JP3739098B2 - 長鎖アルコール類、アルカン類、脂肪酸類およびアミド類によるウイルスの阻害 - Google Patents
長鎖アルコール類、アルカン類、脂肪酸類およびアミド類によるウイルスの阻害 Download PDFInfo
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Description
本発明は、長鎖脂肪酸類、長鎖アルカン類、アミド類および一不飽和長鎖アルコール類を用い、特に、有効成分として非イオン界面活性剤およびステアリルアルコール、エルシルアルコール、エルカミド、ブラシジルアルコール、アラキジルアルコール、n−ドコサノール、n−ドコサン、n−ドコサン酸またはステアリン酸を含む治療用組成物を適用(塗布)することによる、ウイルス感染症および皮膚炎症の治療に関する。
発明の背景
ウイルス感染によって、少なからぬ苦痛や疾病がもたらされ、また致命傷となる可能性がある。単純ヘルペスウイルス(HSV−1およびHSV−2)、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、水痘帯状ヘルペスウイルス(VZV)、インフルエンザウイルス、ヒトリンパ球ウイルス(HTLV−1等)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV−1等)等のウイルスの罹患率および死亡率はかなり高い。HSV−1およびHSV−2は、口辺ヘルペス、単純ヘルペス(疱疹)および生殖器のヘルペスによる病変を含む、皮膚および粘膜の炎症および病変の原因となる。VZVは、帯状疱疹を引き起こし、EBVは、単球増加症に関係がある。インフルエンザウイルスによって流感の症状が起こり時には致命傷となり得る。HIVは、感染した患者を衰弱させ死に至らしめる後天性免疫不全症候群を引き起こす。これらのウイルスは、いくつかの細胞においてさまざまな期間、潜伏し得るが、一般にウイルスの複製によって感染した細胞の不可逆的破壊が生じ、ウイルスによって引き起こされる疾病のさまざまな臨床的症状が現れる。
米国特許第4,874,794号、第5,071,879号、第5,166,219号、第5,194,451号および第5,534,554号に開示のとおり、当該技術分野において、20から32の炭素を有する脂肪族アルコールの抗ウイルスおよび抗炎症性活性が知られている。これら文献には、治療活性を有する脂肪族アルコールおよび関連の化合物を含む組成物が開示されている。
界面活性剤に懸濁されたC22脂肪族アルコールであるn−ドコサノールは、単純ヘルペスウイルス、HIV−1および呼吸シンシチアルウイルスを含むウイルスに対しインビトロで、フレンド(Friend)ウイルスを含むウイルスに対しインビボで、抗ウイルス活性の効力を示す(Katz,D.H.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10825-10829,1991;U.S,Patent No.5,534,554)。このウイルス阻害のメカニズムについては明らかでないが、n−ドコサノールはウイルスを直接不活性化しないので、洗剤様抗ウイルス活性を示すC10からC18の不飽和アルコール類とは異なる(Katz,D.H.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10825-10829,1991;Snipes,W.et al.,Antimicrob.Agents Chemother.11:98-104,1977)。細胞によるn−ドコサノールの結合の進行および取り込みからその抗ウイルス活性を説明し得る。というのもアルコールとともに細胞を予めインキュベーションすると、最適な抗ウイルス活性が得られるからである。インキュベーションの際に、細胞により結合されたn−ドコサノールの70%が、細胞膜の成分中に見られ、残りは可溶性細胞フラクションに結合される(Katz,D.H.,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88:10825-10829,1991)。細胞膜に組み込まれたn−ドコサノールは、その細胞の表面に結合しているウイルスを阻害しない。代わりに、初期のウイルス蛋白質合成が80%以上阻害され、かつウイルスは核に集まらない(Marcelletti,J.F.et al.,Drugs of the Future 17(19):879-882,1992)。n−ドコサノールの細胞内代謝変換から、その抗ウイルス活性を説明することができるかもしれない(Katz,D.H.,et al.,Annals N.Y.Acad.Science,724:472-488,1994)が、このアルコールは300mMまでの濃度では、細胞毒性ではない。
1から4の不飽和結合を有するC14からC20の不飽和長鎖アルコール類を用いた、ウイルスの不活性が報告されている。最も効果的なものは、γ−リノレニルアルコール(6、9および12位に二重結合を有するC18アルコール)であった一方、1つのシス二重結合を有するC18アルコールおよび4つの二重結合を有するC20アルコールは、その効果がかなり劣っていた(Sands et al.,Antimicrob.Agents & Chemother,15:67-73,1979)。オレイン酸(C18、1つの二重結合)を含む組成物が、抗ヘルペスウイルス剤として有効であることが報告されている(PCT特許出願WO9602244A1)。
長鎖脂肪族アルコールに構造上関連するいくつかの化合物も、抗ウイルス活性に関係している。たとえば、米国特許第4,513,008号は、5から7の二重結合を有するC20からC24の線状ポリ不飽和酸類、アルデヒド類またはアルコール類を開示する。ヌクレオシドまたはヌクレオシド類似体に結合された、少なくとも3または4の不飽和結合を含む、長鎖脂肪アシル基を有する化合物が、抗ウイルス治療薬として米国特許第5,216,142号に開示されている。関連の米国特許第5,276,020号は、ヌクレオシド類似体に結合されたC16、C18またはC20の長鎖脂肪酸基を有する抗ウイルス化合物およびこれらの化合物を用いてウイルス感染症を治療する方法を開示する。
腫瘍、原生動物および真菌による疾病、自己免疫疾患および骨髄の損傷を治療するのに有効な生物学的活性が、エルシルホスホコリン等のエルシルおよびブラシジル側鎖を有するリン脂質にあるとされている(米国特許第5,436,234号)。
長鎖脂肪アルコールおよび脂肪酸の中には細胞の増殖に影響を与えるものがあるが、そのような影響は現在のところ十分に明らかにされてはいない。たとえば、n−ヘキサコサノール、C26アルコールは、ニューロン成長を促進するが、16、20、22、24および30炭素原子を含む他の長鎖脂肪n−アルコール類は促進しない(Borg,J.et al.,FEBS Lett.213(2):406-410,1987)。6つの二重結合を有するC22脂肪酸である。ドコサヘキセン酸は、中枢神経系および網膜に集中するが、その生理学的役割は依然明らかにされていない(Bazan,N.,Prog.Clin.Biol.Res.312:95-112,1989)。
中性グリセリド類、ホスファチジルコリンおよびホスファチジルエタノールアミンの混合物である、リポソームAL712について抗ウイルス活性が報告されている(Antonian,L.et al.,Neurosci,Biobehav.Rev.11;399-413,1987)。ラウリン酸のC15グリセロールモノエステルまたはラウリン酸の多価アルコールモノエステルを脂肪酸の混合物(C10カプリン酸およびC8カプリル酸)とともに含む局所治療用抗菌組成物が、米国特許第5,208,257号に開示されている。
アレルゲン因子にさらす前に、C12からC26の脂肪酸のポリマーを含む保護剤を塗布することによって皮膚の炎症を防止または阻害する方法が、米国特許第4,076,799号に開示されている。好ましいポリマー類は、2から4のカルボキシまたはカルボキシル塩の基、好ましくは二量化リノール酸またはその飽和誘導体のトリエタノールアミン塩を有する。ホモポリマーまたはヘテロポリマー(たとえばC8からC18の脂肪酸のビニルエステル類、分子量2,000〜1,000,000)中、芳香族複素環式残基またはアシル残基を含み、その成分であるモノマーよりも高い活性を有する他の抗炎症ポリマー類が、米国特許第3,946,035号に開示されている。
麻酔薬、界面活性剤および局所用担体を含む局所投与組成物を用いる、ヘルペス患部の治療が、米国特許第5,380,754号に開示されている。口辺ヘルペスの治療薬として、エチル−シス、シス(9,12)オクタデカジエノエート(エチルリノレエート)を局所的に適用することにより炎症を治療する方法が、米国特許第4,025,645号に開示されている。
本発明は、アルカン類、アルコール類、アミド類および長鎖脂肪酸類を含む、長鎖脂肪族アルコール類に関連する化合物の抗ウイルス性および細胞障害性効果を開示し、特にn−ドコサノールに関連する化合物の抗ウイルス性および細胞障害性効果を開示する。抗ウイルス活性を有するこれらの関連化合物は、n−ドコサン、n−ドコサン酸、ステアリン酸、エルシルアルコール、エルカミド、およびブラシジルアルコールを含む。さらに、有効な抗ウイルス活性および/または細胞障害性懸濁物を、これらの化合物またはn−ドコサノールを用いて処方するにあたり、界面活性剤の有効成分に対する最適な割合を開示する。これらの化合物および処方物は、抗ウイルス性予防組成物および治療薬において有用である。
発明の概要
