JP3503884B2 - 化粧料 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【発明の属する技術分野】本発明は、肌荒れやかさつき
を改善する効果が高く、乾燥肌や敏感肌の肌質を改善す
る効果を有する化粧料に関する。 【０００２】 【従来の技術】天然保湿因子は皮膚の最外層である角質
層中の水溶性成分として吸湿力を持ち、角層の柔軟性に
重要な役割を果たしていることが周知である。特に乾燥
肌と呼ばれる人の角質層にはこれら水溶性成分の含量が
少なく、皮膚は吸湿性を失い、弾力性や柔軟性が低下
し、種々のトラブルの原因にあることが知られている。
このため、従来より、皮膚の柔軟化を意図した化粧料に
おいては、角質層に水分を多量に付与し、かつ付与した
水分が長時間保持されるようにするべく、種々の保湿成
分が配合されている。特に、天然保湿因子成分にはアミ
ノ酸、有機酸（カルボン酸）、尿素等が含まれているこ
とから、化粧料に種々のアミノ酸、有機酸あるいは尿素
を配合し、減少した角質層の水溶性成分を補い、前記皮
膚機能を改善することが試みられている（特開昭５５−
１９２９１号、特開昭５８−８００７号、特開昭６２−
９９３１５号、特開平２−１７８２０７号、特開平５−
１６３１２９号）。 【０００３】また、ベタインは優れた保湿効果、柔軟効
果を有し、角質層のターンオーバー速度を速め、肌荒れ
防止作用を有することから、これを化粧料に配合するこ
とが提案されている（特開平１−２７５５１１号、特開
平８−９２０６０号）。 【０００４】しかし、これにより得られる柔軟効果は一
過性であり、永続しない。したがって乾燥肌や敏感肌の
人の場合には、肌荒れやかさつきに対する改善効果が持
続せず、特に肌が敏感であるために、単純な刺激に対し
てもかゆみや湿疹などが発生したり、精神的の皮膚トラ
ブルが重なった時などに皮膚トラブルを起こしやすいな
ど、乾燥肌や敏感肌に対して有効な化粧品は未だ知られ
ていない。 【０００５】一方、グアイオールやセドロール等のセス
キテルペン化合物が、メラニン産生抑制作用を有し、こ
れを配合した皮膚外用剤も知られている（特開平１０−
３６２４６号、特開平１０−３６２４７号）。また、生
理活性物質としてセスキテルペン類と水溶性多価アルコ
ールとを配合してなる皮膚外用剤組成物（特開平６−１
２８１２０号）も知られているが、ここで用いられる生
理活性物質は、皮膚を透過して皮膚下部組織に吸収され
るか、全身血流中に移行して作用するものであり、表
皮、特に角質に留まって、肌荒れやかさつきを改善する
ものではなかった。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乾燥
肌や敏感肌においても肌荒れやかさつきを改善する効果
が高い化粧料を提供することにある。 【０００７】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定の保
湿剤とセスキテルペンアルコール系成分を組み合わせて
用いることにより、乾燥肌や敏感肌においても肌荒れや
かさつきを改善する効果が高く、肌質を改善する効果を
有する化粧料が得られることを見出した。 【０００８】 すなわち、本発明は、次の成分（Ａ）及
び（Ｂ）： （Ａ）アミノ酸又はその塩、乳酸又はその塩、尿素及び
ベタインから選ばれる保湿成分、 （Ｂ）セドロール、を有効成分とする肌荒れ・かさつき
改善用化粧料を提供するものである。 【０００９】 【発明の実施の形態】本発明化粧料に用いられる成分
（Ａ）は、保湿成分であり、アミノ酸又はその塩、ピロ
リドンカルボン酸又はその塩、乳酸又はその塩、尿素及
びベタインから選ばれるものである。ここで、アミノ酸
又はその塩としては、リジン、ヒスチジン、アルギニ
ン、オルニチン、カナバリン、グルタミン、グルタミン
酸、アスパラギン、アスパラギン酸、セリン、アラニ
ン、グリシン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、ス
