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JP2025508441A - ブルーム安定性、光沢、および融解が改善された非トランス脂肪組成物 - Google Patents

ブルーム安定性、光沢、および融解が改善された非トランス脂肪組成物 Download PDF

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JP2025508441A
JP2025508441A JP2024549120A JP2024549120A JP2025508441A JP 2025508441 A JP2025508441 A JP 2025508441A JP 2024549120 A JP2024549120 A JP 2024549120A JP 2024549120 A JP2024549120 A JP 2024549120A JP 2025508441 A JP2025508441 A JP 2025508441A
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JP2024549120A
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ハンナ ソラティ シモンセン
モーテン ダウガード アンデルセン
Original Assignee
エイエイケイ アクチエボラグ (ピーユービーエル)
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Abstract

トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%がMMMトリグリセリドであるさまざまなトリグリセリドを含む、脂肪組成物が開示される。本発明はまた、CBRとしての非トランス脂肪組成物の使用、さらにはさまざまな用途における該脂肪組成物の使用にも関する。該脂肪組成物は、非動物起源のもの、例えば、植物起源のもの、化学的に合成されるもの、および/または培養によって合成されるものが好ましい。

Description

発明の技術分野
本発明は、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%がMMMトリグリセリドであるさまざまなトリグリセリドを含む、脂肪組成物に関する。本発明はまた、CBRとしての非トランス脂肪組成物の使用、さらにはさまざまな用途における該脂肪組成物の使用にも関する。脂肪組成物は、非動物起源のもの、例えば、植物起源のもの、化学的に合成されるもの、および/または培養によって合成されるものが好ましい。
発明の背景
法律制定による、高トランスカカオバター代替脂(cocoa butter replacer)(CBR)から低トランスCBR/トランス無しのCBRへの世界的な転換の高まりは、高トランスCBRの製菓業者にとって、特に、そのような製品の良好な特性を維持しながらトランス含有適用を制限/排除することが、大きな課題である。さらに、高トランスCBRから低トランスCBRソリューションへと既に切り替えた取引先は、油脂業者からのさまざまなソリューションに十分に満足していないように見える。
高トランスCBRの使用は、短いセッティング時間、高い光沢、高いカカオバター(CB)耐性、および非ラウリン系製品(すなわち、脂肪酸はラウリン酸を含有しない)という利点を有するが、高いトランス不飽和脂肪酸含量という明白な不利点を有する。
低トランス(または非トランス)CBRの使用は、トランス不飽和脂肪酸の含量が低~無であるという利点を有するが、いくつかの不利点が存在する。現在最も優れている市販の非トランスCBRが有する不利点は、より長いセッティング時間、短いブルーム安定性、および特により低温での光沢の欠如である。これとは別に、そのようなソリューションは、35℃を上回る温度でより高い固形分を有し、これがワキシー(waxy)食感の一因となる。
よって、ブルーム安定性、光沢、および融解が改善された非トランス脂肪組成物の必要性が存在する。したがって、本発明の主な目的はそのような組成物を提供することである。
本発明は、複合脂肪の分野、特に、ブルーム安定性、光沢、および融解が改善された複合脂肪組成物に関連する脂肪組成物の提供によって、上述の問題を解決する。
本発明の脂肪組成物は、本発明の脂肪組成物を用いて20℃を下回る温度でチョコレート様化合物のブルーム安定性、および光沢が改善された方法で、上述の問題に取り組む。これとは別に、チョコレート様化合物の融解は、ワキシー感が少なくなるような方法で改善された。
第1の局面において、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含む脂肪組成物であって、
Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
脂肪組成物が、本明細書において開示される。
第2の局面において、製パン、乳製品、もしくは製菓用途のための;またはナッツ、製パンもしくは製菓用途、例えば、ビスケット、ケーキ、マフィン、ドーナツ、ペストリー、もしくはパン用途から選択される製パンもしくは製菓用途、の場合のコーティングまたはエンロービングにおける;またはフィリング、例えば、製パンフィリングおよび製菓フィリングにおける;またはチョコレートおよびチョコレート様コーティングのための;または室温で塗ることができるチョコレートもしくはチョコレート様スプレッドのための、第1の局面による脂肪組成物の使用が、本明細書において開示される。
第3の局面において、25重量%と70重量%との間、例えば25重量%と60重量%との間、例えば25重量%と50重量%との間、例えば25重量%と40重量%との間、例えば28重量%と40重量%との間の第1の局面による脂肪組成物を含む菓子類またはチョコレートもしくはチョコレート様製品が、本明細書において開示される。
第4の局面において、CBRとしての脂肪組成物の使用であって、
脂肪組成物が、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含み、
ここで、脂肪組成物が非トランス脂肪組成物であり;かつ
Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
脂肪組成物の使用が、本明細書において開示される。
第5の局面において、CBRとしての非トランス脂肪組成物の使用であって、
脂肪組成物が、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含み、
ここで、Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
非トランス脂肪組成物の使用が、本明細書において開示される。
第6の局面において、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含むCBR脂肪組成物であって、
CBR脂肪組成物が非トランス脂肪組成物であり;かつ
Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
CBR脂肪組成物が、本明細書において開示される。
定義
本明細書において用いられる場合、用語「植物(vegetable)」は、植物体(plant)に起源を持つとして理解されるものとする。したがって、植物性脂肪または植物性トリグリセリドは、該トリグリセリドまたは脂肪を得るために用いられる脂肪酸の全てが植物体起源のものである場合、依然として植物性脂肪または植物性トリグリセリドとして理解されるべきである。
