[go: up one dir, main page]

JP2025508886A - 二本鎖及び一本鎖リボ核酸(rna)を分離並びに検出する方法 - Google Patents

二本鎖及び一本鎖リボ核酸(rna)を分離並びに検出する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2025508886A
JP2025508886A JP2024550738A JP2024550738A JP2025508886A JP 2025508886 A JP2025508886 A JP 2025508886A JP 2024550738 A JP2024550738 A JP 2024550738A JP 2024550738 A JP2024550738 A JP 2024550738A JP 2025508886 A JP2025508886 A JP 2025508886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
dsrna
acid
ssrna
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2024550738A
Other languages
English (en)
Inventor
ロイド・ブワナリ
グアンナン・メン
シュレヤス・シャフ
Original Assignee
レヴィティ・ヘルス・サイエンシズ・インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by レヴィティ・ヘルス・サイエンシズ・インコーポレイテッド filed Critical レヴィティ・ヘルス・サイエンシズ・インコーポレイテッド
Publication of JP2025508886A publication Critical patent/JP2025508886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6809Methods for determination or identification of nucleic acids involving differential detection
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/58Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances
    • G01N33/582Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving labelled substances with fluorescent label
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2527/00Reactions demanding special reaction conditions
    • C12Q2527/137Concentration of a component of medium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2565/00Nucleic acid analysis characterised by mode or means of detection
    • C12Q2565/10Detection mode being characterised by the assay principle

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

Figure 2025508886000001
RNA療法(例えば、mRNAワクチン)等の一本鎖リボ核酸(ssRNA)の試料中の二本鎖リボ核酸(dsRNA)混入物を分離及び検出するキャピラリー電気泳動法が、本明細書で提供される。

