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JP3883140B2 - 吸水性樹脂凝集体及びシート状吸水体の製造方法 - Google Patents

吸水性樹脂凝集体及びシート状吸水体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吸水性樹脂凝集体及びシート状吸水体の製造方法に関する。さらに詳しくは、ブロック状あるいはシート状などに成形して用いることが出来る吸水性樹脂凝集体の製造方法及び繊維との併用によるシート状吸水体の製造方法に関するものであり、吸水性樹脂の製造及び応用技術に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、吸水性樹脂は、生理用品、紙おむつ、使い捨て雑巾などの衛生用品や保水剤、土壌改質剤などの農園芸用品として、また汚泥の固化、建材の露結防止、油脂中の脱水などの様々な分野で利用されてきている。
この様に広い用途を有する吸水性樹脂の主成分としては、アクリル酸塩重合体架橋物、澱粉−アクリル酸グラフト共重合体、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合体の加水分解物、ポリオキシエチレン架橋物、カルボキシメチルセルロース架橋物などが挙げられ、また現実に幅広く用いられている。
これらを成分とする吸水性樹脂は、一般に、逆相懸濁重合、逆相乳化重合、水溶液重合などの方法によって合成された重合体を、そのまま乾燥して製品とされたものか、重合体を乾燥したのち粉砕して得られる粒子に、粒子表面の架橋密度を高めるために後処理(後架橋)が施され、或いはさらに粉体の吸湿によるブロッキング性を抑制するためのブロッキング防止剤が添加されて製品とされているものである。
その様にして製造される吸水性樹脂は、現在主に粉末体で供給されており、例えば紙おむつなどに使用する場合にはシート状の基材の上に散布、あるいはパルプと均一に混合して使用されている。
しかしながら、紙おむつの吸水能力を大きくするために、紙おむつ中の吸水性樹脂量を大幅に増加すると、吸水性樹脂粉末のパルプやティッシュに対する接着性が悪くなって、おむつ内で樹脂が偏り使用時の不快感を増大させてしまうという問題を引き起こしてしまう。この点を改良するために、すなわち接着性を向上させるために、各種接着剤を併用する、パルプのエンボス加工を高温度で行うなどとという処置を講ずると吸水性樹脂の吸水能力や吸水速度等の性能を低下してしまうという問題が発生する。
さらに、多くの吸水性樹脂は、紙おむつ製造時や土木用として土壌に添加する際、あるいは様々な用途で紙袋などから容器に移し替えるときなどに微粉末が飛散するため、作業環境上の問題を発生させている。
【0003】
そこで、上記の問題点を解決する一つの手段として、吸水性樹脂粉末の粒度を調整するということが提案され、従来の吸水性樹脂粉末に対する様々な造粒・凝集方法が提供されてきているが、いずれも完全に満足し得る手段とは言えないものである。
例えば、特開昭62−132936号公報や特開平2−308820号公報に示される様に、バインダーを用いて微粉末を造粒・凝集する方法が提案されており、バインダーとして、粉末状無機物質の二酸化珪素、水溶性高分子のポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、澱粉、セルロース等が開示されている。
しかしながら、水溶液をバインダーとして用いる方法は、粘結造粒されるべき吸水性樹脂粉末が急速に水溶液を吸収して、高密度の大きな塊を形成し易く、均一な造粒・凝集物を得ることが困難な方法である。
上記問題を解決する他の方法として、特開昭61−97333号公報や特開昭61−101536号公報では、高速回転パドル型混合機や気流型混合機等の特定の混合機を用いて高吸水性樹脂粉末と水性液とを混合して造粒・凝集する方法、特公平7−62073号公報では、気流によって分散された樹脂粉末と水性液とを並流状態で接触させて造粒・凝集する方法が提案されている。
しかしながら、上述の何れの方法も粉末粒子間の接着力が弱いために造粒・凝集効果が少なく、造粒物の回収率が極めて低いため効率的な処理という点に問題を残すものである。
また、特開平7−290446号公報には高分子化合物の造粒・凝集方法として、乾式造粒機を用いて高分子粒子を板状に圧縮成型した後、解砕機により解砕する方法が提案され、乾式造粒機及び解砕機の装置に関しての開示がある。
これらの装置は、ポリエステルのメチレンクロライド発泡質微粒子や、有機染料のメチルエチルケトン溶液等からの乾燥粉末、その他、接着性の高い原料粉体に対して有効な乾式造粒装置ではあるが、ブロッキング防止剤が添加されて粉体の接着性が低下させられている吸水性樹脂粉末では、その接着性の低さのために、前記乾式造粒機を用いて圧縮しても板状の成型物が得られず、微粉末の状態のままで排出されてしまい、この乾式造粒法での吸水性樹脂粉末の造粒・凝集は通常の条件では不可能である。
