JP2671557B2 - 薄層クロマトプレートの水平展開方法及び転写方法 - Google Patents
薄層クロマトプレートの水平展開方法及び転写方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はガラスなどの支持プレート上に固定相が展着
された薄層クロマトプレートに試料を展開させる方法
と、そのような薄層クロマトプレートに展開された試料
スポットを赤外分光分析法により分析するのに好都合な
媒体に転写する方法に関するものである。
された薄層クロマトプレートに試料を展開させる方法
と、そのような薄層クロマトプレートに展開された試料
スポットを赤外分光分析法により分析するのに好都合な
媒体に転写する方法に関するものである。
(従来の技術) 薄層クロマトグラフィでは、薄層クロマトプレートの
端部に試料がつけられ、展開溶媒がその端部から他端に
向かって移動することにより試料が面内方向に展開され
て試料スポットが形成される。
端部に試料がつけられ、展開溶媒がその端部から他端に
向かって移動することにより試料が面内方向に展開され
て試料スポットが形成される。
試料を展開させるには、試料がつけられた薄層クロマ
トプレートが、その試料側の端部が展開槽の展開溶媒に
浸されて展開槽内にほぼ垂直方向に立てられる。
トプレートが、その試料側の端部が展開槽の展開溶媒に
浸されて展開槽内にほぼ垂直方向に立てられる。
それに対し、薄層クロマトプレートを水平方向におい
て展開させる方法も試みられている。1つの方法は、固
定相が上向きになるように薄層クロマトプレートが水平
方向に保持され、所定の位置に展開溶媒が滴下させられ
て試料が展開させられる。
て展開させる方法も試みられている。1つの方法は、固
定相が上向きになるように薄層クロマトプレートが水平
方向に保持され、所定の位置に展開溶媒が滴下させられ
て試料が展開させられる。
他の水平展開方法では、固定相が下向きになるように
薄層クロマトプレートが水平方向に支持され、両端部が
ガラス板で挟まれてそのガラス板の下部が展開溶媒に浸
され、展開溶媒が毛細管現象により両端部のガラス板を
つたって固定相に到達し、固定相中を移動して試料を展
開させる。
薄層クロマトプレートが水平方向に支持され、両端部が
ガラス板で挟まれてそのガラス板の下部が展開溶媒に浸
され、展開溶媒が毛細管現象により両端部のガラス板を
つたって固定相に到達し、固定相中を移動して試料を展
開させる。
展開した試料スポットを検出するには光学的手段を用
いるのが一般的であるが、薄層クロマトプレートに展開
された成分をフーリエ変換赤外分光分析法(FTIR)によ
って分析する試みもなされている。FTIRで分析するに
は、展開した試料スポットにそのまま赤外線を絞って照
射し、拡散反射スペクトルを測定する方法(Anal.Chem.
1989,61,615−618参照)、分画部分をかき取って抽出し
た後、KBrやKClの粉末ぺレット上に滴下し、乾燥させた
後にFTIRで測定する方法(Anal.Chem.1987,59,415−418
参照)、薄層クロマトプレートの端部に赤外非吸収物質
の粉末を置いて薄層プレートからその粉末へガラスファ
イバを経て試料スポット成分を転写させる方法(Anal.C
hem.1986,58,2708−2714参照)などが試みられている。
いるのが一般的であるが、薄層クロマトプレートに展開
された成分をフーリエ変換赤外分光分析法(FTIR)によ
って分析する試みもなされている。FTIRで分析するに
は、展開した試料スポットにそのまま赤外線を絞って照
射し、拡散反射スペクトルを測定する方法(Anal.Chem.