本発明によれば、製薬的に許容される希釈剤または担体中、約1:1(w:w)から約10:1(w:w)の割合で、非イオン界面活性剤と有効成分とが混合されたものを含む組成物が提供され、該非イオン界面活性剤は、分子量が約1000から約25000であるブロックポリマー、オクトキシノールまたはデオキシコレートであり、かつ該有効成分は、ステアリルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール、アラキジルアルコール、n−ドコサノール、n−ドコサン、n−ドコサン酸、エルカミド、ステアリン酸、またはそれらの混合物である。1つの具体例において、この混合物は、約5:1(w:w)から約10:1(w:w)の割合で非イオン界面活性剤と有効成分とを含む。他の具体例において、この混合物は、約4:1(w:w)から約10:1(w:w)の割合で非イオン界面活性剤とn−ドコサノールを含む。他の具体例において、この混合物は、約4:1(w:w)から約10:1(w:w)の割合で非イオン界面活性剤とステアリン酸とを含む。本組成物の他の具体例において、ブロックポリマーは、プロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体からなり、約25000の分子量を有する。他の具体例では、このブロックポリマーは、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからなり、その分子量は約8400である。ある具体例において、非イオン界面活性剤は、オクトキシノール−9、オクトキシノール−10またはこれらの混合物である。好ましい具体例において、この混合物は、約5:1(w:w)の割合で、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからなるブロックポリマーとn−ドコサン酸とを含み、このブロックポリマーは、約8400の分子量を有する。他の具体例において、この混合物は、プロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体であり約25000の分子量を有するブロックポリマーとn−ドコサノールとを約5:1(w:w)の割合で含む。本組成物のある好ましい具体例では、この混合物は、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからなりかつ分子量が約8400であるブロックポリマーとn−ドコサン酸とを約5:1(w:w)の割合で含む。他の具体例において、この混合物は、約5%から約20%(w/w)のステアリン酸を含み、かつさらに糖系ステアリン酸エステル(糖ベースステアレート)を含む。他の好ましい具体例は、約10%から約12%(w/w)のn−ドコサノールを含みかつさらに糖系ステアリン酸エステル(糖ベースステアレート)(sugar based stearate)を含む。ある好ましい具体例において、混合物は、製薬的に許容される希釈剤または担体中の非イオン界面活性剤およびステアリン酸の懸濁物から本質的になる。他の好ましい具体例では、この非イオン界面活性剤は、オクトキシノール、デオキシコレートまたはプロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体のブロックポリマーであり、当該ポリマーは、約25000の分子量を有する。本発明のある具体例では、上記の具体例のいずれかに従う混合物を含む組成物の細胞成長または増殖を阻害するための使用が提供される。本発明の他の具体例では、ウイルス感染症の予防または治療、好ましくは単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、水痘帯状ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトリンパ球ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、乳頭腫ウイルス、または呼吸シンシチアルウイルスにより引き起こされるウイルス感染症の予防または治療のために、上記の混合物のいずれかを含む組成物を使用する用途を提供する。本発明の一具体例では、皮膚または膜の炎症を軽減するために、上記の混合物のいずれかを使用する用途を提供する。本発明の他の具体例では、局所的、経膜的または非経口的適用に適した薬剤の調製のために、上記の混合物のいずれかを含む組成物を使用する。
【図面の簡単な説明】
図1は、n−ドコサノール(C22、■)、n−テトラコサノール(リグノセリルアルコール)(C24、◇)、n−ヘキサコサノール(C26、●)およびn−オクタコサノール(C28、△)をx軸に示す濃度で懸濁することによる、インビトロでのベロ細胞HSV−2プラーク形成の阻害を示す図である(データは、長鎖アルコールを有さない界面活性剤の懸濁物にさらした対照培養物に対する観察されたプラークの百分率である)。
図2Aは、HSV−2ウイルスを加える前12時間ベロ細胞を懸濁物と共にインキュベートした場合、ウイルスプラーク生成が、界面活性剤のn−ドコサノールに対する割合を上げると減少することを示す図であり、界面活性剤:n−ドコサノール比は、1:1(■)、3:1(△)、5:1(◆)および10:1(○)である。
図2Bは、図2Aに示す各界面活性剤対アルコール比について、n−ドコサノールを用いず、懸濁物中の界面活性剤の濃度が同じである、図2Aの対応する対照を示す図である。
図3は、n−ドコサノール(■)のオクトキシノール界面活性剤懸濁物が、懸濁物およびHSV−2とともに48時間インキュベートしたベロ細胞におけるHSV−2プラーク形成を阻害することを示す図であり、阻害効果の向上がn−ドコサノール濃度の上昇に相関しているのに対し、HSV−2およびオクトキシノール界面活性剤(○)とともにインキュベートした対照培養物は阻害効果を示さなかった(すなわち、約50プラーク/ウェルを有する未処理対照物と同等)。データ点の上下の線は、二連サンプルの標準偏差を示す。
図4は、界面活性剤/n−ドコサノール(■)および界面活性剤/n−ドコサン(△)の懸濁物が、HSV−2を加える前12時間当該化合物と共にインキュベートした培養ベロ細胞においてHSV−2ウイルスプラーク生成を阻害することを示す図である。
図5は、ステアリルアルコール(C18、◆)およびアラキジルアルコール(C20、△)の懸濁物が、アルコールを伴わない界面活性剤懸濁物(○)または界面活性剤/n−ドコサノール(C22、■)に比べて、x軸に示す濃度で懸濁物と共に48時間インキュベートした培養B細胞腫瘍細胞に対し、毒性であることを示す図であり、DNAへの3H−チミジン取り込みにより測定される(データは培地のみとインキュベートした対照物に対する百分率である)。
図6Aおよび図6Bは、包皮繊維芽細胞に対する界面活性剤/n−ドコサノール(■)の懸濁物の細胞抗増殖作用を、界面活性剤/n−ドコサン(△)またはX軸に示す濃度で有効成分を含まない界面活性剤懸濁物とともにインキュベートした対照(○)と比較して示す図である。
図7は、図6Aに関し説明した方法を用いて、72時間(■)および96時間(○)インキュベートした後の界面活性剤/n−ドコサノール懸濁物の細胞抗増殖作用の時間依存性を示す図である。
好ましい実施例の詳細な説明
n−ドコサノールおよびエルシルアルコール(シス−13−ドコセン−1−オール)の合成方法は、当業者に知られている(たとえば米国特許第4,186,211号を参照)。ステアリルアルコールは、Brown他の方法により合成することができる(J.Am.Chem.Soc,78:2582,1956)。アルカン類、脂肪族アルコール類、アミド類および脂肪族酸類の合成方法は、当該技術分野において周知である(A.Streitwleser,jr.& C.H.Heathcock,Introduction to Organic Chemistry,2nd ed.,Macmillan publishing Co.,New York,NY,1981,pp160,243-247,303-307,311-312,315-317,401-406,447-453,515-516,544,548-555,604-605,607,753-754 and 950)。
ウイルス感染症の予防または治療における使用に適した本発明の組成物は、18から28炭素(C18からC28)の炭素鎖長を有する、飽和脂肪族アルコール、モノ不飽和脂肪族アルコール、脂肪族アルカン、モノ不飽和脂肪族アミドおよび脂肪族酸からなるグループから選択された、有効成分または有効成分としての当該化合物の混合物を含む。好ましい組成物は、界面活性剤と組合せて、有効成分として、ステアリルアルコール、エルシルアルコール、エルカミド、ブラシジルアルコール、アラキジルアルコール、n−ドコサン、n−ドコサン酸およびステアリン酸、またはこれらの混合物を含み、好ましくはエルシルアルコール、エルカミド、ブラシジルアルコール、アラキジルアルコール、n−ドコサン、n−ドコサン酸、ステアリン酸、またはこれらの混合物を含む。界面活性剤は、約1000から約25000またはそれ以上の分子量を有するプロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体である、二官能ブロックポリマー等の非イオン界面活性剤が好ましい。好ましくは、界面活性剤は、約8400の分子量を有するプロピレンオキシドおよびエチレンオキシド(ポロキサマー188)からなるブロックコポリマー(たとえばPLURONIC F.68▲R▼)である。他の好ましい界面活性剤は、オクトキシノール−9および/またはオクトキシノール−10(たとえばTRITON X-100▲R▼)、デオキシコレートまたは非イオン性洗浄剤の混合物である。有効成分は、最終組成物の約0.1重量%から約50重量%、好ましくは1重量%から10重量%を構成する。有効成分の最適抗ウイルス活性は、界面活性剤の有効成分に対する割合に依存し、同割合は1:1(w:w)から10:1(w:w)とすることができ、好ましくは5:1(w:w)である。
脂肪族アルコール、長鎖脂肪酸および長鎖アルカンを懸濁する方法は、当該技術分野では周知である。このような懸濁液を製造する適当な方法の1つは、非イオン界面活性剤を1〜100mg/mlの割合で水または生理食塩水等の水溶液で希釈しこの溶液を加熱(たとえば37℃から50℃)する方法である。次に有効成分をこの界面活性剤溶液に添加して、有効成分を所望の最終濃度にし、混合物を混合し(たとえば回転または往復混合、攪拌または音波処理)、球状粒子からなる懸濁物を調製する(約0.1μから100μの平均粒径)。他の許容される担体には、乳剤(水中油または油中水)、溶液、クリーム、ローション、軟膏、泡沫、ゲルおよびエアゾールが含まれ、これらすべては周知の方法を用いて調製することができる。
有効成分および界面活性剤は、投与するヒトまたは動物の皮膚および膜組織と生理学的に融和性のある担体と混合される。すなわち、この担体は、有効成分の懸濁物を作る際に使用する界面活性剤の性質を除いては実質的に不活性である。本組成物には、飽和脂肪族アルコール、モノ不飽和脂肪族アルコール、脂肪族アルカンおよび脂肪族酸の効果に影響を与えない他の生理学的に活性な成分を含んでもよい。組成例が、米国特許第3,592,930号に開示されている。
