JP3859573B2 - 弾性表面波フィルタ及びフィルタ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波フィルタ及びフィルタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現行の携帯電話機や無線LAN(Local Area Network)システムには800MHz帯や1.9GHz帯、2.4GHz帯などの周波数が利用されているが、情報量の増大や高速通信の需要により5GHz帯などの高周波帯に移行しつつある。これに伴い、5GHz以上の周波数帯で動作する帯域通過フィルタが求められている。
【0003】
このような中、弾性表面波(Surface Acoustic Wave:SAW)フィルタは、その急峻なカットオフ特性と、小型軽量・安価の特徴から、携帯電話機などの移動体通信機器のRF帯フィルタ、IF帯フィルタとして欠かせない存在になっている。
【0004】
SAWフィルタは、タンタル酸リチウム結晶などの圧電性基板上に電極としてアルミニウムなどの薄膜を櫛形に加工して作製される。また、作製した基板をチップ状に切断した後、数mm角の大きさのセラミックパッケージに搭載し、ボンディングワイヤ等により電気的に接続された構成を有する。
【0005】
一般的に携帯電話機用フィルタに要求される低損失・広帯域で急峻な通過特性を得る手段の1つとして、櫛形電極で構成したSAW共振器を梯子型に接続したラダー型SAWフィルタが知られている。これは他の方式のSAWフィルタに比べて損失の点で高周波化に適していると言われている(例えば、以下に示す非特許文献1参照)。
【0006】
ラガー型SAWフィルタでは、梯子型に接続した並列SAW共振器及び直列SAW共振器の開口長及び対数を変えて静電容量を調整することで、入出力インピーダンスを外部回路のそれと整合させることができる。このような、インピーダンス整合のためのSAW共振器の静電容量調整方法としては、以下に示す特許文献1に開示されている。即ち、中心周波数をf0,並列共振器の静電容量をCop,直列共振器の静電容量をCos,公称インピーダンスをRとしたとき、定K型フィルタの条件及び中心周波数近傍では並列共振器の共振周波数と直列共振器の反共振周波数とが略等しいことなどから、以下の式1が理論的整合条件となる。尚、移動無線のRF部の帯域通過フィルタなどにおける公称インピーダンスRは通常50Ωである。
1/(ω0 2CopCos)=R2 ,ω0=2πf0 …(式1)
【0007】
更に、ラダー型SAWフィルタの実測された入出力インピーダンスから求められる最適な整合条件は、以下の式2で与えられる。尚、並列共振器の静電容量Copの中心は、以下の式3で与えられる。
−0.28Cos+3448/f0−746/f0≦Cop≦−0.28Cos+3448/f0+746/f0 …(式2)
Cop=−0.28Cos+3448/f0 …(式3)
【0008】
ここで、フィルタ特性の中心周波数f0を5.25GHzとした場合において、上記の式2で示した整合条件を満たすCopとCosとの範囲を図1に示す。また、CopとCosとが図1の斜線部で示される範囲に入るように並列SAW共振器及び直列SAW共振器の開口長及び対数を設計して作製したラダー型SAWフィルタのフィルタ特性を図2に示す。尚、この例では、電極膜にアルミニウム(Al)−1%銅(Cu)を使用した。また、このラダー型SAWフィルタの等価回路を図3に示す。尚、図3において、Sは直列SAW共振器を示し、Pは並列SAW共振器を示す。
【0009】
図2を参照すると明らかなように、このラダー型SAWフィルタのフィルタ特性における中心周波数は5.2GHzであり、4dB帯域幅は230MHz,最小挿入損失は2dBであった。尚、この詳細については、以下に挙げる非特許文献2に示されている。
【0010】
また、上記とは別に、フィルタ特性の中心周波数f0を1.9GHzとした場合において、上記の式2で示した整合条件を満たすCopとCosとの範囲を図4に示す。尚、このラダー型SAWフィルタの等価回路は図3と同様である。
【0011】
以上から分かるように、フィルタの中心周波数f0を高く設計するほど、SAW共振器の静電容量を小さくしなければならない。例えば重要な設計パラメータの1つであるCopとCosとの比Cop/Cosの値を標準的な0.5とすると、図4に示すように,1.9GHz帯フィルタではCopが1〜1.5pF程度となり、Cosが2〜3pF程度となる。これに対して、5GHz帯のSAWフィルタでは、図1に示すように、Copが0.3〜0.5pF程度となり、Cosが0.6〜1pF程度にまで小さくなる。
【0012】
しかしながら、SAW共振器の静電容量を小さくすると、SAWフィルタチップを搭載するセラミックパッケージにおける信号端子と接地端子との間に存在する浮遊静電容量(通常は0.4pF程度)や、SAWフィルタチップにおける信号電極と接地電極との間に存在する浮遊静電容量(通常は0.1pF程度)の影響が増大する。このため、インピーダンスの整合状態が悪化し、結果的にSAWフィルタの挿入損失が悪化するという問題が引き起こされる。
【0013】
