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JP3683129B2 - 光学活性アルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アルコールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、卵白又は卵白から分離されたオボアルブミンを固定化したものを触媒として基質から光学活性アルコールを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性アルコールは医薬品や農薬等の原料又は中間原料、強誘電性液晶等のファインケミカル分野における合成中間体として極めて重要な物質である。
このような光学活性アルコール等の光学活性物質を生合成するために、従来から1)微生物菌体、2)微生物菌体由来酵素、3)動物組織由来酵素、4)植物培養細胞等を基質と反応させて光学活性アルコールを製造する方法が知られている。
前記1)の微生物菌体を用いる方法としては、培養した菌体を基質と反応させて光学活性アルコールを得る方法があり、例えば特許第2784578号公報(光学活性1,2−ジオール類の製造方法)が公知である。
また、2)の微生物菌体由来酵素を用いる方法としては遺伝子を導入して培養した菌体の粉砕液を基質と反応させて光学活性アルコールを得る方法があり、例えば特公開10−210981号公報(ハロヒドリンより光学活性ジオールへの変換を触媒する新規なタンパク質)が公知である。
【0003】
また、3)の動物組織由来酵素を用いる方法としては動物組織から分離された蛋白質と基質とを反応させて光学活性アルコールを得る手法があり、例えば特許第2756790号公報(光学活性なシクロペンテノール誘導体の製造方法)が公知である。
また、4)の植物培養細胞を用いる反応には植物細胞を基質と反応させて光学活性アルコールを得る方法があり、例えば特開平4−222592(植物培養細胞を用いる光学活性イナベンフイドの製造方法)が公知である。
【0004】
1)「微生物菌体」を用いる方法は、特許第2784578号公報(光学活性1,2−ジオール類の製造方法)、特許第2774341号公報(光学活性2−ヒドロキシ酸誘導体の製造法)で公知のように、微生物菌体を培養条件を適切に設定することにより培養溶液中で増殖させ、この培養液から遠心分離又は濾過により菌体を回収し、該菌体を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.5)又は蒸留水等に懸濁した液中で基質のケトン体を不斉還元させて光学活性アルコールを合成するものである。しかしながら、菌体含有酵素の種類が多様であることが原因で、基質変換反応以外の副反応が同時に起こるため、目的とする光学活性アルコールの収率が低く、又、反応生成物を含む溶媒中から単離精製作業を行っても、得られる光学活性アルコールの純度が低いので、ファインケミカル分野での合成中間体として利用しにくい点がある。
【0005】
2)「微生物由来酵素」を用いる方法は、例えば、特開平10−210981号公報(ハロヒドリンより光学活性ジオールへの変換を触媒する新規なタンパク質)に開示されているように、遺伝子組替えの方法でクローン化された遺伝子を菌体内に多数存在する形質転換微生物を用いて光学活性エピハロヒドリン及び光学活性ジオールを製造する方法であるが、これも微生物菌体を用いる方法と反応工程自体に大きな違いはないために基質反応の際に生じる副反応を制御できず、したがって、「微生物菌体」を用いる方法と同様の問題点を有している。更に、遺伝子導入菌株は自然界では異品種であり、ヒトをはじめとする生態系に悪影響を与える危険性があるため、外部環境から隔離する設備や反応残査等の焼却処分等の経費負担が必要である。
【0006】
また、3)「動物組織由来酵素」は、特許第2756790号公報(光学活性なシクロペンテノール誘導体の製造方法)等で公知のように、豚の膵臓リパーゼの不斉加水分解反応を用いた光学活性シクロペンテノール誘導体の製造方法があるが、佐竹一夫著「生物学のための有機化学3 タンパク質」第114−172項(朝倉書店発行)に記載されているように動物組織由来酵素は粗酵素であるので、前述の1)、2)と同様に副反応が生じて収率の低下を生ずることは否めない。
【0007】
また、4)「植物培養細胞」は、特開平4−222592号公報(植物培養細胞を用いる光学活性イナベンフイドの製造方法)及び特開平8−103289号公報(植物細胞による立体選択的なα−アルキル−β−ヒドロキシカルボン酸エステルの製造方法)で公知のように、植物含有酵素の種類が多様であることが原因で生ずる基質変換反応以外の副反応により、得られる光学活性アルコールの収率が低いという問題がある。又、植物細胞の培養は全行程において無菌操作の必要性である等の点で育種が難しく、更に1年から2年間の継体培養を繰り返す期間が必要であることや基質と反応させる反応栄養培地液(MS培地、MSK−II培地、B−5培地等)の作製が必要であること等、反応操作が煩雑である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の問題点を解消するために、卵、特に、世界各国で生産され、かつ、消費されている安価な鶏卵由来の卵白、特にオボアルブミンを光学分割触媒として有機合成化学に応用することにより、生態系に優しく、しかも、反応コストの大幅低減化が可能となり、更には光学純度の高い光学活性アルコールの製造法を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明において、前記光学分割触媒を用いて、高光学純度の光学活性アルコールを得る製造法は、概略、次のような方法を含有するものである。