適当な担体には、水溶性および油性のものが含まれ、たとえば、白色ペトロラタム(ワセリン)、イソプロピルミリステート、ラノリンまたはラノリンアルコール、鉱油、ソルビタンモノオレアート、プロピレングリコール、セチルステアリルアルコール(2種またはそれ以上のさまざまな組合せで)は、界面活性剤(たとえばポリオキシルステアレートまたはラウリル硫酸ナトリウム)とともに、あるいは水と混合して、ローション、ゲル、クリームまたは半固形の組成物を形成する。他の適当な担体は、ステアリン酸スクロース、スクロースココエート、スクロースジステアレート、鉱油、プロピレングリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ポリオキシプロピレン−15−ステアリルエーテルおよび水等の溶媒を用いた乳化剤と皮膚軟化薬(emollient)の混合物を含む。メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールおよびエチレンジアミンテトラアセテート塩を含む防腐剤を担体に含有させてもよい。増粘剤を含まない希釈懸濁物は、デリバリーの周知の方法を用いる、エアゾールスプレー等の皮膚表面への配達に最も適している。グリセロールまたはポリエチレングリセロール等の可塑剤(m.w.800から20000)およびアゾン等の浸透剤を含んでもよい。担体の組成は、有効成分の薬効を妨害しない範囲で、さまざまなものが可能である。
本組成物は、抗微生物剤(抗菌剤)、他の抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗酸化剤、緩衝剤、サンスクリーン(日焼け止め剤)および着色料、香料、潤滑剤および湿潤剤等の化粧剤、あるいは乾燥剤なども含んでよい。本組成物に含有させるのに有用な抗微生物剤には、ポリミキシンBおよびテトラサイクリンが含まれる。処方物に含まれる他の抗ウイルス剤には、アシクロビア等のヌクレオシド類似体またはサイトカイン類等が可能である。含有し得る抗真菌剤は、ミカチンまたはトルナフテートがある。ビタミンE等の抗酸化剤を含んでもよい。パラアミノ安息香酸等のサンスクリーンを含有させてもよい。含有させることが可能な乾燥剤は周知で、たとえばフェノールやベンジルアルコールがある。合成または天然の蜜ろう等の潤滑剤を含んでもよい。組成物に加えられる増粘剤には、プルリン、キサンタン、ポリビニルピロリドンまたはカルボキシメチルセルロースが含まれ得る。
本組成物は、治療を受ける患者全体において、特に全身治療のため、あるいは患部において、特に皮膚または粘膜の侵された領域の局所治療のため、ウイルスの力価を効果的に減じることが最適である。開示された治療方法はまた、ウイルス感染の症状(ウイルスに侵された病変に関係する痛み等)を減じており、かつ治療を受けない場合に見られるものに比べてより早い治癒が促進される。
本発明の方法は、ヒトまたは動物に対し有効成分と界面活性剤とを含む組成物を投与してウイルスの感染を治療または予防することを含む。投与は、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、懸濁剤、エアゾールスプレーまたは半固形の処方物(たとえば座薬)を用いて行なうことが好ましく、これらはすべて当該技術分野で周知の方法を用いて処方される。ウイルス感染の予防または治療において有効な、有効成分と界面活性剤を含む組成物の適用(塗布)は、1日から14日間に1回当たり10mgから10gを1回から10回適用することからなる。適用は、一般に、12時間ごとに1回であり、4時間ごとに1回までである。好ましくは、1日から7日間の間、1回当たり約0.1gから5gを、1日2回から4回適用すれば、ウイルスの感染症を予防または治療するのに十分である。局所的な適用については、症状(たとえば、痛み、腫れまたは炎症)が現れるとすぐに毎日、患部に対し本組成物を適用(塗布)することが好ましい。
本組成物および方法は、HSV−1、HSV−2およびHSV−6を含むヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、エプスタイン・バーウイルス(EBV)、および水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)、インフルエンザウイルス、ヒトリンパ球ウイルス(HTLV−1等)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV−1等)、乳頭腫ウイルスおよび呼吸シンシチアルウイルスにより引き起こされる感染症等のさまざまなウイルス感染症を予防または治療するのに有用である。本組成物のいくつかは細胞の成長および増殖を阻害する活性を有するため、本組成物および方法は、悪性の細胞増殖および/または転移を阻害するのにも有用である。この細胞阻害作用を、癌の周知の治療法(たとえば放射線治療および/または化学療法)と組合せれば、腫瘍または他の癌性の細胞増殖の全体的または部分的軽減につながり得る。
特に定義しないかぎり、ここに使用される科学用語および技術用語はすべて当該技術分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。特に定義する場合を除き、ここで採用または意図する技術は、当該技術分野の当業者にとり周知の標準的な方法論によるものである。具体例は単に例示を目的とするものである。
例1
C21〜C28脂肪族アルコールの抗ウイルス活性
アルコールn−ドコサノール(>純度98%;ニューヨーク州ニューヨークのM.Michelから)について記載される以下の手順を用いて、脂肪族アルコールを界面活性剤PLURONIC F-68▲R▼(ニュージャージー州、パルシッパニ、BASF Corp.)に懸濁した。界面活性剤は37℃のダルベッコの高グルコース修正イーグル培地(DMEM;メリーランド州、ウォーカーズビル、Whittaker Bioproducts)において10mg/mlに希釈され、溶液は50℃に加熱された。最終濃度が30mMとなるようにn−ドコサノールが界面活性剤の溶液に加えられ、その混合物は音波処理器(Branson 450)を用いて、最初は85Wで21分間音波処理され、それにより懸濁物は88℃に加熱された。得られた懸濁物は、透過型電子顕微鏡による測定で、約0.3μの平均径の球状粒子を含む。脂肪族アルコールが添加されていないPLURONIC F-68▲R▼を含む対照溶液ならびに異なる濃度の界面活性剤および/またはn−ドコサノールを含む懸濁物が本質的に同じ手順を用いて調製された。
ステアリルアルコール(C18)、アラキジルアルコール(C20)、ヘンエイコサノール(C21)、リグノセリルアルコール(C24)およびn−ヘキサコサノール(C26)の懸濁物が、n−ドコサノール懸濁物に対して記載したプロトコールと本質的に同じプロトコールを用いて調製された。C22より長い脂肪族アルコールでは、音波処理される前に、混合物はリグノセリルアルコール(C24)に対しては80℃に、ならびにn−ヘキサコサノール(C26)および1−オクタコサノール(C28)に対しては90℃に加熱された。n−ヘキサデカノールはAldrich Chemicals(ウィスコンシン州、ミルウォーキー)から得られ、ステアリルアルコールおよびアラキジルアルコールはM.Michel(ニューヨーク州、ニューヨーク)から得られ、他の化合物はSigma Chemical Co.(ミズリー州、セントルイス)から得られた。
単純ヘルペスウイルス2(HSV−2;メリーランド州、ロックビル、アメリカンタイプカルチャコレクションより;ATCC No.VR−540)のMS株を用いてアフリカミドリザル腎臓細胞(ベロ細胞;ATCC No.CCL81)に感染させて、プラーク形成の効率に対する脂肪族アルコール懸濁物の作用が測定された。ベロ細胞は、10%のCO2を含む加湿インキュベーターにおいて37℃で、5%ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム、L−グルタミン、ペニシリン/ストレプトマイシンおよび1mMのヘペス(Hepes)緩衝剤で補足されたDMEM中で、35mmウェル当たり1.8mlの培地で6×105の細胞、または16mmウェル当たり0.8ml培地において3×105の細胞を用いて培養された。対照界面活性剤懸濁物または脂肪族アルコールを含む懸濁物は、培養の初めに加えられた。24時間後、HSV−2ウイルスは175pfu/35mmウェルおよび/または50pfu/16mmウェルを用いて培養物に加えられた。
HSV−2を加えてから約42時間後、培養物は生理食塩水溶液で1回洗浄された。細胞は固定され、カルボルフクシン(1.25mg/ml)およびメチレンブルー(2.5mg/ml)を含むメタノールで染色され、プラークが測定された。示されているデータは2連培養物の平均であり、一般にその変動は10%未満であり、統計的比較はスチューデントのt検定を用いて行なわれた。
C21、C24、C26またはC28脂肪族アルコールを含む懸濁物は、ベロ細胞におけるHSV−2プラーク生成を阻害し、その用量反応曲線はn−ドコサノール(C22)のものと類似していた。典型的な結果は図1に示される。プラーク生成を50%阻害(EC50)するのに必要な有効濃度(mM)は表1に示される。
HSV−2プラーク形成阻害に対する明らかな鎖の長さの影響はなかった。C21からC28アルコールのすべてはHSV−2プラーク生成を阻害し、どの化合物もC22より著しく大きい活性を示さなかった。奇数鎖の長さの化合物であるヘンエイコサノール(C21)はHSV−2によるプラーク形成を阻害し、明らかな鎖長の影響がないことを示した(すなわち、奇数鎖長分子は偶数のものと同じように作用した)。
ステアリルアルコール(C18)およびアラキジルアルコール(C20)の懸濁物は、ウイルス阻害活性がn−ドコサノールで観測された量で添加された場合、ベロ細胞に対して毒性を持った。細胞毒性ではなかった濃度(ステアリルアルコールは0.2μM、アラキジルアルコールは2μM)において、C18およびC20脂肪族アルコールは、同じ濃度でウイルスプラーク生成の阻害を示さなかった。脂肪族アルコールが含まれていない界面活性剤の対照懸濁物は、細胞毒性はなく、抗ウイルス活性を示さなかった。
例2
界面活性剤の脂肪族アルコールに対する比率を増加させる効果
