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JP2916255B2 - 組み換えバチルス・スリンギエンシス菌株の発生のためのシャトルベクター - Google Patents

組み換えバチルス・スリンギエンシス菌株の発生のためのシャトルベクター

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Publication number
JP2916255B2
JP2916255B2 JP3509673A JP50967391A JP2916255B2 JP 2916255 B2 JP2916255 B2 JP 2916255B2 JP 3509673 A JP3509673 A JP 3509673A JP 50967391 A JP50967391 A JP 50967391A JP 2916255 B2 JP2916255 B2 JP 2916255B2
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replication
origin
gene
shuttle vector
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バウム,ジエイムズ・エイ
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EKOJEN Inc
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Publication date
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/74Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora
    • C12N15/75Vectors or expression systems specially adapted for prokaryotic hosts other than E. coli, e.g. Lactobacillus, Micromonospora for Bacillus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/195Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria
    • C07K14/32Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Bacillus (G)
    • C07K14/325Bacillus thuringiensis crystal peptides, i.e. delta-endotoxins

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、特許手続きの目的のための微生物の寄託の
国際的認識ついてのおよび大腸菌(E.coli)菌株におけ
る使用のための2機能的組み換えDNAクローニングベク
ターに関する。これらのベクターは、他のBt菌株から導
入された1または2以上の殺昆虫性毒素の遺伝子を含有
する、組み換えバチルス・スリンギエンシス(Bacillus
thuringiensis)の発生において有用である。
発明の背景 バチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiens
is)(「Bt」)は、胞子形成の間にタンパク質の結晶質
の細胞含有物を生産する、グラム陽性の土壌バクテリア
である。これらのBt結晶タンパク質はしばしば特定の昆
虫に対して高度に毒性である。殺昆虫活性は、種々のBt
菌株からの結晶タンパク質について、昆虫目の鱗翅目
(毛虫)、双翅目(カ、ハエ)および鞘翅目(甲虫)か
らの昆虫の幼虫に対して同定されてきている。
個々のBtの結晶タンパク質は、また、デルター内毒素
またはパラ胞子の結晶または毒素のタンパク質と呼ば
れ、それらの構造および殺昆虫活性が広範に異なる。こ
れらの殺昆虫性タンパク質は、典型的には、大きなプラ
スミド上に位置する遺伝子によりエンコードされ、この
プラスミドは30メガダルトン(mDa)より大きく、Bt菌
株の中に見いだされる。ある数のこれらのBt毒素遺伝子
がクローニングされ、そして殺昆虫性結晶タンパク質産
生物はそれらの特定の殺昆虫性について特性決定されて
きている。クローニングされたBt毒素遺伝子のすぐれた
概観は、ヘフテ(Hfte)ら、マイクロバイオロジカ
ル・リビューズ(Microbiol.Rev.)(1989)53:242-255
(以後,HfteおよびWhiteley、1989)に記載されてお
り、彼らはこの開示において採用した、有用な名称およ
び分類の概要を提案している。
Btの殺昆虫特性は長い間認識されてきてり、そしてBt
菌株はまず1960年代に生物学的殺昆虫性生成物において
最初に商業的に導入された。これらの殺昆虫性配合物
は、典型的には、乾燥したBt発酵培養物を含有し、その
結晶タンパク質は鱗翅目の昆虫種に対して毒性である。
現在の商業化されたBt殺昆虫剤は「野生型」Bt菌株、す
なわち、自然源から分離された自然Bt菌株の精製培養物
から誘導される。
いくつかの新しく商業化されたBt菌株は、親Bt菌株と
比較して、標的昆虫のより広いスペクトルに対して、増
加した殺昆虫効能ならびに殺昆虫活性を有する、遺伝学
的に変更した菌株である。このような菌株は国際特許公
開第WO88/08877号、1988年11月17日発行(出願人、Ecog
en Inc.)に例示されている。
これらの遺伝学的に変更したBt菌株の発生は組み換え
DNA技術を包含しないが、その代わり、プラスミドの接
合転移の技術に基づき、これはバクテリアの間の遺伝学
的交換およびプラスミドのキュアリングの自然の形態で
あり、ここである種の必須のプラスミドはバクテリアか
ら欠失される。
プラスミドの接合転移または接合は、有用な毒素遺伝
子を有する多数のプラスミドをそれらの自然宿主のBt菌
株から他の「受容体」のBt菌株に転移することができな
いという事実により、制限される。さらに、接合により
転移することができる、いくつかのプラスミドは他のプ
ラスミドと固有に不適合性であるので、2つの所望の、
不適合性プラスミドを含有する、安定な「トランス接合
体」のBt菌株を実現することはできない。
接合に対する他の欠点は、いくつかの移動可能な、ま
たは転移可能な、プラスミドは所望の遺伝子に加えて、
望ましくない毒素遺伝子を有するので、生産される所望
の結晶タンパク質の量が不必要な結晶タンパク質の同時
の生産により制限されることである。
ある種の標的昆虫病害虫に対する商業化されたトラン
ス接合体のBt菌株の実証された効能にかかわらず、他の
昆虫病害虫に対する改良されたBt菌株が明らかに要求さ
れている。Bt菌株の発生は、Bt菌株の構成において組み
換えDNA技術を使用することによって促進されるであろ
う。
組み換えDNA手順は、結晶タンパク質の型、および遺
伝子の調節および発現の選択、操作および制御を可能と
することによって、1または2以上の毒素遺伝子を含有
する新規な構成において、大きい柔軟性を提供する。形
質転換されたBt菌株の生産において組み換えDNAアプロ
ーチを利用するいくつかの技術は、欧州特許出願第EP 0
342 633-A2号、発行1989年11月23日(出願人、Ciba-Ge
igy AG)に記載されている。
EP 0 342 633-A2および他の刊行物に開示されている
組み換えBt菌株は、一般に、1または2以上の所望のBt
毒素遺伝子を収容する組み換えプラスミド上の1または
2以上の抗生物質耐性マーカー遺伝子により特徴づけら
れる。このような抗生物質耐性マーカー遺伝子は、組み
換え毒素エンコーディングプラスミドを含有する形質転
換されたBt菌株を同定および選抜する手段を提供する
が、商業的殺昆虫性配合物における使用のために開発さ
れた生存しうるBt菌株において望ましくない。抗生物質
耐性遺伝子は通常自然Bt菌株の中に存在しないので、農
薬および環境調節因子は、無制限の環境的解放および生
物学的殺昆虫性配合物における使用のための抗生物質耐
性組み換えBt菌株を支持することに抵抗することがあ
る。
文献に記載されている組み換えBt菌株における抗生物
質耐性遺伝子の存在の主要な理由は、このような耐性マ
ーカー遺伝子を含有する2機能的クローニングベクター
の使用である。これらのクローニングベクターの部分
は、典型的には、Btに対して自然ではないプラスミド、
大腸菌(Escherichia coli)、バチルス・セレウス(Ba
cillus cereus)、枯草菌(B.subtilis)または黄色ブ
ドウ球菌(Staphylococcus aureus)のプラスミドから
誘導され、そして抗生物質耐性マーカー遺伝子に加え
て、Btの中でまた機能であるBt以外の源からの複製起点
(以下、複製起源という場合あり)を含有し、したがっ
てクローニングベクターをBtの中で複製できるようにす
る。
ミラー(Miller)ら、米国特許第4,503,155号(登
録、1985年3月5日)は、ストレプトミセス属(Strept
omyces)、バチルス属(Bacillus)およびE.coliにおい
て有用なこのような多機能的クローニングベクターを開
示している。
いくつかの最近の文献はBtプラスミドからの複製起源
を使用するBtクローニングベクターを報告しているが、
これらは、また、抗生物質耐性マーカー遺伝子、および
容易に除去可能であることを意図しない、他のBt以外の
DNA要素を含有する。
ミテバ(Miteva)ら、アーチーブス・マイクロバイオ
ロジー(Arch.Microbiol.)(1988)150:496-498は、バ
チルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)
var.israelensisからの小さい簡潔なプラスミドのE.col
iの中のクローニングおよびマッピングを報告してい
る。生ずる2機能的ベクターは、E.coliおよびBtの両者
の中で複製することができるが、Bt israelensisにおい
て尖った分離の安定性を示した。
マヒロン(Mahillon)ら、プラスミド(Plasmid)(1
988)19:169-173は、バチルス・スリンギエンシス(Bac
illus thuringiensis)var.thuringiensisからの3つの
小さい簡潔なプラスミドのE.coliの中のクローニングお
よびマッピングを記載している。これらのプラスミドの
1つはpG12であった。クローニングされたプラスミドは
バチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensi
s)のための新規なシャトルベクターの開発のための出
発点として働くことを著者らは述べている。マヒロン
(Mahillon)ら、核酸の研究(Nucl.Acids Res.)(198
8)16:11827-11828は、バチルス・スリンギエンシス(B
acillus thuringiensis)var.thuringiensisからの小さ
い簡潔なプラスミドであるpG12の完全なヌクレオチド配
列を報告している。pG12は、mlcの40%以上を表す、ト
ランスボゾンTN4430を含有することが示された。
レレクルス(Lereclus)ら、FEMS マイクロバイオロ
ジカル・レターズ(Microbiol.Lett.)(1988)49:417-
422は、E.coli中でクローニングされた2つの小さい簡
潔なプラスミドの特性決定を記載している。これらの2
つのプラスミドのための複製起源は、2.1および2.8キロ
塩基(kb)のDNA断片に対して局存化された。小さい簡
潔なプラスミドの1つ、pHT1030は、枯草菌(Bacillus
subtilis)の中ですぐれた分離安定性を示した;pHT1030
から誘導されたプラスミドは安定に維持され、抗生物質
を使用する選抜の不存在下に30℃で30世代の成長後、90
%の回復であった。
後の報告の論文において、レレクルス(Lereclus)
ら、FEMS マイクロバイオロジカル・レターズ(Microb
iol.Lett.)(1989)60:211-217は、小さいBt耐性プラ
スミドpHT1030から誘導されたシャトルベクターの構成
を記載している。このシャトルベクター、pHT3101と表
示する、を使用して、エレクトロポレイションによるBt
の効率よい形質転換のために適当な条件を決定した。Bt
毒素遺伝子は、その自然Btプラスミド上で尖って発現さ
れ、このシャトルベクターを使用してクローニングさ
れ、そしてE.coliおよびBtの両者において発現すること
が示された。
シャーター(Schurter)ら、モレキュラー・アンド・
ジェネラル・ジェネティックス(Mol.Gen.Genet.)(19
89)218:177-181および欧州特許出願第0 342 633-A2
号(1989年11月23日発行)は、エレクトロポレイション
を使用して、Bt内毒素遺伝子を含有するシャトルベクタ
ーで、アクリスタリフェラス(acrystalliferous)バチ
ルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)お
よびバチルス・セレウス(B.cereus)バチルス・セレウ
ス(B.cereus)菌株を効率よく形質転換することを記載
している。これらの研究は、E.coliおよびバチルス属
(Bacillus)種の両者の中で複製することができそし
て、Btであると思われない、種々のバクテリアのプラス
ミド源から構成された、2機能的シャトルベクターを利
用した。
本発明の新規なシャトルベクターは、E.coliまたは他
のBt以外の生物学的源から誘導されたDNAを含有しな
い、Bt菌株構成体の中にへの組み換えプラスミドの組み
込みを促進する。本発明のシャトルベクターを使用し
て、抗生物質耐性マーカー遺伝子を含まないならびにBt
以外の複製起源、例えば、E.coli機能的複製起源を含ま
ない、形質転換されたBt菌株を構成することができる。
こうして、本発明のシャトルベクターは、現在商業的
に入手可能な、遺伝学的に変更されたBt菌株より優れ
る、殺昆虫特性を有する、生存しうる組み換えBt菌株を
含有する、改良された生物学的農薬の開発の基礎を提供
する。これらの改良された組み換えBt菌株は制限されな
い環境の解放に適当であることが期待される。なぜな
ら、それらはBt以外の生物学的源からの外来DNAを本質
的に含まず、そしてBt源の菌株からのみ誘導された毒素
遺伝子および他のプラスミドDNAを含有するからであ
る。
発明の要約 本発明のプラスミドシャトルベクターは、遺伝子をバ
チルス・スリンギエンシス(Bacilus thuringiensis)
(Bt)宿主の中に導入するために有用であり、Btバクテ
リアを形質転換することができるプラスミドであり、そ
して(i)E.coliの中で機能的である複製起源を含有す
る除去可能なDNA制限断片;(ii)挿入されたBt遺伝子
のクローニングを促進するための制限エンドヌクレアー
ゼ切断部位をもつ、多重クローニング部位;および(ii
i)Btプラスミドから誘導されたBtプラスミドを含有
し、Bt誘導された複製起源は多重クローニング部位に隣
接し、そしてこれらの後者の2つの要素はフランキング
制限エンドヌクレアーゼ切断部位を有し、前記フランキ
ング制限エンドヌクレアーゼ切断部位はBt誘導された複
製起源および多重クローニング部位をプラスミドシャト
ルベクターから単一の組み合わされたDNA断片として分
離しそして、自己結合後、機能的プラスミドとしてBt宿
主の中に導入できるようにする。
本発明のプラスミドシャトルベクターは、ori44、ori
60およびori43から成る群より選択される除去可能な複
製起源を含有し、それらのそれぞれのヌクレオチド配列
は第5図、第6図および第7図に示されている。他のBt
誘導された複製起源を、また、ori44、ori60またはori4
3の代わりに使用することができる。
プラスミドシャトルベクターの中のフランキング制限
エンドヌクレアーゼ切断部位は同一であり、このような
部位はプラスミドシャトルベクターに対して独特であ