飽和脂肪酸(SAFA)は、鎖中の各炭素原子に最大数の水素原子が結合している、単結合によって連結された炭素原子の鎖である。不飽和脂肪酸は、その水素原子の全割り当てに水素原子は結合されていない、単結合とさまざまな数の二重結合によって連結された炭素原子の鎖である。二重結合は、2種類の可能性のある立体配置:トランスまたはシスのうち一方を示し得る。トランス立体配置(トランス脂肪酸)では、炭素鎖は、二重結合の反対側から延びているのに対して、シス立体配置(シス脂肪酸)では、炭素鎖は、二重結合の同じ側から延びている。トランス脂肪酸はより直線的な分子である。シス脂肪酸は曲がった分子である。
本願において、「Sat」は飽和脂肪酸の部分群を意味する。本明細書において「Sat」と称される飽和脂肪酸は、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸である。脂肪酸は、式SatSatO、SatOSat等のトリグリセリド中に含まれ、SatOSatに対するSatSatOの比率で称され、同じ飽和脂肪酸または異なる飽和脂肪酸であってよい。Oはオレイン酸であり、不飽和脂肪酸である。
値が範囲である用語の使用は、例えば、AがXとYとの間であると記述している場合、XおよびYの両方の値もまた該範囲に含まれることを意味する。そのような範囲は、AがX~Yの量であると記述する範囲に同様に開示されていると見なされる。明細書からの例としては、0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率は、0.40~1.00の範囲に0.40および1.00の両方が含まれることを意味し、本明細書により、両方の端点を含めたそのような範囲内の全ての数が記載されている。特に別段の記載がない限り、このことは、本明細書において開示される全ての範囲についていえる。
命名CXの使用は、脂肪酸がX個の炭素原子を含む、例えば、C14-脂肪酸は14個の炭素原子を有し、C16-脂肪酸は16個の炭素原子を有することを意味する。
命名CX:Yの使用は、脂肪酸がX個の炭素原子およびY個の二重結合を含む、例えば、C14:0脂肪酸は14個の炭素原子および0個の二重結合を有し、C18:1脂肪酸は18個の炭素原子および1個の二重結合を有することを意味する。
C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率は、C14-脂肪酸の重量がC12およびC14-脂肪酸の重量の合計で割られている(C14/(C12+C14))ことを意味する。
SatSatOは、2つの飽和脂肪酸と1つのオレイン酸(不飽和脂肪酸)とを非対称性異性体で含む非対称性二飽和トリグリセリドであり、ここで、SatOSatは、2つの飽和脂肪酸と1つのオレイン酸とを対称性異性体で含む対称性二飽和トリグリセリドである。
SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率は、SatOSatトリグリセリドの重量がSatSatOトリグリセリドの重量で割られている(SatOSat/SatSatO)ことを意味する。
SatOSat/SatSatO比率は、組成物において測定/算出され得る。SatSatOに対するSatOSatの比率は、SatOSat-トリグリセリドの重量がSatSatO-トリグリセリドの重量で割られている(SatOSat/SatSatO)ことを意味し、ここで、Satは飽和脂肪酸を意味し、かつOはオレイン酸を意味する。SatSatOは、飽和脂肪酸がsn1およびsn2位置を占め、かつオレイン酸がsn3位置を占めているか;または飽和脂肪酸がsn2およびsn3位置を占め、かつオレイン酸がsn1位置を占めている、非対称性二飽和トリグリセリドである。SatOSatは、飽和脂肪酸がsn1およびsn3位置を占め、かつオレイン酸がsn2位置を占めている、対称性二飽和トリグリセリドである。
sn1/sn2/sn3:
Figure 2025508441000001
一般に、トリグリセリドは、立体特異的番号付けを表す「sn」表記を用いる。天然L-グリセロール誘導体のフィッシャー投影式では、2級水素基をC-2の左に示し;次いで、この上の炭素原子がC-1となり、その下がC-3となる。接頭辞「sn」は、化合物のステム名(stem name)の前に置かれる。
本明細書において用いられる場合、「%」または「パーセンテージ」は、他に何も示されていない場合、重量パーセンテージ、すなわち、wt.%またはwt.-%に関する。
本明細書において用いられる場合、「油」および「脂肪」は、別段の指定がない限り互換的に用いられる。
本明細書において用いられる場合、「植物性油」および「植物性脂肪」は、別段の指定がない限り互換的に用いられる。
本明細書において用いられる場合、用語「シングルセルオイル」は、酵母、カビ(真菌)、細菌および微細藻類の種である油性微生物に由来する油を意味するものとする。これらのシングルセルオイルは、細胞内で、多くの場合、特定の培養条件下で(例えば、過剰な炭素源と同時の窒素制限下で)定常期に産生される。油性微生物の例としては、限定されないが、モルティエレラ・アルピナ(Mortierella alpineea)、ヤロウィア・リポリティカ(Yarrowia lipolytica)、シゾキトリウム属(Schizochytrium)、ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)、コレラ属(Chlorella)、クリプテコディニウム・コニー(Crypthecodinium cohnii)、シェワネラ属(Shewanella)である。
本明細書において用いられる場合、「カカオバター代替脂」(CBR)は、カカオバターとは有意に異なっているトリグリセリド組成を有する食用脂を意味することを意図する。カカオバター代替脂は、そのトリグリセリド組成中に高~低トランス脂肪酸を有してもよく、さらにはトランス脂肪酸を有さなくてもよい。カカオバター代替脂は、媒体中に小さな比率だけカカオバターを混合できる。さらに、チョコレートとは対照的に、カカオバター代替脂ベースの化合物は、許容可能な保存可能期間を有する最終製品を得るために、モールディング、コーティング、またはエンロービング前に、テンパリングとして公知のさまざまな温度での処理を受ける必要がない。
化合物とは、カカオバターと(植物性)脂肪との組み合わせから作られた製品を意味する。化合物はまた、種々の量で乳脂肪を含んでもよい。それは、より高価なカカオバターの代わりにより安価な硬質(植物性)脂肪を用いることから、本物のチョコレートのより低コストの代替物として用いられる。それはまた、菓子類またはキャンディ用のコーティングとして用いられる場合、「複合コーティング」または「チョコレートコーティング」としても公知であり得る。
パーム油中融点画分(PMF)は、パーム油の複数の分別によって産生される。その主な特徴は、対称性二飽和トリグリセリド(主にPOP)の非常に高い含量である。本開示において、パーム油中融点画分およびPMFは互換的に用いられる。
本明細書において用いられる場合、「食用」は、食物または乳製品もしくは製菓品などの食品の一部として用いるのに適しているものである。
製菓分野における製品および方法については、「Chocolate, Cocoa and Confectionery」, B. W. Minifie, Aspen Publishers Inc., 3. Edition 1999を参照する。
食品は、ヒト消費用の製品である。製品の重要なグループは、カカオバターおよびカカオバター様脂肪が用いられているものである。
チョコレートまたはチョコレート様製品とは、少なくとも消費者によって、チョコレートまたはチョコレートに共通する感覚的性状、例えば、融解プロファイル、食味等を有する製菓品として経験される、製品を意味する。いくつかのチョコレートは、典型的には相当量でのカカオバターを含み、ここで、いくつかのチョコレート様製品は、例えば、カカオバターをカカオバター等価物、カカオバター代用物等と置き換えることによって、少量のカカオバターによってまたはさらにはカカオバターなしで、作製され得る。加えて、多くのチョコレートまたはチョコレート様製品はカカオパウダーまたはカカオマスを含むが、いくつかのチョコレートまたはチョコレート様製品、例えば典型的なホワイトチョコレートは、カカオパウダーを含まないが、例えば、カカオバターからそのチョコレート風味を取り出し、作製され得る。製品がチョコレートとして販売され得る国および/または地域に応じて、種々の制限が存在し得る。
