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JP3628023B2 - ロウ水素化異性化法 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は、小さい結晶径の大孔ゼオライトを用い石油ロウを異性化することによって高粘度指数の潤滑油を製造する方法に関する。ロウは、異性化前に水素化分解してもよい。異性化生成物は、目標とする流動点を達成するため、溶剤または触媒のいずれかによって更に脱ロウすることができる。
発明の背景
従来、鉱油系潤滑油は、製油所において実施される別個の連続工程、すなわちパラフィン系原油の大気圧下での分別およびそれに続く減圧下での分別によって製造されており、これらの工程によって留出留分(ニュートラル油)および残留留分が得られ、後者は、脱アスファルト処理および苛酷な溶剤処理ののち、潤滑油ベースストックとしても使用することができる。この精製残留留分は、通常ブライトストックと呼ばれる。ニュートラル油は、従来から低粘度指数(V.I.)の成分を除去するために溶剤抽出した後、溶剤脱ロウプロセスまたは接触脱ロウプロセスによって脱ロウして、所望の流動点を達成している。脱ロウした潤滑油ストックは、安定性の向上および着色成分の除去のため、水素化仕上げしてもよい。粘度指数は、温度の上昇につれて潤滑油の粘度が減少する割合を反映する。溶剤脱ロウによる生成物は、脱ロウ潤滑油および粗ロウ(スラックワックス)である。粗ロウは、代表的には60〜90%のロウを含むと共に、残部は同伴油である。場合により、粗ロウを脱ロウ溶剤で希釈し、次いで粗ロウの製造に用いた濾過工程の温度よりもより高い温度で濾過することによって脱ロウ工程に粗ロウを付し、これにより同伴油を粗ロウから除いて精製することが望ましい。精製したロウは、脱油ロウと呼ばれ、95%を越えるロウを含んでいる。第2の濾過の副生物は、代表的にはロウ50%を含み、ロウ下油と呼ばれる。
潤滑油ストックの接触脱ロウは、分解によってロウ質分子を軽質生成物に転化することによるか、ロウ質分子を異性化して脱ロウ潤滑油中に残る分子種を形成することにより行われる。脱ロウ触媒は、主として、通常ロウを構成するほぼ直鎖状分子の触媒活性点への容易な接近を許容しながら、脱ロウ潤滑油中に一般に含まれる環状および高分岐の分子種の分解を阻害するような孔構造を有することによって、高い収量を保持する。分子のサイズに基づいて分子種の接近可能性を顕著に低下させる触媒は、形状選択性と呼ばれる。脱ロウ触媒の形状選択性を増すと、多くの場合脱ロウ油の収量が増す。
脱ロウ触媒の形状選択性は、実際には、わずかに分岐した構造を有するロウ質分子を変換するその能力によって制限される。このような種類の分子種は、ブライトストックのようなより重質の潤滑油ストックと、より一般的に関連している。脱ロウ触媒の形状選択性がより高ければ、室温で潤滑油の外観を濁らせかつ流動点に比し高い曇点にするような重質の分岐ロウ種を転化することはできないであろう。
従来の潤滑油精製技術は、通常はパラフィン系の特性を示す、粗ストックの適切な選択および使用に依存しており、これにより、所望の品質を持つ潤滑油留分が充分な量で製造される。しかしながら、許容できる粗原料の範囲は、最良のパラフィン系粗ストックよりもより高い芳香族含量を通常有するような限界的な劣った品質の粗ストックを用いうる潤滑油水素化分解プロセスによって広げることができる。潤滑油水素化分解プロセスは、石油精製産業において充分に確立されており、一般に最初の水素化分解工程を含み、これは、高圧高温において、供給原料中に存在する芳香族成分の部分飽和および開環を生じさせる二官能性触媒の存在下に実施される。次いで、水素化分解生成物は、目標とする流動点に達するように脱ロウに付される。なぜなら、水素化分解生成物は、通常、比較的高い流動点の分子種を含んでいるからである。多くの場合、脱ロウ工程からの液体生成物は、潤滑油の芳香族含量を所望の水準まで低下させるために低温高圧水素化処理に付される。
自動車用エンジンの設計における現在の傾向は、エンジンの効率が上昇するにつれて、より高い作動温度に向かっている。このようなより高い作動温度は、従ってより高い品質の潤滑油を必要とする。1つの要求は、エンジン潤滑油の粘度に対しより高い作動温度の影響を減らすため、より高い粘度指数に関することである。高い粘度指数は、これまで、粘度指数向上剤、例えばポリアクリレートおよびポリスチレンを使用することによって達成されてきた。粘度指数向上剤は、エンジン内で発生する高温および高剪断速度の故に、劣化しやすい。高性能エンジンにおいて発生するより苛酷な条件によって、多量の粘度指数向上剤を用いているオイルはより早く劣化する。それ故、高粘度指数を有する液体をベースとし、現代のエンジン内で発生する高温高剪断速度の条件に耐性を示すような自動車用潤滑油に対する要求が引き続き存在している。
ある種の触媒の存在下にオレフィンを重合することによって製造される合成潤滑油は、優れた粘度指数を有することが知られているが、製造コストが比較的高い。従って、石油精製において現在採用されているものに匹敵する技術によって製造しうる鉱油ストックから高粘度指数潤滑油を製造することに対する要求がある。
米国特許第4,975,177号は、ロウ質供給原料から高粘度指数の潤滑油ストックを製造するための2段階脱ロウ法を開示している。この方法の第1段階では、ロウ質供給原料を、貴金属含有ゼオライトベータを用いる異性化によって接触脱ロウする。その実施例では、6996kPaa(1000psig)未満の圧力およびアルファ値約55を有する穏やかな酸性度の触媒を用いる。異性化工程の生成物は、ロウ質種をなお含んでおり、目標とする流動点に達するにはさらに脱ロウする必要がある。第2段階の脱ロウは、溶剤脱ロウ(この場合、除去されたロウは収量を高めるために異性化段階へリサイクルされる)、または接触脱ロウのいずれかを採用する。第2段階で使用されうる触媒は、ZSM−5、ZSM−22、ZSM−23およびZSM−35である。収量および粘度指数を保持するために、第2段階の脱ロウ触媒は、溶剤脱ロウと同様の選択性を有しなければならない。米国特許第4,919,788号も、2段階脱ロウ法を教示しており、この方法では、ロウ質供給原料を、貴金属含有シリカYまたはベータ触媒を用いた異性化によって部分脱ロウする。その実施例では、10030kPaa未満の圧力およびアルファ値55の穏やかな酸性度のゼオライトベータ触媒を開示する。この生成物を、その後溶剤脱ロウまたは接触脱ロウのいずれかを用いて所望の流動点に脱ロウする。ZSM−22およびZSM−23のような高い形状選択性の脱ロウ触媒が好適な触媒である。
米国特許出願番号08/017,949は、2段階の水素化分解/水素化異性化法を開示している。第1段階では、無定形酸性担体に担持された金属水素化成分を含む二官能性触媒を用いる。第2段階では、水素化異性化をゼオライトベータによって行う。その後の脱ロウは任意であるが、推奨されている。目標とする粘度指数および流動点を得るために、溶剤脱ロウまたは接触脱ロウのいずれかをその後に用いてもよい。