(1)基質としてのラセミ体アルコールの一方の鏡像体を選択的に酸化してケトンとし、他方の鏡像体を未反応のまま残留させ、光学活性アルコールとして分離する光学活性アルコールを製造する方法。
(2)基質としてケトン分子の不斉還元により光学活性アルコールを製造する方法。
(3)基質としてのラセミ体アルコールのアシル化体の不斉加水分解により光学活性アルコールを製造する方法。
(4)有機溶媒中でラセミ体アルコールの一方の鏡像体を立体選択的にアシル化し、得られたそのアシル化された鏡像体を加水分解して、光学活性アルコールとして分離する光学活性アルコールを製造する方法。
【0010】
本発明者は上記問題点を解決し、安全かつ平易な方法で高純度の光学活性アルコールを得る方法について鋭意研究を行った結果、卵白及び卵白から分離されたアルブミンから選択された蛋白質を粉末化する第1の工程と、前記蛋白質を固定化する第2の工程と、前記固定化された蛋白質を触媒としてラセミ体アルコール、ケトン及びラセミ体アルコールのアシル化体から選ばれる基質の酵素変換反応を行う第3の工程と、第3の工程により変換した前記反応基質及び反応生成物の混合物を有機溶媒により抽出する第4の工程と、第4の工程の抽出物から光学活性アルコール又は光学活性アルコールのアシル化体を単離精製する第5の工程を組み合わせ、必要によりさらに加水分解することにより、ファインケミカル分野における合成中間体を合成する原料として充分に利用可能な高純度のR体又はS体の光学活性アルコールが安全かつ平易に得られることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の光学活性アルコールとして適切なものは、1−(4−ブロモフェニル)エタノール、1−(4−クロロフェニル)エタノール、1−フェニルエタノール、1−フェニルプロパノール、1−フェニルブタノール、1−(4−メチルフェニル)エタノール、1−(4−メトキシフェニル)エタノール、1−(4−ニトロフェニル)エタノール、1−(2−ナフチル)エタノール等があげられるが、これに限定されるものではない。
【0011】
本発明において用い得る卵白又はオボアルブミンとしては、鶏卵由来のものが挙げられるが、鳥類、両生類、魚類の卵アルブミンも同様に用いることができ、鶏卵由来のものに限定するものではない。本発明の触媒は、オボアルブミンを含有する成分であればよく、したがって、卵白そのものも用い得るが、効率的には、卵白から分離されたオボアルブミンを用いることが望ましい。
本発明の第1の工程における粉末化工程においては、卵白から硫酸アンモニウム法、硫酸ナトリウム法などの公知の方法によって分離されたオボアルブミンを、0.1〜5(容量)%のオボアルブミン濃度になるように水に溶解させるか、又は、卵白そのものを用いてオボアルブミン濃度が上記範囲になるように水溶液を調製する。これらの液体を硬質合金製の直径0.3〜4mmの穴から30〜70kg/cm2 の圧力で、直径約500μmの液滴として、130〜150℃の熱風中に非常に微粒子の状態で噴霧し、瞬間的に水分を蒸発させて乾燥を行う噴霧乾燥法を用いて粉末体の卵白又はオボアルブミンを得る。
【0012】
第2の工程において、該蛋白質を固定化する方法は1)該蛋白質を水不溶性の担体、例えば、セルロース、デキストラン、アガロース等の多糖類の誘導体又はポリアクリルアミドゲル等に結合させる担体結合法、2)該抽出蛋白質を2以上の官能基を有する試薬を用いて該蛋白質間に架橋結合を形成させて固定する架橋法、3)該蛋白質を、ゲル、例えば、アルギン酸塩、デンプン、コンニャク、ポリアクリルアミドゲル及びポリビニルアルコール等のゲルの細かい格子の中に取り入れる(格子型)か、半透膜性の皮膜によって被覆する(マイクロカプセル型)包括法があり、いずれの固定化法も本発明において用いることができる。しかしながら、海草より抽出するアルギン酸の塩を用いた包括固定化法が環境に優しく、かつ、固定化操作が平易な点で最も好ましい。
【0013】
第3の工程において、原料である基質から光学活性アルコール又は光学活性アルコールのアシル化体を得るための酵素変換方法は、
(1)基質としてのラセミ体アルコールの一方の鏡像体を選択的に酸化してケトンとし、他方の鏡像体を未反応のままの光学活性アルコールとして残留させる方法、
(2)基質としてのケトン分子の不斉還元により光学活性アルコールを得る方法、
