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JP2955347B2 - 匂い識別装置 - Google Patents

匂い識別装置

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JP2955347B2
JP2955347B2 JP31698190A JP31698190A JP2955347B2 JP 2955347 B2 JP2955347 B2 JP 2955347B2 JP 31698190 A JP31698190 A JP 31698190A JP 31698190 A JP31698190 A JP 31698190A JP 2955347 B2 JP2955347 B2 JP 2955347B2
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Japan
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sample
odor
gas
sample vapor
sensor
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JP31698190A
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豊榮 森泉
高道 中本
淳 福田
康夫 朝倉
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SANTORII KK
TOKYO KOGYO DAIGAKUCHO
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SANTORII KK
TOKYO KOGYO DAIGAKUCHO
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高い匂い識別機能を実現する匂い識別装置
に関するものである。
[従来の技術] 従来から数多くのガスセンサが提案されており、それ
らの中には現在実用化され広く使われているものもあ
る。しかし、これらのセンサは感度安定性こそ優れてい
るが、選択性のよいセンサの実現は困難であった。生体
では、多数の嗅細胞の応答パターンをパターン認識して
匂いの識別をしていると言われている。そこで、最近、
選択性を向上させるため生体嗅覚を模倣し、複数のガス
センサ応答パターンをパターン認識するタイプの匂い検
出用ガスセンサが提案されている。その一例としては、
特開平1−244335号公報に提案された従来技術がある。
生体嗅覚では受容器の特性が非特異的であるために、
多数の嗅細胞のにおい刺激応答パターンを嗅神経系でパ
ターン認識し、匂いを識別できると言われている。そこ
で、従来技術では、第6図に示すように、嗅細胞の代わ
りに匂い分子が吸着する各種の吸着膜をもつ水晶振動子
センサアレー10と、脳内嗅覚神経系の代わりにニューラ
ルネットワーク41を用いて匂いを識別している。すなわ
ち、センサアレー10にサンプル53からの匂いの混ったガ
スを通すと、センサアレー10の水晶振動子センサ10a,10
b,10cの表面に張ってある吸着膜が匂い物質を吸着し、
水晶振動子の表面負荷重量を変化させ、それぞれの発振
回路2a,2b,2cの発振周波数を変化させる。各水晶振動子
センサ10a,10b,10cの吸着膜はそれぞれ吸着特性の異な
る種類のものが用いられており、匂いの種類によって異
なる応答(周波数変化Δf1,Δf2,Δf3)を示す。この応
答パターンをニューラルネットワーク41でパターン認識
し、匂いを識別する。また、ニューラルネットワーク41
は学習機脳を備え、経験を積ませることで匂いの識別率
を向上させている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、現在、食品・飲料,化粧品,環境計測等の
分野では、専門家(パネラ)による官能検査により、匂
いの品質検査,製品開発,異常検出を行っている。しか
し、人間には個人差があり、日によって体調が異なった
りするので、客観的に匂いを識別する装置が求められて
いる。
しかしながら、上記従来の技術における匂い検出用セ
ンサでは、近似する匂いを識別するなどの人間の嗅覚に
よる匂い品質管理(官能検査)を代行できる程度の十分
な匂いの識別率が得られていないため、上記要求に応え
ることができないのが現状であり、その識別率を改善す
ることが解決すべき課題となっていた。
本発明は、上記課題を解決するために提案するもので
あり、その目的は、人間が行っている匂い品質管理(官
脳検査)を代行できる程度の高い匂い識別率を有する匂