米国特許出願番号08/017,955では、石油ロウ供給原料を、低酸性度の貴金属含有ゼオライト触媒を用いて水素化異性化している。供給原料中に存在するパラフィン類は、高粘度指数を有するが流動点は低いイソパラフィン類へ選択的に転化されるため、その後の最小限の脱ロウによって良好な粘度特性を示す最終潤滑油生成物が製造される。高圧下で実施されるこの方法は、約15重量%を越える芳香族含量を含む粗ロウのようなロウ質供給原料を高粘度指数の潤滑油に高い単流収率で向上させるのに非常に適しており、生成物の脱ロウの必要性は限られている。
米国特許第5,302,279号(および同系統の欧州特許出願EP464 547 A1)は、低酸性度のゼオライトベータを用いてフルフラール抽残油(ラフィネート)を異性化および脱ロウする旨、教示する。高い酸性度の触媒よりも低い酸性度の触媒の方が選択性の改善を示すことが、その実施例において証明されている。
米国特許第5,282,958号は、小さい結晶径の単孔ゼオライトを用いn−ヘキサデカンの異性化選択性の改善を示しているが、示された結晶径は、全て非常に小さく、また触媒製造の分野において他の当業者が測定した測定値と一致していない。更に、この特許で使用しているZSM−22およびZSM−23等の拘束された中間孔ゼオライトは、他の中間孔および大孔モレキュラーシーブほどには容易に触媒骨格に接近することができない。潤滑剤種の分子の反応は中間孔触媒の孔入口部分の近くで起こるようである。ZSM−22またはZSM−23の結晶径は、制限がより少ない孔構造の触媒ほどには強力に異性化選択性に対し影響を与えないようである。
発明の概要
本発明は、小さい結晶径(結晶寸法または結晶直径)を有する大孔モレキュラーシーブを用い、ロウ質供給原料を異性化および脱ロウして、高品質で高粘度指数の潤滑油ベースストックを製造する方法を包含する。本発明に使用可能な大孔モレキュラーシーブは、1未満の拘束指数を有するものとして定義され、例えば、ゼオライトベータ、モルデナイトおよびYが挙げられる。大孔モレキュラーシーブは、ロウ質供給原料、とくに高分子量の分子種を含む供給原料から高度に分岐したパラフィン類を形成するための接近可能な孔構造を有する。このような分岐パラフィン類は、高い粘度指数および低い流動点を有する。異性化は触媒の孔内において生じるため、小さい結晶径によって、分岐パラフィン類は、分解することなくゼオライトの孔から容易に拡散でき、これにより高い潤滑油収率が得られる。
本発明は、ロウ質種を分岐パラフィン類に転化する異性化触媒を用いてロウ質炭化水素供給原料を処理することを含む。高い粘度指数および低い流動点を有する、この分岐パラフィン類の形成によって優れた品質を示す潤滑油ベースストックが得られる。
本発明に使用される供給原料は、少なくとも20重量%、好適には30%を越えるロウを含有する。より好適には、供給原料は50%を越えるロウを含む。供給原料は、異性化前に前処理して窒素および硫黄を含有する種を除去すると共に、その芳香族含量を減少させてもよい。未処理または前処理した供給原料は、貴金属含有低酸性度大孔モレキュラーシーブに接触させ、これにより供給原料中ロウの大部分を異性化して、潤滑油ベースストック成分に代表的に含まれる種を形成する。大孔触媒は、酸素12員環を含む孔路を少なくとも1つ有する触媒と定義される。異性化は、代表的には水素分圧4238(600psig)〜20786kPaa(3000psig)で行う。異性化からの流出油は、さらに水素化処理して残りの芳香族を除去してもよい。本発明の実施例で検討したゼオライトベータ触媒は、分解に対する異性化の相対的速度の最大化のため、0.1ミクロン未満の結晶直径を有する。小さい直径の結晶では、異性化した種は触媒骨格から容易に拡散することができ、これによりその分解のためのポテンシャルが減少される。前記先行技術は、高い酸性度の触媒よりも低い酸性度の触媒の方が選択性の改善を示すことを証明している。高い金属活性を低いゼオライト酸性度と組み合わせることは、高い異性化選択性のために必要ではあるが、このような選択性を保証するものではない。ある種のモレキュラーシーブの結晶径は、異性化選択性に対し影響を与える重要なファクターであることが判明した。大きい結晶では、異性化した種が骨格から流出する拡散経路が長くなり、これにより異性化した分子が骨格内で分解する可能性が増大する。本明細書に詳述した本発明は、小さい結晶で低酸性度のゼオライトベータ触媒によって粗ロウのようなロウ質供給原料を異性化する選択性の利点を提供する。
本発明では、白金のような貴金属を担持したゼオライトベータを用いて、ロウ質種を高粘度指数の潤滑油に選択的に異性化する。この触媒は、高異性化選択性、硫黄および窒素に対する中程度の水準の耐性および嵩高いロウ質分子の変換を可能にするような接近可能な孔構造を有する。白金担持ゼオライトベータは、ゼオライト酸性度が低く、金属分散性が高く、また結晶径が小さい場合でも、その選択性は、最適である。
図面の説明
図は、白金を担持した2つの低酸性度シリカ結合ゼオライトベータ触媒に関し、ロウ異性化の選択性を比較する。一方の触媒は小さい結晶径を有し、他方の触媒は大きい結晶径を有する。
発明の詳説
本発明の方法によれば、小さい結晶径の低酸性度ゼオライト水素化異性化触媒を用い、水素化異性化法によって比較的高ロウ含量の供給原料を高粘度指数の潤滑油に転化する。異性化工程からの残留ロウを除去するため、その後に脱ロウ工程が必要となりうる。本発明の生成物は、高い粘度指数を示す良好な粘度特性、代表的に少なくとも140(流動点−17.78℃(0゜F))、通常143〜147の粘度指数を有することを特徴とする。
供給原料
本発明の方法は、良好な性能特性を有するある範囲の潤滑油生成物を製造するために、広い範囲の鉱油起源の供給原料を用いて実施することができる。そのような特性には、低流動点、低曇点および高粘度指数が含まれる。生成物の品質および生成物の収率は、供給原料の品質と、本発明の触媒による処理に対する供給原料の順応性とに依存する。高粘度指数の生成物は、粗ロウ、ロウ下油、脱油ロウ、またはロウ質粗油から誘導される真空留出油などの好ましいロウ供給原料を用いることによって得られる。合成ガスのフィッシャー−トロプシュ法によって製造されるロウも、供給原料として使用することができる。低い粘度指数を有する生成物も、ロウ質成分の低い初期含量を持つ他の供給原料から得ることができる。
使用できる供給原料は、所望の潤滑油の初留点よりも低くはない初留点を有していなければならない。供給原料の代表的な初留点は343℃(650゜F)を越える。使用しうるこのような供給原料には、減圧軽油や、他の高沸点留分、例えば常圧残留油の真空蒸留からの留出油、この留出油の溶剤抽出からの抽残油、水素化分解した真空留出油、抽残油および水素化分解物の溶剤脱ロウからのロウが含まれる。