1989,61,615−618参照)、分画部分をかき取って抽出し
た後、KBrやKClの粉末ぺレット上に滴下し、乾燥させた
後にFTIRで測定する方法(Anal.Chem.1987,59,415−418
参照)、薄層クロマトプレートの端部に赤外非吸収物質
の粉末を置いて薄層プレートからその粉末へガラスファ
イバを経て試料スポット成分を転写させる方法(Anal.C
hem.1986,58,2708−2714参照)などが試みられている。
(発明が解決しようとする課題) 薄層プレートを水平方向に保持して試料を展開させる
のに、展開溶媒を滴下させる方法は、手間がかかる欠点
がある。
のに、展開溶媒を滴下させる方法は、手間がかかる欠点
がある。
固定相を下向きに保持して展開させる方法では、固定
相を傷めやすい欠点がある。
相を傷めやすい欠点がある。
FTIR測定のために、薄層クロマトプレートに赤外線を
直接当てる方法は、薄層クロマトプレートの固定相の赤
外吸収が大きいため、実用性に乏しい。
直接当てる方法は、薄層クロマトプレートの固定相の赤
外吸収が大きいため、実用性に乏しい。
試料スポットをかき取って抽出し、KBrやKClの粉末ぺ
レット上に滴下してFTIR測定する方法は、試料が損失し
たり、分解したり、汚染されるなど不正確である上に、
手間がかかって面倒である。
レット上に滴下してFTIR測定する方法は、試料が損失し
たり、分解したり、汚染されるなど不正確である上に、
手間がかかって面倒である。
薄層プレートの端部でガラスファイバを用いて分画成
分を転写する方法では、端部に設けられるガラスファイ
バのピッチによって展開方向の分解能が決まる。
分を転写する方法では、端部に設けられるガラスファイ
バのピッチによって展開方向の分解能が決まる。
本発明は薄層クロマトプレートを水平方向において効
率よく試料を展開させる方法を提供することを目的とす
るものである。
率よく試料を展開させる方法を提供することを目的とす
るものである。
また、本発明は試料スポットの赤外分光分析を行なう
際に、試料スポットのかき取りを行なわず、薄層クロマ
トプレートのに展開されたスポットを赤外非吸収物質粉
末層に転写することにより、正確な赤外分光分析を行な
うことができるようにすることを目的とするものであ
る。
際に、試料スポットのかき取りを行なわず、薄層クロマ
トプレートのに展開されたスポットを赤外非吸収物質粉
末層に転写することにより、正確な赤外分光分析を行な
うことができるようにすることを目的とするものであ
る。
(課題を解決するための手段) 本発明の展開方法では、展開溶媒が入れられて密閉さ
れる展開槽中で、支持プレート上に固定相が展着された
薄層クロマトプレートを支持台により固定相が上面にな
るように水平方向に支持し、試料がつけられた端部を支
持する支持台は多孔質性とし、その多孔質性支持台を薄
層クロマトプレートの固定相と接触させるとともに、そ
の多孔質性支持台の下部を展開溶媒に浸し、展開溶媒を
その多孔質性支持台を経て固定相へ移動させて試料を展
開させる。
れる展開槽中で、支持プレート上に固定相が展着された
薄層クロマトプレートを支持台により固定相が上面にな
るように水平方向に支持し、試料がつけられた端部を支
持する支持台は多孔質性とし、その多孔質性支持台を薄
層クロマトプレートの固定相と接触させるとともに、そ
の多孔質性支持台の下部を展開溶媒に浸し、展開溶媒を
その多孔質性支持台を経て固定相へ移動させて試料を展
開させる。
本発明の転写方法では、支持プレート上に固定相が展
着され固定相に試料が一次元展開された薄層クロマトプ
レートと、スリット状の穴に赤外非吸収物質粉末が充填
された転写枠とを前記赤外非吸収物質粉末層が前記薄層
クロマトプレートの試料スポットと密着するように重
ね、前記薄層クロマトプレートの試料スポット展開方向
と平行な2辺を多孔質性支持台により固定相と接触させ
て支持し、かつ、これらの多孔質性支持台の下部を転写
溶媒に浸し、転写溶媒を前記支持台を経て固定相から赤
外非吸収物質粉末層へ移動させ、赤外非吸収物質粉末層
表面から揮散させて薄層クロマトプレート中の試料を赤
外非吸収物質粉末層に転写させる。
着され固定相に試料が一次元展開された薄層クロマトプ
レートと、スリット状の穴に赤外非吸収物質粉末が充填
された転写枠とを前記赤外非吸収物質粉末層が前記薄層
クロマトプレートの試料スポットと密着するように重
