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JP3858678B2 - 血液成分測定装置 - Google Patents

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JP3858678B2
JP3858678B2 JP2001354945A JP2001354945A JP3858678B2 JP 3858678 B2 JP3858678 B2 JP 3858678B2 JP 2001354945 A JP2001354945 A JP 2001354945A JP 2001354945 A JP2001354945 A JP 2001354945A JP 3858678 B2 JP3858678 B2 JP 3858678B2
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Konica Minolta Opto Inc
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばパルスオキシメータなどの血液成分測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばパルスオキシメータなどの血液成分測定装置においては、発光素子を発光させ、生体で透過した光を光検出素子を含む電気回路で計測することによって、血中酸素飽和度などが測定できる。
【0003】
この血液成分測定装置では、生体透過光の脈波成分を計測し、一定の時間間隔Δtに関する脈波成分の時間差分値を用いて、血中酸素飽和度を測定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の血液成分測定装置では、個人差によって、また体調によって脈拍数が異なるため、上記の時間差分値を求める際、時間間隔Δtが一定であれば、脈拍数の低い人では時間差分値が小さくなってしまう。その結果、時間差分値に関してS/N比が低下するため、血液成分の測定精度が悪化する。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、血液成分を精度良く測定できる血液成分測定装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、生体における動脈血の血液成分を測定する装置であって、(a)第1タイミングで周期的に発光手段から所定の光を前記生体に照射し、光検出手段により前記生体を透過した光に関する光量計測値を検出する光量検出手段と、(b)前記発光手段を発光させずに、第2タイミングで周期的に前記光検出手段によりダーク計測値を検出するダーク検出手段と、(c)前記動脈血に関する脈拍数を検出する脈拍数検出手段と、(d)前記脈拍数に応じた時間間隔で検出された2の光量計測値に関する時間差分値を演算する演算手段と、(e)前記光量計測値と前記ダーク計測値と前記時間差分値とに基づき、前記動脈血の血液成分を測定する血液成分測定手段とを備える。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る血液成分測定装置において、前記演算手段は、(d-1)前記光量計測値から脈波成分を抽出し、脈波計測値を検出する脈波検出手段と、(d-2)前記脈波成分に係る振幅の略半分に相当する変化が前記脈波成分に生じる時間の間隔で検出された2の脈波計測値に関する時間差分値を演算する手段とを有する。
【0008】
また、請求項3の発明は、アナログ回路で構成される第1計測部と第2計測部から出力される出力電圧をデジタル回路に入力し、生体における動脈血の血液成分を測定する装置であって、前記第1計測部は、(a-1)所定の光を前記生体に所定の強度で照射し、前記生体を透過した光に関する検出電圧を出力する光検出手段と、(a-2)前記検出電圧を第1増幅率で増幅した光量計測電圧を前記出力電圧として出力する第1増幅手段と、を備え、前記第2計測部は、(b-1)前記光量計測電圧の非脈波成分に基づき設定された基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、(b-2)前記光量計測電圧から前記基準電圧を減算し、第2増幅率で増幅した脈波計測電圧を、前記出力電圧として出力する第2増幅手段とを備える。
【0009】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明に係る血液成分測定装置において、前記所定の強度と前記第1増幅率と前記第2増幅率と前記基準電圧との設定は、所定の時間間隔で更新される。
【0010】
また、請求項5の発明は、アナログ回路で構成される第1計測部と第2計測部から出力される出力電圧をデジタル回路に入力し、生体における動脈血の血液成分を測定する装置であって、前記第1計測部は、(a-1)周期的に所定の光を前記生体に照射し、前記生体を透過した光に関する検出電圧を出力する光検出手段と、(a-2)前記検出電圧を増幅した光量計測電圧を前記出力電圧として出力する増幅手段と、を備え、前記第2計測部は、(b-1)前回のタイミングで計測された前記光量計測電圧を保持する電圧保持手段と、(b-2)前記電圧保持手段で保持される光量計測電圧と、今回のタイミングで計測された前記光量計測電圧との差を増幅した差分電圧を前記出力電圧として出力する第2増幅手段とを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
<パルスオキシメータの測定原理>
本発明の第1実施形態に係るパルスオキシメータ1A(図1)では、生体の動脈血中の血液成分、具体的には血中酸素飽和度を測定できる。まず、パルスオキシメータ1Aに関する酸素飽和度の測定原理について、以下で説明する。
【0012】
図2は、生体の吸光度を説明するための図である。図2については、横軸が時間を示し、縦軸が吸光度を示している。
【0013】
光が生体に照射される際には、光の一部が吸光される。この吸光については、組織による吸光成分KL、静脈による吸光成分SL、および動脈による吸光成分DLに分類され、動脈による吸光成分DLでは、脈拍数で吸光度が変動する。
【0014】
図3は、酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの吸収スペクトルを示す図である。図3については、横軸が光の波長を示し、縦軸が吸光度を示している。
