JP2590316B2 - 表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
表面被覆超硬合金製切削工具Info
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- JP2590316B2 JP2590316B2 JP11407886A JP11407886A JP2590316B2 JP 2590316 B2 JP2590316 B2 JP 2590316B2 JP 11407886 A JP11407886 A JP 11407886A JP 11407886 A JP11407886 A JP 11407886A JP 2590316 B2 JP2590316 B2 JP 2590316B2
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- Japan
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- cemented carbide
- cutting
- cutting tool
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、基体の表面に、きわめて硬質な被覆層を
形成することによって耐摩耗性の著しい向上をはかった
表面被覆超硬合金製切削工具に関するものである。
形成することによって耐摩耗性の著しい向上をはかった
表面被覆超硬合金製切削工具に関するものである。
一般に、炭化タングステン(以下WCで示す)基超硬合
金基体の表面に、炭化チタン(以下TiCで示す)、窒化
チタン(以下TiNで示す)、および炭窒化チタン(以下T
iCNで示す)のうちの1種の単層または2種以上の複層
からなる硬質被覆層を形成してなる表面被覆超硬合金製
切削工具が広く実用に供されている。
金基体の表面に、炭化チタン(以下TiCで示す)、窒化
チタン(以下TiNで示す)、および炭窒化チタン(以下T
iCNで示す)のうちの1種の単層または2種以上の複層
からなる硬質被覆層を形成してなる表面被覆超硬合金製
切削工具が広く実用に供されている。
しかし、上記の従来表面被覆超硬合金製切削工具にお
いては、これを構成する硬質被覆層が、TiCでビッカー
ス硬さ(Hv):3000、TiNでHv:2500、さらにTiCNでHv:27
00の比較的低い硬さしかもたないものであるため、実用
に際しては満足な耐摩耗性を示さず、比較的短時間で使
用寿命に至るものであった。
いては、これを構成する硬質被覆層が、TiCでビッカー
ス硬さ(Hv):3000、TiNでHv:2500、さらにTiCNでHv:27
00の比較的低い硬さしかもたないものであるため、実用
に際しては満足な耐摩耗性を示さず、比較的短時間で使
用寿命に至るものであった。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、より
硬質な被覆層を開発すべく研究を行なった結果、WC基超
硬合金基体の表面に、TiとZrとHfの3成分複合炭化物、
3成分複合窒化物、および3成分複合炭窒化物(以下、
それぞれ、(Ti,Zr,Hf)C,(Ti,Zr,Hf)N、および(T
i,Zr,Hf)CNで示す)のうちの1種の単層または2種以
上の複層からなる被覆層を形成してやると、この被覆層
は、(Ti,Zr,Hf)CでHv:3400以上、(Ti,Zr,Hf)NでH
v:2900以上、(Ti,Zr,Hf)CNでHv:3200以上の著しく高
い硬さをもつことから、この結果の表面被覆超硬合金製
切削工具は、すぐれた耐摩耗性を示すようになり、長期
に亘ってすぐれた切削性能を発揮するという知見を得た
のである。
硬質な被覆層を開発すべく研究を行なった結果、WC基超
硬合金基体の表面に、TiとZrとHfの3成分複合炭化物、
3成分複合窒化物、および3成分複合炭窒化物(以下、
それぞれ、(Ti,Zr,Hf)C,(Ti,Zr,Hf)N、および(T
i,Zr,Hf)CNで示す)のうちの1種の単層または2種以
上の複層からなる被覆層を形成してやると、この被覆層
は、(Ti,Zr,Hf)CでHv:3400以上、(Ti,Zr,Hf)NでH
v:2900以上、(Ti,Zr,Hf)CNでHv:3200以上の著しく高
い硬さをもつことから、この結果の表面被覆超硬合金製
切削工具は、すぐれた耐摩耗性を示すようになり、長期
に亘ってすぐれた切削性能を発揮するという知見を得た
のである。
この発明は、上記知見にもとづいてなされたものであ
って、WC基超硬合金で構成された基体の表面に、(Ti,Z
r,Hf)C、(Ti,Zr,Hf)N、および(Ti,Zr,Hf)CNのう
ちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬質被覆
層を0.5〜10μmの層厚で形成してなる耐摩耗性のすぐ
れた表面被覆超硬合金製切削工具に特徴を有するもので
ある。
って、WC基超硬合金で構成された基体の表面に、(Ti,Z
r,Hf)C、(Ti,Zr,Hf)N、および(Ti,Zr,Hf)CNのう
ちの1種の単層または2種以上の複層からなる硬質被覆
層を0.5〜10μmの層厚で形成してなる耐摩耗性のすぐ
れた表面被覆超硬合金製切削工具に特徴を有するもので
