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JP3492373B2 - モノクローナル抗体 - Google Patents

モノクローナル抗体

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JP3492373B2
JP3492373B2 JP50741195A JP50741195A JP3492373B2 JP 3492373 B2 JP3492373 B2 JP 3492373B2 JP 50741195 A JP50741195 A JP 50741195A JP 50741195 A JP50741195 A JP 50741195A JP 3492373 B2 JP3492373 B2 JP 3492373B2
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human
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JP50741195A
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ヤング,スーザン
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インペリアル キャンサー リサーチ テクノロジィ リミテッド
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、結腸大腸癌の診断および治療に使用できる
抗体に関する。
癌胎児性抗原(CEA)と反応する抗体が知られている
が、膜結合CEAと可溶型CEAの両方と反応するため、結腸
大腸癌の診断に特に有益というわけではない。
モノクローナル抗体PR1A3は、NS1(P3/NS1/I−Ag−4
−1)ミエローマ細胞と正常な結腸大腸上皮細胞で免疫
されたマウスの脾臓細胞とを融合することによって産生
される(Richman & Bodmer 1987)。PR1A3は、十分に
分化した、およびほとんど分化していない両方の結腸直
腸癌腫と強く反応し、その抗原が腫瘍に固定されている
ように見えるが、腫瘍を流出するリンパ管または正常リ
ンパ節内では見られないことから、他の結腸直腸上皮反
応性抗体以上の利点を備えている(Granowska等198
9)。PR1A3は、59/60の結腸大腸腫瘍と反応したが(Ric
hman & Bodmer 1987)、CEA反応性B72.3は75%しか反
応しなかった(Salvatore等1989)。胃、回腸、食道、
気管および乳房の正常細胞に弱く結合することがいくつ
か証明されているが、in vivo試験により、基底膜がこ
れらの組織への上記抗体の接近を妨げることが示された
(Granowska等1990)。
Sheahanら(1990)Am.J.Clin.Path.94,157−164は、
癌胎児性抗原に対する特異性を示す二つのモノクローナ
ル抗体(D14とB7.1)について言及している。
Sakuraiら(1989)J.Surg.Oncol.42,39−46は、癌胎
児性抗原に対する特異性を示す種々のモノクローナル抗
体について述べている。
PR1A3は、イムノグロブリンとして一般に普及してい
るが、そのハイブリドーマは利用されていない。PR1A3
が結合する的確なエピトープは、知られていなかった。
本発明は、結腸直腸癌に対してPR1A3と同等以上の特
異性を備えたモノクローナル抗体を含む分子を提供す
る。このような抗体は、癌胎児性抗原(CEA)、すなわ
ち結腸直腸癌腫に提示された腫瘍マーカーの一部である
ことが判明した新規に見出されたPR1A3エピトープに対
するモノクローナル抗体(MAbs)を産生することによっ
て調製することができる。
本発明の第一の態様は、(i)膜結合性ヒト癌胎児性
抗原(CEA)を結合し、(ii)ヒトの胆汁糖タンパク質
(BGP)の1〜314残基に結合(N−C)した完全なヒト
CEAの490残基〜C末端からなるハイブリッドポリペプチ
ドを結合し、(iii)ヒトのBGPに結合しない分子であっ
て、 VH鎖の配列が、 あるいはVH鎖の配列が、VHCDR1の最初のアミノ酸残基が
グルタミンであること以外は上と同じであり、どちらの
場合でもVL鎖の配列が であるIgG1グループII A重鎖とκグループV軽鎖とを備
える完全なマウスモノクローナル抗体以外の分子を提供
する。
VH鎖の配列は、以下のようにも記載できる。
また、VL鎖の配列は以下のようにも記載できる。
VHCDR1の最初のアミノ酸残基は、上記VH配列の31位で
ある。
前記分子は、抗体であることが好ましい。
BGPのN−A1−B1−(A2のNターミナルハーフ)ドメ
インに結合(N−C)したヒトCEAの(A3のCターミナ
ルハーフ)−B3−GPIドメインからなるハイブリッドポ
リペプチドが、実施例1に詳細に記載され、図8にキメ
ラ1として図式的に示されている。これは、BGPの1〜3
14残基をCEAの490残基〜C末端にN−C型に融合したも
のである。完全なCEAのC末端は、668残基である。
“膜結合”という用語により、例えばAmerican Type
Culture Collection,12301 Parklawn Drive,Rockville,
Maryland 20852,USAからカタログナンバーATCC HTB 38
のもとに入手可能な適度に良く分化したグレードIIヒト
結腸アデノカルシノーマ(adenocarcinoma)セルライ
ン、HT−29セルライン等の結腸癌腫細胞に見られるよう
なCEAを意味する。
“結合”という用語は、カバーガラスで生育したアセ
トン固定CEA陽性細胞単層の間接免疫蛍光法によって評
価する際に、蛍光複合抗マウス(またはヒト)IgG抗体
を用いたインキュベーション後、陽性シグナルを見るこ
とができることを意味する。実施例7は、細胞のアセト
ン固定および結合の決定方法について記載する。
抗体重鎖がIgG1であることは、免疫拡散法ゲル(Ouch
terlony technique)におけるイソタイプ血清に特異的
な抗血清との反応によって、または酵素結合免疫測定法
(ELISA)によって決定することができる。マウスIgG重
鎖に反応し、診断に使用できるモノクローナル抗体は、
市販のものを利用することができ、例えば9x108M-1の結
合活性を備えたSerotec社、22 Bankside,Station Appro
ach,Kidlington,Oxford OX5 1JE,UKのラットモノクロー
ナル抗体クローンLO−MG1−2を利用することができ
る。
抗体軽鎖がκであることは、免疫拡散法ゲルにおける
特異的抗血清との反応およびELISAによって決定するこ
とができる。マウスκ軽鎖と反応し診断に使用できるモ
ノクローナル抗体は、市販のものを利用することがで
き、例えばSerotec社のラットモノクローナル抗体クロ
ーンMRC OX−20を利用することができる。
IgGグループII AおよびκグループVは、V領域のサ
ブタイプと称され、参照として取り込んだKabatら(199
1)Sequence of Proteins of Immunological Interest,
fifth edition,US Department of Health and Human Se
rvices,NIH Publication No91−3242に記載されたV領
域フレームワークの配列によって明確にされている。
上記分子は、ヒトの体内に存在し、腸に位置する自然
に産生した他のヒトタンパクに実質的に結合しないこと
が好ましい。このようなタンパクには、コラーゲンおよ
び血清アルブミンが含まれる。
この分子が、N−A1−Fc、N−A1−B1−FcもしくはN
−A1−B1−A2−Fcに結合しないことが好ましい。ここ
で、A1、B1およびA2はCEAのドメインであり、Fcはイム
ノグロブリンのFc部である。
この分子が、B3ハイブリッドに結合しないことがさら
に好ましい。ここでGPIアンカーは除去されているか、G
PIアンカーはBGPトランスメンブレンセグメントで置換
されている。
この分子が抗体である場合には、ヒトフレームワーク
領域および少なくとも請求項1記載のVH鎖およびVL鎖の
相補性決定領域を含有することが好ましく、ここでVH
のCDR1はVFGMN(SEQ ID No3)、CDR2はWINTKTGEATYVEEF
KG(SEQ ID No4)およびCDR3はWDFYDYVEAMDY(SEQ ID N
o5)であり、VL鎖のCDR1はKASQNVGTNVA(SEQ ID No
6)、CDR2はSASYRYS(SEQ ID No7)およびCDR3はHQYYTY
PLFT(SEQ ID No8)である。
PR1A3は、IgG1グループII A重鎖およびκグループV
軽鎖を有するマウスモノクローナル抗体であり、VH鎖の
配列が上述したように本発明の第一の態様から除外され
ているもの、あるいはVHCDR1の最初のアミノ酸残基がグ
ルタミンであるものであり、かつ、VL鎖の配列が上述の
ように本発明の第一の態様から除外されているものであ
る。
CEAは、免疫グロブリンスーパージーンファミリー(T
hompson & Zimmermann 1988;Thompsonら1991参照)の
一つである。CEAは、N−A1−B1−A2−B2−A3−B3−GPI
のドメイン構造を備えており、GPIはグリコホスファチ
ジルイノシトール膜アンカーである。かなりの程度の配
列相同性が、CEAのドメインおよびNCA等のファミリーの
他のメンバーとの間に存在する。
胆汁糖タンパク(BGP)も、免疫グロブリン遺伝子ス
ーパーファミリーの一つであり、N−A1−B1−A2−TMの
ドメイン構造をとりTMはトランスメンブレンドメインで
あるが、BGPのA1、B1およびA2ドメインは、CEAのA1、B1
およびA2と称されるドメインとは別である。
“抗体”という用語に、モノクローナル抗体とポリク
ローナル抗体、抗体断片を含める。これらは、(i)ヒ
トCEA、(ii)ヒトのBGPの1〜314残基に結合(N−
C)したヒトCEAの490残基〜C末端からなるハイブリッ
ドポリペプチドに特異的かつ可逆的に結合するが、(ii
i)ヒトBGPには結合しないものであって、IgG1グループ
II A重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウスモ
ノクローナル抗体、すなわちVH鎖の配列が(図1に示さ
れたもの)かもしくはVHCDR1の最初のアミノ酸残基がグ
ルタミンでありかつ、VL鎖の配列が(図2に示されたも
の)である抗体を除く。
抗体または抗体断片が、モノクローナル抗体から誘導
されることが好ましい。
モノクローナル抗体は、参照として取り込まれたZol
a,H.(1988)(“Monoclonal Antibodies−A manual of
techniques"CRC Press)の技術によって一般的に調製
することができる。Fab、(Fab)、Fv、scFvもしくは
dAb断片等の抗体断片は、これに基づいて既知の方法で