【0015】
酸化ヘモグロビンの吸光スペクトルOXと、還元ヘモグロビンとの吸収スペクトルHIとは、異なる波形となっている。そして、赤色光(R)の波長では、還元ヘモグロビンの吸光度が高いのに対して、赤外光(IR)の波長では、酸化ヘモグロビンの吸光度が高くなっている。
【0016】
この吸光スペクトルOX、HIの違いにより、血中酸素飽和度が高くなると、赤外光(IR)の吸光度が大きくなり、酸素飽和度が低くなると、赤色光(R)の吸光度が大きくなる。これを利用することにより、パルスオキシメータ1Aでは、生体を透過する赤色光(R)の透過光と赤外光(IR)の透過光との脈波成分Ma(図6参照)の比率より血液中の酸素飽和度を求めることができる。
【0017】
ここで、赤色光と赤外光との透過光の脈波振幅の比率を求めるにあたり、透過光量が光源の発光光量にも比例することを考慮する。そこで、脈波成分の振幅を透過光量で除算することにより、光源の発光光量の影響を排除する。
【0018】
また、赤色光と赤外光とに関する透過光の脈波成分の振幅の比率を求める際には、図4(a)に示すような脈波の山谷の差TPを利用せず、図4(b)に示すように、脈波を微小時間間隔で区切り、その時間間隔における差分値(以下では「時間差分値」という)DPを利用することにより、サンプル数を増やすこととする。
【0019】
上記の脈波成分の時間差分値と透過光量との比率を赤色光と赤外光とについて求め、それらの比率から次の式(1)に示すようにp値を算出する。
【0020】
【数1】
Figure 0003858678
【0021】
上の式(1)で、Rは赤色光の透過光量、IRは赤外光の透過光量を示し、Δtは差分時間を示す。このように、p値は、RとIRとについて脈波成分の時間差分値を透過光量で除算したものの比で計算されることとなる。
【0022】
そして、p値と血中酸素飽和度との関係を示すテーブルをあらかじめ作成しておき、このテーブルを参照することで赤色光および赤外光の透過光量に基づき算出されるp値から酸素飽和度が導かれることとなる。
【0023】
<パルスオキシメータ1Aの構成および動作>
図1は、パルスオキシメータ1Aの要部構成を示す図である。また、図5は、パルスオキシメータ1Aの計測回路の構成を示す図である。この図1および図5を参照しつつ、パルスオキシメータ1Aにおける酸素飽和度の測定アルゴリズムを説明する。
【0024】
パルスオキシメータ1Aは、血液成分測定装置として機能し、血液成分の1つである酸素飽和度を測定する。このパルスオキシメータ1Aは、本体部2と、本体部2にリード線10を介して電気的に接続するプローブ3とを備えている。
【0025】
本体部2は、その前面に、血液成分の測定結果などを表示する表示部11と、表示部11にメニュー画面を表示するためのメニューボタン12と、メニュー画面などで各種の設定を行うための2つの選択スイッチ13と、リード線10の端部と接続するコネクタ部14とが設けられている。
【0026】
プローブ3は、赤色光(R)および赤外光(IR)を発する発光素子31a、31bと、光検出素子32とを有している。
【0027】
パルスオキシメータ1Aで酸素飽和度を求めるためには、式(1)に示すように、赤色光と赤外光との透過光量およびその脈波成分の時間差分値を測定する必要がある。そこで、プローブ3内に設けられる赤色および赤外色の発光素子31a、31bを交互にパルス発光させ、プローブ3に挿入される指FGを透過した光を光検出素子32で計測する。なお、プローブ3での光量測定については、透過型でも反射型でも良いが、いずれも生体中の動脈血を透過した光を計測するため、本明細書では、これらを区別せず透過光と呼ぶことにする。
【0028】
光検出素子32の出力は、電流−電圧変換回路21および可変増幅回路22によって、出力電圧V2が生成される。この出力電圧V2については、次の式(2)、(3)のように、発光素子31を発光させない非発光状態の出力電圧(以下では、「ダーク(Dark)レベル」という)V2と、発光状態での出力電圧(透過光量計測値)V2との差を求めることによって、赤色光および赤外光の透過光量計測値からダークレベルを排除するダーク補正が行えることとなる。
【0029】
【数2】
Figure 0003858678
【0030】
この透過光量V2について、赤色光と赤外光とに関する測定結果の一例を図6(a)に示す。
【0031】
図6(a)に示すように、一般に生体の透過光において計測される透過光量全体に対する脈波成分Maの振幅は非常に小さい。このため、透過光量の測定値から差分演算により脈波成分Maの時間差分値を求めるには、透過光量測定のためのA/D変換回路27が非常に高い分解能を要求されることとなる。
【0032】
そこで、透過光量測定とは別に、所定の電気回路において透過光量計測値から脈波成分の計測値(脈波計測値)を抽出して増幅した後、A/D変換を行うこととする。これにより、A/D変換回路27に透過光量を入力し、これから時間差分値を計算する場合に比べて、量子化誤差などを抑えて精度良く酸素飽和度を計算できることとなる。具体的には、脈波成分測定の際には、非脈波成分Mbに相当し基準電圧発生器24で発生する基準電圧を減算回路25で透過光量V2から減算する。そして、減算回路25からの出力を可変増幅回路26で増幅した後、A/D変換回路でA/D変換する処理を行う。この可変増幅回路26の出力である脈波成分波形V3に関する測定結果の一例を、図6(b)に示す。以上の処理を行うことで、図6(a)に示す脈波成分Maが、増幅されて拡大される。
【0033】
図7は、パルスオキシメータ1Aでの測定タイミングを説明するための図である。図7では、赤色光の測定をR、赤外光の測定をIR、透過光量をDC、脈波成分をACと表している。また、発光素子31の非発光状態の測定となるダーク測定については、赤色光、赤外光とも実質的に同じ動作となるが、識別のため、R.Dark、IR.Darkと表記する。
【0034】
図7に示すように、パルスオキシメータ1Aでは、赤色光および赤外光に関して、透過光量(DC)の測定と脈波成分(AC)の測定とを交互に時分割で行う。すなわち、透過光量測定、脈波成分測定それぞれについてR→R.Dark→IR→IR.Darkの測定が順に行われることとなる。
【0035】
