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JP2558262B2 - 人工関節固定材料 - Google Patents

人工関節固定材料

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JP2558262B2
JP2558262B2 JP61260731A JP26073186A JP2558262B2 JP 2558262 B2 JP2558262 B2 JP 2558262B2 JP 61260731 A JP61260731 A JP 61260731A JP 26073186 A JP26073186 A JP 26073186A JP 2558262 B2 JP2558262 B2 JP 2558262B2
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Japan
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artificial joint
calcium
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artificial
molar ratio
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茂栄 ▲高▼木
隆司 奥
啓二郎 茂
勉 宍倉
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、整形外科分野などで使用される人工関節を
骨と固着させるために用いる人工関節固定材料に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来より、人工関節の生体固着法として、例えば、
(1)骨セメントを用いる方法と、(2)骨セメントを
用いない方法(セメントレス法)とが知られている。こ
のうち、上記(1)の方法は、用いられる骨セメントが
自己重合性のメチルメタクリレート系セメントであった
ため、重合時の発熱により周囲組織を壊死させたり、ま
た若干量の未反応モノマが生体内で溶け出して生体組織
を害し、発熱、人工関節の緩み、あるいは余病の併発な
どを生ずることがあり、人工関節の再手術が必要になる
など満足できるものではなかった。一方、上記(2)の
方法では、人工関節が直接骨と接しているため、新生骨
の形成によって人工関節が骨と十分に固着するまでの相
当期間は体重免荷の状態にしておかねばならず、手術後
早期より荷重歩行ができない等の問題点があった。
〔発明が解決しようとする課題〕
そこで、本発明の技術的課題は、人工関節として用い
られる生体用金属材、セラミックス材などと骨との接着
性が良く、かつ生体組織に害を及ぼすことのない人工関
節固定材料を提供する点にある。
〔課題を解決するための手段〕
上記技術的課題の解決のため、本発明の人工関節固定
材料は、カルシウムとリンのモル比が1.60〜1.70の範囲
にあるリン酸カルシウム化合物を1550℃以上の高温で脱
水熱分解させ、粉砕することにより得られたα型リン酸
三カルシウム[α−Ca3(PO4]とリン酸四カルシウ
ム[Ca4O(PO4]とがモル比で2対0.8〜1.2の混合
割合である粉体と、生理食塩水、血液、リンゲル液、人
工血漿、またはこれらを水で薄めた液、あるいはコラー
ゲン繊維を水に分散させた液の中から選ばれた少なくと
も1種を含んでなるものである。
(発明の具体的説明) 本発明に使用されるα型リン酸三カルシウム[α−Ca
3(PO4]とリン酸四カルシウム[Ca4O(PO4
との混合物からなる粉体は、リン酸カルシウム化合物例
えばヒドロキシアパタイトを、大気中、又は窒素もしく
はアルゴン等の不活性ガス雰囲気中で1550℃以上の高温
で脱水熱分解させ、この分解生成物を粉砕することによ
り得ることができる。
ここで用いられるヒドロキシアパタイトは、例えば、
水酸化カルシウムのスラリにリン酸液を滴下して反応熟
成させ、これをろ過洗浄後に乾燥する、いわゆる湿式法
で合成することができる。
また、本発明ではα型リン酸三カルシウムとリン酸四
