JP3549536B2 - 神経単位細胞、神経単位細胞取得方法および化合物のスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
本発明は成長期および成人期脊髄器官中の神経系細胞の成長と生存を調整する標的由来神経栄養的要因の分野に関するものであり、さらに詳しくは、神経単位細胞、神経単位細胞取得方法および化合物のスクリーニング方法に関するものである。本発明が提供する神経単位細胞はNGFレセプター遺伝子NTRK1の腫瘍形成バージョンを含んだものであり、NGFの非存在下に神経単位分化と真核生物発現ベクターを呈するものである。該神経単位細胞を取得する方法においては、NTRK1抽出腫瘍形成体を神経単位宿主細胞に導入する。本発明のインビトロ細胞培養システムは中枢および末梢神経システムのトラウマ的および神経退化的病気の治療を目指す研究、およびチロシン−キナーゼ抑制剤のスクリーニングに有用である。
【発明の背景】
脊椎動物生体中の神経系の形態形成は、神経細胞が、成長および移動中、発育組織の適当な標的領域を見い出し、投射することを保証する必要のある、相異なった生化学的および分子的事象の複雑な相互作用に関係する。細胞間相互作用や、細胞と細胞外床のシグナル供与性成分との相互作用とは別に、細胞の成長と生存を調節する標的由来神経栄養因子は、これらの過程に於いて不可欠な役割を演じる。また、大人の生体に於ける神経単位連結の維持と生育性は、神経栄養因子の有効性とそれに対する応答性によって強く影響されるものと信じられている。交感神経系と知覚および中枢神経系の一部の神経単位の発育、分化、生存を制御することが示されている神経成長因子の発見と単離[R.Levi−MontalciniとP.Angeletti,"Physiol.Rev.",48,534−569(1968);H.ThoenenとY.A.Barde,"Physiol.Rev.",60,1284−1325(1980);S.R.WhittemoreとA.Seiger,"Brain Res.",434,439−464(1987);H.Thoenenら、"Rev.Physiol.Biochem.Pharmacol.",109,145−178(1987)]は、神経組織中で活性な栄養因子の最初の例を提供した。その間、NGFと構造的ならびに機能的類似性を共有する別の神経栄養因子が、インビトロ神経栄養因子の概念の適切さを強調して、所詮“ニューロトロフィン”の成長ファミリーに付け加えられた。
中枢ならびに末梢神経系の種々の神経退行性疾患に対するNGFの考えられる関係は、NGF誘発シグナル形質導入の研究を主な科学的興味の主題とする。例えば、認識機能にとって重要であることが知られている基底前脳核のコリン性神経単位は、アルツハイマー病の場合、一貫して退行変化を行う。これらの神経単位は、NGFに対して応答性を有し[F.HeftiとW.J.Weiner,"Ann.Neurol.",2 0,275−281(1986)]、それらの退行は、NGF応答性の減少またはNGFの有効性の制限を伴い得る。また、損傷の際、哺乳動物の中枢神経系の神経単位の再生能力が低いことは、標的由来NGFまたは他のニューロトロフィンの供給が十分ではないことにも一部依存し得るし、たぶん、これら因子の外因性適用によって改善し得る。神経単位細胞に於いて、NGFによって誘発される分子的事象を詳細に知ることは、この分野にとって重要なことであろうし、神経系の疾患の処置に対する新しい概念の開発方法を供給することを約束する。
これらの配景は、NGF作用に応じる分子機構を発見することを最終の目的とする、神経単位細胞表面上のNGFレセプターに対する調査を鼓舞した。NGFは、低親和性NGFレセプターと高親和性NGFレセプターとして異なる親和力によって生化学的に区別することができる神経単位細胞表面上の2つのタイプのレセプターと相互作用することが判明した。低親和性NGFレセプター(LNGFR)の分子ベースは、10-9MのKdを有するNGFを結合する、75,000ダルトンの分子量を有する膜内外糖蛋白質[p75,あるいはp75NGFRとも表す;D.Johsonら,"Cell",47,545−554(1986);M.J.Radekeら,"Nature",325,593−597(1987)]によって表され、神経単位細胞と同様に非神経単位細胞についても表現される。しかしながら、その表現の細胞型の特異度が低いことと、シグナル形質導入を調停することが知られている他の膜内外レセプターの細胞間ドメインに於ける配列との重要な相同が欠けていることは、p75が、それ自身機能性レセプターとして機能することができるようには思えないようにしている。さらに、NTRK1原腫瘍形成遺伝子(proto on cogene)によってコード化され、当初、非神経組織中の腫瘍に応じて形質変換因子として、転位した腫瘍形成遺伝子バージョンに於いて同定されていた[D.Martin−Zancaら,"Nature",319,743−748(1986)]レセプターのチロシン−キナーゼファミリーのメンバーである、140,000ダルトンの膜内外糖蛋白質(NTRK1;文献中では、Trk、TrkA、p140trk、gp140trkあるいはp140prototrkとも表す)が、NGFのレセプターであることが判明[D.Kaplanら,"Science",252,554−558(1991);R.Kleinら,"Cell",65,189−197(1991)]し、高親和性NGFレセプター(HNGFR)の原因または一部であることが提案された。現在に至るまで、NTRK1が、インビトロのHNGFRの唯一の成分であるのか、あるいは、p75NGFRまたは他の補助蛋白質と協力して作用すべきかについては、未だかなりの論争はあるけれども、NTRK1蛋白質それ自身が、NGFの結合にとって十分であり[この相互作用の平衡結合定数は、論争事項ではあるが;R.Kleinら,"Cell",65,189−197(1991);D.Kaplanら,"Science",252,554−558(1991);B.Hempsteadら,"Nature",350,678−683(1991)]、神経単位細胞のNGF誘発生存と分化を調停するのに十分である[C.F.Ibanezら,"Cell",69,329−341(1992)]ことが示されている。