ね、前記薄層クロマトプレートの試料スポット展開方向
と平行な2辺を多孔質性支持台により固定相と接触させ
て支持し、かつ、これらの多孔質性支持台の下部を転写
溶媒に浸し、転写溶媒を前記支持台を経て固定相から赤
外非吸収物質粉末層へ移動させ、赤外非吸収物質粉末層
表面から揮散させて薄層クロマトプレート中の試料を赤
外非吸収物質粉末層に転写させる。
(作用) 本発明の展開方法においては、多孔質性支持台が展開
溶媒を吸い上げ、その多孔質支持台から薄層クロマトプ
レートの固定相に展開溶媒が移動し、展開溶媒がそのプ
レートの一端部から他端部に向かって移動していくこと
により、その一端部近傍につけられた試料が展開されて
いく。
溶媒を吸い上げ、その多孔質支持台から薄層クロマトプ
レートの固定相に展開溶媒が移動し、展開溶媒がそのプ
レートの一端部から他端部に向かって移動していくこと
により、その一端部近傍につけられた試料が展開されて
いく。
本発明の転写方法においては、多孔質性支持台が転写
溶媒を吸い上げ、その多孔質性支持台から薄層クロマト
プレートの固定相に展開溶媒が移動し、さらに固定相か
ら赤外非吸収物質粉末層へ転写溶媒が移動して赤外非吸
収物質粉末層表面から揮散することにより、薄層クロマ
トプレート中の試料スポットが転写溶媒の移動に伴って
赤外非吸収物質粉末層に移動し、転写が行なわれる。
溶媒を吸い上げ、その多孔質性支持台から薄層クロマト
プレートの固定相に展開溶媒が移動し、さらに固定相か
ら赤外非吸収物質粉末層へ転写溶媒が移動して赤外非吸
収物質粉末層表面から揮散することにより、薄層クロマ
トプレート中の試料スポットが転写溶媒の移動に伴って
赤外非吸収物質粉末層に移動し、転写が行なわれる。
赤外非吸収物質粉末が転写枠のスリット状の穴に充填
されているので、展開方向に沿って並んだ複数個の試料
スポットを同時に赤外非吸収物質粉末層に転写すること
ができ、その転写後の赤外非吸収物質粉末層を試料とし
て拡散反射法でFTIR測定を行なえば、クロマトグラムを
得ることができる。このとき、スリットの幅を試料スポ
ットの大きさに対応した大きさに設定しておけば、転写
の際に試料がスリット幅方向に広がることが防止され
る。
されているので、展開方向に沿って並んだ複数個の試料
スポットを同時に赤外非吸収物質粉末層に転写すること
ができ、その転写後の赤外非吸収物質粉末層を試料とし
て拡散反射法でFTIR測定を行なえば、クロマトグラムを
得ることができる。このとき、スリットの幅を試料スポ
ットの大きさに対応した大きさに設定しておけば、転写
の際に試料がスリット幅方向に広がることが防止され
る。
(実施例) 第1図は本発明の水平展開方法の一実施例を表わして
いる。第2図は第1図における薄層クロマトプレートと
支持台を表わす平面図である。
いる。第2図は第1図における薄層クロマトプレートと
支持台を表わす平面図である。
2は底の浅い展開槽であり、内部には展開溶媒4が入
れられ、蓋6により展開槽2内が密閉できるようになっ
ている。展開槽2内には多孔質性支持台8と非多孔質性
支持台10が対向して設けられ、それらの支持台8,10の下
部は展開溶媒4に浸されている。支持台8,10には薄層ク
ロマトプレートを支持する凹部が水平方向に延びて形成
されており、それらの凹部に挟まれて固定相が上向きに
なるように薄層クロマトプレート12が水平方向に支持さ
れている。多孔質性支持台8側では固定相16と支持台8
が接触している。固定相16には多孔質性支持台8と接触
する端部側に試料18がつけられている。
れられ、蓋6により展開槽2内が密閉できるようになっ
ている。展開槽2内には多孔質性支持台8と非多孔質性
支持台10が対向して設けられ、それらの支持台8,10の下
部は展開溶媒4に浸されている。支持台8,10には薄層ク
ロマトプレートを支持する凹部が水平方向に延びて形成
されており、それらの凹部に挟まれて固定相が上向きに
なるように薄層クロマトプレート12が水平方向に支持さ
れている。多孔質性支持台8側では固定相16と支持台8
が接触している。固定相16には多孔質性支持台8と接触
する端部側に試料18がつけられている。
薄層クロマトプレート12は厚さが例えば1〜3mmの支
持プレート14上に吸着剤が固定相16として厚さが例えば
0.2〜0.5mm程度に展着されたものである。薄層クロマト
プレート12は既存のものを用いることができる。例えば