Description

優先権の主張
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる2022年2月28日に出願された米国仮特許出願第63/314,936号の利益を主張する。
一本鎖RNA(ssRNA)は、メッセンジャー(mRNA)ワクチン等の多くのRNA療法における重要な成分である。しかしながら、二本鎖RNA(dsRNA)は、ssRNA療法の製造の副産物であり、それは望ましくない免疫応答の主要な引き金である。したがって、ssRNA療法におけるdsRNA混入物を検出するための新たなアッセイを開発し、その安全性及び有効性を確保することは興味深いことである。
dsRNA及びssRNAを迅速で且つ再現性のあるハイスループット様式で分離並びに検出する方法が、本明細書で提供される。かかる方法は、キャピラリー電気泳動によりdsRNA及びssRNAを分離し、次にdsRNA及びssRNAに結合されたインターカレーティング剤によって生成されたシグナルを介して、分離されたdsRNA及びssRNAを検出する工程を包含する。
したがって、本開示の態様は、キャピラリー電気泳動によって二本鎖リボ核酸(dsRNA)を一本鎖リボ核酸(ssRNA)から分離及び検出する方法であって、ポリマー溶液並びにdsRNA及びssRNAを含む試料を、第1のキャピラリーチャネルに導入する工程であって、該ポリマー溶液が該試料の前に導入され、該ポリマー溶液又は該試料がインターカレーティング剤を含む、導入する工程と、該試料の一部を、該第1のキャピラリーチャネルと交差し、流動的に接続されている第2のキャピラリーチャネルに注入する工程と、該第2のキャピラリーチャネルの長さにわたって電圧勾配を印加して、dsRNAを該試料の該一部の第1のセグメントに分離し、ssRNAを該試料の該一部の第2のセグメントに分離する工程と、該第1のセグメント及び該第2のセグメント中のインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、該第1のセグメント中の該インターカレーティング剤の量が、該試料中のdsRNAの量を示し、該第2のセグメント中の該インターカレーティング剤の量が、該試料中のssRNAの量を示す、検出する工程とを含む方法を提供する。
一部の実施形態では、インターカレーティング剤は蛍光性であり、インターカレーティング剤の量を検出する工程は、蛍光シグナルを検出する工程を含む。一部の実施形態では、ポリマー溶液中又は試料中のインターカレーティング剤の濃度は、0.01mM~0.2mMである。一部の実施形態では、インターカレーティング剤は、SYBR色素、臭化エチジウム、アクリジンオレンジ、ヨウ化プロピジウム、7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、シアニン色素、Alexa Fluor色素、BODIPY色素、及びそれらの組合せからなる群から選択される。
一部の実施形態では、ポリマー溶液中のポリマーの濃度は、0.01%~20%(w/v)である。一部の実施形態では、ポリマーは、1Kd~5,000Kdの分子量を有する。
一部の実施形態では、ポリマーは、アクリル酸、カルボン酸、スルホン酸、リン酸モノマー、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、及び4-ビニル安息香酸からなる群から選択されるモノマーから形成される。
一部の実施形態では、ポリマーはアクリルポリマーである。一部の実施形態では、アクリルポリマーは、ポリアクリルアミドポリマー、ポリメチルアクリルアミドポリマー、ポリジメチルアクリルアミドポリマー、及びポリジメチルアクリルアミド-コ-アクリル酸ポリマーからなる群から選択される。
一部の実施形態では、ポリマーは、0.01%~2%の正味電荷(net charge)を含み、正味電荷は、キャピラリーチャネルの少なくとも1つの表面と同じ電荷である。
一部の実施形態では、ポリマーは、負に帯電したモノマーサブユニットを含み、キャピラリーチャネルの少なくとも1つの表面は、負の表面電荷を有する。一部の実施形態では、負に帯電したモノマーサブユニットは、アクリル酸、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、4-ビニル安息香酸、スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、4-スチレンスルホン酸、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルジメチル-3-メタクリルアミドプロピルアンモニウム分子内塩、3-スルホプロピルメタクリレート、ビニルスルホン酸、ビス(2-メタクリルオキシエチル)ホスフェート、及びモノアクリルオキシエチルホスフェートからなる群から選択される。
一部の実施形態では、ポリマーは、正に帯電したモノマーサブユニットを含み、キャピラリーチャネルの少なくとも1つの表面は、正の表面電荷を有する。一部の実施形態では、正に帯電したモノマーサブユニットは、2-アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、及び3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドからなる群から選択される。
一部の実施形態では、試料中のdsRNAの濃度は、1pg/μL~100pg/μLである。一部の実施形態では、試料中のssRNAの濃度は、1pg/μL~100pg/μLである。
一部の実施形態では、試料の一部を、キャピラリーチャネルから第2のキャピラリーチャネルに注入する工程は、キャピラリーチャネルを通じて電圧差を印加して、試料の一部を、キャピラリーチャネルから第2のキャピラリーチャネルに電気運動的に移動させる工程を含む。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法は、更なるポリマー溶液及び該試料を、該第1のキャピラリーチャネルに導入する工程であって、該更なるポリマー溶液が、該試料の前に導入され、該更なるポリマー溶液又は該試料が、更なるインターカレーティング剤を含む、導入する工程と、該試料の一部を、該第1のキャピラリーチャネルと交差し、流動的に接続されている該第2のキャピラリーチャネルに注入する工程と、該第2のキャピラリーチャネルの長さにわたって第2の電圧勾配を印加して、dsRNAを該試料の該一部の更なる第1のセグメントに分離し、ssRNAを該試料の該一部の更なる第2のセグメントに分離する工程と、該更なる第1のセグメント及び該更なる第2のセグメント中の更なるインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、該更なる第1のセグメント中の該更なるインターカレーティング剤の量が、該試料中のdsRNAの量を示し、該更なる第2のセグメント中の該更なるインターカレーティング剤の量が、該試料中のssRNAの量を示す、検出する工程とを更に含む。
一部の実施形態では、1つ又は複数の工程が、マイクロ流体デバイス中で実施される。
本開示の態様は、マイクロ流体デバイスにおいて二本鎖リボ核酸(dsRNA)を一本鎖リボ核酸(ssRNA)から分離及び検出する方法であって、表面を有する基板;該基板に配置された分析チャネル;該基板に配置され、交差部で該分析チャネルと交差する試料ローディングチャネルを含むマイクロ流体デバイスを供給する工程と、ポリマー溶液並びにdsRNA及びssRNAを含む試料を、該ローディングチャネルに導入する工程であって、該ポリマー溶液が、該試料の前に導入され、該ポリマー溶液又は該試料が、インターカレーティング剤を含む、導入する工程と、該試料の一部を、該分析チャネルに注入する工程と、該分析チャネルの長さにわたって電圧勾配を印加して、dsRNAを該試料の該一部の第1のセグメントに分離し、ssRNAを該試料の該一部の第2のセグメントに分離する工程と、該第1のセグメント及び該第2のセグメント中のインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、該第1のセグメント中の該インターカレーティング剤の量が、該試料中のdsRNAの量を示し、該第2のセグメント中の該インターカレーティング剤の量が、該試料中のssRNAの量を示す、検出する工程とを含む方法を提供する。
別途定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は全て、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに対して同様又は同等の方法及び材料が本発明の実施又は試験に使用され得るが、適切な方法及び材料が以下に記載されている。本明細書で言及される刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は全て、それらの全体が参照により組み込まれる。矛盾がある場合は、定義を含む本明細書が優先される。更に、材料、方法、及び実施例は単なる例示に過ぎず、限定すると意図されない。
本発明の他の特徴及び利点は、下記の詳細な説明、及び特許請求の範囲から明らかである。
本明細書に記載される技術の一部の実施形態による試料のロード及び注入を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による試料のロード及び注入を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による試料のロード及び注入を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による試料のロード及び注入を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による試料のロード及び注入を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による、dsRNA及びssRNAの試料の一部への分離並びに分離されたdsRNA及びssRNAの検出を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による、dsRNA及びssRNAの試料の一部への分離並びに分離されたdsRNA及びssRNAの検出を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による、dsRNA及びssRNAの試料の一部への分離並びに分離されたdsRNA及びssRNAの検出を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による、dsRNA及びssRNAの試料の一部への分離並びに分離されたdsRNA及びssRNAの検出を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による、dsRNA及びssRNAの試料の一部への分離並びに分離されたdsRNA及びssRNAの検出を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態による、dsRNA及びssRNAの試料の一部への分離並びに分離されたdsRNA及びssRNAの検出を示す概略図である。 チップ上の試薬配置を示す概略図である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態によるdsDNA標準試料のクロマトグラフィ分離を示すグラフである。挿入図は、アガロースゲル電気泳動によるdsDNA標準試料の分離を示す画像である。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態によるssDNA標準試料のクロマトグラフィ分離を示すグラフである。挿入図は、アガロースゲル電気泳動によるssDNA標準試料の分離を示す画像である。 それぞれ図4及び図5におけるdsDNA並びにssDNAのクロマトグラフィ分離のクロマトグラフの重ね合わせである。 標準ピンチフロー(上部パネル)及び本明細書に記載される技術の一部の実施形態による改善されたピンチフロー(下部パネル)を使用したdsRNA標準試料のクロマトグラフィ分離を示すグラフである。 本明細書に記載される技術の一部の実施形態によるmRNA試料(例えば、mRNAワクチン)中のdsRNA混入物を検出するための試料調製及び分析のワークフローの概略図である。 試料調製中の加熱あり(破線)及び加熱なし(実線)のdsRNAラダー(図9A)のクロマトグラフィ分離を示すグラフである。実験は、6%ゲルマトリクスを使用して実施した。 試料調製中の加熱あり(破線)及び加熱なし(実線)のssRNAラダー(図9B)のクロマトグラフィ分離を示すグラフである。実験は、6%ゲルマトリクスを使用して実施した。 示した濃度でのRNA色素(三角)及びDNA色素(四角)を使用したdsRNA(図10A)の蛍光検出を示すグラフである。 示した濃度でのRNA色素(三角)及びDNA色素(四角)を使用したssRNA(図10B)の蛍光検出を示すグラフである。 6%ゲルマトリクス(破線)を使用し、続いて3%ゲルマトリクス(実線)を使用して分析したssRNAラダーの重ね合わせを示すエレクトロフェログラムである。 DNA色素を使用したdsRNA(実線)と、ssRNA(破線)ラダーとの間の泳動の差を示すグラフである。各分子タイプに関する両方のラダーの重ね合わせを示すエレクトロフェログラム(図12A)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 DNA色素を使用したdsRNA(実線)と、ssRNA(破線)ラダーとの間の泳動の差を示すグラフである。各分子タイプに関する断片サイズにわたる泳動時間(図12B)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 DNA色素を使用したdsRNA(実線)と、ssRNA(破線)ラダーとの間の泳動の差を示すグラフである。各分子タイプに関する断片サイズにわたる移動度(図12C)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したdsRNAとssRNAラダーとの間の蛍光標識の差の分析のデータを示すグラフである。両方の色素タイプで標識されたdsRNAラダーの重ね合わせを示すエレクトロフェログラム(図13A)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したdsRNAとssRNAラダーとの間の蛍光標識の差の分析のデータを示すグラフである。dsRNAラダーの各断片によって生成された平均面積(図13B)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したdsRNAとssRNAラダーとの間の蛍光標識の差の分析のデータを示すグラフである。dsRNAラダーの各断片によって生成されたピーク高さ(図13C)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したdsRNAとssRNAラダーとの間の蛍光標識の差の分析のデータを示すグラフである。両方の色素タイプで標識されたssRNAラダーの重ね合わせを示すエレクトロフェログラム(図13D)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したdsRNAとssRNAラダーとの間の蛍光標識の差の分析のデータを示すグラフである。ssRNAラダーの各断片によって生成された平均面積(図13E)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したdsRNAとssRNAラダーとの間の蛍光標識の差の分析のデータを示すグラフである。ssRNAラダーの各断片によって生成されたピーク高さ(図13F)。dsRNAの場合、断片サイズはbpであるのに対して、ssRNAについては、断片サイズはntであることに留意されたい。 SYTO(商標)61を使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。STYO(商標)61を使用した、それぞれ4,001bp及びntのdsRNA並びにmRNA断片のエレクトロフェログラム(図14A)。要約された泳動時間には、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行のデータが含まれる。 SYTO(商標)61を使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。STYO(商標)61を使用した、それぞれ4,001bp及びntのdsRNA並びにmRNA断片の要約された泳動(図14B)。要約された泳動時間には、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行のデータが含まれる。 SYTO(商標)61を使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。STYO(商標)61を使用した、それぞれ4,001bp及びntのdsRNA並びにmRNA断片の要約された移動度(図14C)。