い識別装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明の匂い識別装置の
構成は、 サンプル蒸気供給系統からのサンプル蒸気を複数のガ
スセンサに通してそれらのガスセンサのパターン出力を
パターン認識して匂いを識別する匂い識別装置におい
て、サンプル蒸気を通す前に前記ガスセンサおよびフロ
ー系にクリーニングガスを通す切り替え手段と、参照パ
ターンを保持し前記ガスセンサのパターン出力との差を
求める演算手段と、前記求めた差の信号から前記パター
ン認識を行うことを特徴とする。
また、同じく本発明の他の構成は、 上記構成に加えて、ガスセンサの周囲温度をサンプル
蒸気供給系統より高く維持する恒温手段を備えること、
あるいは、サンプルが液体である場合に、サンプル蒸気
供給系統が標準ガスを該サンプルに吹き付けてサンプル
蒸気を発生させることを特徴とする。
[作用] 本発明は、複数のガスセンサのパターン出力を、参照
信号との差をとることによって、似通ったサンプル間の
違いを強調することにより、パターン認識による識別率
を向上させる。また、サンプル蒸気をガスセンサに通す
前にガスセンサおよびフロー系をクリーニングする工程
を設けることで、サンプル間の影響をなくすことによ
り、識別率を向上させる。さらに、ガスセンサの周囲温
度をサンプル蒸気供給系統より高く維持することでサン
プル蒸気の露結を防ぎ、サンプルの測定を正確にするこ
とにより、あるいは、サンプルが液体である場合には、
サンプルに標準蒸気を吹き付けてサンプル蒸気を生成す
ることで、サンプル蒸気供給系統の同質性を確保するこ
とにより、識別率を向上させる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。
本実施例の構成において、1は各種の吸着膜を有する8
個の水晶振動子センサ10a,10b,…,10hから成るセンサア
レーを収容し匂いを測定するセンサセル、2は独立な8
回路を有するコルピッツ型発振回路、3は8チャンネル
の周波数カウンタ、4はニューラルネットワークを構成
するコンピュータ、5はサンプル蒸気供給系統、6はガ
ス排出系統、7は恒温用循環水をセンサセル1に通す水
循環ポンプである。
第2図(a),(b)は、センサセル1の構成を示す
分解部分を含む斜視図(a)と側面図(b)である。セ
ンサセル1は、ステンレス等の金属製の上,中,下の3
つの部分11a,11b,11cの平面部で、中穴を有するフッソ
樹脂板11d,11eをシールして挟み込むことにより、
(b)の矢印で示すようにガスの通り道を作り、その各
フッソ樹脂板11d,11eの中穴部分には、水晶振動子セン
サアレー10を構成する各種の吸着膜を持つ水晶振動子セ
ンサ10a,10b,…,10hを2分割(ただし、10a〜10d部分の
み図示)して装着する。上記3つの部分のうち、上部11
aおよび下部11cはステンレス板で構成し、中部11bには
サンプル蒸気およびクリーニングガス(以下まとめてガ
スと記す)の入口通路12と出口通路13と通気口14とを設
ける。入口通路12は、一方のフッソ樹脂板11dの中穴部
分の一端に開通され、出口通路13は他方のフッソ樹脂11
eの中穴部分の一端に開通され、通気口14は各中穴部分
の他端同士を開通する。また、上,下部11a,11cにはパ
イプ11f,11gを、中部11b内には水だめ部11hをそれぞれ
設けて、第1図の水循環ポンプ7から恒温用循環水を循
環させる。
第3図は、上記一つの水晶振動子センサの構成を示す
断面図を含む説明図である。101は水晶振動子、102,103
はこの水晶振動子101を挟む電極、104,105は匂い物質の
吸着膜である。この実施例では、ATカットの水晶振動子
101(例えば、10.14MHz)の電極102,103上にガスクロマ
トグラフィー等に使用される固体相材料、セルロース系
材料あるいは脂質2分子膜などを塗布してセンサを作製
する。このように吸着膜を塗布すると水晶振動子101の
弾性損失が増加し、あまり多量に塗布すると発振が止ま
ってしまう。そこで、インピーダンスアナライザーでQ
値が5400よりも小さくならないことを目安に、かつ共振
周波数変化をみながら上記塗布を行う。各電極102,103
は、コルピッツ型発振回路2の各発振回路に接続され
る。
第1図の構成に戻り、センサセル1の8個の水晶振動
子センサ10a,10b,…,10hは、それぞれがコルピッツ型発
振回路2の各回路に接続される。それらの各回路の発振
出力は、それぞれ8チャンネルの周波数カウンタ3の各
チャンネルに入力する。この周波数カウンタ3は、8つ
の水晶振動子センサ10a〜10hの周波数変化を同時に並列
測定し、例えば1秒間隔でサンプリングを行うものとす
る。コンピュータ4側では、インターフェースボードを
介してI/Oポートからこの測定データを読み込む。ま
た、インターフェースボードを介しバルブ制御回路を通
