JP3334143B2 - 生理活性ペプチド - Google Patents
生理活性ペプチドInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォスファチジルセリ
ンを特異的に認識し、血液凝固第VIII因子の活性を阻害
するペプチドおよびペプチド結合物質に関するものであ
る。
ンを特異的に認識し、血液凝固第VIII因子の活性を阻害
するペプチドおよびペプチド結合物質に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ホスファチジルセリン(PS)は、細胞
膜などを構成する重要なリン脂質であり、血液凝固因子
に代表される多くの生体内蛋白質に認識され生理活性を
発揮するリン脂質である。血液凝固は活性化した血小板
表面に露出したPS等酸性リン脂質表面上において起こ
る反応である。したがって、血小板表面上に露出したP
Sの量を調節することによる凝固線溶系を制御する物質
の開発等のためPSを特異的に認識する物質の開発が望
まれている。PSを特異的に認識する物質としてマウス
由来のモノクロ−ナル抗体が開発されている(J.Immuno
logy 1989,143,2273)が, 例えばヒト抗体とのキメラ抗
体として人に投与しても、長期投与になる場合抗イディ
オタイプ抗体により相殺される等様々副作用がな可能性
が考えられる。従って、生体中に投与する場合を考慮す
ると、ペプチド等の抗原性の少ない低分子物質のPS特
異的認識物質の開発が望まれている。
膜などを構成する重要なリン脂質であり、血液凝固因子
に代表される多くの生体内蛋白質に認識され生理活性を
発揮するリン脂質である。血液凝固は活性化した血小板
表面に露出したPS等酸性リン脂質表面上において起こ
る反応である。したがって、血小板表面上に露出したP
Sの量を調節することによる凝固線溶系を制御する物質
の開発等のためPSを特異的に認識する物質の開発が望
まれている。PSを特異的に認識する物質としてマウス
由来のモノクロ−ナル抗体が開発されている(J.Immuno
logy 1989,143,2273)が, 例えばヒト抗体とのキメラ抗
体として人に投与しても、長期投与になる場合抗イディ
オタイプ抗体により相殺される等様々副作用がな可能性
が考えられる。従って、生体中に投与する場合を考慮す
ると、ペプチド等の抗原性の少ない低分子物質のPS特
異的認識物質の開発が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、PS
を特異的に認識し得るペプチドを提供しようとするもの
である。
を特異的に認識し得るペプチドを提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PSを特
異的に認識し得るペプチドについて鋭意研究を行った結
果、これを完成させた。すなわち本発明は、ホスファチ
ジルセリンを認識するペプチドである。以下本発明を詳
細に説明する。
異的に認識し得るペプチドについて鋭意研究を行った結
果、これを完成させた。すなわち本発明は、ホスファチ
ジルセリンを認識するペプチドである。以下本発明を詳
細に説明する。
【0005】本発明ペプチドはPSを特異的に認識す
る。すなわちPSと反応性を有するのであるが、他のリ
ン脂質、例えばホスファチジルコリン(PC)、ホスフ
ァチジルエタノ−ルアミン(PE)、ホスファチジル酸
(PA)、およびカルジオリピン(CL)とは交差反応
性を有さないという特徴がある。
る。すなわちPSと反応性を有するのであるが、他のリ
ン脂質、例えばホスファチジルコリン(PC)、ホスフ
ァチジルエタノ−ルアミン(PE)、ホスファチジル酸
(PA)、およびカルジオリピン(CL)とは交差反応
性を有さないという特徴がある。
【0006】この特徴は、少なくともホスファチジルセ
リンが牛脳に由来する物であり、ホスファチジルコリン
が鶏の卵黄に由来する物であり、ホスファチジルエタノ
−ルアミンが大腸菌に由来するのであり、ホスファチジ
ル酸が前記ホスファチジルコリンよりホスフォリパ−ゼ
Dを用いて調製したものであり、カルジオリピンが牛心