要約された泳動時間には、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行のデータが含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタムdsRNA断片エレクトロフェログラム(図15A)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタムdsRNA断片曲線下面積(図15B)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタムdsRNA断片ピーク高さ(図15C)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタムmRNA断片エレクトロフェログラム(図15D)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタムmRNA断片曲線下面積(図15E)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタム長dsRNA及び長mRNAを含む試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61及びRiboRedを使用したカスタムmRNA断片ピーク高さ(図15F)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 混合された長dsRNA及びmRNA試料の分析のデータを示すグラフである。SYTO(商標)61が実線で表され、RiboRedが破線で表されている、混合された長dsRNA及びmRNA試料のエレクトロフェログラム(図16A)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 混合された長dsRNA及びmRNA試料の分析のデータを示すグラフである。dsRNAの曲線下面積(図16B)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 混合された長dsRNA及びmRNA試料の分析のデータを示すグラフである。dsRNAのピーク高さ(図16C)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 混合された長dsRNA及びmRNA試料の分析のデータを示すグラフである。mRNAの曲線下面積(図16D)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 混合された長dsRNA及びmRNA試料の分析のデータを示すグラフである。mRNAのピーク高さ(図16E)。要約されたデータには、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行の結果が含まれる。 個々に分析した場合(図17A)のdsRNA(黒色)及びmRNA(灰色)に関するRNAと、DNA色素(RiboRed/SYTO(商標)61)との間の比を示すグラフである。これらの結果には、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行のデータが含まれる。 混合して分析した場合(図17B)のdsRNA(黒色)及びmRNA(灰色)に関するRNAと、DNA色素(RiboRed/SYTO(商標)61)との間の比を示すグラフである。これらの結果には、それぞれが2回~3回の反復を伴う3個の独立した実行のデータが含まれる。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用した、dsRNA(図18A)の濃度が増加したときのdsRNAの応答の直線性の評価を示すグラフである。図18Aでは、SYTO(商標)61を使用したdsRNA試料に関する最適な線は、y=79.05x+63.87であり、R2=0.93であったのに対して、RiboRedの線は、y=6.49x+39.21であり、R2=0.75であった。 SYTO(商標)61及びRiboRedを使用した、mRNA(図18B)の濃度が増加したときのmRNAの応答の直線性の評価を示すグラフである。図18Bでは、SYTO(商標)61を使用したmRNA試料に関する最適な線は、y=278.2x+1189であり、R2=0.84であったのに対して、RiboRedの線は、y=503.0x+1103であり、R2=0.75であった。 様々な濃度のdsRNAでの色素比(RiboRed/SYTO(商標)61)の評価を示すグラフである。色素比は、総mRNA濃度の5.0%、7.5%、及び10.0%を表示した。図19Aは、様々な濃度のdsRNAでのdsRNA(黒色)色素比と、mRNA(灰色)色素比との間の比較を示すグラフである。 様々な濃度のdsRNAでの色素比(RiboRed/SYTO(商標)61)の評価を示すグラフである。色素比は、総mRNA濃度の5.0%、7.5%、及び10.0%を表示した。図19Bは、mRNAのパーセンテージに対するdsRNAのパーセンテージが5.0%(黒色)から7.5%(灰色)まで、10.0%(淡灰色)まで変化させた場合のdsRNAの色素比間及びmRNAの色素比間の比較を別々に示すグラフである。
本発明の1つ又は複数の実施形態の詳細は、以下の説明に記載されている。本発明の他の特徴又は利点は、下記の図面及び幾つかの実施形態の詳細な説明から、また併記の特許請求の範囲からも明らかである。
ssRNA療法におけるdsRNA混入物を検出する現在利用可能な方法は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を利用している。これらの方法は、ロースループットであり、時間がかかる(試料1つ当たり30分超過)。したがって、ssRNA療法におけるdsRNA混入物を検出するための新たなアッセイを開発し、その安全性及び有効性を確保することは興味深いことである。
本開示は、試料中のdsRNA及びssRNAを分離並びに検出するキャピラリー電気泳動法の開発に少なくとも部分的に基づいている。本明細書に記載される方法は、ssRNAの試料中の少量のdsRNAを検出するのに使用することができる。したがって、本明細書に記載される方法は、mRNA療法等のssRNA療法の純度を評価する際に特に有用である。
mRNAワクチン(例えば、COVID-19ワクチン)は、疾患の防止及び低減、並びに病原体の発見と、ワクチン作製との間の時間の短縮において伝統的なワクチンを上回る様々な利点を提供する。mRNAワクチンの生産は、多数の核酸及び酵素副産物を生じ、そのほとんどが検出及び除去され得るが、二本鎖RNA(dsRNA)混入物は、特定の難題を課している。dsRNAに関する現在の精製及び検出プラットフォームは、その有効性が多様であり、mRNAワクチンの大量生産に関するスケーラビリティにおいて問題を伴う。dsRNAを効果的に検出することは、これらの鎖が長さ-症状依存性の自己免疫反応を引き起こす可能性があり、またそれらがmRNAの分解を高め得るため、ワクチンの安全性及び有効性を確保する上で極めて重要である。したがって、本明細書に記載される研究は、dsRNA混入物検出のためのハイスループットマイクロ流体プラットフォームを開発するためにmRNA分子及びdsRNA分子の標識における挙動の差を分析した。dsRNAに関するシステムの検出限界は17.7~76.6pg/μLであると決定されたのに対して、mRNAの検出限界は1.79~2.83pg/μLであり、mRNAの最大ロード容量は12.99ng/μLであった。これらの値に基づいて、提唱した方法は、総mRNA濃度と比較して0.14~0.59%程度の低いパーセンテージで存在するdsRNA混入物の検出を可能にするはずである。
ワクチンは、毎年数百万人の疾患、罹患率、及び死亡率を防止並びに低減させる際に極めて重要な公衆衛生手段となっている[1]。ワクチンの重要性は、COVID-19のパンデミック及び新たに開発されたmRNAワクチンの広範な使用によって強調されてきた。mRNAワクチンの可能性は1990年から注目されてきた一方で、その大量生産及び流通を認めない多くの支障が存在した[2]。それにもかかわらず、核酸ベースのワクチンは、免疫応答の正確なターゲティングを提供し、他のワクチンプラットフォームと比較した場合に安全性、効率、及び特異性において利点を提供することができるため、多くの研究が核酸ベースのワクチンに参入してきた[3]、[4]。具体的には、mRNAワクチンは核外活性を含む利点を提供し、それは続く無作為ゲノム組み込み及び挿入型突然変異誘発に対する非常に低いリスク、コードされた抗原のより制御された発現、外来遺伝子を含まないこと、及びin vitro転写によって無細胞環境で生成される能力を付与する[3]、[5]。この技術が広範且つ大規模な使用に利用される場合、mRNAワクチンの用途は、癌治療、治療用タンパク質置換療法、遺伝性疾患、及び多種多様な感染症の処置に広がる可能性がある[3]、[5]。
mRNAワクチン生産及び製造が直面している課題として、mRNAの不安定性、in vivo送達方法、及び自然免疫原性が挙げられる。mRNAの不安定性は、非翻訳領域の最適化により軽減されてきた[5]、[6]。様々な送達方法を試験した後、脂質ナノ粒子(LPN)の使用は、mRNAを細胞外RNaseによる迅速な分解から保護し、細胞の取り込み及びタンパク質生産のためにmRNAが標的細胞に移動するのを可能にするのに最も効果的であることがわかってきた[3]、[7]。外因性mRNAの身体の認識により、頑強な免疫応答が刺激される可能性があり、それは所望の免疫応答に悪影響を及ぼし得る[4]。この後者の問題は、シュードウリジン及び1-メチルシュードウリジン等の修飾ヌクレオシドを導入することによって解決された[4]。
しかしながら、大部分が対処されてきた上述の障害に加えて、in vitro転写(IVT)mRNAの開発プロセスの性質に起因して、残余酵素、遊離ヌクレオチド、残留DNA、切断RNA、及びdsRNA等の混入物の可能性が存在する[4]。これらの外因性混入物、具体的に、主要な混入物として同定されたdsRNAは、強力な病原体関連分子パターン(PAMP)である。mRNAのIVT生産におけるdsRNAの作製は、T7 RNAポリメラーゼの活性並びに2つの潜在的な結果的シナリオ:1)、流出転写産物の身体における相補配列にアニーリングする流出産物の3'伸長、及び2)アンチセンスRNAの、流出転写産物へのハイブリダイゼーションに起因する[8]。認識されると、PAMPはI型インターフェロン活性を引き起こす可能性があり、それは翻訳の阻害及びmRNA分解の増強につながる。次に、これにより、所望の抗原タンパク質の生産の減少をもたらし得る。dsRNA混入物はまた、中枢神経系への影響を含む潜在的な自己免疫反応と関連付けられる炎症誘発性サイトカインを活性化することもできる[4]、[9]~[11]。更に、dsRNA断片長と、関連付けられる悪影響との間には正の相関関係が存在するようであり[12]、ワクチンの安全性を確保するには、dsRNA断片の存在及び長さの両方を慎重にモニタリングする必要があることを示唆している。
現在のmRNAワクチン精製プラットフォームとして、DNase消化、沈殿、クロマトグラフィ、又はタンジェンシャルフロー濾過が挙げられ得る。しかしながら、mRNAに関する確立された製造プラットフォームは依然として欠如しているため、多数のmRNA合成及び精製技法を組み合わせることができる[5]。医薬品業界では、その汎用性、費用対効果、選択性、及び重要なことに、mRNAワクチンの大量生産のためにスケールアップすることができるその能力に起因して精製用にタンジェンシャルフロー濾過と連動させた種々の形態のクロマトグラフィがよく利用される[5]。しかしながら、種々の形態のこの技法は、それら独自の制限が付属している。例えば、イオン対逆相クロマトグラフィは、高収率を維持しながらdsRNAを除去する優れた精製法であるが、スケーリングするに非常にコストがかかり、またアセトニトリル等の有毒な試薬を使用している[5]、[13]。逆に、陰イオン交換クロマトグラフィは、mRNAを大規模にコスト効率よく精製するのに使用することができるが、陰イオン交換クロマトグラフィは、変性条件、温度の厳重な管理、及び潜在的なカオトロピック剤の使用を要する[5]。最後に、高速液体クロマトグラフィは、dsRNA及び他の混入物を除去することが示されており、タンパク質生産レベルの10~1000倍増加をもたらす[14]が、スケールアッププロセス及びmRNA安定性の両方に問題がある[13]。エタノールの存在下でdsRNAがセルロースに結合する能力を活用するセルロースベースのクロマトグラフィ等の新たな革新的精製技法が研究中である。このプロセスは、dsDNAの除去のための簡素で、効率的で、ハイスループットで且つ費用対効果の高い代替手段を提供し得る[15]。
しかしながら、これらの様々な精製プラットフォームを用いた場合でも、90%を超えるdsRNA除去の形跡があるのは一部であり[15]、現在の精製法の品質及び有効性のばらつきにより、mRNAワクチン中の残留及び有害なdsRNA断片を検出するための品質管理システムが求められている。RNA転写産物を特性化するための現在の好ましい品質管理検出アッセイとして、UV分光法、蛍光ベースのアッセイ、ゲル上での電気泳動、dsRNA用のウェスタンブロット、イムノアッセイ(例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ)、酵素結合免疫吸着アッセイ、及びクロマトグラフィが挙げられる。しかしながら、これらは、分解能、正確な取り扱い、危険な試薬、厳しい労働、抗体の必要性、長い実行時間、又はスケーラビリティすることができない等の要因によって厳しく制限されており[13]、[16]~[19]、高速でハイスループットで、低コストの品質管理システムに対する重要な必要性は残されたままである。これは、マイクロフルイディクスを使用して達成することができ、その汎用性により、新規分析方法論の迅速な開発が可能となる。
マイクロフルイディクスの開発は、その優れた自動化の互換性及び低容量要件により、試料が分析される方法を革命的に変化させてきた。大まかに言えば、マイクロフルイディクスは、数十から数百ミクロンのスケールの寸法を有するシステム内のマイクロスケール量(10-9~10-18L)の流体を処理若しくは操作する方法又はデバイスを指す[20]。伝統的な生体分子分析ツールの小型化の結果として、全体的なスケールの減少により、流体の正確な制御、ハイスループット能、及び迅速な試料処理が提供され、それが伝統的な技術をしのぐことを可能にし、多くの場合、低コストの代替手段につながっている[20]、[21]。システム内の動態を上回るかかる細かい制御を得るために、マイクロフルイディクスは通常、駆動力と連動されている。本明細書に記載される方法は、エレクトロキネティクス(EK)が大規模では容易に達成可能でない特有の挙動の利用を可能にするため、エレクトロキネティクス(EK)を駆動力として利用している[22]、[23]。
したがって、dsRNAとmRNAとの間の標識動態における差を利用して、mRNAワクチン中のdsRNA混入物を検出及び特性化するハイスループットなマイクロ流体電気泳動ベースの方法論が本明細書で提供される。
I. アッセイ成分
本明細書に記載される方法は、ポリマー溶液及びインターカレーティング剤の存在下でキャピラリー電気泳動を介してdsRNA及びssRNAを分離並びに検出することを包含する。一部の例では、本明細書に記載される方法は、マイクロ流体デバイスにおいて実施され得る。
ポリマー溶液
本明細書に記載されるキャピラリー電気泳動法は、dsRNA及びssRNAを分離するためのポリマーの使用を包含する。ポリマーは、帯電し得るか、又は非帯電であり得る。一部の実施形態では、ポリマーが帯電している場合、ポリマー上の電荷は、キャピラリーチャネルの内面の電荷と同じである。例えば、キャピラリーチャネルが内面に負に帯電した基を含む場合、ポリマーは、負に帯電したモノマーサブユニットを含む。別の例では、キャピラリーチャネルが内面に正に帯電した基を含む場合、ポリマーは、正に帯電したモノマーサブユニットを含む。
様々な電荷パーセントのポリマーが、本明細書に記載される方法において使用され得る。一部の実施形態では、ポリマーは、約0.01%~約2%、例えば、約0.01%~約1%、約0.01%~約0.5%、約0.05%~約0.5%、及び約0.05%~約0.2%の電荷パーセントを含む。
本明細書で使用される場合、ポリマーの「電荷パーセント」は、ポリマーの合成に使用される総モノマーサブユニットに対する帯電したモノマー単位のモルパーセントを指す。例えば、ポリマー合成反応が帯電したサブユニット1mmol及び帯電していないモノマーサブユニット99mmolを混合することによって実行されるならば、その場合、ポリマーは、1%の電荷パーセントを有する。
本明細書に記載される方法における使用のためのポリマーは、様々なモノマーサブユニット、例えば、負に帯電したモノマーサブユニット、正に帯電したモノマーサブユニット、帯電していないモノマーサブユニット、又はそれらの組合せから形成され得る。
本明細書に記載される方法における使用のためのポリマーに含まれ得るモノマーサブユニットの非限定的な例として、アクリル酸、カルボン酸、スルホン酸、リン酸モノマー、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、及び4-ビニル安息香酸が挙げられる。一部の実施形態では、ポリマーは、アクリルポリマー、例えばポリアクリルアミドポリマー、ポリメチルアクリルアミドポリマー、ポリジメチルアクリルアミドポリマー、及びポリジメチルアクリルアミド-コ-アクリル酸ポリマーである。
本明細書に記載される方法における使用のためのポリマーに含まれ得る負に帯電したモノマーサブユニットの非限定的な例として、アクリル酸、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、4-ビニル安息香酸、スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、4-スチレンスルホン酸、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルジメチル-3-メタクリルアミドプロピルアンモニウム分子内塩、3-スルホプロピルメタクリレート、ビニルスルホン酸、ビス(2-メタクリルオキシエチル)ホスフェート、及びモノアクリルオキシエチルホスフェートが挙げられる。
本明細書に記載される方法における使用のためのポリマーに含まれ得る正に帯電したモノマーサブユニットの非限定的な例として、2-アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、及び3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。