して、ソフトウェアにより後記するサンプル蒸気供給系
統5のバルブ(電磁弁)を制御することによって、自動
的な測定を可能にする。
次に、サンプル蒸気供給系統5の構成するものとし
て、51はサンプル蒸気のキャリアガスおよびクリーニン
グガスを発生する標準空気ボンベ、51aは標準空気ボン
ベ51の後に設けたマスフローコントローラ、52はキャリ
アガスの分配器、53a,53b,…,53e(代表するときは53と
記す)はサンプルの蒸気発生部、54は各サンプル蒸気発
生部を収容する恒温槽、55a,55b,…,55eおよび56a,56b,
…,56eは一つのサンプル蒸気を選択するための電磁弁、
57は選択されたサンプル蒸気をセンサセル1に送り込む
ための分配器、58は標準空気をクリーニングガスとして
センサセルに送り込むための電磁弁、59は各電磁弁の制
御信号線を示す。分配器57のガス出口は、センサセル1
のガス入口通路12に接続される。
従来、キャリアガスとして大気をシリカゲルに通すこ
とにより乾燥空気を得ていたが、本実施例ではキャリア
ガスとして標準空気を用いて、いつも同じキャリアガス
を供給することによるデータの信頼性向上を図るととも
に、標準空気ボンベ51の圧力をフロー駆動力としてい
る。また、本実施例では、コンピュータ4の制御によ
り、サンプル蒸気をセンサセル1に送り込む前に、電磁
弁58を開いて標準空気をそのままセンサセル1に送り込
み、各センサ10a〜10hの吸着膜をクリーニングする。こ
の後に、サンプル蒸気をセンサセル1に供給する。例え
ば、サンプル3を測定する場合には、電磁弁58を閉じ、
電磁弁55c,56cのみを開いて、キャリアガスとしての標
準空気をサンプル蒸気発生部53cに導びき、分配器57を
通してセンサセル1に導びく。ここで、マスフローコン
トローラ51aは、負荷変動等があってもサンプル蒸気発
生部53cに対し、予め設定した一定流量の標準空気が供
給されるように、流量制御する機能を有し、再現性の向
上に寄与する。
第4図(a)は、上記一つのサンプル蒸気発生部53の
構成図である。なお、第4図(b)は、比較のために、
従来より行われているサンプル蒸気発生方法を示す構成
図である。各図において、531はサンプル容器、532はキ
ャリアガス注入ノズル、533はサンプル蒸気を含んだガ
スの出口ノズル、534はサンプル液、535は各ノズル532,
533を固定しサンプル容器531を気密にするための例えば
バイトン栓である。従来のサンプル蒸気発生方法は、
(b)に示すようにキャリアガス注入ノズル532をサン
プル液534に差し込むことにより、バブルさせて発生さ
せていた(バブル方式)が、本実施例では、キャリアガ
スをサンプル液534の表面に吹き付けてサンプル蒸気を
発生させる(ノンバブル方式)構造としている。
次に、第1図のガス排出系統6の構成を説明する。そ
の構成において、61はバッファ、62はトラップ、63は流
量計である。バッファ61は、サンプル管に硬質チューブ
を通した構造から成り、センサセル1の出口通路13とト
ラップ62の間に挿入されて、トラップ62からの水等の逆
流を阻止する。トラップ62は、水や溶媒の入った容器か
ら成り、その水等にトラップ62からのガスを通してセン
サセル1に通気したサンプル蒸気をバブルさせることに
より、におい物質を溶かし、外部へ匂いが流れるのを防
止する。流量計63は、センサセル1を流れるサンプル蒸
気を含むガスの流量の測定器であり、体積流量計が好適
である。体積流量計は、その出口を大気開放(もしくは
無負荷)状態にしないと、正しい流量が測定できないた
め、トラップ62の出口に設けられる。この測定による流
量調節は、標準空気ボンベ51の減圧弁の調節により行
う。こうして、センサセル1の排出ガスは、流量計63か
ら大気に放出される。
次に、本実施例のニューラルネットワークの構成を第
5図に示す。本実施例では、コンピュータ4に演算仕様
として組み込まれた層状結合型ニューラルネットワーク
41を用いる。この層状結合型ニューラルネットワーク41
は、8個の入力層ユニット41aと7個の中間層41bと、5
個の出力層ユニット41cの3層構造を成す。入力層ユニ
ット41aのユニット数はセンサ数と、出力層ユニット41b
のユニット数はサンプル数と、それぞれ等しい。このニ
ューラルネットワーク41に対し、42はセンサセル1の応
答パターンを周波数カウンタ3の出力から求める応答パ
ターン検出部、43はこの応答パターンと参照信号パター
ンの差を取る演算部、44は参照信号を保持するメモリ、
45は第1図の制御信号線59を通してサンプル蒸気供給系
統5の各電磁弁(バルブ)を制御し、匂いの自動測定を
行うバルブ制御部である。上記参照信号パターンとして
は、ある一つのサンプルの応答パターンを用いることが
でき、演算部43の差信号が、前述のニューラルネットワ