(3)基質としてのラセミ体アルコールのアシル化体の不斉加水分解により光学活性アルコールを得る方法、
(4)有機溶媒中で基質としてのラセミ体アルコールの一方の鏡像体をハロゲン化アシル又は酢酸ビニルにより立体選択的アシル化する方法を含有する。
【0014】
(2)のケトン分子を基質として用いる不斉還元反応では、酵素変換反応の不斉変換反応は100%に至らず途中で止まってしまうので、反応が止まった時点あるいは止まる前に反応溶液を抽出処理しないと時間の経過に伴い光学純度が低下する。したがって、卵白の種類により適切な反応停止時間を決定する必要があるが、一般に変換率7%以下で反応を終了させると、その生成光学活性アルコールの立体配置と光学純度は、(1)の基質にラセミアルコールを用いた場合と同様であり、
(3)の基質としてのラセミアルコールのアシル化体を用いる反応においては、不斉加水分解反応は、一般に変換率7%を越えると光学純度が低下する。したがって、卵白の種類により適切な反応停止時間を決定する必要があるが、収率は低いけれども、変換率7%以下で反応を終了させた場合、その生成光学活性アルコールの立体配置と光学純度は、(1)の基質にラセミアルコールを用いた場合と同様である。
【0015】
また、(4)の有機溶媒中のラセミ体アルコールの不斉アシル化を用いる反応は、不斉アシル化反応により得られたアシル化体を、さらに加水分解することにより、光学活性アルコールを得るものである。しかしながら、不斉アシル化反応は変換率5%を越えると光学純度が低下するので、卵白の種類により反応停止時間を決定する必要があるが、一般に変換率5%以下でアシル化反応を終了させたとき、その後の加水分解により得られた生成光学活性アルコールの立体配置と光学純度は、(1)の基質にラセミアルコールを用いた場合と同様である。
【0016】
本発明においては、(1)のラセミ体アルコールを基質とする一方の鏡像体を選択的に酸化して光学活性アルコールを得る方法が収率などの点から最も好ましい。上記(1)〜(4)の反応温度は、約25〜45℃、好ましくは30〜40℃が適当であって、約35℃で行うことが最も好ましい。
また、上記(1)〜(3)の反応においては、極性溶媒として水、非極性溶媒としてはアセトン、メタノール、エタノール等を用いることができるが、極性溶媒の水が最も好ましい。(4)の反応においては、ベンゼン、トルエン、イソプロピルアルコール(ドライ)などの有機溶媒を用い得るが、ベンゼンを用いることが好ましい。
また、反応により得られる光学活性アルコールは、基質の置換基の影響により、S体又はR体となる。
【0017】
第4の工程において抽出有機溶媒は非反応性溶媒の酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン等を用いることができる。
第5の工程において、単離精製を行う操作としてはシリカゲルクロマトグラフ又はシリカゲル薄層クロマトグラフを用いるのが最も好ましいが、特許第2804247号公報(固定化生体触媒を用いる反応)に記載されているような、反応槽から生成物に富む反応液の一部を抜き出し、生成物の析出温度に設定した晶析槽に移送して生成物を析出させ、濾過により分離後、その母液に基質を添加し、反応槽に戻して反応させる一連の操作を繰り返し、晶析槽に懸濁状の生成物を蓄積させる単離精製方法などの本出願前公知の単離精製方法を用い得る。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、これは説明のためのものであって、これにより、本発明を限定して解すべきでない。
(1)の基質としてのラセミ体アルコールの一方の鏡像体を選択的に酸化して、光学活性アルコールを製造する方法
実施例1(オボアルブミン)
先ず第1の工程として、鶏卵より卵白を分離し、硫酸アンモニウム法にてオボアルブミンを分離し、0.1〜5%のオボアルブミン濃度になるように水に溶解し、噴霧乾燥処理を行い、粉体のオボアルブミンを調製した。また、アルギン酸ナトリウム水溶液はオートクレーブの条件、温度121℃、時間20分で、アルギン酸ナトリウムを水溶液中に溶解して調製した。
【0019】
次に、第2の工程において、オボアルブミン粉20gに10倍等量の蒸留水200mlを加え、更に、5%のアルギン酸ナトリウム水溶液を1.25倍等量の250ml加えて均一になるまで攪拌し、オボアルブミン・アルギン酸ナトリウム混合溶液を得た。得られたオボアルブミン・アルギン酸ナトリウム混合溶液を、注射器等を用いて0.6%の塩化カルシウム水溶液中に滴下して固定化状態のオボアルブミン含有アルギン酸カルシウムゲルビーズを作製した。更に0.6%塩化カルシウム水溶液中で5時間以上放置してビーズ膜を強固にした。
【0020】
続いて、第3の工程において、オボアルブミン含有アルギン酸カルシウムゲルビーズを蒸留水にて十分に洗浄し、塩化カルシウム水溶液を除去した後に、用いたオボアルブミン粉の20倍等量の蒸留水(400ml)を反応溶液として添加し、恒温振とう培養器を用いて蒸留水の温度を35℃にした後、基質ラセミアルコールとして、1−(4−ブロモフェニル)エタノール、1−(4−クロロフェニル)エタノール、1−フェニルエタノール、1−フェニルプロパノール、1−フェニルブタノール、1−(4−メトキシフェニル)エタノール、1−(4−ニトロフェニル)エタノール、1−(2−ナフチル)エタノールを添加し、それぞれ振とう培養器55rpmの条件に設定し、基質変換させた。