このような浮遊静電容量を低減する手法として、以下に挙げる特許文献2には、パッケージ内部のメタライズ領域を最小限にすることで、メタライズ領域上に形成された電極膜との浮遊静電容量を低減する方法が開示されている。また、この他の手法として、以下に挙げる特許文献3には、圧電性基板上に信号電極と接地電極とを10μm以上の距離をおいて形成することで、浮遊静電容量を低減する方法が開示されている。
【0014】
【特許文献1】
特開平6−69750号公報
【特許文献2】
特開平11−205080号公報
【特許文献3】
特開平10−13183号公報
【非特許文献1】
「携帯電話用RF帯SAWフィルタ」佐藤良夫,伊形理, 電子情報通信学会誌,Vol.84, No.11, pp782−789(2001年11月)
【非特許文献2】
「5GHz帯ラダー型SAWフィルタの開発」中谷忠司,西原時弘,宮下勉,佐藤良夫, 2001年電子情報通信学会基礎・境界ソサイエティ大会SA−3−9, p289(2001年9月)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの手法によって低減される浮遊静電容量の値は小さく、上記した問題を解決するには不十分である。また、特許文献3が開示する手法では、電極間距離を離すほどチップが大型化してしまうと共に、配線長が増加してしまい、配線抵抗による損失が増大するという問題を有する。
【0016】
本発明は係る問題に鑑みてなされたものであり、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量が低減された弾性表面波フィルタ及びフィルタ装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、請求項1記載のように、直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続された弾性表面波フィルタにおいて、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし、前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし、中心周波数をf0 (GHz)とし、公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.3×106≦4π2f0 2R2CopCos≦3.1×106
を満足する構成を有する。更に、この式で与えられる設計範囲を満足するように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量がより低減された弾性表面波フィルタが実現される。
【0019】
また、本発明は、請求項2記載のように、直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続された弾性表面波フィルタにおいて、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし、前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし、中心周波数をf0 (GHz)とし、公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.6×106≦4π2f0 2R2CopCos≦2.9×106
を満足する構成を有する。更に、この式で与えられる設計範囲を満足するように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量がより低減された弾性表面波フィルタが実現される。
【0020】
また、請求項1又は2に記載した前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項4記載のように、前記静電容量Copと前記静電容量Cosとの比Cop/Cosが0.5であるように構成される。
【0021】
また、請求項1から3の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、好ましくは請求項4記載のように、少なくとも前記直列共振器及び前記並列共振器を構成する櫛形電極が誘電体膜により被覆されているように構成される。これにより、ダイシング工程での切削水や大気中の水分により櫛形電極が腐食することを防止することができる。
【0022】
また、請求項1から4の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項5記載のように、前記中心周波数f0が5GHz帯である構成を有する。
【0023】
また、請求項1から5の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタは、例えば請求項6記載のように、前記直列共振器と前記並列共振器とが4段に接続されている構成を有する。
【0025】
また、本発明は、請求項7記載のように、直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.3×106≦4π2f0 2R2CopCos≦3.1×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにワイヤボンディング実装されており、前記パッケージの信号端子と前記弾性表面波フィルタの信号電極とが1本のボンディングワイヤで接続されており、前記ボンディングワイヤのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有する。更に、この式で与えられる設計範囲を満足するように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量がより低減されたフィルタ装置が実現される。