調製することができる。抗体は、例えばヒトの抗体のフ
レームワークにマウスの抗体のCDR領域を挿入すること
によって既知の方法でヒューマナイズ(humanized)す
ることができる。抗体様分子は、国際特許第84/03712号
の組換えDNA技術を用いて調製することができる。この
タンパクに特異的な領域を、McCaffertyら(1990)Natu
re 348,552−554の技術を用いてバクテリオファージの
一部として発現させることができる。
本発明の抗体様分子は、細胞内で発現されたCEAまた
はハイブリッドタンパクを固定してファージを選別する
のに使用してGriffithsら(1993)EMBO J.12,725−734
に記載された方法を用いてファージディスプレイライブ
ラリー(phage display libraries)から選別すること
ができる。また、単層で生育され、ホルムアルデヒドま
たはグルタルアルデヒドで固定もしくは固定されていな
い適切な細胞もファージを結合するのに使用することが
できる。関係の無いファージを洗い流して、結合したフ
ァージを、CEAまたはハイブリッドタンパクへの結合を
切断して回収し、バクテリアで再度増幅(reamplifyin
g)する。この選別および増幅工程は、本発明の抗体様
分子である上記分子に係るファージを増すために数回行
う。
また、本発明の抗体様分子にファージディスプレイラ
イブラリーからのペプチドと同様にして、ランダムペプ
チドライブラリーから選別されたペプチドも含める。
抗体の可変重(VH)領域と可変軽(VL)領域は抗原認
識に関与し、これは初期のプロテアーゼ分解実験で最初
に認識された事実である。げっ歯類抗体の“ヒューマナ
イゼーション(humanisation)”によってさらなる確証
が得られた。得られた抗体が、げっ歯類を親とする抗体
の抗原特異性を保有するように、げっ歯類に由来する可
変領域を、ヒトに由来する定常領域に融合することがで
き(Morrisonら(1984)Proc.Nat.Acad.Sci.USA 81,685
1−6855)、げっ歯類の抗体をヒューマナイズするため
に“CDR移植”を用いることができる。追加的または選
択的に、組換えモノクローナル抗体を“プリマタイズ
(primatised)”、すなわち重鎖および軽鎖の可変領域
またはその一部並びに定常領域を二つの異なる霊長類の
種から誘導することができ、好ましくは抗体の可変領域
をマカクザル、定常領域をヒトから誘導する。このよう
な抗体の利点としては、ヒト免疫グロブリンに対する高
い相同性、ヒトエフェクター機能(human effector fun
ctions)の存在、低い免疫原性およびより長い血清半減
期(serum half−life)(Newmanら(1992)Biotechnol
ogy 10,1455)が含まれる。
抗原特異性が可変領域によって付与され、定常領域と
は別であることは、抗体断片の細菌発現を含む実験から
わかっており、全てが一つ以上の可変領域を含んでい
る。これらの分子は、Fab様分子(Betterら(1988)Sci
ence 240,1041);Fv分子(Skerraら(1988)Science 24
0,1038);VHおよびVLパートナー領域が柔軟なオリゴペ
プチドを介して連結されたシングルチェーンFv(ScFv)
分子(Birdら(1988)Science 242,423;Hustonら(198
8)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85,5879)および単離され
たV領域を含有するシングルドメイン抗体(dAbs)(Wa
rdら(1989)Nature 341,544)を含む。特異的結合部位
を保有する抗体断片の合成に係る技術の一般的な書評
は、Winter & Milstein(1991)Nature 349,293−299
に見られる。
“ScFv分子”とは、VHおよびVLパートナー領域が柔軟
なオリゴペプチドを介して連結された分子を意味する。
ある状況では、抗体全体より抗体断片を用いた方が有
利である。より小さい大きさの断片は、クリアランスを
早め、かつ非腫瘍に対する腫瘍の割合を改善することが
できる。Fab、Fv、ScFvおよびdAb抗体断片は、E.coliで
発現および分泌され、大量の前記断片を容易に産生する
ことができる。
全体の抗体およびF(ab')フラグメントは“二
価”である。“二価”とは、前記抗体およびF(ab')
フラグメントが二つの抗原結合部位を有することであ
る。対照的に、Fab、Fv、ScFvおよびdAbフラグメントは
一価であり、一つだけの抗原結合部位を有する。
Tan,L.K.およびMorrison,S.L.(1988)Adv.Drug Deli
v.Rev.2:129−142、Williams,G.(1988)Tibtech 6:36
−42およびNeuberger,M.S.ら(1988)8th Internationa
l Biotechnology Symposium Part 2,792−799(これら
の全てを参照としてここに取り込む)に記載されている
ように、“抗体技術”は急速に進んでおり、本発明の抗
体から誘導された抗体様分子を調製するのに良く適して
いる。
抗体が特異的に結合する抗原の研究もしくは単離およ
び精製、並びに抗原提示細胞の視認化(イメージング)
および処置に係る種々の目的にこれらの抗体を使用する
ことができる。他の実施態様では、本発明の抗体を、シ
ンチグラフィックラジオラベル(scintigraphic radiol
abel)、細胞毒性化合物またはラジオアイソトープ、非
毒性のプロドラッグを細胞毒性の薬剤に変換する酵素、
得られた複合物を結腸の腫瘍に向けるために免疫系を活
性化する化合物、もしくは細胞刺激性化合物に結合す
る。このような複合物は、本発明の抗体からなる“結合
部位”と、ラジオラベル、毒素または酵素等からなる
“機能部位”とを備える。
この抗体は、他の化合物の結合を物理的に妨害するこ
とによって、単にCEA抗原の活性をブロックするための
みに用いることもできる。
この複合体(ペプチドまたはポリペプチド)の結合部
位と機能部位は、O'Sullivanら(1979)Anal.Biochem.1
00,100−108に一般に記載されたような、クロスリンキ
ングポリペプチドの何らかの通常の方法によって互いに
結合することができる。例えば、ある部位にチオール基
を増し、他の部位をこれらのチオール基と反応する二価
性の試薬、例えばヨード酢酸のN−ヒドロキシスクシン
イミドエステル(NHIA)またはN−スクシニミジル−3
−(2−ピリジルジチオ)プロピオナート(SPDP)と反
応させる。例えば、m−マレイミドベンゾイル−N−ヒ
ドロキシスクシンイミドエステル等のアミドおよびチオ
エーテル結合は、一般的にジスルヒド結合よりin vivo
でより安定である。
結合部位が炭水化物を含有する場合、抗体またはある
抗体断片の場合等では、欧州特許第0088695号の結合技
術を用いて機能部位を炭水化物部位を介して結合するこ
とができる。
複合体の機能的部位は、例えばBagshaweとその共同者
の複合体(Bagshawe(1987)Br.J.Cancer 56,531;Bagsh
aweら(1988)Br.J.Cancer 58,700;国際特許第88/07378
号)またはシアニド放出システム(国際特許第91/11201
号)等の非毒性のプロドラッグを毒性の薬剤に変換する
ための酵素とすることができる。
複合体に酵素全体が存在する必要はないが、当然に触
媒部位は存在しなければならない。いわゆる“アブザイ
ム(abzymes)”を用いることができ、モノクローナル
抗体は、通常は反応中間状態である、触媒反応を望む反
応に係る化合物に対して産生される。得られた抗体は、
反応のための酵素として作用することができる。
複合体は、サイズ排除またはアフィニティークロマト
グラフィーで精製することができ、二重の生物学的活性
を試験することができる。抗原免疫反応性は、固定化し
た抗原を用いた酵素免疫検定法(enzyme−linked immun
osorbent assay)(ELISA)および生きた細胞内におけ
るラジオイムノアッセイを用いて測定することができ
る。エンザイムアッセイは、グルコース残基が加水分解
されたときに吸収に変化を与える基質、例えば遊離した
2−ニトロフェノールが405nmで分光光学的に測定され
るoNPG(o−ニトロフェニル−β−D−グルコピラノシ
ド)等を用いて、β−グルコシダーゼに使用することが
できる。
複合体の安定性は、最初に血清中で37度でインキュベ
ートし、次いでサイズ排除FPLC分析を行うことによって
in vitroで試験できる。in vitroでの安定性は、複合体
を注射してから様々な時間経過後に血清を分析すること
によってマウスにおいても同様に試験することができ
る。さらに、複合体形成前に125Iで抗体を、また131Iで
酵素を放射能標識することができ、マウス内における複
合体、遊離した抗体および遊離した酵素の生物学的拡散
(バイオディストリビューション)を測定することがで
きる。
あるいは、前記複合体を組換えDNA技術により融合化
合物として産生することもでき、この技術によれば、互
いに隣接した、もしくは複合体の所望の特性を壊さない
リンカーペプチドをコードする領域で分けられた複合体
の二つの部位をコードする各領域を一本のDNAが備えて
いる。
考えられるところでは、化合物の二つの機能的部位
は、完全または部分的にオーバーラップしてもよい。次
いで、DNAを、既知の方法を用いて適切な宿主中で発現
させる。
この複合体は、例えば等張生理食塩水(静脈内投与す
る場合)等の、標準的な無菌の非発熱原性の希釈および
輸送剤とあわせて、通常は静脈内または腹腔内(intrap
eritoneally)等の非経口的に適切な方法で投与するこ
とができる。複合体が標的細胞に結合して(必要であれ
ば)血流から除去されたら(普通は一日くらいかか
る)、一般的には一回の注入量としてプロドラッグを投
与するか、腫瘍を視認(イメージ)できるようにする。
必要であれば、複合体が抗原性であることから、より
長い間治療できるようにシクロスポリンまたは他の免疫
抑制剤を付与することができるが、普通は必要としな
い。
複合体の投与とプロドラッグの投与との間の時間は、
非発明的方法で最適化することができる。複合体の腫瘍
/正常組織比は(少なくとも静脈輸送が続く)、約4−
6日後に最高となるが、このとき腫瘍に結合した複合体
の絶対量、すなわちグラムあたりの注入量のパーセント
に換算すると前に比べて低くなる。
それゆえ、複合体の投与とプロドラッグの投与との間
の最適な間隔は、酵素のピーク腫瘍濃度と、腫瘍と正常
な組織との間の最適な分散率との間の折衷となる。複合
体の投与量は、通常の基準に従って医師によって選択さ
れる。少なくともβ−グルコシダーゼ等の標的化された
酵素と毒性プロドラッグとしてアミグダリンの静脈内投
与を用いる方法の場合には、体の表面積の平方メートル
あたり0.1〜10.0gの1〜50の日々の投与、好ましくは1.
