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JP3862304B2 - 徐放性製剤 - Google Patents

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JP3862304B2
JP3862304B2 JP23084195A JP23084195A JP3862304B2 JP 3862304 B2 JP3862304 B2 JP 3862304B2 JP 23084195 A JP23084195 A JP 23084195A JP 23084195 A JP23084195 A JP 23084195A JP 3862304 B2 JP3862304 B2 JP 3862304B2
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豐 山縣
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩と生体内分解性ポリマーとを含有してなる徐放性製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
生理活性物質、特にペプチドまたはその誘導体は生体において種々の薬理作用を示すことが知られており、この内いくつかについては化学合成あるいは遺伝子工学、細胞工学の手法の発達により大腸菌、酵母、動物細胞、あるいはハムスターなどの生体を用いて大量に生産させ、医薬品としての応用が図られている。しかしながら、これらのペプチドは一般的に生体内での半減期が短いために、頻回投与が必要であり注射に伴う患者の肉体的負担は無視できないものがある。この問題を解決するために徐放性製剤を開発する種々の試みがなされている。
水溶性生理活性物質、特に水溶性ペプチド(以下単にペプチドと称することもある)の徐放性製剤を開発するときの第1の問題点はペプチドの溶解性をいかにしてコントロールするかにある。即ち、ペプチドの放出速度を抑制することである。
特表平3−500286号には不溶性亜鉛−プロタミン−α−インターフェロン複合体が開示されている。
また、特開昭63−2930号には、ポリラクチドに巨大分子ポリペプチドを分散させたシステムが開示されている。
特開平5−221855号および特開平6−172208号には水溶性ペプチドを水不溶性のペプチド塩に変換し、生体内分解性高分子重合物を含有する有機媒体に懸濁することにより水溶性ペプチドを効率良く微小球に取り込ませる技術が開示されている。該公報において用いられる水不溶性ペプチドは水溶性ペプチド分子内部の塩基性部に対する有機酸塩であり、パモエート、タンニン酸、ステアリン酸、またはパルミチン酸塩である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように水溶性生理活性物質の徐放性製剤を製造する種々の試みがなされているものの、まだ満足できるものはなく、水溶性生理活性物質の封入効率が高く、投与後初期の水溶性生理活性物質の漏出が抑制され、水溶性生理活性物質放出速度が一定で、しかも水溶性生理活性物質が安定である徐放性製剤の開発が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点を解決するため鋭意研究をおこなったところ、エンドセリン拮抗物質を除く酸性基を持つ水溶性ペプチド性生理活性物質またはその水溶性塩(以下、単に生理活性物質と称することもある)と水溶性多価金属塩とから生成する生理活性物質の水不溶または水難溶性多価金属塩(以下、単に複合体と称することもある)を製造し、これを生体内分解性ポリマーに分散させることにより、生理活性物質の生体内分解性ポリマー中への取り込み効率が飛躍的に上昇し、生体に投与直後の薬物の漏出も少ない徐放性製剤が得られることを見いだした。この知見に基づいてさらに研究した結果、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩と生体内分解性ポリマーとを含有してなる徐放性製剤、(2)生理活性物質が水溶性ペプチドまたはその誘導体である前記(1)記載の徐放性製剤、
(3)ペプチドがホルモン、サイトカイン、増血因子、増殖因子、酵素、可溶性または可溶化受容体、抗体、ペプチド性抗原、血液凝固因子または接着因子である前記(2)記載の徐放性製剤、
(4)生理活性物質がホルモンである前記(1)記載の徐放性製剤、
(5)ホルモンが成長ホルモンである前記(4)記載の徐放性製剤、
(6)ホルモンがインスリンである前記(4)記載の徐放性製剤、
(7)生理活性物質がサイトカインである前記(1)記載の徐放性製剤、
(8)サイトカインがインターフェロンである前記(7)記載の徐放性製剤、
(9)生理活性物質が増殖因子である前記(1)記載の徐放性製剤、
(10)多価金属塩が遷移金属塩である前記(1)記載の徐放性製剤、
(11)多価金属塩が亜鉛塩である前記(1)記載の徐放性製剤、
(12)多価金属塩の水に対する溶解度が20℃で約0ないし約0.1%(w/w)である前記(1)記載の徐放性製剤、
(13)多価金属塩の水に対する溶解度が約0ないし約0.01%(w/w)である前記(1)記載の徐放性製剤、
(14)多価金属塩を約0.1ないし約50%(w/w)含有してなる前記(1)記載の徐放性製剤、
(15)多価金属塩を約0.1ないし約30%(w/w)含有してなる前記(1)記載の徐放性製剤、
(16)生体内分解性ポリマーが脂肪族ポリエステルである前記(1)記載の徐放性製剤、
(17)脂肪族ポリエステルが乳酸及びグリコール酸の重合体である前記(16)記載の徐放性製剤、
(18)乳酸及びグリコール酸の組成比(モル/モル%)が100/0ないし約40/60である前記(17)記載の徐放性製剤、
(19)組成比(モル/モル%)が約90/10ないし約45/55である前記(18)記載の徐放性製剤、
(20)重合体の重量平均分子量が約3,000ないし約20,000である前記(17)記載の徐放性製剤、
(21)重合体の重量平均分子量が約3,000ないし約14,000である前記(17)記載の徐放性製剤、
(22)脂肪族ポリエステルが乳酸の単独重合物である前記(16)記載の徐放性製剤、
(23)単独重合物の重量平均分子量が約3,000ないし約20,000である前記(22)記載の徐放性製剤、
(24)単独重合物の重量平均分子量が約3,000ないし約14,000である前記(22)記載の徐放性製剤、
(25)マイクロカプセルである前記(1)記載の徐放性製剤、
(26)マイクロカプセルが注射用である前記(25)記載の徐放性製剤、
(27)注射用である前記(1)記載の徐放性製剤、
(28)徐放性製剤の製造のためのエンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩および生体内分解性ポリマーの使用、及び