界面活性剤対脂肪族アルコールの比率(w:w)を増加する抗ウイルス性効果は、PLURONIC F-68▲R▼対n−ドコサノールの比率を増加させることによって明らかにされた(界面活性剤対アルコール比率1:1(w:w)を用いた例1と比較)。1:1の懸濁物は、n−ドコサノール(m.w.326.57)対界面活性剤(m.w.8,400)分子について26:1の分子比率を有している。一般に、界面活性剤の量を増やすことは懸濁剤の粒子径を減少させ、多重層よりむしろ小さい単層の小胞(ベシクル)の形成を引き起こす(Sandra,A.およびR.E.Pagano、J.Biol.Chem.254:2244-2249、1979年)。これにより、より多くのアルコールが粒子表面に現われ、細胞との相互作用が可能なる。
n−ドコサノールの懸濁物は本質的に例1で記載したように作られ、アルコールの量は一定であったが、界面活性剤の量を増やして最終の懸濁物においてPLURONIC F-68▲R▼対n−ドコサノールの比率が3:1、5:1および10:1(w:w)となるようにした。界面活性剤対アルコールの比率を増加させることにより、ベロ細胞培養における懸濁物の抗ウイルス効果は増加した(図2)。すなわち、3:1の界面活性剤対アルコール比率の懸濁物は1:1比率より大きな抗ウイルス性活性を示し(n−ドコサノール≧8mM)、5:1比率の懸濁物は1:1比率に比べて増加した抗ウイルス活性を示し(n−ドコサノール≧4mM)、10:1の比率は1:1比率に比べてより大きな抗ウイルス活性を示した(n−ドコサノール≧1mM)。抗ウイルス活性は懸濁物におけるn−ドコサノールに依存した。というのも上記でテストした各比率のように、同じ濃度の界面活性剤の懸濁物でインキュベートされた対照培養物は本質的に何の抗ウイルス性活性も示さなかった(図2B)。
増加した界面活性剤対アルコール比率は、細胞に結合するn−ドコサノールの量の増加に相関し、これは界面活性剤n−[1・14C]ドコサノール懸濁物で24時間インキュベートされたベロ細胞を用いて測定された。界面活性剤対n−ドコサノールの比率4:1を含む懸濁物でインキュベートされた細胞は7.8×10-6μg/細胞で結合され、1対1の比率の懸濁物でインキュベートされた等価の培養物は3.1×10-6μg/細胞で結合された。n−ドコサノールの最適な抗ウイルス活性は、約4:1から5:1(w:w)の界面活性剤対アルコール比で得られた。
脂肪族化合物の抗ウイルス活性は、懸濁物における脂肪族化合物と特定の非イオン界面活性剤との特有の組合せの特性ではない。すなわち、他の界面活性剤も脂肪族アルコールの効果的な抗ウイルス性懸濁物をもたらした。非イオン性オクタキシノール界面活性剤(TRITON X-100▲R▼、Rohm & HAAS)を含むn−ドコサノールの懸濁物は以下のように調製された。a)2.5gのn−ドコサノールを90℃で1.5gの界面活性剤とともに溶かし、b)解けた溶液を90℃において500mlの生理食塩水および1.15gのポリビニルピロリドン(PVP)と混合し、c)5サイクルにわたり1300psiで熱い混合物をミクロ流動化機で処理し、d)中空の繊維カートリッジを通して処理された混合物を超ろ過して過剰の界面活性剤およびPVPを取除く。対照界面活性剤懸濁物は、n−ドコサノールが省略されたことを除き、類似した態様で調製された。n−ドコサノールのデオキシコレート懸濁剤(界面活性剤対アルコール比は重量で1:1)は本質的に上記で記載したように調製された。
n−ドコサノールのオクトキシノールおよびデオキシコレート懸濁物の両方とも、ベロ細胞検定におけるHSV−2プラーク生成を阻害した。典型的な結果は図3に示されている。2mM以上のn−ドコサノールの濃度において、オクトキシノール/n−ドコサノール懸濁物はオクトキシノール対照物に相対してプラーク形成を阻害し、約4.5mMのEC50を有した。脂肪族アルコール懸濁物を作るのに用いられた非イオン界面活性剤からは抗ウイルス活性はもたらされない。
界面活性剤対n−ドコサノールの比率を増加させることにより、懸濁物の抗ウイルス活性が著しく増加した。すなわち、プラーク形成を50%阻害するのに必要な懸濁物におけるn−ドコサノールの量が減少した(たとえば、15mMから3mM)。
例3
脂肪族アルカン、n−ドコサンの抗ウイルス活性
界面活性剤/n−ドコサン(Sigma Chemical Co.)懸濁物は本質的に例1で記載したように調製された。界面活性剤/n−ドコサン懸濁物の抗ウイルス活性は、例1で記載されているようにHSV−2プラーク形成の阻害を測定するためにベロ細胞検定を用いて類似した界面活性剤/n−ドコサノール懸濁物と比較された。
図4で示されるように、界面活性剤/n−ドコサン懸濁物はベロ細胞培養物におけるHSV−2によるプラーク生成を阻害し、その用量反応曲線は界面活性剤/n−ドコサノール懸濁物のものと類似していた。n−ドコサノール(■)およびn−ドコサン(△)のPLURONIC F-68▲R▼懸濁物は、HSV−2を加える前に12時間懸濁物でインキュベートされた培養ベロ細胞におけるHSV−2ウイルスプラーク形成を阻害した。対照界面活性剤懸濁物は何ら抗ウイルス性活性を示さなかった(データは示されていない)。したがって、C22脂肪族アルコールおよびアルカンは匹敵する抗ウイルス活性を示し、ウイルスプラーク形成の阻害によって測定されたように、ヒドロキシル部分が活性には必要でないことを示した。
例4
n−ドコサノールの1−ヒドロキシル部分の酸化は細胞毒性をもたらす
非イオン性洗浄剤界面活性剤/n−ドコサン酸(Sigma Chemical Co.)懸濁物が調製され、例1で記載したように、ベロ細胞およびHSV−2を用いて抗ウイルス活性がテストされた。ウイルス阻害がn−ドコサノールで起こるものと等価な濃度で用いられた場合、C22脂肪酸はベロ細胞に対して毒性を持った(表2参照)。4mMから15mMのn−ドコサン酸の懸濁物が培養に加えられた場合、細胞は丸くなって皿から離れた。n−ドコサン酸の許容濃度(≦2mM)において、抗ウイルス活性は同じ濃度におけるn−ドコサノール懸濁物で観測されたものとほぼ同じであったが、4から15mM n−ドコサノール懸濁物で観測されたものより著しく小さかった。したがって、C22脂肪酸は細胞にとって許容できる希釈度において何らかの抗ウイルス活性を示したが、対応する脂肪族アルコールと比べてその細胞毒性が増加した。
例5
C22モノ不飽和脂肪族アルコールの抗ウイルス活性
界面活性剤/エルシルアルコール(シス−13−ドコサン−1−オール;Sigma Chemical Co.)懸濁物が、例1で記載されたようにベロ細胞およびHSV−2を用いてテストされ、炭化水素鎖の不飽和の作用が測定された。界面活性剤/エルシルアルコール懸濁物はn−ドコサノールが有効である(2−15mM)濃度で培養物に加えられた場合、ベロ細胞に対して毒性を示した。しかし、表2で示されるように、細胞に許容される濃度(≦1mM)はHSV−2プラーク形成の著しい阻害(93%まで)を示した。さらに、1mMエルシルアルコールでは何の細胞毒性も観察されなかった。エルシルアルコールに対する50%のプラーク形成阻害に必要な有効な濃度(EC50=0.15mM)は、n−ドコサノールに必要な濃度(EC50=9mM)より60倍低かった。したがって、治療指数は6.7(すなわち、1mM/0.15mM)以上である。
同様に、C22モノ不飽和アルコール、ブラシジルアルコール(トランス−13−ドコセン−1−オール)のトランス異性体の抗ウイルス活性が測定された。懸濁物は別の非イオン性界面活性剤TETRONIC-908▲R▼(BASF)を用いて調製され、例1で記載した手順と本質的に同じものを用いて、HSV−2の代わりにHSV−1で行なわれた。表2で示されるように、ブラシジルアルコールはn−ドコサノールと類似した抗ウイルス作用を示す。ブラシジルアルコールの細胞毒性はエルシルアルコールのものより著しく小さかった。
これらの結果に基づき、C22脂肪族アルコールの13位における単一のシス(トランスではない)二重結合の追加は抗ウイルス活性を大いに増加させた。トランス二重結合を有するアルコールは、シス二重結合を有するアルコールより毒性が低かった。高い細胞毒性は、シス二重結合よりもたらされる分子の折り曲げに起因するかもしれない。
界面活性剤/エルシルアルコール懸濁物は直接的なウイルス効果を持たなかった。すなわち、HSV−2ウイルスを界面活性剤/エルシルアルコール懸濁物とともに2時間インキュベートしても、ベロ細胞における後のプラーク形成で測定されたようにウイルスを不活性化しなかった。
例6
哺乳類細胞培養におけるエルカミドの試験
エルカミド(シス−13−ドコセノアミド;m.w.=337.59)はエルシルアルコールと構造が似ている単一の二重結合を有するC22鎖である。非イオン洗浄剤界面活性剤/エルカミド(Aldrich Chemicals Co.)はTETRONIC-908▲R▼を用いて調製され、例1で記載されたようにベロ細胞およびHSV−2を用いて抗ウイルス活性がテストされた。C22アミドは3mM以上の濃度で用いられた場合にベロ細胞に対して毒性を持ち、これはエルシルアルコールおよびn−ドコサン酸(表2参照)でも見られた毒性と似ている。3mMから15mMのエルカミドの懸濁物が培養に加えられた場合、細胞は丸くなって皿から離れた。懸濁物におけるさらに低い濃度のエルカミドでは、著しい抗ウイルス活性が見られた。エルカミドの許容濃度(≦1.7mM)では、エルカミド懸濁物の抗ウイルス活性はエルシルアルコール懸濁物の本質的に等価な濃度より低く、n−ドコサノール、n−ドコサン、n−ドコサン酸またはブラシジルアルコール懸濁物のものより大きかった。すなわち、エルカミド懸濁物のプラーク形成阻害パーセントは、1.7mMで78%、1.5mMで68%、1.2mMで58%、0.89mMで44%、0.59mMで42%、および0.03mMで34%であった。すなわち、C22アミドは細胞に対して許容できる希釈度において著しい抗ウイルス活性を示したが、C22飽和脂肪族アルコール(n−ドコサノール)に対してその細胞毒性は増加しており、対応するC22モノ不飽和エルシルアルコールのものと類似していた。
例7
哺乳類細胞における細胞毒性
n−ドコサノールはインキュベーションが延長された場合でも、培養細胞に対する細胞毒性が小さかった。細胞生存および増殖に対する脂肪族アルコールの効果を定量化するために3つの検定が用いられた。1)血球計(ヘモサイトメータ)で細胞を数えトリパンブルーを排除する細胞の数を測定する;2)培養培地に3H−チミジン(New England Nuclearから)を加えることにより、細胞DNAへの3H−チミジンの取り込みを測定し、細胞を水に溶解させてDNAをフィルタペーパ上に収集し;3)96ウェルマイクロタイタプレートで使用するのに用いられるスルホルホダミン検定を用いて総細胞蛋白質を測定した(Skehan,P.他、J.Natl.Cancer Inst.82:1107-1112、1990年)。これらの方法はすべて周知の細胞生存および細胞毒性検定である。