ある。
なお、この発明の表面被覆超硬合金製切削工具におい
て、硬質被覆層の層厚を0.5〜10μmと限定したのは、
その層厚が0.5μm未満では所望の耐摩耗性向上効果が
得られず、一方その層厚が10μmを越えると耐摩耗性が
劣化するようになるとい理由にもとづくものである。
て、硬質被覆層の層厚を0.5〜10μmと限定したのは、
その層厚が0.5μm未満では所望の耐摩耗性向上効果が
得られず、一方その層厚が10μmを越えると耐摩耗性が
劣化するようになるとい理由にもとづくものである。
つぎに、この発明の表面被覆超硬合金製切削工具を実
施例により具体的に説明する。
施例により具体的に説明する。
実施例1 基体として、重量%で、WC-8%CO-8%TiC-9%TaCから
なる組成を有するWC基超硬合金で構成され、かつJIS・S
NG432に即した形状を有する切削チップを用意し、この
基体を公知のイオンプレーティング装置内に装入し、ま
たこの装置内に置かれたるつぼにはTiとZrとHfの固溶体
を入れ、この状態でまず装置内の真空度を5×10-3mmHg
の雰囲気として、基体に−1000Vの電荷をかけて、これ
を十分に洗浄し、加熱した後、Arを脱気し、代りにN2お
よびC2H2(アセチレン)のうちのいずれか一方、あるい
は両方を200cc/minの割合で流して、前記基体の表面
に、それぞれ第1表に示される組成並びに層厚の単層ま
たは複層からなる硬質被覆層を形成することによって、
本発明表面被覆超硬合金製切削工具(以下、本発明被覆
切削チップという)1〜7をそれぞれ製造した。
なる組成を有するWC基超硬合金で構成され、かつJIS・S
NG432に即した形状を有する切削チップを用意し、この
基体を公知のイオンプレーティング装置内に装入し、ま
たこの装置内に置かれたるつぼにはTiとZrとHfの固溶体
を入れ、この状態でまず装置内の真空度を5×10-3mmHg
の雰囲気として、基体に−1000Vの電荷をかけて、これ
を十分に洗浄し、加熱した後、Arを脱気し、代りにN2お
よびC2H2(アセチレン)のうちのいずれか一方、あるい
は両方を200cc/minの割合で流して、前記基体の表面
に、それぞれ第1表に示される組成並びに層厚の単層ま
たは複層からなる硬質被覆層を形成することによって、
本発明表面被覆超硬合金製切削工具(以下、本発明被覆
切削チップという)1〜7をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、イオンプレーティング装置のる
つぼ内に装入されるTiとZrとHfの固溶体に代って、Tiを
装入する以外は同様な操作条件で、同じく第1表に示さ
れる組成並びに層厚の単層または複層からなる硬質被覆
層を形成することによって、従来表面被覆超硬合金製切
削工具(以下、従来被覆切削チップという)1〜5をそ
れぞれ製造した。
つぼ内に装入されるTiとZrとHfの固溶体に代って、Tiを
装入する以外は同様な操作条件で、同じく第1表に示さ
れる組成並びに層厚の単層または複層からなる硬質被覆
層を形成することによって、従来表面被覆超硬合金製切
削工具(以下、従来被覆切削チップという)1〜5をそ
れぞれ製造した。
ついで、これらの被覆切削チップについて、硬質被覆
層の硬さ(ビッカース硬さ)を測定すると共に、 被削材:SNCM439(硬さ:HB250)の丸棒、 切削速度:170m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2/mm 切削時間:20min.、 の条件での鋼の連続切削試験、並びに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB300)の角材、 切削速度:150m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:3mm、 切削時間:3min.、 の条件での鋼の断続切削試験を行ない、前者の連続切削
試験では、切刃の逃げ面摩耗幅とすくい面摩耗深さを測
定し、また後者の断続切削試験では10個の切刃のうちの
欠損発生切刃数を測定した。これらの測定結果を第2表
に示した。
層の硬さ(ビッカース硬さ)を測定すると共に、 被削材:SNCM439(硬さ:HB250)の丸棒、 切削速度:170m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:2/mm 切削時間:20min.、 の条件での鋼の連続切削試験、並びに、 被削材:SNCM439(硬さ:HB300)の角材、 切削速度:150m/min.、 送り:0.3mm/rev.、 切込み:3mm、 切削時間:3min.、 の条件での鋼の断続切削試験を行ない、前者の連続切削
試験では、切刃の逃げ面摩耗幅とすくい面摩耗深さを測
定し、また後者の断続切削試験では10個の切刃のうちの
欠損発生切刃数を測定した。これらの測定結果を第2表
に示した。
第1,2表に示される結果から、本発明被覆切削チップ
1〜7においては、いずれも硬質被覆層が従来被覆切削
チップ1〜5のそれに比して著しく高い硬さをもってい
るので、連続切削では従来被覆切削チップ1〜5に比し
てすぐれた耐摩 耗性を示すことが明らかであり、また本発明被覆切削チ
ップ1〜7は、いずれも硬質被覆層の形成にもかかわら
ず、断続切削では従来被覆切削チップ1〜5と同等のす