(29)エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩を生体内分解性ポリマーを含む油相に分散しs/o型エマルションを調製し、s/o型エマルションを水相に添加しs/o/w型エマルションを調製し、次いでs/o/w型エマルションを水中乾燥に付すことを特徴とする徐放性製剤の製造法に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本明細書において、アミノ酸,ペプチド等に関し、略号で表示する場合、IUPAC−IUB コミッション・オン・バイオケミカル・ノーメンクレーチャー(Commission on Biochemical Nomenclature)による略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものとし、また、アミノ酸に光学異性体があり得る場合、特に明示しなければL体を示すものとする。
生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩における生理活性物質は、酸性基を持つ生理活性物質である。ここにおいて、酸性基としては、例えばカルボキシル基、スルホ基などが挙げられる。生理活性物質は、好ましくは分子内にペプチド結合を持つか、あるいはアミノ酸を含有し酸性基を持つ生理活性物質である。該酸性基はアミノ酸に由来してもよい。生理活性物質は、さらに好ましくは酸性基を持つペプチドまたはその誘導体である。生理活性物質は、生理活性物質の25℃で水に対する溶解度は1%(w/w)以上である。
【0006】
生理活性物質は、二個以上のカルボキシル基を有していることが好ましい。
生理活性物質の分子量は、約200ないし約200,000、好ましくは約200ないし約50,000、さらに好ましくは分子量約500ないし約40,000である。
生理活性物質の活性として代表的なものとしては、ホルモン作用が挙げられる。また、該生理活性物質は天然物、合成物、半合成物、遺伝子工学の産物のいずれでもよいし、さらにこれらの誘導体でもよい。これらの生理活性物質の作用機作は、作動性あるいは拮抗性のいづれでもよい。
本発明の生理活性物質、特に水溶性ペプチドまたはその誘導体としては、例えばホルモン、サイトカイン、造血因子、増殖因子、酵素、可溶性または可溶化受容体、抗体またはそのフラグメント、ペプチド性抗原、血液凝固因子、接着因子あるいは該生理活性物質の受容体に結合しうる作動薬あるいは拮抗薬などが挙げられる。
【0007】
ホルモンとしては、例えばインスリン,成長ホルモン,ナトリウム利尿ペプチド,ガストリン,プロラクチン,副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),甲状腺刺激ホルモン(TSH),黄体形成ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH),ヒト絨毛ゴナドトロピン(HCG),モチリン,カリクレインなどが挙げられる。ホルモンは、好ましくはインスリン、成長ホルモンである。
【0008】
サイトカインとしては、例えばリンホカイン,モノカインなどが挙げられる。リンホカインとしては、例えばインターフェロン(アルファ,ベータ,ガンマ),インターロイキン(IL−2ないしIL−12)などが挙げられる。モノカインとしては、例えばインターロイキン1(IL−1),腫瘍壊死因子などが挙げられる。サイトカインは、好ましくはリンホカインであり、さらに好ましくはインターフェロン(アルファ,ベータ,ガンマ)である。
造血因子としては、例えばエリスロポエチン,顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF),マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF),トロンボポエチン,血小板増殖刺激因子,メガカリオサイトポテンシエーターなどが挙げられる。
増殖因子としては、例えば塩基性あるいは酸性の繊維芽細胞増殖因子(FGF)あるいはこれらのファミリー(例、FGF−9など),神経細胞増殖因子(NGF)あるいはこれらのファミリー,インスリン様成長因子(例、IGF−1,IGF−2など),骨増殖に関与する因子(BMP)あるいはこれらのファミリーなどが挙げられる。
酵素としては、例えばスーパーオキシドディスミュターゼ(SOD),ティシュープラスミノーゲンアクティベーター(TPA)などが挙げられる。
可溶性受容体としては、可溶性インターロイキン6(IL−6)受容体,インスリン様成長因子結合タンパク質(IGFBP),可溶性腫瘍壊死因子受容体,可溶性上皮成長因子受容体,可溶性インターロイキン1受容体などが挙げられる。
可溶化受容体としては、公知の受容体、例えばインターロイキン1受容体,インターロイキン6受容体,腫瘍壊死因子受容体,ファス(Fas)リガンド等を遺伝子工学的手法で可溶化したもの等が挙げられる。
抗体としては、例えばヒトモノクーナル抗体,マウス由来の可変部とヒト由来の定常部とからなるヒト−マウスキメラモノクローナル抗体などが挙げられる。抗体のタイプとしては、例えばIgM,IgG,IgEなどが挙げられる。抗原としては、例えば前記抗体によって認識されるものなどが挙げられ、さらに血小板、ウイルスなども挙げられる。
血液凝固因子としては、例えば第VIII因子などが挙げられる。
接着因子としては、フィブロネクチン,ICAM−1などが挙げられる。
生理活性物質としては、さらにエンドセリン,Arg-Gly-Asp-Ser (RGDS)、脳下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)なども挙げられる。
【0009】
生理活性物質は、水溶性多価金属塩と接触させることにより、生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩に変換される。
水溶性多価金属塩における多価金属としては、例えばII価、III価あるいはIV価の金属が挙げられ、具体的にはアルカリ土類金属(例、カルシウム、マグネシウム等)、遷移金属〔鉄(II価、III価)、銅(II価)、亜鉛(II価)等〕、IIIb属金属〔アルミニウム(II価、III価)等〕、IVb属金属〔スズ(II価、IV価)等〕等が挙げられる。多価金属は、好ましくはアルカリ土類金属または遷移金属、更に好ましくは亜鉛またはカルシウム、特に好ましくは亜鉛である。
水溶性多価金属塩としては、多価金属と酸との塩、例えば多価金属と無機酸との塩または多価金属と有機酸との塩が挙げられる。
多価金属と酸との塩は、好ましくは常温(20℃)で水に対する溶解度が約20mg/ml以上の塩、さらに好ましくは溶解度が約100mg/ml以上の塩、特に好ましくは溶解度が約200mg/ml以上の塩である。
多価金属と無機酸との塩における無機酸としては、例えば塩酸,硫酸,硝酸,チオシアン酸が挙げられる。