り、そして前記シャトルベクターを経てBt宿主の中に導
入すべき問題の遺伝子の中に存在しない。好ましいフラ
ンキング制限エンドヌクレアーゼ切断部位はSalIおよび
SfiI部位である。プラスミドシャトルベクターは、ま
た、2組のフランキング制限エンドヌクレアーゼ切断部
位を含有し、フランキング制限部位の一方の対はSalI部
位であり、そしてフランキング制限部位の他方の対はで
ある。
プラスミドシャトルベクターは、E.coliの中で機能的
な複製起源を含有する除去可能なDNA制限断片をフラン
キングする、2つの同一の制限エンドヌクレアーゼ切断
部位を有し、このような部位はプラスミドシャトルベク
タープに対して独特であり、そして前記シャトルベクタ
ーを経てBt宿主の中に導入すべき問題の遺伝子の中に存
在しない。E.coli機能的複製起源をフランキングする、
これらの2つの同一の制限エンドヌクレアーゼ切断部位
は好ましくはNotIである。これらのフランキング制限部
位は、E.coli機能的複製起源を含有するDNA制限断片の
除去を促進する。
これらの制限部位に加えて、プラスミドシャトルベク
ターは、また、除去可能なBt誘導された複製起源をフラ
ンキングする、2つの同一の制限エンドヌクレアーゼ切
断部位を有し、このような部位はプラスミドシャトルベ
クターに対して独特である。除去可能なBt誘導された複
製起源をフランキングする、これらの2つの同一の制限
エンドヌクレアーゼ切断部位は好ましくはXbaI部位であ
る。これらのフランキング制限部位は、Bt誘導された複
製起源の除去および異なるBt誘導された複製起源の挿入
を促進する。
シャトルベクターは抗生物質耐性を与える少なくとも
1つの選択可能なマーカー遺伝子を、また、含有し、こ
の遺伝子はプラスミドの中の除去可能なDNA制限断片上
に存在する。選択可能なマーカー遺伝子はBtの中で機能
であるか、あるいはE.coliの中で機能的であるか、ある
いは両者の中で機能的であることができる。別々のまた
は異なるマーカー遺伝子は、E.coliおよびBtの形質転換
体について別々に選抜するために望ましいことがある。
Btの中で機能である場合、選択可能なマーカー遺伝子は
好ましくはBt誘導された複製起源に隣接して位置する。
E.coliの中で機能的である場合、選択可能なマーカー遺
伝子は好ましくはE.coliの中で機能的である複製起源を
含有するDNA断片に隣接して位置するか、あるいはその
中に位置する。BtまたはE.coliの中で機能的である選択
可能なマーカー遺伝子は、クロランフェニコール、テト
ラサイクリン、カナマイシンまたは他の適当な抗生物質
に対する耐性を与えるものであることができる。E.coli
の中で機能的である他の選択可能なマーカー遺伝子は、
アンピシリン(ベータラクタマーゼ)耐性遺伝子であ
る。
本発明のプラスミドシャトルベクターの中の多重クロ
ーニング部位は、通常、挿入されたBt遺伝子、すなわ
ち、組み換えBt菌株構成体の中の毒素エンコーディング
遺伝子として機能的であることを意図するBt遺伝子のク
ローニングを促進する、連鎖した系列の制限エンドヌク
レアーゼ切断部位として合成された。
好ましい多重クローニング部位は、次の順序で制限エ
ンドヌクレアーゼ切断部位を有し、そしてXbaI部位はBt
誘導された複製起源に隣接して位置する: XbaI、PstI、KpnI、SmaI、AvrII、BamHI、XhoI、Sst
I、ClaI、HpaI、SphI、EagI、SfiI、SalI、NotI。
他の好ましい多重クローニング部位は、次の順序で制
限エンドヌクレアーゼ切断部位を有し、そしてBamHI部
位はBt誘導された複製起源に隣接して位置する: BamHI、XhoI、PstI、SstI、SphI、SmaI、HindIII、Ec
oRI、SalI、NotI。
これらの2つの多重クローニング部位は好ましくはor
i44、ori60またはori43とともに使用する。
本発明の3つのプラスミドシャトルベクターは第1図
に示されており、この図面はベクターpEG597、pEG853お
よびpEG854のための構造の地図を描写する。これらのシ
ャトルベクターおよびそれらの使用を好ましい実施態様
の説明および実施例においてより詳細に記載する。
図面の簡単な説明 第1図は3つのプラスミドシャトルベクター、pEG59
7、pEG853およびpEG854のための直線の制限地図を描写
し、そしてまたそれらの構造成分を例示する。個々のベ
クターはクロランフェニコールアセチルトランスフェラ
ーゼ(cat:充実セグメント)とDNA断片、pTZ19u(陰影
を施した)のための抗生物質耐性マーカー遺伝子との間
に位置するNotI部位において開いていることが示されて
おり、pTZ19uはE.coliの中で機能的である複製起源(図
示せず)、f1ファージ複製起源(f)、アンピシリン抗
生物質耐性マーカー遺伝子(amp)およびlaczプロモー
ター(plac)を有する。各プラスミド、ori44、ori60ま
たはori43についてのBt誘導された複製起源(に示すよ
うに)は、重量セグメントとして示すDNA断片上に位置
する。多重クローニング部位(三角形のセグメント)
は、それぞれのBt複製起源とpTZ19uのDNA断片との間に
位置する。制限エンドヌクレアーゼ切断部位のために文
字の略号は、次のように解読することができる:Av=Avr
II、B=BamHI、C=ClaI、E=EcoRI、H=HindIII、H
p=HpaI、K=KpnI、N=NotI、P=PstI、S=SalI、S
f=SfiI、Sm=SmaI、Sp=SphI、St=SstI、X=XhoI、X
b=XbaI。「1kb」記号は1000塩基対の長さの標準であ
る。
第2図は、Bt菌株からの複製起源を回収するために有
用な、レプリコンクローニングベクターpEG588の直線の
構造地図である。ベクターはpMI1101から誘導されたク
ロランフェニコールアセチルトランスフェラーゼ抗生物
質耐性マーカー遺伝子(cat:充実セグメント)とDNA断
片、pTZ18U(陰影を施したセグメント)との間に位置す
るEcoRI部位(E)において開いていることが示されて
おり、pTZ18uはE.coliの中で機能的である複製起源(or
i)、f1複製起源(f)、アンピシリン抗生物質耐性マ
ーカー遺伝子(amp)およびlaczプロモーター(plac)
を含有する。多重クローニング部位は、cat制限遺伝子
とpTZ18uのDNA断片との間に位置し、そして制限エンド
ヌクレアーゼ切断部位を有し、それらの文字の略号は第
1図のための要約において解読される。「500bp」の記
号は500塩基対の長さの標準である。
第3図は、Bt複製起源ori44、ori60またはori43を含
有する、いくつかの組み換えプラスミドの直線の構造地
図を示す。第3A図において、pEG588-8およびそのサブク
ローン、pEG851、はBt誘導された複製起源ori44を有す
る。第3B図において、pEG588-14aはori60を有する。第3
C図において、pEG588-13aおよびそのサブクローン、pEG
599はori43を有する。Bt誘導された複製起源は、それぞ
れのプラスミドの中の白色セグメントとして示すDNA断
片上に位置する。各プラスミドの中の充実セグメント
は、pMI1101から誘導された、クロランフェニコールア
セチルトランスフェラーゼ遺伝子(cat)を示す。各プ
ラスミドにおける陰影を施したセグメントは、E.coliの
中で機能的である複製起源、f1ファージ複製起源
(f)、アンピシリン耐性遺伝子(amp)およびlaczプ
ロモーター(plac)を含有する、DNA断片pTZ18uまたはp
TZ19u(示すように)である。これらの構造地図の中の
制限エンドヌクレアーゼ切断部位のための文字の略号
は、第1図のための要約において解読される。「11b」
の記号は1000塩基対の長さの標準である。
第4図は、Bt var.kurstaki菌株HD263-6(菌株A)お
よびHD73-26-10(菌株B)の在留するプラスミドのオー
トラジオグラムおよびサザンブロット分析からの臭化エ
チジウム染色したゲルの写真である。表1に記載するBt
複製起源のクローンは、7つの異なるBtプラスミド複製
起源を表し、ハイブリダイゼーションプローブとして使
用した:これらはゲルのレーンの各々について同定され
る。略号:L=直線のDNA断片;M=大きさの標準として使
用した直線のラムダDNA;mDa=メガダルトン。
第5図は、第5A図、第5B図および第5C図から成り、そ
してBt var.kurstaki菌株HD-263の44mDaプラスミドから
誘導されたBt複製起源、ori44のためのヌクレオチド配
列を描写する。ヌクレオチド位置797-1732から伸長する
オープンリーディングフレームについて推定されたアミ
ノ酸配列を、また、示す。AT含量に富む(>85%AT)DN
A配列はボールドフェースのタイプで示す。直接および
逆向きの反復配列は矢印で示され、そして下のケースの
文字で標識してペアリングを促進する。
第6図は、第6A図、第6B図および第6C図から成り、そ
してBt var.kurstaki菌株HD-263の60mDaプラスミドから
誘導されたBt複製起源、ori60のためのヌクレオチド配
列を描写する。ヌクレオチド位置627-1844から伸長する
オープンリーディングフレームについて推定されたアミ
ノ酸配列を、また、示す。AT含量に富む(>85%AT)DN
A配列はボールドフェースのタイプで示す。直接および
逆向きの反復配列は矢印で示され、そして下のケースの
文字で標識してペアリングを促進する。
第7図は、第7A図、第7B図および第7C図から成り、そ
してBt var.kurstaki菌株HD-263の43mDaプラスミドから
誘導されたBt複製起源、ori43のためのヌクレオチド配
列を描写する。ヌクレオチド位置829-2358から伸長する
オープンリーディングフレームについて推定されたアミ
ノ酸配列を、また、示す。AT含量に富む(>85%AT)DN
A配列はボールドフェースのタイプで示す。直接および
逆向きの反復配列は矢印で示され、そして下のケースの
文字で標識してペアリングを促進する。
第8図は、第5図に示すヌクレオチド配列に相当する
ori44の直線の構造地図である。陰影を施したセグメン
トおよびその関連する矢印は、複製起源遺伝子のオープ
ンリーディングフレームおよび転写の方向を示す。第5
図において同定するATに富んだ配列は第8図において充
実セグメントで示されている。ori44の中のヌクレオチ
ド配列を決定するために使用した方法は、構造地図の下
に水平の矢印で描写されている。構造地図の中に示す制
限エンドヌクレアーゼ切断部位のための文字の略号は、
次のように解読することができる:A=AccI、Bg=BglI
I、Cs=Csp451、E=EcoRI、H=HindIII、Nd=NdeI、
S=SalI、Xb=XbaI。「250bp」記号は250塩基対の長さ
の標準である。
第9図は、第6図に示すヌクレオチド配列に相当する
ori60の直線の構造地図である。陰影を施したセグメン
トおよびその関連する矢印は、複製起源遺伝子のオープ
ンリーディングフレームおよび転写の方向を示す。第6
図において同定するATに富んだ配列は第9図において充
実セグメントで示されている。ori60の中のヌクレオチ
ド配列を決定するために使用した方法は、構造地図の下
に水平の矢印で描写されている。構造地図の中に示す制
限エンドヌクレアーゼ切断部位のための文字の略号は、
第8図の要約において解読される。「500bp」記号は500
塩基対の長さの標準である。
第10図は、第7図に示すヌクレオチド配列に相当する
ori43の直線の構造地図である。陰影を施したセグメン
トおよびその関連する矢印は、複製起源遺伝子のオープ
ンリーディングフレームおよび転写の方向を示す。第7
図において同定するATに富んだ配列は第10図において充
実セグメントで示されている。ori43の中のヌクレオチ
ド配列を決定するために使用した方法は、構造地図の下
に水平の矢印で描写されている。構造地図の中に示す制
限エンドヌクレアーゼ切断部位のための文字の略号は、
第8図の要約において解読される。「250bp」記号は250
塩基対の長さの標準である。
第11図は、Bt誘導された複製起源ori44を含有する、
プラスミドシャトルベクターpEG597を例示する略線図で
ある。プラスミドシャトルベクターpEG597は、また、or
i44を有する、プラスミドpEG851(参照、第3A図)か
ら、第11図に示す工程の系列により誘導した。第1工程
において、pEG851をSphIで消化し、DNA末端をT4DNAポリ
メラーゼで平滑末端とし、その後平滑末端をT4DNAリガ
ーゼと結合して、示すような生ずるプラスミドを生成し
た。次の工程において、NotI(N)部位を、示すよう
に、EcoRIに挿入した。次いで多重クローニング部位(M
SC)をHindIII(H)部位に挿入して、プラスミドシャ
トルベクターpEG597を生成した。pEG851およびpEG597に
ついての直線の構造地図は、それぞれ、第3図および第
1図のための要約において解読されそして説明されてい
るのと同一の略号を利用する。
第12図は、Bt誘導された複製起源ori60を含有するプ
ラスミドシャトルベクターpEG853、およびBt誘導された
複製起源ori43を含有するプラスミドシャトルベクターp
EG854の構成を例示する略線図である。これらのプラス
ミドシャトルベクターの両者は、描写した工程の順序に
よりプラスミドシャトルベクターpEG597(参照、第1図
および第11図)から誘導した。第1工程において、pEG5
88-14aからのori60を含有する2.3kbのSalI断片(参照、
第3B図)をpEG597からの4.35kbのpTZ19u-catのSalI断片
(それからori44を欠失した)に結合して、プラスミドp
EG852を生成した。次の2つの工程において、SfiI(S
f)部位をpEG852のXbaI(Xb)部位に挿入し、次いで多
重クローニング部位(MCS)をBamHI(B)部位に挿入し
て、プラスミドシャトルベクターpEG853をつくった。pE
G853からXbaI消化によりori60複製起源を除去し、そし
てpE599からのori43を有する2.8kbのXbaI断片(参照、
第3C図)は、最後の工程に示すように、プラスミドシャ
トルベクターpEG854を生じた。pEG597、pEG853およびpE
G854について、および第12図に示すそれらの関係する中
間体のプラスミドについての直線の構造地図は、第1図
の要約において解読および説明されているのと同一の略
号を利用する。
第14図は第14A図および第14B図から成る。第14A図は
クーマッシイ(Coomassie)染色したSDS−ポリアクリル
アミドゲルの写真であり、pEG863(cryIA(c)毒素遺
伝子を含有するプラスミドシャトルベクターpEG597)を
含有する組み換えBt var.aizawai菌株EG6346によりつく
られた結晶タンパク質を示す。2つのBt菌株対照を使用
した:Bt var.aizawai EG6345およびそのキュアーした誘
導体、Bt菌株EG6346;両者の菌株はスポドプテラ・エキ
グア(Spodptera exigua)に対する結晶タンパク質を生
産する。精製したCryIA(c)の毒素タンパク質を、ま
た、示すように、タンパク質の標準として含めた。3つ
の毒素タンパク質のバンドはBt菌株EG6345からの結晶調
整物において明らかであるが、2つの毒素タンパク質の
バンドはBt菌株EG6346からの結晶調整物において明らか
である。第14B図は、CryIA(c)の毒素タンパク質(P1
型タンパク質)に対して特異的な抗体を使用して、Bt菌
株EG6346/pEG863の中のcryIA(c)遺伝子の発現を実証
する、第14A図に示すゲルのウェスタンブロットの写真
である。
第15図は、6つの鱗翅目の昆虫種に対する殺昆虫活性
について試験した、3つのBt菌株についてのバイオアッ
セイの結果(表4に示す)を描写する。Bt菌株は毒素を
エンコードするプラスミドシャトルベクターpEG863を含
有するBt菌株EG6346、および対照として自然EG6345およ
びそのキュアーした誘導体EG6346であった。殺昆虫活性
は、昆虫の幼虫の50%を殺すために要求される胞子/結