機能性NGFレセプターの同定と分子クローニングは、レセプター−配分子複合体の形成に始まり、遺伝子表現と細胞代謝に於ける長期変化で終了する、NGF適用の際に観察される代謝変化ならびに形態変化に至る、細胞のシグナル形質導入カスケード中に起こる生化学的事象を系統的にモニターすることの可能性を広げた。これらの事象を生化学的に特徴づけする最も一般に用いられる系は、アドレナリン神経稜細胞起源の副腎腫瘍から誘導されるラットのPC12好クローム性細胞腫細胞であり[A.S.TischlerとL.A.Greene,"Nature",258,341−342(1975)]、この細胞は、NGFレセプターの亜型、即ち、LNGFRとHNGFRの両方を表現する。数日間に亘るNGF処理の結果、PC12細胞は、分裂を停止し、興奮膜を発生し、神経単位プロセスを進行し、交感神経性神経単位発現型に分化する。これらの特徴は、PC12細胞を、神経単位分化の誘発に必要な分子的事象を研究するためのインビトロ細胞培養系用のパラダイムとした、率直に、しかもしっかりと記載した培養条件を付随する。しかしながら、この系の利点にもかかわらず、分子代謝に於けるNGF誘発変化について急激に蓄積した知識は、NGFとPC12細胞中の上皮成長因子(EGF)によって引き起こされる効果の比較によってもっとも良く例示することができるジレンマへと導いた。
NGFと同様に、EGFは、erbB原腫瘍形成遺伝子によってコード化される膜内外チロシンキナーゼレセプターとの相互作用によってPC12細胞上で生化学的効果を発揮する。細胞周期からの停止と分化を誘発するNGFに反して、EGFは、有糸分裂促進剤として働き、増殖を促進する。かかる互いに異なる生物学的効果を調停するために求められる第二のメッセンジャー機構は、かなり異なることが予測された。しかしながら、驚くべきことに、両因子とも、細胞間シグナル形質導入事象とお互いに区別がつかない遺伝子表現の変化を開始することが判った。例えば、遺伝子表現上の効果については、PC12細胞へのNGF処理とEGF処理の両方とも、同等レベルで、しかも同様の時間で、直接の初期遺伝子の活性化をもたらす[M.E.Greenbergら,"Biol.Chem.",260,14104−14110(1985)]。また、波打ち膜による運動[P.J.Seeleyら,"J.Cell Biol.",98,417−426(1984)]、Na+/K+輸送[J.Boonstraら,"J.Cell Biol.",97,92−98(1983)]、細胞癒着、グルコース摂取[K.Huffら,"J.Cell Biol.",8 8,189−198(1981)]のような細胞反応に於けるほぼ同じ増加が、NGFまたはEGFの何れかを用いた時に観察された。さらに、増加した細胞蛋白質のチロシンのリン酸化反応のパターンは、EGF処理の細胞のものとNGF処理の細胞のものともお互いに非常によく似ている[P.Maher,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA.",85,6788−6791(1988)]。面白いことに、EGFと同様、NGFも、当初、細胞分裂促進性シグナルの形質導入の特徴であるシグナル事象と考えられていたホスホリパーゼC−τのリン酸化反応を引き起こす[U.H.Kimら,"J.Bio.Chem.",266,1359−1362(1991);M.L.Vetterら,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA",88,5650−5654(1991)]。
神経単位発現型の確立に於ける腫瘍形成遺伝子の役割に注意を向けた研究を行っているうちに、活性化した腫瘍形成遺伝子または腫瘍蛋白質の何れかをPC12細胞に導入すると、Ha−ras由来遺伝子、N−ras由来遺伝子やレトロウイルス性ras由来遺伝子によってコード化された蛋白質は、PC12細胞分化を誘発することができることが示された[I.Guerreroら,"J.Cell.Physiol.",129,71−76(1986);D.Bar−SagiとJ.R.Feramisco,"Cell",42,841−848(1985);M.Nodaら,"Nature",318,73−75(1985)]。また、新たに分離した鶏の胎児の神経単位の生存と軸索生長のためのp21rasの促進の役割が、NGFにより用いられるシグナル経路におけるras蛋白質の包含を示唆するものとして証明することができた[G.D.Borasioら,"Neuron",2,1087−1096(1989)]。この概念の更なる証拠が、顕微注射の際、抗p21ras抗体が、PC12細胞におけるNGF誘発分化をブロックすることができると云う観察によってもたらされた[N.Hagagら,"Nature",31 9,680−682(1986)]。PC12細胞におけるras優性の陰性突然変異体のトランスフェクションは、分子レベルにおいて、p21rasが、NTRK1蛋白質のNGF誘発自己リン酸化反応の流れに沿う事象に影響を及ぼすことを示した[S.M.Thomasら,"Cell",68,1031−1040(1992);K.W.Woodら,"Cell",68,1041−1050(1992)]。しかしながら、MAPキナーゼとPSKのリン酸化反応が、EGFによって誘発され[T.Mutohら,"J.Biol.Chem.",263,15853−15856(1988);T.Miyasakaら,"J.Biol.Chem.",265,4730−4735(1990)]、あるいは他の成長因子によって誘発されることも知られている。さらに、GTP結合と加水分解によって決定される、EGFによる細胞ras蛋白質の活性化は、NGFによる活性化[M.S.QuiとS.H.Green,"Neuron",7,937−946(1991)]とは区別がつかず、このことは、p21rasの活性とp21rasの活性化の流れに沿う事象が、NGFまたはEGFの何れかによる処理の際、同じように影響を受けることを示している。