供給原料は、水素化異性化工程において満足のゆくように処理するには、その予備処理が必要となりうる。一般に必要な予備処理工程は、芳香族および多環式ナフテン類のような低粘度指数の成分並びに窒素および硫黄を含む成分を除去する工程である。
水素化異性化用の供給原料を調製するのに適した予備処理工程は、芳香族および他の低粘度指数成分をもとの供給原料から除去する工程である。水素化処理は、特に、芳香族の飽和に有効な高い水素圧、例えば5600kPaa(800psig)またはそれ以上の圧力において有効な予備処理である。穏和な水素化分解も、要すれば予備処理として使用でき、本発明には好ましい。後記の実施例3で、脱ロウ工程用の供給原料を調製するために本発明で用いた水素化分解の条件を説明する。6996kPaa(1000psig)を越える圧力が、水素化分解処理にとって好ましい。後記表6に示されるように、水素化分解によって窒素含有種および硫黄含有種が除去され、芳香族含有量が低下する。この実施例での水素化分解は、供給原料の沸点範囲をわずかに変化させ、より低い範囲で沸騰するようにした。市販の触媒、例えばアルミナ担持フッ素化ニッケル−タングステン(NiWF/Al2O3)を、水素化分解予備処理に使用してよい。
好ましい軽油および真空留出油供給原料は、ASTM D−3235によって測定した高いロウ含量、好ましくは30重量%を越えるロウ含量、より好ましくは50重量%を越えるロウ含量を有する原料である。この種の供給原料は、東南アジア産および中国産の油を含む。インドネシア産のミナス軽油はそのような供給原料である。これら供給原料は、通常高パラフィン含量を有する(パラフィン類、ナフテン類および芳香族の通常の分析法により測定)。この種の代表的な供給原料の特性は、米国特許出願番号07/017,955に記載されている。
前記したように、好ましい供給原料のロウ含量は高く、予備処理前で一般に少なくとも30重量%(ASTMテストD−3235によって測定)である。予備処理前のロウ含量は、より一般的には、少なくとも60〜80重量%であって、残部はイソパラフィン類、芳香族およびナフテン類を含む吸蔵油である。このようなロウ質高パラフィン系ロウ原料は、通常低い粘度を有する。なぜなら、この原料は、ロウ質パラフィン類の高い含量のためさらに処理しなければ潤滑油として許容されないような融点および流動点となるにも拘わらず、芳香族およびナフテン類を比較的少量しか含んでいないからである。ロウ供給原料は、米国特許出願番号07/017,955において、さらに説明されている。
最も好ましい種類のロウ供給原料は、粗ロウである(後記表2参照)。粗ロウは、溶剤脱ロウ法、例えばMEK/トルエン、MEK/MIBKまたはプロパン脱ロウ法から直接得られるロウ生成物である。粗ロウは、固体または半固体の生成物であって、主として高ロウ質パラフィン類(ほとんどはn−およびモノメチルパラフィン類)と共に吸蔵油を含み、粗ロウは、そのままで使用するかまたは吸蔵油を除去するために通常の条件の初期脱油工程に付すこともできる。吸蔵油を除去すると、より硬くパラフィン性がより高いロウが得られ、これを供給原料として使用することができる。脱油工程の副産物は、ロウ下油と呼ばれ、これも本発明の方法の供給原料として使用してもよい。ロウ下油は、もとの粗ロウ中に存在する芳香族のほとんどを含み、これら芳香族と共にほとんどのその異項原子を含む。粗ロウおよびロウ下油は、代表的には接触脱ロウの前に予備処理を必要とする。脱油したロウの油含量は、非常に低く、再現性よくこれを測定するには、ASTM D721の方法による油含有量測定が必要となる。なぜなら、前記D−3225は、約15重量%未満の油含量において信頼性が低くなる傾向を示すからである。
いくつかの代表的なロウの組成を以下の表1に示す。
Figure 0003628023
代表的な粗ロウ供給原料は、下記表2の組成を有している。この粗ロウは、アラブライト原油から得られた40℃で65cSt(300SUS)のニュートラル油を溶剤(MEK)脱ロウして得た。
Figure 0003628023
Figure 0003628023
本発明の使用に適した別の粗ロウは、後記実施例3の一部として示した表6に示す特性を有する。このロウは、重質中性フルフラール抽残油の溶剤脱ロウによって調製される。先に説明したように、水素化異性化に用いる粗ロウを調製するために、水素化分解を採用してもよい。
水素化分解プロセス(必須ではない工程)
予備処理工程として水素化分解を採用するなら、比較的高いパラフィン性の水素化分解生成物を製造するように、供給原料中の低品質芳香族成分の飽和および開環を促進するために無定形二官能性触媒を使用するのが好ましい。水素化分解は、芳香族の飽和に有利な高圧で実施するが、その沸点範囲の転換は、比較的低い水準に保持し、これにより供給原料の飽和成分の分解を最小にすると共に芳香族成分の飽和および開環から得られた生成物の分解を最小にする。このような方法の目的と一致させるため、水素化分解階段における水素圧は、少なくとも約5500kPaa(800psig)であり、通常6900(1000psig)〜20700kPaa(3000psig)の範囲にある。一般に、少なくとも10500kPaa(1500psig)の水素分圧が、高い水準の芳香族飽和を達成するためには、最もよい。少なくとも約178n.l.l.-1(1000SCF/Bbl)、好ましくは900(2000SCF/Bbl)〜1800n.l.l.-1(8000SCF/Bbl)の範囲の水素循環速度が適している。
水素化分解プロセスでは、本発明の特徴である所望の高い単流収率を維持するために、潤滑油沸点範囲未満で沸騰する生成物、代表的には345℃−(650゜F−)生成物への供給原料の転化は、供給原料の50重量%以下、通常は30重量%以下に制限される。実際の転化率は、供給原料の品質に依存すると共に、粗ロウ供給原料は、より低品質の多環式成分の除去が必要なペトロラタム(非晶質ロウ)に比べて、より低い転化率で足りる。中性原料の脱ロウから得られた粗ロウ原料の場合、345℃−(650゜F−)生成物への転化率は、実際には10〜20重量%を越えず、ほとんどの粗ロウについて代表的には5〜15重量%である。ペトロラタム原料は、代表的には低品質の成分をより多く含んでいるため、その転化率はより高くしてもよい。ペトロラタム供給原料について、水素化分解の転化率は、高粘度指数の生成物を製造するには、代表的には15〜25重量%である。転化率は、水素化分解段階の温度制御によって所望の値に維持することができる。そのような温度は、315〜430℃(600〜800゜F)、より一般的には約345〜400℃(650〜750゜F)である。空間速度の変化も苛酷度の制御に利用できるが、システムに対する機械的制約の面から、実際には一般的ではない。通常、空間速度は0.25〜2LHSV,hr-1であり、一般に0.5〜1.5LHSVである。