レオニン、バリン、メチオニン、シスチン、システイ
ン、ハイドロキシプロリン、フェニルアラニン等のアミ
ノ酸又はそれらの塩類を挙げることができ、中でもリジ
ン、ヒスチジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸が好ま
しく、特に、柔軟効果の点からアルギニンが好ましい。
これらのアミノ酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウ
ム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。 【００１０】 【００１１】 これら成分（Ａ）のうち、アミノ酸又は
その塩、乳酸又はその塩及び尿素は、単独で又は複数を
組み合わせて用いることができ、これら保湿成分の本発
明化粧料への配合量は全組成中に０．０１〜６０重量
％、特に０．０５〜４０重量％、更に０．１〜２０重量
％が使用感に優れるので好ましい。 【００１２】成分（Ａ）のうち、ベタインとしては、種
々のアミノ酸のＮ−トリアルキル置換体を使用すること
ができ、例えば、グリシンベタイン、γ−ブチロベタイ
ン、ホマリン、トリゴネリン、β−アラニンベタイン、
カルニチン、ホモセリンベタイン、アントプレウリン、
バリンベタイン、リジンベタイン、オルニチンベタイ
ン、アラニンベタイン、タウロベタイン、グルタミン酸
ベタイン、フェニルアラニンンベタインなどを使用する
ことができる。これらのうち、特にグリシンベタインが
大きな柔軟化効果を得られる点で好ましい。このような
ベタインとしては市販品を使用することができ、例えば
グリシンベタインとしては旭フーズ社製アミノコートを
使用することができる。また、本発明においては、この
ようなベタインの一種を使用してもよく、複数種を合わ
せて使用してもよい。ベタインの本発明化粧料への配合
量は、特に限定されないが、０．０１〜１０重量％、特
に０．１〜３重量％とするのが十分な保湿効果、柔軟効
果を得るうえで好ましい。 【００１３】 本発明化粧料に用いられる成分（Ｂ）の
セドロールとしては、これを含有する植物の抽出物、水
蒸気蒸留物又は圧搾物等を使用することもでき、このよ
うな植物としては、例えばセダー等が挙げられる。当該
植物は、定法により、抽出、水蒸気蒸留、圧搾等すれば
良く、更にこれら留分を分画して用いたり、更に精製し
た精油を用いたり、アセチル化等の反応により誘導化し
たものを用いることもできる。 【００１４】 成分（Ｂ）は、本発明化粧料全組成中に
１ppm以上、特に０．０１〜２０重量％、更に０．１〜
１０重量％となるように配合するのが好ましい。 【００１５】本発明化粧料は良好な肌あれやかさつき改
善効果及び肌改善効果を得る点で、そのpHを２〜６．
９、特に３〜６．５にするのが好ましい。当該pHの調整
には、種々の緩衝成分を用いるのが好ましく、特に前記
成分（Ａ）の乳酸塩を用いて緩衝系を形成するのが好ま
しい。 【００１６】更に、本発明の化粧料には、その効果を損
なわない範囲において、上記必須成分の他に通常化粧品
や医薬部外品、医薬品等に用いられる成分を適宜配合す
ることができる。このような成分としては、例えば特開
平５−８５９２４号に記載のスフィンゴシン誘導体、特
開平８−９２０５４号、特開平８−１０９１２０号など
に記載のグアニジン誘導体、天然セラミド、特開昭６２
−２２８０４８号、特開昭６３−２１６８１２号、特開
昭６３−２１６８０９号、特開昭６３−２２７５１３
号、特開昭６４−９９１３号、特開昭６４−２９３４７
号、特開昭６４−３１７５２号、特開平８−３１９２６
３号等に記載のセラミド類似構造物質、特開平７−３３
０５７２号などに記載のアルギニン含有ペプチド類、植
物抽出物、美白剤、抗炎症剤、一重項酸素消去剤、抗酸
化剤、多糖類、アルコール類、ステロール類、血行促進
剤、水、エタノール、界面活性剤、油性成分、シリコー
ン類、フッ素系油剤、紫外線防御剤、粉体、ゲル化剤、
