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JP3217604B2 - 位置決め装置 - Google Patents

位置決め装置

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JP3217604B2
JP3217604B2 JP19165594A JP19165594A JP3217604B2 JP 3217604 B2 JP3217604 B2 JP 3217604B2 JP 19165594 A JP19165594 A JP 19165594A JP 19165594 A JP19165594 A JP 19165594A JP 3217604 B2 JP3217604 B2 JP 3217604B2
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vibration suppression
vibration
detector
bed
positioning device
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JP19165594A
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昭彦 今城
雅宏 家澤
浩二 赤松
淳 種田
敏也 永田
隆史 金谷
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Mitsubishi Electric Corp
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、放電加工機、レーザ
加工機、工作機械等に用いられる位置決め装置に関し、
詳細には機械系の振動を抑制する位置決め装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】まず、位置決め装置全体系について述べ
る。図32及び図33は、例えば「三菱形彫放電加工機
Vシリーズ取扱い説明書(機械編)」(BRN−414
27、1990年三菱電機株式会社発行)の8ページに
記載された従来の位置決め装置の全体の外観図であり、
図32はその正面図、図33はその側面図である。図3
2及び図33において、73は電極、1はこの電極73
等の工具を保持するヘッド、2はこのヘッド1を支える
コラム、9は工作物、3はこの工作物9を取り付けるサ
ドル・テーブル、4はこのサドル・テーブル3やコラム
2を支えるベッド、5はベッド4を水平に支持するレベ
リングボルト、6はサドル・テーブル3を駆動するサー
ボモータ、7はこのサーボモータ6に取り付けられた回
転角度検出器、21はY軸方向の位置検出器、256は
X軸サーボモータ、257はX軸角度検出器、221は
X軸位置検出器、306はZ軸サーボモータ、307は
Z軸角度検出器、314はZ軸ボールねじ、321はZ
軸位置検出器、8はサーボモータ6,X軸サーボモータ
256及びZ軸サーボモータ306を制御する数値制御
装置、345はこの数値制御装置8の操作盤、300は
数値制御装置8のディスプレイである。
【0003】次に動作について説明する。電極等の工具
を保持したヘッド1は、ヘッド駆動用のZ軸サーボモー
タ306によって鉛直方向のZ軸方向に駆動される。工
作物を保持したサドル・テーブル3は、サドル駆動用の
サーボモータ6とテーブル駆動用のX軸サーボモータ2
56によって水平面内のX軸方向及びY軸方向に駆動さ
れる。ここで、数値制御装置8は、各角度検出器7,2
57,307及び位置検出器21,221,321等の
信号を利用して適切な移動量をサーボモータ6,25
6,306に指令する。制御装置8の指令によって、電
極73などの工具と工作物の相対位置がXYZに関する
3次元で位置決めされ、工作物9が所望の形状に加工さ
れることになる。このように位置決め装置全体は、ヘッ
ド1、コラム2、サドル・テーブル3、ベッド4、レベ
リングボルト5からなる機械系と、サーボモータ6,2
56,306、回転角度検出器7,257,307、位
置検出器21,221,321、数値制御装置8、操作
盤345、ディスプレイ300からなる電気系とから構
成されている。以下、機械系の構造、電気系の制御方
式、機械系と電気系の整合性を取る方式などに関する従
来技術について述べる。
【0004】図34は、図32及び図33に示した従来
の位置決め装置のレベリング部を示す構造図であり、図
34において、5はベッド4に切られた雌ねじと嵌合す
るレベリングボルト、65はこのレベリングボルト5と
嵌合するナット、66はレベリングボルト5を保持する
パッド、67はこのパッド66を保持する床である。
【0005】次に動作について説明する。機械全体を据
え付ける際に、ジャッキなどによりベッド4が予め持ち
上げられる。次いで、パッド66がおおよそレベリング
ボルト5の下方に位置するように設置される。そして、
徐々にベッド4が下げられると、レベリングボルト5
は、ベッド4から伝わる機械構造体の自重によってパッ
ド66に押し付けられる。レベリングボルト5の下端は
図中の破線で示したような球面状である。従って、レベ
リングボルト5の下端はパッド66の図中の破線で示し
たようなすり鉢状のくぼみと線接触する。この接触部分
がレベリングボルト5の軸方向から見たときに円となる
ような位置に、パッド66は床67と水平方向に摺動し
て静止する。レベリングボルト5は、その中間部でベッ
ド4とねじ嵌合され、下端でパッドを介して床で保持さ
れる。この結果、床面に対してベッド4は一定の高さに
保持される。
【0006】レベリングボルト5は、パッド66からの
摺動抵抗を受けるものの回転させることができる。レベ
リングボルト5の回転によってベッド4の床67からの
高さが調整されることになる。ナット65は、レベリン
グボルト5をベッド4に固定し、レベリングボルト5の
回転を防止する。図34に示したレベリング部と同様な
機構がベッド4の5箇所(図示せず)に備えられてい
る。そして、床67の凹凸に対してこれら5箇所のレベ
リングボルト5を調整することによってベッド4並びに
機械構造体全体が水平に設置される。
【0007】図35は、例えば「数値制御装置、MEL
DAS、ACサーボ、MR−S10シリーズ」の保守説
明書(BNP−A2938B、1989年 三菱電機株
式会社発行)のI−2ページに示された位置決め装置の
システム構成図であり、図35において、17はサーボ
増幅器、6はサーボ増幅器17によって駆動されるサー
ボモータ、7はサーボモータ6の軸に接続された回転角
度検出器、18はサーボモータ6の軸端に接続されたカ
ップリングである。また、19はこのカップリング18
を介してサーボモータ6の軸に接続されたボールねじ、
20はこのボールねじで駆動されるサドル・テーブル3
やヘッド1に相当する機械可動部、21はこの機械可動
部20に設置された位置検出器である。
【0008】図36は、「数値制御装置、MELDA
S、ACサーボ、MR−S10シリーズ」の仕様説明書
(BNP−B3615B、1989年 三菱電機株式会
社発行)のIII −57ページからIII −58に示された
制御パラメータに基づく制御系のブロック線図の一例で
ある。図36において、22は位置指令信号、23は位
置フィードバックゲイン乗算器、24は速度指令信号、
25は速度フィードバックゲイン乗算器、26は位相遅
れ補償器、27は位相進み補償器、28はトルク指令信
号、29はこのトルク指令をモータ軸の回転速度に伝達
する電流制御系とサーボモータ、30はモータ軸の回転
速度検出信号、31はモータ軸の回転速度を機械可動部
位置に伝達する機械系、32は機械可動部の検出位置を
示す検出位置信号、33,34は比較器である。
【0009】次に動作について説明する。まず、サーボ
増幅器17は、サーボモータ6を駆動し、同時に、回転
角度検出器7及び位置検出器21からの各検出信号を受
けて所望の位置制御を行なう。また、このサーボモータ
6の軸の回転により、カップリング18を介してボール
ねじ19が回転し、機械可動部20は直進移動する。
【0010】このときの制御動作を図36を参照してさ
らに詳しく述べる。比較器33は、位置指令信号22と
検出位置信号32との差を取る。位置フィードバックゲ
イン乗算器23は、その差に対してKp 倍の比例増幅を
行い、速度指令信号24を得る。比較器34は、速度指
令信号24とモータ軸の回転速度検出信号30との差を
取り、速度フィードバックゲイン乗算器25は、その差
に対してKv 倍の比例増幅を行う。この増幅信号の低周
波域は、位相遅れ補償器26と位相進み補償器27とに
よってさらに増幅されトルク指令信号28となる。
【0011】トルク指令信号28は、サーボ増幅器内の
電流制御系でモータ巻線電流に変換される。モータ巻線
電流は、サーボモータ6によってトルクとなってモータ
軸を回転させる。回転角度検出器7は、回転速度検出信
号30を検出する。モータ軸の回転はボールねじ19な
どを介して機械可動部20の直進運動となり、位置検出
器21は、機械可動部の位置を検出し、検出位置信号3
2を得る。
【0012】このような位置決め制御系の周波数伝達特
性を模式的に示すと図37に示すようになる。図37は
機械可動部20の検出位置信号32から比較器33への
フィードバックループを切った場合のいわゆる開ループ
伝達特性を示し、入力を位置指令信号22、出力を機械
可動部20の検出位置信号32としている。横軸の周波
数は開ループ伝達特性のゲインが1すなわち0dBとな
る交差周波数で正規化した無次元周波数である。
【0013】位置制御系の速応性や外乱抑制効果を高め
るには、位置フィードバックゲインKp を大きくすれば
よい。しかし、位置フィードバックゲインKp を大きく
すると、同時に交差周波数が高くなって機械共振周波数
に近接することになる。例えば、図37に示す例では、
無次元周波数fが2付近に機械共振R1が、5付近に機
械共振R2があるため、位相が−180度を下回る周波
数におけるゲイン余裕を見ると−4dBとなっており、
制御系が不安定であることがわかる。従って、この位置
決め制御系を安定にするには、位置フィードバックゲイ
ンKp を4dB分すなわち0.63倍に下げなければな
らないことになる。
【0014】図38は、例えば特開昭55−34716
号公報に示された位置決め装置を示すブロック線図であ
る。図38において、35はサーボモータ6の軸に取り
付けられた回転速度検出器、36は機械可動部20に取
り付けられた速度検出器、37は回転速度検出器35の
出力信号と速度検出器36の出力信号を比較する比較
器、38はこの比較器37の出力を比例増幅する増幅
器、39はこの増幅器38の出力とトルク指令28を比
較する比較器である。なお、このほかの図32、図3
3、図35及び図36に示したものと同一構成部分には
同一符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0015】次に図38に示した振動抑制制御方式の動
作について説明する。位置決めの基本動作は、図36に
示した制御系の制御動作と同様である。すなわち、制御
装置8Aで生成された位置指令信号22をもとに、回転
角度検出器7で検出されたモータ軸の回転角度及び回転
速度検出器35で検出されたモータ軸の回転速度のフィ
ードバックによって機械可動部20を所望の位置に移動
させる。このとき、図37によって説明した機械共振に
よる制御系の不安定化を抑制するため、この従来例では
以下の振動抑制制御方式を提案している。
【0016】すなわち、機械可動部20の速度が速度検
出器36で検出され、モータ軸の回転速度が回転速度検
出器35で検出される。これら両者の差が比較器37で
求められる。そして、その差が増幅器38で増幅された
信号が、比較器39によって比較器34の出力から減算
される。このようにして、位置フィードバックゲイン乗
算器23や速度フィードバックゲイン乗算器25の増幅
率を上げた場合に励起される機械系の振動に対処してい
る。
【0017】図39は、特開平2−158802号公報
に示された位置決め装置を示すブロック線図である。図
39において、40は位置と速度のサーボ制御を行なう
基本制御部、41は制御対象の機構系、42は機構系の
振動特性を補償する振動抑制制御器である。なお、この
ほかの図36に示したものと同一の構成部分には同一符
号を付して、その重複する説明を省略する。
【0018】次に動作について説明する。機構系41を
位置決めするための基本動作は、図36、図38に示し
たものの動作と同様である。すなわち、位置フィードバ
ックゲイン乗算器23は、位置指令信号22から機構系
の検出位置信号32を差し引いたものに位置フィードバ
ックゲインKp を掛けて速度指令信号24を得る。そし
て、速度フィードバックゲイン乗算器25は、速度指令
信号24から機構系の検出位置信号32の微分を差し引
いたものに速度フィードバックゲインKv を掛けて機構
系へのトルク指令信号28を得る。
【0019】この位置決め装置の特徴は以下の振動抑制
制御動作にある。機構系41へのトルク指令信号28は
振動抑制制御器42の入力となる。振動抑制制御器42
の伝達関数における分母の2次の項と0次の項の係数と
して機構系41のモード質量、モード剛性の値がそれぞ
れ使用される。伝達関数における分子の係数は、機構系
41の固有モード成分を考慮して決定され、機構系41
の振動特性を調整するものである。
【0020】図40は、特開平2−104489号公報
に示された位置決め装置を示す全体斜視図であり、図4
1はその位置決め装置の伝送ミラー系の構成図である。
これらの図において、43はレーザ発振器、44は複数
のベンドミラー47を有し、レーザ発振器43から発振
されたレーザビーム46を伝送する伝送ミラー系、45
はベンドミラー47によって伝送されたレーザビーム4
6を集光させる集光レンズ(図示せず)を有する加工ヘ
ッド、1Aはベンドミラー47の大部分及び加工ヘッド
45を備え、サーボモータ6及びボールねじ19を有す
るY駆動部によってY方向に往復移動するZ軸移動部、
3Aは工作物9を着脱可能に保持して上記Y駆動部と同
様にサーボモータ及びボールねじ(ともに図示せず)を
有するX駆動部によってX方向に往復移動するテーブ
ル、48aはレーザ発振器43に最も近いベンドミラー
47に装着された振動検出器、48bはZ軸駆動部1A
に組み込まれているレーザ発振器43から2番目以降の
ベンドミラー47に装着された振動検出器であり、振動
検出器48a,48bはベンドミラー47の反射面に対
するX、Y方向の振動をそれぞれ検出するために2個が
1組として構成されている。
【0021】また、48cは水平な集光レンズ49を有
する加工ヘッド45の互いに直交する面に装着され、集
光レンズ49の平面に対するX,Y方向の振動をそれぞ
れ検出するための振動検出器、48dはテーブル3Aの
互いに直交する水平面に装着され、テーブル3Aの水平
な上面に対するX,Y方向の振動を検出するための振動
検出器である。振動検出器48a,48b,48c,4
8dは加速度計から構成され、これらからの検出信号は
数値制御装置8に取り込まれる。
【0022】次に動作について説明する。数値制御装置
8は、X駆動部及びY駆動部を駆動する指令を出し、テ
ーブル3A及びZ軸移動部1AをX,Y方向に任意距離
移動させる。また、レーザ発振器43に発振指令を与え
る。レーザ発振器43からのレーザビーム46は、伝送
ミラー系44のベンドミラー47によって反射される。
反射光は、加工ヘッド45に装着された集光レンズ49
に伝送される。集光レンズ49がテーブル3A上に保持
された工作物9に集光することで、工作物9が所望の形
状にレーザ加工される。ベンドミラー47に装着された
振動検出器48a,48b、加工ヘッド45に装着され
た振動検出器48c、テーブル3Aに装着された振動検
出器48dからの各検出信号は数値制御装置8に取り込
まれる。各検出信号は、数値制御装置8の1回の積分で
速度に変換され指令信号から差し引かれる。そして、検
出信号が考慮された指令信号がサーボモータ6に出力さ
れる。このようにして、レーザビーム46及びテーブル
3Aの振動を抑制する。
【0023】図42は、特開平1−296301号公報
に示された位置決め装置の制御方式を示すブロック線図
であり、図43はその運動解析モデルである。図42に
おいて、50はトルク指令信号28とモータ軸の回転速
度検出信号30を入力として状態量を推定するオブザー
バ、51,52,53はオブザーバで推定された推定値
X1e,X2e,X3eにゲインを掛ける増幅器であ