カルシウムの混合割合は、モル比で2対0.8〜1.2、好ま
しくは2対1の範囲である。これはこの範囲での反応性
が高く、混合粉体に生理食塩水、血液、リンゲル液等を
加えて水和反応させた時にヒドロキシアパタイトを完全
に生成し硬化させることができると共に、生体への適応
性に優れるためである。
上記混合割合からなるα型リン酸三カルシウムとリン
酸四カルシウムの混合物は、カルシウムとリンのモル比
が1.60〜1.70の範囲にあるリン酸カルシウム化合物を15
50℃以上の高温で脱水熱分解することによって得られ、
特に、1.66〜1.68の範囲にあるときに、α型リン酸三カ
ルシウムとリン酸四カルシウムの混合割合が2対1とな
る。
処理温度が1550℃以上の高温で脱水熱分解させること
により、リン酸カルシウム化合物の未分解物が残ること
なく、完全に、α型リン酸三カルシウムとリン酸四カル
シウムに分解させることができる。
仮に、カルシウムとリンのモル比が1.60より小さい
と、熱分解した時にα型リン酸三カルシウムの割合が多
くなって、上記2対0.8〜1.2の範囲を逸脱し、水和反応
後の硬化体はカルシウム欠損型のアパタイトとなってし
まう。
また、上記モル比が1.70より大きいと、熱分解物中に
酸化カルシウムが含まれることとなり、人工関節固定材
料として使用する際に、酸化カルシウムの刺激が強く炎
症反応を起こす原因となる。
本発明のα型リン酸三カルシウムとリン酸四カルシウ
ムの混合粉体は、上記モル比のリン酸カルシウム化合物
を脱水熱分解後、粉砕機を用いて粉砕し、特に、88μm
以下の粒径に粒度調整することが望ましい。
そして、このようにして得られたα型リン酸三カルシ
ウムとリン酸四カルシウムの混合粉体に、生理食塩水、
血液、リンゲル液、人工血漿、又はこれらを水で薄めた
液、あるいはコラーゲン繊維を水に分散させた液の中か
ら選ばれた少なくとも1種を添加し、練和して骨髄腔内
に充填した後に、人工関節を挿入し、水和反応させるこ
とにより硬化させ、人工関節を骨に固定する。
上記水和反用の添加液は、いずれも生体適応性がよ
く、生体への害もなく安全性が高いものである。人工血
漿としてはポリビニルピロリドンが好ましく、増粘硬化
を有するためにねっとりとして骨に付き易く、作業性が
向上する。また、コラーゲン繊維は特に骨の形成能力を
高める効果を有する。
これら添加液は1種もしくは2種以上が用いられ、粉
体100重量部に対して20〜100重量部、好ましくは30〜70
重量部が加えられる。添加液が20重量部より少ないと混
練が十分にされず、また100重量部より多いと硬化に際
して余分な水が多くなるので好ましくない。
本発明の人工関節固定材料は、例えば、以下のように
して使用することができる。人工股関節置換手術におい
て、骨髄腔内を掻爬したのち、その腔部に本発明の粉体
と、例えば生理食塩水の混練物を十分に充填し、次に人
工股関節のステム部を挿入し、このステム部を人工関節
固定材料の水和反応によって固定することができる。
以上のように、α型リン酸三カルシウムとリン酸四カ
ルシウムの混合物は、例えば、リン酸カルシウム化合物
であるヒドロキシアパタイトを出発原料とし、これを15
50℃以上の高温で脱水熱分解することで得ることができ
るが、再び水和反応することによって可逆的にカルシウ
ムとリンのモル比が同一であるヒドロキシアパタイトが
得られる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
実施例1 公知の湿式法により、水酸化カルシウムスラリにリン
酸液を滴下して、カルシウムとリンのモル比が1.66のリ
ン酸カルシウムゲルを合成した。これをろ過、洗浄後
に、その一部を採取し、電気炉で110℃、1時間乾燥し
たのち、X線回折によりすべてヒドロキシアパタイトで
あることを確認した。即ち、未反応の遊離石灰もしくは
反応分解したβ型リン酸カルシウムは含まれていない。
次に、このヒドロキシアパタイト粉を大気中で1550
℃、10時間、脱水熱分解させ、α型リン酸三カルシウム
[α−Ca3(PO4]とリン酸四カルシウム[Ca4O(PO
4]の混合物を得た。
第1図に、得られたα型リン酸三カルシウムとリン酸