晶調整物のナノリットル/カップで表すLC50値として測
定する。試験した昆虫種は、スポドプテラ・エキグア
(Spodptera exigua)(SE)、オストリニア・ヌビラリ
ス(Ostrinia nubilalis)(ON)、ヘリオチス・ビレス
センス(Heliothsi virescens)(HV)、ヘリオチス・
ゼア(Heliothis zea)(HZ)、トリコプルシア・ニ(T
richoplusia ni)(TN)およびプルテラ・キシロステラ
(Plutella xylostella)(PX)であった。
第16図は2つのマーカープラスミド、pEG872およびpE
G871、についての直線の構造地図を示し、これらのプラ
スミドはcryIIIA-1acz遺伝子の融合体を含有し、そして
それらのBt複製起源を除外してそれ以外は同一である。
マーカープラスミドpEG872およびpEG871は、それぞれ、
プラスミドシャトルベクターpEG854およびpEG853から
(参照、第1図)から、pBR322からのDNAの短いセグメ
ントを、また、含有するcryIIIA-1acz遺伝子融合体を含
有するBamHI-SphI制限断片(クロスハッチングしたセグ
メント)をそれらのそれぞれの多重クローニング部位の
中に挿入することによって誘導した。プラスミドの中の
種々のDNAセグメントの源または同定は、構造地図の下
のマークしたボックスにより示す。略号:pcryIIIA-cryI
IIA遺伝子プロモーター断片:lacz=lacz遺伝子;1kb=1,
000塩基対の長さの標準。制限部位についての文字の略
号を包含する他の略号は、第1図の要約において解読お
よび説明されている。
第17図は、プラスミドシャトルベクターpEG147につい
ての直線の構造地図である。プラスミドpEG147は、よく
知られたプラスミドpBC16からEcoRI断片(充実セグメン
ト)をよく知られたE.coliのクローニングベクターpUC1
8(陰影を施したボックス)のSspI(Ssp)の中に挿入す
ることによって誘導した。pEG147のpBC16誘導した部分
は、Btの中で機能でありかつBt誘導された複製起源ori4
3、ori60およびori44と適合性であるpBC16からの複製起
源(ori)を含有する。テトラサイクリン抗生物質耐性
マーカー遺伝子(tet)は、また、Btの中で機能であ
る。pEG147のpUC18誘導セグメントは、E.coliの中で機
能的である複製起源(ori)およびアンピシリン抗生物
質耐性マーカー遺伝子(amp)を含有する。三角形セグ
メントにより示された多重クローニング部位はpUC18の
一部分である。構造地図の中に示す制限部位についての
文字の略号は第1図についての要約において解読され
る。
第18図は、プラスミドシャトルベクターpEG871(ま
た、第16図に示す)の直線の構造地図を含み、そしてpE
G871を制限エンドヌクレアーゼSfiI(Sf)で消化して、
Bt複製起源ori60および関連するcryIIIAプロモーターを
もつlacz遺伝子を含有するpEG871からのDNA断片を回収
することを例示する。次いで、SfiI制限断片をT4DANAリ
ガーゼと、この図面に示すように、自己結合しそして、
実施例10に記載するように、同時形質転換を経てBt宿主
の中に導入することができる。略号および記号は第16図
についての要約において解読および説明されている。
好ましい実施態様の説明 本発明の新規なプラスミドシャトルベクターは、バチ
ルス属(Bacillus)およびE.coliの微生物における使用
を意図する、2機能的組み換えDNAクローニングベクタ
ーである。このベクターは、クローニングしたBt殺昆虫
性毒素遺伝子または殺昆虫性産生物をエンコードする遺
伝子をBtの中に導入して、本質的にBt誘導されそしてBt
以外の生物学的源からのDNAを含有しない組み換えBt菌
株を生ずることができるように設計されている。本発明
のシャトルベクターを使用して得られる組み換えBt菌株
は、そのDNA含量が本質的にBt誘導されている、組み換
え毒素エンコーディングプラスミドを含有するので、環
境の解放の観点から魅力的である。
プラスミドシャトルベクターは、機能的Bt複製起源、
機能的E.coli複製起源、および必要に応じて抗生物質に
対する耐性を与える1または2以上の欠失可能なDNAセ
グメントを含有する。ベクターは、また、合成多重クロ
ーニング部位、およびベクターの種々の適合を可能とす
る1または2以上の対の独特の制限エンドヌクレアーゼ
切断部位を含有する。
シャトルベクターの中の独特制限部位は、次のことを
可能とする:1)Bt複製起源、多重クローニング部位およ
びこの多重クローニング部位の中にクローニングされた
遺伝子を含有するクローニングベクターからの単一のDN
Aの切除、切除されたDNA断片は自己結合および選択可能
なプラスミドによるBtの同時形質転換を経る、機能的非
選択可能なプラスミドとしてBtの中への導入に適当であ
る;2)別の複製起源、好ましくはBt複製起源とのBt複製
起源の置換;および3)E.coliの複製起源の欠失または
別の複製起源によるE.coli複製起源の置換。プラスミド
シャトルベクターのこれらの特性は、生物農薬としてBt
の組み換え菌株の発生において、それを極めて有用性と
する。
シャトルベクターの中の2つの隣接する要素、Bt誘導
された複製起源および多重クローニング部位は独特の制
限部位によりフランキングされている。これらの制限エ
ンドヌクレアーゼ切断部位は、プラスミドシャトルベク
ターに対して独特であり、そしてクローニングしかつ組
み換えBt菌株の中に挿入すべき、Bt毒素エンコーディン
グ遺伝子断片の中に存在しない。
この明細書の中で言及する「独特」制限エンドヌクレ
アーゼ切断部位は、2つの基準のいずれか、あるいは両
者を使用して選抜することができる:(i)8塩基対の
制限部位は一般に6塩基対の部位より希である;(ii)
Btゲノムはわずかに30%のGCであると推定され、それゆ
えGCに富んだ制限部位、例えば、SfiIおよびNotIは例外
的に希である。
Bt複製起源を取り囲む独特のフランキング部位および
多重クローニング部位は、望ましくはSfiIおよび/また
はSalI制限部位である。これらの制限部位、とくにSfiI
はBtゲノムの中に頻繁には存在しない(したがって、問
題のBt毒素遺伝子の中に希に見いだされる)ので、それ
らはBt複製起源および多重クローニング部位の中にクロ
ーニングされたBt毒素遺伝子を含有するプラスミドシャ
トルベクターから、単一のDNA断片を回収する信頼性あ
る手段を提供する。回収される単一のDNA断片は、Bt複
製起源および多重クローニング部位の両者を含有し、慣
用方法により、例えば、T4DNAリガーゼを使用して容易
に自己結合して断片の末端は接合される。自己結合可能
なDNA断片上で、本発明のプラスミドシャトルベクター
を経て、クローニングしたBt毒素遺伝子およびBt複製起
源を組み合わせる能力は、小さい毒素エンコーディング
機能的プラスミドをBtの中に同時形質転換を経て導入す
る手段を提供する。
Bt複製起源を取り囲むフランキング部位および多重ク
ローニング部位は好ましくは同一であるが、あるいは互
いに適合性であることができる。また、2組のこのよう
なフランキング部位が存在することができ、例えば、一
方のフランキング対SfiI部位であり、そして他方のフラ
ンキング対はSalI部位である。
E.coliの中で機能的である複製起源およびBt誘導され
た複製起源を含有するDNA制限断片の各々は、プラスミ
ドシャトルベクターから除去可能である。E.coli複製起
源を含有するDNA断片をフランキングする独特制限部位
は望ましくは同一であるが、あるいは互いに適合性であ
ることができる。希な制限部位NotIは好ましくはE.coli
のDNAセグメントをフランキングするか、あるいはそれ
を取り囲む部位について使用される。なぜなら、NotI部
位はgtゲノムの中に頻繁には存在しない(したがって、
問題のBt毒素遺伝子の中に希に見いだされる)からであ
る。
同様に、Bt誘導された複製起源をフランキングする制
限部位あるいはBt誘導された複製起源を含有するDNA断
片は、望ましくは、シャトルベクターに対して独特であ
りかつ好ましくは同一であるが、あるいは適合性であ
る。制限エンドヌクレアーゼ切断部位XbaIはこの目的に
好ましい。
これらの独特の制限部位はそれぞれのE.coliおよびBt
の複製起源を別の複製起源で置換することを可能とし、
これによりこの開示において例示する特定のプラスミド
シャトルベクターを越えた利点を提供できる、追加のク
ローニングベクターの構成を促進することができる。例
えば、この明細書において現在開示されたものを越えた
増大した安定性を示す、追加のBt複製起源のクローンを
見いだすことができる。異なる複製起源を含有する多数
のプラスミドは多数の種々のBtの間から検出することが
できる。これらのプラスミドの任意のものは、下に概説
するクローニング手順を使用して、追加の、新しく特性
決定されたBt複製起源のための源として働くできるよう
である。このような新規なBt複製起源は、それ以上の試
験のために、第1図を描写しそして下に詳細に記載す
る、プラスミドシャトルベクターpEG853およびpEG854の
中に容易に挿入することができる。
プラスミドシャトルベクターの中のBtおよびE.coliの
複製起源の除去可能な性質に対する他の利点は、当業者
とって明らかであろう。組み換えBt菌株を使用する発酵
の研究のために、E.coliの複製起源をもつDNA断片は適
当なプラスミドシャトルベクターから欠失して、Bt複製
起源、多重クローニング部位の中に挿入されたBt毒素遺
伝子、およびBtの中で機能である選択可能な抗生物質耐
性遺伝子から成る、毒素エンコーディングプラスミドを
生ずることができる。生ずるプラスミドは、主としてBt
誘導されたDNAから構成され、中間体の構成体として働
き、その特性は規模を大きくした発酵実験においてE.co
liのDNAの不存在下に容易に評価することができる。こ
のような特性は、Btの中の分離の安定性、組み換えBt菌
株における全体の結晶毒素の生産へのその衝撃、および
組み換えBt菌株の殺昆虫活性へのその作用を包含する。
このような組み換えプラスミドの安定性を実施例7より
詳細に記載する。
本発明のプラスミドシャトルベクターは、自然Btプラ
スミド複製起源を利用しかつBt毒素遺伝子を含有する小
さいプラスミド、すなわち、30mDaより有意に小さいプ
ラスミドを選択なしでBt宿主菌株の中で安定に維持でき
るという発見を利用する。Bt菌株の特性についての入手
可能な文献は、毒素遺伝子を収容するBtプラスミドが30
mDaより事実上常に大きいことを教示しているが、なぜ
そうであるかについて理由は与えられていない。とくに
小さい未解明のプラスミド、すなわち、そのエンコード
された遺伝子産生物が未知であるプラスミドはBtの中に
豊富に存在するので、Btの中の小さい毒素エンコーディ
ングプラスミドの不存在は不可能なことである。Bt複製
起源が大きいBtプラスミドから誘導された、この明細書
の中に記載するプラスミドシャトルベクターを使用し
て、2つの異なるBt毒素遺伝子はBt菌株の中にエレクト
ロポレイションにより導入され、そして組み換えプラス
ミドはプラスミドが比較的小さい大きさにかかわらず、
このようなBt構成体の中で安定に維持されることが示さ
れた。この研究の詳細は実施例6および7に表されてい
る。
本発明の新規なシャトルベクターはBtプラスミドから
誘導された複製起源を含有する。Bt複製起源の分離およ
び特性決定および3つのBt複製起源のDNA配列の分析
は、よく知られたBt菌株、Bt var.kurstaki HD-263およ
びBt var.kurstaki HD-73のプラスミド−キュアード誘
導体を使用する本発明者らの研究に基づく[参照、ゴン
ザレズ(Gonzalez)、Jr.ら、プロシーディングス・オ
ブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシズ(Pr
oc.Natl.Acad.Sci.)USA、79、pp.6951-6955(198
2)]。これらの2つのキュアード誘導体はBt菌株HD263
-6、Bt菌株HD73-26、およびBt菌株HD73-26-10であり、
後者はBt菌株HD-263からの44mDaのプラスミドを含有す
るキュアード誘導体HD73-26のトランス接合体の菌株で
ある。下に記載する手順から明らかであるように、他の
Bt菌株は本発明において使用するBt複製起源を得るため
の源材料として使用することができた。これらの手順に
おいて使用する方法の一般的記載は次の通りである: Bt機能的複製起源を欠如するが、Btの中で機能であ
る、クロランフェニコール抗生物質耐性遺伝子、cat、
を含有する、クローニングベクターpEG588を使用するエ
レクトロポレイションにより、直接Btの中でBtプラスミ
ド複製起源をクローニングした。1または2以上のBt複
製起源を含有するDNA断片をpEG588ベクターの中に挿入
すると、Btをクロランフェニコール耐性に形質転換する
ことがきる。
Bt菌株HD73-26-10およびHD263-6の中の耐性プラスミ
ドを複製起源のクローニング手順のために利用したが、
毒素エンコーディングまたは未解明である、プラスミド
を含有するBt菌株をその代わりに使用することができ
た。Bt菌株HD73-26-10は44および4.9mDaのプラスミドを
含有するBt菌株HD73-26のトランス接合体の誘導体であ
る;Bt菌株HD263-6は約130、約110、60、43、7.5、5.4、
5.2および4.9mDaのプラスミドを含有する;毒素遺伝子
はほぼ110および60mDa上に位置する。Bt菌株HD263-6お
よびHD73-26-10からのプラスミドDNAを分離し、制限エ
ンドヌクレアーゼMboIで部分的に消化し、そしてpEG588
のBamHI部位の中に結合した。結合産生物を使用して、
アクリスタリフェラス(acrystalliferous)Bt菌株HD73
-26をクロランフェニコール耐性に形質転換した。新規
なプラスミドを収容するクロランフェニコール耐性Btク
ローンをサザンブロット分析により特性決定し、そして
プラスミドをそれらの複製起源に従いグループに分け
た。Bt菌株HD263-6からのクローンはBt菌株HD263-6から
の60、43、7.5、5.4、5.2および4.9mDaのプラスミドか
らの複製起源を含有したが、Bt菌株HD73-26-10クローン
をBt菌株HD73-26-10からの44および4.9mDaのプラスミド
からの複製起源を含有した。
60mDaのプラスミドからのBt複製起源は2.3キロ塩基
(kb)DNA断片上に含有された。44および43mDaからのBt
複製起源は、実施例に記載するように、それぞれ、2.2
および2.8kbの小さいDNA断片に局存化された。これらの
3つのBt複製起源は形質転換されたアクリスタリフェラ
スBt菌株HD73-26の中の選抜の不存在下にすぐれた分離
安定性を示し、こうして引き続くクローニングベクター
の発生における使用に適すると選抜された。
3つのBt複製起源はさらにDNA配列分析により特徴づ
けた。簡単に述べると、クローニングした複製起源はよ
く知られたM13ファージのベクターmp18および/またはm
p19の中に挿入され、そして組み換えファージはE.coli
宿主TG1の中で増殖した。一本鎖DNAの鋳型のDNA配列の
分析のための標準の技術を使用した。驚くべきことに
は、配列の分析において、3つのBt複製起源は、同様な
大きさ(43、44および60mDa)のプラスミドから誘導さ
れ、それらの2つが毒素遺伝子をエンコードする(44お
よび60mDa)が、ヌクレオチドオまたはアミノ酸配列の
レベルで、互いに対して有意の相同性を示すことが明ら
かにされた。これらの結果を、実施例2において論じか
つ第4図に示す、サザンブロットのデータと一緒にする
と、Btプラスミドの複製起源は、互いに関係するよりむ
しろ、個々に独特であることを示唆する。さらに、他の
グラム陽性バクテリアからの分離された複製起源につい
ての発表された配列と比較すると、ヌクレオチドまたは
アミノ酸配列のレベルにおいて、ここに開示する3つの
Bt複製起源の配列との有意の相同性は示されない。
