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JP3640387B2 - レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステム - Google Patents

レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステム Download PDF

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JP3640387B2
JP3640387B2 JP2002044340A JP2002044340A JP3640387B2 JP 3640387 B2 JP3640387 B2 JP 3640387B2 JP 2002044340 A JP2002044340 A JP 2002044340A JP 2002044340 A JP2002044340 A JP 2002044340A JP 3640387 B2 JP3640387 B2 JP 3640387B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムに関し、さらに詳細には、従来と比較すると分析の効率を著しく向上することを可能にしたレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムに関し、例えば、DNA、蛋白質、RNA、PNA、脂質、糖などの各種の高分子の質量分析に用いて好適なレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、質量分析法の応用範囲は、物理や化学の分野から医学や生化学などのライフサイエンスの分野へと急速に広がってきている。特に、蛋白質の分子量の決定解析やアミノ酸配列の決定解析などへの発展には、目を見張るものがある。
【0003】
こうした質量分析法の原理は、試料を様々な方法でイオン化して、イオン化により得られたイオンを質量/電荷に従って分離し、分離した各イオンの強度を測定するというものである。
【0004】
ところで、従来の高分子の質量分析は、高分子そのものに電子を付加してイオン化し、その質量を解析したり、高分子量の分子を低分子量の分子イオンに細分化して質量分析を行い、構成分子を比較するというものであった。
【0005】
ここで、従来の高分子の質量分析におけるイオン生成方法としては、例えば、高分子に高エネルギー原子イオンを衝突させてイオン化する2次イオン質量分析(SIMS)法や、電子衝撃によって低分子量の分子イオンに細分化して質量分析を行う電子イオン化(ED)法、マトリックス支援レーザーイオン化(MALDI)法などが知られている。
【0006】
しかしながら、上記したいずれの方法においても、高分子イオンを質量分析するため高分解能の質量分析装置が必要であるという問題点や、中途半端に分解生成したフラグメントイオンの存在が質量スペクトルの解析を困難にするという問題点などがあった。
【0007】
一方、従来より、化学分析に際して同位元素で標識した高分子試料の質量分析方法としては、例えば、ナノ秒レーザーにより原子化およびイオン化を行うレーザー原子化共鳴イオン化(LARIMP)法が知られている。
【0008】
しかしながら、このLARIMP法によれば、レーザーとして、標識元素を原子化するための原子化レーザーと原子化された標識元素の原子をイオン化するための共鳴イオン化レーザーとの2台のレーザーが必要となるため、システム構成が複雑になるという問題点があった。
【0009】
さらに、LARIMP法においては、上記したように標識原子を共鳴イオン化する必要がある。このため、各標識原子に対して固有の波長のレーザー光を照射する必要があり、多種類の標識同位体が混入した状況では効率の良い分析を行うことが極めて困難であるという問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記したような従来の技術の有する種々の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高分子を構成する構成原子の原子イオンを生成し、生成した原子イオンを分析するようにしたレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムであって、高分解能の分析装置を要しないようにしたレーザーアブレーションを用いた高分子の質量分析方法およびそのシステムを提供しようとするものである。より詳細には、例えば、質量分析を行う場合には、質量スペクトルの解析が困難になる恐れを排除するとともに、質量分析装置に高分解能を要しないようにしたレーザーアブレーションを用いた高分子の質量分析方法およびそのシステムを提供しようとするものである。
【0011】
また、本発明の目的とするところは、高分子を構成する構成原子の原子化とイオン化とを1台のレーザーで同時に実現することを可能にして、システム構成を大幅に簡潔化することを可能にしたレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムを提供しようとするものである。
【0012】