支持プレート14はガラス、プラスチック又はアルミニウ
ムなどであり、固定相16はシリカゲル、アルミナなどで
ある。展開溶媒4も既存のものであり、一般には低沸点
溶媒で試料の極性に適応した極性のもので、溶出力の強
いものであり、例えばメタノールやクロロホルムなどで
ある。多孔質性支持台8の材質は、溶媒を吸い上げる性
質の強い材質であり、例えば多孔質性セラミックス、ガ
ラスフィルタ、紙、布などである。
持プレート14上に吸着剤が固定相16として厚さが例えば
0.2〜0.5mm程度に展着されたものである。薄層クロマト
プレート12は既存のものを用いることができる。例えば
支持プレート14はガラス、プラスチック又はアルミニウ
ムなどであり、固定相16はシリカゲル、アルミナなどで
ある。展開溶媒4も既存のものであり、一般には低沸点
溶媒で試料の極性に適応した極性のもので、溶出力の強
いものであり、例えばメタノールやクロロホルムなどで
ある。多孔質性支持台8の材質は、溶媒を吸い上げる性
質の強い材質であり、例えば多孔質性セラミックス、ガ
ラスフィルタ、紙、布などである。
次に、本実施例の動作について説明する。
第1図に示されるように、試料がつけられた薄層クロ
マトプレート12を支持台8,10で支持して展開槽2内に置
き、展開溶媒4を入れて蓋6を被せる。支持台8が展開
溶媒4を吸い上げ、固定相16に展開溶媒4がしみ込んで
いく。展開溶媒4が第2図で矢印で示される方向に移動
することにより、試料18が水へ方向に展開されていく。
マトプレート12を支持台8,10で支持して展開槽2内に置
き、展開溶媒4を入れて蓋6を被せる。支持台8が展開
溶媒4を吸い上げ、固定相16に展開溶媒4がしみ込んで
いく。展開溶媒4が第2図で矢印で示される方向に移動
することにより、試料18が水へ方向に展開されていく。
展開槽2は蓋6により密閉されているので、展開槽2
内の空間が展開溶媒4の蒸気により飽和状態となり、固
定相16での展開が効率よく行なわれる。
内の空間が展開溶媒4の蒸気により飽和状態となり、固
定相16での展開が効率よく行なわれる。
展開槽2の空間の容積が小さい程飽和状態になりやす
いので、展開槽2の深さを蓋6が支持台8,10と接近する
程度に浅くしておくのが好ましい。
いので、展開槽2の深さを蓋6が支持台8,10と接近する
程度に浅くしておくのが好ましい。
また、展開槽2の底部に適当な大きさのブロックを置
くことにより、必要な展開溶媒4の量を少なくすること
ができる。
くことにより、必要な展開溶媒4の量を少なくすること
ができる。
第1図及び第2図の実施例では、一方の支持台8のみ
を多孔質性としているが、両方の支持台8,10をともに多
孔質性とすれは、薄層クロマトプレート12の両端からの
展開が可能となる。例えば、HPTLCなどで展開距離が短
かくても分離できる試料の場合には、支持台の接触して
いる両端部に試料をつけることにより、薄層クロマトプ
レート12を2倍に使用することができ、薄層クロマトプ
レートを節約することができる。
を多孔質性としているが、両方の支持台8,10をともに多
孔質性とすれは、薄層クロマトプレート12の両端からの
展開が可能となる。例えば、HPTLCなどで展開距離が短
かくても分離できる試料の場合には、支持台の接触して
いる両端部に試料をつけることにより、薄層クロマトプ
レート12を2倍に使用することができ、薄層クロマトプ
レートを節約することができる。
第3図及び第4図は本発明の転写方法の一実施例を表
わす図である。第3図は薄層プレートと転写枠を示す分
解斜視図、第4図は支持台の下部を転写溶媒に浸して転
写を行なっている状態を表わす断面図であり、第4図は
第3図におけるA−A′位置で切断した状態で示されて
いる。
わす図である。第3図は薄層プレートと転写枠を示す分
解斜視図、第4図は支持台の下部を転写溶媒に浸して転
写を行なっている状態を表わす断面図であり、第4図は
第3図におけるA−A′位置で切断した状態で示されて
いる。
20は試料が一次元展開された薄層クロマトプレートで
あり、支持プレート22上に固定相24が展着され、固定相
24には試料が展開された試料スポット26が存在してい
る。
あり、支持プレート22上に固定相24が展着され、固定相
24には試料が展開された試料スポット26が存在してい
る。
28は転写枠であり、スリット状の穴が開けられ、その