ここで、測定信号には、発光素子31から照射されて生体を透過する光信号以外に商用周波数の誘導ノイズや蛍光灯からの光が混入するが、これらのノイズの影響を除去するため、測定周期TO、つまりRまたはIRを測定する第1タイミングと、これらのダークレベルを計測する第2タイミングとの時間間隔を商用周波数(50Hzまたは60Hz)の周期(1/50secまたは1/60sec)に設定する。これにより、R、IRの測定時の周期性ノイズと、R.Dark、IR.Darkの測定の周期性ノイズとのレベルが等しくなり、上記の式(2)、(3)でR、IRの実測信号からダーク信号が減算されるダーク補正の際に、商用周波数およびその整数倍の周波数の周期性ノイズがキャンセルされるため、酸素飽和度を精度良く測定できることとなる。なお、このことは、後述する脈波成分のダーク補正についても同様となる。
【0036】
また、ダーク補正では、例えば増幅回路のオフセット電圧などの一定のオフセット成分も除去できることとなる。
【0037】
図5に戻り、パルスオキシメータ1Aの各回路について詳しく説明する。
【0038】
発光素子31は、赤色光の発光素子31aおよび赤外光の発光素子31bからなっている。そして、発光素子31において、生体の透過光量を時分割的に測定するため、赤色光と赤外光とを交互にパルス発光PL(図6(a)参照)させる。
【0039】
この発光素子31から照射され生体を透過した光は、光検出素子32にて検出され、電流・電圧変換回路21によって光電流に比例した電圧V1に変換される。電流・電圧変換回路21の検出電圧V1は、可変増幅回路22によって適切な大きさの電圧レベルに増幅される。
【0040】
次に、透過光量測定および脈波光量測定について、以下で説明する。
【0041】
透過光量測定では、基準電圧発生器24の出力電圧を所定の電圧に設定するとともに可変増幅回路26の増幅率を所定の増幅率に設定して、図6(a)に示す透過光量電圧V2を測定する。なお、この透過光量測定においては、これらの設定値は変更しないようにする。
【0042】
そして、制御回路28は、A/D変換回路27から出力される透過光量信号に基づき、その出力可能な電圧範囲内に収まるように可変増幅回路26の増幅率G1を調整する。また、制御回路28は、赤色光の透過光量と赤外光の透過光量との計測値が近い値(ほぼ等しい値)になるように、各発光素子31a、31bの強度、すなわち発光光量を調節する。
【0043】
一方、脈波成分測定では、R、IR、Darkそれぞれに対して非脈波成分Mb(図6(a))に相当する直流電圧Voを基準電圧発生器24で発生させ、減算回路25にて透過光量の出力電圧V2からこの非脈波成分に相当する電圧Voを引き算する。なお、基準電圧発生器24は、例えばD/Aコンバータなどを利用すると良い。そして、可変増幅回路26から図6(b)に示すような脈波成分波形が出力され、この脈波成分電圧はA/D変換回路27にてデジタル信号に変換される。
【0044】
可変増幅回路26では、透過光量測定で得られる脈波振幅波形(図6(a)の脈波成分Maの大きさ)に基づいて、増幅後の脈波電圧V3の振幅がA/D変換回路27の測定範囲内に収まるように増幅率G2が調整される。
【0045】
脈波成分測定における基準電圧発生器24の電圧設定値は、透過光量測定で得られる脈波成分情報(Maの大きさ)、非脈波成分情報(図6(a)に示す非脈波成分Mbの大きさ)および可変増幅回路26で設定される増幅率G2に基づいて、基準電圧の減算および増幅後の脈波波形電圧V3が、A/D変換回路27の測定電圧範囲に入るように基準電圧値を設定する。
【0046】
基準電圧発生器24の電圧の設定値、および可変増幅回路26の増幅率G2の設定値は、透過光量の測定結果に応じて決定されるが、これらの設定値の更新の際には、更新時点直前の所定時間(例えば過去3秒間)の透過光量測定で得られた生体の透過光量測定データを用いて決定される。この所定時間とは、少なくとも脈波データの1周期分を含む測定時間、すなわち脈波成分の振幅情報を取得するのに十分な時間が好ましい。
【0047】
なお、基準電圧発生器24の基準電圧、可変増幅回路22の増幅率G1、可変増幅回路26の増幅率G2、および発光素子31の強度、すなわち駆動電流値は、一定の時間間隔(例えば1秒間隔)で更新する。
【0048】
脈波成分測定においても、透過光量測定と同様にダークレベルを排除するダーク補正を行う。すなわち、次の式(4)、(5)の右辺のような演算が行われる。
【0049】
【数3】
Figure 0003858678
【0050】
アナログスイッチ23は、基準電圧発生器24で発生される基準電圧によってA/D変換回路27を校正するためのスイッチである。計測前などに可変増幅回路22からの出力を遮断し、基準電圧値にA/D変換回路27の計測値を適合させるように、A/D変換回路27が調整される。
【0051】
上述した測定回路で計測された計測データは、制御回路28に送られ、次の式(6)に示すp値の演算が行われる。
【0052】
【数4】
Figure 0003858678
【0053】
制御回路28は、CPU28aと、例えばROMで構成されるメモリ28bとを備えており、上記の各回路を統括的に制御するデジタル回路として機能する。また、制御回路28は、測定タイミングや発光素子の発光タイミングを計るタイマー・カウンターを内蔵している。
【0054】
制御回路28では、測定データに対してローパスフィルターリングやハイパスフィルターリングといったようなデジタルフィルター処理を行うことも可能である。
【0055】
なお、脈波成分の時間差分値の計算については、測定時刻t+Δtと測定時刻tとで基準電圧発生器24の基準電圧設定値が異なる場合には、それらの測定値から上記のp値(換言すれば血中酸素飽和度)を計算しないこととする。これは、基準電圧発生器24の出力電圧差を基準電圧設定値の差から求めようとしても、基準電圧発生器24の電圧設定値と実際の出力電圧との間には誤差が存在するため、十分な精度が得られない場合があるためである。
【0056】
また、透過光量測定とそのダークレベル測定においては、可変増幅回路22の増幅率G1および可変増幅回路26の増幅率G2を等しい状態とし、脈波成分測定とそのダークレベル測定においては、可変増幅回路22の増幅率G1および可変増幅回路26の増幅率G2を等しい状態とする制御を行う。これは、増幅率が等しくないと正確なダーク補正ができないためである。