る。
【0024】また、図43において、54はサーボモー
タのロータ、55は産業用ロボットのアームであり、各
々、慣性をモデル化したものであり。56,57はロー
タ54とアーム55を接続するばねとダッシュポット
で、ロータ54とアーム55の間に介在する減速機58
をモデル化したものである。なお、このほかの図39に
示したものと同一の構成部分には同一符号を付して、そ
の重複する説明を省略する。
【0025】次に動作について説明する。制御対象29
を位置決めする基本動作は、図36、図38に示したも
のの動作と同様である。すなわち、位置フィードバック
ゲイン乗算器23は、位置指令信号22からロータの検
出位置を示す検出位置信号32を差し引いたものに位置
フィードバックゲインKp を掛けて速度指令信号24を
得る。速度フィードバックゲイン乗算器25は、速度指
令信号24とロータの回転速度検出信号30との差に速
度フィードバックゲインを掛けてトルク指令信号28を
得る。オブザーバ50は、図46に示した運動解析モデ
ルに基づいてロータ54の速度の推定値X1e、ロータ
54とアーム55との速度差推定値X2e、及びロータ
54とアーム55との変位差の推定値X3eを算出す
る。また、摩擦などの外乱トルクをその時間微分が零と
してモデル化して、この外乱トルクの推定値X4eを算
出する。推定値X1e,X2e,X3eは増幅器51,
52,53によりゲインK1 ,K2 ,K3 が掛けられて
トルク指令信号28から減算される。推定値X2e,X
3eのフィードバックは、減速機58に起因する1個の
機械共振系に対して減衰と剛性が増すように作用させよ
うとするものである。
【0026】図44は、例えば精密工学会誌57巻9
号、平成3年9月発行、1647ページに示された従来
の位置決め装置の動特性測定法を示すブロック線図であ
り、図44において、24Aはサーボモータ6に駆動電
流を与える制御系、59は機械可動部20に取り付けら
れた加速度計、60は加速度計信号を電圧に変換するチ
ャージアンプ、62はモータの電流モニタ、61はこの
電流モニタの信号とチャージアンプ60の出力を取り込
むFFTアナライザである。なお、このほかの図35及
び図36に示したものと同一の部分には同一符号を付し
て、その重複する説明を省略している。
【0027】次に動作について説明する。制御系24A
の制御によってサーボモータ6のモータ軸が回転し、ボ
ールねじ19を介して機械可動部20が直進する基本動
作は図39に示したものと同様である。このとき、制御
系24Aは、機械可動部20が急停止するように駆動電
流を設定して、サーボモータ6によってインパルス的な
加振力を発生させる。この加振力で発生した振動は、加
速度計59で検出され、チャージアンプ60を介してF
FTアナライザ61に取り込まれる。同時に、電流モニ
タ62によって検出されたサーボモータの駆動電流はF
FTアナライザ61に取り込まれ、駆動電流から加速度
までの伝達関数がFFTアナライザ61によって解析さ
れ、その結果がプロッタ63に出力される。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来の位置決め装置は
以上のように構成されていたので、図32及び図33に
示す従来の位置決め装置のレベリング部が、床67に対
する支持剛性が調整できず、床67の性状によって機械
の据え付け剛性が影響されてしまうという問題点があっ
た。また、床67を介して伝わる他の機械からの振動外
乱の軽減調整が困難であるなどの問題点があった。
【0029】また、図35に示す従来の位置決め装置
は、位置制御系の交差周波数に接近した周波数の機械共
振による位相遅れに対して、位相特性を改善する手段を
持たない。そのために、位置フィードバックゲインKp
を大きくすると機械共振で制御系が不安定となる。よっ
て、位置フィードバックゲインKp は機械共振の周波数
で制限され、位置決め制御系の速応性や外乱抑制性能が
低下するなどの問題点があった。
【0030】図38に示す従来の位置決め装置は、振動
抑制系の増幅率を増幅器38によって1つだけ設定する
ために、位置決めに影響する機械共振が2個以上あると
きに、両方同時に振動抑制することが困難である。ま
た、機械共振の周波数が位置制御帯域の約2倍以内に接
近しているとき、増幅器38の出力から機械共振までの
位相遅れが小さくなって、減衰として作用しなくなるた
め振動が抑制できないなどの問題点があった。
【0031】図39に示す従来の位置決め装置は、モー
ドパラメータを利用しようとしているものの、振動抑制
制御器42の伝達関数の分母が2次の項と0次の項のみ
であり減衰に相当する1次の項が考慮されていない。従
来の各位置決め装置に見られるように、速度フィードバ
ック乗算器25によって位置決め制御を安定化し、機械
系に減衰を付加することは必要不可欠である。しかし、
その振動抑制制御方式では、機械系の特性を十分考慮し
たフィードバックができないという問題点があった。ま
た、仮に、その振動抑制制御方式において減衰項に相当
する伝達関数分母の1次項を考慮したとすれば、固有ベ
クトルが複素数となるために、制御則の実現が困難にな
るなどの問題点があった。
【0032】図40及び図41に示す従来の位置決め装
置は、X軸方向4個、Y軸方向4個の多数の振動検出器
を備え、それぞれの検出信号を速度並びに指令速度から
の相対値の速度に変換してサーボモータへ出力するとい
う基本構成となっている。しかし、それらの多数の振動
検出器の検出信号を複数の機械共振の抑制に利用するに
は各検出信号の合計8個のゲインを適切に設定する必要
があるが、複数の機械共振の抑制のためのゲイン設定の
具体的手段が提供されていないという問題点があった。
また、レーザビームを伝送するベンドミラー47、Y方
向可動の加工ヘッド45、及びX方向可動のテーブル3
に振動検出器を装着し、レーザビーム伝送系と機械可動
部の振動を検出しているため、非可動の機械構造体の弾
性変形に起因する振動の検出が難しい。さらに、機械可
動部に振動検出器を装着するため、振動検出器とその配
線が動くことになり、振動検出器とその配線のノイズや
耐久性に関する信頼性が低下するなどの問題点もあっ
た。
【0033】図42に示す従来の位置決め装置の制御方
式では、1個の機械共振のみをモデル化しているため、
複数の機械共振が制御帯域に接近した位置決め装置にお
いては機械系の振動の推定誤差が大きくなり、振動の抑
制制御が困難となるなどの問題点があった。
【0034】図44に示す従来の位置決め装置は、イン
パルス的な加振力を用いているため正弦波や白色雑音状
の加振信号に比べて振動の計測精度が低下する。また、
機械系に取り付けた加速度計59の検出信号を検出する
ため制御系の安定性に最も密接に関係した位置フィード
バック信号の伝達特性の計測が間接的となって安全性解
析の精度が低下する。さらに、加速度計59、チャージ
アンプ60、電流モニタ62、FFTアナライザ61な
どの機器を別個に用意して、設備準備する必要があるた
めに測定に時間がかかるなどの問題点があった。
【0035】請求項1の発明は上記のような問題点を解
消するためになされたもので、機械構造体全体の床面に
対する支持剛性を簡便に調整でき、機械共振の影響を低
コストで軽減でき、複数の機械共振に対して制御系を安
定にし、位置フィードバックゲインKp の高ゲイン化を
可能とし、高速・高精度化が達成でき、さらに、サーボ
制御帯域に接近した複数の機械共振を抑制し、機械共振
の周波数が位置制御帯域の約2倍に接近した場合でも機
械共振に効果的な減衰を与えることのできる位置決め装
置を得ることを目的とする。
【0036】請求項2の発明は、複数の機械共振を独立
に安定して調整でき、フィードバックゲインを大幅に高
めることのできる位置決め装置を得ることを目的とす
る。
【0037】請求項3の発明は、複数の機械共振を独立
に安定化調整でき、サーボゲインを大幅に高めて高速・
高度化を図った位置決め装置を得ることを目的とする。
【0038】請求項4の発明は、機械系の振動特性を直
接検出でき、機械系の特性変化に対してロバストに振動
抑制できるとともに、加速度信号を積分することで高周
波域の機械共振の影響を軽減し、サーボゲインを高めて
高速・高度化を図った位置決め装置を得ることを目的と
する。
【0039】請求項5の発明は、振動抑制制御器の動作
を現場で確認できるとともに機械特性に応じた制御器設
定が可能となり、サーボゲインを高めて高速・高度化を
図った位置決め装置を得ることを目的とする。
【0040】請求項6の発明は、制御パラメータの人手
を介した設定が不用で、保守が容易な位置決め装置を得
ることを目的とする。
【0041】請求項7の発明は、機械系の不良部位を容
易に判定できる位置決め装置を得ることを目的とする。
【0042】請求項8の発明は、作業者の振動検出器及
び振動検出器の信号線への接触を回避でき、信頼性と対
ノイズ性能が優れた振動抑制制御器を有する位置決め装
置を得ることを目的とする。
【0043】請求項9の発明は、振動検出器を用いるこ
となく、複数の機械共振を独立に安定して調整でき、フ
ィードバックゲインを大幅に高めることのできる位置決
め装置を得ることを目的とする。
【0044】請求項10の発明は、振動検出器を用いる
ことなく、複数の機械共振を独立に安定化して調整で
き、しかも、位置検出信号による位置決め精度の向上効
果を損なうことなく、フィードバックゲインを大幅に高
めることのできる位置決め装置を得ることを目的とす
る。
【0045】請求項11の発明は、複数の機械共振に減
衰が付加でき、サーボゲインを高めて高速・高度化を図
るとともに、振動抑制用の回転角度検出器と電流指令作
成用の回転角度検出器とのいずれかが不要となり低コス
トで高性能化を図った位置決め装置を得ることを目的と
する。
【0046】請求項12の発明は、鉛直方向駆動系のサ
ーボゲインをも高めて高速・高度化を図った位置決め装
置を得ることを目的とする。
【0047】請求項13の発明は、検出器を増やすこと
なく機械系の全状態量が推定でき、低コストで振動抑制
が可能であり、サーボゲインを高めることで高速・高度
化を図った位置決め装置を得ることを目的とする。
【0048】請求項14の発明は、着脱可能なカードを
設けないときにおいても位置決め制御などのサーボ増幅
器の動作を可能とし、その着脱可能なカードを装着した
場合には、振動抑制制御を行なうことができ、標準的な
サーボ増幅器を用いたまま振動抑制制御でき、低コスト
で高速・高度化を図った位置決め装置を得ることを目的
とする。
【0049】
【0050】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る位
置決め装置は、被位置決め物を支持するベッドや工具を
支持するコラムを含む非可動部と非可動部に支持される
可動部とを有する機械系と、サーボモータを含み可動部
を所望の位置に設定するトルク生成手段と、可動部の位
置を検出して検出位置を出力する位置検出器と、サーボ
モータのモータ軸の回転角度を検出して角度を出力する
回転角度検出器と、検出位置から検出位置の時間変化率
を算出すると共に回転角度から角速度を算出する速度算
出部と、可動部の位置を指示するための位置指令信号、
並びに帰還された検出位置及び角速度からトルク生成手
段へのモータトルク指令を作成するサーボ系とを備えた
装置であって、振動に基づく非可動部の加速度を検出す
る振動検出器と、モータトルク指令に加算される振動抑
制制御トルク指令を、機械系の運動解析モデルに基づき
位置検出器及び振動検出器の出力を用いて生成する振動
抑制制御器とを備えたものである。
【0051】請求項2の発明に係る位置決め装置は、請
求項1の位置決め装置において、運動解析モデルが、ベ
ッドの弾性曲げ変形に関する1個の回転ばねと1個の回
転ダッシュポットとによってベッドとコラムとを接続
し、サーボモータのモータ軸に接続されたボールねじの
弾性変形に関する1個の並進ばねと1個の並進ダッシュ
ポットとによってボールねじの駆動側と被駆動側とを接
続し、前記ベッドの床からの高さを調整するレベリング
部の弾性変形に関する1個の回転ばねと1個の回転ダッ
シュポットとによって、又は、1個の回転ばね、1個の
並進ばね、1個の回転ダッシュポット及び1個の並進ダ
ッシュポットによってベッドと床とを接続した系による
モデルであり、振動抑制制御器が、回転角度検出器の出
力、回転角度検出器の出力と位置検出器の出力とから運
動解析モデルに基づいて算出した検出位置及びその時間
変化率、並びに振動検出器の出力から算出した非可動部
の回転角度及び角加速度を用いて振動抑制制御トルク指
令を生成する構成になっているものである。
【0052】請求項3の発明に係る位置決め装置は、請
求項1の位置決め装置において、運動解析モデルが、ベ
ッドの弾性曲げ変形に関する1個の回転ばねと1個の回
転ダッシュポットとによってベッドとコラムとを接続
し、サーボモータのモータ軸に接続されたボールねじの
弾性変形に関する1個の並進ばねと1個の並進ダッシュ
ポットとによってボールねじの駆動側と被駆動側とを接
続し、前記ベッドの床からの高さを調整するレベリング
部の弾性変形に関する1個の回転ばねと1個の回転ダッ
シュポットとによって、又は、1個の回転ばね、1個の
並進ばね、1個の回転ダッシュポット及び1個の並進ダ
ッシュポットによってベッドと床とを接続した系による
モデルであり、振動抑制制御器が、運動解析モデルに基
づく状態方程式における状態量を、モード行列が実数と
なるモード座標に変換した信号を用いて振動抑制制御ト
ルク指令を生成する手段を含むものである。
【0053】請求項4の発明に係る位置決め装置は、請
求項1の位置決め装置において、振動抑制制御器が、振
動検出器の出力信号を積分して非可動部の速度を得る積
分要素と、その速度を積分して非可動部の位置を得る積
分要素とを有し、各積分要素の出力を用いてその振動検
出器の出力信号を積分して振動抑制制御トルク指令を生
成する手段を含むものである。
【0054】請求項5の発明に係る位置決め装置は、請
求項1の位置決め装置において、機械系の予期される複
数の機械振動周波数と振動モードとを表示部で表示し、
その表示に応じて入力された指定に従って振動抑制制御
トルク指令生成時に使用される振動抑制制御ゲインを定
め、振動抑制制御ゲインを振動抑制制御器に供給する制
御装置をさらに備えたものである。
【0055】請求項6の発明に係る位置決め装置は、請
求項1の位置決め装置において、トルク生成手段に加振
を与えて機械系を振動させ、位置検出器及び回転角度検
出器の出力から機械系の固有振動数及び固有モードを推
定し、推定結果に基づいて振動抑制制御トルク指令生成
時に使用される振動抑制制御ゲインを定め、振動抑制制
御ゲインを振動抑制制御器に供給する制御装置をさらに
備えたものである。
【0056】請求項7の発明に係る位置決め装置は、請
求項6の位置決め装置において、制御装置が、推定した
固有振動数をもとに機械系の異常部位を判定する手段を
含むものである。
【0057】請求項8の発明に係る位置決め装置は、請
求項1から請求項7のうちのいずれかの位置決め装置に
おいて、振動検出器と、振動検出器から振動抑制制御器
に至るケーブルとが、非可動部の内側に設置されている
ものである。
【0058】請求項9の発明に係る位置決め装置は、可
動部の検出位置のモータ軸回転角度からの相対位置と、
可動部の検出位置のモータ軸角速度に対する相対速度と
を算出し、それら用いてモータトルク指令に加算される
振動抑制制御トルク指令を生成する振動抑制制御器を備
えたものである。
【0059】請求項10の発明に係る位置決め装置は、
振動抑制制御器により生成された振動抑制制御トルク指
令を表す信号の低周波成分を除去すべく、折れ点周波数
が振動抑制すべき周波数帯域よりも低くなるように構成
されたフィルタ手段を含むものである。
【0060】請求項11の発明に係る位置決め装置は、
請求項1から請求項10のうちのいずれかの位置決め装
置において、サーボモータは交流モータであって、トル
ク生成手段が、その交流サーボモータと、位置決め用に
設けられている回転角度検出器からの角度を利用して交
流サーボモータへの電流指令を生成する電流制御器とを
備えたものである。
【0061】請求項12の発明に係る位置決め装置は、
被位置決め物を支持するベッドや工具を支持するコラム
を含む非可動部とこの非可動部に支持される可動部とを
有する機械系と、被位置決め物に向けて鉛直方向に移動
するヘッドと、ヘッドを駆動する鉛直方向サーボモータ
を含みヘッドを所望の位置に設定する鉛直方向トルク生
成手段と、サーボモータを含み可動部を所望の位置に設