穴には赤外非吸収物質粉末30が高密度に、かつ、均一に
充填されている。赤外非吸収物質粉末30が充填されてい
るスリット状穴は、幅が試料スポット26より少し小さ目
であり、長さが展開方向に並んだ全ての試料スポット26
を含む長さに形成されている。試料スポット26の大きさ
は5〜10mm程度であるので、スリット状穴の幅は数mm程
度が適当である。32は穴の開けられていないプレートで
ある。転写枠28が薄層クロマトプレート20の固定相側に
なり、かつ、赤外非吸収物質粉末30が充填された穴が試
料スポット26上にくるように位置決めされ、薄層クロマ
トプレート20の裏側にはプレート32を置いて、転写枠28
とプレート32の間にスペーサ34,34を挟んて挾み具合を
調整しながら、試料スポット26が赤外非吸収物質粉末30
の下にくるようにネジ36,36で固定されている。転写枠2
8の赤外非吸収物質粉末30は転写枠28を薄層クロマトプ
レート20に固定した後に穴に充填してもよく、予め赤外
非吸収物質粉末30を充填した転写枠28を薄層クロマトプ
レート20に固定するようにしてもよい。
穴には赤外非吸収物質粉末30が高密度に、かつ、均一に
充填されている。赤外非吸収物質粉末30が充填されてい
るスリット状穴は、幅が試料スポット26より少し小さ目
であり、長さが展開方向に並んだ全ての試料スポット26
を含む長さに形成されている。試料スポット26の大きさ
は5〜10mm程度であるので、スリット状穴の幅は数mm程
度が適当である。32は穴の開けられていないプレートで
ある。転写枠28が薄層クロマトプレート20の固定相側に
なり、かつ、赤外非吸収物質粉末30が充填された穴が試
料スポット26上にくるように位置決めされ、薄層クロマ
トプレート20の裏側にはプレート32を置いて、転写枠28
とプレート32の間にスペーサ34,34を挟んて挾み具合を
調整しながら、試料スポット26が赤外非吸収物質粉末30
の下にくるようにネジ36,36で固定されている。転写枠2
8の赤外非吸収物質粉末30は転写枠28を薄層クロマトプ
レート20に固定した後に穴に充填してもよく、予め赤外
非吸収物質粉末30を充填した転写枠28を薄層クロマトプ
レート20に固定するようにしてもよい。
このように、薄層クロマトプレート20に転写枠28を固
定し、転写枠28の穴に赤外非吸収物質粉末30が充填され
た状態のものを、第4図に示されるように、多孔質性支
持台38,40で転写枠28が上向きになるように水平方向に
支持する。支持台38,40には薄層クロマトプレート20を
水平方向に支持し、かつ、固定相24と接触するように水
平方向に延びる凹部が形成されている。支持台38,40の
下部を容器42に入れられた転写溶媒44に浸す。
定し、転写枠28の穴に赤外非吸収物質粉末30が充填され
た状態のものを、第4図に示されるように、多孔質性支
持台38,40で転写枠28が上向きになるように水平方向に
支持する。支持台38,40には薄層クロマトプレート20を
水平方向に支持し、かつ、固定相24と接触するように水
平方向に延びる凹部が形成されている。支持台38,40の
下部を容器42に入れられた転写溶媒44に浸す。
薄層クロマトプレート20は第1図の薄層クロマトプレ
ート12と同じものとし、多孔質支持台38,40も第1図の
支持台8と同じものとすることができる。また、転写溶
媒44は第1図における展開溶媒4と同じものとすること
ができる。赤外非吸収物質粉末30としてはKBrやKClなど
の粉末状のものを用いることができる。
ート12と同じものとし、多孔質支持台38,40も第1図の
支持台8と同じものとすることができる。また、転写溶
媒44は第1図における展開溶媒4と同じものとすること
ができる。赤外非吸収物質粉末30としてはKBrやKClなど
の粉末状のものを用いることができる。
次に、第5図により本実施例の動作を説明する。
転写溶媒44は矢印で示されるように、支持台38,40に
より吸い上げられて上昇し、固定相24にしみ込んでい
き、赤外非吸収物質粉末層30を通って赤外非吸収物質粉
末層30の表面から揮散する。このとき薄層クロマトプレ
ート20の固定相24に展開していた試料スポット26は転写
溶媒44の移動に従って赤外非吸収物質粉末層30に移動
し、転写される。
より吸い上げられて上昇し、固定相24にしみ込んでい
き、赤外非吸収物質粉末層30を通って赤外非吸収物質粉