多価金属と有機酸との塩における有機酸としては、例えば脂肪族カルボン酸,芳香族酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸は、好ましくは炭素数2ないし9の脂肪族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸としては、例えば脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族トリカルボン酸等が挙げられる。これらの脂肪族カルボン酸は、飽和あるいは不飽和のいずれであってもよい。
【0010】
脂肪族モノカルボン酸としては、例えば炭素数2ないし9の飽和脂肪族モノカルボン酸(例、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸等)および炭素数2ないし9の不飽和脂肪族モノカルボン酸(例、アクリル酸、プロピオール酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等)が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば炭素数2ないし9の飽和脂肪族ジカルボン酸(例、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸等)および炭素数2ないし9の不飽和脂肪族ジカルボン酸(例、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸等)が挙げられる。
脂肪族トリカルボン酸としては、例えば炭素数2ないし9の飽和脂肪族トリカルボン酸(例、トリカルバリル酸、1、2、3−ブタントリカルボン酸等)が挙げられる。
上記した脂肪族カルボン酸は、水酸基を1ないし2個有していてもよく、このような例としては、例えばグリコール酸、乳酸、グリセリン酸、タルトロン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸は、好ましくは脂肪族モノカルボン酸である。脂肪族カルボン酸は、さらに好ましくは炭素数2ないし9の脂肪族モノカルボン酸、特に好ましくは炭素数2ないし3の飽和脂肪族モノカルボン酸である。脂肪族カルボン酸の特に好ましい具体例としては、例えば酢酸等が挙げられる。
芳香族酸としては、例えば安息香酸、サリチル酸等が挙げられ、好ましくは安息香酸である。
【0011】
多価金属と無機酸との塩、すなわち無機酸多価金属塩の具体例を挙げれば、例えばハロゲン化塩(例、塩化亜鉛、塩化カルシウム)、硫酸塩、硝酸塩、チオシアン酸塩等である。
多価金属と脂肪族カルボン酸との塩、すなわち脂肪族カルボン酸多価金属塩の具体例を挙げれば、例えば酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、プロピオン酸カルシウム、グリコール酸亜鉛、乳酸カルシウム、乳酸亜鉛、酒石酸亜鉛である。脂肪族カルボン酸多価金属塩の好ましい例を挙げれば、例えば酢酸カルシウム、酢酸亜鉛である。特に好ましい具体例を挙げれば酢酸亜鉛等である。
多価金属と芳香族酸との塩、すなわち芳香族酸多価金属塩の具体例を挙げれば、例えば安息香酸塩、サリチル酸塩等である。特に好ましい具体例を挙げれば安息香酸亜鉛である。
【0012】
生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩は、生理活性物質と水溶性多価金属塩とを溶媒中で混合することにより製造される。混合操作は、好ましくは水中で行われる。
生理活性物質と水溶性多価金属塩とを水中で混合する際の量比(モル比)は、例えば1:1ないし1:1000、好ましくは1:1ないし1:100、より好ましくは1:1ないし1:50、特に好ましくは1:1ないし1:10である。また、両者の水中における濃度は、それぞれ単独の溶解度範囲内で、生成する複合体の溶解度以上の濃度であればよい。
上記混合時の水溶液のpHは、生理活性物質の生理活性を損なわず、また、生理活性物質および水溶性多価金属塩それぞれの溶解性を極端に下げないpHが採用される。混合操作は、通常蒸留水中で行われるが、必要に応じて弱酸性、中性または弱アルカリ性に調整した水中で行ってもよい。
本発明における水不溶性または水難溶性とは不可逆的なものではなく、可逆的であり、水に対する溶解度が非常に低いことを意味する。水に対する溶解度としては通常の温度(20℃)において約0ないし約0.1%(w/w)、さらに好ましくは約0ないし約0.01%(w/w)である。
このようにして得られた生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩は、必要に応じて真空乾燥あるいは凍結乾燥した後用いられる。
本発明の徐放性製剤中、生理活性物質の水難溶性多価金属塩の含量は、一般的に約0.1%(w/w)ないし約50%(w/w)、好ましくは約1%(w/w)ないし約30%(w/w)である。
【0013】
生体内分解性ポリマーとしては、水に難溶または不溶である高分子重合物、例えば脂肪族ポリエステル〔例、α−ヒドロキシカルボン酸類(例、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、ヒドロキシジカルボン酸類(例、リンゴ酸等)、ヒドロキシトリカルボン酸(例、クエン酸等)等の1種以上から合成された単独重合体、共重合体、あるいはこれらの混合物〕、ポリ−α−シアノアクリル酸エステル、ポリアミノ酸(例、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸等)が挙げられる。これらは、適宜の割合で混合して用いてもよい。重合の形式はランダム、ブロック、グラフトの何れでもよい。
生体内分解性ポリマーは、好ましくは脂肪族ポリエステル〔例、α−ヒドロキシカルボン酸類(例、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)、ヒドロキシジカルボン酸類(例、リンゴ酸等)、ヒドロキシトリカルボン酸(例、クエン酸等)等の1種以上から合成された単独重合体、共重合体、あるいはこれらの混合物〕である。
上記した脂肪族ポリエステル中、α−ヒドロキシカルボン酸類(例、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)の1種以上から合成された単独重合体、共重合体が確実な生体内分解性および生体適合性の観点から好ましい。脂肪族ポリエステルは、特に好ましくはα−ヒドロキシカルボン酸類(例、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸等)の1種以上から合成された共重合体である。また、これらの共重合体は混合して使用されてもよい。
本発明における生体内分解性ポリマーは、自体公知の方法により製造される。
【0014】