0〜5.0g/m2が適切であろう。経口治療では、0.05〜10.0
g、好ましくは1.0〜5.0gの一日3回投与を1〜50日間行
うのが適切である。どの複合体の投与量も、特に腫瘍の
タイプ、段階および位置並びに患者の体重を参考に通常
の基準に従って同様に選択される。治療の持続期間は、
複合体に対するあらゆる免疫反応の急速性および範囲に
部分的に依存する。
複合体を診断に使用する際には、通常はこの複合体の
機能的部位が、例えばテクネチウム99m(99mTc)または
ヨウ素123(123I)等のシンチグラフィーの研究のため
の放射活性原子、もしくはヨウ素123、ヨウ素131、イン
ジウム111、フッ素19、炭素13、窒素15、酸素17、ガド
リニウム(gadolinium)、マンガンもしくは鉄等の核磁
気共鳴(nmr)イメージング(磁気共鳴イメージング、m
riとしても知られる)用のスピンラベルを備える。
腫瘍の選択的破壊のための化合物に用いる場合には、
機能的部位は、隣接する細胞を破壊するのに十分なエネ
ルギーを照射するヨウ素131、レニウム186、レニウム18
8、イッテリウム90または鉛212等の高度に放射活性を備
えた原子、あるいはメトトレキセート、アドリアマイシ
ン、ビンカアルカロイド(vinca alkaloids)(ビンク
リスチン、ビンブラスチン、エトポシド(etoposid
e))、ダウノルビシンもしくは他の挿入剤等の細胞毒
性化学化合物を含有することができる。
放射線または他の標識は、既知の方法で複合体に取り
込むことができる。例えば、ペプチドは、生合成により
もしくは、例えば水素の位置にフッ素19を含む適切なア
ミノ酸前駆物質を用いた化学的アミノ酸合成方法によっ
て合成することもできる。99mTc、123I、186Rh、188Rh
および111In等の標識は、ペプチドのシステイン残基を
介して取り付けることができる。イッテリウム90はリジ
ン残基を介して取り付けることができる。ヨードゲン方
法(The IODOGEN method)(Frakerら(1978)Biochem.
Biophys.Res.Commun.80:49−57)は、ヨウ素123の取り
込みに使用できる。“イムノシンチグラフィーにおける
モノクローナル抗体(Monoclonal Antibodies in Immun
oscintigraphy)”(Chatal,CRC Press 1989)は、詳細
に他の方法を記載している。
本発明の第二の態様は、医薬に用いるための本発明の
第一の態様に定義したような分子、好ましくは抗体を提
供する。
本発明の第三の態様は、結腸のがん腫を診断または治
療することに用いる医薬の製造における、本発明の第一
の態様に定義した分子、好ましくは抗体の使用を提供す
る。
本発明の第四の態様は、単一特異的な抗体を作成する
方法を提供するものであって、この方法は、(i)ヒト
の膜に基づくCEAに結合し、(ii)ヒトBGPの1〜314残
基に結合(N−C)したヒトCEAの490残基〜C末端から
なるハイブリッドポリペプチドに結合するが、(iii)
ヒトBGPには結合しない単一特異的抗体を選択するため
に抗体のプールをスクリーニングすることを含む。
単一特異的抗体がモノクローナル抗体であり、抗体の
プールがモノクローナル抗体のプールであると好まし
い。プール内の抗体は、組換えDNA方法によって産生さ
れた抗体を有するとさらに好ましい。
好ましい態様では、スクリーニング段階で抗体が以下
の条件合うものである: (1)結腸の癌腫細胞(RichmanとBondmer(1987)Int.
J.Cancer 39,317−328)等のヒトの腫瘍細胞およびヒト
の胃の癌腫セルラインMKN45(Kojamaら(1990)Jpn.J.C
ancer 81,967−970)に結合するもの。例えばアセトン
を用いて細胞をスライドガラスまたはカバーガラスに固
定し、第二の蛍光標識化抗種抗体、例えばもし最初の抗
体がマウスIgGであればFITC標識化した抗マウスIgGによ
って抗体の結合を検出する間接的な免疫蛍光アッセイで
結合を検出する。もしくは懸濁液中の細胞に結合する抗
体を測定することができ、抗体結合を放射線活性標識し
た第二抗体、例えば125I標識化抗マウスIgGによって検
出することができる。
(2)ヒトCEAが移入され、ヒトCEAを発現する細胞に結
合するもの。例えば、ベクターpCDM8(Invitrogen)内
のCEA cDNA(Beaucheminら(1987)Mol.Cell.Biol.7,32
21−3230)を用いてエレクトロポレーションによって移
入されたサルウイルス40−形質転換されたサルの繊維芽
細胞ラインCOS−7;デキサメタゾン(dexamethasone)誘
発性ベクターpMAMneo(Clontech)内のCEA cDNAを用い
てエレクトロポレーションによって形質転換されたチャ
イニーズハムスター卵巣細胞(CHO):プラスミドpSVne
o2を用いたリポフェクションによってマウス結腸直腸の
癌腫セルラインCMT93に共形質転換(co−transfected)
されたCEAのコスミドクローン(Willcocks,T.C.とCrai
g,I.W.(1990)Genomics 8,492−500);CEA遺伝子クラ
スター、例えばクロモソーム19の長い腕のq13.1−q13.3
領域のICRFy9000C02400を含有し、かつ、pYAC4の右腕の
ベクターアームを備えたプラスミドベクターpAN4(Rago
ussisら(1992)Nucleic Acids Res.290,3135−3138)
を用いた相同的組換え(homologous recombination)に
よってネオマイシン耐性(neoR)遺伝子を含むように修
飾されたイーストの人工的染色体(yeast artificial c
hromosome)すなわちYACで形質転換したCHO細胞であっ
て、形質転換はイーストスフェロプラスト細胞融合(Bu
rgers,P.とPercival,K.(1987)Anal.Biochem 163,391
−397)によって成されたものとすることができる。
(3)例えばハイブリッド遺伝子を有するプラスミドpC
DM8を用いたエレクトロポレーションで形質転換されたC
OS−7細胞等の、ハイブリッド遺伝子BGP−CEAB3−GP1
が移入され、これを発現する細胞に結合するもの。エレ
クトロポレーションは実施例6に記載されている。
(4)CEAを発現せずにBGPを発現する細胞には結合しな
いもの。例えば、BGPのcDNAを有するプラスミドpCDM8を
用いて形質転換されたCOS−7細胞など。
(5)CEAを発現せずにNCAを発現する細胞には結合しな
いもの。例えば、NCAのcDNAを有するプラスミドpCDM8を
用いて形質転換されたCOS−7細胞など(Heftaら(199
0)Cancer Res.50,2397−2403)。
(6)GPIアンカーが無くハイブリッドBGP−CEAB3を発
現する細胞には結合しないもの。これらの細胞では、正
常に処理されればGPIアンカーで置換されるCEAB3配列内
の疎水性テール部の最初の位置にストップコドンが取り
込まれた、BGP−CEAB3のハイブリッド遺伝子を有するプ
ラスミドpCDM8を用いて形質転換した形質転換型COS−7
がある。PCRは、このようなストップコドンを取り込む
のに使用することができる。
(7)BGP−CEAB3−BGP TMを発現する細胞には結合しな
いもの。例えば、CEAの処理された疎水性セグメントに
代えてCEAのB3ドメインにBGPのトランスメンブレンドメ
インが付加されたハイブリッド遺伝子を有するpCDM8を
用いて形質転換されたCOS−7など。
CEAに結合しない使用可能な対照の抗体は、例えばT
細胞マーカーCD4を認識するものである。適切な抗CD4抗
体は、例えばOKT4(抗ヒトヘルパーT細胞サブセット;A
TCC CRL 8002)等のATCCから利用できる。
本発明の抗体の選択は、どの順序で上記工程を行って
もよい。
最初のスクリーニングを、ヒト腫瘍セルラインまたは
cDNAまたはコスミドのCEAを発現するトランスフェクト
マ(transfectoma)等のCEA発現細胞ラインで行うこと
が好ましい。
第二のスクリーニングを、上述の遺伝子およびハイブ
リッド遺伝子を用いて形質転換されたセルラインで行う
ことが好ましい。
NCAは非特異的交差反応抗原であって、N、A1およびB
1ドメインとGPIアンカーを備えている(ThomsonとZimme
rman(1988)Tumour Biol.9,63−83並びにThomsonら(1
991)J.Clin.Lab.Analysis 5,344−366参照)。
発現に適切な親セルラインは、CEAを発現しないCOS細
胞およびCHO細胞を含む。
本発明を、以下の実施例および図面を参照しながら詳
細に記載する。
図1は、マウスのモノクローナル抗体のVH鎖の推測さ
れるアミノ酸配列(マウスの重鎖;SEQ ID No1)、ヒュ
ーマナイゼーション(humanisation)用のフレームワー
ク配列を提供するために用いたヒト抗体RF−TS3'CLのVH
配列との比較(RF−TS3バックボーン;SEQ ID No27)お
よび作成したヒューマナイズ化配列(ニューマナイズ化
重鎖;SEQ ID No28)を示す。RF−TS3'CLの配列は、参照
としてここに取り込まれたPascualら(1990)J.Clin.In
vest.86,1320−1328に開示されている。
図2は、マウスのモノクローナル抗体のVL鎖の推測さ
れるアミノ酸配列(マウスのκ;SEQ ID No2)、ヒュー