さらに、本発明の目的とするところは、多種類の標識同位体が混入した状況においても、効率の良い分析を行うことを可能にしたレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムを提供しようとするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムは、例えば、DNA、蛋白質、RNA、PNA、脂質、糖などの各種の高分子を超短パルスレーザー光でアブレーションすることにより、それら高分子を原子イオン化して原子イオンを生成し、生成した原子イオンを分析するようにしたものである。これにより、各種の高分子の化学分析を行うことができるものである。
【0014】
即ち、本発明のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムによれば、高分子を超短パルスレーザー光でアブレーションすることにより、高分子をバラバラに分解して当該高分子を構成する各原子毎に原子化すると同時に、原子化した原子を1価のイオンにイオン化するものであり、このイオン化により生成された原子イオンを分析することにより、定量分析が可能となるものである。
【0015】
従って、本発明のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムにおいて質量分析を行う場合には、低質量の原子イオンを質量分析することになり、質量スペクトルの解析が困難になる恐れがなくなるのみならず、質量分析装置が高分解能を備える必要がなくなる。
【0016】
また、上記したように、本発明のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムによれば、超短パルスレーザー光で高分子をアブレーションすることにより、高分子の原子化と同時に、原子化された原子の一価のイオンへのイオン化を効率良く行うことが可能となる。従って、システム構成を簡潔化することができるようになるとともに、例えば、化学分析に際して多種類の標識元素を同時に使用することが可能となるため、解析効率を著しく向上させることができる。
【0017】
つまり、本発明のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムにおいては、標識元素の原子化とイオン化とを1台の超短パルスレーザーで同時に行うことができるため、システム構成を大幅に簡略化することが可能となる。
【0018】
さらに、上記したイオン化は、超短パルスレーザー光の高い尖頭値強度によって非共鳴過程によって行われるイオン化(非共鳴イオン化)であるので、多種類の標識同位体が混入した状況においても各標識原子をそれぞれイオン化することができ、多標識系への応用が容易であり、高精度かつ高効率な高分子の分析を行うことができるようになる。
【0019】
このため、本発明のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムは、今後ますます重要性を増す遺伝子発現量の定量解析などに用いて極めて好適である。
【0020】
即ち、本発明のうち請求項1に記載の発明は、分析の対象である高分子にレーザー光を照射して該高分子をアブレーションすることにより、高分子を構成元素に原子化し、原子化した構成元素をイオン化し、イオン化した構成元素を分析するレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法であって、分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションするレーザー光は超短パルスレーザー光であり、該超短パルスレーザー光を分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションすることによって、該高分子を構成元素に原子化すると同時にイオン化し、イオン化した構成元素を分析するようにしたものである。
【0021】
ここで、上記分析としては、例えば、質量分析を挙げることができるが、質量分析以外の分析としては、具体的には、例えば、化学的分析(通常のいわゆる化学分析)や光学的分析(蛍光法など)が挙げられる。
【0022】
また、本発明のうち請求項2に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、分析の対象である高分子は、固相化されたものであるようにしたものである。
【0023】
また、本発明のうち請求項3に記載の発明は、本発明のうち請求項2に記載の発明において、高分子の固相化の方法は、基板上に分析の対象である高分子の溶液を滴下して乾燥することにより固相化する過程を含む方法であるようにしたものである。
【0025】
また、本発明のうち請求項4に記載の発明は、本発明のうち請求項1に記載の発明において、分析の対象である高分子は、元素標識を付けたものとしたものである。
【0030】
また、本発明のうち請求項5に記載の発明は、本発明のうち請求項4に記載の発明において、上記元素標識は、安定同位元素標識であるようにしたものである。
【0031】
また、本発明のうち請求項6に記載の発明は、本発明のうち請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載の発明において、分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションする超短パルスレーザー光は、パルス時間幅が10ピコ秒以下であり、尖頭値出力が10メガワット以上であるようにしたものである。
【0032】