上記α−ヒドロキシカルボン酸類はD−体、L−体、およびD、L−体の何れでもよいが、D−体/L−体(モル/モル%)が約75/25ないし約25/75の範囲のものが好ましい。D−体/L−体(モル/モル%)は、さらに好ましくは約60/40ないし約30/70である。
上記α−ヒドロキシカルボン酸類の共重合体の例としてはグリコール酸と他のα−ヒドロキシ酸類との共重合体が挙げられ、該α−ヒドロキシ酸類としては乳酸、2−ヒドロキシ酪酸が好ましい。
α−ヒドロキシカルボン酸類の共重合体は、好ましくは乳酸−グリコール酸共重合体または2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体である。
α−ヒドロキシカルボン酸類の共重合体は、特に好ましくは乳酸−グリコール酸共重合体である。
【0015】
乳酸−グリコール酸共重合体において、その組成比(乳酸/グリコール酸)(モル/モル%)は約100/0ないし約40/60が好ましい。該組成比は、さらに好ましくは約90/10ないし約45/55である。組成比は、特に好ましくは約80/40ないし約45/55である。乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量は約3,000ないし約20,000、好ましくは約3,000ないし約14,000、さらに好ましくは約3,000ないし12,000である。
また、乳酸−グリコール酸共重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は約1.2から約4.0が好ましい。さらに好ましくは、約1.5から約3.5である。
乳酸−グリコール酸共重合体は、自体公知の製造法、例えば特開昭61−28521号公報に記載の方法に従って合成できる。該共重合体は無触媒脱水重縮合で合成されたものが好ましい。
2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体において、グリコール酸が約10ないし約75モル%、残りが2−ヒドロキシ酪酸である場合が好ましい。さらに好ましくは、グリコール酸が約20ないし約75モル%の場合である。特に好ましくは、グリコール酸が約30ないし約70モル%の場合である。2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量は、約2,000ないし約20,000が好ましい。2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は約1.2ないし4.0が好ましい。分散度は、特に好ましくは約1.5ないし3.5である。2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体は公知の製造法、例えば特開昭61−28521号公報に記載の方法に従って合成できる。該共重合体は無触媒脱水重縮合で合成されたものが好ましい。
上記α−ヒドロキシカルボン酸類の単独重合体の好ましい例としては乳酸の単独重合体が挙げられる。
乳酸単独重合体の重量平均分子量は約3,000ないし約20,000、好ましくは約3,000ないし約14,000である。
乳酸単独重合体は、自体公知の製造法、例えば特開昭61−28521号公報に記載の方法に従って合成できる。該単独重合体は無触媒脱水重縮合で合成されたものが好ましい。
【0016】
上記した2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体は、さらにポリ乳酸と混合して使用してもよい。該ポリ乳酸としては、D−体、L−体およびこれらの混合物の何れでもよいが、D−体/L−体(モル/モル%)が約75/25ないし約20/80の範囲のものが好ましい。D−体/L−体(モル/モル%)は、さらに好ましくは約60/40ないし約25/75である。D−体/L−体(モル/モル%)は、特に好ましくは約55/45ないし約25/75である。該ポリ乳酸の重量平均分子量は、約1,500ないし約20,000、好ましくは約1,500ないし約10,000である。また、ポリ乳酸の分散度は約1.2ないし約4.0が好ましい。分散度は、特に好ましくは約1.5ないし約3.5である。
ポリ乳酸の製造法については、乳酸の二量体であるラクタイドを開環重合する方法と乳酸を脱水重縮合する方法が知られている。本発明で使用する比較的低分子のポリ乳酸を得るためには、乳酸を直接脱水重縮合する方法が好ましい。該方法は、例えば特開昭61−28521号公報に記載されている。
2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合体とポリ乳酸とを混合して使用する場合、その混合比は例えば約10/90ないし約90/10(重量%)である。混合比は、好ましくは約20/80ないし約80/20である。混合比は、さらに好ましくは約30/70ないし70/30である。
【0017】
本明細書中、重量平均分子量とは、重量平均分子量が120,000、52,000、22,000、9,200、5,050、2,950、1,050、580、162の9種類のポリスチレンを基準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の分子量をいう。GPC測定により数平均分子量も計算される。分散度は重量平均分子量と数平均分子量とから計算される。GPC測定はGPCカラムKF804L x 2(昭和電工製)、RIモニターL−3300(日立製作所製)を使用し、移動相としてクロロホルムを用いた。
【0018】
上記した無触媒脱水重縮合で合成される共重合体は、一般的に末端に遊離のカルボキシル基を有する。
本発明において、生体内分解性ポリマーは、好ましくは末端に遊離のカルボキシル基を有する。
末端に遊離のカルボキシル基を有する生体内分解性ポリマーとは、GPC測定による数平均分子量と末端基定量による数平均分子量とがほぼ一致する生体内分解性ポリマーである。
末端基定量による数平均分子量は、以下のようにして算出される。
約1gないし3gの生体内分解性ポリマーをアセトン(25 ml)とメタノール(5 ml)との混合溶媒に溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてこの溶液中のカルボキシル基を0.05 N アルコール性水酸化カリウム溶液で室温での撹拌下、速やかに滴定して末端基定量による数平均分子量を次式で算出した。
末端基定量による数平均分子量 = 20,000 A/B
A:生体内分解性ポリマーの質量 (g)
B:滴定終点までに添加した 0.05 N アルコール性水酸化カリウム溶液 (ml)