マナイゼーション用のフレームワーク配列を提供するた
めに用いたヒト抗体REIのVL配列との比較(REIバックボ
ーン;SEQ ID No29)および作成したヒューマナイズ化配
列(ヒューマナイズ化κ;SEQ ID No30)を示す。
図3は、CEAとNCA−50とのアミノ酸配列の比較を示
す。対応するドメインは共にグループ化されている。ど
ちらの場合も、点は各グループの一番上の行に示された
CEAドメインのアミノ酸と同一であることを示す。ダッ
シュは、CEAと比較した場合のアミノ酸の欠失を示す。
N−グリコシル化の可能性のある位置に下線を付した。
図4は、BGPのcDNA配列(SEQ ID No31)と推測される
アミノ酸配列(SEQ ID No32)とを示す。
図5は、GPIの構造を示す。
図6は、ヒューマナイズ化した重鎖の構成を示す。FR
は、フレームワーク領域(framework regions)を示す;
CDRは、相補性決定領域を示す;=はヒト化重鎖をコー
ドする二本鎖DNAを示す;→は、オーバーラッピングPCR
(overlaping PCR)のためのプライマーとして用いられ
た5'−3'の方向を示す合成オリゴヌクレオチドを示す。
図7は、ヒューマナイズ化した軽鎖の構造を示す。FR
は、フラグメント領域を示す;CDRは相補性決定領域を示
す;=ヒューマナイズ化した重鎖をコードする二本鎖DN
Aを示す;→は、オーバーラップPCRのためのプライマー
として用いられた5'−3'の方向を示す合成オリゴヌクレ
オチドを示す。
図8は、BGP−CEAキメラ構造物を示す。
図9は、ヒューマナイズ化抗体のVドメインのモデル
を示す。軽鎖(L)および重鎖(H)の相補性決定領域
(CDRs)1〜3の位置を示す。抗原認識に関係する二つ
のグルタミン酸残基、E(H:106)−重鎖の106位および
E(H:57)−重鎖の57位にしるしを付した。
図10は、CEAのB3ドメインのモデルを示す。リジンと
アルギニン残基の位置にしるしを付した。KG36(636位
のリジン)とR594(594位のアルギニン)のin vitro変
異は、抗原へのPR1A3結合を破壊する。
図11は、NCAのcDNA配列(SEQ ID No33)および推測さ
れるアミノ酸配列(SEQ ID No34)を示す。
図12は、CEAのcDNA配列(SEQ ID No35)および推測さ
れるアミノ酸配列(SEQ ID No36)を示す。
図13は、PR1A3κ軽鎖のcDNA配列(SEQ ID No37)およ
び推測されるアミノ酸配列(SEQ ID No38)を示す。
図14は、PR1A3の重鎖のcDNA配列(SEQ ID No39)およ
び推測されるアミノ酸配列(SEQ ID No40)を示す。
実施例1:PR1A3によって認識されるエピトープの同定 YAC(イーストの人工的クロモソーム)およびコスミ
ドの研究は、PR1A3抗原をコードする遺伝子を、CEA遺伝
子が位置する染色体の領域にマッピングし、CEA様のPR1
A3エピトープがγ−インターフェロンによってアップレ
ギュレートされることが示された。CEAのcDNAの種々の
細胞への移入により、これらの細胞上にPR1A3が出現
し、モノクローナル抗体PR1A3はCEAのエピトープを認識
することが示唆された。
CEAのドメインを、N−A1−FC、N−A1−B1−Fcおよ
びN−A1−B1−A2−FcとしてイムノグロブリンのFc部位
への融合物としてCOS細胞内に発現させた。これらのど
の構造物もPR1A3と反応するタンパク質を産生しなかっ
たことから、前記エピトープはN−A1−B1−A2領域に位
置していない。
BGPとCEAのハイブリッド構造物は、CEAの(A3のC末
端ハーフ)−B3−GPIドメインが、BGPのN−A1−B1−
(A2のN末端ハーフ)ドメインに融合するように調製さ
れた。CEAとBGPのアミノ酸配列は、図3および4に示さ
れている。このハイブリッド構造物ナンバー1は、BGP
のシステイン314までとCEAのグルタミン酸490〜C末端
までを含む(図8参照)。このハイブリッド構造物は、
発現プラスミドpCDM8からCOS細胞内に発現された。免疫
蛍光アッセイで分析すると、形質転換されたCOS細胞
は、マウスPR1A3抗体とヒト/マウスキメラ抗体との両
方で正のシグナルを与えた(以下を参照)。これは、PR
1A3エピトープがB3−GPI領域の領域内にあることを確証
する。プラスミドpCDM8は、SeedとAruffo(1987)Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 84,3365−3369に記載されている。
GPIアンカーがタンパク質に添加されないように、ハ
イブリッド構造物ナンバー1にストップコドンを導入し
た。CEA部は、もはや膜結合型ではないが、可溶化され
分泌される。ストップコドンは、CEAの644残基の位置に
導入され、(N−A1−B1−(A2のN末端ハーフ))BGP
−((A3のC末端ハーフ)−B3)CEAが形成された(構
造物ナンバー2;図8)。ベクターpCDM8を用いたこの構
造物のCOS細胞への移入(トランスフェクション)によ
り、BGPと交差反応する抗体3B10を用いた免疫蛍光的研
究で陽性であるが、PR1A3に陰性な細胞を得た。これ
は、ハイブリッドタンパクが発現したが、ハイブリッド
が膜結合型でないときにはPR1A3エピトープが欠如して
いることを確証する。
キメラ構造物3aおよび3bを作成した。これらは、図8
に示すような構造である。
発現構造物の作成に用いたPCR法 BGPのクローニングに以下のプライマーを用いた: キメラ1用にBGPとCEAフラグメントを親分子からPCR
で増幅した。生産物をCla Iで切断し、連結した。アニ
ールした産物の5'と3'末端を、COS−7細胞内における
一過性の発現のためのpCDM8ベクターのHind III−Xba I
部位に連結するために、Hind IIIとXba Iで切断した。
以下のプライマーを用いた: キメラ2は、キメラ1から増幅して、pCDM8への連結
のためにHind IIIとXba Iで切断した。
以下のプライマーを用いた: キメラ3aと3bを作成するために、分子の5'部位を、BG
P5'プライマーと必要な継ぎ目に相補的なアンチセンス
オーバーラッピングプライマーとを用いてキメラ1の鋳
型から増幅した。このBGPトランスメンブレンドメイン
を、センスオーバーラッピングプライマー(sense over
lapping primer)とBGP3'プライマーとを用いたBGPから
増幅した。
アニール化した分子を集めるために、“プライマー−
ダイマー”を形成するために二つの相補的フラグメント
を18PCRサイクルにかけ、12の更なるPCRサイクル用のBG
P5'および3'アウトサイド(outside)プライマーを添加
した。
構造物3a用に以下のプライマーを用いた: 以下のプライマーを構造物3b用に用いた: アンカーの構造は、Ferguson(1992)に記載されてお
り、哺乳類のGPIの遺伝子構造は図5に示されている。G
PIアンカーから脂質の尾部(テール)を切断して可溶性
産物を与えるホスホリパーゼとインキュベートすること
によってMKN45細胞から放出されたCEAを用いた研究によ
り、RP1A3エピトープを含有するCEAを生産できる。SDS
PAGEおよびウェスタンブロッティングで試験する際に、
ジスルフィド結合を切断する還元剤ジチオトレイトール
を含む2%SDSサンプルバッファーでこの抗原を煮沸し
た場合に、弱いシグナルが得られる。還元剤を省いてジ
スルフィド結合を完全に維持させることを除いては同様
の方法で、この抗原を試験した場合には、強いシグナル
が得られた。このことから、このエピトープが少なくと
も部分的に配座的(コンホメーショナル)であることが
示唆される。さらに、NCAは高度の配列相同性を備えた
点でCEAと関係しており、GPIアンカーを備えているが、
PR1A3と反応しない。従って、GPIは、このエピトープに
十分なものではない。
実施例2:分子モデルおよびin vitro変異 抗体PR1A3の分子モデルは、抗体のCDR領域に通常のも
のではない二つの不対のネガティブチャージがあること
を示している。これらのチャージは、抗体によって認識
されたエピトープに相補的なチャージが存在することを
示唆しているのだろう(図9および10参照)。
CEAのB3ドメインの分析および他のファミリーメンバ
ーであるNCAとの比較により、抗原−抗体反応で重要な
役割を演ずるポジティブチャージを有する3つの残基が
あることが示唆された。この残基は、CEA B3ドメインの
610位および636位のリジンと514位のアルギニンであっ
た。抗体PR1A3によって認識されるエピトープにおける
個々のチャージの役割を調べるために、これらの残基を
リジンまたはアルギニンからアラニンに変えた。DNA配
列を変えることによりアミノ酸を変更することが可能で
ある。ポリメラーゼチェーン反応は、増幅プライマーの
一つに取り込まれる部分変異(ポイントミューテーショ
ン)を導入するために使用することができる。このフラ
グメントを、クレノウフラグメントを備えた平滑末端と
するか制限エンドヌクレアーゼで切断し、産物を配列決
定するために適切なベクターに連結する。あるいは、配
列の中部に変異を導入するために、ミューテーションを
包括する二つのフラグメントを互いにアニールし、相互
に開始される合成法(mutually primed synthesis)に
よって延長する。次いで、このフラグメントを切断し、
配列決定するのに適した適切なベクターに連結する。