ras腫瘍形成遺伝子生成物と同様に、v−src腫瘍形成遺伝子によってコード化された蛋白質は、神経単位分化の誘導質であることが判り[S.Alemaら,"Nature",316,557−559(1985)]、その機能は、ras活性化の前に求められることが示唆された[N.E.Kremerら,"Neuron",7,937−946(1991)]。src原腫瘍形成遺伝子の生成物であるpp60c-srcの機能については、知られていない。しかしながら、それが、細胞癒着分子であるN−CAM、L1やMAGによって引き起こされるシグナルの形質導入にもたぶん包含されることが示された[J.R.Atashiら,"Neuron",8,831−842(1992)]。NGFによって専ら用いられるシグナル経路の分子ベースは、それが、いやしくも存在すべき場合には、それ故、不明のまま残る。
一方のサイドでのNGFの特別な生物学的効果と、もう一方のサイドでの細胞間シグナル分子の漸増における他の成長因子に対する明かな違いが何等存在しないことを考慮するならば、NGF誘発シグナル形質導入の第一のステップに注意を集中することは、道理にかなっている。上記第二のメッセンジャー系に加えて、ここで、未だに集中されたことがないシグナルの活性化は、NTRK1に協力して作用する補佐蛋白質の包含によって、おそらく開始することができるであろう。このアイデアは、神経単位細胞における効果に対して、NTRK1を表現するために巧みに扱われてきたNIH3T3線維芽細胞様細胞にとって、NGFが、有力な有糸分裂促進剤であると云う観察によってサポートされている[C.Cordon−Cardoら,"Cell",66,173−183(1991)]。また、最近の研究によれば、PC12細胞におけるNTRK1蛋白質のセリン/トレオニンキナーゼERK1との直接の相互作用が示されており、[D.M.Loebら,"Neuron",9,1053−1065(1992)]、この相互作用によって、おそらく、他の細胞内蛋白質の後続のリン酸反応を引き起こす。
NGF作用の分化機構について、もっと情報を得るためには、それ故、NGF調停シグナルの初期の重要なステップを研究することが重要である。この点に関して、NTRK1の活性化と分子レベルにおける後続の初期シグナルステップを研究する新規なアプローチを供給するインビトロ系を持つことは、望ましいことであろう。ここ数年、癌とシグナル形質導入の生化学的経路との間の関係が、益々明確になってきた。
異なる通路の1つにおける該経路の摂動は、腫瘍性形質転換を誘発し、この点では、特有の外観が、主として、成長因子または他の因子のためのレセプターを表す、チロシン−キナーゼ活性を有する遺伝子の調節解除によって表されることが確立されている。腫瘍形成遺伝子において、遺伝子の形質転換を行う調節解除は、異なる理由に帰すべきかもしれないが、腫瘍性形質転換の原因となる連続増殖シグナルを細胞に伝達する、プログラムに組み入れないチロシン−キナーゼ活性を常に抑制する。それ故、先に開示した腫瘍形成遺伝子のチロシン−キナーゼ活性を制御または除去することによってこの機構を妨害することのできる物質が、非常に重要であることは明確である。これらの物質は、腫瘍形質転換も排除することができた。
NGF作用を研究する新規インビトロ系は、取扱いが容易でなければならないし、如何なる実験操作に対しても細胞応答をモニターするためには、ごまかしのない可能性を提供しなければならない。
【発明の概要】
本発明の神経単位細胞は、NGFレセプターNTRK1の腫瘍形成遺伝子誘導体をコード化するTRK−T1およびTRK遺伝子を含んだ神経単位細胞であって、該遺伝子がNGFの非存在下に該細胞の神経単位分化を引き起こすことを特徴とする。
また本発明のNGFに無関係な神経単位分化を呈する神経単位細胞取得方法にあっては、NGFレセプターNTRK1の腫瘍形成遺伝子誘導体をコード化する遺伝子を含んだベクターを神経単位宿主細胞にトランスフェクションすることを特徴とするものである。
さらに本発明の抗チロシン−キナーゼ活性を有する化合物のスクリーニング方法にあっては、テストされる化合物の存在下に前記したような細胞を培養し、神経単位分化の非存在について培養された細胞の分析することを特徴とするものである。
本発明は上に挙げた従来技術の諸問題に的を当てて、神経単位分化のためのインビトロモデルシステムを提供するものである。これによりNGFレセプターのレベルにおけるNGF特定信号形質導入のメカニズムの研究が可能となる。また該システムを使用して、蛋白質のチロシン−キナーゼ活性に対する抑制作用を有する化合物をスクリーニングすることができる。該蛋白質はTRK−T1によりコード化されたもの、およびチロシン−キナーゼ活性を有するTRK−T1触媒サイトと一緒に使われる他の腫瘍形成体によりコード化されたものである。
本発明のシステムは神経単位細胞により与えられるものであって、NGFレセプターNTRK1をコード化する遺伝子を含んでおり、該遺伝子はNGFの非存在下に細胞の神経単位分化を起因するものである。
これらのNTRK1由来腫瘍形成体はある種の腫瘍において転換活性を有するものであるが、それらの神経単位細胞への導入は神経単位分化の驚くべき誘発を招くことが見出された。この過程はNGFの存在とは無関係ではあるが、NGF印加に際して正常な神経単位細胞について観察される分化過程の主な特徴を呈することは興味のあることである。
しかし正常なNGF処理神経単位細胞とは対照的に、NTRK1由来腫瘍形成体で転換された細胞は培養におけるある期間の後に分解過程を経るのである。これはNGFにより引き起こされたNTRK1蛋白質が切頭レセプターに比される神経単位細胞の変動性と保存性に必要な追加的信号を導入することを示している。
したがって本発明のインビトロシステムによれば、信号活性と微量分子の漸増との根底にある分子構造に関して、NTRK1をその構造的に転換された腫瘍形成誘導体と比較することが可能となる。本発明は神経単位細胞系、好ましくはPC12細胞に応用できるので、システムの構築は明白であり、分化過程の特性は容易にモニターすることができる。
本発明によれば、インセンスNTRK1−由来腫瘍形成TRK−T1およびアンチセンス配列を含んだ真核細胞発現ベクターpC24A、pC24Bが得られる。