臓に由来する物である場合に観察される。
リンが牛脳に由来する物であり、ホスファチジルコリン
が鶏の卵黄に由来する物であり、ホスファチジルエタノ
−ルアミンが大腸菌に由来するのであり、ホスファチジ
ル酸が前記ホスファチジルコリンよりホスフォリパ−ゼ
Dを用いて調製したものであり、カルジオリピンが牛心
臓に由来する物である場合に観察される。
【0007】またこのペプチドは、ホスホセリンと反応
性を有し、セリンと反応性を有さないという特徴や血液
凝固第VIII因子の活性を阻害し、血液凝固第 V因子の活
性を阻害しない、という特徴をも有している。
性を有し、セリンと反応性を有さないという特徴や血液
凝固第VIII因子の活性を阻害し、血液凝固第 V因子の活
性を阻害しない、という特徴をも有している。
【0008】以上の特徴を有する本発明のペプチドとし
ては、例えば、アミノ酸配列 Ala-Arg-Glu-Gly-Asp-Tyr
-Asp-Gly-Ala-Met-Asp-Tyrよりなるペプチドがある。
ては、例えば、アミノ酸配列 Ala-Arg-Glu-Gly-Asp-Tyr
-Asp-Gly-Ala-Met-Asp-Tyrよりなるペプチドがある。
【0009】本発明のペプチドのC末端に、システイン
残基を付加したものは、後に説明するように他の蛋白質
等を結合させるために好ましい。
残基を付加したものは、後に説明するように他の蛋白質
等を結合させるために好ましい。
【0010】結合させる物質は、蛋白質、脂質又は高分
子物質であり、前記したシステイン残基を利用し、架橋
試薬により結合すれば良い。より具体的には、牛血清ア
ルブミン、オブアルブミン、キ−ホ−ル・リンペット・
ヘモシアニン又は凝固線溶系に関与する蛋白質等が結合
させる物質として例示できる。
子物質であり、前記したシステイン残基を利用し、架橋
試薬により結合すれば良い。より具体的には、牛血清ア
ルブミン、オブアルブミン、キ−ホ−ル・リンペット・
ヘモシアニン又は凝固線溶系に関与する蛋白質等が結合
させる物質として例示できる。
【0011】本発明のペプチドの調製等について、以下
に列挙する。 (1)ペプチドの合成。 ペプチドの合成は一般的方法により合成が可能である。
例えば固相表面において行う、自動合成装置を用いれば
簡便である。合成したペプチドは逆相高速液体クロマト
グラフィ−など一般的な方法にしたが精製し、アミノ酸
配列分析を行った後、サンプルとして用いることが可能
である。 (2)ペプチド末端へのシステインの付加。 ペプチド末端へのシステインの付加はペプチドを蛋白
質、脂質および高分子物質に結合させる際、システイン
の−SH基を利用して容易に結合を行うものである。ペ
プチドの蛋白質等に結合させる方法は他にも多く考えら
れるが、例えばグルタ−ルアルデヒドを用いて結合を行
うと、ペプチド中のアミノ基が蛋白質等への結合の際使
用されてしまい、ペプチドの機能を発揮できない可能性
があり、好ましい方法とは言えない。
に列挙する。 (1)ペプチドの合成。 ペプチドの合成は一般的方法により合成が可能である。
例えば固相表面において行う、自動合成装置を用いれば
簡便である。合成したペプチドは逆相高速液体クロマト
グラフィ−など一般的な方法にしたが精製し、アミノ酸
配列分析を行った後、サンプルとして用いることが可能
である。 (2)ペプチド末端へのシステインの付加。 ペプチド末端へのシステインの付加はペプチドを蛋白
質、脂質および高分子物質に結合させる際、システイン
の−SH基を利用して容易に結合を行うものである。ペ
プチドの蛋白質等に結合させる方法は他にも多く考えら
れるが、例えばグルタ−ルアルデヒドを用いて結合を行
うと、ペプチド中のアミノ基が蛋白質等への結合の際使
用されてしまい、ペプチドの機能を発揮できない可能性
があり、好ましい方法とは言えない。
【0012】ペプチド末端へのシステインの付加はペプ
チド末端へ直接システインを、あるいは幾つかのアミノ
酸を介して末端へシステインを付加する。ペプチド末端
のシステインは合成の際、付加すれば良い。 (3)ペプチドの蛋白質、脂質および高分子物質への結
合の目的。 本発明によるペプチドは大きく2つの特徴を有している