【0026】
また、本発明は、請求項8記載のように、直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.6×106≦4π2f0 2R2CopCos≦2.9×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにワイヤボンディング実装されており、前記パッケージの信号端子と前記弾性表面波フィルタの信号電極とが1本のボンディングワイヤで接続されており、前記ボンディングワイヤのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有する。更に、この式で与えられる設計範囲を満足するように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量がより低減されたフィルタ装置が実現される。
【0028】
また、本発明は、請求項9記載のように、直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.3×106≦4π2f0 2R2CopCos≦3.1×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにフリップチップ実装されており、前記パッケージの信号線がマイクロストリップラインからなっており、前記マイクロストリップラインのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有する。更に、この式で与えられる設計範囲を満足するように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量がより低減されたフィルタ装置が実現される。
【0029】
また、本発明は、請求項10記載のように、直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.6×106≦4π2f0 2R2CopCos≦2.9×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにフリップチップ実装されており、前記パッケージの信号線がマイクロストリップラインからなっており、前記マイクロストリップラインのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有する。更に、この式で与えられる設計範囲を満足するように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量がより低減されたフィルタ装置が実現される。
【0030】
また、請求項7から10の何れか1項に記載の前記フィルタ装置は、例えば請求項11記載のように、前記静電容量Copと前記静電容量Cosとの比Cop/Cosが0.5であるように構成される。
【0031】
また、請求項7から11の何れか1項に記載の前記フィルタ装置は、請求項12記載のように、少なくとも前記直列共振器及び前記並列共振器を構成する櫛形電極が誘電体膜により被覆されているように構成される。これにより、ダイシング工程での切削水や大気中の水分により櫛形電極が腐食することを防止することができる。
【0032】
また、請求項7から12の何れか1項に記載の前記フィルタ装置は、例えば請求項13記載のように、前記中心周波数f0が5GHz帯である構成を有する。
【0033】
また、請求項7から13の何れか1項に記載の前記フィルタ装置は、例えば請求項14記載のように、前記直列共振器と前記並列共振器とが4段に接続されている構成を有する。
【0034】
また、請求項7から14の何れか1項に記載の前記フィルタ装置は、例えば請求項15記載のように、前記パッケージがセラミック製である構成を有する。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
以下、並列SAW共振器(以下、単に並列共振器という)の静電容量Copと直列SAW共振器(以下、単に直列共振器という)の静電容量Cosとの積CopCosを設計することで、浮遊静電容量の影響を低減させるように構成した本発明の実施の形態を、第1の実施形態として図面を用いて詳細に説明する。
【0036】
図5は、本実施形態によるラダー型弾性表面波(SAW)フィルタ10の構造を示す上面図である。尚、ラダー型SAWフィルタ10は、4段の梯子型構造を有している。また、図6は、図5に示すラダー型SAWフィルタ10をパッケージ20に実装した場合の構成を示す断面図である。但し、図6は、図5におけるSAW伝播方向に沿った断面を示している。
【0037】
図5に示すように、本実施形態で用いるラダー型SAWフィルタ10は、直列共振器S(S12,S34)と並列共振器P(P1,P23,P4)とがラダー型に接続されている。尚、直列共振器S12,S34は2つの直列共振器Sが1つにまとめられた構成を有している。また、並列共振器P23は同じく2つの並列共振器Pが1つにまとめられた構成を有している。
【0038】