四カルシウムのX線回折パターンを示す。
次に、この混合物を小形ポットミルで粉砕し、粒径88
μm以下に粒度調整して本発明の人工関節固定材料の粉
体を得た。
実施例2 実施例1で製造した粉体100gに、生理食塩水60gを添
加し、ビーカー内で混練したのち、1cm×1cm×10cmの型
枠に流し込み、強度試験用の試料を作成した。37℃で養
成し、1日後、7日後の曲げ強さ(JIS R1601「ファイ
ンセラミックスの曲げ強さ試験方法」による)は、それ
ぞれ90Kgf/cm2、130Kgf/cm2であった。また、同様の混
練物を、37℃の生理食塩水内に入れ、硬化実験を行った
ところ、1日で硬化し、X線回折で確認すると、リン酸
四カルシウムが一部残存しているものの、ほとんどヒド
ロキシアパタイトに変化し、硬化していた。
第2図に生成物のX線回折パターンを示す。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の人工関節固定材料は、カ
ルシウムとリンのモル比が1.60〜1.70の範囲にあるリン
酸カルシウム化合物を1550℃以上の高温で脱水熱分解さ
せ粉砕することにより得られたα型リン酸三カルシウム
[α−Ca3(PO4]とリン酸四カルシウム[Ca4O(PO
4]とが、モル比で2対0.8〜1.2の割合で混合され
た粉体に、生理食塩水、患者の血液、およびリンゲル液
等を添加したものであるから、水和反応性を有し、容易
に水和反応して硬化する。
水和反応させて得られた硬化体は、カルシウム欠損を
生じることがなく、また生体内で炎症反応を起こすよう
なこともない、生体親和性の良好なヒドロキシアパタイ
トを生成する。
ヒドロキシアパタイトを生成できるため、硬化した材
料が生体内では周辺の骨組織に害を及ぼすことがなく、
人工関節を安全かつ確実に固着させることができる。
人工関節を安全かつ確実に固着させる自己硬化性材料
であるため、自然骨に人工関節を早く固着させ、手術後
における荷重歩行が早期に開始できるようになり、患者
の負担を軽減させることができる。
このため、混合粉体が添加液中の水と水和反応して硬
化する自己硬化性を有すると共に水和反応して生体親和
性の良好なヒドロキシアパタイトを生成させるため、人
工関節を容易かつ確実に固定でき、作業性が良く、利便
性に富み、かつ、生体への適応性に優れた固定材料を提
供することができる。
そして、上記α型リン酸三カルシウムとリン酸四カル
シウムとの混合物は、カルシウムとリンとのモル比が1.
60〜1.70の範囲にあるリン酸カルシウム化合物を温度が
1550℃以上の高温で脱水熱分解させ、粉砕して、製造し
たことによって、完全に、α型リン酸三カルシウムとリ
ン酸四カルシウムとの混合物に分解でき、生理食塩水、
患者の血液あるいはリンゲル液等を添加して水和反応さ
せると、生体親和性の良好なヒドロキシアパタイトに転
換させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の人工関節固定材料に使用するα型リン
酸三カルシウム[α−Ca3(PO4]とリン酸四カルシ
ウム[Ca4O(PO4]の混合物のX線回析図、第2図
は本発明の人工関節固定材料の硬化1日後のX線回析図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−142857(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウムとリンのモル比が1.60〜1.70の
    範囲にあるリン酸カルシウム化合物を1550℃以上の高温
    で脱水熱分解させ、粉砕することにより得られたα型リ
    ン酸三カルシウム[α−Ca3(PO4]とリン酸四カル
    シウム[Ca4O(PO4]とがモル比で2対0.8〜1.2の
    混合割合である粉体と、生理食塩水、血液、リンゲル
    液、人工血漿、またはこれらを水で薄めた液、あるいは
    コラーゲン繊維を水に分散させた液の中から選ばれた少
    なくとも1種を含んでなる人工関節固定材料。
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