ため蛋白質、脂質および高分子物質への結合させること
によりその機能を効果的に発揮できることが期待でき
る。 1)ペプチドのPSを特異的に認識する特徴を利用した
既存の蛋白質、酵素等に機能付加を行う場合、例えば血
液凝固因子などはその反応の場がPSを露出した血小板
表面などであるので、血液凝固因子にペプチドを結合さ
せることによりその機能の向上が期待できる。 2)ペプチドの血液凝固第VIII因子の活性を阻害するこ
とより凝固線溶用系の疾患に対する予防、治療薬として
の利用が考えられる。従って、ペプチドを結合させる蛋
白質、脂質および高分子物質は人に投与する場合抗原性
の低いものが好ましい。例えば静脈内に投与するのであ
れば人血清アルブミン等の蛋白質、ドラッグデリバリ−
・システムに組み込むのであればPE等、体内に局所的
に放置するのであれば生体適合性の良いアミノ基を有し
たポリマ−等が考えられる。 (4)ペプチドの蛋白質、脂質および高分子物質への結
合方法。 ペプチドと蛋白質等との結合はペプチドのアミノ基を介
して結合を行ってもペプチド機能を損なうことがない場
合は通常用いられる架橋剤であるグルタ−ルアルデヒド
等を用い、ペプチドおよび蛋白質等のアミノ基どうしを
結合させれば良い。また、上記方法によりペプチド機能
を損なう恐れがある場合カルボキシ末端にシステイン残
基を付加したペプチドを用い蛋白質等と結合する。すな
わち、ペプチド末端のシステイン残基の−SH基とペプ
チドを結合させる蛋白質等のアミノ基とを通常用いられ
るバイファンクショナルな架橋剤、例えば succinimidy
l4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate、m
-maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester など
により結合させる。しかし、ペプチドの機能を阻害しな
い架橋剤を用いた結合方法であればこれに限定されるも
のではない。上記の方法で製造したペプチド結合物質は
ゲル濾過法あるいは透析により不純物や未反応物を除去
し、サンプルとして用いることが可能である。 (5)ペプチドのリン脂質に対する反応性の評価。
チド末端へ直接システインを、あるいは幾つかのアミノ
酸を介して末端へシステインを付加する。ペプチド末端
のシステインは合成の際、付加すれば良い。 (3)ペプチドの蛋白質、脂質および高分子物質への結
合の目的。 本発明によるペプチドは大きく2つの特徴を有している
ため蛋白質、脂質および高分子物質への結合させること
によりその機能を効果的に発揮できることが期待でき
る。 1)ペプチドのPSを特異的に認識する特徴を利用した
既存の蛋白質、酵素等に機能付加を行う場合、例えば血
液凝固因子などはその反応の場がPSを露出した血小板
表面などであるので、血液凝固因子にペプチドを結合さ
せることによりその機能の向上が期待できる。 2)ペプチドの血液凝固第VIII因子の活性を阻害するこ
とより凝固線溶用系の疾患に対する予防、治療薬として
の利用が考えられる。従って、ペプチドを結合させる蛋
白質、脂質および高分子物質は人に投与する場合抗原性
の低いものが好ましい。例えば静脈内に投与するのであ
れば人血清アルブミン等の蛋白質、ドラッグデリバリ−
・システムに組み込むのであればPE等、体内に局所的
に放置するのであれば生体適合性の良いアミノ基を有し
たポリマ−等が考えられる。 (4)ペプチドの蛋白質、脂質および高分子物質への結
合方法。 ペプチドと蛋白質等との結合はペプチドのアミノ基を介
して結合を行ってもペプチド機能を損なうことがない場
合は通常用いられる架橋剤であるグルタ−ルアルデヒド
等を用い、ペプチドおよび蛋白質等のアミノ基どうしを
結合させれば良い。また、上記方法によりペプチド機能
を損なう恐れがある場合カルボキシ末端にシステイン残
基を付加したペプチドを用い蛋白質等と結合する。すな
わち、ペプチド末端のシステイン残基の−SH基とペプ
チドを結合させる蛋白質等のアミノ基とを通常用いられ
るバイファンクショナルな架橋剤、例えば succinimidy