この構成において、直列共振器S及び並列共振器Pは、基板11上に形成された櫛形電極(インターディジタルトランスデューサ:IDT)12を有して成る共振器領域と、この共振器領域に関してSAW伝播方向の前後の基板11上に形成された反射電極13を有して成る反射器領域とを含んでなる。また、個々のIDT12は、配線部14を介して電極パッド部15に接続されており、この電極パッド部15を介してパッケージ20の電極パッド部25に接続される(図6参照)。尚、IDT12と反射電極13と配線部14と電極パッド部15とは、同一の導電層で形成すると良い。
【0039】
また、図6を参照すると、ラダー型SAWフィルタ10は、フェイスアップ状態でパッケージ20に収納される。この際、ラダー型SAWフィルタ10の電極パッド部15は、金(Au)や銅(Cu)やアルミニウム(Al)等のボンディングワイヤ21(又はリボン等であってもよい)でパッケージ20における電極パッド部25に接続される。これにより、フィルタ装置30が構成される。また、フィルタ装置30の等価回路を図7に示す。尚、並列共振器P及び直列共振器の静電容量Cop及びCosは、IDT12の電極指周期と開口長と電極指の対数とで決定される値である。
【0040】
このように構成されたフィルタ装置30に関し、パッケージ20の浮遊静電容量とボンディングワイヤ21のインダクタンスとラダー型SAWフィルタ10のチップにおける浮遊静電容量とを考慮して行ったシミュレーション結果を図8に示す。尚、図8において、左側のグラフは各サンプル(フィルタ装置)のフィルタ特性を示し、右側のグラフはスミスチャートを示す。また、図8(a)は並列共振器Pと直列共振器Pとの静電容量の積CopCosを上述した整合条件の式2から求められる値(CopCos)0の0.6倍として設計したフィルタ装置30のサンプルに対するシミュレーション結果を示し、図8(b)はCopCosを同じく(CopCos)0の1倍として設計したフィルタ装置30のサンプルに対するシミュレーション結果を示し、図8(c)はCopCosを同じく(CopCos)0の2倍として設計したフィルタ装置30のサンプルに対するシミュレーション結果を示し、図8(d)はCopCosを同じく(CopCos)0の2.7倍として設計したフィルタ装置30のサンプルに対するシミュレーション結果を示す。更に、図8のシミュレーションに用いた各サンプルに対応するフィルタ特性の比較を図9に示す。
【0041】
図8を参照すると明らかなように、並列共振器Pの静電容量Copと直列共振器Sの静電容量Cosとの比Cop/Cosを0.5とした場合、静電容量Cop,Cosの積CopCosの値を、上述した整合条件の式2から求められる値(CopCos)0の2倍としたときに(図8(c)及び図9(c))、インピーダンス整合がよい。また、図9を参照すると、同条件で設計したときに、通過帯域での挿入損失が最も低く、帯域幅が最も良くなることが分かる。
【0042】
更に、これをより詳細に検証した場合のグラフを図10に示す。尚、図10は、CopCos/(CopCos)0を0.7から3.1まで変化させた場合のフィルタ特性における4dB帯域幅を示すグラフである。図10を参照すると明らかなように、CopCos/(CopCos)0を2.2とした場合に、最も4dB帯域幅が最も広い。これは、同条件で設計した場合にインピーダンス整合が最も良くなることを示している。
【0043】
また、図10を参照すると明らかなように、良好なインピーダンス整合を達成し得るためには、CopCos/(CopCos)0が1〜3.1の範囲を満足するように設計すればよい。これは4dB帯域幅を、CopCos/(CopCos)0=2.2とした場合の4dB帯域幅から20MHz以内に収めるための範囲である。また、より好ましくは、CopCos/(CopCos)0が1.3〜3.1の範囲を満足するように設計すればよい。これは4dB帯域幅を、CopCos/(CopCos)0=2.2とした場合の4dB帯域幅から10MHz以内に収めるための範囲である。更に、より好ましくは、CopCos/(CopCos)0が1.6〜2.9の範囲を満足するように設計すればよい。これは4dB帯域幅を、CopCos/(CopCos)0=2.2とした場合の4dB帯域幅から5MHz以内に収めるための範囲である。
【0044】
これらのことから、望ましい条件は、以下の式4から式6で表される範囲となる。尚、f0[GHz]は中心周波数を示し、R[Ω]は公称インピーダンスを示す。
1(CopCos)0≦CopCos≦3.1(CopCos)0 …(式4)
1.3(CopCos)0≦CopCos≦3.1(CopCos)0 …(式5)
1.6(CopCos)0≦CopCos≦2.9(CopCos)0 …(式6)
【0045】
この際、(CopCos)0=1/(ω0 2R2)とすると、上記の式4から式6は以下の式7から式9に置き換えることができる。
1×106≦ω0 2R2CopCos≦3.1×106 (但し,ω0=2πf0) …(式7)
1.3×106≦ω0 2R2CopCos≦3.1×106 (但し,ω0=2πf0) …(式8)
1.6×106≦ω0 2R2CopCos≦2.9×106 (但し,ω0=2πf0) …(式9)
【0046】