またNGF無関係神経単位分化を呈する神経単位細胞を取得する方法が得られる。該方法は、NGFレセプターNTRK1のコード化する遺伝子を含んだベクターの神経単位宿主細胞へのトランスフェクション、を特徴とするものである。本発明の方法はチロシン−キナーゼ活性を有する化合物の薬理学的研究における有用なスクリーニング方法を提供するもので、量化することができ、腫瘍形成形態の他のチロシン−キナーゼにも採用されるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、PC12細胞のトランスフェクションのために用いるベクターpC24Aの概略図である。ベクターは、サイトメガロウイルスプロモーター(CMV)とSV40ポリアデニル化シグナル(SV40 pA)に関係するセンス定位において、それぞれTPRとNTRK1として表示される陰を設けたボックスとハッチングを施したボックスによって示される、TRK−K1腫瘍形成遺伝子のcDNA配列を含んでいる。太い線は、ポリリンカー配列を表す。BamH I(B)とEcoR I(E)とHind III(H)のための開裂部位の位置が、示されている。
第2図は、それぞれpC24AとpC24Bでトランスフェクションを施した後4日目のPC12細胞(AとC)、NGF(50ng/ml)で3日間処理した後のPC12細胞(B)、ならびに通常の培養条件下のPC12細胞(D)の形態を示す。
第3図は、TRK−T1固有のプライマーを用いてPCR増幅し、次いで4%ヌシーブ(Nusieve)アガロースゲル(3:1)上における増幅生成物を分析することによる、トランスフェクションを施したPC12細胞中のTRK−T1遺伝子の検出を示す。増幅は、それぞれpC24A(レーン1)、pC24A(レーン2)、pLM6(レーン3)でトランスフェクションを施したPC12細胞からと、疑似の転換物質(レーン4)から抽出した低分子量DNAについて行った。マーカーバンド(レーン5)のサイズを、右側に表示する。増幅した断片のサイズを、左側に表示する。
第4図は、ウェスタン法によるトランスフェクションを施したPC12細胞中のTRK−T1腫瘍蛋白質とTRK腫瘍蛋白質の検出と、NTRK1のカルボキシル末端ドメインに固有の抗血清による検出を示す。細胞は、pC24A(レーン1)またはpDM16(レーン2)によってトランスフェクションを施し、5日間培養した後、取り入れた。TRK−T1(p55)蛋白質とTRK(p70)蛋白質を表すバンドの位置を、左側に表示する。ゲル中、平行に走るマーカーバンドの分子量を、右側に表示する。
第5図は、ベクターpC24Aによってトランスフェクションを施し、10日間培養した後、ジェネチシン(400μg/ml)の存在下に成長させたPC12細胞の退行を示す。写真は、2個の独立した実験(AとB)から撮影した。
第6図は、PC12細胞のNGF調停軸索生長とTRK−T1調停軸索生長におけるK252aの抑制効果を示す。NGF(50ng/ml)の存在下に成長させた細胞(AとB)、またはpC24Aでトランスフェクションを施した細胞(CとD)を、K252a(200nM)の存在下(AとC)、または非存在下(BとD)に培養した。
第7図は、蛍光抗体染色による、PC12細胞におけるVGF8遺伝子生成物の検出を示す。3日間培養した後、固定したTRK−T1トランスフェクションを施した細胞(AとB)と、NGF(50ng/ml)で1日処理した細胞(CとD)を、前免疫血清(AとC)、またはaVX抗血清(BとD)で染色した。
第8図は、PC12細胞分化におけるD11抗体の効果を示す。TRK−T1でトランスフェクションを施した細胞(A)、またはNGF(50ng/ml)で処理した細胞(B)を、D11抗体で3日間、処理した。
第9図は、TRK腫瘍形成遺伝子によって誘発されたPC12細胞分かを示す。ベクターpDM16でトランスフェクションを施した細胞を、K252a(200nM)の非存在下(A)、または存在下(B)、3日間、培養した。
[発明の詳細な説明]
本発明の神経単位分化のためのインビトロモデルシステムはNGFに反応するいかなる神経単位細胞タイプを使っても組み立てることができる。PC12好クローム性細胞腫細胞系が用いられ、よく記載されて簡単な培養条件下で成長できる。PC12細胞は広く使われており、コード番号CRL1721のATCC(Bethesda,Rockville,MD)から取得できる。
しかしNGF誘発神経単位分化にNTRK1が介在するいかなる細胞タイプもNTRK1の腫瘍形成バージョンを用いての転換によりPC12細胞について観察される効果に類似する分子反応に至る分子構造を提供する。その他の適当な細胞は、例えば、NTRK1を表現し、軸索生長を示す[K.H.SonnenfeldとD.N.Ishii,"J.Neurosci.Res.",8,375−391(1982)]、またはNGF処理によってNTRK1のリン酸化反応を示す[D.R.Kaplanら,"Science",252,554−558(1991)]NGF応答性ヒト神経芽腫細胞壁SY5YやLA−N−5である。
神経単位細胞は、NGFレセプターNTRK1の腫瘍形成遺伝子誘導体をコード化する遺伝子を含有する真核細胞発現ベクターによってトランスフェクションを施す。NTRK1の腫瘍形成遺伝子誘導体をコード化する遺伝子は、点突然変異、切断、あるいは他の遺伝子との融合によってNTRK1遺伝子から誘導される何れの腫瘍形成遺伝子でもよく、かかる腫瘍形成遺伝子は、NTRK1蛋白質のカルボキシル末端部をコード化する配列を含み、腫瘍または細胞壁中で、形質転換活性を示すものである。このような腫瘍形成遺伝子は、種々の腫瘍から単離された[D.Martin−Zancaら,"Nature",319,743−748(1986);I.Bongarzoneら,"Oncogene",4,1457−1462(1989);M.Barbacid,F.Lamballe,D.PulidoとR.Klein,"Biochem.Biophys.Acta",1072,115−127(1991);G.Sozziら,"Genes Chrom.Cancer",5,1−7(1992)]。NTRK1とは対照的に、TRK−T1腫瘍形成遺伝子[A.Grecoら,"Oncogene",7,237−242(1992)]、オリジナルのTRK腫瘍形成遺伝子[F.Coulierら,"Mol.Cell Biol.",1,15−23(1989)]、甲状腺腫から単離される他のTRK1由来腫瘍形成遺伝子[I.Bongarzoneら,"Oncogene",4,1457−1462(1989)]が、チロシンによって本質的にリン酸化することが判ったので、神経単位細胞中、同様の効果を発揮するこれら腫瘍形成遺伝子の能力は、もっともらしいものである。このことに従い、TRK−T1遺伝子またはTRK遺伝子の何れか一方または両方によってPC12細胞の形質転換を行うと、区別できない分化が起ることが判明した(実施例Eと第2図および第9図を参照)。