TaqポリメラーゼおよびTaqリガーゼで増幅する際に、
リン酸化オリゴヌクレオチドを取り込むためにPCRを使
用することもできる(Michel,BioTechniques 16(3),
410−412)。
変異は、全体的に合成された遺伝子もしくは遺伝子の
一部の調製によっても導入することができる。
配列に変化を導入するのに使用した方法は、Kunkelの
方法(1985 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82,488−492)に
よるオリゴヌクレオチド向け変異誘発(oligonucleotid
e directed mutagenesis)である。
CEAの反復特性は、変異誘発を行うためにCEAのB3ドメ
インおよび下流配列が類似の上流配列から単離される必
要があることを意味する。この領域を、Cla I 5'部位と
Xba I 3'部位を導入するプライマーを用いて増幅し、こ
のフラグメントをpBluescript II KS−にクローン化し
た。このプラスミドを、チミジンの代わりに多量のウラ
シル残基を含むプラスミドを産生するE.coliのdut-ung-
F'株(CJ236)に形質転換した。一本鎖鋳型をヘルパー
ファージM13 K07を用いたスーパーインフェクション(s
uperinfection)で産生した。変異配列を含有するリン
酸化オリゴヌクレオチドをこの鋳型にアニールし、二本
鎖環状分子を産生するためにT4 DNAポリメラーゼおよび
リガーゼの存在下で伸長した。このヘテロ二本鎖分子を
野生株(dut+ung+)に導入することにより、ウラシル含
有野生型鎖の分離および変異鎖の複製を引き起こした。
コロニーを単離し、変異遺伝子型が存在することを確か
めるためにDNAの配列を決定した。
変異構造物の配列決定を行った後、これらのB3ドメイ
ンをBGPの1−314残基およびCEAの490−668残基からな
るキメラタンパクを作成するために用いた。これらの製
造物は、COS細胞で一時的に発現された場合に、PR1A3結
合に陽性であることが示された。
pCDM8に挿入してCOS細胞で発現した後に、免疫蛍光実
験によって、K2(リジン636→アラニン)およびR3(ア
ルギニン594→アラニン)変異を有する製造物はPR1A3に
もはや認識されないが、K1(リジン610→アラニン)変
異は結合に何の影響も与えないことが証明された(図10
参照)。これらの結果は、エピトープのK2およびR3残基
がPR1A3によって認識されることを示す。
実施例3:CEAに反応するモノクローナル抗体の調製およ
び特性 RichmanとBodmer(1987)の方法でCEAに反応するモノ
クローナル抗体を調製した。
組織、細胞、細胞培養 正常な大腸および結腸の腫瘍の新鮮なサンプルを用い
た。これらを、液体窒素で素早く凍結し−70℃で保存し
た。結腸外(extra−clonic)正常成人および胎児の組
織の冷凍サンプルを用いた。
使用した結腸癌腫セルラインは、異なる腫瘍に由来す
る。HT29結腸癌腫セルライン(FoghとTrempe,1975)
は、10%ウシ胎児血清(FCS)を含有する培地RPM1 1640
で、37℃、5%CO2を空気中に含み100%の湿度で維持し
た。LS174T、SW1222、SW48、SW620およびSW837結腸癌腫
セルライン(Tomら,1976;Leibovitzら,1976)を10%FCS
を含有するダルベッコの調節イーグル培地(Dulbecco's
modified Eagle's medium)で、37℃、10%CO2を空気
中に含み100%の湿度で維持した。
P3/NS1/1−Ag−4−1(NS1)は、8−アザグアニン
耐性BALB/cミエローマセルラインである。これを、10%
FCSと2x10-5M 6−チオグアニンを有するRPMI 1640で維
持した。
この研究で産生されたハイブリドーマは、20%FCS、1
0-4Mヒポキサンチン、1.6x10-5Mチミジンおよび10-5
トトレキセート(HAT)を有するRPMI 1640で最初に培養
した。クローニング後、ハイブリドーマ細胞からHATを
除き、10%FCSを有するRMPI 1640で維持した。
免疫材料 BALB/cマウスを4種の異なる標品で免疫した。
1.正常な結腸粘膜の検体。正常な大腸のサンプルをコル
ク板(cork board)上にピンでとめた。冷えた無菌リン
酸緩衝液A,pH7.4(PBS−A)で(10回)すすいだ後、粘
膜をメスでこすり落として粘膜筋板から切開した。粘膜
の検体を液体窒素で素早く凍結し、タングステンボール
ベアリング(tungsten ballbearing)を備えたポリプロ
ピレンバイアル中でパウダー状になるまで機械的に振動
を与えた。この物質を、0.2mlの完全フロイントアンジ
ュバントと0.2mlのPBS−Aで懸濁した。一度の接種につ
き、0.4mlのエマルジョン中の0.2gの湿組織(wet tissu
e)を動物に与えた。
2.正常な結腸上皮のクルードな膜調製物。新鮮な正常結
腸粘膜検体は上述のようにして調製した。湿組織1グラ
ムを、各膜調製物のために使用した。組織サンプルを、
ジチオトレイトール(DTT)を含有する10mlスクロース
バッファーに解かし(戻し)、Dounce−ホモジェナイズ
を行った(250mMスクロース−RNアーゼフリー:50mMトリ
エタノールアミン−HCl pH7.5;60mM MgCl2;2mM DTT)。
40000gで15分間遠心した後、核およびミトコンドリアの
ペレットを捨てた。その上清を30分間20000gで遠心し
た。このミクロソームペレットを、10mMのTris HCl pH
7.4中の40%スクロースに保持および再懸濁した。この
スクロース溶液を屈折計の値が1.392−5となるように
調節して、10mMのTris HCl pH7.4中の25%スクロース
(屈折計の値が1.375)を上層し、スクロース勾配を4
℃で65000gで15時間遠心した。膜を境界から回収し、10
mMのTris pH7.4で二度洗浄した;タンパク質含量をLowr
yら(1951)の方法で概算した。1gの湿組織から約1mgの
膜タンパクを回収した。注射用に、この膜をPBS−Aお
よび完全フロイントアジュバントに懸濁した。一度の接
種につき0.4mlのエマルションを動物に与えた。
3.HT29結腸癌腫セルライン。一度の接種につき、0.4ml
のPBS−Aに懸濁した2x106の生きたトリプシン処理細胞
を与えた。
4.免疫原としてのエピトープ。免疫原は、ハイブリッド
BGP−CEA B3−GPIタンパクを保有する細胞またはCEAのc
DNAまたはコスミドを移入した細胞である。CEA遺伝子を
移入したマウスのL細胞を、CEAに対する抗体を与える
のに適したマウスの系統を免疫するために用いた。CEA
を発現するヒト腫瘍細胞を使用することもできる。
免疫化とハイブリドーマの作成 以下のプロトコールに従って、腹腔内接種によって免
疫したBALB/cマウス由来の脾臓を用いて3つの融合(fu
sions)を行った。融合1と2では、粘膜の検体と正常
な結腸直腸の上皮の膜調製物で免疫および上昇(ブース
ト)させた(上記“免疫材料”参照)。融合3では、最
初の免疫化を正常な結腸の膜調製物で行い、次のブース
ター(二次免疫)接種をTH29結腸癌腫細胞で行った。各
融合の6週、2週および4日前にこれらの材料の腹腔内
注射を動物に行った。それぞれの場合に、脾臓を無菌状
態で取り出し、単一細胞懸濁液を機械的に調製し、RPMI
1640中の50%ポリエチレングリコール4000(Merck)を
用いて脾臓細胞を108NSIミエローマ細胞と融合した。こ
れらの細胞を、HAT+20%FCSを含むRPMI 1640および支
持細胞層のマウス脾臓細胞を入れた24または96ウェルプ
レートに塗布(プレート)した。このプレートを37℃、
100%の湿度、5%CO2の空気中でインキュベートした。
ハイブリドーマは、一般的に14−21日で顕微鏡で見るこ
とができる。所望のコロニーを同定するための最初のス
クリーニングをクローニングの前に行った。引き延ばさ
れたパスツールピペットで単一の細胞を拾うことによっ
て、これらのコロニーを二重にクローン化し、2mlのRPM
I 1640、HATおよび20%のFCSを上層したマウス脾臓細胞
支持層を備えた96ウェルのミクロタイタープレートの各
ウェルに移し、37℃、100%の湿度、5%CO2の空気中で
培養した。
抗体産生のスクリーニングアッセイ 全ての融合物からの抗体産生のスクリーニングを、間
接的イムノペルオキシダーゼ技術を用いて組織切片に対
して行った。クリオスタットの切片(6μm厚)を正常
な大腸の凍結立方体から切断した。この切片を、0.1%
ポリ−1−リジンで予備被覆(precoated)された10ウ
ェルマルチテストスライド(C.A.Hendley−Essex,Engla
nd)に載せ、室温で30分間空気乾燥した。この切片を15
分間アセトンで固定した。各ウェルを多湿のチャンバー
で室温で30分間20μlの非濃縮ハイブリドーマ組織培養
上清でインキュベートした。スライドをTrisバッファー
食塩水(TBS)pH7.6(1lの蒸留水中にTris,605mg、NaC
l,8g)で二度洗浄した後、5%正常ヒト血清を含有する
TBSに1:50で希釈したペルオキシダーゼ結合ウサギ抗マ
ウスイムノグロブリン(DAKO,コペンハーゲン、デンマ
ーク)と共に室温で30分間インキュベーションを行っ
た。このスライドをTBSで再度洗浄し、0.03%過酸化水
素を含有する10mlのTris HCl pH7.6中のジアミノベンジ