本発明のシャトルベクターは、また、E.coliの中で機
能的である複製起源をもつ除去可能なDNA断片を含有す
る。シャトルベクターの設計のこの面において、実施例
はE.coliの中で機能的である複製起源を含有するベクタ
ーからのDNAセグメントの各末端における希な制限部位
(NotI)の配置を記載する。この構成はE.coli誘導DNA
断片を必要に応じてシャトルベクターから欠失できるよ
うにする。
シャトルベクターは、必要に応じて、抗生物質耐性遺
伝子を含有し、そしてこれらは容易に除去可能であるこ
とを意図する。このような場合においてそして実施例に
記載するように、SfiIおよび/またはSalI部位はBt複製
起源および隣接する多重クローニング部位を含有するDN
Aセグメントの各末端に位置することができる。これに
より、Bt複製起源および多重クローニング部位から成
り、必要に応じて挿入され、クローニングされた毒素遺
伝子をもつ、自己結合性DNA断片をシャトルベクターか
ら回収することができる。この方法において、シャトル
ベクターの中に本来存在するBt以外のDNA配列、例え
ば、E.coli機能的複製起源およびその隣接する、任意の
抗生物質耐性マーカー遺伝子を切除するとができる。
本発明のシャトルベクターの他の特徴は、Bt複製起源
が他の適当なBt複製起源と置換することができることで
ある。本発明の例示するシャトルベクターの2つ(pEG8
53およびpEG854)は、Bt複製起源の断片の各末端にXbaI
部位を含有して、他の複製起源の置換を可能とする。
多重クローニング部位はシャトルベクターの他の要素
である。時にはポリリンカーと呼ぶ多重クローニング部
位の構成は当業者によく知られており、こうしてそれ以
上の詳細な説明を必要としない。下に記載する実施例に
おいて、アプライド・バイオシステムス(Applied Bios
ystems)380BDNA合成装置を使用して、当業者によく知
られている手順に従い、新規な制限エンドヌクレアーゼ
部位および多重クローニング部位をベクターの中に導入
した。
本発明のプラスミドシャトルベクターにおいて使用す
るための1つの好ましい多重クローニング部位は、次の
順序で制限部位を有し、XbaI部位はBt誘導された複製起
源に隣接して位置する:XbaI、PstI、KpnI、SmaI、AvrI
I、BamHI、XhoI、SstI、ClaI、HpaI、SphI、EagI、Sfi
I、SalI、NotI.この多重クローニング部位のヌクレオチ
ド配列は次の通りである: 第2の好ましい多重クローニング部位は次の順序で制
限部位を有し、BamHI部位はBt誘導された複製起源に隣
接して位置する:BamHI、XhoI、PstI、SstI、SphI、Sma
I、HindIII、EcoRI、SalI、NotI。この第2多重クロー
ニング部位は次の通りである: これらの異なるプラスミドシャトルベクターは、また
クローニングベクターと呼び、この開示において例示さ
れる。44mDaのプラスミドからのBt複製起源を含有する
シャトルベクターをpEG597と表示する。60mDaのプラス
ミドからのBt複製起源を含有するシャトルベクターをpE
G553と表示する。43mDaのプラスミドからのBt複製起源
を含有するシャトルベクターをpEG554と表示する。
毒素遺伝子cryIA(c)およびcryIIAの両者は、Bt菌
株HD-263の在留プラスミドからクローニングされ、実施
例6より詳細に記載するように、3つのシャトルベクタ
ーの中に挿入された。次いで毒素エンコーディングプラ
スミドをアクリスタリフェラスBt菌株HD73-26の中にエ
レクトロポレイションにより導入し、そして生ずる組み
換えBt菌株を引き続いて毒素の生産およびプラスミドの
安定性について評価した。cryIA(c)遺伝子を収容す
る組み換えBt菌株は有意のレベルのCryIA(c)毒素タ
ンパク質を生産した;同様に、cryIIA遺伝子を収容する
組み換え体は有意のレベルのCryIIA毒素タンパク質を生
産した。pEG853およびpEG854に基づくプラスミドは、大
きさが比較的小さいにかかわらず、クロランフェニコー
ルを使用する選抜の不存在下にきわめてすぐれた分離の
安定性を示した。殺昆虫性毒素遺伝子を収容する小さい
プラスミドは顕著に自然Bt菌株の中に存在しないので、
組み換え体pEG853およびpEG854に基づくプラスミドにつ
いて観察される安定性は期待されなかった。
Bt組み換え菌株の発生のための本発明のシャトルベク
ターの利用の実証としてCryIA(c)遺伝子を有するプ
ラスミドをBt菌株、Bt var.aizawai菌株EG6346の中に導
入し、この菌株はスポドプテラ・エキグア(Spodptera
exigua)(シロイチモンジヨトウ)に対して比較的すぐ
れた殺昆虫活性を示すが、プルテラ・キシロステラ(Pl
utella xylostella)(コナガ)およびトリコプルシア
・ニ(Trichoplusia ni)(イラクサキンウワバ)を包
含する、種々の他の鱗翅目の昆虫の病害虫に対して商業
的に許容されえない活性を示した。組み換えBt菌株EG63
46は、CryIA(c)毒素タンパク質およびその挿入され
たcryIA(c)遺伝子を含有し、CryIA(c)毒素タンパ
ク質を生産し、そして、プルテラ・キシロステラ(Plut
ella xylostella)およびトリコプルシア・ニ(Trichop
lusia ni)に対するCryIA(c)毒素タンパク質の効力
のある殺昆虫活性のために、すべての3種類の昆虫の病
害虫に対してすぐれた殺昆虫活性を示した。これは実施
例8により詳細に記載されている。
エレクトロポレイションの研究を実施して、実施例9
に記載するように、選択可能なマーカー遺伝子を欠如す
る自己結合したプラスミドのDNAをBtの中に導入するた
めに、同時形質転換を使用できるかを確証した。この研
究のために、cryIIIA-lacz遺伝子融合体を含有するDNA
断片(第1部分は鞘翅目活性のBt毒素遺伝子からのプロ
モーターを含有する)を、シャトルベクターpEG853およ
びpEG854の多重クローニング部位の中に挿入して、それ
ぞれ、プラスミドpEG871およびpEG872を生成した。cryI
IIA-lacz遺伝子はベーターガラクトシダーゼ活性をもつ
融合タンパク質をエンコードする。この酵素活性を使用
して、発色性色素のインジケーターX-Gal(5−ブロモ
−5−クロロ−3−インドリルβ−D−ガラクトピラノ
シド)をブルーの色素に転化することができる。cryIII
A-lacz遺伝子融合体の産生物を発現するBtのコロニー
は、X-Galを含有するプレート上で成長させたとき、青
色である。
同時形質転換のための調整において、cryIIIA-laczプ
ラスミドpEG871およびpEG872を制限エンドヌクレアーゼ
SfiIおよびNotIで消化し、T4DNAリガーゼと結合し、そ
してpEG147(テトラサイクリン耐性遺伝子、tet、を含
有するプラスミド)と組み合わせて、アクリスタリフェ
ラスBt菌株HD73-26をエレクトロポレイションによりテ
トラサイクリン耐性に形質転換した。cryIIIA-laczおよ
びBt複製起源を含有するpEG871およびpEG872のSfiI断片
の自己結合はBtの中で複製することができる選択不可能
なプラスミドのDNA(すなわち、選択可能なcat遺伝子を
含有しないもの)を生じた。エレクトロポレイションし
たイラクサキンウワバをテトラサイクリンおよびX-Gal
を含有する寒天プレート上に広げ、そして30℃において
一夜成長させた。テトラサイクリン耐性Btコロニーの約
2〜5%は青色であり、そしてクロランフェニコール感
受性であり、これらのコロニーはlacz遺伝子を含有する
が、クロランフェニコール耐性遺伝子(cat)を欠如し
そして多分pEG871およびpEG872からのE.coli機能的複製
起源を欠如することが示された。青色のクロランフェニ
コール感受性コロニーの回収が実証するように、pEG871
およびpEG872からの自己結合したSfiI断片は同時形質転
換によりBtの中に首尾よく導入され、cryIIIA-lacz遺伝
子を含有するが、抗生物質耐性遺伝子およびE.coli機能
的複製起源を欠如する組み換えプラスミドが生じた。テ
トラサイクリン耐性遺伝子を含有するpEG147の除去は、
引き続いてテトラサイクリン感受性のBtコロニーについ
て選抜することによって達成することができる。生ずる
テトラサイクリン感受性Bt菌株はBt複製起源を有する組
み換えプラスミドのみを含有し、そしてcryIIIA-lacz遺
伝子は多重クローニング部位の中に挿入された。
実施例9に記載するpEG871およびpEG872を使用する同
時形質転換の研究の結果は、Btの中の小さい毒素エンコ
ーディングプラスミドの分離安定性を実証するデータと
一緒に、本発明が生物学的源から誘導された外来DNAを
含有しない組み換えBt菌株の発生において有用であるこ
とを示す。
この同一の同時形質転換手順を採用して、普通のコロ
ニーブロットハイブリダイゼーション手順および、lacz
マーカー遺伝子の代わりに、放射線標識した毒素遺伝子
特異的ハイブリダイゼーションプロープを使用して、本
発明のシャトルベクターにより毒素遺伝子をBtの中に導
入して、テトラサイクリン耐性コロニーの中から、シャ
トルベクターから誘導された選択不可能な毒素エンコー
ディングプラスミドを含有するコロニーを同定するとが
できる。コロニーブロットハイブリダイゼーション手順
において、テトラサイクリン耐性Btコロニーを部分的に
ニトロセルロースのフィルターに移し、ここでそれらを
溶解し、そして解放されたプラスミドDNAをフィルター
上に固定化する。放射線標識した毒素遺伝子断片への固
定化したプラスミドDNAのハイブリダイゼーションはオ
ートラジオグラフィーにより検出することができ、これ
により毒素エンコーディングプラスミドを含有するコロ
ニーを同定することができる。組み換え毒素エンコーデ
ィングプラスミドを含有するテトラサイクリン感受性Bt
クローンは引き続いてクロランフェニコール上の成長に
ついて試験して、クロランフェニコール耐性遺伝子、ca
t、不存在を実証することができる。前のように、テト
ラサイクリン耐性遺伝子を含有する、選択可能なプラス
ミドpEG147の除去は、引き続いてテトラサイクリン感受
性コロニーについて選択することができる達成すること
ができる。生ずるテトラサイクリン感受性Bt菌株は、Bt
複製起源および多重クローニング部位の中に挿入された
毒素遺伝子を有する組み換えプラスミドのみを含有する
であろう。
次の実施例は本発明および本発明のシャトルベクター
の構成に使用した手順を説明する。この技術水準を知る
者は認識するように、多数の場合において、1より多い
実験のプロトコルを使用して所望の目的を達成すること
がきる。特定の手順を適当と思われるとき引用または記
載するが、これらは実施例を実施することができる独占
的な手段として解釈すべきではない。
実施例1 Btから複製起源を分離するために有用である、クローニ
ングベクター、pEG588、の構成 Bt菌株のH.ズルメイジ(Dulmage)保存機関から入手
した、Bt菌株HD-263 var.kurstakiの中に見いだされる
プラスミドを、引き続く実施例に記載する複製起源のク
ローニング手順のための源材料として選択した。しかし
ながら、プラスミドを収容する任意のBt菌株を使用し
て、プラスミド複製起源をクローニングすることができ
る。普通の組み換えDNA技術を、複製起源のクローニン
グ実験およびベクターの構成において使用した。マニア
チス(Maniatis)ら、実験室のマニュアル、分子クロー
ニング:実験室のマニュアル(Molecular Cloning:A La
boratory Manual)、1982、コールド・スプリング・ハ
ーバー・ラボラトリー(Cold Springu Harbor Laborato
ry)、コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring
Harbor)、ニューヨーク州、は、これらの技術の有用な
参照源を提供する。
この実施例において、プラスミドpEG588はBtから複製
起源を回収するために有用であるクローニングベクター
として働くように構成した。この目的で、E.coliプラス
ミドpTZ18uを制限エンドヌクレアーゼEcoRIで消化し、
そしてpC194のクロランフェニコールアセチルトランス
フェラーゼ(cat)遺伝子を含有するpMI1101からの1.5
キロ塩基(kb)のEcoRI断片に結合して、Btの中で機能
である選択可能な(クロランフェニコール耐性)マーカ
ー遺伝子をもつクローニングベクターを得た。所望の向
きにcat遺伝子を含有する生ずるプラスミド構成体、pEG
588と表示する、を第2図の構成地図に示す。pEG588ク
ローニングベクターは、ニュー・イングランド・バイオ
ラブス・インコーポレーテッド(New England Biolabs,
Inc.)から入手した、E.coli宿主菌株GM2163の中で調整
した。
pEG588プラスミドは、Btの中で機能である複製起源を
欠如するために、Btの中で複製することができない。引
き続く実施例は、2つのBt菌株からのDNA断片を使用し
て、このベクター上の自律的複製を与えた方法を記載す
る。
実施例2 Btからの複製起源のクローニング Bt誘導された複製起源は、主として、2つのBt菌株、
Bt var.kurstaki菌株HD-73および菌株HD-263の中のプラ
スミドから得た。源のプラスミドは未解明のプラスミド
および毒素エンコーディング遺伝子を有するプラスミド
の両者を含んでいた。後者のプラスミドは、殺昆虫性Cr
yIA(c)結晶タンパク質をエンコードする遺伝子を含
有するHD-263からの44mDaおよび60mDaのプラスミドを含
んでいた。
Bt菌株HD-263の44mDaのプラスミドから複製起源をク
ローニングするために、Bt菌株HD73-26-10、HD-263から
の44mDaのプラスミドおよびHD-73からの4.9mDaのプラス
ミドを収容するトランス接合体菌株、からのプラスミド
DNAを、クロンスタッド(Kronstad)ら、ジャーナル・
オブ・バクテリオロジー(J.Bacteriology)(1983):4
19-428に記載されているよく知られている手順により分
離した。Bt菌株HD73-26-10からのプラスミドDNAを制限
エンドヌクレアーゼMboIで部分的に消化して、2〜15キ
ロ塩基(kb)の領域の中にDNA断片を生成した。このDNA
のほぼ等モルの濃度を、制限エンドヌクレアーゼBamHI
で既に消化した、実施例1に記載する、クローニングベ
クターpEG588に結合した。結合反応の産生物を使用し
て、Bt菌株HD73-26、HD-73のキュアードアクリスタリフ
ェラス誘導体をクロランフェニコール耐性に形質転換し
た。
Bt菌株HD73-26の合計21のクロランフェニコール耐性
クローンを回収し、そして水平のアガロースゲル上で変
更したエックハルト(Eckhardt)溶菌手順により新規な
プラスミドについて分析した。pEG588から誘導された、
これらの21のクローンの各々からの新規なプラスミドを
pEG588-1〜pEG588-21と表示した。
これらの21のプラスミドの間で、pEG588-8はアガロー
スゲルの電気泳動により決定して最小の複製起源のイン
サート(約3.2kb)を含有した。pEG58-8の構造地図を第
3A図に示す。pEG588-8からの複製起源のインサートをサ
ザンブロット分析のためのハイブリダイゼーションプロ
ーブとして使用した。18のクロランフェニコール耐性ク
ローン、すなわち、形質転換体からの新規なプラスミド
はpEG588-8プローブに強くハイブリダイゼーションし
た。pEG588-8からのBt複製起源を第3A図に示すようにpE
G851の中にサブクローニングし、そしてpEG851はBt菌株
HD733-26-10の中の44mDaのプラスミドにハイブリダイゼ
ーションすることが示された。このサザンブロットハイ
ブリダイゼーションの結果を第4図にプローブ1につい
て示す。この結果が実証するように、pEG851はBt菌株HD
-263の44mDaのプラスミドから誘導された複製起源を含
有する。
3つの残りの形質転換体は、菌株Bt HD73-26の耐性4.
