理体WPは、処理空間Sに供給された高密度ラジカルによって処理される。
このように、放射状の共振器配列構造体500を用いても、第1,第2実施形態と同様に、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができる。
(変形例9)
次に、図42を用いて、第3実施形態の変形例9について説明する。なお、以下に説明する変形例9では、第1~第3実施形態の装置本体10,10g,10jと同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成および動作の説明については省略する。図42は、変形例9に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示す概略断面図である。図42に示す変形例9の装置本体10kは、第3実施形態の装置本体10jに対して、ノズル41の位置に180度反転した共振器配列構造体500を配置したものである。共振器配列構造体500は、配管36cの処理容器12側において、配管36cの断面を塞ぐように設けられる。つまり、装置本体10kは、リモートプラズマ源30gに代えて、リモートプラズマ源30hを有する。なお、リモートプラズマ源30hには、第3実施形態と同様に、ガス供給部38を含めてもよい。
共振器配列構造体500は、変形例8と同様に、各短冊形共振器520が形成される面を配管36cの上流側、つまり内部空間36a側に向けて配置される。この場合、貫通孔525は、例えば、直径を10mm以下とすることで、イオンを再結合させ、ラジカルおよび活性化していない処理ガスを内部空間36aから処理空間Sへと通過させる。また、貫通孔325は、例えば、直径2mm以下であることがより好ましい。つまり、貫通孔525は、イオンを内部空間36aから処理空間Sへと通過させない直径である。
このように、変形例9では、第3実施形態と変形例8とを組み合わせて、ノズル41を省略することができる。また、変形例9では、第3実施形態と比べて、共振器配列構造体500のプラズマ生成領域と処理空間Sとの距離が短いため、より高密度のラジカルを供給することができる。さらに、変形例8と同様に、リモートプラズマ源30hの配置の自由度を向上させることができる。
(第4実施形態)
上記の第1~第3実施形態に対して、さらにプラズマ密度を測定して処理ガスの流量やソースRF信号の電力を制御するようにしてもよく、この場合の実施の形態につき、第4実施形態として説明する。なお、第4実施形態におけるプラズマ処理装置4は、絶縁プローブの構成およびプラズマ密度に基づく制御を除いて上述の第1~第3実施形態と同様であるので、その重複する構成および動作の説明については省略する。
図43は、第4実施形態に係るプラズマ処理装置の構成の一例を示すブロック図である。図43に示すように、第4実施形態の装置本体10lは、第2実施形態の装置本体10gに対して、ノズル41の配管36側に絶縁プローブ600を設けたものである。絶縁プローブ600は、測定部の一例である。また、処理容器12dおよびノズル41の配置は、変形例1の装置本体10aと同様としている。なお、第4実施形態では、リモートプラズマ源30iとして、RF電源16、アンテナ18、共振器配列構造体300および絶縁プローブ600を少なくとも含む。なお、リモートプラズマ源30iには、第2実施形態と同様に、ガス供給部38を含めてもよい。
絶縁プローブ600は、例えば、ノズル41の配管36側に配置され、共振器配列構造体300で生成されたプラズマの電子密度を測定する。配管36における共振器配列構造体300と絶縁プローブ600との距離610は、プラズマが拡散するプラズマ拡散領域の拡散長となる。絶縁プローブ600は、測定したプラズマ密度を制御装置11に出力する。
ここで、図44を用いて、共振器配列構造体300と絶縁プローブ600とを含む領域620について説明する。図44は、第4実施形態に係るプラズマ拡散領域の一例を示す図である。図44に示すように、領域620では、処理ガスが配管36の内部空間36g側から内部空間36f側に向かって流れている。なお、処理ガスの流量は、配管36の直径36iによっても変化する。また、共振器配列構造体300の直径は、配管36の直径(内径)36iとほぼ同等となっている。処理ガスは、磁界Hが供給される共振器配列構造体300を通過する際に、プラズマPが生成され、内部空間36f内で拡散する。なお、図44では、プラズマPを模式的に表している。プラズマPに含まれるイオンは、ノズル41の貫通孔41aを通る際に再結合される。また、プラズマPに含まれるラジカルは、活性化されていない処理ガスとともに、処理空間Sに供給される。