ーク41の各入力層ユニット41aに入力される。
以上のように構成した実施例の動作および作用を述べ
る。
まず、水晶振動子センサの動作原理を第3図を用いて
説明する。雰囲気内ににおい分子が存在すると、吸着膜
104,105に吸着される。ここで、水晶振動子が基本共振
周波数fのATカット水晶振動子である場合、その水晶振
動子上に重さΔMで物質が吸着した場合における発振周
波数変化△fが、Sauerbreyによって導かれている。
式(1)より、水晶振動子101の表面に物質が吸着し
た場合、その吸着物質の質量に比例して発振周波数が変
化することがわかる。この質量負荷効果により発振回路
2において発振周波数の低下が起こる。この周波数変化
をセンサ出力とする。本実施例では、匂い測定後、その
匂い物質の脱着工程を設けて、センサに標準空気を通す
ことにより、吸着膜104,105の匂い分子を脱着して元の
発振周波数に戻す。
次に、匂いのパターン認識の手法を第5図を用いて説
明する。ニューラルネットワーク41の各層間の結合重み
係数の初期値は、あらかじめ5つのサンプルをセットに
して、例えば、10回分のデータを取り、2万回の逆伝播
学習(初期学習)を行った後の値を用いる。そして、水
晶振動子センサアレー10の経時変化などによるデータ変
動に適応するために、5つのサンプルの測定終了毎に、
500回の逆伝播学習(適応学習)を行って重み係数を変
更する。匂い識別の評価としては、10セットの識別にお
いて、正しく識別された回数を、全試行数50(=5サン
プル×10回測定)で割ることにより識別率を求める。ニ
ューラルネットワークが本実施例に好適である理由は、
既存のパターン認識アルゴリズムに比較して識別に融通
性があり、認識率の向上が期待できること、測定現場で
学習操作により識別対象の匂いの変更が容易にできるこ
と、脳内情報処理をまねているため人間と同様の匂い判
断ができる可能性があること、などの理由による。
しかし、ここでサンプルとして、お酒のように水とア
ルコールが主成分で残りの僅かな成分にしか違いがない
物質に対しては、センサアレー10の出力パターンにほと
んどサンプル間の差がなく、パターンの識別が難しい。
そこで、本実施例では、ある一つのサンプルのセンサア
レー出力パターンを参照信号パターンとして、センサア
レー10の出力パターンとその参照信号の差を取ることで
サンプル間の微妙な違いを強調し、その差信号を上記の
パターン認識に用いることで識別率を向上させる。
次に、上記で学習済みの実施例における測定の手順を
番号を付して述べる。まず、サンプル蒸気発生部53に各
サンプルをセットする前に、電磁弁の組(55a,56a),
(55b,56b),(55c,56c),(55d,56d),(55e,56e)
を順次に複数回開いて、各電磁弁に付着した匂い物質を
除去するなどのフロー系のクリーニングをする。
続いて、サンプル蒸気発生部53に各サンプルをセット
した後、例えば第5のサンプルに対し、 (1)標準空気を例えば60秒間流し、水晶振動子センサ
アレー10を回復させる。
(2)サンプル蒸気を含むガスを30秒間水晶振動子セン
サアレー10に通す。
(3)センサアレー10の出力パターンを応答パターン検
出部42で検出する。
(4)上記検出パターンを参照信号パターンとしてメモ
リ44に保持する。
(5)次に第1のサンプルに対し、上記(1),および
(2),(3)を行う。
(6)上記(3)で検出した応答パターンと上記(4)
の参照信号パターンの差信号を求め、ニューラルネット
ワーク41に入力して匂い識別を行う。
(7)以下、第2のサンプルから第5のサンプルまで上
記(5),(6)と同様に上記(1),および(2),
(3),および(6)を繰り返す。
(8)評価においては、以上の5種のサンプルを1セッ
トとして10セットデータを取り、前述のパターン認識手
法で述べたように識別率を求める。
以下、本実施例における識別率を向上させるための測
定系での改善について述べる。
まず、本実施例では、前述のサンプル蒸気供給系5の
サンプル蒸気発生部53を恒温槽54に入れ、センサセル1
に恒温槽から恒温水(変動±0.5℃以内)を循環させる
ことにより、サンプル蒸気発生部53と、途中の経路、セ
ンサセル1の部分において、温度分布を次のように設定
する。
これにより、サンプル蒸気の凝結を防止し、センサア
レー10の吸着膜104,105への吸着現象の温度の影響を軽
減し、測定の変動係数(センサ出力の標準偏差をセンサ
出力の平均で割った値)を小さく抑える。実験の結果で
は、上記対策を行なわない従来技術における変動係数が
2〜3%であったのに対し、本実施例では1%程度とす
ることができる。
次に、識別率の向上で問題になるのが、各サンプル蒸
気を供給する系統の同質性である。従来は系統の同質性
が十分に取れておらず、サンプル1から5までに同じサ