さらにこうした問題を解決するために、特許第2552171号公報で吸水性樹脂にパルプや粘土などを併用して造粒成形し、製品化する方法が提案されているが、押出造粒機などを用いて吸水性樹脂を造粒成形する場合、吸水性樹脂は容易に水を吸収して膨潤し、比重が軽くなってしまうことと、近年のゲル表面に濡れ感を与えないように設計された吸水性樹脂は、粘性がなくパサパサして他の物質と接着し難いということのために造粒、特に100μm以上の粒径を持つ吸水性樹脂粉末あるいは顆粒物にすることは容易なことではなく、さらに、強力な圧力と熱を加えて作成した吸水性樹脂造粒物は、吸水に関与する表面積が著しく低下することが多く、吸水性樹脂本来の吸水速度を損なうという問題を生じさせている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等は、上記従来の吸水性樹脂の造粒・凝集方法について検討し、従来の方法が有している問題点を解消した新しい吸水性樹脂の造粒・凝集方法を提供することを目的として研究を行ったのである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、適度に吸水した吸水性樹脂が親水性有機溶剤に接触すると容易に凝集し、得られた吸水性樹脂凝集体は吸水速度、吸水量、成形性に優れたものであることを見出して本発明を完成したのである。
すなわち本発明は、吸水した吸水性樹脂粒子に親水性有機溶剤を添加することにより前記粒子を凝集させることを特徴とする吸水性樹脂凝集体の製造方法に関するものであり、特に重量比で1/100から2倍の水を吸水した100重量部の吸水性樹脂粒子に親水性有機溶剤50重量部以上を添加することにより前記粒子を凝集させることを特徴とする吸水性樹脂凝集体の製造方法、更には吸水性樹脂粒子を繊維と共存させてシート状となし、該粒子を上記吸水性樹脂凝集体の製造方法で凝集体とすることを特徴とするシート状吸水体の製造方法に関するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる吸水性樹脂粒子としては、上述した従来公知のもののいずれもが挙げられるが、水に対して数十倍以上の吸水能力を有する樹脂で、例えばポリアクリル酸部分軽金属微架橋物、デンプン−アクリロニトリル・グラフト共重合体微架橋物、アクリル酸−ビニルアルコール共重合体微架橋物、無水マレイン酸−ポリビニルアルコール共重合体微架橋物、酢酸ビニル−アクリル酸メチル共重合体ケン化物、架橋ポリエチレンオキサイド変性物等からなるものが好ましいものとして挙げられる。
用いられる吸水性樹脂粒子の粒子径に関しても特に限定されるものはなく、例えば大凡直径5mm以下の粒子状、フレーク状のものは問題なく本発明に供することができ、もちろん微粉末の粒子にも適用される。
【0007】
本発明において用いられる吸水性樹脂粒子は吸水しているものであることが必要であり、吸水は吸水性樹脂粒子に水を添加することによりなされるものであり、水の添加量としては吸水性樹脂粒子100重量部に対し水1〜200重量部であるのが好ましく、より好ましくは10〜100重量部である。添加する水の量が吸水性樹脂粒子100重量部に対し1重量部を下回ると、樹脂粒子同士の凝集力がその後の成形に耐えることが出来ない恐れがあり、200重量部を超える様になると、吸水性樹脂の飽和吸水量を越え、吸水性樹脂は膨潤状態となり粒子同士の吸着力がなく凝集しない恐れがある。
水の添加方法については、実質的に吸水性樹脂粒子と水とを接触させることが可能な方法であれば特に限定はなく、水の入った容器中に吸水性樹脂粒子を投入する方法、混合機内で流動状態にある吸水性樹脂粒子に噴霧、滴下等を行っても良い。
【0008】
以上の様にして吸水した吸水性樹脂粒子に、親水性有機溶剤を加えることによって、本発明の目的とする吸水性樹脂凝集体が得られるのである。
この場合に用いられる親水性有機溶剤の具体例としては、アセトン、アセチルアセトン、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、アセトニトリルなどが挙げられる。これらの親水性有機溶剤は単独で使用することも、2種類以上を混合して使用することもできる。
親水性有機溶剤のなかでも、吸水性樹脂粒子に対して自己吸着能力を発現させる能力の大きいものは、親水性有機溶剤の添加温度における比誘電率が35以下のものであり、その様な比誘電率を有する親水性有機溶剤が本発明に好ましく、より好ましくは比誘電率が30以下の親水性有機溶剤が用いられる。
比誘電率が低い親水性有機溶剤は水分子が吸水性樹脂粒子間の吸着を促すのを電気的に補助する働きを示すと考えられ、本発明においては比誘電率がなるべく低い親水性有機溶剤を使用することが好ましく、比誘電率が19〜21のアセトン、n-プロパノール、イソプロパノール等は比誘電率が25のエタノールよりも本発明にとり好ましい。