l4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate、m
-maleimidobenzoyl-N-hydroxysuccinimide ester など
により結合させる。しかし、ペプチドの機能を阻害しな
い架橋剤を用いた結合方法であればこれに限定されるも
のではない。上記の方法で製造したペプチド結合物質は
ゲル濾過法あるいは透析により不純物や未反応物を除去
し、サンプルとして用いることが可能である。 (5)ペプチドのリン脂質に対する反応性の評価。
【0013】ペプチドのリン脂質に対する反応性の各種
リン脂質を固定化した系を用い、ELISA法を用いて
行うことが可能である。すなわち、リン脂質を直接EL
ISA用マイクロタイタ−プレ−トにコ−トしペプチド
結合物質と反応させた後、結合したペプチド結合物質を
一般的な検出法、例えば西洋ワサビペルオキシダ−ゼを
用いたフェニレンジアミンによる発色、あるいはアルカ
リホスファタ−ゼを用いたメチルウンベリフェリルホス
フェイトの蛍光発色を検出することにより反応性を評価
できる。詳細は実施例にて示す。 (6)血液凝固第VIII因子および血液凝固第 V因子活性
への影響の測定。 これは、合成基質を用いた系により行うことが可能であ
る。人血しょう中の血液凝固第VIII因子を血液凝固第 I
Xa因子、第 X因子およびリン脂質と混合し、塩化カルシ
ュウムを添加することにより第Xa因子を生成させる。生
じた第Xa因子の量を合成基質S−2222により発色検
出することにより血液凝固第VIII因子活性を測定する。
リン脂質を固定化した系を用い、ELISA法を用いて
行うことが可能である。すなわち、リン脂質を直接EL
ISA用マイクロタイタ−プレ−トにコ−トしペプチド
結合物質と反応させた後、結合したペプチド結合物質を
一般的な検出法、例えば西洋ワサビペルオキシダ−ゼを
用いたフェニレンジアミンによる発色、あるいはアルカ
リホスファタ−ゼを用いたメチルウンベリフェリルホス
フェイトの蛍光発色を検出することにより反応性を評価
できる。詳細は実施例にて示す。 (6)血液凝固第VIII因子および血液凝固第 V因子活性
への影響の測定。 これは、合成基質を用いた系により行うことが可能であ
る。人血しょう中の血液凝固第VIII因子を血液凝固第 I
Xa因子、第 X因子およびリン脂質と混合し、塩化カルシ
ュウムを添加することにより第Xa因子を生成させる。生
じた第Xa因子の量を合成基質S−2222により発色検
出することにより血液凝固第VIII因子活性を測定する。
【0014】この際、ペプチドあるいはペプチド結合物
質を反応系に混合しその活性への影響を評価できる。血
液凝固第 V因子活性への影響も同様に第V因子、第II因
子、第Xa因子およびリン脂質と混合し、塩化カルシュウ
ムを添加することにより第IIa 因子を生成させる。生じ
た第 IIa因子の量を合成基質S−2238により発色検
出することにより血液凝固第 V因子活性を測定する。こ
の際、ペプチドあるいはペプチド結合物質を反応系に混
合しその活性への影響を評価できる。
質を反応系に混合しその活性への影響を評価できる。血
液凝固第 V因子活性への影響も同様に第V因子、第II因
子、第Xa因子およびリン脂質と混合し、塩化カルシュウ
ムを添加することにより第IIa 因子を生成させる。生じ
た第 IIa因子の量を合成基質S−2238により発色検
出することにより血液凝固第 V因子活性を測定する。こ
の際、ペプチドあるいはペプチド結合物質を反応系に混
合しその活性への影響を評価できる。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば、PSを特異的に認識し
血液凝固第VIII因子の活性を阻害する等の特徴を有する
ペプチドが提供される。このペプチドはPSに特異的で
あり、他の代表的なリン脂質として知られているPC,
PA,PE,CLとの交差反応性を有していない。従っ
て、本発明により提供されるペプチドは細胞膜にあって
重要な役割を担っていると考えられるPSの研究に多大
の効果を有していると考えられる。さらに、血液凝固第
VIII因子の活性を阻害することは、血栓症など血液凝固