本明細書に記載されるように使用され得るポリマーの非限定的な例は、米国特許第5,948,227号、同第6,042,710号、同第6,440,284号、並びに同第7,081,190号において提供され、先行出願それぞれの関連する開示は、本明細書で言及される目的及び主題のために参照により本明細書に組み込まれる。
ポリマー溶液中のポリマーの濃度は、キャピラリーチャネルのサイズ、分析されるべきRNAのサイズ及び量、及び/又は所望の分解能等の或る特定の要因に応じて多様であり得る。一部の実施形態では、ポリマー溶液中のポリマーの濃度は、約0.01%~約30%(w/v)、例えば、約0.01%~約20%(w/v)、約0.01%~約10%(w/v)、約0.01%~約5%(w/v)、約0.1%~約30%(w/v)、約1%~約30%(w/v)、約10%~約30%(w/v)、又は約20%~約30%(w/v)である。
ポリマー溶液中のポリマーの平均分子量は、キャピラリーチャネルのサイズ、分析されるべきRNAのサイズ及び量、及び/又は所望の分解能等の或る特定の要因に応じて多様であり得る。一部の実施形態では、ポリマーは、1Kd~5,000Kd、例えば、1Kd~2,500Kd、1Kd~1,000Kd、1Kd~500Kd、1Kd~100Kd、100Kd~5,000Kd、1,000Kd~5,000Kd、又は2,500Kd~5,000Kdの分子量を有する。
ポリマー溶液の粘度は、キャピラリーチャネルのサイズ、分析されるべきRNAのサイズ及び量、及び/又は所望の分解能等の或る特定の要因に応じて多様であり得る。一部の実施形態では、ポリマー溶液の粘度は、約2~約1,000センチポアズ、例えば、約2~約750センチポアズ、約2~約500センチポアズ、約2~約250センチポアズ、約2~約100センチポアズ、約2~約50センチポアズ、約50~約1,000センチポアズ、約100~約1,000センチポアズ、約250~約1,000センチポアズ、約500~約1,000センチポアズ、又は約750~約1,000センチポアズである。
本発明の方法において使用されるポリマーの合成は、当該技術分野において周知である任意の数の方法によって実行され得る。概して、合成条件及びプロトコールは、合成されるべきポリマー並びに取り込まれるべき電荷の性質及び量に応じて多様である。適切なポリマー合成法の例は、例えば、Odian, Principles of Polymerization、第4版(John Wiley、New York、2004年)、並びに米国特許第5,264,101号及び同第5,567,292号に記載されており、先行出願それぞれの関連する開示は、本明細書で言及される目的及び主題のために参照により本明細書に組み込まれる。
インターカレーティング剤
「インターカレーティング剤」は、DNA(例えば、dsDNA、ssDNA)及び/又はRNA(例えば、dsRNA、ssRNA)等の核酸における塩基対に可逆的に結合することができる分子を指す。概して、本方法において有用なインターカレーティング剤は、二本鎖核酸(例えば、dsDNA、dsRNA)の中心にある積み重ねられた塩基間に挿入するか、又はそれらは、一本鎖核酸(例えば、ssRNA)の骨格に沿って隣接塩基に結合する。結果として、より多くのインターカレーティング剤の分子が、一本鎖核酸と同様の濃度の二本鎖核酸(例えば、dsRNA及びssRNA)で、一本鎖核酸よりも二本鎖核酸(例えば、ssRNAよりもdsRNA)に結合され、それは、同様の濃度で一本鎖核酸よりも二本鎖核酸(例えば、ssRNAからよりもdsRNA)から生産されるより強い蛍光シグナルを生じる。本明細書に記載される方法は、シグナル強度におけるこの差を利用して、ssRNA試料中の少量のdsRNA混入物を検出する。インターカレーティング剤はdsRNA又はssRNAに結合された場合にのみ蛍光を発するため、蛍光シグナルは特異的であり、試料中のdsRNA又はssRNAの量を示す。
本明細書に記載される方法における使用のためのインターカレーティング剤は、二本鎖核酸及び一本鎖核酸(例えば、dsDNA、ssDNA、dsRNA及びssRNA)に結合することが可能な任意のインターカレーティング剤であり得る。本明細書に記載される方法における使用のためのインターカレーティング剤の非限定的な例として、SYTO(商標)色素(例えば、SYTO(商標)61)、Ribo色素(例えば、RiboRed、RiboGreen)、SYBR色素、臭化エチジウム、アクリジンオレンジ、ヨウ化プロピジウム、7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、シアニン色素(例えば、Cy3、Cy5)、Alexa Fluor色素、BODIPY色素、及びそれらの組合せが挙げられる。一部の実施形態では、インターカレーティング剤は、臭化エチジウムではない。
様々な濃度のインターカレーティング剤が、所望の結果を達成するために本明細書に記載される方法において使用され得る。一部の実施形態では、試料中のインターカレーティング剤の濃度は、0.01mM~0.2mM、例えば、0.05mM~0.2mM、0.1mM~0.2mM、0.01mM~0.1mM、又は0.01mM~0.05mMである。
本明細書に記載される方法は、内因的に蛍光性であるインターカレーティング剤(例えば、インターカレーティング蛍光色素)又は外因的に蛍光性であるインターカレーティング剤(例えば、フルオロフォアで標識されたインターカレーティング剤)の使用を包含する。
一部の実施形態では、本明細書に記載される方法における使用のためのインターカレーティング剤は、標的核酸を優先的に結合する。インターカレーティング剤は、それが代替核酸を用いた場合よりも特定の標的核酸とより頻繁に、より迅速に、より長い持続期間で、及び/又はより高い親和性で反応又は結合する場合、「優先的結合」を示すとされている。
例えば、二本鎖核酸に優先的に結合するインターカレーティング剤は、それが一本鎖核酸に結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/又はより長い持続期間で二本鎖核酸を結合するインターカレーティング剤である。別の例では、一本鎖核酸に優先的に結合するインターカレーティング剤は、それが二本鎖核酸に結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/又はより長い持続期間で一本鎖核酸を結合するインターカレーティング剤である。
例えば、DNAに優先的に結合するインターカレーティング剤は、それがRNAに結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/又はより長い持続期間でDNAに結合するインターカレーティング剤である。別の例では、RNAに優先的に結合するインターカレーティング剤は、それがDNAに結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、及び/又はより長い持続期間でRNAに結合するインターカレーティング剤である。
また、第1の核酸(例えば、DNA)に優先的に結合するインターカレーティング剤は、第2の核酸(例えば、RNA)に優先的に結合してもよいか、又は結合しなくてもよいことが理解されよう。したがって、優先的な結合は、必ずしも排他的な結合を要するわけではない(但し、それを含めることができる)。
本明細書に記載される方法は、1つ又は複数のインターカレーティング剤の使用を包含する。例えば、本明細書に記載される方法は、RNAに結合することが可能なインターカレーティング剤及びDNAに結合することが可能なインターカレーティング剤の使用を含み得る。
II. dsRNA及びssRNAを分離並びに検出する方法
また、RNA療法(例えば、mRNAワクチン等のmRNA療法)を含むssRNA調製物によく混入する少量のdsRNAを分離及び検出する方法が本明細書で提供される。本明細書に記載される方法は、ポリマー及びインターカレーティング剤の存在下でのdsRNA及びssRNAの試料のキャピラリー電気泳動を包含し、それらはそれぞれ、本明細書に開示される。
本明細書に記載される方法を実施するために、一部の実施形態では、ポリマー溶液は、キャピラリーチャネルに導入され、続いて、dsRNA及びssRNAを含む試料は、キャピラリーチャネルに導入される。dsRNA及びssRNAを検出するためのインターカレーティング剤は、ポリマー溶液中に又は試料中に含まれ得る。この導入は、チャネルの一端をポリマー溶液又は試料に接触させて置き、ポリマー溶液又は試料をチャネルに吸い込ませるのと同じくらい簡素であり得る。或いは、又はそれに加えて、真空又は圧力を使用して、ポリマー溶液又は試料をキャピラリーチャネルに駆動させることができる。
本明細書に記載されるキャピラリー電気泳動法は、単一のキャピラリーチャネル又は複数のキャピラリーチャネルを使用して実施することができる。一部の実施形態では、単一チャネルを使用する場合、試料は、キャピラリーチャネルに導入され(例えば、流体力学的注入によって)、キャピラリーチャネルの両端にわたって電圧を印加して、試料中のdsRNA及びssRNAを分離する。
一部の実施形態では、複数のチャネルを使用する場合、試料は、第1のキャピラリーチャネル(ローディングチャネルとも称される)に導入され、第1のチャネルと第2のキャピラリーチャネル(分析チャネルとも称される)との交差部を横切って輸送される。次に、2つのチャネルの交差部内に配置された試料の容量又は「プラグ」が、それが所望の分析に付される第2のチャネルに引き込まれる。
図1A~図1Eは、ローディングチャネルへの試料のロード(loading)(網掛けで示される)及び分析チャネルへの試料の注入を概略的に示している。図1A~図1Bに示されるように、試料はローディングチャネルに、分析チャネルとの交差部を横切って引き込まれる。図1B~図1Cに示されるように、分析チャネルに拡散することなく交差部を横切る試料の輸送は、流路から離れて分析チャネルの上端及び下端に向かってわずかな電圧勾配を印加することによって達成される。その結果は、交差部での試料の流れの「ピンチング」であり、それにより分析チャネルへの試料の拡散が防止される。次に、図1Dに示されるように、交差部での試料のピンチングされた容量は、分析チャネルの長さにわたって、例えば、上端から下端に電圧勾配を印加することによって、分析チャネルに注入され得る。この注入中に試料ローディングチャネルからの材料のいかなるブリーディングオーバーも回避するために、低レベルの流れがサイドチャネルに戻って誘導され、図1D~1Eに示されるように、交差部からの材料の「引き戻し」をもたらす。試料は、分析チャネルを通って電気泳動され、図1Eに示されるように検出ウィンドウ(破線の四角)を通過して流される。蛍光インターカレーティング剤を使用する場合、レーザー活性化蛍光検出システムを使用して、dsRNA又はssRNAに結合されたインターカレーティング剤によって生成された蛍光シグナル用の検出ウィンドウをモニタリングすることができる。
試料が図1A~図1Eに概略的に示されるようにロード及び注入された場合に、dsRNAは、ssRNAから分離させることができ、続いて、分離されたdsRNA及びssRNAは、図2A~図2Fに概略的に示されるように順次検出され得る。
図2A~図2Bに示すように、試料は、ローディングチャネルへ、分析チャネルとの交差部を横切って引き込まれ、それにより、印加電界内でdsRNA(×で示される)及びssRNA(〇で示される)を整列させる。図2B~図2Cは、流路から離れて分析チャネルの上端及び下端に向かってわずかな電圧勾配を印加することによる交差部での試料の「ピンチング」を示す。次に、図2Dに示されるように、dsRNA及びssRNAの両方を含む交差部での試料のピンチングされた容量は、分析チャネルの長さにわたって、例えば、上端から下端まで電圧勾配を印加することによって分析チャネルに注入される。図2E~図2Fに示されるように、より高速で泳動するdsRNAが、よりゆっくりと泳動するssRNAから分離されるように、試料は分析チャネルを通って電気泳動され、これにより、dsRNAが検出ウィンドウ(破線の四角)を別々に、検出ウィンドウを通り過ぎるssRNAの流れの前に、検出ウィンドウを通り過ぎて流れることが可能になる。
一部の実施形態では、ポリマー溶液は、dsRNA及びssRNAの試料をキャピラリーチャネルに導入する前にキャピラリーチャネルに導入又は「前ロード」され得る。したがって、試料は、ポリマー溶液が前ロードされたキャピラリーチャネルに導入される。かかる場合、ポリマー溶液及び/又は試料は、インターカレーティング剤を含み得る。
試料は、ポリマー溶液と同様の又は異なるイオン強度を有する水性緩衝液中に存在し得る。一部の実施形態では、試料は、ポリマー溶液のイオン強度と同様のイオン強度を有する水性緩衝液中に存在する。一部の実施形態では、試料は、ポリマー溶液のイオン強度と比較してより低いイオン強度を有する水性緩衝液中に存在する。
本明細書に記載される方法は、様々な試料中のdsRNA及びssRNA、又はそれらの欠如を検出することを包含する。一部の実施形態では、試料は、RNAベースの治療薬である。かかる場合、本明細書で提供される方法は、RNAベースの治療薬の純度を評価するのに、例えば、mRNA療法におけるdsRNA混入物の量を検出するのに使用され得る。本明細書に記載されるように分析することができるRNAベースの治療薬の非限定的な例として、アンチセンスオリゴヌクレオチド、アプタマー、低分子干渉RNA、マイクロRNA、及びメッセンジャーRNAが挙げられる。
本明細書に記載される方法は、試料中の低濃度のdsRNA及びssRNAを検出するのに使用され得る。一部の例では、本明細書に記載される方法の検出限界(LOD)は、dsRNA及びssRNAに関して1pg/μL~100pg/μLであり得る。
したがって、一部の例では、試料中のdsRNAの濃度は、10pg/μL~200ng/μL、例えば、50pg/μL~200ng/μL、100pg/μL~200ng/μL、150pg/μL~200ng/μL、10pg/μL~150ng/μL、10pg/μL~100ng/μL、又は10pg/μL~50ng/μLである。一部の例では、試料中のdsRNAの濃度は、1pg/μL~100pg/μL、例えば、10pg/μL~100pg/μL、25pg/μL~100pg/μL、50pg/μL~100pg/μL、75pg/μL~100pg/μL、1pg/μL~75pg/μL、1pg/μL~50pg/μL、1pg/μL~25pg/μL、又は1pg/μL~10pg/μLである。
一部の例では、試料中のssRNAの濃度は、50pg/μL~200ng/μL、例えば、100pg/μL~200ng/μL、150pg/μL~200ng/μL、50pg/μL~150ng/μL、又は50pg/μL~100ng/μLである。一部の例では、試料中のssRNAの濃度は1pg/μL~100pg/μL、例えば、10pg/μL~100pg/μL、25pg/μL~100pg/μL、50pg/μL~100pg/μL、75pg/μL~100pg/μL、1pg/μL~75pg/μL、1pg/μL~50pg/μL、1pg/μL~25pg/μL、又は1pg/μL~10pg/μLである。
一部の例では、試料中のssRNAの総量に対するdsRNA混入物のパーセントは、0.1%~1%、例えば、0.25%~1%、0.5%~1%、0.75%~1%、0.1%~0.75%、0.1%~0.5%、又は0.1%~0.25%である。
本明細書に記載される方法は、様々なマイクロ流体デバイス及びシステムを使用して実行され得る。マイクロ流体デバイス又はマイクロ流体システムは、少なくとも2つの交差チャネル若しくは流体導管を取り込んだデバイス又はシステムを指し、そこで、チャネルの少なくとも1つは、約0.1~約500μm、例えば、約1~約100μmの範囲の少なくとも1つの断面寸法を有する。
本明細書に記載される方法における使用のためのマイクロ流体デバイスは、様々なマイクロ流体エレメントが配置される中心的な本体構造を含み得る。例えば、本明細書に記載される方法における使用のためのマイクロ流体デバイスの本体構造は通常、構造が通常は平面状であり、例えば、実質的に平坦であるか、若しくは少なくとも1つの平坦な表面を有する固体又は半固体の基板を用いる。適切な基板は、様々な材料のいずれか1つ、又は材料の組合せから製造され得る。多くの場合、基板は、微細加工の分野で一般的な固体基板、例えば、シリカ、ケイ素又はガリウムヒ素を使用して製造される。これらの基板の場合、フォトリソグラフィー技法、ウェット化学エッチング、マイクロマシニング等の一般的な微細加工技法は、マイクロ流体デバイス及び基板の製造において容易に適用され得る。或いは、例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリカーボネート等を含む高分子基板材料は、本明細書に記載される方法における使用のためのデバイスを製造するのに使用され得る。
概して、本明細書に記載される方法における使用のためのマイクロ流体デバイスは、クロスチャネル構造で分析チャネル及びローディングチャネルを含み、試料は、それをローディングチャネルの終端にあるリザーバ中に配置することと、試料がローディングチャネル及び分析チャネルの交差部を横切って電気泳動されるまで、電圧をローディングチャネルに対して印加することとによって、分析チャネルへロードされる。通常、電圧の印加は、所与のチャネル(「ポート」とも称される)の終端にあるリザーバ又はウェル内に配置された電極を介して行われる。次に、交差部にある試料のプラグは、電圧を分析チャネルに対して印加することによって、分析チャネルの下方に電気泳動される。
