JP2670046B2 - 光電子装置 - Google Patents
光電子装置Info
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- JP2670046B2 JP2670046B2 JP62090874A JP9087487A JP2670046B2 JP 2670046 B2 JP2670046 B2 JP 2670046B2 JP 62090874 A JP62090874 A JP 62090874A JP 9087487 A JP9087487 A JP 9087487A JP 2670046 B2 JP2670046 B2 JP 2670046B2
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- JP
- Japan
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- semiconductor laser
- self
- laser device
- active layer
- optoelectronic device
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01S—DEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
- H01S5/00—Semiconductor lasers
- H01S5/06—Arrangements for controlling the laser output parameters, e.g. by operating on the active medium
- H01S5/065—Mode locking; Mode suppression; Mode selection ; Self pulsating
- H01S5/0658—Self-pulsating
Landscapes
- Optical Head (AREA)
- Semiconductor Lasers (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は半導体レーザ素子、特に、戻り光による雑音
を低減できる半導体レーザ素子を組み込んだ光電子装置
に関する。 〔従来の技術〕 半導体レーザは、光ファイバ通信を中心にした通信分
野、あるいは光ディスクファイル,ディジタルオーディ
オディスク,ビデオディスク,レーザビームプリンタ等
を中心とする情報端末分野等に使用されている。前者
は、発振波長が1.3μm,1.5μmの長波長帯レーザダイオ
ード(LD)であり、後者は発振波長が0.78μm,0.83μm
の可視・赤外帯レーザダイオードである。 ところで、コパクトディスク(CD)やビデオディスク
(VD)、特にVDにおいては、組み込む半導体レーザにお
ける低雑音化は重要である。レーザダイオードの戻り光
ノイズによるS/Nが劣化すると、ビデオディスクにあっ
ては画質が劣化する。 レーザ光の戻り光による雑音を許容値以下に抑えた半
導体レーザとしては、たとえば、日経マグロウヒル社発
行「日経エレクトロニクス」1983年10月10日号、P173〜
P193に記載されたものがある。 この文献には、屈折率導波型の単一モードで発振する
半導体レーザの駆動電流(直流バイアス電流)に、1GHz
前後の高周波電流を重畳して、多モード発振させること
によって、戻り光による雑音を許容値に抑える技術が開
示されている。また、この文献には、共振周波数付近で
自励発振(パルセーション)を起こさせることができる
旨記載されている。また、このパルセーションを生じて
いる素子では、上記の高周波重畳方式のレーザと同じ
く、比較的低雑音で戻り光に対して安定な特性が得られ
ていることも記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記のように、パルセーションが生じている素子では
比較的低雑音で戻り光に対して安定な特性が得られる。
本出願人にあっては、コンパクトディスクやビデオディ
スク用光源として、自励発振する半導体レーザ素子を開
発しているが、このような半導体レーザ素子において、
より一層の特性の安定化を図ることが要請されている。 本発明の目的は、戻り光による雑音の発生が起き難い
光電子装置を提供することにある。 本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴
は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになる
であろう。 〔問題点を解決するための手段〕 本願において開示される発明のうち代表的なものの概
要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。 すなわち、本発明の光電子装置は、半導体レーザ素子