系異常疾患に対する治療薬としての利用が考えられる。
また、強いては人工膜の研究、医療用人工材料等の研
究、開発に貢献するものである。
血液凝固第VIII因子の活性を阻害する等の特徴を有する
ペプチドが提供される。このペプチドはPSに特異的で
あり、他の代表的なリン脂質として知られているPC,
PA,PE,CLとの交差反応性を有していない。従っ
て、本発明により提供されるペプチドは細胞膜にあって
重要な役割を担っていると考えられるPSの研究に多大
の効果を有していると考えられる。さらに、血液凝固第
VIII因子の活性を阻害することは、血栓症など血液凝固
系異常疾患に対する治療薬としての利用が考えられる。
また、強いては人工膜の研究、医療用人工材料等の研
究、開発に貢献するものである。
【0016】特に他の蛋白質等と結合させるた場合にも
このような特徴を失わないから、例えばその安定性を高
めたり、又は適当な薬剤等による治療を細胞膜付近に運
ぶ目的等をも達成できる。
このような特徴を失わないから、例えばその安定性を高
めたり、又は適当な薬剤等による治療を細胞膜付近に運
ぶ目的等をも達成できる。
【0017】
【実施例】以下、本願発明の実施例を記載し、本願発明
の効果を具体的に説明する。なお、本願発明は下記実施
例に限定されるものではない。
の効果を具体的に説明する。なお、本願発明は下記実施
例に限定されるものではない。
【0018】実施例1 ペプチドの合成および牛血清ア
ルブミンへの結合 ペプチドの合成はアプライド・バイオシステム社ペプチ
ド合成装置470Aを用いて行った。すなわち、4-(oxy
methyl)-phenylacetamidomethyl 単体を用い、tert-but
yloxycarbonyl アミノ保護基を有したアミノ酸を固相に
て順次結合し、Ala-Arg-Glu-Gly-Asp-Tyr-Asp-Gly-Ala-
Met-Asp-Tyrのペプチドを合成した。合成の終了したペ
プチドは単体より切り出し、逆層高速液体クロマトグラ
フィ−により生成回収した。回収したペプチドは凍結乾
燥の後、アミノ酸配列を確認した後サンプルとした。
ルブミンへの結合 ペプチドの合成はアプライド・バイオシステム社ペプチ
ド合成装置470Aを用いて行った。すなわち、4-(oxy
methyl)-phenylacetamidomethyl 単体を用い、tert-but
yloxycarbonyl アミノ保護基を有したアミノ酸を固相に
て順次結合し、Ala-Arg-Glu-Gly-Asp-Tyr-Asp-Gly-Ala-
Met-Asp-Tyrのペプチドを合成した。合成の終了したペ
プチドは単体より切り出し、逆層高速液体クロマトグラ
フィ−により生成回収した。回収したペプチドは凍結乾
燥の後、アミノ酸配列を確認した後サンプルとした。
【0019】ペプチドの牛血清アルブミン(BSA)へ
の結合はピアス社 m-maleimidobemzoyl-N-hydroxysucci
nimide ester(MBS)を用い行った。BSA 5mg
を50mMリン酸緩衝液(pH8)に溶解し、40倍モルの
MBSを加え室温で30分反応させる。反応後、緩衝液
50mMリン酸緩衝液(pH7)を用いゲル濾過により未反
応のMBSを分離し、MBSの付加したBSAを回収す
る。つづいてカルボキシル末端にシステインを有したペ
プチド 5mgを加え、室温で30分反応させる。反応
後、緩衝液10mMトリス、150mNaCl緩衝液(pH7.4)
を用いゲル濾過により未反応のペプチドを分離し、ペプ
チド結合BSAを回収する。ペプチドの結合量はSDS
−PAGEによりその分子量の変化により確認した。
の結合はピアス社 m-maleimidobemzoyl-N-hydroxysucci
nimide ester(MBS)を用い行った。BSA 5mg
を50mMリン酸緩衝液(pH8)に溶解し、40倍モルの
MBSを加え室温で30分反応させる。反応後、緩衝液
50mMリン酸緩衝液(pH7)を用いゲル濾過により未反
応のMBSを分離し、MBSの付加したBSAを回収す
る。つづいてカルボキシル末端にシステインを有したペ