絶縁プローブ600は、例えば、ノズル41の内部空間36f側や処理空間S側、ノズル41近傍の配管36の側壁内側等に配置され、ノズル41近傍のプラズマ密度を測定する。なお、プラズマ密度としては、例えば、電子密度が測定される。
制御装置11は、絶縁プローブ600から測定結果として電子密度が入力されると、入力された電子密度に基づいて、プラズマの供給量を調整するように、リモートプラズマ源30iを制御する。すなわち、制御装置11は、電子密度に基づいて、RF電源16のソースRF信号の電力を制御する。また、制御装置11は、電子密度に基づいて、ガス供給部38の流量制御器38cを制御することで、処理ガス(原料ガス)の流量を制御する。これにより、プラズマ処理装置4は、生成される高密度ラジカルの量を制御することができる。
続いて、図45および図46を用いて、プラズマ拡散領域の拡散長である距離610における電子密度の変化について説明する。図45および図46は、プラズマ拡散領域における電子密度の分布の一例を示すグラフである。なお、図45および図46では、図44に示す領域620を右に90度回転させて、共振器配列構造体300がグラフの右側、ノズル41がグラフの左側に来るものとして表している。
図45では、距離610における処理ガスの流量に応じた電子密度の分布の一例を示しており、領域601が絶縁プローブ600での測定位置を表している。グラフ631~633は、それぞれ、グラフ631が処理ガスの流量が大、グラフ632が処理ガスの流量が中、グラフ633が処理ガスの流量が小の場合における電子密度の分布を示している。なお、グラフ631~633における流量は相対的なものとしている。グラフ631~633から、処理ガスの流量が大きい(多い)ほど、ノズル41近傍の絶縁プローブ600における電子密度が高いことがわかる。なお、電子密度は、ボルツマンの関係から電子温度が高い場所では低くなる。
図46では、距離610におけるRF電源16のソースRF信号の電力(以下、単にパワーと表す場合がある。)に応じた電子密度の分布の一例を示しており、領域601が絶縁プローブ600での測定位置を表している。グラフ634~636は、それぞれ、グラフ634がパワーが大、グラフ635がパワーが中、グラフ636がパワーが小の場合における電子密度の分布を示している。なお、グラフ634~636におけるパワーは相対的なものとしている。グラフ634~636から、パワーが大きいほど、共振器配列構造体300側の領域637における電子密度が高いことがわかる。図45および図46から、ノズル41近傍の絶縁プローブ600における電子密度は、処理ガスの流量およびパワーにより制御可能であることがわかる。
次に、図47から図51を用いて、処理ガスの流量、電子密度、配管36の直径36i、パワー、滞在時間、および、移動時間等の関係について説明する。図47は、ガス流量と電子密度との関係の一例を示すグラフである。図47に示すグラフ640は、処理ガスの流量であるガス流量と電子密度との関係を示しており、ガス流量が少ない場合には、プラズマ拡散領域(内部空間36f)において、拡散が支配的な要素である。グラフ640に示すように、ガス流量が増加して領域641近傍になると、拡散だけでなくガスフローによって共振器配列構造体300でのプラズマ生成が促進され、電子密度が増加する。ところが、さらにガス流量が増加すると、共振器配列構造体300でのプラズマ生成が間に合わなくなり、電子密度が低下する。従って、ガス流量は、領域641近傍となるように制御されるのが好ましい。
図48は、電磁波のパワーと配管直径との関係の一例を示すグラフである。図48のグラフでは、縦軸を共振器配列構造体300(メタマテリアル)の単位体積にかかるパワー[W/mm]とし、横軸を配管36の直径36i[mm](以下、配管直径と表す。)としている。グラフ650は、RF電源16のソースRF信号の電力(パワー)を100Wとした場合である。グラフ651は、パワーを1000Wとした場合である。グラフ652は、パワーを3000Wとした場合である。