ここで、静電容量をC[pF]とする共振器は次の式10及び式11によって開口長さL[μm]及び対数Nを求めることで設計できる。この詳細は、「SAW共振器を用いた低損失帯域フィルタ」(佐藤良夫他、電子情報通信学会論文誌A,Vol.J76−A,No.2,pp245−252(1993年2月))で開示されている。
C=2C001N ,1=L/100 …(式10)
C00=2×10-2[pF/100μm] …(式11)
【0047】
以上のことから、並列共振器の静電容量Copと直列共振器の静電容量Cosとの積CopCosが上述した式7又は式8、より好ましくは式9に示す条件を満たすように設計することで、チップの大型化を防止しつつ、インピーダンス整合を向上させ、ラダー型SAWフィルタの浮遊静電容量による影響を低減させることが可能となる。
【0048】
・具体例
次に、上述した構成を有するフィルタ装置30を具体的に設計した場合について、図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の説明ではラダー型SAWフィルタ10の中心周波数f0を5.25GHzとした。
【0049】
まず、ラダー型SAWフィルタ10を作製するにあたり、本実施形態では、基板11に42°Yカット−X伝播タンタル酸リチウム結晶基板を用いた。また、この基板11上に1%銅を添付したアルミニウムをスパッタで73nmの膜厚で成膜した後、フォトリソとRIEとでIDT12,反射電極13,配線部14及び電極パッド部15をパターニングした。次に、パターニングされた基板11をダイシングした後、作製されたラダー型SAWフィルタ10のチップをセラミックス製(ここではアルミニウム・窒素:アルミナ製)の外形3mm×3mmパッケージに搭載し、ボンディングワイヤ21によりワイヤボンディングした。
【0050】
この際、ラダー型SAWフィルタ10は静電容量Copの並列共振器と静電容量Cosの直列共振器とが4段の梯子型に接続された構成とした。また、直列共振器Sと並列共振器Pとの静電容量の積CopCosは整合条件の理論式より得られる値(CopCos)0の2倍とし、静電容量の比Cop/Cosは0.5とした。つまり、Copが0.61pFとなり、Cosが1.21pFとなるように、各直列共振器S及び並列共振器Pの開口長と対数とを決定した。具体的には、並列共振器Pが電極周期0.7343μm,開口長20μm,対数76であり、直列共振器Sが電極周期0.701μm,開口長10μm,対数303である。また、梯子型構造における中央では隣接する並列共振器Pを1つにまとめ、その静電容量を1つの並列共振器の2倍にした。即ち、開口長20μm,対数152である。
【0051】
以上のように構成したラダー型SAWフィルタ10における並列共振器P及び直列共振器Sの静電容量Cop,Cosを図11に示す。また、比較例として、従来の設計によるラダー型SAWフィルタを構成する並列共振器P及び直列共振器Sの静電容量Cop,Cosも図11に示す。尚、この比較例は、CopCosを(CopCos)0の1.2倍としたものであり、並列共振器Pが電極周期0.771μm,開口長20μm,対数59であり、直列共振器が電極周期0.7375μm,開口長10μm,対数235である。
【0052】
図11を参照すると明らかなように、本実施形態によるラダー型SAWフィルタ10の静電容量の積CopCosは、比較例の静電容量の積CopCosと比べて大きくなっている。これにより、浮遊静電容量の影響が低減される。
【0053】
また、本実施形態によるラダー型SAWフィルタ10をパッケージ20に実装したフィルタ装置30のフィルタ特性を図12に示す。また、比較例によるラダー型SAWフィルタをパッケージ20に実装したフィルタ装置のフィルタ特性も図12に破線で示す。図12を参照すると明らかなように、本実施形態によるフィルタ装置30のフィルタ特性の方が、比較例よりも広帯域で且つ帯域外抑制も大きい。尚、図12における−1〜−6dBの範囲の拡大図を図13に示す。また、図13における4dB帯域幅を図14に示す。図14を参照すると明らかなように、比較例の4dB帯域幅が230MHzであるのに対し、本実施形態は300MHzであり、明らかに広帯域となっている。即ち、本実施形態によるラダー型SAWフィルタ10のインピーダンス整合が改善されたことが分かる。
【0054】
〔第2の実施形態〕
次に、第1の実施形態において、ボンディングワイヤ21の長さを最適化し、そのインダクタンスによりパッケージ20の浮遊静電容量による影響を軽減するように構成した本発明の実施の形態を、第2の実施形態として図面を用いて詳細に説明する。尚、本実施形態によるラダー型SAWフィルタ10及びパッケージ20は、第1の実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0055】
図15は、ボンディングワイヤ21のインダクタンスを0.5nH,1nH,1.5nHとした場合の各サンプルのシミュレーション結果である。尚、図15において、左側のグラフは各サンプル(フィルタ装置)のフィルタ特性を示し、右側のグラフはスミスチャートを示す。また、図15(a)はボンディングワイヤ21のインダクタンスを0.5nHとしたサンプルのシミュレーション結果であり、図15(b)はボンディングワイヤ21のインダクタンスを1nHとしたサンプルのシミュレーション結果であり、図15(c)はボンディングワイヤ21のインダクタンスを1.5nHとしたサンプルのシミュレーション結果である。更に、図15のシミュレーションに用いた各サンプルに対応するフィルタ特性の比較を図16に示す。