定するトルク生成手段と、可動部の位置を検出して検出
位置を出力する位置検出器と、サーボモータのモータ軸
の回転角度を検出して角度を出力する回転角度検出器
と、検出位置から検出位置の時間変化率を算出すると共
に回転角度から角速度を算出する速度算出部と、可動部
の位置を指示するための位置指令信号、検出位置及び角
速度を用いてトルク生成手段へのモータトルク指令を作
成するサーボ系とを備えた装置であって、検出位置の回
転角度からの相対位置と、検出位置の角速度に対する相
対速度とを用いて、モータトルク指令に加算される振動
抑制制御トルク指令を生成する振動抑制制御器と、相対
位置と相対速度とを用いて、鉛直方向トルク生成手段に
対する鉛直方向モータトルク指令に加算される振動抑制
制御トルク指令を生成する鉛直方向振動抑制制御器とを
備えたものである。
【0062】請求項13の発明に係る位置決め装置は、
機械系の運動解析モデルに基づくオブザーバを用いて非
可動部の位置及び速度を推定し、位置検出器の出力、及
びオブザーバによる推定結果を用いて、モータトルク指
令に加算される振動抑制制御トルク指令を生成する振動
抑制制御器を備えたものである。
【0063】請求項14の発明に係る位置決め装置は、
請求項1、請求項9、請求項10又は請求項13の位置
決め装置において、振動抑制制御器が本体に着脱可能な
カードに収められたものである。
【0064】
【0065】
【作用】請求項1及び請求項2の発明における振動抑制
制御器は、機械構造の各共振を考慮した運動解析モデル
に基づいて振動抑制制御トルク指令を作成し、そのトル
ク指令をモータトルク指令に帰還させて、高精度の位置
決めを可能にする。
【0066】請求項3の発明における振動抑制制御器
は、通常の固有値解析では固有モードが複素数となる制
御対象に対して、ブロック対角化モード分離を行って実
数の固有ベクトルを得、固有ベクトルに基づいて複数の
機械共振を独立に抑制する。
【0067】請求項4の発明における振動抑制制御器
は、振動検出器の出力信号を積分要素に通して非可動部
の振動による位置と速度とを得、高周波域のゲインを低
下させた位置信号と速度信号を得る。
【0068】請求項5の発明における制御装置は、機械
構造の振動特性をモードごとに表示部に表示し、各機械
共振毎の制御パラメータの設定を容易にする。
【0069】請求項6の発明における制御装置は、例え
ば、加振中の非可動部についての位置検出器や回転角度
検出器の検出信号とモータ駆動電流とを取り込んで、一
定時間収録し、この収録データを機械系の固有振動数、
減衰比、固有モードなどを推定し、機械構造の振動特性
をモード毎に例えばディスプレイに表示し、機械共振毎
に制御パラメータを調整することを可能にする。
【0070】請求項7の発明における制御装置は、異常
な固有振動に関する機械系の部位を特定することを可能
にする。
【0071】請求項8の発明における振動検出器及びそ
の配線は、例えば箱形の機械構造体の内側に装着され、
耐ノイズ性と耐久性を向上させる。
【0072】請求項9の発明における振動抑制制御器
は、可動部の検出位置のモータ軸回転角度からの相対位
置と、可動部の検出位置のモータ軸角速度に対する相対
速度とを算出し、振動検出器を不要にする。
【0073】請求項10の発明におけるフィルタ手段
は、振動抑制制御器により生成された振動抑制制御トル
ク指令を表す信号の低周波成分を除去する。可動部の静
的な位置決め精度は低周波成分に依存するので、これを
除去することにより位置精度が高まる。
【0074】請求項11の発明におけるモータ軸の回転
角度検出器の出力信号は、交流サーボモータの巻線電流
の整流処理系に使用されるとともに、機械可動部とモー
タ軸の相対変位検出系においても同時に利用され、振動
抑制用にセンサを新たに付加することなく低コストに振
動抑制制御を実現する。
【0075】請求項12の発明における水平方向駆動系
の位置検出器と水平方向駆動用モータの回転角度検出器
は、鉛直方向駆動で生じるベッド曲げに起因する機械共
振を検出し、鉛直方向振動抑制制御器及び鉛直方向トル
ク生成手段は、これに基づいてベッド曲げ機械共振を安
定化するトルクをベッドに与えることにより、鉛直方向
駆動系において新たなセンサを付加することなく低コス
トに振動抑制制御を実現する。
【0076】請求項13の発明における振動抑制制御器
は、機械構造の共振を網羅した運動解析モデルに基づい
たオブザーバによって機械系の状態量をセンサレスで推
定し、この状態量を用いて振動抑制制御が実行される。
【0077】請求項14の発明における振動抑制制御器
やサーボ系等を実現する部分は、振動抑制制御器を実現
する部分を別のカードとし、このカードのアドオンによ
って、汎用のサーボ系を共通化したままそれぞれの機械
系に応じた振動抑制制御を着脱することを可能にする。
【0078】
【0079】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の実施例を図について説明す
る。図1は、この発明の第1の実施例による位置決め装
置の構成を示すブロック線図であり、75はサーボモー
タ6を制御するサーボ系、76はこのサーボ系75によ
って制御される機械系、77はこの機械系76の振動を
検出する振動検出器系、78はサーボ系75からのトル
ク指令信号Tm 、機械系76からのサーボモータ6のモ
ータ軸の角度検出値θ、機械系76からの機械可動部の
位置検出値xl 、及び振動検出器系の信号に基づいて振
動抑制制御を行なう振動抑制制御器である。この実施例
による位置決め装置の外観は図32及び図33に示した
従来のものと同様である。位置決め装置内の位置検出器
21の設置状況は図35に示した従来のものと同様であ
る。
【0080】尚、サーボ増幅器17は、例えばディジタ
ルシグナルプロセッサで実現されており、図1のサーボ
系75及び振動抑制制御器78は、サーボ増幅器17の
プロセッサに実装されている。
【0081】図1に示すように、サーボ系75におい
て、79は位置検出値xl を処理する回路の0次ホール
ダ、133は角速度検出値dθ/dtを処理する回路の
0次ホールダ、80は位置ループのディジタル演算処理
の無駄時間要素、134は速度ループのディジタル演算
処理の無駄時間要素、(xle は位置ループのディジ
タル演算処理の無駄時間要素80を経たディジタル処理
系における機械可動部の位置検出値、(dθ/dt)e
は速度ループのディジタル演算処理の無駄時間要素13
4を経たディジタル処理系におけるモータ軸の角速度検
出値を示す。
【0082】Tms * は位置ループ及び速度ループで生成
されるサーボトルク指令、Tm *はこのサーボトルク指令
ms * と振動抑制制御器78から出力される振動抑制制
御トルク指令Tv *の和で与えられるモータトルク指令を
示している。196はこのモータトルク指令Tm *に従っ
てトルクを生成するトルク生成手段である。Tm はトル
ク生成手段196で生成されたモータトルクを示す。
【0083】なお、図1は機械系76を含むx方向の制
御系をモデル化したものを示し、各ブロックの出力量は
各系から出力される物理量を示している。y方向の制御
系も同様にモデル化でき、以下に述べる制御方法でy方
向についても同様に制御できる。
【0084】実際の位置決め装置では、サーボ系75
は、サーボ増幅器17の一部(位置ループ、速度ルー
プ、角速度検出値(dθ/dt)e を算出する部分、及
び位置検出値(xle を取り込む部分)及びサーボモ
ータ6に対応する。トルク生成手段196は、サーボ増
幅器17の電流増幅部及びサーボモータ6に対応する。
機械系76は、機械可動部、非可動部、位置検出器、回
転角度検出器、及びサーボ増幅器17の一部(角速度検
出値dθ/dt及び位置検出値の時間変化率dxl/d
tを算出する部分)に対応する。振動検出器系77は、
加速度計等の振動検出器とサーボ増幅器17の一部(振
動検出器出力を取り込む部分)に対応する。
【0085】また、図35に示すように、位置検出器2
1等は機械可動部20に装着されており、モータ軸の回
転角度検出器7等がサーボモータ6に装着されている。
よって、実際の位置決め装置では、位置検出器21が、
機械可動部20の位置検出値xl をサーボ増幅器17の
サーボ系75を実現する部分に供給する。回転角度検出
器7は、サーボ増幅器17の振動抑制制御器78を実現
する部分にサーボモータ6のモータ軸の回転角度θを供
給する。
【0086】また、サーボ増幅器17は、位置検出器2
1で検出される機械可動部20の位置検出値xl から、
位置検出値の時間変化率dxl /dt(dxl /dtは
機械系76の物理量であるから、実際は(dxl /d
t)e として認識される。)を算出する。なお、図1に
おいて、機械系76の位置検出値の時間変化率dxl
dtが、サーボ系75では(dxl /dt)e として認
識されることが示されている。
【0087】サーボ増幅器17は、回転角度検出器7で
検出されるモータ軸の回転角度θから、回転角速度dθ
/dt(dθ/dtは機械系76の物理量であるから、
実際は(dθ/dt)e として認識される。)を算出す
る。
【0088】図2は図1に示した機械系76のブロック
線図である。すなわち、図32に示すヘッド1、コラム
2、サドル・テーブル3、ベッド4及びレベリングボル
ト5による機械系76のふるまいをモデル化して示した
ものである。81,82,83,84は機械系76の構
成要素であって、各々、サーボモータのモータ軸系,ボ
ールねじ系,レベリング系,ベッド曲げ系を示し、85
は機械系76に装着された位置検出系を示す。位置検出
系85は、機械可動部20に装着された位置検出器21
に対応する。モータ軸系81において、86はモータ軸
の慣性モーメントJの逆数である係数要素、87は積分
器を示している。
【0089】なお、このモデルは、ベッドの弾性曲げ変
形に関する1個の回転ばね及び1個の回転ダッシュポッ
トによってベッド4とコラム2とを接続し、ボールねじ
の弾性変形に関する1個の並進ばね及び1個の並進ダッ
シュポットによってボールねじの駆動側と被駆動側とを
接続し、レベリング部に関する1個の回転ばね及び1個
の回転ダッシュポットによって、又は、1個の回転ば
ね、1個の並進ばね、1個の回転ダッシュポット及び1
個の並進ダッシュポットによって、ベッド4と設置床と
を接続して構成される運動解析モデルに基づくものであ
る。
【0090】ボールねじ系82において、89はボール
ねじ19のリード換算係数に関する係数要素、90はボ
ールねじ系82における機械可動部20の質量に関する
定数Jt /Jms に関する係数要素を示している。ただ
し、Jt =J+ms2 /4π2 である。
【0091】dxn /dtはボールねじ19の弾性変形
の時間変化量、xn はボールねじの弾性変形量を示して
いる。93はボールねじ19のばね定数kn に関する係
数要素、94はボールねじの減衰定数cn に関する係数
要素、95はベッド4の回転中心からボールねじ19ま
での距離hb に関する係数要素、96はコラム2の回転
中心からボールねじ19までの距離hn に関する係数要
素である。
【0092】レベリング系83において、97はボール
ねじの弾性変形量xn によって生じるベッド4へのモー
メントに関する定数a1 すなわち(Igb +Ipg
n )kn (ただしIg 、Ipgはコラムとベッドに関する
慣性モーメント)に関する係数要素、98はdxn /d
tによって生じるベッド4へのモーメントに関する定数
1 すなわち(Igb +Ipgn )cn に関する係数
要素、99はベッドやコラムに関する慣性モーメントI
d すなわちIpg −Ipg 2 の逆数に関する係数要素で
ある。
【0093】dφ/dtはベッド4のベッド回転角速
度、φはベッド4のベッド回転角度を示す。102はこ
のベッド回転角度φによって生じるベッド4へのモーメ
ントに関する定数a3 すなわち(kl +kb +knb 2
+kcls 2 )Ig +(kb −kclskc+knn
b )Ipgに関する係数要素(ただしkl はレベリング
ボルト5まわりの回転ばね定数、kb はベッド4の曲げ
変形に関するばね定数、kc はコラム3の下のレベリン
グボルト5のばね定数、hlsはkb とkl との幾何学的
関係に関する定数、hkcはkc とkb との幾何学的関係
に関する定数である)である。
【0094】103はベッド回転角速度dφ/dtによ
って生じるベッド4へのモーメントに関する定数a4
なわち(cl +cb +cnb 2+ccls 2 )Ig
(cb−cclskc+cnnb )Ipgに関する係
数要素(ただしcl はレベリングボルト5まわりの回転
減衰定数、cb はベッド4の曲げ変形に関する減衰定
数、cc はコラム3の下のレベリングボルト5の減衰定
数、hlsはcc とcl との幾何学関係に関する定数、h
kcはcc とcb との幾何学的関係に関する定数である)
である。
【0095】ベッド曲げ系84において、104はボー
ルねじの弾性変形量xn によって生じるコラム2へのモ
ーメントに関する定数a7 すなわち(Ipn +Ipg
b )kn に関する係数要素(ただしIp はベッドに関す
る慣性モーメント)、105はdxn /dtによって生
じるコラム2へのモーメントに関する定数a8 すなわち
(Ipn +Ipgb )cn に関する係数要素である。
【0096】レベリング系83において、106はベッ
ド回転角度φによって生じるコラム2へのモーメントに
関する定数a9 すなわち(kb −kclskc+kn
nb )Ip +(knb 2+kl +kb +kcls 2
pgに関する係数要素、107はベッド回転角速度dφ
/dtによって生じるコラム2へのモーメントに関する
定数a10すなわち(cb −cclskc+cnn
b )Ip +(cnb 2+cl +cb +ccls 2 )Ipg
に関する係数要素である。
【0097】ベッド曲げ系84において、γはコラム2
のベッド4に対するコラム回転角度、dγ/dtはコラ
ム2のベッド4に対するコラム回転角速度、110はコ
ラム回転角度γによって生じるコラム2へのモーメント
に関する定数a11すなわち(kb +kc +hkc 2 +kn
n 2)Ip +(kb −kkcls+knnb )Ipg
関する係数要素である。111はコラム回転角速度dγ
/dtによって生じるコラム2へのモーメントに関する
定数a12すなわち(cb +cckc 2 +cn n 2)Ip
+(cb −cckcls+cnnb )Ipgに関する
係数要素、112はコラム回転角度γ109によって生
じるベッド4へのモーメントに関する定数a5 すなわち
(kb −kclskc+knnb )Ig +(kb
ckc 2 +knn 2)Ipgに関する係数要素、113
はコラム回転角速度dγ/dtによって生じるベッド4
へのモーメントに関する定数a6 すなわち(cb −cc
lskc+cnnb )Ig +(cb +cckc 2
nn 2)Ipgに関する係数要素ある。
【0098】また、位置検出系85において、114は
ベッド4と位置検出器21の幾何学的関係に関する定数
blに関する係数要素、115はコラム2と位置検出器
21の幾何学的関係に関する定数hcsに関する係数要素
である。d2 φ/dt2 はベッド4の回転角加速度であ
るベッド角加速度、d2 γ/dt2 はコラム2のベッド
4に対する回転角加速度であるコラム角加速度を示す。
【0099】図3は振動検出系77の内容を示すブロッ
ク線図である。図において、118はベッド4に装着さ
れるベッド振動検出器136の幾何学的関係に関する定
数であるベッド振動検出器位置係数hlsa についての係
数要素、120は係数要素118の出力をA−D変換す
るA−D変換器、119はコラム2に装着されるコラム
振動検出器137の幾何学的関係に関する定数であるコ
ラム振動検出器位置係数hbtc についての係数要素、1
21は係数要素119の出力をA−D変換するA−D変
換器である。αb はベッド4に装着されるベッド振動検
出器136で検出された加速度がディジタル化されたも
のであるベッド加速度、αc はコラム2に装着されるコ
ラム振動検出器137で検出された加速度がディジタル
化されたものであるコラム加速度を示す。すなわち、ベ
ッド振動検出器136及びコラム振動検出器137は、
実際の振動検出器に対応し、A−D変換器120,12
1はサーボ増幅器17内のA−D変換器に対応する。
【0100】図4は振動抑制制御器78の内容を示すブ
ロック線図である。図において、150は角度の検出信
号処理系の0次ホールダ、151は位置ループにおける
角度処理系のディジタル演算処理の無駄時間要素、15