図49は、電磁波のパワー密度の比と配管直径との関係の一例を示すグラフである。図49のグラフ653では、縦軸をパワー密度の比[倍]とし、横軸を配管直径[mm]としている。なお、グラフ653の縦軸は、配管直径300[mm]を1倍とした比で表している。共振器配列構造体300は、パワーが供給されるとプラズマが生成され、グラフ650~653に示すように、配管直径が細いほど、また、投入されるパワーが大きいほど、単位体積あたりにかかるパワーが大きくなる。つまり、共振器配列構造体300では、共振器配列構造体300に供給されるパワーが大きいほど、共振器配列構造体300で処理ガスの電離が進み、プラズマ密度が高くなる。また、共振器配列構造体300では、配管直径を小さくするとパワー密度が大きくなる。すなわち、各実施形態において、高密度プラズマの生成が可能となる。
図50は、共振器配列構造体の空間にガスが滞在する時間と配管直径との関係の一例を示すグラフである。図50のグラフでは、縦軸を共振器配列構造体300(メタマテリアル)の空間に処理ガスが滞在する時間[s]とし、横軸を配管直径[mm]としている。ここで、縦軸は、処理ガスにパワーが印加される時間に相当する。グラフ654は、処理ガスの流量が1000sccm(1.67×10-5/s)の場合を示す。グラフ655は、処理ガスの流量が5000sccmの場合を示す。グラフ656は、処理ガスの流量が10000sccmの場合を示す。グラフ657は、処理ガスの流量が100000sccmの場合を示す。配管36に処理ガスが流れると、共振器配列構造体300の空間にある処理ガスが入れ替わる。従って、グラフ654~657に示すように、配管直径が小さいほど、また、処理ガスの流量が大きいほど、処理ガスが共振器配列構造体300の空間に滞在する時間が短くなる。つまり、配管直径が小さいほど、また、処理ガスの流量が大きいほど、共振器配列構造体300の空間におけるガス置換が速くなる。すなわち、共振器配列構造体300では、プラズマが生成されるとすぐにガス置換が行われるので、高密度プラズマが次々に発生することになる。
図51は、プラズマ生成から処理室までの移動時間と配管直径との関係の一例を示すグラフである。図51のグラフでは、縦軸を共振器配列構造体300でのプラズマ生成から、生成されたプラズマが処理空間S(処理室)まで移動する時間[s]とし、横軸を配管直径[mm]としている。ここで、縦軸は、距離610をプラズマが移動する時間に相当する。グラフ660は、処理ガスの流量が2000sccmの場合を示す。グラフ661は、処理ガスの流量が5000sccmの場合を示す。グラフ662は、処理ガスの流量が10000sccmの場合を示す。グラフ663は、処理ガスの流量が20000sccmの場合を示す。共振器配列構造体300で生成されたプラズマは、グラフ660~663に示すように、配管直径が小さいほど、プラズマ生成から処理空間Sまで移動する時間が短くなる。
このように、第4実施形態では、パワーに対する処理ガスの流量の最適な制御が可能となる。また、第2~第4実施形態、変形例5,6,8,9のように、共振器配列構造体のサイズが配管36,36cと略同じ経(例えば、φ100mm以下)であるので、リモートプラズマ源を小型化することができる。また、共振器配列構造体を小型化できるので、低パワーでパワー密度が上昇し、カットオフを超えた高密度プラズマを生成できる。従って、高密度ラジカルを生成することができる。また、配管36,36cのプラズマ生成領域である内部空間36a,36fの体積が小さいため、処理空間Sへのプラズマの到達時間を短縮できる。従って、再結合するラジカルを減らすことができるので、高密度ラジカルを処理空間Sに供給することができる。
また、上述してきた各実施形態および各変形例は、内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。例えば、変形例4のオリフィス42を第2実施形態等のノズル41に代えて用いてもよい。
以上、各実施形態によれば、プラズマ処理装置1~4は、処理室(処理容器12,12d,12e)と、基板保持部(ステージ14)と、プラズマ源(リモートプラズマ源30,30a~30h)と、を有する。処理室は、基板(被処理体WP)の処理空間Sを提供するように構成される。基板保持部は、処理室内で基板を保持するように構成される。プラズマ源は、プラズマを処理室内に供給するように構成され、ガス供給部38と、配管(配管36,36c,36e)と、電磁波発生器(RF電源16)と、電磁波供給部(アンテナ18,18a、電磁波放射機構18b)と、共振器配列構造体(共振器配列構造体100,200,300,400,500)と、を備える。ガス供給部38は、原料ガスを供給するように構成される。