から発光されたレーザ光をディスク面に照射する構造と
なっている。また、この半導体レーザ素子は自励発振す
るが、その活性層には自励発振周波数を高くするように
Mgが添加されている。また、この半導体レーザ素子の自
励発振周波数と、前記ディスク面までの光路長(外部共
振器)の往復周期の逆数とが一致した構造となってい
る。 〔作用〕 上記のように、本発明の光電子装置は、半導体レーザ
素子の自励発振周波数と外部共振器の光往復周期の逆数
が一致する構造となっているため、両者の相乗効果によ
って自励発振は増大され、縦モードはより深いパルセー
ションとなり、戻り光との干渉性は低くなるため、戻り
光による雑音の発生が抑止される。 〔実施例〕 以下図面を参照して本発明の一実施例について説明す
る。 第1図は本発明の一実施例に用いる半導体レーザ素子
の要部を示す断面図、第2図は同じく光電子装置の要部
を示す模式図、第3図はシングル縦モードを示すグラ
フ、第4図はマルチ縦モードを示すグラフ、第5図はパ
ルセーション縦モードを示すグラフ、第6図は本発明に
よるMgをドープした半導体レーザ素子とドープしない半
導体レーザ素子の自励発振周波数特性を示すグラフであ
る。 この実施例による半導体レーザ素子は、第1図に示さ
れるようなp−CSP(p−channe−led−substrate−pla
nar)構造となっている。この半導体レーザ素子は、p
形のGaAsからなる基板1を有している。また、この基板
1の主面にはn形GaAsからなる電流狭窄層2が設けられ
ている。この電流狭窄層2はその中央をストライプ状の
溝3で区画されている。この溝3は、下層の基板1に迄
入り込むように形成されている。なお、この溝3は、前
記基板1の主面全域にMOCVDによってn形GaAs層を形成
した後、部分的エッチングによって形成される。 一方、前記電流狭窄層2および露出する基板1上には
p形GaAlAsからなるp形クラッド層4と、このp形クラ
ッド層4の上面に形成されたGaAlAsからなる活性層5
と、この活性層5の上面に形成されたn形GaAlAsからな
るn形クラッド層6と、このn形クラッド層6の上面に
形成されたn形GaAsからなるキヤップ層7とが、液層エ
ピタキシャル成長によって形成されている。また、前記
キヤップ層7上にはカソード電極8が設けられていると
ともに、基板1の裏面にはアノード電極9が設けられて
いる。 この半導体レーザ素子10にあっては、前記電流狭窄層
2が電流の流れる領域を狭窄している。また、この半導
体レーザ素子10は、前記p形クラッド層4の厚さと活性
層5の厚さを変えることによって、屈折率導波の度合を
変えることができる。これにより、縦モードを、第3図
に示されるような単一モード11から、第4図に示される
ようなマルチモード12に変えることができる。したがっ
て、自励発振(パルセーション)は、シングルとマルチ
の間で発生することから、前記p形クラッド層4および
活性層5の厚さを選択することによって、第5図に示さ
れるようなパルセーション(自励発振)13を起こす半導
体レーザ素子とすることができる。このパルセーション
を起こす半導体レーザ素子の縦モードは、第5図に示さ
れるように、スペクトルの一本一本の幅が太く、発振す
るレーザ光の干渉性が弱い。したがって、戻り光雑音に
対しては、通常のマルチモード半導体レーザよりも有利
である。 ここで、半導体レーザ素子10の各部の寸法について説
明する。前記基板1の厚さは、たとえば、100μm、電
流狭窄層2の厚さは0.8μm、溝3の幅は3〜5μmで
深さは1.2μmに形成されている。また、前記p形クラ
ッド層4はパルセーションが発生するように、0.35μm
と厚く形成されている。前記活性層5はパルセーション
が起きるように0.07μmと極めて薄い。また、この活性
層5にはパルセーション周波数を高くさせるために、不
純物としてMg(マグネシウム)が1×1018cm-3程度添加
(ドープ)されている。前記n形クラッド層6の厚さは
2μm、キヤップ層7の厚さは1μm程度に形成されて
いる。 このような半導体レーザ素子10は、光電子装置の光源
として機器に組み込まれる。たとえば、半導体レーザ素
子10は第2図に示されるように、コンパクトディスクの
ピックアップ部に組み込まれる。第2図は説明のための
便宜的な図である。半導体レーザ素子10から発光された
レーザ光14は、カップリングレンズ15,回析格子16を通
ってハーフプリズム17に進む。また、ハーフプリズム17
を通ったレーザ光14は、直角プリズム18で方向を変えら
れ(同図では直線となっている。)、対物レンズ19で絞
られて光スポット20となり、ディスク21面上に焦点を結
ぶようになっている。また、対物レンズ19は2次元アク
チュエータ22によって制御される。なお、前記半導体レ
ーザ素子10からディスク21に至る距離Lが光路長、すな