水素化分解操作の特徴は、二官能性触媒を用いることである。一般的に言うと、このような触媒は、所望の芳香族の飽和反応を促進する金属成分を含んでおり、通常、鉄族(VIII族)の金属とVI B族の金属とを組み合わせた卑金属の組み合わせが用いられる。すなわち、ニッケルまたはコバルトのような卑金属をモリブデンまたはタングステンと組み合わせて用いる。好ましい組み合わせは、ニッケル/タングステンである。これは、この組み合わせが所望の芳香族水素化分解反応を促進するのに非常に効果的だからである。白金またはパラジウムのような貴金属も、硫黄が存在しない場合には良好な水素化活性を有しているので用いることができるが、通常はそれ程好ましくない。触媒上に存在する金属の量は、この種の潤滑油水素化分解触媒について通常の量であり、一般に、触媒全重量に対して、VIII族金属1〜10重量%およびVI族金属10〜30重量%である。ニッケルまたはコバルトのような卑金属に代えて、白金またはパラジウムのような貴金属成分を用いる場合、これら貴金属はより高い水素化活性を示すため、比較的少ない量でよく、代表的には、約0.5〜5重量%で十分である。金属は、あらゆる適当な方法で組み込むことができ、例えば、多孔質担体を所望寸法の粒子に形成した後にこの担体に含浸させたり、焼成の前に担体物質のゲルに添加することなどによって組み込むことができる。ゲルへの添加は、比較的多量の金属成分、例えばVIII族金属10重量%以上およびVI族金属約20重量%以上を添加する場合に、好ましい方法である。これらの方法は通常の方法であり、潤滑油水素化分解触媒の製造に用いられている。
触媒の金属成分は、一般に、多孔質無定形の金属酸化物担体に担持され、この目的にはアルミナが好ましいが、シリカ−アルミナも用いることができる。他の金属酸化物成分も、担体中に存在させてもよいが、その存在はやや好ましくない。潤滑油水素化分解触媒の条件に一致させるため、担体は、高沸点供給原料中の比較的嵩高い成分が触媒の内部孔構造に入って、そこで所望の水素化分解反応が起こるのに充分な孔径および分布を有する必要がある。この点で、触媒は通常約50Åの最小孔径を有する。すなわち、約5%以上の孔が50Å未満の孔径を有すると共に、孔の大多数は50〜400Åの孔径を有する(5%を越えない孔が400Åを越える孔径を有する)。好ましくは、約30%以下の孔が200〜400Åの孔径を有する。水素化分解に適した触媒は、その孔の少なくとも60%が50〜200Åの範囲にある。水素化分解への使用に適したいくつかの代表的な潤滑油水素化分解(LHDC)触媒の孔径分布および他の特性を下記表3に示す。
Figure 0003628023
所望の転化率を得る為に必要なら、触媒調製時に触媒にフッ素を導入するかまたは供給原料に添加したフッ素化合物の存在下に水素化分解を行うことによって、触媒の性能をフッ素によって向上させることができる。フッ素含有化合物は、調製時に適当なフッ素化合物、例えばフッ化アンモニウム(NH4F)または二フッ化アンモニウム(NH4F・HF)を含浸することによって触媒に組み込むことができるが、これらのアンモニウムうち、後者が好ましい。フッ素含有触媒中に含まれるフッ素の量は、触媒の全重量に対して、通常約1〜10重量%、好ましくは約2〜6重量%である。フッ素は、触媒調製時にフッ素化合物を金属酸化物担体のゲルに添加するかまたはゲルを乾燥または焼成して触媒粒子を形成した後に含浸することによって、組み込むことができる。先に記載したように、触媒が比較的多量のフッ素と多量の金属を含む場合、ゲルの乾燥および焼成の前に金属酸化物ゲルに金属およびフッ素化合物を組み込んで最終触媒粒子を形成することが好ましい。
またその場での(系内での)フッ素化、例えば操作のこの段階で触媒上を通過する流れにフッ素化合物を添加することによって、触媒活性を所望の水準に保つことができる。フッ素化合物は、供給原料に連続的または断続的に添加することができ、これとは別の態様として、供給原料の不存在下に、例えば水素気流中でフッ素化合物を触媒上に流して初期活性化工程を実施し、これにより実際に水素化分解が開始される前に触媒中のフッ素含量を増すこともできる。触媒のその場でのこのようなフッ素化は、好ましくは、操作の前にフッ素含量が約1〜10%となるように行い、その後、フッ素を、所望の活性維持に十分な維持水準に減少させることができる。その場でのフッ素化に適した化合物は、オルトフルオロトルエンおよびジフルオロエタンである。
触媒上に存在する金属は、好ましくは硫化物の形で用いられ、その為に、水素化分解の開始前に触媒の予備硫化処理を行わなければならない。硫化処理は、確立された技術であって、代表的には、通常水素の存在下に、触媒を硫黄含有ガスに接触させて行う。このためには、水素と、硫化水素、二硫化炭素またはメルカプタン(例えばブチルメルカプタン)との混合物が一般的である。予備硫化処理は、触媒を水素および硫黄含有炭化水素油、例えばサワーケロシンまたは軽油と接触させることによっても行える。
水素化異性化
もとのロウ供給原料中に存在するパラフィン系成分は、高い粘度指数を有しているが、その流動点は比較的高い。従って、本発明の方法の目的は、潤滑油成分としてのより分岐した種の転化を最小にしながら、ロウ質種の選択的転化を行うことにある。ロウの転化は、異性化が優先的に生じ、これにより、より低い流動点および曇点を有するより分岐した種を生成する。ある程度の分解が異性化に伴って起こり、この分解の程度は、ロウの転化率によって変化する。
水素化異性化触媒
本発明の水素化異性化に用いる触媒は、ロウ質の直鎖またはほぼ直鎖のパラフィン類をロウ特性が低いイソパラフィン系生成物に異性化するような高選択性の触媒である。この種の触媒は、特性として二官能性であって、比較的酸性度が低い大孔径の多孔質担体に担持された金属成分を含んでいる。酸性度は、操作のこの段階の間に潤滑油沸点範囲外の沸点を有する生成物への転化を減少させるために、低い水準に保たれる。一般的に言うと、触媒は、金属の添加前に30未満のアルファ値を有すべきであり、好ましいアルファ値は20未満である(実施例1参照)。
アルファ値は、標準触媒と比べた触媒の接触分解活性のおおよその指標である。アルファ試験では、アルファ値を1とする標準触媒(速度定数=0.016sec-1)に対する、試験触媒の相対的速度定数(単位時間および触媒の単位体積当たりのn−ヘキサンの転化速度)が得られる。アルファ試験は、米国特許第3,354,078号、並びにジャーナル・オブ・キャタリシス(J.Catalysis)第4巻527頁(1965年);同第6巻278頁(1966年);および同第61巻395頁(1980年)に記載されている。これらを、試験方法の記述について参照する。本明細書に示したアルファ値を決定するのに採用した試験の実験条件は、538℃の定温およびジャーナル・オブ・キャタリシス第61巻395頁(1980年)に記載されている可変流量を含む。