適切なマイクロ流体システム、方法、及びデバイスの例は、例えば、米国特許第5,976,336号、同第7,419,784号、同第7,276,330号、同第7,081,190号、同第5,948,227号、同第6,042,710号、同第6,440,284号に記載されており、それらはそれぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
記載される本発明がより完全に理解され得るように、下記の実施例が記載される。本出願において記載される実施例は、本明細書で提供される方法及び組成物を説明するために提供されており、いかなる場合でもそれらの範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
(実施例1)
dsRNA及びssRNAを含む試料中のdsRNAの分離並びに検出
マイクロスケールの電気泳動デバイス(LabChip(登録商標)GX/GXII Touch(商標)機器)における標準dsRNA及びssRNA試料の分離並びに検出は、下記の通りに実施した。
A.試薬チップの調製
ポリマー550μLを色素7.5μLに添加することによって、ポリマー-色素混合物を調製した。ポリマー-色素混合物を、スピンフィルターを使用して濾過し、9200rcfで室温にて7.5分間遠心分離した。次に、ポリマー-色素混合物75μLをウェル3、ウェル7、及びウェル8に、またポリマー-色素混合物120μLをウェル10に添加することによって、試薬チップをロードした。また、ウェル4において、マーカー溶液(DNA High Sensitivity Reagent Kit、PN CLS760672)100μLで試薬チップはロードされた。チップ上の試薬の配置については、図3を参照のこと。
B.dsRNAラダーの分離
14個の直鎖状DNA鋳型のin vitro転写によって生成された7個のアニーリングされた二本鎖RNA分子のセットを含むdsRNAラダー(New England Biolab、Cat# N0363S)に対して分離を実施した。ラダーサイズは、500、300、150、80、50、30及び21塩基対である。
dsRNAラダー6μLをDI水114μLに添加することによって、dsRNA試料を調製し、1×ラダー溶液を形成した。続いて、1×ラダー2μL及びDI水8μLを試料プレートのウェルに添加した。3個のウェルに試料をロードし、分析を三重反復で実施した。
試料及びポリマー-色素混合物を混合し、マイクロ流体デバイスの分離チャネルに通して流した。蛍光を検出ウィンドウで検出した。各試料に関する蛍光対時間の代表的なグラフを図4に示す。図示したように、ラダー中の各dsRNA(500、300、150、80、50、30及び21塩基対)を分離及び検出した。
C.ssRNAラダーの分離
6個の直鎖状DNA鋳型の混合物のin vitro転写によって生成された6個のRNA分子のセットを含むssRNAラダー(New England Biolab、Cat# N0364S)に対して分離を実施した。ラダーサイズは、1000、500、300、150、80及び50塩基である。
dsRNAラダーについて記載したように、ssRNA試料を調製した。具体的には、ssRNAラダー6μLをDI水114μLに添加して、1×ラダー溶液を形成した。次に、1×ラダー2μL及びDI水8μLを試料プレートのウェルに添加した。3個のウェルに試料をロードし、分析を三重反復で実施した。
試料及びポリマー-色素混合物を混合し、マイクロ流体デバイスの分離チャネルに通して流した。蛍光を検出ウィンドウで検出した。各試料に関する蛍光対時間の代表的なグラフを図5に示す。図示したように、ラダー中の各dsRNA(1000、500、300、150、80及び50塩基)を分離及び検出した。
D.dsRNA及びssRNA混合物の分離
dsRNAラダー(New England Biolab、Cat# N0363S)及びssRNAラダー(New England Biolab、Cat# N0364S)の混合物に対して分離を実施する。試料及びポリマー-色素混合物を混合し、マイクロ流体デバイスの分離チャネルに通して流す。蛍光を検出ウィンドウで検出する。dsRNAラダー及びssRNAラダーに関する蛍光対時間の代表的なグラフを図6に示す。図示したように、同じ分子量では、dsRNAはssRNAよりも速く泳動し、例えば、300nt(150bp)のdsRNAは、300ntのssRNAよりも速く泳動する(およそ45秒と比較しておよそ34秒)。また、図示したように、同様の濃度で、ssRNA(7.14ng/μL)は、dsRNA(6.25ng/μL)よりも低い蛍光シグナルを示した(500~1000蛍光単位と比較して0~400蛍光単位)。
(実施例2)
ピンチフローの改善によるdsRNA検出の感度の増加
ssRNA試料中の低量のdsRNA混入物は、dsRNAの検出を困難にする。したがって、dsRNA検出の感度を改善するために、改善されたピンチフロー技法を開発した。マイクロスケールの電気泳動デバイス(LabChip(登録商標)GX/GXII Touch(商標)機器)における標準dsRNA試料の分離及び検出を、標準ピンチフロー条件及び改善された条件を使用して実施した。標準ピンチフロー条件及び改善されたピンチフロー条件は、ローディングチャネル及び分離チャネルにおいて試料を駆動するのに同じ電圧を使用した。改善されたピンチフロー条件は、分離チャネルへの試料のより大きなプラグの注入を可能にするのにより長いロード時間及びより高い電流を利用した。図7に示したように、蛍光シグナルは、標準ピンチフロー(上部パネル)を使用した蛍光シグナルと比較して、改善されたピンチフロー(下部パネル)を使用したdsRNA標準試料のクロマトグラフィ分離において約6倍に増加した。
(実施例3)
ssRNA試料中のdsRNA混入物を検出するためのアッセイの開発
この実施例は、dsRNA混入物をシミュレートするためにdsRNAラダーを、またmRNAをシミュレートするためにssRNAラダーを使用したmRNAワクチン中の有害なdsRNA混入物の検出及び特性化のためのアッセイの開発について記載している。長dsRNA及びmRNA分子は、特に高度に精製された形態では容易に入手可能でなく、それらを特性化するために収集されたデータは限られているため、ラダーを使用した。続いて、これらの実験からの見解は、特注の長(4,001bp又はnt)dsRNA及びmRNA試料の分析に関する参照又は開始点として使用された。
本明細書に記載される実験において使用されたssRNA(カタログ#N0364S)及びdsRNAラダー(カタログ#N0363S)は、New England Biolabs社(New England Biolabs社、イプスウィッチ、MA)から購入した。ssRNAラダーは、50nt、80nt、150nt、300nt、500nt及び1,000ntの断片を含有するのに対して、dsRNAラダーは、21bp、30bp、50bp、80bp、150bp、300bp及び500bpの断片を含有する。ラダー、特にdsRNAラダーにおける断片濃度は、合成の困難さがバッチ間の有意な差につながる可能性があるため、提供者によって完全には特性化されていないことに本発明者等は留意している。
アッセイは、ハイスループットLabChip GX Touch IIプラットフォーム(PerkinElmer社、ウォルサム、MA)を使用して実施した。図8に見られるように、試料を、ポリジメチシロキサン(PDMS)及びSYTO(商標)61を含むDNA色素ゲルマトリクスをロードしたチップにおいて分析し、完了したら、同じ試料を、PDMS及びRiboRedを含むRNA色素ゲルマトリクスをロードした同じチップを使用して分析した。両方のアッセイを実行したら、本明細書に記載されるように結果を分析した。種々の蛍光色素(SYTO(商標)61及びRiboRed、PerkinElmer社)並びに様々な濃度の蛍光色素及びゲルポリマーを使用して、アッセイを実施した。DNA色素ゲルマトリクス及びRNA色素ゲルマトリクスを用いて、試料分析の順序に関係なく、同様の結果が得られた。
一本鎖RNA分子は一般に、その三次構造(例えば、ヘアピン)がその移動度の正確な測定を妨げるのを防ぐために、分析前に加熱される。しかしながら、熱の使用により、dsRNAのより小さな鎖が変性し、それがdsRNAピークの作製を引き起こすことが観察された(図9A)。加熱により、ssRNA試料について明白なピークが生じた(図9B)。したがって、試料を加熱することによって引き起こされる変性によりdsRNAを特性化することがより困難となるため、本明細書に記載されるアッセイは、試料調製から加熱を除外する。
色素濃度は多様であり、DMSOを使用して、所与の色素タイプについて色素に対するゲルマトリクスの容量比を一定に保った。DNA色素(SYTO(商標)61、PerkinElmer社)は0.58%、1.17%、1.75%、2.34%、及び2.95%の濃度に希釈し、RNA色素(RiboRed、PerkinElmer社)は、11.67%、13.33%、15.00%、16.67%、及び18.33%の濃度に希釈した。これらのパーセンテージは、色素のストックバイアル用に提供した濃度に基づく濃度であり、したがって、パーセンテージは、溶液のモル濃度を示すものではない。実験は、代表的な断片サイズとして機能する各ラダーに関する50bp又はnt断片、及び6%ゲルマトリクスを使用して実施した。試験した濃度では、DNA色素を使用したdsRNAに関して(図10A)、及びRNA色素を使用したssRNAに関して(図10B)、蛍光の増加が観察された。
ssRNAラダーは、6%ゲルを使用して、続いて3%ゲルマトリクス混合物を使用して分析した。ラダーは、3%ゲルよりも6%ゲルでピークのかなり大きな広がりを示し(図11)、これは、6%ゲルを使用したかなり遅い泳動に部分的に起因し得る。また、両方のゲルパーセンテージを用いてdsRNAラダーを評価し、同様の結果が得られたが、ssRNAラダー中に存在する1,000nt等のより大きな断片が存在しないため、dsRNAラダーについて分離における変化はあまり明らかにはならなかった(データは示していない)。
dsRNA及びssRNAラダーを、マイクロ流体電気泳動チッププラットフォームを使用して分析し、エレクトロフェログラムを得た(図12A)。2つのエレクトロフェログラム間になんらかの差が存在するかどうかを決定するために、本発明者等は、2つのタイプの分子間の泳動時間(図12B)と、移動度(図12C)との間に有意差が見られるかどうかを評価した(Table 1(表1))。しかしながら、泳動時間及び移動度における有意差は観察されなかった(図12B~図12C)。
(実施例4)
dsRNA及びssRNA断片を標識するためのDNA及びRNA色素の使用
dsRNAと、dsDNAとの間の構造、及びdsRNAと、ssRNAとの間の塩基における重複に起因して、本発明者等は、本発明者等の分子の可視化のためにDNA色素及びRNA色素の両方を研究した。実験で使用したDNA色素及びRNA色素は、それぞれSYTO(商標)61及びRiboRedであった。それを行うために、DNA色素を含有するゲルマトリクスをロードしたチップにおいてdsRNA及びssRNAラダーを分析し、次にRNA色素を含有するゲルマトリクスをロードした同じチップにおいて同じ試料を分析する新たな実験を行った。先の結果と同様に、本発明者等は、ssRNAピークの全体的な蛍光がdsRNAピークの全体的な蛍光よりも高いことに気付いたが、それよりも興味深いことに、本発明者等は、ラダーが色素に応答する方法が互いに反対であること気付いた。dsRNAラダー断片は一般に、両方の色素で標識した場合、ssRNAラダー断片よりも低い蛍光度をもたらした一方で、本発明者等は、下記の傾向に気付いた:DNA色素に曝露されたdsRNAは、RNA色素に曝露されたdsRNAよりも良好に標識されたのに対して、ssRNAは、RNA色素でより良好に標識された(図13A~図13F、Table 2(表2)~Table 3(表3))。以下で論述されるように、応答におけるこの差は、両方のタイプの核酸分子の全体的な構造の差及び各々のフルオロフォアがそれらのコンフォメーション内でどのように適合し得るかに起因し得る。
DNA色素を使用して得られた面積を、RNA色素を使用した面積と比較すると、平均して、dsRNAラダーでは56%の面積の減少が見られたのに対して、ssRNAラダーでは118%の面積の増加が見られた。興味深いことに、各断片サイズに関してピーク面積及びピーク高さの両方において同じ傾向が観察された一方で、分析した5個のssRNA断片のうち3個については、ピーク高さは統計的な差を示さないことに注目した。標準偏差は、ピーク高さの場合ではより高かった一方で、DNA色素を用いた場合に得られたピーク高さを、RNA色素を用いた場合に得られたピーク高さと比較した場合のピーク高さにおける変化は、同様の値を示した;dsRNAラダーについては57%減少、またssRNAラダーについては96%増加。このことは、両方のパラメーターが一致している一方で、平均してより小さなエラーバーを示すピーク面積は、種々の色素及び条件の影響を評価する場合の指標として使用することができることを示唆している。
(実施例5)
長dsRNA及びmRNA断片を使用したアッセイ性能
より短いdsRNA(500bp未満)及びssRNA断片(1,000nt未満)を使用して成された見解が、長断片(4,001bp又はnt)にも適用可能であるかどうかを評価するために、本発明者等は、それぞれSYTO(商標)61及びRiboRedであるDNA色素及びRNA色素を使用して、長dsRNA及び長mRNA分子を分析した。これらの分子は、配列における差(例えば、電荷、可撓性)によって引き起こされ得るいかなる影響も低減させるために、同じ配列を有するように特注した。興味深いことに、図12Cは、より短いssRNA及びdsRNA断片の移動度において有意差が見られないことを示唆している一方で、図14A~図14Cは、長dsRNAと、mRNA分子との間で移動度において有意差が見られることを示唆している。この差は、分子の長さ又はssRNAに代わるmRNAの使用に起因し得る。また、同様の濃度を有するdsRNA及びmRNAにもかかわらず、より短い断片を使用して実施された実験と同様に、それらは曲線下面積において有意差を示すことがわかった。ここで、dsRNAは2.60ng/μLの濃度で分析したのに対して、mRNAは5.90/μLの濃度で使用した。しかしながら、2つの間の濃度の変化に相当する面積における、2.3倍の増加を示すのに代わって、平均して、mRNA試料の面積はdsRNA試料の面積の9.6倍大きかった。したがって、本発明者等は、この不釣り合いな変化の背後にあるメカニズムをより深く理解するために、各分子タイプが別個のタイプの色素にどのように応答するかを評価した。
カスタム長dsRNA及びmRNAを、両方の色素タイプを使用して分析した(図15A~図15C、Table 4(表4)~Table 5(表5))場合、本発明者等は、dsRNA及びmRNAがどのように応答するかにおいて差を観察した。dsRNAはDNA色素を用いた場合により効果的に標識されるのに対して、mRNAはRNA色素を用いた場合により効果的に標識されることが全体的な傾向であった。長dsRNA断片の場合、3回の独立した反復全て(それぞれ2回~3回の反復を伴う)において、曲線下面積(図15B)及びピーク高さ(図15C)は、RNA色素を使用した場合よりもDNA色素を使用した場合に大きかった。しかしながら、面積における差の3/3が統計的に異なっていた一方で、ピーク高さの2/3のみが統計的に異なっていた。長mRNA断片の場合、各反復の平均値は、RNA色素を使用した場合により大きな曲線下面積(図15E)及びピーク高さ(図5F)を示したが、面積差の2/3のみが統計的に異なり、ピーク高さの1/3のみが統計的に異なっていた。このことは、先の見解と同様に、曲線下面積が、より狭いエラーバーの存在に部分的に起因して、応答における差のより良好な指標のようであることを示唆している。長dsRNA断片の場合、DNA色素を用いた場合に得られた値を、RNA色素を用いた場合に得られた値と比較した場合、面積では64%の減少が見られた一方で、ピーク高さでは76%の減少が見られた。長mRNA断片の場合、面積では74%の増加が見られた一方で、ピーク高さでは150%の増加が見られた。
次に、mRNAワクチン中のdsRNAを検出するための現実的なシナリオをより良好にシミュレートするために、本発明者等は、dsRNA及びmRNA試料を混合し、図16A~図16E及びTable 6(表6)~Table 7(表7)に見られるように、両方の色素タイプの存在下でそれらの個々の応答を評価した。三重反復のナノドロップの読み取りに基づいて、dsRNAは2.60ng/μLの濃度で使用したのに対して、mRNAは5.90/μLの濃度で使用した。短核酸断片を用いた実験と同様に、dsRNAはDNA色素でより良好に標識されたのに対して、mRNAはRNA色素でより良好に標識された。試料を個々に分析した場合とは対照的に、試料を一緒に分析した場合、DNA色素を用いた場合に得られた値を、RNA色素を用いた場合に得られた値と比較すると、dsRNA面積は84%減少し、ピーク高さは87%減少した。mRNA試料の場合、面積は74%の増加を示した一方で、ピーク高さでは54%の増加が見られた。興味深いことに、dsRNA試料における変化は、試料を混合した場合に更に強調されたが、mRNA試料における変化はそれほど明確ではなかった。しかしながら、試料を個々に分析した場合と比較した試料を混合した場合の変化における差にかかわらず、2個の色素間の統計的な差は、試料を混合した場合により大きかった。dsRNAの場合、今回も面積の3/3及びピーク高さの2/3が統計的に異なっていた一方で、mRNA試料の場合、以前は面積の2/3及びピーク高さの1/3のみが統計的な差を示していたのに対して、面積の3/3及びピーク高さの3/3が統計的に異なっていた。