わち外部共振器となる。 一方、前記ハーフプリズム17は、センサレンズ23およ
び光検出器24が光学的に接続されている。そして、この
光検出器24では、前記ディスク21面で反射した反射光25
が検出される。前記光検出器24は図示はしないが、中央
に4分割フォトダイオードが配されている。この4分割
フォトダイオードで信号読み取りと、シリンドリカルレ
ンズとの組み合わせによって焦点ずれが検出される。ま
た、この4分割フォトダイオードの両側には別の素子が
配設されていて、この両側の素子と回析格子との組み合
わせによって、その出力の差を取ることにより、トラッ
クずれ検出が行われるようになっている。 ところで、このようなコンパクトディスクプレーヤ
(光電子装置)において、前記半導体レーザ素子10の自
励発振周波数f0は、コンパクトディスクプレーヤのシス
テムの光路長(外部共振器長)Lの往復周期の逆数fext
と一致するように構成されている。 なお、自励発振周波数f0およびレーザ光の外部共振器
往復周期の逆数fextについては、次の関係式が成り立
つ。 ここで、dg/dn:微分利得 g:利得 n:キャリア濃度 Lc:キャビティ長 c:光速 L:外部共振器長である。 半導体レーザは、外部共振器の往復周期の逆数fextに
相当する周波数によって被変調を受ける。この周波数が
自励発振周波数f0と一致、または近接している場合に
は、両者の相乗効果により、半導体レーザの自励発振は
深くなり、縦モードはより深いパルセーションとなっ
て、干渉性は低下し低ノイズとなる。しかし、fextが自
励発振周波数f0と離れていると、上記の効果は生じな
い。f0をfextと一致させるためには、半導体レーザ活性
層にMg等の不純物を適量ドープすると効果がある。前記
(1)式において、不純物濃度(キャリア濃度)を上げ
ると、微分利得dg/dnが上昇しf0が増大する。したがっ
て、キャリア濃度を適当に選択すれば、f0とfextを一致
あるいは近接させることができる。 第6図のグラフは、縦軸に変調度mの平方根を、横軸
に自励発振周波数を取ったグラフである。このグラフに
おいて、白丸は活性層にMgをドープしないもの、黒丸は
活性層にMgを1×10-18cm-3ドープしたものを示す。こ
のグラフは、非ドープ品、Mgドープ品を出力3mWとし、
アバランシェ・フォトダイオードと、高周波スペクトラ
ム・アナライザを用いて、自励発振周波数と変調の深さ
を測定して得たものである。同グラフに示したように、
Mgドープと非ドープでは、傾向が明確に分かれた。同一
の変調度では、Mgドープの方が自励発振周波数が高い。 なお、活性層に添加する不純物は他のものでも良い。
また、この不純物の添加は以下の経緯により採用され
た。すなわち、実装評価系で雑音評価データが積み上が
るにつれ、同一縦モード形状でも雑音特性がさらに良好
な素子群があることがわかってきた。これらの素子は、
ロット依存性をもち、p形クラッド層のZnの濃度が高い
ロットに集中する傾向が認められた。これはp形クラッ
ド層のZnが活性層に拡散したことによるのではないかと
考え、意識的に活性層に不純物を高濃度ドープしたサン
プルを作成し、評価してみた。この結果、同グラフに示
されるように、予想通りの結果を得た。ただし、不純物
はn形クラッド層への拡散のおそれが少ないMgとした。
この場合、Mgの濃度は結晶性に悪影響を与えない程度の
1×1018cm-3とした。 このような実施例によれば、つぎのような効果が得ら
れる。 本発明によれば、半導体レーザの自励発振周波数と、
外部共振器の往復周期の逆数を一致させるようにするこ
とによって、戻り光ノイズの少ない光電子装置を提供す
ることができるという効果が得られる。 更に、本発明によれば、戻り光に対して安定して動作
する信頼度の高い光電子装置を提供することができると
いう相乗効果が得られる。 以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。 以上の説明では主として本発明者によってなされた発
明をその背景となった利用分野であるコンパクト・ディ
スク・プレーヤに適用した場合について説明したが、そ
れに限定されるものではない。 〔発明の効果〕 本願において開示される発明のうち代表的なものによ
って得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。 すなわち、本発明の光電子装置は、半導体レーザ素子
の自励発振周波数と外部共振器の光往復周期の逆数が一
致する構造となっているため、両者の相乗効果によって
自励発振は増大され、縦モードはより深いパルセーショ
ンとなり、戻り光との干渉性は低くなるため、戻り光に
よる雑音の発生が抑止される。また、半導体レーザ素子
は、活性層にMgが添加されていることから自励発振周波
数が増大されるため、戻り光との干渉性が低下し、低雑
音化が達成できる。
を低減できる半導体レーザ素子を組み込んだ光電子装置