配管は、ガス供給部38と処理室とを接続するように構成される。電磁波発生器は、配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される。電磁波供給部は、配管に設けられた誘電体窓(誘電体窓20,20a~20d)を介して、電磁波を配管内に供給するように構成される。共振器配列構造体は、電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器(共振器101,201,301,401,501)を含むように構成される。その結果、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを生成することができる。
また、各実施形態によれば、複数の共振器は、導体からなるC字状のリング部材(リング部材111,211,311,411,511)が誘電体(例えば、誘電体112,212,312,412)に積層された構造を備える。その結果、プラズマを励起することができる。
また、第1実施形態によれば、複数の共振器101,201は、共振器101,201それぞれが、2枚以上のC字状のリング部材111,211の組を備え、共振器配列構造体100,200の基部(誘電体112,212)の面積が広い側の第1面(第1面106,206)と平行な平面の方向に形成される。その結果、電磁波供給部から供給される共振器101,201を貫く方向の磁界Hに対して、複数の共振器101,201が共振することができる。
また、第2,第3実施形態によれば、複数の共振器301,401,501は、共振器301,401,501それぞれが、2枚以上のC字状のリング部材311,411,511の組ごとにカード形状に形成される。また、カード形状の複数の共振器301,401,501は、共振器配列構造体300,400,500の基部(例えば、ベースプレート320,510)の面積が広い側の第1面と垂直な平面の方向に形成される。その結果、電磁波供給部から供給される共振器301,401,501を貫く方向の磁界Hまたは回転磁界H1に対して、複数の共振器301,401,501が共振することができる。
また、第2,第3実施形態によれば、複数の共振器301,401,501は、共振器301,401,501それぞれが、2枚以上のC字状のリング部材311,411,511の組を備え、複数の組を接続した短冊形状(例えば、短冊形共振器520)に形成される。短冊形状の複数の共振器は、共振器配列構造体300,400,500の基部(例えば、ベースプレート320,510)の面積が広い側の第1面と垂直な平面の方向に形成される。その結果、電磁波供給部から供給される共振器301,401,501を貫く方向の磁界Hまたは回転磁界H1に対して、複数の共振器301,401,501が共振することができる。
また、第3実施形態によれば、複数の共振器501は、共振器配列構造体500の第1面側において、共振器501それぞれの板状の誘電体が、電磁波供給部の中心軸を起点として放射状となるように配置される。その結果、電磁波供給部から供給される共振器501を貫く方向の回転磁界H1に対して、複数の共振器501が共振することができる。
また、第1実施形態、変形例1~4,7によれば、共振器配列構造体100,400は、第1面が配管36の長手方向と平行となる方向に配置される。その結果、配管36の側壁に沿う方向に電磁波供給部を配置できる。
また、第2,第3実施形態、変形例5,6,8によれば、共振器配列構造体200,300,500は、第1面が配管36,36cの断面方向と平行となる方向に配置される。その結果、配管36,36cの断面全体にわたってプラズマを生成することができる。
また、第1~第3実施形態、変形例1~3,7によれば、配管36,36cは、処理室との接続部にノズル41を備える。その結果、熱、電磁波およびイオンの影響を抑制しつつ、高密度ラジカルを処理室に供給することができる。
また、変形例7によれば、共振器配列構造体400は、配管36の断面の中心部に配置される。複数の共振器401は、共振器401それぞれの板状の誘電体に貫通孔415を備える。その結果、貫通孔415を通る処理ガスをプラズマ励起することができる。
また、第2,第3実施形態、変形例5,6,8によれば、共振器配列構造体200,300,500は、第1面に開口する貫通孔208,325,525を備える。その結果、処理ガスをガス供給部38から処理空間Sへと流すことができる。