例えば、1種類以上のα-ヒドロキシ酸類から無触媒脱水重縮合法で合成され、末端に遊離のカルボキシル基を有する重合体では、GPC測定による数平均分子量と末端基定量による数平均分子量とがほぼ一致する。これに対し、環状二量体から触媒を用いて開環重合法で合成され、末端に遊離カルボキシル基を本質的には有しない重合体では、末端基定量による数平均分子量がGPC測定による数平均分子量を大きく上回る。この相違によって末端に遊離のカルボキシル基を有する重合体は末端に遊離カルボキシル基を有しない重合体と明確に区別することができる。
【0019】
末端基定量による数平均分子量が絶対値であるのに対してGPC測定による数平均分子量は各種分析、解析条件(例えば移動相の種類、カラムの種類、基準物質、スライス幅の選択、ベースラインの選択等)によって変動する相対値であるため、一義的な数値化は困難であるが、例えばGPC測定による数平均分子量と末端基定量による数平均分子量とがほぼ一致するとは、末端基定量による数平均分子量がGPC測定による数平均分子量の約0.5倍ないし約2倍の範囲内であることをいう。好ましくは、約0.8倍ないし約1.5倍の範囲内であることをいう。また、末端基定量による数平均分子量がGPC測定による数平均分子量を大きく上回るとは、末端基定量による数平均分子量がGPC測定による数平均分子量の約2倍を越える場合をいう。
【0020】
本発明の徐放性製剤は、生理活性物質と水溶性多価金属塩とを混合して得られる生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩を生体内分解性ポリマーに分散または溶解させることによって製造される。徐放性製剤の製造法としては、例えば水中乾燥法、相分離法、噴霧乾燥法あるいはこれらに準ずる方法などが挙げられる。
以下に、徐放性製剤として、例えばマイクロカプセルを製造する場合の製造方法について記述する。
【0021】
(イ)水中乾燥法(o/w法)
本方法においては、まず生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を作製する。本発明の徐放性製剤の製造の際に使用する有機溶媒は、沸点が120℃以下であることが好ましい。該有機溶媒としては、例えばハロゲン化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等)、アルコール類(エタノール、メタノール)、アセトニトリル等が挙げられる。これらは適宜の割合で混合して用いてもよい。有機溶媒は、好ましくはジクロロメタン、アセトニトリルである。有機溶媒は、特に好ましくはジクロロメタンである。生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度は、生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類などによって異なるが、一般的には約0.01ないし約80%(w/w)から選ばれる。さらに好ましくは約0.1ないし約70%(w/w)、特に好ましくは約1ないし約60%である。
このようにして得られた生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中に、生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩を、必要により凍結乾燥あるいは真空乾燥した後、添加し、溶解させる。この際、複合体の添加量は、複合体:生体内分解性ポリマーの重量比の上限が約1:2まで、好ましくは約1:3までとなるようにする。
ついで、このようにして調製された有機溶媒溶液をさらに水相中に加えて、タービン型攪拌機などを用いてo/wエマルションを形成させた後、油相溶媒を蒸発させ、マイクロカプセルを製造する。この際の水相体積は一般的には油相体積の約1倍ないし約10,000倍から選ばれる。さらに好ましくは、約2倍ないし約5,000倍から選ばれる。特に好ましくは、約5倍ないし約2,000倍から選ばれる。
上記外水相中に乳化剤を加えてもよい。該乳化剤は、一般的に安定なo/wエマルションを形成できるものであれば何れでもよい。乳化剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸などが挙げられる。これらは適宜組み合わせて使用してもよい。外水相中の乳化剤の濃度は、好ましくは約0.001%ないし20%(w/w)である。さらに好ましくは約0.01%ないし10%(w/w)、特に好ましくは約0.05%ないし5%(w/w)である。
上記したo/w法においては、複合体を生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中に分散させる方法、すなわちs/o/w法によりマイクロカプセルを製造してもよい。
【0022】
(ロ)水中乾燥法(w/o/w法)
本方法においては、まず生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液を製造する。この際、生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液中の濃度は、生体内分解性ポリマーの分子量、有機溶媒の種類などによって異なるが、一般的には約0.01ないし約80%(w/w)から選ばれる。さらに好ましくは約0.1ないし約70%(w/w)、特に好ましくは約1ないし約60%である。内水相として複合体の水分散液を使用する。複合体の水分散液中の濃度は、例えば約10%(w/v)ないし約90%(w/v)である。上記した複合体の水分散液を生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液に乳化,分散し、w/oエマルションを製造する。乳化操作は、公知の分散方法により行われる。乳化操作は、例えばタービン型撹拌機、ホモジナイザー等を用いて行われる。この際、内水相と生体内分解性ポリマーの重量比の上限が約1:2まで、好ましくは約1:3までとなるようにする。内水相と生体内分解性ポリマーの有機溶媒溶液との比率は1:1,000(v/v)ないし1:1(v/v)、好ましくは1:100(v/v)ないし1:5(v/v)、特に好ましくは1:50(v/v)ないし1:5(v/v)である。
ついでこのようにして製造されたw/oエマルションをさらに水相中に加えて、w/o/wエマルションを製造し、油相溶媒を蒸発させマイクロカプセルを製造する。具体的操作は上記(イ)に準ずる。
【0023】
本発明で用いられる徐放性製剤は微粒子状であることが好ましい。なぜならば徐放性製剤は、通常の皮下あるいは筋肉内注射に使用される注射針を通して投与される方が、患者に対し過度の苦痛を与えることがないからである。該徐放性製剤の粒子径は、例えば平均粒子径として約0.1ないし300μm、好ましくは約1ないし150μm、特に好ましくは約2ないし100μmである。
本明細書中、微粒子状の徐放性製剤を、マイクロカプセルと称することもある。
マイクロカプセルはマイクロスフィアと称することもある。
【0024】