また、本発明のうち請求項7に記載の発明は、本発明のうち請求項6に記載の発明において、分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションする超短パルスレーザー光は、パルス時間幅が1フェムト秒以上1ピコ秒以下であり、尖頭値出力が1ギガワット以上10ギガワット以下であるようにしたものである。
【0033】
また、本発明のうち請求項8に記載の発明は、本発明のうち請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載の発明において、上記イオン化した構成元素の分析は、質量分析であるようにしたものである。
【0034】
また、本発明のうち請求項9に記載の発明は、本発明のうち請求項8に記載の発明において、質量分析は、飛行時間法による質量分析であるようにしたものである。
【0035】
また、本発明のうち請求項10に記載の発明は、本発明のうち請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のいずれか1項に記載の発明において、イオン化した複数の構成元素を同時に分析するようにしたものである。
【0036】
また、本発明のうち請求項11に記載の発明は、本発明のうち請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれか1項に記載の発明において、分析の対象である高分子は、DNAマイクロアレイに定着された核酸または核酸の類似体であるようにしたものである。
【0037】
なお、核酸または核酸の類似体としては、具体的には、例えば、DNA、RNA、PNAが挙げられる。
【0038】
また、本発明のうち請求項12に記載の発明は、本発明のうち請求項11に記載の発明において、上記DNAマイクロアレイは、多チャンネル化したDNAマイクロアレイであるようにしたものである。
【0040】
また、本発明のうち請求項13に記載の発明は、分析の対象である高分子にレーザー光を照射して該高分子をアブレーションすることにより、高分子を構成元素に原子化し、原子化した構成元素をイオン化し、イオン化した構成元素を分析するレーザーアブレーションを用いた高分子の分析システムであって、内部にターゲットを配置可能な真空槽と、上記真空槽内に配置された分析器と、超短パルスレーザー光を出射して上記真空槽内に配置されたターゲットへ照射する超短パルスレーザーとを有するようにしたものである。
【0044】
また、本発明のうち請求項14に記載の発明は、本発明のうち請求項13に記載の発明において、上記分析器は、質量分析器であるようにしたものである。
【0045】
また、本発明のうち請求項15に記載の発明は、本発明のうち請求項14に記載の発明において、上記質量分析器は、四重極質量分析器であるようにしたものである。
【0046】
また、本発明のうち請求項16に記載の発明は、本発明のうち請求項14に記載の発明において、上記質量分析器は、飛行時間質量分析器であるようにしたものである。
【0048】
また、本発明のうち請求項17に記載の発明は、本発明のうち請求項13、14、15または16のいずれか1項に記載の発明において、上記超短パルスレーザーは、パルス時間幅が10ピコ秒以下であり、尖頭値出力が10メガワット以上である短パルスレーザー光を照射するようにしたものである。
【0049】
また、本発明のうち請求項18に記載の発明は、本発明のうち請求項17に記載の発明において、上記超短パルスレーザーは、パルス時間幅が1フェムト秒以上1ピコ秒以下であり、尖頭値出力が1ギガワット以上10ギガワット以下である短パルスレーザー光を照射するようにしたものである。
【0050】
ここで、本発明において超短パルスレーザー光により高分子をアブレーションする際には、高分子に超短パルスレーザー光を1ショット(1パルス)照射すれば十分である。しかしながら、高分子に超短パルスレーザー光を複数ショット(複数パルス)照射してもよく、高分子への照射する超短パルスレーザー光のショット数(パルス数)は適宜に選択すればよい。
【0051】
また、超短パルスレーザーとは、パルス時間幅が10ピコ秒以下であることが好ましく、特に、1フェムト秒以上1ピコ秒以下の通常はフェムト秒レーザーと称されるレーザーを用いるのが適当である。その尖頭値出力としては、10メガワット以上が好ましく、特に、1ギガワット以上10ギガワット以下が好ましい。
【0052】
この範囲以上に大きいと多価イオンが生成されて、質量スペクトルの解析が困難となり、これ以下だと原子化・イオン化の効率が低下して、原子イオン信号を観測することができないからである。
【0053】
なお、後述する発明者による実験によれば、例えば、パルス時間幅が110フェムト秒、尖頭値出力2ギガワットの場合には、極めて良好な結果を得ることができた。
【0054】
また、本発明によれば、原子化と同時にイオン化を効率良く行うことのできるフェムト秒レーザー光などの超短パルスレーザー光を、同位元素で標識した高分子試料に照射するようにしている。このため、標識元素を選択的にイオン化する必要が無くなり、種々様々な標識元素を使用することが可能となる。その上、レーザー照射の繰り返しレートを数kHzまで上げることが可能であるため、高速解析に適している。
【0055】
また、本発明では、高分子をアブレーションする短パルスレーザー光と分析の対象である高分子とは、少なくともいずれか一方を移動させることにより、該高分子をアブレーションする短パルスレーザー光により該分析の対象である高分子を遺漏、重複なくアブレーションして分析を行うようにしている。即ち、本発明においては、例えば、短パルスレーザー光のスポットと試料として分析の対象である高分子を塗布した基板との移動により、広い面積にわたって塗布された多数の試料を遺漏・重複することなくアブレーションすることを可能にしている。これは、DNAマイクロアレイへの応用において、特に有効である。