プチド 5mgを加え、室温で30分反応させる。反応
後、緩衝液10mMトリス、150mNaCl緩衝液(pH7.4)
を用いゲル濾過により未反応のペプチドを分離し、ペプ
チド結合BSAを回収する。ペプチドの結合量はSDS
−PAGEによりその分子量の変化により確認した。
【0020】実施例2 リン脂質に対する反応性 ELISA法は、梅田らの方法(J.Immunology 1989,14
3,2273)に従って行った。すなわち、マイクロタイター
プレイトに各種リン脂質(PS,PA,PE,PC,C
L)を0.5nmol/wellでコートを行う。つずいて3%- BSA
(牛血清アルブミン)にて2時間室温でブロキングを行
い、10mM-Tris,150mM-NaCl,pH=7.4 にて洗浄後、ペプチ
ド(Ala-Arg-Glu-Gly-Asp-Tyr-Asp-Gly-Ala-Met-Asp-Ty
r-Cys )をビオチニル化牛血清アルブミンに結合させた
ものを 50 μl (20 μg/mlから1/2 倍づつ希釈し
た)加え、2時間室温で放置し、洗浄後アルカリホスフ
ァタ−ゼ標識ストレプトアビジンと反応させ洗浄後、4
−メチルウンベリフェリルホスフェイトを基質としてそ
の蛍光強度を測定した。その結果、図1に示すとうりペ
プチド結合物質はPSと特異的に反応性を示し、他のリ
ン脂質とは反応性を示さなかった。
3,2273)に従って行った。すなわち、マイクロタイター
プレイトに各種リン脂質(PS,PA,PE,PC,C
L)を0.5nmol/wellでコートを行う。つずいて3%- BSA
(牛血清アルブミン)にて2時間室温でブロキングを行
い、10mM-Tris,150mM-NaCl,pH=7.4 にて洗浄後、ペプチ
ド(Ala-Arg-Glu-Gly-Asp-Tyr-Asp-Gly-Ala-Met-Asp-Ty
r-Cys )をビオチニル化牛血清アルブミンに結合させた
ものを 50 μl (20 μg/mlから1/2 倍づつ希釈し
た)加え、2時間室温で放置し、洗浄後アルカリホスフ
ァタ−ゼ標識ストレプトアビジンと反応させ洗浄後、4
−メチルウンベリフェリルホスフェイトを基質としてそ
の蛍光強度を測定した。その結果、図1に示すとうりペ
プチド結合物質はPSと特異的に反応性を示し、他のリ
ン脂質とは反応性を示さなかった。
【0021】実施例3 PSリポソ−ム、ホスホセリン
およびセリンへの反応性 PSリポソ−ムへの反応性、ならびにホスホセリン、セ
リンへの反応性をELISAを用いた反応阻害により調
べた。1mM より1/2 倍ずつ希釈したPSリポソ−ム(si
ngle unilamellar vesicle)、ホスホセリンおよびセリ
ン 50 μl と10μg/ml×50μl の実施例2に用いたペプ
チド結合BSAを2時間反応させた後、実施例2と同様
に0.5nmol/wellでPSをコートしたマイクロタイタープ
レイトを用い、PSリポソ−ム、ホスホセリンおよびセ
リンによるペプチド結合BSAのPSへの反応阻害を調
べた。その結果図2に示すように、ペプチド結合BSA
のPSへの結合はPSリポソ−ムおよびホスホセリンに
より阻害され、セリンでは阻害されなかったことよりペ
プチド結合BSAはPSリポソ−ムおよびホスホセリン
と反応性を有しており、セリンとは反応性を有していな
いことが示された。
およびセリンへの反応性 PSリポソ−ムへの反応性、ならびにホスホセリン、セ
リンへの反応性をELISAを用いた反応阻害により調
べた。1mM より1/2 倍ずつ希釈したPSリポソ−ム(si
ngle unilamellar vesicle)、ホスホセリンおよびセリ
ン 50 μl と10μg/ml×50μl の実施例2に用いたペプ
チド結合BSAを2時間反応させた後、実施例2と同様
に0.5nmol/wellでPSをコートしたマイクロタイタープ
レイトを用い、PSリポソ−ム、ホスホセリンおよびセ
リンによるペプチド結合BSAのPSへの反応阻害を調
べた。その結果図2に示すように、ペプチド結合BSA
のPSへの結合はPSリポソ−ムおよびホスホセリンに
より阻害され、セリンでは阻害されなかったことよりペ
プチド結合BSAはPSリポソ−ムおよびホスホセリン