本発明の徐放性製剤は、例えばマイクロカプセルとして、あるいはマイクロカプセルを原料物質として種々の剤形に製剤化し、非経口剤(例、筋肉内、皮下、臓器などへの注射剤または埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮などへの経粘膜剤等)、経口剤(例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、軟カプセル剤等)、顆粒剤、散剤等の固形製剤、懸濁剤等の液剤等)などとして投与することができる。
本発明において、徐放性製剤は特に注射用であることが好ましい。例えば、徐放性製剤がマイクロカプセルである場合、マイクロカプセルを分散剤(例、Tween 80、HCO-60 等の界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒアルロン酸等の多糖類など)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベンなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)等と共に水性懸濁剤とすることにより実用的な注射用徐放製剤が得られる。また、ゴマ油、コーン油などの植物油あるいはこれにレシチンなどのりん脂質を混合したもの、あるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、ミグリオール812)と共に分散して油性懸濁剤として実際に使用できる徐放性注射剤とする。
【0025】
徐放性製剤が例えばマイクロカプセルである場合、マイクロカプセルの粒子径は、懸濁注射剤として使用する場合にはその分散度、通針性を満足する範囲であればよく、例えば平均粒子径として約0.1ないし約300μmの範囲が挙げられる。粒子径は、好ましくは約1ないし約150μm、特に好ましくは約2ないし約100μmの範囲である。
上記したマイクロカプセルを無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする方法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
【0026】
本発明の徐放性製剤は、低毒性で哺乳動物(例、ヒト、牛、豚、犬、ネコ、マウス、ラット、ウサギ等)に対して安全に用いることができる。
本発明の徐放性製剤の適応は、使用する生理活性物質により異なる。本発明の徐放性製剤は、生理活性物質が例えばインスリンである場合には糖尿病などの治療または予防に、インターフェロンアルファである場合には腎癌,C型肝炎などの治療または予防に、エリスロポエチンである場合には貧血などの治療または予防に、成長ホルモンである場合には発育不全などの治療または予防に、顆粒球コロニー刺激因子である場合には癌化学療法後の好中球減少症などの治療または予防に有効である。また、生理活性物質がエリスロポエチンである場合、本発明の徐放性製剤は、自己血輸血のための造血促進にも有効である。
徐放性製剤の投与量は、生理活性物質の種類と含量、放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって種々異なるが、生理活性物質の有効量であればよい。該生理活性物質の1回当たりの投与量としては、例えば徐放性製剤が1週間型製剤である場合、好ましくは、成人1人、約 0.0001 ないし10mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約 0.0005 ないし1mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。
徐放性製剤の投与量は、成人1人、1回当たり好ましくは、約 0.0005 ないし50 mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。さらに好ましくは約 0.0025 ないし10mg/kg体重の範囲から適宜選ぶことができる。投与回数は、1週間に1回、2週間に1回,4週間に1回等、生理活性物質の種類と含量、剤型、放出の持続時間、対象疾病、対象動物などによって適宜選ぶことができる。
本発明の製剤の保存は常温あるいは冷所に保存されるが、好ましくは冷所である。ここでいう常温あるいは冷所とは日本薬局方において定義されるものである。すなわち、常温とは15ないし25℃を、冷所とは15℃以下を意味する。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
参考例1
0.5gの豚インスリン(27.3U/mg、ディオシンス社、オランダ))を100mM水酸化ナトリウム水溶液22mlに溶解させた溶液と、1gの酢酸亜鉛(2水和物)を10mlの蒸留水に溶解させた溶液を混合し、室温で1時間放置した。約3,000 rpm で遠心分離操作を行ない(05PR-22、日立製作所)上清を捨てた。これを再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行った。上清を捨てた後、少量の蒸留水を加えて凍結乾燥し、約1gの粗豚インスリン亜鉛塩を乾燥粉末として得た。
得られた粉末中のインスリン含量を調べるため、30%アセトニトリルを含有する50mMのEDTA溶液で3時間振とうして抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量した。その結果、乾燥粉末100mgあたり豚インスリンを47.6mg含有していた。
【0028】
参考例2
40%水酸化カリウム水溶液168mlとエチルエーテル1,000mlの混液に氷冷撹拌下、ニトロソエチル尿素104gを少しずつ加えた。生じた黄色のエーテル層を分液し、粒状の水酸化カリウムを加え乾燥した。ついで水酸化カリウムを除去し、ジアゾエタン溶液約900mlを得た。
重量平均分子量約5,800の乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=50/50(モル/モル%))、130gを塩化メチレン1,900mlに溶解し、撹拌冷却した。氷冷下、上記したジアゾエタン溶液を滴下し、その後室温下2時間撹拌した。一夜放置後、溶媒を減圧留去し、残留物を室温で真空乾燥することにより、乳酸−グリコール酸共重合体のエチルエステル131gを得た。
【0029】
参考例3
1mgのヒト成長ホルモン(バイオテクノロジー・ジェネラル社、米国)を0.9mlの蒸留水に溶解した溶液に、9.98、29.43、49.88、69.84、79.81または99.77μgの酢酸亜鉛(二水和物)を100μlの蒸留水に溶解した水溶液を混合した。亜鉛/成長ホルモンのモル比はそれぞれ1、3、5、7、8、10である。このモル比が5の時には成長ホルモンの約60%が沈殿し、7以上ではほぼ100%の成長ホルモンが沈殿した。
【0030】
実施例1