この研究で使用されたDNA及びRNA色素の正確な結合方法は不明であるが、本発明者等のデータは、DNA及びRNA色素が核酸を染色する場合に幾らかの選択性を示すことが可能であることを示唆している。理論に拘束されることを望まないが、異なる核酸に対する色素の観察された選択性は、色素及び核酸の異なるサイズに起因し得る。例えば、RNA色素はより大きいサイズを有する可能性があり、それがdsRNA間の溝又は空間に効果的に適合するのを不可能にさせる。dsRNA試料に対するRNA色素の優先度が低いという証拠は、DNA色素の優先度と比較した場合にdsRNA試料の標識面積における劇的な減少により認められ得る。同様に、DNA色素は、それがssRNA及びmRNA分子に効果的に適合及び標識するには小さすぎる特性を示し得る。例えば、dsRNAはA型ヘリックスを有することが知られており、およそ2.8Åの塩基対1つ当たりの長さの増加及びおよそ1.2nmの半径を有しており、事実上B型ヘリックスを有するdsDNAよりもおよそ20%短く、また幅広くさせている[25]。DNAの間隔と比較した場合、dsRNAの塩基対及び溝内のより短く、またより幅広い間隔は、ssRNAラダーにおけるほとんどの断片が、DNA色素を用いた実験の初期段階においてdsRNA断片よりも明るく蛍光を発したという観察を説明し得る。DNA色素が、溝結合又はインターカレーションを通じてdsDNAに結合するように創出された場合、DNA色素はdsRNAを効果的に結合するには大きすぎる可能性があり、むしろDNA色素はssRNAにおけるより大きな空間に適合し得る。
(実施例6)
ピーク面積を使用した場合のmRNA試料中のdsRNA混入物の検出
この実施例は、それぞれRiboRed及びSYTO(商標)61であるRNA及びDNA色素の存在下で生じたピーク面積を使用した分子のタイプの同定について記載している。本発明者等は、一部の実験ではピーク高さ間、更にはピーク面積間に統計的な差が見られなかったことを考慮して、ピークをもたらしている分子のタイプを決定するための分類指標を開発した。mRNA、ssRNA及びdsRNAが種々の色素分子に曝露された場合に観察された挙動に基づいて、本発明者等は、分子のタイプが下記の関係に基づいて同定することができると判断した。
である場合、ピークをもたらす分子はdsRNAである。
である場合、ピークをもたらす分子はmRNA(又はssRNA)である。
3回の独立した実行全て(Table 8(表8))にわたって、dsRNAのピーク比は1未満であったのに対して、mRNAのピーク比は、1を上回っていた。この場合、各分子タイプについて、二重反復又は三重反復のいずれかで分析された試料の3/3が同定基準を満たした。興味深いことに、純粋な形態及び混合形態の両方におけるmRNAピークによって得られた比は、値が近かった(純粋試料に関して1.68、及び混合試料に関して1.77)のに対して、dsRNAによって得られた比はかなり異なっていた(その純粋型で0.40、及び混合されている場合で0.15)。この差は、dsRNAのピークと重複する試料の分解に部分的に起因する可能性が高い。例えば、図16Aでは、mRNAピークの左側にベースラインの増加が見られ、これは、dsRNAピークと重複する試料分解に起因する可能性が高い。dsRNA及びmRNAのピークは重複しているが、依然として識別可能である。例えば、3回の独立した実行を平均すると、dsRNA試料と、mRNA試料との間で得られた値間に統計的な差が見られ(図17A~図17B)、したがって、2個のタイプの分子の比間の差は、それらが単一試料中に混合された場合に決定され得る。更に、これらの実験において使用されたdsRNA断片は、mRNA断片と同じ長さを有していた。このことは、mRNAワクチン試料中に見出され得るより短いdsRNA断片が、より速く泳動し、mRNAピークと更に少なく重複することを意味する。
(実施例7)
mRNA試料中のdsRNA混入物の検出
この実施例は、本明細書に記載される方法を使用したmRNA試料中のdsRNA混入物の検出について記載している。試料濃度に対する面積の直線性は、それぞれSYTO(商標)61及びRiboRedであるDNA及びRNA色素を使用して、両方のタイプの分子について評価した(図8A~図8B)。試料は全て、面積と、濃度との間にほぼ直線関係を示した一方で、dsRNA及びmRNAの両方について、RNA色素は両方の分子について0.75の最も低いR2値をもたらし、DNA色素はそれぞれ0.93及び0.84の値で最も高い値をもたらすことが見出された。また、両分子タイプについて、最良適合の線の傾きは、色素、具体的にはdsRNAの場合はDNA色素及びmRNAの場合はRNA色素に応じて最も高いことがわかった。両方の色素によって各分子に関して得られた最適結合の線に関する方程式に基づいて(図8A~図8B)、dsRNAの線は、dsRNA濃度が-0.34ng/μLである場合に収束するのに対して、mRNAの線は、mRNA濃度が0.38ng/μLである場合に収束する。
図8A~図8B及び図9A~図9Bの各試料によって得られた面積を使用して、観察することができる最小濃度を決定することによって、検出限界(L.O.D.)を算出した。これは、使用された濃度を、得られた面積で割ることによって行われた。dsRNAについては、使用された面積は、それらがより小さかったため、RNA色素を使用した面積であり、mRNAについては、使用した面積は、それらがより小さかったため、DNA色素を使用した面積であった。結果は、dsRNAに関するL.O.D.が17.7~76.6pg/μLであるのに対し、mRNAのL.O.D.は1.79~2.83pg/μLであることを示唆した。L.O.D.における差は、色素にかかわらず、ssRNA分子及びmRNAがともにより大きい面積をもたらしたことを示す先の実験と一致している。
更に、濃度が増加するにつれ、面積がより大きくなる傾向にある一方で、チップを詰まらせること又は影響を及ぼすことなく使用することができるmRNAの最大濃度は、12.99ng/μLであると決定されたことに注目することが重要である。本発明者等は17.7~76.6pg/μL程度と低い濃度のdsRNAを検出することができることを考慮すると、本発明者等が12.99ng/μLのmRNAをロードする場合、本発明者等は、総mRNA濃度と比較して0.14~0.59%程度と低いパーセンテージで存在する混入物を検出することが可能であるはずである。ワクチン中に存在するdsRNAの実際のパーセンテージは完全に定量化及び特性化されていないため、低レベルの混入物を検出することが可能な低いL.O.Dを有するシステムを有することが非常に重要である。
mRNAワクチンの合成及び精製中、mRNA濃度は定期的に管理されるが、製造業者は、試料中に存在するdsRNA混入物の正確なパーセンテージをあまり管理していない。したがって、本発明者等は、本明細書に記載される方法の、総mRNA濃度に対して様々な濃度のdsRNA混入物を検出する能力を評価した。図19Aに示したように、dsRNA濃度にかかわらず、dsRNAピークによって得られた色素比と、mRNAピークの色素比との間に、等しい統計的有意性の差が見られた。更に、図19Bに示したように、濃度にかかわらず、種々の濃度でのdsRNAピークによって、及びdsRNA濃度が変更された場合の等しい濃度でのmRNAピークによって得られた比間に、統計的な差は見られなかった。これらの結果により、各ピークによって得られた面積は多様であるが、本明細書に記載される方法は頑強であり、試料中のmRNAの濃度に対するdsRNAの濃度にかかわらず、dsRNA混入物を検出するのに有用であり得ることが示唆されている。
参考文献
[1] C. M. C. Rodrigues and S. A. Plotkin, "Impact of Vaccines; Health, Economic and Social Perspectives," Front Microbiol, vol. 11, p. 1526, Jul. 2020.
[2] J. A. Wolff et al., "Direct gene transfer into mouse muscle in vivo," Science, vol. 247, no. 4949 Pt 1, pp. 1465-1468, 1990.
[3] A. Wadhwa, A. Aljabbari, A. Lokras, C. Foged, and A. Thakur, "Opportunities and Challenges in the Delivery of mRNA-Based Vaccines," Pharmaceutics, vol. 12, no. 2, Feb. 2020.
[4] N. Pardi, M. J. Hogan, F. W. Porter, and D. Weissman, "mRNA vaccines - a new era in vaccinology," Nature Reviews Drug Discovery 2018 17:4, vol. 17, no. 4, pp. 261-279, Jan. 2018.
[5] S. S. Rosa, D. M. F. Prazeres, A. M. Azevedo, and M. P. C. Marques, "mRNA vaccines manufacturing: Challenges and bottlenecks," Vaccine, vol. 39, no. 16, p. 2190, Apr. 2021.
[6] N. Pardi, M. J. Hogan, and D. Weissman, "Recent advances in mRNA vaccine technology," Curr Opin Immunol, vol. 65, pp. 14-20, Aug. 2020.
[7] X. Hou, T. Zaks, R. Langer, and Y. Dong, "Lipid nanoparticles for mRNA delivery," Nature Reviews Materials 2021 6:12, vol. 6, no. 12, pp. 1078-1094, Aug. 2021.
[8] M. Z. Wu, H. Asahara, G. Tzertzinis, and B. Roy, "Synthesis of low immunogenicity RNA with high-temperature in vitro transcription," RNA, vol. 26, no. 3, pp. 345-360, 2020.
[9] C. de Haro, R. Mendez, and J. Santoyo, "The eIF-2alpha kinases and the control of protein synthesis," FASEB J, vol. 10, no. 12, pp. 1378-1387, Oct. 1996.
[10] A. K. Minnaert et al., "Strategies for controlling the innate immune activity of conventional and self-amplifying mRNA therapeutics: Getting the message across," Adv Drug Deliv Rev, vol. 176, p. 113900, Sep. 2021.
[11] N. McGarry et al., "Double stranded RNA drives innate immune responses, sickness behavior and cognitive impairment dependent on dsRNA length, IFNAR1 expression and age.," bioRxiv, Jan. 2021.
[12] N. McGarry et al., "Double stranded RNA drives anti-viral innate immune responses, sickness behavior and cognitive dysfunction dependent on dsRNA length, IFNAR1 expression and age," Brain Behav Immun, vol. 95, p. 413, Jul. 2021.
[13] R. Martins, J. A. Queiroz, and F. Sousa, "Ribonucleic acid purification," J Chromatogr A, vol. 1355, pp. 1-14, Aug. 2014.
[14] K. Kariko, H. Muramatsu, J. Ludwig, and D. Weissman, "Generating the optimal mRNA for therapy: HPLC purification eliminates immune activation and improves translation of nucleoside-modified, protein-encoding mRNA," Nucleic Acids Res, vol. 39, no. 21, pp. e142-e142, Nov. 2011.
[15] M. Baiersdorfer et al., "A Facile Method for the Removal of dsRNA Contaminant from In Vitro-Transcribed mRNA," Mol Ther Nucleic Acids, vol. 15, pp. 26-35, Apr. 2019.
[16] Cristina Poveda, A. B. Biter, M. E. Bottazzi, and U. Strych, "Establishing Preferred Product Characterization for the Evaluation of RNA Vaccine Antigens," Vaccines 2019, Vol. 7, Page 131, vol. 7, no. 4, p. 131, Sep. 2019.
[17] K.-N. Son, Z. Liang, and H. L. Lipton, "Double-Stranded RNA Is Detected by Immunofluorescence Analysis in RNA and DNA Virus Infections, Including Those by Negative-Stranded RNA Viruses," J Virol, vol. 89, no. 18, p. 9383, Sep. 2015.
[18] C. J. Gabriel, "Detection of double-stranded RNA by immunoblot electrophoresis," J Virol Methods, vol. 13, no. 4, pp. 279-283, 1986.
[19] T. Kartali et al., "Detection and molecular characterization of novel dsrna viruses related to the totiviridae family in Umbelopsis ramanniana," Front Cell Infect Microbiol, vol. 9, no. JUL, p. 249, 2019.
[20] G. M. Whitesides, "The origins and the future of microfluidics," Nature 2006 442:7101, vol. 442, no. 7101, pp. 368-373, Jul. 2006.
[21] E. K. Sackmann, A. L. Fulton, and D. J. Beebe, "The present and future role of microfluidics in biomedical research," Nature 2014 507:7491, vol. 507, no. 7491, pp. 181-189, Mar. 2014.
[22] E. K. Sackmann, A. L. Fulton, and D. J. Beebe, "The present and future role of microfluidics in biomedical research," Nature 2014 507:7491, vol. 507, no. 7491, pp. 181-189, Mar. 2014.
[23] G. M. Whitesides, "The origins and the future of microfluidics," Nature 2006 442:7101, vol. 442, no. 7101, pp. 368-373, Jul. 2006.
[24] Q. Yao et al., "Differentiating RNA from DNA by a molecular fluorescent probe based on the 'door-bolt' mechanism biomaterials," Biomaterials, vol. 177, pp. 78-87, Sep. 2018.
[25] J. Lipferta et al., "Double-stranded RNA under force and torque: Similarities to and striking differences from double-stranded DNA," Proc Natl Acad Sci U S A, vol. 111, no. 43, pp. 15408-15413, Oct. 2014.
他の実施形態
本発明がその詳細な説明と併せて記載されているが、先述の説明は、併記の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲を例示するものであり、それを限定するものではないと意図されることが理解されよう。他の態様、利点、及び修正は、併記の請求の範囲内にある。