【0057】
また、透過光量測定および脈波成分測定では、赤色光(R)と赤外光(IR)とを交互に測定するため、RとIRとの測定データは測定時点が異なっている。このため、各測定時点前後の測定データで補間することにより、同一時点と擬制されるRとIRとの計測値を求めることとする。
【0058】
そして、制御回路28では、メモリ28bに記憶されるp値と酸素飽和度の関係を示すテーブルに基づき、式(6)で演算されたp値から血中酸素飽和度が求められる。なお、測定された酸素飽和度は、表示部11に表示される。
【0059】
以上のパルスオキシメータ1Aの動作により、測定タイミングを商用周波数の周期を整数倍した周期に設定し、商用周波数に関する周期性ノイズを除去するため、酸素飽和度を精度良く測定できる。
【0060】
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態のパルスオキシメータ1Bの構成は、第1実施形態のパルスオキシメータ1Aと類似しているが、2つのA/D変換回路を有している点が異なっている。
【0061】
図8は、パルスオキシメータ1Bの測定回路の構成を示す図である。
【0062】
第1実施形態のパルスオキシメータ1(図5)と比べると、A/D変換回路271に加えてA/D変換回路272が設けられている。
【0063】
このパルスオキシメータ1Bの構成により、図9に示す測定タイミングで、R、R.Dark、IRおよびIR.Darkの測定を行える。図9(a)および図9(b)は、横軸が時間を示している。また、図9(a)は、透過光量の測定タイミングを示しており、図9(b)は、脈波成分の測定タイミングを示している。
【0064】
第1実施形態のパルスオキシメータ1Aでは、透過光量(DC)の測定と、脈波成分(AC)の測定とを交互に行っていたが、パルスオキシメータ1Bでは、2つのA/D変換回路271、272によって、透過光量(DC)と脈波成分(AC)とを同時に測定する。この場合も、R、R.Dark、IRおよびIR.Darkの測定間隔については、商用周波数の周期に設定する。これにより、第1実施形態のパルスオキシメータ1に対して、単位時間あたり2倍の測定データを得られることとなる。
【0065】
以上のパルスオキシメータ1Bの動作により、第1実施形態と同様に、商用周波数に関する周期性ノイズを除去できるため、酸素飽和度を精度良く測定できる。また、透過光量と脈波成分とを同時に測定するため、測定データ点数を2倍にでき、酸素飽和度の測定精度をさらに向上できる。
【0066】
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態のパルスオキシメータ1Cの構成は、第1実施形態のパルスオキシメータ1Aと類似しているが、制御回路28の構成が異なっている。
【0067】
一般に、血中酸素飽和度を求めるには測定データ点数が多いほど精度良く測定できるが、パルスオキシメータ1Cでは、第1実施形態のパルスオキシメータ1Aと比較して、測定データ点数を3倍取得できる構成となっている。
【0068】
パルスオキシメータ1Cの制御回路28は、以下で説明するパルスオキシメータ1Cの動作を実行するためのプログラムがメモリ28bに格納されている。
【0069】
上述したように、式(6)式から酸素飽和度を計算する際には、前後の測定データに基づいて補間することにより同一時点のRとIRとの測定値を求める演算処理を行う。ここでは、補間に用いる前後の測定データの測定間隔が長くなるに伴って補間精度が悪化するため、精度良く酸素飽和度を求めることが困難となる。そこで、パルスオキシメータ1Cでは、商用周波数の整数倍の周期性ノイズを除去する能力を保持しつつRとIRとの補間精度を向上するとともに、測定データ点数を増加させて酸素飽和度の測定精度を向上することとする。
【0070】
図10は、パルスオキシメータ1Cの動作を説明するための図である。図10(a)〜図10(c)のそれぞれは、横軸が時間を示しており、透過光量(DC)および脈波成分(AC)に関するR、R.Dark、IRおよびIR.Darkの測定タイミングを示している。
【0071】
パルスオキシメータ1Cでは、図10(a)〜図10(c)のように、図7に示す測定パターンが商用周波数の周期TOに対してTO/3の時間間隔、すなわち120度ずつ位相がシフトされて3つ組合わされている。なお、図中の測定タイミングにおける1〜3の添え字は、各位相番号を示している。すなわち、測定パターンPT1(図10(a))は第1位相を、測定パターンPT2(図10(b))は第2位相を、測定パターンPT3(図10(c))は第3位相を示す。ただし、各測定パターンPT1〜PT3においては、R、R.Dark、IRおよびIR.Darkの測定タイミングの時間間隔が、第1実施形態と同様に、商用周波数の周期TOとなっている。ここでも、実測値R、IRに対して、商用周波数の周期TO離れたダークレベルを減算するダーク補正において、商用周波数の整数倍のノイズの除去が可能となる。
【0072】
なお、パルスオキシメータ1Cでのダーク補正についても、第1実施形態と同様に、時間によらず一定のオフセット成分をキャンセルできることとなる。
【0073】
これらの測定パターンPT1〜PT3を、1の時間軸上にまとめたものを、図11に示す。図11のように、第1実施形態の測定タイミング(図7)に比べて、単位時間あたり3倍の密度でデータ測定を行えることとなる。
【0074】
以上のパルスオキシメータ1Cの動作により、第1実施形態と同様に、商用周波数に関する周期性ノイズを除去できるため、酸素飽和度を精度良く測定できる。また、各測定パターンの位相をずらし複数組合わせて、測定データ点数を増加させるため、酸素飽和度の測定精度をさらに向上できる。
【0075】
なお、本実施形態においては、測定データ点数を3倍にする例を示したが、2倍にしてもよく、また4倍にしても良い。この場合、n個の測定パターンを組合わせるには、各測定パターンの位相差を商用周波数の周期を測定パターンの数nで除算した時間差TO/nに設定すれば良い。
【0076】
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態のパルスオキシメータ1Dの構成は、第1実施形態のパルスオキシメータ1Aと類似しているが、制御回路28の構成が異なっている。
【0077】