用語「含む(comprising)」または「含む(to comprise)」は、記載された部分、工程、特徴、または成分の存在を特定するとして解釈されるべきだが、1つまたは複数の追加の部分、工程、特徴、または成分の存在を排除しない。
本明細書において用いられる場合、用語「および/または」は、組み合わせ(「および」)使用および排他的(「または」)使用を意味することを意図する、すなわち、「Aおよび/またはB」は、「A単独、またはB単独、またはAおよびBを一緒に」を意味することを意図する。
「ランダムにエステル交換した脂肪混和物」とは、該脂肪混和物中のトリグリセリドが、ランダムなエステル交換工程に供されている、すなわち、ランダムにエステル交換されている、脂肪混和物を意味する。ランダムにエステル交換されているとは、反応の平衡点に到達するまで、脂肪酸が、脂肪酸プロファイルの変化なしにトリグリセリド構造においてランダムに再配置されることを意味する。したがって、ランダムにエステル交換した脂肪混和物のトリグリセリドプロファイルは、それらの脂肪酸組成から確率法則によって算出することができる。エステル交換は、トリグリセリドの脂肪酸成分の1つまたは複数を別の脂肪酸成分と置き換えるか、またはあるトリグリセリド分子から別のトリグリセリドへと1つまたは複数の脂肪酸成分を交換することとして理解されるべきである。脂肪酸成分は、遊離脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸無水物、活性化脂肪酸、および/または脂肪酸の脂肪酸アシル部分として理解され得る。用語「エステル転移」は、「エステル交換」と互換的に用いられ得る。エステル交換プロセスは、酵素的エステル交換または化学的エステル交換であり得る。化学的エステル交換と酵素的エステル交換のどちらも、当技術分野において十分に説明されている。化学的エステル交換と酵素的エステル交換のどちらも、標準的な手法によって行われ得、その選択に応じて、それらは、ランダムにまたは部位特異的に実施され得る。
発明の詳細な説明
下記の態様を説明するとき、本発明は、上記に開示した局面を伴う下記の態様の全ての可能性のある組み合わせおよび順列を想定する。
本発明は、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含む脂肪組成物であって、
Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
脂肪組成物に関する。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は非トランス脂肪組成物である。本発明はまた、CBRとしての(本明細書において開示されるような)脂肪組成物の使用にも関する。本発明はまた、CBRとしての、改善されたブルーム安定性、光沢、および融解を付与する(本明細書において開示されるような)脂肪組成物の使用にも関する。
したがって、本発明は、CBRとしての脂肪酸組成物の使用であって、
脂肪酸組成物が、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含み、
ここで、脂肪組成物が非トランス脂肪組成物であり;かつ
Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
脂肪酸組成物の使用に関する。
本発明はまた、CBRとしての非トランス脂肪酸組成物の使用であって、
脂肪酸組成物が、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含み、
ここで、Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
非トランス脂肪酸組成物の使用にも関する。
1つまたは複数の態様において、CBRとしての非トランス脂肪組成物の使用は、製品の改善されたブルーム安定性、光沢、および融解を付与するためである。そのような製品は、菓子類またはチョコレートもしくはチョコレート様製品であり得る。
すなわち、本発明はまた、CBRとしての、菓子類またはチョコレートもしくはチョコレート様製品などの製品の改善されたブルーム安定性、光沢、および融解を付与する非トランス脂肪組成物の使用であって、
脂肪組成物が、
- 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
- 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
- トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
- 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
- トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
- 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
を含み、
ここで、Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
非トランス脂肪組成物の使用にも関する。
脂肪組成物は、非動物起源のもの、例えば、植物起源のもの、化学的に合成されるもの、および/または培養によって合成されるものが好ましい。
1つの態様において、脂肪組成物は動物性脂肪を含有しない。
1つの態様において、脂肪組成物は植物起源のものである。
実施例から分かるように、チョコレート様化合物のブルーム安定性および光沢は、本発明の脂肪組成物を用いると、20℃を下回る温度で改善した。
加えて、チョコレート様化合物の融解は、ワキシー感が少なくなるような方法で改善されている。
1つまたは複数の態様において、Satは、C16-脂肪酸およびC18-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸である。
1つまたは複数の態様において、C14-脂肪酸は飽和脂肪酸(C14:0)である。C14:0脂肪酸はミリスチン酸としても公知である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、脂肪酸の総重量と比較して5重量%~40重量%のC14-脂肪酸を含む、例えば、脂肪酸の総重量と比較して5重量%~35重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して5重量%~30重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して6重量%~30重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して6重量%~25重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して6重量%~20重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して8重量%~20重量%、または例えば、脂肪酸の総重量と比較して10重量%~20重量%のC14-脂肪酸を含む。