ジン(Sigma.St.Louis,MO)5mgの新鮮な濾過液に浸し
た。5分後に、水道水で洗浄することによってペルオキ
シダーゼ基質反応を止め、Heyerのヘマトキシリンで染
色し、アルコールで脱水してDPX(BDX、Poole,UK)に載
せた。
免疫組織化学法(Immunohistochemical methods) 1.ホルマリン固定組織の間接的イムノペルオキシダーゼ
染色。ホルマリン固定、パラフィン包理組織とMAbsとの
反応性を調べるために、正常大腸サンプルを(a)10%
中性緩衝化ホルマリンもしくは(b)酸性ホルマリン
(10%ホルマリン中に2%酢酸)のそれぞれに2時間固
定した。一定の処理をした後、3−4μmの切片を上述
の間接ペルオキシダーゼ技術で染色した(“スクリーニ
ング”参照)。染色の前に、メタノール中の0.5%過酸
化水素の新鮮な調製液を用いて室温で多湿のチャンバー
内で10分間組織片をインキュベーションすることによっ
て内因性のペルオキシダーゼ活性をブロックした。水道
水で洗浄した後、用いた固定液のタイプに関わらず3つ
の方法の一つでスライドを処理した。(i)直接的染
色;(ii)トリプシンで切断。切断用にスライドを蒸留
水中で37℃に温め、0.1%トリプシン(Sigma,type I
I)、0.1%CaCl2、NaOHでpH7.8に調節した新鮮な溶液に
5−40分間移した。(iii)他のプロテアーゼ溶液で分
解。温められたスライドを、TBS中のプロテアーゼ(Sig
ma,type IV),0.025%pH7.6の溶液に5−15分間移し
た。
上記(i)および(ii)では、酵素反応を冷えた流水
で止めた。水とTBSで洗浄した後、分解された切片を間
接的なイムノペルオキシダーゼ技術で染色した。
2.凍結組織切片の間接イムノペルオキシダーゼ染色。正
常な大腸の凍結切片、他の正常な組織および結腸の腫瘍
を上述のように調製した(“スクリーニング”参照)。
これらを4ウェルのマルチテストスライド(C.A.Hendly
−Essex)に拾い、染色した。これらは酵素分解され
ず、内因性ペルオキシダーゼ活性はブロックされていな
かった。全ての組織をMeyerのヘマトキシリンで染色
し、段階的なアルコールで脱水し、キシレンでクリアー
にしてDPXに載せた。
3.凍結切片の免疫蛍光。正常な結腸組織と一部の腫瘍の
両方の凍結切片を、間接的免疫蛍光によって調べること
もできる。アセトンで15分間固定した後、切片をリン酸
緩衝食塩水(PBS)で洗浄した。切片を多湿チャンバー
で30分間20μlの非濃縮ハイブリドーマの上清でインキ
ュベートし、PBSで3度洗浄し、PBSに1:40で希釈した蛍
光結合ウサギ抗マウスIgG(DAKO)でさらに30分間イン
キュベートした。PBSでさらに3度洗浄して、蒸留水で
最後の洗浄を行った後、切片をGelvato 20/30(Monsant
o,Springfield,MA)に載せ、エピフルオレセンス(epif
luorescence)を備えたLeitz Orthoplan顕微鏡で観察し
た。
4.セルラインの免疫細胞化学的試験。癌腫系統の細胞
を、スライドガラス状で生育する。PBS−Aでこれらを
三度洗浄し、生きているものか10分間アセトンで固定し
たもののいずれかを染色する。
5.コントロール。免疫組織化学的(Immunohistochemica
l)染色は、一次層として非ハイブリドーマ組織培養培
地(10%FCSを含むRPMI 1640)の使用によって調節され
る。さらに、イムノペルオキシダーゼ染色用の第二の抗
体酵素複合体およびジアミノベンジジン溶液も別々に使
用した。免疫蛍光には、FITC結合ウサギ抗マウスIgGを
単独で使用することができる。これらの試薬による非特
異的染色は観察されなかった。
結腸直腸腫瘍の評価 結腸腺癌は、ヘマトキシリンおよびエオシン(eosi
n)で染色された切片を用いてBlenkinsoppら(1981)の
基準で組織学的に分類された。各抗体に対して、腫瘍を
“陰性”(全く反応しない細胞)、“不均一”(ある細
胞は反応する)もしくは“陽性”(全ての細胞が反応)
と評価した。同じ腫瘍の異なる細胞間、もしくは腫瘍細
胞と隣接した正常な上皮との間の染色強度の違いは時々
観察されたが定量しなかった。
抗体は、空気乾燥してカバーガラス上にアセトン固定
したCEA陽性細胞を用いて間接的免疫蛍光アッセイでス
クリーニングできる。また、CEAを有する細胞全体また
は組織切片が使用され、ELISAまたはラジオイムノアッ
セイ(IRA)で調べることができる。
CEA発現セルラインに陽性、BGP−およびNCA−発現セ
ルラインに陰性、BGP−CEA B3−発現およびBGP−CEA B3
−BGPTM−発現セルラインに陰性である抗体は、本発明
の抗体を含むものである。
実施例4:CEAに対して反応する単一特異的ポリクローナ
ル抗体の調製 CEAに対して反応する単一特異的ポリクローナル抗体
を調製するために、適切な動物(ウサギ、ヤギ等)をBG
P−CEA B3−GPIで免疫化する。次いで、BGP反応性抗体
を除去して本発明に係るCEA反応性抗体を残すために、
このようにして得られた抗血清を、精製したBGPまたはB
GPを発現する細胞で吸収する。
実施例5:結腸癌のラジオイムノシンチグラフィー(RI
S) Nuclear Medicine,trends and possibilities in nuc
lear medicine,pp.531−534 SchmidtとBuraggi(ed
s.),Schattauer,New York.にGranowskaら(1989)が記
載したRISに抗体を用いる。実施例2の方法で得られた
モノクローナル抗体を、Hnatovichら(1987)の二価性
キレート法を用いてインジウム−111で標識する。イメ
ージングは、メディアム・エナジー・パラレル・ホール
‘ガリウム’コリメーターを備え、Nodecrest V77コン
ピューターに連結されたSiemans75チューブ・ディジト
ラック回転ガンマカメラセットを用いて行われる。イメ
ージは、透明なフィルム上およびコンピューターのディ
スプレイ上にカラーで表示される。
最初のあるいは再発が疑われる結腸直腸癌患者が、外
科医によって選択されRISを受ける。この研究は、保険
社会福祉省(Department of Health)の放射活性物質投
与顧問委員会(Administration of Radioactive Substa
nces Advisory Committee)に承認されている。サイン
の入った通知された同意書を各患者から得られた。外因
性のタンパクにアレルギーの経験がある患者または、抗
体に対して陽性の皮膚試験を有する患者は除外する。低
い直腸の腫瘍を有する患者は、リンホシンチグラフィー
(lymphoscintigraphy)を行うために抗体の直腸の粘膜
下注入として多様のものを用いて研究された。
既知の量の活性の2−3mCi(80−120MBq)の注入後、
イメージングを、放射の断層撮影法(トモグラフィー)
で直ちに、時には4時間、24時間後に行い、さらに48、
72もしくは96時間後に行った。患者の還納(reposition
ing)および各時点における像をチェックするためにボ
ーン・ランド−マーク(the bone land−marks)に見ら
れる6つの放射活性マーカー源と共に、下方の胸部およ
び上方の腹部、および下方の腹部および骨盤の前方およ
び後方の像を得る。ガンマカメライメージも、摘出され
た外科的検体から作成される。腫瘍の組織学的な段階お
よび等級付けが行われる。標準および適切な背景サンプ
ルと共に、腫瘍に関係するかしないかがわかっている腫
瘍、近接する粘膜およびリンパ節の試料を選別し、カウ
ントする。連続的な血液および尿のサンプルもまたアッ
セイされる。
24時間での血液クリアランスは、平均で5分のサンプ
ル体積を100%として注射量の51%;48時間で33%、並び
に72時間で27%である。尿での排出は、3%未満であ
る。
最初のおよび再発性の結腸直腸癌のイメージは、質が
高い。腫瘍部位は、4時間ほどで腹部および骨盤にはっ
きりと同定される。時がたつにつれて、徐々に活性を上
昇させる早期イメージでは、焦点欠陥として肝臓転移が
同定される。In−111抗CEA(すなわち、PR1A3によって
認識されるエピトープを認識しない抗CEA抗体)で慣れ
ているものより正常な腸での取り込みがかなり低い。骨
髄と肝臓の取り込みは似ている。間違った陽性もしくは
間違った陰性の結果は得られない。平面画像が良好であ
ったので、単一のフォトンの放出トモグラフィーは特定
の利益があるものではない。
外科的な被検物のイメージングは、腫瘍およびポリー
プが高度の取り込みを備えること、並びに他のCEA抗体
(PR1A3によって認識されるエピトープを認識しないも
の)と違って正常な節は視認されないことを示す。粘膜
に対する腫瘍の割合は、47:1と高い。ほとんど分化して
いない腫瘍は、この抗体をかなり良く取り込み、平均し
てIn−111抗CEA(PR1A3によって認識されるエピトープ
を認識しない)より優れている。
実施例6:マウスモノクローナル抗体のヒューマナイジン
グ(CDR移植) モノクローナル抗体の種々の領域をコードする相補的
DNA(cDNA)をクローン化して配列決定した。重鎖V領
域のPCRクローニングに使用したプライマーはOrlandiら
(1989)のものであり、軽鎖V領域に用いたものはJone
sとBendig(1991)のものであった。それぞれの場合
で、二つの配列が与えられ、それぞれ親のNS1軽鎖およ