ぐれた耐衝撃性を示すのである。
1〜7においては、いずれも硬質被覆層が従来被覆切削
チップ1〜5のそれに比して著しく高い硬さをもってい
るので、連続切削では従来被覆切削チップ1〜5に比し
てすぐれた耐摩 耗性を示すことが明らかであり、また本発明被覆切削チ
ップ1〜7は、いずれも硬質被覆層の形成にもかかわら
ず、断続切削では従来被覆切削チップ1〜5と同等のす
ぐれた耐衝撃性を示すのである。
上述のように、この発明の表面被覆超硬合金製切削工
具は、その表面が従来硬質被覆層に比して一段と高い硬
さをもった硬質被覆層で被覆されているので、実用に際
してすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切
削性能を発揮するのである。
具は、その表面が従来硬質被覆層に比して一段と高い硬
さをもった硬質被覆層で被覆されているので、実用に際
してすぐれた耐摩耗性を示し、長期に亘ってすぐれた切
削性能を発揮するのである。
Claims (1)
- 【請求項1】炭化タングステン基超硬合金基体の表面
に、TiとZrとHfの3成分複合炭化物、3成分複合窒化
物、および3成分複合炭窒化物のうちの1種の単層また
は2種以上の複層からなる硬質被覆層を、0.5〜10μm
の層厚で形成してなる耐摩耗性のすぐれた表面被覆超硬
合金製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11407886A JP2590316B2 (ja) | 1986-05-19 | 1986-05-19 | 表面被覆超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11407886A JP2590316B2 (ja) | 1986-05-19 | 1986-05-19 | 表面被覆超硬合金製切削工具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62270764A JPS62270764A (ja) | 1987-11-25 |
| JP2590316B2 true JP2590316B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=14628503
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11407886A Expired - Fee Related JP2590316B2 (ja) | 1986-05-19 | 1986-05-19 | 表面被覆超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2590316B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5075181A (en) * | 1989-05-05 | 1991-12-24 | Kennametal Inc. | High hardness/high compressive stress multilayer coated tool |
| US5232318A (en) * | 1990-09-17 | 1993-08-03 | Kennametal Inc. | Coated cutting tools |
| US5250367A (en) * | 1990-09-17 | 1993-10-05 | Kennametal Inc. | Binder enriched CVD and PVD coated cutting tool |
| ATE168606T1 (de) * | 1990-09-17 | 1998-08-15 | Kennametal Inc | Cvd- und pvd-beschichtete schneidwerkzeuge |
| US5266388A (en) * | 1990-09-17 | 1993-11-30 | Kennametal Inc. | Binder enriched coated cutting tool |
| US5325747A (en) * | 1990-09-17 | 1994-07-05 | Kennametal Inc. | Method of machining using coated cutting tools |
| JP2016128196A (ja) * | 2015-01-09 | 2016-07-14 | 三菱マテリアル株式会社 | 硬質皮膜を被覆した着座シート |
-
1986
- 1986-05-19 JP JP11407886A patent/JP2590316B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62270764A (ja) | 1987-11-25 |
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Legal Events
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|---|---|---|---|
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