9mDaのプラスミドから成るハイブリダイゼーションプロ
ーブにサザンブロット上で強くハイブリダイゼーション
する新規なプラスミドを含有した。こらのプラスミドの
1つのpEG588-2は4.9mDaのBt菌株HD73-26-10およびHD26
3-6にハイブリダイゼーションであることが示された。
このサザンブロットハイブリダイゼーションの結果は、
また、第4図に示されている。この結果が実証するよう
に、pEG588-2はBt菌株HD73-26-10の4.9mDaのプラスミド
から誘導された複製起源を含有する。
Bt菌株HD-263からの他のプラスミドの複製起源は、44
mDaのプラスミドを欠如するHD-263のキュアード誘導体
である、Bt菌株HD-263-6から分離したプラスミドDNAを
使用して、同様な方法において得られた。新規なプラス
ミドを含有する合計24のクロランフェニコール耐性クロ
ーンがこのコロニー手順において得られた。これらのプ
ラスミドの中に存在する複製起源のインサートは、ハイ
ブリダイゼーションプローブとしてこれらのプラスミド
のいくつかからのインサートを使用してサザンブロット
分析に基づいて、6つの明確な相同性のグループに入る
ことが発見された。引き続いて、各相同性のグループ
は、表1に示すように、Btの中で複製することが示され
た各相同性のグループの最小のクローニングした複製起
源のインサートを使用して、在留Btプラスミドのサザン
ブロット分析により、その在留Btプラスミドと合致し
た。
これらの研究からのBtプラスミドの複製起源のクロー
ンの代表的なリストを表1に下に示す;この表はまたpE
G851を包含する。この表はに対しての在留プラスミド
源、ならびにプラスミドの複製起源のクローンの中のDN
A制限断片のインサートの大きさを示す。第4図は、表
1に列挙するクローンを使用するサザンブロットハイブ
リダイゼーションの結果を示す。
表1に列挙する、4.9、7.5、43、44および60mDaのプ
ラスミドから誘導された複製起源を含有する個々のプラ
スミドの各々は、それを誘導した残留Btプラスミドのみ
に対する相同性を示した。5.4mDaのプラスミド、pEG588
-4a、からの複製起源を含有する組み換えプラスミド
は、在留4.9mDaのプラスミドに対する部分的相同性を示
すが、その逆は当てはまらない。5.2mDaのプラスミド、
pEG588-20a、からの複製起源を含有する組み換えプラス
ミドは、在留43mDaのプラスミドに対する強い相同性を
示すが、その逆は当てはまらない。これらのデータが実
証するように、これらの在留プラスミドから誘導された
複製起源は互いに非相同性である。この明細書に開示し
かつ、それぞれ、第5図、第6図および第7図に示す、
44、60および43mDaのプラスミドからのBt複製起源のそ
れぞれのDNA配列は、これらの3つのBt複製起源の間で
ヌクレオチド配列の相同性を示さない。
実施例3 Bt複製起源のDNA配列の分析 Bt var.kurstaki菌株HD-263から得られた44、60およ
び43mDaのプラスミドから分離されたBt複製起源は、そ
れぞれ、ori44、ori60およびori43と表示した。この3
つのBt複製起源の各々は分離され、そして完全に配列決
定された。ori44、ori60およびori43についてのDNA配列
は、それぞれ、第5図、第6図および第7図に示されて
いる。
ori44、ori60およびori43についてのクローニングお
よび配列決定の手順は次の通りである。ori44を、実施
例2に前に記載しかつ第3A図に示す、pEG851から分離さ
た2.2kbのHindIII/SalIのDNA断片としてM13ファージの
ベクターmp18の中にサブクローニングした。第8図は、
ori44を含有する2.2kbのHindIII/SalI断片の構造地図を
示す。
ori60を、第3B図に示しかつ表1に記載する、pEG588-
14aから分離された2.3kbのSalI断片として、両者の向き
でmp18の中にサブクローニングした。第9図は、ori60
を含有する2.3kbのSalI断片の構造地図を示す。
ori43を、第3B図に示しかつ表1に記載する、pEG599
から分離された2.8kbのXbaI断片として、両者の向きでm
p18の中にサブクローニングした。第10図は、ori43を含
有する2.8kbのXbaI断片の構造地図を示す。
一本鎖DNAの鋳型をジデオキシ連鎖停止方法に従い
[アルファー35S]dATPおよびシクエナーゼ(Sequenase
R)DNA配列決定キット、USバイオケミカル・コーポレー
ション(Biochemical Corp.)から入手可能である、を
使用して配列決定した。合成オリゴヌクレオチドはアプ
ライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)380B
DNA配列決定装置上で発生させて、DNA配列分析のための
プライマーとして使用した。配列の分析はM13汎用プラ
イマーを使用して開始した。引き続いて、配列決定邸プ
ライマーを誘導されたDNA配列に基づいて必要に応じて
合成した。
Bt複製起源ori44、ori60およびori43を収容するBtのs
fの完全なヌクレオチド配列を、それぞれ、第5図、第
6図および第7図に示す。複製起源の断片からの直線の
制限地図の線図をori44、ori60およびori43について、
それぞれ、第8図、第9図および第10図に示す。
44mDaのプラスミドからの複製起源、ori44(第5図)
は、936bp(312アミノ酸)のオープンリーディングフレ
ーム(ORF)および71.4%の全体のAT含量により特性決
定される、2249bpのDNA断片上に含有される。ORFは確か
らしい開始コドンとしてGUGをもつヌクレオチド位置797
において開始する。推定されるタンパク質遺伝子産生物
は36,478ダルトン(Da)の分子量を有する。この配列
は、また、ORFの外側に存在するATに富んだDNA(>85%
のAT)のセグメントを含有する。多数の直接および逆向
きの反復はORFの上流の領域に存在する。これらの反復
の1つ(第5図において「b」と標識する)は、また、
推定上のシャイン−ダルガルノ(Shine-Dalgrno)配列
をスパンする。ORFに引き続いて逆向き反復配列、第5
図において「e」と標識する、が存在し、これは転写タ
ーミネーターとして働く。
60mDaのプラスミドからの複製起源、ori60(第6図)
は、1218bp(406アミノ酸)のORFおよび69.1%の全体の
AT含量により特性決定される、2290bpのDNA断片上に含
有される。ORFはヌクレオチド位置627において開始し、
そして47,780Daの推定されたタンパク質をエンコードす
る。この配列は2つのATに富んだドメイン、1つはORF
の前および1つはORF内、により特性決定される。前者
はある数の直接および逆向きの反復の間に横たわるが、
後者はORF内の反復した配列の複雑な系列に隣接して横
たわる。これらの反復に加えて、ORFに引き続いて他の
大きい逆向きの反復、第6図において「e」と表示す
る、が存在し、これは転写ターミネーターとして機能す
ることができるであろう。
43mDaのプラスミドからの複製起源、ori43(第7図)
は、1530bp(510アミノ酸)のORFおよび67.9%の全体の
AT含量により特性決定される、2828bpのDNA断片上に含
有される。ORFはヌクレオチド位置829において開始し、
そして58,320Daの推定されたタンパク質をエンコードす
る。他の2つの反復と同様に、ori43はORFの上流のATに
富んだドメインを含有する。大きい逆向きの反復、第7
図において「b」と標識する、は、推定上の開始コドン
の51bpの上流において中心をなす。11bpの直接の反復の
一方のコピー、「i」と標識する、は、推定上のシャイ
ン−ダルガルノ(Shine-Dalgrno)配列の上に横たわ
る。他方のコピーは、ヌクレオチド1174において開始
し、ORF内の21/26bpの逆向きの反復、第7図において
「c」と標識する、からなる。他の2つの複製起源と対
照的に、逆向きの反復はORFの下流において検出されな
かった。
ori44、ori60およびori43についてのヌクレオチド配
列は、他の発表されたDNA配列と、あるいは互いに有意
の相同性を示と思われない。これらの3つのBt複製起源
についてのヌクレオチド配列を使用して、ゲンバンク
(GenBank)データベースを相同性の原核生物の配列に
ついてサーチした。さらに、相同性の比較は発表された
配列を使用して連鎖球菌属およびバチルス属のクラスI
のプラスミド、pC194、pUB110、pRBH1、pC221、pT181、
pUB112、pS194、pC223およびpSN2のプラスミドの複製起
源について実施した。バチルス・アミロリクイファシエ
ンス(Bacillus amyloliquifaciens)からのpFTB14およ
びBt ss.スリンギエンシス(thuringiensis)の小さい
未解明のプラスミドpG12についての発表された配列を、
また、分析した。すべての場合において、有意の相同性
は、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列のレベルにおい
て、検出されなかった。最後に、有意の相同性はori4
4、ori60およびori43について誘導されたヌクレオチド
およびアミノ酸配列の間で観察されず、これらの3つの
Bt複製起源は構造的に互いに無関係であることが示され
る。
クラスI(一本鎖)のDNAプラスミドの特徴を示す保
存されたプラスおよびマイナスの起源の配列は、また、
存在しない。これが示唆するように、黄色ブドウ球菌
(S.aureus)および枯草菌(B.subtilis)の小さいプラ
スミドと対照的に、ori44、ori60またはori43により支
配されるBtの自然のプラスミドは、一本鎖DNAの中間体
を経て複製しない。
Bt菌株の間のBt複製起源ori44、ori60およびori43の
存在率を、また、評価した。研究したBt var.kurstaki
菌株の14の異なる菌株の間で、ori44およびori43は菌株
の70%の中に存在した;ori60は菌株の55%の中に存在し
た。これらのBt複製起源の存在率はkurstaki以外の変種
であるBt菌株においてより低かった;ori44は研究した47
のkurstaki以外のBt菌株の38%の中に存在した。ori60
およびori43についての対応する百分率は、それぞれ、2
3%および26%であった。
実施例4 ori44を含有するシャトルベクターpEG597の構成 ori44をもつBt複製起源のクローンは、実施例2に記
載しかつ第3A図に示すpEG588-8上に含有され、本発明を
例示するシャトルベクターの発生における使用のために
選択した。プラスミドpEG851はpEG588-8、第3A図におけ
る構造地図により示される、から、pEG588-8の3.75kbの
EcoRI-HindIII断片をE.coliベクターpTZ19u(EcoRIおよ
びHindIII部位において切断した)の中に挿入し、これ
によりpTZ19uの多重クローニング部位をcat遺伝子およ
びBt複製起源、ori44、と置換することによって誘導し
た。
第11図に示す構造/制限地図は、開始点としてpEGA85
1を使用して、実施例3に記載する44mDaのプラスミドの
Bt複製起源、ori44、に基づくシャトルベクターを構成
するために使用した多工程の方法を例示する。cat遺伝
子の下流に位置するSphI部位は、T4DNAポリメラーゼお
よびdNTPを使用して、pEG851をSphIで消化して3'オーバ
ーハングを除去し、そして平滑末端をT4DNAリガーゼと
一緒に結合することによって除去した。引き続いて、Ec
oRI部位は、このプラスミドをEcoRIで切断し、そしてEc
oRI適合性末端をもつNotIリンカーを挿入することによ
って、NotI部位と置換した。最後に、制限エンドヌクレ
アーゼの切断部位の配列BamHI、XbaI、PstI、SstI、Sph
I、SmaI、HindIII、EcoRI、SalI、NotIをもつ多重クロ
ーニング部位を独特HindIII部位に挿入して、新規なシ
ャトルベクター、pEG597と表示する、を生成した。多重
クローニング部位の構成の詳細な説明は不必要である。
なぜなら、分子クローニングおよびベクターの構成にお
ける合成オリゴヌクレオチドの使用は当業者に知られて
いるからである。pEG597における多重クローニング部位
の配列および向きはDNA配列の分析により確証された。
この目的で、鋳型DNAを二本鎖DNAからセクエナーゼ(Se
qenaseR)配列決定キットのマニュアルにおいて推奨さ
れている手順により調整した。
実施例5 ori60を含有するシャトルベクターpEG853およびori43を
含有するシャトルベクターpEG854の構成 この開示において例示する第2および第3のシャトル
ベクターの発生において、プラスミドpEG588-14a(表
1、第3B図)をBt複製起源、ori60、のための源として
使用した。Bt複製起源ori60は第3図に示すpEG588-14a
の中の2.3kbのクローニングされたインサート上に含有
され、そしてこのクローンをここでpEG853と表示するシ
ャトルベクターを構成する基礎として使用した。
第12図に示す構造/制限地図は、pEG853およびその後
pEG854を構成するために使用した多工程の手順および方
法を例示する。実施例4に記載する第1シャトルベクタ
ーpEG597を、発生法における出発点として使用した。60
mDaのプラスミドからのBt複製起源、ori60は、第3B図に
示すプラスミドpEG588-14aの中のSalI部位によりフラン