び重鎖のもの、および重鎖と軽鎖に独特の配列である。
独特な配列の特異性を確かめるために、これらを、マ
ウス抗体V領域がヒトの定常領域に融合されたヒト−マ
ウスキメラ抗体として発現させた。マウス抗体VH領域ク
ローンは、PCR技術でヒトIgG1重鎖NEWM(Kabatら(199
1)上述)のC領域のcDNAクローンに連結した(図1参
照)。マウス抗体VL領域をPCR技術によってヒトκ軽鎖R
EI(Kabatら(1991)上述)のcDNAクローンに連結した
(図2参照)。
NEWM配列はPoljakら(1977)Biochemistry 16,3412−
3420に開示され、REI配列はPalmとHilschmann(1973)
Z.Physiol.Chem.354,1651−1654に開示されており、参
照としてこれらの両方をここに取り込む。
キメラ軽鎖および重鎖を発現ベクターpCDM8に挿入
し、二つのプラスミドをCOS細胞に共移入(co−transfe
cted)した。培養して8日後、約1μg/mlの抗体レベル
をヒトIgG Fc特的ELISAで調べ、このキメラ抗体はPR1A3
が同定する決定基を備えたヒトの胃癌腫セルラインMKN4
5細胞上に陽性免疫蛍光染色を与えた。
V領域のDNA配列は、ヒューマナイズ化した抗体を設
計するのに用いられた。データベースの分析により、マ
ウス抗体に類似したヒト抗体の選択が可能である(約75
%の相同性)。このヒト抗体の配列は、オーバーラッピ
ングオリゴヌクレオチドおよびPCRから構成され、次い
でNEWM重鎖のcDNAに連結されたヒューマナイズ化された
抗体の配列を設計するための鋳型として用いられる。
マウスの軽鎖は、ヒトの軽鎖に対して70%の相同性を
有していた。次いで、この軽鎖を、LewisとCrowe(199
1)の方法によりオリゴヌクレオチドおよびPCRを用いて
ヒューマナイズ化されたPR1A3軽鎖を作成するための鋳
型として用いた。
方法 重鎖(図6参照) 合成オリゴヌクレオチド,1−6は、モノクローナル抗
体の重鎖の可変領域をコードする。これらのオリゴヌク
レオチド(90mers)は、各配列オリゴヌクレオチド間に
12塩基対のオーバーラップ(重複)があり、DNAのセン
スもしくはアンチセンス鎖をコードする。オリゴヌクレ
オチド対間のプライマーダイマーフォーメーションを起
こした後に、PCR増幅を行う。
定常領域は、プラスミド内に含まれたヒト重鎖配列か
ら開始された。これらのプライマーに取り込まれたもの
は、可変領域の3'末端との5'のオーバーラップおよび遺
伝子の3'最末端のクローニング部位である。
PCRの条件 軽鎖(図7参照) 軽鎖を重鎖と同様の方法で作成した。オーバーラッピ
ングフラグメントを産生するためにプライマー1+2、
3+4、5+6、7+8をPCR増幅した。用いたプログ
ラムは、重鎖と同様である。次いでこのフラグメントを
以下のPCRプログラムに用いて連結した。
最初にフラグメントだけを添加する。
外側のプライマーを添加する。
この作成物の鋳型は、プラスミド内に含まれていたヒ
ト軽鎖配列であった。プライマー(20−30mers)は、ヒ
トのフレームワークに相補的な3'領域および外因性の5'
領域(制限酵素部位または部分的なモノクローナル抗体
CDR)を有するように設計された。このフレームワーク
を増幅し、5'外因性配列をこの増幅の間に取り込んだ。
個々のフラグメントを末端でオーバーラップさせ、完全
な遺伝子を形成すべくオーバーラッピングPCRによって
結合させた。
軽鎖および重鎖を発現ベクターpCDM8に挿入し、抗体
をCOS細胞で発現させ、MKN45細胞に対する結合活性を免
疫蛍光法によって確かめた。
PR1A3のV領域は、X線結晶学的研究から知られた抗
体の構造の相関性(co−ordinates)を用いてモデル化
した。相補性決定領域(CDRs)は、Chothiaら(1992)
から引き出されたカノニカル(canonical)ループ構造
を用いたフレームワーク構造に適合するものであった。
このモデルの顕著な特徴は、付加的な残基を含むことで
あり、軽鎖のCDR3にチロシンならびに重鎖のCDR2と重鎖
のCDR3にグルタミン酸残基を一つずつ含むことである。
二つのグルタミン酸は、不対のチャージである点で変わ
っているが、CDR3−Lの付加的なチロシンがこのループ
をねじらせ、構造を安定化するためにCDR3−Lループの
二つのチロシンとVHの不対グルタミン酸との間に塩橋を
形成する。これらの特徴があることにより、これらが抗
原認識のキーポイントであり、このエピトープが陽性チ
ャージを有することが強力に示唆される。
マウスPR1A3重鎖V領域を配列決定することにより、C
DR1−Hの最初のアミノ酸の二つの残基の選択が一貫し
て与えられ、バリンとグルタミンの両方が見出された。
両方のイソタイプのキメラ抗体は、MKN45細胞を用いた
免疫蛍光的研究で同様に活性であり、モデル化は、両方
のアミノ酸を構造上強いられる拘束のない場所に位置さ
せる。
実施例7:細胞のアセトン固定と結合の決定 細胞懸濁液、約105細胞/リン酸緩衝塩溶液(PBS)m
l、を顕微鏡のスライドガラスに滴下し、乾燥させ、10
分間アセトンに浸してPBSですすいだ。もしくは、10%
ウシ胎児血清を含有するRPMI 1640等の培養液を含有す
るペトリ皿にカバーガラスを配置し、細胞をこのカバー
ガラス上にまく。次いで、このペトリ皿を48〜72時間、
37℃でインキュベートし、ペトリ皿から移し、PBSです
すぎ、10分間アセトンに浸してPBSですすぐ。このスラ
イドガラスまたはカバーガラスを適切な試験抗体とイン
キュベートして洗浄した。この試験抗体は、この細胞に
結合するか否かのいずれかである。
試験抗体の結合を調べるために、フルオレセインイソ
チオシアナート(FITC)で標識した抗種抗体(anti−sp
ecies antibody)を添加して細胞を洗浄した。結合は、
蛍光を測定して調べた。
マウスIgGを試験抗体とする場合には、FITC結合ヒツ
ジ抗マウス抗体(Sigma Chemical Co,Poole,Dorset,U
K)をプローブとして用いる。
結合の研究に用いた細胞は、結腸癌腫セルラインHT−
29(ATCC HTB 38);CEA cDNAを移入したCOS−7細胞;
および実施例1に記載したDNAキメラ作成物のいずれか
を移入したCOS−7細胞である。
COS−7細胞の移入は、エレクトロポレーションによ
る。
エレクトロポレーション:200μgのプラスミドDNAを、1
07−108細胞/mlの濃度のPBS中の0.8mlの細胞と混合し
た。細胞をBio−Rad Gene Pulserを用いて1kv、25μFD
のキャパシタンスでパルスした。細胞を少なくとも10分
間氷上に置いてから培養液に移した。37℃で一晩インキ
ュベーションした後に新鮮な培地を細胞に添加した。
実施例8:マウスモノクローナル抗体のヒューマナイズ化
(キメラ融合) マウスモノクローナル抗体の種々の領域を、配列の5'
末端にHind III制限部位を添加し、3'末端がヒト抗体RE
Iのκ鎖の定常ドメインの5'末端とオーバーラップする
領域を有するように設計したプライマーを用いたPCRで
増幅した。これは標準的な増幅工程を用いて増幅される
(95℃で1分間の後、95℃で1分間、60℃で2分間、72
℃で2分間のサイクルを30回繰り返し、最後に72℃で10
分間)。このREIκ定常フラグメントを、モノクローナ
ル抗体κ可変部位の3'末端との5'オーバーラップと3'Xb
a I部位を添加するプライマーで同じ条件で増幅する。
これらのフラグメントを結合させ、相互開始合成(mutu
ally primed synthesis)で伸長して、マウスモノクロ
ーナル抗体のκ鎖の可変領域とヒト抗体REIのκ鎖の定
常ドメインとを含有する配列を作成した。PCRの条件
は、両方のフラグメントを含有する反応を95℃で2分間
および72℃で4分間で7回増幅し、その後、外側プライ
マーを添加して標準増幅工程を行う。
重鎖を、マウスモノクローナル抗体の重鎖の可変領域
とヒト重鎖のNEWMの定常ドメインとを用いて類似の方法
で作成した。
これらのフラグメントをHind IIIとXba Iを用いた制
限エンドヌクレアーゼ分解によって取り出した。これら
をベクターpCDM8に個別に配置し、COS細胞に共移入(co
−transfected)した。キメラ抗体が培地に分泌され、M
KN45細胞の表面に発現したCEAに対する免疫蛍光によっ
て試験するとマウスを起源とする構成物の特徴の全てを
示した。
参考文献 Batesら(1992)FEBS Lett 301,207−214. Blenkinsoppら(1981)J.Clin.Path.34,509−513. Chothiaら(1992)J.Mol.Biol.227,799−817. Clacksonら(1991)Nature 352,624−628. Ferguson(1992)Biochem.Soc.Trans.20,243−256. Fogh & Trempe(1975)“New human tumor cell line"