【0021】
反応終了後に第4の工程において、ビーズと反応溶媒部分を概略分離し、ビーズを十分に蒸留水等の溶媒で洗浄した後、その洗浄溶媒液と反応基質及び反応生成物を含む反応溶媒部分をジエチルエーテルで抽出した。更に、そのエーテル層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムにより脱水乾燥して放置した。
最後に第5の工程において、ジエチルエーテル層をエバポレーターを用いて除去し、反応基質及び反応生成物を70〜230メッシュのシリカゲルクロマトグラフを用いて、ヘキサン対酢酸エチル9対1の展開溶媒で目的物の光学活性アルコールを単離精製した。
【0022】
単離した光学活性アルコールは、文献値としてJ. CHEM. SOC. PERKIN TRANS 1 1995 pp. 1295-1298 とPhytochemistry, Vol. 30, No.11, pp. 3595-3597 を参照して得られる(+又は−)値と得られる光学活性アルコールの旋光度との比較から立体配置が決定でき、高速液体クロマトグラフ(HPLC)の分析条件、キラルセルOB 0.46cmφ×25cm(ダイセル化学株式会社製):30°、UV254nm、溶離液:ヘキサン:2−プロパノール=9:1、流速0.5ml/ 分によって、基質(±)−1−(4−ブロモフェニル)エタノール、(±)−1−(4−クロロフェニル)エタノール、(±)−1−フェニルエタノール、(±)−1−フェニルプロパノール、(±)−1−フェニルブタノール、(±)−1−(2−ナフチル)エタノールの、又、キラルセルOB0.46cmφ×25cm(ダイセル化学株式会社製):30°、UV254nm、溶媒液:ヘキサン:2−プロパノール=9:1、流速1.0ml/ 分によって基質(±)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール、(±)−1−(4−ニトロフェニル)エタノールの立体配置S体とR体のリテンションタイムが確認でき、HPLCに現れる立体配置S体とR体両鏡像体の積分比率の差を光学純度(e.e.=enantiomer excess )として求めた。
【0023】
以上の機器分析にて、(±)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールのリテンションタイム、S体;10.447、R体;11.031、(±)−1−(4−クロロフェニル)エタノールのリテンションタイム、S体;9.936、R体;10.355、(±)−1−フェニルエタノールのリテンションタイム、S体;11.958、R体;13.133、(±)−1−フェニルプロパノールのリテンションタイム、S体8.190,R体8.915,(±)−1−フェニルブタノール、(±)−1−(2−ナフチル)エタノールのリテンションタイム、S体;15.693、R体;17.049、(±)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールのリテンションタイム、S体;9.165、R体;10.781、(±)−1−(4−ニトロフェニル)エタノールのリテンションタイム、R体;18.923、S体;19.562をそれぞれ確認した。また、各基質の酸化にて生じる生成4−ブロモアセトフェノン、4−クロロアセトフェノン、アセトフェノン、プロピオフェノン、ブチロフェノン、4−メトキシアセトフェノン、4−ニトロアセトフェノンのリテンションタイム、13.112、10.304、16.763、16.845、10.709、17.169、37.208も同様に確認した。
【0024】
A.(R )−1−(4−ブロモフェニル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの(±)−1−(4−ブロモフェニル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S )−1−(4−ブロモフェニル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う4−ブロモアセトフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収率54mgで、27%の収率にて(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールが得られた。光学純度は86%e.e.であった。GC条件はHITACHI G−3500ガスクロマトグラフ、キャリアーガス、He 0.48ml/ 分;スピリット比;1/ 55、オーブン温度;150℃、入口温度;250℃、出口温度;250℃、圧力.136kPa、流量値.42ml/分、分析カラム:TC−5HT 0.25mmI.D×30M df(ジーエルサイエンス株式会社製)で反応追跡と反応終了時の時間を決定した。