2は位置検出信号の時間微分処理系の0次ホールダ、1
53は速度ループにおける位置微分信号系の無駄時間要
素、154はベッド加速度αb の検出処理系の0次ホー
ルダ、155は速度ループにおける加速度αb 処理系の
無駄時間要素、156はコラム加速度αc の検出処理系
の0次ホールダ、157は速度ループにおける加速度α
c 処理系の無駄時間要素である。
【0101】また、θe は位置ループにおける角度処理
系のディジタル演算処理の無駄時間要素151を経たデ
ィジタル処理系の角度検出値、(dxl /dt)e は速
度ループにおける位置微分信号処理系の無駄時間要素1
53を経たディジタル処理系の位置微分検出値、(α
be は速度ループにおける加速度処理系の無駄時間要
素155を経たディジタル処理系のベッド加速度検出
値、(αce は速度ループにおける加速度αc 処理系
の無駄時間要素157を経たディジタル処理系のコラム
加速度検出値、122はディジタル処理系のベッド加速
度検出値(αbeを入力とする積分器(積分要素)、
b はこの積分器122の出力であるベッド速度、12
4はこのベッド速度vb を入力とする積分器(積分要
素)、xb はこの積分器124の出力であるベッド位
置、126はディジタル処理系のコラム加速度検出値
(αce を入力とする積分器(積分要素)、vc はこ
の積分器126の出力であるコラム速度、128はこの
コラム速度vc を入力とする積分器(積分要素)、xc
はこの積分器128の出力であるコラム位置である。
【0102】また、130はベッド振動検出器位置係数
lsa の逆数に関する係数要素、131はコラム振動検
出器位置係数hbtc の逆数に関する係数要素、φe はベ
ッド回転角度の検出値、(dφ/dt)e はベッド回転
角速度の検出値、148はコラム回転角度の検出値γ
e 、(dγ/dt)e はコラム回転角速度の検出値、1
58,159,160,161,162,163,16
4,165は振動抑制ゲインである。上述したように、
振動抑制制御器78は、サーボ増幅器17のプロセッサ
で実現される。
【0103】次に、動作について説明する。図1に示し
たサーボ系75の基本動作は従来例と同様である。すな
わち、数値制御装置(制御装置)8から送られる機械可
動部の移動されるべき位置を指示するための位置指令x
l *から位置検出値(xleを差し引く。この差にフィ
ードバックゲインKp を掛けて速度指令(dθ/dt)
* を生成する。この速度指令(dθ/dt)* から角速
度検出値(dθ/dt)e を差し引き、この差に速度フ
ィードバックゲインKv を掛けてサーボトルク指令Tms
* を生成する。
【0104】このとき、サーボ系75は、図35に示す
サーボ増幅器17内のディジタルシグナルプロセッサ上
にディジタル処理系として実装されているので、位置検
出値の0次ホールダ79と角速度検出値の0次ホールダ
133、及び無駄時間要素80で示される位置制御系の
演算時間と無駄時間要素134で示される速度制御系の
演算時間によって位相遅れが生ずる。この位相遅れが位
置検出値xl と角速度検出値dθ/dtに対して影響与
えることになる。すなわち、実際には、位置検出値(x
le 、角速度検出値(dθ/dt)e によってフィー
ドバック制御がなされる。
【0105】速度フィードバックゲイン乗算器25から
のサーボトルク指令Tms * と、振動抑制制御器78から
の振動抑制制御トルク指令Tv *が加算されて、モータト
ルク指令Tm *が生成される。トルク生成手段196は、
モータトルク指令Tm *に従ってモータトルクTm を発生
し、機械系76を駆動する。
【0106】機械系76は、ベッド回転角加速度d2 φ
/dt2 、コラム回転角加速度d2γ/dt2 を生ず
る。これらの角加速度は、振動検出器系77によってベ
ッド加速度αb とコラム加速度αc に変換される。そし
て、ベッド加速度αb とコラム加速度αc とは、振動抑
制制御器78に取り込まれる。振動抑制制御器78は、
ディジタル処理系の位置検出値(xle (すなわち、
位置検出器21の出力がサーボ増幅器17において処理
されたもの)、機械可動部20の位置検出値の時間変化
率dxl /dt、モータ軸の回転角度値θ、角速度検出
値(dθ/dt)e (すなわち、回転角度検出器7の出
力がサーボ増幅器17において処理されたもの)をも同
時に取り込み、これらの検出値に基づいて振動抑制制御
トルク指令Tv *を算出しこの振動抑制制御トルク指令T
v *をサーボ系75に出力して、機械系76の振動を軽減
する。
【0107】なお、振動抑制制御器78の内部では、d
l /dtは、位置検出器21の出力に基づいてサーボ
増幅器17が算出した時間変化率(dxl /dt)e
して扱われる。θは、取り込むための処理がなされた後
の回転角度値θe として扱われる。
【0108】図2に示した機械系76のモータ軸系81
は、サーボ系75からのモータトルクTm から機械系の
負荷トルクTl を差し引いたトルクを入力する。そのト
ルクに係数要素86によって慣性モーメントJの逆数が
掛けられ、モータ軸の回転角加速度が得られる。そし
て、係数要素86の出力が積分器87で積分されて、モ
ータ軸の回転角速度dθ/dtとなる。回転角速度dθ
/dtは、もう1つの積分器87を経てモータ軸の回転
角度θとなる。
【0109】図2に示したボールねじ系8、レベリング
系83、ベッド曲げ系84の動作は力学的であるため図
5に示す機械系の力学モデルを参照しながらその動作を
説明する。図5において、kn ,kc は並進ばね、k,
b は回転ばねを示している。また、回転ばねkb を、
回転ばね及び回転ダッシュポットで置き換え、並進ばね
c を、並進ばね及び並進ダッシュポットで置き換えも
よい。
【0110】ボールねじ系82において、モータトルク
m はリードの換算係数要素89によってリード換算係
数が掛けられてボールねじ19の軸方向の推力となる。
図5に示すような方向にモータ軸の回転角度θとボール
ねじの弾性変形量xn の正方向を取っているため、リー
ド換算の係数要素89の出力は、ボールねじの弾性変形
量xn に対して負方向にサーボモータ6側から作用す
る。同時に、ボールねじ19と組み合わされるナット1
93及びナット193のベッド取付部194側からもボ
ールねじの弾性変形量xn に寄与する支持系反力190
が加わる。この支持系反力190からリード換算の係数
要素89の出力を差し引いた力に、係数要素90によっ
て質量に関する定数Jt /Jmsが掛けられる。係数要素
90の出力は、積分器87を介してボールねじ19の弾
性変形の時間変化量dxn /dtとなる。さらに、積分
器87を介してボールねじの弾性変形量xn となる。ボ
ールねじの弾性変形量xn は、ボールねじばね定数kn
を掛ける係数要素93を経て支持系反力190の一部と
なる。
【0111】一方、ナット193のベッド取付部194
はベッド4の揺動により変位する。よって、ベッド回転
角速度dφ/dtは、ベッド4の回転中心からボールね
じ19までの距離hb に関する係数要素95とボールね
じの減衰定数cn に関する係数要素94を経、ベッド回
転角度φは幾何学定数hb 95とボールねじばね定数k
n に関する係数要素93とを経て支持系反力190の一
部となる。
【0112】また、ナット193のベッド取付部194
は、図3では簡単のために図に示していないものの、ベ
ッド4の変形のためコラム回転によっても変位する。こ
のため、コラム回転角速度dγ/dtは、コラム2の回
転中心からボールねじ19までの距離hn に関する係数
要素96とボールねじの減衰定数cn に関する係数要素
94を経、コラム回転角度γは、係数要素96とボール
ねじ19のばね定数kn に関する係数要素93を経て支
持系反力190の一部となる。
【0113】図2に示すレベリング系83に対して、サ
ーボモータ6の駆動力は、ボールねじ弾性変形速度dx
n /dt、定数a1 、ボールねじの弾性変形量xn 及び
定数a2 を介してモーメントとして作用する。よって、
ベッド4が揺動することによってベッド回転角速度dφ
/dt及びベッド回転角度φが生じる。ベッド回転速度
dφ/dtとベッド回転角度φとは、レベリングボルト
5まわりの回転減衰定数cl 、回転ばね定数kl 、コラ
ム2下のレベリングボルト5の減衰定数cc 及びばね定
数kc を含む定数a4 ,a3 を介してベッド4の揺動モ
ーメントとなる。また、コラム回転角速度dγ/dtと
コラム回転角度γとは、ベッド曲げの減衰定数cb 及び
ばね定数kb を含む定数a6 ,a5 を介してベッド4に
対する揺動モーメントとなる。
【0114】図2に示すベッド曲げ系84に対し、サー
ボモータ6の駆動力はボールねじの弾性変形量xn 、定
数a7 、ボールねじ弾性変形の時間変化量dxn /dt
及び定数a8 を介してモーメントとして作用する。よっ
て、ベッド4に曲げ変形が生じることによって、コラム
回転角度γ及びコラム回転角速度dγ/dtが生じる。
コラム回転角度γとコラム回転角速度dγ/dtとは、
ベッド曲げの減衰定数cb 及びばね定数kb を含む定数
12、a11を介してベッド4に対する曲げモーメントと
なる。また、ベッド回転角度φとベッド回転角速度dφ
/dtとは、ベッド曲げの減衰定数cb 、ばね定数kb
を含む定数a9 ,a10を介してベッド4に対する曲げモ
ーメントとなる。
【0115】図2に示す位置検出系85は、可動部をサ
ドル・テーブル3、固定部をベッド4に装着したリニア
エンコーダ(図示せず)に関する動特性をブロック線図
で表したものである。すなわち、位置検出系85は、モ
ータ軸の回転角度θのリード換算値とボールねじの弾性
変数量xn とを加算したリニアエンコーダの可動部側の
移動量から、ベッド回転角度φにベッド4と位置検出器
21の幾何学的関係に関する定数hblを乗じた値とコラ
ム回転角度γにコラム2と位置検出器21の幾何学的関
係に関する定数hcsを乗じた値との差すなわちリニアエ
ンコーダの固定部側の移動量を差し引いた値xl を検出
することになる。
【0116】このように機械系76は、ボールねじ系8
2、レベリング系83、ベッド曲げ系84の3つの振動
系から構成されている。図1に示したサーボ系75によ
って機械系76を駆動すると、サーボモータ6の駆動力
はこれら3つの振動系に伝達されるため、図27に示し
たように3つの機械共振が励起されることになる。そし
て、位置フィードバックゲインKp を大きくすると、機
械共振R1及び機械共振R2が不安定化し、制御性能の
上限が制限される状況は従来技術の説明で述べたとおり
である。
【0117】この実施例では、機械共振を抑制するため
振動検出器系77が機械系76に装着される。そして、
振動検出器系77や位置検出系85の信号を振動抑制制
御器78が処理することによって振動抑制制御される。
【0118】図3に示した振動検出器系77は、機械系
76に装着された振動検出器の動特性をブロック線図で
表したものである。ベッド振動検出器136及びA−D
変換器120は、ベッド回転角速度d2 φ/dt2 に係
数要素118によるベッド振動検出器位置係数hlsa
乗じたものをA−D変換したベッド加速度αb を出力す
る。コラム振動検出器137A−D変換器121は、コ
ラム回転角加速度d2γ/dt2 に係数要素119によ
るコラム振動検出器位置係数hbtc を乗じた値をベッド
加速度αb のアナログ値に加算し、加算値をA−D変換
したコラム加速度αc を出力する。
【0119】図4に示した振動抑制制御器78は、ま
ず、振動検出器系の出力であるベッド加速度αb とコラ
ム加速度αc とをラッチしてサーボ増幅器上のディジタ
ル処理系に取り込む。そして、ベッド加速度αb は、0
次ホールダ154及び無駄時間要素155を経てベッド
加速度検出値(αbe となる。また、コラム加速度α
c は、0次ホールダ156及び無駄時間要素157を経
てコラム加速度検出値(αce となる。ベッド加速度
検出値(αbe は、積分器122よって積分されベッ
ド加速度検出値vb となる。コラム加速度検出値(α
ce は、積分器126によって積分されコラム速度検
出値vc となる。さらに、積分器124と積分器128
とによって、ベッド位置xb とコラム位置xc とが得ら
れる。ここで、積分器122,124,126,128
は1次のローパスフィルタになっていて、加速度検出値
(αbe 、(αce に直流ドリフトが重畳した場合
においてもその出力が飽和しにくいように工夫されてい
る。
【0120】ベッド位置xb とベッド速度vb とには、
それぞれ、係数要素130によって幾何学定数(ベッド
振動検出器位置係数の逆数1/hlsa )が乗ぜられて、
ベッド回転角度検出値φe とベッド回転角速度検出値
(dφ/dt)e となる。コラム位置xc とコラム速度
c とには、それぞれ、係数要素131によって幾何学
定数(コラム振動検出器位置係数の逆数1/hbtc )が
乗ぜられて、コラム回転角度検出値γe とコラム回転角
速度検出値(dγ/dt)e となる。
【0121】また、位置検出値(xle に対して、角
度検出値θe に減速比L/2πを乗じた値が減算され
る。さらに、コラム位置検出値γe に幾何学定数(ベッ
ド4と位置検出器21の幾何学的関係に関する定数)h
csを乗じた値が減算され、ベッド位置検出値φe に幾何
学定数hblを乗じた値が加算されてボールねじ弾性変形
検出値(xne が得られる。また、位置微分検出値
(dxl /dt)e に対して、角速度検出値(dθ/d
t)e に減速比L/2πを乗じた値が減算される。
【0122】さらに、コラム回転角速度検出値(dγ/
dt)e に幾何学定数(コラム2と位置検出器21の幾
何学的関係に関する定数)hcsを乗じた値が減算され、
ベッド回転角速度検出値(dφ/dt)e に幾何学定数
blを乗じた値が加算されてボールねじ弾性変形速度検
出値(dxn /dt)e が得られる。このようにして、
結局、機械系76の8個の状態量に対応する8個の検出
値(角度検出値θe 、角速度検出値(dθ/dt)e
ボールねじ弾性変形速度検出値(dxn /dt)e 、ボ
ールねじ弾性変形検出値(xne 、ベッド回転角度検
出値(φ)e 、ベッド回転角速度検出値(dφ/dt)
e 、コラム回転角度検出値(γ)e 、コラム回転角速度
検出値(dγ/dt)e )が得られる。これらに振動抑
制制御ゲイン158〜165を乗じ、結果を加算するこ
とによって振動抑制制御トルク指令Tv *が得られる。
【0123】このように、位置検出値(xle から角
度検出値θe を差し引いた相対変位に相当するボールね
じ弾性変形検出値(xne がサーボ系75にフィード
バックされる。このフィードバックは、サーボ系75の
交差周波数に近接した最も不安定な機械共振に対して減
衰を与えるように作用する。また、ボールねじ弾性変形
検出値(xne から角速度検出値(dθ/dt)e
差し引いた相対速度に相当するボールねじ弾性変形速度
検出値(dxn /dt)e がサーボ系75にフィードバ
ックされる。このフィードバックは、相対変位のフィー
ドバックによって不安定化する第2の機械共振に対して
減衰を与えるように作用する。
【0124】サーボ増幅器17におけるプロセッサが図
4に示した振動抑制制御を実施する処理フローチャート
を図6に示す。以下、このフローチャートに従ってプロ
セッサの動作を説明する。
【0125】まず、位置検出値(xle 、速度検出値
(dxl /dt)e 、角度検出値θe 、角速度検出値
(dθ/dt)e 、ベッド加速度検出値(αbe 、コ
ラム加速度検出値(αce を読み込み(ステップST
101)、ベッド加速度検出値(αbe に積分器12
2,124によるローパスフィルタ処理を施し、ベッド
速度vb 、ベッド変位xb を算出する(ステップST1
02)。
【0126】次いで、コラム加速度検出値(αce
積分器126,128によるローパスフィルタ処理を施
し、コラム速度vc 、コラム変位xc を算出する(ステ
ップST103)。さらに、ベッド変位xb に1/h
lsa を乗じてベッド回転角度検出値φe を算出するとと
もに、ベッド速度vb に1/hlsa を乗じてベッド回転
角速度検出値(dφ/dt)e を算出する(ステップS
T104)。
【0127】次いで、コラム変位xc からベッド変位x
b を差し引いた後に1/hbtc を乗じてコラム回転角度
検出値γe を算出し、コラム速度vc からベッド速度v
b を差し引いた後に1/hbtc を乗じてコラム回転角速
度検出値(dγ/dt)e を算出する(ステップST1
05)。また、算出した位置検出値(xle 、角度検