【0056】
本発明は、これらの特徴から、解析速度が従来と比較して格段に早くなるばかりか、発現量の極めて少ない遺伝子の発現の同時解析を行うことを可能にするものである。
【0057】
そして、本発明の具体的な応用例としては、例えば、DNAマイクロアレイを用いた遺伝子発現解析があり、その解析を高速化することが可能となる。即ち、本発明によれば標識として多種類の同位元素を用いることが可能となり、標識として、例えば、安定同位元素を用いれば、標識の種類は多種類の安定同位体の数(270種類)にも増やすことができる。これは、従来の標識法である蛍光法(2〜6種類)や放射性同位元素(約10種類)と比較して、飛躍的に情報量を増やすことができる。
【0058】
より詳細には、DNAマイクロアレイ実験で用いる標識として、例えば、周期律表において1族の安定同位体である39K、41Kなど、周期律表において16族の安定同位体である32S、35Sなど、周期律表において17族の安定同位体である35Cl、37Cl、周期律表において14族の安定同位体である118Sn、120Snなどの安定同位元素を含むヌクレオチドでプローブを標識して使う。
【0059】
プローブをDNAマイクロアレイ上のターゲット核酸とハイブリダイゼーションさせたのち、超短パルスレーザーでアブレーションし、分子の原子イオン化を行い、その後に、例えば、質量分析器で検出すれば、ハイブリダイゼーションしたプローブ内に含まれていた同位元素の量を定量できる。従って、プローブの量比を計算して求めることができる。
【0060】
ここで、従来のDNAマイクロアレイ技術においては、蛍光色素でプローブを標識していた。こうした従来の方法では、ハイブリダイゼーション後の検出に、専用検出装置を用いて10分間程度の時間を要していた。しかしながら、本発明を用いれば、高速化を図ることができる。
【0061】
また、現在利用されている蛍光色素はわずか2種(Cy−3,Cy−5)だけであり、急速な増加は見込めないのが現状である。それに対して、例えば、安定同位元素を使えば、標識の種類を270種にも増やすことができる。
【0062】
また、DNAマイクロアレイの遺伝子の発現データは、参照用サンプルに対する相対値として得られる。つまり、2種の蛍光ラベルしか利用できない従来のDNAマイクロアレイ実験では、多数の試料のデータを実験間で比較することが難しい。
【0063】
しかしながら、別々の元素でラベルした3種類以上の複数のプローブを混合し、同時にターゲットとハイブリダイゼーションさせ、本発明によるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法で計測する多チャンネル化したDNAマイクロアレイを用いると、複数試料間のデータを比較することができる。
【0064】
このように、本発明によって、多種類の安定同位元素標識による高感度・高速質量分析法を確立することができるものであり、従って、本発明は、蛍光色素や放射性同位元素で標識を行っている全ての研究分野へ応用可能である。
【0065】
また、本発明によれば、標識元素に放射性同位元素を用いることなく、安定同位元素を用いることができるので、その場合には使用される施設に制限を受けないため、医療施設や民間企業への設置も可能となり、その波及効果は計り知れないものがある。
【0066】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明によるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムの実施の形態の一例を詳細に説明するものとする。
【0067】
図1には、本発明によるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法を実施するための高分子の分析システムの一例として、質量分析システムの構成の一例の概念構成説明図が示されている。
【0068】
この質量分析システム10は、10−8〜10−6Torrの真空度に設定可能な真空槽12と、この真空槽12内に配置されたターゲット14と、真空槽12内に配置された四重極質量分析器16と、ターゲット14を回転する回転導入端子18と、超短パルスレーザー光を出射してターゲット14へ照射する超短パルスレーザー20と、超短パルスレーザー20から照射された超短パルスレーザー光をターゲット14上へ集光するフォーカスレンズ22とを有している。
【0069】
ここで、超短パルスレーザー20は、チタンサファイアレーザーにより構成され、以下に示すようなパラメータを備えている。即ち、
ピーク幅(パルス時間幅):〜110fs(フェムト秒)
出力 :50〜480μJ(マイクロジュール)
(尖頭値出力:0.5〜4GW(ギガワット))
波長 :〜800nm(ナノメートル)
繰り返し :1kHz(キロヘルツ)
である。
【0070】
なお、四重極質量分析器16は、超短パルスレーザー20から出射されてターゲット14に照射される超短パルスレーザー光の照射方向に対して、90度垂直方向に設置されている。
【0071】
また、超短パルスレーザー20から出射された超短パルスレーザー光を集光するフォーカスレンズ22の焦点距離は、例えば、25cmに設定されている。
【0072】
以上の構成において、上記した質量分析システム10を用いて実際に質量分析を行った実験結果について説明する。