比誘電率は一般的に温度上昇とともに低下するので、使用する溶剤の温度を上げることによって当該溶剤の非誘電率を低下させて使用する方法も、吸着力を強める方向に働き本発明にとり好ましい方法である。すなわち、比誘電率が常温で35を超えている親水性有機溶剤も、暖めることによって誘電率が35以下になった場合は本発明にとり好ましいものとなる。また、アセトニトリルなど、加水分解によって誘電率が下がる可能性のある有機溶剤も、その物自体の非誘電率が35を超えても使用できる場合がある。
親水性有機溶剤の添加量は、吸水性樹脂粒子表面の親水性基と吸着に関与する吸水性樹脂粒子の吸水量の割合に応じて調整されなければならないが、一般的には吸水性樹脂粒子100重量部に対して親水性有機溶剤を50重量部以上、好ましくは親水性有機溶剤を100〜500重量部添加使用される。吸水性樹脂100重量部に対して加える親水性有機溶剤の量が50重量部未満であると、吸着は可能であるものの、乾燥後に造粒物が容易に解砕されてしまう恐れがあり、親水性有機溶剤の量が多すぎると、凝集物製造後の親水性有機溶剤の処理などの面で、経済的に好ましくない。
親水性有機溶剤の添加方法について格別の手段はなく、混合機等により吸水性樹脂粒子攪拌下に親水性有機溶剤を添加する方法が一般的に用いられる。
【0009】
本発明により得られる吸水性樹脂凝集体は、必要によって増量剤などの他の物質を添加して造粒・成形することができる。例えば、紙おむつやペットシーツなどに使用される場合は不織布やパルプなど、土壌改良材や土木工事用薬剤として使用される場合はベントナイトなどの粘土や肥料など、吸水性樹脂粒子の吸着を阻害しないものであれば形状、組成、大きさなどに関わらず共に使用することができる。
必要によって増量剤等を混合した吸水性樹脂凝集体を得る際の、吸水性樹脂と増量剤を混合する際における混合順序については格別な手段は存在しないが、増量剤と吸水性樹脂が均一に配合された造粒・凝集体を望む場合は、増量剤と吸水性樹脂を予め混合する必要がある。
一般に、水と有機溶剤とにより凝集した吸水性樹脂凝集体は、乾燥した後に使用されるが、乾燥以前の可撓性のある段階でも成形することができる。乾燥には、樹脂に取り込まれた有機溶剤を除去するため、当初室温付近で減圧乾燥することが好ましい。
本発明により得られた吸水性樹脂凝集体を用いると、紙おむつ、生理用品、尿取りパッド、ペットシートなどの吸水シートや、猫砂、農業用土壌改良材などの粘土やパルプとの混合造粒物を容易に作成することができる。
本発明で得られた吸水性樹脂凝集体を用い吸水シートを製造する方法としては、種々挙げられるが、一例としては、例えば粉砕パルプ気流中に吸水性樹脂粒子を添加し、ティッシュペーパー等のシート基材上に混合ウエブを形成する。この混合ウエブに水を添加して吸水性樹脂粒子に吸水させ、その後有機溶剤を添加して吸水性樹脂粒子を凝集させ、加圧脱溶媒、乾燥等の工程を経てシート状吸水体とする方法が挙げられる。
【0010】
【作用】
本発明において、水の添加により、吸水性樹脂粒子表面のカルボキシル基、スルホン酸基などの親水基が配向し、その後、親水性有機溶剤と接触することによりそれらの親水基同士が吸着し、結果として吸水性樹脂が造粒・凝集するという作用が奏されるものと思われる。
これらの作用は、有機溶剤添加後に水を加えた場合、又は水と有機溶剤とを同時に添加した場合にも多少認められ、それなりの凝集体が得られるが、凝集強度の強いものを得ることは不可能である。
【0011】
【実施例】
以下実施例により、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水50重量部を添加して吸水させた後、20℃の温度条件下にアセトン(比誘電率20.7)200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例2
20℃の温度条件下でアクリル酸及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の共重合体の部分軽金属塩を主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水50重量部を添加して吸水させた後、イソプロピルアルコール(比誘電率20.3)200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。実施例3
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水10重量部を添加して吸水させた後、アセトン50重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例4
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水10重量部を添加して吸水させた後、アセトン200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例5