インターフェロンアルファ水溶液200ml(400億国際単位を含有)に酢酸亜鉛(2水和物)水溶液1ml(200mg/ml)と1規定水酸化ナトリウム1mlを加えて、混合後4℃にて一晩静置した。3,000rpmで遠心分離後、不溶性の複合体を回収し、凍結乾燥して、約200mgの粗インターフェロンアルファ亜鉛塩を得た。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸比=50/50、分子量5800、和光純薬製)1.5gと参考例2で得られた乳酸−グリコール酸共重合体のエチルエステル1.5gをジクロロメタン4mlに溶解した溶液に、前記した粗インターフェロンアルファ亜鉛塩200mgを添加し、ホモジナイザー(ポリトロン)で約30秒間攪拌し、s/oエマルションを得た。得られたs/oエマルションを予め18℃に調節しておいた0.1% (w/w) ポリビニルアルコール(EG-40、日本合成化学製)水溶液700ml 中に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、6,000 rpm でs/o/wエマルションとした。このs/o/wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ、油相を固化させた。ついで、約2,000 rpm で遠心分離操作を行ない(05PR-22、日立製作所)上清を捨てた。得られる残渣を再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行った。捕集されたマイクロカプセルにD−マンニトール50mgを加え、さらに少量の蒸留水を加えて再分散した後、この分散液を凍結乾燥して粉末状のマイクロカプセルを得た。
【0031】
実施例2
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸=75/25(モル/モル%)、重量平均分子量13,585、数平均分子量 4,413、和光純薬工業製)3.6gにジクロロメタン6.6g(5ml) を加えて溶解した。また参考例1で得られた粗豚インスリン亜鉛塩420mg(豚インスリンを200mg含有)をジクロロメタン6.6g(5ml) に分散し、両者を混合した後、ホモジナイザー(ポリトロン)で約10秒間攪拌し、s/oエマルションを得た。得られたs/oエマルションを予め18℃に調節しておいた0.1% (w/w) ポリビニルアルコール(EG-40、日本合成化学製)水溶液800ml中に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、6,000 rpm でs/o/wエマルションとした。このs/o/wエマルションを室温で3時間撹拌してジクロロメタンを揮散させ、油相を固化させた。ついで、約2,000 rpm で遠心分離操作を行ない(05PR-22、日立製作所)上清を捨てた 。得られる残渣を再び蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行った。捕集されたマイクロカプセルにD−マンニトール50mgを加え、さらに少量の蒸留水を加えて再分散した後、この分散液を凍結乾燥して粉末状のマイクロカプセルを得た(約3グラム回収)。
得られたマイクロカプセル中のインスリン含量を調べるため、30%アセトニトリルを含有する50mMのEDTA溶液で3時間振とうして抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量した。その結果、マイクロカプセル100mgあたりインスリンを6.2mg含有していた。
【0032】
実施例3
エリスロポエチン注射液(エスポーTM 注射液3000、三共株式会社製)8ml(12000国際単位を含有)に塩化亜鉛1gを少量づつ加え、室温で1時間放置した。得られる混合液を3,000rpmで遠心分離し、沈殿物を蒸留水に再度分散したのち、さらに遠心分離により沈殿物を得た。該沈殿物に少量の蒸留水を加えて凍結乾燥し、粗エリスロポエチン亜鉛塩と粗アルブミン亜鉛塩との混合物60mgを粉末として得た。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸比=50/50、分子量14000、和光純薬製)0.5gをジクロロメタン1.5mlに溶解した溶液に、前記した粗エリスロポエチン亜鉛塩と粗アルブミン亜鉛塩との混合物60mgを添加し、ホモジナイザー(ポリトロン)で約30秒間攪拌しs/oエマルションを得た。ついで、実施例1と同様にして粉末状のマイクロカプセル152mgを得た。
【0033】
実施例4
ヒト成長ホルモン(ジェノトロピンTM 16IU、住友製薬株式会社製)を蒸留水1mlに溶解し、さらに塩化亜鉛水溶液(10mg/ml)100μlを加え、室温で1時間放置した。得られる混合液を遠心分離し、沈殿物を蒸留水に再度分散したのち、さらに遠心分離により沈殿物を得た。該沈殿物に少量の蒸留水を加えて凍結乾燥し、粗ヒト成長ホルモン亜鉛塩5.6mgを粉末として得た。乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸比=75/25、分子量9,800、和光純薬製)0.5gをジクロロメタン1.5mlに溶解した溶液に、前記した粗ヒト成長ホルモン亜鉛塩5.6mgを添加し、ホモジナイザー(ポリトロン)で約30秒間攪拌しs/oエマルションを得た。ついで、実施例1と同様にして粉末状のマイクロカプセル121mgを得た。
【0034】
実施例5
顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)注射液〔フィルグラスチンノイポージェン(Filgrastin Neupogen)(商品名)、アムジェン社,米国〕10ml(3×108国際単位を含有)を希水酸化ナトリウム水溶液で中性にしたのち、塩化亜鉛水溶液(10mg/ml)1mlを加え、室温で1時間放置した。得られる混合液を遠心分離し、沈殿物を蒸留水に再度分散したのち、さらに遠心分離により沈殿物を得た。該沈殿物に少量の蒸留水を加えて凍結乾燥し、粗顆粒球コロニー刺激因子亜鉛塩4mgを粉末として得た。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸比=50/50、分子量8,000、和光純薬製)0.5gをジクロロメタン1.5mlに溶解した溶液に、前記した粗顆粒球コロニー刺激因子亜鉛塩4mgを添加し、ホモジナイザー(ポリトロン)で約30秒間攪拌しs/oエマルションを得た。ついで、実施例1と同様にして粉末状のマイクロカプセル110mgを得た。
【0035】
実施例6
ヒトインスリン(ヒト組換え体インスリン、和光純薬製)5.21mg(26U/mg)を57mM塩酸水溶液0.63mlに溶解した後、0.05N水酸化ナトリウム水溶液0.35mlを加えて、pHが中性付近のヒトインスリン溶液を得た。該ヒトインスリン溶液に酢酸亜鉛水溶液(20mg/ml)0.2mlを加え、4℃で1晩放置した。得られる混合液を約3,000rpmで遠心分離し、沈殿物を蒸留水に再度分散したのち、さらに遠心分離により沈殿物を得た。該沈殿物に少量の蒸留水を加えて凍結乾燥し、粗ヒトインスリン亜鉛塩11mgを粉末として得た。