【0073】
まず、実験の試料として、図2に示す仕様の2種類のサンプル(サンプル1およびサンプル2)を用いた。そして、この2種類のサンプルを用いてターゲット14をスピンコート法により作成した。
【0074】
即ち、まず、一辺が約2cmの略四角形状のシリコン基板を用意し、その上にサンプル1またはサンプル2の濃い溶液をスポイトで滴下する。その後に、1000回転/秒で90秒間このシリコン基板を回転する。そうすることで、シリコン基板上に滴下されたサンプル1またはサンプル2の溶液は、広がりながら溶媒を蒸発させて固相化し、表面を平らに保ちながら硬化する。それから、表面にサンプル1またはサンプル2が硬化したシリコン基板を、さらに約120度の恒温槽に入れ、30分〜1時間放置する。
【0075】
この方法により、均一、かつ、超短パルスレーザー20から出射された超短パルスレーザー光の1ショットのスポット当たり1013程度の濃度で、1cmφ以上の面積を覆うサンプル1またはサンプル2を形成したターゲット14を作ることができる。
【0076】
ここで、基板の材質は半導体である必要はなく、金属や絶縁体であっても良い。超短パルスレーザー光を用いたレーザーアブレーションでは、熱伝導度の高い基板が、より高いイオン検出効率を与える。なお、基板としては固体を用いるものであり、この基板として用いる固体の熱伝導率は0.1W・m−1・K−1以上であることが好ましい。
【0077】
上記のようにして作成したターゲット14を真空槽12内に装着して、真空槽12内を真空に引いて、真空槽12内の真空度が10−6Torr以下となるように設定する。
【0078】
次に、超短パルスレーザー20から出射された超短パルスレーザー光を、フォーカスレンズ22を用いてターゲット14上に集光して、ターゲット14上に形成されたサンプル1またはサンプル2をアブレーションする。
【0079】
なお、超短パルスレーザー20から出射される超短パルスレーザー光のパルス幅は110フェムト秒であり、出力は53μJ、230μJ、480μJに変化させた。
【0080】
そして、四重極質量分析器16によって、ターゲット14への超短パルスレーザー光の照射により発生した一価のイオンの質量を測定する。
【0081】
図3(a)(b)(c)には、上記した手法により、四重極質量分析器16によって測定されたサンプル1の質量スペクトラムが示されている。
【0082】
短パルスレーザー光の出力を53μJ(図3(b)参照)から230μJ(図3(a)参照)にあげることで、一価のイオンとなった12C、16O、19Fをほぼ構成比に対応した量で検出することができた。
【0083】
これにより、サンプル1の高分子は、フェムト秒レーザーなどの超短パルスレーザーによるアブレーションにより原子化され、その原子化と同時にイオン化されたことが確認された。
【0084】
ここで、さらに短パルスレーザー光の出力を480μJにあげると、Cの割合が増加し、また、二価のシリコンイオンと思われるピークが顕著に現れてきた(図3(c)参照)。なお、図3(c)の測定に関しては、四重極質量分析器16の感度を図3(a)ならびに図3(b)の測定の場合よりも二桁下げて測定した。
【0085】
次に、図4には、超短パルスレーザー光の照射によってサンプル1が剥ぎ取られたターゲット14の状態を示す顕微鏡写真が示されている。図4においては、同心円状に形成された二重円たる内側の白い円とその周りの外側の黒い円とが視認される。この1スポットは、シャッターの開放時間8msの照射に対応する。つまり、超短パルスレーザー光の約8ショット分のパルスによって剥ぎ取られた言える。
【0086】
図5は、ターゲット14に形成された傷の深さと面積とを測定した結果を示している。ここで、深さレベルB(Lv.B)がシリコン基板の表面と考えられ、深さ8μm、幅224μmの円筒内にあったサンプル1と深さ6μm、幅48μmの円錐内のシリコンとが、8ショット分のパルスで剥ぎ取られたものと認められる。これから、超短パルスレーザー光の1ショットで剥ぎ取られたサンプルの量とシリコンの量とを見積もると、以下の結果となる。
【0087】
即ち、
超短パルスレーザー光の1ショットで剥ぎ取られたサンプルの量:
(224/2)π×8×10−12[cm]×1[g/cm]×{(6.02×1023)/1193}÷8=2.0×1013
超短パルスレーザー光の1ショットで剥ぎ取られたシリコンの量:
(48/2)π×6×10−12×(1/3)[cm]×2.33[g/cm]×{(6.02×1023)/28}÷8=2.3×1013
上記したように、サンプル1に関する実験結果から、超短パルスレーザー光(具体的には、パルス時間幅が110フェムト秒のフェムト秒レーザー光である。)のアブレーションにより、高分子を原子化・イオン化することが可能であることが実証された。
【0088】
次に、ラベルのついたDNAサンプルでの実験を行うために、サンプル2として市販のdATPを用いて、サンプル1の場合と同様にして実験を行った。
【0089】
図6には、この実験により得られた質量スペクトラムが示されており、構成元素の12C、14N、16O、23Na、31Pのピークを観測することができた。
【0090】
この結果からも、超短パルスレーザー光(具体的には、パルス時間幅が110フェムト秒のフェムト秒レーザー光である。)のアブレーションにより、高分子(分子量500程度)も原子化・イオン化させることができることが確認できた。さらに、Pの同位元素をラベルとして用いることも可能であることが言える。
【0091】