また、第4実施形態によれば、プラズマ源は、配管36において、共振器配列構造体300よりも処理室側に、プラズマの密度を測定するように構成される測定部(絶縁プローブ600)をさらに備える。プラズマ処理装置4は、測定部での測定結果に基づいて、プラズマの供給量を調整するようプラズマ源を制御するように構成される制御部(制御装置11)をさらに有する。その結果、パワーに対する処理ガスの流量の最適な制御を行うことができる。
また、第4実施形態によれば、制御部は、測定結果に基づいて、電磁波発生器の電磁波の出力を制御するように構成される。その結果、ソースRF信号の電力によってプラズマ密度を制御することができる。
また、第4実施形態によれば、制御部は、測定結果に基づいて、ガス供給部38の原料ガス(処理ガス)の流量を制御するように構成される。その結果、処理ガスの流量によってプラズマ密度を制御することができる。
今回開示された各実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。上記の各実施形態は、添付の請求の範囲およびその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
また、上記各実施形態では、電磁波を投入するアンテナとしてソレノイド状のコイルであるアンテナ18や、同軸管とアンテナ部を有する電磁波放射機構18bを用いたが、これに限定されない。つまり、共振器配列構造体100等の複数の共振器101等のリング部材111等を貫く方向に磁界を発生させることができれば、これに限定されない。この様な電磁波を投入するアンテナは、アンテナ18や電磁波放射機構18bに限られず、例えば、モノポールアンテナ、スロットアンテナ、誘導結合型コイル、容量結合型電極、マグネトロン等、任意の電磁波を投入するアンテナや機構を用いることができる。
また、上記各実施形態では、独立型のリモートプラズマ源30等によりプラズマを生成したが、これに限定されない。例えば、リモートプラズマ源30等は、処理容器12の処理空間Sで直接プラズマを生成する容量結合型や誘導結合型のプラズマ処理装置と組み合わせてもよい。
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
基板の処理空間を提供するように構成される処理室と、
前記処理室内で前記基板を保持するように構成される基板保持部と、
プラズマを前記処理室内に供給するように構成されるプラズマ源と、を有し、
前記プラズマ源は、
原料ガスを供給するように構成されるガス供給部と、
前記ガス供給部と前記処理室とを接続するように構成される配管と、
前記配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される電磁波発生器と、
前記配管に設けられた誘電体窓を介して、前記電磁波を前記配管内に供給するように構成される電磁波供給部と、
前記電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが前記電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される共振器配列構造体と、を備える、
プラズマ処理装置。
(2)
前記複数の共振器は、導体からなるC字状のリング部材が誘電体に積層された構造を備える、
前記(1)に記載のプラズマ処理装置。
(3)
前記複数の共振器は、前記共振器それぞれが、2枚以上の前記C字状のリング部材の組を備え、前記共振器配列構造体の基部の面積が広い側の第1面と平行な前記平面の方向に形成される、
前記(2)に記載のプラズマ処理装置。
(4)
前記複数の共振器は、前記共振器それぞれが、2枚以上の前記C字状のリング部材の組ごとにカード形状に形成され、
前記カード形状の前記複数の共振器は、前記共振器配列構造体の基部の面積が広い側の第1面と垂直な前記平面の方向に形成される、
前記(2)に記載のプラズマ処理装置。
(5)
前記複数の共振器は、前記共振器それぞれが、2枚以上の前記C字状のリング部材の組を備え、複数の前記組を接続した短冊形状に形成され、
前記短冊形状の前記複数の共振器は、前記共振器配列構造体の基部の面積が広い側の第1面と垂直な前記平面の方向に形成される、
前記(2)に記載のプラズマ処理装置。
(6)
前記複数の共振器は、前記共振器配列構造体の前記第1面側において、前記共振器それぞれの板状の前記誘電体が、前記電磁波供給部の中心軸を起点として放射状となるように配置される、
前記(4)または(5)に記載のプラズマ処理装置。
(7)