被膜形成剤、皮脂分泌抑制剤、柔軟剤、防腐剤、金属イ
オン封鎖剤、色素、香料等が挙げられる。 【００１７】本発明の化粧料は、通常の方法により製造
でき、可溶化系、乳化系、粉末分散可溶化系、粉末分散
乳化系、粉末分散油等の任意の剤型にできる。また、化
粧水、乳液、クリーム、美容液、化粧油等のスキンケア
化粧料、ファンデーション、パウダー、口紅、ほほ紅、
アイシャドウ等のメイクアップ化粧料などの皮膚化粧料
として好適であるが、特に肌荒れ改善剤、肌荒れ改善用
化粧料として用いるのが好ましい。 【００１８】 【実施例】実施例１ 表１及び表２に示す組成の乳化化粧料を常法により製造
し、肌あれ、かさつき改善効果、及び肌質改善効果を評
価した。結果を表１及び表２に併せて示す。 【００１９】（評価方法） （１）肌荒れ・かさつき改善効果：肌荒れやかさつきの
良くある女性（２０〜３０歳）１０名のパネラーによ
り、各化粧料を１日２回(朝と夜)１週間使用したとき、
肌荒れやかさつきの状態を使用前と比較して、以下の基
準で評価した。結果を平均値として示した。 ５：使用前より著しく良くなった。 ４：使用前よりかなり良くなった。 ３：使用前よりやや良くなった。 ２：使用前とあまり変わらなかった。 １：使用前と全然変わらなかった。 ０：悪化した。 【００２０】（２）肌質改善度：肌が敏感であるという
自覚のある女性（２０〜３０歳）１０名のパネラーによ
り、各化粧料を１日２回（朝と夜）１ケ月使用したと
き、日常の生活の中での肌荒れやかさつきの起こりやす
さを、使用前と比較して、以下の基準で評価した。結果
を平均値として示した。 ５：使用前より著しく肌荒れやかさつきが起こりにく
い。 ４：使用前よりかなり肌荒れやかさつきが起こりにく
い。 ３：使用前よりやや肌荒れやかさつきが起こりやすい。 ２：使用前とあまり変わらず、肌荒れやかさつきが時々
起こる。 １：使用前と変わらず、肌荒れやかさつきが良く起こ
る。 ０：使用前より肌荒れやかさつきが起こりやすくなっ
た。 【００２１】 【表１】 【００２２】 【表２】【００２３】表１及び表２から明らかなように、成分
（Ａ）及び（Ｂ）を併用した本発明化粧料は、これらを
それぞれ単独で配合した場合に比べて顕著な肌荒れ・か
さつき改善効果及び肌質改善効果を有していることがわ
かる。 【００２４】 【００２５】 【００２６】 【００２７】 【００２８】 【発明の効果】本発明の化粧料は、肌荒れやかさつきを
改善する効果が高く、乾燥肌や敏感肌の肌質を改善する
効果を有するものである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 公彦 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式 会社研究所内 (56)参考文献 特開 平10−316550（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−33523（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−139955（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−279417（ＪＰ，Ａ) 特開2000−95667（ＪＰ，Ａ) 特開2000−119155（ＪＰ，Ａ) 特開2001−192339（ＪＰ，Ａ) 特開2000−309528（ＪＰ，Ａ) 特開 平11−240827（ＪＰ，Ａ) 特表 平９−500890（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A61K 7/00 - 7/50

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 次の成分（Ａ）及び（Ｂ）： （Ａ）アミノ酸又はその塩、乳酸又はその塩、尿素及び
   ベタインから選ばれる保湿成分、 （Ｂ）セドロール、を有効成分とする肌荒れ・かさつき
   改善用化粧料。