と反応性を有しており、セリンとは反応性を有していな
いことが示された。
【0022】実施例4 血液凝固第VIII因子活性の影響 ペプチド結合物質の血液凝固第VIII因子活性の影響はK
abi社合成基質S−2222を用いて行った。クエン
酸採血した人血液より血しょうを分離し、250倍希釈
した血しょうと各濃度のペプチド結合BSAを1:1で
混合し、つずいて血液凝固第 X因子、血液凝固第 IXa因
子、豚脳由来リン脂質を加え、塩化カルシウムを添加し
10分間37度で反応させる。つずいて、S−2222
を加え生成した血液凝固第Xa因子によるS−2222の
分解により生じたp-ニトロアニリンを波長405にて比
色検出し、ペプチド結合BSAマイナスの値を対照にそ
の影響を調べた。その結果図3に示すとうり、0.05mg/m
l にて約50% の活性を阻害した。
abi社合成基質S−2222を用いて行った。クエン
酸採血した人血液より血しょうを分離し、250倍希釈
した血しょうと各濃度のペプチド結合BSAを1:1で
混合し、つずいて血液凝固第 X因子、血液凝固第 IXa因
子、豚脳由来リン脂質を加え、塩化カルシウムを添加し
10分間37度で反応させる。つずいて、S−2222
を加え生成した血液凝固第Xa因子によるS−2222の
分解により生じたp-ニトロアニリンを波長405にて比
色検出し、ペプチド結合BSAマイナスの値を対照にそ
の影響を調べた。その結果図3に示すとうり、0.05mg/m
l にて約50% の活性を阻害した。
【0023】実施例5 血液凝固第 V因子活性の影響 ペプチド結合物質の血液凝固第 V因子活性の影響はKa
bi社合成基質S−2238を用いて行った。精製した
血液凝固第 V因子と各濃度のペプチド1および、ペプチ
ド2結合牛血清アルブミンを1:1で混合し、続いて血
液凝固第Xa因子、血液凝固第II因子、リン脂質(PS/
PC混合物)を加え、塩化カルシウムを添加し5分間3
7で反応させる。つずいて、S−2238を加え生成し
た血液凝固第 IIa因子によるS−2238の分解により
生じたp-ニトロアニリンを波長405にて比色検出し、
ペプチド結合牛血清アルブミンマイナスの値に対しその
影響を調べた。その結果図3に示すとうり、0.1mg/mlに
ておいてもほとんど活性を阻害は認められない。
bi社合成基質S−2238を用いて行った。精製した
血液凝固第 V因子と各濃度のペプチド1および、ペプチ
ド2結合牛血清アルブミンを1:1で混合し、続いて血
液凝固第Xa因子、血液凝固第II因子、リン脂質(PS/
PC混合物)を加え、塩化カルシウムを添加し5分間3
7で反応させる。つずいて、S−2238を加え生成し
た血液凝固第 IIa因子によるS−2238の分解により
生じたp-ニトロアニリンを波長405にて比色検出し、
ペプチド結合牛血清アルブミンマイナスの値に対しその
影響を調べた。その結果図3に示すとうり、0.1mg/mlに
ておいてもほとんど活性を阻害は認められない。
【図1】図1は、ペプチド結合BSAの各種リン脂質に
対する反応性をELISA法を用いて行った結果を示し
ている。
対する反応性をELISA法を用いて行った結果を示し
ている。
【図2】図2は、ペプチド結合BSAのPSに対するE
LISAでの反応性をPSリポソ−ム、ホスホセリンお
よびセリンにより阻害した結果を示している。
LISAでの反応性をPSリポソ−ム、ホスホセリンお
よびセリンにより阻害した結果を示している。
【図3】図3は、ペプチド結合BSAの血液凝固第 V、
VIII因子活性への影響を調べた結果をその阻害率で示し
たものである。
VIII因子活性への影響を調べた結果をその阻害率で示し
たものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 蛋白質 核酸 酵素(1991 Fe b.),Vol.36,No.3,p. 491−505 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K 7/00 A61K 38/00 CA(STN) REGISTRY(STN) SwissProt/PIR/GeneS eq