キングされた2.3kbの断片上に含有される。pEG588の中
に存在するBamHI部位は、pEG588-14aの中のクローニン
グされたインサートの1端において修復された。このイ
ンサートは、SalI断片として、第12図に示すように、ca
tおよびpTZ19uを含有するpEG597の4.36kbのSalI断片に
結合してp52を生成した。SfiI部位をpEG852のXbaI部位
にSfiI:XbaIリンカーを使用して挿入して、また、第12
図に示すように、挿入されたリンカーの1つの側でXbaI
部位を修復した。第12図に示すリンカーの所望の向きは
DNA配列の分析により選択した。引き続いて、多重クロ
ーニング部位(MCS)を第12図における非標識プラスミ
ドの独特BamHI部位に挿入して、第12図に示すように、
シャトルベクターpEG853を生成した。多重クローニング
部位は次の制限エンドヌクレアーゼ切断部位の配列を有
した:XbaI、PstI、KpnI、SmaI、AvrII、BamHI、XhoI、S
stI、ClaI、HpaI、SphI、EagI、SfiI、SalI、NotI。多
重クローニング部位の向きは、制限酵素の分析により選
択し、そしてDNA配列分析により確証した。
第2シャトルベクター、pEG854、は、出発点としてpE
G853を使用して発生させた。pEG853の中のBt複製起源、
ori60、を、他のBt複製起源、ori43、で置換してシャト
ルベクターpEG854を生成した。43mDaのプラスミドから
の複製起源、ori43、はpEG588-13a(表1、第3C図)上
に含有され、第3C図に示すように、2.8kbのXbaI断片をp
EG588の中にサブクローニングしてプラスミドpEG599を
生成することによって、pEG588-13a内の2.8kbのXbaIに
局在化された。次いで、サブクローンpEG599は、Bt菌株
HD73-26をクロランフェニコール耐性に形質転換するそ
の能力により、Btの中で複製することが示された。シャ
トルベクターpEG854を構成するために、pEG853をXbaIで
切断し、そしてpEG599からの2.8kbのXbaI断片を挿入す
ることによって、すべて第12図に示すように、pEG853の
中にori60を含有するBt複製起源断片をpEG599の中のori
43を含有するBt複製起源断片で置換した。生ずるシャト
ルベクターの構成体、pEG854、は、シャトルベクターpE
G853の中に存在する制限部位のDNA断片のすべてを含有
する。
両者のシャトルベクター、pEG853およびo54、は、pTZ
19uの各末端に位置する希な制限エンドヌクレアーゼ部
位、NotI、を有して、このDNA構造遺伝子の除去を促進
することによって特徴づけられる。さらに、SfiIおよび
SalI部位は、Bt複製起源および多重クローニング部位を
含有するDNAセグメントの各末端に位置して、Bt以外のD
NA配列、すなわち、pTZ19u-cat DNA断片の切除を可能と
する。さらに、独特XbaI部位はシャトルベクターpEG853
およびpEG854の中のBt複製起源のDNA断片の各末端に位
置して、他の複製起源、例えば、ori44またはBt複製起
源を含有する他のDNA断片の置換を可能とする。
実施例6 Bt毒素遺伝子のBtシャトルベクターの中への挿入 この実施例は、特異的毒素遺伝子をもつ組み換えBt菌
株を構成するためのシャトルベクターのプラスミドの発
現ベクターとしての利用を実証する。この目的で、2つ
の明確なBt内毒素遺伝子を3つのシャトルベクター、pE
G597、pEG853およびpEG854の各の中に別々に挿入した
(参照、第1図)。Btの中の過度の産生のこの実証のた
めに選択した第1遺伝子は、cryB1従来として知られて
いる、cryIIA遺伝子であった(参照、HfteおよびWhi
teley、1989)。cryIIA遺伝子は、CryIIAタンパク質
(前にP2内毒素と呼ばれた)、これは鱗翅目および双翅
目の両者の昆虫の幼虫に対して殺昆虫活性を示す、をエ
ンコードする。CryIIAタンパク質はBt var.kurstaki菌
株菌株の中に小さい立方形の結晶として蓄積するが、典
型的には多数の他のBt変種の中に存在しない。第2の選
択した遺伝子、cryIA(c)は、種々の鱗翅目の昆虫の
病害虫に対して比較的効力のある殺昆虫活性を示す。こ
の遺伝子は、Bt菌株HD-263から由来する44mDaのプラス
ミド上に単一のcryIA(c)遺伝子を有する、トランス
接合体Bt菌株HD73-26-10からクローニングした。
cryIIA遺伝子は、ドノバン(Donovan)ら、ジャーナ
ル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.Biol.Che
m.)(1988)263:561-567に記載されている、pEG201の
中の4.0kbのBamHI-HindIII断片上に位置し、シャトルベ
クターpEG597の中にBamHIおよびHindIII部位に挿入して
pEG864を発生した。pEG201からの同一cryIIA遺伝子を、
シャトルベクターpEG853およびpEG854のBamHIおよびHpa
I部位の中に、4.0kbのBaMHI-HpaI断片として挿入し、そ
れぞれ、プラスミドpEG858およびpEG862を生成した。第
2遺伝子、cryIA(c)、は、本発明者により構成され
た、Bt菌株HD73-26-10からの44mDaのプラスミドDNAのバ
クテリオファージのクローンから分離した、5.0kbのSph
I-SalI断片上に含有された。この5.0kbのDNA断片は、す
べての3つのシャトルベクター、pEG597、pEG853、pEG8
54の中に、SphIおよびXhoI部位に挿入して、それぞれ、
pEG863、pEG897およびpEG861を生成した。
6つの構成体を表2に記載する。
これらのプラスミドは、下に詳細に記載するように、
アクリスタリフェラスBt var.kurstaki菌株HD73-26の中
にエレクトロポレイションにより導入し、そして形質転
換体を毒素の産生について検査した。
エレクトロポレイションは下に記載する手順に従い実
施した。Bt菌株HD73-26は30℃において激しく震盪しな
がら0.5×脳心臓浸出液および0.5%のグリセロール(BH
I培地)の中の一夜成長させた。500μlの一夜の培養物
を10mlのBHI培地の中に懸濁させ、そして30℃において
震盪しながら1時間成長させた。細胞を調整用遠心機内
で4000rpmでJA20ローターを使用して4℃において10分
間沈澱させた。細胞の沈澱物を0.625モルのショ糖およ
び1ミリモルのMgCl2を含有する10mlのエレクトロポレ
イション緩衝液(EB)の中に氷上で再懸濁させ、そして
再び沈澱させた。生ずる細胞の沈澱物を3.2mlのEBの中
に再懸濁させ、そして必要となるまで氷上に貯蔵した。
エレクトロポレイションはバイロラド・ジーン・パルサ
ー(BioRad Gene PulserR)装置を使用して実施した。
エレクトロポレイションのクベットは、両者共無菌の水
の中に表面させた、800μlのBt菌株HD73-26細胞(EB
中)および受容体の細胞の中に導入すべき10〜20μlの
プラスミドDNA(参照、表2に記載するプラスミド)を
含有した。ジーン・パルサー(Gene Pulser)を6250V/c
mおよび25μFにセットした。クベットの内容物を電気
的にパルシングした後、細胞を0.2μg/mlのクロランフ
ェニコールを含有する1.6mlのルリア(Luria)ブロス
(LB)に移し、そして30℃において震盪しながら2時間
インキュベーションした。この発芽後成育後、細胞を5
μg/mlのクロランフェニコールを含有するNSMプレート
(23g/lの栄養ブロス寒天、1ミリモルのMgCl2、0.7ミ
リモルのCaCl2、0.05ミリモルのMnCl2を含有する)上で
プレイティングした。NSMプレートを30℃において一夜
インキュベーションした。
エレクトロポレイションの手順の完結後、表2に列挙
する毒素エンコーディングプラスミドを含有する、Bt菌
株HD73-26クロランフェニコール耐性形質転換体を制限
酵素により特性決定し、そして5μg/mlのクロランフェ
ニコールの存在および不存在の両者において、液体成長
培地の中で30℃において3日間成長させた。Bt培養物を
完全に胞子形成するまで成長させ、そして溶菌させた、
すなわち、形成したBtの胞子およびタンパク質の結晶を
細胞の溶解により解放した。
Bt菌株HD73-26の溶菌した培養物から収穫したタンパ
ク質の結晶を相コントラスト顕微鏡検査により検査し、
そしてSDS−ポリアクリルアミドゲルの電気泳動(SDS-P
AGE)により分析した。SDS-PAGEのために毒素タンパク
質を調整するために、胞子形成したBt培養物のアリコー
ト(100μl)をマイクロフーグの中で室温において5
分間遠心した。胞子の結晶の沈澱物を1mlの10ミリモル
のトリス−HCl(pH7.5)、1mlのEDTA、1mlのEGTAで1回
洗浄し、そしてサバント・スピード−バク・コンセント
レイター(Savant Speed Vac Concentrator)の中で5
〜10分間乾燥した。乾燥した沈澱物をSDS試料緩衝液の
中で95〜100℃において5〜10分間懸濁させた。不溶性
物質をマイクロフーグ中で2分間遠心することによって
除去した。上澄み液のアリコート(10〜20μl)を10%
のSDS−ポリアクリルアミドゲル上にの電気泳動のため
に負荷した。SDS-PAGE分析の結果を第13図に示す。
cryIIA遺伝子を収容する(プラスミドpEG864、pEG85
8、pEG862上に)Bt菌株HD73-26形質転換体は、第13図に
示すように、ほぼ70kDaのタンパク質をSDS−ポリアクリ
ルアミドゲルを生ずる、しばしば胞子より大きい、大き
い丸いまたは立方形の結晶を生成した。このタンパク質
は精製したCryIIA(P2)結晶タンパク質(標準として使
用した)と同時移動した。同様に、cryIA(c)遺伝子
を収容する(プラスミドpEG863、pEG857、pEG861上に)
Bt形質転換体はCryIA型タンパク質に典型的な2ピラミ
ッド状の結晶を生成した。このCryIA(c)タンパク質
は、SDS−ポリアクリルアミドゲル上で約134kDaの見掛
けの分子量で精製したCryIA(c)結晶タンパク質(標
準として使用した)と同時移動した。成長培地の中のク
ロランフェニコールの存在または不存在は、毒素タンパ
ク質の生産に観察可能な作用をもたなかった。これらの
結果が実証するように、シャトルベクターはBt宿主菌株
の中でBt毒素遺伝子を発現するすることができ、かつ、
その発現に有用である。クローニングしたBt毒素遺伝子
は本発明のシャトルベクターの中に挿入し、容易にBtの
中にエレクトロポレイションにより導入し、そして組み
換えBt菌株の中でBt毒素タンパク質を生産するために使
用することができる。
実施例7 毒素エンコーディングプラスミドの安定性 各々が表2に記載するBt毒素遺伝子を含有する、実施
例6からの6つのシャトルベクターをBt菌株HD73-26の
中の安定性について試験して、それらが親のベクター、
すなわち、挿入された毒素遺伝子をもたないシャトルベ
クターを保持するかどうかを決定した。毒素エンコーデ
ィングプラスミドを含有するBt菌株HD73-26の形質転換
体を、選抜の不存在下に(すなわち、クロランフェニコ
ールを使用しないで)ほぼ18世代の間成長させ、LBプレ
ート上にプレイティングし、そして単一のコロニーを5
μg/mlのクロランフェニコールを含有するNSMプレート
に移した。クロランフェニコール耐性コロニーは問題の
プラスミドを収容すると仮定した。
これらの研究の結果を表3に示す。表3のデータは、
18世代後に試験した合計の数のコロニーから回収された
クロランフェニコール耐性コロニーの数、例えば、288/
300を示す。分画の回収割合を表にしたデータの下に記
載する。プラスミドの表示を、また、適当な場合、括弧
内に示して表2に対する参照を促進する。
pEG853およびpEG854から誘導された毒素エンコーディ
ングプラスミド(すなわち、pEG857、pEG858、pEG861、
pEG862)は選抜の不存在下にきわめてすぐれた安定性を
示したが、pEG597から誘導された毒素エンコーディング
プラスミド(すなわち、pEG863、pEG864)は多少の不安
定性(18世代後20〜32%)を示した。
シャトルベクターpEG897およびpEG853に基づく毒素エ
ンコーディングプラスミドを、また、E.coliから誘導さ
れたDNA(pTZ19u)の欠失後、NotI消化およびT4DNAリガ
ーゼとのベクター断片の自己結合により、安定性につい
て試験し、そしてこれらのデータをt3の最後の2欄に示
す。これらの小さい毒素エンコーデイングプラスミド
は、なお、クロランフェニコールアセチルトランスフェ
ラーゼ(cat)マーカー遺伝子を含有した。前述のよう
に、これらのプラスミドを次いでエレクトロポレイショ
ンによりBt菌株HD73-26の中に導入後安定性について評
価した。pTZ19u配列の除去は、表3の中のデータにより
証明されるように、形質転換されたBt菌株HD73-26の中
のプラスミドの安定性に対する作用を殆どあるいは全く
もたなかった。
この実施例の結果が示すように、Bt誘導されたDNAか
ら主として構成された小さい毒素エンコーディングプラ
スミドは選抜なしで組み換えBt宿主の中で維持すること
ができる。
本発明のシャトルベクターの使用により得られたBt菌
株構成体が収容する組み換えプラスミドは、また、低い
水平の遺伝子の転移、すなわち、接合プラスミドの転移
を経るを示し、これはプラスミドの接合転移を仲介する
特異的遺伝子を含有すると推定される、自然の接合Bt毒