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水200重量部を添加して吸水させた後、アセトン200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例6
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水50重量部を添加して吸水させた後、エチルアルコール(比誘電率24.6)200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例7
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水50重量部を添加して吸水させた後、アセトン100重量部、イソプロピルアルコール100重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例8
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水50重量部を添加して吸水させた後、アセトニトリル(比誘電率37.5)200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。
得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例9
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に水50重量部を添加して吸水させた後、40℃に加温したエチルアルコール(40℃での比誘電率22.2)200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
実施例10
20℃の温度条件下でアクリル酸ナトリウムを主成分とする微粉末上吸水性樹脂(100mesh篩下)80重量部に微細化した木粉20重量部を加えて良くかき混ぜた後水50重量部を添加して吸水させた。さらにエチルアルコール200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜた。得られたガム状の吸水性樹脂凝集体を3時間真空乾燥した後以下の評価試験を行った。
【0012】
比較例1
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に、水50重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜて吸水させて得た吸水性樹脂を3時間真空乾燥して以下の評価試験に供した。
比較例2
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に、アセトン200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜて得た吸水性樹脂を3時間真空乾燥して以下の評価試験に供した。
比較例3
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に、水とアセトンの混合溶剤(1/1)を200重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜて吸水させて得た吸水性樹脂を3時間真空乾燥して以下の評価試験に供した。
比較例4
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)100重量部に、アセトン200重量部を加えた後、水50重量部を加え、スパーテルで軽くかき混ぜて得た吸水性樹脂を3時間真空乾燥して以下の評価試験に供した。
比較例5
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)80重量部に、微細化した木粉20重量部を加えて良くかき混ぜた後、水100重量部を加えて吸水させて得た吸水性樹脂をφ3.2mmの排出口のついたミートチョッパーに入れて押し出し成形して得た吸水性樹脂を130℃で3時間加熱乾燥して以下の評価試験に供した。
比較例6
アクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下)20重量部に、ベントナイト10重量部、建設用骨材70重量部を加えて良くかき混ぜた後、水100重量部を加えて吸水させて得た吸水性樹脂をφ3.2mmの排出口のついたミートチョッパーに入れて押し出し成形して得た吸水性樹脂を130℃で3時間加熱乾燥して以下の評価試験に供した。
【0013】
評価試験
上記の様にして得た実施例1〜実施例10の吸水性樹脂凝集体及び比較例1〜比較例6の吸水性樹脂並びにアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下/ブランク1)及びアクリル酸及び2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の共重合体の部分軽金属塩を主成分とする吸水性樹脂粒子(14mesh篩下/ブランク2)について以下の方法で評価試験を行い、その結果を表1に示す。