【0025】
B.(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(4−クロロフェニル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(4−クロロフェニル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う4−クロロアセトフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量52mgで、26%の収率にて(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールが得られた。光学純度は96%e.e.であった。
【0026】
C.(R)−1−フェニルエタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−フェニルエタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−フェニルエタノールの立体選択的な酸化に伴うアセトフェノンへの生変換を経由して、48時間を要し、収量82mgで、41%の収率にて(R)−1−フェニルエタノールが得られた。光学純度は93.2%e.e.であった。
【0027】
D.(R)−1−フェニルプロパノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−フェニルプロパノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−フェニルプロパノールの立体選択的な酸化に伴うプロピオフェノンへの生変換を経由して、150時間を要し、収量90mgで、45%の収率にて(R)−1−フェニルプロパノールが得られた。光学純度は90.2%e.e.であった。
【0028】
E.(R)−1−フェニルブタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−フェニルブタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−フェニルブタノールの立体選択的な酸化に伴うブチロフェノンへの生変換を経由して、178時間を要し、収量96mgで、48%の収率にて(R)−1−フェニルブタノールが得られた。光学純度は90.4%e.e.であった。
【0029】
F.(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う4−メトキシアセトフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量52mgで、26%の収率にて(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールが得られた。光学純度は100%e.e.であった。なお、HPLC条件は流速1.0ml/ 分、GC条件はオーブン温度を190℃に設定した。
【0030】
G.(S)−1−(4−ニトロフェニル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(4−ニトロフェニル)エタノール(200ml)に対する生化学変換反応は以下の通り、(R)−1−(4−ニトロフェニル)エタノールの立体選択的酸化に伴う4−ニトロアセトフェノンへの生変換を経由して、3日を要し、収率50mgで、25%の収率にて(S)−1−(4−ニトロフェニル)エタノールが得られた。光学純度は79%e.e.であった。HPLC条件は流速0.5ml/ 分、GC条件はオーブン温度190℃に設定した。
【0031】
H.(R)−1−(2−ナフチル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質1−(2−ナフチル)エタノール(201mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(2−ナフチル)エタノールの立体選択的酸化に伴う2−アセトナフトンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量48mgで、24%の収率にて、(R)−1−(2−ナフチル)エタノールが85%e.e.の光学純度で得られた。
【0032】
次に、固定化オボアルブミンを光学分割触媒として用いた上記の光学活性アルコールの合成結果を以下の表に示す。
【表1】
Figure 0003683129
【0033】
以上から、オボアルブミンがファインケミカル分野における合成中間体を合成する光学分割触媒として有効であり、高純度のR 体又はS体の光学活性アルコールが安全かつ平易に得られることを見出した。
【0034】
実施例2(固定化オボアルブミンの連続再利用の有効性)