出値θe 、ベッド回転角度検出値φe 及びコラム回転角
度検出値γe から係数L/2π,hbl,hcsを考慮して
ボールねじ弾性変形検出値(xne を算出する(ステ
ップST106)。
【0128】また、速度検出値(dxl /dt)e 、角
速度検出値(dθ/dt)e 、ベッド回転角速度検出値
(dφ/dt)e 、コラム回転角速度検出値(dγ/d
t)e から係数L/2π,hbl,hcsを考慮してボール
ねじ弾性変形速度変化検出値(dxn /dt)e を算出
する(ステップST107)。
【0129】次いで、位置検出値(xle 、角度検出
値θe 、角速度検出値(dθ/dt)e 、速度検出値
(dxn /dt)e 、ボールねじ弾性変形検出値(x
ne 、ベッド回転角度検出値φe 、ベッド回転角速度
検出値(dφ/dt)e 、コラム回転角度検出値γe
コラム回転角速度検出値(dγ/dt)e に係数Km0
m8を掛けた後、それらの和をとり振動抑制制御トルク
指令Tv *を算出する(ステップST108)。以上の制
御によって、機械共振は従来の場合に比べてより抑制さ
れ、その結果、サーボ系75の位置ループにおける位置
フィードバックゲインKp 、及び速度ループにおける速
度フィードバックゲインKv をより高くすることができ
る。
【0130】実施例2.振動抑制制御ゲイン158〜1
65の設定方法について説明する。図2に示した機械系
76を状態方程式で表せば、以下のようになる。 dxm /dt=Amm +bmm …(1) ここで、 xm ={xn ,dxn /dt,θ,dθ/dt,φ,d
φ/dt,γ,dγ/dt}T であり、システム行列Am 、入力ベクトルbm は図7に
示すとおりである。
【0131】図1に示した速度ループの無駄時間要素1
34と0次ホールダ133の動特性を1次のパデ近似で
式(2)のように表す。 (dθ/dt)a ={1/(1+τv s/2)}・dθ/dt …(2) ここで、(dθ/dt)a はパデ近似モデルにおける角
速度検出値である。
【0132】また、図1に示した位置ループの無駄時間
要素80と0次ホールダ79の動特性を2次のパデ近似
で式(3)のように表す。 (xla ={1/(1+τp s/2+τp 22 /12)}・dθ/dt …(3) ここで、(xla はパデ近似モデルにおける位置検出
値である。
【0133】式(1),(2),(3)を用いて、機械
系76の可動部とサーボ系75とを合わせた系の動特性
をを状態方程式で記述すれば、式(4)で示される。 dxp /dt=App +Bpp …(4) ここで、 xp ={xn ,dxn /dt,θ,dθ/dt,φ,d
φ/dt,γ,dγ/dt,(dθ/dt)a ,(x
la ,(xlbT であり、(xlb は式(2)の2次のパデ近似式を状
態空間で表現したときに派生した変数である。
【0134】また、 up ={xl *,Tm } である。
【0135】式(4)のシステム行列Ap をモード座標
系で非連成化するため、スペクトル分解すれば式(5)
に示すようになる。 Ap =Ep Λpp -1 …(5) ここで、Λp は固有値の対角行列、Ep はモード行列で
あり、各行列の要素には実数と複素数が混在する。
【0136】制御則の実装のため実固有ベクトルを得る
べく、システム行列Ap をブロック対角行列Ap に分解
すれば、式(6)に示すようになる。 Ap =Ebbb -1 …(6) ここで、 Eb =Re {Ep }+Im {Ep } である。ブロック対角行列Ab のブロック対角行列要素
は最大2×2であり、1次系と2次系に非連成化された
ことになる。2次系は1自由度振動系に相当するので、
この非連成化によって振動抑制制御が容易になる。
【0137】左実モード行列Eb -1 により、式(4)の
物理座標系の状態ベクトルxp は、式(7)に示すよう
にモード座標系の状態ベクトルxm に変換でき、 xm =Eb -1p …(7) 式(4)をモード座標で表せば、式(8)に示すように
なる。 dxm /dt=Abm +Bbp …(8) ここで、 Bb =Eb -1p である。
【0138】さらに、非連成化した2次系をモード毎に
回転座標変換する。変換行列Tr として、その次元がA
b と等しい正方のブロック対角行列であって、ブロック
対角要素はAb の相当要素がブロック行列のとき回転角
度θj の回転変換行列、Abの相当要素がスカラー対角
要素のとき1であるものを設定する。ここで、添え字j
は整数であり、θj は式(9)で与えられる。 θj =tan-1{(Ab,jjb,2j+Ab,j+1,jj,2,j+1 )/ (Ab,j+1,jb,2j−Ab,jjb,2,j+1 )}…(9) ここで、Ab 、Bb の下付き添え字j は各行列の要素を
示すものである。
【0139】この変換行列Tr とEb によってxm をx
v に式(10)によって変換すれば、 xv =(Ebr-1m …(10) xv の第j要素はモータトルクTm に対して機械共振周
波数で位相が90度遅れた速度相当の信号となり、これ
にゲインを掛けてモータトルク指令値を足し込むことで
振動抑制制御ができることになる。例えば、n個の機械
共振を同時に抑制制御するとき、振動抑制制御トルク指
令Tv *は式(11)で与えられる。 Tv *=Σm=1 nsmv,jm …(11) ここで、Ksm(m=1〜n)は機械共振ごとに振動抑制
の度合に応じて設定される振動抑制制御ゲインであり、
v の下付き添え字jmは抑制する機械共振に対応した速
度相当信号の要素番号である。
【0140】結局、式(10)、式(11)より、物理
座標系の状態量xm と振動抑制制御トルク指令Tv *の関
係が式(12)のように定められる。 Tv *=kt0(xla +Kt1θ+Kt2dθ/dt+Kt3n +Kt4dxn /dt+Kt5φ+Kt6dφ/dt +Kt7γ+Kt8dγ/dt+Kt9dθ/dt …(12) なお、式(12)は機械共振が3の場合を示している。
制御系の実動作においては、式(12)の物理座標系の
状態量を図4に示した検出値(位置検出値(xle
角度検出値θe 、角速度検出値(dθ/dt)e 、ボー
ルねじ弾性変形検出値(xne 、ボールねじ弾性変形
速度検出値(dxn /dt)e 、ベッド回転角度検出値
(φ)e 、ベッド回転角速度検出値(dφ/dt)e
コラム回転角度検出値(γ)e 、コラム回転角速度検出
値(dγ/dt)e )で置き換え、図4に示した振動抑
制制御ゲイン158〜166を式(12)のKt0〜Kt8
によって与える。ただし、振動抑制制御ゲイン159は
t2とKt9との和で与えられる。
【0141】以上に述べたブロック対角化モード分離に
基づく振動抑制制御の動作状況をシミュレーションで求
めた結果を図8に示す。図8は位置指令値xl *から位置
検出値(xle までの周波数伝達特性を表している。
図中破線は振動抑制制御がないときのもので、無次元周
波数2付近で機械共振R1のためにゲインが大きくなっ
ている。この機械共振R1のみを抑制するように振動抑
制制御した結果を実線で示している。機械共振R1のゲ
インが軽減され、位相の変化が緩やかになって安定化で
きていることがわかる。これに対して、機械共振R0、
R2はほとんど変化していない。機械共振R0、R2は
機械共振R1にかなり接近しているにもかかわらず、機
械共振R1のみが選択的に安定化され、この実施例にお
ける振動抑制制御の有効性が確認できる。
【0142】実施例3.図9はこの発明の第3の実施例
による位置決め装置における数値制御装置のプロセッサ
の動作を示すフローチャートである。以下、上記したモ
ード制御の制御ゲインを設定する数値制御装置8の動作
について述べる。
【0143】まず、機械系76の質量に関する係数要素
86,90,99における定数1/J,Jt /Jms ,
d 、剛性に関する係数要素93,97,102,11
2,104,106,110における定数Kn ,a1
3 ,a5 ,a7 ,a9 ,a11、減衰に関する係数要素
94,98,103,113,105,107,111
における定数cn ,a1 ,a4 ,a6 ,a8 ,a10,a
12、幾何学的形状に関する係数要素95,96,89,
114,115における定数hb ,hn ,L/2π,h
b1,hcsなどが操作盤345(図32)から入力される
(ステップST201)。すると、数値制御装置8のプ
ロセッサは、式(5)、式(7)、式(8)に基づいて
b ,Bb ,Eb-1 ,θJ を算出する(ステップST2
02)。
【0144】次いで、機械共振周波数と振動モードを操
作盤345のディスプレイ300に表示し、振動モード
(機械共振)に対して、例えば機械共振周波数が低い方
から順番に番号を付す。使用者が抑制したい機械共振の
番号mを操作盤345から入力すると(ステップST2
03)、振動抑制制御の対象となる機械共振が設定され
る。設定された振動モードのモード座標での速度相当状
態量xvjに関して、モータトルクTm からの周波数伝達
特性(周波数応答)をボード線図でディスプレイ300
に表示する(ステップST204)。
【0145】ボード線図において、ループゲイン(振動
抑制制御効果のゲイン)が0dBとなる直線を表示す
る。使用者は、所望の抑制の度合と周波数伝達特性とか
ら定まるループゲインを操作盤345から入力する(ス
テップST205)。すると、数値制御装置8のプロセ
ッサは、指定されたループゲインから振動抑制制御ゲイ
ンKsmを決定する(ステップST206)。
【0146】さらに、他の機械共振も振動抑制制御する
か否かをディスプレイ300に表示する(ステップST
207)。使用者は、それに応じて操作盤345からY
es/Noを入力する。「Yes」が入力されると、ス
テップST203に戻る。「No」であれば、振動抑制
制御ゲインKsmをサーボ増幅器17に転送する(ステッ
プST208)。以上のようにして、振動抑制制御器7
8における振動抑制制御ゲインKsmを操作盤345から
設定することができる。
【0147】なお、数値制御装置8のプロセッサには、
例えばモトローラ社の68030などを使用することが
できる。このプロセッサの能力はこの実施例の計算を十
分実行できるものであり、この実施例による位置決め装
置を実現するために、高能力プロセッサを採用する必要
はない。また、ここでは第1の実施例又は第2の実施例
に示した制御を実行する数値制御装置8に適用されるも
のについて述べたが、後述する第6の実施例における相
対変位・相対速度フィードバックに基づく振動抑制制御
器についても適用可能である。
【0148】実施例4.図10はこの発明の第4の実施
例による位置決め装置による振動抑制制御ゲインKsm
自動設定動作及び機械系の自動診断動作を実行する位置
決め装置の動作を示すフローチャートである。上記した
第3の実施例では、使用者が対話的に振動抑制制御ゲイ
ンKsmを入力する場合について説明したが、この実施例
の位置決め装置は、機械系76の振動特性を測定し、機
械系76の異常を診断するとともに、振動抑制制御器7
8における振動抑制制御ゲインKsmを自動設定するよう
に構成されている。
【0149】この実施例による装置構成は、図32、図
33及び図35に示す構成と同様であり、また、図1に
示す制御系を含んでいる。そして、この場合には、数値
制御装置8は、以下の処理を行うゲイン設定部を有する
ものとなっている。
【0150】まず、使用者は、駆動軸X,Y,Zの選択
や加振周波数範囲の指定などの定数を数値制御装置8の
操作盤345から入力する(ステップST301)。数
値制御装置8のゲイン設定部は、使用者の入力に従って
サーボ増幅器17に加振信号を出力して、機械系76を
加振する。そして、位置検出器21や回転角度検出器7
の検出信号及びモータ駆動電流をサーボ増幅器17を介
して取り込む(ステップST302)。
【0151】ここで、数値制御装置8からサーボ増幅器
17に与えられる加振信号は、例えば周波数が10Hz
/minで増える正弦波を1Hzから1kHzまで与え
るものであってもよいし、また、周波数帯域が1Hzか
ら1kHzの白色雑音であってもよい。また、この加振
信号を位置指令値xl *として与えることができ、速度指
令(dθ/dt)* やモータトルク指令Tm *に加算する
ように与えてもよい。さらに、加振に際して位置ループ
や速度ループを開閉して機械系76とサーボ系75の相
互作用を調べることもできる。検出信号及びモータ駆動
電流は、数値制御装置8において、一定時間分収録され
る。
【0152】次いで、数値制御装置8のゲイン設定部
は、加振信号と収録データとから周波数伝達特性を求
め、この周波数伝達特性から機械系76の固有振動数、
減衰比、固有モード等を同定する(ステップST30
3)。同定した固有振動数が設計許容値を下回った場
合、その固有振動数に係る機械系の部位に異常があると
判定する(ステップST304)。その内容を数値制御
装置8内に保存したデータベースと照合して想定される
原因とともにディスプレイ300に表示する。このよう
な診断結果を表示した後、処理の継続若しくは中止の入
力をディスプレイ300の表示によって使用者に求める
(ステップST305)。使用者は継続若しくは中止を
操作盤345から入力する。
【0153】中止が入力された場合はそのまま処理を終
了し、継続が入力された場合は、ステップST303で
求めた伝達特性、固有振動数、固有モードからモデルを
同定し、例えば第3の実施例に示したような方法で制御
系を設定する(ステップST306)。なお、白色雑音
で加振した場合にはARモデルなどの時間領域でのデー
タ処理によって固有振動数、固有モード、モデルの同定
を行なうことができる。
【0154】実施例5.図11はこの発明の第5の実施
例による位置決め装置における振動検出器の機械系76
への取付状態を示したものである。コラム2とベッド4
はX方向の左右対称断面(YZ面内)で示されるている
が、コラム2とベッド4は鋳物の箱形構造体であるため
図に示すように中空構造となっている。図において、1
74はコラム2に内側から取り付けられた振動検出器、
167は振動検出器174の信号ケーブル、168はベ
ッド4に内側取り付けられた振動検出器、169は振動
検出器168の信号ケーブルである。
【0155】次に動作について説明する。ベッド4の内
側には、リブ170が配置されているが、これらのリブ
170には穴が設けられている。信号ケーブル169は
各穴を通り、ベッド後面の穴171からベッド4を出て
サーボ増幅器17に接続される。同様に、コラム2の内
側にはリブ172が配置されているが、これらのリブ1
72に穴が設けられている。そして、信号ケーブル16
7は各穴を通り、コラム2の後面の穴173からコラム
2を出てサーボ増幅器17に接続される。
【0156】そして、サーボ増幅器17のプロセッサ
は、第1の実施例で説明した動作を実行し、位置決め処
理を行う。この場合には、特に、振動検出器とその信号
ケーブルが構造の内側に配置されているので、外部から
の接触や衝撃を少なくすることができ、信号ケーブル1
67,169の断線や振動検出器174,168の許容
加速度オーバによる故障などを防止することができる。
さらに、振動検出器174,168が非可動部に配置さ
れているので、従来例の図41に示したように可動部に
振動検出器を配置した装置に比べて、ケーブルの移動が
ない分、耐ノイズ性能や信頼性が向上する特徴がある。
【0157】実施例6.図12はこの発明の第6の実施
例による位置決め装置における振動抑制制御器を示すブ
ロック線図である。第1の実施例、第2の実施例、第3
の実施例では振動検出器を用いて振動抑制制御を行なっ
ているが、振動検出器を用いることなく位置検出器21
とサーボモータ6のモータ軸に取りつけられた回転角度
検出器7のみを用いて振動抑制制御することも可能であ
る。この実施例による位置決め装置は、そのような振動
抑制制御器を用いたものであり、図1に示した振動検出
器系77を省略し、振動抑制制御器78の内部構成を変
更したものである。
【0158】図12において、xr は位置検出値(x
le から角度検出値θe を差し引いた相対変位、vr
は機械可動部の位置検出値の時間変化率dxl /dtか
らモータ軸の回転角度検出値(dθ/dt)e を差し引
いた相対速度、181は相対変位xr に相対変位フィー
ドバックゲインKrdをかける相対変位フィードバックゲ
イン乗算器、180は相対速度vr に相対速度フィード
バックゲインKrvをかける相対速度フィードバックゲイ
ン乗算器、Tvrv は相対速度vr に相対速度フィードバ
ックゲインKrvが掛けられたものである相対速度制御ト
ルク、Tvrd は相対変位xr に相対変位フィードバック