素エンコーディングプラスミドと異なる。ori43およびo
ri44を誘導した、43mDaの未解明のプラスミドおよび44m
Daの毒素遺伝子プラスミドは接合により転移可能である
が、ori60源の60mDaの毒素タンパク質は転移不可能であ
ることに注意することは興味あることである。
実施例8 毒素遺伝子を含有するBt菌株の中へのシャトルベクター
を経るクローニングした毒素遺伝子の導入および組み換
えBt菌株のバイオアッセイ 多数の毒素遺伝子を収容するBt菌株の殺昆虫活性への
導入した毒素遺伝子の作用を検査するために、表2に記
載する、cryIA(c)を含有するシャトルベクターpEG86
3を、cryIA型遺伝子を欠如するが、スポドプテラ・エキ
グア(Spoptera exigua)(シロイチモンジヨトウ)に
対してすぐれた殺昆虫活性を有する菌株である、Bt va
r.aizawaiの中に導入した。Bt菌株EG6346形質転換体
は、EG6346/pEG863と表示する、を、液体成長培地の中
で、Bt培養物が完全に胞子形成しかつ溶菌されるまで、
30℃において3日間成長させた。胞子形成/溶菌したBt
培養物は主としてBtの胞子および結晶タンパク質および
多少の細胞の破片を含有した;この混合物を以後胞子/
結晶の調整物と呼ぶ。Bt菌株EG6346/pEG863の胞子/結
晶の調整物をSDS-PAGEにより分析し、引き続いてウェス
タンブロット分析により分析した。比較のため、Bt菌株
EG6346および関係するEG6345の胞子/結晶の調整物をま
た検査した。Bt菌株EG6345は、EG6346の毒素遺伝子に加
えて、cryIA(b)遺伝子を含有する。第1A図における
クーマッシイ(Coomassie)染色したゲルの写真は、Bt
菌株EG6345から分離した3つのタンパク質のバンドおよ
び各々Bt菌株EG6346およびEG6346/pEG863から分離した
2つのタンパク質のバンドを示す。CryIA(c)毒素特
異的抗体を使用する第1B図に示すウェスタンブロット分
析は、CryIA(c)毒素が組み換えBt菌株EG6346/pEG863
の中で産生されるが、Bt菌株EG6345およびEG6346の中で
産生されないことを確証する。
Bt菌株EG6345、EG6346、およびEG6346/pEG863の胞子
/結晶の調整物を、種々の鱗翅目の昆虫種に対する定量
的バイオアッセイにおいて直接使用した。昆虫種はヘリ
オチス・ゼア(Heliothis zea)(トウモロコシのオオ
タバコガ)、スポドプテラ・エキグア(Spodptera exig
ua)(シロイチモンジヨトウ)、オストリニア・ヌビラ
リス(Ostrinia nubilalis)(アワノメイガの幼虫)、
ヘリオチス・ビレスセンス(Heliothsi virescens)
(タバコガ)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia n
i)(イラクサキンウワバ)、プルテラ・キシロステラ
(Plutella xylostella)(コナゴ)を包含した。これ
らの鱗翅目の昆虫に対する活性は、プラスチック供給カ
ップ(600mm2)の中の3mlの寒天ベースの人工規定食に1
00μlの系統的に希釈した胞子/結晶の調整物を局所的
に適用することによって決定した。1つの新生児の幼虫
を各カップの中に入れ、そして7日後に致死率について
スコアを付けた。LD50値を30匹の幼虫/投与量を使用す
る8投与量の試験手順を使用してプロビット分析により
決定した。アッセイは二重反復実験において実施し、そ
して累積データを分析した。
バイオアッセイの結果を、試験した6つの昆虫種に対
するEG6345(自然Bt菌株)、Bt菌株EG6346(EG6345のキ
ュアード誘導体)およびBt菌株EG6346/pEG863(シャト
ルベクターpEG597から誘導された毒素エンコーディング
プラスミドを含有する組み換えBt菌株)の各々につい
て、表4に示す。試験した昆虫の幼虫の50%の致死率を
達成するために要求されるナノリットル/カップ(nl/
カップ)の胞子/結晶の調整物のLD50を表4に示す。
95%の信頼区間を表におけるLD50値の下に示す。
表4のデータを使用して第15図を作成し、これはこれ
らのBt菌株の相対的殺昆虫活性を比較するとき有用であ
る。
表4および第15図におけるバイオアッセイの結果が実
証するように、組み換えBt菌株EG6346/pEG863は、2つ
の対照菌株、Bt菌株EG6345およびEG6346のいずれと比較
しても、よりすぐれた殺昆虫活性を示す。
これらのバイオアッセイの結果が実証するように、Bt
菌株EG6346のバックグラウンドの中にcryIA(c)を含
有するpEG863を導入すると、試験した鱗翅目の昆虫のす
べてに対する菌株の殺昆虫活性が増強される:スポドプ
テラ・エキグア(Spodptera exigua)、オストリニア・
ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、ヘリオチス・ビレ
スセンス(Heliothsi virescens)、ヘリオチス・ゼア
(Heliothis zea)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusi
a ni)およびプルテラ・キシロステラ(Plutella xylos
tella)。Bt菌株EG6345と比較して、組み換えBt菌株EG6
346/pEG863は、また、試験した昆虫種の大部分に対して
改良された殺昆虫活性を示す。
実施例9 BtのDNAから誘導されかつ選択可能なマーカー遺伝子を
欠如する組み換えプラスミドを導入するための組み換え
Bt菌株の同時形質転換の使用 本発明のプラスミドシャトルベクター、例えば、pEG5
97、pEG853およびpEG854を、組み換えBt菌株の発生にお
いて使用できるur制限部位の対を使用して設計して、Bt
誘導DNAおよび合成多重クローニング部位のみを含有す
る毒素タンパク質を構成する。このような組み換えプラ
スミド構成体は、必要に応じてBt毒素遺伝子を含有し、
他の生物学的源から誘導されたDNAを含まず、そして抗
生物質耐性遺伝子を欠如する。
これらのプラスミド構成体は選択可能なマーカー遺伝
子を欠如し、これらのプラスミドを含有するBt形質転換
体についての直接の選択は不可能である。しかしなが
ら、これらの選抜不可能なプラスミドは、選択可能なマ
ーカー遺伝子、例えば、抗生物質耐性遺伝子を含有する
他のプラスミドとの同時形質転換により、Btの中に導入
することができる。BtプラスミドDNAから誘導されかつ
抗生物質耐性遺伝子を欠如するプラスミドを使用して、
同時形質転換体用いて組み換えプラスミドをBtの中に導
入することができることを実証するエレクトロポレイシ
ョンの研究を下に記載する。
この目的に同時形質転換体を使用できることを実証す
るために、本発明者により構成された、cryIIIA-lacz遺
伝子融合体を含有するBamHI-SphI制限断片をプラスミド
シャトルベクターpEG853およびpEG854の多重クローニン
グ部位の中に挿入して、それぞれ、プラスミドpEG871お
よびpEG872を生成した。プラスミドpEG871およびpEG872
の直線の制限地図を第16図に示す。
cryIIIA-lacz遺伝子融合体は同時形質転換の研究のた
めに便利なマーカー遺伝子として働く。cryIIIA-lacz遺
伝子は、ベーターガラクトシダーゼ活性をもつ融合タン
パク質をエンコードする。この酵素活性を使用して、発
色性色素のX-Gal(5−ブロモ−5−クロロ−3−イン
ドリルβ−D−ガラクトピラノシド)を青色の色素に転
化することができる。こうして、cryIIIA-lacz遺伝子融
合体を含有するが、選択可能な抗生物質耐性遺伝子を欠
如する組み換えプラスミドをBt形質転換体においてなお
検出することができる。
シャトルベクターpEG147、第17図に示す、を、同時形
質転換の実験において選択可能なプラスミドとして働く
ようにした。このベクターはテトラサイクリン耐性遺伝
子(tet)および、ori43、ori44およびori60と適合性
の、pBC16の複製起源を含有する。プラスミドpEG147
は、tetおよびpBC16複製起源vt、pBC16からのEcoRI断片
をE.coliクローニングベクターのSspI部位の中に挿入す
ることによって構成した。
同時形質転換のための調整において、5〜10マイクロ
グラム(μg)のcryIIIA-laczプラスミドpEG871および
pEG872を制限エンドヌクレアーゼSfiIおよびNcoIで切断
し、そして生ずるDNA断片をT4DNAリガーゼと結合した。
SfiIで消化すると、Bt複製起源およびcryIIIA-lacz遺伝
子融合体を含有するプラスミドからDNA断片が解放され
る。このSfiI断片の自己結合は、第18図に線図的に示す
ように、Bt複製起源および多重クローニング部位の中に
挿入されたcryIIIA-lacz遺伝子融合体を含有する組み換
えプラスミドを発生する。pEG871およびpEG872をNcoIで
同時に消化すると、catマーカー遺伝子またはE.coli誘
導pTZ19uを含有するDNA断片は、Bt複製起源およびcryII
IA-lacz遺伝子を含有するSfiI断片に結合するであろ
う。
同時形質転換のために、両者の結合反応(すなわち、
pEG871およびpEG872の制限消化物の結合)の産生物を0.
1μgの各々のpEG147(テトラサイクリン耐性遺伝子を
含有する)と別々に組み合わせ、そしてDNA混合物を使
用して、エレクトロポレイションによりBt菌株HD73-26
をテトラサイクリン耐性に形質転換した。エレクトロポ
レイションは実施例6に前に記載したように実施した
が、ただし発芽後成育機関の前にクロランフェニコール
を添加しなかった。発芽後成育期間後、細胞を50μlの
2%のX-Galで10μg/mlのテトラサイクリンを含有するN
SMプレート上に広げた。プレートを30℃において一夜イ
ンキュベーションした。
エレクトロポレイション手順から回収されたテトラサ
イクリン耐性コロニーの間で、約2〜5%は青色であ
り、そしてクロランフェニコール感受性であった。これ
が示すように、これらのテトラサイクリン耐性コロニー
は、そのtet遺伝子をもつpEG147に加えて、cryIIIA-lac
z遺伝子を含有したが、クロランフェニコール耐性遺伝
子(cat)を欠如し、そして多分pEG871およびpEG872か
らのpTZ19uセグメント(そのE.coli機能的複製起源をも
つ)を欠如した。青色のクロランフェニコール感受性コ
ロニーの回収が実証するように、pEG871およびpEG872か
らの自己結合したSfiI断片は同時形質転換によりBtの中
に首尾よく導入され、第18図に線図的に示すように、cr
yIIIA-lacz遺伝子を含有するが、抗生物質耐性遺伝子お
よびE.coli機能的複製起源を欠如する組み換えプラスミ
ドを生じた。
テトラサイクリン耐性遺伝子を含有するpEG147の除去
は、引き続いてテトラサイクリン感受性コロニーについ
て選抜することによって達成することができる。生ずる
テトラサイクリン感受性Bt菌株は、両者がプラスミドシ
ャトルベクターpEG871またはpEG872から誘導された、Bt
複製起源および多重クローニング部位の中に挿入された
cryIIIA-lacz遺伝子を有するプラスミドのみを含有する
であろう。
同一手順を採用して、BtのDNAから誘導された組み換
えプラスミド上のBtの中にクローニングした毒素遺伝子
を導入することができる。シャトルベクターから誘導さ
れた毒素エンコーディング組み換えプラスミドを含有す
るBtコロニーを、laczマーカー遺伝子の代わりに、普通
のコロニーブロットハイブリダイゼーション手順および
放射線標識した毒素遺伝子特異的ハイブリダイゼーショ
ンプローブを使用することによって、テトラサイクリン
耐性コロニーの間で同定することができる。
このような手順において、テトラサイクリナ耐性コロ
ニーをニトロセルロースのフィルターに部分的に移し、
ここでそれらを溶菌し、そして解放されたプラスミドDN
Aをフィルター上に固定化する。固定化されたプラスミ
ドDNAを含有するフィルターを、クローニングした毒素
遺伝子または適当なBt複製起源の断片から成る放射線標
識したハイブリダイゼーションプローブとインキュベー
ションする。これらのプローブのいずれかに対する固定
化されたプラスミドDNAのハイブリダイゼーションはオ
ートラジオグラフィーにより検出することができ、これ
により毒素エンコーディングプラスミドを含有するコロ
ニーを同定することができる。引き続いて、組み換え毒
素エンコーディングプラストミドを含有するテトラサイ
クリン耐性コロニーをクロランフェニコール上の成長に
ついて試験して、クロランフェニコール耐性遺伝子、ca
t、の不存在を実証することができる。テトラサイクリ
ン耐性遺伝子を含有する、選択可能なプラスミドpEG147
の除去は、引き続いてテトラサイクリン感受性Btコロニ
ーについて選択することによって達成することができ
る。生ずるテトラサイクリン感受性Bt菌株は、Bt複製起
源および多重クローニング部位の中に挿入されたBt毒素
遺伝子を有する組み換えプラスミドのみを含有するであ
ろう。
Btの同時形質転換を記載する先行技術における既知の
報告は存在しない。E.coliについての高度に効率よいエ
レクトロポレイション手順の開発(1010の形質転換体/
μgのDNA)は、他の研究者を、高いレベルの同時形質
転換がE.coliにおいてこの手順を使用して達成できるで
あろと信じさせた;参照、ドウワー(Dower)ら、「高
い電圧のエレクトロポレイションによるE.coliの高い効
率の形質転換(High efficiency transformation of E.