Claims (8)
- 【請求項1】ホスファチジルセリンを認識し、ホスファ
チジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホス
ファチジル酸又はカルジオリピンとは交差反応性を示さ
ない、アミノ酸配列Ala−Arg−Glu−Gly−
Asp−Tyr−Asp−Gly−Ala−Met−A
sp−Tyrよりなるペプチド。 - 【請求項2】ホスファチジルセリンが牛脳に由来するも
のであり、ホスファチジルコリンが鶏の卵黄に由来する
ものであり、ホスファチジルエタノールアミンが大腸菌
に由来するものであり、ホスファチジル酸が前記ホスフ
ァチジルコリンよりホスフォリパーゼDを用いて調製し
たものであり、カルジオリピンが牛心臓に由来するもの
である請求項1に記載のペプチド。 - 【請求項3】ホスホセリンとの反応性を有し、セリンと
の反応性を有さない請求項1に記載のペプチド。 - 【請求項4】C末端側にシステイン残基を有する請求項
1に記載のペプチド。 - 【請求項5】蛋白質、脂質又は高分子物質と架橋試薬に
より結合された、請求項1に記載のペプチド。 - 【請求項6】牛血清アルブミン、オブアルブミン又はキ
ーホール・リンペット・ヘモシアニンと結合した、請求
項5に記載のペプチド。 - 【請求項7】凝固線溶系に関与する蛋白質と結合した請
求項5に記載のペプチド。 - 【請求項8】血液凝固第VIII因子の活性を阻害し、
血液凝固第V因子の活性を阻害しない、請求項1に記載
のペプチド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27613791A JP3334143B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 生理活性ペプチド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP27613791A JP3334143B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 生理活性ペプチド |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0592992A JPH0592992A (ja) | 1993-04-16 |
| JP3334143B2 true JP3334143B2 (ja) | 2002-10-15 |
Family
ID=17565296
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP27613791A Expired - Fee Related JP3334143B2 (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 生理活性ペプチド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3334143B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US20230324382A1 (en) * | 2022-02-01 | 2023-10-12 | Trustees Of Tufts College | Antiphospholipid antibodies for the diagnosis of lyme disease |
-
1991
- 1991-09-30 JP JP27613791A patent/JP3334143B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
| Title |
|---|
| 蛋白質 核酸 酵素(1991 Feb.),Vol.36,No.3,p.491−505 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0592992A (ja) | 1993-04-16 |
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