前記共振器配列構造体は、前記第1面が前記配管の長手方向と平行となる方向に配置される、
前記(3)~(5)のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
(8)
前記共振器配列構造体は、前記第1面が前記配管の断面方向と平行となる方向に配置される、
前記(3)~(6)のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
(9)
前記配管は、前記処理室との接続部にノズルを備える、
前記(7)に記載のプラズマ処理装置。
(10)
前記共振器配列構造体は、前記配管の断面の中心部に配置され、
前記複数の共振器は、前記共振器それぞれの板状の前記誘電体に貫通孔を備える、
前記(7)に記載のプラズマ処理装置。
(11)
前記共振器配列構造体は、前記第1面に開口する貫通孔を備える、
前記(8)または(9)に記載のプラズマ処理装置。
(12)
前記プラズマ源は、
前記配管において、前記共振器配列構造体よりも前記処理室側に、前記プラズマの密度を測定するように構成される測定部をさらに備え、
前記プラズマ処理装置は、
前記測定部での測定結果に基づいて、前記プラズマの供給量を調整するよう前記プラズマ源を制御するように構成される制御部をさらに有する、
前記(1)~(11)のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
(13)
前記制御部は、前記測定結果に基づいて、前記電磁波発生器の前記電磁波の出力を制御するように構成される、
前記(12)に記載のプラズマ処理装置。
(14)
前記制御部は、前記測定結果に基づいて、前記ガス供給部の前記原料ガスの流量を制御するように構成される、
前記(12)または(13)に記載のプラズマ処理装置。
(15)
原料ガスを供給するように構成されるガス供給部と、
前記ガス供給部と、基板の処理空間を提供するように構成される処理室とを接続するように構成される配管と、
前記配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される電磁波発生器と、
前記配管に設けられた誘電体窓を介して、前記電磁波を前記配管内に供給するように構成される電磁波供給部と、
前記電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが前記電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される共振器配列構造体と、を備える、
プラズマ源。
(16)
前記配管において、前記共振器配列構造体よりも前記処理室側に、プラズマの密度を測定するように構成される測定部と、
前記測定部での測定結果に基づいて、前記プラズマの供給量を調整するよう前記電磁波供給部および前記ガス供給部のうち1つ以上を制御するように構成される制御部と、をさらに備える、
前記(15)に記載のプラズマ源。
(17)
前記制御部は、前記測定結果に基づいて、前記電磁波発生器の前記電磁波の出力、および、前記ガス供給部の前記原料ガスの流量のうち1つ以上を制御するように構成される、
前記(16)に記載のプラズマ源。
(18)
プラズマ処理装置におけるプラズマ制御方法であって、
前記プラズマ処理装置は、
基板の処理空間を提供するように構成される処理室と、
前記処理室内で前記基板を保持するように構成される基板保持部と、
プラズマを前記処理室内に供給するように構成されるプラズマ源と、を有し、
前記プラズマ源は、
原料ガスを供給するように構成されるガス供給部と、
前記ガス供給部と前記処理室とを接続するように構成される配管と、
前記配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される電磁波発生器と、
前記配管に設けられた誘電体窓を介して、前記電磁波を前記配管内に供給するように構成される電磁波供給部と、
前記電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが前記電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される共振器配列構造体と、
前記配管において、前記共振器配列構造体よりも前記処理室側に、前記プラズマの密度を測定する測定部と、を備え、
前記プラズマ処理装置が、前記測定部での測定結果に基づいて、前記プラズマの供給量を調整するよう前記プラズマ源を制御する工程、を含む、