coli by high voltage electroporation)」、核酸の研
究(Nucl.Acids Res.)1989、16:6127-6145。対照的
に、既知のプロトコルを使用するBtの形質転換(同時形
質転換ではない)の発表された報告は比較的低い形質転
換効率、約105〜107の形質転換体/μgのDNAを示し、B
t細胞の小さい百分率のみが実際に形質転換される。Bt
の形質転換における報告された非効率性のために、本発
明者はBtを使用する彼の同時形質転換の研究においてす
ぐれた同時形質転換の効率を期待しなかった。それにも
かかわらず、1μgの各々のpEG871およびpEG872を使用
してBt菌株HD73-26をテトラサイクリン耐性に形質転換
すると、X-Galを含有するプレート上の青色のコロニー
の形成により証明されるように、テトラサイクリン耐性
コロニーの12%はpEG871を収容することが発見された。
0.1μgのpEG147および1μgのpEG871を使用してBt菌
株HD73-26を形質転換したとき、25%の同時形質転換頻
度が達成された。換言すると、pEG147を含有するテトラ
サイクリン耐性コロニーの25%は、また、pEG871を含有
した。これらの結果が実証するように、高いレベルの同
時形質転換体は事実Btで達成することができ、そして本
発明のプラスミドシャトルベクターを利用して、Bt以外
の生物学的源からの外来DNAを含まない、新規な組み換
えBt菌株を発生させることができる。こうして、組み換
えBt菌株の発生における同時形質転換の使用は、Bt誘導
DNAのみを含有しかつ抗生物質耐性遺伝子を欠如する、
組み換え毒素エンコーディングプラスミドのBtの中への
導入を促進する。
この出願への特許が発行されたとき、興味をもつ公衆
への材料の入手可能性を保証するために、次の微生物の
寄託を、この出願の提出の前に、ARS特許菌株保存機
関、農学研究菌株保存機関、ノザン・リージョナル・リ
サーチ・ラボラトリー(NRRL)、イリノイ州61064、ペ
オリア、ノースユニバーシティーストリート1815に、下
表5に示すように行った。
これらの微生物の寄託は「特許手続きの目的のための
微生物の寄託の国際的認識についてのブダベスト条約」
の規定に従い行った。これらの受託された微生物の公衆
への入手可能性に対するすべての制限は、この出願に基
づく米国特許の発行のとき最終的に除去されるであろ
う。
Bt菌株HD-73およびHD-263(それぞれ、HD73-26および
HD263-6の子孫)は、USDA、ARS、コットン・インセクツ
・リサーチ・ユニット(Cotton Insect Reseach Uni
t)、テキサス州78520ブラウンスビレ、私書箱1033、か
ら入手可能である。
本発明はその本質的特質から逸脱しないで他の特定の
形態で具体化であることができ、したがって、本発明の
範囲を示すものとして前の明細書よりむしろ、添付の請
求の範囲を参照すべきである。
なお、本発明の主たる特徴及び態様を示せば次のとお
りである。
1.遺伝子をバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thu
ringiensis)(Bt)宿主の中に導入するために有用なプ
ラスミドシャトルベクターであって、前記ベクターはBt
バクテリアを形質転換することができるプラスミドであ
り、そして(i)E.coliの中で機能的である複製起源を
含有する除去可能なDNA制限断片;(ii)挿入されたBt
遺伝子のクローニングを促進するための制限エンドヌク
レアーゼ切断部位をもつ多重クローニング部位;および
(iii)Btプラスミドから誘導されかつori44、ori60お
よびori43から成る群より選択される除去可能な複製起
源を含有し、ここでori44、ori60およびori43は第5
図、第6図および第7図に示すそれぞれのヌクレオチド
配列を有し、Bt誘導された複製起源および多重クローニ
ング部位に隣接し、そしてBt誘導された複製起源および
多重クローニング部位はフランキング制限エンドヌクレ
アーゼ切断部位を有し、前記フランキング制限エンドヌ
クレアーゼ切断部位はBt誘導された複製起源および多重
クローニング部位をプラスミドシャトルベクターから単
一の組み合わされたDNA断片として分離しそして、自己
結合後、機能的プラスミドとしてBt宿主の中に導入でき
るようにすることを特徴とするプラスミドシャトルベク
ター。
2.フランキング制限エンドヌレアーゼ切断部位が同一で
あり、このような部位はプラスミドシャトルベクターに
対して独特であり、そして前記シャベクターを経てBt宿
主の中に導入すべき問題の遺伝子の中に存在しないこと
をさらに特徴とする上記1項記載のプラスミドシャトル
ベクター。
3.制限エンドヌクレアーゼ切断部位がSalIおよびSfiI部
位の群からさらに選択されることをさらに特徴とする上
記2項記載のプラスミドシャトルベクター。
4.前記ベクターが2つのフランキング制限エンドヌクレ
アーゼ切断部位を含有し、フランキング制限部位の一方
の対はSalI部位であり、そしてフランキング制限部位の
他方の対はSfiI部位であることをさらに特徴とする上記
2項記載のプラスミドシャトルベクター。
5.プラスミドシャトルベクターが、E.coliの中で機能的
な複製起源を含有する除去可能なDNA制限断片をフラン
キングする2つの同一の制限エンドヌクレアーゼ切断部
位を有し、このような部位はプラスミドシャトルベクタ
ープに対して独特であり、そして前記シャトルベクター
を経てBt宿主の中に導入すべき問題の遺伝子の中に存在
しないことをさらに特徴とする上記1項記載のプラスミ
ドシャトルベクター。
6.E.coli機能的複製起源をフランキングする2つの同一
の制限エンドヌクレアーゼ切断部位がNotIであることを
さらに特徴とする上記5項記載のプラスミドシャトルベ
クター。
7.プラスミドシャトルベクターが、除去可能なBt誘導さ
れた複製起源をフランキングする2つの同一の制限エン
ドヌクレアーゼ切断部位を有し、このような部位はプラ
スミドシャトルベクターに対して独特であることをさら
に特徴とする上記1項記載のプラスミドシャトルベクタ
ー。
8.除去可能なBt誘導された複製起源をフランキングする
2つの同一の制限エンドヌクレアーゼ切断部位がXbI部
位であることをさらに特徴とする上記7項記載のプラス
ミドシャトルベクター。
9.プラスミドシャトルベクターが抗生物質耐性を与える
少なくとも1つの選択可能なマーカー遺伝子を有し、マ
ーカー遺伝子は前記プラスミドの中の除去可能なDNA制
限断片上に存在することをさらに特徴とする上記1項記
載のプラスミドシャトルベクター。
10.抗生物質耐性を与える選択可能なマーカー遺伝子がB
tの中で機能的であることをさらに特徴とする上記9項
記載のプラスミドシャトルベクター。
11.選択可能なマーカー遺伝子がBtの中で機能的であ
り、そしてBt誘導された複製起源に隣接することをさら
に特徴とする上記10項記載のプラスミドシャトルベクタ
ー。
12.選択可能なマーカー遺伝子が、クロランフェニコー
ル耐性遺伝子、テトラサイクリン耐性遺伝子、およびカ
ナマイシン耐性遺伝子から成る群より選択されることを
さらに特徴とする上記10項記載のプラスミドシャトルベ
クター。
13.抗生物質耐性を与える選択可能なマーカー遺伝子が
E.coliの中で機能的であることをさらに特徴とする上記
9項記載のプラスミドシャトルベクター。
14.選択可能なマーカー遺伝子がE.coliの中で機能的で
あり、そしてE.coliの中で機能的である複製起源を含有
するDAN断片に隣接するか、あるいはその中に存在する
上記13項記載のプラスミドシャトルベクター。
15.選択可能なマーカー遺伝子が、アンピシリン耐性遺
伝子、クロランフェニコール耐性遺伝子、テトラサイク
リン耐性遺伝子、およびカナマイシン耐性遺伝子から成
る群より選択されることをさらに特徴とする上記13項記
載のプラスミドシャトルベクター。
16.多重クローニング部位が、次の順序、XbaI、PstI、K
pnI、SmaI、AvrII、BamHI、XhoI、SstI、ClaI、HpaI、S
phI、EagI、SfiI、SalI、NotIで制限エンドヌクレアー
ゼ切断部位を有し、そしてXbaI部位はBt誘導された複製
起源に隣接して位置することをさらに特徴とする上記1
項記載のプラスミドシャトルベクター。
17.前記ベクターがBt誘導された複製起源としてori60を
含有し、そして農学研究菌株保存機関(NRRL)に受託さ
れそしてNRRL受け入れ番号B-18631を割り当てられたE.c
oli菌株RG7529の中に収容されたプラスミドpEG853であ
ることをさらに特徴とする上記16項記載のプラスミドシ
ャトルベクター。
18.前記ベクターがBt誘導された複製起源としてori43を
含有し、そして農学研究菌株保存機関(NRRL)に受託さ
れそしてNRRL受け入れ番号B-18632を割り当てられたE.c
oli菌株RG7534の中に収容されたプラスミドpEG854であ
る上記16項記載のプラスミドシャトルベクター。
19.多重クローニング部位が次の順序、BamHI、XhoI、Ps
tI、SstI、SphI、SmaI、HindIII、EcoRI、SalI、NotIで
制限エンドヌクレアーゼ切断部位を有し、そしてBamHI
部位はBt誘導された複製起源に隣接して位置することを
さらに特徴とする上記1項記載のプラスミドシャトルベ
クター。
20.前記ベクターがBt誘導された複製起源としてori44を
含有し、そして農学研究菌株保存機関(NRRL)に受託さ
れそしてNRRL受け入れ番号B-18630を割り当てられたE.c
oli菌株RG1597の中に収容されたプラスミドpEG597であ
る上記16項記載のプラスミドシャトルベクター。
21.上記1項記載のプラスミドシャトルベクターから誘
導された、毒素エンコーディング機能的組み換えプラス
ミドを有することを特徴とする組み換えBt菌株。
22.組み換えBt菌株およびその機能的組み換えプラスミ
ドがBt以外の生物学的源からのDNAを本質的に含有しな
いことをさらに特徴とする上記21項記載の組み換えBt菌
株。
23,機能的組み換えプラスミドが、Bt誘導された複製起
源および多重クローニング部位の中に挿入された少なく
とも1つのBt毒素遺伝子から本質的に成ることをさらに
特徴とする上記21または22項記載の組み換えBt菌株。
24.ori44と表示され、Btの中で機能である複製起源とし
て有用であり、第5図に示すアミノ酸配列をコードする
ことを特徴とする分離、精製されたDNA断片。
25,解読領域が第5図に示すヌクレオチド塩基配列の中
のヌクレオチド塩基797〜1732から伸長していることを
さらに特徴とする上記24項記載の分離、精製されたNDA
断片。
26.ori60と表示され、Btの中で機能である複製起源とし
て有用であり、第6図に示すアミノ酸配列をコードする
ことを特徴とする分離、精製されたDNA断片。
27.解読領域は第6図に示すヌクレオチド塩基配列の中
のヌクレオチド塩基627〜1844から伸長していることを
さらに特徴とする上記26項記載の分離、精製されたNDA
断片。
28.ori43と表示され、Btの中で機能である複製起源とし
て有用であり、第7図に示すアミノ酸配列をコードする
ことを特徴とする分離、精製されたDNA断片。
29.解読領域が第7図に示すヌクレオチド塩基配列の中
のヌクレオチド塩基829〜2258から伸長していることを
さらに特徴とする上記28項記載の分離、精製されたNDA
断片。
30.上記24、25、26、27、28または29項記載のいずれか
のDNA断片を含有することを特徴とする組み換えプラス
ミド。
31.上記30項記載の組み換えプラスミドで形質転換され
ていることを特徴とするバチルス・スリンギエンシス
(Bacillus thuringiensis)バクテリアの生物学的に純
粋な培養物。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 21/02 C12R 1:07) 微生物の受託番号 NRRL B−18632 (56)参考文献 特開 平2−119780(JP,A) J.Biol.Chem.,263 (1988)p.561−562 Appl.Environ.Micr obiol.,53(2)(1987),p. 416−421 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12P 21/02 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG) EPAT(QUESTEL) GeneSeq

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遺伝子をバチルス・スリンギエンシス(Ba
    cillus thuringiensis)(Bt)宿主の中に導入するため
    に有用なプラスミドシャトルベクターであって、前記ベ
    クターはBtバクテリアを形質転換することができるプラ
    スミドであり、そして(i)大腸菌(E.coli)の中で機
    能的である複製起点を含有する除去可能なDNA制限断
    片;(ii)挿入されたBt遺伝子のクローニングを促進す
    るための制限エンドヌクレアーゼ切断部位をもつ多重ク
    ローニング部位;および(iii)Btプラスミドから誘導
    されかつori44、ori60およびori43から成る群より選択
    される除去可能な複製起点を含有し、ここでori44、ori
    60およびori43は第5図、第6図および第7図に示すそ
    れぞれのヌクレオチド配列を有し、Bt誘導された複製起
    点は多重クローニング部位に隣接し、そしてBt誘導され
    た複製起点および多重クローニング部位はフランキング
    制限エンドヌクレアーゼ切断部位を有し、前記フランキ
    ング制限エンドヌクレアーゼ切断部位はBt誘導された複
    製起点および多重クローニング部位をプラスミドシャト
    ルベクターから単一の組み合わされたDNA断片として分
    離しそして、自己結合後、機能的プラスミドとしてBt宿
    主の中に導入できるようにすることを特徴とするプラス
    ミドシャトルベクター。
  2. 【請求項2】請求の範囲第1項記載のプラスミドシャト
    ルベクターから誘導された、毒素エンコーディング機能
    的組み換えプラスミドを有することを特徴とする組み換
    えBt菌株。
  3. 【請求項3】ori44と表示され、Btの中で機能的である
    複製起点として有用であり、第5図に示すヌクレオチド
    配列を有することを特徴とする分離、精製されたDNA断
    片。
  4. 【請求項4】ori60と表示され、Btの中で機能である複
    製起点として有用であり、第6図に示すヌクレオチド配
    列を有することを特徴とする分離、精製されたDNA断
    片。
  5. 【請求項5】ori43と表示され、Btの中で機能である複
    製起点として有用であり、第7図に示すヌクレオチド配
    列を有することを特徴とする分離、精製されたDNA断
    片。
  6. 【請求項6】(a)請求の範囲第3、4または5項記載
    のいずれかのDNA断片、(b)多重クローニング部位、
    および(c)Bt宿主バクテリア中で機能的である抗生物
    質耐性遺伝子を含有することを特徴とするBtバクテリア
    を形質転換しうる組み換えプラスミド。
  7. 【請求項7】請求の範囲第6項記載の組み換えプラスミ
    ドで形質転換され、かつ該組み換えプラスミドを含有す
    ることを特徴とするバチルス・スリンギエンシス(Baci
    llus thuringiensis)バクテリア。
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