パルスオキシメータ1Dの制御回路28は、以下で説明するパルスオキシメータ1Dの動作を実行するためのプログラムがメモリ28bに格納されている。
【0078】
このパルスオキシメータ1Dでは、脈拍数の情報を利用して、血中酸素飽和度の測定、具体的には時間差分値の計算に関するS/N比の向上を図っている。
【0079】
血中酸素飽和度は、式(6)におけるp値の計算のように、時間ΔtでRおよびIRに関する時間差分値を求めて測定される。この時間差分値に関しては、図12(a)に示すように、隣接、すなわち直近の測定タイミングにおける測定値の差を利用しても良いが、パルスオキシメータ1Dでは、次のように時間差分値を求める。
【0080】
すなわち、図12(b)に示すように、例えば6つ離れたタイミングで計測された計測値の差を計算して、この時間差分値でp値を演算することとする。このように隣接する測定タイミングでの測定値ではなく、一定の時間間隔Δtmにおける差分値を求めることにより、時間差分値を大きくできる。これにより、p値、すなわち酸素飽和度の計算において、S/N比の向上が図れる。ここで、図12(b)に示す差分時間Δtmは、その時間差分値が脈波波形(緩い傾斜側)に関する振幅のほぼ半分HMに相当する時間であることが好ましい。これは、時間差分値を一定以上の適切な大きさにするためである。
【0081】
生体において測定を行う場合において、個人差により、または同一人物であっても測定時の体調等によって脈拍数が異なる。すなわち、酸素飽和度を計算する場合に、被験者の脈拍数によって適切な上記の差分時間Δtmが異なることとなる。
【0082】
そこで、脈波成分の測定データより得られる被験者の脈拍数の情報に基づき、最適な差分時間になるように差分時間Δtmを調節する。つまり、脈拍数が高い場合は、図12(c)に示すように差分時間Δtmを、図12(b)に示す差分時間Δtmより短くする。この場合でも、上述したように、脈波成分に関する振幅のほぼ半分に相当する変化が脈波成分に生じるような時間を、差分時間Δtmと設定するのが好ましい。なお、差分時間Δtmを長くしすぎると、測定データの間で基準電圧設定値が異なる場合があるため、一定の上限を設定するのが好ましい。
【0083】
以上のパルスオキシメータ1Dの動作により、脈拍数に応じて適切な差分時間Δtmを設定するため、時間差分値に関するS/N比を向上でき、酸素飽和度を精度良く測定できる。
【0084】
なお、この差分時間Δtを、脈拍数に応じて設定するとともに、商用周波数の周期を整数倍した時間に設定すると、商用周波数に関する周期性ノイズも除去できることとなる。
【0085】
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態のパルスオキシメータ1Eの構成は、第1実施形態のパルスオキシメータ1と類似しているが、制御回路28の構成が異なっている。
【0086】
パルスオキシメータ1Eでは、ダークレベルが時間的に変動する場合でも、ダークレベルを精度良く測定できる構成となっている。ここで、ダークレベルが変動する場合とは、例えば太陽から生体を透過した光が光検出素子にてダークレベルとして検出され、その大きさが時々刻々変化するような場合などが該当する。
【0087】
パルスオキシメータ1Eの制御回路28は、以下で説明するパルスオキシメータ1Eの動作を実行するためのプログラムがメモリ28bに格納されている。
【0088】
図13は、パルスオキシメータ1Eの動作を説明するための図である。
【0089】
パルスオキシメータ1Eは、第3実施形態(図10参照)と同様に、透過光量(DC)および脈波成分(AC)に関してR、R.Dark、IRおよびIR.Darkの各測定パターンPN1〜PN3を3つ組合わせている。ここでは、測定周期TQは、商用周波数の周期の1/8(1/400secまたは1/480sec)に設定する実施形態を示す。これらの測定パターンPN1〜PN3をまとめたものを図14に示す。
【0090】
そして、R、IRのダークレベルは、透過光量および脈波成分それぞれについて測定時に近いR.DarkとIR.Darkとの測定値を補間して求める。具体的には、IR測定に関する補間式を次の式(7)に示し、R測定に関する補間式を次の式(8)に示す。
【0091】
【数5】
Figure 0003858678
【0092】
例えば、図14でIR0のタイミングにおけるダークレベル(ダーク計測値)を求める場合には、式(7)のように前後に時間1/3TQずれたIR1、IR2のタイミングで測定されたダークレベルで補間することとなる。
【0093】
また、図14でR0のタイミングにおけるダークレベルを求める場合には、式(8)のように、前に5/3TQずれたR1のタイミングと、後に1/3TQずれたR2のタイミングとで測定されたダークレベルで補間することとなる。ここで、式(8)式が式(7)と異なるのは、透過光量(DC)のダークレベル補間については透過光量測定時のダークレベルを使用し、脈波成分(AC)のダークレベル補間については脈波成分測定時のダークレベルを使用する必要があるためである。
【0094】
このように、パルオキシメータ1Eでは、上記の各実施形態に比べて、実測時(第1タイミング)近傍の第2タイミングで検出された2つのダークレベルを利用して、この実測時に対応するダークレベルを補間し、このダークレベルを実測値から減ずるダーク補正を行うため、ダークレベルが変動する場合でも、その影響が低減され精度良く酸素飽和度の測定が行える。
【0095】
一方、商用周波数の周期性ノイズについては、次の式(9)のように計算することで、その除去を行う。ここで、Nは整数を示している。
【0096】
【数6】
Figure 0003858678
【0097】
上の式(9)に示すように、脈波成分に関する時間差分値の計算では、時間8・N・TQを差分時間に設定して、p値を計算する。すなわち、各測定パターンPN1〜PN3ごとに、商用周波数の周期を整数N倍した時間間隔離れた2つの脈波成分の測定値(脈波計測値)に関する時間差分値を求めることにより、商用周波数に関する周期性ノイズの除去が可能になる。
【0098】
なお、透過光量測定における商用周波数の周期性ノイズの混入は、脈波成分測定に対して小さいが、必要であれば制御部28においてデジタルローパスフィルタによってスムージングするのが好ましい。
【0099】