ゲインKrdが掛けられたものである相対変位制御トル
ク、Tvr * はこの場合の振動抑制制御器の出力である振
動抑制制御トルク指令である。
【0159】次に動作について説明する。図13は、サ
ーボ増幅器17のプロセッサが実行する振動抑制制御の
処理フローチャートである。プロセッサが処理する信号
は、物理量が位置、角度検出器やA−D変換器の分解能
を介して量子化された値であるため、ここでは、中括弧
“{}”を付して物理量と区別して表している。また、
振動抑制制御を実施する処理ルーチンは速度ループ処理
と同期した一定の時間間隔で繰り返し実行されるので、
実行時点を、現時刻の処理をn回目として中括弧の下付
き添え字で表示している。
【0160】機械系76に取り付けられている位置検出
器21及び回転角度検出器7から振動抑制制御器すなわ
ちサーボ増幅器17のプロセッサには対して、回転角度
θ、各速度検出値(dθ/dt)、位置検出値(xl
e 及び位置検出値の時間変化率dxl /dtが供給され
る。まず、サーボ増幅器17のプロセッサは、位置検出
値{(xlen を読み込み(ステップST40
1)、角度検出値{θen を読み込む(ステップST
402)。次いで、今回読み込んだ位置検出値{(x
len から前回読み込んだ位置検出値{(xl
en-1 を差し引いて時間変化率{(dxl /dt)
en を算出し(ステップST403)、今回読み込ん
だ角度検出値{θen から前回読み込んだ角度検出値
{θen-1 を差し引いて角速度検出値{(dθ/d
t)en を算出する(ステップST404)。
【0161】さらに、位置検出値{(xlen から
ボールねじリードの量子化換算値L’を乗じた角度検出
値{θen を差し引いて相対変位{xrn を算出し
(ステップST405)、位置検出値の時間変化率
{(dxl /dt)en から量子化換算値L’を乗じ
た角速度検出値{(dθ/dt)en を差し引いて相
対速度{vrn を算出する(ステップST406)。
【0162】次いで、相対変位{xrn に量子化換算
した相対変位フィードバックゲインKrd’を乗じて相対
変位制御トルク{Tvrdn を算出し(ステップST4
07)、相対速度{vrn に量子化換算した相対変位
フィードバックゲインKrv’を乗じて相対速度制御トル
ク{Tvrvn を算出する(ステップST408)。
【0163】また、相対変位制御トルク{Tvrdn
相対速度制御トルク{Tvrvn とを加算して振動抑制
制御トルク指令{Tvr *n を算出する(ステップST
409)。サーボ増幅器17のプロセッサすなわち振動
抑制制御器は、振動抑制制御トルク指令{Tvr *n
サーボ系75に出力する。サーボ系75では、振動抑制
制御トルク指令{Tvr *n とサーボトルク指令Tms *
とが加算されてモータトルク指令Tm *が算出される。そ
して、トルク生成手段196は、サーボモータ6に相当
トルクを発生させる電流制御を行なう。以上の制御によ
って、機械系76の振動が抑制される。
【0164】この実施例に基づいた振動抑制制御の実験
を行なった結果を図14に示す。図14は位置指令値x
l *から位置検出値(xle までの周波数伝達特性を表
している。振動抑制制御がないときの伝達特性を破線
で、振動抑制制御したときの伝達特性を実線で示してい
る。図14に示すように振動抑制制御によって機械共振
R1のゲインが約10dB軽減され、機械共振R2のゲ
インが約5dB軽減されている。すなわち、この実施例
における振動抑制制御の有効性が確認できる。
【0165】実施例7.図15は、この発明の第7の実
施例による位置決め装置におけるサーボ増幅器17のプ
ロセッサが実施する振動抑制制御の他の例を示すフロー
チャートである。すなわち、図15は第6の実施例とは
異なる振動抑制制御器の動作を示すフローチャート図で
ある。
【0166】まず、サーボ増幅器17のプロセッサは、
位置検出値{(xlen 、角度検出値{θen
読み込む(ステップST501,ST502)。次い
で、この場合には、位置検出値{(xlen からボ
ールねじリードの量子化換算値Lを乗じた角度検出値
{θen を読み込む。さらに、位置検出値{(xl
en からボールねじリードの量子化換算値L’を乗じ
た角度検出値{θen を差し引いて相対変位{xr
n を算出する(ステップST503)。このようにして
算出した現時刻の相対変位{xrn から前回算出した
相対変位{xrn- 1 を差し引いて相対速度{vrn
を算出する(ステップS504)。
【0167】以下、ステップST505〜ステップST
508で、図16におけるステップST407〜ST4
10と同様にして、振動抑制制御トルク指令{Tvr *
n 算出してこれをサーボ系75に出力する。
【0168】この実施例を第6の実施例と比較すると、
相対変位{xrn-1 を格納するメモリが増えるものの
処理手順が2ステップ少なくなる利点がある。
【0169】実施例8.図16は、この発明の第8の実
施例による位置決め装置における振動抑制制御器78を
示すブロック図であり、図において、図12における参
照符号と同一の符号は同一若しくは同様な構成要素を表
しており、187はハイパスフィルタ(フィルタ手
段)、Tvrh *は低周波数帯域を濾波した振動抑制制御ト
ルクである。この実施例による振動抑制制御器78は、
第7の実施例におけるものにハイパスフィルタ187を
さらに追加したものに相当する。
【0170】図16に示すように、ハイパスフィルタ1
87は、ラプラス演算子sを用いて次式で表わされる伝
達特性を有している。 Gh (s)=τh s/(τh s+1) …(13) 一方、サンプル周期をTとすれば、双一次変換は次式と
なり、 s=2(1−z-1)/T(1+z-1) …(14) 式(13)に式(14)を代入すれと、離散系でのハイ
パスフィルタの伝達特性Gh (z)は次式で与えられ
る。 Gh (z)=2τh (1−z-1)/(2τh +T) {1−(2τh −T)z-1/(2τh +T)}…(15)
【0171】上式(15)をブロック図で表わすと図1
7のようになる。図17において、601は振動抑制制
御トルク指令{Tvr *n にゲイン{2τh ・2b1
(2τh +T)}を掛けるゲイン乗算器、{X_1}n
はこのゲイン乗算器601の出力、602は{XS_
0}n を前回の処理ルーチンでの値{XS_0}n-1
する変換器、604は{XS_0}n-1 を2-b2 倍する
ゲイン乗算器、605はゲイン乗算器604の出力{X
_TM}n にゲイン{(2τh −T)・2b2/(2τh
+T)}を掛けるゲイン乗算器、603は上記{XS_
0}n-1 から{XF_1}n を引いたものを2-b1 倍し
て{Tvrh *n を出力するゲイン乗算器である。また、
{XS_0}n 及び{XF_1}n はゲイン乗算器60
1の出力{X_1}n とゲイン乗算器605の出力の和
である。
【0172】次に動作について説明する。図18は、サ
ーボ増幅器17のプロセッサが実行するハイパスフィル
タ187の処理を示すフローチャートであり、図17に
示したブロック図の演算を実行するものである。初め
に、図12ないし図15の処理の結果生成された振動抑
制制御トルク{Tvr *n を読み込む(ステップST7
01)。そして、この振動抑制制御トルク指令{T
vr *n にゲイン{2τh ・2b1/(2τh +T)}を
掛けて{X_1}n を算出する(ステップST70
2)。次に、{XS_0}n-1 を2-b2 倍して{X_T
M}n を算出する(ステップST703)。さらに、
{X_TM}n にゲイン{(2τh −T)・2b2/(2
τh +T)}を掛けて、これに{X_1}n を足して
{XF_1}n を算出する(ステップST704)。そ
して、{XS_0}n-1 から{XF_1}n を引き、2
-b1 倍して{Tvrh *n を算出する(ステップST70
5)。{XF_1}n を{XS_0}n に保存して(ス
テップST706)、{Tvrh *n を電流ループに出力
する(ステップST707)。
【0173】ハイパスフィルタ187を上記のように構
成し、Tvr * からTvrh *までの伝達特性を実験で求めた
結果を図19に示す。横軸は1/τh で正規化した無次
元周波数である。デジタルのプロセッサにより離散系で
実装したが、式(13)に示した元の連続系の伝達特性
が得られている。すなわち、折点周波数1/τh でゲイ
ンが−3dBであり、位相は45度進んでいる。折点周
波数より低い周波数では、20dB/decの傾きでゲ
インが下がり、低周波の信号を除去する。たとえば、無
次元周波数が0.1では、ゲインは−20dBとなる。
また、折れ点周波数より高い周波数では、ゲインはほぼ
0dBとなり、入力信号をそのまま伝える。
【0174】次にこの実施例の作用及び効果について説
明する。前述の第6及び第7の実施例の振動抑制制御に
おいて、すなわち、この実施例の要件であるハイパスフ
ィルターを用いない場合、位置検出値値(xleからト
ルク指令値Tm *へのゲインは、次式で与えられる。 Gld=(Tm *)/(Xle =−(L/2π)Kpv +Krd …(16) 一方、角度検出値(θ)e からトルク指令値(Tm *)へ
のゲインは、次式で与えられる。 Ged=(Tm *)/(θ)e =−Krd …(17) 位置検出値からトルク指令値へのゲインと角度検出値か
らトルク指令値へのゲインとの比は、式(16)、式
(17)より、次のようになる。 Ged/Gld=−Krd/{Krd−(L/2π)Kpv } …(18)
【0175】式(17)は図32に示すサドル・テーブ
ル3の位置に関係する二つの信号、位置検出値(Xl
e 及び角度検出値(θ)e のトルク指令値に対する寄与
度を表している。そして、相対位置フィードバックゲイ
ンKrdが(L/2π)Kpv に近い値になるとGed
ldは大きな値になり、位置検出値の寄与度が零に近づ
く。しかし、位置検出値(Xle は角度検出値(θ)
e よりもサドル・テーブル3の実際の位置に近い値であ
ることが多いので、この傾向は望ましくない。特に、静
的な位置決め精度は低周波数帯域に依存するので、低周
波数帯域での位置検出値(Xle のトルク指令値への
寄与度を保存すれば、位置精度が高まる。そこで、この
実施例では、ハイパスフィルタ187を設けることによ
り、式(18)の影響を取り除いた。
【0176】この実施例におけるシミュレーション結果
を図20に示す。位置指令値から位置検出値までの閉ル
ープ伝達特性である。実線はこの実施例による結果、破
線は第6の実施例による結果、一点鎖線は振動抑制制御
なしの従来例による結果を示している。従来の実施例に
比べて、この実施例及び第6の実施例では機械共振R1
が大幅に安定化できており、共振の振動振幅が10dB
以上低減できている。また、この実施例は、第6の実施
例に比べて、振動抑制効果がわずかに低下しているもの
の、従来例に比べれば大幅に振動を抑制できることがわ
かる。なお、本シミュレーションにおいて、ハイパスフ
ィルタ187の折点周波数1/τh は機械共振R1の周
波数の1/10に設定している。
【0177】この実施例による加工機位置決めテーブル
の真円精度実測試験を実施した。その結果を従来例と比
較したものを図21に示す。図21(a)はこの実施例
による試験結果、図21(b)は、従来例による試験結
果である。図21(a)及び(b)に示す結果は、テー
ブルを水平面内で移動させ円軌跡を描かせたものであ
る。試験ではx軸とy軸の2軸でテーブルの位置決めを
行っている。従来例では、角度検出値のフィードバック
で位置決めした。この実施例による位置決め装置によれ
ば、図21(a)に示すように滑らかな円軌跡が得られ
た。これに対して、図21(b)に示すように、従来例
では各軸の速度の符号が切り替わる象現切り替え時に突
起が生じていることがわかる。この実験結果から、この
実施例では、ハイパスフィルタにより位置検出値のフィ
ードバック効果が維持されて、高い精度の位置決めがで
きていることがわかる。
【0178】この実施例を形彫放電加工機に適用し、加
工試験を実施した。その加工試験における極間電圧の時
間波形を図22に示す。図22においての上の図はこの
実施例によるものであり、下の図は振動抑制制御のない
従来例によるものである。従来例では、極間電圧が無次
元時間の2あたりからハンチングしているが、これは機
械系の振動のためである。これに対して、この実施例に
よる位置決め装置を用いた場合、このようなハンチング
は生じておらず、安定な放電が保たれていることがわか
る。これにより、加工速度が向上し、試験の結果、この
実施例による位置決め装置を用いた場合の加工速度は、
従来例の加工速度の2倍以上に達することが明らかにな
った。試験によれば、形彫放電加工機の横単軸仕上げ加
工の速度が最大で2.7倍になり、電極消耗の重量比が
1/9に向上した。
【0179】実施例9.図23はこの発明の第9の実施
例による位置決め装置におけるサーボモータ6が3相モ
ータの場合のトルク生成手段196の構成を示す図であ
り、図において、200は電流制御器、204は電流増
幅器、205,206は、各々、u相、v相の電流検出
器である。
【0180】上記した第6から第8の実施例において、
相対変位や相対速度を検出するためにサーボモータ6の
モータ軸にとりつけられた回転角度検出器7を用いた
が、この回転角度検出器7をサーボモータ6の電流制御
に用いることができる。
【0181】また、図24は図23に示した電流制御器
200の構成を示すブロック線図であり、図24におい
て、210は相電流検出値(Iue ,(Ive
(Iwe と角度検出値θe を入力とし、モータトルク
m 、d相電流Id 、電気角θd を出力とする回転dq
変換手段、211はd相電流のPID補償器、212は
トルク偏差TmeのPID補償器、213はd相電流指令
d *、q相電流指令Id *、及び電気角θd を入力とし、
3相電流指令Iu *、Iv *、Iw *を出力とする2相3相変
換手段である。
【0182】次に動作について説明する。図23に示し
たように、モータトルク指令Tm *、角度検出値θe 、u
相の電流検出値(Iu )e 、及びv相の電流検出値(I
v )e を入力とし、3相電流指令Iu *、Iv *、Iw *を出
力する電流制御器200の動作は、例えばサーボ増幅器
17のプロセッサによって実行される。この電流制御器
200のブロック線図は図24に示されているが、プロ
セッサが実施する処理内容をフローチャートで表すと図
25のようになる。
【0183】図25に示すように、電流制御器200
は、まず、角度検出値θe 、u相の電流検出値(Iu
e 、v相の電流検出値(Ive をそれぞれ読み込む
(ステップST601,ST602,ST603)。次
いで、u相、v相の電流検出値(Iue 、(Ive
を、符号を反転した後に加算することでw相の電流検出
値(Iwe を算出する(ステップST604)。ま
た、角度検出値θe にサーボモータ6の極対数pを乗じ
て電気角θd を算出する(ステップST605)。
【0184】次いで、u相、v相、w相の電流検出値
(Iue 、(Ive 、(Iweから式(19)、
式(20)に従ってq相電流Iq 、d相電流Id を算出
する(ステップST606,ST607)。 Iq =(2/3){(Iue cosθd +(Ive (cosθd − (2/3)π)+(Iwe (cosθd +(2/3)π)} …(19) Iq =(2/3){(Iue sinθd +(Ive (sinθd − (2/3)π)+(Iwe (sinθd +(2/3)π)} …(20)
【0185】さらに、q相電流Iq にトルク定数Ki
乗じてモータトルク検出値Tmdを算出する(ステップS
T608)。モータトルク指令Tm *を読み込み(ステッ
プST609)、モータトルク指令Tm *からモータトル
ク検出値Tmdを差し引いてトルク偏差Tmeを算出する
(ステップST610)。
【0186】電流制御器200は、さらに、トルク偏差
meをPID補償してq相電流指令Iq *を設定し(ステ
ップST611)、d相電流Id をPID補償してd相
電流指令Id *を設定する(ステップST612)。次い
で、Iq*,Id*,θd から式(21),式(22),式
(23)に従って3相電流指令Iu *,Iv *,Iw *を算出
し(ステップST613,ST614,ST615)、
これらの3相電流指令Iu *,Iv *,Iw *を電流増幅器2
04に出力する(ステップST616)。 Iu *=Iq *cosθd +Id *sinθd …(21) Iv *=Iq *cos(θd −(2/3)π) +Id *sin(θd +(2/3)π) …(22) Iw *=Iq *cos(θd +(2/3)π) +Id *sin(θd +(2/3)π) …(23)