テストされた細胞はベロ細胞(例1参照)、WI−38、ヒト胚二倍体肺細胞系(ATTC No.CCL 75)、HFL1、ヒト胎児肺二倍体細胞系(ATCC No.CCL 153)およびヒト胎児包皮(ATCC No.1635)を含む。上記で述べたようにマウスB-細胞ハイブリドーマ株が構成及び培養され(Marcelletti,J.F.などJ.Immunol.148:3857-3863、1992年)たが、ATCC TIBまたはHB細胞のような他の腫瘍系およびハイブリドーマも細胞増殖に対する懸濁物中の脂肪族化合物の影響を測定するために等しく用いることができる。すべての細胞は10%ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム、L−グルタミンおよびペニシリン/ストレプトマイシンで補足されたDMEMにおいて、当該技術分野において周知の手順を踏まえて培養された。脂肪族アルコールの懸濁物は例1で記載されているように調製された。
第1の検定を用いて、培養物に35mmウェル当たり1.8ml培地において6×105の細胞または16mmウェル当たり0.8ml培地において3×105の細胞を接種した場合、ベロ(ミドリザル腎臓)細胞は、観察できる有害な作用なく、界面活性剤懸濁物に含まれる9mM n−ドコサノール存在下で72時間培養された。典型的なデータは表3に示されており、ベロ細胞および包皮繊維芽細胞の合計数は、脂肪族アルコール懸濁物とともに24時間から72時間インキュベートされても変わらなかったことを示す。通常の皮膚繊維芽細胞(ATCC CRL1900)、WI−88肺細胞、ヒト胎児肺細胞およびB細胞ハイブリドーマを含めた他の細胞系もテストされ、細胞が比較的高い濃度で接種された場合、n−ドコサノール懸濁物が存在する場合と類似した細胞の生存度を示した。脂肪族アルコールを含まない界面活性剤の対照懸濁物は、ベロ細胞に対して何の細胞毒性も示さなかったが、胎児包皮細胞に対しては、アルコール含有懸濁物では観測されなかった時間的依存的細胞毒性を示した。胎児包皮細胞系では、脂肪族アルコールの添加は界面活性剤の細胞毒性作用を減少させた。
n−ドコサノルでの72時間のインキュベーションの後も、細胞系は、トリパンブルーに対して非透過性を保ったが、正常な皮膚線維芽細胞、包皮線維芽細胞、WI−38細胞およびヒト胎児の肺細胞は、光顕微鏡検査法を使用して検査すると、形態学において検知可能な変化を示した。アルコール懸濁物での72時間のインキュベーション後、細胞の細胞質内には多数の透明な領域が現われ、細胞は空胞化された。対照物としての界面活性剤懸濁物で治療された細胞は、72時間のインキュベーション後も空胞化は見られなかった。
n−ドコサノール懸濁物に一般に見られる細胞毒性の欠乏と対比して、ステアリルアルコール(C18)およびアラキジルアルコール(C20)の懸濁物は、テストしたすべての細胞系に対して非常に強い細胞毒性を示した。これらC18およびC20の脂肪族アルコールの存在下、単層で成長する細胞はプレートから剥離して、崩壊した。懸濁された細胞もまた、ステアリルおよびアラキジルアルコール懸濁物にさらされると崩壊した。
生存度は、DNA内への3H−チミジンの取り込みを測定するか、または、スルホロダミンBで染色することにより細胞の全タンパク質を測定するかのいずれかによって、種々の細胞系で定量化された。典型的な結果を図5に示す。図5では、異なる濃度のC18,C20,およびC22脂肪族アルコールにおける、B細胞ハイブリドーマのDNAへの3H−チミジン取り込みの阻害を示している。B細胞系および他の細胞系におけるステアリルアルコール(C18)のIC50は、35μMより低く、アラキジルアルコール(C20)については、IC50は約1.7mMであった。これに対し、外挿によって推定されたn−ドコサノールのIC50は約20mMであり、これは、界面活性剤のみの場合に見られるよりも大きい。したがって、C20脂肪族アルコールを2炭素分短くした場合、LC50で約50倍の減少が見られた。
図5に示したデータは、懸濁物での48時間のインキュベーションの後に得られたが、24時間のインキュベーション以内に明らかな毒性が見られた。ヘンイコサノール(C21)の懸濁物およびより長鎖のアルコール、リグノセリルアルコール(C24)、n−ヘキサコサノール(C26),およびn−オクタコサノール(C28)の懸濁物は、n−ドコサノール懸濁物で見られたのと同様の最小レベルの細胞毒性を示した。
細胞の増殖(細胞増殖抑制)に対するn−ドコサノールおよびn−ドコサン懸濁物の作用は、96ウェルプレート内でインキュベートされたヒト包皮線維芽細胞の培養上でスルホロダミン染色検定を使用して定量化した。図6Aおよび図6Bに示す結果は、n−ドコサノール懸濁物の阻害作用がインビトロの培養の最初の細胞密度に依存することを示し、これに対し、n−ドコサン懸濁物がどのような細胞密度においても対照物としての界面活性剤懸濁物と比較して、なんら顕著な抗増殖作用を表わさなかったことを示している。図7に示した結果は、n−ドコサノール懸濁物に関連する細胞がインキュベーションの全期間に応じて、より大きな増殖阻害作用を示したことを表わしている。すなわち、インキュベーションが長いほど、細胞の増殖がより阻害される結果となる。
包皮線維芽細胞は、96ウェルプレート内で、ウェルあたり1000個の細胞(図6Aおよび図7)またはウェルあたり30000個の細胞(図6B)で、脂肪族アルコール懸濁物ありもしくはなしで、または、対照物としての界面活性剤懸濁物で、平板培養された。37℃での72時間または96時間のインキュベーションの後、細胞は、トリクロロ酢酸で沈殿され、スルホロダミンで染色され、マイクロタイタープレートリーダ内で、OD540を測定することによって、定量化された。図6は、96時間インキュベートされた細胞について得られた結果を示し、図7は、96時間と比較して、72時間の後に得られた細胞についての結果を示す。
3mMより多量のn−ドコサノール懸濁物は、96時間のインキュベーションの後に検定された、ウェルあたり1、000個の細胞で平板培養された細胞の増殖を阻害した(図6A)。これに対し、C22アルカン類,n−ドコサンの懸濁物は、界面活性剤の対照物(図6A)と比較して、最小の抗増殖作用を示した。最初の細胞密度がより高い場合(図6B)、インキュベーション時間がより短い場合(図7)、または、3mMより濃度が低い場合m、n−ドコサノールは、(懸濁物内のみに界面活性剤を有する)対照物と比較して、細胞の増殖を阻害することはなかった。n−ドコサノールを、図6および図7に示したように、同じ増殖検定を使用して、WI38細胞のヒト胎児の肺細胞および正常な皮膚線維芽細胞でインキュベートした場合も、同様の結果が得られた。
C20よりも大きい脂肪族アルコールを含有する懸濁物は、細胞の毒性をほとんど示さなかった。細胞を低密度で平板培養し、72時間以上の間、3mMより大きいn−ドコサノールでインキュベートした場合にのみ、明らかな細胞増殖抑制作用が見られた。脂肪族アルコールを欠く対照用懸濁物の場合、細胞増殖抑制作用は示さなかった。
脂肪族アルコールの鎖の長さは、例1に示した結果においては抗ウィルス性活性に対してはなんら顕著な作用を示さなかったのに対し、その細胞毒性には影響を与えた。計算によるIC50の測定値は、C22またはC21のアルコールでは15mMを超えたのに対し、C20アルコールでは1.5mMに、また、C18アルコールでは35μMを下回るまでに減少した。わずか4炭素分短いだけのアルコールであるC18の鎖長を有する脂肪族アルコールの場合にこれほど顕著に毒性が増加することは、予測できなかった。
ステアリン酸組成物の抗ウィルス性活性
実質的に例1に記載したように、エタノールに溶解されるかまたはTetronic908TMに懸濁されたステアリン酸(m.w.284.5)の抗ウィルス性活性および細胞毒性が測定された。抗ウィルス性活性は、実質的に例1で述べたように行われた、ベロ細胞培養におけるHSV−2プラーク形成の阻害のパーセンテージとして測定された。細胞毒性は、治療しない対照物培養と比較した、培養プレート内の細胞の成長および完全性に関する、細胞の顕微鏡検査によって評価された。毒性が見られない状態は、治療しない細胞と区別できない、単層の治療された細胞として規定された。弱い毒性は、対照物と比較して、細胞の単層の膜厚の減少として規定された。毒性がある状態は、単層の治療された細胞が、培養プレートからの細胞の剥離によって証拠づけられるように破壊された、その濃度として規定された。Tetronic908内の11μMおよび22μMのステアリン酸懸濁物について、ならびに、エタノール内の3.5μMステアリン酸溶液については、なんら顕著な毒性は見られなかった。これら治療薬のすべては、感染した対照用細胞培養物に対して、10%に満たないHSV−2プラーク形成阻害を示した。44μMのステアリン酸−Tetronic908懸濁物および35μMステアリン酸−エタノール溶液で治療の後に、弱い毒性が観察されたが、抗ウィルス性活性は、細胞の条件により定量化することができなかった。88μMから350μMのステアリン酸の懸濁物および溶液は、すべて毒性であり、抗ウィルス性活性は判定できなかった。これは、細胞の単層が破壊されたためである。
例9
動物モデルにおけるn−ドコサノールまたはステアリン酸を含む局所的に適用された組成物の抗ウィルス性活性
ステアリン酸を含有する組成物の抗ウィルス性活性は、HSV−2に感染したモルモットモデルを使用して、インビボで確認された。無毛モルモット(1テストあたり雄6匹、各200〜300グラム、Charles Rivers Laboratories,Wilmington,MAより)に麻酔をかけ、HSV−2(ベロ細胞内で成長され、標準的な方法を使用して精製された、ATCC株VR-540)を接種した。第0日に、各動物に、9.75×106PFU/mlを含有する75μlの生理食塩水を背中の4cm2の領域内の6つの接種部位に接種した。24時間の後接種(第1日)から開始して、動物たちは後述するクリームまたは無反応の対照物としての水で、毎日3回または5回、局所的に治療された。この治療は、同じ割合で、第2日、第3日および第4日において続けられた。接種部位は、第2日、第3日、および第4日において、毎日、皮膚の刺激に対する反応およびベシクルの形成について評価された。刺激に対する反応は、0から4のスケールで観測され、紅斑なしの正常な皮膚は0、弱い紅斑は1、中程度の紅斑は2、強い紅斑は3、および、強い紅斑が出血を伴う場合は4とした。ベシクルとは、白い,液体を含む膿疱であると規定される。