NTRK1由来腫瘍形成遺伝子を表現するベクター系としては、神経単位細胞中、異質の遺伝子の表現のための適当なシグナルを運ぶ真核細胞ベクターが用いられる。この目的のために、一過性または安定な組み込みのために予定した真核細胞発現ベクター、またはウイルス系から誘導されるベクターを(公知の方法に従って)用いることができる。この目的に対して、通常、挿入した遺伝子の高い表現を提供するエピソームベクターを用いることができ;さらには、選択可能なマーカーの存在によって、トランスフェクションを施した細胞の選択が可能となる。このようなベクターは、サイトメガロウイルス(CMV)を含有し、エピソーム複製が可能[J.L.Yatesら,"Nature",313,812−815(1985)]なプラスミドpCE9B[J.E.Hamborら,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA",85,4010−4014(1988)]によって表される。TRK−T1断片をpCEP9Bに挿入する(第1図と実施例Aを参照)ことによって構成されるベクターpC24Aのトランスフェクションの方が、分化細胞の製造に於いて、安定な組み込みのために予定した、アデノウイルスメジャーレイトプロモーター(Adenovirus Major Late Promotor)の制限下、同じTRK−K1cDNA挿入断片を含み、91023B発現ベクター[G.G.Wongら,"Science",228,810−815(1985)]から誘導されるベクターp24EA[A.Greceoら,"Oncogene",7,237−242(1992)]の導入よりも効果的である。にもかかわらず、p24EAでトランスフェクションを施した培養物中の分化におけるTRK−T1表現の効果は、まだ明白であった。また、モロニーマウス肉腫ウイルス長末端繰り返しの制限下、オリジナルのTRK腫瘍形成遺伝子のcDNAを含み、発現ベクターpm1SP[D.G.Blairら,"Science",2 12,941−943(1981)]から誘導されるベクターpDM16[D.Martin−Zancaら,"Nature",319,743−748(1986)]が、トランスフェクションを施したPC12細胞の表現型を変換するのに効果的であることが判った。
NTRK1由来腫瘍形成遺伝子をコード化するDNA断片は、ゲノムDNAまたはcDNAから誘導することができる。これらのDNA断片は、プロモーターに関して、センス定位やアンチセンス定位の当業者には公知の慣用分子クローニング方法によって、発現ベクターに挿入される。CMVプロモーターに関するアンチセンス定位において、TRK−T1cDNAをベクターpCEP9Bに挿入することによって、ベクターpC24Bに導く(実施例A参照)。アンチセンス構造は、形質転換において、細胞表現型の変化をもたらすことはない負の対照として機能する。
その後、NTRK1由来腫瘍形成遺伝子を運ぶ発現ベクターは、神経単位細胞に導入される。これは、いくつかの確立された方法によって、実施することができる。形質転換し得る大多数の細胞のため、リン酸カルシウム法、DEAE−デキストラン調停またはリポソーム調停トランスフェクション、または電気穿孔法が好ましい。PC12細胞を用いる場合には、電気穿孔法を採用することにより良い結果が得られる(実施例Cおよび実施例D)。しかしながら、適当なトランスフェクション方法の選択は、神経単位細胞型に依存し、普遍化することはできない。NTRK1由来腫瘍形成遺伝子を含有する発現ベクターが、転換物質の選択の可能性を供えない場合には、選択可能なマーカー蛋白質を表現する第2のプラスミドをコトランスフェクションすることができる。選択マーカー蛋白質の表現によって、細胞分化プロセスの分析を容易にする、形質転換した細胞の選択が可能となる。さもないと、トランスフェクションを施されていない細胞を高い割合で含む培養物中のモニターが、より困難になる。コトランスフェクションに有用なベクターは、抗生物質G418に対する耐性を贈るpSV2neo[P.J.SouthernとP.Berg,"J.Mol.Appl.Genet.",1,327−341(1982)]である。
トランスフェクションに引き続き、細胞は、組織培養皿に播種され、選択培地中で成長する。センス定位において、NTRK1由来腫瘍形成遺伝子を含むベクターでトランスフェクションを施した後、3日目、長期神経炎プロセスよりなる分化細胞を、培養物中で同定することができ、このものは、NGFで処理したトランスフェクションを施していない細胞に似た形態を示す。一方、アンチセンス定位において、腫瘍形成遺伝子を運ぶベクターでトランスフェクションを施した細胞の培養物は、トランスフェクションを施していない細胞の培養物に似た表現型を示す。
ベクターDNAの導入は、エピソームベクターでトランスフェクションを施した細胞からの遺伝子外DNA[B.Hirt,"J.Mol.Biol.",26,365−369(1967)]や組み込みベクターでトランスフェクションを施した細胞からの全DNAにおける腫瘍形成遺伝子固有の断片のPCR増幅によってモニターすることができる。