水素化異性化触媒は、大孔のモレキュラーシーブ、一般にゼオライトまたはシリカ/アルミノホスフェートを含む。大孔モレキュラーシーブは、多孔質バイダーに担持されている。大孔ゼオライトは、通常、酸素12員環からなる少なくとも1つの孔路を有している。大孔ゼオライトは、通常、7Åよりも大きい主寸法を有する少なくとも1つの孔路を有している。ゼオライトベータ、Yおよびモルデン沸石(モルデナイト)は、大孔ゼオライトの例である。
本発明の触媒は、異性化:分解の相対的比率を最大化するため、0.1ミクロン未満の結晶直径を有する。小さい直径の結晶によって、異性化した種は結晶構造から容易に拡散することができ、これによりその分解に必要なポテンシャルが減少する。
好ましい水素化異性化触媒は、ゼオライトベータを使用する。これは、このゼオライトベータが、米国特許第4,419,220号に開示されているように、芳香族の存在下でのパラフィン異性化に対して顕著な活性を有することが示されているからである。ゼオライトベータの低酸性度形態は、高シリカ含量形態のゼオライト、例えばシリカ:アルミナの比率が約500:1以上のゼオライトの合成によって得られ、より簡単には、低シリカ/アルミナ比のゼオライトを所望の酸性度水準にまでスチーム処理することによって得ることができる。また、ゼオライトベータは、米国特許第5,200,168号に開示されているように、酸、例えばカルボン酸によって抽出することによっても得ることができる。米国特許第5,164,169号は、合成用混合物中に四級アルケノールアミンのようなキレート化剤を用いる、高シリカゼオライトベータの製造を開示している。米国特許第3,308,069号は、0.01〜0.05ミクロンの結晶径を有するゼオライトベータの合成を開示する。この範囲の結晶径の触媒は本発明に使用される。本発明の結晶径は0.1ミクロンを越えなく、0.01〜0.05ミクロンの結晶径が好適である。
最も好ましいゼオライトは、激しくスチーム処理され、その骨格のシリカ/アルミナ比は、200:1以上、好ましくは400:1以上である。
スチーム処理条件は、最終の触媒において所望のアルファ値が得られるように調節すべきであり、代表的には温度約427℃〜595℃(800〜約1100゜F)で100%のスチーム雰囲気を用いる。通常、スチーム処理は、酸性度を所望通り低下させるために、538℃(1000゜F)以上の温度において約12〜120時間、代表的には約96時間行われる。
低酸性度ゼオライトベータ触媒の別の製造法は、ゼオライトの骨格アルミニウムの一部を他の3価原子、例えばホウ素により置換することであって、これによりゼオライトのより低い固有の水準の酸活性度が得られる。この種の好ましいゼオライトは、骨格にホウ素を含むものである。通常、ホウ素は、他の金属の添加前にゼオライト骨格に添加される。この種のゼオライトでは、骨格は、四面体配位しかつ酸素架橋によって相互に結合された珪素から主として構成される。少量の元素(アルミノシリケートゼオライトベータの場合はアルミニウム)も配位し、骨格の一部を形成する。また、ゼオライトは、ゼオライトの特徴的な構造を構成する骨格の一部を形成しないような物質を、構造の孔中に含んでいてよい。本明細書において用いられる「骨格」ホウ素なる語は、ゼオライトのイオン交換能に寄与するゼオライトの骨格中の物質を、孔中に存在する物質であってゼオライトの全体のイオン交換能に影響を与えない物質から区別するために使用する。ゼオライトベータは、316℃〜399℃の温度において0.60〜2.0の拘束指数を有するが、1未満の拘束指数が好ましい。
骨格ホウ素を含む高シリカ含量のゼオライトの製法は、例えば米国特許第4,269,813号に開示され、知られている。骨格ホウ素含有ゼオライトベータの製法は、米国特許第4,672,049号に開示される。そこに開示されているように、ゼオライト中に含まれるホウ素の量は、例えばシリカおよびアルミナ組成に対しホウ酸の量を変化させて、ゼオライト形成溶液中に種々の量のホウ素イオンを組み込むことによって、変化させることができる。ゼオライトの製法の記載に関するこれらの開示を参照する。
低酸性度ゼオライトベータ触媒は、少なくとも0.1重量%、好適には少なくとも0.5重量%の骨格ホウ素を含むべきである。他の金属の添加前に、骨格にホウ素を添加してもよい。一般に、ホウ素の最大量は、ゼオライトの約5重量%、殆どの場合には2重量%以下とすることができる。骨格は通常いくらかのアルミナを含むことができる。シリカ:アルミナの比率は、合成したゼオライト状態において通常少なくとも30:1とすることができる。好適なホウ素置換ゼオライトベータ触媒は、少なくとも1重量%のホウ素をB2O3として含むホウ素含有ゼオライトをスチーム処理して、約20以下、好適には10以下の最終アルファ値が得られるように、製造される。
特性
酸性度は、水素化異性化触媒に対し、供給原料と共にアンモニア(NH3)、有機窒素化合物などの窒素化合物を導入することによって減少させることができる。ただし、供給原料中の総窒素含量は、100ppmを越えるべきでなく、好適には少なくとも20ppm未満である。触媒は、またこの触媒の強酸部位の数を減少させて分解反応に対する異性化反応の選択性を改善するような、金属を含んでもよい。このために好適な金属は、カルシウムやマグネシウムのようなII A族金属の部類に属するものである。
ゼオライトは、最終の触媒を形成するためマトリックス材料を含む複合体とすることができ、この目的には、従来からの非常に酸性度が低いマトリックス材料、例えばアルミナ、シリカ−アルミナ、シリカなどが適しているが、アルファベーマイト(アルファルミナ一水化物)のようなアルミナも、マトリックス化触媒の酸性度に実質的に影響を与えない限り、使用することができる。ゼオライトは、通常80:20〜20:80、代表的には80:20〜50:50のゼオライト:マトリックスの重量比のマトリックス量で複合体化される。常法、例えば材料を混練し、次いで所望の最終触媒粒子を押出成形して、複合体化を行うことができる。バインダーとしてシリカを含有するゼオライトの好適な押出成形法は、米国特許第4,582,815号に開示される。所望の低酸性度を達成するために触媒をスチーム処理すべき場合、従来法のように、バインダーを用いて触媒を配合した後にスチーム処理を行う。スチーム処理用の触媒の好適なバインダーはアルミナである。
また水素化異性化触媒は、不飽和遷移種を介して進行し、水素化−脱水素化成分の介在を必要とする所望の水素化異性化反応を促進するような金属成分を含んでもよい。この理由のため、触媒の異性化活性を最大にするには、強力な水素化機能を示す金属が好適であり、白金や他の貴金属、例えばレニウム、金、パラジウムなどが好適である。貴金属水素化成分の量は、代表的には触媒全量の0.1〜5重量%、通常は0.1〜2重量%である。白金テトラアミンなどの錯体白金カチオンとのイオン交換や、可溶性の白金化合物、例えばテトラアミン塩化白金などの白金テトラアミンの塩の含浸を含め、常法によって白金を触媒に組み込むことができる。触媒は、通常の条件下に最終の焼成処理に付して、貴金属をその還元形態にさせると共に触媒に必要な機械的強度が得られる。触媒は、その使用前に水素化分解予備処理触媒用の前記予備硫化処理に付してもよい。