実施例1のように第1の工程で調製したオボアルブミン粉を用いた第2〜第5の工程における1回目の有効性については、ファインケミカル分野における合成中間体として充分に利用可能な光学分割触媒として有効であり、高純度のR体又はS体の光学活性アルコールが安全かつ平易に得られたことを見出した。実施例2は、固定化オボアルブミンの連続再利用の有効性について結果を記す。
【0035】
A.(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(4−ブロモフェニル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う4−ブロモアセトフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量54mg、収率27%、光学純度、86〜91%e.e.で(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、22時間の反応時間で光学純度、86〜91%e.e.の(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、20時間の反応時間で86〜91%e.e.の(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、18時間の反応時間で86〜91%e.e.の(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールを生合成した。
【0036】
【表2】
Figure 0003683129
【0037】
B.(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(4−クロロフェニル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(4−クロロフェニル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う4−クロロアセトフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量54mg、収率27%、光学純度93〜96%e.e.で(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−(4−クロロフェニル)エタノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、22時間の反応時間で光学純度、93〜96%e.e.の(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、20時間の反応時間で、光学純度93〜96%e.e.の(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、18時間の反応時間で、光学純度93〜96%e.e.の(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノールを生合成した。
【0038】
【表3】
Figure 0003683129
【0039】
C.(R)−1−フェニルエタノールの合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−フェニルエタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−フェニルエタノールの立体選択的な酸化に伴うアセトフェノンへの生変換を経由して、48時間を要し、収量82mg、収率41%、光学純度93〜95%e.e.で(R)−1−フェニルエタノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−フェニルエタノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、24時間の反応時間で光学純度93〜95%e.e.の(R)−1−フェニルエタノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、22時間の反応時間で光学純度93〜95%e.e.の(R)−1−フェニルエタノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、20時間の反応時間で光学純度93〜95%e.e.の(R)−1−フェニルエタノールを生合成した。
【0040】
【表4】
Figure 0003683129
【0041】