局所的治療のための組成物は、n−ドコサノールを含有するクリーム、ステアリン酸を含有するクリーム、およびプラシーボであった。n−ドコサノールクリームは、10%w/wのn−ドコサノール(Michel and Co.,New York,NY)、5%w/wのスクロースステアリン酸エステル(Croda,Inc.,New York,NY)、8%w/wの鉱物油NF(Witco Corp.,Newark,NJ)、5%w/wのプロピレングリコールUSP、2/7%w/wのベンジルアルコールNF(Ruger Chemical Co.,Irvington,NJ)、および、69.3%の精製水USPを含有した。ステアリン酸クリームは、10%w/wのステアリン酸(Henkel,Cincinnati,OH)、5%w/wのスクロースステアリン酸エステル(Croda,Inc.,New York,NY)、8%w/wの鉱物油NF(Witco Corp.,Newark,NJ)、5%w/wのプロピレングリコールUSP、2.7%w/wのベンジルアルコールNF(Ruger Chemical Co.,Irvington,NJ)、および、69.3%の精製水USPを含有した。いずれのクリームも、水以外の成分をすべて混合し、80℃まで加熱し、それら成分を(Heidolph RZR 2051スターラーを使用して)400±5RPMで攪拌し、そこに攪拌速度を1900±5RPMに増しながら85℃の水を加えて、作った。80℃で3分後、この混合物を引き続き攪拌しながら(約8分)、30℃に冷却した。プラシーボは、70%のポリエチレングリコール(PEG)400NFおよび30%PEG3350NFを、PEG3350が完全に溶けるまで65℃まで加熱し、その後、その混合物を30℃に冷却するまで連続して400RPMで攪拌することによって作った。
これらのテストの結果を、表4にまとめた。第2日における判定は、48時間の後接種の後に行なった。第3日における判定は、72時間の後接種の後に、第4日における判定は、96時間の後接種の後に(1判定あたり合計6部位で)行なった。表4からわかるように、第2日においては、いずれのクリームも水で治療した対照物と比較してベシクルの数に大きく影響することはなく、すべての部位において刺激に対する反応は見られなかった。第3日において、n−ドコサノールクリームで治療された部位において、水で治療した対照物に対して、ベシクルの数に顕著な阻害が見られた。1日あたり3回のn−ドコサノール含有クリームの適用で飽和が見られるようであった。なぜなら、1日あたり5回の適用でも実質的に同一レベルの阻害が見られたためである。第3日において、1日3回ステアリン酸クリームで治療された部位は、水で治療した対照物と比較して、控えめなベシクル阻害を示した。これに対し、1日5回治療を行なった部位は、統計的に顕著なベシクル阻害を示した。1日5回PEGプラシーボを適用した場合には、いずれの時点においても、水で治療した対照物に対して、ベシクルの数は大きく低下することはなかった。
第3日において、n−ドコサノールクリームの場合も、ステアリン酸クリームの場合にも、刺激に対する反応がいくらか観察された。第4日においては、1日3回n−ドコサノールクリームで治療した場合に、対照物に対して顕著なベシクルの数の減少が見られた。ただし、刺激に対する反応がわずかに見られた。第4日において、1日5回のn−ドコサノールクリームまたはステアリン酸クリームによる治療によって、対照物およびプラシーボに対して、ベシクルの数は顕著に減少した。ただし、わずかな紅斑が、どちらの治療においても観察された。
これらのインビボの結果は、有効成分としてn−ドコサノールを含有するまたは、有効成分としてステアリン酸を含有するクリームでのHSV−2感染の局所的治療が、感染の結果としてのベシクルの数を大いに減じることができることを示している。有効成分としてn−ドコサノールを含有するクリームは、ウィルス性感染を治療するのにより有効であると思われる。なぜなら、有効成分としてステアリン酸のみを含有するクリームでベシクルの数を減少させるのに、1日5回の治療が必要であったのに対し、わずか1日3回の治療でベシクルの数に顕著な減少が見られたためである。
例10
やけどの局所的治療
接触皮膚炎(やけど)のマウスのモデルが、治療をしない対照物またはPGEプラシーボ軟膏で治療されたマウスと比較して、5%w/wのスクロースステアリン酸塩を含有し、かつ、活性成分としてステアリン酸(5%、10%、および20%w/w)またはn−ドコサノール(10%および20%w/w)を有するクリームを局所的に適用した場合の治療上の効率をテストするのに使用された。クリームおよびプラシーボ軟膏は、実質的に例9に述べたように調製された。テストされた各グループについて、CAF−1のマウスの腹部がそられ、フェノールクロロホルムの混合物(1:1 v/v 2−メルカプトエタノール0.2%含有および1MのTris緩衝液で飽和、pH8)が、マウス1匹あたり2つの露出した部位に与えられ(約5〜8mm2/部位の領域を有する5μl/部位)、空気乾燥された。やけど部位は、フェノールおよびクロロホルムの混合物を与えた後0.5時間、3時間、および6時間後に、クリームまたはプラシーボ軟膏で治療され、フェノールおよびクロロホルムの混合物を与えた後8時間後に評点が付けられた。やけど部位は、数値的に、以下のとおり評点が付けられた:正常な皮膚は0、わずかに炎症を起こした場合1、赤い皮膚は2、部位のまわりに赤い縁部を伴う非常に赤い皮膚の場合は3、潰瘍化した場合は4、と評点が付けられた。これら評点の数値の各々より大きいかまたは小さい症状については、0.33から0.5の増減として評価された。
これらのテストの結果を、表5にまとめた。
これらの結果は、ステアリン酸およびn−ドコサノールを含有するクリームによりやけどの治療が、強い紅斑および潰瘍を示した治療されないかまたはプラシーボによって治療した対照物と比較して、外傷の度合いを大いに減少することを示している。5%、10%、または20%w/wのステアリン酸クリームでの外傷治療の治療効果は、10%または12%w/wのn−ドコサノール含有クリームの比較投与量での外傷治療に続いて見られるものより常に低かった。ステアリン酸およびn−ドコサノール含有クリームの双方において、やけどの外傷に対する治療作用における非線形増加が、有効成分の濃度の増加とともに観察された。
例11
ヒトの臨床研究における、局所的に適用されたn−ドコサノールおよびステアリン酸含有素生物の抗ウィルス性活性
ステアリン酸含有組成物の抗ウィルス性活性は、648人の免疫応答性患者における口のヘルペスの治療の臨床研究において、インビボで確認された。これらの患者は、局所口部ヘルペスの症状の発現(すなわち、最初の前駆症感覚、紅班または丘疹、しかしベシクルではない)の12時間以内に治療を開始された。これらの患者は、ヘルペス口唇の急性の再発の病歴を有し、症状の発現を治療しなかった場合は、(感覚および/または紅斑の開始から、完全に治癒するまで)平均8.9日の持続期間であると報告されていた。この持続期間は、この病気の公表されている報告(R.J.Whitley,Fields Virology p.2316に記載)における口部ヘルペスの症状の発現の通常の8日から10日の持続期間と合致している。
これらの研究において、患者は、実質的に例9のように調製された、10%のn−ドコサノールまたは10%のステアリン酸を含有するいずれかのクリームでランダムに治療された。患者は、1日5回、最小で5日間、局所ヘルペスに侵された領域に局所的にクリームを適用した(25回の予定された適用、重い運動の後再適用、シャワーまたは入浴、ただし、再適用は予定された適用とは数えない)。ヘルペスの症状の発現が5日後も続く場合には、患者はクリームを最高10日間適用し続けた(50回の予定された適用)。20人の患者のみが10日を超える治療を行なった。患者は、適用回数および外傷の痛みおよびかゆみの症状の記録をとり、治療期間の間、1日2回診察され、治療の有効性が評価された。
治療を評価するのに使用された基準に含まれたのは、まず、治癒にかかった時間、これは、(ベシクルの段階に至るまでに症状の発現に関連する症状の完全な消散として規定された)症状の発現の頓挫、または、(紅班,薄皮がむける、または非対称等の後外傷の皮膚の変化が残っているかどうかにかかわらず、活性の外傷の証拠がないことでかさぶたがないと規定される)完全な治癒を含む、と、ウィルス性発散の停止にかかった時間(研究番号1のみ)と、痛みの減少にかかった時間と、痛みの停止にかかった時間と、かゆみの停止にかかった時間と、硬いかさぶたの段階に至った時間とを含んだ。比較のために、治療されなかった外傷に対する患者の履歴データおよび公表された結果(S.L.Spruance etal.,“The Natural History of Recurrent Herpes Simplex Labialis,”New Eng.J.Med.297:69-75,1977)が使用された。
表6は、(表において括弧内の番号で示される)2つの別個の研究の結果を示している。これらのデータは、の持続期間が、治療されない口辺ヘルペスでは平均8.9日持続するという患者の報告されている履歴データと比較して、n−ドコサノールを含有するクリームまたはステアリン酸を含有するクリームのいずれかによる治療後平均5.5日まで、大いに低減されたことを示している。したがって、この持続期間は、患者が症状の発現初期にn−ドコサノールまたはステアリン酸を含有するクリームで治療された場合に、35%(p≦0.0001)以上も、大いに感じられた。さらに、いずれかのクリームによる初期治療は、再発性ヘルペスの症状の発現に関する痛みの症状の持続時間を、その病気が治療されなかった場合のおよそ6日間から、治療された領域においては3日足らずにまで、短縮した。
例12
n−ドコサン処方薬による局所治療後のHSV−1傷の治療の改善