好ましくは、使用する選択マーカーに適した抗生物質剤による選択圧力は、全培養期間を通して供給される。ベクターpC24Aでトランスフェクションを施したPC12細胞では、培養の初期段階(3〜6日)では、形質転換細胞の分化は、G418の存在には無関係であることが判った。しかしながら、この後は、G418が存在しない時には、分化細胞は、もはや検出されない。このことは、希釈による培養物からのベクターDNAの損失によるものと思われ、選択抗生物質圧力の非存在下のエピソームレプリコンについての報告がある[J.R.Hambor,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA",85,4010−4014(1988)]。このことは、連続TRK−T1表現が、NGF誘発神経単位分化を維持するNGFの連続的存在の必要性を暗示する分化表現型を維持することを求められることを示唆する。しかしながら、G418が存在しない場合、分化し、形質転換した細胞が、トランスフェクションを施されていない細胞の増殖によってマスクされることも可能である。あるいは、関心事である腫瘍形成遺伝子を、重金属によって、その活性を変えることができるメタロチオネインプロモーターのような誘発性プロモーターの制限下、誘発性発現ベクターにクローン化することができる。トランスフェクションに続き、ベクターを含むPC12クローンを選択することができる。このようなクローンは、プロモーターの活性を刺激することによって誘発され、分化することができる。
形質転換した細胞に観察される神経単位分化は、NGFとは無関係である。形質転換した細胞は、NGFを補充しない細胞培地中で分化する。さらに、NGFの活性を中和することができる抗体D11[A.Cattaneoら,"J.Neurochem.",50,1003−1010(1988)]の添加は、NTRK1由来腫瘍形成遺伝子を含有するベクターで形質転換した細胞培養物に観察される分化を妨害しない。さらに、形質転換した細胞培養物からの条件付けをした培地は、トランスフェクションを施していない細胞においては、神経単位分化を誘発しない。後の2つの観察は、細胞のトランスフェクションが、転換物質中のNGF製造を誘発し、それによって、オートクリン機構による分化状態の変化をもたらす可能性を排除するものである。
NTRK1由来腫瘍形成遺伝子での形質転換において観察される神経単位分化ととNGF誘発細胞応答との間の形態学的類似性とは別に、2つのプロセスは、分子的レベルおよび生化学的レベルに関する同様な特徴をも分担する。NTRK1由来腫瘍形成遺伝子のPC12細胞への導入によって、NGF処理の際、PC12細胞中に特に誘発されることも知られているVGF8a[S.R.J.Saltonら,"Mol.Cell.Biol.",11,2335−2349(1991)]によってコード化される蛋白質の発現調整が行われることが判った。これは、VGF8固有の抗血清aVX[R.Possentiら,"EMBO J.",8,2217−2223(1989)]や蛍光染料と共役する二次抗体を用いる免疫細胞化学法を実行することによって、簡単にモニターすることができる。さらに、抑制剤K252aの存在下に形質転換した細胞を培養することによって、形質転換細胞の神経単位発現型への変換を抑制する。K252aは、NGFで処理した神経単位細胞におけるものと同じ効果を持つ。K252aは、NTRK1蛋白質のチロシンキナーゼ活性の固有の抑制剤であるので、相当な程度まで、TRK−T1腫瘍形成遺伝子生成物は、NGFによって活性化されたNTRK蛋白質の作用をまねると結論することができる。
興味を引くことに、ある時間、培養の後、形質転換した神経細胞は、退行プロセスを被る。PC12細胞では、形質転換の後、8日目に、形質転換した培養物中のかなりの割合の分化神経単位細胞が、細胞容量の増加と細胞質液胞の出現と培養皿からの細胞の脱離を特徴とする退行を被る。このことは、NGFが供給されるかぎり、分化表現型が安定である、NGFで処理した神経単位細胞の挙動とは対照的である。このことは、分化経路の活性化機能に加えて、NGFが、細胞の維持と生育に役割を有し、それにより、NTRK1由来オンコプロテインの活性ではカバーされない仕事を充足することを示唆する。
本発明は、NTRK1由来腫瘍形成遺伝子によるもののみならず、PC12分化を誘発することのできる何れの腫瘍形成遺伝子によるものにも用いることができる。
本発明を、下記実施例によってさらに説明する。
実施例A
ベクターpC24AとpC24Bの構成:
ベクターpC24AとpC24Bは、真核細胞発現ベクターpCEP9B[G.G.Wongら,"Science",228,810−815(1985)]に基づく。簡単には、このベクターは、サイトメガロウイルス(CMV)とSV40ポリアドニル化部位と、抗生物質ジェネチシン(G418)でのトランスフェクションの後、形質転換細胞の選択が可能なネオマイシン耐性遺伝子を含有する。このベクターは、真核細胞中で自主的に複製でき、それ故、ホスト細胞ゲノムへ組み込まれる必要なしに、G418選択の際、トランスフェクションを施した細胞中に維持される。TRK−T1をコード化するcDNAは、NIH3T3へのトランスフェクションの際、病巣形成可能なcDNA挿入断片を含有することが示されたファージ24[A.Grecoら,"Oncogene",7,237−242(1992)]から得た。EcoR Iで消化することによって、ファージ24DNAからcDNA挿入断片を切除した。プラスミドのポリリンカー内で切断するHind IIIでの消化によって、pCEP9Bを直線化した。挿入断片と直線化したベクターの端部を、DNAポリメラーゼIのクレノウ片で鈍化し、次いで、T4リパーゼを用いて結合した。この結合反応により生じた組換えプラスミドを、制限分析法で分析した。TRK−T1cDNA中に存在する2つの非対称のHind III部位と、ベクター中に配置されたBamH I部位(第1図を参照)を利用して、TRK−T1cDNA挿入断片の定位を、Hind III/BamH I消化により決定した。CMVプロモーターに関係するセンス定位とアンチセンス定位において、TRK−T1cDNAを含有するプラスミドを単離し、それぞれpC24A(第1図を参照)とpC24B(第2図を参照)と名付けた。
実施例B
PC12細胞培養物:
ラットのPC12好クローム性細胞腫細胞壁を、ATCCから得た。細胞を、5%CO2を含有する加湿雰囲気中、5%ウシ胎児血清と10%ウマ血清とペニシリンとストレプトマイシン(100U.I./ml)を追加したRPMI−160培地の中で、37℃に維持した。NGFでの処理のため、細胞を、コラーゲンをコートしたプラスチック皿上で培養した。細胞に対して、NGFを50ng/mlの濃度で補給した。トランスフェクションを施した細胞を、プラスチック皿上で播種した。
実施例C
TRK−T1腫瘍形成遺伝子を含有する発現ベクターpC24AとpC24BのPC12細胞への導入:
指数的に成長するPC12細胞を、50%ウシ胎児血清を含むRPMI−160培地に、1ml当たり1.5−3x107個の細胞密度で再懸濁し、ベクターDNA50μgと混合し、4℃で15分間、インキュベートした。バイオーラッドジーンパルサー(Bio−Rad Gene Pulser)(Bio−Laboratories社製,Richmond,CA)を用いて、960μFの設定で、、250ボルト、3回のパルスを適用して、電気穿孔を実施した。電気穿孔に用いたベクターDNAは、プロモーターに関するセンス定位(pC24A)またはアンチセンス定位(pC24B)において、TRK−T1cDNAを運ぶプラスミドpC24AとpC24Bから誘導した。電気穿孔の後、細胞を、氷上で20分間、インキュベートし、PC12の条件付けした培地に希釈し、プラスチック製のペトリ皿上で播種した。抗生物質G418を、培養直後か、24〜48時間経過後に、400μg/mlの濃度で加えた。選択培地を、週毎に補充した。
実施例D
TRK−T1とTRK腫瘍形成遺伝子を運ぶ他の発現ベクターのPC12細胞への導入:
センス定位(p24EA)またはアンチセンス定位(p23EB)において、TRK−T1腫瘍形成遺伝子を含むプラスミドp24EAまたはp24EB[A.Grecoら,"Oncogene",7,237−242(1992)]から誘導されるDNA、またはTRK遺伝子を含むベクターpDM16[D.Martin−Zancaら,"Nature",219,743−748(1986)]から誘導されるDNAと、pSV2neo[P.J.SouthernとP.Berg,"J.Mol.Appl.Genet.",1,327−341(1982)]とを5:1の割合で混合した。次いで、混合物に、電気穿孔によってPC12細胞中へのコンランスフェクションを施した。プラスミドDNAの全量は、50μgであった。電気穿孔の条件と、ベクターDNAの導入後の細胞の処理は、実施例Cに記載した通りであった。
実施例E
形質転換したPC12細胞培養物の表現型:
センス定位において、TRK−T1腫瘍形成遺伝子を含有するベクターp24EA(図示せず)またはベクターpC24A、またはセンス定位において、TRK腫瘍形成遺伝子を含有するベクターpDM16を用いてPC12細胞にトランスフェクションを施した後、3日目、長い軸索を延ばした分化細胞を、培養物中に観察することができた(第2A図と第9A図)。これらの細胞は、形態上、NGFで処理したトランスフェクションを施していないPC12細胞(第2B図)とは区別できなかった。2つのTRK−T1コード化ベクターは、神経単位分化を促進する効果においては、異なっていることが判った。ベクターpC24Aのトランスフェクションによって、DNA1μg当たり、312個の分化細胞が製造されたものの、分化細胞の数は、同量のベクターp24EAをトランスフェクションに用いた場合に較べ、約10倍低かった。アンチセンスにおいて、TRK−T1腫瘍形成遺伝子を含むベクターp24EB(図示せず)とベクターpC24B(第2C図)を用いてトランスフェクションを施した細胞の培養物は、トランスフェクションを施していない通常のPC12細胞の培養物(第2D図)と同様の形態を示した。長期培養の結果、NTRK−T1由来の腫瘍形成遺伝子によって分化した培養物は、細胞退行を示した。10日間培養した後のベクターpC24Aを用いてトランスフェクションを施したPC12細胞の形態を、第5図に示す。細胞は、サイズの増大と液胞の出現とプレートからの脱離を特徴とする退行プロセスを被った。この挙動は、同じ条件下で行った別々の実験で一貫して観察された(第5A図と第5B図)。これは、退行プロセスを示さないNGF処理のトランスフェクションを施していないPC12細胞培養物のものとは対照的である。もしろ、NGFが供給されるかぎり、細胞は、安定して分化された状態で残り、生育する。さらに、細胞は、軸索を失い、NGFの除去によって、増殖能力を回復する[L.A.GreeneとA.S.Tischler,"Proc.Natl.Acad.Sci.USA",73,2424(1976)]。
実施例F
トランスフェクションを施した細胞中のTRK−T1cDNAの検出:
ベクターpC24Aを用いてトランスフェクションを施したPC12細胞中のTRK−T1腫瘍形成遺伝子の存在を、ポリメラーゼ連鎖反応を用いて確認した。トランスフェクションの後、3〜5日目に、記載のように[B.Hirt,"J.Mol.Biol.",26,365−369(1967)]、低分子量DNAをトランスフェクションを施した細胞から抽出した。TRK−T1cDNAのTPR/NTRK1結合を含む286bp片を包含する、プライマーPR1(5'−GCTGAGAAAAGAGACTTAAT−3')とPR2(5'−CATCACTGAAGTATTGTG−3')を用いて、単離したDNAのアリコートのPCR増幅を行った[A.Grecoら,"Oncogene",7,237−242(1992)]。増幅は、各濃度が2.5mMのdNTPs、各濃度が5pMのプライマーPR1とPR2、2nMのMgCl2、2.5ユニットのTaqポリメラーゼ(Perkin Elmer社製)を加えた、100μl容量の1個のPCR緩衝液(Perkin Elmer社製)中で行った。95℃で30秒間の変性ステップの後、増幅を30サイクル(95℃で1分間、55℃で30秒間、72℃で1.5分間)行い、次いで、72℃で伸展反応を行った。サンプル15μlを、4%ヌシーブ(Nusieve)アガロース3:1ゲル上で、ゲル電気泳動に賦した。ゲルの臭化エチジウム染色による反応生成物の分析の結果、pC24Aを用いてトランスフェクションを施したPC12細胞(第3図のレーン1とレーン2)から単離したものからの286bp片の増幅が明かとなった。コントロールプラスミドを用いてトランスフェクションを施した細胞(pLM6;第2図のレーン3)、または疑似の転換物質(第2図のレーン4)から誘導したものについてPCRを行ったが、増幅生成物は検出できなかった。
実施例G
トランスフェクションを施した細胞中のTRK−T1蛋白質とTRK蛋白質の検出:
ベクターpC24AとpDM16を用いてトランスフェクションを施したPC12細胞中の腫瘍単位生成物の存在を、ウェスタン法と、NTRK1蛋白質の14カルボキシル端末アミノ酸残基と固有に反応する抗血清を用いるオンコプロテインの検出[A.Grecoら,"Oncogene",7,237−242(1992)]によってモニターした。ウェスタン法と検出方法に使用したトランスフェクションを施した細胞からのものの調製は、記載される[I.Bonngarone,M.A.Pierotti,N.Monzini,P.Mondellini,G.Manenti,R.Donghi,S.Pilotti,M.Grieco,M.Santoro,A.Fusco,G.Vecchio,G.Della Porta,"Oncogene",4,1457−1462(1989)]ように実行した。ウェスタン法の分析の結果、それぞれ、ベクターpC24AとpDM16を用いてトランスフェクションを施した細胞中、55kDaTRK−T1蛋白質(第4図のレーン1)と70kDaTRK蛋白質(第4図のレーン2)の表現を示した。
実施例H
K252aによる神経単位分化の抑制:
NGF誘発神経単位分化と、生化学的レベルでのNTRK−T1由来オンコプロテインを用いる神経単位細胞の形質転換によって誘発される事象との比較を行うため、特に、NTRK1蛋白質のリン酸化を妨害し、PC12細胞におけるNGFの作用を抑制するアルカロイド様キナーゼ抑制剤K252aの非存在下、または存在下、NGFで処理した、あるいはベクターpC24AとpDM16を用いてトランスフェクションを施したPC12細胞を培養した[S.Hashimoto,"J.Cell Biol.",107,1531−1539(1988)]。NGF(50ng/ml)で4日間培養したPC12細胞(第6A図と第6B図)は、抑制剤K252aの非存在下、通常の分化を示した(第6B図)。しかしながら、K252a(200)nMを培地に加えることによって、分化が、完全にブロックされた(第6A図)。同様に、ベクターpC24Aを用いてトランスフェクションを施し、4日間培養したPC12細胞(第6C図と第6D図)は、K252aの非存在下では、神経単位発現型への分化を示した(第6D図)が、K252aの存在下で成長した時には、神経単位分化の特徴は、何等見なれなかった(第6C図)。ベクターpDM16を用いてトランスフェクションを施し、3日間成長させたPC12細胞でも、同様の効果が見られた(第9A図と第9B図)。K252aの添加によって、形質転換細胞の分化は、完全に崩壊された(第9B図)が、抑制剤の非存在下では、細胞は、長期の退行プロセスと神経単位形態をもたらすことが判った(第9A図)。
実施例I
形質転換した細胞中のVGF8遺伝子生成物の検出:
神経単位分化の誘発結果として、VGF80表現を、免疫細胞化学法を用いてモニターした。TRK−T1腫瘍形成遺伝子を用いて形質転換し、次いで、スライドチャンバー(Gibco BRL社製)中で、3日間成長させたPC12細胞(第7A図と第7B図)、またはスライドチャンバー中、NGF(50ng/ml)の存在下、1日間成長させた、トランスフェクションを施していないPC12細胞(第7C図と第7D図)をアセトンと混合し、VGF8遺伝子生成物に固有の抗血清aVX[R.Possentiら,"EMBO J.",8,2217−2223(1989)]または前免疫血清でインキュベートし、繰り返し洗浄した後、さらに、フルオレセイン標識ヤギ抗ラビット抗体(メローイ、スプリングフィールド、VA)でインキュベートした。TRK−T1で形質転換したPC12細胞とNGF処理PC細胞は、共に、VGF8蛋白質の高レベル表現を意味する、aVX抗血清との強い免疫反応性を示した(第7B図と第7D図)。前免疫血清を、第一抗体として用いてた時には、両方の細胞とも、染色が観察されなかった(第7A図と第7B図)。
実施例J
形質転換した細胞のNGFへの抗体処理:
神経単位細胞のトランスフェクションが、形質転換細胞によるNGFの製造を誘発し、それによって、観察される神経単位分化に応答性を有するオートクリン回路を作り出し得るか否かを研究するために、TRK−T1遺伝子を用いた形質転換またはNGF処理によって神経単位発現型へ変換したPC12細胞を、NGFに固有であり、その生物活性をブロックする抗体D11[A.Cattaneoら,"J.Neurochem.",50,1003−1010(1988)]の存在下、3日間培養した(第8A図と第8B図)。D11抗体の存在にもかかわらず、TRK−T1で形質転換した細胞は、神経単位形態を示し続けた(第8A図)。一方、NGFで処理した培養物は、非分化状態に変換された(第9B図)。これらの観察によれば、神経単位分化の誘発は、pC24Aでトランスフェクションを施した細胞(図示せず)から誘導した条件付けした培地中で成長させたトランスフェクションを施していないPC12細胞では検出されなかった。
Claims (7)
- NGFレセプターNTRK1の腫瘍形成遺伝子誘導体をコード化するTRK−T1およびTRK遺伝子を含んだ神経単位細胞であって、
該遺伝子がNGFの非存在下に該細胞の神経単位分化を引き起こす
ことを特徴とする神経単位細胞。 - PC12好クローム性細胞腫である
ことを特徴とする請求項1に記載の細胞。 - NTRK1関連腫瘍蛋白質TRK−T1をコード化する遺伝子を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の細胞。
- オリジナルのTRK腫瘍形成遺伝子を含んでいる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の細胞。 - NGFに無関係な神経単位分化を呈する神経単位細胞取得方法であって、NGFレセプターNTRK1の腫瘍形成遺伝子誘導体をコード化するTRK−T1およびTRK遺伝子を含んだベクターを神経単位宿主細胞にトランスフェクションする
ことを特徴とする方法。 - 神経単位細胞がPC12好クローム性細胞腫細胞である
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。 - テストされる化合物の存在下に請求項1〜4の細胞を培養し、
神経単位分化の非存在について培養された細胞を分析する
ことを特徴とする抗チロシンキナーゼ活性を有する化合物のスクリーニング方法。
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