D.(R)−1−フェニルプロパノールの生合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−フェニルプロパノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−フェニルプロパノールの立体選択的な酸化に伴う4−プロピオフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量54mg、収率27%、光学純度86〜91%e.e.で(R)−1−フェニルプロパノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−フェニルプロパノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、22時間の反応時間で光学純度86〜91%e.e.の(R)−1−フェニルプロパノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、20時間の反応時間で光学純度86〜91%e.e.の(R)−1−フェニルプロパノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、18時間の反応時間で光学純度86〜91%e.e.の(R)−1−フェニルプロパノールを生合成した。
【0042】
【表5】
Figure 0003683129
【0043】
E.(R)−1−フェニルブタノールの生合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−フェニルブタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−フェニルブタノールの立体選択的な酸化に伴う4−ブチロフェノンへの生変換を経由して、178時間を要し、収量96mg、収率48%、光学純度88〜91%e.e.で(R)−1−フェニルブタノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−フェニルブタノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、150時間の反応時間で光学純度88〜91%e.e.の(R)−1−フェニルブタノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、120時間の反応時間で光学純度88〜91%e.e.の(R)−1−フェニルブタノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、96時間の反応時間で光学純度88〜91%e.e.の(R)−1−フェニルブタノールを生合成した。
【0044】
【表6】
Figure 0003683129
【0045】
F.(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの生合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う4−メトキシアセトフェノンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量52mg、収率26%、光学純度100%e.e.で(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、22時間の反応時間で光学純度100%e.e.の(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、20時間の反応時間で光学純度100%e.e.の(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、18時間の反応時間で光学純度100%e.e.の(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールを生合成した。
【0046】
【表7】
Figure 0003683129
【0047】
G.(R)−1−(2−ナフチル)エタノールの生合成
固定化オボアルブミンの基質(±)−1−(2−ナフチル)エタノール(200mg)に対する生化学変換反応は以下の通り、(S)−1−(2−ナフチル)エタノールの立体選択的な酸化に伴う2−アセトナフトンへの生変換を経由して、24時間を要し、収量48mg、収率24%、光学純度85%e.e.で(R)−1−(2−ナフチル)エタノールが得られた。更に、第4の工程で使用済みの固定化オボアルブミンを基質(±)−1−(2−ナフチル)エタノールを用いて、再度第3の工程から同様の反応を検討した結果、22時間の反応時間で光学純度85%e.e.の(R)−1−(2−ナフチル)エタノールを生合成した。更に、3回目の同様の反応を試みた結果、20時間の反応時間で光学純度85%e.e.の(R)−1−(2−ナフチル)エタノールを生合成した。更に、4回目の同様の反応を試みた結果、18時間の反応時間で光学純度85%e.e.の(R)−1−(2−ナフチル)エタノールを生合成した。
【0048】
【表8】
Figure 0003683129
【0049】
実施例3
4−メトキシアセトフェノンからの不斉還元による(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの合成
実施例1と同様にして得られたオボアルブミン粉を用い、実施例1と同様な反応条件で4−メトキシアセトフェノンを基質転換させた。8日間反応させた。収率5%、光学純度90%e.e.で、(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールが得られた。
【0050】
実施例4