過去に顔にHSV−1傷(口辺ヘルペス)が発現した経験のある10人の患者に20mg/mlのプロキシマブロック共重合体界面活性剤中に懸濁した5.0mg/mlのn−ドコサンの所与のクリーム状の処方薬が与えられ、このクリーム状の処方薬は皮膚軟化薬としての5重量%から8重量%のミネラルオイルNFと、湿潤剤および防腐剤としての5重量%のプロピレンブリコールUSPと、補助防府剤としての1重量%から3重量%のベンジルアルコールNFと、水性の担体としてのバランス精製水とを含む。個人は、口辺ヘルペスを見つけたときに口の周りの傷または初期の炎症にクリームを適用するように指導される。個人は、治療されなかった場合口辺ヘルペスは平均して10日間続き、治療されなかったすべての口辺ヘルペスはベシクルに発達し、最終的にはかさぶたになって治った経験を持つ。個人は皮膚の影響を受けた領域に少なくとも1日に2回、1日に4回までの回数だけクリームを適用するように指導される。個人はまた、観察した感染の段階(紅斑から丘疹、ベシクル、浮腫からかさぶた)を記録し、HSV−1傷に関連する主観的観察を記録するよう指導される。
各個人は研究中に少なくとも1つの口辺ヘルペスを治療する。すべての個人により、治療しなかった過去の傷に対して、n−ドコサンを含有するクリームによって口辺ヘルペスを治療すると痛みが軽減したと報告された。各個人について、過去の感染と比較してHSV−1感染の症状が発現した期間は20%から60%だけ短くなった(すなわち、個人によるが4日から8日の期間)。n−ドコサンを含有するクリームによって1日に4回口辺ヘルペスを治療した、研究に参加した個人の少なくとも半数の者において、口辺ヘルペスはベシクル段階まで発達しなかった。その代わりに、HSV−1傷が紅斑または丘疹段階で局所的に治療をされると、傷は一般には丘疹段階を越えてまでは発達せず、傷はさらに発達することなく治る。これらの結果は、n−ドコサンを含有する処方薬は局所的に適用するとウイルス感染を予防して治療するのに有効であることを示す。
例13
エルシルアルコールまたはエルカミドの処方薬によるインフルエンザ感染の治療
防腐剤としてプロピレングリコールUSP(0.5重量%)およびベンジルアルコールNF(2重量%)を含有する1.4mMの非イオン性ポロキシマ188界面活性剤中の0.15mMエルシルアルコールの水性懸濁物が、標準的な可撓性の鼻用スプレーボトルにおいて調製され、このスプレーボトルはボトルを押圧したときに懸濁物のエアロゾルをもたすことができる。同様に、1.5mMのエルカミドを含有する調製物が作られ、懸濁物のエアロゾルをもたらすための鼻用スプレー容器に入れられる。この調製物は、過去12ヶ月間にインフルエンザウイルスに対する予防接種を受けていない20人の健康な個人からなる2つのグループ(1つはエルシルアルコールをテストするためであり、もう1つはエルカミドをテストするためのものである)に、インフルエンザの季節に与えられる。
個人は、インフルエンザの症状(呼吸器の異常、身体の痛み、過敏な目、熱、熱、吐き気またはこれらのうちのいくつかの組合せ)が現れたときに1日に1回から5回(1つの鼻孔につき1回から2回の噴射を2時間から4時間の間隔おく)、鼻用スプレーとして与えられた懸濁物を使用するよう指導される。個人は、症状が見られる期間中にインフルエンザの症状の度合に関する主観的および客観的観察(症状の期間、発熱時の体温、身体の痛みの期間と度合)を記録するように指導される。個人はまた、この期間中の鼻用スプレーの懸濁物の使用(投与した噴射回数および投与回数)を記録するように指導される。個人は、界面活性剤/エルシルアルコールまたは界面活性剤/エルカミドエアロゾルを用いたときのインフルエンザの症状の度合を主観的に観察したものを、過去のインフルエンザ感染による経験と比較してまとめることを要求される。
指導されたように界面活性剤/エルシルアルコールエアロゾルを使用した、研究に参加した個人の約半数により、以前のインフルエンザの症状の発現に比較してインフルエンザの症状が軽減したと報告された。平均して1日に5回(1つの鼻孔について1回から2回の噴射)エアロゾルを使用した者の場合、治療を受けていない個人と比較して、インフルエンザ感染に関連した呼吸器の異常が大幅に軽減したと報告した。平均して1日に5回エアロゾルを使用した者は、治療を受けていない個人(1回のインフルエンザの症状の発現に対して2回から5回)と比較して熱が出る頻度がかなり下がり(1回のインフルエンザの発現により1回から3回)、記録された最高の体温は治療を受けていない個人(平均で38.9℃)と比較してかなり低い(平均して37.8℃)。界面活性剤/エルシルアルコールエアロゾルによって治療を受けた個人の約半分のインフルエンザ症状の現れる平均期間は1.7日であり、治療を受けていない個人のインフルエンザ症状が現れる平均期間は3日である。この結果は、粘膜に適用すると界面活性剤/エルシルアルコール懸濁物は治療に有用な抗ウイルスの影響を及ぼすことを示す。
エルカミド懸濁物の鼻用スプレーによって治療を受けた患者についても同様の結果が得られた。患者の約半数が、症状が現れた直後に界面活性剤/エルカミドを使用すると、これまでのインフルエンザの症状の発現時と比較してインフルエンザの症状が軽減したと報告した。多くの個人は、以前経験したインフルエンザの症状と比較すると、平均して1日に3回(1つの鼻孔に対して1回から2回の噴射)エアロゾルを使用した場合、呼吸器の異常が大幅に軽減した。1日に平均して3回エアロゾルを使用する個人の多くは、インフルエンザの症状が現れている期間中に1回しか発熱せず、記録された最高体温は約37℃であったと報告した。1日に少なくとも3回エアロゾルを使用する個人のインフルエンザ症状の現れる平均期間は、インフルエンザ症状が現れる平均期間が3日である治療を受けていない個人と比較すると、2日である。これらの結果は、呼吸器の粘膜に適用すると、界面活性剤/エルカミド懸濁物のエアロゾルは治療に有効な抗ウイルスの影響を及ぼすことを示す。
例14
ブラシジルアルコールによる、HSV−2感染の経粘膜(transmucosal membrane)治療
本質的には例1および例5におけるように調製された非イオン性洗剤懸濁物中に8mMのブラシジルアルコールを含有する坐剤が、無水テキストロース(300−400mg/坐剤)、植物性スターチ(300−400mg/坐剤)およびマグネシウムステアレート(5−10mg/坐剤)を加えて混合物を作り、膣から挿入するための坐剤(坐剤につき1−10g)に圧縮することにより処方された。
膣および/または膣の周囲にヘルペスの傷が過去にできたことのある15人のASV−2に感染した女性に坐剤が与えられ、ヘルペスの傷またはヘルペスの傷に伴う苦痛が生じたときに1日に1個から4個の坐剤を使用するよう指導された。女性は活性感染の期間、傷の度合(紅斑、丘疹、ベシクル、浮腫またはかさぶたの段階)、過去の活性感染時に現れた相対的な傷の数、および活性感染の症状の発現に伴う痛みまたは苦痛の主観的度合についての自己観察を記録するよう指導される。女性は活性感染または活性感染の症状が見られると直ちに坐剤を使用するよう指導される。治療していない場合にベシクルに発達する傷に関する、女性の過去の平均期間は12日である。
すべての場合において、各女性は研究中に少なくとも1つの活性ヘルペス感染を治療する。すべての個人により、坐剤によって感染を治療した場合、治療を受けなかった過去の感染による症状の発現に対し、痛みおよび苦痛が軽減したと報告された。すべての場合において、HSV−2活性感染の平均期間は7日から8日であり、坐剤による治療を受けた5人の女性は3日から4日の平均期間を報告した。1日に4回坐剤が使用され、紅斑または丘疹段階で治療を始めた多くの場合において、感染はベシクル段階にまでは進行せず、丘疹段階までくると治った。
これに代えて、界面活性剤/ブラシジルアルコール懸濁物が処方されて、約50%から80%の白い軟性パラフィンを含有する軟膏にされ、これは60℃で溶解され、界面活性剤/ブラシジルアルコール懸濁物が添加および分散され、その後冷却された。軟膏は、主に活性ヘルペス感染の外部生殖器治療に関する必要に応じて、1日に2回から5回使用するという指導の下で、圧縮可能なチューブに与えられる。個人は、症状が現れると直ちに1日に1回から4回、生殖器または膣の周辺の領域のHSV−2傷を覆うように十分な量だけ使用するよう指導される。軟膏を使用した個人の少なくとも半数が、痛みおよび苦痛の軽減と、治療時間の短縮化と、治る前に傷がベシクルまで発達しなかったことを報告した。
これらの結果は、界面活性剤/ブラシジルアルコール懸濁物が、粘膜に局所的に適用されると治療に有効な抗ウイルスの影響を及ぼすことを示す。
例15
長鎖脂肪族アルコール懸濁物によるEBV感染(感染性単核球症)の治療
感染性単核球症(のどの痛み、熱、倦怠、全身性リンパ球症、異型の単核球症である、周辺の血液におけるTリンパ球増加症、血液中の白血球の総数は12,000から18,000個)と診断された10人の青年(14才から19才)が、本質的には例1と同様に調製された、10mMのn−ヘキサコサノールを含有する非イオン性洗剤界面活性剤の滅菌水性懸濁物によって組織的に治療される。懸濁物は臨床環境の下で、医師によって投与された0.001g/kgから1gm/kgの脂肪族アルコール量で(筋内または静脈内に)に注入された。その後個人の症状が1週間にわたって毎日、その後3ヶ月は1週間に1回の割合で、感染に単核球症を示すかどうかモニタリングされた。標準的な免疫測定法を用いて血しょう中の抗EBV抗体を検出することにより決定されるものとして、研究期間の終了時にはすべての個人のテスト結果がEBVに対して正であった。
すべての個人は、界面活性剤/nヘキサコサノール懸濁物を1週間投与すると喉の痛みおよび熱の症状が治り、一般に2週間投与すると熱による病気の症状が軽減したことを示した。治療を受けた個人のうち8人は、脂肪族アルコール懸濁物を2週間から3週間投与することで一般的にリンパ球による病気が軽減し、元気を取り戻した。治療を受けたすべての個人は、4週間の投与で、異型の単核球症である、周辺の血液中のTリンパ球増加症が軽減し、治療後2ヶ月で血液中の白血球の総数が正常になったことを示した。
n−ドコサノール
有効な濃度におけるn−ドコサノール、リゴセリルアルコールおよびn−オクタコサノールの懸濁物によって組織的に治療を受けた感染性単核球症の症状を示すEBVに感染した個人の場合も同様の結果が得られた。
これらの結果は、水性懸濁物中の選択された長鎖脂肪族アルコールを組織的に投与することにより治療に有効な抗ウイルスの影響が及ぼされることを示す。
例16
長鎖脂肪族アルコール懸濁物によるリンパ球増殖病の治療