に関する。 〔従来の技術〕 半導体レーザは、光ファイバ通信を中心にした通信分
野、あるいは光ディスクファイル,ディジタルオーディ
オディスク,ビデオディスク,レーザビームプリンタ等
を中心とする情報端末分野等に使用されている。前者
は、発振波長が1.3μm,1.5μmの長波長帯レーザダイオ
ード(LD)であり、後者は発振波長が0.78μm,0.83μm
の可視・赤外帯レーザダイオードである。 ところで、コパクトディスク(CD)やビデオディスク
(VD)、特にVDにおいては、組み込む半導体レーザにお
ける低雑音化は重要である。レーザダイオードの戻り光
ノイズによるS/Nが劣化すると、ビデオディスクにあっ
ては画質が劣化する。 レーザ光の戻り光による雑音を許容値以下に抑えた半
導体レーザとしては、たとえば、日経マグロウヒル社発
行「日経エレクトロニクス」1983年10月10日号、P173〜
P193に記載されたものがある。 この文献には、屈折率導波型の単一モードで発振する
半導体レーザの駆動電流(直流バイアス電流)に、1GHz
前後の高周波電流を重畳して、多モード発振させること
によって、戻り光による雑音を許容値に抑える技術が開
示されている。また、この文献には、共振周波数付近で
自励発振(パルセーション)を起こさせることができる
旨記載されている。また、このパルセーションを生じて
いる素子では、上記の高周波重畳方式のレーザと同じ
く、比較的低雑音で戻り光に対して安定な特性が得られ
ていることも記載されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記のように、パルセーションが生じている素子では
比較的低雑音で戻り光に対して安定な特性が得られる。
本出願人にあっては、コンパクトディスクやビデオディ
スク用光源として、自励発振する半導体レーザ素子を開
発しているが、このような半導体レーザ素子において、
より一層の特性の安定化を図ることが要請されている。 本発明の目的は、戻り光による雑音の発生が起き難い
光電子装置を提供することにある。 本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴
は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになる
であろう。 〔問題点を解決するための手段〕 本願において開示される発明のうち代表的なものの概
要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。 すなわち、本発明の光電子装置は、半導体レーザ素子
から発光されたレーザ光をディスク面に照射する構造と
なっている。また、この半導体レーザ素子は自励発振す
るが、その活性層には自励発振周波数を高くするように
Mgが添加されている。また、この半導体レーザ素子の自
励発振周波数と、前記ディスク面までの光路長(外部共
振器)の往復周期の逆数とが一致した構造となってい
る。 〔作用〕 上記のように、本発明の光電子装置は、半導体レーザ
素子の自励発振周波数と外部共振器の光往復周期の逆数
が一致する構造となっているため、両者の相乗効果によ
って自励発振は増大され、縦モードはより深いパルセー
ションとなり、戻り光との干渉性は低くなるため、戻り
光による雑音の発生が抑止される。 〔実施例〕 以下図面を参照して本発明の一実施例について説明す
る。 第1図は本発明の一実施例に用いる半導体レーザ素子
の要部を示す断面図、第2図は同じく光電子装置の要部
を示す模式図、第3図はシングル縦モードを示すグラ
フ、第4図はマルチ縦モードを示すグラフ、第5図はパ
ルセーション縦モードを示すグラフ、第6図は本発明に
よるMgをドープした半導体レーザ素子とドープしない半
導体レーザ素子の自励発振周波数特性を示すグラフであ
る。 この実施例による半導体レーザ素子は、第1図に示さ
れるようなp−CSP(p−channe−led−substrate−pla
nar)構造となっている。この半導体レーザ素子は、p
形のGaAsからなる基板1を有している。また、この基板
1の主面にはn形GaAsからなる電流狭窄層2が設けられ
ている。この電流狭窄層2はその中央をストライプ状の
溝3で区画されている。この溝3は、下層の基板1に迄
入り込むように形成されている。なお、この溝3は、前
記基板1の主面全域にMOCVDによってn形GaAs層を形成
した後、部分的エッチングによって形成される。 一方、前記電流狭窄層2および露出する基板1上には
p形GaAlAsからなるp形クラッド層4と、このp形クラ
ッド層4の上面に形成されたGaAlAsからなる活性層5
と、この活性層5の上面に形成されたn形GaAlAsからな
るn形クラッド層6と、このn形クラッド層6の上面に
形成されたn形GaAsからなるキヤップ層7とが、液層エ
ピタキシャル成長によって形成されている。また、前記
キヤップ層7上にはカソード電極8が設けられていると