以上のパルスオキシメータ1Eの動作により、ダークレベルが変動する場合でも実測時点に近い測定タイミングのダークレベルで補間計算するため、精度良く血液成分を測定できることとなる。
【0100】
なお、上記の第5実施形態では、測定周期TQが商用周波数の周期の1/8の例を示したが、商用周波数の周期の1/4、1/2、1、2・・・の場合でも、脈波成分の差分時間が商用周波数の周期の整数倍となるため、同様の効果が得られることは明らかである。
【0101】
また、ダークレベルについては、以下の方法によってもその変動を抑える補間ができる。
【0102】
第2実施形態のパルスオキシメータ1Bでは、図9において、R、IRの実測時点の前後のダークレベルを平均化する補間を行うと良い。この場合にも、透過光量(DC)測定と、脈波成分(AC)測定に分けて、ダークレベルを算出することとなる。この算出式を、次の式(10)に示す。
【0103】
【数7】
Figure 0003858678
【0104】
以上の動作により、第2実施形態でもダークレベルの変動を抑制した血液成分の測定が行える。
【0105】
また、第3実施形態のパルスオキシメータ1Cでは、同一位相、すなわち各測定パターンPT1〜PT3それぞれにおいて計測されたダークレベルを外挿して求めても良いが、例えばダークレベルの変化量を他の測定パターンから求めてやるとダークレベルの算出精度を向上できる。
【0106】
すなわち、図10(c)に示す測定パターンPT3でのIR(3,AC)測定時に対応するダークレベルを算出する場合には、次の式(11)のように同一の測定パターンPT3における2つのダークレベルを外挿して求めても良いし、また次の式(12)のように他の位相、例えば測定パターンPT1で計測されたダークレベルを利用しても良い。いずれによってもダークレベル算出の変動を抑制した血液成分の測定が行える。
【0107】
【数8】
Figure 0003858678
【0108】
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態のパルスオキシメータ1Fの構成は、第2実施形態のパルスオキシメータ1Bと類似しているが、基準電圧発生器が削除されて後述の保持回路群29が付加されている点が主に異なっている。
【0109】
図15は、パルスオキシメータ1Fの計測回路の構成を示す図である。
【0110】
パルスオキシメータ1Fは、第2実施形態のパルスオキシメータ1Bに対して、電圧保持部29とアナログスイッチ232、233とが付加されている。
【0111】
電圧保持部29は、8つのサンプル&ホールド回路291〜298を備えており、各サンプル&ホールド回路291〜298は入力電圧を保持することができる。
【0112】
また、アナログスイッチ232、233は、サンプル&ホールド回路291〜294と、サンプル&ホールド回路295〜298とで保持される各測定値を制御回路28に送るタイミングをはかるためのスイッチである。
【0113】
図16は、パルスオキシメータ1Fの動作を説明するための図である。
【0114】
パルスオキシメータ1Fでは、赤色と赤外色とからなる発光素子31を、交互にパルス発光させ生体の透過光量を時分割的に測定する。
【0115】
ここで、透過光量(DC)測定においては、光検出素子32にて検出された信号が、電流−電圧変換回路21、可変増幅回路22を経てA/D変換回路272でデジタル信号に変換されて、制御回路28に入力される。この透過光量の測定タイミングを図17(a)に示す。ここでも、R、R.Dark、IR、IR.Darkの測定が順に行われる。なお、この測定間隔については、商用周波数の周期性ノイズを除去するためには、商用周波数の周期の整数倍に測定間隔を設定するのが好ましい。
【0116】
一方、脈波成分(AC)測定については、上記の各実施形態では制御回路28で演算して時間差分値を求めたが、本実施形態のパルスオキシメータ1Fでは、電圧保持部29を用いてアナログ演算により求めることとする。
【0117】
すなわち、R、R.Dark、IR、IR.Darkの各測定値を2組のサンプル&ホールド回路で保持し、差分時間Δtだけ離れた各測定時点の電圧値V2をアナログスイッチ232、233にて交互に切替えて、減算回路25で脈波成分の時間差分値を生成する。
【0118】
例えば、Rの測定では、サンプル&ホールド回路291およびサンプル&ホールド回路295に交互に電圧V2の値がホールドされる。これにより、今回のR測定時における電圧値と、前回のR測定時における電圧値が保持されることとななる。また、他の測定値(IR、R.Dark、IR.Dark)についても同様である。
【0119】
そして、今回の測定時に保持された電圧値(例えばR)と、前回の測定時に保持された電圧値(例えばR')は、アナログスイッチ232、233でタイミングを計って減算回路25に入力される。減算回路25からの出力は、可変増幅回路26にて適切な電圧レベルに増幅された後、A/D変換回路271によってデジタル信号に変換され、脈波成分に関する時間差分値の信号(例えばΔR)が制御回路28に入力される(図16(b)参照)。すなわち、時間差分値(ΔR、ΔR.Dark、ΔIR、ΔIR.Dark)が、次の式(13)〜式(16)のようにアナログ演算される。
【0120】
【数9】
Figure 0003858678
【0121】
この時間差分値に関する測定タイミングを図17(b)に示し、透過光量の測定タイミングを図17(a)に示す。
【0122】
なお、2組のサンプル&ホールド回路を交互に切替えるため、減算回路25の出力である差分電圧の符号の正負が順に切替わることとなるが、正負が逆転する場合には、制御回路28で符号の再反転演算を実行することによって調整することとする。
【0123】
パルスオキシメータ1Fでは、第4実施形態と同様に、脈拍数の情報を利用して、血中酸素飽和度を測定におけるS/N比の向上を図ることができるが、この動作を以下で説明する。
【0124】
図18(a)のように、微小な時間間隔に関する脈波成分の時間差分値を用いて、そのままp値を計算したのでは上述したようにS/Nが悪くなる。そこで、測定される脈波成分の時間差分値を、図18(b)に示すように、例えば時間7Δtに相当する予め定められた時間Δta分加算することとする。よって、p値の計算については、次の式(17)のように表せる。なお、この計算については、制御回路28で行われる。