脂肪酸の総重量と比較して5重量%~40重量%のC14-脂肪酸とは、脂肪組成物のトリグリセリド中の脂肪酸の総重量の5%~40%が、C14-脂肪酸に由来することを意味する。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、脂肪酸の総重量と比較して45重量%~95重量%の飽和脂肪酸を含む、例えば、脂肪酸の総重量と比較して45重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して50重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して55重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~85重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~80重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~75重量%、または例えば、脂肪酸の総重量と比較して65重量%~75重量%の飽和脂肪酸を含む。
脂肪酸の総重量と比較して45重量%~95重量%の飽和脂肪酸とは、脂肪組成物のトリグリセリド中の脂肪酸の総重量の45%~95%が飽和脂肪酸であることを意味する。飽和脂肪酸は、上述の定義によれば、鎖中の各炭素原子に最大数の水素原子が結合されている、単結合によって連結された炭素原子の鎖である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも2重量%のMMMトリグリセリドを含む、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも3重量%のMMMトリグリセリド、または例えば、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも4重量%のMMMトリグリセリドを含む。Mはミリスチン酸(C14:0)である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、トリグリセリドの総重量と比較して1重量%~20重量%のMMMトリグリセリドを含む、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して2重量%~16重量%のMMMトリグリセリド、または例えば、トリグリセリドの総重量と比較して3重量%~14重量%のMMMトリグリセリドを含む。1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、トリグリセリドの総重量と比較して4重量%~11重量%のMMMトリグリセリドを含む。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、脂肪酸の総重量と比較して10重量%またはそれ未満のC12-脂肪酸を含む。1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、脂肪酸の総重量と比較して、5重量%もしくはそれ未満の、例えば2重量%もしくはそれ未満または例えば1重量%もしくはそれ未満の、C12-脂肪酸を含む。
1つまたは複数の態様において、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率は、0.45と1.00との間である、例えば0.50と1.00との間、例えば0.60と1.00との間、例えば0.70と1.00との間、または例えば0.80と1.00との間である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、トリグリセリドの総重量と比較して20重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計を含む、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して30重量%~65重量%、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して30重量%~60重量%、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して40重量%~60重量%、または例えば、トリグリセリドの総重量と比較して50重量%~60重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計を含む。
トリグリセリドの総重量と比較して20重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計とは、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの総量が、脂肪組成物のトリグリセリドの総重量の20%と70%との間であることを意味する。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物におけるSatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率は、1.0と6.0との間である、例えば1.0と5.0との間、例えば1.0と4.0との間、例えば1.0と3.5との間、または例えば1.0と3.0との間である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は単細胞生物に由来しない。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物はカカオバター代替脂(CBR)である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分、およびパーム油中融点画分組成物を少なくとも含む。
1つまたは複数の態様において、トリグリセリド組成物は、脂肪組成物の総重量と比較して5重量%~50重量%の量で含まれる。脂肪組成物の総重量と比較して5重量%~50重量%の量であるトリグリセリド組成物とは、脂肪組成物の総重量の5%~50%がトリグリセリド組成物に由来することを意味する。
1つまたは複数の態様において、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分は、脂肪組成物の総重量と比較して50重量%~95重量%の量で含まれる。脂肪組成物の総重量と比較して50重量%~95重量%の量であるランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分とは、脂肪組成物の総重量の50%~95%が、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分に由来することを意味する。
1つまたは複数の態様において、パーム油中融点画分組成物は、脂肪組成物の総重量と比較して10重量%~70重量%の量で含まれる。
少なくとも、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分、およびパーム油中融点画分組成物、で構成されている脂肪組成物は、3つの成分を混合する任意の組み合わせにより得ることができる。
1つまたは複数の態様において、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分、およびパーム油中融点画分組成物を少なくとも含む脂肪組成物の総量は、下記の態様により例示されるように、100に相当する。
1つまたは複数の態様において、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物は、
- グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して0重量%~30重量%のC12-脂肪酸;
- グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して40重量%~90重量%のC14-脂肪酸;
- グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して0重量%~40重量%の、飽和C16-、C18-、C20-、C22-、C24-脂肪酸の合計;および
- グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して50重量%~100重量%の飽和脂肪酸
を含む。
1つまたは複数の態様において、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物は、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して25重量%またはそれ未満の飽和C12-脂肪酸、例えば、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して20重量%またはそれ未満の飽和C12-脂肪酸を含む。
1つまたは複数の態様において、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物は、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して45重量%~80重量%のC14-脂肪酸、例えば、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して50重量%~80重量%、例えば55重量%~80重量%のC14-脂肪酸を含む。
1つまたは複数の態様において、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物は、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して0重量%~30重量%の、飽和C16-、C18-、C20-、C22-、C24-脂肪酸の合計、例えば、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して0重量%~25重量%の、飽和C16-、C18-、C20-、C22-、C24-脂肪酸の合計を含む。
1つまたは複数の態様において、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物は、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して60重量%~100重量%の飽和脂肪酸を含む、例えば、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して70重量%~100重量%、または例えば、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して75重量%~100重量%の飽和脂肪酸を含む。
1つまたは複数の態様において、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分は、パーム油画分およびシア油画分に基づく。パームおよびシア画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分は、パーム油、パーム油画分、シア油、シア油画分、またはそれらの組み合わせから得ることができる。パームおよびシア画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分は、限定されないが、例えば、その1重量%~5重量%がStOStおよびStStOから選択され、13重量%~18重量%がPOStおよびPStOから選択され、42重量%~45重量%がPOPおよびPPOから選択され、60重量%~66重量%がSatOSat、SatSatO、またはそれらの組み合わせから選択され、かつSatOSatに対するSatSatOの比率が1.8~2.2の範囲内にあり;SatがSt(ステアリン酸)、P(パルミチン酸)、またはそれらの組み合わせから選択される飽和脂肪酸である、トリグリセリドを含む。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物はミリスチン酸に富んでいる。ミリスチン酸に富んでいるとは、組成物がヤシ油のものに近いミリスチン酸含量を有していることを意味する。植物性油脂のうち、ミリスチン酸の特に豊富な供給源は、100 gの油当たり17gのミリスチン酸を有しているヤシ油である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は非トランス脂肪組成物である。非トランスとは、脂肪組成物のトリグリセリド中の脂肪酸の総重量の1%またはそれ未満がトランス-不飽和脂肪酸由来のものであることを意味する。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、脂肪組成物のトリグリセリド中の脂肪酸の総重量の1%未満がトランス-不飽和脂肪酸に由来する、例えば、脂肪組成物のトリグリセリド中の脂肪酸の総重量の例えば0.8%未満、例えば0.6%未満、例えば0.5%未満、または例えば0.2%未満がトランス-不飽和脂肪酸に由来する、非トランス脂肪組成物である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は水素付加されていない。
水素付加は、不飽和脂肪酸を部分的に飽和にするプロセスである。非水素付加(Non-hydrogenated)は、水素付加されていないことまたは未水素付加(un-hydrogenated)を意味する。不飽和脂肪酸を水素付加のプロセス(例えば、触媒、水素、および加熱の組み合わせを伴う)に供することによって、二重結合が開裂し、水素原子が炭素原子に結合し、それによって二重結合を飽和する。不飽和油の大部分は、そのまま(その二重結合構造のまま)であるか、または対応する飽和脂肪酸に変換されるが、二重結合の一部は、水素付加プロセス時に開裂し、次いで別の二重結合立体配置で再び閉じ、それによってシス脂肪酸をトランス脂肪酸へと変換する可能性があり、または逆もまた同様である。非水素付加脂肪組成物は、非水素付加脂肪酸のみを含む組成物であり、水素付加のプロセスが該組成物中の脂肪酸に対して実施されていないことを意味する。
非水素付加脂肪組成物である脂肪組成物は、クリーンラベルを維持する脂肪組成物である。
1つまたは複数の態様において、脂肪組成物は、非水素付加かつ非トランス脂肪組成物である。
本発明はまた、製パン、乳製品、または製菓用途のための、本発明による脂肪組成物の使用にも関する。
ナッツ、製パン、または製菓用途の場合のコーティングまたはエンロービングのための本発明による脂肪組成物の使用もまた開示される。
ナッツとは、ヘーゼルナッツ、ブラジルナッツ、クルミ、ペカン、マカダミア、およびアーモンドのような調理食用ナッツを意味する。製パンまたは製菓用途は、ビスケット、ケーキ、マフィン、ドーナツ、ペストリー、またはパン用途から選択することができる。
フィリング、例えば、製パンフィリングおよび製菓フィリングにおける本発明による脂肪組成物の使用もまた開示される。製パンまたは製菓は、ビスケット、ケーキ、マフィン、ドーナツ、ペストリー、またはパン用途から選択することができる。
チョコレートおよびチョコレート様コーティングでの、または室温で塗ることができるチョコレートまたはチョコレート様スプレッドでの、本発明による脂肪組成物の使用がさらに開示される。
本発明はまた、25重量%と70重量%との間の、例えば25重量%と60重量%との間、例えば25重量%と50重量%との間、例えば25重量%と40重量%との間、または例えば28重量%と40重量%との間の、本発明による脂肪組成物を含む、菓子類、チョコレート、またはチョコレート様製品にも関する。
脂肪組成物が菓子類またはチョコレート様製品での使用のためのものである、1つまたは複数の態様において、該菓子類またはチョコレート様製品は、0.1%と2%との間のソルビタントリステアラート(STS)を含む。別の態様において、該菓子類またはチョコレート様製品は、ソルビタントリステアラート(STS)を含まない。