ともに、基板1の裏面にはアノード電極9が設けられて
いる。 この半導体レーザ素子10にあっては、前記電流狭窄層
2が電流の流れる領域を狭窄している。また、この半導
体レーザ素子10は、前記p形クラッド層4の厚さと活性
層5の厚さを変えることによって、屈折率導波の度合を
変えることができる。これにより、縦モードを、第3図
に示されるような単一モード11から、第4図に示される
ようなマルチモード12に変えることができる。したがっ
て、自励発振(パルセーション)は、シングルとマルチ
の間で発生することから、前記p形クラッド層4および
活性層5の厚さを選択することによって、第5図に示さ
れるようなパルセーション(自励発振)13を起こす半導
体レーザ素子とすることができる。このパルセーション
を起こす半導体レーザ素子の縦モードは、第5図に示さ
れるように、スペクトルの一本一本の幅が太く、発振す
るレーザ光の干渉性が弱い。したがって、戻り光雑音に
対しては、通常のマルチモード半導体レーザよりも有利
である。 ここで、半導体レーザ素子10の各部の寸法について説
明する。前記基板1の厚さは、たとえば、100μm、電
流狭窄層2の厚さは0.8μm、溝3の幅は3〜5μmで
深さは1.2μmに形成されている。また、前記p形クラ
ッド層4はパルセーションが発生するように、0.35μm
と厚く形成されている。前記活性層5はパルセーション
が起きるように0.07μmと極めて薄い。また、この活性
層5にはパルセーション周波数を高くさせるために、不
純物としてMg(マグネシウム)が1×1018cm-3程度添加
(ドープ)されている。前記n形クラッド層6の厚さは
2μm、キヤップ層7の厚さは1μm程度に形成されて
いる。 このような半導体レーザ素子10は、光電子装置の光源
として機器に組み込まれる。たとえば、半導体レーザ素
子10は第2図に示されるように、コンパクトディスクの
ピックアップ部に組み込まれる。第2図は説明のための
便宜的な図である。半導体レーザ素子10から発光された
レーザ光14は、カップリングレンズ15,回析格子16を通
ってハーフプリズム17に進む。また、ハーフプリズム17
を通ったレーザ光14は、直角プリズム18で方向を変えら
れ(同図では直線となっている。)、対物レンズ19で絞
られて光スポット20となり、ディスク21面上に焦点を結
ぶようになっている。また、対物レンズ19は2次元アク
チュエータ22によって制御される。なお、前記半導体レ
ーザ素子10からディスク21に至る距離Lが光路長、すな
わち外部共振器となる。 一方、前記ハーフプリズム17は、センサレンズ23およ
び光検出器24が光学的に接続されている。そして、この
光検出器24では、前記ディスク21面で反射した反射光25
が検出される。前記光検出器24は図示はしないが、中央
に4分割フォトダイオードが配されている。この4分割
フォトダイオードで信号読み取りと、シリンドリカルレ
ンズとの組み合わせによって焦点ずれが検出される。ま
た、この4分割フォトダイオードの両側には別の素子が
配設されていて、この両側の素子と回析格子との組み合
わせによって、その出力の差を取ることにより、トラッ
クずれ検出が行われるようになっている。 ところで、このようなコンパクトディスクプレーヤ
(光電子装置)において、前記半導体レーザ素子10の自
励発振周波数f0は、コンパクトディスクプレーヤのシス
テムの光路長(外部共振器長)Lの往復周期の逆数fext
と一致するように構成されている。 なお、自励発振周波数f0およびレーザ光の外部共振器
往復周期の逆数fextについては、次の関係式が成り立
つ。 ここで、dg/dn:微分利得 g:利得 n:キャリア濃度 Lc:キャビティ長 c:光速 L:外部共振器長である。 半導体レーザは、外部共振器の往復周期の逆数fextに
相当する周波数によって被変調を受ける。この周波数が
自励発振周波数f0と一致、または近接している場合に
は、両者の相乗効果により、半導体レーザの自励発振は
深くなり、縦モードはより深いパルセーションとなっ
て、干渉性は低下し低ノイズとなる。しかし、fextが自
励発振周波数f0と離れていると、上記の効果は生じな
い。f0をfextと一致させるためには、半導体レーザ活性
層にMg等の不純物を適量ドープすると効果がある。前記
(1)式において、不純物濃度(キャリア濃度)を上げ
ると、微分利得dg/dnが上昇しf0が増大する。したがっ
て、キャリア濃度を適当に選択すれば、f0とfextを一致
あるいは近接させることができる。 第6図のグラフは、縦軸に変調度mの平方根を、横軸
に自励発振周波数を取ったグラフである。このグラフに
おいて、白丸は活性層にMgをドープしないもの、黒丸は
活性層にMgを1×10-18cm-3ドープしたものを示す。こ
のグラフは、非ドープ品、Mgドープ品を出力3mWとし、
アバランシェ・フォトダイオードと、高周波スペクトラ
ム・アナライザを用いて、自励発振周波数と変調の深さ