以上のことから、高分子を高密度でシリコン基板上に塗布することにより、有機分子内の構成要素であるC、N、O、Na、F、Pなどを超短パルスレーザー光のアブレーションによって原子化・イオン化して検出できることが実証された。dATP内のPを検出できたことにより、Pの同位元素をラベルとして利用することができる。
【0092】
次に、以下に示す試料(16族元素をもつDNAサンプルとして、S置換DNAサンプル)をサンプル3として用いるとともに、超短パルスレーザー20のパルス時間幅を110フェムト秒、尖頭値出力を2GWに設定した場合の実験結果について説明する。
【0093】
サンプル3:2′−Deoxyadenosine 5′−O−(1−Thiotriphosphate)
化学式:C101311SNa・3H
このサンプル3の場合にも、サンプル1ならびにサンプル2に関する実験の場合と同様に、質量分析システム10により高分子の質量分析を行う前に、まず、ターゲット14として、質量分析の対象となる試料たる高分子(上記したS置換DNAサンプルである。)を溶媒に溶かした溶液をシリコン基板に塗布し、そのシリコン基板を摂氏50度の恒温槽内に約30分間放置し、シリコン基板に塗布された溶媒を蒸発させたものを準備する。
【0094】
上記のようにして表面にサンプル3が硬化したターゲット14を真空槽12内に装着して、真空槽12内を真空に引いて、真空槽12内の真空度が10−6Torr以下となるように設定する。
【0095】
次に、超短パルスレーザー20から出射された上記したパラメータを備えた超短パルスレーザー光を、フォーカスレンズ22を用いてターゲット14上に集光して、ターゲット14をアブレーションする。
【0096】
回転導入端子18によりターゲット14を回転することにより、ターゲット14を遺漏・重複なくスポット状にアブレーションする。また、この際に、フォーカスレンズ22を移動しながらシャッターを開閉することにより、ターゲット14上をスポット状に遺漏・重複なくアブレーションすることができる。
【0097】
そして、四重極質量分析器16によって、ターゲット14への超短パルスレーザー光の照射により発生した一価のイオンの質量を測定する。
【0098】
図7には、上記した手法により、四重極質量分析器16によって測定された試料の質量スペクトラムの一例が示されている。
【0099】
次に、以下に示す試料(17族元素をもつDNAサンプルとして、Cl置換DNAサンプル)をサンプル4として用いるとともに、超短パルスレーザー20のパルス時間幅を110フェムト秒、尖頭値出力を2GWに設定した場合の実験結果について説明する。
【0100】
サンプル4:5−Chloro−2′−Deoxyuridine
化学式:C11ClN
このサンプル4の場合にも、サンプル1ならびにサンプル2に関する実験の場合と同様に、質量分析システム10により高分子の質量分析を行う前に、まず、ターゲット14として、質量分析の対象となる試料たる高分子(上記したCl置換DNAサンプルである。)を溶媒に溶かした溶液をシリコン基板に塗布し、そのシリコン基板を摂氏50度の恒温槽内に約30分間放置し、シリコン基板に塗布された溶媒を蒸発させたものを準備する。
【0101】
上記のようにして表面にサンプル4が硬化したターゲット14を真空槽12内に装着して、真空槽12内を真空に引いて、真空槽12内の真空度が10−6Torr以下となるように設定する。
【0102】
次に、超短パルスレーザー20から出射された上記したパラメータを備えた超短パルスレーザー光を、フォーカスレンズ22を用いてターゲット14上に集光して、ターゲット14をアブレーションする。
【0103】
フォーカスレンズ22を移動しながらシャッターを開閉することにより、ターゲット14を遺漏・重複なくスポット状にアブレーションする。
【0104】
そして、四重極質量分析器16によって、ターゲット14への超短パルスレーザー光の照射により発生した一価のイオンの質量を測定する。
【0105】
図8には、上記した手法により、四重極質量分析器16によって測定された試料の質量スペクトラムの一例が示されている。
【0106】
なお、本発明によるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法は、例えば、DNA、蛋白質、RNA、PNA、脂質、糖などの各種の高分子の質量分析に用いることが可能である。
【0107】
また、これら各種の高分子に関しては、元素標識を付けたものも解析することができるのは勿論である。
【0108】
即ち、超短パルスレーザーにより単数または複数の同位体元素で標識した蛋白、アルブミン、DNAなどの高分子をアブレーションすることにより、高分子構成元素を完全に原子イオン化し、イオン化した標識元素を質量分析することにより高分子の定量測定を行うことができる。これにより、多種類の同位体元素を標識として使用することができるようになる。従って、質量分析することができる高分子の対象範囲を飛躍的に広げることができるようになる。
【0109】
つまり、本発明によって、同位体元素で標識した高分子試料それ自体を原子レベルでイオン化し、標識元素を検出することが可能となるから、質量分析可能な対象範囲を飛躍的に広げることができるようになる。例えば、DNAの標識として同位体元素を用いることが可能となり、標識の種類をたとえば安定同位体元素の数である270にも増やすことができる。これは、従来の標識法である蛍光法(2種類)や放射性同位元素(約10種類)と比較して、飛躍的に情報量を増やすことができる。