ンプルを入れておいても、通る系統が違うことにより違
うサンプルだと認識されてしまうことがあった。従来技
術のサンプル蒸気発生法では、第4図(b)に示したよ
うにサンプルに乾燥空気を入れてバルブさせ、これによ
ってサンプル蒸気を発生させて、センサセルに送る方法
を用いていた。しかし、バルブさせず、本実施例の同図
(a)のように液面の上に蒸発している匂い蒸気をセン
サセル1に送る(ノンバブルと呼ぶ)方が、系統の同質
性が取れることが主成分分析と判別分析の結果明らかと
なった。また、図中のノズルに関するL1,L2,L3の長さ
を、全てのサンプル容器531について同じにすることも
必要である。これにより、測定の正確さが維持され、識
別率を向上させることができる。
さらに、サンプル蒸気をセンサセル1へ送り込む時間
とデータの安定性,各系統の同質性との関係を調べてみ
た。方法としては各系統に同一サンプルを入れ、サンプ
ル蒸気の流速を25ml/min.として1分間供給し、10秒後,
20秒後,…,60秒後のデータを読み込み、どの段階で十
分安定したデータが取れるかを評価した。その結果を多
変量解析した結果、早い段階ではデータの変動は小さい
がその後増加すること、系統の同質性は最初悪くその後
減少することがわかり、両者の兼ね合いより、サンプル
蒸気供給時間およびデータ読み取り時点を共に30秒とし
た。このようにサンプル蒸気供給時間の最適化によって
も系統の同質性を維持して識別率の向上に寄与すること
ができる。
また、サンプルセット前のフロー系のクリーニング工
程および第1図の電磁弁58を開閉させながら空気を流す
測定前のセンサのクリーニング工程を行うようにするこ
とで、測定間の影響をなくして識別率を向上させること
ができる。なお、フロー系のクリーニング工程におい
て、電磁弁55a〜55eおよび電磁弁56a〜56e等にフレキシ
ブルヒータを巻いて暖めれば、各電磁弁等に付着した匂
いの吸着成分が脱着され易くなり効果的である。
以上に述べたニューラルネットワーク41への入力処理
と測定系の改善を施すことで、類似性が強く識別困難な
サンプル例において、識別率を従来技術よりも大幅に向
上させることができる。
なお、センサの吸着膜として脂質2分子膜を用いない
場合でも、従来技術に比べてかなりの識別率の向上が図
れる。このように、本発明はその主旨に沿って種々に応
用され、種々の実施態様を取り得るものである。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明の匂い識別装置
によれば、匂い識別率を大幅に向上させることができ、
人間が行っている匂い品質管理を代行できる程度の匂い
識別率を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図
(a),(b)は上記実施例のセンサセルの構成図、第
3図は上記実施例水晶振動子センサの構成図、第4図
(a),(b)は上記実施例と従来例のサンプル蒸気発
生部の構成図、第5図は上記実施例のニューラルネット
ワークの構成図、第6図は従来例における匂い検出セン
サの説明図である。 1……センサセル、2……コルピッツ型発信回路、3…
…周波数カウンタ、4……コンピュータ、5……サンプ
ル蒸気供給系統、6……ガス排出系統、7……水循環回
路、53……サンプル蒸気発生部、54……恒温槽、58……
制御弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 朝倉 康夫 京都府向日市上植野町御塔道26―5 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 5/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サンプル蒸気供給系統からのサンプル蒸気
    を複数のガスセンサに通してそれらのガスセンサのパタ
    ーン出力をパターン認識して匂いを識別する匂い識別装
    置において、 サンプル蒸気を通す前に前記ガスセンサおよびフロー系
    にクリーニングガスを通す切り替え手段と、 参照パターンを保持し前記ガスセンサのパターン出力と
    の差を求める演算手段と、 前記求めた差の信号から前記パターン認識を行うことを
    特徴とする匂い識別装置。
  2. 【請求項2】ガスセンサの周囲温度をサンプル蒸気供給
    系統より高く維持する恒温手段を備えることを特徴とす
    る前記請求項1記載の匂い識別装置。
  3. 【請求項3】サンプルが液体である場合に、サンプル蒸
    気供給系統が標準ガスを該サンプルに吹き付けてサンプ
    ル蒸気を発生させることを特徴とする請求項1または2
    に記載の匂い識別装置。
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