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───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12N 15/09 G01N 33/574 E G01N 33/53 33/577 B 33/574 C12N 15/00 C 33/577 A (72)発明者 ダービン,ヘルガ イギリス国 ロンドン WC2A 3P X ピーオー ボックス 123 リンカ ーンズ イン フィールズ 44 インペ リアル キャンサー リサーチ ファン ド (72)発明者 スネイリー,デイビッド イギリス国 ロンドン EC1A 7B E バーソロミュー クロース 59 ド ミニオン ハウス エスティー バーソ ロミューズ ホスピタル アプライド ディベロップメント ラボラトリー イ ンペリアル キャンサー リサーチ フ ァンド (72)発明者 スチュワート,ローナ マリー ダイエ ット イギリス国 ロンドン EC1A 7B E バーソロミュー クロース 59 ド ミニオン ハウス エスティー バーソ ロミューズ ホスピタル アプライド ディベロップメント ラボラトリー イ ンペリアル キャンサー リサーチ フ ァンド (72)発明者 ヤング,スーザン イギリス国 ロンドン EC1A 7B E バーソロミュー クロース 59 ド ミニオン ハウス エスティー バーソ ロミューズ ホスピタル アプライド ディベロップメント ラボラトリー イ ンペリアル キャンサー リサーチ フ ァンド (72)発明者 ベイツ,ポール アラン イギリス国 ロンドン WC2A 3P X ピーオー ボックス 123 リンカ ーンズ イン フィールズ 44 インペ リアル キャンサー リサーチ ファン ド (56)参考文献 特開 平2−154696(JP,A) 特開 平5−186500(JP,A) 特開 昭63−254992(JP,A) Br.J.Cancer,(1990)V ol.62,Suppl.X,pp.30− 33 Int.J.Cancer,(1987) Vol.39,pp.317−328 European Journal of Nuclear Medicin e,1993,Vol.20,No.8,p. 690−698 Cancer Immunol.Im munother.,1999,Vol. 47,p.299−306 Molecular Immunol ogy,1982,Vol.19,No.12, p.1641−1648 Cancer Letters, 1991,Vol.56,No.2,pp. 173−179 Int.J.Cancer,1989,V ol.44,No.3,pp.424−433 Int.J.Biol.Marker s,1992,Vol.7,No.3,p p.203−209 Biomed.Biochim.Ac ta,1991,Vol.50,No.12,p p.1261−1267 Jpn.J.Cancer Re s.,1992,Vol.83,No.5,p p.505−514 American Journal of clinical Pathol ogy,1990,Vol.94,No.2, p.157−164 Journal of Surgic al Oncology,1989,Vo l.42,p.39−46 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA.,May 1994,Vol. 91,p.4313−4317 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 C12P 21/08 C07K 1/00 - 19/00 G01N 33/50 - 33/98 BIOSIS/WPI(DIALOG) PubMed CA(STN) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)膜結合性ヒト癌胎児性抗原と結合
    し、(ii)ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基に結
    合(N−C)したヒト癌胎児性抗原の490残基〜C末端
    からなるハイブリッドポリペプチドと結合し、(iii)
    ヒトの胆汁糖タンパク質に結合せず、かつ(iv)可溶性
    でCOS細胞から分泌される、ヒトの胆汁糖タンパク質の
    1〜314残基に結合(N−C)したヒト癌胎児性抗原の4
    90〜643残基からなるハイブリッドポリペプチドと結合
    しない抗体もしくはその断片または抗体のVHおよびVL
    域を含む抗体様分子であって、ただし、IgG1グループII
    A重鎖とκグループV軽鎖とを備える完全なマウスモノ
    クローナル抗体であって、そのVH鎖の配列が、 であるか、あるいは、VHCDR1の最初のアミノ酸残基がグ
    ルタミンであること以外は上記配列と同じである配列で
    あり、かつ、これらいずれの場合でも前記完全なモノク
    ローナル抗体におけるVL鎖の配列が である完全なマウスモノクローナル抗体を除く抗体もし
    くはその断片または抗体のVHおよびVL領域を含む抗体様
    分子。
  2. 【請求項2】単一特異的抗体である請求項1記載の抗
    体、断片、または抗体様分子。
  3. 【請求項3】Fab様分子、Fv分子、シングルチェーンFv
    (scFv)分子、およびシングルドメイン抗体(sAbs)か
    らなる群から選択される、請求項1記載の抗体、断片、
    または抗体様分子。
  4. 【請求項4】ヒトフレームワーク領域と、請求項1に記
    載されたVH鎖とVL鎖の少なくとも一つの相補性決定領域
    を有する抗体であって、VH鎖のCDR1がVFGMN、CDR2がWIN
    TKTGEATYVEEFKGおよびCDR3がWDFYDYVEAMDYであり、VL
    のCDR1がKASQNVGTNVA、CDR2がSASYRYSおよびCDR3がHQYY
    TYPLFTとされた抗体である請求項1記載の抗体、断片、
    または抗体様分子。
  5. 【請求項5】抗体がモノクローナル抗体である請求項4
    記載の抗体、断片、または抗体様分子。
  6. 【請求項6】さらに直接的または間接的な細胞毒性分子
    を備えた請求項1ないし5のいずれか一項に記載の抗
    体、断片、または抗体様分子を含む分子。
  7. 【請求項7】さらに検出可能な標識を備えた請求項1な
    いし5のいずれか一項に記載の抗体、断片、または抗体
    様分子を含む分子。
  8. 【請求項8】(i)ヒト癌胎児性抗原と結合し、(ii)
    ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基に結合(N−
    C)したヒト癌胎児性抗原の490の残基〜C末端からな
    るハイブリッドポリペプチドと結合し、かつ(iii)ヒ
    トの胆汁糖タンパク質に結合しない単一特異的抗体を選
    択するように、抗体のプールをスクリーニングすること
    を含む、請求項2記載の単一特異的抗体の製造方法。
  9. 【請求項9】単一特異的抗体がモノクローナル抗体であ
    り、抗体のプールがモノクローナル抗体のプールである
    請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】プール内の抗体が、組換えDNA方法によ
    って製造された抗体である請求項8記載の方法。
  11. 【請求項11】抗体の結合部位が、レプリカベクターの
    表面に提示される請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】レプリカベクターがバクテリオファージ
    である請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】請求項8ないし12のいずれか一項に記載
    の方法によって得られる単一特異的抗体であって、 ただし、IgG1グループII A重鎖とκグループV軽鎖とを
    備える完全なマウスモノクローナル抗体であって、その
    VH鎖の配列が、 であるか、あるいは、VHCDR1の最初のアミノ酸残基がグ
    ルタミンであること以外は上記配列と同じである配列で
    あり、かつ、これらいずれの場合でも前記完全なモノク
    ローナル抗体におけるVL鎖の配列が である完全なマウスモノクローナル抗体を除く単一特異
    的抗体。
  14. 【請求項14】ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基
    に結合(N−C)したヒト癌胎児性抗原の490残基〜C
    末端からなるハイブリッドポリペプチド。
  15. 【請求項15】ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残基
    に結合(N−C)したヒト癌胎児性抗原の490〜643残基
    からなるハイブリッドポリペプチド。
  16. 【請求項16】ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残
    基、ヒト癌胎児性抗原の490〜644残基、ヒトの胆汁糖タ
    ンパク質の391〜430残基の順で結合(N−C)したハイ
    ブリッドポリペプチド。
  17. 【請求項17】ヒトの胆汁糖タンパク質の1〜314残
    基、ヒト癌胎児性抗原の490〜642残基、ヒトの胆汁糖タ
    ンパク質の387〜430残基の順で結合(N−C)したハイ
    ブリッドポリペプチド。
  18. 【請求項18】請求項1ないし5および7のいずれか一
    項に記載の抗体、断片、または抗体様分子からなる結腸
    直腸癌の診断剤。
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