末層30の表面から揮散する。このとき薄層クロマトプレ
ート20の固定相24に展開していた試料スポット26は転写
溶媒44の移動に従って赤外非吸収物質粉末層30に移動
し、転写される。
試料スポット26の転写後、赤外非吸収物質粉末層30を
拡散反射法によりFTIRで測定すれば、連続的なIRクロマ
トグラムを得ることができ、また、分解能の高いIRスペ
クトルを得ることができる。
拡散反射法によりFTIRで測定すれば、連続的なIRクロマ
トグラムを得ることができ、また、分解能の高いIRスペ
クトルを得ることができる。
転写の際、転写枠28の穴のスリット幅を試料スポット
26のサイズより小さくしておけば、スリット幅方向に対
する転写溶媒の移動方向を規制することができて、試料
スポットが拡散するのを防止することができる。
26のサイズより小さくしておけば、スリット幅方向に対
する転写溶媒の移動方向を規制することができて、試料
スポットが拡散するのを防止することができる。
転写の際には転写溶媒を入れる容器は密閉せず、例え
ば赤外非吸収物質粉末層30の表面に温風を吹きつけると
転写溶媒の揮散が促進されて転写速度が速められる。
ば赤外非吸収物質粉末層30の表面に温風を吹きつけると
転写溶媒の揮散が促進されて転写速度が速められる。
(発明の効果) 本発明の展開方法では、多孔質支持台を用いて展開溶
媒を導き、水平方向に展開させることができるので、展
開溶媒を滴下したり濾紙など不安定なものを用いて展開
溶媒を導く方法に比べて、安定して効率よく展開させる
ことができる。また、固定相を上向きに設置できるの
で、下向きに設置するのに比べて固定相を傷めることが
ない。
媒を導き、水平方向に展開させることができるので、展
開溶媒を滴下したり濾紙など不安定なものを用いて展開
溶媒を導く方法に比べて、安定して効率よく展開させる
ことができる。また、固定相を上向きに設置できるの
で、下向きに設置するのに比べて固定相を傷めることが
ない。
本発明の転写方法では、赤外非吸収物質粉末を充填し
た転写枠を薄層クロマトプレート上に重ね、多孔質性支
持台を用いて転写溶媒を導き、薄層クロマトプレートか
ら赤外非吸収物質粉末層に試料スポットを転写させるよ
うにしたので、固定相などの不純物の影響を受けること
なく、拡散反射法によって赤外クロマトグラムや赤外吸
収スペクトルを測定することができる。
た転写枠を薄層クロマトプレート上に重ね、多孔質性支
持台を用いて転写溶媒を導き、薄層クロマトプレートか
ら赤外非吸収物質粉末層に試料スポットを転写させるよ
うにしたので、固定相などの不純物の影響を受けること
なく、拡散反射法によって赤外クロマトグラムや赤外吸
収スペクトルを測定することができる。
本発明の転写方法は操作が簡単であり、手間が少なく
て短時間に行なうことができる。
て短時間に行なうことができる。
転写の際、転写枠の穴のスリット幅を試料スポットの
サイズより小さくすれば、試料スポットの拡散を防止
し、転写と同時に濃縮も行なうことができる。
サイズより小さくすれば、試料スポットの拡散を防止
し、転写と同時に濃縮も行なうことができる。
第1図は本発明の水平展開方法の一実施例を示す垂直断
面図、第2図は第1図における薄層クロマトプレートと
支持台を示す平面図、第3図は本発明の転写方法の一実
施例における薄層プレートと転写枠を示す分解斜視図、
第4図は転写方法の一実施例を示す垂直断面図で、第3
図におけるA−A′線位置で切断した状態で示されてい
る。第5図は転写動作を示す垂直断面図である。 2……展開槽、4……展開溶媒、6……蓋、8,38,40…
…多孔質性支持台、12,20……薄層クロマトプレート、1
4,22……支持プレート、16,24……固定相、18……試
料、26……試料スポット、28……転写枠、30……赤外非
吸収物質粉末、44……転写溶媒。
面図、第2図は第1図における薄層クロマトプレートと
支持台を示す平面図、第3図は本発明の転写方法の一実
施例における薄層プレートと転写枠を示す分解斜視図、
第4図は転写方法の一実施例を示す垂直断面図で、第3
図におけるA−A′線位置で切断した状態で示されてい
る。第5図は転写動作を示す垂直断面図である。 2……展開槽、4……展開溶媒、6……蓋、8,38,40…
…多孔質性支持台、12,20……薄層クロマトプレート、1
4,22……支持プレート、16,24……固定相、18……試