【0014】
○吸水量測定方法
1,000mlの0.9%生理食塩水中に幅10cm、高さ15cmの200メッシュ濾布からなる袋を浸漬し、15分間吊して水切りした後、重量を測定し、この袋の空重量(W0)とする。この袋の中へ、サンプル1.00gを入れ、再度1,000mlの0.9%生理食塩水中に浸漬し、1時間後袋を取り出し、15分間水切りした後に重量を測定する(W1)。
吸水量(g/g)=W1−W0
○吸水速度測定方法
100mlビーカーにサンプル2.00gを入れ、そこへ、25℃に調整した0.9%生理食塩水50mlを静かに加え、ストップウォッチをスタートさせる。サンプルが膨潤し、液が樹脂表面から無くなるまでの時間を測定する。
○凝集力評価
目視及び触感により以下の様に区分けした。
5:非常に固い凝集
4:固い凝集
3:良好
2:弱い
1:粉末状態
【0015】
【表1】
Figure 0003883140
【0016】
実施例11
木材パルプシート(ウェアハウザー製サーザンパインKPパルプ)を粉砕し、そのパルプ気流中にアクリル酸ナトリウムを主成分とする吸水性樹脂粒子(100〜140メッシュ品)を添加して、ティッシュペーパー上に130g/m2の吸水性樹脂粒子と150g/m2のパルプを含む混合ウェブを形成した。
この混合ウェブを上下プラスチックネットにはさみ、プラスチックパットに入れてイオン交換水を100g/m2相当霧状にして上下にスプレイして、約1分間放置後、アセトンを300g/m2相当分スプレイして添加後、加圧脱溶媒乾燥した。得られたシートは厚い不織布状の形態を示し、折り畳んでも破れないシート状となっていた。このシートを分解し、吸水性樹脂の形状を調べた。吸水性樹脂は粒状の形態にはなく、ホットメルト接着剤の溶融状態に似た形状で、パルプと強く結合していた。
実施例12
片面起毛処理をしたTCF不織布(二村化学製#403)に実施例1に用いた吸水性樹脂粒子150g/m2相当分をメッシュをバイブレートしながら均一にまぶし、これをパット内において吸水性樹脂面に約100g/m2相当分の水分をスプレーし1分間放置した。吸水性樹脂は一部膨潤したが粒子状態を保っていた。この状態の吸水性樹脂粒子に500g/m2相当分のアセトンを添加し、1分間放置後、脱溶媒、乾燥を行った。表面の吸水性樹脂はスポンジ状の形態をとって不織布に強固に結合していた。吸水性樹脂表面にセロテープの粘着部を当て剥離テストを試みたが、不織布からの剥離もなく、また吸水性樹脂の剥離も観察されなかった

【0017】
【発明の効果】
本発明により、すなわち吸水性樹脂に水を吸水させた後親水性有機溶剤と混ぜることによって、吸水性樹脂凝集体が容易に得られ、凝集物を成形する場合などを除いて、圧力、熱、バインダー等を要しない。また、粒径の大きなものから細かなものまで、更に粒子径が不均一でも容易に凝集化することができる。
こうして得られた吸水性樹脂凝集体は、その後の造粒や成形が容易なものであり、微粉末も存在しないことから、吸水性樹脂粉末取扱作業場の作業環境を著しく改善するものである。
さらに本発明で得られる吸水性樹脂凝集体は、特に強い力を加えることがない限り、その凝集形状が崩れることはなく、凝集することによって従来損なわれてきた吸水速度や吸水量もほとんど凝集以前と変わることなく、吸水性樹脂としての特性を十分に発揮するものである。

Claims (5)

  1. 吸水した吸水性樹脂粒子に親水性有機溶剤を添加することにより前記粒子を凝集させる、吸水性樹脂凝集体の製造方法であって、
    重量比で1/100から2倍の水を吸水した100重量部の吸水性樹脂粒子に親水性有機溶剤を100〜500重量部添加することにより前記粒子を凝集させることを特徴とする吸水性樹脂凝集体の製造方法。
  2. 前記親水性有機溶剤は、アセトン、アセチルアセトン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びアセトニトリルからなる群から選択された1種類以上の溶剤であることを特徴とする請求項1に記載の吸水性樹脂凝集体の製造方法。
  3. 前記親水性有機溶剤の比誘電率は、該親水性有機溶剤の前記吸水性樹脂粒子への添加時の温度において、35以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸水性樹脂凝集体の製造方法。
  4. 前記親水性有機溶剤は、アセトン、n−プロパノール及びイソプロパノールからなる群から選択された1種類以上の溶剤であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の吸水性樹脂凝集体の製造方法。
  5. 吸水性樹脂粒子を繊維と共存させてシート状となし、該粒子を請求項1乃至のいずれか一項に記載の吸水性樹脂凝集体の製造方法で凝集体とすることを特徴とするシート状吸収体の製造方法。
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