ベンゼン溶媒中の1−(4−メトキシフェニル)エタノールのアセチル化体の不斉加水分解による(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの合成
実施例1と同様にして得られたオボアルブミン粉を用い、実施例1と同様な反応条件で、1−(4−メトキシフェニル)エタノールのアセチル化体を4日間不斉加水分解させた。(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールが収率3%、光学純度93%e.e.で得られた。
実施例5
ベンゼン溶媒中での1−(4−メトキシフェニル)エタノールと酢酸ビニルの不斉エステル化を用い、引き続き生成1−(4−メトキシフェニル)エタノールのアセテート体を酸処理して加水分解させる(S)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの合成
実施例1と同様にして得られたオボアルブミン粉を用い、実施例1と同様な反応条件で1−(4−メトキシフェニル)エタノールを基質転換させ、ドライベンゼン中にて、酢酸ビニルと4日間反応させた。得られた1−(4−メトキシフェニル)エタノールのアセテート体の加水分解化合物は、(S)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールであり、収率は3%で、光学純度は93%e.e.であった。
【0051】
【発明の効果】
本発明により、卵白又は卵白由来のオボアルブミンを触媒として原料である基質の酵素変換反応を行うことによりファインケミカル分野における合成中間体を合成するための原料として充分に利用可能な高純度のR体又はS体の光学活性アルコールを安全かつ平易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固定化オボアルブミンを用いた、基質ラセミ体1−(2−ナフチル)エタノールの(S)−1−(2−ナフチル)エタノール(S−1)の立体選択的酸化に伴う2−アセトナフトンへの生変換を経由する(R)−1−(2−ナフチル)エタノール(R−1)の生成に係る反応時間と生成変換率の関係を示すグラフ図である。
【図2】本発明の固定化オボアルブミンを連続使用したときの有効性を示すものであって、(a)、(b)及び(c)は、下記の(a)、(b)及び(c)の反応を行ったときの1〜3回目のそれぞれの反応時間と生成変換率の関係を示すグラフ図である。
(a)基質ラセミ体1−(4−ブロモフェニル)エタノールの(S)−1−(4−ブロモフェニル)エタノールの立体選択的酸化に伴う4−ブロモアセトフェノンへの生変換を経由する(R)−1−(4−ブロモフェニル)エタノール〔(R)−1a〕の生成反応
(b)基質ラセミ体1−(4−クロロフェニル)エタノールの(S)−1−(4−クロロフェニル)エタノールの立体選択的酸化に伴う4−クロロアセトフェノンへの生変換を経由する(R)−1−(4−クロロフェニル)エタノール〔(R)−2a〕の生成反応
(c)基質ラセミ体1−(4−メトキシフェニル)エタノールの(S)−1−(4−メトキシフェニル)エタノールの立体選択的酸化に伴う4−メトキシアセトフェノンへの生変換を経由する(R)−1−(4−メトキシフェニル)エタノール〔(R)−3a〕の生成反応

Claims (6)

  1. 卵白及び卵白から分離されたオボアルブミンから選択された蛋白質を粉末化する第1の工程と、該蛋白質を固定化する第2の工程と、該蛋白質を触媒としてラセミ体アルコール、ケトン及びラセミ体アルコールのアシル化体から選ばれる基質の酵素変換を非極性溶媒又は極性溶媒で行う第3の工程と、該第3の工程により変換した反応混合物を有機溶媒を用いて抽出する第4の工程、該第4の工程における抽出物から光学活性アルコール又は光学活性アルコールのアシル化体を単離精製する第5の工程及び必要により加水分解工程とからなることを特徴とする光学活性アルコールの製造方法。
  2. 該蛋白質がオボアルブミンである請求項1に記載の光学活性アルコールの製造方法。
  3. 第3工程における酵素変換の基質がラセミ体アルコールであって、その一方の鏡像体を選択的に酸化することを特徴とする請求項1に記載の光学活性アルコールの製造方法。
  4. 第3工程における酵素変換の基質がケトンであって、不斉還元反応によることを特徴とする請求項1に記載の光学活性アルコールの製造方法。
  5. 第3工程における酵素変換の基質がラセミ体アルコールのアシル化体であって、不斉加水分解反応によることを特徴とする請求項1に記載の光学活性アルコールの製造方法。
  6. 第3工程における酵素変換が基質ラセミ体アルコールのハロゲン化アシル又は酢酸ビニルによる不斉アシル化反応であり、第4の工程における抽出物が光学活性アルコールのアシル化体であり、第5工程の後に加水分解工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の光学活性アルコールの製造方法。
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