料、26……試料スポット、28……転写枠、30……赤外非
吸収物質粉末、44……転写溶媒。
Claims (2)
- 【請求項1】展開溶媒が入れられて密閉される展開槽中
で、支持プレート上に固定相が展着された薄層クロマト
プレートを支持台により固定相が上面になるように水平
方向に支持し、試料がつけられた端部を支持する支持台
は多孔質性とし、その多孔質性支持台を薄層クロマトプ
レートの固定相と接触させるとともに、その多孔質性支
持台の下部を展開溶媒に浸し、展開溶媒をその多孔質性
支持台を経て固定相へ移動させる薄層クロマトプレート
の水平展開方法。 - 【請求項2】支持プレート上に固定相が展着され固定相
に試料が一次元展開された薄層クロマトプレートと、ス
リット状の穴に赤外非吸収物質粉末が充填された転写枠
とを前記赤外非吸収物質粉末層が前記薄層クロマトプレ
ートの試料スポットと密着するように重ね、前記薄層ク
ロマトプレートの試料スポット展開方向と平行な2辺を
多孔質性支持台により固定相と接触させて支持し、か
つ、これらの多孔質性支持台の下部を転写溶媒に浸し、
転写溶媒を前記支持台を経て固定相から赤外非吸収物質
粉末層へ移動させ、赤外非吸収物質粉末層表面から揮散
させる転写方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10571990A JP2671557B2 (ja) | 1990-04-20 | 1990-04-20 | 薄層クロマトプレートの水平展開方法及び転写方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10571990A JP2671557B2 (ja) | 1990-04-20 | 1990-04-20 | 薄層クロマトプレートの水平展開方法及び転写方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH045566A JPH045566A (ja) | 1992-01-09 |
| JP2671557B2 true JP2671557B2 (ja) | 1997-10-29 |
Family
ID=14415140
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10571990A Expired - Lifetime JP2671557B2 (ja) | 1990-04-20 | 1990-04-20 | 薄層クロマトプレートの水平展開方法及び転写方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2671557B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2001011355A1 (en) * | 1999-08-06 | 2001-02-15 | Pharmacia Diagnostics Ab | Analytical method and device |
| EP2936144B1 (de) * | 2012-12-20 | 2022-04-13 | Merck Patent GmbH | Verfahren und vorrichtung zur durchführung einer dünnschichtchromatographie |
| CN104792919B (zh) * | 2015-05-19 | 2016-06-15 | 齐齐哈尔医学院 | 恒流薄层色谱仪 |
| WO2019188286A1 (ja) * | 2018-03-29 | 2019-10-03 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 試料分離方法 |
| CN111983127B (zh) * | 2020-08-18 | 2023-04-25 | 浙江杭康检测技术有限公司 | 一种薄层层析法及其展开装置 |
-
1990
- 1990-04-20 JP JP10571990A patent/JP2671557B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH045566A (ja) | 1992-01-09 |
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