【0056】
図15を参照すると明らかなように、ボンディングワイヤ21のインダクタンスLiを1nHとして設計したときに(図15(b)及び図16(b)参照)、インピーダンス整合がよい。また、図16からも明らかなように、同条件で設計した場合に通過帯域での挿入損失が最も低く、帯域幅が最も広くなる。
【0057】
・具体例
次に、上述した構成を有するフィルタ装置30を具体的に設計した場合について、図面を用いて詳細に説明する。尚、以下の説明でもラダー型SAWフィルタ10の中心周波数f0を5.25GHzとしている。
【0058】
ここでは、ラダー型SAWフィルタ10とパッケージ20とを1本から3本の何れかのボンディングワイヤ21で接続した場合について、それぞれのフィルタ特性及びVSWR(Voltage Standing Wave Ratio)を比較し、検証する。
【0059】
この際、ラダー型SAWフィルタ10には第1の実施形態で示した具体的構成を用い、パッケージ20には外形3mm×3mmのアルミナ(アルミニウム・窒素)製容器を用いる。また、各ボンディングワイヤ21には、長さ1.2mmで直径30μmのアルミニウム製ワイヤを用いる。
【0060】
このように構成した場合の各サンプルのフィルタ特性及びVSWRを図17に示す。尚、図17において、上段のグラフは各サンプル(フィルタ装置)のフィルタ特性を示し、中段のグラフはスミスチャートを示し、下段のグラフはVSWRを示す。また、図17(a)は1本のボンディングワイヤ21を使用したサンプルに対するシミュレーション結果であり、この際のインダクタンスは0.25nHである。また、図17(b)は2本のボンディングワイヤ21を使用したサンプルに対するシミュレーション結果であり、この際のインダクタンスは0.4nHである。更に、図17(c)は3本のボンディングワイヤ21を使用したサンプルに対するシミュレーション結果であり、この際のインダクタンスは0.8nHである。更に、図17におけるインダクタンスに対するVSWRを図18に示す。
【0061】
図17及び図18を参照すると明らかなように、ボンディングワイヤ21の本数を増やすことにより、この部分によるインダクタンスが小さくなり、インピーダンス整合が悪化する。この結果、通過帯域内の損失とVSWRが大きくなる。従って、本実施形態では、VSWRを2以下に抑えるために、ボンディングワイヤ21を2本以下、より好ましくは1本にすることがよい。これにより、浮遊静電容量の影響を軽減することが可能となる。
【0062】
このことから、満足するインピーダンス整合を達成し得るためには、ボンディングワイヤ21のインダクタンスLiを以下の式12で示す範囲を満足するように設計すれば良いことが読み取れる。尚、インダクタンスLiの式12における上限は、効果的な値の上限であり、これ以上とした場合でもその効果はあまり得られない。
0.7≦Li≦1.3 …(式12)
【0063】
ここで、通常使用されるボンディングワイヤ21の材料は1mm当たり略0.85nHのインダクタンスを持つ。従って、上記の式12を満足するためには、ボンディングワイヤ21の長さLn[mm]が以下の式13を満足するように設計すればよい。
0.8≦Ln≦1.5 …(式13)
【0064】
以上のことから、ボンディングワイヤ21の長さが上述した式13に示す条件を満足するように設計することで、インピーダンスの整合性が向上し、ラダー型SAWフィルタの浮遊静電容量の影響を低減させることが可能となる。
【0065】
〔第3の実施形態〕
また、上記の第1の実施形態では、ラダー型SAWフィルタ10をフェイスアップ状態でパッケージ20に収容し、これらをボンディングワイヤ21で接続した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、ラダー型SAWフィルタ10をパッケージ20にフェイスダウン状態でフリップチップ実装してもよい。以下、この場合を第3の実施形態として図面を用いて詳細に説明する。
【0066】
図19は、本実施形態によるフィルタ装置50の構成を示す断面図である。尚、フィルタ装置50を構成するラダー型SAWフィルタ10は、第1の実施形態と同様のものを用いる(図5参照)。
【0067】
図19に示すように、本実施形態においてラダー型SAWフィルタ10は、フェイスダウン状態でパッケージ40に収容される。この際、ラダー型SAWフィルタ10の電極パッド部15とパッケージ40の電極パッド部25とは、AuやAlや半田等の金属のバンプ41により接続される。
【0068】
以上の構成において、ラダー型SAWフィルタ10の各共振器(直列/並列)の静電容量を式2に示す条件を満足するように設計することで、第1の実施形態と同様に、浮遊静電容量の影響を低減させることが可能となる。
【0069】
また、本実施形態は、ラダー型SAWフィルタ10をフリップチップ実装する第2の実施形態にも適用することが可能である。即ち、パッケージ40に設けられた配線部44を上記の式12(式13)の条件を満たすマイクロストリップラインで構成することで、インピーダンスの整合性が向上し、ラダー型SAWフィルタの浮遊静電容量の影響を低減させることが可能となる。尚、このようなマイクロストリップラインの構成例を図20に示す。