【0125】
【数10】
Figure 0003858678
【0126】
ただし、Σは、図18(a)に示すΔtの時間に測定される各時間差分値を加算することを意味する。
【0127】
図18(b)に示す時間Δtaは、第4実施形態と同様に、被験者の脈拍数の情報に基づき、適切な差分時間に設定する。具体的には、脈波波形に関する振幅のほぼ半分に相当する変化が脈波成分に生じるような時間を、差分時間Δtと設定するのが好ましい。
【0128】
なお、透過光量および脈波成分の時間差分値は、R、IRを交互に測定するため、R、IRの測定データでは、測定時点がずれている。そのため、これらの同一時点とみなす測定値は、その時点の前後の測定値を制御回路28で補間することにより求める。
【0129】
以上のパルスオキシメータ1Fの動作により、第4実施形態と同様に、脈拍数に応じて適切な差分時間を設定するため、時間差分値におけるS/N比が向上し、酸素飽和度を精度良く測定できる。また、アナログ回路(電圧保持部29他)で時間差分値を算出するため、デジタル回路(制御回路28)で演算するより、量子化誤差などを抑制でき、より精度の良い酸素飽和度の測定が可能となる。
【0130】
なお、パルスオキシメータ1Fについても、各計測値を商用周波数の周期でサンプリグすれば、商用周波数に関する周期性ノイズなどの影響を除去できることとなる。
【0131】
また、第3実施形態のように、測定データ点数を3倍に増やすには、サンプル&ホールド回路が3倍必要となる。この場合には、回路的には複雑になるが、データ点数が増加するので、酸素飽和度の測定精度が向上することとなる。
【0132】
<変形例>
◎上記の第3実施形態については、図19に示すように、R、IRの実測信号測定の両隣(近傍)にダークレベル測定のタイミングを設定しても良い。図20は、図19(a)、(b)、(c)に示す3つの測定パターンを1の時間軸にまとめたものである。
【0133】
この測定パターンにおける実測信号(R、IR)のダーク補正については、両隣のDark、Dark'タイミングで測定される2のダークレベルの平均値を用いる。
【0134】
また、各測定パターンの周期Tについては、第3実施形態のように商用周波数の周期に設定しても良いし、第5実施形態のように商用周波数の周期の1/8や1/4、1/2に設定しても良い。
【0135】
以上のような測定パターンにおいても、脈波成分の差分時間を商用周波数の周期の整数倍に設定すれば、商用周波数および蛍光灯のノイズなどをキャンセルできる。
【0136】
◎上記の第2実施形態の回路(図8)についても、第3ないし第5実施形態で説明した測定方法が適用可能である。
【0137】
◎上記の第1ないし第6実施形態における各測定タイミングの間隔TO、TQについては、商用周波数の周期を1倍した時間の間隔であるのは必須でなく、商用周波数の周期を2以上の整数倍した時間の間隔でも良い。この場合にも、商用周波数に関する周期性ノイズなどを除去できることとなる。
【0138】
◎上述した具体的実施形態には、以下の構成を有する発明が含まれている。
【0139】
(1)光量検出手段は、異なる2波長の光を交互に前記生体に照射する手段を有することを特徴とする血液成分測定装置。これにより、測定精度を向上できる。
【0140】
(2)光量検出手段は、異なる2波長の光を交互に生体に照射し、第1増幅率で増幅された光量計測値を検出する手段を有するとともに、ダーク検出手段は、発光手段を発光させずに、第2増幅率で増幅されたダーク計測値を検出する手段とを有し、第1増幅率と前記第2増幅率とは等しいことを特徴とする血液成分測定装置。これにより、透過光量計測値に対して正確なダーク補正ができる。
【0141】
(3)脈波検出手段は、異なる2波長の光を交互に生体に照射し、第1増幅率で増幅された脈波計測値を検出する手段を有するとともに、ダーク検出手段は、発光手段を発光させずに、第2増幅率で増幅されたダーク計測値を検出する手段とを有し、第1増幅率と前記第2増幅率とは等しいことを特徴とする血液成分測定装置。これにより、脈波計測値に対して正確なダーク補正ができる。
【0142】
(4)ダーク補正後の光量計測値とダーク補正後の脈波計測値の時間差分値に対してデジタルフィルター処理を行う処理手段を備えることを特徴とする血液成分測定装置。これにより、ノイズの除去を簡易に行える。
【0143】
(5)光検出手段は、第1波長の光を第1強度で照射し、第1検出電圧を出力する第1光検出手段と、第2波長の光を第2強度で照射し、第2検出電圧を出力する第2光検出手段と、第1検出電圧と第2検出電圧とが略等しくなるように第1の強度および/または第2の強度を調整する手段とを有することを特徴とする血液成分測定装置。これにより、異なる波長の光同士でも強調して検出電圧を出力できる。
【0144】
(6)第1増幅手段は、光量計測電圧が所定の電圧範囲から外れる場合には、第1増幅率を変更する手段を有することを特徴とする血液成分測定装置。これにより、適切な光量計測電圧を出力できる。
【0145】
(7)第2増幅手段は、脈波計測電圧が所定の電圧範囲から外れる場合には、基準電圧を変更する手段を有することを特徴とする血液成分測定装置。これにより、適切な脈波計測電圧を出力できる。
【0146】
(8)第2増幅手段は、脈波計測電圧の振幅が所定の電圧範囲から外れる場合には、第2増幅率を変更する手段を有することを特徴とする血液成分測定装置。これにより、適切な脈波計測電圧を出力できる。
【0147】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1および請求項2の発明によれば、脈拍数に応じた時間間隔で検出された2の光量計測値に関する時間差分値を演算するため、適切な差分時間を設定でき、酸素飽和度を精度良く測定できる。
【0148】
特に、請求項2の発明においては、脈波成分に係る振幅の略半分に相当する時間の間隔で検出された2の脈波計測値に関する時間差分値を演算するため、S/N比が良好な時間差分値を取得できる。
【0149】
また、請求項3の発明によれば、光量計測電圧から基準電圧を減算し、第2増幅率で増幅した脈波計測電圧を出力電圧として出力するため、高分解能のA/D変換回路が不要となるとともに、量子化誤差などを抑制し酸素飽和度を精度良く測定できる。
【0150】