プラズマ制御方法。
(19)
前記プラズマ源を制御する工程は、前記測定結果に基づいて、前記電磁波発生器の前記電磁波の出力を制御する、
前記(18)に記載のプラズマ制御方法。
(20)
前記プラズマ源を制御する工程は、前記測定結果に基づいて、前記ガス供給部の前記原料ガスの流量を制御する、
前記(18)または(19)に記載のプラズマ制御方法。
1~4 プラズマ処理装置
11 制御装置
12,12d,12e 処理容器
14 ステージ
16 RF電源
18,18a アンテナ
18b 電磁波放射機構
20,20a~20d 誘電体窓
30,30a~30i リモートプラズマ源
36,36c,36e 配管
38 ガス供給部
41 ノズル
100,200,300,400,500 共振器配列構造体
101,201,301,401,501 共振器
106,206 第1面
111,211,311,411,511 リング部材
112,212,312,412 誘電体
208,325,415,525 貫通孔
320,510 ベースプレート
520 短冊形共振器
600 絶縁プローブ
S 処理空間
WP 被処理体

Claims (20)

  1. 基板の処理空間を提供するように構成される処理室と、
    前記処理室内で前記基板を保持するように構成される基板保持部と、
    プラズマを前記処理室内に供給するように構成されるプラズマ源と、を有し、
    前記プラズマ源は、
    原料ガスを供給するように構成されるガス供給部と、
    前記ガス供給部と前記処理室とを接続するように構成される配管と、
    前記配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される電磁波発生器と、
    前記配管に設けられた誘電体窓を介して、前記電磁波を前記配管内に供給するように構成される電磁波供給部と、
    前記電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが前記電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される共振器配列構造体と、を備える、
    プラズマ処理装置。
  2. 前記複数の共振器は、導体からなるC字状のリング部材が誘電体に積層された構造を備える、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記複数の共振器は、前記共振器それぞれが、2枚以上の前記C字状のリング部材の組を備え、前記共振器配列構造体の基部の面積が広い側の第1面と平行な前記平面の方向に形成される、
    請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記複数の共振器は、前記共振器それぞれが、2枚以上の前記C字状のリング部材の組ごとにカード形状に形成され、
    前記カード形状の前記複数の共振器は、前記共振器配列構造体の基部の面積が広い側の第1面と垂直な前記平面の方向に形成される、
    請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記複数の共振器は、前記共振器それぞれが、2枚以上の前記C字状のリング部材の組を備え、複数の前記組を接続した短冊形状に形成され、
    前記短冊形状の前記複数の共振器は、前記共振器配列構造体の基部の面積が広い側の第1面と垂直な前記平面の方向に形成される、
    請求項2に記載のプラズマ処理装置。
  6. 前記複数の共振器は、前記共振器配列構造体の前記第1面側において、前記共振器それぞれの板状の前記誘電体が、前記電磁波供給部の中心軸を起点として放射状となるように配置される、
    請求項4または5に記載のプラズマ処理装置。
  7. 前記共振器配列構造体は、前記第1面が前記配管の長手方向と平行となる方向に配置される、
    請求項3~5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  8. 前記共振器配列構造体は、前記第1面が前記配管の断面方向と平行となる方向に配置される、
    請求項3~5のいずれか1つに記載のプラズマ処理装置。
  9. 前記配管は、前記処理室との接続部にノズルを備える、
    請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  10. 前記共振器配列構造体は、前記配管の断面の中心部に配置され、