【0110】
なお、上記した実施の形態においては、質量分析器として四重極質量分析器を用いるようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、原子の飛行時間を測定することにより質量分析を行う飛行時間質量分析器を用いた場合には、一回のレーザー照射で複数の原子の質量分析を同時に行うことができる。また、質量分析器としてイオンサイクロトロン型フーリエ変換質量分析器を用いた場合にも、複数の原子の質量分析を同時に行うことが可能となる。
【0111】
また、上記した実施の形態においては、高分子の分析方法として質量分析に関して説明したが、これに限られるものではないことは勿論であり、質量分析以外の分析に関して本発明を用いるようにしてもよい。
【0112】
また、上記した実施の形態においては、ターゲット14を移動する移動手段として、ターゲット14を回転する回転導入端子18を用いたが、これに限られるものではないことは勿論であり、ターゲット14を載置可能な移動自在のテーブルなどの適宜の移動手段を用いるようにしてもよい。
【0113】
また、上記した実施の形態においては、回転導入端子18を用いてターゲット14を回転することにより、ターゲット14を遺漏・重複なくアブレーションするようにしたが、これに限られるものではないことは勿論であり、超短パルスレーザー光のターゲットへの照射位置を移動する移動手段を設けるようにして、ターゲット14を遺漏・重複なくアブレーションするようにしてもよい。
【0114】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、高分子を構成する構成原子の原子イオンを生成し、生成した原子イオンを分析するようにしたレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法およびそのシステムであって、高分解能の分析装置を要しないようにしたレーザーアブレーションを用いた高分子の質量分析方法およびそのシステムを提供することができるという優れた効果を奏する。ここで、より詳細には、例えば、質量分析を行う場合には、質量スペクトルの解析が困難になる恐れを排除することができるとともに、高分解能の質量分析装置を必要とすることがないという優れた効果を奏する。
【0115】
また、本発明は、以上説明したように構成されているので、システム構成を大幅に簡潔化することができるという優れた効果を奏する。
【0116】
さらに、本発明は、以上説明したように構成されているので、多種類の標識同位体が混入した状況においても、効率の良い分析を行うことができるようになるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法を実施するための高分子の分析システムの一例たる質量分析システムの構成の一例の概念構成説明図である。
【図2】実験に用いた2種類のサンプル(サンプル1およびサンプル2)の仕様を示す図表である。
【図3】(a)(b)(c)は、四重極質量分析器によって測定されたサンプル1の質量スペクトラムである。(a)は短パルスレーザー光の出力を230μJとした場合を示し、(b)は短パルスレーザー光の出力を53μJとした場合を示し、(c)は短パルスレーザー光の出力を480μJとした場合を示す。なお、(c)の測定に関しては、四重極質量分析器の感度を(a)ならびに(b)の測定の場合よりも二桁下げて測定した。
【図4】超短パルスレーザー光の照射によってサンプル1が剥ぎ取られたターゲットの状態を示す顕微鏡写真である。
【図5】ターゲットに形成された傷の深さと面積とを測定した結果を示す説明図である。
【図6】四重極質量分析器によって測定されたサンプル2の質量スペクトラムである。
【図7】四重極質量分析器によって測定されたサンプル3の質量スペクトラムである。
【図8】四重極質量分析器によって測定されたサンプル4の質量スペクトラムである。
【符号の説明】
10 質量分析システム
12 真空槽
14 ターゲット
16 四重極質量分析器
18 回転導入端子
20 超短パルスレーザー
22 フォーカスレンズ

Claims (18)

  1. 分析の対象である高分子にレーザー光を照射して該高分子をアブレーションすることにより、高分子を構成元素に原子化し、原子化した構成元素をイオン化し、イオン化した構成元素を分析するレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法であって、
    分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションするレーザー光は超短パルスレーザー光であり、
    該超短パルスレーザー光を分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションすることによって、該高分子を構成元素に原子化すると同時にイオン化し、イオン化した構成元素を分析する
    ものであるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  2. 請求項1に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    分析の対象である高分子は、固相化されたもの
    であるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  3. 請求項2に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    高分子の固相化の方法は、基板上に分析の対象である高分子の溶液を滴下して乾燥することにより固相化する過程を含む方法
    であるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  4. 請求項1に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    分析の対象である高分子は、元素標識を付けたもの
    であるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  5. 請求項4に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    前記元素標識は、安定同位元素標識である
    レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  6. 請求項1、2、3、4または5のいずれか1項に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションする超短パルスレーザー光は、パルス時間幅が10ピコ秒以下であり、尖頭値出力が10メガワット以上である
    レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  7. 請求項6に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    分析の対象である高分子に照射して、該高分子をアブレーションする超短パルスレーザー光は、パルス時間幅が1フェムト秒以上1ピコ秒以下であり、尖頭値出力が1ギガワット以上10ギガワット以下である
    レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか1項に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    前記イオン化した構成元素の分析は、質量分析である
    レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  9. 請求項8に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    質量分析は、飛行時間法による質量分析
    であるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のいずれか1項に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    イオン化した複数の構成元素を同時に分析する
    ものであるレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  11. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれか1項に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    分析の対象である高分子は、DNAマイクロアレイに定着された核酸または核酸の類似体である
    レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  12. 請求項11に記載のレーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法において、
    前記DNAマイクロアレイは、多チャンネル化したDNAマイクロアレイである
    レーザーアブレーションを用いた高分子の分析方法。
  13. 分析の対象である高分子にレーザー光を照射して該高分子をアブレーションすることにより、高分子を構成元素に原子化し、原子化した構成元素をイオン化し、イオン化した構成元素を分析するレーザーアブレーションを用いた高分子の分析システムであって、
    内部にターゲットを配置可能な真空槽と、
    前記真空槽内に配置された分析器と、
    超短パルスレーザー光を出射して前記真空槽内に配置されたターゲットへ照射する超短パルスレーザーと
    を有する高分子の分析システム。
  14. 請求項13に記載の高分子の分析システムにおいて、
    前記分析器は、質量分析器である
    高分子の分析システム。
  15. 請求項14に記載の高分子の分析システムにおいて、
    前記質量分析器は、四重極質量分析器である
    高分子の分析システム。
  16. 請求項14に記載の高分子の分析システムにおいて、
    前記質量分析器は、飛行時間質量分析器である
    高分子の分析システム。
  17. 請求項13、14、15または16のいずれか1項に記載の高分子の分析システムにおいて、
    前記超短パルスレーザーは、パルス時間幅が10ピコ秒以下であり、尖頭値出力が10メガワット以上である短パルスレーザー光を照射する
    高分子の分析システム。
  18. 請求項17に記載の高分子の分析システムにおいて、
    前記超短パルスレーザーは、パルス時間幅が1フェムト秒以上1ピコ秒以下であり、尖頭値出力が1ギガワット以上10ギガワット以下である短パルスレーザー光を照射する
    高分子の分析システム。
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