を測定して得たものである。同グラフに示したように、
Mgドープと非ドープでは、傾向が明確に分かれた。同一
の変調度では、Mgドープの方が自励発振周波数が高い。 なお、活性層に添加する不純物は他のものでも良い。
また、この不純物の添加は以下の経緯により採用され
た。すなわち、実装評価系で雑音評価データが積み上が
るにつれ、同一縦モード形状でも雑音特性がさらに良好
な素子群があることがわかってきた。これらの素子は、
ロット依存性をもち、p形クラッド層のZnの濃度が高い
ロットに集中する傾向が認められた。これはp形クラッ
ド層のZnが活性層に拡散したことによるのではないかと
考え、意識的に活性層に不純物を高濃度ドープしたサン
プルを作成し、評価してみた。この結果、同グラフに示
されるように、予想通りの結果を得た。ただし、不純物
はn形クラッド層への拡散のおそれが少ないMgとした。
この場合、Mgの濃度は結晶性に悪影響を与えない程度の
1×1018cm-3とした。 このような実施例によれば、つぎのような効果が得ら
れる。 本発明によれば、半導体レーザの自励発振周波数と、
外部共振器の往復周期の逆数を一致させるようにするこ
とによって、戻り光ノイズの少ない光電子装置を提供す
ることができるという効果が得られる。 更に、本発明によれば、戻り光に対して安定して動作
する信頼度の高い光電子装置を提供することができると
いう相乗効果が得られる。 以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき
具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可
能であることはいうまでもない。 以上の説明では主として本発明者によってなされた発
明をその背景となった利用分野であるコンパクト・ディ
スク・プレーヤに適用した場合について説明したが、そ
れに限定されるものではない。 〔発明の効果〕 本願において開示される発明のうち代表的なものによ
って得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりで
ある。 すなわち、本発明の光電子装置は、半導体レーザ素子
の自励発振周波数と外部共振器の光往復周期の逆数が一
致する構造となっているため、両者の相乗効果によって
自励発振は増大され、縦モードはより深いパルセーショ
ンとなり、戻り光との干渉性は低くなるため、戻り光に
よる雑音の発生が抑止される。また、半導体レーザ素子
は、活性層にMgが添加されていることから自励発振周波
数が増大されるため、戻り光との干渉性が低下し、低雑
音化が達成できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に用いる半導体レーザ素子の
要部を示す断面図、 第2図は同じく光電子装置の要部を示す模式図、 第3図はシングル縦モードを示すグラフ、 第4図はマルチ縦モードを示すグラフ、 第5図はパルセーション縦モードを示すグラフ、 第6図は本発明によるMgをドープした半導体レーザ素子
とドープしない半導体レーザ素子の自励発振周波数特性
を示すグラフである。 1……基板、2……電流狭窄層、3……溝、4……p形
クラッド層、5……活性層、6……n形クラッド層、7
……キヤップ層、8……カソード電極、9……アノード
電極、10……半導体レーザ素子、11……単一モード、12
……マルチモード、13……パルセーション、14……レー
ザ光、15……カップリングレンズ、16……回析格子、17
……ハーフプリズム、18……直角プリズム、19……対物
レンズ、20……光スポット、21……ディスク、22……2
次元アクチュエータ、23……センサレンズ、24……光検
出器、25……反射光。
要部を示す断面図、 第2図は同じく光電子装置の要部を示す模式図、 第3図はシングル縦モードを示すグラフ、 第4図はマルチ縦モードを示すグラフ、 第5図はパルセーション縦モードを示すグラフ、 第6図は本発明によるMgをドープした半導体レーザ素子
とドープしない半導体レーザ素子の自励発振周波数特性
を示すグラフである。 1……基板、2……電流狭窄層、3……溝、4……p形
クラッド層、5……活性層、6……n形クラッド層、7
……キヤップ層、8……カソード電極、9……アノード
電極、10……半導体レーザ素子、11……単一モード、12
……マルチモード、13……パルセーション、14……レー
ザ光、15……カップリングレンズ、16……回析格子、17
……ハーフプリズム、18……直角プリズム、19……対物
レンズ、20……光スポット、21……ディスク、22……2
次元アクチュエータ、23……センサレンズ、24……光検
出器、25……反射光。
─────────────────────────────────────────────────────
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(56)参考文献 特開 昭59−175045(JP,A)