Claims (36)

  1. キャピラリー電気泳動によって二本鎖リボ核酸(dsRNA)を一本鎖リボ核酸(ssRNA)から分離及び検出する方法であって、
    ポリマー溶液並びにdsRNA及びssRNAを含む試料を、第1のキャピラリーチャネルに導入する工程であって、前記ポリマー溶液が前記試料の前に導入され、前記ポリマー溶液又は前記試料がインターカレーティング剤を含む、工程と、
    前記試料の一部を、前記第1のキャピラリーチャネルと交差し、流動的に接続されている第2のキャピラリーチャネルに注入する工程と、
    前記第2のキャピラリーチャネルの長さにわたって電圧勾配を印加して、dsRNAを前記試料の前記一部の第1のセグメントに分離し、ssRNAを前記試料の前記一部の第2のセグメントに分離する工程と、
    前記第1のセグメント及び前記第2のセグメント中のインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、前記第1のセグメント中の前記インターカレーティング剤の量が、前記試料中のdsRNAの量を示し、前記第2のセグメント中の前記インターカレーティング剤の量が、前記試料中のssRNAの量を示す、工程
    とを含む、方法。
  2. 前記インターカレーティング剤が蛍光性であり、前記インターカレーティング剤の量を検出する工程が、蛍光シグナルを検出する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリマー溶液中又は前記試料中の前記インターカレーティング剤の濃度が、0.01mM~0.2mMである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記インターカレーティング剤が、SYTO(商標)色素、Ribo色素、SYBR色素、臭化エチジウム、アクリジンオレンジ、ヨウ化プロピジウム、7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、シアニン色素、Alexa Fluor色素、BODIPY色素、及びそれらの組合せからなる群から選択される請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ポリマー溶液中の前記ポリマーの濃度が、0.01%~20%(w/v)である、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ポリマーが、1Kd~5,000Kdの分子量を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ポリマーが、アクリル酸、カルボン酸、スルホン酸、リン酸モノマー、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、及び4-ビニル安息香酸からなる群から選択されるモノマーから形成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ポリマーがアクリルポリマーである、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記アクリルポリマーが、ポリアクリルアミドポリマー、ポリメチルアクリルアミドポリマー、ポリジメチルアクリルアミドポリマー、及びポリジメチルアクリルアミド-コ-アクリル酸ポリマーからなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記ポリマーが、0.01%~2%の正味電荷を含み、前記正味電荷が、前記キャピラリーチャネルの少なくとも1つの表面と同じ電荷である、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記ポリマーが、負に帯電したモノマーサブユニットを含み、前記キャピラリーチャネルの前記少なくとも1つの表面が、負の表面電荷を有する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記負に帯電したモノマーサブユニットが、アクリル酸、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、4-ビニル安息香酸、スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、4-スチレンスルホン酸、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルジメチル-3-メタクリルアミドプロピルアンモニウム分子内塩、3-スルホプロピルメタクリレート、ビニルスルホン酸、ビス(2-メタクリルオキシエチル)ホスフェート、及びモノアクリルオキシエチルホスフェートからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ポリマーが、正に帯電したモノマーサブユニットを含み、前記キャピラリーチャネルの前記少なくとも1つの表面が、正の表面電荷を有する、請求項10に記載の方法。
  14. 前記正に帯電したモノマーサブユニットが、2-アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、及び3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記試料中のdsRNAの濃度が、1pg/μL~100pg/μLである、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記試料中のssRNAの濃度が、1pg/μL~100pg/μLである、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記試料の前記一部を、前記キャピラリーチャネルから前記第2のキャピラリーチャネルに注入する工程が、前記キャピラリーチャネルを通じて電圧差を印加して、前記試料の前記一部を、前記キャピラリーチャネルから前記第2のキャピラリーチャネルに電気運動的に移動させる工程を含む、請求項1から16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 更なるポリマー溶液及び前記試料を、前記第1のキャピラリーチャネルに導入する工程であって、前記更なるポリマー溶液が、前記試料の前に導入され、前記更なるポリマー溶液又は前記試料が、更なるインターカレーティング剤を含む、工程と、
    前記試料の一部を、前記第1のキャピラリーチャネルと交差し、流動的に接続されている前記第2のキャピラリーチャネルに注入する工程と、
    前記第2のキャピラリーチャネルの長さにわたって第2の電圧勾配を印加して、dsRNAを前記試料の前記一部の更なる第1のセグメントに分離し、ssRNAを前記試料の前記一部の更なる第2のセグメントに分離する工程と、
    前記更なる第1のセグメント及び前記更なる第2のセグメント中の更なるインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、前記更なる第1のセグメント中の前記更なるインターカレーティング剤の量が、前記試料中のdsRNAの量を示し、前記更なる第2のセグメント中の前記更なるインターカレーティング剤の量が、前記試料中のssRNAの量を示す、工程
    とを更に含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 1つ又は複数の工程が、マイクロ流体デバイス中で実施される、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
  20. マイクロ流体デバイスにおいて二本鎖リボ核酸(dsRNA)を一本鎖リボ核酸(ssRNA)から分離及び検出する方法であって、
    表面を有する基板;
    前記基板に配置された分析チャネル;
    前記基板に配置され、交差部で前記分析チャネルと交差する試料ローディングチャネル
    を含むマイクロ流体デバイスを供給する工程と、
    ポリマー溶液並びにdsRNA及びssRNAを含む試料を、前記ローディングチャネルに導入する工程であって、前記ポリマー溶液が、前記試料の前に導入され、前記ポリマー溶液又は前記試料が、インターカレーティング剤を含む、工程と、
    前記試料の一部を、前記分析チャネルに注入する工程と、
    前記分析チャネルの長さにわたって電圧勾配を印加して、dsRNAを前記試料の前記一部の第1のセグメントに分離し、ssRNAを前記試料の前記一部の第2のセグメントに分離する工程と、
    前記第1のセグメント及び前記第2のセグメント中のインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、前記第1のセグメント中の前記インターカレーティング剤の量が、前記試料中のdsRNAの量を示し、前記第2のセグメント中の前記インターカレーティング剤の量が、前記試料中のssRNAの量を示す、工程
    とを含む、方法。
  21. 前記インターカレーティング剤が蛍光性であり、前記検出する工程が、蛍光シグナルを検出する工程を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記試料中の前記インターカレーティング剤の濃度が、0.01mM~0.2mMである、請求項20又は21に記載の方法。
  23. 前記インターカレーティング剤が、SYTO(商標)色素、Ribo色素、SYBR色素、臭化エチジウム、アクリジンオレンジ、ヨウ化プロピジウム、7-アミノアクチノマイシンD(7-AAD)、4',6-ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI)、シアニン色素、Alexa Fluor色素、BODIPY色素、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項20から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記試料中の前記ポリマーの濃度が、0.01%~20%(w/v)である、請求項20から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記ポリマーが、1Kd~5,000Kdの分子量を有する、請求項20から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記ポリマーが、アクリル酸、カルボン酸、スルホン酸、リン酸モノマー、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、及び4-ビニル安息香酸からなる群から選択されるモノマーから形成される、請求項20から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 前記ポリマーがアクリルポリマーである、請求項20から26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記アクリルポリマーが、ポリアクリルアミドポリマー、ポリメチルアクリルアミドポリマー、ポリジメチルアクリルアミドポリマー、及びポリジメチルアクリルアミド-コ-アクリル酸ポリマーからなる群から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記ポリマーが、0.01%~2%の正味電荷を含み、前記正味電荷が、分離チャネルの少なくとも1つの表面と同じ電荷である、請求項20から28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記ポリマーが、負に帯電したモノマーサブユニットを含み、前記分離チャネルの前記少なくとも1つの表面が、負の表面電荷を有する、請求項29に記載の方法。
  31. 前記負に帯電したモノマーサブユニットが、アクリル酸、ビスアクリルアミド酢酸、4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、3-ブテン-1,2,3-トリカルボン酸、2-カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、メタクリル酸、4-ビニル安息香酸、スルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸、2-メチル-2-プロペン-1-スルホン酸、2-プロペン-1-スルホン酸、4-スチレンスルホン酸、2-スルホエチルメタクリレート、3-スルホプロピルジメチル-3-メタクリルアミドプロピルアンモニウム分子内塩、3-スルホプロピルメタクリレート、ビニルスルホン酸、ビス(2-メタクリルオキシエチル)ホスフェート、及びモノアクリルオキシエチルホスフェートからなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ポリマーが、正に帯電したモノマーサブユニットを含み、前記分離チャネルの前記少なくとも1つの表面が、正の表面電荷を有する、請求項29に記載の方法。
  33. 前記正に帯電したモノマーサブユニットが、2-アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、2-メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド、及び3-メタクリルオキシ-2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. 前記試料中のdsRNAの濃度が、1pg/μL~100pg/μLである、請求項20から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記試料中のssRNAの濃度が、1pg/μL~100pg/μLである、請求項20から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 更なるポリマー溶液及び前記試料を、前記第1のキャピラリーチャネルに導入する工程であって、前記更なるポリマー溶液が、前記試料の前に導入され、前記更なるポリマー溶液又は前記試料が、更なるインターカレーティング剤を含む、工程と、
    前記試料の一部を、前記第1のキャピラリーチャネルと交差し、流動的に接続されている前記第2のキャピラリーチャネルに注入する工程と、
    前記第2のキャピラリーチャネルの長さにわたって第2の電圧勾配を印加して、dsRNAを前記試料の前記一部の更なる第1のセグメントに分離し、ssRNAを前記試料の前記一部の更なる第2のセグメントに分離する工程と、
    前記更なる第1のセグメント及び前記更なる第2のセグメント中の更なるインターカレーティング剤の量を検出する工程であって、前記更なる第1のセグメント中の前記更なるインターカレーティング剤の量が、前記試料中のdsRNAの量を示し、前記更なる第2のセグメント中の前記更なるインターカレーティング剤の量が、前記試料中のssRNAの量を示す、工程
    とを更に含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
JP2024550738A 2022-02-28 2023-02-28 二本鎖及び一本鎖リボ核酸(rna)を分離並びに検出する方法 Pending JP2025508886A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US202263314936P 2022-02-28 2022-02-28
US63/314,936 2022-02-28
PCT/US2023/014035 WO2023164258A1 (en) 2022-02-28 2023-02-28 Methods for separating and detecting double-stranded and single-stranded ribonucleic acid (rna)