水素化異性化条件
水素化異性化工程(異性化工程とも呼ぶ)の条件は、ロウ質供給原料中のロウ質、直鎖およびほぼ直鎖のパラフィン系成分の、ロウ質は少ないが高い粘度指数であって比較的低流動点のイソパラフィン系物質への異性化の目的を達成するように、調節される。この目的は、非潤滑油沸点範囲の生成物(345℃−(650゜F−)の物質)への転化を最小にしながら達成される。水素化異性化に使用される触媒は低い酸性度を有するため、低沸点生成物への転化は、通常比較的低い水準であり、また好適な苛酷度の選択によって、プロセスの操作を分解よりも異性化にとって最適化することができる。約1の通常の空間速度において、20未満のアルファ値の白金/ゼオライトベータ触媒を用い、水素化異性化の温度を代表的には約300〜415℃(約570〜約780゜F)の範囲とすると共に、345℃−(650゜F−)生成物への転化率を、代表的にはロウ質供給原料の約5〜30重量%、より一般的には10〜25重量%とする。
水素化異性化は、少なくとも5516kPaa(800psig)、通常は5167〜20786kPaa(800〜3000psig)、最も通常には5516〜17340kPaa(800〜2500psig)の水素分圧(反応器入口)で操作される。水素循環速度は、通常は約90〜900n.l.l.-1(500〜5000SCF/Bbl)の範囲である。もとの供給原料中に存在する芳香族系成分は、触媒上の貴金属水素化成分の存在下に多少とも飽和反応が生じるため、所望の異性化反応が水素バランスの状態の場合でさえ水素は水素化異性化において消費される。この理由から、水素循環速度は、供給原料の芳香族含量および水素化異性化に使用される温度にしたがい調節することが必要となりうる。なぜなら、より高温では、より高い水準での分解および、その結果としてのより高い水準でのオレフィンの生成を伴うからであり、これらのうちのいくつかは、潤滑油沸点範囲のものであり、このため生成物の安定性を、飽和によって確実にすることが必要である。少なくとも180n.l.l.-1(1000SCF/Bbl)の水素循環速度によって、所期の水素消費を補償するためならびに触媒の老化速度の低下を補償するために十分な水素が通常得られる。
床間の急冷は、プロセスの温度の維持に望ましい。急冷剤として冷却水素が一般に使用されるが、液体急冷剤、通常は再循環生成物も使用することができる。
脱ロウ
所望の流動点を達成するため、供給原料のロウ含量に応じて最終の脱ロウ工程が必要となりうる。必要な脱ロウ度が比較的小さいことが本発明の顕著な特徴である。代表的には最終の脱ロウ工程時における損失は、脱ロウ装置中の供給原料の15〜20重量%またはそれ以下とすることができる。接触脱ロウまたは溶剤脱ロウのいずれかをこの時点で使用することができ、溶剤脱ロウ装置を用いる場合、除去したロウを水素化異性化に再循環して、この異性化工程に再度通過させてもよい。脱ロウ装置による生成物脱ロウの必要性は比較的小さく、この点で、本発明は、著しい脱ロウ化度を必要とするような単一の無定形触媒を用いる方法に比し、顕著な改善を提供する。ゼオライト触媒の異性化選択性が高いため、前記無定形触媒法の50%に比し、代表的には約80%もの高い単流ロウ転化率を達成することができ、これにより装置の処理量が著しく向上する。
形状選択性脱ロウ触媒は、溶剤脱ロウ法よりも、むしろこれに代えて使用することができる。この触媒は、n−パラフィンと共にわずかに分岐した鎖のロウ質パラフィンを除去する一方、より分岐した鎖のイソパラフィンをプロセス流中に残す。形状選択性接触脱ロウ方法では、異性化触媒ゼオライトベータよりもn−パラフィンおよびわずかに分岐した鎖のパラフィンをより高度に選択するような触媒を用いる。選択的接触脱ロウ法は、米国特許第4,919,788号記載のように実施する(この段階の記載について、この米国特許の開示を参照する)。本発明の方法の接触脱ロウ工程は、好適にはアルミノシリケートのような拘束された中間孔寸法の結晶性物質をベースとする、拘束された形状選択性脱ロウ触媒を用いて実施する。拘束された中間孔寸法の結晶性物質は、少なくとも1つの酸素10員環の孔路と共に、8員環を有する交差孔路を有する。ZSM−23は、この目的に好適なゼオライトであるが、他の高度に形状選択性のゼオライト、例えばZSM−22または合成フェリエライトZSM−35を、とくに軽質の原料について使用できる。シリカアルミノホスフェート、例えばSAPO−11およびSAPO−41も選択性脱ロウ触媒として使用することができる。
脱ロウ触媒としての使用に適した触媒は、比較的拘束された中間孔寸法のゼオライトである。このような好適なゼオライトは、米国特許第4,016,218号記載の方法によって測定されているように、1〜12の拘束指数を有する。またこれら好適なゼオライトは、それらの比較的拘束された拡散特性に関連する特異的な収着特性を特徴とする。この収着特性は、ゼオライト、例えばゼオライトZSM−22、ZSM−23、ZSM−35およびフェリエライトについて米国特許第4,810,357号に示された特性である。これらのゼオライトは、以下のような特異的な組合せの収着特性が得られるような孔開口部を有する:
(1)P/Po=0.1並びに温度50℃(n−ヘキサン)および温度80℃(o−キシレン)で測定した、約3を越えるn−ヘキサン:o−キシレンの収着比(容量%基準)、および
(2)温度538℃(1000゜F)で測定した約2を越えるk3MP/kDMBの速度定数比でもって、n−ヘキサン/3−メチルペンタン/2,3−ジメチルブタン混合物(重量比1/1/1)から、1000゜Fおよび1気圧において2つの分岐を持つ2,3−ジメチルブタン(DMB)よりも3−メチルペンタン(3MP)を選択的に分解する能力。
前記式:P/P0は、例えば文献〔“The Dynamical Character of Adsorption"(J.H.deBoer)2版、Oxford University Press(1968)〕に記載のようなその通常の意味と一致しており、また収着温度における収着質の分圧:収着質の蒸気圧の比率として定義される相対的圧力である。速度定数比、k3MP/kDMBは、一次速度論から、常法に従い、以下の式によって決定される:
k=(1/Tc)ln(1/1−ε)
式中、kは、各成分の速度定数、Tcは接触時間、εは各成分の転化率である。
これらの収着条件に適合するゼオライトには、天然のゼオライトフェリエライト並びに合成ゼオライトZSM−22、ZSM−23およびZSM−35が包含される。これらのゼオライトは、本発明の方法に使用する場合、少なくとも部分的に酸形または水素形である。