態様を説明するとき、全ての可能性のある態様の組み合わせ順列は、明示的に説明されてはいない。そうではあるものの、ある特定の手段が相互に異なる従属項に記載されている、または異なる態様において記載されているという事実だけでは、これらの手段の組み合わせを有効に用いることができないということを示さない。本発明は、記載される態様の全ての可能性のある組み合わせおよび順列を想定する。
本発明は、以下の実施例によってさらに例示されるが、これらは保護の範囲を限定するものとしてみなされるべきではない。
本発明の複合脂肪組成物は、エステル化製品(脂肪A、脂肪B、または脂肪C)、パームおよびシア画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分(脂肪D)、および33のヨウ素価を有するパーム油中融点画分(脂肪E)で構成される。
パームおよびシア画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分は、パーム油、パーム油画分、シア油、シア油画分、またはそれらの組み合わせから得られる。
パームおよびシア画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分は、その3重量%がStOStおよびStStOから選択され;その17.5重量%がPOStおよびPStOから選択され;その43.7重量%がPOPおよびPPOから選択され;その64.2重量%がSatOSat、SatSatO、またはそれらの組み合わせから選択され;SatSatO/SatOSatの比率が1.8~2.2の範囲内であり;Satが、St(ステアリン酸)、P(パルミチン酸)、またはそれらの組み合わせから選択される飽和脂肪酸である、トリグリセリドを含む。
実施例で用いられるトリグリセリドおよび脂肪酸は植物起源のものであり、したがって植物性脂肪と称される。
実施例1:
遊離脂肪酸によるグリセロールのエステル化
表1に記載の反応混合物を提供するために、グリセロールおよび脂肪酸を混合した。反応混合物を、真空入口、コールドトラップ、および70℃に加熱したコンデンサーを備えた6 L三つ口フラスコ内に配置した。およそ100~150 mbarの減圧下で、反応混合物を30分以内に170℃に加熱した。反応混合物を170~180℃で7時間維持し、反応時間が進行するのに伴い、圧力を33 mbarまで段階的に減圧した。次いで、温度を210℃に上昇させた。温度が210℃に到達したら、反応混合物を2時間保持した。反応からの過剰な遊離脂肪酸を、減圧下の240℃で留去した。粗製油が脱色され、ろ過され、脱臭されたら、最終植物性脂肪組成物が得れらた。
固体脂含量(SFC)は、温度勾配にわたっての総脂肪(液相中にある残部)に対する結晶(固体)相中の脂肪のパーセンテージの尺度である。理論上、SFC値は、0~100のいずれかの数であり得るが、前記方法で用いられる装置の検出限界のために、実際には、境界域はおよそ0.5~98である。
表1は、エステル化製品のフィード組成(feed composition)、遊離脂肪酸組成、およびトリグリセリド組成物の固体脂含量(SFC)を示す。
植物性脂肪組成物の脂肪酸組成は、IUPAC 2.301(メチル化)およびIUPAC 2.304(GLC)を用いて分析する。固体脂含量(SFC)はIUPAC 2.150aにしたがって測定する。
Figure 2025508441000002
実施例2:
表2は、表中の量による混合後の植物性脂肪組成物の脂肪酸組成および固体脂含量を示す。FG1はAkopol(商標)NH 53であり、FG2は改変FG1である。
Figure 2025508441000003
パームおよびシア画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分。
**パーム油中融点画分、IV 33。
***パーム油、パーム核油およびその画分に基づくランダムにエステル交換した脂肪混和物。
****Satが飽和脂肪酸C16:0~C24:0から選択され、Oはオレイン酸である。
植物性脂肪組成物の脂肪酸組成は、IUPAC 2.301(メチル化)を用いて分析する。植物性脂肪組成物のトリグリセリド組成は、AOCS Ce 5b-89を用いて分析する。固体脂含量(SFC)はIUPAC 2.150aにしたがって測定する。
表2の結果から見られるように、追加のパーム油中融点画分(IV 33)(脂肪組成物E)を含んでいる、(それぞれA1、B1およびC1と比較して)より高いStOSat/SatSatO比率を有する植物性脂肪組成物A2、A3、B2、B3、C2、およびC3は、35℃および40℃の高温でより低い固体脂含量を有する。したがって、そのような脂肪組成物により作られたチョコレート様化合物は、追加のパーム油中融点画分を含まない脂肪組成物、すなわち、A1、B1、およびC1により作られたチョコレート様化合物と比較して、より低いワキシー感であることが予測される。
脂肪組成物C1への最大50%のPMFの添加は、20℃でSFCを低下させることなく、35℃および40℃の両方でSFCを有意に減少させた。これは、脂肪組成物C3により作られたチョコレート様化合物では、C1と比較して、融解が有意に優れており、おそらく硬度が維持されることを意味する。加えて、脂肪組成物C3の25℃および30℃での、A3、B3およびFG1と比較して有意に高いSFCは、前者により作られたチョコレート様化合物では、後者により作られたチョコレート様化合物と比較してより高い熱耐性を示し得る。
実施例3:ダークチョコレート様化合物のレシピおよび製造
表3は、ダークチョコレート様化合物についてのレシピを示す。
Figure 2025508441000004
11種類の異なるダークチョコレート様化合物が、表3に示されたレシピにしたがって、それぞれ植物性脂肪組成物A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3、ならびに2つの参考FG1およびFG2を用いて、作製された。
レシチンおよび一部の脂肪を除く、レシピに記述した全ての成分を、Hobart N-50ミキサーを用いて、65℃にて10分間混合した。次いで、Buhler SDY-300 3ロールリファイナー(300 mm幅)を用いて、それらを20マイクロメートルの粒子径に精製した。精製品をHobartミキサーボウルに加え、65℃にて6時間コンチングした。5.5時間コンチングした後、レシチンを加え、5.75時間後に脂肪の残りを加え、コンチングを続けた。作製したチョコレート様化合物を、50 gタブレットを作製するためにおよびビスケットをコーティングするのに用い、続いて、それぞれ15℃、12℃、および15℃の温度での3ゾーン冷却トンネル中で冷却した。
実施例4:チョコレート様化合物の機能特性
結晶化率:
ビスケットを、実施例3により作製されたダークチョコレート様化合物でコーティングした。ビスケットのコーティングをNielsenエンロービングマシン中で45℃で実施し、その後続いて、15℃、12℃および15℃の温度での3ゾーン冷却トンネル中でそれぞれ特定の冷却期間にわたって冷却した。コーティングされたビスケットを冷却期間直後に評価し、下記のスコアリングスケールにしたがって1、2、3または4にスコア付けした。
1.コーティングはビスケットのいくつかの部分で依然として液体だが、他の部分は半凝固状態である。
2.コーティング全体が半凝固状態だが、非常に粘性がありかつ非常に柔らかい。ビスケット上に液体コーティング部分はもう存在しない。
3.コーティング全体が凝固しているが;しかしながら、コーティングは依然として粘性があり、柔らかく、包装の準備はできていない。
4.コーティング全体が硬く、粘性を有さない。製品を包装することが可能である。
スコア4は、コーティングされたビスケットがフロー包装への準備ができていることを示すことから、スコア4は最も重要なスコアである。
離型性:
実施例3により作製されたチョコレート様化合物を、50 gグリッドモールド内に45℃で移し、その後続いて、15℃、12℃および15℃の温度での3ゾーン冷却トンネル中でそれぞれ15分間冷却した。タブレットを冷却期間後直ちに評価した。100%凝固しておらず、モールドから離型できないタブレットについて、冷却を繰り返した。モールドの乾いたグリッドを数え、モールドの総グリッドのうちの乾いたグリッドのパーセンテージに基づく結果を表すことによって、離型性を決定した。
テクスチャー
実施例3により作製されたチョコレート様化合物タブレットを、P2ニードルおよび製品への3 mmの貫入深さを用いるTAX2 Plusテクスチャーアナライザーを使用して硬度を測定する前に、20℃の温度で1週間貯蔵した。5%を下回る標準偏差が得られるまで(典型的には8回の貫入が必要とされる)、タブレットに貫入を行った。
ブルーム安定性:
実施例3により作製されたチョコレート様化合物を用いて作られたコーティングビスケットおよびタブレットを、15℃、20℃および23℃の異なる温度を有するキャビネットに移動させる前に、20℃で最低3日間貯蔵した。ブルームの評価を毎週、1~10のスケールにしたがって行った。特性1は、重度のブルームおよび光沢無しを示すのに対して、特性10はブルーム無しかつ高い光沢を示す。特性4は、非常に弱いブルームの発生を特徴づける。表4は、行われた評価の結果を示す。
Figure 2025508441000005
結果は、(A1およびA2とB1およびB2とそれぞれ比較して)それぞれ高いSatOSat/SatSatO比率を有する脂肪組成物A3およびB3を含むチョコレート様化合物IIIおよびVIでコーティングしたビスケットは、15℃で有意に優れたブルーム安定性を有したことを示した。それとは別に、脂肪組成物A3を含むチョコレート様化合物IIIによって作られたタブレットは、脂肪組成物A1およびA2それぞれを含むチョコレート様化合物IおよびIIで作られたタブレットと比較して、20℃でより長い期間にわたって高い光沢を維持した。
それぞれ脂肪組成において50%PMFを有し、よって、より高いStOSat/SatSatO比率(それぞれC1およびFG1と比較して)を有する、脂肪組成物C3およびFG2、を含むチョコレート様化合物 IXおよびXIを比較することによって、本発明の脂肪組成物(C3)を含むチョコレート様化合物によって作られたタブレットおよびコーティングビスケットはどちらも、15℃で有意に優れたブルーム安定性を有したことが示された。
注目すべきことに、脂肪組成物A1およびB1およびへの20%PMFの添加による、SatOSat/SatSatO比率の増加は、35℃で特異的な固形分の低下という点でSFCプロファイルを改善した(A3およびB3脂肪組成物のSFCプロファイルに反映され、よってそのような脂肪組成物によって作られたチョコレート様化合物は、より優れた融解を持ち、ワキシー感が低下していることが予想される)だけでなく、15℃で特異的にそのような脂肪組成物を含むチョコレート様化合物によって作られたタブレットおよびコーティングビスケットの両方のブルーム安定性も有意に改善した。これとは別に、フロー包装可能なコーティングビスケットを得るためにかかる時間および%離型性は驚くべきことに、良好に維持される。全体として、結果は、本発明の脂肪組成物(A3およびB3)が、他の機能性、例えば、光沢、コーティングビスケットの結晶化率、成形タブレットの離型性、およびテクスチャーを損なうことなく、15℃でのブルーム安定性および融解に関して(脂肪組成物A1、A2、B1およびB2と比較して)有意に優れた機能性を促進できたことを示した。
脂肪組成物C1への50%PMFの添加による、SatOSat/SatSatO比率の増加が、ブルーム安定性、離型性および高いテクスチャーを損なうことなく、チョコレート様化合物IXによって作られたタブレットおよびコーティングビスケットのより優れた融解(ワキシー感(waxiness)の低下)をさらにもっと促進したことは驚くべきことである。さらに、本発明の脂肪組成物C3によって作られたチョコレート様化合物の機能特性の全て、例えば、コーティングビスケットの結晶化率、離型性、テクスチャー、および15℃でのブルーム安定性は、(脂肪組成物中に同じ量のPMFを有する)脂肪組成物FG2を含むチョコレート様化合物XIのものより優れていた。

Claims (18)

  1. CBRとしての脂肪組成物の使用であって、
    該脂肪組成物が、
    - 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
    - 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
    - トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
    - 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
    - トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
    - 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
    を含み、
    ここで、該脂肪組成物が非トランス脂肪組成物であり、かつ
    Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
    該脂肪組成物の使用。
  2. 前記脂肪組成物が、脂肪酸の総重量と比較して5重量%~40重量%のC14-脂肪酸を含む、例えば、脂肪酸の総重量と比較して5重量%~35重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して5重量%~30重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して6重量%~30重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して6重量%~25重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して6重量%~20重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して8重量%~20重量%、または例えば、脂肪酸の総重量と比較して10重量%~20重量%のC14-脂肪酸を含む、請求項1記載の脂肪組成物の使用。
  3. 前記脂肪組成物が、脂肪酸の総重量と比較して45重量%~95重量%の飽和脂肪酸を含む、例えば、脂肪酸の総重量と比較して45重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して50重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して55重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~90重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~85重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~80重量%、例えば、脂肪酸の総重量と比較して60重量%~75重量%、または例えば、脂肪酸の総重量と比較して65重量%~75重量%の飽和脂肪酸を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  4. 前記脂肪組成物が、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも2重量%のMMMトリグリセリドを含む、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも3重量%のMMMトリグリセリド、または例えば、トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも4重量%のMMMトリグリセリドを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  5. 