【0187】図23に示した電流増幅器204は、PW
M回路、ベース駆動回路及び主回路で構成され、3相電
流指令Iu *,Iv *,Iw *に従って、3相電流Iu ,I
v ,Iw を生成する。この3相電流Iu ,Iv ,Iw
よってサーボモータ6はモータトルクTm を発生し、機
械系76を駆動する。また、u相の電流Iu 、v相の電
流Iv は電流検出器205,206で検出されて電流検
出値(Iue ,(Ive と変換して電流制御器20
0に取り込まれる。
【0188】ACサーボモータを使用する際には、巻線
電流とモータ発生トルクの関係がモータ軸の回転角度に
基づいて算出される。従って、モータ軸の回転角度を検
出しなければならない。この実施例のように、相対変位
を検出するためのモータ軸の回転角度検出器7をモータ
駆動のための角度検出器に兼用することでモータ駆動用
の角度検出器を削減できる。逆に、モータ駆動のための
角度検出器が設置されている場合には、振動抑制の相対
変位の算出にその角度検出器を利用してもよい。その場
合には、振動抑制制御用の回転角度検出器7を省略でき
ることになる。
【0189】また、角度検出器の削減は、第4の実施例
や第5の実施例による相対変位と相対速度とを利用した
振動抑制制御に適用できるだけでなく、第1の実施例や
第2の実施例に示したモード制御による振動抑制制御に
も適用できる。
【0190】実施例10.第6の実施例や第7の実施例
において、相対変位xr と相対速度vr とを、Z軸方向
にヘッド1を駆動するサーボモータにフィードバックし
てもよい。ヘッド1をZ軸方向に駆動することによっ
て、ヘッド1の慣性力によりベッド4は曲げモーメント
を受けて弾性変形し、機械共振R1が生じる。この弾性
変形は、Y軸の相対変位xr と相対速度vr としても検
出される。よって、Y軸の相対変位xr と相対速度vr
とをヘッド1を駆動するサーボモータにフィードバック
することによって、第6の実施例や第7の実施例の場合
と同様にして機械共振R1を低減することができる。
【0191】図32,図33に示されているように、ヘ
ッド1は、鉛直方向にヘッド1を駆動するZ軸サーボモ
ータ306で駆動され、そのZ軸サーボモータ306
は、図32,図33には明示されていないが、図1に示
したものと同様のトルク生成手段で駆動される。また、
そのサーボモータを制御するサーボ増幅器が設けられて
いる。そのサーボ増幅器は、図1に示したものと同様の
サーボ系と振動抑制制御器とを実現する。
【0192】ヘッド1とコラム2との間に取り付けられ
た位置検出器321とヘッド1を駆動するZ軸サーボモ
ータ306にとりつけた角度検出器307とから、Z軸
の相対変位や相対速度を検出し、これらをサーボモータ
306にフィードバックすることで、第6の実施例や第
7の実施例における機械共振R2に相当するZ軸ボール
ねじ314の弾性変形に起因する機械共振を抑制するこ
とができる。さらに、Y軸の相対変位や相対速度のフィ
ードバックと合わせて実施してもよい。
【0193】実施例11.図26はこの発明の第11の
実施例による位置決め装置におけるオブサーバの構成を
示すブロック図である。第1の実施例や第2の実施例で
は、振動検出器によるベッド角加速度d2 φ/dt2
びコラム角加速度d2 /dt2 に基づいて、振動抑制制
御器78が、ベッド回転角度の検出値φe 、ベッド回転
角速度の検出値(dφ/dt)e 、コラム回転角度の検
出値γe 、及びコラム回転角速度の検出値(dγ/d
t)e を算出したが、この実施例では、オブザーバを用
いてこれらの非可動部の振動に関する状態量を推定す
る。
【0194】図26において、zは検出信号であり、式
(24)で表される。 z={(xle ,(dxl /dt)e ,θe ,(dθ/dt)eT …(24) また、Cm は出力であり、次式で表される。
【0195】
【数1】
【0196】また、ここでのLは、8行4列の行列でオ
ブザーバゲインであり、図26に示したオブザーバの極
が安定になるように選ぶ。ここで、xg は状態量xm
推定値であり、式(26)で表される。 xg ={(xng ,(dxn /dt)g ,θg ,(dθ/dt)g ,φ g ,(dφ/dt)g ,γ,(dγ/dt)gT …(26) 式(26)のxg のφg 、(dφ/dt)g 、γ、(d
γ/dt)g を図7に示した振動抑制制御器におけるφ
e 、(dφ/dt)e 、γ、(dγ/dt)e として与
えることで、振動検出器を用いない位置決め装置が構成
できる。
【0197】実施例12.図27は、振動抑制制御器7
8を実装したディジタル回路を含むサーボ増幅器17の
外観を示す正面図であり、図28はその側面図である。
図27及び図28において、420,422はメインカ
ード、424は振動抑制アドオンカード、426はこの
振動抑制アドオンカード424上の演算プロセッサであ
る。振動抑制アドオンカード424はメインカード42
2に対して着脱可能であり、振動抑制制御器78に係る
演算を行なう。メインカード420,422は、振動抑
制アドオンカード424が装着されていない場合におい
て振動抑制制御を行なわないサーボ系75のみの動作を
実現する。
【0198】また、振動抑制アドオンカード424が装
着されている場合には、この振動抑制アドオンカード4
24と協調して、サーボ系75の動作と振動抑制アドオ
ンカード424上で実行される振動抑制制御器78の動
作を実行する。振動抑制制御器78の動作は、第1の実
施例や第2の実施例、又は第6の実施例や第7の実施例
等で説明したとおりである。
【0199】参考例. 本願発明の実施例ではないが、これに関連する参考例に
ついて説明する。 図29は参考例による位置決め装置に
おけるレベリングボルトまわりの構造を示す正面図であ
り、図30はA−A断面図である。図29及び図30に
おいて、512はレベリングボルト5と嵌合するナッ
ト、514はベッド4とナット512との間に介在する
スペーサである。図31はスペーサ514の形状を示す
正面図及び上面図である。他の部位は従来例の図34に
示したものと同等である。
【0200】次に動作について説明する。レベリングボ
ルト5は下側からベッド4に挿入される。そして、下側
に設けられた6角部がスパナ(図示せず)などによって
回されることによりベッド4を水平にする。レベリング
ボルト5は、ベッド4の下面よりも高い位置でベッド4
と嵌合し、水平方向の弾性が増す。レベリングボルト5
とベッド4の間にはスペーサ514が挿入され、スペー
サ514がナット512で締め付けられる。床67の凹
凸によってレベリングボルト5のベッド4からの突き出
し量は変化するが、このスペーサの個数を調節すること
で、5箇所のレベリングボルトの剛性を均一化できる。
なお、レベリングボルト5とナット512は、位置決め
装置出荷時にあらかじめ挿入され、スペーサ514は、
図24に示した切り欠き部からレベリングボルト5に横
方向から挿入される。
【0201】上述のようにしてレベリングボルト5を長
くすると横方向の弾性が増し、位置決め装置全体が揺動
及び並進するような振動が増す。この振動によってモー
タ駆動の反作用が吸収されるため、機械系76の弾性変
形を軽減でき、位置決め動作を不安定にする機械共振が
軽減されることになる。
【0202】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、位置決め装置を、振動に基づく非可動部の加速度を
検出する振動検出器と、モータトルク指令に加算される
振動抑制制御トルク指令を、機械系の運動解析モデルに
基づき位置検出器及び振動検出器の出力を用いて、生成
する振動抑制制御器とを備えるように構成したので、複
数の機械共振を独立に安定して調整でき、フィードバッ
クゲインを大幅に高めることのできるものが得られる効
果がある。また、位置検出値からモータ軸に設けられた
回転角度検出器の角度検出値とを差し引いた相対変位、
及び位置検出値より演算で求めた速度信号から角度検出
値より演算処理で求めた角速度信号とを差し引いた相対
速度をサーボモータに同時にフィードバックするように
構成することにより、複数の機械共振に効果的に減衰が
付加でき、サーボゲインを高めて位置決めの高速・高精
度化が図れる。
【0203】請求項2の発明によれば、位置決め装置
を、ベッドの弾性曲げ変形に関する1個の回転ばねと1
個の回転ダッシュポットとによってベッドとコラムとを
接続し、サーボモータのモータ軸に接続されたボールね
じの弾性変形に関する1個の並進ばねと1個の並進ダッ
シュポットとによってボールねじの駆動側と被駆動側と
を接続し、前記ベッドの床からの高さを調整するレベリ
ング部の弾性変形に関する1個の回転ばねと1個の回転
ダッシュポットとによって、又は、1個の回転ばね、1
個の並進ばね、1個の回転ダッシュポット及び1個の並
進ダッシュポットによってベッドと床とを接続した系に
よる運動解析モデルを用い、回転角度検出器の出力、回
転角度検出器の出力と位置検出器の出力とから運動解析
モデルに基づいて算出した検出位置及びその時間変化
率、並びに振動検出器の出力から算出した非可動部の回
転角度及び角加速度を用いて振動抑制制御トルク指令を
生成するように構成したので、複数の機械共振を独立に
安定して調整でき、フィードバックゲインを大幅に高め
ることのできるものが得られる効果がある。
【0204】請求項3の発明によれば、位置決め装置
を、ベッドの弾性曲げ変形に関する1個の回転ばねと1
個の回転ダッシュポットとによってベッドとコラムとを
接続し、サーボモータのモータ軸に接続されたボールね
じの弾性変形に関する1個の並進ばねと1個の並進ダッ
シュポットとによってボールねじの駆動側と被駆動側と
を接続し、前記ベッドの床からの高さを調整するレベリ
ング部の弾性変形に関する1個の回転ばねと1個の回転
ダッシュポットとによって、又は、1個の回転ばね、1
個の並進ばね、1個の回転ダッシュポット及び1個の並
進ダッシュポットによってベッドと床とを接続した系に
よる運動解析モデルを用い、運動解析モデルに基づく状
態方程式における状態量を、モード行列が実数となるモ
ード座標に変換した信号を用いて振動抑制制御トルク指
令を生成するように構成したので、複数の機械共振を独
立に安定化調整でき、サーボゲインを大幅に高めて位置
決め装置の高速・高度化が図れるものが得られる効果が
ある。
【0205】請求項4の発明によれば、位置決め装置
を、振動検出器の出力信号を積分して非可動部の速度を
得る積分要素と、その速度を積分して非可動部の位置を
得る積分要素とを有し、各積分要素の出力を用いてその
振動検出器の出力信号を積分して振動抑制制御トルク指
令を生成するように構成したので、機械系の振動特性を
直接検出でき、機械系の特性変化に対してロバストに振
動抑制できるとともに、加速度信号を積分することで高
周波域の機械共振の影響を軽減し、サーボゲインを高め
て位置決め装置の高速・高度化が図れる効果がある。
【0206】請求項5の発明によれば、位置決め装置
を、予期される機械系の複数の機械振動周波数と振動モ
ードとを表示部で表示し、その表示に応じて入力された
指定に従って振動抑制制御トルク指令生成時に使用され
る振動抑制制御ゲインを定め、振動抑制制御ゲインを振
動抑制制御器に供給する制御装置を備えるように構成し
たので、振動抑制制御器の動作を現場で確認できるとと
もに機械特性に応じた制御器設定が可能となり、サーボ
ゲインを高めて位置決め装置の高速・高度化が図れる効
果がある。
【0207】請求項6の発明によれば、位置決め装置
を、位置指令信号を出力する装置であってトルク生成手
段に加振を与えて機械系を振動させ、位置検出器及び回
転角度検出器の出力から機械系の固有振動数及び固有モ
ードを推定し、推定結果に基づいて振動抑制制御トルク
指令生成時に使用される振動抑制制御ゲインを定め、振
動抑制制御ゲインを振動抑制制御器に供給する制御装置
を備えるように構成したので、制御パラメータの人手を
介した設定が不用で、保守が容易な位置決め装置が得ら
れる効果がある。
【0208】請求項7の発明によれば、位置決め装置
を、制御装置が推定した固有振動数をもとに機械系の異
常部位を判定するように構成したので、機械系の不良部
位を容易に判定できる効果がある。
【0209】請求項8の発明によれば、位置決め装置に
おいて、振動検出器と、振動検出器から振動抑制制御器
に至るケーブルとが非可動部の内側に設置されるように
構成したので、作業者の振動検出器及び振動検出器の信
号線への接触を回避でき、信頼性と対ノイズ性能が優れ
た振動抑制制御器を有する位置決め装置が得られる効果
がある。
【0210】請求項9の発明によれば、位置決め装置
を、可動部の検出位置のモータ軸回転角度からの相対位
置と、可動部の検出位置のモータ軸角速度に対する相対
速度とを算出し、それらを用いてモータトルク指令に加
算される振動抑制制御トルク指令を生成する振動抑制制
御器を備えるように構成したので、振動検出器を用いる
ことなく、複数の機械共振を独立に安定して調整でき、
フィードバックゲインを大幅に高めることのできるもの
が得られる効果がある。
【0211】請求項10の発明によれば、位置決め装置
を、振動抑制制御器により生成された振動抑制制御トル
ク指令を表す信号の低周波成分を除去すべく、折れ点周
波数が振動抑制すべき周波数帯域よりも低くなるように
構成されたフィルタ手段を備えるように構成したので、
振動検出器を用いることなく、複数の機械共振を独立に
安定化して調整でき、しかも、位置検出信号による位置
決め精度の向上効果を損なうことなく、フィードバック
ゲインを大幅に高めることのできるものが得られる効果
がある。
【0212】請求項11の発明によれば、位置決め装置
のトルク生成手段を、交流サーボモータと、位置決め用
に設けられている回転角度検出器からの角度を利用して
交流サーボモータへの電流指令を生成する電流制御器と
を備えるように構成したので、複数の機械共振に減衰が
付加でき、サーボゲインを高めて位置決め装置の高速・
高度化が図れるとともに、振動抑制用の回転角度検出器
と電流指令作成用の回転角度検出器とのいずれかが不要
となり低コストで位置決め装置の高性能化が図れる効果
がある。
【0213】請求項12の発明によれば、位置決め装置
を、検出位置の回転角度からの相対位置と検出位置の角
速度に対する相対速度とを用いてモータトルク指令に加
算される振動抑制制御トルク指令を生成する振動抑制制
御器と、相対位置と相対速度とを用いて、鉛直方向トル
ク生成手段に対する鉛直方向モータトルク指令に加算さ
れる振動抑制制御トルク指令を生成する鉛直方向振動抑
制制御器とを備えるように構成したので、鉛直方向駆動
系のサーボゲインをも高めて位置決め装置の高速・高度
化が図れる効果がある。
【0214】請求項13の発明によれば、位置決め装置
を、機械系の運動解析モデルに基づくオブザーバを用い
て非可動部の位置及び速度を推定し、位置検出器の出
力、及びオブザーバによる推定結果を用いて、モータト
ルク指令に加算される振動抑制制御トルク指令を生成す
る振動抑制制御器を備えるように構成したので、検出器
を増やすことなく機械系の全状態量が推定でき、低コス
トで振動抑制が可能であり、サーボゲインを高めること
で高速・高度化が図れる効果がある。
【0215】請求項14の発明によれば、位置決め装置
において、振動抑制制御器が本体に着脱可能なカードに
収められるように構成したので、着脱可能なカードを設
けないときにおいても位置決め制御などのサーボ増幅器
の動作を可能とし、その着脱可能なカードを装着した場
合には、振動抑制制御を行なうことができ、標準的なサ
ーボ増幅器を用いたまま振動抑制制御でき、低コストで
高速・高度化が図れるものが得られる効果がある。
【0216】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1の実施例による位置決め装置
の構成を示すブロック線図である。
【図2】 図1に示した実施例における機械系を示すブ
ロック線図である。
【図3】 図1に示した実施例における振動検出系を示
すブロック線図である。
【図4】 図1に示した実施例における振動抑制制御器
を示すブロック線図である。
【図5】 図1に示した実施例における機械系のモデル
を示す模式図である。
【図6】 図7に示した振動抑制制御器の動作を示すフ
ローチャートである。
【図7】 この発明による位置決め装置の一実施例にお
ける機械系の状態方程式の行列の表した説明図である。
【図8】 この発明の第2の実施例による振動抑制制御