ゼオライトZSM−22の調製および特性は、米国特許第4,810,357号(Chester)に記載されており、この開示をもって本明細書の記載とする。
合成ゼオライトZSM−23は米国特許第4,076,842号および第4,104,151号に記載され、このゼオライト、その調製および特性についての開示をもって本明細書の記載とする。
ZSM−35と呼ばれる中間孔寸法の合成結晶性物質(「ゼオライトZSM−35」または単に「ZSM−35」)は、米国特許第4,016,245号に記載されており、このゼオライトおよびその調製についての開示をもって本明細書の記載とする。SAPO−11の合成は、米国特許第4,943,424号および第4,440,871号に記載される。SAPO−41の合成は、米国特許第4,440,871号に記載される。
フェリエライトは、文献記載の天然の鉱物であり(例えばD.W.Breck,ZEOLITE MOLECULAR SIEVES,John Wiley and Sons(1974)125〜127、146、219および625頁参照)、このゼオライトについての開示をもって本明細書の記載とする。
形状選択性接触脱ロウに使用する脱ロウ触媒には金属水素化−脱水素化成分が包含される。この成分は、選択性分解反応の促進に厳密には必要でないかもしれないが、この成分の存在は、2触媒脱ロウ系の相乗作用に寄与する、ある種の異性化反応の促進に望ましいことが判明した。金属成分の存在は、生成物の改善、とくに粘度指数の改善および安定性並びに触媒老化の遅延寄与につながる。形状選択性接触脱ロウは、通常水素雰囲気下に加圧して実施する。金属は、好適には白金またはパラジウムである。金属成分の量は、代表的には0.1〜10重量%とできる。マトリックス材料およびバインダーは必要に応じて使用することができる。
高度に拘束された高形状選択性の触媒を用いる形状選択性脱ロウは、第1異性化段階について前記した方法のような、他の接触脱ロウ方法と同じ常法で実施することができる。形状選択性接触脱ロウ工程についてのより詳細な説明は、米国特許第4,919,788号を参照のこと。
脱ロウ工程における低沸点種への転化度は、この時点で所望の脱ロウ化度、即ち目標とする流動点と異性化工程からの流出物の流動点との差にしたがい変化させることができる。また転化度は、使用する形状選択性触媒の選択率に依存しうる。より低い生成物流動点において、比較的小さい選択性の脱ロウ触媒を用いれば、より高い転化率および対応するより高い水素消費量を被る。
油の流動点を選択的脱ロウによって所望の値に低下させたのちに、脱ロウした油を水素化処理などの処理に付して、着色体を除去すると共に所望の特性の潤滑油生成物を製造することができる。また分別結晶化を用いて、軽質油分を除去して揮発度の規格に適合させることができる。
生成物
本発明の方法による生成物は、優れた収率で得られる、高粘度指数および低流動点の物質である。優れた粘度特性を有することに加え、本発明の生成物は、酸化的に、熱的におよび紫外線に対し非常に安定性が高い。プロセスに好適なロウ供給原料を用いれば、130〜150範囲の粘度指数値が代表的に得られ、また少なくとも140の値を、もとのロウ供給原料に基づき少なくとも50重量%、通常少なくとも60重量%の生成物収率でもって容易に達成できる。
実施例
実施例1
65重量%のゼオライトベータと35重量%のシリカ(SiO2)の混合物を、まず押出成形して、低酸性度ゼオライトベータを含む触媒を製造した。この製造に用いたゼオライトベータは、SiO2/Al2O3の比が600で、平均結晶径が1〜3ミクロン(走査電子顕微鏡(SEM)で測定)である(この合成の詳細は、米国特許第5,232,579号、第5,164,169号および第5,164,170号を参照)。ゼオライトベータとシリカの混合物を苛性アルカリ水溶液と混合してペーストを形成し、次いで触媒製造の標準法に従い押出成形した。押出成形物を、250゜Fで8時間乾燥し、次いで5v/vの1N NH4NO3溶液に接触させてそのナトリウム含量を減少させた。次にナトリウム減少押出成形物を、窒素雰囲気下に482℃(900゜F)に加熱し、この温度で3時間保持し、その後538℃(1000゜F)の空気に6時間露出してゼオライトベータの製造に用いた有機化合物を分解させた。次にこの触媒を、100%スチームに対し101kPaa(0psig)で充分な時間(24時間)露出して、そのアルファ活性値を15未満に減少させた。
このスチーム処理した失活ゼオライトベータを含む材料を、次いでpH7〜8に維持したテトラアミン塩化白金二水化物の水溶液によって交換した。白金交換した触媒を、水洗して塩化物を除去し、次いで349℃(660゜F)に大気中で加熱し、この温度で3時間保持した。最終の触媒は、白金0.6重量%を含み、以下の表4に示す特性を有する。
Figure 0003628023
実施例2
65重量%のゼオライトベータと35重量%のシリカ(SiO2)の混合物を、まず押出成形して、ゼオライトベータを含む触媒を製造した。この製造に用いたゼオライトベータは、SiO2/Al2O3の比が50で、平均結晶径が0.05ミクロン未満(走査電子顕微鏡(SEM)で測定)であって、MIDWグレイドのゼオライトベータについての標準法にしたがい合成した。ゼオライトベータとシリカの混合物を、苛性アルカリ水溶液と混合してペーストを形成し、次いで触媒分野の標準法に従い押出成形した。押出成形物を121℃(250゜F)で8時間乾燥した。次いでナトリウム含有押出成形物を、窒素雰囲気下に482℃(900゜F)に加熱し、この温度で3時間保持し、その後538℃(1000゜F)の空気に6時間露出してゼオライトベータの製造に用いた有機化合物を分解させた。次にこの触媒を、2Mシュウ酸水溶液に71℃(160゜F)で合計6時間接触した。次いでシュウ酸処理ゼオライトベータ触媒を538℃(1000゜F)に、2時間加熱した。この物質は、10未満のアルファ値および525ppmwのナトリウム含量を有する。
次いで、シュウ酸処理したゼオライトベータ触媒を、pH5〜6に維持したテトラアミン塩化白金二水化物の水溶液によって交換した。白金交換した触媒を、水洗して塩化物を除去し、次いで349℃(660゜F)に大気中で加熱し、この温度で3時間保持した。最終の触媒は、白金0.5重量%を含み、前記表4に示す特性を有する。
実施例3
溶剤脱ロウによる97cSt(450SUS)の重質中性フルフラール抽残油から得た粗ロウを、穏やかな苛酷度で水素化分解して、その硫黄含量および窒素含量を減少させた。穏やかな水素化分解工程の条件は、2LHSV、404℃(760゜F)および水素分圧13891kPaa(2000psig)である。粗ロウの特性およびストリッピングした水素化分解生成物を表5に示す。
穏やかな水素化分解工程によって、粗ロウ供給原料の16%が沸点343℃(650゜F)未満の生成物に転化し、また供給原料中のロウの17%が転化した。ロウの転化率および潤滑油の収率は、以下の式によって算出する。脱ロウ油の収率は、統一のため0゜Fの流動点に補正した。