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸比=50/50、分子量6,000、和光純薬製)0.5gをジクロロメタン1.5mlに溶解した溶液に、前記した粗ヒトインスリン亜鉛塩11mgを添加し、ホモジナイザー(ポリトロン)で約30秒間攪拌しs/oエマルションを得た。ついで、実施例1と同様にして粉末状のマイクロカプセル105mgを得た。
【0036】
比較例
乳酸−グリコール酸共重合体(乳酸/グリコール酸比=50/50、分子量6,000、和光純薬製)0.9gをジクロロメタン1.5mlに溶解した。この溶液に亜鉛をほとんど含まないヒトインスリン100mg(亜鉛含量0.0001%(w/w)以下)を添加し、ボルテックスミキサーにて混合後、ホモジナイザー(ポリトロン)で約10秒間撹拌しs/oエマルションを得た。ついで、実施例1と同様にして粉末状のマイクロカプセル470mgを得た。
得られたマイクロカプセル中のインスリン含量を調べるため、30%アセトニトリルを含有する50mMのEDTA溶液で3時間振とうして抽出し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で定量した。その結果、マイクロカプセル100mgあたりインスリンを8.7mg含有していた。
【0037】
実験例1
実施例2で得られた粉末状のマイクロカプセル323mgを注射用分散媒(蒸留水1mlあたり5mgのカルボキシメチルセルロース、1mgのポリソルベート80、50mgのマンニトールを溶解したもの)1mlに分散し、6週令の雄性SD系ラットの背部に皮下投与した(インスリン投与量:一匹あたり約20mg)。投与後、経時的に尾部より採血し、血清中の豚インスリン濃度を酵素免疫学的手法(EIA)(三光純薬製)で測定した。その結果、投与後1週間以上、血清中に活性を持つ豚インスリンが検出された。
【0038】
実験例2
実施例4で得られたマイクロカプセル70mgを注射用分散媒(5gのカルボキシメチルセルロース、2gのポリソルベート80および50gのマンニトールを蒸留水1Lに溶解した溶液)0.5mlに分散して、6週齢雄性SDラットの背部に皮下投与した(成長ホルモン投与量:一匹あたり約3mg)。投与後、経時的に尾部より採血し、血清中の成長ホルモン濃度をラジオイムノアッセイ(RIA)で測定した。その結果、投与後1週間以上、血清中に活性を持つ成長ホルモンが検出された。
【0039】
比較実験例
比較例で得られた粉末状のマイクロカプセル154.7mgを注射用分散媒(蒸留水1mlあたり5mgのカルボキシメチルセルロース、1mgのポリソルベート80、50mgのマンニトールを溶解したもの)1.75mlに分散し、6週令の雄性SD系ラットの背部皮下投与した(インスリン投与量:一匹あたり約44mg)。投与後、経時的に尾部より採血し、血清中のヒトインスリン濃度を酵素免疫学的手法(EIA)で測定した。その結果、投与後1日目以降は、血清中にインスリンは、ほとんど検出されなかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、生理活性物質の封入効率を高め、投与後初期の漏出を抑制した徐放性製剤が得られる。また、本発明の徐放性製剤は、生体内投与後に生理活性物質の生物活性を保持したまま徐放できる。さらに、徐放性製剤中の生理活性物質が長期間にわたって安定に保たれ、生物活性の損失が少ない。

Claims (22)

  1. エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩と生体内分解性ポリマーとを含有してなる徐放性製剤であって、エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩は、水に対する溶解度が20℃において0ないし0.01%(w/w)で、酸性基を持つ生理活性物質またはその水溶性塩と、水溶性多価金属塩との組み合わせで形成されたものであり、エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩の製剤中の含量が0.1ないし50%(w/w)である徐放性製剤。
  2. 生理活性物質が水溶性ペプチドまたはその誘導体である請求項1記載の徐放性製剤。
  3. ペプチドがホルモン、サイトカイン、増血因子、増殖因子、酵素、可溶性または可溶化受容体、抗体、ペプチド性抗原、血液凝固因子または接着因子である請求項2記載の徐放性製剤。
  4. 生理活性物質がホルモンである請求項1記載の徐放性製剤。
  5. ホルモンが成長ホルモンである請求項4記載の徐放性製剤。
  6. ホルモンがインスリンである請求項4記載の徐放性製剤。
  7. 生理活性物質がサイトカインである請求項1記載の徐放性製剤。
  8. サイトカインがインターフェロンである請求項7記載の徐放性製剤。
  9. 生理活性物質が増殖因子である請求項1記載の徐放性製剤。
  10. 多価金属塩が遷移金属塩である請求項1記載の徐放性製剤。
  11. 多価金属塩が亜鉛塩である請求項1記載の徐放性製剤。
  12. 生体内分解性ポリマーが脂肪族ポリエステルである請求項1記載の徐放性製剤。
  13. 脂肪族ポリエステルが乳酸及びグリコール酸の重合体である請求項12記載の徐放性製剤。
  14. 乳酸及びグリコール酸の組成比(モル/モル%)が100/0ないし40/60である請求項13記載の徐放性製剤。
  15. 重合体の重量平均分子量が3,000ないし20,000である請求項13記載の徐放性製剤。
  16. 脂肪族ポリエステルが乳酸の単独重合物である請求項12記載の徐放性製剤。
  17. 単独重合物の重量平均分子量が3,000ないし20,000である請求項16記載の徐放性製剤。
  18. マイクロカプセルである請求項記載の徐放性製剤。
  19. マイクロカプセルが注射用である請求項18記載の徐放性製剤。
  20. 注射用である請求項1記載の徐放性製剤。
  21. 請求項1記載の徐放性製剤の製造のためのエンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩および生体内分解性ポリマーの使用
  22. エンドセリン拮抗物質を除く水溶性ペプチド性生理活性物質の水不溶性または水難溶性多価金属塩を生体内分解性ポリマーを含む油相に分散しs/o型エマルションを調製し、得られたs/o型エマルションを水相に添加しs/o/w型エマルションを調製し、次いで得られたs/o/w型エマルションを水中乾燥に付すことを特徴とする請求項1記載の徐放性製剤の製造法
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