    前記複数の共振器は、前記共振器それぞれの板状の前記誘電体に貫通孔を備える、
    請求項7に記載のプラズマ処理装置。
  11. 前記共振器配列構造体は、前記第1面に開口する貫通孔を備える、
    請求項8に記載のプラズマ処理装置。
  12. 前記プラズマ源は、
    前記配管において、前記共振器配列構造体よりも前記処理室側に、前記プラズマの密度を測定するように構成される測定部をさらに備え、
    前記プラズマ処理装置は、
    前記測定部での測定結果に基づいて、前記プラズマの供給量を調整するよう前記プラズマ源を制御するように構成される制御部をさらに有する、
    請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  13. 前記制御部は、前記測定結果に基づいて、前記電磁波発生器の前記電磁波の出力を制御するように構成される、
    請求項12に記載のプラズマ処理装置。
  14. 前記制御部は、前記測定結果に基づいて、前記ガス供給部の前記原料ガスの流量を制御するように構成される、
    請求項12または13に記載のプラズマ処理装置。
  15. 原料ガスを供給するように構成されるガス供給部と、
    前記ガス供給部と、基板の処理空間を提供するように構成される処理室とを接続するように構成される配管と、
    前記配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される電磁波発生器と、
    前記配管に設けられた誘電体窓を介して、前記電磁波を前記配管内に供給するように構成される電磁波供給部と、
    前記電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが前記電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される共振器配列構造体と、を備える、
    プラズマ源。
  16. 前記配管において、前記共振器配列構造体よりも前記処理室側に、プラズマの密度を測定するように構成される測定部と、
    前記測定部での測定結果に基づいて、前記プラズマの供給量を調整するよう前記電磁波供給部および前記ガス供給部のうち1つ以上を制御するように構成される制御部と、をさらに備える、
    請求項15に記載のプラズマ源。
  17. 前記制御部は、前記測定結果に基づいて、前記電磁波発生器の前記電磁波の出力、および、前記ガス供給部の前記原料ガスの流量のうち1つ以上を制御するように構成される、
    請求項16に記載のプラズマ源。
  18. プラズマ処理装置におけるプラズマ制御方法であって、
    前記プラズマ処理装置は、
    基板の処理空間を提供するように構成される処理室と、
    前記処理室内で前記基板を保持するように構成される基板保持部と、
    プラズマを前記処理室内に供給するように構成されるプラズマ源と、を有し、
    前記プラズマ源は、
    原料ガスを供給するように構成されるガス供給部と、
    前記ガス供給部と前記処理室とを接続するように構成される配管と、
    前記配管内に供給されるプラズマ励起用の電磁波を発生させるように構成される電磁波発生器と、
    前記配管に設けられた誘電体窓を介して、前記電磁波を前記配管内に供給するように構成される電磁波供給部と、
    前記電磁波の磁界成分と共振可能であり且つサイズが前記電磁波の波長よりも小さく、同一平面の方向に配置された複数の共振器を含むように構成される共振器配列構造体と、
    前記配管において、前記共振器配列構造体よりも前記処理室側に、前記プラズマの密度を測定する測定部と、を備え、
    前記プラズマ処理装置が、前記測定部での測定結果に基づいて、前記プラズマの供給量を調整するよう前記プラズマ源を制御する工程、を含む、
    プラズマ制御方法。
  19. 前記プラズマ源を制御する工程は、前記測定結果に基づいて、前記電磁波発生器の前記電磁波の出力を制御する、
    請求項18に記載のプラズマ制御方法。
  20. 前記プラズマ源を制御する工程は、前記測定結果に基づいて、前記ガス供給部の前記原料ガスの流量を制御する、
    請求項18または19に記載のプラズマ制御方法。
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