ホジキン病(リンパ節における組織球と混合された、豊富に分散された、侵入した成熟なリンパ球細胞によって特徴付けられる段階IまたはII−Aのリンパ球性細胞組織球)を患う35才から55才までの5人の患者が、本質的に例1において説明したように調製されたTetronic-908における2mMのn−ドコサン酸の滅菌水性懸濁物を1週間ごとに注入することによって治療された。投与は、生理食塩水において1時間から2時間にわたってi.v.注入を行なうことにより、好ましい治療方法によって1回の投与につき0.1mg/kgから10mg/kgの投与量で行われた。
合計で8週間にわたって一週間ごとにn−ドコサン酸懸濁物が与えられた患者のうち4人が、高熱および/または寝汗の頻度が低減するかまたはなくなることを含む、症状における大きな改善を示した。さらに、これらの4人の患者のうち治療中に体重が減った者はおらず、2人は体重の約5%が増加したと報告した。治療に対して正の反応を示した4人の患者のすべてにおいて、アルコール懸濁物の投与後12週間から16週間経った時点で検出された付加的なリンパ節または余分なリンパ器官または組織に病気は広がっていなかった。非イオン性洗剤および20μMのステアリルアルコールまたは1mMのアラキジルアルコールを含有する水性懸濁物を1週間ごとに注入することによっても同様の結果が得られた。これらの結果は、細胞増殖病の治療に使用することができる選択された長鎖アルコール類の細毒性効果を示す。
特定的な例および好ましい具体例によってこの発明を説明したが、この発明はこれらの具体例に限定されることなく、以下の請求の範囲によって規定されることが理解されるであろう。
Claims (40)
- 製薬的に許容される希釈剤または担体中、1:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で界面活性剤と有効成分とからなる混合物を含み、前記界面活性剤は、オクトキシノールまたはデオキシコレートであり、前記有効成分は、n−ドコサノールである、細胞の成長または増殖阻害用組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で前記界面活性剤および前記有効成分を含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記混合物が、4:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で前記界面活性剤およびn−ドコサノールを含む、請求項1に記載の組成物。
- ブロックポリマーを含む非イオン界面活性剤をさらに含み、当該ブロックポリマーが、プロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体からなり、かつ25,000の分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
- ブロックポリマーを含む非イオン界面活性剤をさらに含み、当該ブロックポリマーが、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからなり、かつ8,400の分子量を有する、請求項1に記載の組成物。
- 前記界面活性剤が、オクトキシノール−9、オクトキノール−10またはそれらの組合せである、請求項1に記載の組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)の割合で、オクトキシノール−9、オクトキノール−10またはそれらの組合せを含む界面活性剤とn−ドコサノールとを含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)の割合で、デオキシコレートを含む界面活性剤とn−ドコサノールとを含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記混合物が、さらに糖系ステアリン酸エステルを含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記混合物が、10%から12%(W/W)のn−ドコサノールを含み、さらに糖系ステアリン酸エステルを含む、請求項1に記載の組成物。
- 前記混合物が、製薬的に許容される希釈剤または担体中の界面活性剤およびn−ドコサノールの懸濁物から本質的になる、請求項1に記載の組成物。
- 前記界面活性剤が、オクトキシノールまたはデオキシコレートである、請求項11に記載の組成物。
- 局所適用、経膜的適用または非経口的適用に適する医薬を調製するのに使用されるものである、請求項1〜12のいずれか1項に記載の組成物。
- 製薬的に許容される希釈剤または担体中、1:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で界面活性剤と有効成分とからなる混合物を含み、前記界面活性剤は、オクトキシノールまたはデオキシコレートであり、前記有効成分は、n−ドコサノールである、ウイルス感染症の予防または治療用組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で前記界面活性剤および前記有効成分を含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記混合物が、4:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で前記界面活性剤およびn−ドコサノールを含む、請求項14に記載の組成物。
- ブロックポリマーを含む非イオン界面活性剤をさらに含み、当該ブロックポリマーが、プロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体からなり、かつ25,000の分子量を有する、請求項14に記載の組成物。
- ブロックポリマーを含む非イオン界面活性剤をさらに含み、当該ブロックポリマーが、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからなり、かつ8,400の分子量を有する、請求項14に記載の組成物。
- 前記界面活性剤が、オクトキシノール−9、オクトキノール−10またはそれらの組合せである、請求項14に記載の組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)の割合で、オクトキシノール−9、オクトキノール−10またはそれらの組合せを含む界面活性剤とn−ドコサノールとを含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)の割合で、デオキシコレートを含む界面活性剤とn−ドコサノールとを含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記混合物が、さらに糖系ステアリン酸エステルを含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記混合物が、10%から12%(W/W)のn−ドコサノールを含み、さらに糖系ステアリン酸エステルを含む、請求項14に記載の組成物。
- 前記混合物が、製薬的に許容される希釈剤または担体中の界面活性剤およびn−ドコサノールの懸濁物から本質的になる、請求項14に記載の組成物。
- 前記界面活性剤が、オクトキシノールまたはデオキシコレートである、請求項24に記載の組成物。
- 前記ウイルス感染症が、単純ヘルペスウイルス、サイトメガロウイルス、エプスタイン・バーウイルス、水痘帯状ヘルペスウイルス、インフルエンザウイルス、ヒトリンパ球ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、乳頭腫ウイルスまたは呼吸シンシチアルウイルスによって引起こされるものである、請求項14に記載の組成物の使用。
- 局所適用、経膜的適用または非経口的適用に適する医薬を調製するのに使用されるものである、請求項14〜26のいずれか1項に記載の組成物。
- 製薬的に許容される希釈剤または担体中、1:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で界面活性剤と有効成分とからなる混合物を含み、前記界面活性剤は、オクトキシノールまたはデオキシコレートであり、前記有効成分は、n−ドコサノールである、皮膚または膜の炎症緩和用組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で前記界面活性剤および前記有効成分を含む、請求項28に記載の組成物。
- 前記混合物が、4:1(W:W)から10:1(W:W)の割合で前記界面活性剤およびn−ドコサノールを含む、請求項28に記載の組成物。
- ブロックポリマーを含む非イオン界面活性剤をさらに含み、当該ブロックポリマーが、プロピレングリコールのポリオキシアルキレン誘導体からなり、かつ25,000の分子量を有する、請求項28に記載の組成物。
- ブロックポリマーを含む非イオン界面活性剤をさらに含み、当該ブロックポリマーが、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドからなり、かつ8,400の分子量を有する、請求項28に記載の組成物。
- 前記界面活性剤が、オクトキシノール−9、オクトキノール−10またはそれらの組合せである、請求項28に記載の組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)の割合で、オクトキシノール−9、オクトキノール−10またはそれらの組合せを含む界面活性剤とn−ドコサノールとを含む、請求項28に記載の組成物。
- 前記混合物が、5:1(W:W)の割合で、デオキシコレートを含む界面活性剤とn−ドコサノールとを含む、請求項28に記載の組成物。
- 前記混合物が、さらに糖系ステアリン酸エステルを含む、請求項28に記載の組成物。
- 前記混合物が、10%から12%(W/W)のn−ドコサノールを含み、さらに糖系ステアリン酸エステルを含む、請求項28に記載の組成物。
- 前記混合物が、製薬的に許容される希釈剤または担体中の界面活性剤およびn−ドコサノールの懸濁物から本質的になる、請求項28に記載の組成物。
- 前記界面活性剤が、オクトキシノールまたはデオキシコレートである、請求項38に記載の組成物。
- 局所適用、経膜的適用または非経口的適用に適する医薬を調製するのに使用されるものである、請求項28〜39のいずれか1項に記載の組成物。
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