【0070】
図20に示すように、本実施形態によるパッケージ40は、マイクロストリップラインで形成された配線部44と電極パッド部25と外部配線パッド部26とを有して構成されている。この構成において、配線部44は、上述のように、マイクロストリップライン構造を有している。また、電極パッド部25と電極パッド部15とは上述のようにバンプ41が形成され、お互いに接続される。
【0071】
以上のように構成することで、チップの大型化を防止しつつ、インピーダンス整合を向上させ、ラダー型SAWフィルタの浮遊静電容量による影響を低減させることが可能となる。
【0072】
〔第4の実施形態〕
また、上述した第1の実施形態から第3の実施形態において、各ラダー型SAWフィルタ10の少なくともIDT12、好ましくは導電層全体は、図21に示すように、SiO2膜等の誘電体膜61により被覆されていてもよい。これにより、ダイシング工程での切削水や大気中の水分によりIDT12が腐食することを防止することができる。
【0073】
〔他の実施形態〕
以上、説明した実施形態は本発明の好適な一実施形態にすぎず、本発明はその趣旨を逸脱しない限り種々変形して実施可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、5GHz帯に対応した弾性表面波フィルタ及びフィルタ装置であって、チップの大型化を防止しつつ、浮遊静電容量が低減された弾性表面波フィルタ及びフィルタ装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術においてフィルタ特性の中心周波数f0を5.25GHzとした場合に式2で示した整合条件を満たすCopとCosとの範囲を示すグラフである。
【図2】CopとCosとが図1の斜線部で示される範囲に入るように並列SAW共振器及び直列SAW共振器の開口長及び対数を設計して作製したラダー型SAWフィルタのフィルタ特性を示すグラフである。
【図3】図2に示すフィルタ特性を示すラダー型SAWフィルタの等価回路を示す図である。
【図4】従来技術においてフィルタ特性の中心周波数f0を1.9GHzとした場合に式2で示した整合条件を満たすCopとCosとの範囲を示すグラフである。
【図5】本発明の第1の実施形態によるラダー型弾性表面波(SAW)フィルタ10の構造を示す上面図である。
【図6】図5に示すラダー型SAWフィルタ10をパッケージ20に実装して構成されたフィルタ装置30のSAW伝播方向に沿った断面を示す図である。
【図7】図6に示すフィルタ装置30の等価回路を示す図である。
【図8】フィルタ装置30に関して行ったシミュレーション結果を示すグラフである。
【図9】図8のシミュレーションに用いた各サンプルに対応するフィルタ特性を比較をするためのグラフである。
【図10】本発明の第1の実施形態においてCopCos/(CopCos)0を0.7から3.1まで変化させた場合のフィルタ特性における4dB帯域幅を示すグラフである。
【図11】本発明の第1の実施形態による具体例のように構成したラダー型SAWフィルタ10における並列共振器P及び直列共振器Sの静電容量Cop,Cosを示すグラフである。
【図12】本発明の第1の実施形態による具体例のように構成したラダー型SAWフィルタ10をパッケージ20に実装したフィルタ装置30のフィルタ特性を示すグラフである。
【図13】図12における−1〜−6dBの範囲の拡大図である。
【図14】図13における4dB帯域幅に着目したグラフである。
【図15】本発明の第2の実施形態においてボンディングワイヤ21のインダクタンスを0.5nH,1nH,1.5nHとした場合の各サンプルのシミュレーション結果を示すグラフである。
【図16】図15のシミュレーションに用いた各サンプルに対応するフィルタ特性を比較するためのグラフである。
【図17】本発明の第2の実施形態による具体例のように構成した場合の各サンプルのフィルタ特性及びVSWRを示すグラフである。
【図18】図17におけるインダクタンスに対するVSWRを示すグラフである。
【図19】本発明の第3の実施形態によるフィルタ装置50の構成を示す断面図である。
【図20】本発明の第3の実施形態によるマイクロストリップラインの構成例を示す図である。
【図21】本発明の第4の実施形態によるフィルタ装置60のSAW伝播方向に沿った断面を示す図である。
【符号の説明】
10 ラダー型SAWフィルタ
11 基板
12 IDT
13 反射電極
14、24、44 配線部
15、25 電極パッド部
20、40 パッケージ
21 ボンディングワイヤ
26 外部配線パッド部
30、50、60 フィルタ装置
41 バンプ
61 誘電体膜
P,P1、P23、P4 並列共振器
S、S12、S34 直列共振器
Claims (15)
- 直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続された弾性表面波フィルタにおいて、
前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし、前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし、中心周波数をf0 (GHz)とし、公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.3×106≦4π2f0 2R2CopCos≦3.1×106