の動作状況をシミュレーションで求めた結果を示すボー
ド線図である。
【図9】 この発明による位置決め装置の一実施例にお
ける数値制御装置のプロセッサの動作を示すフローチャ
ートである。
【図10】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける制御器の自動設定動作及び機械系の自動診断動作
を示すフローチャートである。
【図11】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける振動検出器の取付状態を示す断面図である。
【図12】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける振動抑制制御器を示すブロック線図である。
【図13】 図12に示す振動抑制制御器の処理を示す
フローチャートである。
【図14】 図12に示す振動抑制制御器の実験結果を
示すボード線図である。
【図15】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける振動抑制制御の動作の他の例を示すフローチャー
トである。
【図16】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける振動抑制制御器を示すブロック線図である。
【図17】 図16に示した振動抑制制御器のハイパス
フィルタの伝達特性を示すブロック図である。
【図18】 図16に示した振動抑制制御器のハイパス
フィルタの処理を示すフローチャートである。
【図19】 図16に示した振動抑制制御器のハイパス
フィルタの実験結果を示すグラフ図である。
【図20】 図16に示した振動抑制制御器のシミュレ
ーション結果を示すグラフ図である。
【図21】 図16に示した振動抑制制御器による加工
機位置決めテーブルの真円精度実測試験結果を示す図で
ある。
【図22】 図16に示した振動抑制制御器を形彫放電
加工機に適用した場合の加工試験結果を示す図である。
【図23】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おけるトルク生成手段の構成を示すブロック線図であ
る。
【図24】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける電流制御器の構成を示すブロック線図である。
【図25】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おける電流制御器の処理を示すフローチャートである。
【図26】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おけるオブサーバの構成を示すブロック線図である。
【図27】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おけるサーボ増幅器の全体構成を示す正面図である。
【図28】 この発明による位置決め装置の一実施例に
おけるサーボ増幅器の全体構成を示す側面図である。
【図29】 参考例におけるレベリングボルト部を示す
正面図である。
【図30】 図29に示したもののA−A断面図であ
る。
【図31】 参考例による位置決め装置の一実施例にお
けるスペーサを示す正面図及び上面図である。
【図32】 従来の位置決め装置の全体構成を示す正面
図である。
【図33】 従来の位置決め装置の全体構成を示す側面
図である。
【図34】 従来の位置決め装置のレベリング部を示す
構成図である。
【図35】 従来の位置決め装置のシステムを示す構成
図である。
【図36】 従来の位置決め装置の制御パラメータに基
づく制御系のブロック線図である。
【図37】 従来の位置決め装置の位置決め制御系の周
波数伝達特性を模式的にした図である。
【図38】 従来の位置決め装置のブロック線図であ
る。
【図39】 従来のモード制御を用いた位置決め装置を
示すブロック線図である。
【図40】 従来の位置決め装置を示す全体斜視図であ
る。
【図41】 従来の位置決め装置の伝送ミラー系の構成
図である。
【図42】 従来の位置決め装置の制御方式を示すのブ
ロック線図である。
【図43】 従来の位置決め装置の運動解析を示す模式
図である。
【図44】 従来の位置決め装置の動特性測定法を示す
ブロック線図である。
【符号の説明】
1 ヘッド、2 コラム、4 ベッド、5 レベリング
ボルト、6 サーボモータ、7 回転角度検出器、8
数値制御装置(制御装置)、21 位置検出器、75
サーボ系、76 機械系、78 振動抑制制御器、12
2,124,126,128 積分器(積分要素)、1
68,174 振動検出器、187 ハイパスフィルタ
(フィルタ手段)、196 トルク生成手段、200
電流制御器、306 Z軸サーボモータ(鉛直方向サー
ボモータ)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 種田 淳 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三 菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 永田 敏也 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三 菱電機株式会社 名古屋製作所内 (72)発明者 金谷 隆史 名古屋市東区矢田南五丁目1番14号 三 菱電機株式会社 名古屋製作所内 (56)参考文献 特開 昭61−59509(JP,A) 実開 昭61−154635(JP,U) 実公 昭49−1909(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 3/00 - 3/20 G05D 19/02 B23Q 1/00 - 1/30 B23Q 11/00 - 13/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被位置決め物を支持するベッドや工具を
    支持するコラムを含む非可動部と該非可動部に支持され
    る可動部とを有する機械系と、サーボモータを含み前記
    可動部を所望の位置に設定するトルク生成手段と、前記
    可動部の位置を検出して検出位置を出力する位置検出器
    と、前記サーボモータのモータ軸の回転角度を検出して
    角度を出力する回転角度検出器と、前記検出位置から検
    出位置の時間変化率を算出すると共に前記角度から角速
    度を算出する速度算出部と、前記可動部の位置を指示す
    るための位置指令信号、並びに帰還された前記検出位置
    及び前記角速度から前記トルク生成手段へのモータトル
    ク指令を作成するサーボ系とを備えた位置決め装置にお
    いて、振動による前記非可動部の加速度を検出する振動
    検出器と、前記モータトルク指令に加算される振動抑制
    制御トルク指令を、前記機械系の運動解析モデルに基づ
    き前記位置検出器及び前記振動検出器の出力を用いて生
    成する振動抑制制御器とを備えたことを特徴とする位置
    決め装置。
  2. 【請求項2】 前記運動解析モデルは、ベッドの弾性曲
    げ変形に関する1個の回転ばねと1個の回転ダッシュポ
    ットとによってベッドとコラムとを接続し、サーボモー
    タのモータ軸に接続されたボールねじの弾性変形に関す
    る1個の並進ばねと1個の並進ダッシュポットとによっ
    てボールねじの駆動側と被駆動側とを接続し、前記ベッ
    ドの床からの高さを調整するレベリング部の弾性変形に
    関する1個の回転ばねと1個の回転ダッシュポットとに
    よって、又は、1個の回転ばね、1個の並進ばね、1個
    の回転ダッシュポット及び1個の並進ダッシュポットに
    よって前記ベッドと前記床とを接続した系によるモデル
    であり、前記振動抑制制御器は、前記回転角度検出器の
    出力、前記回転角度検出器の出力と前記位置検出器の出
    力とから前記運動解析モデルに基づいて算出した検出位
    置及びその時間変化率、並びに前記振動検出器の出力か
    ら算出した前記非可動部の回転角度及び角加速度を用い
    て前記振動抑制制御トルク指令を生成する手段を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
  3. 【請求項3】 前記運動解析モデルは、ベッドの弾性曲
    げ変形に関する1個の回転ばねと1個の回転ダッシュポ
    ットとによってベッドとコラムとを接続し、サーボモー
    タのモータ軸に接続されたボールねじの弾性変形に関す
    る1個の並進ばねと1個の並進ダッシュポットとによっ
    てボールねじの駆動側と被駆動側とを接続し、前記ベッ
    ドの床からの高さを調整するレベリング部の弾性変形に
    関する1個の回転ばねと1個の回転ダッシュポットとに
    よって、又は、1個の回転ばね、1個の並進ばね、1個
    の回転ダッシュポット及び1個の並進ダッシュポットに
    よって前記ベッドと前記床とを接続した系によるモデル
    であり、前記振動抑制制御器は、前記運動解析モデルに
    基づく状態方程式における状態量を、モード行列が実数
    となるモード座標に変換した信号を用いて前記振動抑制
    制御トルク指令を生成する手段を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の位置決め装置。
  4. 【請求項4】 前記振動抑制制御器は、前記振動検出器
    の出力信号を積分して前記非可動部の速度を得る積分要
    素と、その速度を積分して前記非可動部の位置を得る積
    分要素とを有し、各積分要素の出力を用いて前記振動検
    出器の出力信号を積分して前記振動抑制制御トルク指令
    を生成する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の位置決め装置。
  5. 【請求項5】 前記機械系の予期される複数の機械振動
    周波数と振動モードとを表示部で表示し、その表示に応
    じて入力された指定に従って振動抑制制御トルク指令生
    成時に使用される振動抑制制御ゲインを定め、振動抑制
    制御ゲインを前記振動抑制制御器に供給する制御装置を
    含むことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
  6. 【請求項6】 前記トルク生成手段に加振を与えて機械
    系を振動させ、前記位置検出器及び前記回転角度検出器
    の出力から前記機械系の固有振動数及び固有モードを推
    定し、推定結果に基づいて振動抑制制御トルク指令生成
    時に使用される振動抑制制御ゲインを定め、振動抑制制
    御ゲインを前記振動抑制制御器に供給する制御装置を含
    むことを特徴とする請求項1に記載の位置決め装置。
  7. 【請求項7】 前記制御装置は、推定した固有振動数を
    基に機械系の異常部位を判定する手段を含むことを特徴
    とする請求項6に記載の位置決め装置。
  8. 【請求項8】 前記振動検出器と、前記振動検出器から
    前記振動抑制制御器に至るケーブルとが、非可動部の内
    側に設置されたことを特徴とする請求項1から請求項7
    のうちのいずれか1項に記載の位置決め装置。
  9. 【請求項9】 被位置決め物を支持するベッドや工具を
    支持するコラムを含む非可動部と該非可動部に支持され
    る可動部とを有する機械系と、サーボモータを含み前記
    可動部を所望の位置に設定するトルク生成手段と、前記
    可動部の位置を検出して検出位置を出力する位置検出器
    と、前記サーボモータのモータ軸の回転角度を検出して
    角度を出力する回転角度検出器と、前記検出位置から検
    出位置の時間変化率を算出すると共に前記角度から角速
    度を算出する速度算出部と、前記可動部の位置を指示す
    るための位置指令信号、並びに帰還された前記検出位置
    及び前記角速度から前記トルク生成手段へのモータトル
    ク指令を作成するサーボ系とを備えた位置決め装置にお
    いて、前記検出位置の前記回転角度からの相対位置と前
    記検出位置の前記角速度に対する相対速度とを、前記検
    出位置、前記変化率、前記角度及び前記角速度を用いて
    算出し、算出された相対位置及び相対速度を用いて前記
    モータトルク指令に加算される振動抑制制御トルク指令
    を生成する振動抑制制御器を備えたことを特徴とする位
    置決め装置。
  10. 【請求項10】 前記振動抑制制御器により生成された
    振動抑制制御トルク指令を表す信号の低周波成分を除去
    すべく、折れ点周波数が振動抑制すべき周波数帯域より
    も低くなるように構成されたフィルタ手段を含むことを
    特徴とする請求項9に記載の位置決め装置。
  11. 【請求項11】 サーボモータは交流サーボモータであ
    り、トルク生成手段は、その交流サーボモータと、位置
    決め用に設けられている回転角度検出器からの角度を利
    用して前記交流サーボモータへの電流指令を生成する電
    流制御器とを含むことを特徴とする請求項1から請求項
    10のうちのいずれか1項に記載の位置決め装置。
  12. 【請求項12】 被位置決め物を支持するベッドや工具
    を支持するコラムを含む非可動部と該非可動部に支持さ
    れる可動部とを有する機械系と、前記被位置決め物に向
    けて鉛直方向に移動するヘッドと、前記ヘッドを駆動す
    る鉛直方向サーボモータを含み前記ヘッドを所望の位置
    に設定する鉛直方向トルク生成手段と、サーボモータを
    含み前記可動部を所望の位置に設定するトルク生成手段
    と、前記可動部の位置を検出して検出位置を出力する位
    置検出器と、前記サーボモータのモータ軸の回転角度を
    検出して角度を出力する回転角度検出器と、前記検出位
    置から検出位置の時間変化率を算出すると共に前記角度
    から角速度を算出する速度算出部と、前記可動部の位置
    を指示するための位置指令信号、並びに帰還された前記
    検出位置及び前記角速度から前記トルク生成手段へのモ
    ータトルク指令を作成するサーボ系とを備えた位置決め
    装置において、前記検出位置の前記回転角度からの相対
    位置と前記検出位置の前記角速度に対する相対速度とを
    用いて、前記モータトルク指令に加算される振動抑制制
    御トルク指令を生成する振動抑制制御器と、前記相対位
    置及び前記相対速度を用いて、前記鉛直方向トルク生成
    手段に対する鉛直方向モータトルク指令に加算される振
    動抑制制御トルク指令を生成する鉛直方向振動抑制制御
    器とを備えたことを特徴とする位置決め装置。
  13. 【請求項13】 被位置決め物を支持するベッドや工具
    を支持するコラムを含む非可動部と該非可動部に支持さ
    れる可動部とを有する機械系と、サーボモータを含み前
    記可動部を所望の位置に設定するトルク生成手段と、前
    記可動部の位置を検出して検出位置を出力する位置検出
    器と、前記サーボモータのモータ軸の回転角度を検出し
    て角度を出力する回転角度検出器と、前記検出位置から
    検出位置の時間変化率を算出すると共に前記角度から角
    速度を算出する速度算出部と、前記可動部の位置を指示
    するための位置指令信号、並びに帰還された前記検出位
    置及び前記角速度から前記トルク生成手段へのモータト
    ルク指令を作成するサーボ系とを備えた位置決め装置に
    おいて、前記機械系の運動解析モデルに基づくオブザー
    バを用いて前記非可動部の位置及び速度を推定し、前記
    位置検出器の出力、及び前記オブザーバによる推定結果
    を用いて、前記モータトルク指令に加算される振動抑制
    制御トルク指令を生成する振動抑制制御器を備えたこと
    を特徴とする位置決め装置。
  14. 【請求項14】 前記振動抑制制御器は本体に着脱可能
    なカードに収められた請求項1、請求項9、請求項12
    又は請求項13のうちのいずれか1項に記載の位置決め
    装置。
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