前記脂肪組成物が、トリグリセリドの総重量と比較して1重量%~20重量%のMMMトリグリセリドを含む、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して2重量%~16重量%のMMMトリグリセリド、または例えば、トリグリセリドの総重量と比較して3重量%~14重量%のMMMトリグリセリドを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  6. C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率が、0.45と1.00との間である、例えば0.50と1.00との間、例えば0.60と1.00との間、例えば0.70と1.00との間、または例えば0.80と1.00との間である、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  7. 前記脂肪組成物が、トリグリセリドの総重量と比較して20重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計を含む、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して30重量%~65重量%の、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して30重量%~60重量%、例えば、トリグリセリドの総重量と比較して40重量%~60重量%、または例えば、トリグリセリドの総重量と比較して50重量%~60重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  8. 前記脂肪組成物におけるSatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率が、1.0と6.0との間である、例えば1.0と5.0との間、例えば1.0と4.0との間、例えば1.0と3.5との間、または例えば1.0と3.0との間である、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  9. 前記脂肪組成物が、グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含むトリグリセリド組成物、ランダムにエステル交換した脂肪混和物の中融点画分、およびパーム油中融点画分組成物を少なくとも含む、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  10. 前記トリグリセリド組成物が、前記脂肪組成物の総重量と比較して5重量%~50重量%の量で含まれる、請求項9記載の脂肪組成物の使用。
  11. ランダムにエステル交換した脂肪混和物の前記中融点画分が、前記脂肪組成物の総重量と比較して50重量%~95重量%の量で含まれる、請求項9~10のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  12. グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含む前記トリグリセリド組成物が、
    - グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含む該トリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して0重量%~30重量%のC12-脂肪酸;
    - グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含む該トリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して40重量%~90重量%のC14-脂肪酸;
    - グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含む該トリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して0重量%~40重量%の、飽和C16-、C18-、C20-、C22-、C24-脂肪酸の合計;および
    - グリセロール骨格上にランダムに分布している脂肪酸を含む該トリグリセリド組成物中の脂肪酸の総重量と比較して50重量%~100重量%の飽和脂肪酸
    を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  13. ランダムにエステル交換した脂肪混和物の前記中融点画分が、パーム油画分およびシア油画分に基づく、請求項9~12のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  14. 前記脂肪組成物がミリスチン酸に富んでいる、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  15. 前記脂肪組成物が水素付加されていない、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  16. 前記組成物の前記トリグリセリドおよび脂肪酸が、植物起源のものである、化学的に合成されている、かつ/または培養によって合成されている、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  17. 製パン、乳製品、もしくは製菓用途のための;またはナッツ、製パンもしくは製菓用途、例えば、ビスケット、ケーキ、マフィン、ドーナツ、ペストリー、もしくはパン用途から選択される製パンもしくは製菓用途、の場合のコーティングまたはエンロービングにおける;またはフィリング、例えば、製パンフィリングおよび製菓フィリングにおける;または、チョコレートおよびチョコレート様コーティングのための;または室温で塗ることができるチョコレートもしくはチョコレート様スプレッドのための、前記請求項のいずれか一項に記載の脂肪組成物の使用。
  18. 25重量%と70重量%との間の、例えば25重量%と60重量%との間、例えば25重量%と50重量%との間、例えば25重量%と40重量%との間、または例えば28重量%と40重量%との間の脂肪組成物を含む、菓子類またはチョコレートもしくはチョコレート様製品であって、
    該脂肪組成物が、
    - 脂肪酸の総重量と比較して4重量%~50重量%のC14-脂肪酸;
    - 脂肪酸の総重量と比較して40重量%~95重量%の飽和脂肪酸;
    - トリグリセリドの総重量と比較して少なくとも1重量%のMMMトリグリセリド;
    - 0.40と1.00との間の、C12-およびC14-脂肪酸の総重量に対するC14-脂肪酸の重量の比率;
    - トリグリセリドの総重量と比較して15重量%~70重量%の、SatSatOトリグリセリドおよびSatOSatトリグリセリドの合計;ならびに
    - 1.0と7.9との間の、SatSatOトリグリセリドの重量に対するSatOSatトリグリセリドの重量の比率
    を含み、
    ここで、該脂肪組成物が非トランス脂肪組成物であり、かつ
    Satが、C16-、C18-、C20-、C22-、および/またはC24-脂肪酸から選択される飽和脂肪酸であり、かつ、Oがオレイン酸(C18:1)でありかつMがミリスチン酸(C14:0)である、
    該菓子類またはチョコレートもしくはチョコレート様製品。
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