を満足する構成を有することを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続された弾性表面波フィルタにおいて、
前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし、前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし、中心周波数をf0 (GHz)とし、公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.6×106≦4π2f0 2R2CopCos≦2.9×106
を満足する構成を有することを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 前記静電容量Copと前記静電容量Cosとの比Cop/Cosが0.5であることを特徴とする請求項1又は2記載の弾性表面波フィルタ。
- 請求項1から3の何れか1項に記載の前記弾性表面波フィルタにおいて、
少なくとも前記直列共振器及び前記並列共振器を構成する櫛形電極が誘電体膜により被覆されていることを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 前記中心周波数f0が5GHz帯であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の弾性表面波フィルタ。
- 前記直列共振器と前記並列共振器とが4段に接続されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の弾性表面波フィルタ。
- 直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.3×106≦4π2f0 2R2CopCos≦3.1×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにワイヤボンディング実装されており、
前記パッケージの信号端子と前記弾性表面波フィルタの信号電極とが1本のボンディングワイヤで接続されており、
前記ボンディングワイヤのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有することを特徴とするフィルタ装置。 - 直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.6×106≦4π2f0 2R2CopCos≦2.9×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにワイヤボンディング実装されており、
前記パッケージの信号端子と前記弾性表面波フィルタの信号電極とが1本のボンディングワイヤで接続されており、
前記ボンディングワイヤのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有することを特徴とするフィルタ装置。 - 直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.3×106≦4π2f0 2R2CopCos≦3.1×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにフリップチップ実装されており、
前記パッケージの信号線がマイクロストリップラインからなっており、
前記マイクロストリップラインのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有することを特徴とするフィルタ装置。 - 直列共振器と並列共振器とが梯子型に接続され、前記並列共振器の静電容量をCop(pF)とし,前記直列共振器の静電容量をCos(pF)とし,中心周波数をf0 (GHz)とし,公称インピーダンスをR(Ω)とした場合、以下の式
1.6×106≦4π2f0 2R2CopCos≦2.9×106
を満足する構成を有する弾性表面波フィルタが、パッケージにフリップチップ実装されており、
前記パッケージの信号線がマイクロストリップラインからなっており、
前記マイクロストリップラインのインダクタンスLi(nH)が以下の式
0.8≦Li≦1.5
を満足する構成を有することを特徴とするフィルタ装置。 - 前記静電容量Copと前記静電容量Cosとの比Cop/Cosが0.5であることを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載のフィルタ装置。
- 請求項7から11の何れか1項に記載の前記フィルタ装置において、
少なくとも前記直列共振器及び前記並列共振器を構成する櫛形電極が誘電体膜により被覆されていることを特徴とするフィルタ装置。 - 前記中心周波数f0が5GHz帯であることを特徴とする請求項7から12の何れか1項に記載のフィルタ装置。
- 前記直列共振器と前記並列共振器とが4段に接続されていることを特徴とする請求項7から13の何れか1項に記載のフィルタ装置。
- 前記パッケージはセラミック製であることを特徴とする請求項7から14の何れか1項に記載のフィルタ装置。
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