特に、請求項4の発明においては、所定の強度と第1増幅率と第2増幅率と基準電圧との設定は所定の時間間隔で更新されるため、各計測電圧が変動する場合でも適切な大きさの出力電圧を生成できる。
【0151】
また、請求項5の発明によれば、電圧保持手段で保持される前回のタイミングで計測された光量計測電圧と、今回のタイミングで計測された光量計測電圧との差を増幅した差分電圧を出力電圧として出力するため、量子化誤差などを抑制し酸素飽和度を精度良く測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るパルスオキシメータ1Aの要部構成を示す図である。
【図2】生体の吸光度を説明するための図である。
【図3】酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビンとの吸収スペクトルを示す図である。
【図4】脈波成分の時間差分値を説明するための図である。
【図5】パルスオキシメータ1Aの計測回路の構成を示す図である。
【図6】赤色光と赤外光とに関する測定結果の一例を示す図である。
【図7】パルスオキシメータ1Aでの測定タイミングを説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るパルスオキシメータ1Bの測定回路の構成を示す図である。
【図9】パルスオキシメータ1Bでの測定タイミングを説明するための図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係るパルスオキシメータ1Cの動作を説明するための図である。
【図11】パルスオキシメータ1Cでの測定タイミングを説明するための図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係るパルスオキシメータ1Dの動作を説明するための図である。
【図13】本発明の第5実施形態に係るパルスオキシメータ1Eの動作を説明するための図である。
【図14】パルスオキシメータ1Eでの測定タイミングを説明するための図である。
【図15】本発明の第6実施形態に係るパルスオキシメータ1Fの計測回路の構成を示す図である。
【図16】パルスオキシメータ1Fの動作を説明するための図である。
【図17】パルスオキシメータ1Fでの測定タイミングを説明するための図である。
【図18】パルスオキシメータ1Fにおける脈波成分の時間差分を説明するための図である。
【図19】本発明の変形例に係る測定タイミングを説明するための図である。
【図20】本発明の変形例に係る測定タイミングを説明するための図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F パルスオキシメータ
3 プローブ
31 発光素子
32 光検出素子
22、26 可変増幅回路
24 基準電圧発生器
27、271、272 A/D変換回路
28 制御回路
291〜298 サンプル&ホールド回路
PT1〜PT3、PN1〜PN3 計測パターン

Claims (5)

  1. 生体における動脈血の血液成分を測定する装置であって、
    (a)第1タイミングで周期的に発光手段から所定の光を前記生体に照射し、光検出手段により前記生体を透過した光に関する光量計測値を検出する光量検出手段と、
    (b)前記発光手段を発光させずに、第2タイミングで周期的に前記光検出手段によりダーク計測値を検出するダーク検出手段と、
    (c)前記動脈血に関する脈拍数を検出する脈拍数検出手段と、
    (d)前記脈拍数に応じた時間間隔で検出された2の光量計測値に関する時間差分値を演算する演算手段と、
    (e)前記光量計測値と前記ダーク計測値と前記時間差分値とに基づき、前記動脈血の血液成分を測定する血液成分測定手段と、
    を備えることを特徴とする血液成分測定装置。
  2. 請求項1に記載の血液成分測定装置において、
    前記演算手段は、
    (d-1)前記光量計測値から脈波成分を抽出し、脈波計測値を検出する脈波検出手段と、
    (d-2)前記脈波成分に係る振幅の略半分に相当する変化が前記脈波成分に生じる時間の間隔で検出された2の脈波計測値に関する時間差分値を演算する手段と、
    を有することを特徴とする血液成分測定装置。
  3. アナログ回路で構成される第1計測部と第2計測部から出力される出力電圧をデジタル回路に入力し、生体における動脈血の血液成分を測定する装置であって、
    前記第1計測部は、
    (a-1)所定の光を前記生体に所定の強度で照射し、前記生体を透過した光に関する検出電圧を出力する光検出手段と、
    (a-2)前記検出電圧を第1増幅率で増幅した光量計測電圧を前記出力電圧として出力する第1増幅手段と、
    を備え、
    前記第2計測部は、
    (b-1)前記光量計測電圧の非脈波成分に基づき設定された基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、
    (b-2)前記光量計測電圧から前記基準電圧を減算し、第2増幅率で増幅した脈波計測電圧を、前記出力電圧として出力する第2増幅手段と、
    を備えることを特徴とする血液成分測定装置。
  4. 請求項3に記載の血液成分測定装置において、
    前記所定の強度と前記第1増幅率と前記第2増幅率と前記基準電圧との設定は、所定の時間間隔で更新されることを特徴とする血液成分測定装置。
  5. アナログ回路で構成される第1計測部と第2計測部から出力される出力電圧をデジタル回路に入力し、生体における動脈血の血液成分を測定する装置であって、
    前記第1計測部は、
    (a-1)周期的に所定の光を前記生体に照射し、前記生体を透過した光に関する検出電圧を出力する光検出手段と、
    (a-2)前記検出電圧を増幅した光量計測電圧を前記出力電圧として出力する増幅手段と、
    を備え、
    前記第2計測部は、
    (b-1)前回のタイミングで計測された前記光量計測電圧を保持する電圧保持手段と、
    (b-2)前記電圧保持手段で保持される光量計測電圧と、今回のタイミングで計測された前記光量計測電圧との差を増幅した差分電圧を前記出力電圧として出力する第2増幅手段と、
    を備えることを特徴とする血液成分測定装置。
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