ロウ転化率=100×〔(供給原料のロウ含量
−反応生成物のロウ含量)/供給原料のロウ含量〕
ロウ収率=(ロウ供給原料に対する蒸留釜残油の収率)
×(溶剤脱ロウ装置供給原料にに対する
溶剤脱ロウからの油非含有ロウの収率)
潤滑油収率=100−ロウ収率
−模擬蒸留によって測定した650゜F+の転化率
Figure 0003628023
実施例4
実施例3の穏やかな水素化分解粗ロウを、実施例1および2の白金/ゼオライトベータ触媒を用い、別々の実験によって反応させた。反応条件は、実施例1の触媒については13891kPaa(2000psig)および1LHSVを用い、実施例2については1.25LHSVを用いた。触媒温度を変化させて反応の苛酷度を変化させた。液体供給原料の導入前に、混合物(H2S/H2=2:98(容量%))によって、最大温度371℃(700゜F)で両方の触媒を予備硫化処理した。
これらの実験からの反応器流出物を模擬蒸留によって分析して、343℃−(650゜F−)生成物の転化率を決定し、次いで公称343℃(650゜F)のカットポイントで蒸留した。ロウ収率、潤滑油収率およびロウ転化率を、実施例3の式に基づき算出して、表6に示す。図は、2つの触媒のロウ転化率に対する潤滑油収率の相対的依存性を示す。
小結晶触媒のロウ異性化選択性(実施例2)は、大結晶触媒(実施例1)に比し、著しく高い。潤滑油の収率は、小結晶白金/ゼオライトベータ(Pt/B)触媒については64%でピークを示す一方、大結晶触媒についてはわずか52%に達するにすぎない。異性化とその後の形状選択性分解の連続反応系を調和させると、両方の触媒は、低いロウ転化率(40%未満)において同様な収率が得られる。しかしながら、反応の苛酷度が増加するにつれて、異性化速度に対する大結晶触媒の分解速度が増加し、これにより50%のロウ転化率において、異性化による潤滑油の生成速度は、分解による潤滑油の損失速度と整合する。この時点を越えてロウ転化率を増加させると、潤滑油の収率が減少する。これとは対照的に、異性化:分解の比率は、小結晶触媒については高いロウ転化率に至るまで高く維持される。2つの反応速度は、ロウ転化率が80%に達するまでに等しくはならなかった。
本発明の実際の有用性は、小結晶の触媒による明白な高い収率の他に、高いロウ転化率における選択的作用に対するこの触媒の能力である。この能力によって、ロウの再循環量が減少すると共に、所定量の高粘度指数ベースストックの生産に必要な反応器の寸法が減少する。
またゼオライトの酸性度は、異性化選択性の決定に重要な役割を果たすことができる。大結晶の白金/ゼオライトベータ触媒は、小結晶触媒に比し高いアルファ値を有し(13対8)、これら触媒間で観察された選択性の差は、主として酸性度の関数とはならないようである。アルファ値の差は実質的に大きくはない。
Figure 0003628023

Claims (10)

  1. 粗ロウ、脱油ロウ、フィッシャー−トロプッシュ法からのロウ、ペトロラタム、減圧軽油および真空蒸留物の溶剤抽出からの抽残油からなる群から選ばれ、少なくとも20%のロウ含量を有するロウ質炭化水素供給原料から高い粘度指数(VI)の潤滑油を製造する方法であって、
    0.1ミクロン未満の結晶径および30以下のアルファ値を有しかつ貴金属水素化成分を含む低酸性度大孔モレキュラーシーブの存在下及び水素の存在下に、主として異性化によって供給原料中に存在するロウ質パラフィン類を接触脱ロウする
    ことを特徴とする方法。
  2. 粗ロウ、脱油ロウ、フィッシャー−トロプッシュ法からのロウ、ペトロラタム、減圧軽油および真空蒸留物の溶剤抽出からの抽残油からなる群から選ばれ、少なくとも20%のロウ含量を有するロウ質炭化水素供給原料から高い粘度指数(VI)の潤滑油を製造する方法であって、
    (a)ロウ質炭化水素供給原料を、酸性担体上の金属水素化成分からなる触媒に接触させて水素化分解する工程 であって、窒素含量を減少させると共にナフテン系成分および芳香族系成分を除去し、これにより粘度指数を 上させる工程、並びに
    (b)供給原料中に存在するロウ質パラフィン類を、水素の存在下並びに0.1ミクロン未満の結晶径および30以下のアルファ値を有しかつ貴金属水素化成分を含む低酸 性度大孔モレキュラーシーブの存在下に、主として異性化によって接触脱ロウする工程
    を含んでなることを特徴とする方法。
  3. 大孔モレキュラーシーブは、スチーム処理されかつ少なくとも200:1の骨格シリカ:アルミナ比を有するゼオライトベータである請求項1または2に記載の方法。
  4. 大孔モレキュラーシーブは、少なくとも1つの酸素12員環の孔路を有し、0.3〜2重量%の白金を含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 水素分圧4238〜20786kPaa(600〜3000psig)および温度288〜427℃(550〜800゜F)を含む条件で異性化を実施する請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1に記載の方法または請求項2に記載の方法の工程(b)からの流出物を、無定形多孔質担体材料上に金属水素化成分を含んでなる触媒に、水素分圧約3549〜約20786kPaa(500〜約3000psig)、反応温度約260〜約427℃(500〜約800゜F)、空間速度約0.1〜約10LHSVおよび貫流水素循環速度約178〜約1780n.l.l.-1(1000〜約10000SCF/B)を含む条件で接触させて水素化処理する請求項1または2に記載の方法。
  7. 流出物を、さらに脱ロウに付して目標とする流動点を達成し、この脱ロウは、接触脱ロウまたは溶剤脱ロウのいずれかによって行われる請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 流出物を、さらなる脱ロウの後、無定形多孔質担体材料上に金属水素化成分を含んでなる触媒に、水素分圧約3549〜約20786kPaa(500〜約3000psig)、反応温度約260〜427℃(500〜約800゜F)、空間速度約0.1〜約10LHSVおよび貫流水素循環速度約178〜1780n.l.l-1(1000〜約10000SCF/B)を含む条件で接触させて水素化する請求項7に記載の方法。
  9. 大孔モレキュラーシーブは、0.05ミクロン未満の結晶径を有する請求項1〜8のいずれか記載の方法。
  10. 大孔モレキュラーシーブは、ホウ素がゼオライトベータの骨格成分として存在する、ホウ素含有ゼオライトベータ異性化触媒を含む請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
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