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2025508886A true JP2025508886A (ja) 2025-04-10

Family

ID=87766699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2024550738A Pending JP2025508886A (ja) 2022-02-28 2023-02-28 二本鎖及び一本鎖リボ核酸(rna)を分離並びに検出する方法

Country Status (7)

Country Link
US (1) US20230279471A1 (ja)
EP (1) EP4486508A4 (ja)
JP (1) JP2025508886A (ja)
KR (1) KR20240158271A (ja)
CN (1) CN118785975A (ja)
AU (1) AU2023225791A1 (ja)
WO (1) WO2023164258A1 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5264101A (en) * 1989-11-06 1993-11-23 Applied Biosystems, Inc. Capillary electrophoresis molecular weight separation of biomolecules using a polymer-containing solution
US5948227A (en) * 1997-12-17 1999-09-07 Caliper Technologies Corp. Methods and systems for performing electrophoretic molecular separations
CN105452486B (zh) * 2014-01-10 2020-10-27 生物辐射实验室股份有限公司 用于差分检测的嵌入染料
HUE059314T2 (hu) * 2016-04-22 2022-11-28 BioNTech SE Módszerek egyszálú RNS elõállítására

Also Published As

Publication number Publication date
CN118785975A (zh) 2024-10-15
EP4486508A4 (en) 2025-06-11
US20230279471A1 (en) 2023-09-07
KR20240158271A (ko) 2024-11-04
WO2023164258A1 (en) 2023-08-31
AU2023225791A1 (en) 2024-09-05
EP4486508A1 (en) 2025-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102405830B1 (ko) 일체형 분자 진단 장치
CN110462053A (zh) 使用基于水凝胶的液滴进行单细胞基因组测序
EP3207163B1 (en) Apparatuses, methods and systems for automated processing of nucleic acids and electrophoretic sample preparation
US9753007B1 (en) Isotachophoretic focusing of nucleic acids
EP3214164B1 (en) Microfluidic device for detecting target gene, method for manufacturing same, and method for detecting using same
JP7449269B2 (ja) 酵素利用ナノテクノロジーを用いた、モジュール方式の視覚的な核酸検出
Egatz-Gomez et al. Future microfluidic and nanofluidic modular platforms for nucleic acid liquid biopsy in precision medicine
CN114269943B (zh) 用于核酸的大小选择性富集的方法、组合物和试剂盒
JP2002537781A (ja) 固定化捕捉プローブを有する生化学的精製装置およびその使用
JP2016510218A5 (ja)
WO2012109574A2 (en) Assay methods using dna binding proteins
KR20170008131A (ko) 나노입자를 이용한 핵산 검출용 키트 및 핵산 검출 방법
De Peña et al. A microfluidic electrophoretic dual dynamic staining method for the identification and relative quantitation of dsRNA contaminants in mRNA vaccines
US20240254549A1 (en) Partitioning cells for high throughput single-cell sequencing
JP2007525224A (ja) 核酸複合体
Sheng et al. Isolating single stranded DNA using a microfluidic dialysis device
JP2025508886A (ja) 二本鎖及び一本鎖リボ核酸(rna)を分離並びに検出する方法
JP3997203B2 (ja) 電気泳動用バッファー
Shih et al. Simultaneous separation of five major ribonucleic acids by capillary electrophoresis with laser-induced fluorescence in the presence of electroosmotic flow: Application to the rapid screening of 5S rRNA from ovarian cancer cells
Xie et al. Nanostructural morphology master-regulated the cell capture efficiency of multivalent aptamers
JP6714251B2 (ja) 極微量核酸の増幅方法
ES2348724T3 (es) Mertodos y composiciones para analizar mutaciones en acidos nucleicos y sus utilizaciones en el diagnostico de enfermedades geneticas y canceres.
WO2023187591A1 (en) Capillary electrophoresis methods for the simultaneous separation of nucleic acids of varying lengths
McCord et al. The application of capillary electrophoresis in the analysis of PCR products used in forensic DNA typing
AU2023374887A1 (en) Methods and kits for isolating target nucleic acids below a target size from a sample