特開 昭63−102385(JP,A)
’62春応物 28a−ZH−9 P.
712
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.発光領域である活性層で自励発振を行なう半導体レ
ーザ素子を組み込んだ光電子装置であって、前記半導体
レーザ素子の自励発振周波数と外部共振器の往復周期の
逆数とが一致していることを特徴とする光電子装置。 2.前記活性層には自励発振周波数を高くする不純物が
添加されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項
記載の光電子装置。 3.前記不純物として1×1018cm-3のMgが添加されてい
ることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載の光電子
装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62090874A JP2670046B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | 光電子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62090874A JP2670046B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | 光電子装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63257286A JPS63257286A (ja) | 1988-10-25 |
| JP2670046B2 true JP2670046B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=14010642
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62090874A Expired - Lifetime JP2670046B2 (ja) | 1987-04-15 | 1987-04-15 | 光電子装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2670046B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6072817A (en) * | 1995-03-31 | 2000-06-06 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Semiconductor laser device and optical disk apparatus using the same |
| WO1996034439A1 (en) * | 1995-04-28 | 1996-10-31 | Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. | Semiconductor laser and optical disk device using the laser |
| US6377597B1 (en) | 1997-03-07 | 2002-04-23 | Sharp Kabushiki Kaisha | Gallium nitride semiconductor light emitting element with active layer having multiplex quantum well structure and semiconductor laser light source device |
| JP3801073B2 (ja) * | 2002-03-11 | 2006-07-26 | 日本電気株式会社 | 外部共振器型波長可変パルス光源 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS63102385A (ja) * | 1986-10-20 | 1988-05-07 | Sanyo Electric Co Ltd | 自励発振型半導体レ−ザの製造方法 |
-
1987
- 1987-04-15 JP JP62090874A patent/JP2670046B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| ’62春応物 28a−ZH−9 P.712 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63257286A (ja) | 1988-10-25 |
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